説明

バイオマスから生産される材料または燃料

【課題】 バイオマスから生産される材料または燃料
【解決手段】 本発明は、バイオマスから生産される材料ないし燃料に関する。
当該材料ないし燃料は、バイオマスを温度100℃以上圧力5bar以上で処理する方法に従い生産される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1個の固液混合物が投入されるリアクターから構成される、固液混合物特にバイオマスの処理設備、少なくとも1個のバイオマスの処理設備から構成されるバイオマス由来エネルギー生産設備、さらに、バイオマスから生産される材料ないし燃料に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆる実験室規模での熱水炭化は、2006年7月に、マクスプランク・コロイド界面科学研究所(ポツダム)のアントニェッティ・マルクス教授により紹介された。このプロセスでは、バイオマスが半日以内に実験室用オートクレーブ内において10bar/180度下で、炭素に類似する材料ないしその前駆体と水に変換される。
【0003】
可能な限り均一の燃料生産による含水バイオマスのエネルギー取得利用は長年研究されてきたが、従来、エネルギーの利用性が低効率で経済性が悪く、用途が限定されてきた。
化石燃料の燃焼による二酸化炭素排出が気候変動の主要因である。
【0004】
ドイツ国特許19723510C1号明細書によると、生物由来廃棄物の処理施設が公表されている。これは、シリンダー型リアクターを含み、この炉内では残飯およびこれと類似の物質が高温加圧加水分解される。リアクターは加熱可能な筐体から構成されるループリアクターとなっている。ポンプを用いて炉内に滞留物の攪拌を行う流動を起こす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】ドイツ国特許19723510C1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、燃料、腐植質、炭素含有材料、さらにメイラードないしこれに類似する反応生成物を、固液混合物から高効率特に工業規模で経済的に生産するプロセス技術を開発する課題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を特許請求の範囲に記載の独立請求項の対象で解決する。改良は従属請求項による。
【発明の効果】
【0008】
本発明によるプロセスにおいては、炭素含有固液混合物ないしその由来物が、処理前・中に、追加処理される、ないし、反応生成物、中間生成物、副産物または最終生成物が、再処理または加工処理される。固液混合物の重点的準備ないし前処理および、処理中ないし反応プロセス中における固液混合物の再処理、さらに反応生成物、中間生成物、副産物または最終生成物の再処理により、燃料、腐植質、炭素含有素材、またはメイラードないしメイラード類似反応生成物を、経済的に相当量の回収増大できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明に係る設備の追加構成要素をもつ本発明に係るリアクターによる図式的横断面図を示す。
【図2】図2は、本発明に係る図1に示すリアクターの壁面領域の一部を示す。
【図3】図3は例示として当該設備の図式的表示を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
バイオマスからエネルギー回収を行う際、大気中には、生きている植物が成長に必要な分だけを排出していた程度の二酸化炭素しか排出されない。従ってバイオマス由来燃料の利用は、二酸化炭素中立的であり、このため気候温暖化させない。さらに、例えば農業用地に撒かれる腐植質の生産は、COシンクとして有用である。同様の措置なしに、また、バイオマス由来の非化石燃料をエネルギー源として利用強化しないと、例えば京都議定書に規定されたような気候対策の目標は達成できない。
【0011】
燃料生産のためにバイオマスを再利用する本発明のプロセスでは、変換プロセス中に損失する炭素部分は、他のプロセスより大幅に少ない。技術的に最適な変換処理を行えば、炭素損失は僅少から皆無にできる。炭素損失はアルコールによる発酵で30%以上、バイオマス変換では約50%、木の炭化で約70%、コンポストでは90%以上である。この損失過程で、炭素は二酸化炭素またはメタンとして逃げ、ともに気候に有害である。本発明のプロセスでは、同様の問題は、皆無ないし極僅少にとどまる。
【0012】
本発明のプロセスは、高効率である。反面アルコール発酵は、植物に蓄積された1次エネルギーの3%〜5%の効率と推計される。本発明のプロセスでは、CO2排出は皆無または極めて僅少である。バイオマスをバイオガスに変換する際、炭素の約半分は再びCO2として排出される。さらに、バイオガス装置の経済的な運用には、極僅かな基質だけが適す。
【0013】
既知のプロセスとは異なり、本発明のプロセスでは、排出された暖気が放出されたまま利用されずにとどまらない。特に問題点は、高含湿度のバイオマスからエネルギー変換を行う際に生じる。本発明のプロセスでは、水分の存在はむしろ化学的変換現象の必要条件である。従来のプロセスはこれに対して、低効率性、エネルギーの低利用性/経済性により用途が限定されてきた。
【0014】
例えば高温高圧下でバイオマス等の固液混合物を処理するには、処理を行うリアクターには特徴がある。極度条件によりリアクターの内側表面には、耐腐食性ないしこれに相当するコーティング措置を行うことが可能である。さらに、固液混合物の攪拌装置も可能である。
【0015】
本発明は、炭素含有固液混合物から、当該固液混合物を温度100℃以上圧力5bar以上の下で最短1時間処理し、素材ないし燃料、腐植質ないしメイラードまたはメイラード類似反応生成物の生産プロセスに関する。
【0016】
本発明の対象となる追加実施例では、当該プロセスをほとんど連続的または連続的に実施する。すなわち、当該固液混合物の処理は、特に反応プロセス中は、非連続的でなく、即ちバッチプロセスにより実施される。さらに最適な反応空間の活用のためとアイドルタイムを最小化するため、温度/圧力比は運転条件を維持される。同時にプロセス稼動中に、原材料と触媒も間隔をおいて反応空間に投入でき、プロセス水および未変換原材料その他の投入されたメディアを除去し、必要に応じて、再利用(循環させる)でき、さらに、障害物質、反応生成物、中間生成物、副産物または最終生成物を抽出できる。これと平行して、プロセス水、排水、排気、反応生成物、中間生成物、副産物または最終生成物等の処理ないし浄化等の追加プロセスも、連続的または間隔をおいて、実施できる。
【0017】
本発明の対象となる追加実施例では、温度を160℃以上、できれば160〜300℃の間、最適185〜225℃の間に調節する、または、温度の自動調節を含む。
【0018】
本発明の対象となる追加実施例では、圧力を最小7bar、できれば10〜34bar最適10〜17bar、17〜26bar、26〜34barの区間に調節することを含む。
【0019】
本発明の対象となる追加実施例では、処理時間を最低2時間、できれば3〜60時間、最適5〜30時間または30〜60時間、特に6〜12時間または12〜24時間とすることを含む。
【0020】
本発明の対象となる追加実施例では、処理時間が、原材料ないし固液混合物の種類、または目的反応生成物とは独立的に、選択されることを含む。
【0021】
本発明の対象となる追加実施例では、少なくとも1種類の原材料ないし固液混合物が、できれば補助材料、攪拌または予備加熱で行われる水分除去、粉砕、予備培養により、前処理されることを含む。
【0022】
予備処理の一部は、酸性条件/触媒中、例えば、pH値6未満、できれば5未満、最適4未満特に3未満で、この際できれば2未満での培養も含むことができる。粉砕度が高く、pH値が下がるほど、同処理段階の所要時間は短縮する。酸性ph値での培養を、粉砕後に行うこともできる。
【0023】
本発明の対象となる追加実施例では、原材料の固液混合物は、処理中ないし処理後に、粉砕され、できれば小片状または粉状とすることを含む。この際、粉砕された固液混合物の粒径は、できれば10cm未満、さらにできれば1cm未満、可及的に2mm未満とすることが望まれる。
【0024】
固液混合物または少なくとも原材料には、処理前ないし処理中に、少なくとも1個の触媒を、水または水溶液を添加または添加せずに、投入することができる。触媒は少なくとも1個さらには複数の異なる成分から構成されることができる。これらがまとめて混合触媒となる。触媒成分は例えば、酸であってもよい。当該酸には、反応に有利である炭酸、特に陽子酸を用いることができる。反応に有利であるのは、二価炭酸または三価炭酸、特に酒石酸またはクエン酸の利用であることが判明した。クエン酸、酒石酸ともに結晶性であり無毒である。両者ともに自然界に果実として存在する(レモン等のレモン類果実にはクエン酸、ワイン葡萄には酒石酸)。本発明の対象となる特に有利な実施例では、例えば無機酸でもよく、できれば硫酸でよい。触媒コンポーネントとして利用される酸は、培養段階で酸性媒体の生成にも利用できる。
【0025】
触媒または触媒混合物は、特に追加的に、1種類ないし複数種類の金属ないし金属結合を含むことができる。元素周期律表の遷移金属元素のIa、IIa、IVa、Va、VIa、VIIa、VIIIa族系、例えば、鉄、ニッケル、コバルト、銅、亜鉛、ロジウム、パラジウム、白金、銀、バナジウム、クロム、タングステン、モリブデンまたはチタン等を用いると反応に有利であり、この際、鉄が最善であることが判明した。特に優先されるのは、当該金属の酸化物、例えば、酸化バナジウム(V2O5)、酸化銅(CuO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化クロム(Cr2O3)もよい。しかし一方では、元素周期律表の典型元素類金属の酸化物、特に酸化アルミニウム(Al2O3)が、触媒として適す。
【0026】
追加的または代替的には、固液混合物の処理前に生体触媒も利用でき、固液混合物を燃料、炭素含有素材、腐植質ないしメイラードまたはメイラード類似反応生成物に加速的に変換できる。この際例えば酵素、細菌(特にバクテリアないし菌類)、植物性細胞、動物性細胞ないし遊離または固定化された細胞抽出物を用いることができる。生体触媒は、固液混合物の苛酷な処理条件によることから、固液混合物の加工過程の中でも特に前処理または反応生成物ないし副産物の再処理だけに投入できる。
【0027】
本発明の対象となる追加実施例では、少なくとも原材料のうち1種類または固液混合物が処理前ないし処理中に混合する、できれば、かき回す、混合する、浮遊する、または攪拌することが優先される。この際、混合するために、1個または複数の混合装置、特に、異なる種類の混合装置を組み合わせたもの、できれば少なくとも1個の液体放出ミキサー/ポンプ、又はノズルを用いることができる。本発明の目的上、反応空間内の可動部分無しでも混合できる装置を優先する。
【0028】
本発明の対象となる追加実施例では、処理後の反応生成物は、1個の乾燥機または異なる乾燥プロセスを1単位に組み合わせて、優先的には対流式ないし接触型の乾燥機、特に優先されるのは、流動ないしベルト方式ないし攪拌層型の乾燥機を用いて、乾燥できる。
【0029】
本発明の対象となる追加実施例では、本発明上のプロセス中に発生する処理水は、優先的には少なくとも1個の固液分離装置を用いて、排出される、または、洗浄されてから反応混合物に還流される。固液分離装置は例えば、マイクロ/超精密/ナノ濾過および逆浸透を行う、少なくとも1個の装置または数種類の異なる当該装置の組合せ、優先的にはセラミック製フィルターを用いるもの、特に優先的には回転盤ないし遠心被膜フィルターで構成できる。
【0030】
本発明のさらなる有利な実施例には、反応プロセスで生じる排水が、機械的、化学的または生物的に浄化されることを含む。
【0031】
本発明のさらなる有利な実施例には、処理、加工ないし再処理の際に生じる排気が、機械的、化学的または生物的に浄化されることを含む。
【0032】
本発明はさらに、各種の反応生成物、中間生成物、副産物または最終生成物の工業生産プロセス特に連続的ないし準連続的プロセスも該当する。反応生成物、中間生成物、副産物または最終生成物は、例えば、泥炭燃料、褐炭をはじめ石炭類似燃料、腐植質、メイラードまたはメイラード類似反応生成物、断熱材/ナノスポンジ/ナノボール/ナノファイバー/ナノケーブル/活性炭/吸着炭/グリル石炭代替材料/高圧縮炭素製品・素材等の炭素含有素材、および特にグラファイトおよびグラファイト類似またはグラファイト系製品からカーボンファイバーの原材料、さらに結合素材またはファイバー結合素材を含むことができる。
【0033】
本発明の対象となるさらなる実施例には、固液混合物が少なくとも部分的にはバイオマスから構成されることを含む。この際、圧力と熱供給により、効率的かつ極めて経済的な本発明上のプロセスにおいて湿気を帯びたバイオマスを熱エネルギーにより最初に脱重合化してから加水分解するために、熱水炭化原理を応用することが含まれる。生成した単量体の重合化は、数時間以内に炭素含有反応物を生成する。目的反応生成物は反応条件とは独立的に生産される。例えば、なかでも短時間の反応時間でまず、腐植質を生成し、さらに反応が進行するにつれ、エネルギー取得に適す炭素含有率が高くなる燃料が生成する。
【0034】
本発明は、本発明のプロセスを用いて各種の反応生成物、中間生成物、副産物または最終生成物の生産も含み、これには、泥炭燃料、褐炭をはじめ石炭類似燃料、腐植質、メイラードまたはメイラード類似反応生成物、断熱材/ナノスポンジ/ナノボール/ナノファイバー/ナノケーブル/活性炭/吸着炭/グリル石炭代替材料/高圧縮炭素製品・素材等の炭素含有素材、および特にグラファイトおよびグラファイト類似またはグラファイト系製品からカーボンファイバーの原材料、さらに結合素材またはファイバー結合素材の生産を含む。
【0035】
本発明に係る当該プロセスはさらに、バイオマス由来エネルギー生産の前段階でもありうる。この際本発明によるプロセスを用いて燃料が生産され、当該燃料は連続的にエネルギー生産に調製される。当該調製は例えば、塵芥状または腐植質状の燃料からなるペレットまたはブリケットの生産により構成することもできる。本プロセスの有利な実施例は、調製燃料をエネルギー生産に投入し、特に燃焼させることを予見する。本発明により、熱エネルギーないし電力を含む各種のエネルギー生産プロセス、特に優先的には、本出願に従い生産された燃料を用いた各種エネルギーの組合せを実施できる。本発明に従いさらに、異なる再生可能エネルギー源、自己再生可能原材料、化石燃料、水力、太陽または風力エネルギーおよび、これらのエネルギー担体およびエネルギー生成システムの各種の蓄積手段を用いて、本発明に従い生産される燃料、その他の固体、液体、ないし気体状態の燃料を組合わせて、各種エネルギー生産に利用できる。
【0036】
本発明はさらに、優先的には蒸気又はガスタービンを用いたエネルギー生成プロセスに関する。この際、特に高圧空気による風力および優先的には送出可能風力システム(DWPS)による風力を用いる蓄積可能なエネルギーを組み合わせ、本発明による燃料を投入する。
【0037】
本発明はさらに、本発明のプロセスに従い生産された燃料のバイオマス由来エネルギー生成への利用に関する。
【0038】
本発明はさらに工業規模での固液混合物の効率的処理を可能にする装置も含む。
【0039】
本発明の対象となる追加実施例では、リアクターがシリンダー型母体からなる、または、耐圧型の構造であるものを含む。
【0040】
本発明の対象となる追加実施例では、リアクターが、リアクター軸に対して最大45度の角度、優先的には40度弱、特に優先的には35度弱となる球状の底部を持つものを含む。
【0041】
本発明のさらなる有利な実施例では、リアクターの内部空間、特に底部ないし壁部が、耐熱、耐蝕性、撥水性を有する物質例えば金属、特に貴金属またはセラミック素材からなるものを含む。優先的には、リアクターの内部空間、特に底部ないし壁部、さらに固定具等反応混合物と接触する部品は、全てないし一部が、表面加工されたものまたはコーティングされたものであり、反応混合物の構成要素の焦げ付きまたは堆積を防止または減少させるものである。被膜は、優先的には耐蝕性、耐摩耗性、または撥水性材料特に金属またはセラミック素材と合金、優先的にはクロム、ニッケル、モリブデン、チタン、アルミニウム、ニオブさらに、ケイ素、鉄、コバルト、タングステン、ホウ素、炭素および優先的にはチタン・アルミ結合を含む。特に、当該被膜素材は、鍍金加工により、特に優先的には例えばHVOF(高速オキシフレーム)溶射等の溶射による、コーティングを含む。
