説明

バッテリパック

【課題】バッテリパックの装着に応じて、コネクタの端子窓を開閉して、感電やショートを確実に防止しながら、電気機器の接続端子を確実に接続する。
【解決手段】バッテリパックは、複数の充電できる電池11を内蔵しているケース2に、コネクタ3を連結している。コネクタ3は、バッテリパックの挿入側の接続面3Xに複数の端子窓33、33’を並べて開口してケース2から表出させている。さらに、バッテリパックは、コネクタ3に開口された複数の端子窓33、33’の一部を開閉すると共に、シャッター開ロッド56で開かれるシャッター機構4を備える。シャッター機構4は、バッテリパックが嵌着凹部51に挿入されず、シャッター開ロッド56が案内されない状態では、端子窓33’を塞ぐと共に、バッテリパックが嵌着凹部51に挿入されて、シャッター開ロッド56が案内されると、端子窓33’を開くようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として電動バイクやアシスト自転車などの電動車両である電気機器に脱着自在にセットされて、これらの電気機器に高電圧の電力を供給するバッテリパックに関する。
【背景技術】
【0002】
電動バイクなどの電動車両を走行させるモータに電力を供給するバッテリパックは、出力を大きく、すなわち電動車両に供給する放電電力を大きくするために、大容量の電池を内蔵し、あるいは多数の電池を内蔵して、出力電圧や出力電流を大きくしている。このバッテリパックは、ケースにコネクタを設けて、このコネクタを介して電動車両に脱着自在にセットできる構造としている。このバッテリパックは、電動車両にセットする状態では、コネクタを電動車両の接続端子に電気接続して、バッテリパックから電動車両に電力を供給するようにしている。
【0003】
このバッテリパックは、コネクタを介して電動車両に接続するので、安全かつ確実に電動車両に電気接続して電力供給できる。ただ、このバッテリパックは、出力電圧を高くしているので、コネクタに異物等が挿入されて内部の端子に接触すると、感電したり、ショートするおそれがある。このため、この種のバッテリパックは、使用しない状態ではコネクタをカバー等で閉塞し、電動車両にセットして使用する状態ではカバーを外して接続することで安全に使用できる。
【0004】
一般に、電源端子としてコネクタを有する電気機器において、ケースから表出するコネクタの開口部を開閉自在なカバーで閉塞する構造は、既に実用化されている。(特許文献1参照)
特許文献1に記載される電気機器は、外部から電力が供給されるコネクタをケースから表出して備えており、このコネクタの開口部を開閉できるカバーを設けている。この電気機器は、コードプラグを接続しない状態では、コネクタの開口部をカバーで塞いで開口部に水等が侵入するのを防止し、コードプラグを接続する時には、カバーを開いてコネクタを露出させてコードプラグを接続できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−331742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ただ、このようなカバーでコネクタを開閉する構造は、高電圧を出力するバッテリパックにおいては、必ずしも好ましいとは限らない。それは、この種のカバーは、手で操作して開閉する必要があるので、濡れた手などで直接にカバーを操作して開口部を開くと、逆に感電やショートを起こす危険性が高くなるからである。高出力のバッテリパックにおいて、使用しない状態でコネクタの開口部を閉塞して出力端子を表出させないことは大切であるが、カバーの開閉のために、コネクタの開口部の近傍に手を接近させて操作することは、決して好ましくはない。
【0007】
さらに、電気機器に限らず、電力を供給する出力端子の端子窓(例えばコンセント等)に開閉できる開閉蓋を備える構造も、既に開発され使用されている。とくに、直接手で操作することなく、プラグ等の挿入時にプラグを介して開閉蓋を開く構造も実用されている。ただ、この構造は、端子窓の全体を開閉蓋で開閉するので、この開閉蓋全体を開閉するための機構が複雑になる弊害がある。とくに、正負の出力端子だけでなく、通信用の接続端子も備えるコネクタにおいては、コネクタ全体が大きくなるので、これら全体を確実かつスムーズに開閉する構造は、さらに複雑になる。
【0008】
本発明は、さらに以上の欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、バッテリパックを電気機器の嵌着凹部にセットしない状態では、コネクタの端子窓を塞いで、ここから異物等が侵入するのを阻止して、感電やショートを確実に防止しながら、バッテリパックを電気機器の嵌着凹部にセットする状態では、コネクタの端子窓を開いて、電気機器の接続端子を確実に接続できるバッテリパックを提供することにある。
さらに、本発明の他の大切な目的は、バッテリパックの装着時において、手で直接にコネクタの端子窓を開くことなく、電気機器の嵌着凹部に設けたシャッター開ロッドでコネクタの端子窓を開いて、安全かつ確実に電気機器の接続端子をコネクタに接続できるバッテリパックを提供することにある。
さらにまた、本発明の他の大切な目的は、簡単な構造としながら、コネクタに設けた端子窓を速やかに開閉して、感電やショート等の弊害を確実に防止できるバッテリパックを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0009】
本発明のバッテリパックは、バッテリパックが装着される嵌着凹部51、151にシャッター開ロッド56、156を有する電気機器50、150にセットされて、電気機器50、150に固定している接続端子52、152にコネクタ3、103を接続して電気機器50、150に電力を供給する。このバッテリパックは、複数の充電できる電池11を内蔵しているケース2、102に、内蔵している電池11の電力を電気機器50、150の接続端子52、152に接続して供給するコネクタ3、103を連結している。このコネクタ3、103は、バッテリパックを電気機器50、150の嵌着凹部51、151に挿入する状態で、電気機器50、150の接続端子52、152に接続されるように、バッテリパックの挿入側の接続面3X、103Xに複数の端子窓33、33’、133、133’を並べて開口すると共に、これらの端子窓33、33’、133、133’をケース2、102から表出させている。さらに、バッテリパックは、コネクタ3、103に開口された複数の端子窓33、33’、133、133’の一部を開閉すると共に、シャッター開ロッド56、156で開かれるシャッター機構4を備えている。このシャッター機構4は、バッテリパックが嵌着凹部51、151に挿入されず、シャッター開ロッド56、156が案内されない状態では、端子窓33’、133’を塞ぐと共に、バッテリパックが嵌着凹部51、151に挿入されて、シャッター開ロッド56、156が案内されると、端子窓33’、133’を開いて接続端子52、152を挿入できる状態とする。
【0010】
