説明

バイオセンサカートリッジの再利用を防止する、バイオセンサカートリッジを使用する生化学測定器

【課題】使用不能なバイオセンサカートリッジの再利用を防止することができる、バイオセンサカートリッジを使用する生化学測定器を提供する。
【解決手段】バイオセンサを含むバイオセンサカートリッジ11が尿糖計本体21に着脱自在に接続されるよう構成されている尿糖計において、バイオセンサカートリッジ11は、ヒューズ100を内蔵し、尿糖計本体21は、そのヒューズ100を検出し且つ溶断する検出兼溶断回路106を有している。バイオセンサカートリッジ11が尿糖計21に接続されて使用されたとき、検出兼溶断回路106がヒューズが導通状態にあることを検出して、新品のバイオセンサカートリッジ11が装着されていることを確認し、ヒューズが非導通状態にあることを検出した場合、使用済みのバイオセンサカートリッジ11が装着されていると判断して、尿糖計本体21の表示装置29に「バイオセンサカートリッジの交換」を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオセンサを利用する尿糖計のような生化学測定器に関するものであり、更に具体的には、バイオセンサカートリッジの再利用を防止する、バイオセンサカートリッジを使用する生化学測定器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
バイオセンサを利用する尿糖計やほかの生化学測定器においては、バイオセンサには、感度のばらつきがあり、それが経時的に変化乃至劣化していき、また、使用開始からの測定回数並びに経過時間に寿命がある。そのため、尿糖計に用いるバイオセンサは、使い捨てではないが、測定回数、使用開始からの経過時間に関して一定の寿命を予め設定している。従って、測定の信頼性を確保するためには、予め設定した測定回数並びに経過時間を越えたら、バイオセンサを交換する必要がある。なお、感度のばらつきに関しては、使用を開始する段階と、一定時間または一定回数毎に較正をする必要がある。
【0003】
従来、家庭用の或るデジタル尿糖計では、バイオセンサの寿命に対して以下のような対策を講じている。尿糖計の本体装置に不揮発性メモリと時間を計測するクロックと表示装置とを搭載し、本体装置にバイオセンサカートリッジを装着した時刻を記録し、本体装置内のクロック機能により、バイオセンサカートリッジを装着した時刻から経過時間を計測する。バイオセンサの寿命に相当する一定期間が過ぎた後に、尿糖計の本体の表示装置にバイオセンサカートリッジの交換の警告を表示すると共に、計測ができなくなるようにして、新しいバイオセンサと交換するように促していた。また、測定した回数をメモリに記憶させ、一定回数を超えたならば、同様に、表示装置にバイオセンサカートリッジの交換の警告を表示すると共に、計測ができなくなるようにして、新しいバイオセンサと交換するように促していた。
【0004】
また、特許第2541081号公報には、採取した血液に浸漬して、糖の酵素反応による電流値の変化から血糖値を測定するバイオセンサが開示されている。この例では、バイオセンサ自体が、バイオセンサを管理するデータ(例えば、バイオセンサの製造年月日、ロット番号、バイオセンサの保存有効期限、バイオセンサ特性などの製造時に記憶する内容)と測定結果(更には、測定した日時、連続使用時間など)を記録するメモリを備えており、例えば、測定時間の積算をデータ記憶用メモリ内の管理データと照合してバイオセンサの使用寿命を使用者に知らせるように構成されている。
【特許文献1】特許第2541081号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述したデジタル尿糖計のような従来の生化学測定器では、バイオセンサ寿命が過ぎた後に、一旦バイオセンサを外し、また取り付けても、本体装置は、既に寿命使用時間又は寿命使用回数が過ぎた使用済みバイオセンサであるのか、未使用の新しいバイオセンサであるのかの判別がつかないため、新しいバイオセンサとして認識し、更に継続使用ができてしまうという欠点があった。バイオセンサは使用中に徐々に性能が劣化していく為に、寿命使用時間又は寿命使用回数を過ぎたバイオセンサの使用は、性能上の問題だけでなく、測定結果が信頼できない。しかし、ユーザが誤って使用済みバイオセンサを一旦外して再度取り付けて使用しても、表面上は正常に動作してしまっていた。
【0006】
また、上述した特許第2541081号公報に開示されているバイオセンサは、バイオセンサ自体がメモリを内蔵して、バイオセンサの製造年月日とバイオセンサの保存有効期限とから、使用期限過ぎであることを知らせることができる。しかし、未使用のまま保存有効期限が経過した場合には有効であるが、使用開始からの測定回数並びに経過時間に寿命がある場合には対応できない。
【0007】
一方、特許第2541081号公報のバイオセンサは、測定専門機関において多量のサンプル血液を処理するためのものであり、大型生化学測定器のバイオセンサ部分であると理解できる。そのために家庭用尿糖計のような家庭用の生化学測定器に関しては全く考慮されていない。
【0008】
また、或る種のバイオセンサでは、異常温度が長時間続いた場合、バイオセンサの性能が劣化して使えなくなる可能性があるが、その対策は取られていなかった。
【0009】
更に、或る種のバイオセンサは、保管中は保存液に浸漬しておく必要があり、保存液から取り出して放置しておくとバイオセンサが乾燥することにより、バイオセンサに重大なダメージを与え、性能を満たせなくなる可能性がある。しかし、従来、その対策も取られていなかった。
【0010】
更に、保存液に浸漬されている状態での測定値が異常値を示した場合、そのバイオセンサは故障している可能性が高いが、異常値を示した時にエラー表示をするのみで、その後に正常値に復帰した場合、故障している可能性が高いにも関わらず、測定できてしまうようになっていた。そのため、ユーザは、測定結果の信頼性に問題があることも知らずに、測定結果を信用して、誤った対策を講じる恐れがあった。
【0011】
そこで、本発明は、使用不能なバイオセンサカートリッジの再利用を防止することができる、バイオセンサカートリッジを使用する生化学測定器を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によるならば、バイオセンサを含むバイオセンサカートリッジが生化学測定器本体に着脱自在に接続されるよう構成されている、バイオセンサカートリッジを使用する生化学測定器において、前記バイオセンサカートリッジは、当該バイオセンサカートリッジが使用済みであることを指示する使用済み指示手段を内蔵しており、前記生化学測定器本体は、前記使用済み指示手段に使用済みを書き込む書込手段を有しており、前記生化学測定器本体の制御手段は、前記使用済み指示手段が使用済みを指示していないバイオセンサカートリッジが前記生化学測定器本体に接続されているとき、前記書込手段により前記使用済み指示手段に使用済みを書き込ませ、一方、前記使用済み指示手段が使用済みを指示しているバイオセンサカートリッジが前記生化学測定器本体に接続されたとき、前記生化学測定器本体の制御手段は、当該バイオセンサカートリッジの前記使用済み指示手段を確認して、前記生化学測定器本体の表示装置に「バイオセンサカートリッジの交換」を表示して、使用済みのバイオセンサカートリッジを使用して測定が行われることを防止することができるように構成されていることを特徴とする生化学測定器が提供される。
【0013】
本発明の実施例において、前記生化学測定器本体の制御手段は、新品のバイオセンサカートリッジが前記生化学測定器本体に接続されているとき、当該書込手段により前記使用済み指示手段に使用済みを書き込ませることができる。
【0014】
かかる態様の場合、本発明の1つの実施例において、前記使用済み指示手段は、ヒューズであり、前記書込手段は、ヒューズ溶断手段であり、当該ヒューズが溶断されている状態が、当該バイオセンサカートリッジが使用済みであることを指示する。
【0015】
前記ヒューズは、前記バイオセンサカートリッジのコネクタ接続検出回路と独立して設けることも、又は、前記バイオセンサカートリッジのコネクタ接続検出回路を兼ねることも可能である。
【0016】
本発明の別の1つの実施例において、前記使用済み指示手段は、不揮発性メモリであり、当該不揮発性メモリに使用済みと書き込まれている状態が、当該バイオセンサカートリッジが使用済みであることを指示する。
【0017】
本発明の更に別の1つの実施例において、前記生化学測定器本体の制御手段は、前記書込手段により前記使用済み指示手段に使用済みを書き込ませたとき、前記生化学測定器本体内の記憶手段に、前記バイオセンサカートリッジの識別番号及び管理情報を書き込み、使用されたことがあるバイオセンサカートリッジ生化学測定器本体に装着した場合、たとえ前記使用済み指示手段が使用済みを指示していても、装着されているバイオセンサカートリッジの識別番号が、前記生化学測定器本体内の記憶手段に記憶されているバイオセンサカートリッジの識別番号と一致し、前記生化学測定器本体内の記憶手段に記憶されている前記管理情報から、当該バイオセンサカートリッジが使用寿命に達していないと判断される場合、前記生化学測定器本体の表示装置に「バイオセンサカートリッジの交換」を表示させないことも可能である。
【0018】
本発明の更に別の1つの実施例において、前記使用済み指示手段は、前記バイオセンサカートリッジのバイオセンサ自体であり、前記書込手段は、過電流供給手段であり、当該バイオセンサが前記過電流供給手段により破壊されている状態が、当該バイオセンサカートリッジが使用済みであることを指示する。
【0019】
本発明の別の態様において、前記生化学測定器本体の制御手段は、装着されているバイオセンサカートリッジが使用寿命に達したとき、当該バイオセンサカートリッジが使用済みであると見做して、前記バイオセンサを前記過電流供給手段により破壊する。
【0020】
本発明の好ましい実施例において、前記生化学測定器は尿糖計である。
【0021】
更に、本発明によるならば、バイオセンサを含むバイオセンサカートリッジが着脱自在に接続されるよう構成されている、バイオセンサカートリッジを使用する生化学測定器において、前記バイオセンサカートリッジは、当該バイオセンサカートリッジが前記生化学測定器に接続されている状態において、前記生化学測定器から読み書き可能な不揮発性の記憶手段を有しており、前記バイオセンサカートリッジが前記生化学測定器に接続されている状態において、前記生化学測定器は、前記不揮発性の記憶手段にアクセスして、前記バイオセンサカートリッジが使用可能かどうか判断するための情報を読み取り、前記バイオセンサカートリッジが使用可能でない場合には、前記生化学測定器の表示装置に「バイオセンサカートリッジの交換」を表示するように構成されていることを特徴とする、バイオセンサカートリッジを使用する生化学測定器が提供される。
