説明

バッテリーモジュール

【課題】モジュール化組み立てに適用するバッテリーモジュールを提供する。
【解決手段】バッテリーモジュールは、バッテリーモジュールはカバー360と、カバーに画定された収容空間内に設けられる第一バッテリーパックケース311、第二バッテリーパックケース312、第一導電体331、第二導電体332、第三導電体333、導電レイアウト340、及び回路基板350を有する。導電体及び導電レイアウトは、バッテリーパックケースのバッテリーセル400と回路基板との間を電気的に連結する。第一バッテリーパックケースと第二バッテリーパックケースは非破壊的な取り外し方法により収容空間363から取り出すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバッテリーモジュールに関し、特に組み立て作業時間を削減するバッテリーモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
一般の携帯可能な充電式電池モジュールは、その内部回路の多くは導線によって接続される。従来の回路連結方法は各バッテリーパック中のバッテリーセル間をニッケルプレートにより接続しており、導線により回路基板と第一バッテリーパックの正極を接続し、導線により回路基板と第一バッテリーパック及び第二バッテリーパックとの間のニッケルプレートを接続し、導線により、回路基板と第二バッテリーパック及び第三バッテリーパックとの間のニッケルプレートを接続し、さらに、導線により回路基板と第三バッテリーパックの負極を接続する。
【0003】
従来の技術によれば、ニッケルプレート、回路基板及び複数の導線間の接続方法は、はんだによるもので、バッテリーパックの各点と回路基板の線材または可撓性複合基板の各溶接点を溶接導通させ、複数のバッテリーパックの電力を前記回路基板へコンパイルする。
【0004】
導線とバッテリーセルは抵抗溶接により接続され、接続された複数の導線と複数のバッテリーセルを直列/並列の形式に形成し、更に、絶縁被膜を有する導線をこのバッテリーパックにはんだ接合し、さらに回路基板をはんだにより、絶縁被膜の導線上に溶接し、最後にプラスチック材質の外ケースで電池装置と回路基板を覆い、バッテリーモジュールを完成させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
各溶接点は糸はんだを溶接材料とする必要があり、錫資源及び人的資源を消費し且つ環境汚染が増加する。また、はんだ作業の条件の不確実性、溶接手法と技巧が熟練していなかったりすると、人的な溶接品質の問題(コールドウェルド、はんだミス、はんだボール、はんだ飛沫など)が発生する恐れがあり、徹底的な解決や防止が困難である。上記問題によりバッテリーパックが遮断されるとユーザーが所有するバッテリーは使用できなくなり、バッテリーパックがショートするとバッテリーモジュールの安全性が大幅に低下する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例の目的は、モジュール化の組み立てに適用するバッテリーモジュールを提供することである。実施例の目的は組み立て作業時間が削減できるバッテリーモジュールを提供することにある。
【0007】
本発明の実施例によれば、バッテリーモジュールは、カバー、第一バッテリーパックケース、第二バッテリーパックケース、第一導電体、第二導電体、第三導電体、導電レイアウト、及び回路基板を有する。カバーは収容空間を提供し、かつ第一カバーと第二カバーを有する。第一バッテリーパックケースは収容空間に設けられ、かつ複数の第一収容ユニットを画定し、各第一収容ユニットは、バッテリーセルを設置する。第二バッテリーパックケースは収容空間に設けられ、且つ複数の第二収容ユニットを画定し、各第二収容ユニットはバッテリーセルを設置する。第一導電体は、第一バッテリーパックケースの各バッテリーセルの負極に電気的に接続される。第二導電体は、第一バッテリーパックケースの各バッテリーセルの正極に電気的に接続され、また、第二バッテリーパックケースの各バッテリーセルの負極に電気的に接続される。第三導電体は第二バッテリーパックケースの各バッテリーセルの正極に電気的に接続される。
【0008】
導電レイアウトは収容空間中の第一カバーの表面に形成され、第一、第二、第三導電体に電気的に接続され、バッテリーセルの連結関係を構成する。回路基板は収容空間中に位置し、第一カバー及び/または第二カバーに固定される。回路基板は導電レイアウト及び第一、第二、第三導電体を介して前記バッテリーセルと電気的に接続される。
