説明

バインダー樹脂組成物

【課題】良好な低温流動性と塗膜性能を維持し、コストもより安価となるバインダー樹脂組成物を提供する。
【解決手段】
(a)メタロセン触媒の存在下に製造された分子量分布が3以下で、示差走査型熱量計により測定した融点が110〜140℃であるアイソタクチックポリプロピレン系ポリマーを、塩素含有率10〜40重量%まで塩素化した塩素化ポリオレフィン(I)と、チタン系触媒を用いて製造されたアイソタクチックポリプロピレン系ポリマーにカルボン酸およびカルボン酸無水物から選択される少なくとも一種の不飽和カルボン酸モノマーを1〜10重量%グラフトしたカルボキシル基含有ポリオレフィンを、塩素含有率10〜40重量%まで塩素化したカルボキシル基含有塩素化ポリオレフィン(II)を、重量比(I/II)5/95〜50/50の割合で混合した樹脂と、(b)有機溶剤からなり、固形分濃度が10〜50重量%のバインダー樹脂溶液組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリオレフィン系樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、エチレンプロピレン共重合物、エチレンプロピレンジエン共重合物などの保護又は美粧を目的として用いられるバインダー樹脂組成物に関し、更に詳しくはこれらのシートやフィルム及び成型物に対し優れた付着性や耐溶剤性等を示し、低温乾燥時においても付着性と耐溶剤性に優れ、且つ、安価となりうる、塗料、プライマー、印刷インキ、あるいは接着剤用のバインダー樹脂溶液に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にポリオレフィン系樹脂は比較的安価で、優れた性能、例えば、耐薬品性、耐水性、耐熱性等を有し、自動車部品、電気部品、建築資材、食品包装用等の材料として広い分野で使用されている。しかし、このような特徴を有しながらポリオレフィン系樹脂は結晶性、且つ非極性であるが故に塗装や接着を施すことが困難である。
【0003】
このような難接着性なポリオレフィン系樹脂の塗装や接着には、ポリオレフィン系樹脂に対して強い付着力を有する低塩素化ポリオレフィンが従来よりバインダー樹脂として使用されている。20〜40重量%まで塩素化した塩素化アイソタクチックポリプロピレンが、ポリプロピレンフィルムの印刷インキ用バインダー樹脂として提案されている(例えば、特許文献1参照)。20〜40重量%まで塩素化した塩素化プロピレン−エチレン共重合体が、ポリオレフィンに対する印刷インキや接着剤用のバインダー樹脂として提案されている(例えば、特許文献2,3参照)。
【0004】
また、カルボン酸及び/又はカルボン酸無水物を含有する塩素含有率が5〜50重量%の低塩素化プロピレン−α−オレフィン共重合体が、ポリオレフィン系成形品の塗装用プライマーやコーティング用のバインダー樹脂として提案されている(例えば、特許文献4,5参照)。
【0005】
一般に、上記の塩素化ポリオレフィン類は、塩素含有率が高くなるほどポリオレフィンに対する付着性や耐溶剤性が悪くなる傾向にあるため、塩素含有率はできるだけ低く設定するのが望ましい。しかしながら、塩素含有率が低すぎると溶液状態が悪くなり、保存中増粘したりゲル化するため、塗工やスプレ−塗装等の作業性が著しく悪くなる。また、低塩素化ポリオレフィンの塩素含有率を、塗工やスプレー塗装等の作業性が悪くならない範囲に設定したとしても、低温で保存した場合、溶液の流動性が悪くなり、冬期の低温時における取り扱い作業に大きな制限が加わる。低塩素化ポリオレフィンの溶液濃度を低くすれば低温流動性を改善することは可能であるが、濃度が低いとインキや塗料に加工する際、顔料分散が困難になったり、輸送コストが高くなる等の問題を生ずる。
【0006】
このような問題点を改良するために、脂環式炭化水素と芳香族炭化水素との混合溶剤に、低塩素化ポリオレフィンを溶解させて得られるバインダー樹脂溶液が良好な低温流動性を示すと提案されている(例えば、特許文献6参照)。
【0007】
しかし、このような混合溶剤を用いる場合、製造する際、工程上の手間がかかり、コスト高になる。また、例えば塗装用プライマー成分の一部として用いる場合、分散樹脂と混合した際、溶剤組成が変わることなどが原因となり、低温流動性が不良化するため、根本的な解決策とは言い難い。
【特許文献1】 特公昭46−27489号公報
【特許文献2】 特公昭50−35445号公報
【特許文献3】 特公昭50−37688号公報
【特許文献4】 特公昭63−50381号公報
【特許文献5】 特公昭63−36624号公報
