説明

バイオポリマーを含む組成物

バイオポリマー、オレフィンコポリマー、および任意選択のポリマーを含む、またはこれらのポリマーから生成される組成物であって、前記バイオポリマーがグリコシド由来の繰返し単位を含む組成物を開示する。この組成物を含む、またはそれから製造される物品もまた開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デンプンと、ポリマーに対する相溶化剤として使用され得るエチレンコポリマーとを含む組成物、またはその組成物による物品に関する。
【背景技術】
【0002】
グリコシドによるポリマー、ポリ乳酸、ポリビニルアルコール、ポリカプロラクトンのような生分解性ポリマーは、フィルムとして広範な産業およびバイオメディカル用途を有する。しかしながら、これらの材料またはフィルムから製造された物品は、しばしば、脆さ、衝撃強度の低さ、引裂強さの低さ、透明性の低さ、感水性(水に弱いこと)、加工性の悪さなどのような欠点を有する。多くの場合、選別された欠点は、バイオポリマーと他のバイオポリマーまたは合成ポリマーとのブレンドを調製することによって改善できる。バイオポリマーをブレンドすることに付随する問題は、他のポリマー、特に極性の低いポリマーとの相溶性である。歪みに補助された、非晶質ポリマーの結晶化による配向は、フィルムの剛性または弾性率、さらには伸びを増すために用いられ得る。このような配向処理は配向の少ない方向における破断伸びを低下させる。
【0003】
また、デンプンポリマーの利用は、再生可能な特質および堆肥化能(これは、埋め立てごみ処理地の負担を緩和する)のために興味をそそられるが、デンプンから製造された物品は、非常に脆く、この衝撃靭性の低さが純粋なデンプン物品の商業的用途を限定する。デンプンは、デンプンの性質を向上させるために、様々なポリマーとブレンドできるが、デンプン含量が増すと、引張り強さおよび破断点伸びの両方が低下する。Bikiaris(D.Bikiaris and C.Panayiotou、Journal of Applied Polymer Science、1998年、vol.70、1503頁)を参照されたい(非特許文献1)。ポリエチレンとブレンドされた無水可塑化デンプンが、無水マレイン酸グラフトポリエチレンと相溶化されている(Bikiaris)。また、WO2006/042364号も参照されたい(特許文献1)。無水マレイン酸グラフトポリエチレンはまた、20から80%のデンプンを含むデンプンアロイ(例えば、米国特許第5635550号明細書(特許文献2))、および脱構造化(destructurized)デンプンのブレンド(例えば、米国特許第5409973号(特許文献3))に用いられている。
【0004】
>80%のデンプン含量を有する(これにより、得られる樹脂組成物の生分解性が向上する)樹脂組成物から物品を製造することもまた望ましいであろう。これらの物品は、より高い比率の脆いデンプンを含み、また連続相または共連続相(co−continuous)として脆いデンプンを有し得るために、強靭化することが一層困難である。例えば、ヒドロキシプロピル変性された高アミロースデンプンを、10%未満のポリビニルアルコールと組み合わせて用いることが記載されている(WO 00/36006号(特許文献4))。しかしながら、これらの物品は、特に<40%の相対湿度で衝撃強度が劣る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2006/042364号パンフレット
【特許文献2】米国特許第5,635,550号明細書
【特許文献3】米国特許第5,409,973号明細書
【特許文献4】国際公開第00/36006号パンフレット
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】D.Bikiaris and C.Panayiotou、Journal of Applied Polymer Science、1998年、vol.70、1503頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、改善された加工性および物理的性質を有する改変された組成物とそのブレンド、および、この組成物から、またはこの組成物を含む多層構造体から製造される物品を開発することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の組成物は、バイオポリマー、オレフィンコポリマー、および任意選択のポリマーを含む、本質的にこれらからなる、これらからなる、またはこれらから製造され、ここで、
前記バイオポリマーは、ヒドロキシアルキル変性デンプンを含み、組成物の全乾燥重量に基づき、少なくとも85%の濃度で組成物中に存在し;
前記オレフィンコポリマーは、オレフィン、モノマー、および任意選択のコモノマーの共重合によって製造され;
このオレフィンには、エチレン、プロピレン、ブチレン、またはこれらの2つ以上の組合せが含まれ;
このモノマーには、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸塩、マレイン酸ジエステル、マレイン酸モノエステル、イタコン酸、フマル酸、フマル酸モノエステル、またはこれらの2つ以上の組合せが含まれ;
この任意選択のコモノマーには、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸塩、(メタ)アクリル酸のC〜Cエステル、一酸化炭素、二酸化硫黄、アクリロニトリル、グリシジルアクリラート、グリシジルメタクリラート、およびグリシジルビニルエーテル、またはこれらの2つ以上の組合せが含まれ;
前記任意選択のポリマーには、エチレンアルキル(メタ)アクリラートコポリマー、エチレンビニルアセタートコポリマー、エチレンと酸のコポリマーまたはそのイオノマー、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ヒドロキシアルカン酸)、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリカプロラクトン、コポリエーテルエステル、ポリアルキレンオキシド、またはこれらの2つ以上の組合せが含まれる。
【0009】
本発明の方法は、バイオポリマー、オレフィンコポリマー、および任意選択のポリマー、ならびに任意選択の添加剤を混合して、混合物を生成すること;この混合物に水を導入して、別の混合物を生成すること;およびこの別の混合物を高温で押し出すことを含み、ここで、前記バイオポリマー、前記オレフィンコポリマー、および前記任意選択のポリマーは、上記の通りであり、水の導入は、押し出す工程の前に、またはその工程と実質的に同時に実施され得る。
【0010】
本発明の物品は、上記のものと同じであり得る組成物を含むか、またはその組成物から製造される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
前記バイオポリマーは、グリコシドに由来する繰返し単位を含み、グリコシド結合を含む、またはグリコシド結合によって繋がった1種または複数の物質を含む。グリコシド結合は、グルコースまたはフルクトースのような単糖の2つ以上を繋いで、二糖または多糖を生成できる。多糖には、デンプン、グリコーゲン、セルロース、キチン、またはこれらの2つ以上の組合せが含まれる。
【0012】
デンプンには2つの形、α−アミロースおよびアミロペクチンがある。アミロースとアミロペクチンのモル比は、約0.1:1から約10:1、約0.5:1から約5:1、または約1:2から約2:1の範囲にあり得る。デンプンは、ノニオン、カチオン、アニオン、または両性の形で存在し得る。関心を引くデンプンは、デンプンの重量に対して、少なくとも65%、70%、75%、80%、または85%のアミロースに由来する繰返し単位を含むものを含む。
【0013】
多糖は、産業上の使用のために多くの方法で、例えば、酸−、酸化−、ヒドロキシアルキル−、酵素−、エステル−、およびリン酸塩−、によって変性され得る。
