説明

バッテリーセル相互連結装置

バッテリーセル相互連結装置
本発明は、複数のバッテリーセルの相互連結に融通性良く使用できるバッテリーセル相互連結装置に関する。このバッテリーセル相互連結装置は、第一末端及び第二末端を有する導電性相互連結装置である。第一末端は、第二末端から片寄った状態で、中間部分により第二末端から分離されている。2個の間隔を置いて配置されたネジ山付きロッドが第一末端及び第二末端上にそれぞれ配置されている。導電性相互連結部の、中間部分の外側表面上に絶縁性スリーブが形成されている。本装置は、一対のV字形導電性末端クランプ及び複数のネジ山付きナットも含んでなり、末端クランプは、それぞれの間隔を置いて配置されたロッド上に、それぞれの間隔を置いて配置された孔を通して(介して)配置され、ネジ山付きナットは、ネジ山付きロッド上にそれぞれ配置され、複数のバッテリーセル電極を締め付けるように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、一般的にはバッテリーに関し、より詳しくは、複数のバッテリーを相互連結するための相互連結(相互接続、相互結合)装置に関する。
【発明の背景】
【0002】
化石燃料、例えばガソリン及びディーゼル油、を使用する車両は、一般的に様々な汚染物を包含する排ガスを生じる。充電及び放電できる蓄電池または二次バッテリーを車両用の動力源として使用する技術は、上記の問題を解決する一つの方法として大きな関心を集めている。その結果、バッテリーだけを使用する電気自動車(EV)、及びバッテリー及び従来の燃焼機関を併用するハイブリッド電気自動車(HEV)が開発され、一部が商業的に使用されている。各種のニッケル-金属水素化物(NiMH)二次バッテリーがEV及びHEV用途における電源として広く使用されている。しかし、より最近では、リチウム-イオン、特にリチウム-重合体、二次バッテリーが提案されている。
【0003】
そのような二次バッテリーを電源として使用するには、高出力及び大容量が必要である。この理由から、そのようなバッテリーは、典型的には、互いに直列または並列に相互連結されてバッテリーモジュールを形成する複数の小型バッテリーセル(単位電池)から構築される。複数のバッテリーモジュールを相互連結し、所望の出力及び容量特性を有するバッテリーパックを得る。
【0004】
上記種類のバッテリーパックを、バッテリーパックと電力通信している装置が運動にさらされる用途、例えば各種のエンジン車両、航空機、船舶、列車、等、を包含する様々な用途で使用するには、一般的に、複数のセルを、個々のバッテリーモジュール内で、またはバッテリーモジュール間で、もしくは両方で、電気的相互連結に使用できる、耐久性のあるバッテリーセル相互連結を確立し、モジュール間で電気的に相互連結してバッテリーパックを形成することが望ましい。耐久性のあるバッテリーセル相互連結は、車両または船舶の設置または移動に関連する様々な力及びモーメント、ならびに様々な形態の腐食及び他の劣化過程を誘発することがある極端な温度及び大気中汚染物を包含する、製造及び作動環境で、好適な電気的相互連結及び電気的接触を与える必要がある。個々のバッテリーセルを相互連結するための幾つかの相互連結手段が提案されているが、バッテリーセル電極の性質、例えば電極のサイズ、形状、空間配置、電極材料、材料特性、等、ならびにバッテリーセルの性質、例えばバッテリーセルのサイズ、形状、セル空間配置、セル内及びセル間の電極空間配置、等、が、新しいバッテリーセル構造及び材料が開発されるにつれて、常に、急速に変化している。従って、上記種類のバッテリーモジュール及びバッテリーパックに使用できる、バッテリーセル用の相互連結手段を開発することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
