説明

バッテリーパック及び電子機器

【課題】電子機器本体からの熱による容量劣化を防止することができるバッテリーパック等の技術を提供すること。
【解決手段】バッテリーパック40は、バッテリーセル43a〜43dを内蔵する第1の筐体41と、バッテリーセル43e〜43hを内蔵する第2の筐体42とを備える。第1の筐体41は、ノート型PC本体10の底面側に設けられた凹部26であって、ノーマルバッテリーパックが嵌合可能な凹部26に嵌合可能である。第2の筐体42は、第1の筐体41の底面における後端部側から後方に向かって伸びるように、第1の筐体41に対して所定の角度傾斜して設けられている。これにより、ノート型PC本体の底面と、第2の筐体の上面との間に間隙を形成することができるので、ノート型PC本体10からの熱が第2の筐体42内に伝わってしまうことを防止することができる。これにより、バッテリーセル43a〜43hの容量劣化を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノート型PC(Personal Computer)等の電子機器に用いられるバッテリーパック、及びこのバッテリーパックを搭載した電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ノート型PC、携帯電話、携帯ゲーム機などの小型の電子機器には、携帯時に外部からの電源の供給がないような場所でも使用できるように、電子機器本体に対してバッテリーパックが備えられている。一般的に、バッテリーパックは、電子機器本体に対して着脱可能に設けられており、バッテリーパックが長期間の使用により容量劣化した場合には、新たなバッテリーパックと交換して使用される。また、バッテリーパックは、長時間の使用を目的として、既存のバッテリーパックよりも容量の大きいバッテリーパックと交換して使用される場合もある。
【0003】
下記特許文献1には、ノート型PC200(電子計算機200)に対して、着脱可能な増設バッテリー100が記載されている。この増設バッテリー100は、ノート型PC200に内蔵されたバッテリーパックの他にノート型PC200に対して増設されるバッテリーパックである。増設バッテリー100は、平板形状とされており、その上面がノート型PCの底面にぴったり重なるようにして配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−86817号公報(段落[0016]、[0018]図1、図10)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、特許文献1に記載の増設バッテリーでは、上面がノート型PCの底面に密着して配置される。しかしながら、このようにバッテリーパックがノート型PCの底面に対して密着して配置された場合、ノート型PCの内部に配置されたCPU(Central Processing Unit)等の発熱量の大きい部材からの熱がバッテリーパックに伝わってしまう。これにより、バッテリーパックの内部が高温となってしまい、バッテリーパックの容量劣化が加速されてしまうといった問題がある。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、電子機器本体からの熱による容量劣化を防止することができるバッテリーパック、及びこのバッテリーパックを搭載した電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るバッテリーパックは、凹部が形成された第1の領域と、前記第1の領域に並列する第2の領域とを有する底面を有する電子機器本体に着脱可能であり、前記電子機器本体に対して電源を供給するバッテリーパックであって、
第1の筐体と、第2の筐体とを具備する。
前記第1の筐体は、一端部を有し、前記凹部に嵌合可能であり、第1のバッテリーを内蔵する。
前記第2の筐体は、前記第1の筐体の一端部に連結される一端部を有し、第2のバッテリーを内蔵し、前記第1の筐体が前記凹部に嵌合された状態で、前記第2の領域との間で間隙を形成するように、前記第1の筐体に対して所定の角度傾斜して設けられる。
【0008】
本発明では、第2のバッテリーを内蔵する第2の筐体が、前記第1の筐体が前記凹部に嵌合された状態で、電子機器本体の底面の第2の領域に対して間隙を形成するように配置される。これにより、電子機器本体内部に設けられたCPU等の発熱量の多い部材からの熱が第2の筐体内部の第2のバッテリーに伝わってしまい、第2のバッテリーの容量劣化が加速されてしまうことを防止することができる。
【0009】
前記凹部は、ノーマルバッテリーパックが嵌合可能であってもよい。
これにより、バッテリーパックとノーマルバッテリーとで凹部を兼用することができる。
「ノーマルバッテリーパック」とは、電子機器本体の規格に合わせて、電子器本体にあらかじめ搭載されているバッテリーパックを指す。
【0010】
前記ノーマルバッテリーパックは、ロック用の爪を有していてもよい。
この場合、前記電子機器本体は、前記第1の領域及び第2の領域の境界部近傍に設けられた本体ラッチ機構をさらに有していてもよい。
前記ラッチ機構は、係合部と、本体操作部とを有する。
前記係合部は、前記ロック用の爪と係合可能である。
前記本体操作部は、前記第2の領域から露出するように設けられ、前記ロック用の爪及び前記係合部の係合状態と解除状態とを切り替え可能である。
この場合、バッテリーパックは、ラッチ機構をさらに具備していてもよい。
前記ラッチ機構は、ロック爪と、操作部とを有する。
前記ロック爪は、前記係合部と係合可能である。
前記操作部は、前記バッテリーパックの底面から露出するように設けられ、前記ロック爪及び前記係合部の係合状態と解除状態とを切り替え可能である。
【0011】
ノーマルバッテリーパックのロック用の爪と、電子機器本体の係合部との係合状態と解除状態とを切り替える本体操作部が、電子機器本体の底面の第2の領域に設けられている場合を想定する。この場合、電子機器本体にバッテリーパックが取り付けられた状態では、本体操作部が第2の筐体により覆われてしまう。したがって、電子機器本体にバッテリーパックが取り付けられた状態では、ユーザは、本体操作部を操作することができない。
しかしながら、本発明の一形態に係るバッテリーパックのラッチ機構が有する操作部は、バッテリーパックの底面に設けられている。これにより、本体操作部が第2の筐体により覆われてしまっても、バッテリーパックの操作部がバッテリーパックの底面から露出する。これにより、ユーザは、バッテリーパックの操作部を操作することで、ロック爪及び係合部の係合状態と、解除状態とを切り替えることができる。
【0012】
上記バッテリーパックは、固着機構をさらに具備していてもよい。
前記固着機構は、前記第2の筐体の他端部に設けられ、前記バッテリーパックを前記電子機器本体に固着する。
これにより、バッテリーパックを電子機器本体に強固に取り付けることができる。
【0013】
前記電子機器本体は、第2の領域内に設けられた孔に埋め込まれたナットをさらに有していてもよい。
この場合、前記バッテリーパックの前記固着機構は、筒体と、回転操作部と、ネジと、弾性体とを有していてもよい。
前記筒体は、回転可能である。
前記回転操作部は、前記筒体の周囲に設けられる。
前記ネジは、本体部と、ネジ部とを有する。
前記本体部は、前記筒体内をスライド可能であり、前記筒体の回転と共に回転する。
前記ネジ部は、前記ナットに螺着可能である。
前記弾性体は、前記本体部を前記ナット側に付勢する。
【0014】
回転操作部がユーザにより回転されると、回転操作部に固定された筒体が回転され、ネジ本体が筒体の回転と共に回転される。ネジの本体部は、筒体内をスライド可能であり、また、弾性体によりナット側に付勢されているので、ネジ本体が回転されると、ネジ部がネジ部に螺着される。
この場合において、回転操作部は、同じ位置で回転される。これにより、ユーザは、操作性よく、バッテリーパックを電子機器本体に取り付けることができる。
【0015】
本発明の一形態に係る電子機器は、電子機器本体と、バッテリーパックとを具備する。
