説明

バルブメタル粒子及びその作製方法

窒素を均一に含有するバルブメタル粒子を作製するための方法であり、バルブメタルの原料粒子を2時間以上200℃以下の温度の窒素含有ガス中で加熱することを含む。上記方法によって作製されたバルブメタル粒子は窒素を均一に含有し、粒子の窒素含有量の相違比率は20%以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒素を均一に含有するバルブメタル粒子とその作製方法、これらの粒子から作られたバルブメタルグリーンペレット及び焼結ペレット、並びに電解コンデンサ陽極に関する。
【背景技術】
【0002】
金属タンタル、ニオブはバルブメタルである。タンタル粒子及びニオブ粒子の重要な用途は、電解コンデンサの製造用である。タンタルは酸素との親和性が高いことから、金属タンタルの表面には熱酸化物皮膜が常に形成される。コンデンサグレードのタンタル粒子は、大きい比表面積と高い酸素含有量を有し、特に30,000μF・V/gよりも高い比静電容量を有するタンタル粒子は、比較的高い酸素含有量を有する。電解コンデンサを製造するためのタンタル焼結ペレットの酸素含有量は、厳密に制限されている。タンタル粒子の表面は厚み3〜8ナノメートルの熱酸化物皮膜を有するため、タンタル粒子の比表面積が大きくなるほど、酸素含有量が高くなる。コンデンサ陽極のための多孔質タンタル焼結ペレットの作製においては、タンタル焼結ペレットの酸素含有量がタンタル中の酸素の固溶度の限界(T<873Kで約2at%)よりも高い場合、析出酸化物相が焼結ペレットの表面に形成される。析出酸化物相は、陽極酸化処理の際に形成された非晶質Ta25上に析出し、その結果電析結晶が生じ、核と伝導領域が形成されることになる。非晶質Ta25と結晶性Ta25の密度の差に起因して、結晶化は非晶質Ta25のクラック発生を招き、その結果誘電皮膜の性能が劣化し、それらの粒子を用いて製造したコンデンサの寿命が短縮されることになる。
【0003】
熱酸化物皮膜の形成前にタンタル又はニオブ粒子の表面に窒素をドープすれば、この粒子の酸素含有量を低下させることができると考えられる。その上、窒素のドーピングはパッシベーション作用を有し、発火の危険を低下させることができる。更に、コンデンサの作製において、窒素ドープされたタンタル粒子は焼結遅延作用を有し、従って焼結収縮を削減でき、多孔度を増大できると思われ、このことは、陰極材料の含浸に有利に作用し、キャパシタンスの増大及びコンデンサの等値直列抵抗(ESR)の減少に有利に作用する。しかも、窒素原子は酸化タンタル皮膜からタンタルマトリクスに酸素原子が移動するのを抑制でき、従って窒素を含有するタンタル陽極は漏れ電流が少なく、定格電圧が高い。
【0004】
タンタル粉末に窒素をドープすること及び焼結プロセスにおいてタンタル陽極に窒素をドープすることは、タンタル粉末生産者及びコンデンサ製造業者にとって、タンタル粉末及びタンタルコンデンサの性能を改善する重要な技術である。
【0005】
中国特許出願公開第1108036号明細書には、コンデンサグレードの粉末、電極を作製し、そしてそれから漏れ電流特性の低下した完成品のコンデンサを作製する方法が開示されている。その粉末は、第VB族の原料物質を500〜7000ppmの窒素及び700〜3000ppmの酸素と反応させることにより作製される。この方法は密閉レトルト内で実施され、そこでタンタル粉末とマグネシウムの混合物を3時間最高900℃まで加熱し、その後400℃〜800℃まで冷却し、窒素ガス、アンモニア又は窒化マグネシウムガスのうちの少なくとも1つから選択した窒素源をレトルト内に導入した。
【0006】
中国特許出願公開第1426334号明細書には、熱処理中に、すなわち脱酸素工程に先立って、200〜350℃の充分な温度でバルブメタル粉末を窒化することを含む、窒化バルブメタルの作製方法が開示されている。
【0007】
上述の方法の窒化温度が高いことに起因して、タンタル及びニオブは窒素と急速に反応する。更に、反応装置内の窒素濃度が均一でないことから、異なる粒子間の窒素分布を均一にするのは困難である。
【0008】
中国特許出願公開第1433485号明細書には、金属化合物を還元剤で還元しながら、窒素含有ガスを反応系内に導入して金属を生じさせ、同時に窒素を金属中に取込ませる方法が提示されている。中国特許出願公開第1872461号明細書には、窒素を含有する金属粉末を製造する方法であり、金属塩を還元剤で還元し、希釈塩中で還元させて金属を生成する方法であって、金属化合物、還元剤及び希釈塩を含む反応溶融物を収容する空間内に窒素含有ガスを導入して、金属を生成させ金属内部に窒素を取込む方法が開示されている。これら2つの窒化方法は、800℃以上の温度で実施される。当該方法では、金属を含む金属化合物を還元する際に、生成されたばかりの金属原子は、800℃以上の温度では窒素含有ガスとの反応性が強く、金属窒化物を形成する。更に、窒素は、溶融塩で被覆された金属粒子の表面全体と接触するのでなく金属粒子の一部分のみと接触するため、粒子間の窒素含有量は均一にならない。その後の熱処理で粒子自体の内部及び接触した粒子の間に一部の窒素を均一に含有させることができるものの、全ての粒子間の窒素含有量の均一性については不利な点が存在する。
