説明

バック照明装置

【課題】 本発明は、簡単な構成により、輝度ムラを低減し、奥行きを小さくすると共に、ちぢみ印刷を効果的にバック照明するようにしたバック照明装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 バック照明すべき透過型装飾パネル11の後方に配置され、透過型装飾パネルの背面から照明光を照射する面照明光源ユニット12から成るバック照明装置10であって、上記面照明光源ユニット12が、上記透過型装飾パネルの表示面より小さい照射面を備えていて、上記面照明光源ユニットが、上記透過型装飾パネルの背面から所定の間隔dをあけて配置されるように、バック照明装置10を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バック照明装置に関し、特に遊技機等の透過型装飾パネルのためのバック照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機等で使用される透過型装飾パネル(以下、パネルという)は、一般的に後方からバック照明装置により光を照射して照明される。
このようなバック照明装置は、図10及び図11に示すように構成されている。
図10及び図11において、バック照明装置1は、例えば蛍光灯,CFL等の線状光源2と、この線状光源2を後方及び上下左右から包囲するケース3と、から構成されている。
このような構成のバック照明装置1によれば、図11に示すように、線状光源2から出射した光が、実線矢印で示すように、直接にパネル4の後面に当たり、あるいは点線矢印で示すように、ケース3の内面で反射して間接的にパネル4の後面に当たることにより、パネル4をバック照明する。
【0003】
これに対して、線状光源2の代わりに、光源としてLED実装基板やLEDアレイから成るLEDバー光源を利用したバック照明装置の場合には、図12及び図13に示すように、バック照明装置5は、LEDバー光源6と、場合によっては図12(B)に示すように、LEDバー光源6の前方に配置された光拡散レンズ7と、ケース3と、から構成されている。
このような構成のバック照明装置5によれば、LEDバー光源6から出射した光は、直接にまたは光拡散レンズ7により拡散された後、あるいはケース3の内面で反射して間接的に、パネル4の後面に当たることにより、パネル4をバック照明する。
【0004】
このようなバック照明光源1,5によりバック照明されるパネル4としては、一層以上の印刷や転写が施され、あるいは絵柄等を備えたフィルムから成る表示部材が、透明樹脂材料等から形成された透明パネル板の裏面に配置され、このような構成の二枚の透明パネル板の間に配置されることにより、構成されている。
尚、二枚の透明パネル板の間に表示部材が配置される場合、接着等により固定配置され、表示部材が交換できない構成と、単に表示部材が二枚の透明パネル板の間に挟持され、交換可能な構成がある。
【0005】
また、特許文献1には、表示画面(パネル)の背面に対向する反射板と、表示画面の下端部に直交する面上で表示画面と反射板との間に配置されたLED基板と、LED基板上に複数配置されたLEDと、を備え、反射板が反射表面に光を乱反射させる不規則な凹凸を有するバックライトユニットが開示されている。
このような構成のバックライトユニットによれば、LED基板上の各LEDから出射した光が、表示画面と反射板の間を上方に進んで、反射板の表面に形成された不規則な凹凸によって乱反射した後、表示画面の後面に当たる。これにより、反射板の不規則な凹凸で乱反射した光が十分に拡散されて表示画面の後面に当たるので、表示画面はLEDからの光によってムラなく均一にバック照明される。
【0006】
さらに、特許文献2には、外側パネル,図柄が印刷された透明シート及び内側パネルを積層した複合パネルを、外側パネルが前面に露出するように、筐体の前面に設けた前扉に設置した遊技機において、透明シートの印刷された領域内に、所定の形状をした光透過性図柄を形成すると共に、内側パネルに、光透過性図柄の形状に対応する後ろ向き中空凸部を形成し、この後ろ向き中空凸部の内面及び/または外面に、内側パネルの後方に配置される光源の光を後ろ向き中空凸部内で拡散させる光拡散部を設けた遊技機が開示されている。
このような構成の遊技機によれば、透明シートを交換することによって、容易に図柄による表示内容を変更することが可能である。また、光拡散部が透明シートから離隔した内側パネルの中空凸部に設けられているので、光源から出射して光拡散部により拡散した光が、透明シートに達するまでに十分に拡散するので、透明シートの表示内容が十分に拡散したムラのない照明光によって均一にバック照明される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−267245号公報
