バケットエレベータによる立坑掘削土排出装置及び立坑掘削土排出方法
【課題】 掘削面の沈下に伴って漸次ケーシングを降下しながら掘削土を排出し、立坑完成後の水平空間施工の掘削土も排出可能なバケットエレベータによる掘削土排出装置を提供すること。
【解決手段】 地上に設置されるヘッドケーシングと、下端部が立坑内掘削面近傍に位置するテールケーシングとを具備し、上記テールケーシングと上記ヘッドケーシング間を循環するチェンを設け、上記チェンに複数のバケットを取付け、上記テールケーシングの投入口から投入される掘削土を上記ヘッドケーシングまで搬送し排出する掘削土排出装置であって、バケットが取り付けられたチェンを有する中間ケーシングを複数設け、立坑の掘削による掘削面の沈下が進行すると、上記ヘッドケーシングと上記テールケーシングとの間に上記中間ケーシングを連結していくことで、上記テールケーシングを漸次降下させながら、上記バケットにより立坑掘削に伴う掘削土を排出し得るように構成する。
【解決手段】 地上に設置されるヘッドケーシングと、下端部が立坑内掘削面近傍に位置するテールケーシングとを具備し、上記テールケーシングと上記ヘッドケーシング間を循環するチェンを設け、上記チェンに複数のバケットを取付け、上記テールケーシングの投入口から投入される掘削土を上記ヘッドケーシングまで搬送し排出する掘削土排出装置であって、バケットが取り付けられたチェンを有する中間ケーシングを複数設け、立坑の掘削による掘削面の沈下が進行すると、上記ヘッドケーシングと上記テールケーシングとの間に上記中間ケーシングを連結していくことで、上記テールケーシングを漸次降下させながら、上記バケットにより立坑掘削に伴う掘削土を排出し得るように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立坑掘削時等の掘削土等を地下から地上に搬送するためのバケットエレベータに関し、特に立坑掘削時に沈下して行く掘削面に合わせて漸次下降可能なバケットエレベータによる立坑掘削土排出装置及びその排出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、立坑掘削に際して発生する掘削土を排出する装置としては、地上の機枠に水平方向に走行可能な台車を設け、上記台車に設けられたチェーンホイールに複数のバケットが設けられた無端チェンを巻回し、当該チェンを立坑内に垂下してチェン下端を立坑の地底近傍に位置させ、立坑掘削土を当該チェンのバケットにて地上に搬出し、立坑の掘削による地底の深下に伴って、上記台車を立坑側に水平移動させ、チェンの下端を降下させて上記深下した上記地底に適合させる装置が提案されている(特許文献1)。
【0003】
また、立坑の開口上方の地上にクレーン等の吊下げ装置を固設し、当該クレーン先端から立坑内に、下端に掘削土排出用の単一のバケットを取り付けたロープを垂下し、立坑掘削土を当該バケットにて地上に搬出し、立坑の掘削によって地底の深下に伴って、当該ロープを下降させて行く装置が提案されている(特許文献2)。
【0004】
また、大深度の立坑の掘削土を排出する装置としては、立坑に複数の垂直搬送用ベルトコンベアを設け、これらのコンベア間を水平方向の水平小コンベアにて接続し、各垂直コンベアを水平小コンベアにて中継することで大深度の立坑の掘削土の排出を可能とした装置が提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭56−56406号公報
【特許文献2】特開平8−319790号公報
【特許文献3】特開2007−56475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記特許文献1の装置では、バケットエレベータの最下到達点が走行台車の水平移動距離に依存するため、大深度の立坑には対応し難いという課題がある。また、水平移動レールを設ける必要性から地上において水平移動レールを含む機枠の多大な設置スペースが必要とされるという課題もある。
【0007】
上記特許文献2の装置では、単一のバケットにて掘削土を排出するものであるため、掘削土の排出能力が低く、例えば立坑完成後、立坑地底から水平方向への地下空間(トンネル)施工に伴って発生する大量の掘削土の排出には適用できないとの課題がある。
【0008】
上記特許文献3の装置は、立坑掘削後における立坑地底から水平方向への大深度地下空間の掘削土の排出装置の開示はあるが、大深度立坑の完成までの掘削土の排出についての開示はない。
【0009】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、立坑の掘削途中における掘削土を効率的に排出し得ると共に、立坑完成後の水平地下空間(トンネル)の掘削土も引き続いて排出することができるバケットエレベータによる掘削土排出装置及びこの排出装置を用いた掘削土排出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため本発明は、
第1に、地上の機枠に設置されるヘッドケーシングと、該ヘッドケーシングに接続され少なくとも下端部が立坑内の掘削面又は掘削面近傍に位置するテールケーシングとを具備し、これらケーシング内において上記テールケーシングと上記ヘッドケーシングとの間を循環しながら回動する循環チェンを設け、上記循環チェンに複数のバケットを取付け、上記テールケーシングの投入口から投入される掘削土を上記バケットにて上記ヘッドケーシングまで搬送し、上記ヘッドケーシングの掘削土排出部にて上記掘削土を排出する動作を循環して行うバケットエレベータによる立坑掘削土排出装置であって、ケーシング内部にバケットが取り付けられた連結用チェンを具備する上下開口の中間ケーシングを複数個設け、上記立坑の掘削による掘削面の沈下が所定深さ進行すると、上記ヘッドケーシングと上記テールケーシングとをケーシング内部の上記循環チェン共々分離すると共に、分離後の上記テールケーシングを機枠に設けたウインチにて吊上げて、上記テールケーシングを上記ウインチにより上記掘削面の沈下に対応した距離だけ降下し得るように構成し、上記テールケーシングの上記降下により分離した上記テールケーシングと上記ヘッドケーシングとの間に上記中間ケーシングを接続すると共に、上記中間ケーシング内の上記連結用チェンを上記ヘッドケーシング側及び上記テールケーシング側の上記循環チェンに各々連結して上記中間ケーシング内の上記バケットが上記ケーシング内を循環し得るように構成し、上記掘削面の沈下に対応して上記接続した上記中間ケーシングと上記ヘッドケーシングとの間に、新たな上記中間ケーシングを上記既に接続した上記中間ケーシングと同様に順次接続して行くことで、上記テールケーシングを漸次降下させながら、上記バケットにより立坑掘削に伴う掘削土を排出し得るように構成したものであることを特徴とするバケットエレベータによる立坑掘削土排出装置により構成される。
【0011】
上記テールケーシングは、テールケーシング(6)により構成することができるが、上記テールケーシング(6)に中間ケーシング(4)が接続された状態も含む概念である。このように構成すると、立坑掘削に伴う掘削面の沈下に伴って、バケットエレベータにて立坑掘削土を排出しながら、当該バケットエレベータを立坑内の掘削面に向って構築していくことができ、立坑の完成後は、立坑の地上から地底の最終掘削面に至るバケットエレベータが完成しているので、立坑地底から水平地下空間施工に伴う掘削土の排出にもそのまま使用することができる。
【0012】
第2に、上記中間ケーシングの上記連結用チェンは、上記循環チェンに連結されるまでは上記中間ケーシング内に係止されているものであることを特徴とする上記第1記載のバケットエレベータによる立坑掘削土排出装置により構成される。
【0013】
従って、中間ケーシング内の連結用チェンは、他のケーシングの循環チェンに接続されるまでの間、中間ケーシング内にて支持されており、中間ケーシングから脱落することはない。
【0014】
第3に、上記中間ケーシングは、そのケーシング側面に窓が形成されており、当該窓にケーシング内部の上記連結用チェンが臨むように構成されているものであることを特徴とする上記第1又は2記載のバケットエレベータによる立坑掘削土排出装置により構成される。
【0015】
従って、上記中間ケーシングの窓を介してチェンの分離、連結を容易に行うことができる。
【0016】
第4に、地上の機枠に設置されるヘッドケーシングと、該ヘッドケーシングに接続され少なくとも下端部が立坑内の掘削面又は掘削面近傍に位置するテールケーシングとを具備し、これらケーシング内において上記テールケーシングと上記ヘッドケーシングとの間を循環しながら回動する循環チェンを設け、上記循環チェンに複数のバケットを取付け、上記テールケーシングの投入口から投入される掘削土を上記バケットにて上記ヘッドケーシングまで搬送し、上記ヘッドケーシングの掘削土排出部にて上記掘削土を排出する動作を循環して行うバケットエレベータによる立坑掘削土排出方法であって、ケーシング内部にバケットが取り付けられた連結用チェンを具備する上下開口の中間ケーシングを複数個設け、上記立坑の掘削による掘削面の沈下が所定深さ進行すると、上記ヘッドケーシングと上記テールケーシングとをケーシング内部の上記循環チェン共々分離すると共に、分離後の上記テールケーシングを機枠に設けたウインチにて吊上げて、上記テールケーシングを上記ウインチにより上記掘削面の沈下に対応した距離だけ降下し、上記テールケーシングの上記降下により分離した上記テールケーシングと上記ヘッドケーシングとの間に上記中間ケーシングを接続すると共に、上記中間ケーシング内の上記連結用チェンを上記ヘッドケーシング側及び上記テールケーシング側の上記循環チェンに各々連結して上記中間ケーシング内の上記バケットが上記ケーシング内を循環し得るように構成し、上記掘削面の沈下に対応して上記接続した上記中間ケーシングと上記ヘッドケーシングとの間に、新たな上記中間ケーシングを上記既に接続した上記中間ケーシングと同様に順次接続して行くことで、上記テールケーシングを漸次降下させながら、上記バケットにより立坑掘削に伴う掘削土を排出して行くことを特徴とするバケットエレベータによる立坑掘削土排出方法により構成される。
【0017】
上記テールケーシングは、テールケーシング(6)により構成することができるが、上記テールケーシング(6)に中間ケーシング(4)が接続された状態も含む概念である。このように構成すると、立坑掘削に伴う掘削面の沈下に伴って、バケットエレベータにて立坑掘削土を排出しながら、当該バケットエレベータを立坑内の掘削面に向って構築していくことができ、立坑の完成後は、立坑の地上から地底の最終掘削面に至るバケットエレベータが完成しているので、立坑地底から水平地下空間施工に伴う掘削土の排出にもそのまま使用することができる。
【0018】
第5に、上記中間ケーシングの上記連結用チェンは、上記循環チェンに連結されるまでは上記中間ケーシング内に係止されていることを特徴とする上記第4記載のバケットエレベータによる立坑掘削土排出方法により構成される。
【0019】
従って、中間ケーシング内の連結用チェンは、他のケーシングの循環チェンに接続されるまでの間、中間ケーシング内にて支持されており、中間ケーシングから脱落することはない。
【0020】
第6に、上記中間ケーシングは、そのケーシング側面に窓が形成されており、当該窓にケーシング内部の上記連結用チェンが臨むように構成されており、当該窓を介して上記ケーシング内部のチェンの分離連結を行うことを特徴とする上記第4又は5記載のバケットエレベータによる立坑掘削土排出方法により構成される。
【0021】
従って、上記中間ケーシングの窓を介してチェンの分離、連結作業を容易に行うことができる。
【0022】
第7に、上記第4〜6の何れかに記載のバケットエレベータによる立坑掘削土排出方法において、上記立坑の掘削が終了し、地上から立坑地底までのバケットエレベータが完成した後、上記立坑地底から横穴を掘削することによる掘削土を完成した上記バケットエレベータによって排出することを特徴とするバケットエレベータによる立坑掘削土排出方法により構成される。
【0023】
よって、立坑掘削終了後、立坑地底から横穴の掘削に伴う掘削土は、既に完成しているバケットエレベータを使用して地上に円滑に排出することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、立坑掘削に伴う掘削面の沈下に伴って、バケットエレベータにて立坑掘削土を排出しながら、当該バケットエレベータを立坑内の最終掘削面に向って構築していくことができ、立坑の完成後は、立坑の地上から地底の掘削面に至るバケットエレベータが完成しているので、例えば立坑地底から水平地下空間施工に伴う掘削土の排出にもそのまま使用することができる。
【0025】
また、立坑掘削面の沈下に従って、中間ケーシングを順次連結していくものであるから、どのような深度の立坑にも適用することができ、大深度の立坑においても対応が可能である。
【0026】
また、複数のバケットの循環により大量の掘削土を排出することができ、立坑掘削土の排出だけでなく、立坑掘削後の水平方向への地下空間の施工に伴って発生する大量の掘削土の排出にも適用することができる。
【0027】
また、立坑の完成時には立坑の地上から地底の最終掘削面に至るバケットエレベータが完成しているため、立坑掘削後の水平方向への地下空間の施工に伴う掘削土の排出にもそのまま適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係るバケットエレベータによる立坑掘削土排出装置のケーシング内部の一部を透視した状態の側面図である。
【図2】同上排出装置のケーシング内部の一部を透視した状態の正面図である。
【図3】同上排出装置の中間ケーシングを接続した状態であってケーシング内部の一部を透視した状態の正面図である。
【図4】同上排出装置の複数の中間ケーシングを接続した状態であってケーシング内部の一部を透視した状態の正面図である。
【図5】同上排出装置の中間ケーシングの接続部の概略拡大側面図である。
【図6】同上排出装置の中間ケーシングの接続部の斜視図である。
【図7】同上排出装置の中間ケーシングの接続部の斜視図である。
【図8】同上排出装置のチェンの連結状態を示す当該チェンの斜視図である。
【図9】同上排出装置の接続用の中間ケーシングの概略斜視図である。