【0009】
実施例において、第一バッテリーパックケースと第二バッテリーパックケースは非破壊的な取り外し方法により収容空間から取り出すことができる。別の実施例において、回路基板は非破壊的な取り外し方法により第一カバー及び/または第二カバーから取り外すことができる。さらに別の実施例において、第一バッテリーパックケースと第二バッテリーパックケースは非破壊的な取り外し方法により収容空間から取り出すことができ、且つ回路基板は非破壊的な取り外し方法により第一カバー及び/又は第二カバーより取り外すことができる。また別の実施例において、前記バッテリーセルはそれぞれ非破壊的な取り外し方法により第一バッテリーパックケースと第二バッテリーパックケースより取り出すことができる。
【0010】
実施例において、導電レイアウトは第一カバーに固定される。実施例において、導電レイアウトは第一カバーに貼り付けられる。実施例において、導電レイアウトは絶縁膜を介して第一カバーに貼り付けられ、絶縁膜は粘着テープであることがより好ましい。
【0011】
本発明の実施例によれば、バッテリーモジュールはさらに、回路コネクタを有する。導電レイアウトは回路コネクタを介して、回路基板に電気的に接続される。実施例において、回路コネクタは導電連結部を有する。導電連結部の一端は第一カバーの導電レイアウトと電気的に接続される。導電連結部の他端は回路基板に接触しかつ電気的に接続される。導電連結部は弾性導片であることがより好ましい。
【0012】
本発明の実施例によれば、モジュール化方式によりバッテリーモジュールを組み立てることができる。実施例において、はんだ作業の人的需要が削減でき、且つ人間のはんだ品質への影響が大幅に改善できる。このほか、実施例において、その操作作業が簡潔なので、生産作業の動作を有効に簡略化でき、且つ自動化組み立てラインの導入に有利である。
【0013】
本発明のほかの目的及びメリットは本発明に開示された技術特徴からさらに理解できる。本発明の上述及びほかの目的、特徴及びメリットをさらに明確かつ容易に理解するために、以下において実施例を挙げ図面を合わせて詳細に説明する。
【0014】
次に、図面に基づき、本発明の実施形態及びその機能を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】本発明の実施例のバッテリーモジュールの組み立て工程を示す。
【図1B】本発明の実施例のバッテリーモジュールの組み立て工程を示す。
【図1C】本発明の実施例のバッテリーモジュールの組み立て工程を示す。
【図2A】本発明の実施例のバッテリーパックの底面図である。
【図2B】本発明の実施例のバッテリーパックの平面図である。
【図3】本発明の実施例のバッテリーモジュールの分解立体図である。
【図4】本発明の実施例のバッテリーモジュールの連接器部の一部拡大図である。
【図5】本発明の実施例のバッテリーモジュールの組み立て方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<実施例>
図1A〜図1Cは、本実施例のバッテリーモジュールの組み立て過程の図である。図1A〜図1Cに示すように、本発明の実施例のバッテリーモジュール100は、モジュール化設計を採用し、主に複数のバッテリーセル400をバッテリーパックケース(樹脂ケース)310に設置してバッテリーパック300を形成し、このモジュール化の最小ユニットとし、さらに複数のバッテリーパック300を順にバッテリーモジュール100の下カバー110にそれぞれ配置する。前記バッテリーパック300は相互に直列及び/又は並列に接続して、バッテリ装置200を形成し(また、即ち、バッテリー装置200は複数の相互に直列及び/並列に接続するバッテリーパック300を含む)、さらに回路基板130をバッテリーモジュール100の下カバー110に配置し、回路基板130をバッテリー装置200と接続し、バッテリーモジュール100の組み立てが完成する。
【0017】
