説明

バイオガスの生物脱硫装置

【課題】高い硫化水素除去性能を有し、低ランニングコストで安全運転がバイオガスの生物脱硫装置を提供することを課題とする。
【解決手段】有機性廃水の嫌気性消化によって生成したバイオガスの脱硫を行うバイオガスの生物脱硫装置であって、内部に微生物を保持させた充填材が配置され,処理ガス及び排水を排出する生物脱硫塔11と、この生物脱硫塔内で散水を行う散水装置13と、有機性廃水を嫌気性消化処理する嫌気性消化処理槽16と、この嫌気性消化処理槽の下流側に配置された,活性汚泥処理と固液分離処理を行う好気処理機構22とを具備し、好気処理水24を散水装置13に供給するとともに、排水処理槽16からのバイオガス15を空気とともに生物脱硫塔11に供給することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバイオガスの生物脱硫装置に関し、特に下水や産業排水等の有機性排水の嫌気性消化処理で発生するバイオガスの生物脱硫装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知の如く、下水や産業排水等の有機性排水の嫌気性消化処理で発生するバイオガス中には、腐食性の硫化水素が数百〜数万ppm含まれている。バイオガスは、ガス中の硫化水素を除去(脱硫)することでガスボイラー等の燃料として用いることができる。ここで、脱硫方法の1つに生物脱硫方法がある。生物脱硫の原理は、微生物に水と硫化水素と酸素を供給することで、微生物が硫化水素を硫黄若しくは硫酸塩に変えることによりバイオガスから除去され、排水として排出されるものである。微生物は硫黄酸化細菌と呼ばれている。
【0003】
図5は、生物脱硫の原理を示す概略図である。図中の符番1は、供給された有機性廃水2を嫌気性消化処理する廃水処理槽を示す。この廃水処理槽1の上部からはバイオガス3が生成され、側部からは消化液が排出される。前記廃水処理槽1には、配管を介して充填材4が配置された生物脱硫塔5に接続されている。充填材4の内部には微生物が保持されている。脱硫塔4の下部側には、バイオガス供給装置6が配置されている。前記配管には空気7が供給され、バイオガス供給装置5からバイオガス3及び空気7が噴出される。生物脱硫塔5の上部からは処理ガス8が排出され、底部からは排水9が排出される。
【0004】
生物脱硫方法として、有機性廃液が硝化脱窒された硝化液を脱硫塔内に散布する方法(特許文献1)、曝気槽の活性汚泥を脱硫槽に供給する方法(例えば、特許文献2)、酸化槽の処理水を吸収液として用い、気液接触部で硫化水素を吸収液に吸収し、酸化槽で吸収液中の硫化物を酸化分解する方法(例えば、特許文献3,4)が知られている。
【0005】
特許文献1の段落[0029]には、「脱硫菌濃度が高い硝化液を使用するため脱硫効率を高く保持することができる」との記述がある。特許文献2の段落[0011]には、「活性汚泥は微生物密度が高いため、水に微生物を分散させた場合と比較して効率的に脱硫できる」との記述がある。しかし生物脱硫反応は硫化水素と水との気液接触で反応が進むため、高い硫化水素除去性能を得るためには、高濃度の微生物のみでは十分でなく、高い気液接触面積が必要と考えられる。高い気液接触面積を得るためには比表面積の大きな充填材を用いる方法があるが、高濃度の微生物を含んだ硝化液や活性汚泥を用いると充填材は目詰まりしやすいという問題がある。
【0006】
特許文献2,3,4では、生物脱硫反応に必要な酸素の供給を、有機性排水の好気処理槽の曝気で兼用している。しかし、この場合、好気処理槽の曝気で供給された空気中の酸素が有機物の除去に用いられたか、生物脱硫反応に用いられたかが明確でない。そのため、生物脱硫の管理が難しく、特に好気処理槽の有機性排水の負荷が増大した場合には、生物脱硫反応に用いられる酸素量が減少し、脱硫効率が低下する恐れがある。
【特許文献1】特開2004−135579公報