【図10】同上排出装置の接続用の中間ケーシングの斜視図である。
【図11】(a)は同上排出装置の連結用チェンの係止状態を示す当該チェン上端近傍の横断面図、(b)は同上排出装置の連結用チェンの係止状態を示す当該チェン上端近傍の縦断面図((a)のX−X線断面図)である。
【図12】同上排出装置の中間ケーシングを連結部に移動した状態を示す基礎水平機枠近傍の斜視図である。
【図13】同上排出装置の中間ケーシングを連結部において接続する状態を示す基礎水平機枠近傍の斜視図である。
【図14】同上バケットエレベータによる立坑掘削土排出方法の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る掘削土排出装置について詳細に説明する。
【0030】
図1、図2において、Gは地面(グランドレベル)、1は掘削途中の立坑、1aは立坑1の掘削面であり、バックホウ(図示せず)によって図1の初期の掘削面1aから垂直に掘削していく。
【0031】
上記地面G上の基礎水平機枠2d上には、水平杆2a及び垂直杆2bにより構築された機枠2が固設されており、当該機枠2の上部水平機枠2c上に、バケットエレベータ5の側面略逆台形状の筒状のヘッドケーシング3が固定されている。そして、該ヘッドケーシング3の下端には横断面方形筒状の中間ケーシング4が接続固定され、該中間ケーシング4の下端に横断面方形筒状のテールケーシング6が接続固定され、該テールケーシング6は上記地面Gから立坑1内に垂下され、その下端は当該立坑1の初期掘削面1aに近接して位置している。尚、上記テールケーシング6はその下面を上記掘削面1aに載置した状態としてもよい。
上記基礎水平機枠2dには図12、図13に示すように、中央部に方形の開口2d’が貫設されており、当該開口2d’内を上記中間ケーシング4及びテールケーシング6が上下方向に貫通した状態で設置されている。
【0032】
尚、図1における図面に向かって右側を「前」、左側を「後」とし、「左右」は、図2のように、前方から後方を向いた場合を基準として説明を行う。
【0033】
上記ヘッドケーシング3の上部の上部水平機枠2c上には、バケットエレベータ5の左側の上部スプロケット7a,7a’が同一高さの前後方向に軸支されていると共に、上記上部スプロケット7a,7a’の各中心軸上の右側位置に、バケットエレベータ5の右側の上部スプロケット7b,7b’が同一高さの前後方向に軸支されている(図2参照)。
また、上記テールケーシング6の下端部には上記左側の上部スプロケット7a,7a’に対応する左側の下部スプロケット8aが軸支されており、上記上部スプロケット7a,7a’と上記下部スプロケット8a間に左側の循環チェン(無端チェン)9aが巻回張設されている。
【0034】
また、上記テールケーシング6の下端部には上記右側の上部スプロケット7b,7b’に対応する右側の下部スプロケット8bが、上記下部スプロケット8aと中心軸が共通する位置に軸支されており、上記上部スプロケット7b,7b’と上記下部スプロケット8b間に右側の循環チェン(無端チェン)9bが巻回張設されている(図2参照)。
【0035】
そして、上記上部スプロケット7a,7bには各スプロケットを回転駆動する駆動モータM1,M2が各々接続されており、両モータM1,M2を同期駆動することにより、左側の上記チェン9aと右側の上記チェン9bを矢印A,A’方向に同時に回転駆動し得るように構成されている。尚、上記チェン9a,9bの回転方向として、バケット10が下降する方向を矢印A方向、バケット10が上昇する方向を矢印A’にて示す(図1参照)。また、上記ヘッドケーシング3、上記中間ケーシング4、テールケーシング6をまとめてケーシング5’という。
【0036】
上記ケーシング5’内において、上記左側の循環チェン9aと右側の循環チェン9b間には、チェンの長手方向に一定間隔を以って複数のバケット10が連続して吊下げ支持されており、これらバケット10は、上記チェン9a,9bの上記同時駆動によって上記ケーシング5’内を矢印A,A’方向に循環駆動され、上記テールケーシング6の後面6b’に開口形成された掘削土投入口11から投入される掘削土を受け入れて地上に運搬する機能を有している。
【0037】
上記各バケット10は上面が開口しており、その上部左右側面の回動支点10c,10cを各々左右一対の循環チェン9a,9bに回動自在に吊下げ支持されており(図5、図9、図10参照)、通常は開口部を上面に向けた状態で吊下されている。1つのバケット10はその左右側面を各々上記チェン9a,9bに支持された状態で、上記チェン9a,9bの回転駆動によって、上部から下降方向(矢印A方向)に移動し、テールケーシング6下端において下部スプロケット8a,8bを回って上昇方向(矢印A’方向)に反転し、上記投入口11において掘削土を受け入れた状態で掘削土を上方に搬送し、ヘッドケーシング3上端において搬送してきた土砂を排出するという循環回転動作を繰り返し行うものである。
【0038】
上記ケーシング5’内における上記各循環チェン9a,9b(中間ケーシング4−1の場合は、各連結用チェン9a−1,9a−2,9b−1,9b−2)の各々の前後には、各チェン9a,9bに沿う上下方向にガイドレール35(内側ガイドレール35a及び外側ガイドレール35b)が各ケーシング5’内に配設固定されており(図6、図10参照)、上記各チェン9a,9bは上記ケーシング5’内において上記ガイドレール35間を上昇下降し得るように構成されている。尚、上記内側ガイドレール35aと外側ガイドレール35bをまとめてガイドレール35という。
【0039】
このガイドレール35は上記ヘッドケーシング3内、上記中間ケーシング4(後述の中間ケーシング4−1も同様)内、上記テールケーシング6内における上記チェン9a,9bの循環経路に沿って設けられており、図6に示すように、各ケーシング同士(図6の場合は中間ケーシング4と中間ケーシング4−1)を接続する場合は、上側のケーシング(例えば中間ケーシング4−1)のガイドレール35a,35b(4箇所)と下側のケーシング(例えば中間ケーシング4)のガイドレール35a,35b(4箇所)は、上下方向に接続し得るように各々対応する位置に設けられている。
【0040】
上記バケット10は上記テールケーシング6における上記投入口11近傍位置においてはその垂直ガイドレール12に当接することでその上面開口部を投入口11方向に若干傾斜して掘削土を受け入れ、上記ヘッドケーシング3の上端位置まで移行し、上記上部スプロケット7a’,7a間(7b’,7b間)の水平移動時に水平ガイドレール13に当接することで底部扉10a,10bが開口し(図5参照)、投入された掘削土は上記ヘッドケーシング3内の排出ホッパ14を介して当該ヘッドケーシング3における上記上部機枠2c下方位置に設置された排出コンベア15上に落下供給され、当該排出コンベア15によって地上における当該機枠2外部に搬送される。尚、上記排出ホッパ14、排出コンベア15により構成される掘削土の排出部を掘削土排出部16という。
【0041】
本発明の掘削土排出装置の上記ケーシング5’は、上述のように上記ヘッドケーシング3と、上記中間ケーシング4(4−1)、テールケーシング6の3種類のケーシングにより構成されており、図2、図3に示すように、上記立坑1を垂直に掘削して行き、その掘削面1aが沈下して行くに従って、複数の接続用の中間ケーシング4−1,4−1,・・・を上記ヘッドケーシング3と上記テールケーシング6(又は中間ケーシング4,4−1)との間に接続して行くことで、常時、沈下する掘削面1aの深さに対応して上記テールケーシング6の掘削土投入口11が位置するように構成されている(図3、図4参照)。
【0042】
上記ヘッドケーシング3は上述のように上端部において掘削土排出部16を構成し、その下端部に方形の接続部フランジ3aが形成されており(図1)、当該接続部フランジ3aにおいて上記中間ケーシング4の上端接続部フランジ4aとボルトナットBによって接続され、上記ボルトナットBを離脱することによって上記ヘッドケーシング3と上記中間ケーシング4とを離脱可能に構成されている。
【0043】
そして、上記ヘッドケーシング3の左側の側面3bの下端(接続部)にはチェン着脱用の方形の窓W1が形成されており、上記中間ケーシング4の左側の側面4bの上端(接続部)にはチェン着脱用の方形の窓W2が形成されており(図1)、上記ヘッドケーシング3と上記中間ケーシング4とを上記接続フランジ3a,4aにて接続したとき、上記各窓W1,W2が上下対応して1つの窓Wを構成し、当該窓Wからケーシング5’内部の上記左側の上記循環チェン9a,9a(矢印A方向に下降する循環チェン9aと矢印A’方向に上昇する循環チェン9aの2本のチェン)が臨むように構成されている。
【0044】
また、上記ヘッドケーシング3の右側の側面3b’の下端(接続部)にも同様の方形の窓W1,上記中間ケーシング4右側の側面4b’の上端(接続部)にも同様の窓W2が形成されており、これらの窓W1,W2が対応して1つの窓Wが形成されている。当該窓Wには対応する右側の循環チェン9b,9b(矢印A方向に下降する循環チェン9bと矢印A’方向に上昇する循環チェン9bの2本のチェン)が臨むように構成されている。
【0045】
また、上記中間ケーシング4の下端部(接続部)には下端接続部フランジ4cが形成されており、当該接続部フランジ4cにおいて、テールケーシング6の上端接続部フランジ6aとボルトナットBによって接続固定されている。
【0046】
上記中間ケーシング4のケーシング側面4bの下端(接続部)(左側)にはチェン着脱用の方形の窓W1’が形成されており、当該窓W1’から中間ケーシング4内部の上記左側の上記循環チェン9a,9a(矢印A方向に下降する循環チェン9aと矢印A’方向に上昇する循環チェン9aの2本のチェン)が臨むように構成されている(図5、図6参照)。また、上記中間ケーシング4の右側の側面4b’の下端(接続部)にも上記チェン着脱用の窓W1’が形成されており、当該窓W1’から対応する他方の循環チェン9b,9b(矢印A方向に下降する循環チェン9bと矢印A’方向に上昇する循環チェン9bの2本のチェン)が臨むように構成されている。
【0047】
上記中間ケーシング4(又は4−1)の上端部の前面4d及び後面4d’の各々2箇所(計4箇所)にはウインチのフック係合用の係合穴31が設けられており(図6、図9、図10参照)、これらの係合穴31には上記機枠2の上側の上記水平杆2a下部に固定された中間ケーシング吊上げ用ウインチ22(前方側2箇所、後方側2箇所、図3)の計4個のフック23を上記4箇所の係合孔31に各々係合することで、上記中間ケーシング4(又は4−1)を上記ヘッドケーシング3下端部に吊上げ支持することができるように構成されている。
【0048】
また、上記テールケーシング6の下端部近傍の前面6b及び後面6b’の各々2箇所(計4箇所)に上記係合孔31と同様のウインチのフック係合用の係合穴32が4箇所に設けられており(図3参照)、これらの係合穴32には上記機枠2の基礎水平機枠2dに設けられたテールケーシング吊上げ用ウインチ24(前方2箇所、後方側2箇所)の計4個のフック23を各々係合することで、上記テールケーシング6(及び中間ケーシング4)を上記中間ケーシング4−1の下方に吊上げ支持することができるように構成されている(図3参照)。
【0049】
上記チェン9a,9bの離脱は、図8に示すように、ヘッドケーシング3内のチェン9a(上側)と中間ケーシング4内のチェン9a(下側)間を接続するジョイントリンク17において、Tピン20,20をジョイントリンク17の一対の連結軸18,18から離脱し、ジョイントリンク17を上記両チェン9aを構成するプレート21,21から離脱することにより行うことができる。
【0050】
また、上記ヘッドケーシング3のチェン9aと上記中間ケーシング4(又は4−1)内のチェン9aの接続は、上記ヘッドケーシング3内のチェン9a(上側)の下端のプレート21と、上記中間ケーシング4内のチェン9a(下側)の上端のプレート21とを上記ジョイントリンク17の連結軸18にて接続し、各連結軸18,18の孔18a,18aにTピン20,20を挿入することにより行うことができる。尚、テールケーシング6と上記中間ケーシング4間のチェン9a,9bの連結、離脱も含めて、上記ケーシング5’内のチェンの連結、離脱は上記と同様に行うことができる。
【0051】
4−1で示すものは上記中間ケーシング4と同様の構成を有する接続用の複数の中間ケーシングであり(図2、図9、図10参照)、以下、接続用の中間ケーシングを示す場合は、4−1の符号を用い、当初から接続されている中間ケーシング又は中間ケーシングをまとめて示す場合は符号4を用いる。
【0052】
次に、上記中間ケーシング4−1の構成を説明する。図9、図10に示すように、中間ケーシング4−1は基本的には、上記中間ケーシング4と同じ構成を有するものであり、図1のバケットエレベータ5における中間ケーシング4を、内部の循環チェン9a,9b及び内部の4つのバケット10と共に、上記ヘッドケーシング3及び上記テールケーシング6から取り外した状態と同様の構成を有している。
【0053】
従って、図9、図10に示すように、一の中間ケーシング4−1は、略直方体方形の短い上下開口の筒状の筺体4”から構成されており、当該筺体4”内部には、上記上昇及び下降方向に移行する左側の上記循環チェン9a,9aに対応する位置にあるチェンであって、当該中間ケーシング4−1内に収まる長さの連結用チェン9a−1,9a−2と、上記上昇及び下降方向に移行する右側の上記循環チェン9b,9bに対応するチェンであって、当該中間ケーシング4−1内に収まる長さの連結用チェン9b−1,9b−2とが設けられている。即ち、上記中間ケーシング4−1内には、前方の左右2箇所に連結用チェン9a−1,9b−1が設けられ、後方の左右2箇所に連結用チェン9a−2,9b−2が設けられている。
【0054】
上記連結用チェン9a−1,9a−2,9b−1,9b−2は、それらの前後には上下方向の内側ガイドレール35a及び外側ガイドレール35bが各々設けられ、上記各チェンはこれらのガイドレール35a,35b間に位置するように構成されている。これらのガイドレール35は、上記ケーシング4−1内の前方左右2箇所及び後方左右2箇所に位置するように、上記中間ケーシング4−1の内面にアングル(図示せず)によって固定されており、各連結用チェンが他のケーシングのチェンに連結された後は、上記各チェン9a−1等は各ガイドレール35a,35b間の空間を円滑に上下方向に移動できるように構成されている。
