説明

バイオセンサカートリッジの製造方法およびバイオセンサカートリッジ

【課題】 簡単な構造で製造工程の簡略化を図り生産性の向上を図ることができるバイオセンサカートリッジの製造方法およびバイオセンサカートリッジを提供する。
【解決手段】 バイオセンサカートリッジ10の製造方法は、被検体に穿刺される穿刺用器具12を有するとともに位置決め部17,18,19を有する穿刺用器具体11の位置決め部17,18,19にバイオセンサチップ13を位置決め固定する工程を有している。また、穿刺用器具12の周囲を覆う弾性部材14をバイオセンサチップ13および穿刺用器具体11に装着する工程と、バイオセンサチップ13および穿刺用器具体11の周囲を覆う外装部材15,16をバイオセンサチップ13および穿刺用器具体11に被着させることでバイオセンサチップ13および穿刺用器具体11を密閉固定する工程と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穿刺用器具とバイオセンサチップとを有し、被検体に穿刺して試料を採取するバイオセンサカートリッジの製造方法およびバイオセンサカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
バイオセンサカートリッジの一例として、バイオセンサチップとランセットとを一体化したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図8(a),(b)に示すように、バイオセンサカートリッジ70は、チップ本体71と、ランセット72と、保護カバー73と、を有している。チップ本体71は、カバー74と基板75とを開閉可能に有しており、カバー74の内面には内部空間76が形成されている。内部空間76は、ランセット72を移動可能に収納している。
【0004】
ランセット72の先端に設けられている穿刺用器具(針)77は、ランセット72の移動に伴ってチップ本体71の内部空間76の前端部に形成されている開ロ部78から出没可能となっている。内部空間76の形状は、ランセット72に形成された突起79が位置する端部において、その幅がランセット72より若干狭くなるように形成されており、互いの押圧力や摩擦力によってランセット72がチップ本体71に係止されるようになっている。保護カバー73は針77を挿嵌する管部80を有しており、針77の移動に伴って管部80もチップ本体71の内部に収納可能となっている。使用前の状態では、保護カバー73を針77に被せて保護することで、誤って使用者を傷付けないようにしている。基板75には、一対の電極端子81,81が設けられており、測定装置(図示省略)の計測手段に電気的に接続できるようになっている。
【0005】
このように構成されたバイオセンサカートリッジ70は、使用時に、保護カバー73を外して、ランセット72を押して針77をチップ本体71から突出させる。この状態で被検体を穿刺した後、針77をチップ本体71内部に収納する。次いで、針77を後退させることで開口した前端の開口部78を被検体の穿刺口に近づけて、流出した血液を採取する。
【0006】
【特許文献1】国際公開第2002/056769号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上記特許文献1に開示されたバイオセンサカートリッジでは、ランセット72を移動可能な構造で、カバー74の内部に収容して穿刺及び試料採取を可能とするために、構造が複雑となって大型化し、製造工程が複雑化する虞がある。
【0008】
そこで本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構造で製造工程の簡略化を図り生産性の向上を図ることができるバイオセンサカートリッジの製造方法およびバイオセンサカートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するために、本発明に係るバイオセンサカートリッジの製造方法は、先端部に穿刺用器具を有し、さらに位置決め部を設けた穿刺用器具体と、バイオセンサチップとを前記位置決め部を介して固定する第1工程と、前記穿刺用器具の周囲を覆う弾性部材を前記バイオセンサチップおよび前記穿刺用器具体に装着する第2工程と、前記バイオセンサチップおよび前記穿刺用器具体の周囲を覆う外装部材を当該バイオセンサチップおよび当該穿刺用器具体に被着する第3工程と、を含むことを特徴としている。
【0010】
このように構成されたバイオセンサカートリッジの製造方法においては、第1工程において、穿刺用器具体の位置決め部にバイオセンサチップが位置決め固定され、第2工程において、穿刺用器具の周囲を覆って弾性部材がバイオセンサチップおよび穿刺用器具体に装着される。そして、第3工程において、外装部材がバイオセンサチップおよび穿刺用器具体の周囲を覆ってバイオセンサチップおよび穿刺用器具体に被着されてバイオセンサチップおよび穿刺用器具体が密閉固定される。これにより、従来のものと比べて、極めて簡単な構造でバイオセンサチップを穿刺用器具体に確実に位置決め固定してバイオセンサカートリッジを製造することができるため、製造工程の簡略化を図り生産性の向上を図ることができる。