【0042】
本発明の対象となる追加実施例では、リアクター内部空間には少なくとも1個の膜部品が設置されることを含む。当該膜部品は10mm未満、優先的には6mm未満、特に優先的には4mm未満の間隔の穴があるものでよい。当該膜部品が板金からなる場合には、当該穴構成により膜板金と呼称できる。リアクター内には複数の膜部品を設置できる。
【0043】
本発明の対象となる追加実施例では、当該膜部品の穴径は400μm未満、優先的には100μm未満、特に優先的には35μm未満であることを含む。
【0044】
本発明の対象となる追加実施例では、当該膜部品の穴は円錐状のものを含む。
【0045】
本発明の対象となる追加実施例では、穴構成の膜部品とリアクター壁の間には少なくとも一個の中空空間があることを含む。当該膜部品はこの際、リアクター壁とは、中空空間が互いに分離された領域に分割された状態で、結合することができる。当該実施形態では特に、中空空間の少なくとも1個の領域が1個の投入口を、さらに、中空区間の少なくとももう1個の領域が1個の排出口をもつと有利である。当該膜部分とリアクター壁との結合は、例えば点または線溶接で行うことができるが、この際、溶接結合されない領域間は、水溶液の突入により相互に離れることが可能であり、このため入口と出口の間には、例えば米国特許出願公開第4700445号公報に記述されるような冷却水を流入できる経路ができる。この場合には、リアクター壁は、熱交換器として同時に用いることができる。
【0046】
本出願対象の追加実施例では、リアクター壁が二重壁であり、この際、内壁と外壁の間に中空空間が形成されるものを含む。この際両壁は、中空空間が相互に分離された領域に分割されるように結合できる。中空空間の少なくとも1個の領域は、優先的には、1個の投入口、中空空間の少なくとも1個の別の領域は排出口をもつことができる。両壁間の結合は例えば、点または線溶接で行うことができるが、この際、溶接結合されない領域間は、水溶液の突入により相互に離れることが可能で、このため入口と出口の間には、例えば米国特許出願公開第4700445号公報に記述されるような冷却水または温油を流入できる経路ができる。この場合、二重壁リアクターは同時に熱交換器としても利用できる。
【0047】
本発明の対象となる追加実施例では、リアクターは、カスケード型、管、還流、ループ型、または攪拌リアクター、または優先的には膜リアクターないし流動床式リアクターであることを含む。優先的には1個のリアクターまたは各種リアクターによる1個の組立は、カスケード型、管、還流型リアクターさらに優先的にはループ型、または攪拌リアクター、また特に優先的には膜リアクターないし流動床式リアクターがもつ、1個の特性および優先的には各種特性の組合せを有する。特に優先的には、少なくとも1個のリアクターは、1個の膜部品または少なくとも1個の、還流流動層を生成する装置を含む。
【0048】
本発明の対象となる追加実施例では、リアクターに、優先的には少なくとも1個の制御ユニットに連結されている温調システムを付加することを含む。当該温調システムは有利な方法では少なくとも1個のネジ式ヒーター、少なくとも1個のヒートコイルと冷却コイル、少なくとも1個のリアクター壁に溶接された半管コイル、少なくとも1個の熱交換管または1枚の熱交換板または少なくとも1個の膜部品ないし穴付きの底部ないし壁部を含む。当該温調システムはさらにリアクターの二重壁または二重パイプ構成を含むことができる。
【0049】
本発明の対象となる追加実施例では、リアクター内で媒体で流通されている装置の全て、穴付き被膜、スパージャー、同ポンプおよび、ノズルを含み、当該温調システムの部品であってもよい。
【0050】
本発明はこの際さらに、機械的な構成要素を本質的に持たない装置、即ち、機械的または可動部品が無いかできる限り少ないものを含む。
【0051】
本出願対象の追加実施例では、当該装置はリアクター内容物の混合、かき回し、攪拌を行う混合装置であることを含む。リアクターにはさらに、混合、かき回し、攪拌または洗浄装置も取り付けてもよい。リアクター内容物への運動エネルギー伝達には、この際可動部品の有無を問わず機械的攪拌および混合システムを利用できる。
【0052】
本発明の対象となる追加実施例では、当該混合装置が可動部品無い構成であり、例えば、少なくとも1個のスパージャー、少なくとも1個の液体ポンプまたは少なくとも1個のノズルからなることを含む。
【0053】
本発明の対象となる追加実施例では、当該混合装置、特に吸入部分の装置が、当該部分で発生する渦流と裁断応力により固形物を粉砕し塊状になるのを防ぐように構成されることを含む。
【0054】
本発明の対象となる追加実施例では、当該装置は、優先的には少なくとも1個の粉砕機または少なくとも1個のシュレッダーを含み、特にリアクター内の固形内容部の粉砕に用いる粉砕装置であることを含む。
【0055】
本発明の対象となる追加実施例では、当該装置は、優先的には少なくとも1個の滞留式乾燥機または接触型乾燥機、優先的にはフロードライヤーまたはベルトドライヤーからなる乾燥装置であることを含む。
【0056】
本発明の対象となる追加実施例では、処理水浄化をプロセス中に行うことを含む。当該装置はこの際優先的には処理水浄化装置であり、これは優先的には少なくとも1個の篩、1個のフィルター、1個の遠心機(攪拌手段)、1個の遠心分離機または1個の力場応用分離装置を含む。この際処理水浄化は実質的には、反応混合物から固形物を分離するために用いられる。当該処理水浄化装置は少なくとも1個の処理水貯水槽または少なくとも1個の固液分離装置を含む。
【0057】
本発明の特に有利な実施例では、処理水浄化装置は少なくとも1個の篩、1個のフィルター、1個の遠心機(攪拌手段)、1個の遠心分離機または1個の力場応用分離装置、またはこれらの1個の組合せを含む。処理水浄化装置はこの際、各種のまたは同種の分離装置の1個の組合せから構成してもよい。当該処理水浄化装置は、さらに、少なくとも1個のフィルター装置、特に回転板フィルター、優先的にはセラミックプレートをもつものとすることができる。
【0058】
本発明の対象となる追加実施例では、装置が生物的廃水処理設備で、優先的には少なくとも1個のバイオリアクター、優先的には1個のバイオ被膜リアクターであることを含む。バイオリアクターはこの際少なくとも1個のループリアクターでもよい。
【0059】
本発明の対象となる追加実施例では、当該ループリアクターが、少なくとも1個の気液相混合用ノズルをもつことを含む。
【0060】
本発明の対象となる追加実施例では、当該ループリアクターが内部で上下にフローが発生する管からなることを含む。
【0061】
本発明の対象となる追加実施例では、当該装置は空気洗浄装置、優先的には少なくとも1個のプロセスまたは排気の洗浄用装置、優先的には1個のエアーフィルターからなることを含む。
【0062】
本発明には当該装置の、バイオマスからの、燃料、炭素含有素材と原材料、腐植質またはメイラードないしメイラード類似反応生成物生産への応用も同時に含む。
【0063】
本発明ではさらに、エネルギー生産用に少なくとも1個の手段をもち、工業規模で、バイオマス由来燃料から効率的エネルギー生産を可能にする装置も成立する。
【0064】
本発明の有利な実施例では、当該エネルギー生産用手段はバイオマス由来固形燃料の再利用燃焼装置を含み、この装置においては、本発明によるバイオマス処理用装置内で生産された燃料が直接燃焼されて、燃焼ガスと水蒸気精製に利用可能である。当該燃焼装置はタービンおよび発電機と連結され、燃焼装置で発生するガスと水蒸気から電流を発生できる。本発明による手段を用いて、可及的高効率でのガス水蒸気タービンプロセスによるコジェネ発電を、発電効率43%超、優先的には46%超、特に49〜55%で、実現できる。燃焼装置で発生する排気ガスを環境適合的に浄化するためには、当該燃焼装置に排ガス浄化装置を連結することができる。
【0065】
当該装置は少なくとも1個の装置リアクターを含み、これは、少なくとも100℃の温度で少なくとも5bar圧での耐用デザインである。同時に、当該装置内部には、少なくも次の段階を経る生産プロセスにより生産されるバイオマス由来燃料を本体運転用に利用する。すなわち、バイオマスを100℃/5barの温度圧力条件下で少なくとも1時間処理し、バイオマスを加工し、または、反応生成物、中間生成物、副産物または最終生成物の再処理を行う。
【0066】
当該エネルギー生産手段は、ペレット処理炉または石炭粉末燃焼炉でよく、この際、定置加圧型流動床燃焼方式または加圧石炭粉末燃焼方式でもよい。当該エネルギー生産手段は、炭素燃料電池でもよい。
【0067】
本発明の対象となる追加実施例では、バイオマス処理装置はバイオマス取得用に少なくとも1個のリアクター、バイオマスの加工または反応生成物ないし副産物の少なくとも1個の再処理用装置から構成される。
【0068】
本発明の対象となる追加実施例では、当該リアクターは、パイプリアクター、還流型リアクター、特に有利にはループリアクターまたは攪拌リアクター、または優先的には、膜型リアクターまたは流動床式リアクターでよいことを含む。優先的には少なくとも1個のリアクターは少なくとも1個の膜部品または少なくとも1個の還流流動床生成用装置を含む。同時に当該リアクターは少なくとも100℃、少なくとも圧力5barの設計である。
【0069】
本発明による装置の生産能力または処理能力を上げるために、複数のリアクターをバイオマスの注入と処理用に用いることができる。これらのリアクターは直列連結でよい。
【0070】
本発明の対象となる追加実施例では、当該リアクターは温調システムを装備でき、このシステムは、少なくとも1個の制御ユニットを接続できる。当該温調システムは少なくとも1個のネジ式ヒーター、少なくとも1個のヒートコイルと冷却コイル、少なくとも1個のリアクター壁に溶接された半管コイルジャケットまたは少なくとも1個の熱交換パイプまたは熱交換プレートから構成できる。当該温調システムはさらに、リアクターの二重壁または二重パイプ構造を用いてもよい。
【0071】
本発明の対象となる追加実施例では、当該装置は、リアクター内容物の混合、かき混ぜ、攪拌用混合装置であることを含む。当該リアクターはさらに混合、かき混ぜ、攪拌用または洗浄用装置を結合できる。
【0072】
本発明の対象となる追加実施例では、当該装置は粉砕装置であること、特に、少なくとも粉砕機または少なくとも1個のシュレッダーを含む、リアクターの固形内容物粉砕用手段とすることができる。
【0073】
本発明の対象となる追加実施例では、当該装置は乾燥装置として構成でき、優先的には少なくとも1個の滞留式または接触型乾燥機、優先的にはフロードライヤーまたはベルトドライヤーを含むことができる。
【0074】
本発明の対象となる追加実施例では、処理水浄化をプロセス中に行うことを含む。当該装置はこの際処理水浄化装置でよく、これは優先的には少なくとも1個の篩、1個のフィルター、1個の遠心機(攪拌手段)、1個の遠心分離機または1個の力場応用分離装置を含む。この際処理水浄化は実質的に反応混合物から固形物を分離するために用いられる。当該処理水浄化装置は少なくとも1個の処理水貯水槽または少なくとも1個の固液分離装置を含む。
【0075】
本発明の対象となる追加実施例では、処理水浄化装置は少なくとも1個の篩、1個のフィルター、1個の遠心機(攪拌手段)、1個の遠心分離機または1個の力場応用分離装置、またはこれらの1個の組合せを含む。処理水浄化装置はこの際、各種のまたは同種の分離装置の1個の組合せから構成してもよい。当該処理水浄化装置は、さらに、少なくとも1個のフィルター装置、特にセラミックプレートをもつものさらに、回転板フィルターまたは遠心被膜フィルターを用いるものとすることができる。
【0076】
本発明の対象となる追加実施例では、当該装置は生物的または物理的浄水装置またはこれらの組合せであり、優先的には少なくとも1個の固液体分離、1個のバイオリアクター、優先的にはバイオ被膜リアクター、逆浸透、ファインフィルタリング、超ファインフィルタリング、またはウェットケミカル酸化工程を含むことができる。バイオリアクターはこの際優先的には少なくとも1個のループリアクターを含む。
【0077】
本発明の対象となる追加実施例では、当該装置は空気清浄装置であり、優先的には少なくとも1個の処理排気または排ガスの浄化用装置特にエアーフィルターを含むことができる。
【0078】
特に有利であるのは、本発明による装置のエネルギー特に発電への利用である。
【0079】
本発明では、安価に生産でき、既存の原料または燃料より改善特性を示す原料または燃料も利用可能とする。
【0080】
本発明では、当該課題をバイオマスから生産された原料または燃料でありバイオマスと比較すると要素の質量シェア(乾燥質量)が1%から300%まで、高率の炭素含有率を示すものを用いて解決される。
【0081】
本発明による原料または燃料は、泥炭をはじめ、褐炭から石炭類似の燃料、腐植質、メイラードまたはメイラード類似反応生成物、さらに、断熱材、ナノスポンジ、ナノボール、ナノファイバー、ナノケーブル、純粋炭素、高純度炭素、超純度炭素または活性炭または吸着炭素類似素材、グリル用の石炭代替製品、高圧縮型炭素製品やその素材、さらに特にはグラファイトおよびグラファイト類似の製品の前駆体、さらにカーボンファイバーおよび、結合素材またはファイバー結合素材の前駆体等の炭素含有素材を含む。
【0082】
本発明による原料または燃料は、バイオマスと比較して、要素の質量シェア(乾燥質量)が10%から300%、さらに50%から300%、さらに100%から300%、特に200%から300%と、高炭素含有率を示すことが可能である。
【0083】
本発明による原料または燃料は代替的には、バイオマスと比較して、要素の質量シェア(乾燥質量)が5%から200%、さらに10%から150%、さらに10%から120%、特に50%から100%と高炭素含有率を示すことが可能である。
【0084】
本発明による原料または燃料は、当該原材料と比較して、要素の質量シェア(乾燥質量)にして50%から90%、さらに55%から80%、さらに98%以上の高炭素含有率を示すことが可能である。
【0085】
本発明の対象となる追加実施例では、当該原料または燃料の水素含有率は、バイオマスと比較して、要素の質量シェア(乾燥質量)にして1%から300%、さらに5%から200%、さらに20%から100%高くなることが可能である。
【0086】
本発明の対象となる追加実施例では、当該原料または燃料の酸素含有率は、当該原材料と比較して、要素の質量シェア(乾燥質量)にして1%から300%、さらに5%から200%、さらに15%から100%高くなることが可能である。
【0087】
本発明の対象となる追加実施例では、当該原料または燃料の窒素含有率は、当該原材料と比較して、要素の質量シェア(乾燥質量)にして1%から300%、さらに5%から200%、さらに15%から100%高くなることが可能である。
【0088】
本発明による原料または燃料は、当該原材料特にバイオマスの基準燃焼値より少なくとも65%以上と高乾燥質量を示すことが可能である。
【0089】
本発明による原料または燃料は、その成分と構成により、バイオマスないし代替化石燃料またはバイオマス燃料と比較して、極めて有利で環境に優しい燃焼特性を持つことができ、例えば、灰成分の低下、塩素、硝酸塩、硫黄および重金属含有率の低下、さらに、塵芥、パウダーダスト、気体化した有害物質も窒素酸化物と硫黄酸化物を含め、低下する。
【0090】
本発明による原料または燃料はさらに、バイオマスないし代替的な固形化石燃料またはバイオマス燃料と比較して、さらに高い反応性と同時により低い自然引火温度を示すことが可能である。
【0091】
当該素材が多孔性である場合には、本発明による原料または燃料は、等価燃焼値・炭素含有量の固形化石系燃料より少ない所要エネルギーで粉砕可能である。
【0092】
本発明による原料または燃料の粒径は、特に粒径が2ナノメーターから50ミクロンないし、1ミクロンさらには200ナノメーター未満と、小さいことから表面積が大きい。本発明による原料または燃料は小型粒径と大きい表面積により乾燥しやすい。
【0093】
本発明による原料または燃料はメイラードまたはメイラード類似反応生成物を含む。
【0094】
本発明の対象となる実施例には、さらに、バイオマス由来原料または燃料が、少なくとも次の段階を経るプロセスにより生産される。すなわち、バイオマスを100℃/5barでの温度圧力条件下で少なくとも1時間処理し、バイオマスを加工し、または、反応生成物、中間生成物、副産物または最終生成物の再処理である。