上記ガイドレール35a,35bは横断面略「コ」字状のレールであって、背面35’同士を対向配置して、その背面35’,35’間に上記チェン9a−1等の移動空間が形成されている(図11参照)。
【0055】
これらの連結用チェン9a−1,9a−2,9b−1,9b−2の上端部は、図11に示すように、各チェンの上端部のプレート21の内部に、上記内側ガイドレール35aの上端部の上記背面35’に形成された貫通係合孔36から、上記外側ガイドレール35bの上端部の上記背面35’に形成された貫通係合孔37に向けて、固定ピン26がチェンに直交するように水平に貫通挿入され、当該固定ピン26が上記プレート21のローラ27に係合することにより、上記各連結用チェン9a−1等は上記固定ピン26により上記各ガイドレール35a,35bの上端部に吊下げ支持されている。即ち、上記連結用チェン9a−1,9a−2,9b−1,9b−2は当該中間ケーシング4−1の下開口から落下することなく、各々上記中間ケーシング4−1内の上記ガイドレール35上端部に係止されている(図10参照)。
【0056】
上記固定ピン26は図11(a)に示すように、上記チェンのプレート21内に挿入される本体部26aと上記ガイドレール35に係合する横断面「コ」字状の抜止部26bから構成されており、上記本体部26aを上記内側ガイドレール35aの前側から上記貫通係合孔36にチェンに直交するように水平に挿入し、上記チェンのプレート21内を貫通して上記外側ガイドレール35bの上記貫通係合孔37に挿入することで、上記チェンをガイドレール35に係止するものであり、上記抜止部26bが上記ガイドレール35aの内側面に係合することで、抜け止め状態となる(図11(a)参照)。
また、上記連結用チェン9a−1,9a−2,9b−1,9b−2の下端部も、上記上端部と同様に、上記各ガイドレール35a,35bの下端部に上記固定ピン26を以って各々係止されている。即ち、各チェンの下端部のプレート21の内部に、上記内側ガイドレール35aの下端部の上記背面35’に形成された貫通係合孔36から、上記外側ガイドレール35bの下端部の上記背面35’に形成された貫通係合孔37に向けて、固定ピン26が同様に水平方向に挿入されることにより、上記各連結用チェン9a−1,9a−2,9b−1,9b−2の下端部は上記固定ピン26により上記各ガイドレール35a,35bの下端部に支持されている(図10参照)。尚、上記チェンの下端部をも上記ガイドレール35の下端に上記固定ピン26を以って係止するのは、中間ケーシング4−1移動中等の上記連結用チェン9a−1等の揺れ等を防止するためである。
【0057】
尚、上記固定ピン26によるチェンの係止構成は他のケーシング内においても図11と同様であり、上記中間ケーシング4(図1)の内部のガイドレール35(35a,35b)の上端部及び下端部にも中間ケーシング4内において分離後のチェン9a,9a,9b,9bの上端部及び下端部を係止するための上記貫通係合孔36,37が設けられており、分離後のチェン9a,9a,9b,9bの各上端部及び下端部を上記固定ピン26にて当該ガイドレール35(4箇所)に係止して、分離後の各チェン9a,9bの下方への落下を防止し得るように構成されている。
さらに、上記ヘッドケーシング3内部の下端部のガイドレール35(35a,35b)の下端部にも、分離後のチェン9a,9a,9b,9bの下端部を係止するための図11と同様の上記貫通係合孔36,37が各々設けられており、中間ケーシング4と分離後のヘッドケーシング3側のチェン9a,9a,9b,9bの各下端部を、上記固定ピン26にて上記ヘッドケーシング3側のガイドレール35(4箇所)に同様に係止して、分離後のヘッドケーシング3側の各チェン9a,9bの移動を防止し得るように構成されている。
【0058】
尚、上記連結用チェン9a−1,9a−2,9b−1,9b−2の上端部は、各チェンの上端部の上記プレート21の内部に、上記筺体4”側面に設けられた係合孔(図示せず)を介して固定ピン26が挿入され、当該固定ピン26が上記プレート21のローラ27に係合することにより、上記各連結用チェン9a−1等を上記固定ピン26に吊下げ支持するように構成することもできる。このように、上記連結用チェン9a−1,9a−2,9b−1,9b−2は、各々上記接続用の中間ケーシング4−1内において各上端部及び下端部を以って係止することができるように構成されている。
【0059】
上記連結用チェン9a−1と9b−1間には、2つのバケット10が上下2段に回動支点10c,10cを以って吊下げ支持されており、上記連結用チェン9a−2と9b−2間には、2つのバケット10が上下2段に回動支点10c,10cを以って吊下げ支持されている。このように1つの中間ケーシング4−1には合計4個のバケット10が設けられている。
【0060】
そして、上記中間ケーシング4−1内の各連結用チェン9a−1,9a−2,9b−1,9b−2の各々その上端部は、上記ジョイントリンク17によって、上記ヘッドケーシング3における各対応位置にある循環チェン9a,9bの下端部に連結し得るように構成されている。また、上記各連結用チェン9a−1,9a−2,9b−1,9b−2の各々その下端部は、上記ジョイントリンク17によって、上記中間ケーシング4(又はテールケーシング6)内の対応位置にある各循環チェン9a,9bの上端部、又は上記他の接続用の中間ケーシング4−1の各々対応位置にある連結用チェン9a−1,9a−2,9b−1,9b−2の各上端部に各々接続可能に構成されている。
【0061】
上記中間ケーシング4−1は立坑1の深さに応じて順次接続していくものであるから、立坑1の深さに応じて複数個が予め準備されている。具体的には図2に示すように、複数の中間ケーシング4−1,4−1・・・は中間ケーシング搬送用台車28上に載置された状態で、上記中間ケーシング4に隣接した地面G上に並べられている。この中間ケーシング4又は4−1の高さTは例えば2mとなるように構成されている。そして、上記立坑1の掘削が例えば2mの深さに達すると、上記中間ケーシング4と上記ヘッドケーシング3とを分割して、上記テールケーシング6を上記中間ケーシング4共々ウインチ24にて約2m降下させ、上記中間ケーシング4と上記ヘッドケーシング3との間の空間S(約2m、図3参照)に上記接続用の中間ケーシング4−1を接続する(図12、図13参照)、という動作を繰り返し行うものである。
【0062】
尚、図1中、29は立坑1内に設けられた掘削土搬送用コンベア、30は掘削土用ホッパであり、掘削土はバックホウによって上記ホッパ30内に投入され、上記コンベア29によってバケットエレベータ5の投入口11に搬送され、エレベータ5内のバケット10内に投入される。また、図7における40は上記ケーシングを接続した後の窓W(窓W1’とW2)を閉鎖する嵌め込み板であり、ヘッドケーシング3と中間ケーシング4との接続部の窓W、中間ケーシング4とテールケーシング6との接続部の窓Wも上記嵌め込み板40にて閉鎖される。
【0063】
本発明は上述のように構成されるものであるから、次に、本発明の装置を使用して立坑の土砂の排出工法を説明する。
【0064】
まず、図1に示すように、立坑1の地面G上に機枠2を構築し、当該機枠2内にヘッドケーシング3、中間ケーシング4、テールケーシング6から構成されるバケットエレベータ5を立設支持する。このとき、テールケーシング6の下端は上記立坑1の初期の掘削面1aに近接した位置に設置する。また、立坑1内に掘削土搬送用コンベア29を設置し、そのコンベア端部をテールケーシング6の掘削土投入口11に接合する。そして、駆動モータM1,M2を駆動してバケット10を回動駆動する(図14F1)。
【0065】
次に、バックホウにより、上記初期の掘削面1aを掘削して行く(図14F2)。このときの掘削土はバックホウにより上記搬送用コンベア29のホッパ30に投入され、該コンベア29によってテールケーシング6の掘削土投入口11に搬送され、該投入口11からバケット10に投入され、当該バケット10によりバケットエレベータ5の上部に搬送され、該バケットエレベータ5の上部の掘削土排出部16から排出コンベア15に落下供給され、該は排出コンベア15によって機枠2外部に排出されて行く。
【0066】
上記掘削面1aを2m掘削した時点で(図14F3)、駆動モータM1,M2を一旦停止してバケット10の回動を停止する(図14F4)。また、上記ヘッドケーシング3と中間ケーシング4との接続部の嵌め込み板40を外し、窓Wを露出する。その後、分割部上下の循環チェン9a,9bを固定ピン26で係止して分割時のチェン9a,9bの落下を防止する(図14F5)。即ち、上記中間ケーシング4の左右の窓W2から臨むチェン9a,9a,9b,9b各上端部のプレート21(4箇所)内に、各々固定ピン26を、それらのガイドレール35の貫通係合孔36,37を介して各々挿入し、上記ガイドレール35上端部4箇所に上記各チェン9a,9a,9b,9bの上端部を係止する。
【0067】
同様に、ヘッドケーシング3の左右の窓W1から臨む上記ヘッドケーシング3側のチェン9a,9a,9b,9b各下端部のプレート21(4箇所)内に、各々固定ピン26を、それらのヘッドケーシング3側のガイドレール35下端部の各貫通係合孔36,37を介して各々挿入し、上記ガイドレール35下端部4箇所に上記各チェン9a,9a,9b,9bの下端部を各々係止する(図14F5)。
【0068】
かかる係止操作により、上記中間ケーシング4以下のチェン9a,9b及びバケット10の落下を防止することができる(図14F5)。
次に、テールケーシング吊上げ用ウインチ24のフック23をテールケーシング6の吊上げ用の係合穴32に係合し、テールケーシング6を中間ケーシング4共々上記ウインチ24にて吊上げ可能状態とした上で(図14F6)、上記中間ケーシング4の上端接続用フランジ4aとヘッドケーシング3の下端接続用フランジ3aを接続するボルトナットBを離脱し、上記ヘッドケーシング3の下端と上記中間ケーシング4の上端とを分離し、さらに上記ヘッドケーシング3と上記中間ケーシング4とを接続する上記循環チェン9a,9bにおいて、窓Wから臨む循環チェン9a,9bの部分を切り離す(図14F7)。
【0069】
具体的には、上記窓Wから臨む左側の循環チェン9a,9a(下降する循環チェン9aと上昇する循環チェン9a)において、上記ヘッドケーシング3側のチェン9aと中間ケーシング4側のチェン9aを連結するジョイントリンク17のTピン20を外して、該リンク17をチェン9aから離脱することにより、ヘッドケーシング3側の循環チェン9a(上側)と、中間ケーシング4側の循環チェン9a(下側)とを分離する。
【0070】
同様に、上記窓Wから臨む右側の循環チェン9b,9b(下降する循環チェン9bと上昇する循環チェン9b)において、上記ヘッドケーシング3側のチェン9bと中間ケーシング4側のチェン9bを連結するジョイントリンク17のTピン20を外して、該リンク17をチェン9aから離脱することにより、ヘッドケーシング3側の循環チェン9b(上側)と、中間ケーシング4側の循環チェン9b(下側)とを分離する。
【0071】
以上の操作により、ヘッドケーシング3内のチェン9a,9b及びバケット10と、中間ケーシング4及びテールケーシング5内のチェン9a,9b及びバケット10とが分離状態となったので(図14F7)、上記テールケーシング吊上げ用ウインチ24を操作して、掘削した深さに相当する分(この場合2m)だけ上記中間ケーシング4及びテールケーシング5を下降させる(図3の状態、図14F8)。尚、2m以上掘削した場合は、2m以上降下しても良い。
上記中間ケーシング4及びテールケーシング6を、図1の状態から2m下降した状態を図3に示す。このとき、上記テールケーシング6の下端は2m沈下した掘削面1aの近傍に位置しており、また掘削土搬送用コンベア29の先端部は下降したテールケーシング6の投入口11に接合した状態とする。また、上記中間ケーシング4を下降すると、上記中間ケーシング4と上記ヘッドケーシング3との間に中間ケーシング4−1を接続する約2mの空間Sが形成される(図3参照)。
【0072】
次に、上記中間ケーシング4−1を中間ケーシング搬送用台車28に乗せたままの状態で、上記ヘッドケーシング3と下降した中間ケーシング4間の空間S内に移動する(図3、図12の状態、図14F9)。このとき、中間ケーシング搬送用台車28は上記基礎水平機枠2dの開口2d’上に位置している。
【0073】
その後、中間ケーシング4−1の4箇所の吊上用の係合穴31に中間ケーシング吊上用ウインチ22のフック23(4箇所)を係合し(図3、図12)、当該ウインチ22にて上記中間ケーシング4−1を若干吊上げ(図14F10)、搬送用台車28を除去し(図9F11)、ケーシング左右の窓W1,W2(W)を介してチェン9a,9bの接続を行う(図14F12)。
【0074】
具体的には、ケーシング5’の左側の窓W1(ヘッドケーシング3側),W2(中間ケーシング4−1側)を介して上記連結用チェン9a−1,9a−2の上端のプレート21,21と、上記ヘッドケーシング3の対応する循環チェン9a(矢印A方向に下降するチェン),9a(矢印A’方向に上昇するチェン)のプレート21,21をジョイントリンク17(図8)の連結軸18,18を挿通することで接続し、上記連結軸18,18にTピン20,20を挿入することにより、上記ヘッドケーシング3側の循環チェン9a,9aと中間ケーシング4−1の上記連結用チェン9a−1,9a−2とを各々連結する(図8、図14F12)。
【0075】
さらに、ケーシング5’の右側の窓W1(ヘッドケーシング3側),W2(中間ケーシング4−1側)を介して上記連結用チェン9b−1,9b−2の上端のプレート21,21と、上記ヘッドケーシング3の対応する循環チェン9b(矢印A方向に下降するチェン),9b(矢印A’方向に上昇するチェン)のプレート21,21をジョイントリンク17(図8)の連結軸18,18を挿通することで連結し、上記連結軸18,18にTピン20,20を挿入することにより、上記ヘッドケーシング3側の循環チェン9b,9bと中間ケーシング4−1の上記連結用チェン9b−1,9b−2とを連結する(図8、図14F12)。
【0076】