前記電子機器本体は、底面を有する。
前記底面は、第1の領域と、第2の領域とを有する。
前記第1の領域は、凹部が形成された領域である。
前記第2の領域は、前記第1の領域に並列する領域である。
前記バッテリーパックは、第1の筐体と、第2の筐体とを有し、前記電子機器本体に着脱可能であり、前記電子機器本体に対して電源を供給する。
前記第1の筐体は、一端部を有し、前記凹部に嵌合可能であり、第1のバッテリーを内蔵する。
前記第2の筐体は、前記第1の筐体の一端部に連結される一端部を有し、第2のバッテリーを内蔵し、前記第1の筐体が前記凹部に嵌合された状態で、前記第2の領域との間で間隙を形成するように、前記第1の筐体に対して所定の角度傾斜して設けられる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明の一形態によれば、電子機器本体からの熱による容量劣化を防止することができるバッテリーパック、及びこのバッテリーパックを搭載した電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係るバッテリーパックが搭載されたノート型PCを示す底面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るバッテリーパックが搭載されたノート型PCを示す前面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るバッテリーパックが搭載されたノート型PCを示す後面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るバッテリーパックが搭載されたノート型PCを示す右側面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るバッテリーパックが搭載されるノート型PC本体を示す斜視図である。
【図6】ノート型PC本体の本体部を底面側から見た斜視図である。
【図7】本体ラッチ機構を示す拡大図であり、底面側を上方として本体ラッチ機構を前方側から見た図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るバッテリーパックを示す平面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るバッテリーパックを示す底面図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るバッテリーパックを示す前面図である。
【図11】本発明の一実施形態に係るバッテリーパックを示す後面図である。
【図12】本発明の一実施形態に係るバッテリーパックを示す右側面図である。
【図13】第1の筐体の前面側を示す斜視図である。
【図14】本発明の一実施形態に係るバッテリーパックの分解斜視図である。
【図15】下ケースを示す斜視図である。
【図16】中間フレームを示す斜視図である。
【図17】中間フレームを示す平面図である。
【図18】中間フレームを示す底面図である。
【図19】中間フレームに着装される熱伝導シートを示す平面図である。
【図20】ラッチ機構のロック爪を示す拡大図であり、壁部の中央近傍を後方側から見た斜視図である。
【図21】ラッチ機構の構成を説明するための模式図であり、ラッチ機構を後方側から見た図である。
【図22】ノート型PC本体の本体ラッチ機構と、バッテリーパックのラッチ機構とが係合されるときの動作を示す模式図である。
【図23】ノート型PC本体の本体ラッチ機構と、バッテリーパックのラッチ機構との係合状態が解除されるときの動作を示す模式図である。
【図24】第1の固着機構がノート型PC本体に固着された状態を、底面側を上方として前方側から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0019】
<第1実施形態>
(バッテリーパックが搭載された電子機器)
図1、図2、図3、図4は、本発明の第1実施形態に係るバッテリーパック40が搭載されたノート型PC100を示す底面図、前面図、後面図、右側面図である。
これらの図に示すように、バッテリーパック40は、ノート型PC本体10の底面側に着装されて使用される。バッテリーパック40は、典型的には、ノート型PC本体10から図示しないノーマルバッテリーパックが取り外された後、ノート型PC本体10に着装されて使用される。ここで、ノーマルバッテリーパックとは、ノート型PC本体の規格に合わせて、ノート型PC本体にあらかじめ搭載されているバッテリーパックを指す。
【0020】
(ノート型PC本体の構成)
まず、本発明の第1実施形態に係るバッテリーパック40が搭載されるノート型PC本体10について説明する。
図5は、ノート型PC本体10を示す斜視図である。
図5に示すように、ノート型PC本体10は、本体部20と、本体部20にヒンジ19を介して回動可能に取り付けられた表示部30とを含む。
【0021】
なお、ノート型PC本体10の説明において、ヒンジ19が設けられた側とは反対側を前方側、ヒンジ19が設けられた側を後方側として説明する。この前方側、後方側の関係は、ノート型PCに着装されるバッテリーパック40においても同様である。
【0022】
表示部30は、表示部の筐体31と、筐体31の内面側から露出する表示画面32を有するLCD(Liquid Crystal Display)表示パネルとを有する。
【0023】
本体部20は、本体筐体21を備える。本体筐体21の内面側には、キーボードユニット22、タッチパッド23等の入力装置が設けられ、本体筐体21の側面側には、VGA(Video Graphics Array)コネクタ24、イーサコネクタ25等のインターフェイス部が設けられる。
また、本体筐体21内部には、図示しない、CPU等の電子部品を搭載したマザーボード、ハードディスク装置、CPU等の発熱量の多い部品からの熱を外部へ放出するファン装置等の各種の部品が設けられる。
【0024】
図6は、ノート型PC本体10の本体部20を底面側から見た斜視図である。
図6に示すように、本体筐体21の底面における前方側の領域21a(以下、前方側領域21a)には、ノーマルバッテリーパックが嵌合可能な凹部26が設けられている。
この凹部26の形状及び大きさは、ノーマルバッテリーパックとの相対的な関係で設定されており、ノーマルバッテリーパックと同等の形状及び大きさとされる。ノーマルバッテリーパックが凹部26に嵌合される場合、ノーマルバッテリーパックは、凹部26に対して隙間なく嵌合される。
【0025】
ここで、本体筐体21の前方側領域21aに、凹部26が形成される関係上、マザーボード(CPU)、ハードディスク装置等の発熱量の大きい部品や、ファン装置等の部品は、本体筐体21内部において後方側に配置される。
【0026】
本体筐体21の底面における後方側の平坦な領域21b(以下、後方側領域21b)には、ファン装置の吸気口27が設けられる。また、後方側領域21bには、バッテリーパック40の固着機構46、47(図24参照)を固着するためのナット94が埋め込まれた2つの孔28、29が設けられる。ナット94が埋め込まれた孔28、29は、本体筐体21の後方側の角部の近傍に設けられる。
【0027】
前方側領域21aと、後方側領域21bとの境界部の近傍(凹部26の後方側の縁部の近傍)には、バッテリーパック40が凹部26に嵌合された状態を保持する本体ラッチ機構33と、2つのロック機構34、35とが設けられる。
本体ラッチ機構33は、上記境界部の略中央に設けられ、2つのロック機構34、35は、境界部の両端側にそれぞれ設けられる。
【0028】
2つのロック機構34、35は、それぞれ、本体筐体21の底面の後方側領域21bから露出するロックレバー34a、35aを有する(図1参照)。2つのロック機構34、35は、それぞれバッテリーパック40に設けられたロック爪71、72(図17、18参照)と係合可能である。ユーザは、ロックレバー34a、35aを本体筐体21の幅方向(X軸方向)に移動させることで、バッテリーパック40のロック状態と、非ロック状態とを切り替えることができる。
