説明

バッテリ

【課題】バッテリの小型化に伴う撮像装置への誤挿入防止。
【解決手段】扁平な略直方体のバッテリ2において、バッテリ2が挿入される装置(撮像装置1)への挿入面の対面である背面の長手方向の両端に、前記背面に沿うように突起部26,27を形成する。突起部27は、前記装置に具備された係止手段(ロック爪115)によって係止される被係止面271を有し、この被係止面は前記背面よりも低く設定されている。突起部27は前記背面に対して鋭角に傾斜した傾斜面270を有し、前記装置からのバッテリ2の取り出し時に、傾斜面270が前記係止手段の接触圧を受けることにより、バッテリ2の排出が促される。バッテリ2としては主面が略正方形であるものがある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリが必要な装置に着脱自在に具備されるバッテリに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラに代表される撮像装置の小型化、軽量化に伴い、撮像装置に装着されるバッテリは小型化、軽量化に有利な直方体型に形成されている。バッテリを適用する撮像装置では、バッテリの誤挿入や撮像装置の破損を防ぐために曲げモーメントに耐える剛性を有した部材で撮像装置を形成する必要があり、小型化、軽量化の妨げとなっていた。
【0003】
そこで、特許文献1に示されたバッテリ14は、図14に示したように撮像装置への誤挿入を防ぐために挿入方向の辺の長さを幅方向の辺の長さよりも長く設定した直方体状に形成し、その外装部140の辺に切欠部141を形成させることにより、誤挿入を確実に防止しさらにはこのバッテリ14が装着される撮像装置等の小型化、軽量化を容易にしている。外装部140にはバッテリ14が装着される撮像装置の端子と電気的に接続する端子142が設けられている。切欠部141の設置数、設置箇所は、端面143が対称中心を有さないように決定される。一方、バッテリ14を収納する撮像装置内の電池ホルダーは、外装部140の外形形状とほぼ同一の内部形状を有すると共に電池ホルダーを収納した際に切欠部141,141と係合する突部を有する。尚、特許文献1に示されたバッテリと同類のものとしては、特許文献2〜4に示されたバッテリがある。
【特許文献1】特開2003−317689
【特許文献2】特開平11−307072号公報
【特許文献3】特開2001−76700
【特許文献4】特開平11−3692号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そして、昨今、前記撮像装置等のバッテリが着脱自在に具備される装置のさらなる小型化及び軽量化の要請により、バッテリのさらなる小型化が必要とされている。そこで、前記直方体型のバッテリをさらに小型化するために、対向する略正方形の面を有する形状に形成すればよいが、これまでのバッテリは側面に突起部が無く、また、前記装置側においては受け入れたバッテリを係止する係止箇所が明確ではなかった。そのため、ユーザーはバッテリとその係止箇所の位置関係に迷い前記装置に対してバッテリを誤挿入させてしまう確率が高かった。
【0005】
また、仮に、略正方形状の面を有するバッテリを形成すると、バッテリと撮像装置の端子接点がオフセンターである場合、バッテリを裏表逆挿入した状態または横誤挿入した状態では、バッテリの端子と前記装置の端子は接触しないので両者が電気的に接続されないが、バッテリ筐体が前記装置の端子に接触し、前記装置の端子を破損させる恐れがある。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みなされたもので、その目的は、バッテリが着脱自在に具備される装置のバッテリの小型化に伴う前記装置への誤挿入を防止できるバッテリの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明のバッテリは、扁平な略直方体のバッテリにおいて、前記バッテリが挿入される装置への挿入面の対面である背面の長手方向の両端に、前記背面に沿うように突起部を形成したことを特徴とする。
【0008】
また、前記一方の突起部は、前記バッテリが装着される装置に具備された係止手段によって係止される被係止面を有し、この被係止面は前記背面よりも低く設定されたことを特徴とする。