本発明のバッテリパックは、電気機器の嵌着凹部にセットしない状態では、コネクタの端子窓を塞いで、ここから異物等が侵入するのを阻止して、感電やショートを確実に防止しながら、バッテリパックを電気機器の嵌着凹部にセットする状態では、コネクタの端子窓を開いて、電気機器の接続端子を確実に接続できる特徴がある。それは、本発明のバッテリパックが、電気機器の接続端子が挿入される複数の端子窓を並べて開口してなるコネクタをケースに連結して、これらの端子窓をケースから表出させると共に、コネクタに開口された複数の端子窓の一部を開閉するシャッター機構を備えており、このシャッター機構が、嵌着凹部に設けたシャッター開ロッドを案内して端子窓を開くようにしているからである。このシャッター機構は、シャッター開ロッドが案内されない状態では端子窓を塞いで、シャッター開ロッドが案内されると、端子窓を開いて接続端子を挿入できる状態とするので、バッテリパックを嵌着凹部にセットしない状態では、コネクタの端子窓を塞いで、感電やショートを確実に防止でき、バッテリパックを嵌着凹部にセットする状態では、コネクタの端子窓を開いて、接続端子を確実に接続できる。とくに、このシャッター機構は、コネクタケースに設けた複数の端子窓の全てを開閉するのではなく、一部の端子窓を開閉するので、簡単な構造として省スペースに配置しながら、コネクタに設けた端子窓を確実に開閉できる。さらに、以上のバッテリパックは、バッテリパックが嵌着凹部にセットされると、嵌着凹部に設けたシャッター開ロッドがシャッター機構に案内されて端子窓が開かれるので、従来のように、手で直接にコネクタの端子窓を開くことなく、安全かつ確実に端子窓を開いて接続端子をコネクタに接続できる。
【0011】
本発明のバッテリパックは、シャッター機構4が、コネクタ3、103の端子窓33’、133’を塞ぐ閉方向と、端子窓33’、133’を開く開方向とに往復運動する開閉シャッター41と、この開閉シャッター41を閉方向に付勢する弾性体42とを備えて、シャッター機構4にシャッター開ロッド56、156が案内されない状態では、開閉シャッター41が弾性体42で閉方向に付勢されてコネクタ3、103の端子窓33’133’を塞ぐと共に、シャッター機構4にシャッター開ロッド56、156が案内されると、開閉シャッター41がシャッター開ロッド56、156で開方向に押圧されて、コネクタ3、103の端子窓33’、133’を開くことができる。
以上のバッテリパックは、シャッター機構を簡単な構造としながら、コネクタに設けた端子窓を確実に開閉できる。
【0012】
本発明のバッテリパックは、開閉シャッター41が、シャッター開ロッド56、156に押圧されて開閉シャッター41を開方向に移動させる駆動部41Bを備えて、この駆動部41Bが、シャッター開ロッド56、156の挿入方向に対して傾斜または湾曲してなる摺動面41bを備え、シャッター機構4に案内されるシャッター開ロッド56、156で摺動面41bを押圧して、開閉シャッター41を開方向にスライドさせることができる。
以上のバッテリパックは、シャッター機構にシャッター開ロッドが案内される状態で、確実に開閉シャッターを開方向に移動させて端子窓を開くことができる。とくに、シャッター開ロッドで押圧される開閉シャッターを簡単な構造で開方向に移動できる。
【0013】
本発明のバッテリパックは、コネクタ3、103が、複数の端子窓33、33’、133、133’を一列に並べて開口して、シャッター機構4が、コネクタ3、103の端部に位置する端子窓33’、133’を開閉することができる。
以上のバッテリパックは、複数設けた端子窓のうち、端部に位置する端子窓をシャッター機構で開閉するので、シャッター機構を簡単かつ小型化して省スペースに配置できる特徴がある。
【0014】
本発明のバッテリパックは、コネクタ3、103が、端子窓33、33’、133、133’から挿入される接続端子52、152に接続される複数の接点32を内部に設けて、シャッター機構4で開閉される端子窓33’、133’に対応する接点32を正負の出力端子32Aとすることができる。
以上のバッテリパックは、正負の出力端子に対応する端子窓をシャッター機構で開閉するので、バッテリパックが電気機器に装着されない状態において、高電圧がかかる正負の出力端子を確実に塞いで、感電やショートを有効に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施例にかかるバッテリパックの斜視図である。
【図2】図1に示すバッテリパックの背面斜視図である。
【図3】図1に示すバッテリパックを逆側から見た底面斜視図である。
【図4】図1に示すバッテリパックの垂直断面図である。
【図5】図1に示すバッテリパックの分解斜視図である。
【図6】図5に示すバッテリパックの電池ブロックの分解斜視図である。
【図7】図1に示すバッテリパックのコネクタとケースの連結構造を示す分解斜視図である。
【図8】図1に示すコネクタとケースの連結構造を示す背面斜視図である。
【図9】図1に示すコネクタとケースの連結構造を示す底面斜視図である。
【図10】図2に示すバッテリパックを電動の乗り物にセットした状態を示す一部拡大断面側面図である。
【図11】図10に示す電動の乗り物の一部拡大垂直横断面図である。
【図12】バッテリパックを電動の乗り物の嵌着凹部にセットする状態を示す垂直縦断面図である。
【図13】バッテリパックを電動の乗り物の嵌着凹部にセットする状態を示す垂直横断面図である。
【図14】コネクタと接続端子の連結構造を示す拡大断面図であって、図4のXIV−XIV線断面に相当する図ある。
【図15】図14に示すコネクタを接続端子に接続する状態を示す拡大断面図である。
【図16】図14に示すコネクタを接続端子に接続した状態を示す拡大断面図であって、図11のXVI−XVI線断面に相当する図ある。
【図17】ケースの底部に設けたロックピンとロック機構の連結構造を示す拡大斜視図である。
【図18】ロック機構の一例を示す正面図であって、ロックピンの非ロック状態を示す図である。
【図19】ロック機構の一例を示す正面図であって、ロックピンのロック状態を示す図である。
【図20】本発明の他の実施例にかかるバッテリパックの斜視図である。
【図21】図20に示すバッテリパックのコネクタを接続端子に接続する状態を示す拡大断面図である。
【図22】図21に示すバッテリパックのコネクタを接続端子に接続した状態を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのバッテリパックを例示するものであって、本発明はバッテリパックを以下のものに特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0017】
本発明のバッテリパックは、主として、大電力で使用される電動車両に装着されて、駆動用のモータに電力を供給する電源として使用される。本発明のバッテリパックは、たとえば、電動バイク、アシスト自転車、電動車椅子、電動三輪車、電動カート等の電動車両である電気機器に電源として使用され、あるいは、電動耕耘機、電動草刈り機、電動遊具等の電気機器に電源として使用される。ただ、本発明はバッテリパックの用途を特定するものではなく、電動工具や投光機等の大電力で使用される種々の電気機器用の電源として使用することもできる。以下、電気機器が電動バイクである実施例について詳述する。
【0018】
図1ないし図9に示すバッテリパックは、図10ないし図16に示すように、バッテリパックを挿入する嵌着凹部51にシャッター開ロッド56を有する電気機器50にセットされて、電気機器50に固定している接続端子52にコネクタ3を接続して、電気機器50である電動バイク50Aのモータに電力を供給する。電気機器50の嵌着凹部51は、バッテリパックを脱着自在にセットして定位置に保持できる形状、たとえば、その内形をバッテリパックの外形にほぼ等しい形状として一方を開口している。さらに、嵌着凹部51は、ここにセットされるバッテリパックのコネクタ3に接続される複数の接続端子52と、コネクタ3に開口される端子窓33’を開閉するシャッター機構4に案内されるシャッター開ロッド56を固定している。接続端子52とシャッター開ロッド56は、固定面54に、それぞれ垂直姿勢に固定している。接続端子52は金属の板状で、シャッター開ロッド56は金属製の細長い円柱状として、先端部を次第に細くなるテーパー状としている。ただ、シャッター開ロッドは、細長い多角柱状とすることも、板状とすることもできる。バッテリパックは、嵌着凹部51に挿入されて、シャッター開ロッド56をシャッター機構4に案内すると共に、接続端子52をコネクタ3に挿入して接続する。したがって、接続端子52とシャッター開ロッド56は、バッテリパックの挿入方向に突出する姿勢で、嵌着凹部51の内部に露出して固定されている。嵌着凹部51は、プラスチックの壁面であり、金型より成形して作成される。