【0011】
また、本発明に係るバイオセンサカートリッジの製造方法は、上記に記載したバイオセンサカートリッジの製造方法であって、前記第3工程において、前記弾性部材と前記外装部材が被着されることを特徴としている。
【0012】
このように構成されたバイオセンサカートリッジの製造方法においては、第3工程において、弾性部材と外装部材が被着されることで、バイオセンサチップおよび穿刺用器具体が接着剤を必要とせずに保持できるバイオセンサカートリッジを製造することができる。
【0013】
また、本発明に係るバイオセンサカートリッジの製造方法は、上記に記載したバイオセンサカートリッジの製造方法であって、前記第3工程において、前記弾性部材に、少なくとも前記穿刺用器具体に当接する突部の周りに当該弾性部材を押圧する突起を有する外装部材を被着させることを特徴としている。
【0014】
このように構成されたバイオセンサカートリッジの製造方法においては、第3工程において、外装部材の突部の周りに設けられた突起が弾性部材を押圧することで、接着剤を必要とせずにバイオセンサチップと穿刺用器具とを密接させるとともに、弾性部材の位置ずれを防ぎ、外装部材から抜け落ちないようにすることができる。
【0015】
また、本発明に係るバイオセンサカートリッジの製造方法は、上記のいずれかに記載したバイオセンサカートリッジの製造方法であって、前記第3工程において、前記バイオセンサチップおよび前記穿刺用器具体に、前記バイオセンサチップおよび前記穿刺用器具から離間した位置に相互に嵌合可能な嵌合部を有する前記外装部材を被着させることを特徴としている。
【0016】
このように構成されたバイオセンサカートリッジの製造方法においては、第3工程において、外装部材の嵌合部がバイオセンサチップおよび穿刺用器具から離間した位置で相互に嵌合されるようにすることで、例えば、熱溶着や超音波溶着で嵌合部を固着したとしても、その際の熱をバイオセンサチップおよび穿刺用器具に伝えないようにしてバイオセンサチップおよび穿刺用器具が熱の影響を受けないように固着したバイオセンサカートリッジを製造することができる。
【0017】
また、本発明に係るバイオセンサカートリッジの製造方法は、上記のいずれかに記載したバイオセンサカートリッジの製造方法であって、前記第3工程において、前記バイオセンサチップおよび前記穿刺用器具体に、前記穿刺用器具側から当該バイオセンサチップの長さ方向に向けて連通する試料流路を有する外装部材を被着させることを特徴としている。
【0018】
このように構成されたバイオセンサカートリッジの製造方法においては、第3工程において、外装部材をバイオセンサチップおよび穿刺用器具体に被着させることで、穿刺用器具側からバイオセンサチップの長さ方向に向けて連通する試料流路を通じて試料を効率良く流すことができるバイオセンサカートリッジを製造することができる。
【0019】
また、本発明に係るバイオセンサカートリッジの製造方法は、上記のいずれかに記載したバイオセンサカートリッジの製造方法であって、前記第1工程において、前記穿刺用器具から前記バイオセンサチップに形成された中空反応部へ連続する試料誘導傾斜面を有する穿刺用器具体に、当該バイオセンサチップを位置決め固定させることを特徴としている。
【0020】
このように構成されたバイオセンサカートリッジの製造方法においては、第1工程において、穿刺用器具体にバイオセンサチップを位置決め固定させることで、穿刺用器具体の試料誘導傾斜面を介して穿刺用器具からバイオセンサチップの中空反応部に試料を効率良く誘導させることができるバイオセンサカートリッジを製造することができる。
【0021】
また、本発明に係るバイオセンサカートリッジは、先端に穿刺用器具を有する穿刺用器具体と、バイオセンサチップと、前記穿刺用器具の周囲を覆う弾性部材と、前記バイオセンサチップおよび前記穿刺用器具体の周囲を覆う外装部材と、を備えたバイオセンサカートリッジであって、前記穿刺用器具体が、前記バイオセンサチップの長さ方向および幅方向を位置決めする位置決め部を有することを特徴としている。
【0022】
このように構成されたバイオセンサカートリッジにおいては、穿刺用器具体の位置決め部にバイオセンサチップが組み付けられることで、バイオセンサチップが、その長さ方向および幅方向を穿刺用器具体に位置決めされる。これにより、従来のものと比べて、極めて簡単な構造でバイオセンサチップを穿刺用器具体に確実に位置決め固定することができるため、製造工程の簡略化を図り生産性の向上を図ることができる。
【0023】
また、本発明に係るバイオセンサカートリッジは、上記に記載したバイオセンサカートリッジであって、前記弾性部材は、外面から位置決め固定された前記バイオセンサチップまで貫通するとともに前記穿刺用器具体まで貫通する切欠を有し、前記外装部材は、前記切欠に挿入されて前記バイオセンサチップに当接するとともに前記穿刺用器具体に当接する突部を有することを特徴としている。
【0024】
このように構成されたバイオセンサカートリッジにおいては、外装部材の突部が弾性部材の切欠に挿入されることで、外装部材の突部によってバイオセンサチップおよび穿刺用器具体を強固に保持することができる。