【特許文献2】特開2003−62421公報
【特許文献3】特開2002−79034公報
【特許文献4】特許第3235231号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、高い硫化水素除去性能を有し、低ランニングコストで安全運転が可能なバイオガスの生物脱硫装置を提供することを目的とする。また、本発明は、本発明の生物脱硫装置を採用する嫌気性消化処理を含む処理プロセス全体の運転及びランニングコストに悪影響を及ぼさないバイオガスの生物脱硫装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 本発明のバイオガスの生物脱硫装置は、有機性廃水の嫌気性消化によって生成したバイオガスの脱硫を行うバイオガスの生物脱硫装置であって、内部に微生物を保持させた充填材が配置され,処理ガス及び排水を排出する生物脱硫塔と、この生物脱硫塔内で散水を行う散水装置と、有機性廃水を嫌気性消化処理する嫌気性消化処理槽と、この嫌気性消化処理槽の下流側に配置された,活性汚泥処理と固液分離処理を行う好気処理機構とを具備し、好気処理機構からの好気処理水を前記散水装置に供給するとともに、嫌気性消化処理槽からのバイオガスを空気とともに生物脱硫塔に供給することを特徴とする。
【0009】
(2) 本発明のバイオガスの生物脱硫装置は、下水の好気処理において固液分離処理で発生する余剰汚泥の嫌気性消化によって生成したバイオガスの脱硫を行うバイオガスの生物脱硫装置であって、内部に微生物を保持させた充填材が配置され,処理ガス及び排水を排出する生物脱硫塔と、この生物脱硫塔内で散水を行う散水装置と、下水の活性汚泥処理と固液分離処理を行う好気処理機構と、この好気処理機構の下流側に配置された,余剰汚泥が収容される余剰汚泥貯留槽と、この余剰汚泥貯留槽の下流側に配置された,余剰汚泥を好気性処理する嫌気性消化処理槽とを具備し、好気処理機構からの好気処理水を前記散水装置に供給するとともに、嫌気性消化処理槽からのバイオガスを空気とともに生物脱硫塔に供給することを特徴とする。
【0010】
(3) 本発明のバイオガスの生物脱硫装置は、下水の好気処理において固液分離処理で発生する余剰汚泥の嫌気性消化によって生成したバイオガスの脱硫を行うバイオガスの生物脱硫装置であって、内部に微生物を保持させた充填材が配置され,処理ガス及び排水を排出する生物脱硫塔と、この生物脱硫塔内で散水を行う散水装置と、下水の活性汚泥処理と固液分離処理を行う好気処理機構と、この好気処理機構の下流側に配置され,余剰汚泥が収容される余剰汚泥貯留槽と、この余剰汚泥貯留槽の下流側に配置された,余剰汚泥を好気性処理する嫌気性消化処理槽と、この嫌気性消化処理槽の下流側に配置された脱水装置とを具備し、脱水装置からの脱離液と好気処理機構からの好気処理水を前記散水装置に供給するとともに、嫌気性消化処理槽からのバイオガスを空気とともに生物脱硫塔に供給することを特徴とする。
【0011】
(4) 本発明のバイオガスの生物脱硫装置は、下水の好気処理において固液分離処理で発生する余剰汚泥の嫌気性消化によって生成したバイオガスの脱硫を行うバイオガスの生物脱硫装置であって、内部に微生物を保持させた充填材が配置され,処理ガス及び排水を排出する生物脱硫塔と、この生物脱硫塔内で散水を行う散水装置と、下水の活性汚泥処理と固液分離処理を行う好気処理機構と、この好気処理機構の下流側に配置され,余剰汚泥が収容される余剰汚泥貯留槽と、この余剰汚泥貯留槽の下流側に配置された,余剰汚泥を好気性処理する嫌気性消化処理槽と、この嫌気性消化処理槽の下流側に配置された脱水装置とを具備し、脱水装置からの脱離液を前記散水装置に供給するとともに、嫌気性消化処理槽からのバイオガスを空気とともに生物脱硫塔に供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、高い硫化水素除去性能を有し、低ランニングコストで安全運転が可能なバイオガスの生物脱硫装置を提供できる。