以下において、本発明の実施例のバッテリーモジュール100の構造を更に詳細に説明する。図2Aは、本発明の実施例のバッテリーパックの底面図である。図2Bは、本発明の実施例のバッテリーパックの平面図である。図2A及び図2Bに示すように、本発明の実施例のバッテリーパック300は、バッテリーパックケース310、複数の導電片320及び少なくとも1つのバッテリーセル400を有する。前記導電片320はバッテリーパックケース310内にそれぞれ設けられ、且つバッテリーパックケース310の両端に位置する。各導電片320の第一部分321はバッテリーパックケース310内部よりバッテリーパックケース310の外部へ延伸し、本実施例において導電片320の第一部分321は、バッテリーパックケース310の底板より貫通し、折り曲げられた後、バッテリーパックケース310の底板の背面に設けられる。前記導電片320の第二部分322は、バッテリーパックケース310の両端にそれぞれ位置する。バッテリーセル400の両端は前記導電片320の第二部分322にそれぞれ接触する。この設計に基づくと、バッテリーセル400が損傷した場合、前記破損したバッテリーセル400を非破壊的な方法で取り外して、別の正常なバッテリーセル400と交換でき、すべてのバッテリーパック300を交換する必要がない。または、前記損傷したバッテリーセル400を有するバッテリーパック300を非破壊的な方法で取り外し、別の正常なバッテリーパック300と交換するだけでよく、従来技術のようにバッテリーモジュール100を全て交換する必要がない。
【0018】
再度図1Aを参照すると、下カバー110に複数の金属導片140を設け(実施例において、金属導片140を上カバー(図示せず)に設けてもよく、当業者は上下カバーが相対概念に属することが理解でき、金属導片140の設置に対して各種均等な変更が実施できる)、前記金属導片140は細長状で、折り曲げて電流流動ルートのレイアウトとすることができる。このほか、実施例において、非金属の導電片を前記金属導片140と置換してもよい。金属導片140は、連接部141を設けてもよく、バッテリーパック300が下カバー110に取り付けられるとき、下カバー110の金属導片140の連接部141の位置はバッテリーパック300の導電片320の第一部分321の位置に対応し、且つ金属導片140の連接部141が導電片320の第一部分321と接触する。金属導片140は別の連接部142を更に設けてもよく、回路基板130が下カバー110に取り付けられるとき、回路基板130と電気的に接続または接触する。
【0019】
より好ましくは、前記金属導片140が前記下カバー110に固定されることである。ある実施例において、下カバー110の底板に複数の凹溝(図示せず)を設け、前記金属導片140が前記凹溝に嵌め込まれる。ある実施例において、前記金属導片140は前記下カバー110の底板に貼り付けられる。ある実施例において、絶縁膜150により前記金属導片140を前記下カバー110の底板に貼り付けられる。絶縁膜150が粘着テープであることがより好ましい。ある実施例において、絶縁膜150は金属導片140の連接部141及び142以外の部分だけに貼り付けてもよい。ある実施例において、絶縁膜150は複数の開口(図示せず)を画定するように下カバー110の大部分に貼り付けてもよく、前記開口部の位置はそれぞれバッテリーパック300の導電片320の第一部分321、及び下カバー110の金属導片140の連接部141と142に対応させ、連接部141と142を露出させてバッテリーパック300を下カバー110に取り付けたのち、バッテリーパック300の導電片320の第一部分321を下カバー110の金属導片140の連接部141に接触させ、且つ回路基板130が連接部142に接触できるようにする。
【0020】
従来のノートブック型パソコンのバッテリーモジュールは、その中のバッテリーセルが1つでも破損すると、すべてのバッテリーモジュールを交換、または破壊的な方法を通じる(例えば、はんだを溶かし、付け直すなど)必要があり、それによってバッテリーセルを交換しなければならない。しかしこれでは安全面で好ましくない。これに比べ、本実施例において、バッテリーセル400を非はんだ付け方式により(例えば、嵌め込み、固定溝、留め具、ラッチなど如何なる周知の非はんだ付けの固定方法)、バッテリーパックケース310に装着してバッテリーパック300を形成するので、バッテリーセル400の1つが故障して、バッテリーモジュール100全体が使えなくなったとき、バッテリーモジュール100全体を交換する必要がなく、非破壊的な方法で前記故障したバッテリーセル400を交換するとか、または、前記故障したバッテリーセル400を含んだバッテリーパック300を交換するだけでよい。この他、バッテリーセル400を交換した後、バッテリーモジュール100が依然に使えない場合、バッテリーパック300が故障していることがわかるので、このときもバッテリーモジュール100全体を交換せずに、非破壊的な方法でバッテリーパック300を交換するだけでよい。