【0014】
例えば、カチオンデンプンは、トウモロコシ(corn)デンプン、ジャガイモデンプン、ワキシートウモロコシ(waxy maize)デンプンおよびコムギデンプンのような一般的なデンプン生成材料から誘導され得る。両性デンプンには、ジャガイモデンプンのような天然に産するデンプンまたは合成両性デンプンが含まれる。カチオン化は、工業的に知られているどのような手順によっても達成することができ、例えば、様々な窒素置換度を有するカチオンデンプンを得るために、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドを添加することによって達成されてもよい。
【0015】
デンプンにはまた、酸、酵素、またはこれらの組合せによる加水分解によって製造される変性デンプンも含まれる。変性デンプンには、デキストロース当量によって定量化される加水分解の度合いに基づき、マルトデキストリン、コーンシロップ、デキストリン、またはこれらの2つ以上の組合せが含まれ得る。
【0016】
変性デンプンにはまた、米国特許第5859128号明細書、米国特許第5928474号明細書、米国特許第6048929号明細書、および米国特許第6699363号明細書、さらには米国特許出願公開第2004/0242732号公報、米国特許出願公開第2006/0293419号公報、および米国特許出願公開第2007/0148383号公報に開示されているように、デンプン溶液または分散体と、少なくとも1種のポリアクリルアミド(これはノニオン性、両性、カチオン性またはアニオン性ポリアクリルアミドであり得る)を含む少なくとも1種の両性体またはカチオン体の水溶液または分散体とを、混合することによって得られるデンプンも含まれ得る。
【0017】
例えば、変性デンプンは、約80から約95重量%、約82から約95重量%、約85から約95重量%、または約88から約92重量%、あるいは約90重量%の、ヒドロキシアルキルC2〜6基を含むかまたは含むように変性された(例えば、ヒドロキシプロピル化高アミロースデンプン)、あるいはジカルボン酸無水物との反応によって変性された変性デンプンを含むか、このような変性デンプンから本質的になるか、このような変性デンプンからなるか、またはこのような変性デンプンから生成され得る。置換度(例えば、1単位における、置換されているヒドロキシル基の平均数)は、約0.01から約5、または約0.05から約2であり得る。本発明の組成物はまた、約1から約15重量%、または約5から約10重量%の水溶性ポリマー(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールのコポリマー、またはこれらの組合せ)も含み得る。デンプンは、さらに、0から約40重量%、または0から約20重量%、または約0.01から約15重量%のポリオール可塑剤(例えば、グリセロールまたはジグリセロール)、および約0.1から2重量%のC12〜22脂肪酸またはこれらの塩(例えば、ステアリン酸またはこの塩)、および0から約12%の水を含み得る。変性デンプンの例には、ヒドロキシエチルデンプン、ヒドロキシプロピル化デンプン、ヒドロキシブチルデンプン、ヒドロキシエーテルデンプン、マレイン酸フタル酸デンプン、オクテニルコハク酸無水物デンプン、ヒドロキシアミルデンプン、ヒドロキシエーテルデンプン、ヒドロキシプロピル化アミロース、またはこれらの2つ以上の組合せが含まれる。好ましいのは、ヒドロキシプロピル化デンプンである。変性デンプンは、米国特許出願公開第2004/0242732号公報に開示されており、この特許はまた、その調製方法も開示する。
【0018】
他のバイオポリマーには、ヘミセルロース、ペクチン、グリコーゲン、セルロース、キチン、リグニン、寒天、アルギン酸またはこの塩、アラビアゴム、キサンタンゴム、ポリ(ヒドロキシアルカン酸)、またはこれらの2つ以上の組合せが含まれる。
【0019】
グリコーゲンは、約60,000のグルコース繰返し単位を有し、約10〜10ダルトンの分子量を有する。それは、市販の動物性多糖である。
【0020】
セルロースおよびその誘導体は容易に購入でき、最も豊富な構造および細胞壁多糖である。セルロース誘導体には、セロファン、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セルロースエステル(例えば、セルロースアセタート、セルローストリアセタート、ニトロセルロースの無機エステル)、カルボキシメチルセルロース、またはこれらの2つ以上の組合せが含まれ得る。
【0021】
キチンは、N−アセチルグルコサミンのポリマーで、昆虫および甲殻類の硬い角質外骨格の主な構造要素で、やはり市販されている。
【0022】
前記モノマーには、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸塩、マレイン酸ジエステル、マレイン酸モノエステル、イタコン酸、フマル酸、フマル酸モノエステル、またはこれらの2つ以上の組合せが含まれ得る。モノマーの例には、マレイン酸モノメチル(methyl hydrogen maleate)、マレイン酸モノエチル(ethyl hydrogen maleate)、マレイン酸モノプロピル(propyl hydrogen maleate)、マレイン酸モノブチル(butyl hydrogen maleate)、またはこれらの2つ以上の組合せが含まれ得る。モノマーは約≧2wt%、≧4、≧6、≧8、または≧10重量%の濃度で存在し得る。
【0023】
前記任意選択のコモノマーには、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸塩、C〜Cアルキル(メタ)アクリラート、一酸化炭素、二酸化硫黄、アクリロニトリル、グリシジルアクリラート、グリシジルメタクリラート、およびグリシジルビニルエーテル、またはこれらの2つ以上の組合せが含まれる。(メタ)アクリル酸には、アクリル酸、メタクリル酸、またはこれらの両方が含まれ、(メタ)アクリラートには、アクリラート、メタクリラート、またはこれらの両方が含まれる。(メタ)アクリル酸の塩には、任意の金属塩が含まれ得る。アルキルの例には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはこれらの2つ以上の組合せが含まれ、≧3個の炭素原子のアルキル基は直線状または分岐状の構造であり得る。コモノマーは、オレフィンコポリマーに、全コポリマーの0.1重量%から45重量%まで組み入れられ得る。
【0024】
オレフィンコポリマーの例には、エチレンおよびマレイン酸モノメチルのコポリマー;エチレンおよびマレイン酸モノエチルのコポリマー;エチレンおよびマレイン酸モノプロピルのコポリマー;エチレンおよびマレイン酸モノブチルのコポリマー;プロピレンおよびマレイン酸モノメチルのコポリマー;プロピレンおよびマレイン酸モノエチルのコポリマー;プロピレンおよびマレイン酸モノプロピルのコポリマー;プロピレンおよびマレイン酸モノブチルのコポリマー;エチレン、メチルアクリラートおよびマレイン酸モノメチルのコポリマー;エチレン、メチルアクリラートおよびマレイン酸モノエチルのコポリマー;エチレン、メチルアクリラートおよびマレイン酸モノプロピルのコポリマー;エチレン、メチルアクリラートおよびマレイン酸モノブチルのコポリマー;エチレン、エチルアクリラートおよびマレイン酸モノメチルのコポリマー;エチレン、ブチルアクリラートおよびマレイン酸モノメチルのコポリマー;エチレン、ブチルアクリラートおよびマレイン酸モノエチルのコポリマー;エチレン、エチルメタクリラートおよびマレイン酸モノメチルのコポリマー;エチレン、ブチルメタクリラートおよびマレイン酸モノメチルのコポリマー;エチレン、ブチルメタクリラートおよびマレイン酸モノエチルのコポリマー;エチレン、エチルアクリラートおよび無水マレイン酸のコポリマー;エチレン、ブチルアクリラートおよび無水マレイン酸のコポリマー;エチレン、ブチルメタクリラートおよび無水マレイン酸のコポリマー;またはこれらの2つ以上の組合せが含まれ、ブチル基は、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、 またはこれらの2つ以上の組合せであり得る。酸モノエステルに由来する繰返し単位は、オレフィンコポリマーに、コポリマー中のモノマー濃度に基づいて、≧約0.5、≧約1、≧約2、≧約3、≧約4、≧約5、≧約6、または≧約8重量%でさえ存在し得る。このようなオレフィンコポリマーのいくつかは、イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー(E.I.du Pont de Nemours and Company)、ウィルミントン、デラウェア(デュポン)からFusabond(登録商標)として市販されている。