上記操作により中間ケーシング4−1の上端部側の連結用チェン9a−1,9a−2、9b−1,9b−2とヘッドへーシング3側の循環チェン9a,9bとの連結が完了したので(図14F12)、上記ウインチ22により中間ケーシング4−1を若干持ち上げて上記中間ケーシング4−1の上端接続部フランジ4aと上記ヘッドケーシング3の下端接続部フランジ3aを接合し、ボルトナットBによって上記ヘッドケーシング3と上記中間ケーシング4−1の両接続部フランジ4a,3aを接合する(図14F12)。
【0077】
次に、下方中間ケーシング4及びテールケーシング6を吊上げて、中間ケーシング4上端部と中間ケーシング4−1下端部とを近づけて(図14F13)、中間ケーシング4−1の下端側と、下方の中間ケーシング4との接続を行う(図3、図13、図14F14)。具体的には、中間ケーシング4−1の下端側の左側の窓W1’を介して上記連結用チェン9a−1,9a−2の下端のプレート21,21と、下方の上記中間ケーシング4の対応する循環チェン9a(矢印A方向に下降するチェン),9a(矢印A’方向に上昇するチェン)のプレート21,21をジョイントリンク17の連結軸18,18を挿通することで連結し、上記連結軸18,18にTピン20,20を挿入することにより、上記中間ケーシング4−1側の連結用チェン9a−1,9a−2と中間ケーシング4の上記チェン9a,9aとを連結する(図8参照)。
【0078】
さらに、中間ケーシング4−1の右側の窓W1’、中間ケーシング4−1の窓W2を介して上記連結用チェン9b−1,9b−2の下端のプレート21,21と、下方の上記中間ケーシング4の対応するチェン9b(矢印A方向に下降するチェン)、9b(矢印A’方向に上昇するチェン)のプレート21,21をジョイントリンク17の連結軸18,18を挿通することで接続し、上記連結軸18,18にTピン20,20を挿入することにより、上記中間ケーシング4−1側の連結用チェン9b−1,9b−2と下方の中間ケーシング4の上記チェン9b,9bとを連結する(図8参照)。
【0079】
上記操作により中間ケーシング4−1の下端部側の連結用チェン9a−1,9a−2,9b−1,9b−2と下方の中間ケーシング4側のチェン9a,9bとの連結が完了したので、上記ウインチ24により上記テールケーシング6を上記中間ケーシング4共々若干持ち上げて上記中間ケーシング4の上端接続部フランジ4aと上記中間ケーシング4−1の下端接続部フランジ4cとを接合し、ボルトナットBによって上記中間ケーシング4と上記中間ケーシング4−1の両接続部フランジ4a,4cを接続する(図14F14、図5、図13参照)。
【0080】
以上の操作により、中間ケーシング4−1の上下端部各々の、上記ヘッドケーシング3と上記中間ケーシング4との間への接続が完了し、上記中間ケーシング4−1内の連結用チェン9a−1,9a−2,9b−1,9b−2は上記バケットエレベータ5内の循環チェン9a,9bと無端状態に接続された。
【0081】
その後、各チェンを係止しているチェン固定ピン26を外す(図14F15)。即ち、上記ヘッドケーシング3の下端のチェン9a,9a,9b,9bをガイドレール35(4箇所)に係止している固定ピン26(4個)、上記中間ケーシング4−1内のチェン9a−1,9a−2,9b−1,9b−2の各上端部(4箇所)及び下端部(4箇所)を、上記中間ケーシング4−1内の各ガイドレール35の各上端部(4箇所)及び下端部(4箇所)に係止している固定ピン26(上端部4個、下端部4個)、かつ、上記下側中間ケーシング4内のチェン9a,9a,9b,9bの各上端部をそのガイドレール35(4箇所)に係止している固定ピン26(4個)を各々取り外し、各チェンをフリー状態として循環移動可能状態とする(図14F15)。その後、上記接続した各ケーシング5’の窓W(ヘッドケーシング3と中間ケーシング4−1との接続部の窓Wと、中間ケーシング4−1と中間ケーシング4との接続部の窓W)を嵌め込み板40にて閉鎖する(図14F16、図7参照)。
その後、駆動モータM1,M2の駆動を再開すると、接続された中間ケーシング4−1内の4つのバケット10を含めて、上記バケットエレベータ5内のバケット10は再び循環回動を開始する(図14F1)。
【0082】
かかる状態で、バックホウによって掘削面1aの掘削を再開し、掘削土は上記搬送用コンベア29のホッパ30に投入され搬送用コンベア29によってテールケーシング6の投入口11に搬送されるため、上記バケットエレベータ5内の上記バケット10によって地上の掘削土排出部16まで搬送され、上記掘削土排出部16において排出ホッパ14を介して排出コンベア15に落下供給され、上記排出コンベア15によって機枠2外部に排出される。
【0083】
以降は、掘削面1aの2mの深さの掘削が終了する度に、駆動モータM1,M2の停止、上述の中間ケーシング4−1とヘッドケーシング3との分離操作、ウインチ24にてテールケーシング6及び中間ケーシング4,4−1の降下操作、接続すべき中間ケーシング4−1の移動操作、接続すべき中間ケーシング4−1とヘッドケーシング3及び中間ケーシング4又は4−1(テールケーシング6側)との連結操作、駆動モータM1,M2の駆動再開動作を繰り返し行う。
【0084】
これにより、2mの掘削を行う際の掘削土をバケットエレベータ5により順次地上に搬出しながら、2mの掘削が行われる度に、バケットエレベータ5のヘッドケーシング3と中間ケーシング4−1との間に、新たな接続用の中間ケーシング4−1を接続し、漸次、バケットエレベータ5のテールケーシング6を掘削面1aの沈下に対応して降下させて行き、掘削作業を行いながら、バケットエレベータ5を立坑1の深度に沿って下方に延長して行き、常時、掘削土を地上に排出しながら、掘削作業を円滑に行うことができる。
【0085】
図4には中間ケーシング4−1を5個連結した状態のバケットエレベータ5を示す。この立坑1は、図1の立坑1の状態から掘削面1aがさらに10m沈下した状態を示す。
掘削作業はさらに進行して行き、最終的には例えば40m程度の立坑1が形成され、当該深度の立坑1の掘削が終了した時点においては、地上から地下40mの位置の最大掘削面1a近傍にテールケーシング5の下端部が位置するバケットエレベータ5を構築することができる。
【0086】
立坑1の掘削が終了した後、上記立坑1の掘削面1aから水平方向(横方向)にトンネル(横穴)の掘削を行う場合において、当該立坑1には、最終掘削面1a(立坑地底)から地上に至るバケットエレベータ5が既に構築されているので、上記トンネルの掘削に伴う掘削土の排出にも当該バケットエレベータ5を引き続いてそのまま利用することができる。
尚、上記実施形態では、ヘッドケーシング3と中間ケーシング4とテールケーシング6が接続された状態からはじまり、立坑の掘削が進行して掘削面が沈下していくに従って、ヘッドケーシング3と中間ケーシング4との間に中間ケーシング4−1を接続していく工法にて説明したが、当初はヘッドケーシング3とテールケーシング6のみが接続された状態で、当該状態から立坑の掘削が進行して掘削面が沈下していくに従って、上記ヘッドケーシング3とテールケーシング6間に中間ケーシング4又は4−1を順次接続していく構成としても良い。この場合は、上記テールケーシング6の上端の接続部内のガイドレール35(35a,35b)の上端部にも、上記チェン9a,9bを係止するための図11と同様の上記貫通係合孔36,37を設け、該テールケーシング6上端部において分離したチェン9a,9bの各上端部(4箇所)を上記固定ピン26にて上記ガイドレール35に係止して、分離後の各チェン9a,9bの下方への落下を防止し得るように構成する。
【0087】
以上のように、本発明は、立坑掘削に伴う掘削面1aの沈下に伴って、バケットエレベータ5にて立坑掘削土を排出しながら、当該バケットエレベータ5を立坑1内の掘削面1aに向って構築していくことができ、立坑1の完成後は、立坑1の地上から地底の最終掘削面1aに至るバケットエレベータ5が完成しているので、立坑地底から水平地下空間施工に伴う掘削土の排出にもそのまま使用することができる。
また、立坑掘削面1aの沈下に従って、中間ケーシング4−1を順次接続していくものであるから、どのような深度の立坑にも適用することができ、大深度の立坑においても問題なく対応が可能である。
【0088】
また、複数のバケット10の循環により大量の掘削土を排出することができ、立坑掘削土の排出だけでなく、立坑掘削後の水平方向への地下空間の施工に伴って発生する大量の掘削土の排出にも問題なく適用することができる。
【0089】
また、立坑1の完成時には立坑1の地上から地底の最終掘削面1aに至るバケットエレベータ5が完成しているため、立坑掘削後の水平方向への地下空間の施工に伴う掘削土の排出にもそのまま適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明のバケットエレベータによる立坑掘削土排出装置及び立坑掘削土排出方法は、立坑の掘削土の排出に限らず、立坑完成後の水平方向への地下空間の施工に伴う掘削土の排出にそのまま利用することができ、各種土木作業に広く適用し得るものである。
【符号の説明】
【0091】
1 立坑
2 機枠
3 ヘッドケーシング
4,4−1 中間ケーシング
5 バケットエレベータ
5’ ケーシング
6 テールケーシング
9a,9b 循環チェン
9a−1,9a−2 連結用チェン
9b−1,9b−2 連結用チェン
10 バケット
17 ジョイントリンク
22 中間ケーシング吊上げ用ウインチ
24 テールケーシング吊上げ用ウインチ
26 固定ピン
35 ガイドレール
35a 内側ガイドレール
35b 外側ガイドレール
36,37 貫通係合孔
W1,W2 窓
W1’,W2’ 窓
W 窓
【技術分野】
【0001】
本発明は、立坑掘削時等の掘削土等を地下から地上に搬送するためのバケットエレベータに関し、特に立坑掘削時に沈下して行く掘削面に合わせて漸次下降可能なバケットエレベータによる立坑掘削土排出装置及びその排出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、立坑掘削に際して発生する掘削土を排出する装置としては、地上の機枠に水平方向に走行可能な台車を設け、上記台車に設けられたチェーンホイールに複数のバケットが設けられた無端チェンを巻回し、当該チェンを立坑内に垂下してチェン下端を立坑の地底近傍に位置させ、立坑掘削土を当該チェンのバケットにて地上に搬出し、立坑の掘削による地底の深下に伴って、上記台車を立坑側に水平移動させ、チェンの下端を降下させて上記深下した上記地底に適合させる装置が提案されている(特許文献1)。
【0003】
また、立坑の開口上方の地上にクレーン等の吊下げ装置を固設し、当該クレーン先端から立坑内に、下端に掘削土排出用の単一のバケットを取り付けたロープを垂下し、立坑掘削土を当該バケットにて地上に搬出し、立坑の掘削によって地底の深下に伴って、当該ロープを下降させて行く装置が提案されている(特許文献2)。
【0004】
また、大深度の立坑の掘削土を排出する装置としては、立坑に複数の垂直搬送用ベルトコンベアを設け、これらのコンベア間を水平方向の水平小コンベアにて接続し、各垂直コンベアを水平小コンベアにて中継することで大深度の立坑の掘削土の排出を可能とした装置が提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭56−56406号公報
【特許文献2】特開平8−319790号公報
【特許文献3】特開2007−56475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記特許文献1の装置では、バケットエレベータの最下到達点が走行台車の水平移動距離に依存するため、大深度の立坑には対応し難いという課題がある。また、水平移動レールを設ける必要性から地上において水平移動レールを含む機枠の多大な設置スペースが必要とされるという課題もある。
【0007】
上記特許文献2の装置では、単一のバケットにて掘削土を排出するものであるため、掘削土の排出能力が低く、例えば立坑完成後、立坑地底から水平方向への地下空間(トンネル)施工に伴って発生する大量の掘削土の排出には適用できないとの課題がある。
【0008】
上記特許文献3の装置は、立坑掘削後における立坑地底から水平方向への大深度地下空間の掘削土の排出装置の開示はあるが、大深度立坑の完成までの掘削土の排出についての開示はない。
【0009】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、立坑の掘削途中における掘削土を効率的に排出し得ると共に、立坑完成後の水平地下空間(トンネル)の掘削土も引き続いて排出することができるバケットエレベータによる掘削土排出装置及びこの排出装置を用いた掘削土排出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため本発明は、
第1に、地上の機枠に設置されるヘッドケーシングと、該ヘッドケーシングに接続され少なくとも下端部が立坑内の掘削面又は掘削面近傍に位置するテールケーシングとを具備し、これらケーシング内において上記テールケーシングと上記ヘッドケーシングとの間を循環しながら回動する循環チェンを設け、上記循環チェンに複数のバケットを取付け、上記テールケーシングの投入口から投入される掘削土を上記バケットにて上記ヘッドケーシングまで搬送し、上記ヘッドケーシングの掘削土排出部にて上記掘削土を排出する動作を循環して行うバケットエレベータによる立坑掘削土排出装置であって、ケーシング内部にバケットが取り付けられた連結用チェンを具備する上下開口の中間ケーシングを複数個設け、上記立坑の掘削による掘削面の沈下が所定深さ進行すると、上記ヘッドケーシングと上記テールケーシングとをケーシング内部の上記循環チェン共々分離すると共に、分離後の上記テールケーシングを機枠に設けたウインチにて吊上げて、上記テールケーシングを上記ウインチにより上記掘削面の沈下に対応した距離だけ降下し得るように構成し、上記テールケーシングの上記降下により分離した上記テールケーシングと上記ヘッドケーシングとの間に上記中間ケーシングを接続すると共に、上記中間ケーシング内の上記連結用チェンを上記ヘッドケーシング側及び上記テールケーシング側の上記循環チェンに各々連結して上記中間ケーシング内の上記バケットが上記ケーシング内を循環し得るように構成し、上記掘削面の沈下に対応して上記接続した上記中間ケーシングと上記ヘッドケーシングとの間に、新たな上記中間ケーシングを上記既に接続した上記中間ケーシングと同様に順次接続して行くことで、上記テールケーシングを漸次降下させながら、上記バケットにより立坑掘削に伴う掘削土を排出し得るように構成したものであることを特徴とするバケットエレベータによる立坑掘削土排出装置により構成される。