【0022】
本発明の1つの態様において、前記生化学測定器は、前記不揮発性の記憶手段に、使用開始からの経過時間を決定できる情報を書き込み、且つ測定のたびに、記憶されている使用回数を増分することができ、少なくとも前記生化学測定器の電源を投入したとき、前記不揮発性の記憶手段にアクセスして、前記バイオセンサカートリッジに係わる、使用開始からの経過時間を決定できる情報及び使用回数を読み出し、使用開始からの経過時間又は使用回数が上限に達している場合には、前記生化学測定器の表示装置に「バイオセンサカートリッジの交換」を表示するように構成されている。
【0023】
本発明のもう1つの態様において、前記生化学測定器は、前記不揮発性の記憶手段にエラー状態を書き込み、少なくとも前記生化学測定器の電源を投入したとき、前記不揮発性の記憶手段にアクセスして、前記バイオセンサカートリッジに係わるエラー情報を読み出し、読み出したエラー情報が前記バイオセンサカートリッジの使用不能を意味している場合には、前記生化学測定器の表示装置に「バイオセンサカートリッジの交換」を表示する。
【0024】
本発明の更にもう1つの態様において、前記バイオセンサカートリッジは、温度検出手段を有しており、前記生化学測定器は、前記温度検出手段によりバイオセンサの温度を測定し、温度測定値が、下限温度以下の場合には、前記不揮発性の記憶手段に設定された低温用カウンタを増分し、温度測定値が、上限温度以上の場合には、前記不揮発性の記憶手段に設定された高温用カウンタを増分し、前記低温用カウンタ又は前記高温用カウンタが所定の値に達したとき、前記生化学測定器の表示装置に「バイオセンサカートリッジの交換」を表示する。
【0025】
上記した態様において、好ましくは、前記生化学測定器は、前記バイオセンサカートリッジのバイオセンサが保存液内に浸漬されているかどうか検出する手段を有しており、前記バイオセンサが保存液内に浸漬されていることを検出してから所定の時間が経過してから、前記温度検出手段によるバイオセンサの温度の前記測定を行う。
【0026】
本発明の更にもう1つの態様において、前記生化学測定器は、前記バイオセンサカートリッジのバイオセンサが保存液内に浸漬されているかどうか検出する手段を有しており、所定の時間以上前記バイオセンサが保存液内に浸漬されていないことを検出したときには、前記不揮発性の記憶手段にエラー情報を書き込むと共に、前記生化学測定器の表示装置に「バイオセンサカートリッジの交換」を表示する。
【0027】
本発明の更にもう1つの態様において、前記生化学測定器は、前記バイオセンサカートリッジのバイオセンサが保存液内に浸漬されている状態において、前記バイオセンサカートリッジのバイオセンサに電圧を印加してその電流値を測定し、その測定電流値が異常を表している場合、前記不揮発性の記憶手段にエラー情報を書き込むと共に、前記生化学測定器の表示装置に「バイオセンサカートリッジの交換」を表示する。
【0028】
本発明の更にもう1つの態様において、前記生化学測定器は、前記不揮発性の記憶手段に、前記バイオセンサカートリッジのバイオセンサが保存液内に浸漬されている状態の積算時間を書き込み、少なくとも前記生化学測定器の電源を投入したとき、前記不揮発性の記憶手段にアクセスして、浸漬されている状態の前記積算時間を読み出し、前記積算時間が所定時間を越えている場合には、前記生化学測定器の表示装置に「バイオセンサカートリッジの交換」を表示する。
【0029】
本発明の更にもう1つの態様において、前記生化学測定器は、前記不揮発性の記憶手段に、バイオセンサのための較正係数、較正時点の経過時間、較正用測定回数を書き込む。
【0030】
上記した本発明の様々な態様において、好ましくは、前記不揮発性の記憶手段は、前記バイオセンサカートリッジ内に設けられている不揮発性メモリである。
【発明の効果】
【0031】
上記した本発明によるならば、一回でも使用されたバイオセンサカートリッジが装着された場合には、使用済み指示手段が「バイオセンサカートリッジが使用済みである」ことを指示しているので、バイオセンサカートリッジが新品でないとして、交換が指示される。この場合、好ましくは、生化学測定器は測定不能状態にされる。従って、使用済みバイオセンサカートリッジが誤って再使用されることは決して生じない。
【0032】
上記した本発明によるならば、バイオセンサカートリッジ(例えば、その中に収容されているバイオセンサ基板)に、センサ装着からの経過時間及び測定回数を記憶させる不揮発性メモリを設けることにより、いったんセンサを外し、また取り付けても、既にセンサ寿命が過ぎたセンサか否かの判断が付き、誤使用(不正使用)を防ぐことができる。
【0033】
異常温度に長時間さらされた場合、センサが保存液ボトルに収納されていない状態で放置された場合、センサが保存液に浸漬されている状態で測定値がセンサ異常であるとされた場合、いったんセンサを外し、また取り付けても、センサの性能が劣化した可能性が大であるか否かの判断が付き、誤使用(不正使用)を防ぐことができる。
【実施例】
【0034】
以下、本発明を適用した生化学測定器として家庭用デジタル尿糖計を例に本発明を説明する。なお、一般家庭で使用可能なデジタル尿糖計は、既に市販されており、また、様々なデジタル尿糖計が多くの特許出願で既に提案されている。本発明を適用した家庭用デジタル尿糖計において、尿糖測定に係わるその心臓部分は、従来公知のものであり、例えば、本件出願人の以下の特許文献ほかに開示されているので、特許文献をここに引用して、尿糖測定に係わる詳細な説明は省略する。
【特許文献2】特開2006−047125公報
【特許文献3】特開2006−153849公報
【0035】
実施例1
図1及び図2は、本発明を実施する尿糖計の外観図であり、図3は電気的な構成を示すブロック図であり、図4は表示部の表示形態を示す部分拡大図である。
【0036】
図示の尿糖計1は、図1に示すように、尿中糖分を電気化学的に検出するバイオセンサカートリッジ11と、バイオセンサカートリッジ11による検出に基づいて尿中糖分濃度の測定・表示を行い且つ測定の際に尿糖計を保持する部分となる尿糖計本体21とによって構成される。バイオセンサカートリッジ11が交換できるように、バイオセンサカートリッジ11と尿糖計本体21とは、図1に示すように互いに分離可能であり且つ図2に示すように互いに結合可能である。なお、図示の尿糖計1は、使用しない時には、図2に示すように、磁石42を有するスタンド41にバイオセンサカートリッジ11を挿入することにより保管できるようになされている。そして、このスタンド41には、保存液を入れたボトルが内蔵されており、尿糖計1をスタンド41に正しく挿入したとき、バイオセンサカートリッジ11の(後述する尿糖バイオセンサ13及びサーミスタ14を少なくとも含む)先端部分が、内蔵ボトル内の保存液に浸漬されるように構成されている。
【0037】
図3のブロック図に示すように、バイオセンサカートリッジ11は、尿糖バイオセンサ13、サーミスタ14、スタンド検出リードスイッチ15、コネクタ16及びコネクタ接続検出回路17を、図1に示すハウジング12内に収容しており、更に本発明によりヒューズ100をハウジング12内に収容している。また、尿糖計本体21は、電源23、操作ボタン24(24a、24b)、D/A変換装置25、バイオセンサ駆動回路26、A/D変換装置27、ブザー28、LCD表示装置29、外部入出力インターフェース端子30、コネクタ31及びマイクロコンピュータ32を、図1に示すハウジング22内に収容している。更に、本発明により、ヒューズ検出兼溶断回路106が更に設けられている。
【0038】
尿糖バイオセンサ13は寿命があり、使用限度に達するとLCD表示装置29にバイオセンサ交換の旨の表示がなされる。その場合、使用者はバイオセンサカートリッジ11を尿糖計本体21から取り外し、新しいバイオセンサカートリッジ11を尿糖計本体21に取り付ける。バイオセンサカートリッジ11と尿糖計本体21は電気的に接続されるので、交換に際してはバイオセンサカートリッジ11のコネクタ16を尿糖計本体21のコネクタ31に容易に接続できるのが好ましい。又、バイオセンサカートリッジ11には尿や洗浄水が掛けられるので、バイオセンサカートリッジ11と尿糖計本体21との間は防水性に優れていなければならず、その防水性はバイオセンサカートリッジ11を何度交換しても常に維持される必要がある。
【0039】
また、尿糖計本体21に内蔵された電池の寿命がきた場合、新しい電池と交換する必要があるが、この電池の交換も使用者が容易に行えるように配慮しておくことが望ましい。即ち、電池を尿糖計本体21から容易に取り出せると共に、新しい電池を尿糖計本体21に容易に装着できることが好ましい。
【0040】
尿糖バイオセンサ13は、尿中の夾雑物質の影響を排除して、低中高の広範囲に渡る尿中糖分濃度について検出する。尿糖バイオセンサ13は酵素を尿成分検知用のバイオセンサとして構成したものである。サーミスタ14は、測定の際における尿の温度を検出し、尿糖バイオセンサ13の温度特性を補正するためのものである。
【0041】
スタンド検出リードスイッチ15は、スタンド41に尿糖計1を収納したときに、磁石42による磁場の影響で例えばオフ状態(又はオン状態)になり、スタンド検出リードスイッチ15のオフ状態(又はオン状態)を認識してマイクロコンピュータ32は、電力消費を極力少なくするようにLCD表示装置29をオフ状態にし且つクロックの周波数を大幅に下げるなどの省電力対策を講じるが、マイクロコンピュータ32は完全なスリープ状態には置かれず、本発明の機能を実現するために必要な機能は維持する。スタンド41から尿糖計1を取り出すと、スタンド検出リードスイッチ15は磁石42による磁場の影響下から離脱して、オン状態(又はオフ状態)になり、スタンド検出リードスイッチ15のオン状態(又はオフ状態)を認識してマイクロコンピュータ32は、尿糖計の全機能を回復させ、モード設定、較正及び尿中糖分濃度の測定等を可能とする。
【0042】
電源23は、電池であり、尿糖計1の電気系統各部に電力を供給する。操作ボタン24(24a、24b)は、押されたことを検出し、モードや食事内容を選択して設定登録したり、較正したりするためのものである。D/A変換装置25は、マイクロコンピュータ32からのデジタル信号(駆動信号)をアナログ信号(駆動信号)に変換して出力する。バイオセンサ駆動回路26は、D/A変換装置25からの駆動信号に基づいて尿糖バイオセンサ13に駆動信号を供給するとともに、尿糖バイオセンサ13にて検出された検出信号を受けてA/D変換装置27に出力する。