【0025】
また、本発明に係るバイオセンサカートリッジは、上記に記載したバイオセンサカートリッジであって、前記外装部材は、少なくとも前記突部の周りに前記弾性部材の抜けを防止する突起を有することを特徴としている。
【0026】
このように構成されたバイオセンサカートリッジにおいては、外装部材の突部の周りに設けられた突起が弾性部材を押圧することで、外装部材の突部によって保持されているバイオセンサチップおよび穿刺用器具体をさらに強固に保持することができる。
【0027】
また、本発明に係るバイオセンサカートリッジは、上記のいずれかに記載したバイオセンサカートリッジであって、前記外装部材は、前記バイオセンサチップおよび前記穿刺用器具から離間した位置に相互に嵌合可能な嵌合部を有することを特徴としている。
【0028】
このように構成されたバイオセンサカートリッジにおいては、外装部材の嵌合部がバイオセンサチップおよび穿刺用器具から離間した位置で相互に嵌合されるようにすることで、例えば、熱溶着や超音波溶着で嵌合部を固着したとしても、その際の熱をバイオセンサチップおよび穿刺用器具に伝えないようにしてバイオセンサチップおよび穿刺用器具が熱の影響を受けないように固着することができる。
【0029】
また、本発明に係るバイオセンサカートリッジは、上記のいずれかに記載したバイオセンサカートリッジであって、前記外装部材は、前記穿刺用器具側から当該バイオセンサチップの長さ方向に向けて連通する試料流路を有することを特徴としている。
【0030】
このように構成されたバイオセンサカートリッジにおいては、外装部材をバイオセンサチップおよび穿刺用器具体に被着させることで、穿刺用器具側からバイオセンサチップの長さ方向に向けて連通する試料流路を通じて試料を効率良く流すことができる。
【0031】
また、本発明に係るバイオセンサカートリッジは、上記のいずれかに記載したバイオセンサカートリッジであって、前記穿刺用器具体は、前記穿刺用器具から前記バイオセンサチップに形成された中空反応部へ連続する試料誘導傾斜面を有することを特徴としている。
【0032】
このように構成されたバイオセンサカートリッジにおいては、穿刺用器具体にバイオセンサチップを位置決め固定させることで、穿刺用器具体の試料誘導傾斜面を介して穿刺用器具からバイオセンサチップの中空反応部に試料を効率良く誘導させることができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明に係るバイオセンサカートリッジの製造方法およびバイオセンサカートリッジによれば、簡単な構造で製造工程の簡略化を図り生産性の向上を図ることができるバイオセンサカートリッジの製造方法およびバイオセンサカートリッジを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、図を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
【0035】
図1〜図7は本発明に係るバイオセンサカートリッジの製造方法およびバイオセンサカートリッジの一実施形態を示すもので、図1は本発明の一実施形態に係るバイオセンサカートリッジの製造方法を適用して製造されるバイオセンサカートリッジの各部品の分解斜視図、図2は図1のバイオセンサカートリッジに適用されるバイオセンサチップの平面図、図3は本発明の一実施形態に係るバイオセンサカートリッジの製造方法の第1工程を説明する外観斜視図、図4は本発明の一実施形態に係るバイオセンサカートリッジの製造方法の第2工程を説明する外観斜視図である。
【0036】
また、図5は本発明の一実施形態に係るバイオセンサカートリッジの製造方法の第3工程を説明する外観斜視図、図6は本発明の一実施形態に係るバイオセンサカートリッジの製造方法の第4工程を説明する外観斜視図、図7は図6の第4工程によって製造されたバイオセンサカートリッジにおける穿刺用器具体とバイオセンサチップとの一部破断断面図である。なお、今回開示される実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0037】
図1に示すように、バイオセンサカートリッジの製造方法を適用して製造されるバイオセンサカートリッジ10は、穿刺用器具12を有する穿刺用器具体11と、バイオセンサチップ13と、弾性部材14と、第1の外装部材15および第2の外装部材16と、を備える。
【0038】
穿刺用器具体11は、予め定められた厚さ寸法を有して直方体形状に形成された樹脂製板部材であって、先端部に穿刺用器具12が突出されている。そして、穿刺用器具体11は、位置決め部の穿刺用器具体側を構成する、それぞれ一対の、端部側突出部17,17と、中央部側突出部18,18と、側部側突出部19,19と、が器具体上面20に形成されている。
【0039】
端部側突出部17,17は、それぞれが三角柱形状に形成されて、器具体上面20における穿刺用器具12の上部に隙間をおいて突出配置されている。端部側突出部17,17は、反端部側がバイオセンサチップ13の端部の凸形状に対応した凹形状に形成されている。
【0040】
中央部側突出部18,18は、それぞれが三角柱形状に形成されて、穿刺用器具体11の両側部の中央部に突出配置されている。
