説明

バイオベースポリエチレンテレフタレートポリマー、およびその作製方法

【課題】石油由来のPETと類似の特性を有する再生可能資源に由来するPETのニーズが存在する。また、いくつかの用途では、再生可能資源由来のPETを既存のPET製造設備によって加工でき、および/または、石油由来のPETをリサイクルするためのものとして設計されたシステムによって容易にリサイクルできることが望ましい。
【解決手段】テレフタレート成分を約25〜約75重量パーセント、およびジオール成分を約20〜約50重量パーセント含むバイオベースポリエチレンテレフタレートポリマーであって、該テレフタレート成分および/または該ジオール成分のうちの少なくとも1つの少なくとも約1重量パーセントが、少なくとも1種のバイオベース成分に由来するバイオベースポリエチレンテレフタレートポリマー。バイオベースポリエチレンテレフタレートポリマーを製造する方法であって、エチレングリコールを含むジオール成分を得る工程、および、テレフタル酸を含むテレフタレート成分を得る工程であって、該ジオール成分および/または該ジオール成分のうちの少なくとも1つが、少なくとも1種のバイオベース材料に由来する工程と、該ジオール成分と該テレフタレート成分とを反応させて、該テレフタレート成分を約25〜約75重量パーセント、および該ジオール成分を約20〜約50重量パーセント含むバイオベースポリエチレンテレフタレートポリマーを形成する工程とを含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願データ
本出願は、米国特許法第119(e)条に基づき、2008年3月28日に提出された「Bio−based Polyethylene Terephthalate and Articles Made from Bio−based Polyethylene Terephthalate」という名称の米国特許仮出願第61/040349号の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は広くは、部分的または全面的にバイオベース材料に由来するテレフタレート成分および/またはジオール成分を含むバイオベースポリエチレンテレフタレートポリマーに関する。
【背景技術】
【0003】
ポリエチレンテレフタレートとそのコポリエステル(以下、あわせて「PET」またはポリエチレンテレフタレートと称する)は、透明度、機械的特性、およびガスバリア特性の絶妙な組み合わせもあって、パッケージング用物品を作製するのに広く用いられている原料である。PET製品の例としては、食品、ソフトドリンク、アルコール飲料、洗剤、化粧品、医薬品、および食用油をパッケージングするためのボトルおよび容器が挙げられるが、これらに限らない。
【0004】
大半の商業的方法では、石油化学由来の原料によりPETが製造される。したがって、製造コストは石油の価格と密接に関係している。石油化学由来のPETは、その石油由来の炭素含有量の高さが原因で、温室効果ガス排出の一因になる。さらに、石油化学製品は、何十万年もかけて自然に形成されるものであり、これにより、石油化学由来製品は再生不能となり、これは、消費される速度に匹敵する速度で石油化学由来製品を再製、再生、または再生成できないことを意味する。
【0005】
石油化学由来のPETを代替する1つのアプローチは、トウモロコシ、米、またはその他の糖およびデンプン生成植物のようなバイオベース材料からポリ乳酸(PLA)というバイオプラスチックを製造することであった。例えば、米国特許第6,569,989号を参照されたい。米国特許第5,409,751号、および米国特許出願公開第20070187876号に記載されているように、容器を製造するために射出延伸成形法でPLA樹脂を用いる試みがなされてきた。しかし、PLAとPETとの間の特性の違いが大きいので、現在のPET製造ラインにPLAを適合させるか、または、多くの用途において満足のいく形でPETをPLAに置き換えるのは困難である場合が多い。例えば、PLAのガスバリア特性は典型的にPETよりも低く、これにより、PLA容器は、炭酸飲料または酸素の影響を受けやすい飲料のような品物を保管するのにはあまり適さなくなる。さらに、現在使われている大半のリサイクルシステムはPET用に設計されており、PLAを入れたら、混入によって悪影響を受けることになる。この問題は、PLAとPETとで別々のタイプのボトルを用いるといった、費用がかさむ解決策によって、または、好適な仕分け技術もしくは新たなリサイクル流に資金を投じることによって克服できるであろう。