【0019】
図5のバッテリパックは、図6に示すように、複数の電池11を直列と並列に接続してブロック状の電池ブロック1とし、この電池ブロック1をケース2に収納している。電池ブロック1は、複数の円筒型電池11を電池ホルダー12で定位置に配置して、直列に接続して出力電圧を高く、並列に接続して充放電の電流を大きくしている。電池11は、ニッケル水素電池である。ただ、電池ブロックの電池には、角形電池も使用でき、また、ニッケル水素電池に代わって、リチウムイオン電池やニッケルカドミウム電池等の充電できる全ての電池とすることができる。図6の電池ブロック1は、円筒型電池11を多段多列に配置している。複数の電池11を定位置に配置するために、電池ホルダー12は両端に開口する複数の筒部12Aをプラスチックで一体的に成形して設けている。電池ホルダー12の筒部12Aは、互いに平行な姿勢に配置している。さらに、図の電池ホルダー12は、筒部12Aに挿入して多段多列に配置する電池11を「俵積み状態」、すなわち、互いに隣接する列の電池11をその谷間に配置している。電池ホルダー12の筒部12Aに挿入される電池11は、その両端に設けた端面電極を電池ホルダー12から露出させて、両端の端面電極にリード板13を溶接して、直列と並列に接続して、一体構造に連結している。
【0020】
さらに、図5と図6の電池ブロック1は、電池11の充放電を制御し、あるいは電池11の残存量を検出する電子回路等を実装する回路基板6を電池ホルダー12の側面にネジ止めして固定している。リード板3は、その一端に、回路基板6に接続するための接続部13Aを設けている。リード板13の接続部13Aは、リード14を介して回路基板6に接続している。
【0021】
さらに、バッテリパックは、電池ブロック1の電池11の電力を電気機器50の接続端子52に接続して供給するコネクタ3をケース2に連結している。コネクタ3は、電気機器50の接続端子52に接続されて、電池11の電力を電気機器50に供給する。図に示すバッテリパックは、コネクタ3を、ケース2の表面に突出するように設けているガイド凸部21の内部に配置している。コネクタ3は、絶縁材であるプラスチック製のコネクタケース31を備えている。コネクタケース31は、ガイド凸部21の内側に収納できるように、その外形をガイド凸部21の内形よりも小さく成形している。ガイド凸部21の内部に配置されるコネクタケース31は、固定プレート85を介してケース2に連結している。
【0022】
コネクタケース31は、バッテリパックを電気機器50の嵌着凹部51に挿入する状態で電気機器50の接続端子52に接続できるように、挿入側の端面である接続面3Xに、接続端子52が挿入される複数の端子窓33、33’を並べて開口している。図に示すバッテリパックは、電動バイク50Aである電気機器50の嵌着凹部51に下方に挿入されて、接続端子52をコネクタ3に接続するので、コネクタケース31の下面である接続面3Xに複数の端子窓33、33’を設けている。図のコネクタケース31は、下面から突出する嵌着凸部34を設けて、この嵌着凸部34の内側に複数の端子窓33を並べて開口すると共に、この嵌着凸部34に隣接して、後述するシャッター機構4で開閉される端子窓33’を開口して設けている。嵌着凸部34に設けられる複数の端子窓33と、嵌着凸部34に隣接して設けられる端子窓33’は、一直線状に並べて配置している。図のコネクタケース31は、嵌着凸部34に隣接して設けたひとつの端子窓33’をシャッター機構4で開閉する構造としている。ただ、コネクタケースは、嵌着凸部に隣接して複数の端子窓を開口することもできる。
【0023】
コネクタ3に設けた複数の端子窓33、33’は、電気機器50の接続端子52と対向するケース2の対向面2Xから表出される。図のケース2は、コネクタ3が配置されるガイド凸部21の下面である下面プレート21Cを対向面2Xとして、この下面プレート21Cに表出窓22を開口して、ここからコネクタ3の端子窓33、33’を表出させている。図のガイド凸部21は、コネクタケース31の嵌着凸部34を挿入する第1の表出窓22Aと、嵌着凸部34に隣接して開口された端子窓33’を表出させる第2の表出窓22Bとを下面プレート21Cに開口している。第1の表出窓22Aは、コネクタ3の嵌着凸部34を位置ずれしないように挿入できる内形、すなわち、嵌着凸部34の外形にほぼ等しくして、コネクタケース31の嵌着凸部34を第1の表出窓22Aの正確な位置に配置できるようにしている。コネクタケース31の嵌着凸部34は、第1の表出窓22Aから外部に突出する高さとしている。第2の表出窓22Bは、嵌着凸部34に隣接して開口された端子窓33’と対向する位置に、この端子窓33’に挿入される接続端子52を通過できるように、下面プレート21Cを貫通して開口している。
【0024】
さらに、コネクタ3は、図14ないし図16に示すように、コネクタケース31の内部に、端子窓33、33’から挿入される接続端子52に接続される複数の接点32を配設している。図のコネクタケース31は、ガイド凸部21の突出方向に2分割しており、分割された第1ケース31Aと第2ケース31Bの間に複数の接点32を互いに絶縁して配置している。コネクタケース31に開口される複数の端子窓33、33’とコネクタケース31に内蔵される複数の接点32は、各々が互いに対向して配置されており、端子窓33、33’に挿入される接続端子52を互いに絶縁しながら接点32に案内できるようにしている。各々の接点32は、コネクタケース31から引き出されるリード線39を介して電池ブロック1に接続している。
【0025】
コネクタケース31に内蔵される複数の接点32は、バッテリパックから電動バイク50Aのモータに電力を供給する正負の出力端子32Aと、バッテリパックと電動バイク50Aとの間で信号を伝送する複数の信号端子32Bからなる。図のコネクタ3は、複数の接点32を横並びに配置しており、その両端に配置される接点32を正負の出力端子32Aとしている。すなわち、複数の接点32は、両端に正負の出力端子32Aを配置して、中間に複数の信号端子32Bを配置している。このように、正負の出力端子32Aを互いに離して配置する構造は、感電やショート等の弊害を有効に防止できる特徴がある。ただ、正負の出力端子は、必ずしも複数の接点の両端に配置する必要はなく、いずれか一方を複数の接点の一端または端部に配置して、他方を中間に配置することも、あるいは、両方を複数の接点の両端部に配置して、互いに離して配置することもできる。以上のコネクタ3は、複数の接点の一端又は端部に配置される正負の出力端子32Aに連結され端子窓33’が、後述するシャッター機構4で開閉される。信号端子32Bは、バッテリパックから電動バイク50Aに電池11の残容量や温度などの電池情報を伝送する。図14ないし図16に示す接点32は、垂直姿勢に固定している金属板の接続端子52が下から上に挿入されて、その両面を弾性的に挟着する一対の弾性アーム部を有する。一対の弾性アーム部は、その先端部に、互いに内側に折曲してなる折曲片を有する。折曲片は対向するように設けられて、接続端子52が挿入される方向、図にあっては下から上に向かってその間隔を狭くして、挿入される接続端子52を弾性的に挟着する構造としている。
【0026】
さらに、バッテリパックは、コネクタ3の接続面3Xに開口された複数の端子窓33、33’の一部を開閉すると共に、嵌着凹部51に固定されたシャッター開ロッド56で開かれるシャッター機構4を備えている。図のシャッター機構4は、コネクタケース31に開口された複数の端子窓33、33’の一部であって、一端(図14ないし図16において右端)に配置してなる端子窓33’を開閉する。図のシャッター機構4は、コネクタケース31の下面から突出する嵌着凸部34に隣接して開口されたひとつの端子窓33’を開閉する構造としている。このように、1列に設けた複数の端子窓33、33’の一端に位置する端子窓33’のみを開閉する構造は、開閉シャッター41の往復のストロークを小さくして、シャッター機構4を簡単にしながら、省スペースに配置できる特徴がある。ただ、シャッター機構は、1列に設けた複数の端子窓の端部に位置する複数の端子窓を開閉する構造とすることもできる。