【0009】
国際公開第02/04152号パンフレットには、ロータリーキルン内において窒素雰囲気中で撹拌しながらタンタル又はニオブ粉末を850℃まで加熱して、粉末中に窒素を取込む窒素処理工程を含む方法が開示されている。この方法もやはり高温で実施されることから、おそらく窒化タンタルが生成される。更に、この方法は製造コストが高く複雑である。その上、異なる窒素濃度をもつタンタル粒子は異なる特性を有する。例えば、高い窒素濃度をもつ粒子は高い硬度を有し、それからプレス加工されたペレットは圧壊強度が低い。高い窒素濃度のタンタル粒子を低窒素濃度のタンタル粒子と共に焼結するのは困難である。異なる窒素濃度を有するタンタル粒子を用いてプレス加工されたペレットは圧壊強度が低い。しかも、それから焼結されたペレットは低い圧壊強度を有し、その焼結ネック部は薄いか又は大きく、その結果、この焼結ペレットから製造されたコンデンサは漏れ電流が多く、電気性能が不十分になる。
【0010】
上述の問題を回避するためには、バルブメタル粒子間の窒素含有量が全体にわたり均一で且つ粒子が本質的に窒化物を含有していないことが望ましい。更に、バルブメタル粒子を作製するためには、高温処理に起因する上述の問題を回避するように温度が低い方法が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述の問題点を考慮に入れて、本発明の目的は、窒素を均一に含有するバルブメタル粒子を提供することにある。本発明の別の目的は、本質的に窒化物を含まないバルブメタル粒子を提供することにある。本発明の更なる目的は、1つ以上の上述の性能を有するバルブメタル粉末を作製するための方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以下の解決策によって、本発明は前記目的を実現する。
【0013】
本発明の第1の実施形態においては、粒子の窒素含有量の相違比率が20%以下である、窒素を均一に含有するバルブメタル粒子が提供される。
【0014】
本発明の第2の実施形態においては、バルブメタル粒子を窒素含有ガス雰囲気中において200℃以下の温度で2時間以上加熱する、窒素を均一に含有するバルブメタル粒子を作製する方法が提供される。
【0015】
本発明の第3の実施形態においては、圧壊強度が10〜80N、好ましくは15〜70N、より好ましくは18〜65Nである、バルブメタル粒子からプレス加工されたグリーンペレットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明による窒素ドーピングの反応レトルトの概略図である。
【図2】窒素ドープされた例1、例2及び例4の試料採取位置の概略図である。
【図3】窒素ドープされた例3及び比較例1の試料採取位置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書内において、ppm単位は、別段の指示のない限り、質量による百万分の一の部数を表わす。
【0018】
本出願で使用されるように、また当業者にとって周知であるように、粒子の大きさを表現するためにメッシュを使用する場合、メッシュ値の前の「+」又は「−」はそれぞれ、粒子が前記メッシュ値の篩目を「通過不能」であるか又は「通過可能」であること、すなわち、粒子の直径が、記述されたメッシュのサイズよりも「大きい」か又は「小さい」ことを表わしている。例えば「−80メッシュ」というのは、粒子の直径が「80メッシュより小さい」ことを表わし、これは「180μmより小さい」に対応し、またそれと相応して、「+100メッシュ」は、その粒子が「150μmより大きい」ことを表わす。従って、「−80〜+100メッシュ」の粒子は、その粒子が「180μm未満、150μm超」であることを表わしている。
【0019】
実施形態部分では、本明細書はタンタル粒子又はニオブ粒子に関しているが、当業者であれば合理的に予想できるように、本発明はその他のバルブメタル、例えばアルミニウム及びバナジウムにも適用可能である。
【0020】