【0006】
以上のことから、石油由来のPETと類似の特性を有する再生可能資源に由来するPETのニーズが存在する。また、いくつかの用途では、再生可能資源由来のPETを既存のPET製造設備によって加工でき、および/または、石油由来のPETをリサイクルするためのものとして設計されたシステムによって容易にリサイクルできることが望ましい。
【0007】
本発明の他の目的、特徴、および利点は、下記の発明を実施するための形態、図面、および特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】部分的または全面的にバイオベース材料に由来するバイオベースポリエチレンテレフタレート製品を作製する方法のフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
「バイオベース」という用語は、本願で使用する場合、少なくとも1種のバイオベース材料に由来する成分をいくつか含むことを示す。例えば、「バイオベースPETポリマー」は、部分的または全面的に少なくとも1種のバイオベース材料に由来する成分を少なくとも1つ含むPETポリマーとなる。
バイオベースPETポリマー
【0010】
本発明の1つの実施形態は、テレフタレート成分を約25〜75重量パーセントと、ジオール成分を約20〜約50重量パーセント含むバイオベースPETポリマーであって、このテレフタレート成分および/またはジオールの成分のうちの少なくとも1つの少なくとも約1重量パーセントが、少なくとも1種のバイオベース材料に由来するPETポリマーを包含する。より特定的な実施形態では、テレフタレート成分および/またはジオール成分のうちの少なくとも1つの少なくとも約20重量パーセントが、少なくとも1種のバイオベース材料に由来する。
【0011】
1つの実施形態では、バイオベースPETポリマーは、テレフタレート成分を約30〜約70重量パーセント含む。より特定的な実施形態では、バイオベースPETポリマーは、テレフタレート成分を約40〜約65重量パーセント含む。別の実施形態では、バイオベースPETポリマーは、ジオール成分を約25〜約45重量パーセント含む。より特定的な実施形態では、バイオベースPETポリマーは、ジオール成分を約25〜約35重量パーセント含む。
【0012】
本発明の特定的な実施形態によれば、テレフタレート成分は、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸、およびこれらの組み合わせから選択する。より特定的な実施形態では、テレフタレート成分の少なくとも約10重量パーセントが、少なくとも1種のバイオベース材料に由来する。1つの実施形態では、テレフタレート成分は、テレフタル酸を少なくとも約70重量パーセント含む。より特定的な実施形態では、テレフタル酸の少なくとも約1重量パーセント、好ましくは少なくとも約10重量パーセントは、少なくとも1種のバイオベース材料から作られる。
【0013】
別の実施形態では、ジオール成分は、エチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、およびこれらの組み合わせから選択する。より特定的な実施形態では、ジオール成分は、シクロヘキサンジメタノールを少なくとも約1重量パーセント含む。別の実施形態では、ジオール成分の少なくとも約10重量パーセントが、少なくとも1種のバイオベース材料に由来する。
【0014】
他の構成成分を当該バイオベースPETポリマーに加えてもよい。当業者であれば、所望の特性(意図する用途の種類に応じて決まることがある)を向上させる目的で、バイオベースPETポリマーに加えるのに適した1種または複数種の構成成分を容易に選択することができるであろう。特定的な実施形態では、当該バイオベースPETポリマーは、少なくとも1種の着色剤、少なくとも1種の即効性再加熱剤、少なくとも1種のガスバリア剤、少なくとも1種のUV防止剤、およびこれらの組み合わせから選択した補足成分をさらに含んでもよい。
【0015】
