説明

バーニッシュ加工方法及び加工装置

【課題】砥粒の脱粒による磁気ディスクの汚染を抑えつつ、磁気ディスクの表面を平滑化することができるバーニッシュ加工方法を提供する。
【解決手段】回転している磁気ディスクの表面に、研磨テープの砥粒面を押し当て摺動させることにより、前記磁気ディスクの表面を研磨する磁気ディスクのバーニッシュ加工方法であって、前記研磨テープを冷却しながら前記磁気ディスクの表面を研磨することを特徴とするバーニッシュ加工方法を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーニッシュ加工方法及び加工装置に関するものであり、例えば、ハードディスク装置に用いられる磁気ディスクを表面研磨仕上げする磁気ディスクのバーニッシュ加工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハードディスク装置に用いられる磁気ディスクの記録密度はますます高まり、磁気記録面上を浮上走行するヘッドの低浮上化に対応できるよう、磁気ディスクの表面には高い平坦度が求められる。そのため、磁気ディスクの製造工程においては、非磁性基板に磁性層や保護層を形成した後、その表面に形成または付着した突起物を除去するため、その表面を、研磨テープを用いて研磨するバーニッシュ工程が設けられている。
【0003】
このようなバーニッシュ工程は、例えば、アルミナ砥粒を塗布した研磨テープ等を用いて行なわれ、この研磨テープをゴム製のコンタクトロールによって媒体表面に押し当てることにより、媒体表面を軽く研磨する工程である。このような処理を行うことにより、媒体表面の異常突起等が除去されるので、磁気ディスクが用いられるハードディスク装置等において、磁気ヘッドの浮上量をより小さくすることが可能となる(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
バーニッシュ工程に用いられる研磨テープ(バーニッシュテープ)としては、通常ポリエステル製のベースフィルム上に研磨材層を形成してなるテープを使用する。そして、この研磨材層が磁気ディスクの磁性層側の面と接触して摺動することによって、磁気ディスクの表面に付着した微小な塵埃が除去されると共に、その表面に存在する異常突起等が研磨・除去されて、その表面が平滑化される。研磨材としては、平均粒子径が0.05μm〜50μm程度の、酸化クロム、α−アルミナ、炭化珪素、非磁性酸化鉄、ダイヤモンド、γ−アルミナ、α,γ−アルミナ、熔融アルミナ、コランダム、人造ダイヤモンド等が用いられる(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
また、このような研磨テープを用いる磁気ディスクのバーニッシュ加工は、具体的には、磁気ディスクを回転させつつ、この磁気ディスクの磁性層側の面に、研磨テープの砥粒面を押し当てることにより行われる。これにより、磁気ディスク表面の突起が研磨除去され表面平滑化する。ここで、研磨テープは、供給リールと巻取りリールとの間に掛け渡されており、供給リールから順次供給され、巻取りリールに巻き取られる。そして、この供給リール側から巻取りリール側に走行する途中で、研磨テープは、砥粒面と反対側の面(裏面)がゴム等のバッキングロールまたはフェルト等により押圧され、研磨テープの研磨面が磁気ディスクの表面に押し当てられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−277339号公報
【特許文献2】特開平09−054943号公報
【特許文献3】特開2001−079774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在、磁気ディスクの記録密度はますます高まり、その要求に応えるため磁気ヘッドと磁気ディスクとの距離が狭くなっている。そのため、上記のバーニッシュ工程での磁気ディスク表面の汚染が問題となってきている。
【0008】
本発明者の検討によると、磁気ディスク表面の汚染物質の中にはアルミナ粒子が含まれており、このアルミナ粒子がバーニッシュ加工工程の際に、研磨テープの砥粒の脱粒等によるものであることが明らかになった。すなわち、磁気ディスク表面の突起をバーニッシュ工程によって研磨除去する際、研磨テープに固着された砥粒が脱粒または破砕し、その脱粒物等が磁気ディスク表面に付着して磁気ディスク表面を汚染させるおそれがあった(図5参照)。
【0009】