本発明によれば、当業者にとって公知の任意の方法により作製されたあらゆるタンタル粉末又はニオブ粉末を原料として使用することができる。例えば、タンタル又はニオブを含有する化合物をナトリウムで還元することにより生産されたタンタル又はニオブ粉末、タンタル又はニオブ酸化物を金属又は金属水素化物で還元することで作製されたタンタル又はニオブ粉末、あるいは水素化金属からミル粉砕されたタンタル又はニオブ粉末。本発明に従って、タンタル又はニオブ粉末である原料を球状に造粒し、真空中850℃〜1700℃で熱処理し、続いて200℃以下まで冷却して、その後窒素ドープするか、あるいは、熱処理したタンタル粉末又はニオブ粉末をマグネシウム粉末と混合し、脱酸素に至るまで700℃〜1000℃の温度で加熱し、次いで200℃以下まで冷却して、その後窒素ドープし、そして生成物を鉱酸で洗浄して酸化マグネシウム及び残留金属マグネシウムを除去した。本発明においては、原料としての金属粒子を得るのに、当業者にとって公知の技術、例えば中国特許第1023543号明細書、中国特許第1068809号明細書、中国特許第1073480号明細書、中国特許第1069564号明細書、中国特許第1169643号明細書、中国特許第1278804号明細書、及び中国特許出願公開第1899730号明細書に記されているような方法、を使用することができ、これらの特許文献の全ては、本明細書に参照によりその全体が取り入れられる。
【0021】
タンタル粒子又はニオブ粒子などのバルブメタル粒子は、結節状、角張った形状、フレーク状、又はそれらの任意の組合せなどの、任意の形状のものでよい。バルブメタル粒子の原料のBET比表面積に特に制限はなく、それは0.4m2/g〜10m2/g、好ましくは0.5m2/g〜10m2/gの範囲内であることができるが、これに限定はされない。
【0022】
図1は、本発明において使用される窒素ドーピング反応装置の概略図である。密閉反応チャンバ1は窒素ドーピングに使用される反応装置であり、タンタル又はニオブ粒子3などのバルブメタルをトレイ2に入れ、電気抵抗加熱線4が反応チャンバ1を加熱し、反応チャンバ内の温度を熱電対5で測定する。温度制御システムのEurotherm Controls 2604(図示せず)を温度測定システム(図示せず)と接続する。反応チャンバ内の金属粒子の部位の温度を、前もって設定したプログラムによって制御する。真空パイプ及び通気パイプ6と、窒素含有ガスの投入用入口パイプ7、そして不活性ガス(例えばAr)の投入用入口パイプ8が、蓋に位置している。
【0023】
本発明の一実施形態において、窒素ドーピングは、タンタル又はニオブ粒子などのバルブメタル粒子の表面の熱酸化物皮膜を除去した後で行うことができる。熱酸化物皮膜を除去する方法に特に制限はない。例えば、タンタル粒子の熱酸化物皮膜を除去する方法は、タンタル粒子を非酸化雰囲気中で750℃超まで加熱し、次に非酸化雰囲気中で窒素ドーピング温度まで冷却して窒素をドープするものでよい。あるいは、タンタル粒子又はニオブ粒子をMg還元によって熱処理又は脱酸素処理し、次に非酸化雰囲気中で窒素ドーピング温度まで冷却して窒素をドープする。
【0024】
本発明の一実施形態において、反応チャンバ内に投入されるバルブメタル粒子はタンタル又はニオブ粒子であり、バルブメタル粒子のための窒素ドーピングガスは窒素含有ガス、例えば窒素ガスである。窒素含有ガスのその他の例としては、純粋窒素を含有するガスと、加熱により窒素ガスを発生する窒素発生ガス、例えばアンモニアなど、が挙げられる。窒素ガスを使用する場合、好ましくは純度99.99%の窒素ガスを用いる。
【0025】
タンタル粒子又はニオブ粒子の窒素ドーピングを窒素ガスで行う場合、窒素ガスの圧力は0.1MPa以上である。窒素ドーピングプロセスでは、圧力が下がった場合、所定の圧力に達するように一定体積の窒素ガスを補充する必要がある。高い窒素ガス圧が、金属表面全体にわたり充分な窒素ガスを確保する。窒素ガスの圧力が高くなればなるほど、窒素ガス拡散速度は速くなる。しかし、窒素ガスの圧力が高すぎると、チャンバの機械的特性に対する要件が増えるが、窒素ドーピングの効果は実質的に向上せず、従ってコストを考慮すると、窒素ガス圧が高すぎることは好ましくない。窒素ガス圧は好ましくは0.10〜0.30MPa、好ましくは0.12〜0.30MPa、より好ましくは0.12〜0.20MPaの範囲内にある。その他の窒素含有ガスを使用する場合、ガス圧力は上述の範囲でよい。
【0026】
本発明の方法によると、タンタル又はニオブ粒子などのバルブメタルは、200℃以下の温度において窒素含有ガス中で窒素ドープされる。この温度範囲内では、窒素はバルブメタルと急激に反応せず、そしてNbN0.4〜0.5、Nb2N、NbN0.8〜0.9、NbN、TaN0.4〜0.5、TaN0.8〜0.9、TaNなどのような窒化物は本質的に生成されない。窒素は、200℃以下の温度ではバルブメタルのマトリクス中にゆっくりと拡散する。窒素ドーピングのための好ましい温度は、120℃以上200℃以下である。加熱時間は2時間以上、好ましくは3〜12時間、より好ましくは3〜10時間である。窒素ドーピング処理中の所定温度からの逸脱は、±5℃の範囲内である。
【0027】
