説明

バイオフィルム形成阻害剤

【解決課題】極極低濃度から効果を示し、細菌等を死滅させることなく、また、特定の条件下でのみ効果を発現し得るバイオフィルム形成阻害剤を提供すること。
【解決方法】特定のセスキテルペン化合物を有効成分として含むバイオフィルム形成阻害剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオフィルム形成阻害剤に関する。より詳細には、細菌、およびカンジダなどの真菌類(以下、「細菌等」という)、特にう蝕の主要な原因菌であるストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)を死滅させることなく、極低濃度で有効に作用するバイオフィルム形成阻害剤、およびそれを含有してなる香粧品、医薬品、食品および洗浄剤に関する。
【背景技術】
【0002】
バイオフィルムは粘性のあるフィルムであり、固体の表面に付着した状態にあるものの総称である。バイオフィルムは、う蝕、舌苔、歯周病、中耳炎、細菌性前立腺炎、嚢胞性線維症肺炎などの生体組織での感染症のほか、縫合、コンタクトレンズ、人工心臓弁、人工尿道、尿道カテーテル膀胱炎などの人工医療用材料表面での感染症の原因として注目されてきており、その他、住環境における台所、浴室、トイレ、エアコンなどの水まわりや排水管における悪臭、ぬめり、ぬるつき、つまりの原因にもなることが知られている。
【0003】
バイオフィルムは、液体の中で浮遊している細菌等が固体に付着し、細菌等が分泌する粘性の物質を介して小さな集団(マイクロコロニー)を形成し、このコロニーが増殖して形成される。このようなバイオフィルム内の細菌等では、ある細菌等の老廃物が他の細菌等の栄養になるなど、限られた栄養の環境下で多種多様な細菌等が効率よく生活でき、単体で存在する細菌等では認められない種々の物質を生成したり、免疫細胞や抗菌物質に対して抵抗性を示したりするなど、単体の細菌等が有する性質とは異なる性質が示される。
【0004】
したがって、このようなバイオフィルムの形成が原因で発現する疾患や住環境に対しては、バイオフィルムの形成を阻害する手段が有効である。また、バイオフィルムの形成のみを特異的に阻害できれば、人体や微生物環境の恒常性にも寄与する側面を有する細菌等を死滅させることなく、疾患の予防や治癒、住環境の改善を達成することができる。また、特定の条件下でのみバイオフィルムの形成を阻害できれば、必要な条件下でのみ特異的にバイオフィルムの形成を阻害することができる。
【0005】
現在までに種々のバイオフィルム形成阻害物質が提唱されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)が、極低濃度から優れたバイオフィルムの形成阻害効果を示す剤は見出されていなかった。また、これら多くの物質を生体に適用する場合、生体内の常在細菌等をも死滅させ、それら常在細菌等が寄与する生体の恒常性が損なわれるという問題があった。また、特定の条件下でのみバイオフィルムの形成を阻害し得る剤も見出されていなかった。
したがって、細菌等を死滅させることなく極低濃度でバイオフィルムの形成を阻害し、また、特定の条件下でのみ効果を発現し得るバイオフィルム形成阻害剤が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平08−310931号公報
【特許文献2】特表2004−521880号公報
【特許文献3】特開2007−091706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、細菌等を死滅させることなく極低濃度から効果を示し、また、特定の条件下でのみ効果を発現し得るバイオフィルム形成阻害剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題の下、本発明者らは、優れたバイオフィルム形成抑制効果を示す物質を探索するべく鋭意検討した結果、特定のセスキテルペン炭化水素が細菌等を死滅させることなく極低濃度から効果を発揮し、また、スクロース存在下でのみ特異的にバイオフィルム形成阻害効果を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、
式I:
【0010】
【化1】