また、本発明によれば、本発明の生物脱硫装置を採用する嫌気性消化処理を含む処理プロセス全体の運転及びランニングコストに悪影響を及ぼさないバイオガスの生物脱硫装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施形態に係るバイオガスの生物脱硫装置について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態は下記に述べることに限定されない。
(第1の実施形態):請求項1に対応
図1を参照する。図中の符番11は、内部に微生物を保持させた充填材12が配置された生物脱硫塔を示す。この生物脱硫塔11内には、上部に散水を行う散水装置13が配置され、下部にバイオガス供給装置14が配置されている。前記生物脱硫塔11のバイオガス供給装置14には、生物脱硫塔11にバイオガス15を供給する嫌気性消化処理槽16が接続されている。この嫌気性消化処理槽16には有機性廃水17が供給され、嫌気性消化処理槽16からのバイオガス15は空気18とともにバイオガス供給装置14に供給される。
【0014】
前記嫌気性消化処理槽16の下流側には、活性汚泥処理槽19と固液分離処理槽20と散気装置21からなる好気処理機構22が配置されている。活性汚泥処理槽19は、嫌気性消化処理槽16からの硝化液23を活性汚泥処理する機能を有している。固液分離処理槽20は、活性汚泥処理槽19からの廃水を好気処理水24と返送汚泥25とに分離する機能を有している。分離した返送汚泥25は、固液分離処理槽20の底部から活性汚泥処理槽19に戻されて再度処理される。一方、好気処理水24の一部は、生物脱硫塔11の散水装置13から散水される。生物脱硫塔11では、上部から処理ガス26が排出され、下部から排水27が好気処理水24とともに排水される。
【0015】
こうした構成のバイオガスの生物脱硫装置において、生物脱硫反応は生物脱硫塔11に保持した充填材12に担持した微生物によって生物脱硫塔11内で行われる。充填材12は、微生物が付着しやすく且つ比表面積が大きいものを用いる。これにより気液接触面積が確保でき、高い硫化水素除去性能が得られる。
【0016】
また、微生物への水の供給には、図1に示すように固液分離処理槽20を経た好気処理水24を用いる。好気処理水24を生物脱硫塔11内に散水し、そのまま排出する、即ち循環せずに1パスで掛け流しする。好気処理水は、嫌気性消化後の硝化液を活性汚泥処理した後、固液分離処理した水であり、かつ有機物と固形物が除去された水であるので、次の特徴と機能を有する。
【0017】
1) 好気処理水24には固形物がほとんど含まれていないため、好気処理水24を生物脱硫塔11内に散水することで、生物脱硫塔11内の固形物の増加に寄与せず、かえって充填材12の洗浄効果を有するので、充填材12の目詰まりを防止できる。
【0018】
2) 好気処理水24は処理水として排出可能な水質となっている。従って、生物脱硫塔11からの排水27は、わずかに脱硫反応の生成物である硫黄や硫酸塩が増加するだけで、そのまま排出可能な水質を維持しており、廃棄物や追加の処理プロセスが不要で単純なプロセスにできる。また、嫌気性処理プロセスや好気処理プロセスへ影響しない。
【0019】
3) 好気処理水24はある一定温度以上の水温がある。従って、好気処理水24を生物脱硫塔11内に散水することで、天候や既存設備の変動による気温の低下による生物脱硫塔11内の温度の低下を防止できる。また、微生物は温度が低下すると活性が低下するため、微生物の活性低下による硫化水素除去性能の低下を防止できる。更に、保温に必要なエネルギーや保温設備が不要になり、低ランニングコストを実現できる。
【0020】
4) 好気処理水24は活性汚泥や硝化液と比較して水質が安定しているため、脱硫処理の変動因子とならず安定運転が可能である。