バイオベースPETポリマーを用いてバイオベース樹脂を形成してよく、射出成形および延伸ブロー成形といった方法(これらに限らない)を用いて、この樹脂をさらにバイオベース容器に加工してよい。本発明の実施形態は、上記の実施形態のバイオベースPETポリマーを含むバイオベース容器を包含する。特定の用途に適するように、容器は、動作、シェルビング、およびその他の要件に耐える特定の固有粘度を有する。本発明のより特定的な実施形態では、バイオベース容器の固有粘度は約0.45dL/g〜約1.0dL/gである。
【0016】
半減期が約5,700年である炭素14(C−14)は、バイオベース材料中に存在するが、化石燃料中には存在しないことが当該技術分野において知られている。したがって、「バイオベース材料」とは、その中の炭素が化石以外の生物源に由来する有機材料を指す。バイオベース材料の例としては、糖、デンプン、トウモロコシ、天然繊維、サトウキビ、ビート、柑橘類、木本植物、セルロース、リグノセルロース、ヘミセルロース、ジャガイモ、植物油、その他の多糖類(ペクチン、キチン、レバン、およびプルランなど)、ならびに、これらの組み合わせが挙げられるが、これらに限らない。1つの特定的な実施形態によれば、当該少なくとも1種のバイオベース材料は、トウモロコシ、サトウキビ、ビート、ジャガイモ、デンプン、柑橘類、木本植物、セルロースリグニン、植物油、天然繊維、油性木材フィードストック、およびこれらの組み合わせから選択する。
【0017】
すでに説明したように、C−14の検出は、バイオベース材料であることを示すものである。C−14のレベルは、その減衰過程(炭素1グラム当たりの壊変毎分、すなわちdpm/gC)を液体シンチレーション計数で測定することによって割り出すことができる。本発明の1つの実施形態では、当該バイオベースPETポリマーは、少なくとも0.1dpm/gC(炭素1グラム当たりの壊変毎分)のC−14を含む。
【0018】
本発明について、下記の実施例によってさらに説明するが、この実施例は、いかなる場合も、本発明の範囲に制限を課すものとして解釈すべきではない。むしろ、本明細書の説明を読んだ後、本発明の趣旨および/または添付の特許請求の範囲から逸脱することなく当業者が考え付くことができるような、本発明のさまざまな他の実施形態、修正形態、および均等物を使用できることを明確に理解すべきである。
実施例I
【0019】
ブラインドテストの形で下記のサンプルを測定し、液体シンチレーション計測によってC−14含有の有無を割り出した。C−14のレベルをバイオベース比率に相関させる、ジョージア大学で入手可能な既存データに、検出されたレベルを正規化した。結果を表1に示す。
【0020】
【表1】

【0021】
表1に示されているように、全面的に石油に由来するサンプル(サンプル2、3、および4)は、ごく少量のC−14しか含んでおらず、サンプルの約0パーセントがバイオベース材料からできていることを示している。これに対して、部分的または全面的にバイオベース材料(トウモロコシまたは糖)に由来することが知られている材料を含むサンプルは、上記サンプルよりもかなり高いC−14レベルを示している。当該データに基づくと、約0.14dpm/gCは、サンプル中の約1パーセントのバイオベース材料に相当する。
ポリエチレンテレフタレートポリマーの作製法
【0022】
図1を参照すると、本発明の実施形態は、バイオベースPETポリマー16を製造するためのプロセスであって、エチレングリコール12aを含むジオール成分12を得る工程[工程20]、およびテレフタル酸を含むテレフタレート成分14を得る工程[工程22]で、ジオール成分および/またはテレフタレート成分のうちの1つ(12、14)の少なくとも約1重量パーセントが、少なくとも1種のバイオベース材料10に由来する工程と、ジオール成分12とテレフタレート成分14とを反応させて、バイオベースPETポリマー16を形成する工程[工程24]で、バイオベースPETポリマー16が、テレフタレート成分14を約25〜約75重量パーセントと、ジオール成分12を約20〜約50重量パーセント含む工程とを含むプロセスも包含する。より特定的な実施形態では、反応式Iに示されているように、工程24は、エステル化反応によってジオール成分12とテレフタレート成分14とを反応させてバイオベースPETモノマー16aを形成してから、重合を行ってバイオベースPETポリマー16を形成することをさらに含む。
【0023】
【化1】

反応式I
【0024】