[式中、Rは直鎖または分枝鎖型のC1−5アルキル基であり、
は直鎖または分枝鎖型のC1−5アルキル基であり、
は直鎖または分枝鎖型のC1−5アルキレン基である]
で示される化合物よりなる群から選択される1種または2種以上を有効成分として含むバイオフィルム形成阻害剤、口腔用組成物、医薬組成物、食品および洗浄剤を提供する。また、本発明は、バイオフィルム形成抑制作用を有するものである旨の表示をした前記の口腔用組成物、医薬組成物、食品および洗浄剤を提供する。また、本発明は、上記化合物を有効成分として含むバイオフィルムの形成を抑制するための口腔用組成物、医薬組成物、食品および洗浄剤を提供する。
また、本発明は、バイオフィルムの形成を抑制するための剤の製造のための上記化合物の使用を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、細菌等を死滅させて生体や微生物環境に悪影響を及ぼすことなく、特定の条件下にて極低濃度から特異的にバイオフィルム形成阻害効果を発揮し得るバイオフィルム形成阻害剤、香粧品、特に口腔用組成物、医薬品もしくは医薬部外品、食品および洗浄剤などを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(+)-アロマデンドレンおよび(-)-アロアロマデンドレンによるポリスチレン表面に対するバイオフィルムの形成阻害効果を示す図である。
【図2】(-)-アロアロマデンドレンによるガラス表面に対するバイオフィルム形成阻害効果を示す図である。
【図3】(-)-アロアロマデンドレンのバイオフィルム形成阻害効果に対する糖の影響を示す図である。
【図4】(-)-アロアロマデンドレンおよび公知の抗菌剤の細菌数およびバイオフィルム形成量に対する影響を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、特定のセスキテルペン化合物を有効成分として含むバイオフィルム形成阻害剤を提供する。
本発明のバイオフィルム形成阻害剤に有効成分として含まれるセスキテルペン化合物には、
式:
【0014】
【化2】