一般的に、本発明は、融通性があり、複数のバッテリーセルを相互連結するのに使用できるバッテリーセル相互連結装置を提供する。本発明のバッテリーセル相互連結装置は、規模を調整でき(scalable)、バッテリーセル電極の性質、例えば電極のサイズ、形状、空間配置、電極材料、材料特性、等、ならびにバッテリーセルの性質、例えばバッテリーセルのサイズ、形状、セル空間配置、セル内及びセル間の電極空間配置、等、を変えることがある、常に、急速に変化するバッテリーセル構造及び材料に対処するように形成することができる。この相互連結装置は、複数のセル数が変化し得る複数のバッテリーセルを相互連結するのに使用できる。
【0006】
バッテリーセル相互連結装置の代表的な一実施態様は、第一末端及び第二末端と、該第一末端が、該第二末端から片寄っており(距離を有しており、離れて位置し)、中間部分により該第二末端から分離しており、該第一末端及び該第二末端のそれぞれの上に配置された一対の間隔を置いて配置されたネジ山付きロッドと、及び該導電性相互連結部の、該中間部分の外側表面上に配置された絶縁性スリーブとを有する導電性相互連結部を包含する。本装置は、一対のV字形導電性末端クランプと、各末端クランプは、一対の交差する脚部を有し、該脚部の上にそれぞれ接触表面を有し、及び該脚部の交差点に間隔を置いて配置された一対の孔も包含し、各V字形末端クランプは、該間隔を置いて配置された孔の各1個を通して(介して)、該間隔を置いて配置されたロッドの各1個の上に配置することができる。本装置は、該ネジ山付きロッドのそれぞれの上に配置できる複数のネジ山付きナットも包含し、その際、該末端クランプは、該導電性相互連結部の該外側表面に対して接触表面を圧迫して噛み合わせることにより、複数のバッテリーセル電極を固定することができる。
【0007】
相互連結装置は、導電性相互連結部がs形状を有することができる。
【0008】
相互連結装置は、導電性相互連結部がアルミニウムまたは銅を包含することもできる。
【0009】
相互連結装置は、さらに、V字形末端クランプがアルミニウムまたは銅を包含することができる。
【0010】
相互連結装置は、V字形末端クランプのそれぞれが、間隔を置いて配置された孔を包含する交差する脚部の頂点に平面部を有するように形成することもできる。
【0011】
相互連結装置は、導電性相互連結部が実質的に円筒形でもよい。
【0012】
相互連結装置は、第一末端及び第二末端がそれぞれ平面部を有し、ネジ山付きロッドの各対が、該平面部上に配置され、導電性相互連結部を通して(介して)延伸することもできる。
【0013】
相互連結装置は、片寄り部(offset)が第一末端を片寄った距離だけ分離し、導電性相互連結部がある長さを有し、その長さが片寄り差より大きくなるように形成することもできる。相互連結装置は、この長さと片寄った距離の比が2を超えるように形成することもできる。
【0014】
バッテリーセル相互連結装置の別の代表的な実施態様は、第一末端及び第二末端を有し、該第一末端が、該第二末端から片寄っており(距離を有しており、離れて位置し)、中間部分により該第二末端から分離している導電性相互連結部と、該第一末端上に間隔を置いて配置された第一対のネジ山付きロッド及び該第二末端上に間隔を置いて配置された第二対のネジ山付きロッドと、及び該導電性相互連結部の、中間部分の外側表面上に配置された絶縁性スリーブとを包含する。本装置は、第一V字形導電性末端クランプ及び第二V字形導電性末端クランプと、該末端クランプのそれぞれは、一対の交差する脚部を有し、該脚部の上にそれぞれ接触表面を有し、及び該脚部の交差点に間隔を置いて配置された一対の孔も包含し、該第一末端クランプは、該第一末端で該第一対の間隔を置いて配置されたロッド上に、その間隔を置いて配置された孔対を通して(介して)配置され、該第二末端クランプは、該第二末端で該第二対の間隔を置いて配置されたロッド上に、その間隔を置いて配置された孔対を通して(介して)配置される。本装置は、ネジ山付きロッドの一つの上にそれぞれ配置された複数のネジ山付きナットも包含する。本装置は、複数のバッテリーセルも包含し、該バッテリーセルのそれぞれが第一導電性電極、第二導電性電極を有し、該電極同士が間隔を置いて配置され、該バッテリーセルが、互いに実質的に軸方向で整列した該第一電極及び互いに実質的に軸方向で整列した該第二電極と接触し、該複数のバッテリーセルの該第一電極を有する第一半分が、該第一末端クランプの接触表面と該第一末端との間で固定され、それらの間に第一電気的接点を形成し、該複数のバッテリーセルの該第二電極を有する第二半分が、該第二末端クランプの接触表面と該第二末端との間で固定され、それらの間に第二電気的接点を形成する。