【0043】
A/D変換装置27は、バイオセンサ駆動回路26からのアナログ信号(検出信号)をデジタル信号(検出信号)に変換して出力する。ブザー28は、マイクロコンピュータ32からの信号に基づいて、例えば尿糖測定をする旨を報知するためのブザー音を発生する。LCD表示装置29は、マイクロコンピュータ32からの信号に基づいて、較正の状況、測定の状況、バイオセンサ交換の告知、電池交換の告知、尿糖測定結果の告知及び判定結果の告知を表示する。
【0044】
より具体的に詳述すると、図4に示す表示内容のうち、「基準あわせ」及びその上の「水滴マーク」を較正時に点灯することによって較正の状況を表示する。また、「準備中」、「測定」、「洗浄」又は「終了」のいずれかを測定過程中に点灯することによって測定の状況を表示する。更に、尿糖バイオセンサ13の交換時期に「センサ交換」を点灯することによってバイオセンサカートリッジ11交換の告知を表示する。更に、交換時期に「電池マーク」を点灯することによって電池交換の告知を表示する。更に、中央に「1347」と例示してある「4桁の数字」にて尿糖変化値、基準尿糖変化値又は通常尿糖変化値を各々の測定後に点灯することによって尿糖測定結果の告知を表示する。更に、3つの「三角マーク」のうちハウジング22に印刷された判定内容に該当する位置するものを各々の判定後に点灯することによって選択モードの状況を表示する。
【0045】
外部入出力インターフェース端子30は、マイクロコンピュータ32内の外部入出力インターフェース38をパーソナルコンピュータ等の外部機器(不図示)と接続するためのものであり、マイクロコンピュータ32と外部機器との間で各種データ(外部機器からの入力データや尿糖計1からの尿糖測定結果・判定結果等の出力データ)の通信を行うためのものである。コネクタ16と31とが接続されると、尿糖バイオセンサ13がセンサ駆動回路26に接続され、ヒューズ100がヒューズ検出兼溶断回路106に接続され、更に、サーミスタ14、スタンド検出リードスイッチ15及びコネクタ接続検出回路17が、マイクロコンピュータ32のそれぞれ対応するポートに接続されて、バイオセンサカートリッジ11と尿糖計本体21との間が電気的に接続される。コネクタ接続検出回路17は、コネクタ16とコネクタ31とが接続状態となっているかを検出する。
【0046】
マイクロコンピュータ32は、上記特許文献3と同様に、各種尿糖値や各種可否判定等を演算し、かつ、各種を制御する演算及び制御装置33、制御及び演算用プログラム等を記憶するROM34、演算結果・外部より読み込んだプログラム等を一時的に記憶するRAM35、各種報知のために計時するクロック36、選択されたモードや食事内容・演算した各種尿糖値・判定した判定結果等を更新されるまで記憶する補助記憶装置37、パーソナルコンピュータ等の外部機器と各種データ(外部機器からの入力データや尿糖計1からの尿糖測定結果・判定結果等の出力データ)の通信をする外部入出力インターフェース38、電気系統各部につながるポート等(不図示)を備えており、食直前尿糖値・食後尿糖値・基準食前尿糖値・基準食後尿糖値・通常食前尿糖値・通常食後尿糖値を測定すべき旨の報知、食前尿糖値・食直前尿糖値・食後尿糖値・基準食前尿糖値・食直前尿糖値・基準食後尿糖値・通常食前尿糖値・通常食直前尿糖値・通常食後尿糖値の測定、尿糖変化値(食後尿糖値と食直前尿糖値との差)・基準尿糖変化値(基準食後尿糖値と基準食直前尿糖値との差)・通常尿糖変化値(通常食後尿糖値と通常食直前尿糖値との差)・食差尿糖変化値(通常尿糖変化値と基準尿糖変化値との差)の演算、尿糖変化値に基づいた身体内の糖量変化の可否について、食差尿糖変化値に基づいた通常の食事内容の可否についての判定、及びこれら演算・判定結果の出力に係わる制御等の処理を行う。
【0047】
上述したように、本発明により、ヒューズ100とヒューズ検出兼溶断回路106が設けられている。図5は、そのようなヒューズとヒューズ検出兼溶断回路との接続の例を図示するものである。ヒューズ100の一端104は、高抵抗(例えば3.3MΩ)102を介して、電源23の高電圧側(例えば+3.3V)に接続され、ヒューズ100の他端は接地されている。このヒューズ回路において、ヒューズ100のみが、バイオセンサカートリッジ11側に設けられ、その他の回路は、尿糖計本体21側に設けられている。また、図3においては、高抵抗102ほかの回路部分は省略してある。従って、ヒューズ100の一端104が、コネクタ16及び31を介して、高抵抗102の一端に接続され、ヒューズ100の一端104すなわちヒューズ100と高抵抗102との接続点が、同じく本体21側に設けられ且つマイクロコンピュータ32により制御されるヒューズ検出兼溶断回路106に接続される。そのヒューズ100は、高抵抗102の抵抗値に比較して、十分に低い抵抗値を有し、例えば+3.3Vのような高電圧側電圧で溶断可能な材料又は構造につくられている。
【0048】
それ故、ヒューズが溶断されていない状態では、ヒューズ100と高抵抗102との接続点(104)の電位は、接地電位である。従って、バイオセンサカートリッジ11が本体21に装着されたとき、接続点(104)の電位が接地電位であることをヒューズ検出兼溶断回路106を介して検出した場合、マイクロコンピュータ32は、バイオセンサカートリッジ11が新品であると判断することができる。そして、新品のバイオセンサカートリッジ11が装着されたとき、マイクロコンピュータ32は、検出兼溶断回路106を介して接続点(104)に+3.3Vを印加して、ヒューズを溶断する。ヒューズが溶断された状態では、ヒューズ100と高抵抗102との接続点(104)の電位は、高電圧側(例えば+3.3V)電位である。従って、そのようなヒューズが溶断されたバイオセンサカートリッジ11が本体21に装着されたとき、接続点104の電位が高電圧側(例えば+3.3V)電位であることを検出兼溶断回路106を介して検出した場合、マイクロコンピュータ32は、バイオセンサカートリッジ11が使用済であると判断することができる。
【0049】
以下、本発明の実施例1の動作を説明するが、尿糖値の測定方法自体並びに上記した各種の値を求める方法は、上記した特許文献3に詳細に説明されているので、特許文献3をここに引用して説明を省略する。
【0050】
本発明は、家庭用のデジタル尿糖計に、使用済のバイオセンサカートリッジが使用されることがないようにするものであり、以下、図6のフローチャートを参照して説明する。なお、未使用のバイオセンサカートリッジ11のヒューズ100は、溶断されておらず、導通状態にある。一方、使用済みのバイオセンサカートリッジ11のヒューズ100は、溶断されており、非導通状態にある。
【0051】
尿糖計本体21の電源をオンする前又は後に新品のバイオセンサカートリッジ11を尿糖計本体21に装着した場合
尿糖計本体21の電源をオンにすると、尿糖計本体21にバイオセンサカートリッジ11が装着されているかどうかを判定する。これは、コネクタ接続検出回路17が検出できるかどうかにより判定する。コネクタ接続検出回路17が検出できない場合この処理が繰り返される。
【0052】
一方、バイオセンサカートリッジ11が装着されている場合又はバイオセンサカートリッジ11が装着された場合、マイクロコンピュータ32は、検出兼溶断回路106を介して、ヒューズ100が導通状態にあるどうか検査する。図5の回路の場合、接続点(104)の電位が接地電位であることをヒューズ検出兼溶断回路106を介して検出した場合、マイクロコンピュータ32は、ヒューズ100が導通状態にあると判断する。一方、ヒューズ100と高抵抗102との接続点(104)の電位が、高電圧側(例えば+3.3V)電位であることをヒューズ検出兼溶断回路106を介して検出した場合、マイクロコンピュータ32は、ヒューズ100が非導通状態(断線状態)にあると判断する。
【0053】
ヒューズ100が導通状態にある場合は、装着されているバイオセンサカートリッジ11が新品(未使用)であることを意味し、次のステップに進み、マイクロコンピュータ32は、ヒューズ検出兼溶断回路106を介してヒューズ100を溶断する。図5の回路の場合、検出兼溶断回路106を介して接続点(104)に+3.3Vを印加して、ヒューズ100を溶断する。
【0054】
一方で、マイクロコンピュータは、使用開始年月日ほかのバイオセンサカートリッジの管理情報を補助記憶装置37に書き込み、更に、補助記憶装置37に測定回数カウンタを設定して、「使用回数ゼロ回」としておく。
【0055】
次いで、使用開始年月日時を現在の年月日時と比較して、使用開始からの経過日数を求めて、寿命使用時間(例えば60日)と比較する。バイオセンサカートリッジ11は新品であるこの場合、当然、寿命使用時間には達していないので、次にステップに進み、測定が行われたどうかを判定する。測定が行われた場合には、補助記憶装置37の測定回数カウンタを1増分する。
【0056】
測定が行われなかった場合、及び、補助記憶装置37の測定回数カウンタを1増分した後、補助記憶装置37の測定回数カウンタに記録されている使用回数を使用限度回数すなわち寿命使用回数(200回)と比較する。バイオセンサカートリッジ11は新品であるこの場合、当然、寿命使用回数には達していないので、処理は、寿命使用時間に達しているかどうか判別するステップに戻る。電源を切らない限り、「寿命使用時間に達したか?」、「測定したか?」、「寿命使用回数に達したか?」の3つのステップを繰り返す。
【0057】
上述したようにスタンド41に尿糖計1を収納した場合、スタンド検出リードスイッチ15は、磁石42による磁場の影響で例えばオフ状態(又はオン状態)になり、マイクロコンピュータ32は、スタンド検出リードスイッチ15のオフ状態(又はオン状態)を検出して、スタンド41に尿糖計1が収納されていることを認識する。マイクロコンピュータ32は、電力消費を極力少なくするようにLCD表示装置29をオフ状態にし、クロックの周波数を大幅に下げるなどの省電力対策を講じるが、マイクロコンピュータ32は完全なスリープ状態には置かれず、大幅に下げられた周波数のクロックを使用した計時機能を維持し、且つ「寿命使用時間に達したか?」、「測定したか?」、「寿命使用回数に達したか?」の3つのステップを繰り返す。
【0058】
バイオセンサカートリッジ11が寿命使用時間又は寿命使用回数に達した場合、処理は、「センサを外す指示」すなわち表示装置の「センサ交換」を表示する一方、尿糖計を測定不能状態にする。