特に最近は、研磨テープに用いられる砥粒として、破砕粒ではなく析出粒(結晶成長粒)を用いる場合が多い。これは、バーニッシュ工程に求められる加工精度が高まり、被バーニッシュ加工面にほんのわずかなスクラッチが発生することを防ぐため、粒径や、砥粒表面形状のバラツキを低減するためである。しかしながら、破砕粒に比べて析出粒は、その表面が平滑でまた球形に近いため粒の破砕は発生しにくいものの、研磨テープの支持体への安定保持が難しい。そのため、磁気ディスク表面のバーニッシュ加工中に、研磨テープから砥粒の脱粒が発生しやすくなっている可能性が考えられる。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、砥粒の脱粒による磁気ディスクの汚染を抑えつつ、磁気ディスクの表面を平滑化することができるバーニッシュ加工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意努力検討した結果、バーニッシュ加工時に研磨テープを冷却することにより、研磨テープの支持体による砥粒の保持力が高まり、研磨テープからの砥粒の脱粒が低減し、研磨テープによる磁気ディスク表面の汚染を少なくできることを見出し、本発明に到達した。
【0012】
すなわち、本発明は、以下の構成を有する。
(1) 回転している磁気ディスクの表面に、研磨テープの砥粒面を押し当て摺動させることにより、前記磁気ディスクの表面を研磨する磁気ディスクのバーニッシュ加工方法であって、前記研磨テープを冷却しながら前記磁気ディスクの表面を研磨することを特徴とするバーニッシュ加工方法。
(2) 前記研磨テープを5℃以下に冷却することを特徴とする前項1に記載のバーニッシュ加工方法。
(3) 炭酸ガスを用いて前記研磨テープを冷却することを特徴とする前項1又は2に記載のバーニッシュ加工方法。
(4) 磁気ディスク回転駆動機構と、研磨テープと、研磨テープ押圧手段と、前記研磨テープを冷却するための冷却手段と、を備えることを特徴とするバーニッシュ加工装置
(5) 前記冷却手段が、冷却ガスの噴出ノズルであることを特徴とする前項4に記載のバーニッシュ加工装置。
(6) 前記冷却ガスが、炭酸ガスであることを特徴とする前項5に記載のバーニッシュ加工装置。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、磁気ディスクのバーニッシュ加工を行うに際して、砥粒層に含まれる砥粒の脱落を抑えることができ、砥粒による磁気ディスクの汚染を抑えつつ、磁気ディスクの表面を平滑化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は本発明で使用する研磨テープの一例を示す縦断面図である。
【図2】図2は図1に示す研磨テープを適用したバーニッシュ加工装置の一例を示す模式図である。
【図3】図3は図2に示すバーニッシュ加工装置によって加工が行われる磁気ディスクの一例を示す縦断面図である。
【図4】図4は図3に示す磁気ディスクが適用される磁気記録再生装置の一例を示す概略構成図である。
【図5】図5は研磨テープから砥粒が脱粒あるいは破砕した状態を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明のバーニッシュ加工方法について説明する。
(研磨テープ)
まず、本発明に使用する研磨テープについて説明する。
図1は、本発明に使用する研磨テープを示す縦断面図である。
本発明の研磨テープ1は、その研磨面Sを磁気ディスク10の表面に対して摺動させることにより、磁気ディスク10の表面に存在する異常突起を研磨して除去し、表面を平滑化するものである。
この研磨テープ1は、支持体2と、該支持体2上に設けられた砥粒層3とを有している。
支持体2を構成する材料としては、特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート等の
各種樹脂が用いられる。
【0016】
砥粒層3は、砥粒5と結合剤6とを含有し、その表面に砥粒5の粒子形状を反映した凹凸を有している。
砥粒5としては、例えば、酸化クロム、α−アルミナ、炭化珪素、非磁性酸化鉄、ダイヤモンド、γ−アルミナ、α,γ−アルミナ、熔融アルミナ、コランダム、人造ダイヤモンド等よりなる粒子が挙げられ、これらを1種または2種以上、適宜組み合わせて用いることもできる。
【0017】
結合剤6は、砥粒5と支持体2および砥粒5同士を結着する機能を有する。このような結合剤としては、特に限定されず、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂等がいずれも使用可能である。
熱硬化性樹脂としては、例えば、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂、ブタジエンスチレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリルゴム系MBS樹脂等が挙げられる。
感光性樹脂としては、例えば、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
これら樹脂は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いても構わない。
【0018】