【特許文献6】 特開平6−306227号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者等は、WO 03/2659号公報において、メタロセン触媒を用いて製造されたポリオレフィンを塩素化して得られる塩素含有率が10〜40重量%の塩素化ポリオレフィンを溶剤により10〜50重量%の固形分濃度に溶解させることで得られるバインダー樹脂溶液が、良好な低温流動性及び作業性を示し、且つポリオレフィンに対して優れた付着性と耐溶剤性を有することを見出した。しかしながら、耐ガソホール性に代表される、非常に厳しい耐溶剤性を満足させるには、無水マレイン酸変性が必須となり、コスト的には不利になる。そこで、高性能を維持しつつ、且つ安価なバインダー樹脂溶液組成物の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等はメタロセン触媒を用いて製造されたポリオレフィンを塩素化して得た、塩素含有率が10〜40重量%の塩素化ポリオレフィンと、従来のチタン系触媒を用いて製造されたカルボキシル基含有塩素化ポリオレフィンの混合物を重量比5/95〜50/50の割合で混合し、10〜50重量%の固形分濃度に溶解させることにより得られるバインダー樹脂溶液組成物が、混合の組合せを考慮することで、高性能を維持しつつ、且つ安価になることを見出し、上記課題を解決するに至った。
【0010】
本発明は、下記に示すとおりのバインダー樹脂溶液組成物を提供するものである。
項1. (a)メタロセン触媒の存在下に製造された分子量分布が3以下で、示差走査型熱量計により測定した融点が110〜140℃であるアイソタクチックポリプロピレン系ポリマーを、塩素含有率10〜40重量%まで塩素化した塩素化ポリオレフィン(I)と、チタン系触媒を用いて製造されたアイソタクチックポリプロピレン系ポリマーにカルボン酸およびカルボン酸無水物から選択される少なくとも一種の不飽和カルボン酸モノマーを1〜10重量%グラフトしたカルボキシル基含有ポリオレフィンを、塩素含有率10〜40重量%まで塩素化したカルボキシル基含有塩素化ポリオレフィン(II)を、重量比(I/II)5/95〜50/50の割合で混合した樹脂と、(b)有機溶剤からなり、固形分濃度が10〜50重量%のバインダー樹脂溶液組成物。
項2. (a)メタロセン触媒の存在下に製造された分子量分布が3以下で、示差走査型熱量計により測定した融点が110〜140℃であるアイソタクチックポリプロピレン系ポリマーを、塩素含有率10〜40重量%まで塩素化した塩素化ポリオレフィン(I)と、チタン系触媒を用いて製造されたアイソタクチックポリプロピレン系ポリマーを、塩素含有率10〜40重量%まで塩素化した塩素化ポリオレフィンに、カルボン酸およびカルボン酸無水物から選択される少なくとも一種の不飽和カルボン酸モノマーを1〜10重量%グラフトしたカルボキシル基含有塩素化ポリオレフィン(II)を、重量比(I/II)5/95〜50/50の割合で混合した樹脂と、(b)有機溶剤からなり、固形分濃度が10〜50重量%のバインダー樹脂溶液組成物。
項3.メタロセン触媒の存在下に製造されたアイソタクチックポリプロピレン系ポリマーがプロピレン・α−オレフィンアイソタクチックランダム共重合体であることを特徴とする項1〜2のいずれか1項に記載のバインダー樹脂溶液組成物。
項4. メタロセン触媒の存在下に製造されたアイソタクチックポリプロピレン系ポリマーがプロピレン・エチレンアイソタクチックランダム共重合体であることを特徴とする項1〜2のいずれか1項に記載のバインダー樹脂溶液組成物。
項5. メタロセン触媒の存在下に製造されたアイソタクチックポリプロピレン系ポリマーがアイソタクチックポリプロピレンであることを特徴とする項1〜2のいずれか1項に記載のバインダー樹脂溶液組成物。
項6. 項1〜5のいずれか1項に記載のバインダー樹脂組成物を有効成分とするポリオレフィンフィルム、シートまたは成型物用の塗料。
項7. 項1〜5のいずれか1項に記載のバインダー樹脂組成物を有効成分とするポリオレフィンフィルム、シートまたは成型物用のインキ。
項8. 項1〜5のいずれか1項に記載のバインダー樹脂組成物を有効成分とするポリオレフィンフィルム、シートまたは成型物用の接着剤。
項9. 項1〜5のいずれか1項記載のバインダー樹脂溶液組成物を有効成分とするポリオレフィン系のバンパー等の塗料用プライマー。
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
原料としても用いるメタロセン触媒を用いて製造されたポリオレフィンは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法により測定された分子量分布(Mw/Mn)が3以下、示差走査型熱量計により測定した融点(Tm)が110〜140℃の範囲にあることが好ましい。
【0013】
ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4メチルー1−ペンテン等を挙げることができる。これらのうちポリプロピレンが好ましい。
【0014】
ポリプロピレンとしてはプロピレンの単独重合体、あるいはプロピレンと他のα−オレフィンとのランダム共重合体等を使用することが出来るが、本発明ではプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体が特に好ましい。
