説明

バッグ収納用リュック

【課題】手提げ式または肩掛け式バッグなど、背負うことを目的としていないバッグを背負うためのバッグ収納用リュックを提供する。
【解決手段】バッグ30の正面および背面、底面とそれぞれ正対する複数の部位12a、12b、12c、12dからなる本体部12と、本体部12をバッグ30の上方および両側方で連結する連結具16a、16b、18a、18bと、本体部12に取り付けられた一対の肩紐14により、バッグ収納用リュック10を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手提げ式または肩掛け式バッグなどを背負うためのリュックに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ビジネスパーソンの健康志向は益々の高まりを見せている。またこれと軌を一にするように彼らの環境意識の向上も顕著である。このような意識の変化は、例えば自動車の購入形態において特に顕著である。以前であれば、多少燃費が悪く、維持費がかかろうとも大排気量の大型車が人気であり、またこのような車を所有することが一種の社会的ステータスとされていた。しかし最近は、使用目的や家族構成にあった過不足ないクラスの車を選ぶ傾向にあり、特に燃費の良さ、維持費の安さが購入の際の決め手となるケースも多くなっている。また健康志向、環境意識の変化は、彼らの通勤スタイルにも表れている。これまでのマイカー通勤を資源の無駄遣いで格好の悪いものと考え、自転車で通勤する人が年々増加傾向にある。自転車通勤であれば、ガソリン代も駐車場代もかからず財布には優しい上に適度な運動になるため、肥満を防止できるという健康促進上のメリットもある。さらには排気ガスの削減による環境負荷の低減効果も期待できる。行政もこの流れを後押しすべく駅前などに駐輪場を整備する動きをみせている。
【0003】
ところで通勤に自転車を使用する場合、アタッシュケースやハンドバッグなどのビジネスバッグをどのように運ぶのかという点が問題となる。多くの場合、片方の手でバッグを持ち、もう片方の手でハンドルを握るか、バッグの持ち手の部分をハンドルに掛けるか、あるいはハンドバッグであれば肩に掛けるか、さらには付属のカゴに入れて運ぶかの何れかの方法が採られているようである。
【0004】
しかしながら、ハンドルにバッグを掛けた状態で運転するのは、特にバッグが重いときなどにバランスを崩しやすくなるため、操縦安定性の点で問題がある。また肩に掛けたバッグは位置が定まらないため、運転の邪魔になり、安全運転を阻害する。またバッグをカゴに入れて運転した場合、自転車の振動がバッグに直接伝わるため、中身が散乱したり、中身によっては破損したりすることがある。特に女性の場合、カゴに入れたバッグは引ったくりの被害にあう可能性も高い。そういうこともあってか、最近人気の高いスポーツタイプの自転車や折りたたみ式の自転車には最初からカゴが装着されていないことも多い。
【0005】
このような事情に関連するものとして、特許文献1にはビジネスツールの持ち運びに適した鞄が紹介されているが、この鞄は形状的にビジネスバッグを収納するのは困難である。さらには普通の手提げ鞄の形態であるため、自転車の運転時に使用するには適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−98818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、この従来の技術にあった問題点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、手提げ式または肩掛け式バッグなど、背負うことを目的としていないバッグを背負うことができるようにしたバッグ収納用リュックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明は、バッグを固定するバッグ固定部材と、前記固定部材に連結された一対の肩紐を備えた、バッグ運搬用リュックを提供する。
【0009】
このバッグ運搬用リュックは、ビジネスバッグやハンドバッグなどをバッグ固定部材で固定し、一対の肩紐を両肩に掛けることで背負うことができる。バッグは背中側に固定され、動きが拘束されるため、自転車や二輪車を操縦する際の重量バランスが安定する。
【0010】
バッグ固定部材は、紐状のもの、帯状のもの、袋状のものなどを用いることができる。バッグの動きを完全に拘束することまでは要求されず、バッグが背中の略中央の位置に収まる程度に固定されれば十分である。帯状のものであれば、バッグの正面および背面、底面とそれぞれ正対する部位からなる本体部と、本体部の上下両端部をバッグの上方で連結する連結部材とで構成することができる。この場合、バッグの底面と正対する部位にバッグによる荷重を負担する形状保持部材を備えたものが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