【0015】
本発明のこれらの、及び他の特徴および利点は、好ましい実施態様の詳細な説明から、当業者には明らかである。この詳細な説明に添付する図面は下記の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
下記の図面では、類似の要素を幾つかの図面で同様の番号で示す。
【図1】図1は、本発明の代表的な実施態様による相互連結部の透視図である。
【図2】図2は、本発明の代表的な実施態様によるV字形末端クランプの透視図である。
【図3】図3は、本発明によるバッテリーセル相互連結装置の代表的な実施態様の上面図である。
【図4】図4は、図3のバッテリーセル相互連結装置の部分的正面図である。
【図5】図5は、図3のバッテリーセル相互連結装置の部分的透視図である。
【図6】図6は、本発明によるバッテリーセル相互連結装置の別の代表的な実施態様の上面図である。
【代表的な実施態様の詳細な説明】
【0017】
本発明は、融通性があり、複数のバッテリーセルを相互連結するのに使用できるバッテリーセル相互連結装置を提供する。本発明のバッテリーセル相互連結装置は、規模を調整でき、バッテリーセル電極の性質、例えば電極のサイズ、形状、空間配置、電極材料、材料特性、等、ならびにバッテリーセルの性質、例えばバッテリーセルのサイズ、形状、セル空間配置、セル内及びセル間の電極空間配置、等、を変えることがある、常に、急速に変化するバッテリーセル構造及び材料に対処するように形成することができる。この相互連結装置は、複数のセル数が比較的小さい数のセルから、バッテリーモジュールを形成するのに十分な数(例えば6〜20個)に、複数のバッテリーモジュールを包含する数に、及びバッテリーパックを形成するのに十分な数に変化し得る、複数のバッテリーセルを相互連結するのに使用できる。
【0018】
図1〜5に関して、複数のバッテリーセル100を電気的に相互連結するためのバッテリーセル相互連結装置10、ならびにその中に取り入れる構成部品の代表的な実施態様を示す。図3及び5に関して、バッテリーセル相互連結装置10により相互連結部されるバッテリーセル100の数は、バッテリーモジュール110を構成するのに十分でよい。図6に関して、バッテリーセル相互連結装置10は、複数のバッテリーパックモジュール110を相互連結部してバッテリーパック120を形成することにも使用できる。
【0019】
バッテリーセル相互連結装置10は、導電性相互連結部12を包含する。導電性相互連結部12は、セルに、及びセルから、セルが電力通信している装置に電力を伝達するのに十分な導電性を有する好適な導電性材料から製造することができる。例えば、導電性相互連結部12は、高い導電率を有する材料、例えば純粋なアルミニウムまたは各種のアルミニウム合金、または純粋な銅または各種の銅合金、もしくはそれらの組合せから製造することができる。導電率を増加するか、または抵抗を下げることにより、導電性相互連結部12、ならびにバッテリーセルを包含する装置の関連する構成部品の抵抗発熱が低下する。導電性相互連結部12は、いずれかの好適な形状または断面輪郭、例えば実質的な円筒形または実質的な長方形、を有することができる。代表的な実施態様では、導電性相互連結部12は、6061 T6アルミニウム合金の、直径が約7.94 mmの円筒形ロッドから製造した。純粋なアルミニウムまたはアルミニウム合金、ならびに純粋な銅または銅合金は、ここに記載する形状を有する様々なロッド及びバーとして容易に入手できる。
【0020】