【特許文献2】特開2009−233031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、図10及び図11に示したバック照明装置1においては、線状光源2からパネル4に対してほぼ垂直に光が入射する部分の輝度が高く、パネル4の中央付近で、水平方向のライン状に明るくなってしまう。
また、この垂直に光が入射する部分から離れるに従って輝度が低下するため、図10及び図11のバック照明装置1においては、パネル4の上下の端部付近では暗くなってしまう。
このようにして、パネル4の全面を均一にバック照明することは困難であり、パネル4のデザインが制約され、あるいは輝度ムラによる見栄えが悪いために、表示品位が低下してしまう。
さらに、近年の環境保護及び安全性の観点から、水銀を使用する蛍光灯やCFLの使用は、大容量の高周波点灯回路が必要であることもあって、好ましくない。
【0009】
図12及び図13に示したバック照明装置5においては、個々のLEDからパネル4に垂直に入射する部分における所謂点光りを防止するために光拡散レンズ7を設けているが、光拡散レンズ7は、拡散機能を発揮するためにレンズカットを設けたり、あるいは所定の曲率半径を付与する必要があり、コストが高くなってしまう。
さらに、パネル4のLEDバー光源6から垂直に光が入射する部分の輝度が高く、この部分から離れるに従って輝度が低下するため、同様に輝度ムラが発生してしまう。
また、光拡散レンズ7の設置スペースが必要になるため、バック照明装置5の奥行きが大きくなってしまう。
【0010】
また、これらのバック照明装置1,5においては、パネル4の正面から観察した場合、光源が目線と同じ高さに位置すると、真裏からパネル4の背面に照明光が当たるため、パネル4に例えば縮み印刷が施されている場合、縮み印刷の凹凸形状の影が殆ど生じない。このため、縮み印刷効果が得られなくなってしまう。
【0011】
これに対して、特許文献1によるバックライトユニットにおいては、表示画面と反射板の間で下方にLEDを配置しているため、バックライトユニットの奥行きが大きくなってしまう。
また、表示画面の背面に入射する光は、反射板の表面の凹凸による乱反射に依存しているため、表示画面の輝度をあまり高くすることができない。
【0012】
また、特許文献2による遊技機においては、内側パネルが後ろ向き中空凸部の領域で背面側に大きく突出していると共に、その後方に離隔して光源が配置されている。このため、後ろ向き中空凸部を含む内側パネル及び光源の設置スペースが必要となり、これら内側パネル及び光源の奥行きが大きくなってしまう。
【0013】
本発明は、以上の点から、簡単な構成により、輝度ムラを低減し、奥行きを小さくすると共に、ちぢみ印刷を効果的にバック照明するようにしたバック照明装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的は、本発明によれば、バック照明すべき透過型装飾パネルの後方に配置され、透過型装飾パネルの背面から照明光を照射する面照明光源ユニットから成るバック照明装置であって、上記面照明光源ユニットが、上記透過型装飾パネルの表示面より小さい照射面を備えていて、上記面照明光源ユニットが、上記透過型装飾パネルの背面から所定の間隔をあけて配置されていることを特徴とする、バック照明装置により、達成される。
【0015】
本発明の第二の態様によるバック照明装置は、前記第一の態様によるバック照明装置において、上記面照明光源ユニットが、上記透過型装飾パネルの背面から数mm〜20mm程度の間隔をあけて配置されていることを特徴とする。
【0016】
この第一及び第二の態様では、バック照明すべき透過型装飾パネルの背面に対して、所定の間隔、好ましくは数mmから20mm程度の間隔をあけて面照明光源ユニットが配置されているので、面照明光源ユニットの表面から出射した照明光は、この間隔を進む間に拡散し、あるいは内乱光となって、透過型装飾パネルの裏面に達する。従って、透過型装飾パネルは、バック照明装置の面照明光源ユニットから出射する照明光によって、より均一にバック照明される。これにより、透過型装飾パネルのバック照明の輝度ムラが低減さ れ、その表示品質が向上する。
【0017】