本発明の研磨テープ1では、砥粒5の表面を更に液体潤滑層4によって覆っても良い。液体潤滑層4は、バーニッシュ加工工程において、磁気ディスク10表面と研磨テープ1表面との間に生ずる剪断力(動摩擦係数)を安定化し、砥粒5の脱落をより抑制する効果を有する。
【0019】
液体潤滑層4に用いる液体潤滑剤としては、特に限定されないが、パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物を含有しているのが好ましい。砥粒5の表面を液体潤滑剤で覆った場合、バーニッシュ加工工程で、液体潤滑剤が磁気ディスク10に転写される場合がある。ここで、パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物は、磁気ディスク10表面に塗布する潤滑剤として一般的に用いられるため、仮に研磨テープ1の液体潤滑剤が磁気ディスク10に転写されても問題が生じないという利点がある。
【0020】
(研磨テープの製造方法)
次に、本発明に使用する研磨テープの製造方法について説明する。
本発明の研磨テープの製造方法は、(1)砥粒と結合剤とを混練分散してスラリーを調製する工程と、(2)このスラリーを、支持体上に塗布することによって塗膜を形成する工程と、(3)塗膜を硬化することによって砥粒層を形成する工程とを有する。以下、各工程について説明する。
【0021】
(1)スラリー調製工程
まず、砥粒5と結合剤6とを混練分散してスラリーを調製する。
なお、結合剤6として前述の樹脂を用いる場合、その前駆体の状態で、砥粒と混練分散してもよい。ここで、樹脂の前駆体とは、この製造工程で行われる各種処理によって反応し、目的とする樹脂となるものであり、モノマーやオリゴマー等が挙げられる。
また、スラリーは、溶媒を含有していてもよい。これにより、スラリーを、後述する塗布工程に好適な粘度に調整することができる。
【0022】
溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、芳香族炭化水素溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒等が挙げられる。
【0023】
スラリーにおける砥粒5の含有量は、結合剤6またはその前駆体に対して100〜400質量部であるのが好ましく、200〜400重量部であるのがより好ましい。砥粒5の含有量が400質量部より多いと、得られる砥粒層3において砥粒5が脱落し易くなる。また、砥粒5の含有量が100質量部より少ないと、砥粒5が結合剤6中に埋没してしまい、砥粒層3の表面に、砥粒5の粒子形状による凹凸を表出させるのが困難になる。混練機としては、この種の研磨テープの製造方法において通常用いられているものがいずれも使用可能である。
【0024】
(2)塗膜形成工程
次に、スラリーを、支持体2上に塗布して塗膜を形成する。
スラリーの塗布方法としては、この種の研磨テープの製造方法において通常用いられているものがいずれも使用可能であり、例えば、ロールコーター法、塗布法等が挙げられる。
【0025】
(3)塗膜硬化工程
次に、支持体2上に形成された塗膜を硬化することによって砥粒層3を形成する。
硬化の方法としては、加熱処理、紫外線照射等、塗膜に含まれる結合剤の種類に応じて適宜選択される。
以上の工程により、その表面に砥粒の粒子形状を反映した凹凸を有する砥粒層3が形成される。
【0026】
(4)液体潤滑層形成工程
次に、砥粒5上に、液体潤滑層4を形成する。
液体潤滑層4は、砥粒5上に、液体潤滑剤または潤滑剤を溶剤に溶解した潤滑剤溶液を塗布することにより形成することができる。
塗布方法としては、上記工程(2)と同様の方法を挙げることができる。
なお、本工程は必要に応じて行われるものであり省略しても構わない。液体潤滑層としての厚さは、0.0001μm〜10μmの範囲とすることが好ましい。
【0027】
(バーニッシュ加工方法)
次に、本発明のバーニッシュ加工方法について説明する。
図2は、本発明のバーニッシュ加工方法で用いられるバーニッシュ加工装置の一例を示す模式図、図3は、本発明のバーニッシュ加工方法によって加工が行われる磁気ディスクの一例を示す縦断面図である。
本発明のバーニッシュ加工方法では、磁気ディスク10の表面に、研磨テープ1の研磨面S(液体潤滑剤層を設けた場合にはその表面)を押し当て摺動させることによって、磁気ディスク10表面の異常突起物を研磨除去するが、この研磨除去に際して、研磨テープを炭酸ガス等の冷却手段により冷却して研磨テープの結合剤を硬化させることにより、研磨テープからの砥粒の脱粒を防止する。
まず、本発明のバーニッシュ加工方法が適用される磁気ディスクの一例について、図3を参照しながら説明する。
図3に示す磁気ディスク10は、非磁性基板11の両方の主面に、下地層12、中間層13、磁性層14、保護層15が順次積層され、最上層に潤滑剤層16が設けられて概略構成されている。
【0028】