【0059】
センサを外す指示を出した後は、センサが装着されているかどうか判定する動作を繰り返す。バイオセンサカートリッジ11が取り外されたならば、「センサを外す指示」を消して、電源投入直後の「センサが装着されているかどうかの判定動作」に戻る。
【0060】
従って、スタンド41に尿糖計1が収納されている状態の間に寿命使用時間に達した場合には、スタンド41から尿糖計1を引き出したとき、それをスタンド検出リードスイッチ15が検出し、マイクロコンピュータは、全機能を回復して、「センサを外す指示」すなわち表示装置の「センサ交換」を表示する一方、尿糖計を測定不能状態にする。
【0061】
尿糖計本体21の電源をオンする前又は後に、一回でも使用したバイオセンサカートリッジ11を尿糖計本体21に装着した場合
尿糖計本体21の電源をオンにすると、尿糖計本体21にバイオセンサカートリッジ11が装着されているかどうかを判定する。
バイオセンサカートリッジ11が装着されている場合又はバイオセンサカートリッジ11が装着された場合、マイクロコンピュータ32は、検出兼溶断回路106を介して、ヒューズ100が導通状態にあるどうか検査する。
【0062】
一回でも使用したバイオセンサカートリッジ11が装着された場合、ヒューズは既に溶断されているので、マイクロコンピュータ32は、ヒューズ100が非導通状態(断線状態)にある、すなわち、「バイオセンサカートリッジ11は新品でない」と判断する。
【0063】
次いで、マイクロコンピュータは、「センサを外す指示」すなわち表示装置の「センサ交換」を表示する一方、尿糖計を測定不能状態にする。
【0064】
センサを外す指示を出した後は、センサが装着されているかどうか判定する動作を繰り返す。バイオセンサカートリッジ11が取り外されたならば、「センサを外す指示」を消して、電源投入直後の「センサが装着されているかどうかの判定動作」に戻る。
【0065】
以上のように、一回でも使用されたバイオセンサカートリッジ11が装着された場合には、ヒューズは溶断されているので、バイオセンサカートリッジ11が新品でないとして、交換が指示されると共に、尿糖計は測定不能状態にされる。従って、使用済みバイオセンサカートリッジが誤って再使用されることは決して生じない。
【0066】
更に、新品のバイオセンサカートリッジ11を尿糖計本体21に装着して尿糖計を使用して一旦尿糖計本体21の電源をオフした後に、尿糖計を使用するために尿糖計本体21の電源をオンした場合、尿糖計本体21の電源をオフしている期間を計時できないので寿命使用時間を経過しているかどうかわからないが、本実施例の場合、ヒューズは溶断されているので、バイオセンサカートリッジ11が新品でないとして、交換が指示されると共に、尿糖計は測定不能状態にされる。従って、寿命使用時間を経過しているかどうかわからなっている使用途中のバイオセンサカートリッジが再使用されることを防止できる。
【0067】
実施例2
図3に示す上記した実施例1の回路において、独立したヒューズ100を設ける代わりに、コネクタ接続検出回路17内にヒューズを設けることも可能である。
【0068】
図7は、コネクタ接続検出回路17内にヒューズを設けた実施例2の回路図であり、実施例1と相違する実施例2の部分のみを説明する。図5に示すヒューズ回路は、それ自体、コネクタ接続検出回路17として利用できる。すなわち、コネクタ接続検出回路17をヒューズ100で構成する。一方、ヒューズ100で構成されるコネクタ接続検出回路17は、マイクロコンピュータにより制御されるヒューズ検出兼溶断回路106に接続される。その他の構成は、実施例1と同一であるので、説明を省略する。
【0069】
図8は、図7に示す本発明の実施例2の動作を図解するフローチャートである。実施例1と相違する実施例2の動作のみを説明する。
【0070】
尿糖計本体21の電源をオンにすると、尿糖計本体21に新品のバイオセンサカートリッジ11が装着されているかどうかを判定する。これは、コネクタ接続検出回路17すなわちヒューズ100が検出できるかどうかにより判定する。この処理が繰り返される。
【0071】
図5の回路のようにコネクタ接続検出回路17がヒューズ100で構成されている場合、接続点(104)の電位が接地電位であることをヒューズ検出兼溶断回路106を介して検出した場合、マイクロコンピュータ32は、ヒューズ100が導通状態にあると判断する。ヒューズ100が導通状態にある場合は、新品のバイオセンサカートリッジ11が装着されていることを意味し、次のステップに進む。
【0072】
一方、ヒューズ100と高抵抗102との接続点(104)の電位が、高電圧側(例えば+3.3V)電位であることをヒューズ検出兼溶断回路106を介して検出した場合、マイクロコンピュータ32は、ヒューズ100が非導通状態(断線状態)にある、すなわち、「バイオセンサカートリッジ11は新品でない」と判断し、「センサを外す指示」すなわち表示装置の「センサ交換」を表示する一方、尿糖計を測定不能状態にする。その他の動作は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
【0073】
この実施例2の場合も、使用済みのバイオセンサカートリッジ11が装着された場合には、コネクタ接続検出回路17のヒューズは溶断されているので、新品のバイオセンサカートリッジ11が装着されていないと判断し、交換が指示されると共に、尿糖計は測定不能状態にされる。従って、使用済みバイオセンサカートリッジが誤って再使用されることは決して生じない。
【0074】
更に、新品のバイオセンサカートリッジ11を尿糖計本体21に装着して尿糖計を使用して一旦尿糖計本体21の電源をオフした後に、尿糖計を使用するために尿糖計本体21の電源をオンした場合、尿糖計本体21の電源をオフしている期間を計時できないので寿命使用時間を経過しているかどうかわからないが、本実施例2の場合も、コネクタ接続検出回路17がヒューズ100は溶断されているので、新品のバイオセンサカートリッジ11が装着されていないとして、交換が指示されると共に、尿糖計は測定不能状態にされる。従って、寿命使用時間を経過しているかどうかわからなっている使用途中のバイオセンサカートリッジが再使用されることを防止できる。すなわち、この実施例2は、実施例1と同様な効果を達成する。
【0075】
実施例3
図3に示す上記した実施例1の回路において、独立したヒューズ100の代わりに、不揮発性メモリをバイオセンサカートリッジ11内に設けることも可能である。
【0076】
図9は、ヒューズ100の代わりに、不揮発性メモリとしてEPROM108をバイオセンサカートリッジ11内に設けた実施例3の回路図である。EPROMを使用した理由は、後述する説明からわかるように、その不揮発性メモリ108に書き込んだ内容を書き直す必要がないからであり、消去可能なEEPROMやフラッシュメモリを使用することも可能である。更に、実施例1のヒューズ検出兼溶断回路106が設けられていない。その他の構成は、実施例1と同一であるので、説明を省略する。
【0077】
図10は、図9に示す本発明の実施例3の動作を図解するフローチャートである。実施例1と相違する実施例3の動作のみを説明する。
【0078】
尿糖計本体21の電源をオンにすると、尿糖計本体21に新品のバイオセンサカートリッジ11が装着されているかどうかを判定する。これは、コネクタ接続検出回路17が検出できるかどうかにより判定する。検出されない場合、この処理が繰り返される。
【0079】
一方、バイオセンサカートリッジ11が装着されている場合又はバイオセンサカートリッジ11が装着された場合、マイクロコンピュータ32は、EPROM108にアクセスして、EPROM108に書き込みがあるどうか検査する。EPROM108に書き込みがない場合、マイクロコンピュータ32は、新品のバイオセンサカートリッジ11が装着されていることを意味し、次のステップに進む。
【0080】
その次のステップにおいて、ヒューズを溶断する代わりに、実施例3では、マイクロコンピュータは、EPROM108に「使用済み」を書き込む。
【0081】
一方、EPROM108に書き込みがあった場合、マイクロコンピュータ32は、「バイオセンサカートリッジ11は新品でない」と判断し、「センサを外す指示」すなわち表示装置の「センサ交換」を表示する一方、尿糖計を測定不能状態にする。その他の動作は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
【0082】
この実施例3の場合も、実施例1と同様な効果を達成することは理解できよう。
【0083】
実施例4
バイオセンサが寿命を過ぎたならば、バイオセンサを使用不能にすれば、寿命を過ぎた使用済みのバイオセンサが使用されることは防止できる。かかる観点から、実施例4は、バイオセンサが寿命を過ぎたならば、バイオセンサを使用不能にするものである。
【0084】
図11は、実施例4の回路図である。実施例4では、実施例1のバイオセンサカートリッジ11に設けたヒューズ100及びに尿糖計本体21に設けたヒューズ検出兼溶断回路106の代わりに、尿糖計本体21側において、マイクロコンピュータ32により制御される切替回路200を、センサ駆動回路26の出力とコネクタ31との間に設け、更に、電源23から電力が供給され且つマイクロコンピュータ32により制御される過電流回路202を設け、その過電流出力を切替回路100の他方の入力に接続している。マイクロコンピュータ32は、通常はセンサ駆動回路26の出力をコネクタ31を介して尿糖センサ13に供給するように切替回路100を制御しており、尿糖センサ13を破壊したいとき、過電流回路102の過電流出力をコネクタ31を介して尿糖センサ13に供給するように切替回路100を制御する。その他の構成は、実施例1と同一であるので、説明を省略する。
【0085】
図12は、図11に示す本発明の実施例4の動作を図解するフローチャートである。実施例1と相違する実施例4の動作のみを説明する。
【0086】
尿糖計本体21の電源をオンにすると、尿糖計本体21に新品のバイオセンサカートリッジ11が装着されているかどうかを判定する。これは、コネクタ接続検出回路17が検出できるかどうかにより判定する。検出されない場合、この処理が繰り返される。
【0087】