【0009】
さらに、前記被係止面は、その摩擦係数が前記背面における前記被係止面以外の部分の摩擦係数よりも小さくなるような表面であることを特徴とする。
【0010】
また、前記被係止面を有する突起部は前記背面に対して鋭角に傾斜した傾斜面を有していることを特徴とする。
【0011】
さらに、前記挿入面の両端部に挿入方向に突出する突起部を形成したことを特徴とする。
【0012】
また、前記バッテリとしては主面が略正方形であるものがある。
【発明の効果】
【0013】
したがって、本発明に係るバッテリによれば、バッテリが着脱自在に具備される装置へのバッテリの装着方法が明確となり、前記装置へのバッテリの誤挿入を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態例について説明する。
【0015】
図1は本発明のバッテリが装着される撮像装置の実施形態例を示した概観図であり、特に(a)は撮像装置の正面を示した概観図、(b)は撮像装置の裏面を示した概観図である。図2は前記撮像装置に装着されるバッテリの実施形態例を概観図であり、特に(a)〜(d)は前記実施形態例に係るバッテリの側面を示した概観図である。図3はバッテリの分解斜視図である。図4はバッテリが格納される撮像装置の内部を示した概略図である。図5はバッテリが撮像装置に装着された状態を示した概略図である。図6は撮像装置へのバッテリの挿入要領を示した説明図である。
【0016】
撮像装置1は、図1(a)に示されたように、本体10上面部にズームレバー101とシャッターボタン102とマイク103を備えている。正面部には、図4に示されたように撮像レンズ104とフラッシュ104aとAFイルミネータ104bとレンズカバー105とを備えている。レンズカバー105はスライド方式に撮像レンズ104とフラッシュ104aとAFイルミネータ104bとをカバーする。AFイルミネータ104bは暗い場所でフォーカスを合わすための補助光を発するものである。
【0017】
また、図1(b)に示されたように、本体10の裏面部には、モード切り換えスイッチ106と、モニタ107と、メニューボタン108と、コントロールボタン109と、画面表示ボタン110と、画面サイズ選択/画面削除ボタン111と、スピーカー112と、リセットボタン113とを備えている。操作ボタン109はフラッシュモードボタン109aとレビューボタン109bとセルフタイマーボタン109cとマクロボタン109dと決定ボタン109eとからなる。これらの構成要素は既知のデジタルカメラ装置(例えばソニー製デジタルカメラDSC−T3)に具備されているものを採用すればよい。
【0018】
さらに、撮像装置1は、図4に示したように、バッテリ2を格納する格納部10aを有すると共に、バッテリ挿入側側面部には、図5に示したように、電源ボタン100と、マルチ端子114と、バッテリ2が撮像装置1内に挿入そして装着されたときバッテリ2を係止する手段としてのロック爪115と、装着したバッテリ2を密閉する手段としての蓋116と、撮像装置1を保持するためのストラップ金具117と、バッテリ2を受け入れる開口部118(図6)とを備える。尚、ストラップ金具117は撮影時に親指を当てることにより保持しやすくする働きもする。
【0019】
格納部10aには、リブ119と端子板120が具備されている。端子板120はバネ弾性を有する端子121を備えている。リブ119はバッテリ2が格納部10aに格納された状態のときバッテリ2に形成された凹部230(図2)と当接する。端子121はバッテリ2が格納部10aに格納された状態のときバッテリ2の端子接触部222(図2)と電気的に接続する。
【0020】
ロック爪115は図6の矢印方向に移動可能に設けられ、図7に示されたバネ115bによって開口部118方向に付勢されている。ロック爪115は傾斜面115aを形成している。傾斜面115aはバッテリ2の排出量を補うためのものである。すなわち、バッテリ2が撮像装置1から排出される際にバネ115bの接触圧により押されたロック爪115が傾斜面115aによってバッテリ2のフレーム部21に形成された突起部27の下に潜り込ませてバッテリ2の排出を促進させている。尚、ロック爪115は撮像装置1に装着されたバッテリ2を係止できればよいので、必ずしも傾斜面115aを形成させる必要はない。すなわち、図13に示したような形態に構成してもよい。ロック爪13はバネ115bと同様に構成されたバネの弾性変形により往復動可能な係止部13aを備える。係止部13aはさらに補助係止部13bを備えている。