非磁性基板11の材料としては、通常、磁気ディスク10の基板に用いられる非磁性のアルミ合金材料、ガラス材料等を何ら制限無く用いることができる。例えば、ガラス材料としては、通常のソーダガラス、アルミノシリケート系ガラス、非結晶ガラス類等が挙げられる。また、アルミ合金材料としては、Alを主成分としたAl−Mg合金等が挙げられる。これ以外に、非磁性基板11の材料には、シリコン、チタン、セラミックス、各種樹脂材料等、非磁性材料であれば任意のものを用いることが可能である。
さらに、非磁性基板11は、アルミ材料またはガラス材料等からなる基体と、この基体表面にNiP、NiP合金、又は他の合金から選ばれる1種以上からなる膜を、メッキ、スパッタ法等の方法により蒸着させて形成した表面層とから構成されたものであっても良い。
【0029】
下地層12の材料としては、Ti,Mo,Al,Ta,W,Ni,B,Si,Mn及びVの群から選ばれる1種又は2種以上とCrとからなるCr合金か、或いはCrを用いることができる。
また、下地層12を多層構造の非磁性下地層とする場合には、非磁性下地層を構成する層の内、少なくとも1層を上記Cr合金又はCrで構成することができる。
また、非磁性下地層は、NiAl系合金、RuAl系合金、又はCr合金(Ti,Mo,Al,Ta,W,Ni,B,Si及びVの群から選ばれる1種もしくは2種以上とCrとからなる合金)で構成することもできる。
また、非磁性下地層を多層構造とする場合には、非磁性下地層を構成する各層の内、少なくとも1層をNiAl系合金、RuAl系合金、又は上記Cr合金で構成することができる。
【0030】
中間層13の材料としては、Co合金のエピタキシャル成長を助長する目的から、Coを主原料としたCo合金であってhcp構造を有する非磁性材料を用いることが好ましい。そのようなCo合金としては、例えば、Co−Cr系、Co−Cr−Ru系、Co−Cr−Ta系、Co−Cr−Zr系の合金等が挙げられ、中間層13は、これらCo合金からから選ばれる何れか1種を含むことが好ましい。
【0031】
磁性層14の材料としては、Coを主原料としたCo合金であって、hcp構造を有する材料を用いることが好ましい。そのようなCo合金としては、例えば、Co−Cr−Ta系、Co−Cr−Pt系、Co−Cr−Pt−Ta系、Co−Cr−Pt−B系、Co−Cr−Pt−B−Cu系の合金等が挙げられ、磁性層14は、これらCo合金から選ばれる何れか1種を含むことが好ましい。
なお、本実施形態の磁気ディスクでは、さらに、磁性層を2種以上の層よりなる積層構造としてもよい。
【0032】
保護層15としては、プラズマCVD法によって形成されるCVDカーボン、非晶質カーボン、含水素カーボン、含窒素カーボン、含フッ素カーボンなどのカーボン系材料、シリカ、ジルコニア等のセラミック系材料を適宜選択して用いることができる。なかでも、硬く緻密なCVDカーボンが、耐久性の面のみならず、経済性、生産性等の面から好適に用いられる。保護層15の膜厚は、薄すぎると耐久性が低下し、厚すぎると記録再生時の損失が大きくなるため、10〜150Å(1〜15nm)、好ましくは20〜60Å(2〜6nm)に設定することが好ましい。
【0033】
最上層である潤滑剤層16の材料としては、重合性不飽和基含有パーフロロポリエーテル化合物の重合物が好適である。重合性不飽和基含有パーフロロポリエーテル化合物としては、例えば、主鎖であるパーフロロポリエーテルの少なくとも一端に、重合性を有する不飽和結合を持つ有機基が結合されてなる化合物等を挙げることができる。
【0034】
なお、本発明のバーニッシュ加工方法によって加工が行われる磁気ディスクは、面内磁気ディスク、垂直磁気ディスクの他、これらのディスクの製造工程における未完成ディスクでも良い。また、ディスクリートディスクやビットパターンディスクの他、これらのディスクの製造工程における未完成ディスクでも良い。
【0035】
次に、本発明のバーニッシュ加工方法に用いられるバーニッシュ加工装置の一例について、図2を参照しながら説明する。
図2に示すバーニッシュ加工装置20は、磁気ディスク回転駆動機構21と、研磨テープ1a、1bと、研磨テープ走行系22と、研磨テープ押圧手段23と、研磨テープを冷却するための冷却手段(冷却ガスの噴出ノズル)40を有している。
【0036】
磁気ディスク回転駆動機構21は、図示しないスピンドルモータによって回転駆動されるスピンドル24と、スピンドル24の中心に取り付けられた磁気ディスク保持機構25とを有している。磁気ディスク保持機構25には、磁気ディスク10の中心が装着され、磁気ディスク10が保持される。磁気ディスク保持機構25に磁気ディスク10が保持された状態で、スピンドル24が回転駆動されると、磁気ディスク10がスピンドル24の回転方向および回転数に応じて回転操作される。
【0037】
なお、この磁気ディスク回転駆動機構21は、回転している磁気ディスク10のトラックの走査方向が、後述する第1のガイドロール26と第2のガイドロール27との間を走行する第1の研磨テープ1aの走行方向(図2中矢印Ra方向)、および、第5のガイドロール30と第6のガイドロール31との間を走行する第2の研磨テープ1bの走行方向(図2中矢印Rb方向)と逆方向となるような回転方向(図2中矢印r方向)で、磁気ディスク10を回転操作するように構成されている。