【0029】
図7は、本体ラッチ機構を示す拡大図であり、本体部の底面側を上方として本体ラッチ機構を前方側から見た図である。
図7に示すように、本体ラッチ機構33は、複数の凸部11により構成される滑り止めが形成された操作面を有するリリースレバー12と、係合部13とを含む。
【0030】
リリースレバー12の操作面は、本体筐体21の底面の後方側領域21bから露出する。係合部13は、バッテリーパック40に設けられたロック爪70(図20参照)と係合可能とされる。
リリースレバー12及び係合部13は本体筐体21の幅方向(X軸方向)に一体的に移動可能とされている。リリースレバー12及び係合部13は、図7で見て右側に、本体筐体21の内部に設けられた図示しないバネ等の弾性部材により付勢されており、手動により左側に移動可能とされている。係合部13には、傾斜面13aが設けられる。この傾斜面13aは係合部13が弾性部材により付勢される側(右側)に設けられる。
【0031】
図6を参照して、本体筐体21の底面に設けられた凹部26内の中央近傍には、カードスロット部36が設けられる。カードスロット部36は、本体筐体21の前面の中央近傍に設けられた2つのスロット孔36a、36bを有する。2つのスロット孔36a、36bは、幅方向(X軸方向)に沿う方向で並ぶように配置される。このスロット孔36a、36bを介して、例えばメモリースティックやSDカード等のメモリーカードが本体筐体21内に挿入される。
【0032】
本体筐体21の前面側には、幅方向(X軸方向)に沿って、所定の間隔で複数の係合部材37が設けられている。係合部材37は、例えば、カードスロット部36を挟んで、幅方向の両側にそれぞれ2つずつ設けられる。なお、係合部材37の数は、特に限定されない。係合部材37には、前方側から後方側(Y軸方向)に向けて貫通する係合孔37aが設けられている。係合孔37aは、バッテリーパック40の前面側に設けられた突起54(図13参照)に係合可能とされる。
【0033】
凹部26の後方側の壁面の中央近傍には、コネクタ部38が設けられる。コネクタ部38は、バッテリーパック40のコネクタ部52(図8参照)と接続可能とされる。
【0034】
凹部26を挟み込んで、幅方向(X軸方向)で互いに対向する一対の側壁部14、15には、それぞれ切り欠き部18a、18bが設けられる。切り欠き部18a、18bは、側壁部14、15の前方側に設けられる。切り欠き部18a、18bは、本体筐体21の底面側及び凹部26側に向けて開口している。切り欠き部18a、18bは、バッテリーパック40の側面から突出するボス部55、56(図13参照)と係合可能とされる。
【0035】
上記したノート型PC本体10の、凹部26、本体ラッチ機構33、ロック機構34、35、係合部材37、コネクタ部38、切り欠き部18a、18b等の部材は、バッテリーパック40とノーマルバッテリーパックとで共通で用いられる。
【0036】
(バッテリーパックの構成)
次に、バッテリーパックの構成について説明する。
[バッテリーパックの外形等]
まず、バッテリーパックの外形等について説明する。
図8、図9、図10、図11、図12は、それぞれ、本発明の一実施形態に係るバッテリーパックを示す平面図、底面図、前面図、後面図、右側面図である。
【0037】
図8〜図12に示すように、バッテリーパック40は、ノート型PC本体10の底面側に設けられた凹部26に嵌合可能な第1の筐体41と、第1の筐体41の底面の後端部側から後方側に向かって伸びるように、第1の筐体41に対して所定の角度傾斜して設けられた第2筐体42とを備える。
【0038】
第1の筐体41及び第2の筐体42は一体的に形成されている。第1の筐体41及び第2の筐体42の内部には、それぞれバッテリーセル43a〜43d、43e〜43hが内蔵される(図14参照)。
【0039】
第2の筐体42の後側の2つの角部近傍には、第2の筐体42の上面から上方に向かって斜め上方向に伸びる2つの支持体44、45が設けられている。すなわち、バッテリーパック40は、第1の支持体44と、第2の支持体45とを備える。第1の支持体44及び第2の支持体45は、バッテリーパック40がノート型PC本体10に着装されたときに、バッテリーパック40を後方側で支持する。
【0040】
第1の支持体44及び第2の支持体45の内部には、それぞれ第1の固着機構46及び第2の固着機構47が設けられる。第1の固着機構46及び第2の固着機構47は、バッテリーパック40をノート型PC本体10に対して固着する。図9及び図11では、第1の固着機構46及び第2の固着機構47の一部を構成するダイヤル部91が、第1の支持体44及び第2の支持体45の後方から露出した状態が示されている。また、図12では、第2の固着機構47の一部を構成するダイヤル部91が第2の支持体45の後方から露出した露出した状態と、第2の固着機構47の一部を構成するネジ部92bが第2の支持体45の上面から露出した状態が示されている。なお、第1の固着機構46及び第2の固着機構47についての詳細は、後述する。
【0041】
第1の支持体44及び第2の支持体45の間には、第2の筐体42の上面から垂直方向(Z軸方向)に伸びる支持部48が設けられる。支持部48は、第1の支持体44及び第2の支持体45と共に、バッテリーパック40がノート型PC本体10に装着されたときに、バッテリーパック40を後方側で支持する。
【0042】
バッテリーパック40の中央近傍には、ノート型PC本体10に設けられた本体ラッチ機構33と係合可能なラッチ機構50が設けられる。図9では、ラッチ機構50の一部を構成するリリースレバー79がバッテリーパック40の底面の略中央から露出した状態が示されている。なお、ラッチ機構50についての詳細は、後述する。
【0043】
バッテリーパック40の底面側には、バッテリーパック40が搭載されたノート型PC100がテーブル上等に載置される際に、クッションとなるクッション部51が複数個設けられている。
【0044】
第1の筐体41の後面の中央近傍には、ノート型PC本体10のコネクタ部38と接続されるコネクタ部52が設けられる(図8、図11参照)。バッテリーパック40がノート型PC本体10に装着されると、バッテリーパック40のコネクタ部52とノート型PC本体のコネクタ部38とが接続される。これにより、バッテリーパック40内のバッテリーセル43a〜43hからノート型PC本体10へ電力が供給される。あるいは、ノート型PC本体10からバッテリーパック40に電力が供給され、バッテリーパック40内のバッテリーセル43a〜43hが充電される。
【0045】
第1の筐体41は、平板状の直方体形状を有しており、その大きさはノート型PC本体10の底面側に設けられた凹部26と同等の大きさとされる。すなわち、第1の筐体41の形状及び大きさは、ノート型PC本体10の底面側に設けられた凹部26との関係で設定されており、凹部26と同等の形状及び大きさとされる。
【0046】
ここで、上記のように、凹部26の形状及び大きさは、ノーマルバッテリーパックと同等の形状及び大きさとされている。従って、第1の筐体41は、ノーマルバッテリーパックと同等の形状及び大きさとされる。バッテリーパック40がノート型PC本体10に着装される場合、第1の筐体41は、凹部26に対して隙間なく嵌合される(図1〜図4参照)。
第1の筐体41の上面の中央には、PC本体の凹部26内に設けられたカードスロット部36に対応して窪み53が形成されている。
【0047】
図13は、第1の筐体の前面側を示す斜視図である。
第1の筐体41の前面には、バッテリーパック40の幅方向(X軸方向)に沿って所定の間隔で複数の突起54が設けられている。突起54は、ノート型PC本体10の本体筐体21の前面側に設けられた複数の係合部材37に対応して設けられている。突起54は、係合部材37に設けられた係合孔37aと係合可能とされる。
突起54は、例えば、窪み53を挟んで幅方向の両側にそれぞれ2つずつ設けられる。突起54の数は、特に限定されないが、本体筐体21に設けられた係合部材37と同じ数とされる。