[式中、Rは直鎖または分枝鎖型のC1−5アルキルであり、
は直鎖または分枝鎖型のC1−5アルキルであり、
は直鎖または分枝鎖型のC1−5アルキレンである]
で示される化合物が含まれる。
【0015】
本発明の1つの形態において、本発明のバイオフィルム形成阻害剤に含まれる有効成分は、(+)-アロマデンドレン((1aβ,4aβ,7aα,7bβ)‐デカヒドロ‐1,1,7β‐トリメチル‐4‐メチレン‐1H‐シクロプロパ[e]アズレン)または(-)-アロアロマデンドレン((1aβ,4aα,7aα,7bβ)‐デカヒドロ‐4‐メチレン‐1,1,7β‐トリメチル‐1H‐シクロプロパ[e]アズレン)である。
【0016】
(+)-アロマデンドレンはユーカリ属植物の精油中などから公知の方法によって単離することができる。一般的な方法としては、公知の蒸留、カラムクロマトグラフィー、分取型高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、分取型ガスクロマトグラフィー(GC)などを用いた単離が挙げられる。また、(+)-アロマデンドレンは、J. Americal Chem. Soc., (1969), Vol.91, p.6473-6478に記載されているようなピネンからの化学合成法により生成したものやFluka社やAldrich社から商品名:アロマデンドレンで販売されているものを使用することができる。
また、(-)-アロアロマデンドレンは、(+)-アロマデンドレンと同様にユーカリ属植物から公知の方法によって精製、単離することができる。公知の単離方法としては、油化学(1986), Vol.35, p.176-181に記載されている方法が挙げられる。また、(-)-アロアロマデンドレンは、アロマデンドレンのメチレン基の酸化によるアポアロマデンドレンの生成、アポアロマデンドレンの環異性化、異性化アポアロマデンドレンにメチレン基生成を経て化学合成したものやAldrich社から商品名:アロアロマデンドレンで販売されているものを使用することができる。
本発明のバイオフィルム形成阻害剤においては、これら1種または2種以上の有効成分を組み合わせて使用することができる。
【0017】
これらの有効成分は、適用部位に存在する水など液体による希釈倍率を1倍〜1000倍と想定する場合、本発明のバイオフィルム形成阻害剤に約0.05μg/mL〜100mg/mL、好ましくは約0.1μg/mL〜50mg/mL、より好ましくは約0.2μg/mL〜20mg/mL、さらに好ましくは約0.4μg/mL〜6mg/mLの濃度で含ませることができ、適用部位に存在する水の量に応じて変動させることができる。
【0018】
本発明のバイオフィルム形成阻害剤は、実施例に示すように、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)により形成されるバイオフィルムに対して有効である。う蝕には、ストレプトコッカス・ミュータンスなどの菌が環境中のスクロースを基質としてグルカンを生成することが伴い、このグルカンが菌を歯面に強固に固定する。本発明では、環境中にスクロースが存在する場合にバイオフィルムの形成阻害が特に強く認められたことから、本発明のバイオフィルム形成阻害剤は、バイオフィルムの形成にグルカンが関与する微生物に作用する。
したがって、本発明のバイオフィルム形成阻害剤は、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)以外に、他のう蝕原因菌であるストレプトコッカス・ソブリナス(Streptococcus sobrinus)などにより形成されるバイオフィルムに対しても有効である。
【0019】
本発明のバイオフィルム形成阻害剤は、適用目的に応じて、適宜、乳化剤、分散剤などの安定化剤、賦形剤、溶剤、粘度調整剤、潤沢剤、湿潤剤、研磨剤、発泡剤、香味剤、pH調整剤、香料、色素を含ませて、一定量の水分が存在して細菌等によりバイオフィルムが形成される部位に適用する組成物に製剤化することができる。具体的には、練歯磨、ゲル、洗口剤、粉歯磨、口腔用パスタ、チュアブル剤、うがい剤、口中清涼剤などの口腔衛生用組成物、シャンプー、リンス、整髪料、育毛剤、養毛剤などの毛髪化粧料、制汗剤などの皮膚化粧料などの香粧品;創傷の治癒・保護剤、皮膚外用剤、内服剤、コンタクトレンズ洗浄剤などの医薬品または医薬部外品;錠菓、チューインガム、飴、栄養食品、シート状食品などの食品または機能性食品;浴槽、便器、換気扇、エアコン、窓、洗濯機槽、台所シンク、配水管などの洗浄に使用する住居用洗浄剤などの洗浄剤に製剤化することができる。
【0020】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【実施例1】
【0021】
アロマデンドレン類縁化合物によるポリスチレン表面へのバイオフィルム形成阻害効果
方法:
ゲノム情報が解明されており、バイオフィルム形成に関して多くの論文が報告されているストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)UA159株を用いて試験を行った。
まず、前培養としてBHI(Brain Heart Infusion,Difco社)培地3mLに植菌して37℃で一晩静置培養した。この前培養液0.3mLをBHI培地2.7mLに加え、37℃、5%CO2存在下でOD600=0.5まで静置培養し(炭酸ガス培養にはAnaeroPack CO2(三菱ガス化学(株))を使用)、本培養とした。本培養液250μLを20mMスクロースを添加したバイオフィルム形成用培地(BM培地;58mMリン酸水素二カリウム、15mMリン酸二水素カリウム、10mM硫酸アンモニウム、35mM塩化ナトリウム、0.8%グルコース、0.2%カザミノ酸、2mM硫酸マグネシウム、40μMニコチン酸、100μM塩酸ピリドキシン、10μMパントテン酸、1μMリボフラビン、0.3μM塩酸チアミン、0.05μM D-ビオチン、4mM L-グルタミン酸、1mM L-アルギニン塩酸塩、1.3mM L-システイン塩酸塩、0.1mM L-トリプトファン)25mLに加え、96穴ポリスチレン製平底マイクロタイタープレートに200μLずつ分注した。各ウェルに、試験に供するアロマデンドレン類似化合物を2μLずつ添加し、十分に混合した後、37℃、5%CO2存在下で24時間培養した。培養後、各ウェルを水道水で洗浄し、0.1%クリスタルバイオレットを50μL添加後、室温で15分間静置して、ウェルの底に形成されたバイオフィルムを染色した。ウェルを水道水で洗浄後、乾燥させて撮影した。