【0021】
5) 生物脱硫塔11内のpH低下要因である,脱硫反応の生成物である硫酸が好気処理水24に混合して排出されるため、生物脱硫塔11内のpHが安定し、安置運転が可能となる。また、pHを調整するためのアルカリ剤や付帯設備が不要となり、低ランニングコストにできる。
【0022】
第1の実施形態によれば、活性汚泥や硝化液などの微生物を含んだ水と硫化水素を含むバイオガスを接触させるのではなく、微生物を生物脱硫塔11内の充填材12に保持し、固形物と有機物が除去された好気処理水24を散水することで、高い硫化水素除去性能を維持でき、なおかつ安定運転が低ランニングコストで可能となる。
【0023】
また、脱硫反応に必要な酸素は空気18として供給し、まずバイオガス15に空気18を混合した後、生物脱硫塔11に通気する。従って、容積が大きな生物脱硫塔11に空気18を直接通気する場合に比べ、容積が小さなバイオガスの配管に空気を供給することで、バイオガス15と空気18がよく混合されるため、気体の偏在による硫化水素除去性能の低下が抑制され、安定運転が可能となる。なお、供給する空気量はバイオガス15に含まれる硫化水素濃度の最大値と酸化に必要な酸素量より算出でき、これを超える量を供給することで、必要酸素量の不足による硫化水素除去性能の低下が防止できる。
【0024】
なお、第1の実施形態では、排水27が好気処理水24とともに排水される場合について述べたが、これに限らず、排水27を好気処理水24に返流させずに単独で排水してもよい。このことは他の実施形態の場合も同様である。
【0025】
(第2の実施形態):請求項2に対応
図2を参照する。但し、図1と同部材は同符番を付して説明を省略する。
本実施形態は、下水を好気処理し、その余剰汚泥を嫌気性消化処理する下水プロセスを示す。図中の符番31は下水を示す。また、符番32は余剰汚泥貯留槽を示し、好気処理機構22の一部を構成する固液分離処理槽20の下流側に配置されている。この余剰汚泥貯留槽32には、固液分離処理槽20から余剰汚泥33が供給される。
【0026】
第2の実施形態によれば、下水31を好気処理し、その余剰汚泥33を嫌気性消化処理する下水プロセスにおいて、微生物を生物脱硫塔11内の充填材12に保持し、好気処理機構22で余剰汚泥33が除去された好気処理水24を散水することで、高い硫化水素除去性能を維持でき、なおかつ安定運転が低ランニングコストで可能となる。また、第1の実施形態と同様、気体の偏在による硫化水素除去性能の低下が抑制され、安定運転が可能となる。
【0027】
(第3の実施形態):請求項3に対応
図3を参照する。但し、図1,2と同部材は同符番を付して説明を省略する。
本実施形態は、下水を好気処理し、その余剰汚泥を嫌気性消化処理し、その硝化液を脱水する下水プロセスを示す。図3中の符番34は、嫌気性消化処理槽16の下流側に配置された脱水装置を示す。この脱水装置34からは脱離液35と脱水汚泥36が排出される。ここで、脱離液35とは脱水によって除去された水を示す。脱離液35の一部と好気処理水24は、混合されて散水装置13から散水される。また、脱離液35の残りは活性汚泥処理槽19に戻される。
第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な効果が得られる。また、脱離液35の残りを活性汚泥処理槽19に返流しているので、脱離液35が低減でき、好気処理の与える影響を抑制でき、好気処理の安定運転が可能となる。
【0028】
(第4の実施形態):請求項4に対応
図4を参照する。但し、図1〜図3と同部材は同符番を付して説明を省略する。本実施形態は、下水を好気処理し、その余剰汚泥を嫌気性消化処理し、その硝化液を脱水する下水プロセスを示す。第4の実施形態では、第3の実施形態に対し、脱離液35の一部を散水装置13に供給するとともに、脱離液35の残りと生物脱硫塔11からの排水27を活性汚泥処理槽19へ供給する点が異なる。