【0027】
図7ないし図9、及び図14ないし図16に示すシャッター機構4は、コネクタ3に開口された端子窓33’を塞ぐ閉方向と、端子窓33’を開く開方向とに往復運動する開閉シャッター41と、この開閉シャッター41を閉方向に付勢する弾性体42とを備えている。
【0028】
開閉シャッター41は、コネクタケース31の下面に沿って往復運動して、一端(図14ないし図16において右端)に配置してなる端子窓33’を開閉する板状の開閉プレート部41Aと、この開閉プレート部41Aに連結されて、シャッター開ロッド56に押圧されて開閉シャッター41を開方向に移動させる駆動部41Bとを備える。開閉プレート部41Aは、閉位置にある状態では、図14に示すように、対向する端子窓33’を塞いで、この端子窓33’に接続端子52を挿入できなくし、また、開位置にある状態では、図16に示すように、対向する端子窓33’を開いて、接続端子52を挿入できる状態とする。
【0029】
駆動部41Bは、開閉プレート部41Aの端部に連結されており、シャッター機構4に案内されるシャッター開ロッド56に押圧されて開閉シャッター41を開方向に移動させる。シャッター開ロッド56は、ガイド凸部21の下面プレート21Cに開口した挿入窓28に挿入されて、シャッター機構4に案内される。したがって、開閉シャッター41の駆動部41Bは、ガイド凸部21の挿入窓28に対向する位置に配置される。開閉プレート部41Aは、挿入窓28を貫通して挿入されるシャッター開ロッド56を通過させるスリット穴41aを開口しており、このスリット穴41aに対向する位置に駆動部41Bを一体成形して設けている。駆動部41Bは、シャッター開ロッド56に押圧されて開閉シャッター41を移動できるように、シャッター開ロッド56に接触して押圧される部分をシャッター開ロッド56の挿入方向に対して傾斜してなる摺動面41bとしている。この摺動面41bは、開閉プレート部41Aから離れるにつれて閉方向に接近するように傾斜させており、シャッター開ロッド56が挿入されるにしたがって開閉シャッター41が開方向に移動するようにしている。この駆動部41Bは、操作窓28から挿入されるシャッター開ロッド56の先端部に押圧される状態で、シャッター開ロッド56の先端部を摺動面41bに沿って摺動させて、開閉シャッター41を開方向に移動させる。図の駆動部41Bは、シャッター開ロッド56に押圧される摺動面41bを傾斜面としているが、摺動面は湾曲面とすることもできる。さらに、駆動部41Bは、開閉シャッター41が対向する端子窓33’を開く開位置まで移動すると、開方向への移動が停止されるようにその突出量を調整している。開閉シャッター41が開位置まで移動すると、挿入窓28から挿入されるシャッター開ロッド56は、駆動部41Bを押圧することなく、駆動部41Bの先端縁を側面に沿ってスライドさせながら深く挿入される。
【0030】
以上の開閉シャッター41は、ケース2に固定される固定プレート85に連結されており、この固定プレート85を介してガイド凸部21の定位置に配置されている。開閉シャッター41は、コネクタケース31の下面に沿って所定の方向に往復運動できるように、スライドガイド43を介して固定プレート85に連結している。図の開閉シャッター41は、開閉プレート部41Aの側面に垂直姿勢で連結してなるガイドプレート41Cを備えており、このガイドプレート41Cを固定プレート85に沿ってスライドさせて、開閉シャッター41を開閉方向に案内している。図に示すスライドガイド43は、ガイドプレート41Cに開口されたガイドスリット44と、このガイドスリット44に案内されるガイド凸部45とからなる。ガイドスリット44は、開閉シャッター41の往復運動方向に伸びる形状として開口している。ガイド凸部45は、ガイドプレート41Cを固定プレート85に連結する連結プレート46から突出して設けている。連結プレート46は、2本のガイド凸部45を開閉シャッター41の開閉方向に離して設けており、止ネジ47を介して固定プレート85に連結している。開閉シャッター41は、ガイドプレート41Cが、固定プレート85と連結プレート46に挟着される状態で固定プレート85に連結される。ただ、ガイド凸部は、連結プレートに設けることなく、固定プレートに設けることもできる。さらに、スライドガイドは、ガイドスリットを固定プレートに設けて、ガイド凸部をガイドプレートまたは連結プレートに設けることもできる。さらに、スライドガイドは、開閉シャッターを開閉方向に案内できる他の全ての構造とすることができる。
【0031】
弾性体42は、弾性を有する金属板からなる板バネである。板バネである弾性体42は、固定プレート85に固定される固定部42Bと、この固定部42Bから延長してなる弾性アーム部42Aとからなる。この弾性体42は、固定部42Bを止ネジ48を介して固定プレート85に固定すると共に、固定部42Bから伸びる弾性アーム部42Aを開閉シャッター41に当接させて、開閉シャッター41を閉方向に付勢している。図に示す弾性体42は、弾性アーム部42Aの先端部を、開閉シャッター41の一端であって、駆動部41Bの背面に接触させている。
【0032】
以上のシャッター機構4は、バッテリパックが嵌着凹部51に挿入されず、シャッター開ロッド56が開閉シャッター41の駆動部41Bに案内されない状態では、図14に示すように、弾性体42で付勢される開閉シャッター41が閉位置に位置して、対向する端子窓33’を塞いで、この端子窓33’に異物等が侵入するのを阻止する。バッテリパックが嵌着凹部51に挿入されて、シャッター開ロッド56が挿入窓28に挿入されると、図15に示すように、シャッター開ロッド56が開閉シャッター41の駆動部41Bを押圧して、開閉シャッター41を開方向にスライドさせる。開方向にスライドする開閉シャッター41は、対向する端子窓33’を開いて、この端子窓33’に接続端子52を挿入できる状態とする。この状態で、図16に示すように、端子窓33、33’に挿入される接続端子52が、コネクタケース31内の接点32に接続されて、接続端子52にコネクタ3が接続される。
【0033】
以上のシャッター機構4は、バッテリパックが嵌着凹部51に挿入されると、端子窓33、33’に接続端子52が挿入されるのに先立って、開閉シャッター41が端子窓33’を開くようにシャッター開ロッド56の長さと駆動部41Bの摺動面41bの形状を調整している。図の電気機器50は、嵌着凹部51の固定面54から突出するシャッター開ロッド56の突出量を接続端子52の突出量よりも大きくしている。これにより、嵌着凹部51に挿入されるバッテリパックは、最初に、シャッター開ロッド56が挿入窓28に挿入され、このシャッター開ロッド56で駆動される開閉シャッター41が対向する端子窓33’を開いた後、接続端子52が端子窓33’に挿入されて、コネクタケース31の内部において接点32に接続される。
【0034】
さらに、以上のバッテリパックは、コネクタケース31を、接続端子52の挿入方向に移動自在にケース2に固定している。図に示すバッテリパックは、ガイド凸部21の内部に収納してなるコネクタケース31を、接続端子52の挿入方向に移動できるフローティング構造としている。ガイド凸部21の内部に配置されるコネクタケース31は、固定プレート85を介してケース2に連結しており、ガイド凸部21の一方の側面プレート21Dと、固定プレート85に設けた区画壁85Bとの間にできるスペース内で接続端子52の挿入方向に移動できる構造としている。コネクタケース31は、嵌着凸部34を第1の表出窓22Aから外部に表出させる状態で上下方向に移動できるように、ガイド凸部21の内部に収納されている。