一方、バイオセンサカートリッジ11が装着されている場合又はバイオセンサカートリッジ11が装着された場合、バイオセンサが正常かどうか判定する。この判定は以下のようにして行われる。マイクロコンピュータ32は、D/A変換器25に所定のデジタル信号を供給して、センサ駆動回路26を介して尿糖センサ13を所定の電流で駆動する。尿糖センサ13を流れる電流は、センサ駆動回路26を介してA/D変換器27に送られえ、尿糖センサ13を流れる電流値を表すデジタル信号に変換されて、マイクロコンピュータ32に送られる。そのマイクロコンピュータ32は、尿糖センサ13を流れる電流値が正常値の範囲内にあるかどうか判別して、正常値の範囲内にある場合、マイクロコンピュータ32は、寿命を過ぎていないバイオセンサカートリッジ11(新品のバイオセンサカートリッジか、使用されてはいるが寿命を過ぎていないバイオセンサカートリッジか)が装着されていると判断して、次のステップに進む。
【0088】
その次のステップは、ヒューズを溶断するステップでなく、実施例4では、寿命使用時間を過ぎているかどうか判定する。
【0089】
一方、尿糖センサ13を流れる電流値が正常値の範囲内になかった場合、マイクロコンピュータ32は、「バイオセンサは正常でない」と判断し、「センサを外す指示」すなわち表示装置の「センサ交換」を表示する一方、尿糖計を測定不能状態にする。
【0090】
尿糖センサ13を流れる電流値が正常値の範囲内にあって、「寿命使用時間に達したか?」、「測定したか?」、「寿命使用回数に達したか?」の3つのステップを繰り返すループに入った場合、「寿命使用時間に達した」又は「寿命使用回数に達した」と判定されたとき、マイクロコンピュータは、切替回路100と過電流回路102とを制御して、過電流回路102を動作させて過電流を発生させる一方、切替回路100に、過電流回路102の過電流出力を選択させる。その結果、尿糖計センサ13が破壊される。次いで、「センサを外す指示」すなわち表示装置の「センサ交換」を表示する一方、尿糖計を測定不能状態にする。
【0091】
そのように尿糖計センサ13が破壊されたバイオセンサカートリッジ11が装着された場合、バイオセンサが正常かどうか判定したとき、尿糖センサ13を流れる電流値が正常値の範囲内にないので、「バイオセンサは正常でない」と判断されて、「センサを外す指示」すなわち表示装置の「センサ交換」を表示する一方、尿糖計を測定不能状態にする。その他の動作は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
【0092】
この実施例4の場合も、実施例1と同様な効果を達成することは理解できよう。
【0093】
実施例5
上記した尿糖計は電池動作であるので、電池交換が必要である。バイオセンサが未だ寿命に達していない状態で、電池交換をした場合、上記した実施例1から3では、電池交換をした後、電源を投入したとき、装着してあるバイオセンサカートリッジが使用済みであると判定されて、バイオセンサカートリッジの交換が指示される。新しいバイオセンサカートリッジを使用して数回しか測定していない状態で、バイオセンサカートリッジを交換しなければならないことは、不経済である。実施例5はそのような事態が生じないように、実施例1を更に改善したものである。この実施例5は、マイクロコンピュータ32内に補助記憶装置37が不揮発性であることを除いて図3に示す実施例1の回路構成と同一回路構成であるので、構成の図示と説明は省略し、動作のみを、図13のフローチャートを参照して説明する。
【0094】
新品のバイオセンサカートリッジ11を尿糖計本体21に装着して、尿糖計本体21の電源をオンした場合
尿糖計本体21の電源をオンにすると、尿糖計本体21にバイオセンサカートリッジ11が装着されているかどうかを判定する。これは、コネクタ接続検出回路17が検出できるかどうかにより判定する。バイオセンサカートリッジ11が装着されていない場合には、この処理が繰り返される。
【0095】
一方、バイオセンサカートリッジ11が装着されている場合又はバイオセンサカートリッジ11が装着された場合、マイクロコンピュータ32は、検出兼溶断回路106を介して、ヒューズ100が導通状態にあるどうか検査する。
【0096】
ヒューズ100が導通状態にある場合は、装着されているバイオセンサカートリッジ11が新品(未使用)であることを意味し、次のステップに進み、マイクロコンピュータ32は、ヒューズ検出兼溶断回路106を介してヒューズ100を溶断する。
【0097】
ヒューズ100を溶断したならば、次のステップに進んで、尿糖計本体21のメモリ、例えば補助記憶装置37に、バイオセンサカートリッジの識別番号(バイオセンサカートリッジ1つ1つを弁別できる、例えばシリアル製品番号)と共に「センサが新品である」と書き込むと共に、使用開始年月日ほかのバイオセンサカートリッジの管理情報を書き込み、更に、補助記憶装置37に測定回数カウンタを設定して、「使用回数ゼロ回」としておく。
【0098】
次いで、使用開始年月日時を現在の年月日時と比較して、使用開始からの経過日数を求めて、寿命使用時間(例えば60日)と比較する。バイオセンサカートリッジ11は新品であるこの場合、当然、寿命使用時間には達していないので、次にステップに進み、測定が行われたどうかを判定する。測定が行われた場合には、補助記憶装置37の測定回数カウンタを1増分する。
【0099】
測定が行われなかった場合、及び、補助記憶装置37の測定回数カウンタを1増分した後、補助記憶装置37の測定回数カウンタに記録されている使用回数を使用限度回数すなわち寿命使用回数(200回)と比較する。バイオセンサカートリッジ11は新品であるこの場合、当然、寿命使用回数には達していないので、処理は、寿命使用時間に達しているかどうか判別するステップに戻る。
【0100】
新品のバイオセンサカートリッジ11を尿糖計本体21に装着して尿糖計を使用した後、バイオセンサカートリッジ11を装着したまま(例えば電池交換のために)一旦尿糖計本体21の電源をオフした後に、尿糖計本体21の電源をオンした場合(この場合、新品のバイオセンサカートリッジ11を尿糖計本体21に装着して尿糖計を使用した時点で、ヒューズは溶断されている)
尿糖計本体21の電源をオンにすると、尿糖計本体21にバイオセンサカートリッジ11が装着されているかどうかを判定する。これは、コネクタ接続検出回路17が検出できるかどうかにより判定する。バイオセンサカートリッジ11は装着されているので、マイクロコンピュータ32は、検出兼溶断回路106を介して、ヒューズ100が導通状態にあるどうか検査する。この場合、ヒューズは既に溶断されているので、マイクロコンピュータ32は、ヒューズ100が非導通状態(断線状態)にある、すなわち、「バイオセンサカートリッジ11は新品でない」と判断する。
【0101】
この場合、マイクロコンピュータ32は、バイオセンサカートリッジの識別番号を読み取ると共に、更に、補助記憶装置37にアクセスして、補助記憶装置37に記憶されている「バイオセンサカートリッジの識別番号」と照合し、且つ、補助記憶装置37に「センサが新品である」と書き込まれているかどうかを確認する。新品のバイオセンサカートリッジを装着した後、そのバイオセンサカートリッジ11を尿糖計本体21から外していないので、マイクロコンピュータ32は、「バイオセンサカートリッジの識別番号」の一致を確認し、且つ補助記憶装置37に「センサが新品である」と書き込まれていること確認して、次のステップに進む。
【0102】
その次のステップにおいて、使用開始年月日時を現在の年月日時と比較して、使用開始からの経過日数を求めて、寿命使用時間(例えば60日)と比較する。バイオセンサカートリッジ11が寿命使用時間には達していない場合、次にステップに進み、測定が行われたどうかを判定する。測定が行われた場合には、補助記憶装置37の測定回数カウンタを1増分する。一方、バイオセンサカートリッジ11が寿命使用時間に達していた場合、補助記憶装置37の「センサが新品である」との書き込みを消去する。
【0103】
測定が行われなかった場合、及び、補助記憶装置37の測定回数カウンタを1増分した後、補助記憶装置37の測定回数カウンタに記録されている使用回数を使用限度回数すなわち寿命使用回数(200回)と比較する。バイオセンサカートリッジ11が寿命使用回数に達していない場合、処理は、寿命使用時間に達しているかどうか判別するステップに戻る。一方、バイオセンサカートリッジ11が寿命使用回数に達していた場合、補助記憶装置37の「センサが新品である」との書き込みを消去する。
【0104】
補助記憶装置37の「センサが新品である」との書き込みを消去した後、「センサを外す指示」すなわち表示装置の「センサ交換」を表示する一方、尿糖計を測定不能状態にする。
センサを外す指示を出した後は、センサが装着されているかどうか判定する動作を繰り返す。バイオセンサカートリッジ11が取り外されたならば、「センサを外す指示」を消して、電源投入直後の「センサが装着されているかどうかの判定動作」に戻る。
【0105】
この実施例5の場合、新品のバイオセンサカートリッジ11を尿糖計本体21に装着して尿糖計を使用した後、バイオセンサカートリッジ11を一旦尿糖計本体21から外して、再びそのバイオセンサカートリッジ11を尿糖計本体21に装着した場合も、新品状態で尿糖計本体21に装着されて使用された時点でヒューズが溶断されてはいるが、バイオセンサカートリッジの同一性が確認されるので、使用することが可能である。
【0106】
しかし、別の使用済みバイオセンサカートリッジ11(ヒューズが溶断されている)を尿糖計本体21に装着した場合は、バイオセンサカートリッジの同一性が確認されないので、そのバイオセンサカートリッジは使用できない。一方、全く新品のバイオセンサカートリッジ11を尿糖計本体21に装着した場合には、新品のバイオセンサカートリッジ11を確認した後の処理は、ヒューズの溶断のステップに行くので、バイオセンサカートリッジの識別番号と、補助記憶装置37に記憶されている「バイオセンサカートリッジの識別番号」との照合は行われない。一方、ヒューズ100を溶断するステップの後は、尿糖計本体21のメモリ、例えば補助記憶装置37に、バイオセンサカートリッジの識別番号(バイオセンサカートリッジ1つ1つを弁別できる、例えばシリアル製品番号)と共に「センサが新品である」を上書きすると共に、使用開始年月日ほかのバイオセンサカートリッジの管理情報を書き込み、更に、補助記憶装置37に測定回数カウンタを設定して、「使用回数ゼロ回」として、新品のバイオセンサカートリッジ11を尿糖計本体21に装着した場合の動作が行われる。
【0107】
実施例6及び実施例7
実施例2及び実施例3も、実施例5のように改善することができる。実施例6及び実施例7は、実施例2及び実施例3を、実施例5のように改善したものであり、図14及び図15にそのフローチャートを示し、説明は省略する。
【0108】
実施例8