1つの特定的な実施形態では、ジオール成分12の少なくとも約1重量パーセントが、少なくとも1種のバイオベース材料10に由来する。より特定的な実施形態では、ジオール成分12の少なくとも10重量パーセントが、少なくとも1種のバイオベース材料10に由来する。さらに特定的な実施形態では、ジオール成分12の少なくとも30重量パーセントが、少なくとも1種のバイオベース材料10に由来する。
【0025】
ジオール成分12は、どんなプロセスも用いて、部分的または全面的に少なくとも1種のバイオベース材料から得ることができる。1つの実施形態では、工程20は、少なくとも1種のバイオ材料から糖またはその誘導体を得ることと、この糖またはその誘導体を発酵させてエタノールにすることとを含む。別の実施形態では、工程20は、少なくとも1種のバイオ材料10をガス化して合成ガスを生成し、この合成ガスをエタノールに変換することを含む。より特定的な実施形態では、反応式IIによって示されているように、工程20は、エタノールを脱水してエチレンにすることと、エチレンを酸化させてエチレンオキシドにすることと、エチレンオキシドをエチレングリコールに変換することとをさらに含む。
【0026】
【化2】

反応式II
【0027】
別の実施形態では、工程20は、少なくとも1種のバイオベース材料から糖またはその誘導体を得ることと、この糖またはその誘導体を変換して、エチレングリコールと、エチレングリコール以外の少なくとも1種のグリコールとを含む混合物にすることとを含む。工程20は、この混合物からエチレングリコールを単離することをさらに含む。さらに高い収率のエチレングリコールを得る目的で、混合物を繰り返し反応させてもよい。より特定的な実施形態では、当該少なくとも1種のグリコールは、ブタンジオール、プロパンジオール、およびグリセロールから選択する。
【0028】
別の実施形態によれば、テレフタレート成分14の少なくとも約1重量パーセントが、少なくとも1種のバイオベース材料10に由来する。より特定的な実施形態では、テレフタレート成分14の少なくとも10重量パーセントが、少なくとも1種のバイオベース材料10に由来する。さらに特定的な実施形態では、テレフタレート成分14の少なくとも30重量パーセントが、少なくとも1種のバイオベース材料10に由来する。
【0029】
テレフタレート成分14は、どんなプロセスも用いて、部分的または全面的に少なくとも1種のバイオベース材料から得ることができる。1つの実施形態では、反応式IIIに示されているように、工程22は、油性木材フィードストックからカレンを抽出することと、脱水素化および芳香族化によってこのカレンをp−シメンとm−シメンに変換することと、p−シメンとm−シメンを酸化させてテレフタル酸とイソフタル酸にすることとを含む。
【0030】
【化3】

反応式III
【0031】
別の実施形態では、反応式IVに示されているように、工程22は、少なくとも1種のバイオベース材料からリモネンを抽出することと、このリモネンを少なくとも1種のテルペンに変換することと、このテルペンをp−シメンに変換することと、このp−シメンを酸化させてテレフタル酸にすることとを含む。より特定的な実施形態では、当該少なくとも1種のテルペンは、テルピネン、ジペンテン、テルピノレン、およびこれらの組み合わせから選択する。さらに特定的な実施形態では、当該少なくとも1種のバイオベース材料は、柑橘類、木本、またはこれらの組み合わせから選択する。
【0032】
【化4】

反応式IV
【0033】
本発明の1つの実施形態では、反応式Vに示されているように、工程22は、バイオベース材料からヒドロキシメチルフルフラールを抽出することと、ヒドロキシメチルフルフラールを第1の中間体に変換することと、この第1の中間体をエチレンと反応させて第2の中間体を形成することと、この第2の中間体を触媒存在下にて酸で処理して、ヒドロキシメチルベンズアルデヒドを形成することと、ヒドロキシメチルベンズアルデヒドを酸化させてテレフタル酸にすることとを含む。より特定的な実施形態では、コーンシロップ、糖、セルロース、およびこれらの組み合わせから選択したバイオベース材料から、該ヒドロキシメチルフルフラールを抽出する。さらに特定的な実施形態では、該エチレンは、少なくとも1種のバイオベース材料に由来する。
【0034】
【化5】

反応式V
別の実施形態では、工程22は、少なくとも1種のバイオベース材料10をガス化して、合成ガスを生成することと、合成ガスをp−キシレンに変換することと、p−キシレンを酸で酸化させてテレフタル酸を形成することとを含む。
【0035】