本発明は、窒素を均一に含有するバルブメタル粒子を提供し、前記バルブメタル粒子間の窒素含有量の相違比率は20%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下である。単一粒子においては、単一バルブメタル粒子内の窒素濃度分布は均一であっても不均一であってもよい。例えば、粒子の表面と中心における窒素濃度は同一であってもなくてもよい。本発明の一実施形態では、表面の窒素濃度は単一粒子内の中心における窒素濃度よりも高い。
【0028】
本発明の一実施形態に従って提供されるバルブメタル粒子はタンタル粒子である。本発明の別の実施形態に従って提供されるバルブメタル粒子はニオブ粒子である。
【0029】
本出願において、粒子間の窒素含有量の相違比率(difference ratio)は、図2に示したるつぼ内の異なる位置A、B、C、D、E、F、H、Iにおける粒子の窒素含有量の相違比率を表わし、試料は窒素ドープされた粒子をるつぼ内で混合する前に採取する。図2中の位置A、B、C、D、E、F、G、H、Iは以下のように配置される。すなわち、Aはトレイの中心にあり、BADの線とCAEの線は互いに直交し、FAHの線とIAGの線はBADの線と45℃をなして交差する。B、C、D、Eはトレイの半径の中間にあり、F、G、H、Iはトレイの縁端にある。試料をA、B、C、D、E、G、H、Iの位置で採取し、その窒素含有量を測定する。異なる位置におけるこれらの粒子の窒素含有量の相違比率が20%以下である場合、すなわち粒子の窒素含有量の最大相違比率が20%以下である場合、タンタル粉末又はニオブ粉末の同一バッチの粒子間の窒素含有量の相違比率は20%以下である。粒子間の窒素含有量の最大相違比率は、A、B、C、D、E、F、G、H、Iの試料における最高窒素含有量から最低窒素含有量を減じて得られた値を、上記9つの試料の平均値で除して百分率で表示したものである。
【0030】
上で説明した窒素含有量の相違比率の定義は、図3の試料採取位置にも適用可能である。図3では、3枚のトレイが窒素ドーピング反応チャンバ内のプレート上に並置されている。図3には9つの位置が示され、ここでb、e、hはそれぞれトレイの中心にあり、a、c、d、f、g、iはトレイの縁端にある。
【0031】
窒素ドープされたタンタル粒子又はニオブ粒子は、任意選択的に、酸化マグネシウム及び未反応のマグネシウムを除去する目的で、硫酸、塩酸、硝酸又はフッ化水素酸などの無機酸を用いて浸出される。粒子の酸素含有量及び窒素含有量を測定し、その窒素含有量は100ppm〜6000ppm、好ましくは200〜5000ppm、より好ましくは300〜4000ppmの範囲内にあり、酸素含有量は1000〜12000ppm、好ましくは1500〜10000ppmの範囲内にある。
【0032】
好ましい実施形態においては、本発明は少なくとも2.0g/秒、好ましくは2.3g/秒の流量を有するタンタル粒子を提供する。
【0033】
本発明は、上述のタンタル粒子100〜150mgを直径3mmの円筒ペレットにプレス加工した場合に、少なくとも18Nの圧壊強度を有するタンタルペレットを提供する。
【0034】
本発明は、グリーンペレットの圧壊強度と比較して4倍以上である圧壊強度を有するタンタル焼結ペレットを提供し、この焼結ペレットは次のように得られる。すなわち、100〜150mgのタンタル粒子を直径3mmの円筒形ペレットにプレス加工し、このグリーンペレットを1200〜1450℃の温度で焼結する。
【0035】
本発明は、30,000〜300,000μF・V/gの比静電容量を有し漏れ電流が0.5nA/μF・V未満のタンタル陽極を提供し、この陽極は以下のように得られる。すなわち、タンタル粒子を5.0〜7.0g/cm3の密度を有するペレットへとプレス加工し、ペレットを20〜30分間1200〜1450℃の温度で焼結させて焼結ペレットを形成し、次に焼結ペレットを16〜40Vの電圧で電気化学的に処理して陽極にする。
【0036】
好ましい実施形態において、本発明は、少なくとも1.0g/秒の流量を有するニオブ粉末を提供する。
【0037】
本発明は、40,000〜400,000μF・V/gの比静電容量を有し漏れ電流が0.8nA/μF・V未満であるニオブ粉末から作られた陽極を提供し、この陽極は以下のように得られる。すなわち、ニオブ粒子を2.5〜3.5g/cm3の密度を有するペレットへとプレス加工し、ペレットを20〜30分間1100〜1300℃の温度で焼結して焼結ペレットを形成し、次に焼結ペレットを16〜40Vの電圧で電気化学的に処理して陽極にする。
【0038】