【0015】
このようなプロピレン以外のα−オレフィンとしては、たとえばエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセン、4−メチルー1−ペンテンなどの炭素原子数2および4〜20のα−オレフィンが挙げられる。これらのα−オレフィンのうちではエチレンが好ましい。
【0016】
本発明で好ましく用いられるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、例えばα−オレフィンがエチレンの場合、プロピレンから導かれる構成単位含有量が85.7〜98.5モル%(90〜99重量%)、好ましくは88.5〜97.0モル%(92〜98重量%)、さらに好ましくは89.9〜95.6モル%(93〜97重量%)であり、エチレンから導かれる構成単位含有量が1.5〜14.3モル%(1〜10重量%)、好ましくは3.0〜11.5モル%(2〜8重量%)、さらに好ましくは4.4〜10.1モル%(3〜7重量%)である。
【0017】
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、135℃のデカリン中で測定される極限粘度[η]が0.1〜12dl/g、好ましくは0.3〜10dl/g、さらに好ましくは0.5〜5dl/gである。
【0018】
本発明で好ましく用いられるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求められる分子量分布(Mw/Mn)が3以下であり、好ましくは1〜2.7である。
【0019】
本発明で好ましく用いられるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体の示差走査計熱量計(DSC)により測定した融点(Tm)は、好ましくは110〜140℃、更に好ましくは120〜135℃の範囲にあるものである。この融点の測定条件は、サンプル約5mgを昇温速度30℃/分で室温から240℃まで昇温し、240℃で10分間保持し、次いで、降温速度10℃/分で30℃まで降温する。融点はピーク温度とする。
【0020】
この樹脂は、公知の範囲内であれば、メタロセン触媒を用いて製造することができる。また、市販されている日本ポリプロ株式会社製のエチレン・プロピレン・ランダム共重合体(商品名:ウインテック)などを用いることもできる。
【0021】
一方、従来のチタン系触媒を用いて製造されたポリオレフィンは、メルトフローレート(ASTM1238/230℃/2.16kg荷重)が0.1〜100g/分、好ましくは0.3〜60g/分である。ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4メチルー1−ペンテン等を挙げることができる。本発明ではこれらのうちポリプロピレンが好ましい。ポリプロピレンとしてはプロピレンの単独重合体、あるいはプロピレンと他のα−オレフィンとのランダム共重合体等を使用することができる。
【0022】
このようなプロピレン以外のα−オレフィンとしては、たとえばエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセン、4−メチルー1−ペンテンなどの炭素原子数2および4〜20のα−オレフィンが挙げられる。プロピレン成分の含有量は、50〜99モル%が、好ましく、50モル%未満では、ポリプロプレンへの付着性が劣る。
【0023】
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、135℃のデカリン中で測定される極限粘度[η]が0.1〜12dl/g、好ましくは0.3〜10dl/g、さらに好ましくは0.5〜5dl/gである。
【0024】
本発明で好ましく用いられるプロピレンの単独重合体、あるいはプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、メルトフローレート(ASTM1238/230℃/2.16kg荷重)が0.1〜100g/分、好ましくは0.3〜60g/分である。
【0025】
この樹脂は、公知の範囲内であれば、チタン系触媒を用いて製造することができる。また、市販されている三井化学株式会社製のポリプロピレン、エチレン・プロピレン・ランダム共重合体、エチレン・ブテン・プロピレン・ランダム共重合体(商品名:三井ノーブレン)、住友化学工業株式会社製のエチレン・プロピレン・ランダム共重合体(商品名:住友ノーブレン)などを用いることもできる。
【0026】
本発明に用いるメタロセン触媒の存在下に製造されたアイソタクチックポリプロピレン系ポリマーからなる、塩素化ポリオレフィンの塩素含有率は10〜40重量%が最適である。塩素含有率が10重量%未満では溶剤に対する溶解性が悪くなり、良好な付着性が得られない。また、塩素含有率が40重量%より高くなるとポリオレフィンに対する付着性や耐溶剤性が悪くなるため好ましくない。
【0027】