【0095】
当該温度は160℃以上でもよく、特に160〜300℃または185〜225℃に設定できる。当該圧力は少なくとも7bar、さらには10〜34bar、さらに10〜17bar、18〜26bar、27〜34barに設定できる。処理時間は少なくとも2時間前後、優先的には3〜60時間であり、さらに5〜30時間または31〜60時間、特に6〜12時間または13〜24時間とすることができる。バイオマス処理後、反応生成物は、乾燥機を用いて、さらには対流式または接触式乾燥機、またはフロードライヤー、ベルトドライヤー、または流動床式乾燥機を用いて、残留湿度を6〜25%、さらに10〜20%、または12〜15%の目標範囲で乾燥できる。
【0096】
上述プロセスによる反応生成物、中間生成物、副産物または最終生成物は、泥炭燃料をはじめ、褐炭から石炭類似の燃料、腐植質、メイラードまたはメイラード類似反応生成物、さらに、断熱材、ナノスポンジ、ナノボール、ナノファイバー、ナノケーブル、純粋炭素、高純度炭素、超純度炭素または活性炭または吸着炭素類似素材、グリル用の石炭代替製品、高圧縮型炭素製品やその素材、さらに特にはグラファイトおよびグラファイト類似の製品の前駆体、さらにカーボンファイバーおよび、結合素材またはファイバー結合素材の前駆体等の、炭素含有素材を含む。
【0097】
本発明ではさらに、本発明の方法に従い生産された原料または燃料利用によるバイオマス由来エネルギー生産に関する。
【0098】
バイオマスは、化石燃料とは対照的に、国内産エネルギー担体として長期的に利用できる持続可能原料であるほか、生物的・生物化学的減少とその変換生成物由来の全ての液固状有機材料と製品を含み、これらは、本プロセスのために十分に高炭素含有率があるほか、さらに、本発明によるプロセスを用いてそれらの成分と構成においても経済的に利用可能な、燃料も含み反応生成物、中間生成物、副産物または最終生成物に加工することができる。例えば、原材料には、炭水化物、砂糖、デンプン、農林業産物、さらには特殊栽培されるエネルギー抽出を目的とする植物(成長が速い樹木、アシ/ヨシ類、ホールシリアル等)、大豆、サトウキビ、穀物藁、生物性残留材料、廃棄物材料、副産物、その他由来の植物と植物残渣(特に道路用グリーン、景観整備用植物)、農業廃棄物(藁、サトウキビの葉、穀物残渣等)、農産物のうち売り物にならなかった部分例えばジャガイモ、甜菜、さらには、腐敗したサイロ貯蔵残渣、その他餌残渣、刈った芝生、穀物稿、甜菜葉、サトウキビ葉、炭素含有残渣物・廃棄物(生物性廃棄物、家庭・商店廃棄物のうち熱量の高い部分(残渣ゴミ)、水処理場ヘドロ、多種の木材種類と用途分類(伐採材木、建築用材木、パレット、古家具、のこくず等)、食品加工業の残渣と廃棄物(厨房廃棄物および残飯、廃棄野菜、古脂肪等)、紙・パルプ、繊維特に自然繊維と自然由来ポリマー、動物排泄物(堆肥、馬糞、鶏糞等をあげることができる。さらに、屍、特に動物の死骸もバイオマスに含むことができる。
【0099】
本発明上の原材料ないし固液混合物の処理には、固液混合物の反応生成物への変換に役立つ全ての作用、特に、固液混合物の温度と圧力100℃/5bar以上での処理を含む変換反応の立上げと維持のためのエネルギー入力を想定する。
【0100】
本発明上のバイオマスないし固液混合物の処理とは、化学的変換プロセス前後の多種のステップでの原材料、反応性生物ないし中間生成物の処理をいう。処理は、前処理ないし後処理を含み反応物質の処理、現象、作用の全てを含む。
【0101】
前処理とは、反応空間への投入完了と液固混合物への変換反応開始に必要なエネルギーの入力開始までの全ての作用を指す。特に、前処理には、反応空間の内部または外部における、原材料の予備加熱と、反応混合物の構成要素の大部分がすなわち3分の2超が、粒径10mm未満となるように粉砕することも含まれる。
【0102】
本発明上の液固混合物とは、液体含有固形物特にバイオマスを含む、懸濁物、分散物およびその他分散系の全てを指す。本発明によるプロセスは、反応中に物理的または化学的方法で液相成分または溶媒成分の増大、または、固形物の物理的または化学的変化をもたらし、液固分離の向上または固形成分が増大する混合比率の変化が可能となるような液固混合物に特に役立つ。原材料はこの文脈においては、液固混合物の生産に投入できる液状成分含有または液状成分を含まない固形物である。
【0103】
本明細書上の反応性生産または副産物の再処理または調製は、目標または必要形態に当該産物を至らせる変換反応の副産物または最終生産物に対する、全ての作用を含む。
【0104】
本明細書上の準連続的または連続的プロセスとは、下記に記載の基準のうち少なくとも1個、または2個またはそれ以上の基準を満たす、技術的または工業的規模での反応生成物、中間生成物、副産物または最終生成物の生産を指す。
【0105】
1.1分間以上の、直接反応混合物と接触する容器壁面との長時間の直接手で操作しても無害な接触は、補助手段、絶縁材料、または追加装置を用いる場合だけ可能となるように、温度特に少なくとも1個の圧力容器、リアクターまたは装置コンポーネント内での温度は、少なくとも2個の反応サイクル以上で連続的に、40℃〜90℃の範囲で、優先的には60℃〜70℃または処理水の沸点以上で、絶対圧1barのもとであること。
【0106】
2.圧力特に特に少なくとも1個の圧力容器、リアクターまたは装置コンポーネント内の圧力は、少なくとも2個の反応サイクル以上で連続的に、絶対圧力1bar超であること。少なくとも2個の容器このうち少なくともリアクター1個は、圧縮された溶媒の搬送、圧力均衡または貯蔵を行うことができるような方法で相互に連結されていること。
【0107】
3.原材料、液固混合物、反応生成物、中間生成物、副産物または最終生成物またはその他の反応に関わる物質の処理は、装置内で1個以上の容器の中で実施されること。
【0108】
4.当該処理が行われ、同時に各自が装置の基本コンポーネントであるような各容器の総容積は少なくとも500リットルであること、この際、少なくとも1個の容器はマニュアルだけでなく追加補助手段を用いても動かすことが可能であること。
【0109】
5.前処理された炭素含有液固混合物または各種原材料、バイオマスまたは炭素結合物質で、特に異なる構成・材質のものが、1反応サイクル中投入されること。
【0110】
6.液固混合物、反応生成物、副産物、中間生成物、または最終生成物またはその他の反応に関わる物質の各種の原材料は、水特に処理水またはプロセスガス、合成ガス等の触媒または反応促進剤または緩和剤を含め、1回の反応サイクル中に、同時に、間歇的に、連続的に、または非連続的に、反応混合物に投入される、または、除去されること。
【0111】
7.項目6の現象は、圧力容器、リアクターまたはその他の装置コンポーネントの温度が、60℃〜70℃以上または処理水の沸点以上、絶対圧力1barの下にある間に、または、少なくとも1個の装置コンポーネントの圧力が絶対圧力1bar以上である間に、生起すること。
【0112】
8.反応混合物は、連携する1回のプロセス以内で、特に、1個の装置内で処理されること。
【0113】
9.反応サイクル前と最中には、原材料または反応混合物は、運動エネルギーの投入特に、少なくとも1のかき回しシステムないし混合システム、または同種のかき回しシステムまたは混合システムの組合せを用いて、優先的には、少なくとも1個の非機械的なかき回しまたは混合システムが関与することにより運動状態とされること、この際、個別システムの使用の際に当該システムは、1個の軸だけと磁性結合されず、同時に電気的にも稼動されないこと。
【0114】
10.サイクル前と最中には、原材料または反応混合物には、熱エネルギーが投入または除去され、特に、少なくとも1個の調節システムまたは各種システムまたは装置からなる1個の組合せを用いて行うが、この際、個別システムの利用の際には、当該システムは優先的には市販オーブンではなく、または、電気駆動され、手動介入はほとんど必要なく分離できる加熱筐体による側壁熱伝導が生じないこと。
【0115】
容器としては、中身を周囲から分離するのに特に役立つような内部中空があり、上部が開口したまたは閉じた物体を指す。変換反応つまり液固混合物の操作ないし液固混合物の処理をその中で行う容器、例えば圧力容器またはリアクターは、外部から遮断された反応空間または圧力容器空間から構成される。
【0116】
リアクターとしては、特に、重要反応ステップがその中で行われる容器を指す。重要反応ステップとは特に、原材料の少なくとも10〜30%を既述の原材料、中間生成物、副産物、または最終生成物に変換できるために、大部分が例えば平均値を維持する温度・圧力範囲で経過するステップを指す。
【0117】
反応空間または圧力容器空間は、計測可能で相互に異なる反応条件で満たされる、ただ1個の反応空間ないし圧力容器空間内部でも空間的領域が存在することにより定義される。異なる反応条件は、この際、建設的、機械的、フローまたは相に条件づけられる、化学的、電気的、または電気化学的またはその他の作用により生じる。当該目的に用いられる装置は原則的には、電気駆動攪拌又は混合システム、1本だけの軸と磁性結合するまたは電気駆動され手動介入はほとんど必要なく分離できる、加熱筐体により、外部反応壁の加圧された平坦な内壁の側壁熱伝導、実験室用オートクレーブにとどまらない。
【0118】
反応サイクル、サイクルまたは反応は、反応空間内への原材料投入と、変換反応の始動のためのエネルギー入力で始まる個々の変換反応時間を指す。1サイクルは反応プロセス開始から、反応混合物中に後処理または調製の必要が無い目的とする反応生成物が生成されるまで、ないし、反応プロセス終了までに及ぶ。
【0119】
攪拌または混合システムには、エネルギーを機械的にまたは超音波により、フロー制御により温度ないし構成条件を調整して反応混合物に転換するような装置設備が含まれる。当該エネルギー転換には、ポンプ、スパージャー、ノズル、機械的、熱利用ミキサー等の装置を用いて反応混合物を動かす、または圧力勾配に沿って反応混合物を投入することが含まれる。
【0120】
1個の設備は少なくとも本発明によるプロセス実施用の少なくとも2個の装置または機械から構成される。少なくとも1個はリアクターである少なくとも2個の容器は、圧力均衡または圧縮された媒体の貯蔵を行うことができるような方法で相互に連絡している構成にできる。当該設備の固定コンポーネントとは、1個の装置または1個の容器で、当該コンポーネントが欠如した場合には、特に経済的視点から見た当該プロセス効率が少なくとも2%、優先的には5%、特に優先的には少なくとも10%制約される。
【0121】
1個の連携プロセスは、1個の設備の装置または機械が共用される場合を指す。当該設備では、乾燥物質にして1週当たり原材料200kg以上を加工できる。1個の設備は、装置または機械が、原材料、中間生成物、副産物、または最終生成物の交換さらにその他の反応関与物質ないし、当該交換を半径50km以内で共用できるように、相互導管結合または空間的経路で相互結合されていれば、共用される。
【0122】
反応または反応プロセスの開始または発生は、圧力または温度を含む少なくとも1個の反応実施目標変数に到達することにより生じたものとし、この際、少なくとも1時間以上熱水炭化による変換反応が発生できることである。反応プロセスの終了は、反応空間を空にする前に反応目標変数のうち少なくとも1個が連続的に定常化した場合とする。
【0123】
本発明による反応生成物、中間生成物、または副産物または反応物質物質とは、反応空間内の経過時間から独立的に、運転条件(圧力5bar以上、温度100℃以上)にあることまたはあった、全ての固形物、液状物、気体状素材を指す。
【0124】
本発明による液固混合物とは、全ての懸濁物、分散物およびその他分散系、液体を含有する固形物特にバイオマスを指す。本発明による装置は、反応経過中に、物理的または化学的に、液相成分または溶媒成分の上昇または固形物の物理的または化学的変化を生じ、固液分離向上または固形物成分が増大するようにその構成比率が変化できるような、固液混合物に応用される。
【0125】
懸濁物と分散物は、両者とも、異質な固液混合物である。懸濁物とは、1種の液質と1種の固形物からなる異質な(混合不可の)材料混和物を指す。懸濁物は少なくとも1個の固相と少なくとも1個の液相を有する。分散物には、すなわち、小粒と1個の連続的な分散媒体からなる二量混合物には、コロイド溶液、ミセル、小胞、エマルジョン、ゲル、エアロゾル、例えばペイントカラー、エマルジョン、泡等が含まれる。
【0126】
メイラード類似反応生成物は、本明細書上、中間生成物、副産物または最終生成物またはメイラード反応生成物の反応物質であり、類似する化学的、物理的または生物的特性をもつことが可能な結合を指す。当該結合には、例えば、初期アマドリ産物の転位により発生し、さらにメイラード反応の最終生産物、すなわち糖化最終産物(AGE)反応生成を経て、糖化最終産物(AGE)が含まれる。当該転位と重合反応により、AGEは他のプロテインと架橋結合を形成できる。当該生成経路の結果、多種多様で複雑なAGEの形態があり、この際Nε-(カルボキシメチル)リジン(CML)、フロシン、ペントシジンが従来集中的に研究された。
【0127】
テフロン(登録商標)(PTFE)類似素材には、PTFEの特性(反応慣性、極めて僅少な摩擦係数、極めて低い端数、高度の耐熱性、表面汚染が付着しにくいことまたは平滑な表面等)のうち少なくとも1個、または複数を有する、類似の、同類または非同類分類による素材と結合が含まれる。
【0128】
燃料は、エネルギー生産に役立ち、例えば加熱、化学反応、電気負荷、その他プロセスによりエネルギーに変換できるものをいう。
【0129】
材料(ないし原料)は再処理、操作または調製により産物に加工できるもの、または加工対象物として最終生産物に体化されるものである。
【0130】
以下では、本発明対象項目を、例を挙げながら詳細説明を行う。
【0131】
本発明に従う処理範囲での原材料またはバイオマスの素材変換プロセスは、4段階に大分類される。
【0132】
1.予備加熱段階:バイオマスは加温、加圧される。エネルギー投入により、解重合段階が導かれる。予備加熱段階ではすでに、初期に、特に炭水化物成分を多く含むバイオマスの場合膨張反応を示す。この際細胞壁内の多糖間に水分が蓄えられる。膨張過程において、さらに経過後、ゼリー状のさらに経過するとコロイド状の構造となり、これはさらに解重合段階が進行すると溶解する。
【0133】
2.解重合段階:ここでは、特に重合化構造プロテインからなる植物性バイオマスの場合には、セルロース、ヘミセルロース、リグニンからなる、当初の構成要素プロテインが分解される。モノマーとオリゴマーの炭素結合を維持する。耐性が高く、重合度が高い構造プロテインのシェアが高く、原材料の表面が小さいほど、解重合段階には時間を要する。同時に加水分解が生じる、即ち、水分と反応して化学結合が分裂する。炭水化物、非植物性、非構造プロテインと脂肪のシェアが高いほど、または、リグノセルロース含有バイオマスのシェアが少ないほど、当該段階は加速する。当該段階の終了近くになると、熱エネルギー発散が増大、原油に似る物質が生成される。
【0134】
3.重合段階:モノマー化された架橋が解かれた炭素結合は再構成されて架橋される。肉眼では原材料のもとの粗い構造に似て見えるが、再構成観点からいえば内部構成は失われ、このため、ファイバー性と強度も無い凝集体が形成される。新たに形成された構造は、脆い多孔性構造であり、空間状態さらに最終状態が直径数百ミクロンから5ナノメーター以下の小粒子からなる。自然界の石炭と類似する新たな炭素結合が形成する。当該結合は、炭素成分は増大し、その水素と酸素成分の百分率質量シェア(乾燥質量)は減少する、とりわけ多種の炭素結合さらにテルペン派生体から構成される。化石燃料に対し重要相違点はとりわけ、反応生成物の液固両相でのメイラード反応生成物の存在である。
【0135】
4.安定化段階:解重合と重合の各段階が発熱反応をともないつつ経過する間、当該段階では熱エネルギーの発散は明らかに減少し、当該反応は安定化段階で終結し、最終的には、停止する。
【0136】
純度、形態、構造、密度、強度、粒径、表面構造、構成成分、燃焼特性、熱量、エネルギー含有量等の反応生成物の特性は、プロセスないし反応条件に依存する、すなわち、本発明に従うプロセスを担う、即ち、プロセスを担う変数に依存する。反応またはプロセスはなかでも次の各要因の影響を受ける。
1.密度、粒径、湿度、純度、炭素、鉱物、塩基成分等、原材料の成分と特性
2.固相・液相比、ないし乾燥質量と処理水
3.温度、圧力、さらにこれら変数の変動幅.