【0022】
結果:
(+)-アロマデンドレンおよび(-)-アロアロマデンドレンによるバイオフィルム形成阻害試験を行った結果、(+)-アロマデンドレンでは0.78μg/mLから、(-)-アロアロマデンドレンでは0.39μg/mLから濃度依存的なバイオフィルムの形成阻害が認められた(図1)。
したがって、本発明のバイオフィルム形成阻害剤は極低濃度から優れた効果を示すことが判明した。
【実施例2】
【0023】
(-)-アロアロマデンドレンによるガラス表面へのバイオフィルム形成阻害効果
方法:
前培養としてBHI培地3mLに植菌して37℃で一晩静置培養した。前培養液200μLを20mMスクロースを添加したBM培地20mLに加え、滅菌した試験管に3mLずつ分注し、(-)-アロアロマデンドレンを添加した。各試験管を斜めにしてアネロボックスに入れ、37℃、5%CO2存在下で24時間培養した。斜めにして静置培養を行ったので、底になったガラス壁面を正面にしてバイオフィルム形成状態を撮影した。次に、培地を静かに廃棄し、ガラス壁面に付着したバイオフィルムを撮影し、さらに、蒸留水で2回洗浄し、残ったバイオフィルムも撮影した。
【0024】
結果:
(-)-アロアロマデンドレンを1.56〜12.5μg/mLの濃度で添加して培養したところ、いずれの濃度においても菌の凝集および浮遊が観察され、ガラス壁面に対するバイオフィルムの形成阻害が認められた(図2)。この結果は、実施例1で行ったポリスチレン製のマイクロタイタープレートで行った試験の結果と一致した。この結果は、(+)-アロマデンドレンにおいても認められた。
疎水性であるポリスチレン製マイクロタイタープレート表面および親水性であるガラス表面の両方においてバイオフィルムの形成が阻害されたことから、本発明のバイオフィルム形成阻害剤は適用部位の表面エネルギー性状に影響を受けることなく極低濃度でその表面に対するバイオフィルムの形成を阻害できることが示された。
【実施例3】
【0025】
(-)-アロアロマデンドレンによるバイオフィルム形成阻害に対するスクロースの要求性
方法:
前培養としてBHI培地3mLに植菌して37℃で一晩静置培養した。20mMのスクロース、グルコース、フルクトースまたはマルトースを添加したBM培地に1/100量の前培養液を加え、直径3cmの滅菌シャーレに3mLずつ分注し、試験化合物の溶媒として用いたDMSO(対照区)または(-)-アロアロマデンドレン6.25μg/mLを添加した。37℃、5%CO2存在下で24時間培養後に撮影し、さらに、培地を静かに吸引除去後、底に形成されたバイオフィルムを撮影した。
【0026】
結果:
(-)-アロアロマデンドレンを添加した区では、いずれの糖を添加した区においても菌の凝集が認められたが、スクロースを添加した区では他の糖と比較して菌の凝集およびバイオフィルム形成阻害が特に顕著であった。また、スクロースを添加した区のみで菌の浮遊が認められた(図3)。この結果より、(-)-アロアロマデンドレンによるバイオフィルム形成阻害には環境中にスクロースが必要であることが示された。この結果は、(+)-アロマデンドレンにおいても認められた(スクロース添加とグルコース添加との比較を行った場合)。
したがって、本発明のバイオフィルム形成阻害剤は、スクロースが存在する環境下に適用し、または、スクロースと共に製剤化することにより、う蝕の原因となるスクロースが存在する環境下、例えば口腔内において特異的に効果を発揮させ得ることが示された。
【実施例4】
【0027】
(-)-アロアロマデンドレンおよび抗生物質エリスロマイシンによるバイオフィルム形成阻害の比較
培養後にOD595により細菌数を測定する以外は実施例1と同様の試験方法により、96穴ポリスチレン製平底マイクロタイタープレートにおける(-)-アロアロマデンドレンおよび抗生物質エリスロマイシンが細菌の増殖およびバイオフィルム形成に及ぼす影響を調べた。
【0028】
結果:
(-)-アロマデンドレンおよび公知の抗生物質であるエリスロマイシンによるバイオフィルム形成阻害試験を行った結果、(-)-アロマデンドレンでは0.1μg/mLから濃度依存的にバイオフィルムの形成阻害が認められたが、0.39μg/mL以上の濃度で細菌数は一定に維持されることが認められた(図4、左グラフ)。一方、公知の抗生物質であるエリスロマイシンでは濃度依存的な細菌数の減少およびバイオフィルムの形成阻害が平行して認められた(図4、右グラフ)。
したがって、公知の抗菌剤が細菌を死滅させることによりバイオフィルムの形成を阻害するのに対し、(-)-アロマデンドレンでは細菌数とバイオフィルムの形成量とは相関しておらず、細菌を死滅させることなくバイオフィルムの形成のみを特異的に阻害することが判明した。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明に係るバイオフィルム形成阻害剤は、口腔用組成物などの香粧品、医薬品、食品および洗浄剤などに配合して、口腔をはじめとする身体の疾患の予防もしくは治癒効果、あるいは、住居用洗浄剤などに配合して汚れの除去、悪臭防止などの効果を奏することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、Rは直鎖または分枝鎖型のC1−5アルキル基であり、
は直鎖または分枝鎖型のC1−5アルキル基であり、
は直鎖または分枝鎖型のC1−5アルキレン基である]
で示される化合物よりなる群から選択される1種または2種以上を有効成分として含むバイオフィルム形成阻害剤。
【請求項2】
式I:
【化2】