手提げ式バッグや肩掛け式バッグを背負うことにより、両腕が自由に使えるようになるとともにバッグが背中側に固定されるため、自転車や二輪車を安全に運転することができるようになる。また、ひったくりや置き引き等のトラブルを未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】バッグ収納用リュックの正面図
【図2】バッグ収納用リュックの側面図
【図3】バッグ収納用リュックにバッグを収納した状態を示す図
【図4】バッグ収納用リュックの使用例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。バッグ収納用リュック10(以下、リュック10と略称する。)は、略矩形の本体部12と、肩紐14と、連結具16、18により構成されている。本体部12は、シート状の合成繊維を縦方向に区画した4つの部位により構成されている。4つの部位は上から順に、上面部12a、正面部12b、底面部12c、背面部12dである。上面部12a、正面部12b、底面部12c、背面部12dの境界部20a、20b、20cは、他の部分に比べて生地が薄くなっており、本体部12は、これらの境界部20a、20b、20cで折り曲げることが可能になっている。
【0014】
正面部12bには一対の肩紐14が取り付けられている。上面部12aと、背面部12dの下端には、対をなす雄雌の連結具16a、16bが取り付けられており、同様の連結具18a、18bが正面部12bと背面部12dの両側端の略中央部に取り付けられている。底面部12cには合成樹脂製のプレート22が取り付けられており、同様のプレート24が上面部12aにも取り付けられている。また上面部12aには取っ手26が取り付けられている。
【0015】
本体部12は、境界部20a、20b、20cで折り曲げて連結具16a、16bを留めることにより、上面部12aと背面部12dが連結された環状体となり、内側にバッグ30の収納空間を形成することができる。バッグ30は、正面が正面部12bと正対し、背面が背面部12dと正対し、底面が底面部12cと正対した状態で本体部12の内側に収納される。連結具18a、18bを留めることにより、バッグ30は正面部12bと背面部12dによって適度に挟み込まれ、本体部12の内側での位置が固定される。
【0016】
プレート22、24には、本体部12の上面部12aと底面部12cの剛性を強化することにより、本体部12が折り曲げられたときの形状を維持する機能がある。この機能により、バッグ30を型崩れさせることなく運搬することができる。またプレート22には、底面部12cが潰れないように幅を維持してバッグ30の収納幅を確保するとともに、バッグ30の荷重を広く分散させ、リュック10を背負ったときの重量バランスを安定させる機能がある。
【0017】
本体部12は、バッグ30を保護する観点からは、比較的厚手の合成繊維で形成することが好ましい。ただしこの場合、リュック10を折りたたむことができないので、使用後のリュック10の取り扱いや置き場に困る場面に遭遇することがある。このような場合には、本体部12を比較的薄手の合成繊維で形成すれば、使用後に小さく折りたたんでバッグ30に収納することもできる。
【符号の説明】
【0018】
10 バッグ収納用リュック
12 本体部
12a 上面部
12b 正面部
12c 底面部
12d 背面部
14 肩紐
16a、16b、18a、18b 連結具
20a、20b、20c 境界部
22、24 プレート
26 取っ手

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッグを固定するバッグ固定部材と、前記固定部材に連結された一対の肩紐を備えた、バッグ運搬用リュック。
【請求項2】
前記固定部材が、バッグの正面および背面、底面とそれぞれ正対する複数の部位からなる本体部と、前記本体部をバッグの上方および両側方で連結する連結部材とで構成された、請求項1に記載のバッグ運搬用リュック。
【請求項3】
バッグの底面と正対する部位にバッグによる荷重を負担する形状保持部材を備えた、請求項2に記載のバッグ運搬用リュック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−249774(P2012−249774A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123874(P2011−123874)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(511058844)
【Fターム(参考)】