【0021】
図3は本発明の実施例のバッテリーモジュールの分解立体図である。図3のバッテリーモジュールの構造は図1Cのバッテリーモジュールの構造とほとんど同一であるので、同じ部材は同じ符号を使用するとともに関連説明を省略する。図3に示すように、本発明の実施例のバッテリーモジュール100は、カバー360、第一バッテリーパックケース311、第二バッテリーパックケース312、第一導電体331、第二導電体332、第三導電体333、導電レイアウト340及び回路基板350を有する。本実施例において、バッテリーモジュール100は、第三バッテリーパックケース313及び第四導電体334を更に有してもよい。第三バッテリーパックケース313及び第四導電体334の機能と配置方式は前述のバッテリーパックケース及び導電体に類似し、当業者は上述した説明により、その機能と配置方式が明確に理解できるので、この関連説明を省略する。
【0022】
カバー360は収容空間363を提供する。本実施例において、カバー360は第一カバー361と第二カバー362を有する。第一カバー361と第二カバー362は収容空間363を画定する。第一バッテリーパックケース311は収容空間363に設置され、且つ複数の第一収容ユニット316(図3中では二つの第一収容ユニット316が表示されている)を画定し、各第一収容ユニット316はバッテリーセル400を設置する。第二バッテリーパックケース312も収容空間363に設置され、且つ複数の第二収容ユニット(符号なし)を画定し、各第二収容ユニットはバッテリーセル400を設置する。第一導電体331は第一バッテリーパックケース311の各バッテリーセル400の負極に電気的に接続される。第二導電体332は第一バッテリーパックケース311の各バッテリーセル400の正極に電気的に接続され、且つ第二バッテリーパックケース312の各バッテリーセル400の負極に電気的に接続される。第三導電体333は第二バッテリーパックケース312の各バッテリーセル400の正極に電気的に接続される。本実施例において、前記導電体331〜334は銅片(Cu-Plate)であってもよい。
【0023】
導電レイアウト340は収容空間363の第一カバー361の表面に形成され、第一、第二、第三導電体331、332、333に電気的に接続され、前記バッテリーセル400の連結関係を構成する。さらに具体的には、導電レイアウト340は複数の金属導片を有してもよく、且つ導電レイアウト340は複数の連接部1a〜1f(図1Aの141に類似)を設け、その位置はそれぞれ前記導電体331〜334の第一部分2a〜2fの位置に対応する。前記導電体331〜334は導電片であってもよく、それは図2Aの実施例の導電片320に類似し、且つその第一部分2a〜2fは図2A実施例の第一部分321に類似する。よって、ここではその関連説明を省略する。第一カバー361と第二カバー362は一方向に延伸する細長状であり、主な機能はバッテリーモジュール100内部の各種部材を保護することである。導電レイアウト340が第一カバー361に設けられた後、連接部1b〜1eは連接部1aと1fとの間に位置し、連接部1aと1fはバッテリーパックケース311〜313が直列接続されたのち形成されたバッテリー装置の両端(第一カバー361の両端)に位置し、電流供給時の負極と正極となす。連接部1b〜1eは二つの隣接するバッテリーパックケース311〜313間の第二導電体332と第三導電体333にそれぞれ接続され、電圧検測装置(図示せず)に接続し、電圧検測装置がバッテリーパックケース311〜313の複数のバッテリーセル400の電圧を検測する。バッテリーパックケース311〜313の複数のバッテリーセル400の電圧を測定した後、バッテリーパックケース311〜313の複数のバッテリーセル400が蓄積する電気容量が測定できる。図3に示すように、導電レイアウト340は更に少なくとも回路コネクタ(Pin Connector)160に電気的に接続されてもよい。前記回路コネクタ160は、回路基板350の連結パッドと接触する。
【0024】
回路基板350は収容空間363に位置し、第一カバー361及び/又は第二カバー362に固定される。回路基板350は導電レイアウト340及び第一、第二、第三導電体331、332、333を介して前記バッテリーセル400と電気的に接続される。