研磨テープ1a、1bは、前述の研磨テープの製造方法によって製造された長尺状のものである。
【0038】
このバーニッシュ加工装置20は、その研磨面Sが、磁気ディスク10の一方の主面10aと対向するように走行する第1の研磨テープ1aと、その研磨面Sが、磁気ディスク10の他方の主面10bと対向するように走行する第2の研磨テープ1bとを有している。
【0039】
研磨テープ走行系22は、磁気ディスク10を挟んで、一方の側に配設された第1の研磨テープ走行系22aと他方の側に配設された第2の研磨テープ走行系22bとを有している。第1の研磨テープ走行系22aは、図示しない供給ロールおよび巻取りロールと、供給ロールおよび巻取りロールより下方に配設された第1のガイドロール26〜第4のガイドロール29とを有している。
【0040】
第1のガイドロール26〜第4のガイドロール29は、各回転軸が磁気ディスク10の一方の主面10aと略平行に、且つ、回転軸同士が互いに略平行となるように配設されている。そして、第1のガイドロール26および第2のガイドロール27は、磁気ディスク10の一方の主面10aとの距離が略等しくなるように配設され、第3のガイドロール28および第4のガイドロール29は、第1のガイドロール26および第2のガイドロール27よりも磁気ディスク10から離れた位置で、磁気ディスク10の一方の主面10aからの距離が略等しくなるように配設されている。
【0041】
このように構成された第1の研磨テープ走行系22aでは、供給ロールから長尺状の第1の研磨テープ1aが順次送り出される。供給ロールから送り出された第1の研磨テープ1aは、第1のガイドロール26〜第4のガイドロール29にガイドされつつ、略コ字状の走行路を辿って走行した後、巻取りロールに巻き取られる。ここで、第1の研磨テープ1aは、第1のガイドロール26と第2のガイドロール27との間を走行する際、その研磨面Sが、磁気ディスク10の一方の主面10aと対向した状態となる。
【0042】
一方、第2の研磨テープ走行系22bは、図示しない供給ロールおよび巻取りロールと、第5のガイドロール30〜第8のガイドロール33とを有している。
第5のガイドロール30〜第8のガイドロール33は、それぞれ、磁気ディスク10を挟んで、第1のガイドロール26〜第4のガイドロール29と左右対称となるように配設されている。
このように構成された第2の研磨テープ走行系22bでは、供給ロールから長尺状の第2の研磨テープ1bが順次送り出される。供給ロールから送り出された第2の研磨テープ1bは、第5のガイドロール30〜第8のガイドロール33にガイドされつつ、略コ字状の走行路を辿って走行した後、巻取りロールに巻き取られる。ここで、第2の研磨テープ1bは、第5のガイドロール30と第6のガイドロール31との間を走行する際、その研磨面Sが、磁気ディスク10の他方の主面10aと対向した状態となる。
【0043】
研磨テープ押圧手段23は、第1のガイドロール26と第2のガイドロール27との間を走行する第1の研磨テープ1aを、磁気ディスク10の一方の主面10a側に押圧して接触させる(押し当てる)第1の研磨テープ押圧手段23aと、第5のガイドロール30と第6のガイドロール31との間を走行する第2の研磨テープ1bを、磁気ディスク10の他方の主面10a側に押圧して接触させる(押し当てる)第2の研磨テープ押圧手段23bとを有する。
【0044】
磁気ディスク10が、磁気ディスク回転駆動機構21によって図2中矢印r方向に回転駆動された状態で、第1のガイドロール26と第2のガイドロール27との間を走行する第1の研磨テープ1aが、第1の研磨テープ押圧手段23aによって磁気ディスク10の一方の主面10aに押し当てられ、第5のガイドロール30と第6のガイドロール31との間を走行する第2の研磨テープ1bが、第2の研磨テープ押圧手段23bによって磁気ディスク10の他方の主面10a側に押し当てられると、磁気ディスク10の一方の主面10aおよび他方の主面10aが、それぞれ、第1の研磨テープ1aの研磨面Sおよび第2の研磨テープ1bの研磨面Sによって摺動される。これにより、磁気ディスク10の両主面に存在する異常突起物が、各研磨テープ1a、1bの研磨作用によって研磨除去され、両主面が平滑化される。この際、研磨テープ1a、1bの表面は磁気ディスク10との摩擦熱により加熱され、この熱によって研磨テープの結合剤が軟化する。最近の磁気記録媒体では、ますますの高密度化がはかられ、磁気記録媒体と磁気ヘッドとの間隔はますます狭くなり、磁気記録媒体の表面にはますますの平滑化が求められている。そのため、研磨テープに用いられる砥粒は微細化し、研磨テープに用いられる結合剤のわずかな軟化によって脱粒し易い。
【0045】