1つの実施形態では、テレフタレート成分14の少なくとも約1重量パーセントが、少なくとも1種のバイオ材料10に由来し、ジオール成分12の少なくとも約1重量パーセントが、少なくとも1種のバイオベース材料10に由来する。より特定的な実施形態では、テレフタレート成分14の少なくとも約25重量パーセントが、少なくとも1種のバイオベース材料10に由来する。さらにより特定的な実施形態では、ジオール成分12の少なくとも約70重量パーセントが、少なくとも1種のバイオベース材料10に由来する。1つの特定的な実施形態によれば、当該バイオベース材料は、トウモロコシ、サトウキビ、ビート、ジャガイモ、デンプン、柑橘類、木本、セルロースリグニン、植物油、天然繊維、油性木材フィードストック、およびこれらの組み合わせから選択する。
【0036】
別の実施形態では、上記の方法は、バイオベースPETポリマー16からバイオベースPET製品18を作製することをさらに含む。バイオベースPET製品18は、さまざまな用途で用いてよく、この用途としては、飲料用容器としての用途が挙げられるが、これに限らない。別の実施形態では、石油由来のPET製品用に設計されたリサイクルシステムによって、バイオベースPET製品18をリサイクルまたは再利用してよい[工程26]。
【0037】
上記は本発明の特定的な実施形態に関するものであり、下記の特許請求の範囲から定義されるような本発明の範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に多く変更を加えてもよいことを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約25〜約75重量パーセントのテレフタレート成分で、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸、およびこれらの組み合わせから選択される前記テレフタレート成分と、
約20〜約50重量パーセントのジオール成分で、エチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、およびこれらの組み合わせから選択される前記ジオール成分と、
を含むバイオベースポリエチレンテレフタレートポリマーであって、
前記テレフタレート成分および/または前記ジオール成分のうちの少なくとも1つの少なくとも約1重量パーセントが、少なくとも1種のバイオベース材料に由来するバイオベースポリエチレンテレフタレートポリマー。
【請求項2】
前記ジオール成分の少なくとも約10重量パーセントが、少なくとも1種のバイオベース材料に由来する、請求項1に記載のバイオベースポリエチレンテレフタレートポリマー。
【請求項3】
前記テレフタレート成分の少なくとも約10重量パーセントが、少なくとも1種のバイオベース材料に由来する、請求項1〜2に記載のバイオベースポリエチレンテレフタレートポリマー。
【請求項4】
前記テレフタレート成分がテレフタル酸を少なくとも約70重量パーセント含み、前記テレフタル酸の少なくとも約10重量パーセントが、少なくとも1種のバイオベース材料に由来する、請求項1〜2に記載のバイオベースポリエチレンテレフタレートポリマー。
【請求項5】
前記少なくとも1種のバイオベース材料が、トウモロコシ、サトウキビ、ビート、ジャガイモ、デンプン、柑橘類、木本、セルロースリグニン、植物油、天然繊維、油性木材フィードストック、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項1〜4に記載のバイオベースポリエチレンテレフタレートポリマー。
【請求項6】
少なくとも1種の着色剤、少なくとも1種の即効性耐再加熱剤、少なくとも1種のガスバリア剤、少なくとも1種のUV防止剤、およびこれらの組み合わせから選択した補足成分をさらに含む、請求項1〜5に記載のバイオベースポリエチレンテレフタレートポリマー。
【請求項7】
請求項1〜6に記載のバイオベースポリエチレンテレフタレートポリマーを含むバイオベース容器。
【請求項8】
前記バイオベースポリエチレンテレフタレートポリマーが、少なくとも約0.1dpm/gCの炭素14を含む、請求項7に記載のバイオベース容器。
【請求項9】
バイオベースポリエチレンテレフタレートポリマーを含むバイオベース容器であって、前記ポリエチレンテレフタレートポリマーの少なくとも1重量パーセントが、少なくとも1種のバイオベース材料に由来し、前記バイオベース容器の固有粘度が約0.45dL/g〜約1.0dL/gであるバイオベース容器。