【0035】
固定プレート85は、ガイド凸部21の内部に収納されたコネクタケース31を定位置に配置する。図の固定プレート85は、ガイド凸部21の内部にコネクタケース31を収納する状態で、ガイド凸部21の内側開口部に配置しており、ガイド凸部21の先端面である表面プレート部21Aと固定プレート85とでコネクタケース31を両面から挟着する状態で定位置に配置している。図の固定プレート85は、コネクタケース31を貫通する複数の連結ボス85Aを一体成形して設けており、これらの連結ボス85Aの先端をガイド凸部21の表面プレート部21Aに止ネジ88を介して固定している。固定プレート85は、表面プレート部21Aに固定される連結ボス85Aを介して、ケース2に固定している。ただ、固定プレートは、連結ボスを介することなく、周縁部を直接にケースに固定することもできる。
【0036】
ガイド凸部21の内部にフローティング構造で配置されるコネクタケース31は、ガイド機構80でその移動範囲を特定している。図のガイド機構80は、コネクタケース31に設けられたガイド穴36と、このガイド穴36に挿入されてケース2に固定されるガイドロッド86とで構成している。
【0037】
ガイド穴36は、コネクタケース31に複数開口されており、ガイドロッド86が挿入されている。図のガイド穴36は、コネクタケース31をガイド凸部21の突出方向に貫通して開口している。コネクタケース31に開口されるガイド穴36は、その内形をガイドロッド86の外形よりも大きくして、ガイドロッド86をガイド穴36の内側で相対的に移動させて、コネクタケース31をガイド凸部21の内部で移動できるようにしている。図に示すコネクタケース31は、両側部と、中央の上端部とにガイド穴36を開口している。これらのガイド穴36は、コネクタケース31を接続端子52の挿入方向に移動できるように、接続端子52の挿入方向に伸びる長穴としている。図のコネクタケース31は、長穴の形状を長方形としている。ただ、長穴は長円形とすることもできる。
【0038】
ガイドロッド86は、コネクタケース31に設けられたガイド穴36に対向して配設されてケース2に固定される。ガイドロッド86は、コネクタケース31のガイド穴36に貫通させると共に、その先端をガイド凸部21の先端面である表面プレート部21Aに止ネジ88を介して固定している。図のバッテリパックは、このガイドロッド86として、固定プレート85に一体成形してなる連結ボス85Aを併用している。したがって、図の固定プレート85は、コネクタケース31のガイド穴36と対向する位置に複数の連結ボス85Aを設けてガイドロッド86としている。この構造は、ガイドロッド86となる連結ボス85Aで、固定プレート85をケース2に固定しながら、コネクタケース31の移動範囲を特定できる。ただ、ガイドロッドは、連結ボスと別部材とすることもできる。また、固定プレートは、必ずしも連結ボスを一体成形する必要はなく、板状の固定プレートに、別部材であるガイドロッドを固定し、このガイドロッドを介して固定プレートをケースに固定することもできる。
【0039】
以上のガイド機構80を介して、ガイド凸部21の内側に配置されるコネクタケース31は、ガイド穴36の内側でガイドロッド86を移動させて、正確には、ガイド凸部21に固定されるガイドロッド86に対してガイド穴36を移動させて、ガイド凸部21の内部で所定の方向に移動する。
【0040】
さらに、図のバッテリパックは、コネクタケース31をガイド凸部21の表面プレート部21Aと固定プレート85との間でスムーズに移動させるために、コネクタケース31の両面が固定プレート85の表面及び表面プレート部21Aの内面と接触する部分の面積を小さくしている。図に示す固定プレート85は、ガイドロッド86の根元部分の表面に、コネクタケース31の表面と接触する段差凸部87を設けている。この固定プレート85は、表面全体でコネクタケース31に接触することなく、段差凸部87の表面をコネクタケース31の表面に接触させるので、摺動抵抗を小さくしてコネクタケース31をスムーズに摺動できる。さらに、図のバッテリパックは、表面プレート部21Aの内面とコネクタケース31との境界部分において、表面プレート部21Aの内面に突出する連結凸部21a、21bを設けると共に、コネクタケース31の表面には、この連結凸部21a、21bを案内するガイド凹部37を設けている。図に示すガイド凹部37は、コネクタケース31に設けたガイド穴36の開口部の周縁に設けており、開口部の面積をガイド穴36の開口面積よりも大きくして段差形状とすると共に、開口部の内形を連結凸部21a、21bの外形よりも大きくしている。表面プレート部21Aの中央上部に設けられる連結凸部21aは、図8と図9に示すように、外形を円形としており、この連結凸部21aが案内されるガイド凹部37aは、図7に示すように、内形を長方形としている。また、図8に示すように、表面プレート部21Aの両側部に設けられる連結凸部21bは、上下に伸びる形状としており、この連結凸部21bが案内されるガイド凹部37bは、図7に示すように、コネクタケース31のコーナー部を切欠して、上下に伸びる長方形としている。以上の形状の連結凸部21a、21bとガイド凹部37a、37bは、連結凸部21a、21bの先端面をガイド凹部37a、37bの底面に接触させて互いに摺動させるので、コネクタケース31と表面プレート部21Aとの摺動抵抗を小さくしてスムーズに移動できる。
【0041】
さらに、コネクタケース31は、ガイド凸部21の内部で弾性的に上下方向に移動できるように、弾性体84を介してガイド凸部21の内部に配置している。図に示す弾性体84は、コイルスプリング84Aである。コイルスプリング84Aである弾性体84は、コネクタケース31の上面とガイド凸部21の上面プレート部21Bの内面との間に配置されて、コネクタケース31を弾性的に下方に付勢している。図のバッテリパックは、コネクタケース31をバランス良く下方に付勢するために、2個のコイルスプリング84Aをコネクタケース31の上面の両側部に配置している。コイルスプリング84Aを定位置に配置するために、コネクタケース31は、コイルスプリング84Aに挿入される連結ロッド35を上面から突出して設けている。さらに、ガイド凸部21は、この連結ロッド35の両側に位置して、上面プレート部21Bの内面から下方に突出する一対のガイドリブ83を設けている。コイルスプリング84Aは、下端部に連結ロッド35を挿入すると共に、上端部を一対のガイドリブ83の間に配置して定位置に配置している。コイルスプリング84Aである弾性体84で下向きに押圧されるコネクタケース31は、ガイド凸部21の内部で弾性的に上下方向に移動する。これにより、電動バイク50Aの走行中におけるケース2の上下振動を弾性体84で吸収して、ケース2の振動がコネクタケース31に伝わるのを有効に防止できる。
【0042】
以上のバッテリパックは、嵌着凹部51にセットされない状態、すなわち、コネクタケース31の端子窓33、33’に接続端子52が挿入されない状態においては、図14に示すように、コネクタケース31が弾性体84で下向きに付勢されて、ガイド凸部21内で下位置となる。この状態で、嵌着凸部34は、第1の表出窓22Aから外部に突出する。バッテリパックが嵌着凹部51にセットされて、接続端子52が端子窓33、33’に深く挿入されると、図16に示すように、コネクタケース31の内部において、接続端子52が接点32に接続される。このとき、コネクタケース31は、ガイド凸部21に対して相対的に上方に移動しながら、嵌着凸部34の下面が、接続端子52を固定してなる固定台55の上面に当接して、コネクタケース31と固定台55が互いに密着する状態で連結される。
【0043】