【0025】
どのような知られている共重合プロセスも使用され得る。例えば、共重合は、エチレン、酸モノエステル、フリーラジカル開始剤、ならびに任意選択でコモノマーおよび/または溶媒(例えば、メタノールもしくは他の溶媒)を連続的に供給することによって実施され得る(例えば、米国特許第5028674号明細書または米国特許第2897183号明細書を参照されたい)。十分な混合、滞留時間、温度および圧力制御を有する、当技術分野において知られている他の高圧反応器構造が使用され得る。滞留時間を調節すること、および、いくつかの場合において、分子量の調節を助けるために、プロパンのようなテロゲン(telogen、連鎖移動/連鎖停止剤)を用いることが望ましいことであり得る。反応混合物は反応器から連続的に取り出される。反応混合物が反応容器を出た後、コポリマーは、例えば、未重合物質および溶媒を減圧下に、高温で蒸発させることによって、未反応モノマーおよび溶媒(溶媒が使用された場合)から分離される。例えば、共重合は、加圧反応器内で、150℃から300℃、または150℃から250℃の高温と、1500から2810kg/cm、または1665から2500kg/cmの圧力で、30℃から90℃、または50℃から90℃の供給温度を用いて、実施され得る。
【0026】
1種または複数のモノマーをポリオレフィンにグラフトすることによって生成されるオレフィンコポリマーは、当業者によく知られており、押出機または他の混合装置内での熱によるグラフト化、溶液中のグラフト化、または流動床反応器におけるグラフト化を含めて、当業者に知られている任意の手段によって製造され得る。オレフィンコポリマーは、オレフィン、モノマー、および任意選択のコモノマーの共重合によって、または酸モノエステルもしくは酸無水物によりオレフィンポリマーにグラフトすることによって製造され得るが、グラフト化プロセスによって製造されるオレフィンコポリマーは抑制される。
【0027】
エチレンアルキル(メタ)アクリラートコポリマーは、エチレン、アルキル(メタ)アクリラート、および上で開示された任意選択のコモノマーに由来する繰返し単位を含み、ここで、このアルキル部分は、直鎖または分岐鎖のいずれであってもよく、1から8個の炭素原子を含む。アルキル(メタ)アクリラートコモノマーは、エチレン/アルキル(メタ)アクリラートコポリマーに、全コポリマーの0.1重量%から45重量%まで組み入れられ得る。例えば、アルキル(メタ)アクリラートコモノマーは、コポリマー中に、5から45、10から35、または10から28重量%存在し得る。エチレンアルキル(メタ)アクリラートコポリマーは、米国特許第5028674号明細書、米国特許第2897183号明細書、米国特許第3404134号明細書、米国特許第5028674号明細書、米国特許第6500888号明細書および米国特許第6518365号明細書に開示されているように、オートクレーブまたは管状反応器のいずれかを用いて、当技術分野においてよく知られているプロセスによって製造され得る。エチレンアルキル(メタ)アクリラートコポリマーの例には、エチレンアクリラート、エチレンメチルアクリラート、エチレンエチルアクリラート、エチレンブチルアクリラート、エチレンn−ブチルアクリラート一酸化炭素、エチレングリシジルメタクリラート、またはこれらの2つ以上の組合せが含まれ、例えば、デュポンから販売されているElvaloy(登録商標)が含まれる。
【0028】
エチレンビニルアセタートコポリマーは当業者によく知られているポリマーである。EVAに組み入れられるビニルアセテートコモノマーの相対量は、全コポリマーの0.1重量%から40重量パーセントのように多くまで、またはさらに多くであり得る。例えば、EVAは、2から50重量%、10から40重量%、または6から30重量%のビニルアセタート含量を有し得る。EVAコポリマーの例にはまた、エチレン/ビニルアセタート/一酸化炭素も含まれる。EVAは、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体(例えば、無水マレイン酸またはマレイン酸)による変性を含めて、当技術分野においてよく知られている方法によって変性され得る。市販のEVAの例には、デュポンによるElvax(登録商標)が含まれる。任意選択で、EVAのビニルアセタート基の10〜80%が、ヒドロキシル基に変換され得る。
【0029】
エチレンと酸のコポリマーの例は、E/X/Yコポリマーとして記述でき、ここで、Eはエチレンであり、Xは、上で開示された少なくとも1種の不飽和カルボン酸であってよく、Yは、アルキルアクリラート、アルキルメタクリラート、またはこれらの組合せのような軟化コモノマー(softening comonomer)である。Xは、E/X/Yコポリマーの約3から約30、4から25、または5から20重量%で存在し得る、またYは、E/X/Yコポリマーの0から約35、0.1から35、または5から30重量%である。酸のコポリマーの具体例には、エチレン/(メタ)アクリル酸コポリマー;エチレン/(メタ)アクリル酸/n−ブチル(メタ)アクリラートコポリマー;エチレン/(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリラートコポリマー;エチレン/マレイン酸およびエチレン/マレイン酸モノエステルのコポリマー;エチレン/マレイン酸モノエステル/n−ブチル(メタ)アクリラートコポリマー;エチレン/マレイン酸モノエステル/メチル(メタ)アクリラートコポリマー;エチレン/マレイン酸モノエステル/エチル(メタ)アクリラートコポリマー;またはこれらの2つ以上の組合せが含まれ、例えば、デュポンから市販されているNucrel(登録商標)が含まれる。
【0030】
イオノマーは、酸のコポリマーから、コポリマーの酸性部分を中和できる塩基性化合物で処理することによって調製できる。通常、酸基は、アルカリ土類金属イオン、アルカリ金属イオン、または遷移金属イオン(Li、Na、K、Ag、Hg、Cu、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Cd、Sn、Pb、Fe、Co、Zn、Ni、Al、Sc、Hf、Ti、Zr、Ce、またはこれらの2つ以上の組合せが含まれる)により、100%または100%未満、例えば、約0.1から約99もしくは90%、約15から約80%、または約40から約75%の任意のレベルで中和され得る。イオノマーはまた、有機酸とブレンドされる時、上に開示されたように、70%を超える公称中和レベルで調製できる。市販のイオノマーの例には、デュポンによるSurlyn(登録商標)が含まれる。
【0031】
酸のコポリマーおよびイオノマーの製造方法は、当業者によく知られており、その説明は、本明細書では、簡潔さのために省略される。
【0032】
ポリビニルアルコール(PVOH)には、約70%以上の加水分解、または約88%以上の加水分解、または約99%以上の加水分解のPVOHグレードが含まれ得る。市販の完全に加水分解された「100%」グレードは、実際には、98〜100%加水分解されている。
【0033】