本明細書で開示されているデータは、以下のように測定される。すなわち、タンタル又はニオブ粒子などのバルブメタル粒子の窒素含有量は、蒸留分別−ネスラー分光光度法によって測定し、粉末の硫動性、BET比表面積は、中国特許出願公開第1899730号明細書に開示されている方法に従って測定する。グリーンペレットの圧壊強度と焼結ペレットの圧壊強度は、5つの試料の平均値であり、以下のように測定した。すなわち、5つのペレット又は焼結ペレット(円筒)を、円筒の軸線が上部及び下部プレートと平行になるように、コンピュータ制御される汎用試験機(CMT8202)の下部プレート上に設置し、2mm/分の速度でプレスし、ペレットが圧壊された時点で加えられていた圧縮力を圧壊強度(N)と定義する。タンタル又はニオブ粉末の湿潤電気性能は、以下のように測定した。すなわち、80℃の0.1(wt%)H3PO4の溶液中で陽極を電気化学的に形成させ、陽極の漏れ電流を25℃の0.1(wt%)H3PO4溶液中で試験し、陽極の比静電容量(CV)と誘電正接(tgδ)を25℃の20(wt%)H2SO4溶液中で試験した。
【実施例】
【0039】
本発明を、本発明を純粋に例示するものとして意図されている以下の例によって更に説明する。
【0040】
(例1)
フルオロタンタル酸カリウムをナトリウムで還元して得られた10キログラムの量のタンタル粒子を粒状にし、70ppmのリンをドープし、粒状にした粒子をその後30分間1320℃で熱処理し、この熱処理したタンタル粒子を次いで80メッシュの篩で選別して−80メッシュのタンタル粒子を得た。得られた粒子のBET比表面積は0.55m2/gである。上で得られたタンタル粒子を1.5(wt%)のマグネシウム粉末と混合し、タンタルのトレイに入れ、次いでこの混合粉末を入れたトレイを図1に示した反応チャンバに入れ密閉した。温度を真空中で930℃まで上昇させ、3時間保持し、その後入口パイプ8を通してアルゴンガスを充填して粒子を冷却した。内容物の温度が確実に130℃に達し安定化した後、反応チャンバを真空パイプ6により100Pa未満の圧力まで減圧し、反応チャンバ内に窒素ガスを導入してその圧力が0.12MPaに達するようにした。温度を140±5℃の範囲内で制御し、4時間保持した。温度を保持している間、熱電対により測定した温度は138℃〜143℃の範囲内にあり、窒素ガスの圧力は0.119〜0.120MPaの範囲内にあった。保持後に、粉末を周囲温度まで冷却して取り出した。A、B、C、D、E、F、G、H、I(図2)の9つの位置から試料を採取した。9つの試料の窒素含有量を測定した。
【0041】
例1の9つの試料の平均窒素含有量は311.7ppmであり、そのうちで最高の窒素含有量は325ppm、最低の窒素含有量は305ppmであり、粒子間の窒素含有量の最大相違比率は6.4%である。詳しいデータは表1に列挙した。
【0042】
当業者に公知の方法に従ってタンタル粒子を硝酸水溶液と混合して浸出し、中性になるまで脱イオン水で洗浄し、その後乾燥させた。乾燥したタンタル粒子の酸素及び窒素含有量を測定し、データを表1にまとめた。タンタル粒子の流量を測定した。結果は5.6g/秒である。例1で作製したタンタル粉末をプレス加工して円筒形状の複数のグリーンペレットにし、その各々の粉末重量は約150mg、直径は3mm、密度は5.5g/cm3であった。グリーンペレットの圧壊強度を5個のペレットで測定した。結果は64.07Nである。上述のグリーンペレットを20分間約1450℃の真空炉内で焼結させて、焼結ペレットを形成させた。焼結ペレットの焼結収縮を測定した。焼結ペレットを、約80℃の0.1wt%亜リン酸溶液中にて40Vで2時間保持することによって陽極酸化し、誘電性酸化物皮膜を備えた電解コンデンサ陽極を形成した。陽極の漏れ電流を約25℃の0.1wt%亜リン酸溶液中で試験し、陽極の比静電容量(CV)と誘電正接(tgδ)を25℃の20wt%硫酸溶液中で試験する。陽極の焼結収縮、比静電容量(CV)及び誘電正接(tgδ)を表2にまとめた。
【0043】
(例2)
フルオロタンタル酸カリウムをナトリウムで還元して得られた10キログラムの量のタンタル粉末を粒状にし、80ppmのリンをドープし、粒状にした粒子をその後30分間1200℃で加熱して、冷却後に排出し、その後タンタル粒子を80メッシュの篩で選別して−80メッシュのタンタル粉末を得た。この−80メッシュのタンタル粒子のBET比表面積は1.05m2/gであり、窒素含有量は60ppmである。上で処理したタンタル粒子を1.8wt%のマグネシウム粉末と混合し、タンタルのトレイに入れ、次いでこの粉末混合物を入れたトレイを図1に示した反応装置に入れて密閉した。粉末を100Pa未満の真空レベルで約900℃まで3時間加熱し、その後入口パイプ8からアルゴンガスを充填して内容物を冷却し、内容物の温度が確実に180℃に達し安定化してから、反応装置を真空パイプ6により100Paより低い圧力まで減圧した。入口パイプ7を通して反応装置内に窒素ガスを導入して、反応装置の圧力が0.13MPaに達するようにした。温度を180±5℃の範囲内で制御し、5時間保持した。熱電対4により調べた温度は178℃〜183℃の範囲内にあり、反応装置内の圧力は0.128〜0.130MPaの範囲内に保った。粉末を周囲温度まで冷却して取り出した。A、B、C、D、E、F、G、H、I(図2)の9つの位置から試料を採取した。9つの試料の窒素含有量を測定した。