また、本発明に用いるカルボン酸及び/又はカルボン酸無水物を含有する従来のチタン系触媒を用いて製造されたアイソタクチックポリプロピレン系ポリマーからなる、カルボキシル基含有塩素化ポリオレフィンにおいても最適塩素含有率は10〜40重量%である。
【0028】
上記したポリオレフィンに不飽和カルボン酸モノマーをグラフト重合する方法は、ラジカル発生剤の存在下で、該ポリオレフィンを融点以上に加熱溶融して反応させる方法(溶融法)、該ポリオレフィンを有機溶剤に溶解させた後、ラジカル発生剤の存在下に加熱攪拌して反応させる方法(溶液法)等、公知の方法によって行うことができる。
【0029】
溶融法の場合には、バンバリーミキサー、ニーダー、押し出し機等を使用し、融点以上300℃以下の温度で反応させるので操作が簡便である上、短時間で反応できるという利点がある。一方溶液法においては反応溶剤としてトルエン、キシレン等の芳香族系溶剤を使うことが好ましい。反応温度は100〜180℃、反応時間は1時間から5時間であり、副反応が少なく、均一なグラフト重合物を得ることができるという特徴がある。
【0030】
反応に用いるラジカル発生剤としては、例えば、ジーtert−ブチルパーフタレート、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシピバレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジーtert−ブチルパーオキサイドのようなパーオキサイド類や、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソプロピオニトリル等のアゾニトリル類がある。
【0031】
また、グラフト反応に用いる不飽和カルボン酸及び/又はその無水物としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、アコニット酸、無水アコニット酸、無水ハイミック酸、等が例示される。
【0032】
不飽和カルボン酸及び/又はその無水物の含有量は1〜10重量%が最適である。1%未満では組成物中の極性基の含有率が少なくなりすぎて充分な接着性が得られず、10%を越えるものは塩素化の途中でゲル化する。
【0033】
上記したポリオレフィンの塩素化物に不飽和カルボン酸及び/又はその無水物をグラフト重合する方法は、上記した溶液法に準じて反応を行えば良いが、反応温度は60℃〜120℃が好ましい。温度が低すぎると反応の進行が遅くなり、温度が高すぎると塩素化ポリオレフィンが分解するため好ましくない。また、不飽和カルボン酸及び/又はその無水物の含有量は1〜10重量%が最適である。1重量%未満では組成物中の極性基の含有率が少なくなりすぎて充分な接着性が得られず、10重量%を超えるものは反応途中でゲル化する。
【0034】
ポリオレフィンの塩素化は、公知の方法で製造することができる。その製造法の一例としては、ポリオレフィン系樹脂を溶解させ、必要であれば熱分解により変性したポリオレフィンの溶解樹脂をラジカル発生剤の存在下に、不飽和カルボン酸及び/又はその無水物で変性した後、塩素化反応溶媒中に溶解し、触媒の存在下、又は紫外線の照射下において、常圧又は加圧下に50〜150℃の温度で塩素ガスを吹き込み、反応させて得ることができる。
【0035】
塩素化反応に用いられるラジカル発生剤としては、例えばtert−ブチルパーオキシー2−エチルヘキサノエート、ジーtert−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジラウリルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシイソブチレートのようなパーオキサイド類や、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソプロピオニトリル等のアゾニトリル類がある。
【0036】
本発明に使用の塩素化反応溶剤としてはハロゲン化溶剤、例えばハロゲン化炭化水素、テトラクロロエチレンが使用されるが、特にクロロホルムが好適である。
本発明のバインダー樹脂溶液を製造する場合、上記した塩素化ポリオレフィン類を乾固した後、溶剤に溶解しても良いが、塩素化反応溶媒を留去し、溶剤と置換しても良い。
【0037】
本発明の塩素化ポリオレフィン類の安定剤としては、エポキシ化合物が好ましい。特に、1分子当り1個のエポキシ基を有する化合物及び/又はその樹脂としては、塩素化ポリオレフィン類と相溶性の良いものが好ましく、例えば、フェニルグリシジルエーテル、2−メチルフェニルグリシジルエーテル、tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、4−クロロフェニルグリシジルエーテル、4−メトキシフェニルグリシジルエーテル、2−ビフェニルグリシジルエーテル、1−ナフチルグリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、tert−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルグリシジルエーテル、等があり、これらの1種あるいは2種以上を混合して使用するとその効果が更に良くなる。