【0041】
側部側突出部19,19は、それぞれが板形状に形成されて、穿刺用器具体11の両側部において中央部側突出部18,18の両側に端部側突出部17,17から後端部までの長さを有して突出配置されている。
【0042】
そして、穿刺用器具体11は、端部側突出部17,17の間に、穿刺用器具12の突出基端部から基具体上面20に連続する試料誘導傾斜面21が形成されている。
【0043】
バイオセンサチップ13は、第1の基板22と、第2の基板23と、スペーサ24と、からなり、第1の基板22の下面には、一対の検知用ターミナルプレート25,26が実装されている。
【0044】
バイオセンサチップ13は、穿刺用器具体11における側部側突出部19,19の間隔寸法よりも僅かに小さい幅寸法を有しており、両側部の中央部に、位置決め部のバイオセンサチップ側を構成する一対の凹部27,27が形成されている。凹部27,27は、穿刺用器具体11の中央部側突出部18,18に相似形状で、それらよりも僅かに大きい外形の三角形に形成されている。
【0045】
検知用ターミナルプレート25,26のうちの一方の検知用ターミナルプレート25は、先端の接点部28がL字形状に形成され、他方の検知用ターミナル26は、一方の検知用ターミナル25と同様に先端の接点部29がL字形状に形成されており、両接点部28,29は、第1の基板22の先端部で、第1の基板22の長さ方向に、予め定められた隙間を置いて配置されている。
【0046】
そして、これら接点部28,29の間、或いは近傍に、試料と反応する不図示の試薬が配置されている。試薬としては、例えば酵素とメディエータを固定化し血液中のダルコースと反応して電流を発生するものが挙げられる。これにより、中空反応部は、試料採取口から採取された例えば血液等の試料が、試薬と生化学反応することとなる。第1の基板22下には、絶縁層と粘着層とからなるスペーサ24を介して第2の基板23が一体に積層されている。
【0047】
バイオセンサチップ13は、先端部を穿刺用器具体11の端部側突出部17,17に当接させて、凹部27,27を穿刺用器具体11の中央部側突出部18,18に落とし込むことで、両側部が穿刺用器具体11の側部側突出部19,19の内側で支持される。これにより、バイオセンサチップ13は、その長さ方向が、端部側突出部17,17と中央部側突出部18,18とによって位置決めされ、その幅方向が、側部側突出部19,19によって位置決めされて、穿刺用器具体11の器具体上面20に組み付けられる。
【0048】
弾性部材14は、可撓性を有する弾性材料を用いて、穿刺用器具12の周囲を覆う密閉空間を有する形状で中央部に針孔30が形成されている。そして、弾性部材14は、その下部および上部に、後端縁から先端に向けて矩形に切除された一対の切欠31,32が形成されている。
【0049】
弾性部材14の厚さは、穿刺用器具体11に装着された際に、針孔30を貫通した穿刺用器具12の先端部が、例えば0.1mm程度突出されるようにするのが好ましい。そして、弾性部材14の材質としては、弾性を有するものであれば特に限定されないが、シリコーン、ウレタン、アクリル、エチレン、スチレン等のポリマー単体若しくは共重合したポリマーからなるゴム若しくはスポンジ、ポリエチレン、及びポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン及びパーフルオロアルコキシエチレンとポリフルオロエチレンの共重合体であるPFA等のフッ素樹脂などを利用できる。
【0050】
弾性部材14は、バイオセンサチップ13と穿刺用器具体11との組立体の先端側に装着されることで、下側の切欠31内に穿刺用器具体11の下面の先端部を露出させるとともに、上側の切欠32内にバイオセンサチップ13の先端部を露出させる。
【0051】
第1の外装部材15は、樹脂材を用いて略半円筒形状に形成されており、小径の本体部33と、本体部33よりも外径が大きい大径部34と、が一体形成されている。
【0052】
本体部33には、穿刺用器具体11の幅寸法よりも僅かに大きい幅寸法で、穿刺用器具体11の長さ寸法よりも小さい長さ寸法を有するセンサ収納部35が形成されており、このセンサ収納部35の両側部に、センサ収納部35から離れた位置でもって長さ方向に凹凸形状をなす第1の外装部材側嵌合部36,36がそれぞれ形成されている。
【0053】
大径部34には、センサ収納部35の先端部の中央部において、センサ収納部35に連続する突部37が形成されているとともに、この大径部34の内周面にある突部37の両側に、大径部34の中心に向けて突出された小さい突起38がそれぞれ突出形成されている。
【0054】
第2の外装部材16は、第1の外装部材15と同様にして、樹脂材を用いて略半円筒形状に形成されており、小径の本体部39と、本体部39よりも外径が大きい大径部40と、を一体に有する。
【0055】
本体部39には、バイオセンサチップ13に当接する平面状のチップ当接部41を有し、このチップ当接部41の中央に、バイオセンサチップ13の長さ方向に凹状をなす試料流路42が形成されている。そして、チップ当接部41の両側部に、チップ当接部41から離れた位置で且つ長さ方向に、第1の外装部材15の第1の外装部材側嵌合部36,36に互い違いに配置されるように凹凸形状をなす第2の外装部材側嵌合部43,43がそれぞれ形成されている。