【0025】
本実施例において、第一バッテリーパックケース311と第二バッテリーパックケース312は非はんだ溶接の方法(例えば、嵌め込み、固定溝、留め具、ラッチなど如何なる周知の非はんだ付けの固定方法)によりバッテリーモジュール100に装着するので、非破壊的な取り外し方法により収容空間363から取り出すことができる。別の実施例において、回路基板350は非はんだ付けの方法(例えば、嵌め込み、固定溝、留め具、ラッチなど如何なる周知の非はんだ付けの固定方法)によりバッテリーモジュール100に取り付けることができるので、ゆえに非破壊的な取り外し方法により第一カバー361と/又は第二カバー362から取り外すことができる。別の実施例において、前記バッテリーセル400は非はんだ付けの方法で(例えば、嵌め込み、固定溝、留め具、ラッチなど如何なる周知の非はんだ付けの固定方法)第一バッテリーパックケース311と第二バッテリーパックケース312に装着するので、ゆえに非破壊的な取り外し方法により第一バッテリーパックケース311と第二バッテリーパックケース312から取り出すことができる。
【0026】
回路基板350と導電レイアウト340との間の電気的な接続は、少なくとも1つの回路連接器(Pin Connector)160と導電レイアウト340(導電用銅片)をはんだ接合し、更に、回路基板350を回路連結器160に装着し、回路連結器160の弾性片と回路基板350の連接パッドを接触させる。最後に、第二カバー362を第一カバー361と組み合わせて、バッテリーモジュール100の組み立てが完了する。本実施例は主に回路連接器160の新規的な構造の設計に対して全く新しいバッテリーモジュール100の電気のエネルギー回路線設計を開発し、バッテリーモジュール100の組み立て効率を向上させる。
【0027】
図4は、本発明の実施例のバッテリーモジュールの回路連接器160の一部の拡大図である。図4に示すように、回路連結器160は導電連接部63を有する。導電連接部63の一端61と第一カバー361の導電レイアウト340の金属導片は電気的に接続される。導電連接部63の他端62は回路基板350に接触し且つ電気的に接続される。更に具体的には、はんだ付けの方法により、導電連接部63の一端61と導電レイアウト340の金属導片の連接部142をはんだ付け、導電連接部63の他端62は回路基板350の連接パッド(図示せず)に接触する。ある実施例において、回路連接器160は第一ストッパー64を更に有してもよい。回路基板350の連接パッドは第一ストッパー64と導電連接部63の他端62との間に位置する。ある実施例において、回路連接器160は第二ストッパー65を更に有してもよい。回路基板350の連接パッド及び導電連接部63の他端62は、第一ストッパー64および第二ストッパー65の間に位置する。この他、本実施例において導電連接部63の一端61と導電連接部63の他端62は一定の角度を形成し、好ましくは約90度の角度を形成する。
【0028】
本実施例において、導電連接部63の他端62は機械的な力で回路基板350と接触する。導電連接部63が弾性導電片であることが好ましい。導電連接部63の他端62は弾力により回路基板350の連接パッドに押し当てられる。
【0029】
本実施例において、第一ストッパー64と第二ストッパー65は第一カバー361の底板より第一カバー361の底板から離れる方向に延伸し(底板にほぼ垂直になる方向へ延伸するのが好ましい)、第一ストッパー64と第二ストッパー65間にスリットを画定する。回路基板350を第一カバー361に取り付けられるとき、回路基板350は導電連接部63の他端62が回路基板350に抵抗する弾力を克服し、上方から下方へ第一ストッパー64と第二ストッパー65との間のスリットへ進入する。この時、導電連接部63の他端62は前記弾力により回路基板350の連接パッドに押し当てられる。
【0030】
図5は、本発明の実施例のバッテリーモジュールの組み立て方法のフローチャートである。図1A〜1C及び図5に示すように、本実施例のバッテリーモジュールの組み立て方法は、以下のステップを有する。
【0031】
ステップS02、バッテリーセルの装入ステップ:手動配置、機械的ホルダーによる挟持、機械的真空吸着又は磁性吸着方法により、1つ又は複数のバッテリーセル400を導電片320を有するバッテリーパックケース310に装入し、バッテリーパック300を形成する。