【0011】
上記テールケーシングは、テールケーシング(6)により構成することができるが、上記テールケーシング(6)に中間ケーシング(4)が接続された状態も含む概念である。このように構成すると、立坑掘削に伴う掘削面の沈下に伴って、バケットエレベータにて立坑掘削土を排出しながら、当該バケットエレベータを立坑内の掘削面に向って構築していくことができ、立坑の完成後は、立坑の地上から地底の最終掘削面に至るバケットエレベータが完成しているので、立坑地底から水平地下空間施工に伴う掘削土の排出にもそのまま使用することができる。
【0012】
第2に、上記中間ケーシングの上記連結用チェンは、上記循環チェンに連結されるまでは上記中間ケーシング内に係止されているものであることを特徴とする上記第1記載のバケットエレベータによる立坑掘削土排出装置により構成される。
【0013】
従って、中間ケーシング内の連結用チェンは、他のケーシングの循環チェンに接続されるまでの間、中間ケーシング内にて支持されており、中間ケーシングから脱落することはない。
【0014】
第3に、上記中間ケーシングは、そのケーシング側面に窓が形成されており、当該窓にケーシング内部の上記連結用チェンが臨むように構成されているものであることを特徴とする上記第1又は2記載のバケットエレベータによる立坑掘削土排出装置により構成される。
【0015】
従って、上記中間ケーシングの窓を介してチェンの分離、連結を容易に行うことができる。
【0016】
第4に、地上の機枠に設置されるヘッドケーシングと、該ヘッドケーシングに接続され少なくとも下端部が立坑内の掘削面又は掘削面近傍に位置するテールケーシングとを具備し、これらケーシング内において上記テールケーシングと上記ヘッドケーシングとの間を循環しながら回動する循環チェンを設け、上記循環チェンに複数のバケットを取付け、上記テールケーシングの投入口から投入される掘削土を上記バケットにて上記ヘッドケーシングまで搬送し、上記ヘッドケーシングの掘削土排出部にて上記掘削土を排出する動作を循環して行うバケットエレベータによる立坑掘削土排出方法であって、ケーシング内部にバケットが取り付けられた連結用チェンを具備する上下開口の中間ケーシングを複数個設け、上記立坑の掘削による掘削面の沈下が所定深さ進行すると、上記ヘッドケーシングと上記テールケーシングとをケーシング内部の上記循環チェン共々分離すると共に、分離後の上記テールケーシングを機枠に設けたウインチにて吊上げて、上記テールケーシングを上記ウインチにより上記掘削面の沈下に対応した距離だけ降下し、上記テールケーシングの上記降下により分離した上記テールケーシングと上記ヘッドケーシングとの間に上記中間ケーシングを接続すると共に、上記中間ケーシング内の上記連結用チェンを上記ヘッドケーシング側及び上記テールケーシング側の上記循環チェンに各々連結して上記中間ケーシング内の上記バケットが上記ケーシング内を循環し得るように構成し、上記掘削面の沈下に対応して上記接続した上記中間ケーシングと上記ヘッドケーシングとの間に、新たな上記中間ケーシングを上記既に接続した上記中間ケーシングと同様に順次接続して行くことで、上記テールケーシングを漸次降下させながら、上記バケットにより立坑掘削に伴う掘削土を排出して行くことを特徴とするバケットエレベータによる立坑掘削土排出方法により構成される。
【0017】
上記テールケーシングは、テールケーシング(6)により構成することができるが、上記テールケーシング(6)に中間ケーシング(4)が接続された状態も含む概念である。このように構成すると、立坑掘削に伴う掘削面の沈下に伴って、バケットエレベータにて立坑掘削土を排出しながら、当該バケットエレベータを立坑内の掘削面に向って構築していくことができ、立坑の完成後は、立坑の地上から地底の最終掘削面に至るバケットエレベータが完成しているので、立坑地底から水平地下空間施工に伴う掘削土の排出にもそのまま使用することができる。
【0018】
第5に、上記中間ケーシングの上記連結用チェンは、上記循環チェンに連結されるまでは上記中間ケーシング内に係止されていることを特徴とする上記第4記載のバケットエレベータによる立坑掘削土排出方法により構成される。
【0019】
従って、中間ケーシング内の連結用チェンは、他のケーシングの循環チェンに接続されるまでの間、中間ケーシング内にて支持されており、中間ケーシングから脱落することはない。
【0020】
第6に、上記中間ケーシングは、そのケーシング側面に窓が形成されており、当該窓にケーシング内部の上記連結用チェンが臨むように構成されており、当該窓を介して上記ケーシング内部のチェンの分離連結を行うことを特徴とする上記第4又は5記載のバケットエレベータによる立坑掘削土排出方法により構成される。
【0021】
従って、上記中間ケーシングの窓を介してチェンの分離、連結作業を容易に行うことができる。
【0022】
第7に、上記第4〜6の何れかに記載のバケットエレベータによる立坑掘削土排出方法において、上記立坑の掘削が終了し、地上から立坑地底までのバケットエレベータが完成した後、上記立坑地底から横穴を掘削することによる掘削土を完成した上記バケットエレベータによって排出することを特徴とするバケットエレベータによる立坑掘削土排出方法により構成される。
【0023】
よって、立坑掘削終了後、立坑地底から横穴の掘削に伴う掘削土は、既に完成しているバケットエレベータを使用して地上に円滑に排出することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、立坑掘削に伴う掘削面の沈下に伴って、バケットエレベータにて立坑掘削土を排出しながら、当該バケットエレベータを立坑内の最終掘削面に向って構築していくことができ、立坑の完成後は、立坑の地上から地底の掘削面に至るバケットエレベータが完成しているので、例えば立坑地底から水平地下空間施工に伴う掘削土の排出にもそのまま使用することができる。
【0025】
また、立坑掘削面の沈下に従って、中間ケーシングを順次連結していくものであるから、どのような深度の立坑にも適用することができ、大深度の立坑においても対応が可能である。
【0026】
また、複数のバケットの循環により大量の掘削土を排出することができ、立坑掘削土の排出だけでなく、立坑掘削後の水平方向への地下空間の施工に伴って発生する大量の掘削土の排出にも適用することができる。
【0027】
また、立坑の完成時には立坑の地上から地底の最終掘削面に至るバケットエレベータが完成しているため、立坑掘削後の水平方向への地下空間の施工に伴う掘削土の排出にもそのまま適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係るバケットエレベータによる立坑掘削土排出装置のケーシング内部の一部を透視した状態の側面図である。
【図2】同上排出装置のケーシング内部の一部を透視した状態の正面図である。
【図3】同上排出装置の中間ケーシングを接続した状態であってケーシング内部の一部を透視した状態の正面図である。
【図4】同上排出装置の複数の中間ケーシングを接続した状態であってケーシング内部の一部を透視した状態の正面図である。
【図5】同上排出装置の中間ケーシングの接続部の概略拡大側面図である。
【図6】同上排出装置の中間ケーシングの接続部の斜視図である。
【図7】同上排出装置の中間ケーシングの接続部の斜視図である。
【図8】同上排出装置のチェンの連結状態を示す当該チェンの斜視図である。
【図9】同上排出装置の接続用の中間ケーシングの概略斜視図である。
【図10】同上排出装置の接続用の中間ケーシングの斜視図である。
【図11】(a)は同上排出装置の連結用チェンの係止状態を示す当該チェン上端近傍の横断面図、(b)は同上排出装置の連結用チェンの係止状態を示す当該チェン上端近傍の縦断面図((a)のX−X線断面図)である。
【図12】同上排出装置の中間ケーシングを連結部に移動した状態を示す基礎水平機枠近傍の斜視図である。
【図13】同上排出装置の中間ケーシングを連結部において接続する状態を示す基礎水平機枠近傍の斜視図である。
【図14】同上バケットエレベータによる立坑掘削土排出方法の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る掘削土排出装置について詳細に説明する。
【0030】
図1、図2において、Gは地面(グランドレベル)、1は掘削途中の立坑、1aは立坑1の掘削面であり、バックホウ(図示せず)によって図1の初期の掘削面1aから垂直に掘削していく。
【0031】
上記地面G上の基礎水平機枠2d上には、水平杆2a及び垂直杆2bにより構築された機枠2が固設されており、当該機枠2の上部水平機枠2c上に、バケットエレベータ5の側面略逆台形状の筒状のヘッドケーシング3が固定されている。そして、該ヘッドケーシング3の下端には横断面方形筒状の中間ケーシング4が接続固定され、該中間ケーシング4の下端に横断面方形筒状のテールケーシング6が接続固定され、該テールケーシング6は上記地面Gから立坑1内に垂下され、その下端は当該立坑1の初期掘削面1aに近接して位置している。尚、上記テールケーシング6はその下面を上記掘削面1aに載置した状態としてもよい。
上記基礎水平機枠2dには図12、図13に示すように、中央部に方形の開口2d’が貫設されており、当該開口2d’内を上記中間ケーシング4及びテールケーシング6が上下方向に貫通した状態で設置されている。
【0032】
尚、図1における図面に向かって右側を「前」、左側を「後」とし、「左右」は、図2のように、前方から後方を向いた場合を基準として説明を行う。
【0033】
上記ヘッドケーシング3の上部の上部水平機枠2c上には、バケットエレベータ5の左側の上部スプロケット7a,7a’が同一高さの前後方向に軸支されていると共に、上記上部スプロケット7a,7a’の各中心軸上の右側位置に、バケットエレベータ5の右側の上部スプロケット7b,7b’が同一高さの前後方向に軸支されている(図2参照)。
また、上記テールケーシング6の下端部には上記左側の上部スプロケット7a,7a’に対応する左側の下部スプロケット8aが軸支されており、上記上部スプロケット7a,7a’と上記下部スプロケット8a間に左側の循環チェン(無端チェン)9aが巻回張設されている。
【0034】
また、上記テールケーシング6の下端部には上記右側の上部スプロケット7b,7b’に対応する右側の下部スプロケット8bが、上記下部スプロケット8aと中心軸が共通する位置に軸支されており、上記上部スプロケット7b,7b’と上記下部スプロケット8b間に右側の循環チェン(無端チェン)9bが巻回張設されている(図2参照)。
【0035】
そして、上記上部スプロケット7a,7bには各スプロケットを回転駆動する駆動モータM1,M2が各々接続されており、両モータM1,M2を同期駆動することにより、左側の上記チェン9aと右側の上記チェン9bを矢印A,A’方向に同時に回転駆動し得るように構成されている。尚、上記チェン9a,9bの回転方向として、バケット10が下降する方向を矢印A方向、バケット10が上昇する方向を矢印A’にて示す(図1参照)。また、上記ヘッドケーシング3、上記中間ケーシング4、テールケーシング6をまとめてケーシング5’という。
【0036】
上記ケーシング5’内において、上記左側の循環チェン9aと右側の循環チェン9b間には、チェンの長手方向に一定間隔を以って複数のバケット10が連続して吊下げ支持されており、これらバケット10は、上記チェン9a,9bの上記同時駆動によって上記ケーシング5’内を矢印A,A’方向に循環駆動され、上記テールケーシング6の後面6b’に開口形成された掘削土投入口11から投入される掘削土を受け入れて地上に運搬する機能を有している。
【0037】
上記各バケット10は上面が開口しており、その上部左右側面の回動支点10c,10cを各々左右一対の循環チェン9a,9bに回動自在に吊下げ支持されており(図5、図9、図10参照)、通常は開口部を上面に向けた状態で吊下されている。1つのバケット10はその左右側面を各々上記チェン9a,9bに支持された状態で、上記チェン9a,9bの回転駆動によって、上部から下降方向(矢印A方向)に移動し、テールケーシング6下端において下部スプロケット8a,8bを回って上昇方向(矢印A’方向)に反転し、上記投入口11において掘削土を受け入れた状態で掘削土を上方に搬送し、ヘッドケーシング3上端において搬送してきた土砂を排出するという循環回転動作を繰り返し行うものである。
【0038】
上記ケーシング5’内における上記各循環チェン9a,9b(中間ケーシング4−1の場合は、各連結用チェン9a−1,9a−2,9b−1,9b−2)の各々の前後には、各チェン9a,9bに沿う上下方向にガイドレール35(内側ガイドレール35a及び外側ガイドレール35b)が各ケーシング5’内に配設固定されており(図6、図10参照)、上記各チェン9a,9bは上記ケーシング5’内において上記ガイドレール35間を上昇下降し得るように構成されている。尚、上記内側ガイドレール35aと外側ガイドレール35bをまとめてガイドレール35という。
【0039】
このガイドレール35は上記ヘッドケーシング3内、上記中間ケーシング4(後述の中間ケーシング4−1も同様)内、上記テールケーシング6内における上記チェン9a,9bの循環経路に沿って設けられており、図6に示すように、各ケーシング同士(図6の場合は中間ケーシング4と中間ケーシング4−1)を接続する場合は、上側のケーシング(例えば中間ケーシング4−1)のガイドレール35a,35b(4箇所)と下側のケーシング(例えば中間ケーシング4)のガイドレール35a,35b(4箇所)は、上下方向に接続し得るように各々対応する位置に設けられている。
【0040】