パーセント加水分解において、パーセントは、ビニルアルコール部分のモル比率を表し、残りは、加水分解されていないビニルアセテート部分である。80〜98%の部分加水分解グレード(88%のもの)が一般的である。PVOHの99%を超える加水分解グレードのものは、顆粒状粉末または微粉末であり、約200℃の熱分解温度および約227℃の融点を有する。100%加水分解グレードのものは、高度に結晶性であり、水に溶かすのに約80℃の温度を必要とする。88%加水分解グレードのものは、比較的大きなアセチル基含量にも関わらず、室温で水に溶け、結晶性はずっと少なく、185℃近くの比較的広い温度範囲で溶融し、おそらく残留する12%のビニルアセテート成分のせいで、100%グレードのものより熱安定性が劣る。70%加水分解グレードのものもまた顆粒状であり、おそらく残留アセタート基の比率の増加のために、水溶性が著しく劣り、熱安定性が劣る。部分加水分解PVOHにおけるアセタート基のランダムな分布により、結果的に、アセチル基の分布がランダムでない場合よりも、融点の降下は大きくなること;および、市販の部分加水分解PVOHはランダムでないアセタート基を有することが知られている(R.K.Tubbs、J.Polymer Sci.Part A−1、4、623〜629頁(1966年))。
【0034】
PVOHコポリマーの例は、(メタ)アクリラートエステルとのコポリマー、例えば、ポリ(ビニルアルコール−co−メチルメタクリラート(PVOH/MMA)、ポリ(ビニルアルコール−co−メチルアクリラート)、またはこれらの組合せであり、ここで、(メタ)アクリラートコモノマーのモル比率は、約2%から約10%、または約2から約6モル%である。(メタ)アクリラートのフラグメントは、実質的にγ−ラクトンの形になっていることが知られている。
【0035】
PVOHはよく知られており、市販されているので、その説明は、本明細書では、簡潔さのために省略される。
【0036】
ポリ(ヒドロキシアルカン酸)(PHA)は、6−ヒドロキシヘキサン酸の繰返し単位を含むポリマー(ポリカプロラクトンとしても知られている)、ならびに3−ヒドロキシヘキサン酸、4−ヒドロキシヘキサン酸および3−ヒドロキシペンタン酸を含むポリマーのように、2から7個の(またはこれを超える)炭素原子を有するヒドロキシアルカン酸に由来する繰返し単位を含む。頻繁に用いられるPHAには、5個以下の炭素原子を有するヒドロキシアルカン酸が含まれ、例えば、グリコール酸、乳酸、3−ヒドロキシプロピオナート、2−ヒドロキシブチラート、3−ヒドロキシブチラート、4−ヒドロキシブチラート、3−ヒドロキシバレラート、4−ヒドロキシバレラートおよび5−ヒドロキシバレラートが含まれる。PHAの例には、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(ヒドロキシブチラート)(PHB)、またはこれらの2つ以上の組合せが含まれる。
【0037】
PHAは、ヒドロキシアルカン酸の脱水−重縮合を通じて、またはヒドロキシアルカン酸アルキルエステルの脱アルコール−重縮合を通じて塊状重合によって、あるいは、対応するラクトンまたは環状2量体エステルのような環状誘導体の開環重合によって製造できる。特開平03−502115公報、特開平07−26001公報、および特開平07−53684公報、さらには米国特許第2668162号明細書および米国特許第3297033号明細書に開示されているもののように、これらのプロセスは、当業者によく知られている。
【0038】
PHAポリマーにはまた、2種以上のヒドロキシアルカン酸を含むコポリマー、例えば、ポリヒドロキシ−ブチラート−バレラートコポリマー、およびグリコール酸と乳酸のコポリマーも含まれる。コポリマーは、ポリヒドロキシアルカン酸またはポリヒドロキシアルカン酸誘導体と、1種または複数の環状エステルおよび/または2量体環状エステルとを、触媒を用いて共重合することによって調製できる。このようなコモノマーには、グリコリド(1,4−ジオキサン−2,5−ジオン)、グリコール酸の2量体環状エステル;ラクチド(3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン);α,α−ジメチル−β−プロピオラクトン、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオン酸の環状エステル;β−ブチロラクトン、3−ヒドロキシ酪酸の環状エステル;δ−バレロラクトン、5−ヒドロキシペンタン酸の環状エステル;ε−カプロラクトン、6−ヒドロキシヘキサン酸の環状エステル、およびそのメチル置換誘導体(例えば、2−メチル−6−ヒドロキシヘキサン酸、3−メチル−6−ヒドロキシヘキサン酸、4−メチル−6−ヒドロキシヘキサン酸、3,3,5−トリメチル−6−ヒドロキシヘキサン酸など)のラクトン;12−ヒドロキシドデカン酸の環状エステル;2−p−ジオキサノン;および、2−(2−ヒドロキシエチル)−グリコール酸の環状エステルが含まれる。
【0039】
PHA組成物にはまた、1種または複数のヒドロキシアルカン酸モノマーまたは誘導体と、脂肪族および芳香族二酸ならびにジオールモノマー(例えば、コハク酸、アジピン酸、およびテレフタル酸、ならびにエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、および1,4−ブタンジオール)を含む、他のコモノマーとのコポリマーが含まれる。ほぼ100の異なるモノマーがPHAコポリマーに組み入れられている。
【0040】
PHAポリマーおよびコポリマーはまた、生体によっても産生されるし、または植物物質からも分離され得る。多数の微生物が細胞内にPHAポリマーの備えを蓄積する能力を有する。例えば、コポリマーのポリ(3−ヒドロキシブチラート−co−3−ヒドロキシバレラート)(PHB/V)が、ラルストニアユートロファ(Ralstonia eutropha)菌の発酵によって製造されている。他の種類のPHAの発酵および回収方法もまた、アゾトバクター(Azotobacter)、アルカリゲネスレータス(Alcaligenes latus)、コマモナステストステロン(Comamonas testosterone)、ならびに遺伝子工学による大腸菌(E.coli)およびクレブシエラ(Klebsiella)を含めて、多様なバクテリアを用いて開発されている。例えば、米国特許第6323010号明細書を参照されたい。
【0041】
PLAには、3,000から1,000,000、10,000から700,000、または20,000から600,000の数平均分子量を有する、ポリ(乳酸)ホモポリマー、ならびに乳酸またはその誘導体およびこれらの混合物に由来する繰返し単位を少なくとも50モル%含む、乳酸と他のモノマーのコポリマーが含まれる。例えば、PLAは、乳酸またはその誘導体に由来する(例えば、乳酸またはその誘導体によってつくられた)少なくとも70モル%の繰返し単位を含み得る。PLAホモポリマーおよびコポリマーは、d−乳酸、l−乳酸、またはこれらの混合物から誘導され得る。2種以上のポリ(乳酸)ポリマーの混合物が使用され得る。PLAは、乳酸の2量体環状エステル(ラクチドとも呼ばれる)の、触媒による開環重合によって調製され得る。結果として、PLAはまた、「ポリラクチド」とも呼ばれる。
【0042】
ポリエステルは、アルコールと、有機酸またはその塩またはそのエステルとのポリ縮合生成物である。ポリエステルの例には、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリ(トリメチレン)テレフタラート、ポリプロピレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、またはこれらの2つ以上の組合せ、あるいは改質剤および強化剤のようなさらなる成分とのブレンドが含まれる。PETは、少なくとも約50モル%のPETを含み(または、PETに由来し)、残りはテレフタル酸およびエチレングリコール(または、等価物を成すこれらのエステル)以外のモノマーに由来する。例えば、他のコモノマーには、二酸、例えばコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、グルタル酸、1,10−デカンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、ドデカン二酸、またはこれらの2つ以上の組合せ;およびこれらの等価物を成すエステル、ジオール、例えば、プロピレングリコール、メトキシポリアルキレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、またはこれらの2つ以上の組合せが含まれる。ポリエステルは、例えば、米国特許第6166170号明細書、米国特許第6075115号明細書、米国特許第6080834号明細書、および米国特許第6255442号明細書に、幅広く開示されており、当業者によく知られており、その説明は、本明細書では、簡潔さのために省略される。