4.触媒:選択、成分、濃度、粒径、混合比、投入タイミング。反応は、反応経過中後期に触媒ないし触媒混合物を添加することにより、加速ないし制限できる。これにより反応生成物の特性に影響を与えることができる。最終生産物の形態付与と構造化に中心的役割を果たすのは、金属触媒の粒径である。反応速度は酸度(pKs値)による影響が大きい。
5.熱交換システムと温度調節の速度、pH値、濃度比、処理水においても同様。
6.例えば加水分解による、反応混合物の材質または化学的変化:特に、変換反応中の密度と脆さの増大。
7.重合速度、即ち、重合速度が速いほど、反応生成物の純度が高い。
8.攪拌とエネルギー入力の方法、流速、裁断力、混合間隔、その時点。
9.処理水:塩基塩濃度、酸、塩素、硫黄、およびこれらの塩、金属、鉱物、さらにリンおよび窒素結合を含む要素。稼動中のプロセス中またはその外部での処理水浄化プロセス。
10.反応の進行を妨害する、遅らせる、滞留させるまたは沈殿から目的以外の副産物を発生させる砂または物質からなる障害物の濃度。
11.本出願に記載される各プロセス・ステップの強度と継続時間を含む実施の仕方。
12.緩和および混合システムの選択、組合せ、総合的作用、制御。
13.処理水および素材投入ないし排出による可変反応量所要調節の考慮も含み、処理水浄化と投入の選択、組合せ、パフォーマンス、効率。
【0137】
この他のプロセス・ステップとして次のことも例示できる。
1.バイオマス、原材料、原材料、触媒および水の調達
2.前処理
3.搬送システムまたは容器内への原材料の移送
4.各加工または処理に適す容器への原材料移送
5.原材料の脱水または乾燥
6.原材料の粉砕と、必要なら触媒の粉砕
7.金属/障害物質の除去
8.触媒特に酸によるインキュベーション
9.1種または追加的に複数の触媒の混合
10.バイオマスの予備加熱
11.リアクター内への投入等の際の圧縮
12.圧力容器または反応空間内への投入
13.加熱
14.処理水の浄化処理とエアー浄化
15.反応空間からの反応生成物の排出
16.反応混合物からの反応、中間生成物、副産物、または最終生成物の分離
17.目的とする反応生成物の乾燥
18.目的とする反応生成物の粉砕
19.目的とする反応生成物の冷却
20.調製
21.特に熱変換によるエネルギー取得。
【0138】
化学的変換プロセスの前後にある各ステップにおいて、原材料と反応生成物、中間生成物、副産物、または最終生成物が加工される。加工各段階は工業的ないし技術的規模の素材加工を目指す。
【0139】
従って加工とは、マニュアルでの分解またはハサミを用いるマニュアルでの粉砕を超える。バイオマスの加工または反応生成物または副産物の再処理とは、本発明によるプロセスにおいて電気駆動され、マグネットクラッチを用いる1本の軸による攪拌または混合システム、さらに、手作業ほとんど無しに分離でき電気駆動される、加熱筐体容器内のリアクター外壁の加圧された平坦な内面の壁タテ型の熱伝導を超える。当該再処理はさらに、攪拌または混合システムまたは調節システムについての、準連続式または連続式プロセスのために9、10番に挙げる基準も含む。
【0140】
バイオマスは原則として、貯蔵以前特に本変換プロセス以前、特に反応空間への充填前または後に、粉砕できる。粉砕は特に機械的に、優先的にはシュレッダーおよび特に優先的には廃棄物粉砕機等の製粉用装置を用いて行うことができる。原材料と目的とする粒径により異なる種類のシュレッダーまたは粉砕方式を用いる。粒径は反応経過に影響する。粒径が小さいほど、原材料の表面積は大きくなる。反応物質の表面積が広いほど、化学反応は速くなるからである。従って粉砕されるバイオマスの粒径は10cm未満、さらに1cm未満、さらに2mm未満でもよい。粉砕プロセスの所要エネルギー、所要時間、所要材料量は、この際、プロセス方式特に原材料の構成、粒径、経過時間に依存する。
【0141】
前処理の一部は、pH値6未満、または5未満、さらに4未満、特に3未満、さらに2未満である酸性環境ないし溶媒内でのインキュベーションである。当該ステップの所要時間は粉砕度が高く粉砕が低くなるほど、短縮する。酸性pH値でのインキュベーションは例えば粉砕後でもよい。
【0142】
特に金属系、有機系または砂状物質その他障害物質はバイオマスから分離される。バイオマスとバイオゴミの例えばバイオガス設備での処理の枠組において確立しているような1個のプロセスないし複数プロセスが用いられる。
【0143】
酸性媒体内での前インキュベーションの後、またはこの以前または以後の時点でも、水の追加の有無を問わず、水性溶液中の触媒を添加できる。触媒は少なくとも1個のまたは複数の異なる構成要素から構成されることができる。当該構成要素は共同して1個の触媒混合物を構成する。触媒中の1個の構成要素は例えば酸から構成できる。反応プロセスは、触媒の選択、成分、濃度、粒径、混合割合、投入時点に決定的な影響をうける。当該触媒依存要因は従って最終生成物の形状、形成、特性に大きく影響する。最終生成物の形状と構造に本質的な役割は金属性触媒の粒径が担う。反応速度はさらに酸(pKs値)の強度によっても決まる。例えば、10ミクロン弱、優先的には200から1000ナノメーター、特に優先的には10から199ナノメーターの粒子が投入されると、均質なファイバー状のナノ構造体が形成されやすい。粒径が小さいほど、新炭素結合のファイバー構造はより鮮明になる。しかし、炭水化物成分の定義付けられるナノ構造生成に向けた反応経過の制御には、原材料の粒径特に可及的に均一な粒径が役割を演じる。当該反応は、触媒または触媒混合物の添加時点により加速や制御可能である。反応後期の遅い時点に添加しても、目的とする最終生成物によっては効果がある。酸として有機酸、優先的には鉱物系酸、特に優先的には強酸、すなわち可及的に低いpK値の酸も用いることができる。添加される酸とその反応生成物は有毒ではなく、腐植性も最小限であることが必要である。反応生成物中の当該物はさらに可及的に検出できない程度であり、その成分も容易に浄化できることを要する。食品添加物としても用いられる硫酸は大部分の必要事項を満たすため、特に適す。各種の酸を組み合わせてもよい。代替的または追加的に炭酸特に陽子酸も利用できる。特に有利であることが判明したのは、二価または三価炭酸の利用であり、特に、酒石酸またはクエン酸の使用が適す。クエン酸も酒石酸も結晶性であり無毒である。両者とも自然界では果実に含まれる(クエン酸はレモン等柑橘類、酒石酸は葡萄にある)。触媒構成要素として用いられる酸は同時に、インキュベーション段階用に酸性媒体を作成するために用いてもよい。酸濃度はなかでもpKs値に依存し、量的には、0.1から3%、0.6から2%特に優先的には0.3から1%の範囲がよい。原材料の酸による前インキュベーションは反応時間を短縮する。前インキュベーションが長いほど、酸は強くなり濃度も高くなり反応時間が短くなる。触媒または触媒混合物は特に追加的に、1種または多種の金属も含むことができる。優先的には、鉄、ニッケル、コバルト、鉄、銅、クロム、タングステン、モリブデンまたはチタン等遷移金属を用い、この際、鉄が特に有利であることが判明した。触媒添加はリアクター内への投入前またはプロセス中に他のタイミングで行ってもよい。各種触媒混合物または触媒結合物も反応混合物に異なる時点に添加できる。
【0144】
バイオマスは触媒または触媒混合物とよく混ぜる。触媒はバイオマスとともに反応混合物を構成する。代替的には、当該混合をリアクター内で行うこともできる。反応混合物の圧縮は1個または複数のステップでさらにリアクター内外でも行うことができる。有利なのは、反応空間のよりよい利用を意味する高圧縮である。圧縮度はリアクター内への投入容易性、目的とする反応生成物およびプロセス管理に依存する。反応混合物は前処理後には例えば、1個のリアクター内に投入することができる。
【0145】
予備加熱は例えば反応構成部分の投入以前に、圧力容器空間内で行うことができる。この際反応物質を全て予備加熱できる。原材料のなかでも全てのもの特にバイオマスを約60〜90℃まで加熱できる。予備加熱は例えば、熱エネルギーおよび、特にほぼ沸騰する処理水、予備加熱されたバイオマスの懸濁液または、絶対圧力約1barで予備加熱された他の水、または温水またはプロセス蒸気またはその他の熱エネルギー担体を投入すれば行うことができる。代替的または補足的には、熱交換器プロセスからの熱エネルギーも用いることができる。
【0146】
当該反応時間は目的とする反応生成物により異なり、1から60時間、優先的には3から40時間、特に優先的には5から18時間の間である。僅少ではないエンタルピーがもはや放出されないときに、反応時間は経過終了したまたは反応が完結したものと見ることができる。最小限の前処理または前処理段階数の省略により、反応時間は60時間超になりうる。反応時間は特に各原材料の成分と特性に依存する。表面積が広いほど、粒径が小さいほど、リグニンまたはセルロース成分が少ないほど、炭水化物シェアが高いほど、解重合で生じる熱エネルギーはより速く放出され、均衡段階により早く到達し、反応ないし経過時間はより短くなる。各原材料の変換時間が短いほど、各原材料をより遅く、例えばリアクターですでに始動した反応に投入できる。反応時間短縮は、脂肪と、例えば動物性またはバクテリア由来等の非植物性、非架橋プロテイン成分が比較的高いと達成しやすい。反応プロセス中熱エネルギーが放出しなくなると、変換プロセスが完了したことを意味する。
【0147】
本発明に従い、温度は300度まで上昇しうる。有利であるのは温度185から205℃で、特に215℃まで、特に優先的には225℃までである。
【0148】
本発明に従い密封状態では例えば7から90barの間の圧力を発生する。有利であるのは11から18barの圧力で、さらに19から26bar、さらに27から34barでもよい。
【0149】
本発明に従う設備は、1個のリアクターを含み、当該リアクターは、その内部で生じるプロセスに依存して、固形物または目的とする反応生成物の投入量とその種類により多様に構成可能である。本発明におけるリアクターのうち少なくとも1個は、例えばカスケード、パイプ、循環、ループ、被膜、流動床または攪拌槽ないし攪拌槽型リアクター、またはこれらのリアクターの個別の特性または異なる特性の組合せであってもよい。リアクターの流動床は優先的には循環型とする。本発明に従うリアクターまたは異なるリアクターの組合せは1個の設備内の異なる処理時点と加工段階に用いてよい。さらに当該リアクターは、所要圧力により圧力容器としての設計でもよい。圧力容器形状のレイアウトはプロセス管理と応用される混合技術に依存する。
【0150】
本発明の対象となる追加実施例では、リアクターは循環型流動床による一種の多被膜型流動床として構成できる。当該リアクターは各種被膜型および流動床リアクターの有利な特性を合体する。この文脈において、流動床とは、液体の上昇流により流動化状態となる固形物粒子の一種沈下物ないし擬集物である。「流動化」という概念は本文脈においては、(もとは)沈下物が液体に似た特性を示すことを示す。本発明によるリアクター内部に固液混合物がある。固形物の小粒沈下物はガスまたは液体(いわゆる液状媒体)により上昇方向に攪拌される。固形物成分が攪拌されるためには、液状媒体は、各反応条件に応じてある程度最低速度で流動する必要がある。反応が完了すれば固形物は攪拌により比較的容易に(一部は連続的に)反応空間から取り出せる。同様に新鮮な固形物も後から投入できる。液体の流速は、固形物が少なくとも1個の定置型流動床を構成するように調節できる。しかし当該状態での流体の速度は粒子の個別粒沈下速度よりも遅い。個々の隣接する粒子の共同堆積により、そのフロー抵抗は、個々の粒子のフロー抵抗より高い。このため特定の表面をもつ懸濁層が形成されうる。被膜部分により高い圧力をかけることで、液体の流速が高まることができる。より高い液体の流速により、比較的多くの粒子が底部層から搬送され、上部層境界がなくなる。しかし固形物の一部は流動床内で底部層に再沈下する。リアクター縁部に直接、クラスター状に固形物が高速度に下へ向かって移動する間に、高濃度層上部にあるいわば隙間には、固形物の比較的幅広いコア部分に希薄懸濁液として上昇するような流れが発生する。少なくとも4個のスパージャーが、可及的に均一に直径にわたり、可及的に均一縦方向間隔で配置される構成をとり、底部板金上部も直接とりこむような追加的ミキサーを用いて、擬集物と層境界部の形成が抑制され、その結果、比較的均質な粒子攪拌が可能になる。
【0151】
本発明によるリアクターを用いて、専門的な応用を行えば、特に被膜部品を用いて、とりわけ次の有利点を達成できる。
1.加速された駆動放射と流体放射により発生した乱流は、連続的流体と分散した固相との間で高い相対速度となる。
2.より頻繁に粒子間衝突、さらに粒子と壁面との衝突も発生する。
3.粒子がより集中的に混合される。
4.反応混合物と流体との熱交換が加速する
5.堆積が最小化する。
6.反応プロセス中に例えば水と反応物の添加を制御できる。
【0152】
本発明に従うリアクターは次のうち1個または複数の特性を示すことができる。
【0153】
リアクターは、少なくとも1個の圧力容器少なくとも1個の固液分離装置から構成でき、この際被膜リアクターとも呼ぶことができる。当該リアクターは、少なくとも1個の粗めないしファインフィルター装置をまたは、フィルター装置に結合できる両方の装置の組合せも利用できる。圧力容器のうち少なくとも1個は攪拌または混合システムを有するもので、このため攪拌槽リアクターと呼ぶことができる。各圧力容器または各リアクターの全反応空間の合計は、容積0.5から10000立方メートル、さらに5から2000立方メートル、さらに50から500立方メートルとなることができる。設備および圧力容器またはリアクターの各反応空間、サイロ、貯蔵空間を含めた1個の設備の全ての容器空間合計は、0.5から100万立方メートル、さらに1万から70万立方メートル、さらに5万から50万立方メートルとなりうる。原材料とバイオマスによっては、バイオマスの水分は最大95%または総重量を超える場合がある。このため、変換反応以前に作動状態であるような1個の脱水プロセスを統合すれば、意義がある。多くのバイオマスでは水分が高く沈下物重量は低いので、輸送には限界があり、その結果、反応空間中の当初の固形物成分は5から30%の間となることがある。このため反応空間容積全体に対する反応生成物収穫率は一桁%程度の場合もありうる。さらに、比較的大きな反応空間容積を用いることが必要となる。これは複数の圧力容器を組み合わせて達成できる。複数の圧力容器またはリアクターを組み合わせれば、例えば、カスケード構造として、または異なるリアクター種類の組合せとしても有利な経過時間配分が可能となり、改良したプロセス経過制御により歩留まり向上も達成できる。同時に、異なる反応段階と部分的ステップの各種の要求事項を考慮することができる。例えば1個のパイプリアクター内ではより有利に熱交換が行われ、攪拌槽ないし攪拌リアクター中であれば、攪拌と再攪拌が向上する。リアクターの全容積を複数の圧力容器に分割すれば、圧力容器を含む各設備コンポーネントの負荷能力が向上する。同時に、複数の圧力容器ないしリアクターを結合することで、連続的または準連続的プロセスを実現しやすくなる。リアクター中に生成されたまたは含まれる圧縮プロセスガスを取得する少なくとも1個の圧力容器は、利用でき、設備に統合できる。
【0154】
プロセス中に例えば水分等の個別反応物質を連続的に分離ないし排除することにより、プロセス中の固形物成分を高めることができる。固形物成分は当初例えば15%が20から30%、優先的には31から45%または特に優先的には46から70%へ、反応管理に依存して増大できる。同時に反応経過中にリアクター当たりの容積は減少する場合があり、速く変換されるまたはリアクター容積に対してより高い処理量での原材料を追加できる。さらに複数のリアクターを、各リアクターを弁により分離して直列に結合すると、個別圧力容器に新鮮な原材料、反応物質または触媒を処理量向上のために目標値で充填するまたは補充することが可能になる。1個の圧力容器から別の中への反応混合物搬送は、本質的には運転条件において行われる。リアクターおよび、反応物質と接触する全ての表面と装置部品(金具類、配管を含め)は、耐熱性があり耐腐食性がある材料および、優先的には、被膜部品について下記に説明されるように、貴金属と品質上匹敵する素材で実際はありえる。リアクター壁厚は、7から20barの圧力、優先的には21から30bar、特に優先的には30から40bar、さらに、160から230℃優先的には260℃まで、特に優先的には300℃までの温度に耐える設計とする。特に、少なくとも1個の圧力容器、リアクターまたは設備コンポーネントの温度は、少なくとも2個の反応サイクル以上で連続的に40から90℃の後半、優先的には60から70℃または、絶対圧力1barにおける処理水の沸点以上であることができ、このため、長時間の直接的または手作業でも危険性がない反応混合物と直接接触している容器壁との1分以上の直接接触は、補助材料、断熱素材または追加的な装置を用いてだけ可能である。
【0155】
本発明に従うリアクターには、垂直に立つシリンダー状母体も含むことができる。上面は凹面として構成できる。上部には優先的には上側半分、特に優先的には上部三分の二に僅かに球状で下へ徐々に直径が増すような形にできる。球底型はリアクター軸に対して最大45度、優先的には40度弱、特に優先的には35度弱となるようにできる。例えば壁面から底面領域にかけての領域は、フローの邪魔にならないように丸くできる。反応混合物投入用支持部品の設置場所は可変であり、例えば圧力容器の上側半分、優先的には上部三分の一の範囲に取り付けてよい。当該投入は、排出支持材を共有するかたちで設置された、底面ないし球面底のほぼ中央に位置する1個の弁を介して実施できる。リアクターのコンポーネントと支持材は溶接で結合してもよい。蓋は縁取り付けとすることができる。スパージャーとフルインジェクションノズルを優先的に用いると、直径対高さ比はおよそ1対2から1対3の間になり、さらに1対4から1対5、さらに1対6となることもできる。
【0156】
