説明

バッフルプレートを有するエキゾーストマニホールド

【課題】低い熱容量および安価な製造可能性並びに内燃機関の効率上昇を可能とするエキゾーストマニホールドを提供する。
【解決手段】列型に並ぶ少なくとも二つのシリンダーを有する内燃エンジンのシリンダーヘッドに、エンジンフランジ2を用いて取り付けるためのエキゾーストガスマニホールド1であって、エキゾーストガスマニホールド1が、薄壁状のプレート部材としてシェル構造でトップシェル3およびアンダーシェル4により形成されているものにおいて、エキゾーストマニホールド1内にシリンダーヘッド側からバッフルプレート5が入れられており、このバッフルプレート5がエキゾーストマニホールド1の内部室6をエンジンフランジ2から分離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、列型に並ぶ少なくとも二つのシリンダーを有する内燃エンジンのシリンダーヘッドに、エンジンフランジを用いて取り付けるためのエキゾーストガスマニホールドであって、エキゾーストガスマニホールドが、薄壁状のプレート部材としてシェル構造でトップシェルおよびアンダーシェルにより形成されているものに関する。
【背景技術】
【0002】
多気筒内燃機関においては、個々のシリンダーの排気ガスは、排ガス収集装置によって一つにまとめられる。
【0003】
エキゾーストマニホールドは、公知の方法で鋳鋼より製造されるかまたは個々が互いに溶接された鋼プレートまたはパイプフィッティング(Rohrfittings)から組み立てられる。鋳鋼マニホールドのメリットは、複雑な形状が比較的安価に製造できることである。しかしながら、鋳鋼マニホールドの重量は、溶接による鋼プレート構造よりも通常は大きい。同様に、鋳鋼マニホールドは、溶接によるエキゾーストマニホールドよりも高い熱慣性(termische Traegheit)を有する。
【0004】
溶接によるエキゾーストマニホールドは、多くの労力とそれに伴う高い費用をもってしてのみ、複雑な形状に製造することができる。もちろんそれらは、自身の少ない重量のために、低い熱容量を有している。これはメリットである。
【0005】
組立てられるエキゾーストマニホールドの更なる開発は、空気間隙を分離するエキゾーストマニホールドを意味する。空気間隙を分離するエキゾーストマニホールドにおいては、排気ガスを案内する管は、ある定義された空気間隙を守りつつ、支えている外側シェルによって取り囲まれている。その際外側シェルは、通常、接続フランジとガス密に溶接されている。空気間隙を分離されたエキゾーストマニホールドは、しかしながら費用がかさむというデメリットを有している。
【0006】
内燃機関の効率を高めるという苦労のために、エンジンは、多くはターボチャージャーである圧縮装置によってしばしば加給される。ターボチャージャーの効率の上昇は、同時に内燃機関の効率上昇に作用する。
【0007】
その際、内燃機関の加給が速やかに行われると有利である。しかしこれは、ターボチャージャーが素早く始動し、かつ望まれていないターボラグが起きないときにだけ可能である。しかしながらこれは、所定の流れ断面、つまりこの流れ断面によって、エンジンから吐き出される燃焼ガスのガス衝撃がエキゾーストマニホールド内で弱められないという流れ断面を前提としている。よって、衝撃が可能な限り直接にターボチャージャーの羽根に作用するか、圧力波チャージャーにおいて望まれる効果を発揮するよう、断面において大きすぎない配管断面ができる限り選択されるべきである。したがって、排気ガスを案内する管またはエキゾーストマニホールドの極めて連続的な断面形状が目指されるとき、これは通常、エキゾーストマニホールドの比較的複雑な造形へと通ずる。しかしながら、まさにこれが、組みたれられた、つまり型工法(Umformverfahren)によって製造されていないエキゾーストマニホールドにおいて問題であって、というのはプレート部材がますます複雑になるからであり、複雑な溶接継ぎ目の案内によって製造技術上の問題も発生するからである。この問題は、製品品質上不利であり、何より製品価格に不利に作用し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、この発明の課題は、低い熱容量および安価な製造可能性並びに内燃機関の効率上昇を可能とするエキゾーストマニホールドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、請求項1に記載の特徴に従うエキゾーストマニホールドにより解決される。