【0043】
ラクタムまたはアミノ酸から製造され、当業者に知られている任意のポリアミドが使用され得る。ラクタムまたはアミノ酸のような単一の反応物によるポリアミドは、ABタイプのポリアミドと呼ばれ、「Nylon Plastics」(Melvin L.Kohan編、1973年、John Wiley and Sons,Inc)に開示されており、ナイロン−6、ナイロン−11、ナイロン−12、またはこれらの2つ以上の組合せを含めることができる。2種以上のラクタムまたはアミノ酸から調製されるポリアミドには、ナイロン6,12が含まれる。
【0044】
頻繁に用いられるポリアミドには、ナイロン6、ナイロン7、ナイロン8、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,12、またはこれらの2つ以上の組合せが、特に、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、またはこれらの2つ以上の組合せが用いられる。
【0045】
よく知られているポリアミドはまた、ジアミンと二酸の縮合により調製でき、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、およびナイロン1212を含めて、AABBタイプのポリアミドと呼ばれ、さらには、ナイロン66/610のように複数のジアミンと複数の二酸の組合せからも調製され得る。同様に、ポリ(m−キシレンアジパミド)(例えば、Mitsubishi Gas Chemical America Inc.によるナイロンMXD6)、あるいはヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸/テレフタル酸とから製造される非晶質アモルファスポリアミドを含めて、非脂肪族ポリアミドは、デュポンによるSelar(登録商標)PAのようなABタイプのようには適切でないかもしれない。ナイロン66、6の混合物に基づくポリアミドは、ナイロン66の存在が40重量%未満であれば、有用であり得る。
【0046】
ポリアミドおよびそのためのプロセスは当業者によく知られているので、その開示は、本明細書では、簡潔さのために省略される。
【0047】
当業者に知られているどのようなポリウレタンも使用され得る。それは当業者によく知られているので、その説明は、本明細書では、簡潔さのために省略される。
【0048】
ポリオレフィンには、オレフィンに由来する繰返し単位を含むどのようなポリマーも含まれ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン、およびこれらのポリオレフィンの任意のコポリマーが含まれる。このようなコポリマーは、ブテン、ヘキセン、オクテン、デセン、ドデセン、またはこれらの2つ以上の組合せが含まれるコモノマーを含み得る。
【0049】
ポリカプロラクトン(約60℃の低い融点を有する生分解性ポリエステル)は、当業者に知られている任意の手段によって、ε−カプロラクトンから調製され得る。
【0050】
コポリエーテルエステルには、エステル結合を通じて頭−尾で繋がった、多数の繰り返し現れる長鎖エステル単位および短鎖エステル単位を有する1種または複数のコポリマーが含まれる。長鎖エステル単位は、−OGO−C(O)RC(O)−の繰返し単位を含み、短鎖エステル単位は、−ODO−C(O)RC(O)−の繰返し単位を含む。Gは、約400と約6000の間、または好ましくは約400と約3000の間の数平均分子量を有する、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールから末端ヒドロキシル基が除去された後に残る2価の基である。Rは、約300未満の分子量を有するジカルボン酸からカルボキシル基が除去された後に残る2価の基である。Dは、約250未満の分子量を有するジオールからヒドロキシル基が除去された後に残る2価の基である。
【0051】
コポリエーテルエステルは、好ましくは、約15から約99重量%の短鎖エステル単位と、約1から約85重量%の長鎖エステル単位とを含み、または約25から約90重量%の短鎖エステル単位と、約10から約75重量%の長鎖エステル単位とを含む。
【0052】
コポリエーテルエステルは、米国特許第3651014号明細書、米国特許第3766146号明細書、および米国特許第3763109号明細書を含む米国特許に開示されている。デュポンによる市販のコポリエーテルエステルには、Hytrel(登録商標)、さらには1,3−プロパンジオールのオリゴマーから得られるコポリエーテルエステルが含まれる。他には、オランダのDSMによるArnitel(登録商標)、および米国のTiconaによるRiteflex(登録商標)が含まれる。
【0053】
ポリアルキレンオキシドには、ポリエチレレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオールのオリゴマー、またはこれらの2つ以上の組合せが含まれ得る。
【0054】
本発明の組成物は、さらに、組成物の約0.001から約20または約60重量%までの、1種または複数の添加剤を含んでいてもよく、添加剤には、可塑剤、安定剤(粘度安定剤および加水分解安定剤が含まれる)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、染料、顔料または他の着色剤、無機充填剤、難燃剤、潤滑剤、強化剤(例えば、ガラス繊維およびフレーク)、発泡剤または起泡剤、加工助剤(processing aid)、ブロッキング防止剤、離型剤、溶融助剤(fusion aid)、プロセス助剤(process aid)、炭酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酸化チタン、ステアリン酸、パラフィンワックス、潤滑剤、顔料、界面活性剤、水、有機または無機の塩、乳化剤、あるいはこれらの2つ以上の組合せが含まれる。任意選択の添加剤は、使用される場合、それらが本発明の組成物の基本的で新規な特性を損なう量で使用されない限り、様々な量で存在し得る。
【0055】
本発明の組成物は、標準的な混合操作のような、当業者に知られているどのような方法によって製造されてもよい。これは、1ステップまたは2ステップのプロセスで成し遂げることができる。1ステップのプロセスでは、全ての成分は、バンバリーミキサーあるいは2軸押出機またはブス(Buss)のニーダー押出機のようなミキサーを用いて、ドライ−または溶融−混合され得る。この混合はまた、流動床または他の反応器でも実施され得る。2ステップのプロセスでは、デンプンおよびエチレンコポリマーを含むブレンドが、最初に、ウィーレックス(Welex)ミキサーのような強力(high intensity)ミキサーで調製され得る。第2のステップでは、このブレンドが、ブスニーダーまたは2軸押出機のような溶融混練(melt compounding)装置において(単数又は複数の)添加剤および変性剤のような添加剤と共に溶融ブレンドされる。しかしながら、本発明の組成物は、好ましくは、下に開示される方法によって製造される。
【0056】