導電性相互連結部12は、第一末端14及び第二末端16を有する。これらの末端は、セル電極に対する電気的接続または終結を行うのに使用される。第一末端14及び第二末端16は、いずれかの好適な長さを有することができ、これらの長さは、それぞれの末端で異なっていてもよい。これらの長さは、一般的に、セル電極の幅を受け入れるように選択される。第一末端14及び第二末端16は、それらの縦方向軸18及び20に関して、片寄り距離(d)だけ、互いにずれている。代表的な実施態様では、片寄り距離(d)は、約30.75 mmであった。しかし、片寄り距離(d)は、どのような好適な距離でもよく、セルの厚さ及びセル間電極空間配置(異なったセル中における類似極性を有する電極の空間配置)、セル電極の長さ及び他のファクターに応じて変えることができる。導電性相互連結部12は、図1及び3に示すように、各末端間の全長(l)も有する。代表的な実施態様では、この長さ(l)は、約80 mmであった。しかし、全長(l)は、どのような好適な長さでもよく、セル内電極空間配置(特定のセル中における対向する極性を有する電極の空間配置)、及び他のファクターに応じて変えることができる。この長さ(l)と片寄り距離(d)の組合せた比(l/d)は、2を超える。
【0021】
第一末端14及び第二末端16は、互いに中間部分22により分離されている。導電性相互連結部12の、中間部分22における外側表面24は、電気的絶縁性層26により被覆されている。絶縁性層26は、中間部分22の上に滑り込ませる絶縁性スリーブ26を包含するか、またはいずれかの絶縁性層堆積手段により、中間部分22上に堆積させることができる。絶縁性層26は、いずれかの好適な電気的絶縁性材料、例えば各種の電気的絶縁性エンジニアリングプラスチック、を包含することができ、例えば、収縮ラップチューブを外側表面24の上に中間部分22まで滑り込ませ、次いで加熱してチューブを収縮させ、中間部分の上に緊密に適合する絶縁性層26を形成することができる。絶縁性層26は、偶発的なアーク発生、放電または導電性相互連結部12と、導電性相互連結部12に直接接続されていない隣接するセルのセル電極との間の接触を阻止するために使用される。絶縁性層26は、中間部分22の外側表面24上に、どのような好適な様式ででも配置することができる。
【0022】
図1〜6に関して、一対の間隔を置いて配置されたネジ山付きロッド26、28が、第一末端14及び第二末端16のそれぞれの上に配置されている。ネジ山付きロッド26は第一末端14上に、ネジ山付きロッド28は第二末端16上に配置されている。ロッド26、28は、それぞれの縦軸18及び20に対して全体的に直角に伸びており、全体的に縦軸18、20と交差するように整列しているそれぞれの縦軸19、21を有する。ネジ山付きロッドは、第一末端14及び第二末端16上で導電性相互連結部12を通って(介して)伸びる(延伸してなる)、好適に配置された一対のネジ山付き孔の中にねじ込むことにより、記載するように配置される。しかし、ネジ山付きロッドは、他の様式で、いずれかの好適な取付手段または方法により配置することもできる。ネジ山付きロッドは、それらの中にセル電極を受け入れることができるように、十分な間隔を置いて配置される。一般的に、特定対のそれぞれのロッド間の空間配置は、セル電極の幅以上である。ロッドの伸びる長さ及び直径、ネジ山ピッチ及びそれらの材料及び材料特性は、導電性相互連結部12の直径、及びここに記載する他の構成部品を取り付けるのに必要なトルク及びそれらのサイズを考慮して選択する。代表的な実施態様では、ネジ山付きロッドの頭は、ステンレス鋼の小ネジである。
【0023】
図2〜5に関して、バッテリーセル相互連結装置10は、第一V字形導電性末端クランプ40及び第二V字形導電性末端クランプ40も包含する。一般的に部品の標準化およびコストを考慮して、同一であるのが好ましいので、それぞれに対して同じ参照番号を使用するが、これが必要という訳ではなく、第一V字形導電性末端クランプ40及び第二V字形導電性末端クランプ40は、互いに異なっており、例えば異なったサイズを有するか、または異なった材料から製造するか、もしくは異なった外側仕上げまたは記号を有することもできる。各V字形導電性末端クランプ40は、一対の交差する脚部42、44を有する。各脚部42、44は、それぞれの対向する内側表面上に、それぞれの電気的接触表面46、48を有する。各クランプ40は、脚部の交差点に、それらの交差点により形成された角部に沿って、間隔を置いて配置された一対の孔50も有する。