【0044】
9つの試料の平均窒素含有量は431.1ppmであり、そのうちで最高の窒素含有量は445ppm、最低の窒素含有量は420ppmであり、粒子間の窒素含有量の相違比率は5.8%である。詳しいデータは表1に列挙した。
【0045】
当業者に公知の方法に従ってタンタル粒子を硝酸水溶液と混合しで浸出し、中性になるまで脱イオン水で洗浄し、その後乾燥させた。乾燥したタンタル粒子の酸素及び窒素含有量を測定し、データを表1にまとめた。タンタル粒子の流量は5.6g/秒である。
【0046】
例2で作製したタンタル粉末をプレス加工して円筒形状の複数のグリーンペレットにし、その各々の粉末重量は約150mg、直径は3mm、密度は5.0g/cm3であった。グリーンペレットの圧壊強度を5個のペレットで測定した。結果は40.18Nである。上述のグリーンペレットを30分間約1300℃の真空炉内で焼結させて、焼結ペレットを形成させた。焼結ペレットの焼結収縮を測定した。焼結ペレットを、約80℃の0.1wt%亜リン酸溶液中にて40Vで2時間保持することにより陽極酸化し、誘電性酸化物皮膜を備えた電解コンデンサ陽極を形成した。陽極の漏れ電流を約25℃の0.1wt%亜リン酸溶液中で試験し、陽極の比静電容量(CV)と誘電正接(tgδ)を25℃の20wt%硫酸溶液中で試験する。陽極の焼結収縮、比静電容量(CV)及び誘電正接(tgδ)を表2にまとめた。
【0047】
(例3)
フルオロタンタル酸カリウムをナトリウムで還元して得られた12キログラムの量のタンタル粉末を粒状にし、120ppmのリンをドープした。粒状にした6キログラムの量の粒子を3枚のトレイに移し、粒子の入ったトレイをプレート上に並置して真空熱処理炉に入れ30分間約1120℃で加熱し、次に加熱したタンタル粒子をアンゴンガス中で190℃まで冷却し、それから炉を13.3Paの圧力まで減圧し、炉内に純粋窒素ガスを導入し圧力を0.17MPaとし、炉の温度を188〜195℃の範囲内に制御して7時間保持した。反応装置内の圧力は0.168〜0.170MPaの範囲内であった。次に、アルゴンガス中で粉末を周囲温度まで冷却し、パッシベーションに付し、その後取り出した。a、b、c、d、e、f、g、h、i(図3)の9つの位置で試料を採取した。9つの試料の窒素含有量を測定し、結果は表1に列挙した。
【0048】
例3の9つの試料の平均窒素含有量は2050ppmであり、そのうちで最高の窒素含有量は2120ppmであり、最低の窒素含有量は1960ppmであり、粒子の間の窒素含有量の相違比率は7.8%である。詳しいデータは表1に列挙した。
【0049】
3枚のトレイのタンタル粒子を混合した。混合した粉末のBET比表面積は3.41m2/gであった。タンタル粒子を2.5wt%のマグネシウム粉末と混合し、約800℃で加熱して脱酸素処理し、次いで当業者に公知の方法に従って硝酸水溶液で浸出し、中性になるまで水洗浄し、その後乾燥させた。乾燥したタンタル粒子の酸素及び窒素含有量を測定し、データを表1にまとめた。タンタル粒子の流量は2.5g/秒である。
【0050】
上で作製したタンタル粉末をプレス加工して円筒形状の20個のペレットにし、その各々の粉末重量は約100mg、直径は3mm、密度は5.0g/cm3であった。グリーンペレットの圧壊強度を5つのペレットで測定し、平均含有量を計算した。結果を表3に列挙した。残りの15個のペレットを約1200℃の真空炉で20分間焼結して、焼結ペレットを形成した。焼結ペレットの焼結収縮を試験した。焼結ペレットの圧壊強度を5つのペレットで測定した。結果は表3に列挙した。例3において、グリーンペレットの圧壊強度は19.68Nであり、焼結ペレットの圧壊強度は79.91Nであって、これはグリーンペレットの圧壊強度の4.06倍であった。残りの10個のペレットを、約80℃、20Vで2時間0.1wt%の亜リン酸溶液中に保持することによって陽極酸化し、電解コンデンサ陽極を形成した。陽極の焼結収縮、比静電容量(CV)及び誘電正接(tgδ)を測定し、結果を表2にまとめた。
【0051】
(比較例1)
例3の6キログラム量の粉末を粒状にしたタンタルを、例3の条件に従って加熱した。熱処理が完了したなら、投入したタンタル粉末をアルゴンガス中で350℃まで冷却し、次に13.3Paの圧力まで炉を減圧し、次いで炉内に純粋窒素ガスを導入し圧力を0.01MPaにし、そして0.11MPaの圧力になるまでアルゴンを充填した。炉の温度を1時間で350℃から410℃まで上昇させ、その後アルゴンガス中で粉末を周囲温度まで冷却し、パッシベーションに付した後に取出した。a、b、c、d、e、f、g、h、i(図3)の9つの位置から試料を採取した。9つの試料の窒素含有量を測定し、結果を表1に列挙した。