第4の実施形態によれば、脱水が十分で脱離液が清澄な場合には、第3の実施形態と同様な効果が得られる。
【0029】
(第5の実施形態):請求項5,6に対応
図6(A),(B)を参照する。ここで、図6(A)は生物脱硫塔の斜視図、図6(B)は生物脱硫塔の一構成である散水装置を生物脱硫塔の頂部から見た概略的な平面図を示す。但し、図1と同部材は同符番を付して説明を省略する。
【0030】
第5の実施形態において、生物脱硫塔11の外面形状は円筒形である。また、散水装置13はシャワーノズルで、生物脱硫塔11の頂部から見て点対称に配置されている。なお、図中の符番41は、散水装置13に連結する配管42に介装された開閉バルブを示す。
【0031】
第5の実施形態によれば、生物脱硫塔11の外面形状を円筒形とすることにより、充填材も円柱形となる。また、シャワーノズルを中心から点対称となるように配置することで、シャワーノズルから外面までの距離が均等になり充填材の濡れ状態が均一になる。従って、ガスの透過性や生成物の剥離等でバラツキが少なくなるとともに、充填材の全ての担体が脱硫に寄与できる。従って、生物脱硫装置の硫化水素の除去性能を長期にわたって高く安定させることができる。
【0032】
第5の実施形態では、散水装置(シャワーノズル)が1つである場合について述べたが、これに限定されない。例えば図7に示すように生物脱硫塔11の頂部から見て2つの散水装置13,13が点対称に配置されていてもよい。また、例えば図8に示すように、生物脱硫塔11の頂部から見て4つの散水装置13が点対称に配置され、各散水装置13が配管42に介装された開閉バルブ41により流量調整された構成にしてもよい。更に、図9(A),(B),(C),(D)に示すように散水装置(シャワーノズル)13が配置された構成にしてもよい。具体的には、図9(A)はシャワーノズル1ヶ(散水機構)とシャワーノズル4ヶ(散水機構)を組み合わせたものである。図9(B)はシャワーノズル4ヶ(散水機構)とシャワーノズル12ヶ(散水機構)の組み合わせ、図9(B)はシャワーノズル4ヶ(散水機構)とシャワーノズル4ヶ(散水機構)の組み合わせ、図9(B)はシャワーノズル4ヶ(散水機構)とシャワーノズル8ヶ(散水機構)の組み合わせである。
【0033】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るバイオガスの生物脱硫装置の概略構成図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係るバイオガスの生物脱硫装置の概略構成図。
【図3】本発明の第3の実施形態に係るバイオガスの生物脱硫装置の概略構成図。
【図4】本発明の第4の実施形態に係るバイオガスの生物脱硫装置の概略構成図。
【図5】従来のバイオガスの生物脱硫装置の概略構成図。
【図6】本発明の第5の実施形態に係るバイオガスの生物脱硫装置の一構成である散水装置の説明図。
【図7】図6の散水装置とは異なる散水装置の説明図。
【図8】図6の散水装置とは異なる他の散水装置の説明図。
【図9】図6の散水装置とは異なる他の散水装置の説明図。
【符号の説明】
【0035】
11…生物脱硫塔、12…充填材、13…散水装置、14…バイオガス供給装置、15…バイオガス、16…嫌気性消化処理槽、17…有機性廃水、18…空気、19…活性汚泥処理槽、20…固液分離処理槽、21…散気装置、22…好気処理機構、23…硝化液、24…好気処理水、25…返送汚泥、26…処理ガス、31…下水、32…余剰汚泥貯留槽、33…余剰汚泥、34…脱水装置、35…脱離液、36…脱水汚泥、41…開閉バルブ、42…開閉バルブ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機性廃水の嫌気性消化によって生成したバイオガスの脱硫を行うバイオガスの生物脱硫装置であって、