より詳しくは、孔50の中心は、図42に示すように、脚部42、44を通って伸びる中央面53、55を二分する平面51に沿っている。各V字形末端クランプは、間隔を置いて配置された孔を包含する交差する脚部の頂点に平面部57を有することもできる。図に示す平面部57は、クランプの全長に伸びており、クランプ40に締め付け圧力を加えるファスナー、例えばネジ山付きナット52、の基礎となる噛み合わせ、座り表面を与える。第一末端クランプ40は、間隔を置いて配置された第一のロッド対28を第一末端14に、その間隔を置いて配置された孔50対を通して(介して)配置し、設置後はその上に配置される。同様に、第二末端クランプ40は、間隔を置いて配置された第二のロッド対30を第二末端16に、その間隔を置いて配置された孔50対を通して(介して)配置し、設置後はその上に配置される。
【0024】
第一V字形導電性末端クランプ40及び第二V字形導電性末端クランプ40も、セルに、及びセルから、セルが電力通信している装置に電力を伝達するのに十分な導電性を有する好適な導電性材料から製造することができる。クランプ40は、高い導電率を有する材料、例えば純粋なアルミニウムまたは各種のアルミニウム合金、または純粋な銅または各種の銅合金、もしくはそれらの組合せから製造することができる。導電率を増加するか、または抵抗を下げることにより、クランプ40、ならびにバッテリーセルを包含する装置の関連する構成部品の抵抗発熱が低下する。クランプ40は、いずれかの好適なサイズを有することができる。代表的な実施態様では、クランプ40は、6061 T6アルミニウム合金の、平面部を含まない、ここに例示するV字形を有するバー材料から製造した。平面部57は、図2に示す形状に機械加工した。脚部42、44の厚さは、約3.175 mmであり、脚部の幅は約12.7 mmであり、クランプ40の全長は約20.32 mmであった。純粋なアルミニウムまたはアルミニウム合金、ならびに純粋な銅または銅合金は、ここに記載する形状を有する様々なロッド及びバーとして容易に入手できる。導電性相互連結部12及びクランプ40の両方は、十分に洗浄し、脱脂し、非導電性の可能性がある物質を、特に接触表面46、48及び末端14、16から除去する。
【0025】
図3〜6に関して、ここに記載するバッテリーセル100は、いずれかの好適な再充電可能なバッテリーセルでよい。代表的な実施態様では、バッテリーセルは、リチウム-重合体(LiPo)バッテリーセルであったが、バッテリーセル相互連結装置10は、他の種類のバッテリーセル100でも使用できる。バッテリーセル100のそれぞれは、長さが約186.50 mm、幅が約103.25 mm、厚さが約7.20 mmであった。バッテリーセル100は、一連の相互連結部材を通して(介して)互いに接触させ、好ましくは機械的に噛み合わせ、固定し、接続されたセル、例えば図3及び5に示す6個のセルの網目を維持するように配置し、バッテリーモジュール110を構成することができる。バッテリーセル100は、それぞれ、一方が負極性を有し、一方が正極性を有する2個のセル電極を有する。代表的な実施態様では、セル電極は、厚さが約0.20 mmで、幅が約20 mmの金属テープを包含する。正極性を有する電極(カソード)は、陽極酸化したアルミニウムを包含していた。負極性を有する電極(アノード)は、ニッケルめっきした銅を包含していた。図に示す配置では、バッテリーセル100は、ある極性(例えば正または+)の第一電極64の全てが軸方向に整列し、反対極性(例えば負または−)の第二電極62の全ても軸方向に整列して配置されている。図3及び5に示すように、バッテリーセル相互連結装置10を使用し、複数のバッテリーセルの様々な電極を下記のように相互連結部する。複数(例えば6個)のバッテリーセル100の第一半分(例えば3個)が、それらの第一電極64を、第一末端クランプ40の接触表面46、48と第一末端14との間に配置し、固定し、ネジ山付きロッド28上に配置されたナット52を締め付けることにより、それらの間に第一電気的接触を形成する。ナット52は、クランプ40のサイズ、導電性相互連結部12、セル電極サイズ及び材料、等によって異なる低い抵抗電気的接触を与えるのに十分なトルクに締め付けるべきである。代表的な実施態様では、作用させるトルクは、約1.2 N-mである。代表的な実施態様では、記載するバッテリーセル相互連結装置10が、約150マイクロ-オーム以下の接触抵抗を与えた。複数のバッテリーセル100の第二半分(例えば3個)が、それらの第二電極62を、第