【0021】
バッテリ2は、図3に示したように略正方形の主面を有する電池セル20と、この電池セル20を収納した角型のフレーム部21と、このフレーム部21の外側面に配置された回路基板部22と、この回路基板部22をフレーム部21の外側面との間で挟むようにして前記フレーム部21及び電池セル20の一端側に取付けられたキャップ部23と、電池セル20及びフレーム部21を一体的に被覆した外装フィルム24と、を備えている。
【0022】
電池セル20は、例えば正極、セパレータ、負極等を順に積層した積層体(電池素子)をフィルム状の外装部材により被覆することにより形成されている。図2に示すように、電池セル20は、第1〜第4の側面20a〜20dと表,裏面20e,20fにより偏平な略直方体形状に形成されていて、第1の側面20aの略中央部にはセル正極部21が突出形成され、該第1の側面20aの反対側の第2の側面20bの中央部にはセル負極部(図示省略)が形成されている。セル負極部には高温時に非導通とするための安全部品としての正特性サーミスタ(Positive Temperature Coefficient(以下、PTCタブと称する))202の一端部が接続されていて、PTCタブ202の他端部は、電池セル20の第3の側面20cまで伸びている。電池セル20の第3の側面20cとPTCタブ202の間には絶縁紙203が介在されている。
【0023】
フレーム部21は、電気絶縁性を有する合成樹脂によって四辺形の枠状に形成されていて、第1〜第4の辺21a〜21dが電池セル20の第1〜第4の側面20〜20dの外面にそれぞれ重なり合うようになっている。
【0024】
電池セル20の第1の側面20aに重なるフレーム部21の第1の辺21aには、セル正極部201を嵌合するセル正極部嵌合窓211が設けられている。電池セル20の第3の側面20cに重なる第3の辺21cには、PTCタブ202の端部が臨む切欠部212が設けられていると共に、第1の辺21a側の端部には負極タブ213を第3の辺21cの内側に導入するためのスリット214が設けられている。切欠部212にはスペーサー212aが取り付けられる。
【0025】
フレーム部21の底部には電池セル20の底部を支持するフランジ状の突部215が設けられている。また、フレーム部21の上部には、第2の辺21bの上縁に沿って前記フランジ状の突部215に対向するフランジ状の突部216が形成されていて、これらフランジ状の突部215,216間に電池セル20の第2の側面20b側の端部が挟着される。
【0026】
フレーム部21の第2の辺21bの高さは、収納した電池セル20が充電時や高温時において最も膨張した時の高さ(肉厚)と略等しくなる高さに形成されている。
【0027】
フレーム部21の第1の辺21aの外面には回路基板取付部217が設けられている。回路基板取付部217は、フレーム部21の第1の辺21aの外面の上下端に突出形成された上下の一対のキャップ支持部218間に形成されている。キャップ支持部218には、複数のキャップ部係止爪219が設けられている。
【0028】
回路基板部22は、ガラスエポキシフェノール等の絶縁性合成樹脂で形成されたベースプレート221の外面側に複数の端子接触部222を備え、ベースプレート221の内面側に電子部品及び該電子部品をモールドしたトランスファーモールド223を備えていて、該トランスファーモールド223の先端とフレーム部21の間に所定の(僅かな)隙間をもたせた状態でフレーム部21とキャップ部22に挟まれた状態で組付け固定されている。
【0029】
回路基板部22の一端の端子部224には正極タブ225の一端部225aが溶接により接続されている。正極タブ225の他端側は、電池セル20のセル正極部201に溶接により接続されている。回路基板部22と正極タブ225の間には絶縁紙226が介在されている。また、回路基板部22の他端の端子部227には負極タブ213の一端213aが溶接により接続される。
【0030】