【請求項10】
前記バイオベースポリエチレンテレフタレートポリマーが、約25〜約75重量パーセントのテレフタレート成分で、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸、およびこれらの組み合わせから選択される前記テレフタレート成分と、
約20〜約50重量パーセントのジオール成分で、エチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、およびこれらの組み合わせから選択される前記ジオール成分とを含み、
前記ジオール成分の少なくとも約10重量パーセントが、少なくとも1種のバイオベース材料に由来する、
請求項9に記載のバイオベース容器。
【請求項11】
バイオベースポリエチレンテレフタレートポリマーを製造する方法であって、
a.エチレングリコールを含むジオール成分を得る工程、および
b.テレフタル酸を含むテレフタレート成分を得る工程であって、
前記ジオール成分および/または前記テレフタレート成分のうちの少なくとも1つが、少なくとも1種のバイオベース材料に由来する工程と、
c.前記ジオール成分と前記テレフタレート成分とを反応させて、バイオベースポリエチレンテレフタレートポリマーを形成する工程で、前記バイオベースポリエチレンテレフタレートポリマーが、前記テレフタレート成分を約25〜約75重量パーセントと、前記ジオール成分を約20〜約50重量パーセント含む工程と、
を含む方法。
【請求項12】
前記少なくとも1種のバイオベース材料が、トウモロコシ、サトウキビ、ビート、ジャガイモ、デンプン、柑橘類、木本、セルロースリグニン、油性木材フィードストック、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記工程(a)が、
i.少なくとも1種のバイオ材料から糖またはその誘導体を得ることと、
ii.前記糖またはその誘導体を発酵させてエタノールにすることと、
iii.前記エタノールを脱水してエチレンにすることと、
iv.前記エチレンを酸化させてエチレンオキシドにすることと、
v.前記エチレンオキシドをエチレングリコールに変換することと、
をさらに含む、請求項11〜12に記載の方法。
【請求項14】
前記工程(a)が、
i.少なくとも1種のバイオ材料から糖またはその誘導体を得ることと、
ii.前記糖または誘導体を反応させて、エチレングリコールと、前記エチレングリコール以外の少なくとも1種のグリコールとを含む混合物を形成することと、
iii.前記混合物から前記エチレングリコールを分離させることと、
をさらに含む、請求項11〜12に記載の方法。
【請求項15】
前記工程(b)が、
i.少なくとも1種のバイオ材料からカレンを得ることと、
ii.前記カレンをシメンに変換することと、
iii.前記シメンを酸化させてテレフタル酸にすることと、
をさらに含む、請求項11〜14に記載の方法。
【請求項16】
前記工程(b)が、
i.少なくとも1種のバイオ材料からリモネンを得ることと、
ii.前記リモネンを少なくとも1種のテルペンに変換することと、
iii.前記少なくとも1種のテルペンをシメンに変換することと、
iv.前記シメンを酸化させてテレフタル酸にすることと、
をさらに含む、請求項11〜14に記載の方法。
【請求項17】
請求項11〜16に記載の方法によって製造されたバイオベースポリエチレンテレフタレートポリマー。

【図1】
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【公表番号】特表2011−527348(P2011−527348A)
【公表日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−501869(P2011−501869)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【国際出願番号】PCT/US2009/035849
【国際公開番号】WO2009/120457
【国際公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(391026058)ザ・コカ−コーラ・カンパニー (238)
【氏名又は名称原語表記】THE COCA−COLA COMPANY
【Fターム(参考)】