【0056】
大径部40には、チップ当接部41の先端部の中央部に、チップ当接部41に連続する突部44が形成されているとともに、この大径部40の内周面で突部44の両側に、大径部40の中心に向けて突出された小さい突起45がそれぞれ突出形成されている。
【0057】
第2の外装部材16は、大径部40の端部が第1の外装部材15の端部に、ヒンジ部材46を介して展開自在に連結されている。なお、第2の外装部材16は、必ずしも第1の外装部材15に展開自在に連結されている必要はなく、連結されていれば、単一部品として取り扱うことができるので部品管理を簡略化できるが、2部品に分割されていても何らの支障はない。
【0058】
第1の外装部材15および第2の外装部材16は、第1の外装部材15のセンサ収納部35に、バイオセンサチップ13と穿刺用器具体11と弾性部材14との組立体が落とし込まれてから、第2の外装部材16が、その第2の外装部材側嵌合部43,43を第1の外装部材側嵌合部36,36にスナップアクションにより相互嵌合される。
【0059】
このとき、第1の外装部材15の突部37は弾性部材14の下側の切欠31に挿入されており、第2の外装部材16の突部44が弾性部材14の上側の切欠32に挿入されていることで、両外装部材15,16の両突部37,44がバイオセンサチップ13および穿刺用器具体11の先端部を挟み込んで支持する。加えて、両外装部材15,16のそれぞれの突起38,38,45,45が弾性部材14を外側から押圧することで、弾性部材14の抜け止めが図られて弾性部材14が強固に固定される。
【0060】
また、各嵌合部36,36,43,43を、熱溶着や超音波溶着等で溶着するようにしても良く、バイオセンサチップ13と穿刺用器具体11と弾性部材14との組立体をより強固に組み込むことができる。その際、各嵌合部36,36,43,43が、バイオセンサチップ13および穿刺用器具体11の穿刺用器具12から離れて配置されているため、バイオセンサチップ13および穿刺用器具体11の穿刺用器具12に溶着時の熱の影響を与えることがない。
【0061】
図1及び図2に示すように、バイオセンサチップ13は、第1の基板22と第2の基板23との先細形状をなす先端部において、スペーサ24の板方向に、後端部に向けて矩形に切除された中空反応部47が形成されている。この中空反応部47は、先端部が試料採取口48になっており、両ターミナルプレート25,26の接点部28,29がそれぞれ露出している。
【0062】
中空反応部47の後端側には、この中空反応部47に直交配置された空気導通路49が形成されており、この空気導通路49は、両側端部の外気開放部分が外気に開放されている。空気導通路49は、バイオセンサチップ13を左右に横切って貫通形成されている。また、中空反応部47は、内壁に不図示の界面活性剤が塗布されている。
【0063】
第1の基板22、第2の基板23およびスペーサ24の材質としては、絶縁性材料のフィルムが選ばれ、絶縁性材料としては、セラミックス、ガラス、紙、生分解性材料(例えば、ポリ乳酸微生物生産ポリエステル等)、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化樹脂、UV硬化樹脂等のプラスチック材料を例示することができる。このとき、機械的強度、柔軟性、及びチップの作製や加工の容易さ等から、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック材料が好ましい。代表的なPET樹脂としては、メリネックスやテトロン(以上、商品名、帝人デュポンフィルム株式会社製)、ルミラー(商品名、東レ株式会社製)等が挙げられる。
【0064】
また、試薬としては、例えばグルコースオキシダーゼ(GOD)が挙げられる。また、被検体の採血負担を考慮すると、中空反応部47の容積は1μL(マイクロリットル)以下が好ましく、特に300nL(ナノリットル)以下であることが好ましい。このような微小な中空反応部47であると、穿刺用器具12の直径が小さくても被検体の充分な血液量を採取可能となる。なお、穿刺用器具12は、直径が1000μm以下であることが好ましい。
【0065】
次に、図3乃至図6を参照して、バイオセンサカートリッジ10の製造方法について説明する。
【0066】
図3に示す第1工程において、バイオセンサチップ13が穿刺用器具12に位置決め固定される。
【0067】
第1工程では、バイオセンサチップ13が、先端部を穿刺用器具体11の端部側突出部17,17に当接されながら、凹部27,27が穿刺用器具体11の中央部側突出部18,18に落とし込まれる。これにより、両側部が穿刺用器具体11の側部側突出部19,19の内側に支持され、その長さ方向が端部側突出部17,17と中央部側突出部18,18とによって位置決めされる。また、その幅方向が側部側突出部19,19によって位置決めされ、穿刺用器具体11の器具体上面20に組み付けられて、バイオセンサチップ13と穿刺用器具体11との第1組立体60が形成される。