【0010】
本発明の有利な改良形は、従属請求項2から12の主題である。
【0011】
エキゾーストマニホールドがエンジンフランジを有しており、これによってエキゾーストマニホールドが内燃機関のシリンダーヘッドに固定されている。この内燃機関は、列にならんだ少なくとも二つのシリンダーを有している。エキゾーストマニホールドは、薄い壁状のプレート部材として、トップシェルとアンダーシェルによってシェル構造で製造されている。このようなエキゾーストマニホールドは、発明に従い、エキゾーストマニホールド内にシリンダー側で、特に一部品の(einstueckig)バッフルプレートが入れられており、このバッフルプレートがエキゾーストマニホールドの内部室をエンジンフランジから分離している。
【0012】
エンジンフランジをエキゾーストマニホールドの内部室から分離することによって、大きな質量を有するエンジンフランジへの熱の進入が減少される。その際、エンジンフランジは、たいてい鋳鋼製品として形成されており、これがエキゾーストマニホールドに高い熱慣性を与える。エンジンフランジの質量は、簡単には減少不可能である、というのはエンジンフランジは、排気ガスアッセンブリーを担持するという機能を有しており、そしてこのため高い熱応力にさらされるからである。よって本発明は、フランジを領域的にエキゾーストマニホールドの内部室から分離するという道を行く。これはもちろん、エキゾーストマニホールドのプレートシェルが、単に領域的に、つまり排出管開口部の領域においてのみ、エンジンフランジと接続されるということによってではなく、むしろバッフルプレートがエキゾーストマニホールドの内部室内で遮断の役目を担うということによって行われる。これは、エキゾーストマニホールドまたはエキゾーストマニホールドのトップシェル及びアンダーシェルが、極めて簡単な溶接継ぎ目の案内によって完全にエンジンフランジと溶接されることが可能であるというメリットを有する。エキゾーストマニホールドのトップシェル及びアンダーシェルは、あまり複雑でない。簡易化された形状は、より簡単なツールと、これにともなってプレート部材の安価な製造を可能とする。特に、トップシェルおよびアンダーシェルのエンジンフランジとの溶接がより簡単に可能である、というのは、エキゾーストマニホールドがフード(Haube)として形成されているからであり、そしてエキゾーストマニホールドをエンジンフランジから遮断することに対して配慮する必要がないからである。なぜなら、この機能はバッフルプレートに与えられるからである。バッフルプレートの造形に応じて、その推移のため、排気ガスの流れ経路はエキゾーストマニホールド内で影響され、このことは後段に設置されるターボチャージャーの始動態様にもまた好作用を及し、これが内燃機関(Verbrennungskraftmaschine)の全効率を上昇させる。薄壁状のプレート部材からなる構造は、低い熱容量と、これに伴う低い熱伝送へと通じ、その結果、後段に接続される触媒がより早く必要な作動温度に達し、よって排気ガスの限界値がより良好に守られることが可能である。
【0013】
第一の改良形では、エキゾーストマニホールドの内部室の方を向いた、エンジンフランジの面のみがバッフルプレートによって覆われている。これによってエンジンフランジ内へと熱が進入することが、排気ガス中に含まれる熱エネルギーに、条件付きでのみ可能とされる。エンジンフランジの個々の排出管開口部の間にそれぞれ設けられており、これら排出管開口部の領域におよんでいる流れの状況に個々に合わせられた、複数の個別的なバッフルプレートを設けることが、本発明の枠内で可能である。
【0014】