図16は、実施例8の電気的な構成を示すブロック図である。図9に示す実施例3との比較からわかるように、図16に示す実施例8は、図9に示す実施例3の必ずしも書き換え可能である必要のない不揮発性メモリ108の代わりに、書き換え可能であるEEPROM又はフラッシュメモリのような不揮発性メモリ108Aを、図1に示すハウジング12内に収容している。なお、不揮発性メモリ108Aは、メモリ容量がある場合には、使用の方法によれば、書き換え可能である必要のないので、EPROMで構成することも可能である。
【0109】
EEPROM又はフラッシュメモリのような不揮発性メモリ108Aは、本発明により、バイオセンサカートリッジ11に設けらたものであり、バイオセンサカートリッジ11すなわちバイオセンサの使用履歴を記録するものであり、マイクロコンピュータ32によってシリアル通信によって読み書きされる。詳細には後述するように、バイオセンサカートリッジ11が尿糖計本体21に装着されて電気的に接続されると、マイクロコンピュータ32は、不揮発性メモリ108Aを読みにいき、装着されたバイオセンサカートリッジ11の使用履歴を確認する。そして、例えば、装着されたバイオセンサカートリッジ11が使用開始からの寿命使用回数又は寿命使用時間を越えていた場合には、バイオセンサカートリッジの交換表示を表示装置29にすると共に、尿糖計自体を測定不能状態に置く。
【0110】
本発明の実施例8は、家庭用のデジタル尿糖計のバイオセンサがその使用寿命(使用開始からの経過時間と測定回数)を過ぎて使用されることがないようにするものであり、以下、図17のフローチャートを参照して説明する。なお、未使用のバイオセンサカートリッジ11の不揮発性メモリ108Aには、少なくとも製造年月日が予め記憶されており、バイオセンサカートリッジ11が尿糖計本体21に装着されて使用され始めた後には、少なくとも使用開始年月日時、使用回数が書き込まれており、更に必要に応じて以下に説明する実施例のように様々な履歴が記録されている。
【0111】
そのため、以下に説明する実施例においては、バイオセンサカートリッジ11の不揮発性メモリ108Aには、製造年月日を記録する領域、使用開始年月日時を記憶する領域、使用回数を記憶する領域(測定回数カウンタ)、低温異常を記憶する領域(低温用カウンタ)、高温異常を記憶する領域(高温用カウンタ)、各種のエラーを記憶する領域(エラー状態メモリ)が区分けされている。従って、スタンド41に尿糖計1を挿入して保管している状態で、尿糖計1の電源を切った場合、使用に先立ち尿糖計1の電源を入ると、過去の使用回数などの使用履歴を調べて、使用寿命が過ぎておらず且つ使用履歴に問題がない場合には、バイオセンサを使用できるものである。又は、バイオセンサの使用寿命が過ぎる前に一旦尿糖計本体21から外されて、再び尿糖計本体21に装着された場合でも、使用寿命が過ぎていない場合には、再度装着された使用寿命が過ぎていないバイオセンサを再び使用できるものである。
【0112】
尿糖計本体21の電源をオンにすると、尿糖計本体21にバイオセンサカートリッジ11が装着されているかどうかを判定する。これは、コネクタ接続検出回路17が検出できるかどうかにより判定する。バイオセンサカートリッジ11が装着されていない場合には、この処理が繰り返される。一方、バイオセンサカートリッジ11が装着されている場合又はバイオセンサカートリッジ11が装着された場合、バイオセンサカートリッジ11の不揮発性メモリ108Aにアクセスして、その記憶内容を読み出す。
【0113】
バイオセンサカートリッジ11の製造年月日しか読み出せない場合は、装着されたバイオセンサカートリッジ11が未使用であることを意味し、バイオセンサカートリッジ11の製造年月日から使用可能期間(例えば1年)が経過していないかどうか判定する。使用可能期間が経過していた場合には、「センサを外す指示」すなわち表示装置の「センサ交換」を表示する一方、尿糖計を測定不能状態にする。使用可能期間が経過していない場合には、そのときの年月日時を、バイオセンサカートリッジ11の使用開始年月日時として、バイオセンサカートリッジ11の不揮発性メモリ108Aに書き込み、次のステップへ進む。
【0114】
バイオセンサカートリッジ11の不揮発性メモリ108Aにアクセスしてその記憶内容を読み出したとき、製造年月日以外に、使用開始年月日時が記録されていた場合には、そのバイオセンサカートリッジ11は、使用中又は過去に使用されたことがあるバイオセンサカートリッジ11であることを意味している。その場合には、まず、製造年月日から使用可能期間が経過していないかどうか判定し、使用可能期間が経過していない場合には、使用開始年月日時を現在の年月日時と比較して、使用開始からの経過日数を求めて、寿命使用時間(例えば60日)と比較し、更に、使用回数を使用限度回数すなわち寿命使用回数(200回)と比較する。寿命使用時間を過ぎているか又は寿命使用回数に達している場合、「センサを外す指示」すなわち表示装置の「センサ交換」を表示する一方、尿糖計を測定不能状態にする。
【0115】
好ましくは、経過時間が所定期間(たとえば53日)を過ぎた後、または、測定回数が所定回数(たとえば190回)を越えた時に、例えば、表示装置の「センサ交換」を連続点灯して、センサ交換の警告を出する一方、尿糖計自体は測定可能状態に維持し、更にセンサ寿命を表わす寿命使用時間(たとえば60日)が過ぎた後、または、測定回数がセンサ寿命を表わす寿命使用回数(たとえば200回)を越えた時に、例えば、表示装置の「センサ交換」を明滅させる一方、尿糖計を測定不能状態にする。
【0116】
寿命使用時間を過ぎておらず且つ寿命使用回数に達していない場合には、後述するような使用履歴異常があるかどうか判定する。使用履歴異常がある場合、「センサを外す指示」すなわち表示装置の「センサ交換」を表示する一方、尿糖計を測定不能状態にする。
【0117】
使用履歴異常がない場合、次のステップへ進む。尿糖計本体21のマイクロコンピュータは、時間経過を計測する。例えば、10分に1度、バイオセンサカートリッジ11の不揮発性メモリ108Aにアクセスして、バイオセンサ装着以降すなわち使用開始年月日時からの経過時間を書き込む。これは、バイオセンサカートリッジ11が尿糖計本体21に装着されている限り、後述するステップを経て、繰り返される。
【0118】
このように構成することにより、尿糖計本体21から電池が抜かれ、再度電池が入れられた時は、バイオセンサカートリッジ11の不揮発性メモリ108Aにアクセスすることにより、使用開始年月日時を読み出すことにより、使用開始からの経過時間を知ることができ、更に、不揮発性メモリ108Aに設定した測定回数カウンタを読み出すことにより、過去の測定回数を知ることができる。
【0119】
更に、バイオセンサカートリッジ11を装着した尿糖計がスタンド41に挿入収納されているかどうかを常時判定する。これは、スタンド41の磁石42に反応するスタンド検出リードスイッチ15により検出できる。バイオセンサカートリッジ11を装着した尿糖計がスタンド41に挿入収納されていないと判断された場合、その経過時間を計測し、所定時間、たとえば10分が経過した段階で、バイオセンサカートリッジ11がスタンド41に収納されていないとのエラー状態を、不揮発性メモリ108Aのエラー状態メモリに書き込む(エラー状態保存)。更に、バイオセンサカートリッジ11がスタンド41に収納されていないエラー状態を検知した場合、マイクロコンピュータ32は、尿糖計本体21の表示装置の「センサ交換」を明滅させてセンサを外す指示を出すと共に、尿糖計自体は計測できなくなるようにする。これは、バイオセンサが保存液に浸漬されずに、空気中に放置されると、バイオセンサが劣化する可能性があるためである。
【0120】
また、バイオセンサカートリッジ11を装着した尿糖計がスタンド41に挿入収納されていると判断した時点から時間を計測する。所定の時間、例えば1時間経過すると、サーミスタ14を利用して、バイオセンサの温度を測定する。測定結果が−5℃以下であるかどうかを判定し、測定結果が−5℃以下であった場合には、不揮発性メモリ108A内に設定されている低温用カウンタを1増分する。そのあと、又は、測定結果が−5℃以下でない場合には、測定結果が50℃以上であるかどうかを判定する。測定結果が50℃以上であった場合には、不揮発性メモリ108A内に設定されている高温用カウンタを1増分する。
【0121】
そのあと、又は、測定結果が50℃以上でなかった場合には、低温用カウンタ及び高温用カウンタのいずれかが所定回数、たとえば10回を越えているかどうか判定する。所定回数を越えていた場合、マイクロコンピュータ32は、エラー状態を、不揮発性メモリ108Aのエラー状態メモリに書き込み、更に、尿糖計本体21の表示装置の「センサ交換」を明滅させてセンサを外す指示を出すと共に、尿糖計自体は計測できなくなるようにする。
【0122】
測定結果が50℃以上でない場合、又は、上記したバイオセンサカートリッジ11を装着した尿糖計がスタンド41に挿入収納されていると判断した時点から1時間未だ経過していない場合には、測定が行われたどうかを判定する。測定が行われた場合には、不揮発性メモリ108Aの測定回数カウンタを1増分する。
【0123】
測定が行われなかった場合(この場合、バイオセンサはスタンド内の保存液に浸漬されたままの状態である)、及び、不揮発性メモリ108Aの測定回数カウンタを1増分した後(この場合、測定終了後に、尿糖計はスタンドに戻されており、バイオセンサはスタンド内の保存液に再び浸漬されている)、バイオセンサが保存液に浸漬されている状態で、バイオセンサを駆動して電流値を測定する。所定値以上、例えば15nA以上の測定値を得た場合、センサ異常であるとのエラー状態を、不揮発性メモリ108Aのエラー状態メモリに保存する(エラー状態保存)。このようにバイオセンサが保存液に浸漬されている状態で測定値がセンサ異常であるとのエラー状態を検知した場合、マイクロコンピュータ32は、尿糖計本体21の表示装置の「センサ交換」を明滅させてセンサを外す指示を出すと共に、尿糖計自体は計測できなくなるようにする。
【0124】
15nA未満の測定値を得た場合、再度、不揮発性メモリ108Aにアクセスして、測定回数又は測定寿命に達しているかどうか、更に、バイオセンサを交換する必要がある各種のエラーがあるかどうか判定して、交換の必要がある場合には、マイクロコンピュータ32は、尿糖計本体21の表示装置の「センサ交換」を明滅させてセンサを外す指示を出すと共に、尿糖計自体は計測できなくなるようにする。
【0125】
交換の必要がない場合には、10分に1度の経過時間更新のステップに戻る。