【0052】
比較例1の9つの試料の平均窒素含有量は2487ppmであり、そのうちで最高の窒素含有量は3850ppm、最低の窒素含有量は1860ppmであり、粒子間の窒素含有量の相違比率は80%である。詳しいデータは表1に列挙した。
【0053】
3枚のトレイの比較例1のタンタル粒子を混合した。混合した粉末のBET比表面積は3.45m2/gであった。タンタル粒子を例3の通りにマグネシウムで脱酸素処理した。タンタル粒子の酸素及び窒素含有量を測定した。データは表1にまとめてある。タンタル粒子の流量は2.4g/秒である。
【0054】
グリーンペレット及び焼結ペレットの圧壊強度を例3の通りに測定した。結果を表3に列挙する。電気特性を例3の通りに測定した。結果を表2に列挙した。
【0055】
表2及び表3の試料3と比較例1のデータを比較すると、窒素を不均一に含有する比較例1のタンタル粒子は例3よりも高い酸素含有量、低いグリーンペレット圧壊強度、低い焼結ペレット圧壊強度を有することがわかる。焼結ペレットの圧壊強度はグリーンペレットの圧壊強度の3.43倍である。例3の漏れ電流は比較例3よりも少ない。
【0056】
(例4)
還元用金属を用いた酸化ニオブの熱還元から得た5キログラムの量のニオブ粉末を粒状にし、熱処理した。加熱したニオブ粒子のBET比表面積は5.82m2/g、窒素含有量は60ppmである。上で処理したニオブ粒子を2.5wt%のマグネシウム粉末と混合し、ニオブのトレイに入れ、次にこの混合粉末を入れたトレイを図1の通りの反応装置内に入れ、密閉した。粉末を3時間100Pa未満の真空レベルで約800℃まで加熱し、次に入口パイプ8からアルゴンガスを充填して内容物を冷却した。内容物の温度が確実に190℃に達し安定化してから、反応装置を100Pa未満の圧力まで減圧し、その後入口パイプ7を通して反応装置内に窒素ガスを導入して反応装置の圧力が0.18MPaに達するようにした。内容物の温度を190±5℃の範囲内に制御し、9時間保持した。熱電対4により調べた温度は189℃〜195℃の範囲内にあり、反応装置内の窒素圧力は0.178〜0.180MPaの範囲内にあった。その後、粉末を周囲温度まで冷却して取り出した。A、B、C、D、E、F、G、H、I(図2)の9つの位置から試料を採取した。9つの試料の窒素含有量を測定した。結果を表1に列挙した。
【0057】
例4の9つの試料の平均窒素含有量は3195ppmであり、そのうちで最高の窒素含有量は3280ppm、最低の窒素含有量は3100ppmであり、粒子間の窒素含有量の相違比率は5.6%である。
【0058】
当業者に公知の方法に従ってニオブ粒子を硝酸水溶液と混合して浸出し、中性になるまで脱イオン水で洗浄し、その後乾燥させた。乾燥したニオブ粒子の酸素及び窒素含有量を測定し、データを表1にまとめた。ニオブ粒子の流量は2.5g/秒である。
【0059】
例4で作製したニオブ粉末をプレス加工して円筒形状の複数のグリーンペレットにし、その各々の粉末重量は約100mg、密度は3.0g/cm3であった。グリーンペレットの圧壊強度を5個のペレットで測定した。結果は33.05Nである。上述のグリーンペレットを20分間約1150℃の真空炉内で焼結して、焼結ペレットを形成した。焼結ペレットの焼結収縮を測定した。焼結ペレットを、約80℃の0.1wt%亜リン酸溶液中に20Vで2時間保持することによって陽極酸化し、誘電性酸化物皮膜を備えた電解コンデンサ陽極を形成した。陽極の漏れ電流を約25℃の0.1wt%亜リン酸溶液中で試験し、陽極の比静電容量(CV)及び誘電正接(tgδ)を25℃の20wt%硫酸溶液中で試験する。陽極の焼結収縮、比静電容量(CV)及び誘電正接(tgδ)の結果を表2にまとめた。
【0060】
【表1】

【0061】
【表2】

【0062】
【表3】

【0063】
以上説明した通り、本発明の方法により作製したタンタル粒子又はニオブ粒子は均一な窒素分布を有し、本発明の粒子から作られたグリーンペレット及び焼結ペレットは両方とも、高い圧壊強度を有し、電気特性が改善された。
【0064】
現時点で本発明の好ましい実施形態と考えられるものを示し説明してきたが、当業者には、特許請求の範囲により規定されている通りの本発明の範囲から逸脱することなくさまざまな変更及び改変をこれに加えることができるということは明白であろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒素を均一に含有するバルブメタル粒子であって、粒子間の窒素含有量の相違比率が20%以下であるバルブメタル粒子。
【請求項2】
粒子の窒素含有量の前記相違比率が15%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下である、請求項1に記載のバルブメタル粒子。