【0068】
次に、図4に示す第2工程において、バイオセンサチップ13と穿刺用器具体11との第1組立体60に弾性部材14が装着される。
【0069】
第2工程では、弾性部材14が、第1組立体60の先端側に装着されることで、上側の切欠32内にバイオセンサチップ13の先端部を露出させるとともに、下側の切欠31内に穿刺用器具体11の下面の先端部を露出させて、弾性部材14とバイオセンサチップ13と穿刺用器具11との第2組立体61が形成される。
【0070】
次に、図5に示す第3工程において、弾性部材14とバイオセンサチップ13と穿刺用器具11との第2組立体61が第1の外装部材15に組み込まれる。
【0071】
第3工程では、第1の外装部材15のセンサ収納部35に第2組立体61が落とし込まれることで、穿刺用器具体11が第1の外装部材15のセンサ収納部35(図1参照)に収納される。そして、弾性部材14の切欠31が第1の外装部材15の突部37に外装され、弾性部材14が第1の外装部材15の突起38,38に当接されることで、第2組立体61が第1の外装部材15に位置決めされる(図1参照)。
【0072】
次に、図6に示す第4工程において、第2組立体61を位置決め支持している第1の外装部材15に第2の外装部材16が組み付けられる。
【0073】
第4工程では、第2の外装部材16の第2の外装部材側嵌合部43,43が第1の外装部材15の第1の外装部材側嵌合部36,36にスナップアクションにより相互嵌合される。これにより、第1の外装部材15の突部37と第2の外装部材16の突部44とによって、バイオセンサチップ13および穿刺用器具体11の先端部が挟み込まれて支持される(図1参照)。そして、第1の外装部材15の突起38,38と第2の外装部材16の突起45,45とによって弾性部材14が外側から押圧されて抜け止めされ、バイオセンサチップ13と穿刺用器具体11とを密閉内装したバイオセンサカートリッジ10が製造される。
【0074】
図7に示すように、バイオセンサカートリッジ10は、穿刺用器具体11の先端部に形成された試料誘導傾斜面21が、バイオセンサチップ13の中空反応部47における試料採取口48に向けて配置される。そのため、穿刺用器具12が被検体に穿刺されることで、流出された試料を採取口48に効率良く誘導して採取することができる。また、第2の外装部材16の試料流路(図5参照)42が、穿刺用器具12の周囲に連通して配置されるため、このバイオセンサカートリッジ10が不図示のバイオセンサ測定装置内における減圧空間内で、穿刺用器具12が被検体に穿刺された際に負圧を生じることで、試料を効率良く進行させるようにできる。
【0075】
以上説明したように、本実施形態のバイオセンサカートリッジの製造方法によれば、第1工程において、穿刺用器具体11の中央部側突出部18,18にバイオセンサチップ13の凹部27,27を落とし込む。これにより、穿刺用器具体11の端部側突出部17,17と中央部側突出部18,18と側部側突出部19,19とによってバイオセンサチップ13が位置決め固定される。次に、第2工程において、穿刺用器具12の周囲を覆って弾性部材14がバイオセンサチップ13および穿刺用器具体11に装着される。次に、第3工程および第4工程において、第1の外装部材15および第2の外装部材16がバイオセンサチップ13および穿刺用器具体11の周囲を覆ってバイオセンサチップ13および穿刺用器具体11に被着されてバイオセンサチップ13および穿刺用器具体11が密閉固定される。これにより、従来のものと比べて、極めて簡単な構造でバイオセンサチップ13を穿刺用器具体11に確実に位置決め固定してバイオセンサカートリッジ10を製造することができるため、製造工程の簡略化を図り生産性の向上を図ることができる。
【0076】
また、本実施形態のバイオセンサカートリッジの製造方法によれば、第3工程および第4工程において、第1の外装部材15の突部37および第2の外装部材16の突部44が弾性部材14の切欠31,32に挿入されることで、各突部37,44によってバイオセンサチップ13および穿刺用器具体11が接着剤を必要とせずに保持できるバイオセンサカートリッジ10を製造することができる。
【0077】
また、本実施形態のバイオセンサカートリッジの製造方法によれば、第3工程および第4工程において、第1の外装部材15の突部37の周りに有する突起38,38および第2の外装部材16の突部44の周りに有する突起45,45が弾性部材14を押圧するようにする。これにより、接着剤を必要とせずにバイオセンサチップ13と穿刺用器具12とを密接させるとともに、弾性部材14の位置ずれを防ぎ、外装部材15,16から抜け落ちないようにすることができる。
【0078】
また、本実施形態のバイオセンサカートリッジの製造方法によれば、第3工程および第4工程において、第1の外装部材14の第1の外装部材側嵌合部36,36および第2の外装部材15の第2の外装部材側嵌合部43,43がバイオセンサチップ13および穿刺用器具12から離間した位置で相互に嵌合されるようにする。これにより、熱溶着や超音波溶着で嵌合部を固着しても、その際の熱をバイオセンサチップ13および穿刺用器具12に伝えないので、バイオセンサチップ13および穿刺用器具12が熱の影響を受けないように固着したバイオセンサカートリッジ10を製造することができる。