突起54は、第1の筐体41が凹部26に嵌合される際に、係合部材37の係合孔37aと係合し、バッテリーパック40の前方側で第1の筐体41の嵌合状態を保持する。
【0048】
第1の筐体41の右側面の前方側には、右側面から突出するボス部56が設けられる。なお、図13には図示されていないが、第1の筐体41の左側面の前方側にも左側面から突出するボス部55が設けられる(図8、図9参照)。ボス部55、56は、それぞれノート型PC本体10の底面側の側壁部14、15に形成された切り欠き部18a、18bと係合可能とされる。
【0049】
バッテリーパック40がノート型PC本体10に対して着脱される際、バッテリーパック40は、切り欠き部18a、18bに係合されたボス部55、56を軸として回動される。バッテリーパック40にボス部55、56が設けられていることにより、バッテリーパック40の着脱を容易にすることができる。
【0050】
図8〜図12を参照して、第2の筐体は、平板状の直方体形状を有する。第2の筐体42の大きさ(幅(X軸方向)×長さ(Y軸方向))は、本体筐体21の底面側の後方側領域21bの面積との関係で設定される。この場合、第2の筐体42は、典型的には、本体筐体21の底面側の後方側領域21bと略同等の大きさとされる。すなわち、第2の筐体42内部には、バッテリーセルが内蔵されるので、第2の筐体42の大きさは、大きいほうが有利である。従って、典型的には、第2の筐体42の大きさは、後方側領域21bと同等の大きさとされる。しかしながら、必ずしも後方側領域21bと同等の大きさとされなくてもよい。例えば、第2の筐体42の大きさは、後方側領域21bの半分程度の大きさであっても構わない。
【0051】
第2の筐体42の上面は、バッテリーパック40がノート型PC本体10に着装されたときに、後方側領域21bに対して間隙を開けて対向する(図4等参照)。すなわち、第2の筐体42は、第1の筐体41に対して所定の角度傾斜して設けられているので、第2の筐体42の上面は、バッテリーパック40がノート型PC本体10に着装されたときに、後方側領域21bに対して間隙を開けて対向することになる。
【0052】
ここで、上記したように、ノート型PC本体10の本体筐体21内部において、マザーボード(CPU)、ハードディスク装置等の発熱量の大きい部品は、後方側に配置される。一般的に、ノート型PC本体10の前方側に、ノーマルバッテリーパック嵌合用の凹部26が形成される形態の場合、前方側に凹部26が形成される関係上、マザーボード(CPU)、ハードディスク等の発熱量の大きい部品は、本体筐体21内部において後方側に配置されることになる。従って、ノート型PC本体10は、後方側において特に発熱量が大きい。
【0053】
本実施形態に係るバッテリーパック40では、上記したように、第2の筐体42の上面と、ノート型PC本体10の底面の後方側領域21bとの間に間隙を形成することができる。これにより、発熱量の大きいノート型PC本体10の後方側からの熱が第2の筐体42に直接的に伝わってしまうことを防止することができる。これにより、第2の筐体42に内蔵されたバッテリーセルが高温となってしまい、バッテリーセルの容量劣化が加速されてしまうことを防止することができる。
【0054】
また、本実施形態では、第2の筐体42の上面と、ノート型PC本体10の底面の後方側領域21bとの間に間隙を形成することができるので、第2の筐体42が、後方側領域21bに設けられたファン装置の吸気口27を覆ってしまうことを防止することができる。これにより、ノート型PC本体10内部が高熱となってしまうことを防止することができる。なお、一般的に、ファン装置の吸気口27は、ノート型PC本体10の底面の後方側領域21bに配置されることが多い。
【0055】
さらに、本実施形態では、第2の筐体42が第1の筐体41に対して所定の角度傾斜して設けられているので、バッテリーパック40が搭載されたノート型PC100が、机上等に載置されて使用される場合、ノート型PC100の後方側が前方側に対して浮き上がることになる。すなわち、本実施形態に係るバッテリーパック40は、チルトフットとしての機能も有する。
ユーザがノート型PC100を操作する場合、キーボードユニット22が前方側から後方側に向かって浮き上がるので、キーボード入力の操作性を向上させることができる。
【0056】
[バッテリーパックの内部構成等]
次に、バッテリーパック40の内部構成や、バッテリーパック40を構成する各部材等について説明する。
図14は、バッテリーパックの分解斜視図である。
図14に示すように、バッテリーパック40は、上ケース60、第1のバッテリーセル群61、熱伝導シート65が着装された中間フレーム62、第2のバッテリーセル群63、及び下ケース64が組み立てられて構成される。
【0057】
上記第1の筐体41は、上ケース60と、中間フレームの前方部62a及び中間フレーム62の中央近傍に幅方向(X軸方向)に沿って設けられた壁部66と、下ケースの前方部64aにより構成される。
上記第2の筐体42は、中間フレームの後方部62bと、下ケースの後方部64bとにより構成される。
【0058】
第1の筐体に内蔵される第1のバッテリーセル群61は、4つのバッテリーセル43a〜43dを含む。4つのバッテリーセル43a〜43dは、第1の筐体41の幅方向(X軸方向)でそれぞれ2ずつ配置される。
同様に、第2の筐体42に内蔵される第2のバッテリーセル群63も4つのバッテリーセル43e〜43hを含む。4つのバッテリーセル43e〜43hは、第2の筐体42の幅方向(X軸方向)でそれぞれ2つずつ配置される。
【0059】
なお、第1のバッテリーセル群61及び第2のバッテリーセル群63に含まれるバッテリーセルの個数は、特に限定されない。
【0060】
バッテリーセル43a〜43hとしては、例えば、例えばリチウムイオン電池やリチウムポリマー電池等の2次電池が用いられる。
バッテリーセル43a〜43hは、例えば、アルミニウム等により形成されたラミネート包装フィルム57によりラミネート包装されている。
【0061】
バッテリーセル43a〜43hは、バッテリーセルの電極端子に接続された接続線がプリントされた配線基板58を介して制御回路基板59に電気的に属されている。制御回路基板59は、典型的には、第1の筐体41内部において、略中央に配置される。制御回路基板59は、バッテリーセル43a〜43hからノート型PC本体10への電力の供給を制御する。また、制御回路基板59は、ノート型PC本体10からバッテリーセル43a〜43hへの電力の供給を制御し、バッテリーセル43a〜43hを過充電から保護する。
制御回路基板59の後方側には、ノート型PC本体10に設けられたコネクタ部38と接続されるコネクタ部52が電気的に接続されている。
【0062】
上ケース60は、第1の筐体41の上部を構成する部材である。上ケース60の中央近傍には、ノート型PC本体10の凹部26内に設けられたカードスロット部36に対応して窪み53が形成されている。また、上ケース60の前面には、上記した突起54が複数個設けられている。
【0063】
図15は、下ケースを示す斜視図である。
図15に示すように、下ケース64は、容器状に形成されている。下ケース64は、前方部64aと、前方部64aに対して所定の角度傾斜して設けられた後方部64bとを有する。下ケース前方部64aは、第1の筐体41の下部を構成し、下ケース後方部64bは、第2の筐体42の下部を構成する。
【0064】
下ケース前方部64aの上面には、中間フレーム前方部62aを介して第1のバッテリーセル群61が載置される。下ケース後方部64bの上面には、第2のバッテリーセル群63が載置される。
【0065】
下ケース64の中央近傍であって、下ケース前方部64aと下ケース後方部64bの境界部の近傍には、ラッチ機構50の一部を構成する解除部材82が設けられる。この解除部材82は、ノート型PC本体10の本体ラッチ機構33が有する係合部13と、バッテリーパック40のラッチ機構50が有するロック爪70(図20参照)の係合状態を解除するための部材である。
【0066】