上記バケット10は上記テールケーシング6における上記投入口11近傍位置においてはその垂直ガイドレール12に当接することでその上面開口部を投入口11方向に若干傾斜して掘削土を受け入れ、上記ヘッドケーシング3の上端位置まで移行し、上記上部スプロケット7a’,7a間(7b’,7b間)の水平移動時に水平ガイドレール13に当接することで底部扉10a,10bが開口し(図5参照)、投入された掘削土は上記ヘッドケーシング3内の排出ホッパ14を介して当該ヘッドケーシング3における上記上部機枠2c下方位置に設置された排出コンベア15上に落下供給され、当該排出コンベア15によって地上における当該機枠2外部に搬送される。尚、上記排出ホッパ14、排出コンベア15により構成される掘削土の排出部を掘削土排出部16という。
【0041】
本発明の掘削土排出装置の上記ケーシング5’は、上述のように上記ヘッドケーシング3と、上記中間ケーシング4(4−1)、テールケーシング6の3種類のケーシングにより構成されており、図2、図3に示すように、上記立坑1を垂直に掘削して行き、その掘削面1aが沈下して行くに従って、複数の接続用の中間ケーシング4−1,4−1,・・・を上記ヘッドケーシング3と上記テールケーシング6(又は中間ケーシング4,4−1)との間に接続して行くことで、常時、沈下する掘削面1aの深さに対応して上記テールケーシング6の掘削土投入口11が位置するように構成されている(図3、図4参照)。
【0042】
上記ヘッドケーシング3は上述のように上端部において掘削土排出部16を構成し、その下端部に方形の接続部フランジ3aが形成されており(図1)、当該接続部フランジ3aにおいて上記中間ケーシング4の上端接続部フランジ4aとボルトナットBによって接続され、上記ボルトナットBを離脱することによって上記ヘッドケーシング3と上記中間ケーシング4とを離脱可能に構成されている。
【0043】
そして、上記ヘッドケーシング3の左側の側面3bの下端(接続部)にはチェン着脱用の方形の窓W1が形成されており、上記中間ケーシング4の左側の側面4bの上端(接続部)にはチェン着脱用の方形の窓W2が形成されており(図1)、上記ヘッドケーシング3と上記中間ケーシング4とを上記接続フランジ3a,4aにて接続したとき、上記各窓W1,W2が上下対応して1つの窓Wを構成し、当該窓Wからケーシング5’内部の上記左側の上記循環チェン9a,9a(矢印A方向に下降する循環チェン9aと矢印A’方向に上昇する循環チェン9aの2本のチェン)が臨むように構成されている。
【0044】
また、上記ヘッドケーシング3の右側の側面3b’の下端(接続部)にも同様の方形の窓W1,上記中間ケーシング4右側の側面4b’の上端(接続部)にも同様の窓W2が形成されており、これらの窓W1,W2が対応して1つの窓Wが形成されている。当該窓Wには対応する右側の循環チェン9b,9b(矢印A方向に下降する循環チェン9bと矢印A’方向に上昇する循環チェン9bの2本のチェン)が臨むように構成されている。
【0045】
また、上記中間ケーシング4の下端部(接続部)には下端接続部フランジ4cが形成されており、当該接続部フランジ4cにおいて、テールケーシング6の上端接続部フランジ6aとボルトナットBによって接続固定されている。
【0046】
上記中間ケーシング4のケーシング側面4bの下端(接続部)(左側)にはチェン着脱用の方形の窓W1’が形成されており、当該窓W1’から中間ケーシング4内部の上記左側の上記循環チェン9a,9a(矢印A方向に下降する循環チェン9aと矢印A’方向に上昇する循環チェン9aの2本のチェン)が臨むように構成されている(図5、図6参照)。また、上記中間ケーシング4の右側の側面4b’の下端(接続部)にも上記チェン着脱用の窓W1’が形成されており、当該窓W1’から対応する他方の循環チェン9b,9b(矢印A方向に下降する循環チェン9bと矢印A’方向に上昇する循環チェン9bの2本のチェン)が臨むように構成されている。
【0047】
上記中間ケーシング4(又は4−1)の上端部の前面4d及び後面4d’の各々2箇所(計4箇所)にはウインチのフック係合用の係合穴31が設けられており(図6、図9、図10参照)、これらの係合穴31には上記機枠2の上側の上記水平杆2a下部に固定された中間ケーシング吊上げ用ウインチ22(前方側2箇所、後方側2箇所、図3)の計4個のフック23を上記4箇所の係合孔31に各々係合することで、上記中間ケーシング4(又は4−1)を上記ヘッドケーシング3下端部に吊上げ支持することができるように構成されている。
【0048】
また、上記テールケーシング6の下端部近傍の前面6b及び後面6b’の各々2箇所(計4箇所)に上記係合孔31と同様のウインチのフック係合用の係合穴32が4箇所に設けられており(図3参照)、これらの係合穴32には上記機枠2の基礎水平機枠2dに設けられたテールケーシング吊上げ用ウインチ24(前方2箇所、後方側2箇所)の計4個のフック23を各々係合することで、上記テールケーシング6(及び中間ケーシング4)を上記中間ケーシング4−1の下方に吊上げ支持することができるように構成されている(図3参照)。
【0049】
上記チェン9a,9bの離脱は、図8に示すように、ヘッドケーシング3内のチェン9a(上側)と中間ケーシング4内のチェン9a(下側)間を接続するジョイントリンク17において、Tピン20,20をジョイントリンク17の一対の連結軸18,18から離脱し、ジョイントリンク17を上記両チェン9aを構成するプレート21,21から離脱することにより行うことができる。
【0050】
また、上記ヘッドケーシング3のチェン9aと上記中間ケーシング4(又は4−1)内のチェン9aの接続は、上記ヘッドケーシング3内のチェン9a(上側)の下端のプレート21と、上記中間ケーシング4内のチェン9a(下側)の上端のプレート21とを上記ジョイントリンク17の連結軸18にて接続し、各連結軸18,18の孔18a,18aにTピン20,20を挿入することにより行うことができる。尚、テールケーシング6と上記中間ケーシング4間のチェン9a,9bの連結、離脱も含めて、上記ケーシング5’内のチェンの連結、離脱は上記と同様に行うことができる。
【0051】
4−1で示すものは上記中間ケーシング4と同様の構成を有する接続用の複数の中間ケーシングであり(図2、図9、図10参照)、以下、接続用の中間ケーシングを示す場合は、4−1の符号を用い、当初から接続されている中間ケーシング又は中間ケーシングをまとめて示す場合は符号4を用いる。
【0052】
次に、上記中間ケーシング4−1の構成を説明する。図9、図10に示すように、中間ケーシング4−1は基本的には、上記中間ケーシング4と同じ構成を有するものであり、図1のバケットエレベータ5における中間ケーシング4を、内部の循環チェン9a,9b及び内部の4つのバケット10と共に、上記ヘッドケーシング3及び上記テールケーシング6から取り外した状態と同様の構成を有している。
【0053】
従って、図9、図10に示すように、一の中間ケーシング4−1は、略直方体方形の短い上下開口の筒状の筺体4”から構成されており、当該筺体4”内部には、上記上昇及び下降方向に移行する左側の上記循環チェン9a,9aに対応する位置にあるチェンであって、当該中間ケーシング4−1内に収まる長さの連結用チェン9a−1,9a−2と、上記上昇及び下降方向に移行する右側の上記循環チェン9b,9bに対応するチェンであって、当該中間ケーシング4−1内に収まる長さの連結用チェン9b−1,9b−2とが設けられている。即ち、上記中間ケーシング4−1内には、前方の左右2箇所に連結用チェン9a−1,9b−1が設けられ、後方の左右2箇所に連結用チェン9a−2,9b−2が設けられている。
【0054】
上記連結用チェン9a−1,9a−2,9b−1,9b−2は、それらの前後には上下方向の内側ガイドレール35a及び外側ガイドレール35bが各々設けられ、上記各チェンはこれらのガイドレール35a,35b間に位置するように構成されている。これらのガイドレール35は、上記ケーシング4−1内の前方左右2箇所及び後方左右2箇所に位置するように、上記中間ケーシング4−1の内面にアングル(図示せず)によって固定されており、各連結用チェンが他のケーシングのチェンに連結された後は、上記各チェン9a−1等は各ガイドレール35a,35b間の空間を円滑に上下方向に移動できるように構成されている。
上記ガイドレール35a,35bは横断面略「コ」字状のレールであって、背面35’同士を対向配置して、その背面35’,35’間に上記チェン9a−1等の移動空間が形成されている(図11参照)。
【0055】
これらの連結用チェン9a−1,9a−2,9b−1,9b−2の上端部は、図11に示すように、各チェンの上端部のプレート21の内部に、上記内側ガイドレール35aの上端部の上記背面35’に形成された貫通係合孔36から、上記外側ガイドレール35bの上端部の上記背面35’に形成された貫通係合孔37に向けて、固定ピン26がチェンに直交するように水平に貫通挿入され、当該固定ピン26が上記プレート21のローラ27に係合することにより、上記各連結用チェン9a−1等は上記固定ピン26により上記各ガイドレール35a,35bの上端部に吊下げ支持されている。即ち、上記連結用チェン9a−1,9a−2,9b−1,9b−2は当該中間ケーシング4−1の下開口から落下することなく、各々上記中間ケーシング4−1内の上記ガイドレール35上端部に係止されている(図10参照)。
【0056】
上記固定ピン26は図11(a)に示すように、上記チェンのプレート21内に挿入される本体部26aと上記ガイドレール35に係合する横断面「コ」字状の抜止部26bから構成されており、上記本体部26aを上記内側ガイドレール35aの前側から上記貫通係合孔36にチェンに直交するように水平に挿入し、上記チェンのプレート21内を貫通して上記外側ガイドレール35bの上記貫通係合孔37に挿入することで、上記チェンをガイドレール35に係止するものであり、上記抜止部26bが上記ガイドレール35aの内側面に係合することで、抜け止め状態となる(図11(a)参照)。
また、上記連結用チェン9a−1,9a−2,9b−1,9b−2の下端部も、上記上端部と同様に、上記各ガイドレール35a,35bの下端部に上記固定ピン26を以って各々係止されている。即ち、各チェンの下端部のプレート21の内部に、上記内側ガイドレール35aの下端部の上記背面35’に形成された貫通係合孔36から、上記外側ガイドレール35bの下端部の上記背面35’に形成された貫通係合孔37に向けて、固定ピン26が同様に水平方向に挿入されることにより、上記各連結用チェン9a−1,9a−2,9b−1,9b−2の下端部は上記固定ピン26により上記各ガイドレール35a,35bの下端部に支持されている(図10参照)。尚、上記チェンの下端部をも上記ガイドレール35の下端に上記固定ピン26を以って係止するのは、中間ケーシング4−1移動中等の上記連結用チェン9a−1等の揺れ等を防止するためである。
【0057】
尚、上記固定ピン26によるチェンの係止構成は他のケーシング内においても図11と同様であり、上記中間ケーシング4(図1)の内部のガイドレール35(35a,35b)の上端部及び下端部にも中間ケーシング4内において分離後のチェン9a,9a,9b,9bの上端部及び下端部を係止するための上記貫通係合孔36,37が設けられており、分離後のチェン9a,9a,9b,9bの各上端部及び下端部を上記固定ピン26にて当該ガイドレール35(4箇所)に係止して、分離後の各チェン9a,9bの下方への落下を防止し得るように構成されている。
さらに、上記ヘッドケーシング3内部の下端部のガイドレール35(35a,35b)の下端部にも、分離後のチェン9a,9a,9b,9bの下端部を係止するための図11と同様の上記貫通係合孔36,37が各々設けられており、中間ケーシング4と分離後のヘッドケーシング3側のチェン9a,9a,9b,9bの各下端部を、上記固定ピン26にて上記ヘッドケーシング3側のガイドレール35(4箇所)に同様に係止して、分離後のヘッドケーシング3側の各チェン9a,9bの移動を防止し得るように構成されている。
【0058】
尚、上記連結用チェン9a−1,9a−2,9b−1,9b−2の上端部は、各チェンの上端部の上記プレート21の内部に、上記筺体4”側面に設けられた係合孔(図示せず)を介して固定ピン26が挿入され、当該固定ピン26が上記プレート21のローラ27に係合することにより、上記各連結用チェン9a−1等を上記固定ピン26に吊下げ支持するように構成することもできる。このように、上記連結用チェン9a−1,9a−2,9b−1,9b−2は、各々上記接続用の中間ケーシング4−1内において各上端部及び下端部を以って係止することができるように構成されている。
【0059】
上記連結用チェン9a−1と9b−1間には、2つのバケット10が上下2段に回動支点10c,10cを以って吊下げ支持されており、上記連結用チェン9a−2と9b−2間には、2つのバケット10が上下2段に回動支点10c,10cを以って吊下げ支持されている。このように1つの中間ケーシング4−1には合計4個のバケット10が設けられている。
【0060】
そして、上記中間ケーシング4−1内の各連結用チェン9a−1,9a−2,9b−1,9b−2の各々その上端部は、上記ジョイントリンク17によって、上記ヘッドケーシング3における各対応位置にある循環チェン9a,9bの下端部に連結し得るように構成されている。また、上記各連結用チェン9a−1,9a−2,9b−1,9b−2の各々その下端部は、上記ジョイントリンク17によって、上記中間ケーシング4(又はテールケーシング6)内の対応位置にある各循環チェン9a,9bの上端部、又は上記他の接続用の中間ケーシング4−1の各々対応位置にある連結用チェン9a−1,9a−2,9b−1,9b−2の各上端部に各々接続可能に構成されている。
【0061】
上記中間ケーシング4−1は立坑1の深さに応じて順次接続していくものであるから、立坑1の深さに応じて複数個が予め準備されている。具体的には図2に示すように、複数の中間ケーシング4−1,4−1・・・は中間ケーシング搬送用台車28上に載置された状態で、上記中間ケーシング4に隣接した地面G上に並べられている。この中間ケーシング4又は4−1の高さTは例えば2mとなるように構成されている。そして、上記立坑1の掘削が例えば2mの深さに達すると、上記中間ケーシング4と上記ヘッドケーシング3とを分割して、上記テールケーシング6を上記中間ケーシング4共々ウインチ24にて約2m降下させ、上記中間ケーシング4と上記ヘッドケーシング3との間の空間S(約2m、図3参照)に上記接続用の中間ケーシング4−1を接続する(図12、図13参照)、という動作を繰り返し行うものである。
【0062】