【0079】
また、本実施形態のバイオセンサカートリッジの製造方法によれば、第3工程および第4工程において、第1の外装部材14および第2の外装部材15をバイオセンサチップ13および穿刺用器具体11に被着させる。これにより、穿刺用器具12側からバイオセンサチップ13の長さ方向に向けて連通する試料流路42を通じて試料を効率良く流すことができるバイオセンサカートリッジ10を製造することができる。
【0080】
また、本実施形態のバイオセンサカートリッジの製造方法によれば、第1工程において、穿刺用器具体11にバイオセンサチップ13を位置決め固定させる。これにより、穿刺用器具体11の試料誘導傾斜面21を介して穿刺用器具12からバイオセンサチップ13の中空反応部47に試料を効率良く誘導させることができるバイオセンサカートリッジ10を製造することができる。
【0081】
また、本実施形態のバイオセンサカートリッジ10によれば、穿刺用器具体11の中央部側突出部18,18にバイオセンサチップ13の凹部27,27を落とし込む。これにより、穿刺用器具体11の端部側突出部17,17と中央部側突出部18,18と側部側突出部19,19とによってバイオセンサチップ13がその長さ方向および幅方向を穿刺用器具体11に位置決めされる。よって、従来のものと比べて、極めて簡単な構造でバイオセンサチップ13を穿刺用器具体11に確実に位置決め固定することができ、製造工程の簡略化を図り生産性の向上を図ることができる。
【0082】
また、本実施形態のバイオセンサカートリッジ10によれば、第1の外装部材15の突部37および第2の外装部材16の突部44が弾性部材14の切欠31,32に挿入される。これにより、各突部37,44によってバイオセンサチップ13および穿刺用器具体11を強固に保持することができる。
【0083】
また、本実施形態のバイオセンサカートリッジ10によれば、第1の外装部材15の突部37の周りに設けられた突起38,38および第2の外装部材16の突部44の周りに設けられた突起45,45が弾性部材14を押圧して抜けを防止する。これにより、各突部37,44によって保持されているバイオセンサチップ13および穿刺用器具体11をさらに強固に保持することができる。
【0084】
また、本実施形態のバイオセンサカートリッジ10によれば、第1の外装部材14の第1の外装部材側嵌合部36,36および第2の外装部材15の第2の外装部材側嵌合部43,43がバイオセンサチップ13および穿刺用器具12から離間した位置で相互に嵌合される。これにより、熱溶着や超音波溶着で嵌合部を固着しても、その際の熱をバイオセンサチップ13および穿刺用器具12に伝えないので、バイオセンサチップ13および穿刺用器具12が熱の影響を受けないように固着することができる。
【0085】
また、本実施形態のバイオセンサカートリッジ10によれば、第1の外装部材14および第2の外装部材15をバイオセンサチップ13および穿刺用器具体11に被着させることで、穿刺用器具12側からバイオセンサチップ13の長さ方向に向けて連通する試料流路42を通じて試料を効率良く流すことができる。
【0086】
また、本実施形態のバイオセンサカートリッジ10によれば、穿刺用器具体11にバイオセンサチップ13を位置決め固定させることで、穿刺用器具体11の試料誘導傾斜面21を介して穿刺用器具12からバイオセンサチップ13の中空反応部47に試料を効率良く誘導させることができる。
【0087】
なお、本発明に係るバイオセンサカートリッジの製造方法およびバイオセンサカートリッジは、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形や改良等が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の一実施形態に係るバイオセンサカートリッジの製造方法を適用して製造されるバイオセンサカートリッジの各部品の分解斜視図である。
【図2】図1のバイオセンサカートリッジに適用されるバイオセンサチップの平面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るバイオセンサカートリッジの製造方法の第1工程を説明する外観斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るバイオセンサカートリッジの製造方法の第2工程を説明する外観斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るバイオセンサカートリッジの製造方法の第3工程を説明する外観斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るバイオセンサカートリッジの製造方法の第4工程を説明する外観斜視図である。
【図7】図6の第4工程によって製造されたバイオセンサカートリッジにおける穿刺用器具体とバイオセンサチップとの一部破断断面図である。
【図8】(a),(b)は従来のバイオセンサカートリッジのそれぞれ概略図である。