【請求項3】
窒素含有量が100ppm〜6000ppm、好ましくは200〜5000ppm、より好ましくは300〜4000ppmである、請求項1に記載のバルブメタル粒子。
【請求項4】
前記バルブメタル粒子がタンタル粒子である、請求項1に記載のバルブメタル粒子。
【請求項5】
前記バルブメタル粒子がニオブ粒子である、請求項1に記載のバルブメタル粒子。
【請求項6】
前記タンタル粒子が少なくとも2.0g/秒の流量を有し、好ましくは少なくとも2.3g/秒の流量を有する、請求項4に記載のバルブメタル粒子。
【請求項7】
前記ニオブ粒子が少なくとも1.0g/秒の流量を有し、好ましくは少なくとも2.0g/秒の流量を有する、請求項5に記載のバルブメタル粒子。
【請求項8】
バルブメタルの原料粒子を窒素含有ガスの雰囲気中にて200℃以下の温度で2時間以上加熱する、請求項1に記載の窒素を均一に含有するバルブメタル粒子の作製方法。
【請求項9】
前記窒素含有ガスが、純粋窒素ガス及び/又は加熱により窒素ガスを発生させることのできる窒素発生ガスを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記窒素含有ガスの圧力が0.10MPa以上である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記窒素含有ガスの圧力が0.10〜0.30MPa、好ましくは0.12〜0.30MPa、より好ましくは0.12〜0.20MPaである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記バルブメタル粒子を120〜200℃の温度範囲で加熱する、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記バルブメタル粒子を3〜12時間、好ましくは3〜10時間加熱する、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
加熱中の温度の変動が±5℃の範囲内にある、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
10〜80N、好ましくは15〜70N、より好ましくは18〜65Nの圧壊強度を有する、請求項1に記載のバルブメタル粒子から作られたバルブメタルグリーンペレット。
【請求項16】
タンタル粒子から作られており、5.0〜7.0g/cm3、好ましくは5.0〜6.0g/cm3、より好ましくは5.0〜5.5g/cm3のグリーン密度を有する、請求項15に記載のバルブメタルグリーンペレット。
【請求項17】
ニオブ粒子から作られており、2.5〜3.5g/cm3のグリーン密度を有する、請求項15に記載のバルブメタルグリーンペレット。
【請求項18】
前記グリーンペレットの4倍以上の圧壊強度を有する、請求項15に記載のバルブメタルグリーンペレットから製造されたバルブメタル焼結ペレット。
【請求項19】
請求項18に記載のバルブメタル焼結ペレットから形成されている、誘電体コンデンサ用陽極。
【請求項20】
前記陽極はタンタル陽極であり、比静電容量が30,000〜300,000μF・V/g、漏れ電流が0.5nA/μF・V以下である、請求項19に記載の陽極。
【請求項21】
比静電容量が30,000〜250,000μF・V/g、好ましくは30,000〜200,000μF・V/gである、請求項20に記載の陽極。
【請求項22】
漏れ電流が0.4nA/μF・V以下、好ましくは0.35nA/μF・V以下である、請求項20に記載の陽極。
【請求項23】
前記陽極はニオブ陽極であり、比静電容量が40,000〜400,000μF・V/g、漏れ電流が0.8nA/μF・V以下である、請求項19に記載の陽極。
【請求項24】
比静電容量が60,000〜300,000μF・V/g、好ましくは80,000〜200,000μF・V/g、より好ましくは100,000〜150,000μF・V/gである、請求項23に記載の陽極。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2011−510168(P2011−510168A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−541675(P2010−541675)
【出願日】平成20年10月13日(2008.10.13)
【国際出願番号】PCT/CN2008/001723
【国際公開番号】WO2009/086721
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(510189411)ニンシア オリエント タンタルム インダストリー カンパニー,リミティド (1)
【Fターム(参考)】