本発明の方法は、混合物を生成するために、変性デンプン、オレフィンコポリマー、および任意の他のドライ成分を予備混合する工程を含む。これは、どのような通常のミキサーで実施されてもよい。混合物は、スクリュー押出機に導入され、スクリューの剪断作用およびバレル(容器)への外部加熱施用によって高温になる。温度は、約140℃から約240℃、または約160℃から約190℃の範囲まで上昇し得る。材料は、同方向−または異方向−回転2軸押出機あるいは選ばれたデザインの1軸押出機を用いて、押出混練によって加工される。2軸同方向回転による混練は、少なくとも約5または約10bar(1bar=100KPa)の押出圧力で、また少なくとも約80rpmまたは約100rpmのスクリュー速度で実施され得る。
【0057】
水は、デンプンをポリマーゲル構造に「ゼラチン(ゲル)化する(gelatinising)」(脱構造化(destructurising)、クッキング(cooking)、または溶融とも言われる)ために、押出の開始と実質的に同時に、例えば最初のバレル(容器)区画において、液体注入によって導入され得る。水はまた、加えられる他の任意の水溶性ポリマー(例えば、ポリビニルアルコール)を溶解し、また最終製品において可塑剤として作用して材料を柔らかくし弾性率および脆さを低下させるのにも役立ち得る。次いで、溶融および/または脱構造化したデンプンおよびコポリマーのブレンドは、ダイに向かって進められ、前に進むにつれて、温度は、ベント(排気)を必要とせずに発泡を防ぐために、低下させてもよい。代わりに、加工の間にこの組合せに発泡剤が添加されてもよい。水は、前記の全混合物または別の混合物の約10から約50、約15から約45、約20から約40、約22から約40、または約25から約35重量%の理論濃度まで添加され得る。通常、20%を超える水が含められ得る。代わりに、水は、混合物の供給速度の約15から約45、約20から約40、約22から約40、または約22から約35%で添加されてもよい。
【0058】
押し出される生成物は、押出機内で、またはダイから出た後、最終製品の約0.01から約10重量%、または約0.1から約5重量%の、必要とされる水分含量まで乾燥され得る。水の除去は、対流乾燥、接触加熱、IR加熱、マイクロ波乾燥、顆粒のための遠心分離および流動床、バレルでのベント(通気)、またはこれらの2つ以上の組合せによって実施され得る。顆粒は、水中ペレット化、ダイ面での切断、またはストランドの冷却と切断によって得ることができる。硬質製品の典型的な押出は、次のパラメータを有し得る。供給口からダイまでの押出機バレルの温度プロフィール(℃)は、40、65、80、90、100、155、170、140、120、100であり、スクリュー速度は、約450rpmであり得る。
【0059】
押し出された生成物は、当業者に知られているどのような手段によって回収されてもよい。
【0060】
本発明の組成物(これは、生分解性であり得る)は、フィルム、シート、成形物品、熱成形物品、管、棒、または容器を含む物品を製造するために使用され得る。フィルムには、多層フィルムまたはシートが含まれ、水性媒体(例えば洗浄剤、農業用およびプール用化学製品、染料および顔料、充填剤、芳香剤、および乾式(dry)接着剤)のための包装材料;生理用ナプキンおよび失禁用衣類の包装材料または構成要素;種子テープのような植え付け可能種子のパッケージ;バリアフィルム; 離型フィルム; 堆肥化可能廃棄物のゴミ袋;医療用洗濯袋; 洗濯洗剤パウチ; 食品包装; または当業者に知られているその他の包装用途に用いることができる。
【0061】
本発明の組成物は、キャストフィルムおよびインフレーションフィルム(blown film)の両方を調製するように、押出によって、フィルムおよびシートに成形され得る。この組成物は、スリットダイを通しての押出および得られる平坦なシートのカレンダー加工によって、キャストフィルムに成形され得る。インフレーションフィルムもまた、チューブ状フィルムを調製するための、円形または環状のダイを通しての押出によって調製され得る。例として、しかし限定ではなく、フィルムおよびシートは、包装材料およびパッケージを調製するために有用である。シートは、物品または構造体にさらに熱成形され得る。
【0062】
フィルムは単一層の本発明の組成物を含み得る(単層フィルム)。あるいは、多層フィルムまたはシートは、本発明の組成物の層と、異なる材料を含む少なくとも1つのさらなる層とを含む。本発明の組成物の約250μm(0.25mm)の厚さのフィルムは、約23未満、または約16未満のへーズ値を有し得る。
【0063】
包装技術分野において一般に知られているフィルムグレードのどのようなポリマー樹脂または材料も、多層フィルム構造におけるさらなる層を調製するために用いられ得る。多層ポリマーシートは、これらに限らないが、最も外側の構造または酷使(abuse)層、内側のまたは内部のバリア層、および最も内側の層(パッケージの意図される内容物と接触し適合し、また必要とされるどのようなシールも形成できる)を含めて、少なくとも3つの区分の層を含み得る。他の層もまた、これらの層を互いに結合させる助けとなる接着または「結合(tie;タイ)」層としての役目を果たすように、存在し得る。
【0064】
例えば、多層フィルムは、さらなる任意選択の層を有する層ABCDEを含むことができ、ここで、AおよびE、またはBおよびDは同じであっても異なっていてもよく、1種または複数の任意選択のポリマーを含む、またはこれらから製造され得る。Aはまた、1種または複数のポリオレフィン、ポリエステル、またはこれらの組合せを含む、またはこれらから製造される、耐水層または構造層であり得る。Bは、バイオポリマー、エチレンコポリマー、および上で開示された任意選択のポリマーまたは添加剤を含む本発明の組成物を含む、またはこれらから製造される層であり得る。Cは、ポリアミド、塩化ビニリデンコポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリ塩化ビニル、紙、板紙、アルミニウム箔のような金属フィルム、またはこれらの2つ以上の組合せを含む、またはこれらから製造されるバリア層であり得る。
【0065】
包装用途では、多層フィルムまたはシートは、上で開示された組成物を含むシール材層であり得る、外側層および内側層(層AまたはE)を含み得る。B、C、およびDは、同じであっても、または異なっていてもよく、また空気または水に対する透過性またはバリア性のような異なる機能を有する1つまたは複数の構造層であり得る。
【0066】
多層フィルムの具体例には、ポリオレフィン/エチレンアルキルアクリラートコポリマー/デンプン/エチレンアルキルアクリラートコポリマー/ポリオレフィン;ポリオレフィン/エチレンアルキルアクリラートコポリマー/デンプン/エチレンアルキルアクリラートコポリマー/ポリエステル;ポリエステル/エチレンアルキルアクリラートコポリマー/デンプン/エチレンアルキルアクリラートコポリマー/ポリエステル;ポリオレフィン/エチレンアルキルアクリラートコポリマー/デンプン/エチレンアルキルアクリラートコポリマー;またはポリエステル/エチレンアルキルアクリラートコポリマー/デンプン/エチレンアルキルアクリラートコポリマーを含めることができ、ここで、エチレンアルキルアクリラートコポリマーは、エチレンブチルアクリラートグリシジルメタクリラートコポリマー、エチレンブチルアクリラート一酸化炭素コポリマー、エチレンビニルアセタート一酸化炭素コポリマー、またはこれらの2つ以上の組合せであり得る。
【0067】
多層フィルムは、次の様に、共押出によって調製され得る:
様々な成分の顆粒が別個の押出機で溶融される。溶融ポリマーは、別個のポリマー溶融物流を、様々な成分の多層を含む1つの溶融物流へと合流させる混合ブロックを通過する。溶融物流は、1つの多層流として加工される溶融ポリマー層を形成するように、1つのダイまたは1組のダイへと流入する。層状化溶融ポリマーの流れは、層状構造を形成するように、例えば冷却ドラムで、直ちに冷却される。フィルムはまた、(共)押出と、それに続く、1つまたは複数の他の層へのラミネーションによって製造され得る。他の適切なコンバーティング技術は、例えば、インフレーションフィルム(共)押出および(共)押出コーティングである。