【0038】
塩素化ポリオレフィン類と1分子当り1個のエポキシ基を有する化合物及び/又はその樹脂との配合比は、重量部比で、100:0.1〜50の範囲が望ましい。これは、エポキシ基を含有する化合物及び/又はその樹脂が上記0.1以下では安定剤効果が十分ではなく、50を越えるとポリオレフィン系樹脂の成型品及びフィルムに対する付着性が低下するためである。
【0039】
該バインダー樹脂溶液の固形分濃度は10〜50重量%が好ましい。10重量%未満ではインキや塗料に加工する際、顔料分散が困難になったり、輸送コストが高くなる等の問題が生ずる。50重量%を超えると低温流動性が悪くなり、冬期の低温時における取り扱い作業に大きな制限が加わるため好ましくない。
【0040】
本発明に係わる塗料組成物に用いられる溶剤は、トルエン、キシレン等の芳香族系有機溶剤が最も好ましが、塩素化ポリオレフィン類の溶解性が損なわない範囲で、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、エタノール、2−プロパノール、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶剤、ヘプタン、n−ヘキサン等の脂肪族系溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式系溶剤、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル系溶剤等から選ばれる1種あるいは2種以上を、混合使用しても差し支えない。
【0041】
本発明の特徴とするところは、ポリオレフィン類に対し付着性が良好な低塩素化ポリオレフィン付着性を維持しつつ、且つ安価となるバインダー樹脂溶液を提供することである。
【0042】
メタロセン触媒を用いて製造されたポリオレフィンを塩素化して得た塩素含有率が10〜40重量%の塩素化ポリオレフィンを製造することと比較し、カルボキシル基含有塩素化ポリオレフィンを製造する場合、原材料として不飽和カルボン酸モノマーが必須となる、また、カルボキシル基を導入するための作業工程が必要になり、カルボキシル基含有塩素化ポリオレフィンは、コスト高となる。
【0043】
ここで言う、安価とは、コスト高だが、付着性の良いカルボキシル基含有塩素化ポリオレフィンに対し、付着性を維持する範囲で、作業工程数の少ない、言い換えれば、安価なメタロセン触媒を用いて製造されたポリオレフィンを塩素化して得た塩素含有率が10〜40重量%の塩素化ポリオレフィンを混合することで、バインダー樹脂としてのコストを安価にできるということである。具体的には、必要となる性能を十分に吟味し、混合割合を検討した結果、性能を維持する範囲内で、メタロセン触媒を用いて製造されたポリオレフィンを塩素化して得た塩素含有率が10〜40重量%の塩素化ポリオレフィンの混合量が多いほど、当然、バインダー樹脂としてのコストは安価になる。
【0044】
本発明のバインダー樹脂組成物はポリオレフィンフィルムやシート及び成形物等の塗料やインキ、接着剤、及びヒートシール剤等のバインダー樹脂として使用できる。また、ポリオレフィン系のバンパー塗料用プライマーとしても使用できる。
【0045】
本発明のバインダー樹脂組成物は、そのままコーティングして用いても良いが、顔料、溶剤、その他の添加剤を加え混錬、分散し、塗料やインキとして用いることができる。また、該バインダー樹脂はそれだけでバランスのとれた塗膜物性を示すが、必要であれば、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルポリオール、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリオール、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルポリオール、ポリウレタン樹脂、塩素化ポリオレフィン等を更に添加して用いても良い。
【発明の効果】
【0046】
本発明のバインダー樹脂溶液は、良好な低温流動性及び作業性を示し、且つポリオレフィンに対して優れた付着性と耐溶剤性を有する。そして、その高性能を維持しつつ、且つ安価なバインダー樹脂溶液組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0048】
製造例1 メタロセン触媒を用いて製造されたポリオレフィンの製造