下ケース後方部64bの後方側の2つ角部には、斜め上方向に向かって伸びる2つの部材67、68が設けられる。この2つの部材67、68は、第1の支持体44及び第2の支持体45の一部と、第1の固着機構46及び第2の固着機構47を構成する部材である。
【0067】
図16は、中間フレームを示す斜視図である。図17は、中間フレームを示す平面図であり、図18は、中間フレームを示す底面図である。
中間フレーム62には、第1のバッテリーセル群61と第2のバッテリーセル群63との間で熱を伝導する熱伝導シート65が着装される。
【0068】
図19は、中間フレームに着装される熱伝導シートを示す平面図である。上記図14では、中間フレームに熱伝導シートが着装された状態が示されている。
【0069】
図16〜図18に示すように、中間フレーム62は、略矩形の板状部材であり、前方部62aと、前方部62aに対して所定の角度で折り曲げられた後方部62bとを有する。中間フレーム前方部62aは、第1の筐体41の下部を構成し、中間フレーム後方部62bは、第2の筐体42の上部を構成する。
【0070】
中間フレーム前方部62a及び中間フレーム後方部62bの境界部には、幅方向(X軸方向)に沿って、中間フレーム62の上面から垂直軸方向(Z軸方向)に伸びる壁部66が設けられる。壁部66は、第1の筐体41の後面側を構成する。
壁部66の中央近傍には、コネクタ部52が嵌合される嵌合溝66aが設けられる。
【0071】
壁部66の後面の中央近傍には、ノート型PC本体に設けられた本体ラッチ機構33が有する係合部13と係合可能なロック爪70が設けられる(図17参照)。また、壁部66の後面の両端側には、ノート型PC本体が有するロック機構34、35、と係合可能なロック爪71、72が設けられる(図17、図18参照)。
【0072】
図20は、ラッチ機構50のロック爪70を示す拡大図であり、壁部66の中央近傍を後方側から見た斜視図である。図20では、壁部66及びロック爪70のみを模式的に表示している。
図20に示すように、ラッチ機構50のロック爪70は、壁部66の後面(第1の筐体41の後面)から後方に向けて突出して設けられている。
【0073】
図16〜図18を参照して、中間フレーム前方部62aは、バッテリーセル43a、43bの載置箇所に対応する第1の載置領域15と、バッテリーセル43c、43dの載置箇所に対応する第2の載置領域17と、制御回路基板59の載置箇所としての中間領域16とを含む。
【0074】
第1の載置領域15の後方の領域には、上面から底面に向けて貫通する第1の貫通孔73が設けられる。同様に第2の載置領域17の後方の領域には、上面から底面に向けて第2の貫通孔74が設けられる。第1の貫通孔73及び第2の貫通孔74は、幅方向(X軸方向)に沿って設けられる。
この2つの貫通孔73、74は、熱伝導シート65の一部を通す孔として用いられる。
【0075】
中間フレームに貫通孔73、74が設けられることで、第1の筐体41の内部と、第2の筐体42の内部とが連通することになる。
【0076】
中間フレーム後方部62bの後方側の2つ角部には、上面から斜め上方向に伸びる2つの部材75、76が設けられる。この2つの部材75、76は、第1の支持体44及び第2の支持体45の一部を構成する部材である。2つの部材75、76の間には、上記支持部48が設けられる。
【0077】
中間フレーム62の底面側において、中間フレーム後方部62bの中央近傍には、底面から突出する規制部77が設けられる(図18参照)。この規制部77は、バッテリーセル43e〜43hの角部と係合し、バッテリーセル43e〜43hの第2の筐体42内での移動を規制する。
【0078】
図19を参照して、熱伝導シート65は、矩形の薄板の前方側の一部が切り欠かれて形成されており、U字を逆にした様な形状を有している。
熱伝導シート65は、中間フレーム前方部62aの第1の載置領域15上に配置される第1の部分65aと、中間フレーム前方部62aの第2の載置領域17上に配置される第2の部分65bと、中間フレーム後方部62bの底面側に配置される第3の部分65cとを含む。
【0079】
熱伝導シート65の第1の部分65aは、中間フレーム62の底面側から第1の貫通孔73を介して上面側に抜き出され、中間フレーム前方部62aの第1の載置領域15上に配置される。同様に、熱伝導シート65の第2の部分65bは、中間フレーム62の底面側から第2の貫通孔74を介して上面側に抜き出され、中間フレーム前方部62aの第2の載置領域17上に配置される。
【0080】
熱伝導シートの第3の部分65cには、中央近傍に開口78が設けられている。この開口78は、中間フレーム後方部62bの底面側から突出する規制部77に対応して設けられている。なお、この開口78は、必ずしも設けられていなくてもよい。例えば、規制部77を下ケース後方部64bの上面側に設けることで、開口78を省略することができる。
【0081】
熱伝導シート65の第1の部分65a及び第2の部分65bは、第1の筐体41内部で、バッテリーセル43a、43b及びバッテリーセル43c、43dの底面と当接する。一方、熱伝導シート65の第3の部分65cは、第2の筐体42内部で、バッテリーセル43e〜43hの上面と当接する。
【0082】
熱伝導シート65の材料としては、例えば、アルミニウムや銅等の金属や、グラファイト等が用いられる。しかし、これらに限定されない。ここで、中間フレーム62が多少折り曲げられて形成されている関係上、中間フレーム62に装着される熱伝導シート65も多少折り曲げられる。しかしながら、熱伝導シート65の折り曲げは、急激な折り曲げではない。従って、折り曲げに対する耐久性が弱い材料などであっても、熱伝導シート65の材料として選択的に用いることができる。
【0083】
ここで、仮に、中間フレーム62に熱伝導シート65が設けられていない場合を想定する。上記したように、ノート型PC本体10は、マザーボート(CPU)、ハードディスク等が内蔵された後方側で特に発熱量が大きい。第2の筐体42の上面は、発熱量の大きいノート型PC本体10の底面の後方側領域21bに対して間隙を開けて対向する。しかし、ノート型PC本体10の後方側からの熱により、第2のバッテリーセル群63の温度が、第1のバッテリーセル群61の温度よりも上昇してしまう場合がある。第1のバッテリーセル群61及び第2のバッテリーセル群63の温度に差が生じると、バッテリーセル43a〜43hの容量劣化が加速されてしまったり、バッテリーセル43a〜43hの過充電が生じてしまったりする、といった問題がある。
【0084】
しかしながら、本実施形態では、熱伝導シート65により第1のバッテリーセル群61と、第2のバッテリーセル群63との間で熱を伝導させることができる。これにより、第1のバッテリーセル群61及び第2のバッテリーセル群63の温度を均一化することができる。これにより、バッテリーセル43a〜43hの容量劣化の加速されてしまったり、バッテリーセル43a〜43hの過充電が生じてしまったりすることを防止することができる。
【0085】
また、本実施形態では、熱伝導シート65の第3の部分65cは、中間フレーム後方部62bの底面側に配置される。これにより、バッテリーパック40がノート型PC本体10に着装されて使用される際には、熱伝導シート65の第3の部分65cは、ノート型PC本体10の後方側領域21bと、第2の筐体42に内蔵されるバッテリーセル43e〜hとの間に介在されることになる。従って、熱伝導シート65の第3の部分65cにより、後方側領域21bからの熱がバッテリーセル43a〜43hへ伝わってしまうことを防止することができる。つまり、熱伝導シート65の第3の部分65cは、断熱材としての機能も有する。
【0086】
本発明者らは、第1のバッテリーセル群61と、第2のバッテリーセル群63との温度差を具体的に測定した。バッテリーパック40に熱伝導シート65が設けられていない場合、第1のバッテリーセル群61と、第2のバッテリーセル群63との温度差は12℃であった。熱伝導シート65の材料として、アルミニウムを用いた場合、温度差は11℃であった。また、熱伝導シート65の材料としてグラファイトを用いた場合、温度差は5℃であった。
【0087】
[ラッチ機構]