正極タブ225は、ニッケル板等の金属板で略L字状に形成されている。前記金属板には所謂焼き鈍し加工が施されて曲げ加工が容易になっている。前記略L字状の正極タブ225は、長辺側が正極タブ225に接続され、短辺側が前記回路基板部22の一端の端子部227に接続されている。
【0031】
前記負極タブ213も前記正極タブ225と同様にニッケル板等の金属板で略L字状に形成されている。前記略L字状の負極タブ213は、短辺側の一端213aが回路基板部22の他端の端子部227に接続されている。前記負極タブ213の長辺側の他端213bは、フレーム部21の第3の辺21cに設けたスリット214を介してフレーム部21の内面側に導入されてPTCタブ202に接続される。
【0032】
キャップ部23は、回路基板部取付部217に取付けた回路基板部22を介して(回路基板部22を挟んで)フレーム部21の第1の辺21aの外面に重なる矩形状の端面部231と、該矩形状の端面部231に連設されていてフレーム部21及び電池セル20の一端側に嵌着される筒状部231と、を備えている。
【0033】
キャップ部23の端面部231には、回路基板部22の端子接触部222が臨む複数の端子窓233が設けられている。また、筒状部232の上下面には、フレーム部21の上下一対のキャップ部支持部218設けた複数のキャップ部係止爪219が係合する複数の爪係合孔234が設けられている。
【0034】
また、図3に示すように、フレーム部21は、回路基板部22側に突出する複数の突起218aを上下一対のキャップ支持部218に備えている。突起218aは、回路基板部22の端子接触部222が相手側端子により加圧されたときなどに、トランスファーモールド223を挟む位置で、かつ回路基板部22の電子部品等がマウントされていない部分に当接するようになっている。
【0035】
外装フィルム24は、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)等の合成樹脂により0.05〜0.1mm程度の厚さのシート状に作られている。そして、電池セル20をフレーム部21内に収納し、フレーム部21に回路基板部22等を取付け、キャップ部23を被せた後に、フレーム部21に巻き付けられて、電池セル20の表裏面を覆うと共に、電池セル20、フレーム部21、キャップ部23を一体的に結合するようになっている。尚、外装フィルム24には機銘板フィルム25が貼り付けられる。
【0036】
また、フレーム部21は、辺21bの縁端部に辺の長さ方向に突出する突起部26,27を形成させたことで撮像装置1へのバッテリ2の誤挿入を防止することを可能としている。
【0037】
突起部26は、図2に示されたように、略直方体状に形成されている。このとき、撮像装置1の側面においてはバッテリ2が撮像装置1に装着されたとき突起部26を露出させた状態で収容する切り欠き部122が形成されている。切欠き部122の切り欠き面積はバッテリ2のフレーム部21に対する突起部26の設置面積以上に設定される。
【0038】
突起部27は、図2に示されたように、断面が略台形状となるよう形成されたことにより傾斜面270を有している。さらに、突起部27にはバッテリ2が撮像装置1内に装着されてロック爪115がバッテリ2を係止する際にロック爪115によって係止される被係止面271が形成されている。
【0039】
被係止面271は、その高さがフレーム部21の面よりも低く設定されることで、ロック爪115によって係止される箇所を明確化させている。また、これと同時に、バネの接触圧を受けているロック爪115を抑止できるようになっている。また、被係止面271は、その面の摩擦係数が周辺部の摩擦係数に比べて小さくなっている。これにより、係止される箇所がより明確化させている。さらに、ロック爪115が滑り易くなるので、迅速に係止されるようになっている。
【0040】
図6〜図9を参照しながらバッテリ2の挿入動作について説明する。
【0041】