【0126】
センサを外す指示を出した後は、センサが装着されているかどうか判定する動作を繰り返す。バイオセンサカートリッジ11が取り外されたならば、電源投入直後の「センサが装着されているかどうかの判定動作」に戻る。
【0127】
バイオセンサカートリッジ11が取り外され、再び生化学測定器本体に装着した場合には、バイオセンサカートリッジ11の不揮発性メモリ108Aに記録されている経過時間、測定回数カウンタ、低温用カウンタ、高温用カウンタ、エラー状態メモリをマイクロコンピュータが読み込み、センサ寿命を表わす使用寿命が経過していた場合、センサ寿命を表わす使用回数限度を越えた場合、温度異常が長時間続いた場合、センサが収納されていないとのエラー状態を検知した場合、センサ異常であるとのエラー状態を検知した場合には、マイクロコンピュータ32は、尿糖計本体21の表示装置の「センサ交換」を明滅させてセンサを外す指示を出すと共に、尿糖計自体は計測ができなくなるようにし、新しいセンサと交換するように促す。
【0128】
なお、以上の動作の流れにおいて、測定が行われたどうかを判定するステップの前で、測定が開始された場合には、動作は中断し、測定が行われた後に、測定が行われたどうかを判定するステップから再開される。
【0129】
実施例8の特徴
上述したように、本発明によるならば、センサ寿命及びセンサ性能劣化を示す(バイオセンサカートリッジの不揮発性メモリに設けた)カウンタ等を参照することで、センサ性能が維持できないと判断した場合は、尿糖計のような測定機器は測定をできないようにすることができる。
【0130】
具体的には、現在時間(年月日時刻)を記憶する装置の必要がなく、純粋に経過時間だけで管理し、バイオセンサのセンサ寿命を超えた使用をできないようにすることができる。また、センサ寿命を超えた測定回数での使用をできないようにすることができる。
【0131】
更に、異常温度に長時間さらされた場合、センサ性能が劣化する危険性が大であるが、そのような場合、測定機器を使用できないようにすることができる。また、センサが保存液ボトルに収納されていない状態で放置された場合、センサが乾燥しで性能が劣化する危険性が大であるが、そのような場合、測定機器を使用できなしようにすることができる。
【0132】
加えて、センサが保存液に浸漬されている状態で測定値がセンサ異常であるとされた場合、それ以降測定機器を使用をできないようにすることができる。
【0133】
実施例8の効果
かくして、本発明によるならば、バイオセンサカートリッジ(例えば、その中に収容されているバイオセンサ基板)に、センサ装着からの経過時間及び測定回数を記憶させる不揮発性メモリを設けることにより、いったんセンサを外し、また取り付けても、既にセンサ寿命が過ぎたセンサか否かの判断が付き、誤使用(不正使用)を防ぐことができる。
【0134】
また、現在時刻を設定するスイッチを設ける必要もなく、生化学測定器本体の電池を抜いた時に時刻デ一タが消滅しないように、バックアップ電源を用意するか、電池挿入後再度時刻合わせをする必要もなく、装置の大型化、およびユーザに難しい手間をかけさせることもない。
【0135】
異常温度に長時間さらされた場合、センサが保存液ボトルに収納されていない状態で放置された場合、センサが保存液に浸漬されている状態で測定値がセンサ異常であるとされた場合、いったんセンサを外し、また取り付けても、センサの性能が劣化した可能性が大であるか否かの判断が付き、誤使用(不正使用)を防ぐことができる。
【0136】
実施例9
バイオセンサの性能が維持できる寿命を左右するものとして、被計測物に浸漬している時間の積算がある。被計測物に浸漬している積算時間が長くなると、性能は劣化していく。本発明の別の実施例によれば、バイオセンサ上の不揮発性メモリに積算時間を記憶させて、積算時間が所定時間を越えた後は、計測ができないようにすることができる。被計測物が高濃度のものであると、バイオセンサの性能劣化の進みは速くなるため、所定濃度以上の被測定物に浸漬している時間の積算値を記憶させて、所定時間を越えた後は、計測ができないようにすることができる。
【0137】
実施例10
上記した実施例8では、不揮発性メモリ108Aが、コネクタ16及び31を介してマイクロコンピュータ32に電気的に接続されているが、バイオセンサカートリッジ11と尿糖計本体21とにそれぞれ無線送受信手段を設けることにより、不揮発性メモリ108Aとマイクロコンピュータ32とを無線で接続することも可能である。
【0138】
実施例11
また、バイオセンサには、感度のばらつきがあり、それが経時的に変化していく。そのため、使用を開始する段階と、所定時間、または所定回数毎に較正をする必要がある。
【0139】
実施例8においてバイオセンサカートリッジ11に不揮発性メモリ108Aを設けたことを利用して、その不揮発性メモリに、較正用係数と、較正時点の経過時間を保存する部分と、較正用測定回数カウンタを設ける。また、生化学測定器本体に較正用のスイッチを設ける。
【0140】
較正は以下のように行う。保存液ボトル収納を検知するスタント検出リードスイッチがオンになった、即ちセンサが保存液ボトルから取り出されたことが検知されると、保存液ボトルから取り出されているが保存液で未だ浸潤されているセンサをセンサ駆動回路で駆動して、計測値を得て、バイオセンサカートリッジの不揮発性メモリに保存する。次いで、較正用のスイッチが押された後、定められた濃度(たとえば500mg/dL)の基準液をかけることにより、計測値が変化した(たとえば0.5nA)ことを検知してから所定時間、たとえば10秒後の計測値を得て、バイオセンサカートリッジの不揮発性メモリに保存する。この10秒後の計測値からセンサが保存液に浸漬された状態の計測値を減じて、これを定められた濃度になるような較正用係数を求め、不輝発性メモリに保存すると同時に、この時点の経過時間を較正時点の経過時間を保存する。また、較正用測定回数カウンタを0にクリアする。
【0141】
測定時には、保存液ボトル収納を検知するスイッチがオフになった、即ちセンサが保存液ボトルから取り出されたことを検知した後、現在の経過時間から前記センサ上の不揮発性メモリにある較正時点の経過時間を減じて、所定時間、たとえば1週間以上であれば、表示装置に較正が必要な旨を表示する。また、較正用測定回数カウンタが所定値以上、たとえば50回に達していたら、表示装置に較正が必要な旨を表示する。
【0142】
それ以外の場合で、センサが保存液に浸潰された状態の計測値から、計測値が変化した(たとえば0.5nA)ことを検知してから所定時間、たとえば10秒後の計測値を得て、この10秒後の計測値からセンサが保存液に浸漬された状態の計測値を減じて、センサ上の不揮発性メモリから較正用係数を呼び出し、乗ずることで測定結果を得て、表示装置に表示し、センサ上の不揮発性メモリの較正用測走回数カウンタを1増分する。
【0143】
このようにセンサ上の不揮発性メモリに様々なパラメータを置くことにより、センサを外して別に保管することが容易になる。センサは、保存液に浸潰していれば、感度はほとんど変化しない為、保存液に浸漬させておけば、生化学測定器本体から外して、コンパクトに収納することができる。
【0144】
センサを外した場合、マイコンは経過時間を継続的に計測するが、経過時閥を所定時間ごとにセンサ上のメモリに記憶させることはしない。また、所定時間に一回温度計測を行うことはしない。
【0145】
以上、尿糖計について本発明の実施例を説明したが、尿糖計以外の、使用寿命があるバイオセンサ部分が測定器本体に着脱自在な生化学測定器に、本発明が等しく適用可能であることは説明するまでもなく、当業者には理解される筈である。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】本発明が適用される尿糖計を分解して示す外観図である。
【図2】本発明が適用される尿糖計の保管状態を示す外観図である。
【図3】本発明を実施できる尿糖計の実施例1の電子的な構成を示すブロック図である。
【図4】図1における表示部の表示形態を示す図である。
【図5】実施例1を実施するために利用可能なヒューズ回路の回路である。
【図6】本発明の実施例1の動作についての手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明を実施できる尿糖計の実施例2の電子的な構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施例2の動作についての手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明を実施できる尿糖計の実施例3の電子的な構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施例3の動作についての手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明を実施できる尿糖計の実施例4の電子的な構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施例4の動作についての手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施例5の動作についての手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施例6の動作についての手順を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施例7の動作についての手順を示すフローチャートである。
【図16】本発明を実施できる尿糖計の実施例8の電子的な構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の実施例8の動作についての手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0147】
1 尿糖計
11 バイオセンサカートリッジ
12、22 ハウジング
13 尿糖センサ
14 サーミスタ
15 スタンド検出リードスイッチ
16、31 コネクタ
17 コネクタ接続検出回路
21 尿糖計本体
23 電源
24(24a、24b) 操作ボタン
25 D/A変換装置
26 センサ駆動回路
27 A/D変換装置
28 ブザー
29 表示装置
30 外部入出力インターフェース端子
32 マイクロコンピュータ
33 演算及び制御装置
34 ROM
35 RAM
36 クロック
37 補助記憶装置
38 外部入出力インターフェース
41 スタンド
42 磁石
100 ヒューズ