【0032】
ステップS04、バッテリーパック装入ステップ:手動配置、機械的ホルダーによる挟持、機械的真空吸着又は磁性吸着方法により、1つ又は複数のバッテリーパック300を金属導片140を有する下カバー110に装入する。
【0033】
ステップS06、回路基板装入ステップ:手動配置、機械的ホルダーによる挟持、機械的真空吸着又は磁性吸着方法により、回路基板130をバッテリーパック300と金属導片140を有する下カバー110に装入する。
【0034】
ステップS08、外ケース装置ステップ:上カバー120を下カバー110と組み合わせて、バッテリーモジュール100の組み立てが完了する。
【0035】
本発明の実施例によれば、新規のモジュール化されたバッテリーモジュールの設計と組み立て方法を提供し、その接触導通式の設計により、1つのバッテリーセル400を、導電片320を有するバッテリーパックケース310に装入し、バッテリーパックケース310は必要な並列数に応じて、複数のバッテリーセル400の拡張装着が可能なバッテリーパック300を形成する。このバッテリーパック300のバッテリーパックケース310に複数の並列のバッテリーセル400を有する。
【0036】
製品タイプにより必要な直列数に応じて、バッテリーパック300を、金属銅片140を有するバッテリーモジュール100の下カバー110に装入し、バッテリーパックケース310の導電片320の第一部分321をバッテリーモジュール100の下カバー110の金属導片140と相互に接触させて、バッテリーモジュール100内部の各回路導通により直列接続の目的を達成する。
【0037】
この設計理念は、大量のはんだ導通作業を削減し、錫資源を節約でき、環境汚染を軽減し、はんだ作業の人的需要を下げ、又、人間のはんだ品質への影響が大幅に改善できる。この他、新設計の操作作業の簡易化により生産作業を有効に簡略化でき、且つ自動化組み立てラインの導入に有利であり、人的需要が削減できる。
【0038】
本発明は、実施例に開示されているが、実施例は本発明を制限するものではなく、当業者であれば本発明の本質及び範囲内において、いくつかの変更及び装飾が可能である。よって、本発明の保護範囲は特許請求の範囲で定義されたものに準ずる。この他、本発明の如何なる実施例又は特許請求の範囲は本発明に開示された全ての目的又は長所又は特徴を達成する必要がない。この他、要約及び発明名称は特許文献の検索に用いるものであり、本発明の権利範囲を制限するものではない。
【符号の説明】
【0039】
100 バッテリーモジュール
120 上カバー
110 下カバー
130 回路基板
140 金属導片
141 連接部
142 連接部
150 絶縁膜
160 回路連接器
1a~1f 連接部
2a~2f 第一部分
200 バッテリー装置
300 バッテリーパック
310 バッテリーパックケース
320 導電片
321 第一部分
322 第二部分
311 第一バッテリーパックケース
312 第二バッテリーパックケース
313 第三バッテリーパックケース
316 第一収容ユニット
331 第一導電体
332 第二導電体
333 第三導電体
334 第四導電体
340 導電レイアウト
350 回路基板
360 カバー
361 第一カバー
362 第二カバー
363 収容空間
400 バッテリーセル
61 導電連接部の一端
62 導電連接部の他端
63 導電連接部
64 第一ストッパー
65 第二ストッパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一カバーと第二カバーを有し、収容空間を提供するカバーと、
第一バッテリーセルを設置する複数の第一収容ユニットを有し、前記収容空間に設置される第一バッテリーパックケースと、
第二バッテリーセルを設置する複数の第二収容ユニットを有し、前記収容空間に設置される第二バッテリーパックケースと、
前記第一バッテリーパックケースの各前記第一バッテリーセルの負極に電気的に接続する第一導電体と、
前記第一バッテリーパックケースの各前記第一バッテリーセルの正極に電気的に接続し、且つ前記第二バッテリーパックケースの各前記第二バッテリーセルの負極に電気的に接続する第二導電体と、
前記第二バッテリーパックケースの各前記第二バッテリーセルの正極に電気的に接続する第三導電体と、