また、面照明光源ユニットが透過型装飾パネルの背面から隔置されることにより、面照明光源ユニットの透過型装飾パネルに対する位置精度を低くすることが可能となる。このため、面照明光源ユニットの構成部品の製造コスト,検査コストが大幅に削減され得るので、バック照明装置が低コストで製造され得る。
さらに、面照明光源ユニットが透過型装飾パネルの背面から隔置されることにより、面照明光源の光照射面を、透過型装飾パネルの表示面より小さく構成することが可能となり、面照明光源ユニットが小型で済み、製造コストが低減され得る。
【0018】
バック照明の光源が面照明光源ユニットであることから、奥行きが大幅に低減され、透過型装飾パネルとバック照明装置から成るパネル装置全体を薄型に構成することができる。
【0019】
本発明の第三の態様によるバック照明装置は、前記第一または第二の態様によるバック照明装置において、上記面照明光源ユニットが、透光性材料から成る偏平な導光板と、上記導光板の少なくとも一つの側縁に対向して一方向に整列して配置された複数個のLEDから成るLEDバー光源と、から構成されていることを特徴とする。
この第三の態様では、光源としてLEDを使用することにより、面照明光源ユニットが薄型に構成されると共に、駆動回路が小型で済み、寿命を長くなるので、環境負荷が低減される。
また、光源としてLEDを使用することにより、従来の蛍光灯やCFL等のように水銀を使用しないので、安全性が確保され得る。
さらに、導光板に傷,ゴミ等があっても、バック照明すべき透過型装飾パネルの裏面と間隔があいているので、これらの傷,ゴミ等は見えなくなるため、部品コスト及び組立コストが低減され得る。
尚、LEDバー光源の各LEDの発光色に多少のばらつきがあったとしても、各LEDから出射した光が透過型装飾パネルの背面に達するまでに十分に混色されるので、低価格のLEDを使用することが可能となり、バック照明装置の部品コストが低減され得る。
【0020】
本発明の第四の態様によるバック照明装置は、前記第一から第三の何れかの態様によるバック照明装置において、上記LEDバー光源が、上記導光板の表面に関して、バック照明すべき透過型装飾パネルの観察方向と逆方向から上記導光板に光を出射することを特徴とする。
この第四の態様では、例えば透過型装飾パネルに所謂ちぢみ印刷が施されている場合に、ちぢみ印刷の凹凸がLEDバー光源からの照明光によって陰影として良好に観察され得る。したがって、ちぢみ印刷の視覚効果が最大限に発揮され得ることになる。
【0021】
本発明の第五の態様によるバック照明装置は、前記第一から第四の何れかの態様によるバック照明装置において、上記LEDバー光源の各LEDが、複数の互いに異なる発光色のLEDを含んでいることを特徴とする。
この第五の態様では、複数の発光色のLEDが混在している場合であっても、各LEDからの光が、透過型装飾パネルの裏面に達するまでに互いに混色される。従って、個々のLEDの発光色では表現できない中間色の照明光により透過型装飾パネルを均一にバック照明することができる。
これにより、透過型装飾パネルにおける演色性や発色性そして表示品位やコントラストが向上することになり、透過型装飾パネルの見た目の付加価値が向上する。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明によれば、簡単な構成により、輝度ムラを低減し、奥行きを小さくすると共に、ちぢみ印刷を効果的にバック照明するようにしたバック照明装置が提供され得ることになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明によるバック照明装置具の一実施形態の構成を示す概略正面図である。
【図2】図1のバック照明装置の縦断面を示す拡大斜視図である。
【図3】図1のバック照明装置の縦断面図である。
【図4】図1のバック照明装置における面照明光源ユニットの全体構成を示す斜視図である。
【図5】図4の面照明光源を示す拡大縦断面図である。
【図6】図1のバック照明装置を遊技機に組み込んだ使用例を示す概略断面図である。
【図7】図6の遊技機におけるちぢみ印刷を施した透過型装飾パネルとバック照明装置を示す拡大断面図である。
【図8】図7のバック照明装置における光出射方向を説明する拡大断面図である。
【図9】図6の使用例に対する比較例を示す概略断面図である。
【図10】従来のバック照明装置の一例の構成を示す斜視図である。
【図11】図10のバック照明装置の縦断面図である。
【図12】従来のバック照明装置の他の例の構成を示す(A)斜視図及び(B)変形例を示す要部の部分斜視図である。