充分に窒素置換した2L容量のオートクレーブに、ヘキサンを900ml仕込み、トリイソブチルアルミニウムを1ミリ重量加え、70℃に昇温した後、プロピレンとエチレンとを供給して全圧0.7MPaにし、メチルアルミノキサン0.30ミリ重量、rac−ジメチルシリレンービス{1−(2−メチルー4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリドをZr原子に換算して0.001ミリ重量加え、プロピレンとエチレンを連続的に供給して全圧を0.71MPaに保ちながら30分間重合を行った。重合後、脱気して大量のメタノール中でプロピレン・エチレンランダム共重合体を回収し、110℃で12時間減圧乾燥した。
このようにして、メルトフローレート(ASTM1238/230℃/2.16kg荷重)=10g/10分、エチレン含量4.0モル%(2.7重量%)、Mw/Mn=2.5、Tm=131℃のプロピレン・エチレンランダム共重合体を得た。(以下、PE−1という)
【0049】
製造例2 チタン系触媒を用いて製造されたポリオレフィンの製造
製造例1の方法に準じ、チタン系触媒を用いてアイソタクチックポリプロピレン系ポリマーを製造し、メルトフローレート(ASTM1238/230℃/2.16kg荷重)=0.6g/10分、Mw/Mn=5.4、Tm=165℃のアイソタクチックポリプロピレンを得た(以下PP−1という)。
【0050】
製造例3 チタン系触媒を用いて製造されたポリオレフィンの製造
製造例1の方法に準じ、チタン系触媒を用いてアイソタクチックポリプロピレン系ポリマーを製造し、メルトフローレート(ASTM1238/230℃/2.16kg荷重)=55g/10分、Mw/Mn=4.6、Tm=135℃のプロピレン−エチレン−ランダムコポリマー(エチレン含量=5.9モル%(4.0重量%)を得た(以下、PE−2)。
【0051】
製造例4 チタン系触媒を用いて製造されたポリオレフィンの製造
製造例1の方法に準じ、チタン系触媒を用いてアイソタクチックポリプロピレン系ポリマーを製造し、メルトフローレート(ASTM1238/230℃/2.16kg荷重)=3.6g/10分、Mw/Mn=3.5、Tm=130℃のエチレン−プロピレンーブテン三元ランダムコポリマー(エチレン含量=4.0モル%(2.7重量%)、ブテン含量=2.5モル%(3.3重量%))を得た(以下、PEB−1)。
【0052】
製造例5 メタロセン触媒を用いて製造されたポリオレフィンからなる塩素化ポリオレフィンの製造
上記PE−1 280g及びクロロホルム2520gを攪拌器を取り付けたオートクレーブ中に加え、窒素置換を約5分間行った後、110℃に加熱し樹脂を充分に溶解させた。次いでtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.4gを加え、塩素ガスを吹き込み、塩素含有率が異なる3種類の反応液を抜き取った。反応溶媒であるクロロホルムを減圧下で留去し、次いでトルエンを加えて溶解させることで、固形分が20重量%であり、塩素含有率が15重量%、20重量%、25重量%の塩素化ポリオレフィンのトルエン溶液を得た(以下、PE−1−15、PE−1−20、PE−1−25)。安定剤として、フェニルグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製、商品名:デナコールEX−141)を対樹脂で、3重量%添加した。表1に各種分析結果を示す。
【0053】
製造例6 チタン系触媒を用いて製造されたポリオレフィンからなるカルボキシル基含有塩素化ポリオレフィンの製造
PP−1を280g、無水マレイン酸16.8g、ジーtert−ブチルパーオキシド5.6g及びトルエン420gを攪拌器を取り付けたオートクレーブ中に加え、窒素置換を約5分行った後、加熱攪拌しながら140℃で5時間反応を行った。反応終了後、反応液を大量のメチルエチルケトン中に投入し樹脂を析出させた。この樹脂を更にメチルエチルケトンで数回洗浄し、未反応の無水マレイン酸を除去した。減圧乾燥後、得られた無水マレイン酸変性ポリプロピレンを製造例5の方法に準じ塩素化反応を行い、塩素含有率が15重量%、20重量%、25重量%であり、固形分が20重量%の無水マレイン酸変性塩素化ポリオレフィンのトルエン溶液を得た(以下PP−1−15、PP−1−20、PP−1−25)。安定剤として、フェニルグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製、商品名:デナコールEX−141)を対樹脂で、3重量%添加した。表1に各種分析結果を示す。
【0054】
製造例7 チタン系触媒を用いて製造されたポリオレフィンからなるカルボキシル基含有塩素化ポリオレフィンの製造
PE−2を製造例6の方法に準じ反応を行い、塩素含有率が15重量%、20重量%、25重量%であり、固形分が20重量%の無水マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンのトルエン溶液を得た(以下PE−2−15、PE−2−20、PE−2−25)。安定剤として、フェニルグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製、商品名:デナコールEX−141)を対樹脂で、3重量%添加した。表1に各種分析結果を示す。
【0055】