被膜リアクターは少なくとも1個の化学反応と被膜プロセスまたは固液分離の組合せを可能にする装置である。この際、両プロセスとも統合するかたちで相互接続させることができ、その結果、シナジー効果をあげることができる。同時に両プロセスとも1個の筐体または設備に統合させることができる。化学反応の際は反応混合物の少なくとも1個の構成要素が変換される。被膜リアクターを用いると、反応生成物、中間生成物、副産物、および最終生成物を選択的に反応混合物から排出でき、出発物質を制御して添加でき、または出発物質の接触を集中化もできる。反応生成物、中間生成物、副産物および最終生成物、特に水分は固液分離により連続的にまたは間隔をおいて反応混合物から排出できる。このため著しく処理量を高めることができる。気体状物質特に溶解した酸素の除去は、反応プロセスにも腐植緩和にも有利でありうる。特に重合化の際の、密度を含めた成分と特性の化学的変化により、固液分離が進みやすくなる。このため反応混合物中固形物濃度が高くなる。固形物成分と変換プロセス段階とは関係なく、反応混合物はループリアクターに移送できる。この際、反応混合物は放射状に内部に置かれたシリンダー部分により、軸と平行に第1の方向へ、さらに放射状に外側に置かれた部分では軸方向に第2の対置する方向に流れる。ループリアクターを用いると、内部に設置したパイプには、熱交換加速用にさらにその分大直径リアクターを可能にするため、例えば熱交換部品を追加できる。内部に設置したパイプは差込ないしリードパイプと呼ぶことができる。リードパイプ径はループフローの摩擦損失と逆流圧力損失に影響する。これらは長さ不変で直径が減少するほど大きくなる。直径が大きすぎると、ループ流が破壊される。このため差込パイプ径は、リアクター径の約四分の一から三分の一、最大で半分までとする。リードパイプはリアクター径の三分の一優先的には四分の一の間隔でリアクター底から離すことができる。
【0157】
反応混合物内では還元条件が支配する。酸雰囲気、塩素等の腐蝕性物質の存在、高温、高圧により、反応混合物と運転条件で接触する各表面は腐蝕されるリスクが高い。特に長期運転の場合、磨耗症状特に孔が開く腐蝕が目立つようになることもありうる。腐蝕を極小にとどめるため、容器径とは関係なく、固定設置された被膜部品または1個の流体通過カートリッジを用いることができる。
【0158】
被膜部品は孔を開けた構成要素、優先的には特に気体と液体を当該要素を通して移送可能にする板金である。さらに液体と気体を通すカートリッジは、リアクター空間内に浄化された溶媒または水を通す孔を開けた大部分金属の部品から構成される。被膜部品と液体を通すカートリッジのどちらを用いるかは、第一に各反応容器径によるが、さらに加工の際の公差さらに形状と腐蝕負荷にも依存する。可能な素材またはコーティング素材ないし担体材料としては、人口樹脂、金属、特に硬質金属、セラミック素材、PTFE、優先的には貴金属、特に優先的には、被膜部品として掲げた貴金属が対象となる。コーティングは、例えば実験室規模の加圧滅菌器の際に用いられるような、原則としてPTFE製の、取り外し可能カートリッジに限らない。層構成には化学的、機械的、熱化学的プロセスが応用される。この際コート材料、担体材料または接着媒介物は気体、液体、溶解または固体形状がありうる。優先的には溶融亜鉛めっきまたは火炎溶融輻射プロセス、例えば高速オキシフユール(HVOF)プロセスが用いられる。コーティング技術の一つには鍍金がある。
【0159】
鍍金とは代替的にまたは追加的に、設備の1個または複数の容器の内部にカートリッジを取り付けても良い。特にリアクター内壁被膜部にはコーティングしてもよい。カートリッジは、大部分はシリンダー形状であり、グリッドすなわちネット上構造または金属ベルトに設置できる。
【0160】
代替的にはリアクターまたはカートリッジ外部または内部の貴金属コートは、熱交換プレートシステムに匹敵するスチールコートを、レーザー溶接によって取り付けられる。当該貴金属コートは内圧で拡張し、この際、均一な中空空間が生成する。当該中空を通して、異なる媒体を導入できる。当該媒体は、処理水、水道水、または蒸気または温油等も該当する十分浄化された熱担体としても機能する。
【0161】
リアクター空間に用いられる貴金属コートの圧力負荷を極小化するため、可及的に僅かな圧力差が中空空間とリアクター空間の間に生じるような装置を用いる。中空空間内にかかりやすい圧力差は、レーザーで貴金属コートに開ける孔を通して予防または極小化できる。当該孔径・形状は被膜部またはカートリッジ内の径・形状に対応する。孔の間隔は可及的に少ない媒体が反応空間に達する程度に離すことができる。
【0162】
コートおよびカートリッジ上の孔は少なくとも10から20cm、さらに少なくとも60cm、さらに少なくとも150cmの間隔である。コートサイクル上に負荷される過剰圧力により当該媒体は孔を通してリアクター内部空間またはリアクター壁とカートリッジ間の中空空間に到達する。レーザー接合を用いて個々の溶接サークルの結合により強制的に、コート内で調節媒体が均一して分布することを確保できる。当該調節系統にかかる圧力は、リアクター内部圧力より最大6bar超過する。カートリッジの外部コートは圧力容器内側に直接設置される。代替的には、孔を開けたグリッドまたはバンドにかけてもよい。カートリッジには口径約20から70ミクロンの規則的な孔がある。
【0163】
メッキされた板金の利用は、追加的片面または両面メッキまたは、磨耗症状が生起してからは内部コートに、溶接優先的にはレーザー溶接を用いて行うことができる。同時に内部コートを調節システムとして利用する際は、上述のような中空がカートリッジ外側コート際に形成される。内部コートは厚さが1から1.5mmさらに1.5から2mmまたは2から2.5mmである。圧力損失は最小限であり、投入・排出支持構造の数とサイズを介して追加的に極小化される。
【0164】
カートリッジまたは、鋼鉄製とりわけステンレススチール製、さらに特にオーステナイト製スチールさらに特に優先的には6,7,8群のクロムとモリブデン成分が増大するスチールまたはデュプレックススチール(特にDIN.1.4571(1.4404)、1.4435、1.4539、1.4439、1.4462、1.4529、1.4501)製の被膜部である。厳しい反応条件を選択した場合は、例えば、銅ニッケル合金、モリブデン成分が高いニッケル合金例えば2.4610.さらに、チタンを用いる。カートリッジ壁厚は、カートリッジが2bar優先的には4bar特に優先的には6barの差圧に耐えるような設計とする。
【0165】
特に底部ないし壁面には、堆積と重力による固形物構成部分の蓄積が進み、こびりついたり、閉塞したりする危険をともなう。当該事象はスムーズな熱交換を妨げ、反応混合物中での出発物質の接触を困難にし、反応制御が困難になる。このため当該箇所に、特に底部ないし壁面には、少なくとも円錐領域、優先的には下側三分の一特に堆積またはこびりつきが発生しやすい領域等に設置された被膜部は特別加工される。当該板金加工は、例えば規則的間隔で、優先的には10mm、さらに6mm未満、さらに4mm未満の間隔で孔を開ける。
【0166】
被膜部またはカートリッジの当該孔はレーザーを用いて当該要素ないし部品に開け、孔径は200から10ミクロンさらに100から20ミクロンまたさらに50から25ミクロンとする。当該孔は優先的には漏斗型であり、孔径が出口側では少なくとも入口側の2倍になるように加工する。これにより扇形のフローが生み出され、最適な熱伝播を可能にする。各孔の軸はリアクター軸とはほぼ平行し、または孔を開けた被膜部表面と垂直関係にある。当該孔を通して、加熱されたまたは冷却された十分に浄化された処理水、水道水、または蒸気が過剰圧力により、中空空間から圧力容器内部空間に投入される。各孔はこの際、ノズル機能を果たす。既述の各液体は同時に調節媒体と促進媒体として機能する。処理水または水道水を当該各孔ないし熱交換システムを通して注入する際は、十分浄化された状態であることを要する。調製の際には食用水またはタンク水級の品質が要求される。
【0167】
リアクター壁と被膜部の間には、リアクター内部空間に密封される中空空間が形成されて、溶媒、水または蒸気を通すために用いる。各孔から出る処理水による過剰圧力は、反応混合物の混入を防ぐために常に高い。被膜部またはカートリッジ壁の強度は、壁強度が内部と外部の圧力差による要求事項を満たすように設計される。被膜部ないし、圧力容器壁とともに形成する中空は、例えば漏斗型領域または底部が同心円状面となるようなゾーンに、分割できる。当該各ゾーンは異なる圧力段階により示すことができる。異なる圧力段階は例えば、弁または分離されたポンプシステムにより形成できる。これにより、重力による堆積による堆積やこびりつきは反作用を受けることができる。匹敵できる効果は、同一圧力のもとでは適合された各孔径により達成できる。例えば、重い堆積がある領域での径は大きくできる。
【0168】
コートまたは追加的素材の利用とは代替的に腐蝕予防措置としては、圧力容器の内部空間特に底部ないし漏斗部分さらに固定金具その他反応混合物と接触する部品は、表面処理を行うことができる。特に当該目的は表面の粗さを減少することにより達成できる。表面処理とは代替的または追加的に、通常の前処理後に、除去処理プロセスを用いることができ、さらに電気化学的除去プロセスまたは、特に使用材料に合わせて調製された電解質金属陽極に吸着させて除去できる。
【0169】
化学的変換反応の間には、原材料に含まれるエネルギーの約5から34%は熱として放出される。当該エネルギーは熱交換装置を用いて当該プロセス内または外で、熱を要する他のプロセスまたは設備に利用できる。プロセス内または設備内部では熱は例えばバイオマスまたは各反応空間の予備加熱に利用できる。プロセスまたは設備の外部では、エネルギーは空間、装置の加熱または他のプロセス用プロセス熱として利用できる。調節システムを用いて、必要な熱エネルギーを化学的変換プロセスの開始のために投入できるだけではなく、発熱反応で放出される熱エネルギーも摂取できる。これにより無制御ホットスポットの発生とリアクターの暴走にも対処できる。機械的、電気的、化学的に稼動される、少なくとも1個の優先的には多数または、異なる調節システムからなる1組の組合せを用いることができる。下記の処理水システムへの追加的にまたは代替的に、当該リアクター調節システムは、例えば2重壁構造、ねじ込みヒーター、リアクター内に設置されたヒートコイルまたは冷却コイルないしヒートラジエーターないし冷却ラジエータ、または、外壁に溶接される半パイプ型ループから構成されることができる。代替的または補完的に、構造と選択材料により、例えば、1個の熱交換プレートシステムが対象に含まれる。フロースルー型で、リアクターには内部で連結された調節システム用熱エネルギー担体ないし緩和媒体としては、優先的には処理水または温油が利用される。
【0170】
各調節システムの組合せ、配置、レイアウト、制御はプロセス管理方法によって決まり、特に原材料の構成に依存する。リアクターの外部と内部の処理水システム全体は、当該調節プロセスで利用できる。これは一つには外部のすなわちリアクター外部で行われる熱交換プロセスにより、一つには、希釈・調節・吸収媒体としてはミキサー、ポンプないしノズルの駆動手段により、または調節された処理水の投入により液体射出ポンプ用吸収済媒体というかたちをとることができる。処理水と水道水の混合水は同時に最適化されたリアクター調節に用いることができる。これにより、例えば特定の無機質と障害物質の濃度が低下することにより、追加的にプロセス管理を最適化できる。有利であるのは調節媒体の注入でありえる、特に調節済水または再利用処理水を温度が重要となる時点でノズルから注入することによる。補完的には、当該調節はプロセス管理により制御される。原材料、pH値、試料準備、触媒の組合せのほか、原材料投入タイミングをその変換特性に関わらず遅らせることは、温度制御の本質的な一要素である。
【0171】
プロセス経過中に原材料ないし反応混合物の粘性、密度、サイズその他特性は変化する。これらの変化は、炭素含有原材料の化学反応と構造変化により、さらに、原材料の解重合と、後には重合によるものである。これからプロセス経過に依存して混合に関して異なる必要事項が生じる。可及的に均一で均質な混合またはフロー分布は、プロセス各段階、原材料、固形物濃度、反応生成物に要求される仕様に依存してきまる。攪拌ないし懸濁は連続的に、または間隔をおいて、熱交換、開始物質の高濃度化のためと、いまだに架橋された例えばリグニンやセルロースが多い層の解除向上、反応物質なかでも触媒混合物の均一な分布、反応混合物のガス抜きのために行うことができる。同時に沈殿物は溶解、攪拌され、過流発生および擬集体発生を予防する。全体としてはこれにより反応経過が進行する好影響を受ける。すなわち混合が徹底的に一様になるほど、反応経過は加速し、反応生成物はより均質的になる。少なくとも1個のまたは複数の、特に、可動部の有無を問わない異なる混合システムからなる組合せを反応空間内で用いることができる。反応空間内の可動部付きミキサーとしては、1個または複数の、または異なる攪拌器からなる1個の組合せを利用できる。攪拌器は少なくとも1個の、優先的には2個またはそれ以上の軸から構成され、追加の攪拌器を共用モーターとリアクターアクセスにより駆動可能である。このような攪拌システムの有利な点は、エネルギー投入量と混合時間に比較して所要エネルギーが比較的少ないことである。高価な点のほかに決定的な不利点は反応空間内に可動部が無い混合システムより、障害の影響を受けやすいことと、保守の必要性が高いことにある。
【0172】
液体放射システムとしては、スパージャー、同ポンプとノズルを含む。原則としてこれらには可動部が無く、保守の手間がかからない。液体放射システムは、熱ないし冷却剤としても機能できる燃料を介して運動エネルギーをリアクター内に、リアクター内容物を懸濁し均質化さえるために供給するに適すため、混合システムとしても機能できる。液体放射システムのさらに有利な点には、装置寸法が小さいこと、フローと流量条件が最も故障し難いこととシールシステムを回避できることが含まれる。従来型攪拌システムでは頻繁に用いられることがあるバッフルは不要である。このため当該システムの使用の際には、バッフルに影響されるフロー滞留ゾーンも形成されない。同時にフローティング(固形物の表面浮遊物)が減少し、これにより、空気吸収の危険も極小化する。液体放射システムは1個の共用または複数の処理水貯水槽に貯蔵できる。当該液体放射システムは相互に独立的に制御でき、多種多様の燃料または調節剤の分量を投入できる。燃料または調節剤は優先的にはほぼ連続的または間隔をおいて懸濁と均質化を行うことができる。液体放射システム特にスパージャーの位置づけは、例えば、縦型回流のかたちをとる液体流が発生することを目的として選択される。直径対高さ比が1:2以上のリアクターは、例えば8字型のまたは、垂直方向を切るかたちで経過する追加ループの対応する高さで回流を発生できる。スパージャーは特に上側半分、特に上側三分の一以内に設置され、この際、駆動放射は下方へ、リアクター軸とはほぼ平行して向かう。大型ないし背が高いリアクターの場合、直径高さ比1:3を超えると、複数のスパージャーが順次用いられる、すなわち、異なる高さでそれぞれ設置されて、後から設置される各ミキサーは駆動流を加速する。大直径特に1m超の直径の場合、複数のスパージャーは、駆動放射が効果的に一方向に強化されるように、幅方向に沿って配置される。2個以上のスパージャーないし液体放射ポンプがある高さで用いられる場合には、その駆動放射が下へリアクター底面に向かうスパージャーの設置数は同じである。1個または複数のスパージャーは底面から僅か上にないし漏斗に配置され、フローは底ないし漏斗の壁に対して直角方向となるように制御される。1個または複数のスパージャーは、底面猟奇ないし漏斗の中心に直接排出支持構造に隣接させて配置され、フローは底ないし漏斗の壁に対して直角方向となるように上向きに制御される。
【0173】
液体放射システムの乱流攪拌と裁断負荷により、固形物は擬集状態を解除される。乱流と裁断負荷が最も高い領域で、特に吸入スリットないし吸収および排出口で、追加的な粉砕装置利用により、塊および儀集の形成にねらいをつけて防止される。吸入スリットないし吸収口がつまりやすい位置では、これらは専用処理水を投入して対処できる。この際当該処理水はこの目的専用に粗くしか浄化されない。例えば、この粗めの浄化には、篩、フィルターおよび被膜を用いる。当該粗浄化は、駆動・調節手段として準備を行うための処理水の浄化に対して、かなり少ない備蓄量の有無に関わらずよりすばやく実際には直接行われる。代替的には専用の駆動流循環型完全放射ノズル付スパージャーの詰りと堆積の危険性がある吸入スリットないし吸収口は、開口を保たれる、または一時的に逆流を発生させる機構が設置される。当該ノズルの制御用には、例えば吸入領域での圧力変化による詰りに対応するフロースルー水、圧力計、弁を用いる。さらに堆積の危険性があるスパージャーの吸入スリットないし吸収口用に、混合された反応混合物投入も、分割された駆動流注入により実現できる。一部はリアクターから直接吸入され、他の一部はリアクター上部から粗めフィルタリングされて吸入される。駆動流注入は弁で調節され、切替が行われるため、例えば、運転の問題の際または少なすぎる液体量の場合に、駆動手段が節約される。
【0174】
ノズルは容器内部の目的位置に設置できる。沈殿と焦げ付きを予防する必要がある特に無流領域またはゾーンが当該位置に含まれる。液体放射システム全体では反応混合物がミキサー、ポンプ、ノズルに逆流するのを防止するために、リアクター内部圧力との連続的な差圧が支配する。フローの減速または滞留は、リアクター底部に増加して集結する固形反応生成物の堆積と沈殿プロセスを加速する。
【0175】
化学変換プロセス中はリアクター壁、金具、反応混合物と接触する部品には堆積と焦げ付きが発生しやすい。リアクター内容物を他の圧力容器またはリアクターに移送後には運転温度をかなり下げずに、洗浄工程を実施できる。洗浄装置として、例えば1個の可動制御型高圧ノズルを用いることができる。コンパクト設計による装置なら1個の手挿入口、1個の水切り口、または1個の弁を内部空間に設置できる。洗浄工程は直接目視によるまたは1個または複数のカメラで管理できる。洗浄装置は外部から遠隔操作できる。駆動媒体の圧力・温度は、表面にたまる材料またはコーティングを損傷せずに可及的に最善の洗浄結果を得るように調節できる。特にドライアイス噴射装置は放射媒体の表面洗浄に適す。すなわち、ドライアイスペレットドライアイスのペレットは放射材料として圧縮空気で300m/sまで加速されて、高運動エネルギーで汚れた表面に衝突する。この際、ドライアイスペレットは当該表面をマイナス80℃まで冷却する。このため汚れの層は縮小し、脆くなる。同時にドライアイスペレットは蒸発し、表面の汚れ層が飛び散るように700倍まで膨張する。ドライアイス放射を洗浄に用いると、浄化媒体の浄化または廃棄の手間を省ける。環境に負荷がかかる有機溶媒とハロゲン化炭化水素も不要になる。ドライアイスペレットが形として気体に昇華することで、さらに決定的に有利な条件となる。設備構成要素の分解と外部浄化は極めて頻繁に不要になる。ドライアイス放射装置は優先的にはダイブ用スノーケルシステムとして用いる。中央部にある手挿入口を通してリアクター内に挿入され、事前に設置済み保持システムにドッキングされる。回転式放散装置を用いてドライアイスペレットは洗浄すべき場所に向けられる。
【0176】