【図13】図12のバック照明装置の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、この発明の好適な実施形態を図1〜図9を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0025】
図1から図3は、本発明によるバック照明装置の一実施形態の構成を示している。
図1から図3において、バック照明装置10は、バック照明すべき透過型装飾パネル11の後方に配置される面照明光源ユニット12と、面照明光源ユニット12を背面側及び上下左右から覆う不透光性材料から成る筐体13と、から構成されている。
ここで、透過型装飾パネル(以下、パネルという)11は、前述した従来のバック照明装置1,5によりバック照明すべきパネル4と同じ構成であり、例えば印刷,転写等による表示部材(図示せず)を備えた透明樹脂材料等から成る透明パネル板から構成されており、詳細な説明は省略する。
【0026】
上記面照明光源ユニット12は、偏平に構成されており、その前面が光出射面になっている。
そして、上記面照明光源ユニット12は、図3に示すように、透過型装飾パネル11の裏面から所定間隔dだけ離隔して配置されている。この間隔dは、好ましくは数mmから20mm程度の距離に選定される。
この間隔dが数mm未満の場合には、面照明光源ユニット12の光出射面から出射した光がパネル11の裏面に達するまでに、光の拡散が十分に行なわれなくなってしまう。
これに対して、間隔dが20mmを超えると、面照明光源ユニット12の光出射面からパネル11の裏面までの距離が長くなり過ぎて、パネル11のバック照明の輝度が低くなり、パネル11の表示が暗くなってしまう。
【0027】
さらに、上記面照明光源ユニット12は、その光出射面の寸法が、透過型装飾パネル11の表示面よりやや小さく選定されている。
この場合、面照明光源ユニット12の光出射面から出射した光は、パネル11の裏面に達するまでに拡散するので、パネル11の裏面は、全面に亘って面照明光源ユニット12からの照射光によりバック照明される。
【0028】
ここで、上記面照明光源ユニット12は、図4及び図5に示すように構成されている。
即ち、図4及び図5において、面照明光源ユニット12は、偏平な導光板21と、この導光板21の上端面に対向して配置されたLEDバー光源22と、これらの導光板21及びLEDバー光源22を後方及び上下左右から覆うケース23と、から構成されている。
【0029】
上記導光板21は、透明樹脂材料等の透光性材料から平板状に成形されており、その前面が光出射面として構成されている。
尚、導光板21は、その背面に光を乱反射させる凹凸形状等の任意形状の反射部分を備えていてもよい。
さらに、導光板21の背面には、図5に示すように、導光板21の背面から出射した光を反射して導光板21内に戻すための反射シート21aが備えられていてもよい。
また、好ましくは、導光板21の下端面は、内部からの入射光を前方に向かって全反射させるために、図5に示すように、前方に向かって広がるように傾斜して形成されている。
【0030】
上記LEDバー光源22は、図5に示すように、ケース23の上端前側に垂直に配置された基板22aの裏面に一列に並んで配置されたLED22bから構成されている。
これらのLED22bは、基板22a上に実装された駆動回路または外部の駆動回路から給電されることによって、それぞれ駆動され、発光する。
尚、図示の場合、LED22bは、所謂サイドビュータイプのLEDであって、基板22aの表面に沿って下方に向かって光を出射するように配置されている。
これにより、各LED22bから出射した光は、それぞれ導光板21の上端面から導光板21内に入射する。
【0031】
本発明によるバック照明装置10は以上のように構成されており、以下のように動作する。
即ち、面照明光源ユニット12のLEDバー光源22の各LED22bが駆動回路により駆動され発光する。これにより、各LED22bから出射した光は、導光板21の上端面から導光板21内に入射し、導光板21内で反射を繰り返しながら、導光板21の下端まで進むと共に、一部が導光板21の背面から出射して反射シート21aで反射した後、導光板21内に戻り、また他の一部が導光板21の表面から拡散しながら出射して、パネル11の背面に達する。
【0032】
そして、導光板21の前面即ち光出射面から出射した光は、図2及び図3に実線矢印で示すように、間隔dを介してパネル11の裏面に入射する。
その際、導光板21の光出射面から拡散しながら光が出射するので、この光出射面より大きいパネル11の裏面全体に亘って光が照射される。