本願発明では、バーニッシュ加工時に研磨テープを冷却することにより、研磨テープの結合剤の軟化を防ぎ、また結合剤を硬化させ、研磨テープからの砥粒の脱粒を防止することができる。
【0046】
本願発明では研磨テープを、バーニッシュ加工時において室温以下に保持する必要があるが、バーニッシュ加工時の瞬間的な温度上昇を防ぐためには、研磨テープの熱容量を考慮すると、好ましくは、5℃以下、より好ましくは、−20℃以下に保持する。なお、研磨テープを必要以上に冷却すると、研磨テープの支持体や結合剤が脆性破壊するので注意が必要である。
【0047】
本願発明では、研磨テープを冷却するための冷却手段40は、バーニッシュ加工時において研磨テープを冷却可能なものであれば、特に限定されるものではない。冷却手段40としては、例えば、間接的な手段として、研磨テープ押圧手段23a,23bを冷却する冷凍機が挙げられる。また、直接的な手段として、冷却ガスの噴出ノズルが挙げられる。具体的には、研磨テープ押圧手段23a、23bを冷凍機等で冷却することにより、研磨テープの冷却を間接的に行うことができる。一方、噴出ノズルから、冷却ガスを噴出することにより、研磨テープの冷却を直接的に行うことができる。バーニッシュ加工装置の構造により、適宜選択することが可能であるが、簡便に行うためには冷却ガスの噴出ノズルを設けることが好ましい。
【0048】
本実施形態のバーニッシュ加工装置20では、図2(a)及び図2(b)に示すように、冷却手段として一対の冷却ガスの噴出ノズル40,40を設けている。この噴出ノズル40,40は、研磨テープ押圧手段23a、23bの上流側の、未使用の研磨テープ1a,1bと研磨テープ押圧手段23a、23bとの間にそれぞれ配置されている。そして、図2(b)に示すようなバーニッシュ加工時の際、噴出ノズル40,40から未使用の研磨テープ1a,1bに冷却ガスが吹き付けられるように、わずかに噴出ノズル40,40の先端が、それぞれ研磨テープ1a,1b側に傾けられている。また、冷却手段(噴出ノズル)40の設置場所については、特に限定されるものではなく、バーニッシュ加工装置の空間的な制約によって適宜変更することが可能である。なお、冷却ガスとしては、液化炭酸ガス、液化二酸化炭素、液化窒素からの低温の気化ガスを使用するのが好ましく、この中で特に、安全上、炭酸ガスを使用するのが好ましい。
【0049】
本実施形態のバーニッシュ加工装置20では、未使用の研磨テープ1a、1bが順次供給ロールから送り出され、研磨処理に使用された後、巻取りロールに巻き取られるため、磁気ディスク10の各主面には常に未使用の研磨テープ1a、1bが供給される。このため、磁気ディスク10の各主面10a、10bを効率よく研磨することができる。
【0050】
第1の研磨テープ押圧手段23aおよび第2の研磨テープ押圧手段23bとしては、研磨テープ1a、1bと接触する部分が柔軟性を有する材料によって構成されているのが好ましい。これにより、研磨テープ1a、1bの研磨面Sを磁気ディスク10の表面に密着性よく押し当てることができ、磁気ディスク10の表面を効率よく研磨することができる。そのような第1の研磨テープ押圧手段23aおよび第2の研磨テープ押圧手段23bとしては、例えば、樹脂や織布等よりなるパッドや、ゴムローラ等の押圧部材を有し、これら押圧部材を研磨テープの裏面に当接させ、研磨テープ1a、1bを磁気ディスク10側に押圧するように構成されたもの等が挙げられる。
【0051】
本実施形態のバーニッシュ加工装置20では、第1の研磨テープ押圧手段23aおよび第2の研磨テープ押圧手段23bは、それぞれ、金属ブロック34、35と、金属ブロック34、35の一側面に取り付けられたパッド36、37と、金属ブロック34、35を水平方向(磁気ディスクの各主面に対して直交する方向、図中矢印F1方向およびF2方向)に往復移動操作する駆動手段(図示せず)とを有する。
【0052】
このような研磨テープ押圧手段23a、23bでは、図2(a)に示すように、パッド36、37が研磨テープ1a、1bから離間した状態(待機状態)で、駆動手段が、金属ブロック34、35を図中矢印F1方向に移動操作すると、パッド36、37が研磨テープ1a、1bの裏面に当接し、さらに、研磨テープ1a、1bを磁気ディスク10側に押圧する。その結果、図2(b)に示すように、研磨テープ1a、1bの研磨面Sが磁気ディスク10の主面に接触する。また、この状態で、駆動手段が、金属ブロック34、35を図中矢印F2方向に移動操作すると、研磨テープ1a、1bが磁気ディスク10から離間し、さらに、パッド36、37が研磨テープ1a、1bから離間して待機状態に復帰する。
【0053】
次に、バーニッシュ加工装置20の動作について説明する。
まず、第1の研磨テープ走行系22aおよび第2の研磨テープ走行系22bに、それぞれ、第1の研磨テープ1aおよび第2の研磨テープ1bを掛け渡す。
また、磁気ディスク10を、磁気ディスク保持機構25に装着し、保持させる。