図6に示したようにバッテリ2の端子接触部222を有する面を撮像装置1の開口部118に向けてバッテリ2を撮像装置1内に挿入させる。このとき、図7(a)に示したように、ロック爪115を指によって引いた状態で、バッテリ2を撮像装置1内に挿入させる。そして、図7(b)で示したように、バッテリ2の凹部230の底部が撮像装置1内のリブ119に接触して、バッテリ2が撮像装置1内に収まった時点で、指を放してロック爪115を開放させると、ロック爪115がバネ115bの接触圧により被係止面271をバッテリ2方向に滑走しそして被係止面271を係止することにより、バッテリ2が係止される。その後、図7(c)に示されたように、蓋116が閉じられることで、バッテリ2が撮像装置1において密閉される。このとき、撮像装置1の端子板120設けられている端子121は、弾性変形により収縮された状態で、バッテリ2の端子接触部222と電気的に接続された状態となる。
【0042】
次いで、バッテリ2を取り外す場合、図8(a)に示されたようにロック爪115を指(図示省略)で横矢印方向に引き寄せると、バッテリ2は図8(b)に示されたように端子板120上の端子121の接触圧を受けて矢印方向に突出する。ここで、指をロック爪115から開放させると、ロック爪115は、ロック爪115を開口部11(図6)方向に付勢しているバネ115bにより付勢されて、図8(c)に示したように横矢印方向に移動する。このとき、バッテリ2の突起部26は撮像装置1の外側に露出しているので、突起部26,27に指を掛けることでバッテリ2を容易に取り出せる。尚、ロック爪115に傾斜面115aが形成されている場合、ロック爪115は傾斜面115aを突起部27の傾斜面270に当接させながら突起部27の下に潜り込むので、バッテリ2の排出量が補われ、バッテリ2はさらに突出する。これにより、バッテリ2をより一層容易に取り出すことができる。
【0043】
一方、図9(a)及び図9(b)に示したように撮像装置1に対してバッテリ2を横誤挿入した場合、バッテリ2の突出部26がリブ119に当たると共にキャップ部23の側面がリブ119に当たる。このときバッテリ2の一部が撮像装置1本体からはみ出しているので、爪ロック115はバッテリ2を係止することができないと共に、扉116は開口部118を閉じることができない。
【0044】
また、図9(c)に示したように撮像装置1に対してバッテリ2を裏表逆挿入した場合、バッテリ2のキャップ部23の端部がリブ119に当たる。このときも、バッテリ2の一部が撮像装置1本体からはみ出しているので、爪ロック115はバッテリ2を係止することができないと共に、扉116は開口部118を閉じることができない。
【0045】
さらに、図9(d)に示したように撮像装置1に対してバッテリ2を前後逆挿入した場合、バッテリ2の突起部26,27が撮像装置1の開口部118の縁部に当たり、バッテリ2は撮像装置1内に挿入されないので、爪ロック115はバッテリ2を係止することができないと共に、扉116は開口部118を閉じることができない。
【0046】
以上のようにバッテリ2によれば、撮像装置1への誤挿入が防止され、バッテリ2の誤挿入による撮像装置1の端子121の破損を回避できる。
【0047】
また、バッテリ2のキャップ部23の両端部には、図10に示した実施形態例のバッテリ2Aように、挿入方向に突出する形状の異なる突起部28,29を形成させて撮像装置1へのバッテリ2Aの誤挿入を防止させてもよい。突起部28は断面が略台形状となるよう形成されている。突起部29は略直方体状に形成されている。
【0048】
このバッテリ2Aの挿入動作について図11及び図12を参照しながら説明する。
【0049】
図11に示したようにロック爪115を指によって矢印方向に引き寄せた状態でバッテリ2Aの端子窓233を有する面を撮像装置1の開口部118に向けてバッテリ2Aを撮像装置1内に挿入させる。そして、図12(a)で示したように、バッテリ2Aの凹部230の底部が撮像装置1内のリブ119に接触して、バッテリ2Aが撮像装置1内に収まった時点で、指を放してロック爪115を開放させると、ロック爪115がバネ115bの接触圧により被係止面271をバッテリ2方向に滑走しそして被係止面271を係止することにより、バッテリ2Aが係止される。その後、蓋116が閉じられることで、バッテリ2Aが撮像装置1において密閉される。このとき、撮像装置1の端子板120に設けられている端子121は弾性変形により収縮された状態でバッテリ2Aの端子222と電気的に接続された状態となる。
【0050】