製造例8 チタン系触媒を用いて製造されたポリオレフィンからなるカルボキシル基含有塩素化ポリオレフィンの製造
PEB−1を製造例6の方法に準じ反応を行い、塩素含有率が15重量%、20重量%、25重量%であり、固形分が20重量%の無水マレイン酸変性塩素化ポリオレフィンのトルエン溶液を得た(以下PEB−1−15、PEB−1−20、PEB−1−25)。安定剤として、フェニルグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製、商品名:デナコールEX−141)を対樹脂で、3重量%添加した。
【0056】
表1に各種分析結果を示す。
【表1】

なお、表1において、塩素含量・無水マレイン酸含量は対不揮発分の数値である。重量平均分子量は標準ポリスチレンを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定結果である。TmはDSC測定結果である、ピークが2つある場合併記している、ピークが認められない場合『なし』としている。
【0057】
実施例1
対不揮発分の重量比が、90/10、75/25、50/50になるように、PE−1−15、PE−1−20およびPE−1−25に対し、PP−1−15、PP−1−20およびPP−1−25を混合した。
【0058】
実施例2
対不揮発分の重量比が、90/10、75/25、50/50になるよう、PE−1−15、PE−1−20およびPE−1−25に対し、PE−2−15、PE−2−20およびPE−2−25を混合した。
【0059】
実施例3
対不揮発分の重量比が、90/10、75/25、50/50になるように、PE−1−15、PE−1−20およびPE−1−25に対し、PEB−1−15、PEB−1−20およびPEB−1−25を混合した。
【0060】
比較例1
PE−1−15、PE−1−20およびPE−1−25を用いた。
【0061】
比較例2
PP−1−15、PP−1−20およびPP−1−25を用いた。
【0062】
比較例3
PE−2−15、PE−2−20およびPE−2−25を用いた。
【0063】
比較例4
PEB−1−15、PEB−1−20およびPEB−1−25を用いた。
【0064】
(1) 低温流動性:
実施例1,2,3、比較例1〜4で得たバインダー樹脂溶液を5℃、−5℃、−10℃の雰囲気下で10日間保存した各塩素化ポリオレフィン溶液の溶液状態(低温流動性)を表1に示した。表中、○は「流動性あり」を示し、×は「流動性なし(ゲル化)」を示す。
【0065】
(2) 耐ガソリン性:
実施例1,2,3、比較例1〜4で得たバインダー樹脂溶液の中で表1の−5℃保存時における低温流動性が良好だったものを、フォードカップ#4で12秒/20℃になるようにトルエンで粘度調整を行い、イソプロピルアルコールで洗浄したポリプロピレン板(三井ノーブレンSB−E3を定法によりプレス成形したもので、100mm×50mm、厚さ2mm)にスプレー塗装し、80℃で10分間乾燥した。続いて2液硬化型ウレタン塗料を膜厚が50〜60g/mになるようにスプレー塗装し、約10分間室温で乾燥後、続いて80℃で45分間乾燥した。室温に戻して24時間経過したものをテストした。塗装したポリプロピレン板の塗面上に素地に達するスクラッチを入れ、20℃に保温したレギュラーガソリンに2時間浸漬し、塗膜の状態を調べた。結果を表2に示した。
【0066】
(3) 層間密着性:
実施例1,2,3、比較例1〜4で得たバインダー樹脂溶液の中で表1の−5℃保存時における低温流動性が良好だったものを、(2)の方法で塗装したポリプロピレン板の塗面上に1mm間隔で素地に達する100個のマス目を作り、その上にセロハンテープを圧着させて塗面に対して90度の角度で引き剥がし、マス目の残存数を調べた。結果を表2に示した。
【0067】
(4) 耐温水浸漬後の層間密着性:
実施例1,2,3、比較例1〜4で得たの中で表1の−5℃保存時における低温流動性が良好だったものを、(2)の方法で塗装したポリプロピレン板を40℃に保った温水中に240時間浸漬し、(3)と同様の方法で評価した。結果を表2および表3に示した。
【0068】
(5) 耐ガソホール性:
実施例1,2,3、比較例1〜4で得たバインダー樹脂溶液の中で表1の−5℃保存時における低温流動性が良好だったものを、(2)の方法で塗装したポリプロピレン板を20℃に保温したガソホール(レギュラーガソリン:エタノール=90:10(重量比))中に120分間浸漬し、塗膜状態を調べた。結果を表4に示した。
【0069】
【表2】

【0059】
【表3】

【0070】
【表4】

【0071】
表2および表3の結果から、従来のチタン系触媒を用いて製造されたカルボキシル基含有塩素化ポリオレフィン(比較例2〜4)にメタロセン触媒を用いて製造されたポリオレフィンを塩素化して得た塩素化ポリオレフィン(比較例1)を混合することで、低温流動性が改善されることがわかる。特に、メタロセン触媒を用いて製造されたポリオレフィンを塩素化して得た塩素化ポリオレフィンの塩素含量が高く、その配合量も多い場合、低温流動性の改善効果も大きい。また、その場合、バインダー樹脂としてのコストもより安価となる。