なお、図2(a)に示すように、このバーニッシュ加工装置20では、初期状態では、第1の研磨テープ押圧手段23aおよび第2の研磨テープ押圧手段23bの各パッド36、37が、研磨テープ1a、1bから離れた位置(待機状態)となっている。
【0054】
次に、各部の動作をオンにすると、磁気ディスク回動駆動機構21は、磁気ディスク10を図中矢印r方向に回転駆動する。また、各供給ロールは、それぞれ、第1の研磨テープ1aおよび第2の研磨テープ1bを順次送り出す。送り出された第1の研磨テープ1aは、第1のガイドロール26〜第4のガイドロール29にガイドされつつ、略コ字状の走行路を辿って走行した後、巻取りロールに巻き取られる。また、送り出された第2の研磨テープ1bは、第1のガイドロール30〜第4のガイドロール33にガイドされつつ、略コ字状の走行路を辿って走行した後、巻取りロールに巻き取られる。
【0055】
このとき、第1のガイドロール26と第2のガイドロール27との間を走行する第1の研磨テープ1aは、その研磨面Sが、磁気ディスク10の一方の主面10aと対向し、磁気ディスク10のトラックの走査方向と逆方向に走行する。
また、第5のガイドロール30と第6のガイドロール31との間を走行する第2の研磨テープ1bは、その研磨面Sが、磁気ディスク10の他方の主面10aと対向し、磁気ディスク10のトラックの走査方向と逆方向に走行する。
【0056】
次に、第1の研磨テープ押圧手段23aは、第1のガイドロール26と第2のガイドロール27との間を走行する第1の研磨テープ1aを、磁気ディスク10の一方の主面10a側に押圧し、該研磨テープ1aの研磨面Sを接触させる(押し当てる)。また、第2の研磨テープ押圧手段23bは、第5のガイドロール30と第6のガイドロール31との間を走行する第2の研磨テープ1bを、磁気ディスク10の他方の主面10a側に押圧し、該研磨テープ1bの研磨面Sを接触させる(押し当てる)。そしてこの際、噴出ノズル40から冷却ガスを噴出させて研磨テープ1a、1bを冷却する。
【0057】
磁気ディスク10が、図中矢印r方向に回転駆動された状態で、走行している第1の研磨テープ1aの研磨面Sが磁気ディスク10の一方の主面10aに押し当てられ、また、走行している第2の研磨テープ1bの研磨面Sが磁気ディスク10の他方の主面10aに押し当てられると、磁気ディスク10の一方の主面10aおよび他方の主面10aが、それぞれ、第1の研磨テープ1aの研磨面Sおよび第2の研磨テープ1bの研磨面Sによって摺動される。これにより、磁気ディスク10の両主面に存在する突起物が、各研磨テープ1a、1bの研磨作用が研磨除去され、平滑化される。
【0058】
ここで、本発明では、研磨テープ1に液体潤滑剤層4が設けることにより、砥粒層3に含まれる砥粒5の破砕や破砕粒の脱落を抑え、破砕粒による磁気ディスク10の汚染を抑えつつ、磁気ディスク10の表面を平滑化することができる。このため、加工が行われた磁気ディスク10は、磁気ヘッドの浮上量が微小な磁気記録再生装置(ハードディスク装置)に適用した場合でも、磁気ヘッドと磁気ディスク10との衝突が抑えられ、良好な動作特性を得ることができる。
【0059】
(磁気記録再生装置)
次に、本発明のバーニッシュ加工方法によって加工された磁気ディスクが適用される磁気記録再生装置の一例について説明する。
図4は、この磁気記録再生装置の一例を示す概略構成図である。
この磁気記録再生装置80は、本発明のバーニッシュ加工方法によって加工された磁気ディスク10と、磁気ディスク10を回転駆動する媒体駆動部81と、磁気ディスク10に情報を記録するとともに記録された情報を再生する磁気ヘッド82と、磁気ヘッド27を磁気記録媒体30に対して相対移動させるヘッド駆動部83と、記録再生信号処理系84とを備えている。記録再生信号処理系84は、入力されたデータを処理し、得られた記録信号を磁気ヘッド82に送出するとともに、磁気ヘッド82からの再生信号を処理し、得られたデータを出力するように構成されている。
【0060】
ここで、この磁気記録再生装置80では、磁気ディスク10が、本発明のバーニッシュ加工方法によって表面平滑化されていることにより、表面の平滑性が高く、また、表面の清浄性が高い。このため、磁気ヘッド82の浮上量が微小であっても、磁気ヘッド82と磁気ディスク10との衝突が抑えられ、高い記録密度および信頼性を得ることができる。
【実施例】
【0061】
(実施例)
以下に、本発明を実証するための実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
【0062】
「磁気ディスクの製造」
洗浄済みのガラス基板(HOYA社製、外形2.5インチ)を、DCマグネトロンスパッタ装置(アネルバ社製 商品名C−3010)の成膜チャンバ内に収容して、到達真空度1×10−5Paとなるまで成膜チャンバ内を排気した。そして、このガラス基板上に、89Co−4Zr−7Nb(Co含有率89at%、Zr含有率4at%、Nb含有率7at%)のターゲットを用いて100℃以下の基板温度で、厚さ100nmの下地層をスパッタリングにより成膜した。