以上のように、コネクタケース31を上下方向に移動自在なフローティング構造でケース2に固定する構造は、乗り物の走行中において、バッテリパックが上下に振動を受ける状態にあっても、接続端子52に接続されたコネクタケース31がケース2に対して独立して移動する。このため、接続端子52に接続されたコネクタケース31が接続端子52に対して上下に振動することなく、接続端子52と一体的に連結された状態に保持される。これにより、接続端子52と接点32は、その接続位置において相対位置がずれるのが有効に防止されて、接触不良等が生じるのを確実に防止できる。
【0044】
以上のバッテリパックは、コネクタケース31を接続端子52の挿入方向に移動できるフローティング構造でケース2に連結しているが、コネクタケースは、必ずしも接続端子の挿入方向に移動自在にケースに連結する必要はなく、ケースに固定することもできる。
【0045】
さらに、図3のバッテリパックは、電池11を充電するために充電器に接続する充電用のサブコネクタ7を備えている。サブコネクタ7は、ケース2の上部に固定されて、リード線(図示せず)を介して電池ブロック1に接続している。ケース2は、図3に示すように、サブコネクタ7をケース外に露出させる露出部27を設けて、この露出部27に開閉蓋8を設けている。開閉蓋8は、サブコネクタ7を使用しない状態、すなわちバッテリパックが嵌着凹部51にセットされる状態で、ケース2の露出部27を閉塞して、異物の侵入を阻止する。
【0046】
ケース2は、プラスチックで成形している第1ケース2Aと第2ケース2Bからなり、第1ケース2Aと第2ケース2Bをネジ29で連結している。ケース2は、内部に電池ブロック1を収納する周壁23を一体的に成形して設けている。電池ブロック1は、周壁23の内側に収納される。さらに、第1ケース2Aと第2ケース2Bに設けられた周壁233は、図4に示すように、一方に連結溝23aを、他方に連結溝23aに挿入される連結凸条23bを設けている。この周壁23は、第1ケース2Aと第2ケース2Bを連結する状態で、連結凸条23bを連結溝23aに案内して、周壁23の内部に異物や水が侵入するのをより確実に防止している。
【0047】
ケース2は、コネクタ3を収納するガイド凸部21を片方の表面に突出して設けている。図1、及び図3ないし図5のケース2は、プラスチック製の第1ケース2Aに一体的に成形してガイド凸部21を設けている。ガイド凸部21は、内部にコネクタ3を配置できる形状、すなわち、その内形をコネクタ3の外形よりも大きくしている。図のガイド凸部21は、コネクタ3を収納できる一定の厚さで、上下面である上面プレート21Bと下面プレート21Cとを平行とすると共に、その両側面である側面プレート21Dも互いに平行に配置している。ただ、ガイド凸条は、両側面を傾斜面として、横幅を下方に向かって次第に狭くする先細り状とすることもできる。
【0048】
ガイド凸部21は、バッテリパックを電気機器50にセットする姿勢で、その下面がケース2の底面よりも上方に位置するように、ケース2に設けている。ガイド凸部21がケース2のこの上下位置に配置されるのは、コネクタ3の端子窓33、33’をケース2の底面よりも上に配置するためである。仮に、ケースの底面にコネクタを設けるなら、電動バイク50Aの嵌着凹部内に、泥・水・異物等が浸入した場合、コネクタでの接続上の不具合が発生する恐れがあるが、このバッテリパックでは、ガイド凸部21をケース2の縦壁上に設けて、ガイド凸部21の下面をケース2の底面よりも上方に配置しているので、このような不具合の発生を低減することができる。図1、及び図3ないし図5のケース2は、ガイド凸部21の下面を、ケース2の上下方向におけるケース高さの中央部よりも上側に配置している。ただし、図示しないが、ガイド凸部は、その下面を、ケース高さの中央部または下部に配置して、ケースの底面よりも上方に配置することもできる。
【0049】
ガイド凸部21の下面は、コネクタ3の端子窓33、33’をケース2の表面に露出させる表出窓22を開口している。図のガイド凸部21は、コネクタ3の嵌着凸部34を挿入する第1の表出窓22Aと、嵌着凸部34に隣接して開口された端子窓33’を表出させる第2の表出窓22Bとを下面に開口している。図7と図8のガイド凸部21は、第1の表出窓22Aを長方形として、嵌着凸部34の外形も長方形としている。ガイド凸部21の下面である下面プレート21Cの厚さは、コネクタケース31の嵌着凸部34の突出高さと同じにして、嵌着凸部34をガイド凸部21の下面から突出しないようにできる。
【0050】
さらに、図1ないし図5のケース2は、その上部に、電気機器50に設けている嵌着凹部51との隙間を塞ぐ閉塞凸条24を外周に突出して設けている。ケース2は、ガイド凸部21を表面に突出して設けているので、このガイド凸部21を除く領域に、閉塞凸条24を設けている。このバッテリパックは、図10ないし図13に示すように、電動バイク50Aの嵌着凹部51に下方に挿入されるとき、バッテリパックのほぼ全体を嵌着凹部51に挿入した後、閉塞凸条24が嵌着凹部51に挿入されるので、バッテリパックをスムーズに挿入しながら、嵌着凹部51にセットする状態では、閉塞凸条24が、嵌着凹部51との間の隙間53を閉塞して、バッテリパックを定位置に配置する。このような閉塞凸条24は、ケース2を成形する金型の抜き方向と、電気機器50に設けている嵌着凹部51を成形する金型の抜き方向とが異なるために、ケース2と嵌着凹部51とを、嵌合できるように、ほぼ同じ寸法に作成することができない。とくに、図に示す嵌着凹部51は、プラスチックで成形する時の金型の抜き勾配として、内面の横幅が下方に向かって次第に狭くなる形状としている。そこで、このような閉塞凸条24を設けることにより、隙間53を閉塞して、ケース2の振動、移動を防止したり、上から、異物、ゴミ、塵等が、隙間53に入るのを防止している。
【0051】
さらに、図3ないし図5に示すケース2は、その底部に、電気機器50の嵌着凹部51の底部に設けられたロック機構60に脱着自在に係止されるロックピン15を備えている。図に示すケース2は、底面に開口する凹部25を設けており、この凹部25の内側にロックピン15を配置している。図のケース2は、底面の長手方向に延びる凹部25を開口しており、この凹部25の中央部を、短手方向に橋渡しするようにロックピン15を水平姿勢で固定している。ロックピン15は金属ロッドで、両端部をケース2の内側に設けた筒部26に挿入して、凹部25の内側の定位置に配置している。図6のケース2は、第1ケース2Aと第2ケース2Bの内面であって、互いに対向する位置に一対の筒部26を一体成形して設けており、一対の筒部26にロックピン15の両端部を挿入する状態で第1ケース2Aと第2ケース2Bとを連結して、凹部25の内部にロックピン15を配置している。
【0052】
このバッテリパックは、図12と図13に示すように、電気機器50の嵌着凹部51に挿入されると、嵌着凹部51の底面から突出して設けたロック機構60がケース2の底面に設けた凹部25に案内されて、凹部25の内側に配置されたロックピン15がロック機構60によってロック状態に保持される。バッテリパックは、ロックピン15がロック機構60に保持されることによって、上下動が抑制されて、コネクタ3の接触部が擦れたり、外れたりするのが有効に防止される。とくに、このバッテリパックは、ケース2の底部をロックピン15とロック機構60で定位置に保持すると共に、ケース2の上部を閉塞凸条24で嵌着凹部51の内面に保持するので、ケース2の上下を定位置に保持して、嵌着凹部51の内部におけるケース2の振動や移動を確実に阻止できる。
【0053】