一方、図12(b)に示したように撮像装置1に対してバッテリ2Aを裏表逆挿入した場合、バッテリ2Aの突起部28,29がそれぞれリブ119に当たる。このとき、バッテリ2Aの一部が撮像装置1本体からはみ出しているので、爪ロック115はバッテリ2Aを係止することができないと共に、扉116は開口部118を閉じることができない。さらに、バッテリ2Aのキャップ部23と撮像装置1側の端子119との間の距離は両者が接触しない程の距離が保たれている。
【0051】
また、図12(c)に示したように撮像装置1に対してバッテリ2Aを横誤挿入した場合、バッテリ2Aの突出部28が撮像装置1の開口部118の縁部に当たり、バッテリ2Aは撮像装置1内に挿入されないので、爪ロック115はバッテリ2を係止することができないと共に、扉116は開口部118を閉じることができない。
【0052】
したがって、バッテリ2Aによれば、撮像装置1への誤挿入が防止され、バッテリ2Aの誤挿入による撮像装置1の端子121の破損を回避できる。
【0053】
尚、以上の実施形態例で述べたバッテリ2,2Aは撮像装置1について適用されたものであるが、本発明に係るバッテリは、撮像装置に限定されず、この撮像装置以外のバッテリを必要とする装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明のバッテリが装着される撮像装置の実施形態例を示した概観図であり、特に(a)は撮像装置の正面を示した概観図、(b)は撮像装置の裏面を示した概観図。
【図2】撮像装置に装着されるバッテリの実施形態例を概観図であり、特に(a)〜(f)はこの実施形態例に係るバッテリの側面を示した概観図。
【図3】バッテリの分解斜視図。
【図4】バッテリが格納される撮像装置の内部を示した概略図。
【図5】バッテリが撮像装置に装着された状態を示した概略図。
【図6】撮像装置へのバッテリの挿入要領を示した説明図。
【図7】バッテリの挿入動作の説明図。
【図8】バッテリの排出動作の説明図。
【図9】バッテリの誤挿入防止動作の説明図。
【図10】撮像装置に装着されるバッテリの実施形態例を概観図であり、特に(a)〜(f)はこの実施形態例に係るバッテリの側面を示した概観図。
【図11】撮像装置へのバッテリの挿入要領を示した説明図。
【図12】(a)はバッテリの挿入動作の説明図、(b)及び(c)はバッテリの誤挿入防止動作の説明図。
【図13】ロック爪の実施形態例を示した概略図。
【図14】従来のバッテリを示した概略図。
【符号の説明】
【0055】
1…撮像装置
2,2A…バッテリ
10…装置本体、10a…格納部
20…電池セル、21…フレーム部、21b…辺、23…キャップ部
26,27,28,29…突起部
100…電源ボタン、115…ロック爪、115a…傾斜面、115b…バネ、116…蓋、117…ストラップ金具、118…開口部
230…凹部、222…端子接触部
270…傾斜面、271…被係止面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
扁平な略直方体のバッテリにおいて、
前記バッテリが挿入される装置への挿入面の対面である背面の長手方向の両端に、前記背面に沿うように突起部を形成したことを特徴とするバッテリ。
【請求項2】
前記一方の突起部は、前記バッテリが装着される装置に具備された係止手段によって係止される被係止面を有し、この被係止面は前記背面よりも低く設定されたことを特徴とする請求項1記載のバッテリ。
【請求項3】
前記被係止面は、その摩擦係数が前記背面における前記被係止面以外の部分の摩擦係数よりも小さくなるような表面であることを特徴とする請求項2記載のバッテリ。
【請求項4】
前記被係止面を有する突起部は前記背面に対して鋭角に傾斜した傾斜面を有していること
を特徴とする請求項3記載のバッテリ。
【請求項5】
前記挿入面の両端部に挿入方向に突出する突起部を形成したことを特徴とする請求項1記載のバッテリ。
【請求項6】
前記バッテリは主面が略正方形であることを特徴とする請求項1記載のバッテリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−185823(P2006−185823A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−379986(P2004−379986)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】