特に好ましくは、バッフルプレートが、エンジンフランジの排出管開口部の領域に開口部を有する。排気ガスは、したがって、シリンダーヘッドの排出管を通って、およびエンジンフランジの排出管開口部を通って直接エキゾーストマニホールド内へと入る。排出管開口部によって、バッフルプレート内ではには、バッフルプレートが開口部の周りに及んでいることが明らかとなる。例えば四つの排出管開口部を有するエキゾーストマニホールドにおいては、バッフルプレートもこれに対応して四つの開口部を有することが可能で、その結果、合計では唯一のバッフルプレートが製造される必要があり、このバッフルプレートが、エキゾーストマニホールドのプレートシェルに、またはエンジンフランジに、位置合わせされるかまたは固定される。エンジンフランジの排出管開口部のために適当な複数開口部を有する多数の個別バッフルプレートが設けられるということも、本発明の枠内で当然可能である。これらバッフルプレートの多くは、エキゾーストマニホールドへの組立ての前に一つのアッセンブリーへと組み立てられる。しかしながら、エキゾーストマニホールドの製造のための部材の数が最小限であり、よって、適当に設計されたいくつかのバッフルプレートのみが使用されるとき、最も目的にかなっていると考えられる。
【0015】
別の実施バリエーションでは、バッフルプレートは、その開口部の領域にカラー部を有しており、このカラー部が排出管開口部内に及んでいる。これによって生じるメリットは、排気ガスの流れが排出管開口部内ですでにエンジンフランジから分離されているということである。流れ出す排気ガスは、これによって、シリンダーヘッドの排出管から現われる際にすでにエンジンフランジから熱的に隔離されている。全エキゾーストマニホールドでは、これによって熱慣性が下がり、これは、内燃機関において高まっているエミッション要求に有利に現われる。特にコールドスタートの態様において、例えばNOx-触媒(Kat)またはディーゼルパティキュレートフィルターのような排気ガス周辺装置のレスポンス特性を素早い加熱によって短縮する。
【0016】
好ましくはカラー部と、エンジンフランジの排出管開口部の間にスライディングシート(Schiebesitze)が形成されている。バッフルプレートは、薄い壁状の部材からなり、それに反してエンジンフランジは厚い壁状の鋳造材料からなる。バッフルプレートは、高温の排気ガス流に直接さらされ、これに反してエンジンフランジは周囲温度にさらされている。ちょうどコールドスタートの態様と、全負荷運転においては、材料とモデルの異なる熱膨張(thermische Ausdehnung)が現われる。異なる熱膨張によって現われ、場合によってはあり得るひずみが、スライディングシートによってならされるので、バッフルプレートのより良好な耐久性が与えられる。
【0017】
特に有利な実施形では、バッフルプレートは開口部の間の領域で、少なくとも領域的にエンジンフランジから離れている。これは一つには、離れている空間内に空洞が生じ、この空洞がエンジンフランジをバッフルプレートから熱的に隔離するというメリットを意味する。その際、空洞はまた、排気ガスで充填されることもある。この排気ガスはしかしながらガスの不活性(Gastraegheit)により、エキゾーストマニホールドの内部室内の排気ガスより低い温度と、場合によってはより低い圧力状況を有している。空洞が排気ガスで満たされたとしても、これは、エンジンフランジがバッフルプレートの内部室から分離されてないということを意味するのではない。本発明の意味で分離するとは、完全に封鎖された、特にガス密な遮断(この遮断は、トップシェルおよびアンダーシェルとバッフルプレートの特に綿密な接続によってのみ実現することができる)を必ずしも意味しない。むしろ本発明の意味での遮断は、排気ガスのはるかに優勢的な部分が、流れ速度と流れ方向によってエンジンフランジと接触するに至らず、その際、エキゾーストマニホールドの内部室とこれから分離されていて、かつ、同じくエキゾーストマニホールド内部にある空洞との間での圧力の均衡化によって、わずかばかりのガス交換がおこり、このガス交換が、しかしながら基本的には上述の圧力の均衡化を越えていないということを目指している。したがって、本発明によるメリットは、広範なガス密性が目指されているけれども、バッフルプレートは、エキゾーストマニホールドのトップシェルおよびアンダーシェルとガス密に接続されていないというときにも達成される。
【0018】
空洞から生じるさらなるメリットは、エキゾーストマニホールドの内部室が、その容積を減少されていることである。特に、ターボチャージャーのタービン翼車のレスポンス特性に関して、エキゾーストマニホールドの内部室の少ない容積とういのはメリットである。排出パルス(Auslasstakt)の形のシリンダーから現われるガスストロークは、よって、可能な限り直接タービン翼に送られる。このために、エキゾーストマニホールドの増大する容積に基づく流れ速度の減少は、反対に作用する。