スパージャー、ポンプ、ノズルの駆動手段としては、液体または気体の媒体例えば水、浄化された処理水または、ガス例えば水蒸気を用いることができる。処理水はリアクターから出る際ないし出た直後に篩にかけられ、フィルターを通され、障害物質を除去されるため、ミキサー、ポンプ、ノズルは詰まらず、リアクター、パイプ、ポンプ部品その他固定具の磨耗は極小化される。熱交換器を用いて、駆動手段の温度を、プロセス温度制御に当該手段の投入が役立つように調節できる。駆動・調節手段は反応外部ではリアクター内部と類似圧力で注入される。処理水の調節機能を用いない場合、各反応空間外部では当該内部と類似温度で実施される。処理水とは代替的に、水道水、水蒸気または他のプロセスからの水を駆動、加熱ないし冷却手段として用いることができる。
【0177】
処理水中に含まれる物質は、原材料混合と、触媒を含むプロセス管理に依存する。プロセスに条件づけられる分解はバイオマスに当初結合された物質の溶解から始まる。塩素、硫黄、硝酸塩、これらの塩さらに金属特に重金属と、鉱物さらに、例えばカリウムまたはナトリウム等の塩基およびこれらの塩等多種の要素が、化学変換プロセス中に特定の比率で液相に移る。一部は固相に再結合される。残りの部分は液相にとどまる。液相に移行する物質のシェアは、基本濃度に、すなわち液相ですでに存在する濃度に依存する。増加する濃度では飽和状態となり、特定物質の析出にも至る。従って無機質と、硫黄化物と塩化物等の結合は塩となって析出されることがあり、これによりプロセス管理とリアクター部品には不利な影響を与えうる。有機炭素結合液相の割合は1リットル当たり50g以上になりうる。処理水のCOD値は再変換無しでもすでに5桁の上の方の領域(mgO2/l)にあり、このため法定導入閾値をはるかに超える。化学的酸素要求量(COD)とは、包括的な意味では、特定の物質量中の全有機成分を酸化するために必要な酸素量を指す。
【0178】
原材料の湿度と、固液体比を含むプロセス管理に依存して、10から35%さらに35から60%または60から85%の処理水シェアを再利用する。水道水の節約と排水量を削減するために、処理水のほぼ完全な還流すなわち、処理水サイクル循環系を閉じることまたは制限するには限界がある。有機炭素結合の蓄積のほか、硫黄化物、窒素化物、塩化カルシウム、リンまたはこれらの化合物等の有機物質増殖も発生するからである。無機障害物質濃度は腐蝕を加速する。石灰堆積はリアクター内のフローの障害となり、ポンプ、弁、ノズル等の部品にも損害を与える。このためリアクターレイアウトの要求事項も高度になる。堆積ないし飽和の速度は、原材料の成分構成とプロセス管理に依存する。
【0179】
当該化学変換プロセスは原則として数時間かかる。この間に、プロセス管理最適化のために考慮すべき物質的変化に結合した複雑な化学的事象が生起する。各種多様のバイオマスは最初の2,3プロセス段階で間隔をおいて投入される。目的とする反応生成物に応じて、例えば、最後の2プロセス段階の終わりに近い頃、反応生成物を抽出する。駆動または調節手段例えば気体、水特に処理水またはプロセスガスと合成ガスさらに各触媒は進行中プロセスの間に抽出または投入される。化学反応の進行、混合のほかフローの障害でもある反応物質特に副産物は除去される。
【0180】
反応混合物中の固形物特に反応生成物の分離には、異なるプロセスを用いることができる。固液分離は液相分離が主で、これにより固形物部分の濃縮化を達成できる。固形物分離のためには異なる篩い分け(粗篩、ファイン篩い分け)、フィルタリングまたは、サイクロンを用いた遠心分離を結合できる。プロセス中のフィルタンリングまたは篩い分けの手間を軽減するために、前処理段階ですでに1個または複数のフィルタリングまたは篩い分けが行われる。
【0181】
少なくとも1個の粗フィルタンリングまたはファインフィルタリング、またはこれら二者のプロセス組合せを用いることができる。フィルタリングプロセス、マイクロまたは超フィルタリングプロセス、これら両者の組合せを用いて有機炭素結合全体の三分の一から三分の二を処理水から除去できる。固液分離優先的には運転条件で稼動され、例えば実験室規模の、原則として簡易ペーパーフィルター利用には限らない。利用する方法の選択なかでも化学成分、粒径分布、密度、粒子の形状、強度、溶解度に依存するが、電流、電荷、異なる密度、遠心力さらに異なる粒径の利用を含む。
【0182】
固液分離に用いる装置類には、動的、静的真空、圧力、滅菌各フィルターを含み、なかでも特にクロスフロー・フィルタリング、これには利用可能なマイクロ、超ファイン、ナノ各フィルタリングおよび逆浸透プロセスを含む。優先的には、水性遠心分離機、遠心分離機、応力場利用分離装置またはフィルタンリングプロセスの基本的プロセスまたは機能原理が用いられる装置が利用される。優先的フィルタンリングプロセスには、特に熱水炭化の反応条件にも利用されるものが含まれる。特に運転条件での優先される当該固液分離に、回転盤フィルターまたは遠心被膜フィルターを用いる。孔形成を担う優先される材料は、金属と特にセラミックから成る。孔形成材料の形状は、優先的には円盤状がよい。応用されるフィルタンリングプロセスとこの際投入される材料に応じて、フィルターの孔サイズとフィルタリングする物質中の固形物とは必ずしも比例関係にはない。この点は特にフィルター要素にセラミック素材を利用する場合該当する。液相は、処理水貯水槽またはフィルターされたまたはフィルターされない処理水の浄化の際に投入される。分離する固形物の特性とこれにともない分離に選択したプロセスの選択は、プロセス管理と目的とする反応生成物の特性に依存する。プロセスが高度になればなるほど、反応生成物の密度が高いほど、分離は容易になる。優先的には、分離は運転条件に近い条件で行う。フィルタリングされる物質中に含まれる固形物量は、原則として孔径に比例して減少し、超ファインフィルタンリングプロセスを用いれば際立って増加し、三分の二から五分の四に達する。当該プロセスには、バイオマス処理中に分離可能となる高密度または高重量の砂その他障害物質除去のために、1個または複数の装置が固液分離に統合される。特に駆動放射手段として利用される処理水浄化のためには、固形物の遠心分離原理を応用するのが、ポンプ、ミキサー、ノズルの保護のためには有利である。
【0183】
プロセス中にはリアクター上部半分の1箇所または複数の箇所、優先的には上部三分の一、特に優先的には上部四分の一から、処理水を浄化のために排出する。浄化された処理水は設備の水循環へ再変換用に戻される。少なくとも1個の優先的には複数の処理水貯水槽を、各リアクター毎、または複数の連結されたリアクターおよび設備のその他の装置用に利用できる。各処理水貯水槽には異なる浄化手順が準備されている。個々のまたは合併した処理水貯水槽の容積は総計では、全リアクター容積総計の約35から85%となる。当該処理水貯水槽は、リアクターの温度・圧力負荷に耐える設計であり、このため、減圧器と熱交換装置は特に必要でなくなる。処理水浄化は当該設備の水循環の一部を形成する。浄化された処理水の利用により、異なる洗浄ないし浄化プロセスを要する。これには異なる機械的、化学的、生物的プロセスおよび装置が個別にまたは組合せで利用される。これらは、好気性および嫌気性高性能バイオリアクター、バイオ被膜リアクター、嫌気性及びバイエアレーションプロセスを指す。処理水循環に統合されたまたは連結された上記プロセスと各装置は、循環水中の有機結合成分を相当削減できる。この際処理水の還流度は、十分に分解されない有機物質と高塩基性金属ないし鉱物成分、例えばカルシウムの濃度に合わせて調節する必要がある。可及的に処理水の高い割合を還流できるために、特に異なるプロセスと装置のパフォーマンスのよい組合せを用いる必要がある。
【0184】
機械的排水浄化装置はフィルター、優先的にはマイクロフィルター、特に優先的には超ファインフィルターを用い、上述プロセスとは固液分離程度は等しい。フィルターが内部に設置された固液分離装置は、優先的には回転板フィルター、特に優先的には遠心被膜フィルターとする。処理水ないし排水の生物的浄化のためには、浄化に要求される複雑な項目を最善満たすような装置を用いる。例えば優先的にはスチール製装置を利用でき、例えばバイオ被膜プロセスでは高性能バイオリアクター、優先的には好水性処理水浄化、特に優先的にはループリアクターを用いる。当該ループリアクターのレイアウトは、固相・液相混合用高性能ノズルを含むものとする。好水性プロセスと代替的または追加的に、嫌気性処理水処理用リアクターまたは逆電気透析法(電気透析逆進法)さらにさらに活性炭を、特に窒素化物、蒸留、蒸発、またはイオン交換プロセスのために用いることができる。
【0185】
悪臭負荷は固形物の貯蔵と搬送の必要事項のほか、設備、建物、搬送設備のレイアウトにも関する要求事項を含む。悪臭負荷の強度は貯蔵期間とともに減少する。建物ないし特に燃料の貯蔵と搬送空間は外気遮断ないし悪臭封鎖の設計とし、このため、悪臭空気が放出されないようにできる。建物へのアクセスはエアシャワールームを介して密閉化される。1個または複数の化学的または生物的空気浄化設備を設置して、作業者、サプライヤー、隣接住民への悪臭負荷を極小化することを確保する。
【0186】
反応生成物の冷却、特に沸点未満に、絶対圧力1bar下で、原則としては反応空間外部で、さらに減圧装置内でも行われる。この際放出される熱エネルギーは熱交換プロセスにより他のプロセスで利用できるようにされることができる。
【0187】
当該プロセスの前、最中、または後には1個または複数の粉砕ステップがある。これには優先的には製粉または圧縮プロセスを用いる。
【0188】
反応混合物からの固形物分離は、まず原則として機械的に、次に熱分離装置で行われる。
静的沈降濃縮装置は、重力の作用による水分削減に、機械的自動回転装置ないし汚泥処理装置例えば定置型沈降濃縮装置または通過沈降濃縮装置をともなうまたはともなわずに、利用される。投入量調節は注入装置に行わせることができる。対応する大容量であれば、当該装置は、濃縮された計量された混合物を、複数の装置に均一に投入できる。当該沈降濃縮装置はさらに直接乾燥装置に統合できる。漏斗型構造のレイアウトによれば乾燥装置に直接、混合物を投入でき、有利である。プロセスサイズに対応する調節を行うと、外部設置が不要になる。代替的には濃縮する混合物を圧力下で凹面篩表面またはないし器型篩に投下できる。この際発生する遠心力は液体の一部を篩のスリットを通して排出する。濃縮された混合物は篩レールの終端で回収され、乾燥装置に投入される。さらに有利な機械的分離プロセスは、その中で固形物と液体が遠心力加速により分離される遠心機である。下部から出る濃縮された混合物は乾燥装置に投入されて、処理されたないし浄化された液体は上部を流れて遠心機から放出される。事前に設置され調整済沈降濃縮装置と中間に設置する計量装置を用いて、乾燥装置へ連続的最適投入を確保できる。この点は特にプッシャー遠心分離機を乾燥に用いると有意義である。プッシャー遠心分離機は運転安全性が高く、粒状固形物の除湿と洗浄に適す。
【0189】
乾燥用にエネルギー的理由によりまず選択されやすい機械的装置のほかには、乾燥用の熱分離プロセスを優先して利用できる。乾燥のために投入される量は1kg以上の重量である。バッチ操業より連続操業を優先する。乾燥は少なくとも1個のまたは複数の乾燥機または異なる分離ないし乾燥用装置の組合せを用いて行う。反応生成物または副産物の乾燥には、例えば対流式乾燥機が用いられる。この際乾燥対象物は高温乾燥ガスと接触する。この際不利な点は、使用ガスを排気する必要があること、原則としてダスト分離フィルターで浄化する必要がある点である。場合によっては、当該ガスは湿気が結露後に還流される。対流式乾燥機としては例えば流動床乾燥機を用いることができる。実際に処理するないし目的粒径に応じて、同じくスプレー、ノズルタワー、またはベルトコンベヤー式乾燥機も使用できる。有利であるのは、1個または複数のキャビネット型乾燥機、ロータリー乾燥機またはトンネル乾燥機が利用される連続プロセスである。
【0190】
接触型乾燥機を使用する際は、本質的には接触面だけが熱伝導に利用できる。ベルト、真空ベルト、ロータリー、漏斗型スクリュー、シリンダー、バレルまたはベルトコンベヤー方式の各乾燥機、優先的には真空ロータリフィルターまたは乾燥機が用いられる。より湿度を低くするには、処理量次第では、代替的または追加的に例えば皿型乾燥機も使用できる。乾燥工程は高温気体媒体例えば気温61から95℃、優先的には65から90℃さらに優先的には70から85℃の空気を用いて行うことができる。代替的にはまず熱乾燥装置内には、空気以外の気体として優先的には高温水蒸気さらに特に優先的には温度130から180℃の水蒸気を利用する。
【0191】
分離ないし乾燥には機械的・熱的コンビプロセスを応用できる。従来型プロセスより機械的・熱的プロセスが有利な点は、製品の残留湿度が極めて低い点で、これによりファインな粒子またはナノシステムにおいては製品搬送性が高まる。さらにその有利な点は、同時に結露する蒸気によって反応生成物から汚染物を部分的に除去できることである。蒸気をさらに除湿促進手段として利用すると、フィルター機能を果たす遠心分離機の性能も上がる。結露界面による平坦な機械的除去の仕組みは、慣性力とともに機能し、最も小さい反応生成物ではナノ領域にも及び、実際上粗め毛細管システムを完璧に空にできる。当該の仕組みを利用するプロセスには例えば蒸気圧力フィルタリングがある。これは圧縮空気ではなく飽和または過加熱蒸気を用いて気体の差圧で乾燥させるものである。特に優先的には蒸気圧力下での遠心脱湿が使用される。蒸気圧力・遠心脱湿のコンビプロセスは、反応生成物中に微細に拡散した固形物を、懸濁液から、直接1個のプロセス空間内で、乾燥した純粋な流体状の本発明による最終生成物に転換する。
【0192】
本発明による反応生成物の残留水分は、有利であるのは約6から25%、さらに10から20%または12から15%である。
【0193】
変換反応後に反応混合物は懸濁液として存在する。原材料とプロセス管理に依存して、バイオマスからはなかでも次の反応生成物、中間生成物、副産物、または最終生成物を得る。
【0194】
泥炭燃料、褐炭をはじめ石炭類似燃料、腐植質、メイラードまたはメイラード類似反応生成物、断熱材/ナノスポンジ/ナノボール/ナノファイバー/ナノケーブル/活性炭/吸着炭/グリル石炭代替材料/高圧縮炭素製品・素材等の炭素含有素材、および特にグラファイトおよびグラファイト類似またはグラファイト系製品からカーボンファイバーの原材料、さらに結合素材またはファイバー結合素材。
【0195】
純粋、高純度、超純度石炭類似物質も本発明に係る製品に属する。これらは、原材料に対して鉱物性素材の減少による有利な特性がある。純粋石炭とは、とりわけ、石炭の可燃部分を指し、高純度石炭としては活性炭も含める。超純度石炭には、例えば0.1重量%未満の鉱物含有量であるものを意味する。
【0196】
図1は、リアクター2を設置された装置1を示す。リアクター2はシリンダー型基材3で構成され、基材3には反応空間4が含まれる。反応空間4は液固混合物、例えばバイオマスの摂取に使用される。リアクター2は液固混合物の投入支持構造5と排出支持構造6があり、これを通して、中間生成物、副産物または最終生成物が反応空間4から取り出される。リアクターはさらに、液固混合物の混合用装置でもある。当該装置はここに説明される実施形態では、攪拌装置7であり、これを用いて液固混合物は処理中または加工中に混合されることができる。リアクター2はさらに、シリンダー状リードパイプないし挿入パイプ8でもあり、反応空間4内の液固混合物フローを変更ないし制御する。追加的にはリアクター2はスパージャー状の非機械的混合装置9として示される。さらにリアクター2は1個のフィルター装置10を装備し、これを用いて反応空間4内に固形成分が保留されることができる。フィルター装置10と導管11を通して、処理水ないし用水は反応空間4から排出されて貯水槽12に投入されることができる。当該用水は導管13を通してスパージャー9に、さらに反応空間4内の液固混合物に再投入される、またはファインフィルター14を通して蒸留水となり別の貯水槽15に投入できる。別の貯水槽15から当該蒸留水は導管16を通してリアクター2に還流される、または導管17を通して排出されることができる。
【0197】
図2は図1のリアクター2の壁領域断面を示す。リアクター壁20は二重壁で、この際リアクター壁20は外壁層21と内壁層22からなる。内壁層22は反応空間4の縁に被膜部品23が設置されていて、この部品は、例えば孔付板金ないし被膜板金、さらに1個の熱交換板でもよい。被膜部品23はリアクター内に懸垂する、または内壁層22に固定例えば溶接できる。外壁層21と内壁層22は相互に離れていて、これにより両壁層間には1個の中空空間24が存在する。中空空間24内には例えば温油があってもよく、例えば熱伝導設備への熱エネルギー転移に使用される。当該温油は加熱されて、リアクター内部空間を加熱するために中空空間24内に投入される。これは閉じられた循環の中で行われる。この際水より温油のほうが有利であるのは、沸点がかなり高いことで、このため、温度が300℃に達することもできる。別の1個の中空空間25は被膜部品23と内壁層22間にある。この別の中空空間25は蒸留水の摂取用であり、例えば調節システムとしても利用できる。被膜部品23が1枚の被膜板金または1枚の孔付熱交換プレートであれば、この場合には中空空間25内の圧力は少なくとも反応空間4内の圧力よりわずかに高いことを要する。これは反応混合物の一部なりともが中空空間25内へ侵入させないためである。反応空間4内の極度の反応条件により、内壁層22特に被膜部品23は耐腐食性材料製である、または少なくとも当該材料のコーティングが施してあるものとする。
【0198】
図3は例示として当該設備の図式的表示を示す。
【0199】
装置内で生産された燃料ないし反応生成物の燃焼は、燃料の種類に依存して、例えばペレットオーブン、ペレット槽または設置バーナー、優先的には自動燃料投入により行われる。エネルギー生産用構成は、例えば燃焼設備であり、その燃焼プレート形状とサイズは灰成分に適合される。灰成分は本発明による装置を使用すると僅かであるから、燃焼プレート直径は小さくて済む。燃焼プレートへの焦げ付きを防止するために、本発明に従う燃焼設備は燃焼プレートから灰除去用1個の自動装置を装備される。
【0200】
塵芥状燃料からのエネルギー生産の場合には、本発明に従う塵芥燃焼用設備は、少なくとも1個の蒸気タービンまたは超臨界または臨界石炭火力発電所装備での石炭燃焼ないし石炭粉末燃焼設備を含む。高効率を達成するために、燃焼プロセスは、可及的に高温度で、600℃以上、または650℃以上、さらに別の実施例では700℃以上で実施される。さらに効率性を高温領域で向上するため、例えば最新発電所技術を用いることができり、これにより、ガス蒸気タービンコンビプロセスが、可及的に高い、43%以上または46%以上、さらに別の実施例では49%〜55%の発電効率で実現できる。
【0201】
当該コンビプロセスの使用のためには、石炭ガス化を統合したIGCC−コンセプト、優先的には流動床ファーネス、とりわけコンビプロセスによる加圧定置型流動床ファーネス(DWSF)、特に優先的には圧力石炭粉末ファーネス(DKSF)によるコジェネ発電所を利用できる。
【0202】