二末端クランプ40の接触表面46、48と第二末端16との間に固定し、それらの間に第二電気的接触を形成する。このようにして、バッテリーセルの第一半分を第二半分に直列接続する。例として、機械的及び電気的に相互連結されたセルの群をバッテリーモジュール110と呼ぶが、特定構造に対するモジュール110あたりのバッテリーセル100の数は、例示する数と異なっていてよい。図3及び5から分かるように、この配置は、それぞれの取り付けていないセル電極64、62を、バッテリーセル相互連結装置10の別の用途に、すなわち図6における別の代表的な実施態様に示すように、隣接するモジュール110の相互連結に使用するように残してある。従って、バッテリーセル相互連結装置10を同様に使用し、複数のバッテリーモジュール110を相互連結し、バッテリーパック120を形成することができる。
【0026】
バッテリーセル相互連結装置10は、サイズで容易に規模を調整でき、より少ないか、またはより多いバッテリーセル、様々なサイズのバッテリーセル、様々な電流を通す容量、等を受け入れることができる。ここに記載するバッテリーセル相互連結装置10は、LiPoバッテリーセルの相互連結に使用し、例えばEV及びHEV用途における電源として使用する高出力及び大容量を有するバッテリーモジュール及びバッテリーパックを形成することができる。
【0027】
上記の発明は、関連する法的標準に従って説明したものであり、従って、この説明は制限するものではなく、例である。開示されている実施態様に対する変形及び修正は、当業者には明らかであり、本発明の範囲内で可能である。従って、本発明の法的な保護範囲は、下記の請求項によってのみ決定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーセル相互連結装置であって、
導電性相互連結部と、
一対のV字形導電性末端クランプと、及び
ネジ山付きロッドと、該ネジ山付きロッドのそれぞれの上に配置できる複数のネジ山付きナットとを備えてなるものであり、
前記導電性相互連結部が、第一末端及び第二末端と;前記第一末端及び前記第二末端のそれぞれの上に配置された一対の間隔を置いて配置されたネジ山付きロッドと;及び前記導電性相互連結部の、前記中間部分の外側表面上に配置された絶縁性層とを備えてなり、前記第一末端が、前記第二末端から片寄っており、中間部分により前記第二末端から分離しており、
各前記末端クランプが、一対の交差する脚部を有し、前記脚部の上にそれぞれ接触表面を有し、及び前記脚部の交差点に間隔を置いて配置された一対の孔を有し、各前記V字形末端クランプが、前記間隔を置いて配置された孔の各1個を介して、前記間隔を置いて配置されたロッドの各1個の上に配置することができ、
前記末端クランプが、前記導電性相互連結部の前記外側表面に対して前記接触表面を圧迫して噛み合わせることにより、複数のバッテリーセル電極を固定することができる、バッテリーセル相互連結装置。
【請求項2】
前記導電性相互連結部がS形状を有する、請求項1に記載の相互連結装置。
【請求項3】
前記導電性相互連結部がアルミニウムまたは銅を含んでなる、請求項1に記載の相互連結装置。
【請求項4】
前記V字形末端クランプがアルミニウムまたは銅を含んでなる、請求項1に記載の相互連結装置。
【請求項5】
前記V字形末端クランプのそれぞれが、前記間隔を置いて配置された孔を包含する前記交差する脚部の頂点に平面部を有する、請求項1に記載の相互連結装置。
【請求項6】
前記導電性相互連結部が実質的に円筒形である、請求項1に記載の相互連結装置。
【請求項7】
前記第一末端及び第二末端がそれぞれ平面部を有し、前記ネジ山付きロッドの各対が、前記平面部上に配置され、前記導電性相互連結部を介して延伸してなる、請求項1に記載の相互連結装置。
【請求項8】