尚、図1中、29は立坑1内に設けられた掘削土搬送用コンベア、30は掘削土用ホッパであり、掘削土はバックホウによって上記ホッパ30内に投入され、上記コンベア29によってバケットエレベータ5の投入口11に搬送され、エレベータ5内のバケット10内に投入される。また、図7における40は上記ケーシングを接続した後の窓W(窓W1’とW2)を閉鎖する嵌め込み板であり、ヘッドケーシング3と中間ケーシング4との接続部の窓W、中間ケーシング4とテールケーシング6との接続部の窓Wも上記嵌め込み板40にて閉鎖される。
【0063】
本発明は上述のように構成されるものであるから、次に、本発明の装置を使用して立坑の土砂の排出工法を説明する。
【0064】
まず、図1に示すように、立坑1の地面G上に機枠2を構築し、当該機枠2内にヘッドケーシング3、中間ケーシング4、テールケーシング6から構成されるバケットエレベータ5を立設支持する。このとき、テールケーシング6の下端は上記立坑1の初期の掘削面1aに近接した位置に設置する。また、立坑1内に掘削土搬送用コンベア29を設置し、そのコンベア端部をテールケーシング6の掘削土投入口11に接合する。そして、駆動モータM1,M2を駆動してバケット10を回動駆動する(図14F1)。
【0065】
次に、バックホウにより、上記初期の掘削面1aを掘削して行く(図14F2)。このときの掘削土はバックホウにより上記搬送用コンベア29のホッパ30に投入され、該コンベア29によってテールケーシング6の掘削土投入口11に搬送され、該投入口11からバケット10に投入され、当該バケット10によりバケットエレベータ5の上部に搬送され、該バケットエレベータ5の上部の掘削土排出部16から排出コンベア15に落下供給され、該は排出コンベア15によって機枠2外部に排出されて行く。
【0066】
上記掘削面1aを2m掘削した時点で(図14F3)、駆動モータM1,M2を一旦停止してバケット10の回動を停止する(図14F4)。また、上記ヘッドケーシング3と中間ケーシング4との接続部の嵌め込み板40を外し、窓Wを露出する。その後、分割部上下の循環チェン9a,9bを固定ピン26で係止して分割時のチェン9a,9bの落下を防止する(図14F5)。即ち、上記中間ケーシング4の左右の窓W2から臨むチェン9a,9a,9b,9b各上端部のプレート21(4箇所)内に、各々固定ピン26を、それらのガイドレール35の貫通係合孔36,37を介して各々挿入し、上記ガイドレール35上端部4箇所に上記各チェン9a,9a,9b,9bの上端部を係止する。
【0067】
同様に、ヘッドケーシング3の左右の窓W1から臨む上記ヘッドケーシング3側のチェン9a,9a,9b,9b各下端部のプレート21(4箇所)内に、各々固定ピン26を、それらのヘッドケーシング3側のガイドレール35下端部の各貫通係合孔36,37を介して各々挿入し、上記ガイドレール35下端部4箇所に上記各チェン9a,9a,9b,9bの下端部を各々係止する(図14F5)。
【0068】
かかる係止操作により、上記中間ケーシング4以下のチェン9a,9b及びバケット10の落下を防止することができる(図14F5)。
次に、テールケーシング吊上げ用ウインチ24のフック23をテールケーシング6の吊上げ用の係合穴32に係合し、テールケーシング6を中間ケーシング4共々上記ウインチ24にて吊上げ可能状態とした上で(図14F6)、上記中間ケーシング4の上端接続用フランジ4aとヘッドケーシング3の下端接続用フランジ3aを接続するボルトナットBを離脱し、上記ヘッドケーシング3の下端と上記中間ケーシング4の上端とを分離し、さらに上記ヘッドケーシング3と上記中間ケーシング4とを接続する上記循環チェン9a,9bにおいて、窓Wから臨む循環チェン9a,9bの部分を切り離す(図14F7)。
【0069】
具体的には、上記窓Wから臨む左側の循環チェン9a,9a(下降する循環チェン9aと上昇する循環チェン9a)において、上記ヘッドケーシング3側のチェン9aと中間ケーシング4側のチェン9aを連結するジョイントリンク17のTピン20を外して、該リンク17をチェン9aから離脱することにより、ヘッドケーシング3側の循環チェン9a(上側)と、中間ケーシング4側の循環チェン9a(下側)とを分離する。
【0070】
同様に、上記窓Wから臨む右側の循環チェン9b,9b(下降する循環チェン9bと上昇する循環チェン9b)において、上記ヘッドケーシング3側のチェン9bと中間ケーシング4側のチェン9bを連結するジョイントリンク17のTピン20を外して、該リンク17をチェン9aから離脱することにより、ヘッドケーシング3側の循環チェン9b(上側)と、中間ケーシング4側の循環チェン9b(下側)とを分離する。
【0071】
以上の操作により、ヘッドケーシング3内のチェン9a,9b及びバケット10と、中間ケーシング4及びテールケーシング5内のチェン9a,9b及びバケット10とが分離状態となったので(図14F7)、上記テールケーシング吊上げ用ウインチ24を操作して、掘削した深さに相当する分(この場合2m)だけ上記中間ケーシング4及びテールケーシング5を下降させる(図3の状態、図14F8)。尚、2m以上掘削した場合は、2m以上降下しても良い。
上記中間ケーシング4及びテールケーシング6を、図1の状態から2m下降した状態を図3に示す。このとき、上記テールケーシング6の下端は2m沈下した掘削面1aの近傍に位置しており、また掘削土搬送用コンベア29の先端部は下降したテールケーシング6の投入口11に接合した状態とする。また、上記中間ケーシング4を下降すると、上記中間ケーシング4と上記ヘッドケーシング3との間に中間ケーシング4−1を接続する約2mの空間Sが形成される(図3参照)。
【0072】
次に、上記中間ケーシング4−1を中間ケーシング搬送用台車28に乗せたままの状態で、上記ヘッドケーシング3と下降した中間ケーシング4間の空間S内に移動する(図3、図12の状態、図14F9)。このとき、中間ケーシング搬送用台車28は上記基礎水平機枠2dの開口2d’上に位置している。
【0073】
その後、中間ケーシング4−1の4箇所の吊上用の係合穴31に中間ケーシング吊上用ウインチ22のフック23(4箇所)を係合し(図3、図12)、当該ウインチ22にて上記中間ケーシング4−1を若干吊上げ(図14F10)、搬送用台車28を除去し(図9F11)、ケーシング左右の窓W1,W2(W)を介してチェン9a,9bの接続を行う(図14F12)。
【0074】
具体的には、ケーシング5’の左側の窓W1(ヘッドケーシング3側),W2(中間ケーシング4−1側)を介して上記連結用チェン9a−1,9a−2の上端のプレート21,21と、上記ヘッドケーシング3の対応する循環チェン9a(矢印A方向に下降するチェン),9a(矢印A’方向に上昇するチェン)のプレート21,21をジョイントリンク17(図8)の連結軸18,18を挿通することで接続し、上記連結軸18,18にTピン20,20を挿入することにより、上記ヘッドケーシング3側の循環チェン9a,9aと中間ケーシング4−1の上記連結用チェン9a−1,9a−2とを各々連結する(図8、図14F12)。
【0075】
さらに、ケーシング5’の右側の窓W1(ヘッドケーシング3側),W2(中間ケーシング4−1側)を介して上記連結用チェン9b−1,9b−2の上端のプレート21,21と、上記ヘッドケーシング3の対応する循環チェン9b(矢印A方向に下降するチェン),9b(矢印A’方向に上昇するチェン)のプレート21,21をジョイントリンク17(図8)の連結軸18,18を挿通することで連結し、上記連結軸18,18にTピン20,20を挿入することにより、上記ヘッドケーシング3側の循環チェン9b,9bと中間ケーシング4−1の上記連結用チェン9b−1,9b−2とを連結する(図8、図14F12)。
【0076】
上記操作により中間ケーシング4−1の上端部側の連結用チェン9a−1,9a−2、9b−1,9b−2とヘッドへーシング3側の循環チェン9a,9bとの連結が完了したので(図14F12)、上記ウインチ22により中間ケーシング4−1を若干持ち上げて上記中間ケーシング4−1の上端接続部フランジ4aと上記ヘッドケーシング3の下端接続部フランジ3aを接合し、ボルトナットBによって上記ヘッドケーシング3と上記中間ケーシング4−1の両接続部フランジ4a,3aを接合する(図14F12)。
【0077】
次に、下方中間ケーシング4及びテールケーシング6を吊上げて、中間ケーシング4上端部と中間ケーシング4−1下端部とを近づけて(図14F13)、中間ケーシング4−1の下端側と、下方の中間ケーシング4との接続を行う(図3、図13、図14F14)。具体的には、中間ケーシング4−1の下端側の左側の窓W1’を介して上記連結用チェン9a−1,9a−2の下端のプレート21,21と、下方の上記中間ケーシング4の対応する循環チェン9a(矢印A方向に下降するチェン),9a(矢印A’方向に上昇するチェン)のプレート21,21をジョイントリンク17の連結軸18,18を挿通することで連結し、上記連結軸18,18にTピン20,20を挿入することにより、上記中間ケーシング4−1側の連結用チェン9a−1,9a−2と中間ケーシング4の上記チェン9a,9aとを連結する(図8参照)。
【0078】
さらに、中間ケーシング4−1の右側の窓W1’、中間ケーシング4−1の窓W2を介して上記連結用チェン9b−1,9b−2の下端のプレート21,21と、下方の上記中間ケーシング4の対応するチェン9b(矢印A方向に下降するチェン)、9b(矢印A’方向に上昇するチェン)のプレート21,21をジョイントリンク17の連結軸18,18を挿通することで接続し、上記連結軸18,18にTピン20,20を挿入することにより、上記中間ケーシング4−1側の連結用チェン9b−1,9b−2と下方の中間ケーシング4の上記チェン9b,9bとを連結する(図8参照)。
【0079】
上記操作により中間ケーシング4−1の下端部側の連結用チェン9a−1,9a−2,9b−1,9b−2と下方の中間ケーシング4側のチェン9a,9bとの連結が完了したので、上記ウインチ24により上記テールケーシング6を上記中間ケーシング4共々若干持ち上げて上記中間ケーシング4の上端接続部フランジ4aと上記中間ケーシング4−1の下端接続部フランジ4cとを接合し、ボルトナットBによって上記中間ケーシング4と上記中間ケーシング4−1の両接続部フランジ4a,4cを接続する(図14F14、図5、図13参照)。
【0080】
以上の操作により、中間ケーシング4−1の上下端部各々の、上記ヘッドケーシング3と上記中間ケーシング4との間への接続が完了し、上記中間ケーシング4−1内の連結用チェン9a−1,9a−2,9b−1,9b−2は上記バケットエレベータ5内の循環チェン9a,9bと無端状態に接続された。
【0081】
その後、各チェンを係止しているチェン固定ピン26を外す(図14F15)。即ち、上記ヘッドケーシング3の下端のチェン9a,9a,9b,9bをガイドレール35(4箇所)に係止している固定ピン26(4個)、上記中間ケーシング4−1内のチェン9a−1,9a−2,9b−1,9b−2の各上端部(4箇所)及び下端部(4箇所)を、上記中間ケーシング4−1内の各ガイドレール35の各上端部(4箇所)及び下端部(4箇所)に係止している固定ピン26(上端部4個、下端部4個)、かつ、上記下側中間ケーシング4内のチェン9a,9a,9b,9bの各上端部をそのガイドレール35(4箇所)に係止している固定ピン26(4個)を各々取り外し、各チェンをフリー状態として循環移動可能状態とする(図14F15)。その後、上記接続した各ケーシング5’の窓W(ヘッドケーシング3と中間ケーシング4−1との接続部の窓Wと、中間ケーシング4−1と中間ケーシング4との接続部の窓W)を嵌め込み板40にて閉鎖する(図14F16、図7参照)。
その後、駆動モータM1,M2の駆動を再開すると、接続された中間ケーシング4−1内の4つのバケット10を含めて、上記バケットエレベータ5内のバケット10は再び循環回動を開始する(図14F1)。
【0082】
かかる状態で、バックホウによって掘削面1aの掘削を再開し、掘削土は上記搬送用コンベア29のホッパ30に投入され搬送用コンベア29によってテールケーシング6の投入口11に搬送されるため、上記バケットエレベータ5内の上記バケット10によって地上の掘削土排出部16まで搬送され、上記掘削土排出部16において排出ホッパ14を介して排出コンベア15に落下供給され、上記排出コンベア15によって機枠2外部に排出される。
【0083】
以降は、掘削面1aの2mの深さの掘削が終了する度に、駆動モータM1,M2の停止、上述の中間ケーシング4−1とヘッドケーシング3との分離操作、ウインチ24にてテールケーシング6及び中間ケーシング4,4−1の降下操作、接続すべき中間ケーシング4−1の移動操作、接続すべき中間ケーシング4−1とヘッドケーシング3及び中間ケーシング4又は4−1(テールケーシング6側)との連結操作、駆動モータM1,M2の駆動再開動作を繰り返し行う。
【0084】
これにより、2mの掘削を行う際の掘削土をバケットエレベータ5により順次地上に搬出しながら、2mの掘削が行われる度に、バケットエレベータ5のヘッドケーシング3と中間ケーシング4−1との間に、新たな接続用の中間ケーシング4−1を接続し、漸次、バケットエレベータ5のテールケーシング6を掘削面1aの沈下に対応して降下させて行き、掘削作業を行いながら、バケットエレベータ5を立坑1の深度に沿って下方に延長して行き、常時、掘削土を地上に排出しながら、掘削作業を円滑に行うことができる。
【0085】
図4には中間ケーシング4−1を5個連結した状態のバケットエレベータ5を示す。この立坑1は、図1の立坑1の状態から掘削面1aがさらに10m沈下した状態を示す。
掘削作業はさらに進行して行き、最終的には例えば40m程度の立坑1が形成され、当該深度の立坑1の掘削が終了した時点においては、地上から地下40mの位置の最大掘削面1a近傍にテールケーシング5の下端部が位置するバケットエレベータ5を構築することができる。
【0086】
立坑1の掘削が終了した後、上記立坑1の掘削面1aから水平方向(横方向)にトンネル(横穴)の掘削を行う場合において、当該立坑1には、最終掘削面1a(立坑地底)から地上に至るバケットエレベータ5が既に構築されているので、上記トンネルの掘削に伴う掘削土の排出にも当該バケットエレベータ5を引き続いてそのまま利用することができる。