また、面光源ユニット12の周縁付近で出射した光の一部は、図2及び図3に点線矢印で示すように、筐体13の前方に向かって張り出した枠部13aの内面で反射して前方に向かって進み、パネル11の裏面に入射する。
このようにして、パネル11の裏面全体に対して、面照明光源ユニット12の光出射面からの光が均一に照射される。従って、パネル11は、その全面に亘って均一にバック照明されるので、表示品位が向上する。
【0033】
この場合、面照明光源ユニット12の表面とパネル11の裏面との間に間隔dが設けられているので、面照明光源ユニット12の各構成部品21,22の位置精度や加工精度を高くする必要はない。従って、導光板21やLEDバー光源22の製造コスト及び検査コストが大幅に低減され、バック照明装置10がコストで製造され得る。
また、面照明光源ユニット12の光出射面の大きさがパネル11の背面より小さくてもよいので、面照明光源ユニット12がより小型に構成され得、コストが低減され得る。
【0034】
さらに、面照明光源ユニット12が偏平に構成されていることによって、バック照明装置10そして、パネル11を含むパネル装置全体の奥行きが大幅に低減され、全体として薄型に構成され得る。
また、面照明光源ユニット12のLEDバー光源22の個々のLED22bからパネル11の裏面までの距離が長いので、各LED22bから出射した光が互いに十分に混合される。従って、低コストで発光色にばらつきのあるLED22bを使用したとしても、各LED22bからの光が十分に混色されることになり、色ムラのない均一なバック照明が行なわれる。
【0035】
図6は、図1から図3のバック照明装置を遊技機に組み込んだ使用例を示している。
図6において、遊技機30は、公知の構成の遊技機であって、その下方前面に透過型装飾パネル31を備えている。
この透過型装飾パネル31は、図7に示すように、その背面に凹凸を有するちぢみ印刷による表示部材32が設けられている。
そして、この透過型装飾パネル31の後方に、前述したバック照明装置10が配置されている。
【0036】
ここで、表示部材32を有する透過型装飾パネル31は、図8に示すように、LED22bの導光板21への入射方向と表面からの出射光の方向がなす出射角θが90度より小さい場合、出射光の輝度が高い。
これに対して、出射角θが90度より大きい場合、出射光は、導光板21内での乱反射による成分が大部分であるので、その輝度は非常に低い。
これにより、この出射光の出射方向による輝度の差に基づく明暗効果によって、表示部材32のちぢみ印刷が良好に観察され得ることになる。
【0037】
このため、輝度の高い出射光がより良好に観察されるように、バック照明装置10における面照明光源ユニット12のLEDバー光源22の光出射方向側を、観察方向に合わせることが有効である。
従って、図6の遊技機30においては、バック照明装置10は、遊技機30の観察方向Aに対して反対側にLEDバー光源22が位置するように、上下反転して配置されている。
【0038】
これに対して、図9に示すように、遊技機30の観察方向Aに対して同じ側にLEDバー光源22が配置されていると、LEDバー光源22の各LED22bからの光のうち、導光板21の表面における出射角θ(この場合、出射角θは、導光板21の表面に対する角度とする)が小さく輝度の高い光が直接に観察され得ない。このため、ちぢみ印刷の明暗による視覚効果が十分に発揮されず、表示品位が低下してしまう。
【0039】
このような構成の遊技機30によれば、バック照明装置10における面照明光源ユニット12のLEDバー光源22の各LED22bが駆動され発光する。これにより、各LED22bから出射した光は、導光板21の下方の端面から導光板21内に入射し、その光出射面である前面から出射して、間隙dを介して透過型装飾パネル31に入射する。
その際、透過型装飾パネル31に施された表示部材32のちぢみ印刷は、導光板21の表面で種々の出射角θの光によりバック照明され、その明暗差に基づいて視覚効果が得られる。
ここで、透過型装飾パネル31に入射する光のうち、出射角θが90度より小さく光、即ち下方から観察方向Aとほぼ逆方向に入射する光は、輝度が高く、利用者に直接に視認される。従って、透過型装飾パネル31に施された表示部材32のちぢみ印刷は、大きな明暗差でバック照明されることになる。これにより、表示部材32のちぢみ印刷による視覚効果が十分に発揮されるので、透過型装飾パネル31の表示品位が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0040】