ここで、電気機器50の嵌着凹部51の底部に設けられるロック機構60は、ロックピン15が挿入されると、ロックピン15をロックして抜けないように保持し、ロック解除機構65が操作されると、ロックピン15のロック状態を解除してロックピン15を引き抜きできる構造であって、現在、一般に使用されているロック機構が使用できる。図17ないし図19に示すロック機構60は、ロックピン15が挿入される上方開口の案内溝61Aを有するベースプレート61と、第1の回転軸66を介してベースプレート61に回動自在に連結されると共に、ロックピン15が脱着自在に嵌入される係止溝62Aを設けたロックプレート62と、第2の回転軸67を介してベースプレート61に回動自在に連結されると共に、ロックプレート62をロック位置に係止するカムプレート63と、ロックプレート62とカムプレート63の下端を互いに接近する方向に付勢する弾性体64と、カムプレート63を回動させてロックプレート62のロック状態を解除するロック解除機構65とを備えている。
【0054】
このロック機構60は、バッテリパックが嵌着凹部51に挿入されると、図18に示すように、ロックピン15がベースプレート61の案内溝61Aに挿入される。案内溝61Aに挿入されるロックピン15は、係止溝62Aが上向きの非ロック位置にあるロックプレート62の係止溝62Aに嵌入されながら、第1の回転軸66を中心としてロックプレート62を回動させる。ロックプレート62が図19に示すロック位置まで回動すると、ロックプレート62の係止部62Bがカムプレート63の係止部63Bに係止されて、ロックプレート62は、ロックピン15を引き抜きできないロック状態に保持される。この状態で、バッテリパックは、嵌着凹部51に取り外しできないようにセットされる。バッテリパックを嵌着凹部51から取り外すときは、ロック解除機構65を操作してロックピン15のロック状態を解除する。図のロック解除機構65は、カムプレート63の連結部63Aに一端を連結してなるワイヤー68を備えており、このワイヤー68の他端に設けられたレバーやキー等の操作部(図示せず)を操作することによってワイヤー68を引っ張って、カムプレート63を、第2の回転軸67を中心として回動させる。ロック解除機構65を操作してカムプレート63が回動すると、カムプレート63とロックプレート62との係止状態が解除されて、ロックプレート62が、図18に示す非ロック位置まで回動する。この状態でロックピン15のロック状態が解除されて、バッテリパックが嵌着凹部51から取り出しできるようになる。
【0055】
さらに、図1ないし図5のバッテリパックは、ケース2の上部に折り畳み自在なグリップ9を設けている。グリップ9は、バッテリパックを嵌着凹部51に脱着するときに起こされ、嵌着凹部51にセットされる状態では、図11に示すように、折り畳まれる。このバッテリパックは、ユーザーがグリップ9を掴んで簡単に脱着できる。
【0056】
以上のバッテリパックは、図10ないし図13に示すように、電気機器50である電動バイク50Aの嵌着凹部51に下方に挿入されて定位置に配置される。図に示す電気機器50は電動バイク50Aで、嵌着凹部51の内側に、バッテリパックのガイド凸部21の下面である対向面2Xと対向する固定面54を設けている。図の嵌着凹部51は、ガイド凸部21を案内するガイド凹部51Aを内側面に設けており、このガイド凹部51Aの底面を、ガイド凸部21の下面と対向する固定面54としている。電気機器50は、図11ないし図13に示すように、この固定面54を、嵌着凹部51の底面より上方に配置して、この固定面54に複数の続端子52とシャッター開ロッド56とを垂直姿勢に固定している。嵌着凹部51に挿入されるバッテリパックは、ガイド凸部21の下面が固定面54と対向するように配置されて、嵌着凹部51の底面より上方において、コネクタ3が接続端子52に接続される。
【0057】
以上のバッテリパックは、ケース2の表面から突出するガイド凸部21の内部にコネクタ3を配置している。ただ、本発明のバッテリパックは、必ずしもケースの表面から突出するガイド凸部にコネクタを配置する必要はなく、ケースの端面や側面の内側にコネクタを配置して、ケースの端面や側面から端子窓を表出させることもできる。さらに、本発明のバッテリパックは、必ずしも電気機器の嵌着凹部に下方に挿入する構造とする必要はなく、嵌着凹部を水平方向、あるいは水平方向から傾斜する方向に開口してなる電気機器に挿入して接続することもできる。
【0058】
図20ないし図22に示すバッテリパックは、電気機器150の嵌着凹部151に対して水平方向に挿入してセットする構造としている。このバッテリパックは、嵌着凹部151が水平方向に開口される電気機器150に、水平方向に挿入されてセットされる。したがって、この電気機器150は、複数の接続端子152とシャッター開ロッド156を、バッテリパックの挿入方向である水平方向に突出する姿勢で嵌着凹部151の固定面154に固定している。図に示すバッテリパックは、複数の電池を内蔵しているケース102の端部にコネクタ103を内蔵しており、このケース102の端面であって、挿入側の対向面102Xからコネクタ103に設けた複数の端子窓133、133’を表出させている。図のコネクタ103は、コネクタケース131の端面であって、挿入側の接続面103Xに、接続端子152が挿入される複数の端子窓133、133’を並べて開口している。図のコネクタケース131は、端面から突出する嵌着凸部134を設けて、この嵌着凸部134の内側に複数の端子窓133、133’を並べて開口して設けている。コネクタケース131の嵌着凸部134は、ケース102の端面である対向面102Xに開口された表出窓122に嵌入されており、ここから全ての端子窓133、133’を表出させている。図のバッテリパックは、コネクタケース131をケース102の定位置に固定している。ただ、コネクタケースは、前述のように、ケースに対して移動できるフローティング構造でケースに連結することもできる。
【0059】
さらに、図21と図22のバッテリパックは、コネクタ103のコネクタケース131にシャッター機構4を内蔵している。図のコネクタケース131は、片側の内部にシャッター機構4を収納する収納スペース130を設けており、この収納スペース130に開閉シャッター41と弾性体42とを配置している。さらに、図のコネクタケース131は、バッテリパックを嵌着凹部151にセットする状態でシャッター開ロッド156をコネクタケース131の収納スペース130に案内できるように、接続面103Xに突出する嵌着凸部134に挿入窓128を開口して設けている。コネクタケース131は、複数の端子窓133、133’と挿入窓128とを1列に並ぶ姿勢で嵌着凸部134に設けている。
【0060】
コネクタケース131に内蔵されるシャッター機構4は、前述の図14ないし図16に示すシャッター機構4と同様の機構としている。すなわち、シャッター機構4は、一端に駆動部41Bを設けてなる開閉プレート部41Aを有する開閉シャッター41を、弾性体42で閉方向に付勢すると共に、挿入窓128に挿入されるシャッター開ロッド156で開閉シャッター41の駆動部41Bを押圧して、開方向に移動させる構造としている。このシャッター機構4は、コネクタケース131の内部で開閉シャッター41を往復運動させて、コネクタケース131の接続面103Xに開口された複数の端子窓133、133’の一端に位置する端子窓133’を開閉する。図のコネクタケース131は、接続面103Xの内面側に開閉シャッター41の開閉プレート部41Aをスライドさせるガイド溝138を設けており、このガイド溝138を端子窓133’に貫通させて、開閉プレート部41Aで端子窓133’を開閉できるようにしている。開閉プレート部41Aは、このガイド溝138に沿って開閉方向に往復運動して、一端の端子窓133’を塞ぐ閉位置と、端子窓133’を開く開位置とに移動する。
【0061】