【0068】
フィルムは、例えばテープおよびストラップに有用であるように、機械方向(MD)における引張強さを大きくするために、任意選択で1軸配向(1方向での延伸)させてもよい。あるいは、フィルムは、機械的および物理的性質の満足すべき組合せを実現するために、フィルム面における互いに直交する2つの方向に延伸することによって、2軸配向させてもよい。このような2軸延伸は、最初にMDにおいて、次いで横方向においての如く、逐次行われるか、あるいは直交する2つの方向に同時に、の如く、同時に行われ得る。
【0069】
フィルムを1軸または2軸延伸するための配向および延伸装置は、当技術分野において知られており、米国特許第3278663号明細書、米国特許第3337665号明細書、米国特許第3456044号明細書、米国特許第4590106号明細書、米国特許第4760116号明細書、米国特許第4769421号明細書、米国特許第4797235号明細書および米国特許第4886634号明細書に開示のもののように、当業者によって適応され得る。
【0070】
フィルムはまた、多層包装材料を得るために、箔、紙または不織繊維材料のような基材にラミネートされ得る。ラミネーションは、高速で動いている(約100から1000フィート/分(fpm)(0.5〜5m/s)で、好ましくは約300から約800fpm(1.5〜4m/s))基材とフィルムとの間に、それらが低温(冷却)ロールと接触するようにしながら、接着組成物の溶融カーテンを垂らすことを含む。溶融カーテンは、フラットダイを通して接着組成物を押し出すことによって形成される。溶液系接着組成物もまた、フィルムを基材に固着させるために使用され得る。
【0071】
包装材料はまた、その中の製品について消費者に情報を提供する包装材料を得るために、および/または、パッケージに感じのよい外観をもたせるために、限定ではないが、例えば、印刷、エンボス加工、および/または着色によって、さらに加工され得る。
【0072】
フィルムおよびシートは包装材料および容器、例えば、パウチ、ふた付き容器(lidding)、熱成形容器(例えば、トレイ、カップ、およびボウル(bowl))を調製するために使用され得る。他の熱成形包装物品には、ブリスターパック、ディスペンサーのためのブリスター構成部分または医薬コンパートメント、クラム−シェル(clam shell)容器、ハンドリングトレイ、店頭(point of purchase)ディスプレイスタンド、2ピースボックス(蓋および基部の組合せ)、ディスペンサー本体、2つ折り可能(bifoldable)物品などが含まれる。
【0073】
フィルムは、チューブ表面を横切ってシールを形成すること(例えば、ヒートシールまたは高周波溶着によって)、およびシールされたチューブをある長さに切断することにより1つの閉じた末端および1つの開いた末端を有するチューブを得ることによって、バッグまたはパウチに加工され得る。
【0074】
本発明の組成物は、適切な任意の溶融加工技術(例えば、射出成形、押出成形、またはブロー成形のような、当技術分野において知られており、広く用いられる溶融成形法)を用いて物品に成形され得る。例は、トレイ、カップ、またはボウルのような熱成形容器、および本発明の組成物を含むフィルムを含むふた付きフィルム(lidding film)を含む、パッケージである。
【0075】
本発明の組成物は、多層フィルムにおいて、2つの層を互いに固着させるという主目的を有する結合(tie;タイ)層、内部層として使用され得る。多層フィルムは、上で開示されたもののような、何らかの手段によって当業者に知られている1種または複数のポリマーを含む、またはこれらから製造される層を含み得る。1種または複数のポリマーは、上で開示された任意選択のポリマーと同じであり得る。
【実施例】
【0076】
次の実施例は例示するが、本発明の範囲を過度に限定すると解釈されるべきでない。
【0077】
材料
変性デンプンは、高アミロースデンプンのGelose 939、80%のアミロース含量を有すると記されているGelose 80であり、6.5%(重量で)のヒドロキシプロピル残基を与えるようにプロピレンオキシドとの反応によって変性されているものであった。それは、Penford(オーストラリア)から入手した。
【0078】
MAH1は、デュポンから入手でき、メタロセン触媒プロセスにより製造された、エチレンおよびブテンのコポリマーで、0.9%の無水マレイン酸がグラフトされており、190℃でのメルトインデックス(MI)が3.7、mp(融点)は54℃、密度は0.87kg/dmであった。
【0079】
MAH2は、デュポンから入手でき、無水マレイン酸がグラフトされた、エチレンおよび、1.8%の無水マレイン酸を含む24重量%のメチルアクリラートのコポリマーで、190℃でのMIが1.8、mpは89℃であった。
【0080】
MAH3は、デュポンから入手でき、エチレンおよび9重量%のマレイン酸モノエチルのコポリマーで、190℃でのMIが25、mpは108℃であった。
【0081】
Elvanol(登録商標)71−30は、デュポンから市販されており、99.0〜99.8%加水分解されたポリビニルアルコールであり、4%水溶液の粘度が27.0〜33.0cPであった。
【0082】
変性デンプン、オレフィンコポリマー、ポリビニルアルコール(Elvanol(登録商標)71−30)および少量の加工助剤をロータリーミキサーで約30分間、乾式混合して、プレミックスを製造した。次いで、プレミックスを、シートダイを装備した直径27mmの同方向回転2軸押出機に供給し、初期バレル領域において、全成分の全供給比率の約25%の水を注入した。デンプンは、水、高温、およびスクリューにより加えられる剪断の合わさった作用によってクッキング状態になった。オレフィンコポリマーは、押出機バレルへの熱供給によって融解し、ポリビニルアルコールは(水に)溶解した。クッキングの間およびその後に、押出機は組成物を混合し均質化する役目を果たした。押出機における典型的な滞留時間は、温度プロフィールおよびスクリュー速度に応じて、1〜2.5分の間であった。
【0083】
落下試験評価では、混練物を約250μm(0.25mm)の厚さのシートに押し出し、次に、シートをチョコレートトレイ(13.5×13.5cm)に熱成形した。キャビティに、チョコレート片の重さに相当するプラスチック成形片(合計で、125gになる)を詰め、詰めたトレイを、補助的なカートンパッケージに包装し、相対湿度条件に応じて、0.9m(メートル)〜1.5mの間の高さから落下させた。50%の相対湿度(23℃)での落下試験は、1.5mの高さから行い、他方、35%の相対湿度では、詰めたトレイは、0.9mの高さから落とした。各実験で、全部で10個のトレイを落下させた。その後、損傷したトレイは、次の評価段階と定義に従って採点し、ここで、各トレイには、適用できる最も高い数値(最悪の実施結果)の評価区分を与えた。
【0084】
次の表において、クラックとは、トレイの端部からの、または内側の亀裂(running)を表した;破片(chip)とは、トレイの端部からなくなった断片であり、その大きさとは、なくなった部分の最大寸法であった(付随するクラックがあっても含めない);穴はトレイの中央に現れた;分離断片とは、トレイから75%以上が引き離された大きな断片であった。
【0085】
【表1】

【0086】
へーズは、ASTM D1003改正(rev)92の方法に従って求めた。
【0087】
シートは、3つの異なるオレフィンポリマー(MAH1、MAH2およびMAH3と呼ばれる)を用いて作製した。MAH1を添加して作製されたシートは、多数のゲルによりまだらになり、2相の外観を有し、非相溶性を示した。MAH2およびMAH3を用いて作製した材料は、トレイに熱成形し、次いで、上で開示した落下試験を行った。50%の相対湿度での落下試験による結果を表1に示す。
【0088】
【表2】

【0089】