当該燃焼プロセスは、ガス投入温度が1000℃超、優先的には1200℃超、特に優先的には1400℃超で、行われる。高温ガス浄化は、粒子成分と腐蝕性成分特にソーダとカリウム結合だけではなく有害ガスも含め可及的に削減され、燃焼排ガスは、優先的には燃焼排ガスの低温度プラズマ特性を利用する、直接ガスタービンに投入されるようなかたちで、実施される。
【0203】
本発明による設備の内部に燃焼排ガスフィルターを設置することにより、1個の粒子成分3mg/立方メートル未満(直径3ミクロン未満)、塩基成分0.01mg/立方メートル以下として実現できる。
【0204】
塵芥状燃料からの電力ないしエネルギー生産の別の手段は、炭素燃料電池の使用によるものである。1個の炭素燃料電池には水素燃料電池より2つの決定的な有利点がある。一つは、炭素の電荷状態は1水素分子の二倍大きい。反応前後の気体体積は、炭素燃料電池の場合不変であるが、水素燃料電池ではこれが可変である。すなわち、炭素ではエントロピーがほぼ不変に保たれ、総熱量がこのため完全に電気エネルギーに変換される。従って炭素燃料電池の使用効率は理論上、水素燃料電池より最大60%まで高い。ここで問題は、炭素に必要な粒子密度を達成しなければならないことである。本発明に従う設備はナノ領域の粒径をもつ石炭に類似する燃料を炭素燃料電池用に生産できる可能性を提供する。
【0205】
他のエネルギー生産プロセスとの相乗効果は、エネルギー生産用装置、特にタービン、優先的には蒸気またはガスタービンを共用して得られる。タービン、特に蒸気またはガスタービンの共用が可能な再生可能エネルギーには、送出可能風力システム(DWPS)が含まれる。この際、エアシリンダー内の圧縮空気が圧縮解除される。当該圧縮空気は次に追加的に、いずれにせよ回転するタービン内に投入される。変換効率は、いずれにせよ回転するタービン内に投入される圧縮空気により20から200%、または40から170%、別の実施例では、60から150%に到達する。
【0206】
本発明による装置で生産された燃料の変換により生産されるエネルギーの少なくとも一部は、特に熱または電気エネルギーとして、本発明に従い次のうち1個の設備を用いて再利用できる。
【0207】
・地域・近辺熱供給網
・原材料、処理水を含む水、反応生成物、中間生成物、副産物、または最終生成物、特に燃料、炭素含有素材、腐植質またはメイラードないしバイオマスからのメイラード類似反応生成物等の加工・処理プロセス、これには粉砕、乾燥、脱水、調製、浄化または乾燥、特に金属製物質等の金属・障害物質除去プロセスを含み、例えば遠心分離機、インキュベーター、攪拌・混合システム、ポンプ、加熱、水蒸気投入、熱交換器プロセス、圧縮、搬送・輸送プロセス、処理水、水、排水の浄化とエアー浄化、固液分離プロセス、冷却、次の加工過程用調製、エネルギー回収を含む。
金属特にアルミ、ケイ素鉄、食料特にミルク加工、ビール生産、さらに温室と
果実加工をともなうともなわないに関わらず庭園農作等の、工業規模での生産、加工、処理事業
・施肥、肥料の生産・加工業とタイヤリサイクル設備
・化学工業事業場と生産工場、特に酸素、窒素、アルゴンを含む気体および液体状の空気成分およびその他の素材由来の製品生産と加工
・浄水・脱塩設備、特に逆浸透の使用によるもの、または
・製油設備、精製所、エタノール生産設備
【0208】
熱とエネルギー交換のためとシナジー可能性を利用するために、本発明による設備で生産された燃料または反応生成物の変換は、各種の発電所およびエネルギー生産プロセスによって運営できる。特にこの目的に適すものは以下のとおりである。
石炭火力発電所なかでも特にIGCC−コンセプト、石炭ガス化の統合を含み、優先的には石炭粉末発電所、特に流動床ファーネス、とりわけコンビプロセスによる加圧定置型流動床ファーネス(DWSF)、特に優先的には圧力石炭粉末ファーネス(DKSF)によるコジェネ発電所
ガス発電所
燃料電池であって、メタノール、石炭、石油、ガスを含む各種の燃料を使用するもの
バイオマス発電所、または
ソーラー発電所
【0209】
図3は、バイオマス処理用装置1とエネルギー生産用構成2による1個のエネルギー生産設備を示す。当該装置1はそれぞれ1本のシリンダー状基材からなる2個の直列連結されたリアクター3、4を示し、このうち1個は反応空間5を内蔵し、一種圧力容器を示す。反応空間5はバイオマスを含む原材料摂取用である。装置1はさらに、1個のシュレッダー6と1個の製粉器7の形をとる粉砕装置を含む。バイオマスはまず、シュレッダー6に投入されて粗めに粉砕される(矢印8)、さらにそこから製粉器7に投入されてさらに粉砕される。このようにして調製されたバイオマスは次に1個の混合装置9内で集中的に混合され、この際、例えば触媒等補助材料も投入できる(矢印10)。バイオマスは続いて、ポンプ装置11により導管12を通して各リアクター3、4内に投入され、これらの各反応空間5では圧力例えば7bar、高温度,例えば少なくとも160°Cでさらに処理される。各反応空間5内の所要温度の調節はこの際、調節システム13により確保される。調節システム13は例えばポンプ14により各リアクター3、4内または上にある熱交換器に投入される流体の加熱装置を含む。バイオマスの連結されたリアクター3、4内へのフィードは弁装置15、16を通して制御される。
【0210】
バイオマスの処理後には反応生成物は各リアクター3、4から排出され、分離装置20に投入されて、固形反応生成物は液状成分から分離される。液状成分は排水浄化設備21内に投入され、そこで、環境に優しく浄化される。まだ湿気を帯びた固形反応生成物は減圧器22を通って1個の乾燥装置23に投入され、そこで目的残留湿度まで乾燥される。乾燥された反応生成物には、原則として石炭塵芥または類似燃料が含まれる。当該燃料は装置1と構成2の間に設置された燃料ストレージ24に一時保管される。
【0211】
エネルギー生産用構成2は装置1で生産された燃料の燃焼用設備30を含む。燃焼の熱エネルギーは、パイプ31内水ないし水蒸気を加熱して、このようにして生成された水蒸気の力でタービン32を駆動するため、燃焼設備30に利用される。タービン32の回転エネルギーは発電機33に投入され、ここで電気エネルギーに変換され、これは例えば電力網にフィードバックできる(矢印34)。燃焼設備30内の燃焼により発生する燃焼排ガスは、例えば燃焼排ガス脱硫と燃焼排ガス脱窒を含む浄化プロセス35で処理されて、その後煙突36から外界へ排出される。
【0212】
プロセス中に原材料からは有機のほかにも無機質も抽出ないし容易に利用できる状態となる。これは部分的には、当該物質が液相となることで可能になるが、この際部分的に溶出するからである。これはさらに、反応条件に依存する。抽出ないし容易に利用できる状態となった物質には、有機溶出・非溶出物のほか無機質例えば金属、塩、フミン酸類似物質を含む酸、カルシウム、マグネシウム、塩素、鉄、アルミニウム、リン、カリウム、ナトリウム、窒素とその化合物を含む。
【0213】
変換反応後に原料または燃料となる反応生成物の固形炭素含有成分はなかでも次の特性を示す。
【0214】
原料または燃料の構成は反応管理により制御できる。各素材の濃度は容易に他の素材からは選択的、独立的に分離できる。さらに多くの異なる素材群とパラメーターも同様に変化できる。例えば硫黄成分を削減する際には同時に塩素と灰成分も削減できる。
【0215】
基本的分析を行い各種の測定をした結果、草、垣根、甜菜の炭素含有量は当該成分の質量シェア(乾燥質量)が50〜63%と、原材料の質量比率より約20〜60%高い。酸素含有比率は最大半分だけ、窒素では約四分の一だけ減少しており、水素含有比率は最大約四分の一まで減少した。
【0216】
原料または燃料の炭素含有量はバイオマスと比較して、10から300%、50から300%または100から300%、特に200から300%高かった。
【0217】
原料または燃料の炭素含有量はバイオマスと比較して、5から200%、優先的には10から150%、特に優先的には10から120%、特に50から100%高かった。
【0218】
原料または燃料の炭素含有量は原則として40から95%さらに50から90%または55から80%である。炭素含有量は反応管理と原材料に依存して、98%を超える高純度も達成できる。
【0219】
原料または燃料の水素含有率はバイオマスより1から300%以上、さらに5から200%または20かから100%少ない。
【0220】
原料または燃料の酸素含有率は原材料より1から300%以上、さらに5から200%または15から100%少ない。
【0221】
原料または燃料の窒素含有率は原材料より1から300%以上、さらに5から200%または15から100%少ない。
【0222】
原料または燃料の硫黄含有率はバイオマスの僅少部分でありえる。これは原材料より1から300%、さらに5から200%または200から600%または400から1800%以上少ない。
【0223】
原料または燃料の灰成分は、バイオマスの僅少部分でありえる。これは原材料より1から100%、さらに101から1000%または1000から3000%以上少なくなる。
【0224】
原料または燃料の微粒子成分はバイオマスの僅少部分でありえる。これは原材料より1から200%、さらに201から1500%または1501から2000%以上少ない。
【0225】
燃焼の際には、鉱物含有率と灰および微粒子含有率の数倍例えば300%以上での著しい削減は、高比率の処理水により可能となりうる。処理水比率増加により当該物質さらに、原材料に本来含有されていて、変換反応中に分離されて溶出される他の物質の成分希釈となる。当該物質を洗い出して、実際上、溶解物質シェアを投入された処理水と比例して固相に沈殿させることができるようになるとも言える。
【0226】
触媒成分を1個省略する、または最適以下の反応条件でも、炭素含有は原材料より5から10%高くなることは可能である。バイオマスとプロセス管理の専門知識をもって処理すれば、55から77%の炭素含有量も達成できる。触媒混合物の調節を含め有利な原材料をプロセス管理の専門知識をもって処理すれば当該炭素値は78%以上も到達可能であり、これにより化石燃料に匹敵する。
【0227】
変換反応の完了後、原料または燃料の炭素含有量は増加した一方では、エネルギー含有量ないし熱量は最大36%減少していることも可能である。これは発熱反応であるために反応中に熱が発散されるからである。逆に言えば、乾燥バイオマスの元の熱量の合計で少なくとも65%が残る。
【0228】
原材料として、コーン、トウモロコシまたは砂糖等炭水化物含有バイオマスを使用すると、原料または燃料の熱量は原材料の約65から85%または別の実施例では70から80%となる。原材料に含まれる炭水化物量が少ないほど、変換反応中に発散されるエネルギーはより少なくなる。これは同時に原材料より高い反応生成物の熱量となる。
【0229】
例えば、反応生成物の含有エネルギー量は使用するバイオマスに依存して次のように説明することができる。原材料として、刈った草または収穫後の残渣等リグノセルロース含有バイオマスを使用すると、原料または燃料の熱量は原材料の約70から90%さらに75から85%である。
【0230】
原材料として、炭水化物、セルロースまたはリグニン成分が少ないバイオマスを使用すると、原料または燃料の熱量は原材料の約80から95%さらに85から90%である。
【0231】
純粋、高純度石炭または超純度石炭は、例えば化学工業での再加工用化学前駆体または原材料として多面的な用途がありえ、または燃料としては炭素燃料電池に応用できる。
【0232】
反応経過中には固相から多くの物質が解離された。これらの物質は液相となり、処理水に水溶している。処理水から、リン、イオウ、窒素化合物も含め多種の鉱物を回収できる。これらの鉱物は、他のプロセス用肥沃素材、原料または材料として使用できる自然循環の意味では、鉱物性成分の特に液相からの分離が有益である。これらは肥料として再びバイオマス組成のために地表に散布できるからである。これにより、生産プロセス用に以前バイオマスを採取された地表に再び、当該バイオマスに含まれていた栄養が還流されることにより、閉鎖系循環を説明できる。
【0233】
解重合と新規重合プロセスにより、新規の化学的炭素結合と構造が形成される、特に、周知の燃料の大部分より少ないエネルギー必要量で粉砕可能な儀集体が形成される。さらに原材料に依存して、おそらくメイラード反応生成物の形成によって、褐黒色化が発生する。
【0234】
多くの原材料の密度は、反応開始以前は水の密度より低い。反応経過中に当該密度は連続的に増大し、原材料と反応管理に依存して石炭に匹敵する密度に到達する。大部分の原材料の密度は200から600kg/立方メートル場合により800kg/立方メートル(乾燥重量)近傍にある一方、反応生成物の密度は900から1200kg/立方メートル場合により、反応生成物粒子間の空気が圧縮抜きされることが前提条件として、1250から1350kg/立方メートルにも到達する。
【0235】
反応生成物の粒径が小さいことにより、原材料に比較して大きい表面積が生じる。このため、同じ炭素含有率である自然界に存在する炭素結合の場合より容易に、同じ水分含有率に対して乾燥し易くなる同時に大きな表面積は発火点の低下にも役立つ。
【0236】
反応生成物の差別化点には、メイラードまたはメイラード類似反応生成物が液相にも固相にも存在することを含む。原材料により悪臭組成の強度と集中度は変化する。悪臭組成は原因としてはメイラード反応生成物の形成と関連する。
炭素含有量が等しい他の自然界に存在する炭素結合に比較して導電性が向上
泥炭から石炭類似燃料
等価炭素含有量の慣用または化石燃料より揮発性が低い成分
燃焼による灰形成が少ない、窒素、イオウ、硝酸塩、重金属等の含有率が低い、すなわち、等価炭素含有量の高いこれらと匹敵する化石燃料におけるよりも、自然発火点が低くなる。
等価炭素含有量の高いこれらと匹敵する化石燃料におけるよりも、燃焼から発生する燃焼排ガス成分有害度が極めて低い
【0237】
上述の新規反応生成物の特長から、総じて、周知の燃料に対して多くの有利な点と環境と気候に優しい特性が生ずる。バイオマスからのエネルギー回収用慣用プロセスに対して、当該処理プロセスは、バイオマス由来原料または燃料から工業生産を行う目的により効率的経済的となる。バイオマスの物質変換の際に事実上炭素損失が必要無い。原則として原材料中の炭素の95%以上が、エネルギー回収に利用できる反応生成物中の固形成分に転換する。残留炭素結合は液相中にある。リアクター内の変換反応中に、実際上、二酸化炭素またはその他の気候に害のあるガスの言及するに値するほどの値はほとんど放出されない。
【0238】
原材料中の炭素の約1〜4%は液相に存在する。当該シェアは、プロセス条件特に原材料中の炭素含有量と反応混合物の液固比率に依存してかわる。
【0239】
反応管理特に特に原材料と触媒の選択と成分により、炭素含有ナノ素材とナノ構造体が組成される。これらの素材は利用価値の高い材料・表面特性を示す。これには例えば、水貯蔵物または断熱材として利用できるナノスポンジが含まれる。
【0240】
いわゆるメイラード反応はプロテイン含有/炭水化物含有食糧を130℃以上の温度で燃焼、オーブン焼き、焙焼、グリル、フライ等の加熱プロセスで生じる。いわゆるメイラード反応中には、炭水化物とアミノ酸、多種の芳香族物質から、赤色から黄褐色、時にはほぼ黒色化したポリマーであるメラノイジンが生成される。オーブン焼と焙焼等さらに高圧条件で発生する高温により、当該反応は加速され、特に多くの暗色系のメラノイジンが組成される。このため当該物質はパン、コーヒー、モルツ、ナッツまたはコーンフレーク等の製品中に少なからず含まれ、例えばコーヒーでは最大30%に及ぶ。
【0241】
メイラード反応の原材料は、酵素が介入しない最初の反応によって、イミン結合を生成する。この段階は数分から数時間以内で完了し、イミンは極めて不安定な結合なので、可逆反応である。イミン量は、反応中にグルコースを除去する、または濃度勾配により当該産物が数分以内で分解するので、グルコース濃度に直接依存する。さらに、不安定なイミン結合は、はるかに安定的なアマドリ産物に転位する。このプロセスはかなり遅くなる。しかし当該反応は可逆性が低いので、アマドリ産物が蓄積する。当初のアマドリ産物は転位を続け、メイラード反応の最終生成物である、糖化最終産物(AGE)まで反応を続けて至る。転位と重合により、AGEは他のプロテインと架橋結合を組成する。発生過程を起因として、AGEには極めて多種多様で複雑な形態が存在し、この際、Nε-(カルボキシメチル)リジン(CML)、フロシンさらにペントシジンが従来集中的に研究された。
【0242】
メイラードまたはメイラード類似反応生成物は熱水炭化によって高濃度になる。固相(特に固形物)でも液相(例えば処理水)でも、指標物質であるCMLの濃度は比較的高く、原則として0.3から2mmol/molリジンの範囲となる。液相ではすなわち処理水中では、原則として反応生成物の固相より高濃度で存在する。濃度ないし濃度比は固液比率と原材料の成分さらにプロセス管理に依存する。CMLには抗酸化性/化学反応阻害性がある。このため、匹敵または類似特性は、メイラードまたはメイラード類似反応生成物を含む熱水炭化による他の中間生成物、副産物または反応生成物においても見出すことができる。
【0243】
メイラードまたはメイラード類似反応生成物の分離と浄化は、なかでもフィルタリング、超ファインフィルタンリングまたはクロマト工程特にカラムクロマトによって行われる。
【0244】
本発明によるプロセスで熱水炭化により生産される腐植質は、反応生成物より高い熱量で比較的これより短い経過時間で発生する。原則として原材料の繊維質を含む材料(とりわけリグニンとセルロース)を示す。バイオポリマーの架橋は完全に上昇したわけではない。本発明に従い生産された腐植質は少なくとも30〜45%の炭素を含有し、熱量は少なくとも15〜24MJ/kg、良好に燃焼する。
【0245】
本発明に従い生産された腐植質は部分的には、自然界の腐植質一部は泥炭に類似する特性がある。
【0246】
雨水が均一に深く浸透できるので雨による浸食から土地を保護する。
風化を減少する
ミミズその他の地中生物の栄養になる
夏には地中温度を下げ、冬には上げる。
植物が耐えるようにゆっくり供給するので植物の養分になる
土地が水分をスポンジのように貯蔵できるようにし、蒸発を最小限に止める
石灰と有機肥料を与える際地中の化学的変化プロセスを制御する
ミネラルを放出するために高塩基性土地が中和される有機酸が無い
アンモニアとその他の窒素化合物を互換性のある再利用できる形で貯蔵する
【0247】
長期間かけて自然界で形成された腐植質または泥炭とは異なり、異なる有利な特長点がある。
プロセス管理により保水性を増大でき、自然界の腐植質または泥炭よりかなり高くなる。4倍に及ぶこともある。
燃焼特性に関しては、反応生成物の上述された熱水炭化特性が該当する。
最適なプロセス管理、特に、反応混合物,内部の固相・液相間の濃度勾配により、腐植質中の特定の物質を濃縮できる。CO2結合素材ないし肥料として腐植質の変換を行う際必要条件である。