【0019】
この際、バッフルプレートの、開口部の間の領域は、好ましくはアーチ状に形成されている。エキゾーストマニホールドの内部室の容積は、アーチ形状によって、排気ガスの案内に関して目的にかなって小さくされる。アーチ状の形状とは、本発明に関しては、その形状のもとエンジンフランジへの大きな間隔が両排出管開口部の間の中央にあり、そして排出管開口部への間隔が小さくなるので端部では排出開口部へと接触するという形状であると理解される。例えばアーチ状の形成という範疇で、三角形状、台形形状またはその他の形状を思い浮かべることも可能である。しかし、流れ技術上の理由から、穏やかな移行部が好まれるので、アーチ部は実際には、円弧または楕円の一部であるか、または他のカーブの部分部分から構成される造形を有している。
【0020】
形状は、適用状況に応じて内燃機関に最適に調整される必要がある。ここにおいて、例えば、排気ガスの返しの圧力(Abgasgegendruck)も考慮されるべきである。バッフルプレートの、排出管開口部の間でのエンジンフランジへの間隔の形状の選択にあたって、別の影響要素は、例えば排気ガスパイプの接続のための別のフランジ若しくは二つのフランジ又は排気ガス再循環の配置である。よって、アーチ状の領域は、いかなる場合も、全ての隣接する排出か移行部の間で同一ではない。アーチ状の領域は、その具体的造形においては、互いに完全に異なっているということがあり得る。その機能、つまりエンジンフランジを遮断し、排気ガスまたは熱進入を、空洞を形成しつつ、エンジンフランジから引き離して保ち、そして同時に流れ断面を適合するという機能は重要である。
【0021】
別の有利な実施形では、バッフルプレートは、当接領域において、周回して、トップシェルとアンダーシェルに接している。周回して接していることにより、エンジンフランジが、エキゾーストマニホールドの内部室から分離される。この内部室は、トップシェル、アンダーシェルおよびバッフルプレートにより形成される。その際、当接領域は、ガス密でなく形成されることも、ガス密に形成されることも可能である。
【0022】
特に好ましくは、トップシェルおよびアンダーシェルの対応する各一の面に対して平行に形成されている。特に、当接領域には、基本的に周回するフレアーエッジが形成されており、その際、フレアーの方向は、エンジンフランジの方に向かっているかまたはエンジンフランジから離れた方に向かって形成されている。フレアーエッジは、バッフルプレートの、エキゾーストマニホールド内部室内に発生する高い圧力に対する強度を高める。さらに、フランジをつけることは、エキゾーストマニホールド全体に、圧力および振動に対するより高い強度を授け、これはエキゾーストマニホールドの耐久性に作用する。同様に、本発明の方向で、周回するフレアーエッジに、シーリング材(Dichtmasse)をもたらすことも可能であり、その結果バッフルプレートが当接領域において周回してガス密に隙間をふさがれる。
【0023】
好ましくは、バッフルプレートは、当接領域において少なくとも部分的に、トップシェルおよびアンダーシェルと堅固に接続されており、この接続は、特に好ましくは接着剤(Stoffschluss)を用いて確立されている。良好な耐久性を確立するために、例えば熱接合による接続も実施可能である。熱接合は、一つには、エキゾーストマニホールドが安価に生産可能であり、他方には、特に高い耐久性をも保証するというメリットをもたらす。個々の構成コンポーネントの、温度依存する様々な膨張が生じるので、耐久性は重要である。熱膨張によって応力が、特に溶接継ぎ目の領域に生じる。排気ガス領域に生じる振動負荷のため、いかなる部材も緩まないよう(これは、機能が阻害されることのほかに、ガラガラなって気に障る騒音につながる可能性がある)、確実に保証されていなければならない。
【0024】
本発明のさらなるメリット、特徴、特性および観点は、後続する説明、簡略的な図面に基づく好ましい実施形態から生ずる。これらは本発明の簡単な理解のために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】発明に係るエキゾーストマニホールドのカットモデルの斜視図