次に、本実施系形態に係るバッテリーパックが備えるラッチ機構について説明する。
図21は、ラッチ機構の構成を説明するための模式図であり、ラッチ機構を後方側から見た図である。図21の上側には、第1の筐体の後面が示されており、図21の下側には、第2の筐体の内部が示されている。
【0088】
ラッチ機構50は、バッテリーパック40の中央近傍であって、第1の筐体41と第2の筐体42の境界部の近傍に設けられる(図9、図15等参照)。
ラッチ機構50は、第1の筐体の後面から後方に向かって突出するするロック爪70と(図20参照)、第2の筐体42の底面側から露出する操作面を有するリリースレバー79と(図9参照)を有する。また、ラッチ機構50は、リリースレバー79と一体的に移動可能な解除部材82と(図15参照)を有する。
【0089】
ロック爪70は、ノート型PC本体10の本体ラッチ機構33が有する係合部13(図7参照)に対応する位置に設けられており、係合部13と係合可能とされる。ロック爪70は、図21で見て左側に傾斜面70aを有する。
【0090】
リリースレバー79は、複数の凸部80により構成される滑り止めが形成された操作面を有するリリースレバー本体79aと、リリースレバー本体79aに対して一体形成された垂直部79bとを有する。リリースレバー本体79aは、第2の筐体42の底面に設けられた溝81内を幅方向(X軸方向)へ移動可能とされる。
【0091】
解除部材82は、ノート型PC本体10側の係合部13及びバッテリーパック40側のロック爪70の係合状態を解除するための部材である。解除部材82は、リリースレバー79の垂直部79bをホールドする解除部材本体82aと、解除部材本体82aから上方へ向かって伸びるように設けられた解除部82bとを有する。また、解除部材82は、解除部材本体82aに対して、図21でみて左側に突出する棒状のバネ支持体82cを有する。
【0092】
解除部82bは、第2の筐体42の上面に設けられた貫通孔85を介して第2の筐体42の上面から突出しており、その上面は、ロック爪70の底面と当接する。
バネ支持体82cは、バネ84を支持する部材である。バネ支持体82cは、第2の筐体42の底面側の内壁面に対して略垂直に設けられた壁部83のガイド溝(図示せず)にガイドされる。
解除部材本体82aは、バネ84の弾性力により図21でみて右側に付勢されている。なお、バネ84の代わりにゴムなどの他の弾性体が用いられてももちろん構わない。
【0093】
「ラッチ機構の動作」
次に、ノート型PC本体の本体ラッチ機構と、バッテリーパックのラッチ機構とが係合されるときの動作及び係合状態が解除されるときの動作について説明する。
【0094】
図22は、ノート型PC本体10の本体ラッチ機構33と、バッテリーパック40のラッチ機構50とが係合されるときの動作を示す模式図である。図23は、ノート型PC本体10の本体ラッチ機構33と、バッテリーパック40のラッチ機構50との係合状態が解除されるときの動作を示す模式図である。
【0095】
図22及び図23では、ノート型PC本体10及びバッテリーパック40を後方側から見た様子が示されている。また、図22及び図23では、ノート型PC本体10は、本体ラッチ機構33の係合部13のみを模式的に表示している。なお、図22及び図23の説明では、便宜的に、ノート型PC本体10(係合部13)及びバッテリーパック40を後方側から見て右側を右側とし、後方側から見て左側を左側として説明する。
【0096】
まず、図22を参照してノート型PC本体10の本体ラッチ機構と、バッテリーパック40のラッチ機構50とが係合されるときの動作について説明する。
【0097】
図22(A)に示すように、バッテリーパック40装着時に、ノート型PC本体10に対してバッテリーパック40が近づくと、本体ラッチ機構33の係合部13とラッチ機構50とが近づく。
なお、このとき、バッテリーパック40は、ノート型PC本体10に設けられた切り欠き部18a、18bに係合されたボス部55、56を軸として回動されている。
【0098】
図22(B)に示すように、バッテリーパック40がノート型PC本体10側にさらに移動されると、係合部13とロック爪70とが当接する。このとき、係合部13の傾斜面13aと、ロック爪70の傾斜面70aとが当接するため、係合部13は、左側に移動される。
【0099】
図22(C)に示すように、バッテリーパック40がノート型PC本体10側にさらに移動されると、図示しないバネなどの弾性体によりノート型PC本体10に対して右側に付勢されている係合部13が右側に移動される。これにより、係合部13とロック爪70とが係合され、バッテリーパック40のノート型PC本体10への嵌合状態が保持される。
【0100】
次に、図23を参照して、ノート型PC本体10の本体ラッチ機構33と、バッテリーパック40のラッチ機構50との係合状態が解除されるときの動作を説明する。
【0101】
ユーザがノート型PC本体10からバッテリーパック40を取り外す場合、図23(A)に示すように、第2の筐体42の底面から露出するリリースレバー79を指で左側に移動させる。リリースレバー79が左側に移動されると、解除部材82全体が左側に移動される。
【0102】
このとき、第2の筐体42の上面よりも上方に突出する解除部82bが係合部13を左側に移動させる。また、このとき、バネ支持体82cは、壁部83に設けられたガイド溝にガイドされながら左側に移動され、バネ84は、解除部材本体82aと壁部83との間に挟まれて縮む。
【0103】
リリースレバー79がさらに左側に移動されると、解除部82bが係合部13をさらに左側に移動させる。これにより、図23(B)に示すように、係合部13の全体がロック爪70の左側に押し出され、係合部13とロック爪70との係合状態が解除される。
【0104】
係合部13とロック爪70との係合状態が解除されると、バッテリーパック40の取り外しが可能となるので、ユーザは、図23(C)に示すように、ノート型PC本体10からバッテリーパック40を取り外す。ユーザがリリースレバー79から指を離すと、バネ84の弾性力により解除部材82全体及びリリースレバー79が右側に移動され、解除部材82及びリリースレバー79がもとの位置へ戻る。
【0105】
以上説明したように、本実施形態のバッテリーパック40では、ユーザは、バッテリーパック40の底面側から露出するリリースレバー79を操作することで、バッテリーパック40をノート型PC本体10から取り外すことができる。
【0106】
ところで、本実施形態のノート型PC本体10では、本体ラッチ機構33のリリースレバー12は、ノート型PC本体10の底面の後方側領域21bから露出する(図6、図7参照)。ノート型PC本体10にノーマルバッテリーパックが着装されている場合、ユーザは、この本体ラッチ機構33のリリースレバー12を操作することで、ノーマルバッテリーパックをノート型PC本体10から取り外すことができる。
【0107】
しかしながら、本実施形態に係るバッテリーパック40がノート型PC本体10に着装される場合、ユーザは、ノート型PC本体10に設けられた本体ラッチ機構33のリリースレバー12を操作することができない。すなわち、リリースレバー12が設けられた底面の後方側領域21bは、バッテリーパック40の着装時には、第2の筐体42により覆われてしまう領域であるため、ユーザは、本体ラッチ機構33のリリースレバー12を操作することができない。
【0108】
そこで、本実施系形態に係るバッテリーパックで40は、バッテリーパック40側にもラッチ機構50を設けることとし、ラッチ機構50のリリースレバー79をバッテリーパック40の底面側から露出させることとしている。これにより、上記したように、ユーザは、バッテリーパック40の底面側から露出するリリースレバー79を操作することで、バッテリーパック40をノート型PC本体10から取り外すことができる。
【0109】
[固着機構]
次に、第2の筐体42の後方側に設けられた第1の支持体44及び第2の支持体45に対して、それぞれ設けられた第1の固着機構46及び第2の固着機構47について説明する。
【0110】