内部に微生物を保持させた充填材が配置され,処理ガス及び排水を排出する生物脱硫塔と、この生物脱硫塔内で散水を行う散水装置と、有機性廃水を嫌気性消化処理する嫌気性消化処理槽と、この嫌気性消化処理槽の下流側に配置された,活性汚泥処理と固液分離処理を行う好気処理機構とを具備し、
好気処理機構からの好気処理水を前記散水装置に供給するとともに、嫌気性消化処理槽からのバイオガスを空気とともに生物脱硫塔に供給することを特徴とするバイオガスの生物脱硫装置。
【請求項2】
下水の好気処理において固液分離処理で発生する余剰汚泥の嫌気性消化によって生成したバイオガスの脱硫を行うバイオガスの生物脱硫装置であって、
内部に微生物を保持させた充填材が配置され,処理ガス及び排水を排出する生物脱硫塔と、この生物脱硫塔内で散水を行う散水装置と、下水の活性汚泥処理と固液分離処理を行う好気処理機構と、この好気処理機構の下流側に配置された,余剰汚泥が収容される余剰汚泥貯留槽と、この余剰汚泥貯留槽の下流側に配置された,余剰汚泥を好気性処理する嫌気性消化処理槽とを具備し、
好気処理機構からの好気処理水を前記散水装置に供給するとともに、嫌気性消化処理槽からのバイオガスを空気とともに生物脱硫塔に供給することを特徴とするバイオガスの生物脱硫装置。
【請求項3】
下水の好気処理において固液分離処理で発生する余剰汚泥の嫌気性消化によって生成したバイオガスの脱硫を行うバイオガスの生物脱硫装置であって、
内部に微生物を保持させた充填材が配置され,処理ガス及び排水を排出する生物脱硫塔と、この生物脱硫塔内で散水を行う散水装置と、下水の活性汚泥処理と固液分離処理を行う好気処理機構と、この好気処理機構の下流側に配置され,余剰汚泥が収容される余剰汚泥貯留槽と、この余剰汚泥貯留槽の下流側に配置された,余剰汚泥を好気性処理する嫌気性消化処理槽と、この嫌気性消化処理槽の下流側に配置された脱水装置とを具備し、
脱水装置からの脱離液と好気処理機構からの好気処理水を前記散水装置に供給するとともに、嫌気性消化処理槽からのバイオガスを空気とともに生物脱硫塔に供給することを特徴とするバイオガスの生物脱硫装置。
【請求項4】
下水の好気処理において固液分離処理で発生する余剰汚泥の嫌気性消化によって生成したバイオガスの脱硫を行うバイオガスの生物脱硫装置であって、
内部に微生物を保持させた充填材が配置され,処理ガス及び排水を排出する生物脱硫塔と、この生物脱硫塔内で散水を行う散水装置と、下水の活性汚泥処理と固液分離処理を行う好気処理機構と、この好気処理機構の下流側に配置され,余剰汚泥が収容される余剰汚泥貯留槽と、この余剰汚泥貯留槽の下流側に配置された,余剰汚泥を好気性処理する嫌気性消化処理槽と、この嫌気性消化処理槽の下流側に配置された脱水装置とを具備し、
脱水装置からの脱離液を前記散水装置に供給するとともに、嫌気性消化処理槽からのバイオガスを空気とともに生物脱硫塔に供給することを特徴とするバイオガスの生物脱硫装置。
【請求項5】
前記生物脱硫塔の外面形状は円筒状であり、前記散水装置は1つ以上のシャワーノズルで生物脱硫塔の頂部から見て点対称に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4いずれか一記載のバイオガスの生物脱硫装置。
【請求項6】
前記散水装置は2以上のシャワーノズルであり、これらのシャワーノズルから散水される水の量を調節するバルブを備えていることを特徴とする請求項5記載のバイオガスの生物脱硫装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−208355(P2008−208355A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−19500(P2008−19500)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】