【図2】エキゾーストマニホールドの縦軸切断部を上面図で表わしたもの
【図3】発明に係るバッフルプレートの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0026】
図中では、同じ部品または似通った部品には同一の符号が使用されており、その際、繰り返しの説明が簡単の理由から省略されていたとしても、相応するかまたは匹敵する利点が達成される。
【0027】
図1は、エキゾーストマニホールド1の斜視図としてのカット図を示しており、エキゾーストマニホールドは、エンジンフランジ2、トップシェル3およびアンダーシェル4を有している。バッフルプレート5は、このように形成されたエキゾーストマニホールド1の内部室6内に入れられている。その際、バッフルプレート5は、エキゾーストマニホールド1の内部室6をエンジンフランジ2の面から分離している。
【0028】
図2は、発明に係るエキゾーストマニホールド1の縦軸切断部を上面図として表わしている。その際、バッフルプレート5は開口部8を有しており、この開口部は、エンジンフランジ2の排出管開口部9内へと及んでいる。バッフルプレート5の開口部8は、さらにカラー部10を有している。
【0029】
バッフルプレート5は、開口部8の間の領域でエンジンフランジ2の面7をエキゾーストマニホールド1の内部室6から分離している。このため、開口部8の間の領域11は、好ましくはアーチ状に形成されている。ここに表わされた実施バリエーションでは、図中で中央にあるアーチ状の領域が、端にあるアーチ状の領域よりも大きな、内部室6内への突出部を有している。各外側のアーチ状の領域は、よって、より平坦に形成されており、というのはエキゾーストマニホールド1のハウジングは、その端部領域では、全排ガスがもたらされる排出フランジ14が存在しているその中央部領域においてよりも小さな断面を有しているからである。
【0030】
その上さらに、図1では、排ガス再循環のフランジ15が見てとれる。排出フランジ14と排ガス再循環のためのフランジ15は、この実施例では、互いに角度をおいてあり、フランジ15はトップシェル3の移行部においてアンダーシェル4のほうへ配置されている。排出管14は、この実施例ではアンダーシェル4の領域にある。
【0031】
図1の描写においてさらに見てとれるのは、トップシェル3の領域に二つの切り欠き部16があるということである。これら切り欠き部は、バッフルプレート5を固定するために使用され、詳しく言うと、これは切り欠き部16の領域において溶接が行われることによる。溶接は、バッフルプレート5のフレアーエッジ部13と行われる。フレアーエッジ部13は、当接領域(Anlagebereich)12に達し、この当接領域は、トップシェルおよびアンダーシェル3,4の対応する面に対して平行に伸びている。図1から、トップシェルおよびアンダーシェル3,4は、その、互いに向かい合っている外側面において平らでなく、条溝17を有していることがわかる。この条溝は、組立て技術上の理由から、エンジンフランジ2を、詳細には表わされていない内燃エンジンにねじ止めするために必要とされる。エキゾーストマニホールド1の内部室6を見ると、フレアーエッジ13は、その推移が、条溝へと、これに加えトップシェルおよびアンダーシェル3,4の他の内側輪郭部にもまたあわせられており、できるだけ高いガス密性が確立されていることがわかる。切り欠き部16は、条溝の間にある。これら溶接点は、ある意味バッフルプレート5の固定支承部(Festlager)を形成しており、この固定支承部はこれによってスライディングシート(Schiebesitz)を形成しつつ、エンジンフランジ2の個々の排出管開口部9へと突き出している。
【0032】
図3からは。フレアーエッジ13がアーチ状にまるめられた領域のみに存在するのではなく、カラー部10も取りまいていることが明らかである。これによってバッフルプレート5はその開口部8の領域においても、高められた強度を有する。
【符号の説明】
【0033】
1 エキゾーストマニホールド
2 エンジンフランジ
3 トップシェル
4 アンダーシェル
5 バッフルプレート
6 内部室
7 2への面
8 開口部
9 2への排出管開口部
10 カラー部
11 5への領域
12 当接領域
13 フレアーエッジ
14 排出フランジ
15 フランジ
16 切り欠き部