上述した実施形態においては、バック照明装置10の面照明光源ユニット12は、導光板21の上端面に対向してLEDバー光源22が配置されているが、これに限らず、導光板21の下端面,左端面または右端面、あるいは上下両端面または左右両端面等、何れか一つ以上の端面に対向してそれぞれLEDバー光源22が配置されていてもよい。
【0041】
また、上述した実施形態においては、筐体13の周縁に、導光板12の表面で出射した光をパネル11に向かって反射する枠部13aを備えているが、これに限らず、枠部13aは省略されてもよく、また光を反射しないように構成されていてもよい。
さらに、上述した実施形態においては、面照明光源ユニット12は、導光板21とLEDバー光源22とから構成されているが、これに限らず、偏平な構成で、光出射面からほぼ均一な光を出射するものであれば、例えばEL素子等の他の任意の構成の面照明光源ユニットを使用することができる。
【0042】
また、上述した実施形態においては、LEDバー光源22の各LED22bは、同じ発光色のLEDであるが、これに限らず、互いに異なる複数の発光色のLEDが使用されてもよい。この場合、各LEDからの光が互いに十分に混合されることにより、単一発光色のLEDでは得られない中間色等の任意の照射光が得られる。従って、パネルの演色性,発色性が向上する。
例えば、白色光のLEDに対して、一部赤色や緑色の発光色のLEDを混在させることによって、パネル11のバック照明による表示品位やコントラストを向上させることが可能になり、パネル11の見た目の付加価値が得られる。
【0043】
さらに、上述した実施形態においては、バック照明装置10は、例えば遊技機30の透過型装飾パネル31をバック照明するように構成されているが、これに限らず、例えば看板,電飾や各種表示板等の透過型装飾パネルを有する各種機器等における透過型装飾パネルをバック照明するために使用されてもよい。
【0044】
このようにして、本発明によれば、簡単な構成により、輝度ムラを低減し、奥行きを小さくすると共に、ちぢみ印刷を効果的にバック照明するようにした、極めて優れたバック照明装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0045】
10 バック照明装置
11 透過型装飾パネル
12 面照明光源ユニット
13 筐体
13a 枠部
21 導光板
21a 反射シート
22 LEDバー光源
22a 基板
22b LED
23 ケース
30 遊技機
31 透過型装飾パネル
32 表示部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
バック照明すべき透過型装飾パネルの後方に配置され、透過型装飾パネルの背面から照明光を照射する面照明光源ユニットから成るバック照明装置であって、
上記面照明光源ユニットが、上記透過型装飾パネルの表示面より小さい照射面を備えていて、
上記面照明光源ユニットが、上記透過型装飾パネルの背面から所定の間隔をあけて配置されている
ことを特徴とする、バック照明装置。
【請求項2】
上記面照明光源ユニットが、上記透過型装飾パネルの背面から数mm〜20mm程度の間隔をあけて配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のバック照明装置。
【請求項3】
上記面照明光源ユニットが、透光性材料から成る偏平な導光板と、上記導光板の少なくとも一つの側縁に対向して一方向に整列して配置された複数個のLEDから成るLEDバー光源と、から構成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のバック照明装置。
【請求項4】
上記LEDバー光源が、上記導光板の表面に関して、バック照明すべき透過型装飾パネルの観察方向と逆方向から上記導光板に光を出射することを特徴とする、請求項1から3の何れかに記載のバック照明装置。
【請求項5】
上記LEDバー光源の各LEDが、複数の互いに異なる発光色のLEDを含んでいることを特徴とする、請求項1から4の何れかに記載のバック照明装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−134455(P2011−134455A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−290162(P2009−290162)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】