尚、上記実施形態では、ヘッドケーシング3と中間ケーシング4とテールケーシング6が接続された状態からはじまり、立坑の掘削が進行して掘削面が沈下していくに従って、ヘッドケーシング3と中間ケーシング4との間に中間ケーシング4−1を接続していく工法にて説明したが、当初はヘッドケーシング3とテールケーシング6のみが接続された状態で、当該状態から立坑の掘削が進行して掘削面が沈下していくに従って、上記ヘッドケーシング3とテールケーシング6間に中間ケーシング4又は4−1を順次接続していく構成としても良い。この場合は、上記テールケーシング6の上端の接続部内のガイドレール35(35a,35b)の上端部にも、上記チェン9a,9bを係止するための図11と同様の上記貫通係合孔36,37を設け、該テールケーシング6上端部において分離したチェン9a,9bの各上端部(4箇所)を上記固定ピン26にて上記ガイドレール35に係止して、分離後の各チェン9a,9bの下方への落下を防止し得るように構成する。
【0087】
以上のように、本発明は、立坑掘削に伴う掘削面1aの沈下に伴って、バケットエレベータ5にて立坑掘削土を排出しながら、当該バケットエレベータ5を立坑1内の掘削面1aに向って構築していくことができ、立坑1の完成後は、立坑1の地上から地底の最終掘削面1aに至るバケットエレベータ5が完成しているので、立坑地底から水平地下空間施工に伴う掘削土の排出にもそのまま使用することができる。
また、立坑掘削面1aの沈下に従って、中間ケーシング4−1を順次接続していくものであるから、どのような深度の立坑にも適用することができ、大深度の立坑においても問題なく対応が可能である。
【0088】
また、複数のバケット10の循環により大量の掘削土を排出することができ、立坑掘削土の排出だけでなく、立坑掘削後の水平方向への地下空間の施工に伴って発生する大量の掘削土の排出にも問題なく適用することができる。
【0089】
また、立坑1の完成時には立坑1の地上から地底の最終掘削面1aに至るバケットエレベータ5が完成しているため、立坑掘削後の水平方向への地下空間の施工に伴う掘削土の排出にもそのまま適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明のバケットエレベータによる立坑掘削土排出装置及び立坑掘削土排出方法は、立坑の掘削土の排出に限らず、立坑完成後の水平方向への地下空間の施工に伴う掘削土の排出にそのまま利用することができ、各種土木作業に広く適用し得るものである。
【符号の説明】
【0091】
1 立坑
2 機枠
3 ヘッドケーシング
4,4−1 中間ケーシング
5 バケットエレベータ
5’ ケーシング
6 テールケーシング
9a,9b 循環チェン
9a−1,9a−2 連結用チェン
9b−1,9b−2 連結用チェン
10 バケット
17 ジョイントリンク
22 中間ケーシング吊上げ用ウインチ
24 テールケーシング吊上げ用ウインチ
26 固定ピン
35 ガイドレール
35a 内側ガイドレール
35b 外側ガイドレール
36,37 貫通係合孔
W1,W2 窓
W1’,W2’ 窓
W 窓
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上の機枠に設置されるヘッドケーシングと、該ヘッドケーシングに接続され少なくとも下端部が立坑内の掘削面又は掘削面近傍に位置するテールケーシングとを具備し、これらケーシング内において上記テールケーシングと上記ヘッドケーシングとの間を循環しながら回動する循環チェンを設け、上記循環チェンに複数のバケットを取付け、上記テールケーシングの投入口から投入される掘削土を上記バケットにて上記ヘッドケーシングまで搬送し、上記ヘッドケーシングの掘削土排出部にて上記掘削土を排出する動作を循環して行うバケットエレベータによる立坑掘削土排出装置であって、
ケーシング内部にバケットが取り付けられた連結用チェンを具備する上下開口の中間ケーシングを複数個設け、
上記立坑の掘削による掘削面の沈下が所定深さ進行すると、上記ヘッドケーシングと上記テールケーシングとをケーシング内部の上記循環チェン共々分離すると共に、分離後の上記テールケーシングを機枠に設けたウインチにて吊上げて、上記テールケーシングを上記ウインチにより上記掘削面の沈下に対応した距離だけ降下し得るように構成し、
上記テールケーシングの上記降下により分離した上記テールケーシングと上記ヘッドケーシングとの間に上記中間ケーシングを接続すると共に、上記中間ケーシング内の上記連結用チェンを上記ヘッドケーシング側及び上記テールケーシング側の上記循環チェンに各々連結して上記中間ケーシング内の上記バケットが上記ケーシング内を循環し得るように構成し、
上記掘削面の沈下に対応して上記接続した上記中間ケーシングと上記ヘッドケーシングとの間に、新たな上記中間ケーシングを上記既に接続した上記中間ケーシングと同様に順次接続して行くことで、上記テールケーシングを漸次降下させながら、上記バケットにより立坑掘削に伴う掘削土を排出し得るように構成したものであることを特徴とするバケットエレベータによる立坑掘削土排出装置。
【請求項2】
上記中間ケーシングの上記連結用チェンは、上記循環チェンに連結されるまでは上記中間ケーシング内に係止されているものであることを特徴とする請求項1記載のバケットエレベータによる立坑掘削土排出装置。
【請求項3】
上記中間ケーシングは、そのケーシング側面に窓が形成されており、当該窓にケーシング内部の上記連結用チェンが臨むように構成されているものであることを特徴とする請求項1又は2記載のバケットエレベータによる立坑掘削土排出装置。
【請求項4】
地上の機枠に設置されるヘッドケーシングと、該ヘッドケーシングに接続され少なくとも下端部が立坑内の掘削面又は掘削面近傍に位置するテールケーシングとを具備し、これらケーシング内において上記テールケーシングと上記ヘッドケーシングとの間を循環しながら回動する循環チェンを設け、上記循環チェンに複数のバケットを取付け、上記テールケーシングの投入口から投入される掘削土を上記バケットにて上記ヘッドケーシングまで搬送し、上記ヘッドケーシングの掘削土排出部にて上記掘削土を排出する動作を循環して行うバケットエレベータによる立坑掘削土排出方法であって、
ケーシング内部にバケットが取り付けられた連結用チェンを具備する上下開口の中間ケーシングを複数個設け、
上記立坑の掘削による掘削面の沈下が所定深さ進行すると、上記ヘッドケーシングと上記テールケーシングとをケーシング内部の上記循環チェン共々分離すると共に、分離後の上記テールケーシングを機枠に設けたウインチにて吊上げて、上記テールケーシングを上記ウインチにより上記掘削面の沈下に対応した距離だけ降下し、
上記テールケーシングの上記降下により分離した上記テールケーシングと上記ヘッドケーシングとの間に上記中間ケーシングを接続すると共に、上記中間ケーシング内の上記連結用チェンを上記ヘッドケーシング側及び上記テールケーシング側の上記循環チェンに各々連結して上記中間ケーシング内の上記バケットが上記ケーシング内を循環し得るように構成し、
上記掘削面の沈下に対応して上記接続した上記中間ケーシングと上記ヘッドケーシングとの間に、新たな上記中間ケーシングを上記既に接続した上記中間ケーシングと同様に順次接続して行くことで、上記テールケーシングを漸次降下させながら、上記バケットにより立坑掘削に伴う掘削土を排出して行くことを特徴とするバケットエレベータによる立坑掘削土排出方法。
【請求項5】
上記中間ケーシングの上記連結用チェンは、上記循環チェンに連結されるまでは上記中間ケーシング内に係止されていることを特徴とする請求項4記載のバケットエレベータによる立坑掘削土排出方法。
【請求項6】
上記中間ケーシングは、そのケーシング側面に窓が形成されており、当該窓にケーシング内部の上記連結用チェンが臨むように構成されており、
当該窓を介して上記ケーシング内部のチェンの分離連結を行うことを特徴とする請求項4又は5記載のバケットエレベータによる立坑掘削土排出方法。
【請求項7】
請求項4〜6の何れかに記載のバケットエレベータによる立坑掘削土排出方法において、
上記立坑の掘削が終了し、地上から立坑地底までのバケットエレベータが完成した後、上記立坑地底から横穴を掘削することによる掘削土を完成した上記バケットエレベータによって排出することを特徴とするバケットエレベータによる立坑掘削土排出方法。
【請求項1】
地上の機枠に設置されるヘッドケーシングと、該ヘッドケーシングに接続され少なくとも下端部が立坑内の掘削面又は掘削面近傍に位置するテールケーシングとを具備し、これらケーシング内において上記テールケーシングと上記ヘッドケーシングとの間を循環しながら回動する循環チェンを設け、上記循環チェンに複数のバケットを取付け、上記テールケーシングの投入口から投入される掘削土を上記バケットにて上記ヘッドケーシングまで搬送し、上記ヘッドケーシングの掘削土排出部にて上記掘削土を排出する動作を循環して行うバケットエレベータによる立坑掘削土排出装置であって、
ケーシング内部にバケットが取り付けられた連結用チェンを具備する上下開口の中間ケーシングを複数個設け、
上記立坑の掘削による掘削面の沈下が所定深さ進行すると、上記ヘッドケーシングと上記テールケーシングとをケーシング内部の上記循環チェン共々分離すると共に、分離後の上記テールケーシングを機枠に設けたウインチにて吊上げて、上記テールケーシングを上記ウインチにより上記掘削面の沈下に対応した距離だけ降下し得るように構成し、
上記テールケーシングの上記降下により分離した上記テールケーシングと上記ヘッドケーシングとの間に上記中間ケーシングを接続すると共に、上記中間ケーシング内の上記連結用チェンを上記ヘッドケーシング側及び上記テールケーシング側の上記循環チェンに各々連結して上記中間ケーシング内の上記バケットが上記ケーシング内を循環し得るように構成し、
上記掘削面の沈下に対応して上記接続した上記中間ケーシングと上記ヘッドケーシングとの間に、新たな上記中間ケーシングを上記既に接続した上記中間ケーシングと同様に順次接続して行くことで、上記テールケーシングを漸次降下させながら、上記バケットにより立坑掘削に伴う掘削土を排出し得るように構成したものであることを特徴とするバケットエレベータによる立坑掘削土排出装置。
【請求項2】
上記中間ケーシングの上記連結用チェンは、上記循環チェンに連結されるまでは上記中間ケーシング内に係止されているものであることを特徴とする請求項1記載のバケットエレベータによる立坑掘削土排出装置。
【請求項3】
上記中間ケーシングは、そのケーシング側面に窓が形成されており、当該窓にケーシング内部の上記連結用チェンが臨むように構成されているものであることを特徴とする請求項1又は2記載のバケットエレベータによる立坑掘削土排出装置。
【請求項4】
地上の機枠に設置されるヘッドケーシングと、該ヘッドケーシングに接続され少なくとも下端部が立坑内の掘削面又は掘削面近傍に位置するテールケーシングとを具備し、これらケーシング内において上記テールケーシングと上記ヘッドケーシングとの間を循環しながら回動する循環チェンを設け、上記循環チェンに複数のバケットを取付け、上記テールケーシングの投入口から投入される掘削土を上記バケットにて上記ヘッドケーシングまで搬送し、上記ヘッドケーシングの掘削土排出部にて上記掘削土を排出する動作を循環して行うバケットエレベータによる立坑掘削土排出方法であって、
ケーシング内部にバケットが取り付けられた連結用チェンを具備する上下開口の中間ケーシングを複数個設け、
上記立坑の掘削による掘削面の沈下が所定深さ進行すると、上記ヘッドケーシングと上記テールケーシングとをケーシング内部の上記循環チェン共々分離すると共に、分離後の上記テールケーシングを機枠に設けたウインチにて吊上げて、上記テールケーシングを上記ウインチにより上記掘削面の沈下に対応した距離だけ降下し、
上記テールケーシングの上記降下により分離した上記テールケーシングと上記ヘッドケーシングとの間に上記中間ケーシングを接続すると共に、上記中間ケーシング内の上記連結用チェンを上記ヘッドケーシング側及び上記テールケーシング側の上記循環チェンに各々連結して上記中間ケーシング内の上記バケットが上記ケーシング内を循環し得るように構成し、
上記掘削面の沈下に対応して上記接続した上記中間ケーシングと上記ヘッドケーシングとの間に、新たな上記中間ケーシングを上記既に接続した上記中間ケーシングと同様に順次接続して行くことで、上記テールケーシングを漸次降下させながら、上記バケットにより立坑掘削に伴う掘削土を排出して行くことを特徴とするバケットエレベータによる立坑掘削土排出方法。
【請求項5】
上記中間ケーシングの上記連結用チェンは、上記循環チェンに連結されるまでは上記中間ケーシング内に係止されていることを特徴とする請求項4記載のバケットエレベータによる立坑掘削土排出方法。
【請求項6】
上記中間ケーシングは、そのケーシング側面に窓が形成されており、当該窓にケーシング内部の上記連結用チェンが臨むように構成されており、
当該窓を介して上記ケーシング内部のチェンの分離連結を行うことを特徴とする請求項4又は5記載のバケットエレベータによる立坑掘削土排出方法。
【請求項7】
請求項4〜6の何れかに記載のバケットエレベータによる立坑掘削土排出方法において、
上記立坑の掘削が終了し、地上から立坑地底までのバケットエレベータが完成した後、上記立坑地底から横穴を掘削することによる掘削土を完成した上記バケットエレベータによって排出することを特徴とするバケットエレベータによる立坑掘削土排出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図8】
【図9】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−167533(P2012−167533A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140487(P2011−140487)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(592099215)株式会社冨士機 (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(592099215)株式会社冨士機 (14)
【Fターム(参考)】
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