【0063】
次いで、ガラス基板を200℃に加熱して、下地層上に、65Co−30Cr−5Bターゲットを用いて厚さ5nmの中間層を形成した。続いて、61Co−20Cr−17Pt−2Bターゲットを用いて厚さ25nmの磁性層14を形成した。なお、このスパッタリング工程においては、成膜用のプロセスガスとしてアルゴンを用い、成膜チャンバ内の圧力を0.5Paとして成膜を行った。
次いで、プラズマCVD法により、磁性層上に、厚さ5nmの保護膜層を形成した。
次いで、ディッピング法により、パーフルオロポリエーテルからなる潤滑剤層を形成した。
以上の工程により、ガラス基板上に各層が成膜された磁気ディスクを得た。
【0064】
「研磨テープの製造」
まず、平均粒径0.5μmの結晶成長タイプのアルミナ粒子とエポキシ樹脂とを含有するスラリーを調製した。
このスラリーを、ポリエチレンテレフタレート製のフィルム上に塗布し、硬化することによって、アルミナ粒子の単粒子層がフィルム上に固着してなる砥粒層を形成した。この砥粒層は、フィルム面からの厚さが約0.3μm、アルミナ粒子の上部表面に被覆されたエポキシ樹脂層の厚さが約0.2μmであった。
【0065】
「バーニッシュ加工」
以上のようにして製造された各研磨テープを、図2に示すバーニッシュ加工装置にセットし、前述のようにして製造された磁気ディスク1000枚について、バーニッシュ加工を行った。ここで、磁気ディスクの回転数は300rpm、研磨テープの送り速度は10mm/秒、研磨テープを磁気ディスクに押し当てる際の押圧力は98mN、処理時間は5秒間、加工中に約−10℃の炭酸ガスを研磨テープに噴出させ、研磨テープの温度を5℃以下に保持した。
【0066】
そして、加工が行われた各磁気ディスクについて、テスター(表面試験装置)を用いて汚染状況を評価した。汚染状況は、アルミナ破砕粒(約0.5μm程度の大きさもの)の突き刺さりが観察されたディスクの枚数を計測することによって評価した。その結果を以下の表1に示す。
【0067】
(比較例)
実施例と同様にバーニッシュ加工を行ったが、研磨テープに炭酸ガスを噴出させなかった。
【0068】
【表1】

【0069】
表1に示すように、実施例によってバーニッシュ加工を行った磁気ディスクは、比較例によってバーニッシュ加工を行った磁気ディスクに比べてアルミナ破砕粒による汚染が発生しなかった。
【符号の説明】
【0070】
1…研磨テープ
1a…第1の研磨テープ
1b…第2の研磨テープ
2,120…支持体
3…砥粒層
4…液体潤滑剤層(コーティング層)
5,150…砥粒
6,160…結合剤
10…磁気ディスク
10a…一方の主面
10b…他方の主面
21…磁気ディスク回転駆動機構
22…研磨テープ走行系
22a…第1の研磨テープ走行系
22b…第2の研磨テープ走行系
23…研磨テープ押圧手段
23a…第1の研磨テープ押圧手段
23b…第2の研磨テープ押圧手段
24…スピンドル
25…磁気ディスク保持機構
26…第1のガイドロール
27…第2のガイドロール
28…第3のガイドロール
29…第4のガイドロール
30…第5のガイドロール
31…第6のガイドロール
32…第7のガイドロール
33…第8のガイドロール
40…噴出ノズル(冷却手段)
60…砥粒の脱粒
70…砥粒の破砕
80…磁気記録再生装置
S…研磨面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転している磁気ディスクの表面に、研磨テープの砥粒面を押し当て摺動させることにより、前記磁気ディスクの表面を研磨する磁気ディスクのバーニッシュ加工方法であって、
前記研磨テープを冷却しながら前記磁気ディスクの表面を研磨することを特徴とするバーニッシュ加工方法。
【請求項2】
前記研磨テープを5℃以下に冷却することを特徴とする請求項1に記載のバーニッシュ加工方法。
【請求項3】
炭酸ガスを用いて前記研磨テープを冷却することを特徴とする請求項1又は2に記載のバーニッシュ加工方法。
【請求項4】
磁気ディスク回転駆動機構と、
研磨テープと、
研磨テープ押圧手段と、
前記研磨テープを冷却するための冷却手段と、を備えることを特徴とするバーニッシュ加工装置
【請求項5】
前記冷却手段が、冷却ガスの噴出ノズルであることを特徴とする請求項4に記載のバーニッシュ加工装置。
【請求項6】
前記冷却ガスが、炭酸ガスであることを特徴とする請求項5に記載のバーニッシュ加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−138580(P2011−138580A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−296886(P2009−296886)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】