MAH3(コポリマー)は、エチレンコポリマーを含まない変性デンプン配合を凌ぐ、はるかに改善された落下試験実績を有する、良好な品質の透明材料を生成した。MAH2(グラフトモノマー)は、無添加の材料に匹敵する落下試験実績を有する、濁った材料を生成した。これらおよび他の結果に基づいて、オレフィンコポリマーのMAH3材料を、より低い相対湿度レベルで、さらには、より多い添加レベルで、Elvanol(登録商標)71−30ポリビニルアルコールを加えたもの、加えないものの両方で、試験した。0.9mの高さからの35%の相対湿度での落下試験の結果、さらには、へイズ値のパーセンテージを表2に記す。
【0090】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオポリマー、オレフィンコポリマー、および任意選択のポリマーを含む、またはこれらのポリマーから生成される組成物であり、
前記バイオポリマーが、ヒドロキシアルキル変性デンプンを含み、組成物の全乾燥重量に基づき、少なくとも85%の濃度で組成物中に存在し;
前記オレフィンコポリマーが、オレフィン、モノマー、および任意選択のコモノマーの共重合によって製造され;
該オレフィンには、エチレン、プロピレン、ブチレン、またはこれらの2つ以上の組合せが含まれ;
該モノマーには、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸塩、マレイン酸ジエステル、マレイン酸モノエステル、イタコン酸、フマル酸、フマル酸モノエステル、またはこれらの2つ以上の組合せが含まれ;
該任意選択のコモノマーには、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸塩、(メタ)アクリル酸のC〜Cエステル、一酸化炭素、二酸化硫黄、アクリロニトリル、グリシジルアクリラート、グリシジルメタクリラート、およびグリシジルビニルエーテル、またはこれらの2つ以上の組合せが含まれ;
前記任意選択のポリマーには、エチレンコポリマー、ポリビニルブチラールコポリマー、またはこれらの組合せが含まれ(該エチレンコポリマーには、エチレンアルキル(メタ)アクリラートコポリマー、エチレンビニルアセタートコポリマー、エチレンと酸のコポリマーまたはそのイオノマーが含まれる)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ヒドロキシアルカン酸)、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリカプロラクトン、コポリエーテルエステル、ポリアルキレンオキシド、またはこれらの2つ以上の組合せが含まれる;
前記組成物。
【請求項2】
前記モノマーが無水マレイン酸またはマレイン酸モノエステルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記バイオポリマーが、デンプンの重量に対して少なくとも65%のアミロースに由来する繰返し単位を含むヒドロキシプロピル変性デンプンであり;前記バイオポリマーが前記組成物中に約85から約95%存在し;前記オレフィンがエチレンであり;前記モノマーが前記マレイン酸モノエステルである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記バイオポリマーが、少なくとも70%のアミロースに由来する繰返し単位を含み;前記バイオポリマーが前記組成物中に約88%から約92%存在し;前記オレフィンコポリマーが、このコポリマーの重量に基づき、約3.0%以上の前記モノマーに由来する繰返し単位を含み;前記モノマーには、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノプロピル、マレイン酸モノブチル、またはこれらの2つ以上の組合せが含まれる、請求項1、2または3に記載の組成物。
【請求項5】
前記オレフィンコポリマーが前記任意選択のコモノマーをさらに含む、請求項1、2、3または4に記載の組成物。
【請求項6】
前記任意選択のポリマーをさらに含む、請求項4に記載の組成物であって、
前記任意選択のポリマーが、好ましくは、エチレンと、アルキル(メタ)アクリラート、(メタ)アクリル酸、グリシジルアクリラート、グリシジルメタクリラート、またはこれらの2つ以上の組合せとに由来する繰返し単位を含むエチレンコポリマーである、
前記組成物。
【請求項7】
バイオポリマー、オレフィンコポリマー、および任意選択のポリマー、ならびに任意選択の添加剤を混合して、混合物を生成すること;この混合物に水を導入し、別の混合物を生成すること;およびこの別の混合物を高温で押し出すことを含む方法であって、
前記バイオポリマー、前記オレフィンコポリマー、および前記任意選択のポリマーが、それぞれ、請求項1、2、3、4、5または6において特徴付けられるものであり;前記水の導入が、押し出す工程の前に、またはその工程と実質的に同時に実施され;導入される前記水が、好ましくは、前記別の混合物の少なくとも20重量%である、
前記方法。
【請求項8】
組成物を含む、または組成物から製造される物品であり、
前記物品には、フィルム、多層フィルムまたはシート、あるいはこれらの組合せが含まれ;前記組成物が、請求項1、2、3、4、5または6に記載のものであり;前記組成物が1種または複数の生分解性ポリマーを任意選択でさらに含む、
前記物品。
【請求項9】
請求項8に記載の物品であって、
前記物品が、前記組成物の層、および1つまたは複数の層(この1つまたは複数の層は、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ヒドロキシアルカン酸)、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリカプロラクトン、コポリエーテルエステル、ポリアルキレンオキシド、ポリ塩化ビニル、紙、板紙、金属フィルム、またはこれらの2つ以上の組合せを含む1種または複数のポリマーから製造される)を含む多層フィルムまたはシートであり;
前記多層フィルムには、ポリオレフィン/エチレンアルキルアクリラートコポリマー/前記組成物/エチレンアルキルアクリラートコポリマー/ポリオレフィン、ポリオレフィン/エチレンアルキルアクリラートコポリマー/前記組成物/エチレンアルキルアクリラートコポリマー/ポリエステル、ポリエステル/エチレンアルキルアクリラートコポリマー/前記組成物/エチレンアルキルアクリラートコポリマー/ポリエステル、ポリオレフィン/エチレンアルキルアクリラートコポリマー/前記組成物/エチレンアルキルアクリラートコポリマー、またはポリエステル/エチレンアルキルアクリラートコポリマー/前記組成物、またはこれらの2つ以上の組合せが含まれ、ここで、前記組成物は、1種または複数の生分解性ポリマー/エチレンアルキルアクリラートコポリマーを任意選択でさらに含み;
前記エチレンアルキルアクリラートコポリマーには、エチレンブチルアクリラートグリシジルメタアクリラートコポリマー、エチレンブチルアクリラート一酸化炭素コポリマー、エチレンビニルアセタート一酸化炭素コポリマー、またはこれらの2つ以上の組合せが含まれ;各ポリマーまたは組成物は、そのポリマーまたは組成物に由来する層を表す、
前記物品。
【請求項10】
ゴミ袋、医療用洗濯袋、洗濯洗剤パウチ、化学製品の袋、トレイ、コップ、ボウル、または、ふた付き材料に転換される、請求項8または9に記載の物品。

【公表番号】特表2010−516861(P2010−516861A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547300(P2009−547300)
【出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【国際出願番号】PCT/US2008/000971
【国際公開番号】WO2008/094451
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(502247341)プランティック・テクノロジーズ・リミテッド (7)
【Fターム(参考)】