【0248】
これとは対照的に、本発明に従い生産された腐植質を加工処理または混合して、特定の物質が濃縮されてはならないような産物を生産する際、当該プロセス管理により、鉱物性および製品変換には有害となる物質と塩基の濃縮を回避できる。本発明に従い生産された腐植質は均一な腐植質と燃料であり、その特性は原材料と触媒の成分さらにプロセス管理によって計算し制御できる。本発明に従い生産された腐植質は数時間以内に生産可能である。本発明に従うプロセスはこのため、原則として数週間から数ヶ月を要する腐植質の既知の他の生産プロセスよりかなり高速である。
【0249】
本発明に従い生産された、泥炭ないし泥炭類似物質を含む原料または燃料は次の有利な特性を有する。
バイオマスからは、本発明による方法の応用により、泥炭、石炭、石炭類似燃料を生産できる。
熱量はプロセス管理、特に反応時間に依存する。熱量はリアクター内の反応時間ないし経過時間とともに増大する。
等価炭素含有量の慣用または化石燃料より揮発性が低い
石炭に至るまでのエネルギー歩留率は0.7〜0.95。炭水化物シェアが低いほど、エネルギー取得量は高い。
90〜95%のリグニンないしバクテリアバイオマスも処理できる
当該燃料は、炭素含有量が同じく高い匹敵化石燃料より反応性が高く、自然引火点が低い。
褐炭または石炭等の化石燃料は、熱水炭化工程から本発明による方法で生産される燃料(燃料)に比べて、類似の熱量を呈示するが、当該燃料からは、組成と特性が顕著に異なる。
化石石炭の各種クラスと種類は、生産地と採掘地域に応じて、極めて異なる化学的組成と特性を有するため、各石炭種が個別にばらばらの特性を有する。例えば化石系ラウジツ産褐炭原石の熱量は、8700kJ/kg、水分約56%、硫黄成分約0.7%、灰成分約4.5%である。当該燃料の水分、イオウ分、灰成分は少なくても熱量は原則として2万kJ/kgある。水分含有率とは関係なく、1Kgの化石系ラウジツ産褐炭原石で1kwH電力を発生できるが、同じ分量の当該燃料からは、その二倍以上の電力を生産できる。
化石石炭とは対照的に、本発明に係る材料または燃料には、十分実証可能な濃度のメイラード反応生成物が含まれる。指標としてNε-(カルボキシメチル)リジン(CML)が確立している。反応生成物の液相でも固相でもこの結合を実証できる。濃度0.2から1.5mmol/mol以上のリジンが計測されたが、この際、液相では固相より高いシェアとなった。しかし濃度分布は原材料、反応条件、プロセス管理に依存する。
化石石炭は、採掘後は塊状に積まれるか、または、採掘深度によっては比較的高密度の擬集塊状として存在するため、粉砕には多くのエネルギーを要する。さらに乾燥されて、石炭粉砕装置に投入され、ファインな褐炭塵芥まで粉砕される。これに反して、当該原料または燃料は工程終了後に、小粒の粒子原則として1mmから30ナノメーターサイズとして存在し、表面積が広いので乾燥も容易である。当該燃料の調製、特に乾燥に要するエネルギー量は固形の化石石炭よりはるかに小さい。
特に当該燃料の燃焼特性は化石石炭種に対してばかりではなく、再生可能原料由来の、従来利用されてきた大部分の燃料に対しても、ローコストである。少なくとも1個の、通常は複数のまたは全ての以下のパラメーターは、特に原材料ないし代替的化石系またはバイオマス燃料に対して、当該燃料では無くなる。微量灰成分、微量の塩素、硝酸塩、イオウ、重金属、さらに微小な塵芥・粒子灰燼、気体状の例えば窒素酸化物と硫酸等の有害物質。この点は当該燃料の圧縮加工された、ブリケットとペレット等の形態にも該当する。
当該燃料品質と燃焼特性は、原材料ないし原材料混合物、プロセス管理、触媒混合物、処理水の組成に依存する。
脂肪とエネルギー量の割合が高い原材料は、高い熱量を有する燃料を生む。例えば、加工過程では、特に適したヘドロの熱量は34〜36MJ/kgを到達可能である。
熱量30〜33MJ/kgの当該燃料の燃焼後の灰成分は、熱量17〜20MJ/kgの原材料より75%以上少ない。
熱量30〜33MJ/kgの当該燃料の燃焼後の硫黄成分は、熱量17〜20MJ/kgの原材料より最大50%以上少ない。
微粒灰燼とガス排出量は原材料より少ない。
燃焼結果はプロセス管理、調製に依存する燃料品質、リアクター技術の三位一体に依存する。
当該燃料は原材料と触媒の組成およびプロセス管理に関して特性を計算して制御できる金一な燃料である。
当該燃焼特性の既述の相違のほかに、以上は、石炭、褐炭または泥炭等の化石燃料からの追加的な差別化点である。
純粋、高純度石炭または超純度石炭類似物質も本発明に係る製品に含まれる。原材料に対してまず鉱物性物質が減少したことに起因する有利な特性を有する。純粋石炭とは、とりわけ、石炭の可燃部分を指し、高純度石炭としては活性炭も含める。超純度石炭には、例えば0.1重量%未満の鉱物含有量であるものを意味する。
本発明による方法による反応生成物由来粒子と塵芥からのブリケット生産(ブリケット、塵芥)
ブリケットの高強度と密度をはじめ、すばやい点火と良好な燃焼進行は、ブリケットの最も重要な特長である。
深み約1cmから2cm、傾斜角30から70度の強度の十字断面により、火炎空間内の気流が改善することで点火がよくなり、表面固有面積が増大するので、ブリケットが良好に燃え尽きる。
安定性と燃焼進行を支持するのは、本発明に従い生産された粉砕塵芥対セルロースないしリグニン含有構成要素の混合比である。
熱量25〜30MJ/kgの塵芥対小型薪材ないしウッドチップの概算比率は、約53:47さらに58:42または優先的64:36である。この際小型薪材ないしウッドチップの水分は約10%でありうる。粒子は2mmを超えず、または1.5mmとより小さくさらに1mm未満でもよい。
熱量22〜25MJ/kgの塵芥対藁の概算比率は、61:39さらに66:44または72:28である。この際小型薪材ないしウッドチップの水分は約10%でありうる。粒子は2mmを超えず、または1.5mmとより小さくさらに1mm未満でもよい。
上記の各比率に応じて、塵芥は、セルロースとリグニン成分が等価である泥炭と混成してブリケットに加工される。
泥炭はセルロースとリグニン成分を等価にして、そのままブリケットに加工できる。
当該塵芥と、セルロースとリグニン含有追加物質ないし泥炭は共にまたは単独で例えば2mmのConidur(登録商標)排出篩付の、ブローノーズ製粉機で集中的に混合される。
圧縮圧力は100MPa以上、さらに120MPa以上または140MPa以上である。
圧縮温度は80℃で90℃を超えないほうが良い。
大きさは250x60x50mm
ブリケットのかさ密度は約0.95〜1.15g/立方メートル。
【0250】
本発明による方法における反応生成物からのペレットの生産(ペレット):
本発明による方法における反応生成物からのペレットの生産(ペレット)は、湿式ペレット化の後擬集乾燥工程を優先的に用いる工程である。当該プロセスは異なる熱量の燃料からペレットを比較的ローコストで生産するために適す。
ペレットで、市販自動リアクターシステム内で良好な燃焼結果を得ることができる。
この際小型燃焼設備用規定の排気規格が満たされる。
前提条件は、小粒で可及的に同形状の燃料の供給である。
当該ペレットは直径3mmから7mm、優先的には4mmから6mmとする。長さは5から45mmである。高い強度、塵芥がほぼ無い、耐水性を示し、計量が容易である。
当該ペレットは全自動ペレットオーブンまたは鍋内に連続的に投入されそこで調節されて燃焼する。
最適条件下で均一に可及的完全燃焼により、高い熱変換効率を有害物質排気を極小化して達成できる。
25MJ/kg以上さらに27MJ/kg以上の高熱量の場合には、結合材と燃焼加速剤特に壁紙用糊、草原草、藁、その他リグノセルロース含有バイオマスを投入する。
熱量25〜30MJ/kgの塵芥と対小型薪材ないしウッドチップまたはリグノセルロース含有バイオマスの概算比率は、81:19さらに85:15さらに優先的には89:11。
熱量22〜25MJ/kgの塵芥対対小型薪材ないしウッドチップまたはリグノセルロース含有バイオマスの概算比率は、87:13さらに90:10さらに93:7である
リグノセルロース含有バイオマスのシェア最大30%程度までは例えば壁紙糊で大体できる。
小型薪材ないしウッドチップまたは他のリグノセルロース含有バイオマスの水分は、12から14%でありえる。
当該粒子はこの際、2mmを超えず、さらに1.5mmより小さく、さらに1mmより小さくてもよい。
上記の各比率に従って、塵芥はセルロースとリグニン等価成分からなる泥炭とともにペレットに加工される。
泥炭はさらにセルロースとリグニン等価成分で単独にペレットに加工することができる。
当該塵芥とリグノセルロース含有添加剤ないし泥炭は共にまたは単独に集中的に、例えば、2mmのConidur(登録商標)排出篩があるブローノーズ製粉機で集中的に混合される。
圧縮圧力は100MPa以上、さらに120MPa以上または140MPa以上である。
圧縮温度は80℃で90℃を超えないほうが良い。
特に化石燃料由来ペレットに反して、ペレットの最も重要な改善は燃焼特性の向上により生じるもので、石炭灰の焼結進行、灰除去方法(原則として灰成分に対する)、燃焼プレートのサイズ領域にある。
【0251】
本発明による方法で生産された燃料から、特に有利であるのは本発明の実施例エネルギーが生産できる。本発明に従い生産された燃料の燃焼は、異なる装置での調製に応じて異なる。
ペレット形状の場合:燃料は原則としてペレットオーブン、ペレット槽または設置バーナーにより、さらに自動的燃料投入により実施される。原則として市販燃焼設備を用いてよい。燃焼特性改善のために、本発明に従う燃焼設備の次の部分を、燃焼特性の変化に適合できる。
【0252】
燃焼プレートの形状とサイズの灰成分に対する調節。灰成分は僅かなので、燃焼プレート直径が小さいほど燃焼が改善される。
【0253】
燃焼プレートへの焦げ付き防止のため、燃焼プレートからの灰除去用自動装置が推奨される。自然界にある石炭種特に褐炭由来の燃料ペレットより焦げ付きは原則として少ない。
【0254】
本発明による塵芥の燃焼は少なくとも1個の蒸気タービンがある石炭火力発電所で実施する。高効率加熱のために、600℃以上、優先的には650℃以上、特に優先的には700℃以上の高温度で燃焼される。
【0255】
さらに高温領域での効率性向上は今日の発電所技術で達成でき、可及的に高い、43%以上のまたは46%、または49%から55%の発電効率であるコンビ型ガス蒸気タービンプロセスで実現できる。
【0256】
コンビプロセスの利用のため、統合化石炭ガス化によるIGCC−コンセプト、優先的には流動床ファーネスなかでもコンビプロセスによる加圧定置型流動床ファーネス(DWSF)、特に優先的には圧力石炭塵芥ファーネス(DKSF)によるコジェネ発電所が適す。
【0257】
当該燃焼プロセスは、1000℃未満さらに1200℃未満さらに1400℃未満のガス投入温度を示す。
【0258】
高温ガス浄化は、粒子成分と腐蝕性物質成分、特にソーダとカリウム結合、さらに有害ガスを可及的に少なくして、燃焼排ガスが直接1個のガスタービンに、優先的には燃焼排ガスの低温度プラズマ特性を利用して、投入できるように、構成される。
【0259】
燃焼排ガス分離装置を用いて、dが3ミクロン未満の粒子成分で3mg/立方メートル(公称値)未満、塩基成分は0.01mg/立方メートル(公称値)以下にできる。
【0260】
本発明による方法で当該燃料特に塵芥から、電力ないしエネルギーを生産する追加的方法は、炭素燃料電池利用である。
【0261】
他のエネルギー担体またはエネルギー生産プロセスとの相乗効果は、エネルギー生産装置特にタービン、特にエネルギー生産用蒸気またはガスタービンの共用により実現できる。
【0262】
タービン特に蒸気またはガスタービンの共用が可能な再生可能エネルギーには、送出可能風力システム(DWPS)がある。この際、圧縮空気がエアシリンダー内で圧縮解除される。この圧縮空気は次に、追加的にもともと回転中のタービンに投入される。
【0263】
変換効率は、圧縮空気のもともと回転中のタービン内への投入により、20から200%、さらにから170%、さらに60から150%でも上昇する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオマスから生産される、原材料と比較して要素の百分率質量シェア(乾燥質量)にして1〜300%高い炭素を含有する材料または燃料。
【請求項2】
請求項1に記載の材料または燃料であって、当該材料または燃料がメイラードまたはメイラード類似反応生成物を含むことを特徴とする材料または燃料。
【請求項3】
少なくとも下記ステップを含む方法に従いバイオマスから生産される材料または燃料。
温度100℃以上圧力5bar以上、処理時間は少なくても1時間でバイオマスの処理、及び
バイオマスの加工または反応生成物、中間生成物、副産物または最終生成物の再処理。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の材料または燃料であって、当該材料または燃料が、次の燃焼特性関連変数のうち少なくとも1個、複数または全ての項目について、バイオマスないし代替化石燃料またはバイオマス燃料よりも少ない、または、環境により優しいことを特徴とする材料または燃料。削減された灰成分、より少ない塩素、硝酸塩、硫黄、重金属、さらに、埃、塵芥、および窒素酸化物と硫黄酸化物を含む気体状有害物質のより少ない排出。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の材料または燃料であって、反応生成物、中間生成物、副産物または最終生成物が、泥炭燃料、褐炭をはじめ石炭類似燃料、腐植質、メイラードまたはメイラード類似反応生成物、断熱材/ナノスポンジ/ナノボール/ナノファイバー/ナノケーブル/活性炭/吸着炭/グリル石炭代替材料/高圧縮炭素製品・素材等の炭素含有素材、および特にグラファイトおよびグラファイト類似またはグラファイト系製品からカーボンファイバーの原材料、さらに結合素材またはファイバー結合素材の原材料を含むことを特徴とする材料または燃料。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の材料または燃料であって、当該材料または燃料が乾燥質量に関して、原材料特にバイオマスの当初熱量の少なくとも65%以上を示すことを特徴とする材料または燃料。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の材料または燃料であって、その炭素含有率がバイオマスと比較して10〜300%、50〜300%、100〜300%または200〜300%だけ高いことを特徴とする材料または燃料。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の材料または燃料であって、その水素含有量がバイオマスと比較して1〜300%、5〜200%、または20〜100%だけ少ないことを特徴とする材料または燃料。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の材料または燃料で、その酸素含有量が原材料と比較して1〜300%、5〜200%または15〜100%だけ少ないことを特徴とするもの。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の材料または燃料であって、その窒素含有量が原材料と比較して1〜300%、5〜200%または15〜100%だけ少ないことを特徴とする材料または燃料。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の材料または燃料であって、当該材料または燃料がバイオマスないし代替固形化石燃料またはバイオマス燃料よりも高い反応性と、より低い自然引火温度を有することを特徴とする材料または燃料。
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載の材料または燃料であって、当該材料または燃料がその多孔性によりこれと匹敵する熱量ないし炭素含有量をもつ固形化石燃料より少ないエネルギーで粉砕可能であることを特徴とする材料または燃料。
【請求項13】
請求項1から12のいずれかに記載の材料または燃料であって、当該材料または燃料が、特に粒径が2ナノメーター〜50ミクロン、1ミクロン未満または200ナノメーター未満であることにより、大きい表面積と小さい粒径をもつことを特徴とする材料または燃料。
【請求項14】
請求項1から13のいずれかに記載の材料または燃料であって、バイオマスに比べてその炭素含有率が5〜200%、10〜150%または10〜120%、特に50〜100%だけ高いことを特徴とする材料または燃料。
【請求項15】
請求項1から14のいずれかに記載の材料または燃料であって、当該材料または燃料の炭素含有率が50〜90%、55〜80%、または98%以上となることを特徴とする材料または燃料。
【請求項16】
請求項1から15のいずれかに記載の材料または燃料であって、温度が160℃以上、160〜300℃、または185〜225℃に調節されることを特徴とする材料または燃料。
【請求項17】
請求項1から16のいずれかに記載の材料または燃料であって、圧力が少なくとも7bar、優先的には10〜34bar、10〜17bar、17〜26barまたは26〜34barに調節されることを特徴とする材料または燃料。
【請求項18】
請求項1から17のいずれかに記載の材料または燃料であって、処理時間が少なくとも2時間、3〜60時間、5〜30時間、30〜60時間、6〜12時間または12〜24時間に及ぶことを特徴とする材料または燃料。
【請求項19】
請求項1から18のいずれかに記載の材料または燃料であって、反応生成物が処理後に、1個の乾燥機、1個の対流式または接触式乾燥機、1個のフロードライヤーまたはベルトドライヤー、または1個の流動床式乾燥機で乾燥されることを特徴とする材料または燃料。
【請求項20】
請求項1から19のいずれかに記載の材料または燃料のバイオマス由来エネルギーの生産への利用。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−514881(P2010−514881A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−543568(P2009−543568)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【国際出願番号】PCT/IB2007/055341
【国際公開番号】WO2008/081407
【国際公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(509181574)
【出願人】(509181770)アンタコール リミテッド (2)
【Fターム(参考)】