106 ヒューズ検出兼溶断回路
108、108A 不揮発性メモリ
200 切替回路
202 過電流回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオセンサを含むバイオセンサカートリッジが生化学測定器本体に着脱自在に接続されるよう構成されている、バイオセンサカートリッジを使用する生化学測定器において、前記バイオセンサカートリッジは、当該バイオセンサカートリッジが使用済みであることを指示する使用済み指示手段を内蔵しており、前記生化学測定器本体は、前記使用済み指示手段に使用済みを書き込む書込手段を有しており、前記生化学測定器本体の制御手段は、前記使用済み指示手段が使用済みを指示していないバイオセンサカートリッジが前記生化学測定器本体に接続されているとき、前記書込手段により前記使用済み指示手段に使用済みを書き込ませ、一方、前記使用済み指示手段が使用済みを指示しているバイオセンサカートリッジが前記生化学測定器本体に接続されたとき、前記生化学測定器本体の制御手段は、当該バイオセンサカートリッジの前記使用済み指示手段を確認して、前記生化学測定器本体の表示装置に「バイオセンサカートリッジの交換」を表示して、使用済みのバイオセンサカートリッジを使用して測定が行われることを防止することができるように構成されていることを特徴とする生化学測定器。
【請求項2】
前記生化学測定器本体の制御手段は、新品のバイオセンサカートリッジが前記生化学測定器本体に接続されているとき、当該書込手段により前記使用済み指示手段に使用済みを書き込ませることを特徴とする、請求項1に記載のバイオセンサカートリッジを使用する生化学測定器。
【請求項3】
前記使用済み指示手段は、ヒューズであり、前記書込手段は、ヒューズ溶断手段であり、当該ヒューズが溶断されている状態が、当該バイオセンサカートリッジが使用済みであることを指示することを特徴とする、請求項1又は2に記載のバイオセンサカートリッジを使用する生化学測定器。
【請求項4】
前記ヒューズは、前記バイオセンサカートリッジのコネクタ接続検出回路と独立して設けられていることを特徴とする、請求項3に記載のバイオセンサカートリッジを使用する生化学測定器。
【請求項5】
前記ヒューズは、前記バイオセンサカートリッジのコネクタ接続検出回路を兼ねていることを特徴とする、請求項3に記載のバイオセンサカートリッジを使用する生化学測定器。
【請求項6】
前記使用済み指示手段は、不揮発性メモリであり、当該不揮発性メモリに使用済みと書き込まれている状態が、当該バイオセンサカートリッジが使用済みであることを指示するであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のバイオセンサカートリッジを使用する生化学測定器。
【請求項7】
前記生化学測定器本体の制御手段は、前記書込手段により前記使用済み指示手段に使用済みを書き込ませたとき、前記生化学測定器本体内の記憶手段に、前記バイオセンサカートリッジの識別番号及び管理情報を書き込み、使用されたことがあるバイオセンサカートリッジ生化学測定器本体に装着した場合、たとえ前記使用済み指示手段が使用済みを指示していても、装着されているバイオセンサカートリッジの識別番号が、前記生化学測定器本体内の記憶手段に記憶されているバイオセンサカートリッジの識別番号と一致し、前記生化学測定器本体内の記憶手段に記憶されている前記管理情報から、当該バイオセンサカートリッジが使用寿命に達していないと判断される場合、前記生化学測定器本体の表示装置に「バイオセンサカートリッジの交換」を表示させないことを特徴とする、請求項1から6の何れか一項に記載のバイオセンサカートリッジを使用する生化学測定器。
【請求項8】
前記使用済み指示手段は、前記バイオセンサカートリッジのバイオセンサ自体であり、前記書込手段は、過電流供給手段であり、当該バイオセンサが前記過電流供給手段により破壊されている状態が、当該バイオセンサカートリッジが使用済みであることを指示するであることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサカートリッジを使用する生化学測定器。
【請求項9】
前記生化学測定器本体の制御手段は、装着されているバイオセンサカートリッジが使用寿命に達したとき、当該バイオセンサカートリッジが使用済みであると見做して、前記バイオセンサを前記過電流供給手段により破壊することを特徴とする、請求項8に記載のバイオセンサカートリッジを使用する生化学測定器。
【請求項10】
前記生化学測定器は尿糖計であることを特徴とする、請求項1から9の何れか一項に記載のバイオセンサカートリッジを使用する生化学測定器。
【請求項11】
バイオセンサを含むバイオセンサカートリッジが着脱自在に接続されるよう構成されている、バイオセンサカートリッジを使用する生化学測定器において、前記バイオセンサカートリッジは、当該バイオセンサカートリッジが前記生化学測定器に接続されている状態において、前記生化学測定器から読み書き可能な不揮発性の記憶手段を有しており、前記バイオセンサカートリッジが前記生化学測定器に接続されている状態において、前記生化学測定器は、前記不揮発性の記憶手段にアクセスして、前記バイオセンサカートリッジが使用可能かどうか判断するための情報を読み取り、前記バイオセンサカートリッジが使用可能でない場合には、前記生化学測定器の表示装置に「バイオセンサカートリッジの交換」を表示するように構成されていることを特徴とする、バイオセンサカートリッジを使用する生化学測定器。
【請求項12】
前記生化学測定器は、前記不揮発性の記憶手段に、使用開始からの経過時間を決定できる情報を書き込み、且つ測定のたびに、記憶されている使用回数を増分することができ、少なくとも前記生化学測定器の電源を投入したとき、前記不揮発性の記憶手段にアクセスして、前記バイオセンサカートリッジに係わる、使用開始からの経過時間を決定できる情報及び使用回数を読み出し、使用開始からの経過時間又は使用回数が上限に達している場合には、前記生化学測定器の表示装置に「バイオセンサカートリッジの交換」を表示するように構成されていることを特徴とする、請求項11に記載のバイオセンサカートリッジを使用する生化学測定器。
【請求項13】
前記生化学測定器は、前記不揮発性の記憶手段にエラー状態を書き込み、少なくとも前記生化学測定器の電源を投入したとき、前記不揮発性の記憶手段にアクセスして、前記バイオセンサカートリッジに係わるエラー情報を読み出し、読み出したエラー情報が前記バイオセンサカートリッジの使用不能を意味している場合には、前記生化学測定器の表示装置に「バイオセンサカートリッジの交換」を表示するように構成されていることを特徴とする、請求項11又は12に記載のバイオセンサカートリッジを使用する生化学測定器。
【請求項14】
前記バイオセンサカートリッジは、温度検出手段を有しており、前記生化学測定器は、前記温度検出手段によりバイオセンサの温度を測定し、温度測定値が、下限温度以下の場合には、前記不揮発性の記憶手段に設定された低温用カウンタを増分し、温度測定値が、上限温度以上の場合には、前記不揮発性の記憶手段に設定された高温用カウンタを増分し、前記低温用カウンタ又は前記高温用カウンタが所定の値に達したとき、前記生化学測定器の表示装置に「バイオセンサカートリッジの交換」を表示するように構成されていることを特徴とする、請求項11から13の何れか一項に記載のバイオセンサカートリッジを使用する生化学測定器。
【請求項15】
前記生化学測定器は、前記バイオセンサカートリッジのバイオセンサが保存液内に浸漬されているかどうか検出する手段を有しており、前記バイオセンサが保存液内に浸漬されていることを検出してから所定の時間が経過してから、前記温度検出手段によるバイオセンサの温度の前記測定を行うことを特徴とする、請求項14に記載のバイオセンサカートリッジを使用する生化学測定器。
【請求項16】
前記生化学測定器は、前記バイオセンサカートリッジのバイオセンサが保存液内に浸漬されているかどうか検出する手段を有しており、所定の時間以上前記バイオセンサが保存液内に浸漬されていないことを検出したときには、前記不揮発性の記憶手段にエラー情報を書き込むと共に、前記生化学測定器の表示装置に「バイオセンサカートリッジの交換」を表示するように構成されていることを特徴とする、請求項11から15の何れか一項に記載のバイオセンサカートリッジを使用する生化学測定器。
【請求項17】
前記生化学測定器は、前記バイオセンサカートリッジのバイオセンサが保存液内に浸漬されている状態において、前記バイオセンサカートリッジのバイオセンサに電圧を印加してその電流値を測定し、その測定電流値が異常を表している場合、前記不揮発性の記憶手段にエラー情報を書き込むと共に、前記生化学測定器の表示装置に「バイオセンサカートリッジの交換」を表示するように構成されていることを特徴とする、請求項11から16の何れか一項に記載のバイオセンサカートリッジを使用する生化学測定器。
【請求項18】
前記生化学測定器は、前記不揮発性の記憶手段に、前記バイオセンサカートリッジのバイオセンサが保存液内に浸漬されている状態の積算時間を書き込み、少なくとも前記生化学測定器の電源を投入したとき、前記不揮発性の記憶手段にアクセスして、浸漬されている状態の前記積算時間を読み出し、前記積算時間が所定時間を越えている場合には、前記生化学測定器の表示装置に「バイオセンサカートリッジの交換」を表示するように構成されていることを特徴とする、請求項11から17の何れか一項に記載のバイオセンサカートリッジを使用する生化学測定器。
【請求項19】
前記生化学測定器は、前記不揮発性の記憶手段に、バイオセンサのための較正係数、較正時点の経過時間、較正用測定回数を書き込むことを特徴とする、請求項11から18の何れか一項に記載のバイオセンサカートリッジを使用する生化学測定器。
【請求項20】
前記不揮発性の記憶手段は、前記バイオセンサカートリッジ内に設けられている不揮発性メモリであることを特徴とする、請求項11から19の何れか一項に記載のバイオセンサカートリッジを使用する生化学測定器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2010−48623(P2010−48623A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−212099(P2008−212099)
【出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【出願人】(000133179)株式会社タニタ (303)
【Fターム(参考)】