前記収容空間の前記第一カバーの表面に形成され、前記第一、第二、第三導電体に電気的に接続し、バッテリーセルの連結関係を構成する導電レイアウトと、及び
前記収容空間に位置し、前記第一及び/又は第二カバーに固定されて、前記導電レイアウト及び前記第一、第二、第三導電体を介して各第一バッテリーセルと各前記第二バッテリーセルを電気的に接続する回路基板と、
を有するバッテリーモジュールであって、
前記第一バッテリーパックケースと前記第二バッテリーパックケースが非破壊的な取り外し方法により前記収容空間から取り出せるように設けられていることを特徴とするバッテリーモジュール。
【請求項2】
第一カバーと第二カバーを有し、収容空間を提供するカバーと、
第一バッテリーセルを設置する複数の第一収容ユニットを有し、前記収容空間に設置される第一バッテリーパックケースと、
第二バッテリーセルを設置する複数の第二収容ユニットを有し、前記収容空間に設置される第二バッテリーパックケースと、
前記第一バッテリーパックケースの各前記第一バッテリーセルの負極に電気的に接続する第一導電体と、
前記第一バッテリーパックケースの各前記第一バッテリーセルの正極に電気的に接続し、且つ前記第二バッテリーパックケースの各前記第二バッテリーセルの負極に電気的に接続する第二導電体と、
前記第二バッテリーパックケースの各前記第二バッテリーセルの正極に電気的に接続する第三導電体と、
前記収容空間の前記第一カバーの表面に形成され、前記第一、第二、第三導電体に電気的に接続し、バッテリーセルの連結関係を構成する導電レイアウトと、及び
前記収容空間に位置し、前記第一及び/又は第二カバーに固定され、前記導電レイアウト及び前記第一、第二、第三導電体を介して各前記第一バッテリーセルと各前記第二バッテリーセルに電気的に接続する回路基板と、を有するバッテリーモジュールであって、
前記回路基板は非破壊的な取り外し方法により前記第一及び/又は第二カバーから取り外せるように設けられていることを特徴とするバッテリーモジュール。
【請求項3】
第一カバーと第二カバーを有し、収容空間を提供するカバーと、
第一バッテリーセルを設置する複数の第一収容ユニットを有し、前記収容空間に設置される第一バッテリーパックケースと、
第二バッテリーセルを設置する複数の第二収容ユニットを有し、前記収容空間に設置される第二バッテリーパックケースと
前記第一バッテリーパックケースの各前記第一バッテリーセルの負極に電気的に接続する第一導電体と、
前記第一バッテリーパックケースの各前記第一バッテリーセルの正極に電気的に接続し、且つ前記第二バッテリーパックケースの各前記第二バッテリーセルの負極に電気的に接続する第二導電体と、
前記第二バッテリーパックケースの各前記第二バッテリーセルの正極に電気的に接続する第三導電体と、
前記収容空間の前記第一カバーの表面に形成され、前記第一、第二、第三導電体に電気的に接続し、バッテリーセルの連結関係を構成する導電レイアウトと、及び
前記収容空間に位置し、前記第一及び/又は第二カバーに固定され、前記導電レイアウト及び前記第一、第二、第三導電体を介して各前記第一バッテリーセルと各前記第二バッテリーセルに電気的に接続する回路基板と、
を有するバッテリーモジュールであって、
前記第一バッテリーパックケースと前記第二バッテリーパックケースが非破壊的な取り外し方法により前記収容空間から取り出せ、且つ前記回路基板は非破壊的な取り外し方法により前記第一及び/又は第二カバーから取り外せるように設けられていることを特徴とするバッテリーモジュール。
【請求項4】
各前記第一バッテリーセルが非破壊的な取り外し方法により前記第一バッテリーパックケースから取り出せ、且つ各前記第二バッテリーセルが非破壊的な取り外し方法により前記第二バッテリーパックケースから取り出せるように設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
第一カバーと第二カバーを有し、収容空間を提供するカバーと、
第一バッテリーセルを設置する複数の第一収容ユニットを有し、前記収容空間に設置される第一バッテリーパックケースと、
第二バッテリーセルを設置する複数の第二収容ユニットを有し、前記収容空間に設置される第二バッテリーパックケースと、
前記第一バッテリーパックケースの各前記第一バッテリーセルの負極に電気的に接続する第一導電体と、
前記第一バッテリーパックケースの各前記第一バッテリーセルの正極に電気的に接続し、且つ前記第二バッテリーケースの各前記第二バッテリーセルの負極に電気的に接続する第二導電体と、