前記片寄りが、第一末端及び前記第二末端を片寄った距離だけ分離する、請求項1に記載の相互連結装置。
【請求項9】
前記導電性相互連結部がある長さを有する、請求項8に記載の相互連結装置。
【請求項10】
前記長さが前記片寄り差より大きい、請求項9に記載の相互連結装置。
【請求項11】
前記長さと前記片寄った距離の比が2を超える、請求項9に記載の相互連結装置。
【請求項12】
バッテリーセル相互連結装置であって、
導電性相互連結部と、
第一V字形導電性末端クランプ及び第二V字形導電性末端クランプと、
前記ネジ山付きロッドの一つの上にそれぞれ配置された複数のネジ山付きナットと、及び
複数のバッテリーセルとを備えてなり、
前記導電性相互連結部が、第一末端及び第二末端と;前記第一末端上に間隔を置いて配置された第一対のネジ山付きロッド及び前記第二末端上に間隔を置いて配置された第二対のネジ山付きロッドと;及び前記導電性相互連結部の、前記中間部分の外側表面上に配置された絶縁性層とを備えてなり、前記第一末端が、前記第二末端から片寄っており、中間部分により前記第二末端から分離しており、
前記末端クランプのそれぞれが、一対の交差する脚部を有し、前記脚部の上にそれぞれ接触表面を有し、前記脚部の交差点に間隔を置いて配置された一対の孔を有してなり;前記第一末端クランプが、前記第一末端で前記第一対の間隔を置いて配置されたロッド上に、前記間隔を置いて配置された孔対を介して配置されてなり;前記第二末端クランプが、前記第二末端で前記第二対の間隔を置いて配置されたロッド上に、前記間隔を置いて配置された孔対を介して配置されてなり、
前記バッテリーセルのそれぞれが、第一導電性電極と、第二導電性電極を有してなり、前記電極同士が間隔を置いて配置され;前記バッテリーセルが、互いに実質的に軸方向で整列した前記第一電極及び互いに実質的に軸方向で整列した前記第二電極と接触し;前記複数のバッテリーセルの前記第一電極を有する第一半分が、前記第一末端クランプの接触表面と前記第一末端との間で固定され;それらの間に第一電気的接点を形成し、前記複数のバッテリーセルの前記第二電極を有する第二半分が、前記第二末端クランプの接触表面と前記第二末端との間で固定され;それらの間に第二電気的接点を形成してなる、バッテリーセル相互連結装置。
【請求項13】
前記導電性相互連結部がS形状を有する、請求項12に記載の相互連結装置。
【請求項14】
前記導電性相互連結部がアルミニウムまたは銅を含んでなる、請求項12に記載の相互連結装置。
【請求項15】
前記V字形末端クランプがアルミニウムまたは銅を含んでなる、請求項12に記載の相互連結装置。
【請求項16】
前記V字形末端クランプのそれぞれが、前記間隔を置いて配置された孔を包含する前記交差する脚部の頂点に平面部を有する、請求項12に記載の相互連結装置。
【請求項17】
前記導電性相互連結部が実質的に円筒形である、請求項12に記載の相互連結装置。
【請求項18】
前記第一末端及び第二末端がそれぞれ平面部を有し、前記ネジ山付きロッドの各対が、前記平面部上に配置され、前記導電性相互連結部を介して延伸してなる、請求項12に記載の相互連結装置。
【請求項19】
前記第一導電性電極及び前記第二導電性電極が、薄い、たわみ性の金属テープを含んでなる、請求項12に記載の相互連結装置。
【請求項20】
前記第一導電性電極及び前記第二導電性電極が、アルミニウムまたは銅、もしくはそれらの組合せを含んでなる、請求項19に記載の相互連結装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−524623(P2011−524623A)
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514505(P2011−514505)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際出願番号】PCT/KR2009/003427
【国際公開番号】WO2010/002136
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】