図24は、第2の固着機構47がノート型PC本体10に固着された状態を前方側から見た断面図である。図24では、底面側を上方として表示している。なお、第1の固着機構46と第2の固着機構47とは、同様の構成であるため、第2の固着機構47を代表的に説明する。
【0111】
図24に示すように、第2の固着機構47は、垂直軸方向(Z軸方向)の軸を中心軸とて回転可能な筒体90と、筒体90の周囲に筒体と一体形成されたダイヤル部91とを有する。また、第2の固着機構47は、筒体90内を垂直軸方向(Z軸方向)に摺動可能なネジ本体92aと、ネジ本体92aに設けられたネジ部92bとを有するネジ92と、ネジ本体92aの底面に当接するバネ93とを有する。
【0112】
筒体90の内周面は、水平面(X−Y平面)での断面形状が、六角形とされている。筒体90の周囲に設けられたダイヤル部91は、一部が第2の支持体45の後面側から露出している(図9、図11、図12参照)。これにより、ユーザは、ダイヤル部91を操作してダイヤル部91を回転させることができる。
【0113】
ネジ本体92aの水平面での断面形状は、筒体90の内周面の断面形状と同様に六角形とされる。これにより、ネジ本体92aは、筒体90内を垂直軸方向に摺動可能とされ、また、筒体90の回転と共に回転可能とされる。筒体90の内周面及びネジ本体92aの水平面での断面形状は、六角形に限られない。例えば、四角形や、五角形などの他の多角形形状であっても構わない。
【0114】
ネジ部92bは、ノート型PC本体10の底面側に設けられたナット94と螺着可能とされる。ナット94が埋め込まれた孔28は、上述のようにノート型PC本体10の底面において、後方側の角部の近傍に設けられる(図9参照)。
【0115】
バネ93は、ネジ本体92aの底面に当接し、ネジ92をノート型PC本体10側(第2の支持体45の上面側)に付勢する。バネの代わりにゴムなどの他の弾性体が用いられてももちろん構わない。
ネジ92は、バネ93により第2の支持体45の上面側に付勢されているので、バッテリーパック40がノート型PC本体10に装着されていない状態では、ネジ部92bは、第2の支持体の上面から突出する(図12参照)。
【0116】
「固着機構の動作」
つぎに、図24を参照して固着機構によりバッテリーパック40がノート型PC本体10に固着されるときの動作について説明する。
【0117】
固着機構による固着は、ノート型PC本体10の本体ラッチ機構33と、バッテリーパック40のラッチ機構50とが係合された後に行われる(図22参照)。
【0118】
本体ラッチ機構33とラッチ機構50が係合されると、第2の支持体45の上面と、ノート型PC本体10の底面とが当接する。このとき、ネジ部92bの先端部がナット94の底面側に当接するため、ネジ92全体が第2の支持体45の底面側(図24でみて上方)に向けて移動される。つまり、ネジ部92bの先端部がナット94の底面側に押されて、ネジ92全体が第2の支持体45内部に収納される。なお、このとき、バネ93は、ネジ本体92aの底面に押されて縮む。
【0119】
ユーザによりダイヤル部91の回転が開始されると、ダイヤル部91と一体形成された筒体90の回転が開始され、筒体90の回転共に回転可能なネジ本体92aの回転が開始される。これにより、ネジ92全体の回転が開始され、ネジ部92bのナット94に対する螺着が開始される。ネジ部92bのナット94に対する螺着が開始される際、ネジ本体92aの底面側に押されて縮んだバネ93がネジ部92bとナット94との螺着を補助する。
【0120】
ユーザによりダイヤル部91の回転が継続されると、ネジ本体92aは、ネジ部92bに筒体90の回転力を伝達しながら、自身は、ネジ部92bによるナット94への螺着によりノート型PC本体10側へ移動される。そして、ネジ部92bとナット94との螺着が完了され、バッテリーパック40がノート型PC本体10に対して強固に固着される。
【0121】
ここで、ユーザによりダイヤル部91が回転される際、ダイヤル部91は、垂直軸方向(Z軸方向)へ移動することはなく、垂直軸方向で一定の位置を保つことができる。すなわち、本実施形態では、ネジ本体92aが筒体90の回転力をネジ部92bに伝達することができ、かつ、筒体90内を垂直軸方向に移動可能であるため、ダイヤル部91を垂直軸方向で一定の位置で保つことができる。
【0122】
これにより、ダイヤル部91の操作性を向上させることができる。さらに、ダイヤル部91を垂直軸方向で一定の位置に保つことができるので、デザイン的にも有利である。
【0123】
(作用等)
以上説明したように、本実施形態に係るバッテリーパック40では、第2の筐体42が第1の筐体41に対して所定の角度傾斜して設けられているので、第2の筐体42の上面と、本体底面の後方側領域21bとの間に間隙を形成することができる。これにより、ノート型PC本体10からの熱が第2の筐体42に直接的に伝わってしまうことを防止することができる。これにより、第2の筐体42に内蔵された第2のバッテリーセル群63が高温となってしまい、第2のバッテリーセル群63の容量劣化が加速されてしまうことを防止することができる。
【0124】
また、本実施形態では、第2の筐体42の上面と、本体底面の後方側領域21bとの間に間隙を形成することができるので、第2の筐体42が、本体底面の後方側領域21bに設けられたファン装置の吸気口27を覆ってしまうことを防止することができる。これにより、ノート型PC本体10内部が高熱となってしまうことを防止することができる。
【0125】
さらに、本実施形態では、第2の筐体42が第1の筐体41に対して所定の角度傾斜して設けられているので、バッテリーパック40にチルトフットとしての機能を兼用させることができる。
【0126】
さらに、本実施形態では、熱伝導シート65により第1のバッテリーセル群61と、第2のバッテリーセル群63との間で熱を伝導させることができる。これにより、第1のバッテリーセル群61及び第2のバッテリーセル群63の温度を均一化することができる。これにより、バッテリーセル43a〜43hの容量劣化の加速されてしまったり、バッテリーセル43a〜43hの過充電が生じてしまったりすることを防止することができる。
【0127】
さらに、本実施形態では、熱伝導シート65の第3の部分65cは、ノート型PC本体10の本体底面の後方側領域21bと、第2の筐体42に内蔵されるバッテリーセル43e〜hとの間に介在されることになる。これにより、熱伝導シート65の第3の部分65cに、断熱材としての機能を兼用させることができる。
【0128】
さらに、本実施形態では、ラッチ機構50が設けられており、ラッチ機構50のリリースレバー79は、バッテリーパック40の底面側から露出する。これにより、ユーザは、第2の筐体42により本体ラッチ機構33のリリースレバー12が覆われてしまっても、バッテリーパック40の底面側から露出するリリースレバー79を操作することで、バッテリーパック40をノート型PC本体10から取り外すことができる。
【0129】
さらに、本実施形態では、ネジ本体92aが筒体90の回転力をネジ部92bに伝達することができ、かつ、筒体90内を垂直軸方向に移動可能であるため、ダイヤル部91を垂直軸方向で一定の位置で保つことができる。
【0130】
これにより、ダイヤル部91の操作性を向上させることができる。さらに、ダイヤル部91を垂直軸方向で一定の位置に保つことができるので、デザイン的にも有利である。
【0131】
<各種変形例>
本発明の一実施形態に係るバッテリーパック等は、上記した形態に限られず、種々の変形が可能である。
【0132】
上記した実施の形態では、バッテリーパック40が搭載される電子機器の一例として、ノート型PC10を挙げて説明した。しかし、バッテリーパック40が搭載される電子機器は、ノート型PC10に限られない。例えば、携帯型のゲーム機や、携帯電話等の他の電子機器にも本実施系形態に係るバッテリーパック40は適用可能である。なお、バッテリーパック40の大きさ等は搭載される電子機器の大きさに合わせて適宜設定されればよい。
【0133】