前記第二バッテリーパックケースの各前記第二バッテリーセルの正極に電気的に接続する第三導電体と、
前記収容空間の前記第一カバーの表面に形成され、前記第一、第二、第三導電体に電気的に接続し、バッテリーセルの連結関係を構成する導電レイアウトと、
前記収容空間に位置し、前記第一及び/又は第二カバーに固定され、前記導電レイアウト及び前記第一、第二、第三導電体を介して各前記第一バッテリーセルと各第二バッテリーセルに電気的に接続する回路基板と、
を有するバッテリーモジュールであって、
各前記第一バッテリーセルが非破壊的な取り外し方法により前記第一バッテリーパックケースから取り出せ、且つ各前記第二バッテリーセルが非破壊的な取り外し方法により前記第二バッテリーパックケースから取り出せるように設けられていることを特徴とするバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記導電レイアウトが前記第一カバーに固定されていることを特徴とする請求項1、2、3、又は5のいずれかに記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記導電レイアウトが前記第一カバーに貼りつけられていることを特徴とする請求項6に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
前記導電レイアウトが絶縁膜を介して前記第一カバーに貼りつけられていることを特徴とする請求項7に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
前記絶縁膜が粘着テープであることを特徴とする請求項8に記載のバッテリーモジュール。
【請求項10】
前記導電レイアウトを前記回路基板に電気的に接続する回路連接器を更に有することを特徴とする請求項1、2、3又は5のいずれかに記載のバッテリーモジュール。
【請求項11】
前記回路連結器が導電連接部を有し、前記導電連接部の一端が前記第一カバーの前記導電レイアウトと電気的に接続され、且つ前記導電連接部の他端が前記回路基板に接触し電気的に接続することを特徴とする請求項10に記載のバッテリーモジュール。
【請求項12】
前記導電連接部が弾性導片であり、且つ前記導電連接部の前記他端は前記弾性導片の弾力を介して前記回路基板に押し当てられていることを特徴とする請求項11に記載のバッテリーモジュール。
【請求項13】
前記第一導電体の一部が前記第一バッテリーパックケース内部に位置し、各前記第一バッテリーセルの負極と接触し、前記第一導電体の別の一部が前記第一バッテリーパックケース内部から前記第一バッテリーパックケースの外部へ延伸し、前記導電レイアウトに電気的に接続し、且つ
前記第二導電体の一部が前記第一バッテリーパックケース及び前記第二バッテリーパックケースの内部に位置し、前記第一バッテリーセルの正極と接触し、且つ各前記第二バッテリーセルの負極と接触し、前記第二導電体の別の一部が前記第一バッテリーパックケース及び前記第二バッテリーパックケース内部から前記第一バッテリーパックケース及び前記第二バッテリーパックケース外部へ延伸して、前記導電レイアウトと電気的に接続し、且つ
前記第三導電体の一部が前記第二バッテリーパックケースの内部に位置して、各前記第二バッテリーセルの正極に接触し、前記第三導電体の別の一部が前記第二バッテリーパックケース内部から前記第二バッテリーパックケース外部へ延伸して前記導電レイアウトと電気的に接続することを特徴とする請求項1、2、3又は5のいずれかに記載のバッテリーモジュール。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−228299(P2011−228299A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86246(P2011−86246)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(511040528)新普科技股▲ふん▼有限公司 (2)
【氏名又は名称原語表記】SIMPLO TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.471, Sec. 2, Bade Rd., Hukou Township, Hsinchu County 303, Taiwan
【Fターム(参考)】