【0072】
表4の結果から、従来のチタン系触媒を用いて製造されたカルボキシル基含有塩素化ポリオレフィン(比較例2〜4)にメタロセン触媒を用いて製造されたポリオレフィンを塩素化して得た塩素化ポリオレフィン(比較例1)を混合することで、塗膜性能試験結果が向上するケースのあることがわかる。実施例2および3において、その結果が良好になるケースが多い。特に、実施例3においては、メタロセン触媒を用いて製造されたポリオレフィンを塩素化して得た塩素化ポリオレフィンの配合量が多いケースにおいても、塗膜性能試験結果が良好なことがわかる。また、その場合、バインダー樹脂としてのコストもより安価となる。
【0073】
以上の結果より、本発明のバインダー樹脂組成物が、良好な低温流動性と塗膜性能を維持し、コストもより安価となることから、非常に有用なことがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)メタロセン触媒の存在下に製造された分子量分布が3以下で、示差走査型熱量計により測定した融点が110〜140℃であるアイソタクチックポリプロピレン系ポリマーを、塩素含有率10〜40重量%まで塩素化した塩素化ポリオレフィン(I)と、チタン系触媒を用いて製造されたアイソタクチックポリプロピレン系ポリマーにカルボン酸およびカルボン酸無水物から選択される少なくとも一種の不飽和カルボン酸モノマーを1〜10重量%グラフトしたカルボキシル基含有ポリオレフィンを、塩素含有率10〜40重量%まで塩素化したカルボキシル基含有塩素化ポリオレフィン(II)を、重量比(I/II)5/95〜50/50の割合で混合した樹脂と、(b)有機溶剤からなり、固形分濃度が10〜50重量%のバインダー樹脂溶液組成物。
【請求項2】
(a)メタロセン触媒の存在下に製造された分子量分布が3以下で、示差走査型熱量計により測定した融点が110〜140℃であるアイソタクチックポリプロピレン系ポリマーを、塩素含有率10〜40重量%まで塩素化した塩素化ポリオレフィン(I)と、チタン系触媒を用いて製造されたアイソタクチックポリプロピレン系ポリマーを、塩素含有率10〜40重量%まで塩素化した塩素化ポリオレフィンに、カルボン酸およびカルボン酸無水物から選択される少なくとも一種の不飽和カルボン酸モノマーを1〜10重量%グラフトしたカルボキシル基含有塩素化ポリオレフィン(II)を、重量比(I/II)5/95〜50/50の割合で混合した樹脂と、(b)有機溶剤からなり、固形分濃度が10〜50重量%のバインダー樹脂溶液組成物。
【請求項3】
メタロセン触媒の存在下に製造されたアイソタクチックポリプロピレン系ポリマーがプロピレン・α−オレフィンアイソタクチックランダム共重合体であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載のバインダー樹脂溶液組成物。
【請求項4】
メタロセン触媒の存在下に製造されたアイソタクチックポリプロピレン系ポリマーがプロピレン・エチレンアイソタクチックランダム共重合体であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載のバインダー樹脂溶液組成物。
【請求項5】
メタロセン触媒の存在下に製造されたアイソタクチックポリプロピレン系ポリマーがアイソタクチックポリプロピレンであることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載のバインダー樹脂溶液組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のバインダー樹脂組成物を有効成分とするポリオレフィンフィルム、シートまたは成型物用の塗料。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のバインダー樹脂組成物を有効成分とするポリオレフィンフィルム、シートまたは成型物用のインキ。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のバインダー樹脂組成物を有効成分とするポリオレフィンフィルム、シートまたは成型物用の接着剤。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれか1項記載のバインダー樹脂溶液組成物を有効成分とするポリオレフィン系のバンパー等の塗料用プライマー。

【公開番号】特開2006−104431(P2006−104431A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−324294(P2004−324294)
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【出願人】(000222554)東洋化成工業株式会社 (52)
【Fターム(参考)】