[式中、Rは直鎖または分枝鎖型のC1−5アルキル基であり、
は直鎖または分枝鎖型のC1−5アルキル基であり、
は直鎖または分枝鎖型のC1−5アルキレン基である]
で示される化合物よりなる群から選択される1種または2種以上を有効成分として含む口腔用組成物。
【請求項3】
式I:
【化3】

[式中、Rは直鎖または分枝鎖型のC1−5アルキル基であり、
は直鎖または分枝鎖型のC1−5アルキル基であり、
は直鎖または分枝鎖型のC1−5アルキレン基である]
で示される化合物よりなる群から選択される1種または2種以上を有効成分として含む医薬組成物。
【請求項4】
式I:
【化4】

[式中、Rは直鎖または分枝鎖型のC1−5アルキル基であり、
は直鎖または分枝鎖型のC1−5アルキル基であり、
は直鎖または分枝鎖型のC1−5アルキレン基である]
で示される化合物よりなる群から選択される1種または2種以上を有効成分として含む食品。
【請求項5】
式I:
【化5】

[式中、Rは直鎖または分枝鎖型のC1−5アルキル基であり、
は直鎖または分枝鎖型のC1−5アルキル基であり、
は直鎖または分枝鎖型のC1−5アルキレン基である]
で示される化合物よりなる群から選択される1種または2種以上を有効成分として含む洗浄剤。
【請求項6】
バイオフィルム形成抑制作用を有するものである旨の表示をした請求項2記載の口腔用組成物。
【請求項7】
バイオフィルム形成抑制作用を有するものである旨の表示をした請求項3記載の医薬組成物。
【請求項8】
バイオフィルム形成抑制作用を有するものである旨の表示をした請求項4記載の食品。
【請求項9】
バイオフィルム形成抑制作用を有するものである旨の表示をした請求項5記載の洗浄剤。
【請求項10】
式I:
【化6】

[式中、Rは直鎖または分枝鎖型のC1−5アルキル基であり、
は直鎖または分枝鎖型のC1−5アルキル基であり、
は直鎖または分枝鎖型のC1−5アルキレン基である]
で示される化合物よりなる群から選択される1種または2種以上を有効成分として含むバイオフィルムの形成を抑制するための口腔用組成物。
【請求項11】
バイオフィルムの形成を抑制するための剤の製造のための、式I:
【化7】

[式中、Rは直鎖または分枝鎖型のC1−5アルキル基であり、
は直鎖または分枝鎖型のC1−5アルキル基であり、
は直鎖または分枝鎖型のC1−5アルキレン基である]
で示される化合物よりなる群から選択される1種または2種以上の化合物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−148745(P2011−148745A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−12418(P2010−12418)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(000125347)学校法人近畿大学 (389)
【出願人】(000208086)大洋香料株式会社 (34)
【Fターム(参考)】