以上のシャッター機構4も、バッテリパックが嵌着凹部151に挿入されず、シャッター開ロッド156が開閉シャッター41の駆動部41Bに案内されない状態では、図21に示すように、弾性体42で付勢される開閉シャッター41が閉位置に位置して、対向する端子窓133’を塞いで、この端子窓133’に異物等が侵入するのを阻止する。バッテリパックが嵌着凹部151に挿入されて、シャッター開ロッド156が挿入窓128に挿入されると、シャッター開ロッド156が開閉シャッター41の駆動部41Bを押圧して、開閉シャッター41を開方向にスライドさせる。開方向にスライドする開閉シャッター41は、対向する端子窓133’を開いて、この端子窓133’に接続端子152を挿入できる状態とする。この状態で、図22に示すように、端子窓133、133’に挿入される接続端子152が、コネクタケース131内の接点32に接続されて、接続端子152にコネクタ103が接続される。
【0062】
さらに、以上のシャッター機構4は、開閉シャッター41を開方向と閉方向とに直線状にスライドさせて、一端の端子窓33’、133’を開閉する構造としている。ただ、シャッター機構は、端子窓を開閉する開閉シャッターを直線的に往復運動させる構造に特定しない。シャッター機構は、図示しないが、開閉シャッターを開方向と閉方向とに傾動させて、端子窓を開閉する構造とすることもできる。
【符号の説明】
【0063】
1…電池ブロック
2…ケース 2A…第1ケース
2B…第2ケース
2X…対向面
3…コネクタ 3X…接続面
4…シャッター機構
6…回路基板
7…サブコネクタ
8…開閉蓋
9…グリップ
11…電池
12…電池ホルダー 12A…筒部
13…リード板 13A…突出部
14…リード
15…ロックピン
21…ガイド凸部 21A…表面プレート
21a…段差凸部
21b…段差凸部
21B…上面プレート
21C…下面プレート
21D…側面プレート
22…表出窓 22A…第1の表出窓
22B…第2の表出窓
23…周壁 23a…連結溝
23b…連結凸条
24…閉塞凸条
25…凹部
26…筒部
27…露出部
28…挿入窓
29…ネジ
31…コネクタケース 31A…第1ケース
31B…第2ケース
32…接点 32A…出力端子
32B…信号端子
33…端子窓 33’…端子窓
34…嵌着凸部
35…連結ロッド
36…ガイド穴
37…ガイド凹部 37a…ガイド凹部
37b…ガイド凹部
39…リード線
41…開閉シャッター 41A…開閉プレート部
41a…スリット穴
41B…駆動部
41b…摺動面
41C…ガイドプレート
42…弾性体 42A…弾性アーム部
42B…固定部
43…スライドガイド
44…ガイドスリット
45…ガイド凸部
46…連結プレート
47…止ネジ
48…止ネジ
50…電気機器 50A…電動バイク
51…嵌着凹部 51A…ガイド凹部
52…接続端子
53…隙間
54…固定面
55…固定台
56…シャッター開ロッド
60…ロック機構
61…ベースプレート 61A…案内溝
62…ロックプレート 62A…係止溝
62B…係止部
63…カムプレート 63A…連結凸部
63B…係止部
64…弾性体
65…ロック解除機構
66…第1の回転軸
67…第2の回転軸
68…ワイヤー
80…ガイド機構
83…ガイドリブ
84…弾性体 84A…コイルスプリング
85…固定プレート 85A…連結ボス
85B…区画壁
86…ガイドロッド
87…段差凸部
88…止ネジ
102…ケース 102X…対向面
103…コネクタ 103X…接続面
104…シャッター機構
122…表出窓
128…挿入窓
130…収納スペース
131…コネクタケース
133…端子窓 133’…端子窓
134…嵌着凸部
138…ガイド溝
150…電気機器
151…嵌着凹部
152…接続端子
154…固定面
156…シャッター開ロッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリパックが装着される嵌着凹部(51;151)にシャッター開ロッド(56;156)を有する電気機器(50;150)にセットされて、電気機器(50;150)に固定している接続端子(52;152)にコネクタ(3;103)を接続して電気機器(50;150)に電力を供給するバッテリパックであって、
複数の充電できる電池(11)を内蔵しているケース(2;102)に、内蔵している電池(11)の電力を電気機器(50;150)の接続端子(52;152)に接続して供給するコネクタ(3;103)を連結しており、
このコネクタ(3;103)は、バッテリパックを電気機器(50;150)の嵌着凹部(51;151)に挿入する状態で、電気機器(50;150)の接続端子(52;152)に接続されるように、バッテリパックの挿入側の接続面(3X;103X)に複数の端子窓(33;33';133;133')を並べて開口すると共に、これらの端子窓(33;33';133;133')を前記ケース(2;102)から表出させており、
さらに、前記コネクタ(3;103)に開口された複数の端子窓(33;33';133;133')の一部を開閉すると共に、前記シャッター開ロッド(56;156)で開かれるシャッター機構(4;104)を備えており、このシャッター機構(4;104)は、バッテリパックが前記嵌着凹部(51;151)に挿入されず、前記シャッター開ロッド(56;156)が案内されない状態では、端子窓(33';133')を塞ぐと共に、バッテリパックが前記嵌着凹部(51;151)に挿入されて、前記シャッター開ロッド(56;156)が案内されると、端子窓(33';133')を開くことを特徴とするバッテリパック。
【請求項2】
前記シャッター機構(4;104)が、前記コネクタ(3;103)の端子窓(33';133')を塞ぐ閉方向と、端子窓(33';133')を開く開方向とに往復運動する開閉シャッター(41)と、前記開閉シャッター(41)を閉方向に付勢する弾性体(42)とを備え、
前記シャッター機構(4)に前記シャッター開ロッド(56;156)が案内されない状態では、前記開閉シャッター(41)が前記弾性体(42)で閉方向に付勢されて前記コネクタ(3;103)の端子窓(33';133')を塞ぐと共に、前記シャッター機構(4)に前記シャッター開ロッド(56;156)が案内されると、前記開閉シャッター(41)が前記シャッター開ロッド(56;156)で開方向に押圧されて、前記コネクタ(3;103)の端子窓(33';133')を開くようにしてなる請求項1に記載されるバッテリパック。
【請求項3】
前記開閉シャッター(41)が、前記シャッター開ロッド(56;156)に押圧されて前記開閉シャッター(41)を開方向に移動させる駆動部(41B)を備えており、この駆動部(41B)が、前記シャッター開ロッド(56;156)の挿入方向に対して傾斜または湾曲してなる摺動面(41b)を備え、前記シャッター機構(4)に案内されるシャッター開ロッド(56;156)で摺動面(41b)を押圧して、前記開閉シャッター(41)を開方向にスライドさせるようにしてなる請求項2に記載されるバッテリパック。
【請求項4】
前記コネクタ(3;103)が複数の端子窓(33;33';133;133')を一列に並べて開口しており、前記シャッター機構(4)が、前記コネクタ(3;103)の端部に位置する端子窓(33)を開閉する請求項1ないし3のいずれかに記載されるバッテリパック。
【請求項5】
前記コネクタ(3;103)が、前記端子窓(33;33';133;133')から挿入される接続端子(52;152)に接続される複数の接点(32)を内部に設けており、前記シャッター機構(4)で開閉される端子窓(33';133')に対応する接点(32)を正負の出力端子(32A)としてなる請求項1ないし4のいずれかに記載されるバッテリパック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−38531(P2012−38531A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−176726(P2010−176726)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】