17 条溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
列型に並ぶ少なくとも二つのシリンダーを有する内燃エンジンのシリンダーヘッドに、エンジンフランジ(2)を用いて取り付けるためのエキゾーストガスマニホールド(1)であって、エキゾーストガスマニホールド(1)が、薄壁状のプレート部材としてシェル構造でトップシェル(3)およびアンダーシェル(4)により形成されているものにおいて、
エキゾーストマニホールド(1)内にシリンダーヘッド側からバッフルプレート(5)が入れられており、このバッフルプレートがエキゾーストマニホールド(1)の内部室(6)をエンジンフランジ(2)から分離していることを特徴とする前記エキゾーストマニホールド。
【請求項2】
エンジンフランジ(2)の、内部室(6)に向けられた面(7)が、バッフルプレート(5)によって覆われていることを特徴とする請求項1に記載のエキゾーストマニホールド。
【請求項3】
バッフルプレート(5)が、エンジンフランジ(2)の排出管開口部(9)の領域に開口部(8)を有していることを特徴とする請求項1または2に記載のエキゾーストマニホールド。
【請求項4】
バッフルプレート(5)が、その開口部(8)の領域にカラー部(10)を有しており、このカラー部が排出管開口部(9)内へと及んでいることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のエキゾーストマニホールド。
【請求項5】
カラー部(10)と、エンジンフランジ(2)の排出管開口部(9)との間に、スライディングシートが形成されていることを特徴とする請求項4に記載のエキゾーストマニホールド。
【請求項6】
バッフルプレート(5)が、開口部(8)の間の領域において、少なくとも領域的にエンジンフランジ(2)から離れていることを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載のエキゾーストマニホールド。
【請求項7】
開口部(8)の間の領域(11)がアーチ状に形成されていることを特徴とする請求項6に記載のエキゾーストマニホールド。
【請求項8】
バッフルプレート(5)が、当接領域(12)において、周回して、トップシェル(3)とアンダーシェル(4)に接していることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のエキゾーストマニホールド。
【請求項9】
当接領域(12)が、トップシェル(3)とアンダーシェル(4)の各対応する面に対して平行に形成されていることを特徴とする請求項8に記載のエキゾーストマニホールド。
【請求項10】
当接領域(12)が、基本的に周回するフレアーエッジ(13)として形成されており、フレアーの方向が、エンジンフランジ(2)の方を向いているか、またはエンジンフランジ(2)から離れて向いて形成されていることを特徴とする請求項8または9に記載のエキゾーストマニホールド。
【請求項11】
バッフルプレート(5)が当接領域(12)において、少なくとも部分的にトップシェル(3)およびアンダーシェル(4)と堅固に接続されていることを特徴とする請求項8から10のいずれか一項に記載のエキゾーストマニホールド。
【請求項12】
接続が、接着剤を用いて確立されており、好ましくは熱接合であることを特徴とする請求項11に記載のエキゾーストマニホールド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−122594(P2011−122594A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−275784(P2010−275784)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(504258871)ベンテラー アウトモビールテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (60)
【氏名又は名称原語表記】Benteler Automobiltechnik GmbH
【住所又は居所原語表記】Elsener Strasse 95, D−33102 Paderborn, Germany
【Fターム(参考)】