上記した実施の形態では、熱伝導シート65は、単一の材料により形成されるとして説明した。しかし、熱伝導シート65は、熱伝導率の異なる複数の材料の組み合わせにより形成されても構わない。この場合、例えば、熱伝導シート65の第3の部分65cに用いられる材料として、第1の部分65a及び第2の部分65bよりも熱伝導率の高い材料が用いられる。例えば、熱伝導シートの第3の部分に銅が用いられ、第1の部分65a及び第2の部分65bにアルミニウムが用いられてもよい。これにより、第1のバッテリーセル群61と第2のバッテリーセル群63と間でさらに熱の均一化を図ることができる。
【0134】
また、熱伝導シート65の代わりに、薄型ヒートパイプ等の他の熱伝導部材が用いられてもよい。薄型ヒートパイプが用いられた場合、熱伝導シート65が用いられた場合に比べて、熱の均一化の効率をさらに向上させることができる。なお、熱伝導シート65が用いられた場合、薄型ヒートパイプが用いられた場合に比べて、バッテリーパック40の薄型化の面で有利である。
【0135】
また、中間フレーム62は、第1の筐体41及び第2の筐体の一部を構成する他の部材である、上ケース60及び下ケース64よりも熱伝導率の高い材料により構成されていてもよい。例えば、上ケース60及び下ケース64が樹脂により構成され、中間フレーム62がアルミニウムや銅などの金属により構成されていてもよい。これにより、熱伝導シート65だけでなく、中間フレームを介して、第1のバッテリーセル群61と第2のバッテリーセル群63との間で熱を伝導させることができる。つまり、中間フレーム62が上ケース60及び下ケース64よりも熱伝導率の高い材料により構成される形態の場合、熱伝導シート65だけでなく、中間フレーム62も熱伝導部材としての機能を有することになる。これにより、第1のバッテリーセル群61と第2のバッテリーセル群63と間でさらに熱の均一化を図ることができる。
【0136】
また、中間フレームが熱伝導部材としての機能を有する場合、中間フレーム62は、熱伝導率の異なる複数の材料により構成されていてもよい。この場合、例えば、中間フレーム後方部62bに用いられる材料として、中間フレーム前方部62aよりも熱伝導率の高い材料が用いられる。例えば、中間フレーム後方部62bの材料として銅が用いられ、中間フレーム前方部62aの材料としてアルミニウムが用いられてもよい。これにより、第1のバッテリーセル群61と第2のバッテリーセル群63と間でさらに熱の均一化を図ることができる。
【0137】
中間フレーム62が熱伝導部材としての機能を有する場合、熱伝導シート65を省略する形態も考えられる。この場合、中間フレーム62は、中間フレーム前方部62aの上面側で第1のバッテリーセル群61と当接し、中間フレーム後方部62bの底面側で第2のバッテリーセル群63と当接する。そして、中間フレーム62は、第1のバッテリーセル群61と第2のバッテリーセル群63との間で熱を伝導する。このような形態においても、第1のバッテリーセル群61と第2のバッテリーセル群63と間で熱の均一化を図ることができる。この場合、第1の貫通孔73及び第2の貫通孔74は、中間フレーム62に設けられてなくともよい。
【0138】
なお、熱伝導シート65が省略され、中間フレーム62が熱伝導部材としての機能を有する形態の場合、一般的にバッテリーパックの筐体の材料として用いられる樹脂などの熱伝導率が低い材料は、中間フレーム62の材料としては含まれない。例えば、ポリエチレン(熱伝導率0.41W/mK)、ポリ塩化ビニル(熱伝導率0.16W/mK)、ポリプロピレン(熱伝導率0.17W/mK)等の熱伝導率の低い材料は、中間フレーム62の材料としては含まれない。
【0139】
上記した実施の形態では、バッテリーパック40のラッチ機構50が有する操作部として、スライド式のリリースレバー79を例に挙げて説明した。しかし、ラッチ機構50の操作部は、スライド式のリリースレバー79に限られない。ラッチ機構50の操作部の他の例として、例えば、押圧式の操作部や、回転式の操作部等が挙げられる。なお、押圧式の操作部や、回転式の操作部等が用いられた場合、これらに合わせて、解除部材82の形態も適宜変更される。解除部材82は、操作部の操作に応じて、係合部13とロック爪70との係合状態を解除可能な形態であればどのような形態であっても構わない。
【符号の説明】
【0140】
10…ノート型PC本体
13…係合部
21…本体筐体
21a…前方側領域
21b…後方側領域
26…凹部
33…本体ラッチ機構
40…バッテリーパック
41…第1の筐体
42…第2の筐体
43a〜43h…バッテリーセル
46…第1の固着機構
47…第2の固着機構
62…中間フレーム
65…熱伝導シート
70…ロック爪
79…リリースレバー
90…筒体
91…ダイヤル部
92b…ネジ部
92a…ネジ本体
92…ネジ
93…バネ
94…ナット
100…ノート型PC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹部が形成された第1の領域と、前記第1の領域に並列する第2の領域とを有する底面を有する電子機器本体に着脱可能であり、前記電子機器本体に対して電源を供給するバッテリーパックであって、
一端部を有し、前記凹部に嵌合可能であり、第1のバッテリーを内蔵する第1の筐体と、
前記第1の筐体の一端部に連結される一端部を有し、第2のバッテリーを内蔵し、前記第1の筐体が前記凹部に嵌合された状態で、前記第2の領域との間で間隙を形成するように、前記第1の筐体に対して所定の角度傾斜して設けられる第2の筐体と
を具備するバッテリーパック。
【請求項2】
請求項1に記載のバッテリーパックであって、
前記凹部は、ノーマルバッテリーパックが嵌合可能である
バッテリーパック。
【請求項3】
請求項2に記載のバッテリーパックであって。
前記ノーマルバッテリーパックは、ロック用の爪を有し、
前記電子機器本体は、
前記ロック用の爪と係合可能な係合部と、前記第2の領域から露出するように設けられ、前記ロック用の爪及び前記係合部の係合状態と解除状態とを切り替え可能な本体操作部とを有し、前記第1の領域及び第2の領域の境界部近傍に設けられた本体ラッチ機構をさらに有し、
前記バッテリーパックは、
前記係合部と係合可能なロック爪と、前記バッテリーパックの底面から露出するように設けられ、前記ロック爪及び前記係合部の係合状態と解除状態とを切り替え可能な操作部とを有するラッチ機構をさらに具備する
バッテリーパック。
【請求項4】
請求項1に記載のバッテリーパックであって、
前記第2の筐体の他端部に設けられ、前記バッテリーパックを前記電子機器本体に固着する固着機構をさらに具備する
バッテリーパック。
【請求項5】
請求項4に記載のバッテリーパックであって、
前記電子機器本体は、第2の領域内に設けられた孔に埋め込まれたナットをさらに有し、
前記固着機構は、
回転可能な筒体と、
前記筒体の周囲に設けられた回転操作部と、
前記筒体内をスライド可能であり、前記筒体の回転と共に回転する本体部と、前記ナットに螺着可能なネジ部とを有するネジと、
前記ネジ本体を前記ナット側に付勢する弾性体とを有する
バッテリーパック。
【請求項6】
凹部が形成された第1の領域と、前記第1の領域に並列する第2の領域とを有する底面を有する電子機器本体と、
一端部を有し、前記凹部に嵌合可能であり、第1のバッテリーを内蔵する第1の筐体と、前記第1の筐体の一端部に連結される一端部を有し、第2のバッテリーを内蔵し、前記第1の筐体が前記凹部に嵌合された状態で、前記第2の領域との間で間隙を形成するように、前記第1の筐体に対して所定の角度傾斜して設けられる第2の筐体とを有し、前記電子機器本体に着脱可能であり、前記電子機器本体に対して電源を供給するバッテリーパックと
を具備する電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−54363(P2011−54363A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−201119(P2009−201119)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】