【符号の説明】
【0089】
10 バイオセンサカートリッジ
11 穿刺用器具体
12 穿刺用器具
13 バイオセンサチップ
14 弾性部材
15 第1の外装部材(外装部材)
16 第2の外装部材(外装部材)
17 端部側突出部(位置決め部)
18 中央部側突出部(位置決め部)
19 側部側突出部(位置決め部)
21 試料誘導傾斜面
27 凹部(位置決め部)
31 切欠
32 切欠
36 第1外装部材側嵌合部(嵌合部)
37 突部
38 突起
42 試料流路
43 第2外装部材側嵌合部(嵌合部)
44 突部
45 突起
47 中空反応部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部に穿刺用器具を有し、さらに位置決め部を設けた穿刺用器具体と、バイオセンサチップとを前記位置決め部を介して固定する第1工程と、
前記穿刺用器具の周囲を覆う弾性部材を前記バイオセンサチップおよび前記穿刺用器具体に装着する第2工程と、
前記バイオセンサチップおよび前記穿刺用器具体の周囲を覆う外装部材を当該バイオセンサチップおよび当該穿刺用器具体に被着する第3工程と、
を含むことを特徴とするバイオセンサカートリッジの製造方法。
【請求項2】
前記第3工程において、前記弾性部材と前記外装部材が被着されることを特徴とする請求項1に記載したバイオセンサカートリッジの製造方法。
【請求項3】
前記第3工程において、前記弾性部材に、少なくとも前記穿刺用器具体に当接する突部の周りに当該弾性部材を押圧する突起を有する外装部材を被着させることを特徴とする請求項2に記載したバイオセンサカートリッジの製造方法。
【請求項4】
前記第3工程において、前記バイオセンサチップおよび前記穿刺用器具体に、前記バイオセンサチップおよび前記穿刺用器具から離間した位置に相互に嵌合可能な嵌合部を有する前記外装部材を被着させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載したバイオセンサカートリッジの製造方法。
【請求項5】
前記第3工程において、前記バイオセンサチップおよび前記穿刺用器具体に、前記穿刺用器具側から当該バイオセンサチップの長さ方向に向けて連通する試料流路を有する外装部材を被着させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載したバイオセンサカートリッジの製造方法。
【請求項6】
前記第1工程において、前記穿刺用器具から前記バイオセンサチップに形成された中空反応部へ連続する試料誘導傾斜面を有する穿刺用器具体に、当該バイオセンサチップを位置決め固定させることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載したバイオセンサカートリッジの製造方法。
【請求項7】
先端に穿刺用器具を有する穿刺用器具体と、
バイオセンサチップと、
前記穿刺用器具の周囲を覆う弾性部材と、
前記バイオセンサチップおよび前記穿刺用器具体の周囲を覆う外装部材と、
を備えたバイオセンサカートリッジであって、
前記穿刺用器具体が、前記バイオセンサチップの長さ方向および幅方向を位置決めする位置決め部を有することを特徴とするバイオセンサカートリッジ。
【請求項8】
前記弾性部材は、外面から位置決め固定された前記バイオセンサチップまで貫通するとともに前記穿刺用器具体まで貫通する切欠を有し、
前記外装部材は、前記切欠に挿入されて前記バイオセンサチップに当接するとともに前記穿刺用器具体に当接する突部を有することを特徴とする請求項7に記載したバイオセンサカートリッジ。
【請求項9】
前記外装部材は、少なくとも前記突部の周りに前記弾性部材の抜けを防止する突起を有することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載したバイオセンサカートリッジ。
【請求項10】
前記外装部材は、前記バイオセンサチップおよび前記穿刺用器具から離間した位置に相互に嵌合可能な嵌合部を有することを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載したバイオセンサカートリッジ。
【請求項11】
前記外装部材は、前記穿刺用器具側から当該バイオセンサチップの長さ方向に向けて連通する試料流路を有することを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれか一項に記載したバイオセンサカートリッジ。
【請求項12】
前記穿刺用器具体は、前記穿刺用器具から前記バイオセンサチップに形成された中空反応部へ連続する試料誘導傾斜面を有することを特徴とする請求項7乃至請求項11のいずれか一項に記載したバイオセンサカートリッジ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−82630(P2009−82630A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−259261(P2007−259261)
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】