パイプ・セグメントを分離し試験する装置
【課題】内径を有するパイプのセグメントの完全性を試験する試験プラグ組立体を提供する。
【解決手段】互いに向かい合う面を有しており、環状凹部、一対のボス、隣接するボスと環状面との間にそれぞれ並置されるようになされた一対の弾性環状部材を外周上に形成する環状本体と、ボスをそれぞれ隣接する弾性環状部材に押し付け、弾性環状部材を、選択されたパイプ・セグメントの内径に摩擦係合させ、この内径を密閉する手段と、凹部、弾性環状部材、およびパイプの内径によって形成されたプレナムと組立体を介して連通する手段とを備える。
【解決手段】互いに向かい合う面を有しており、環状凹部、一対のボス、隣接するボスと環状面との間にそれぞれ並置されるようになされた一対の弾性環状部材を外周上に形成する環状本体と、ボスをそれぞれ隣接する弾性環状部材に押し付け、弾性環状部材を、選択されたパイプ・セグメントの内径に摩擦係合させ、この内径を密閉する手段と、凹部、弾性環状部材、およびパイプの内径によって形成されたプレナムと組立体を介して連通する手段とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイプ・セグメントを分離し試験する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体流システムを製造する際、そのシステムが石油化学製品などの液体を搬送するためのものであるか、あるいは天然ガスなどのガスを搬送するためのものであるか、あるいは場合によっては穀物加工業界で一般的に行われるように流動穀物を搬送するためのものであるかにかかわらず、導管またはパイプが広くかつ過剰に使用されている。製造の観点からは、パイプは有限な長さにしか製造できず、したがって、流体流搬送手段を構成するには様々な長さのパイプまたはエルボを連結しなければならない。これは、パイプの突合せ端部同士を溶接するか、あるいは突合せ端部をエルボなどに溶接するか、あるいはパイプの端部を突合せフランジに溶接し、一般に知られている手段により、たとえば、各突合せフランジの並置された各環状部分を貫通するボルトを使用することによって2つの突合せフランジを並置することによって行われる。一般に、このようなフランジはガスケットを密閉要素として動作可能に使用する。
【0003】
漏れがあるかどうかを判定するためにこのような溶接部を試験させることがますます望ましくなっている。特に、石油化学業界では、溶接部またはフランジとフランジとの任意の接合点から蒸発するかあるいは逃げる流体の量を、現在までの所、フランジとフランジまたは溶接部との接合点1つ当たりに、1年当たり約2リットルから1年当たり4分の1リットル未満である許容限界まで低減させる必要がある。石油化学プラントには数千個のこのような溶接部または突合せフランジがあることを考えると、それらのそれぞれを試験する作業は厄介でありコストがかかる。
【0004】
PCT出願PCT/CA96/00032号(特許文献1)は、発明者が本発明と同じであり、パイプ溶接部を試験する際に使用できる用具を備える発明を説明している。この発明の用具は、溶接部の内部に圧力を加えることによって溶接部を試験するように構成されている。この発明は、このような試験を行う効率的で正確な用具を提供するが、このようなPCT出願で開示された用具は、より小さな直径のチューブで使用するための構成としては不十分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】PCT国際公開公報WO 96/23204号
【発明の概要】
【0006】
本発明は、一態様では、内径を有するパイプの内面セグメントを分離または試験する装置であって、
a)互いに向かい合う環状面を有し、外周上に凹部を形成する環状本体と、
b)各ボスが、環状本体の両端部上に該端部に同軸に位置する、一対のボスと、
c)それぞれ各ボスと各環状面との間に同軸に並置されるようになされた一対の弾性環状部材と、
d)ボスをそれぞれ環状本体の方へ押し付け、それによって弾性部材を半径方向外側にパイプの内面に接触させて変形し、弾性部材と内面との間にシールを形成し、それによって、環状本体上の凹部とパイプ内面と弾性部材との間に密閉された環状空間を形成する手段と、
e)環状空間に流体を導入する第1のチャネルと、環境空間を真空排気するか、あるいは環状空間を所望の温度に維持する第2のチャネルとを備える、環状空間に流体を導入する手段と、
f)装置の両端部上のパイプの内部セグメント間の連通を可能にし、それによって、装置が使用されている間のパイプ内の圧力蓄積を防止するために、装置を貫通して延びるベントと、を備えており、
装置が、環状本体および一対のボスを貫通して延びており、第1および第2の端部を有するボルトをさらに含み、一対のボスの第1のボスが、ボルトの第1の端部にしっかりと固定されており、押付け手段が、ボルトの第2の端部と協働するナットを備える装置を提供する。
【0007】
他の態様では、本発明は、内径を有するパイプの内面セグメントを分離または試験する装置であって、
a)互いに向かい合う環状面を有し、外周上に凹部を形成する環状本体と、
b)各ボスが、環状本体の両端部上に該端部に同軸に位置する、一対のボスと、
c)それぞれ各ボスと各環状面との間に同軸に並置されるようになされた一対の弾性環状部材と、
d)ボスをそれぞれ環状本体の方へ押し付け、それによって弾性部材を半径方向外側にパイプの内面に接触させて変形し、弾性部材と内面との間にシールを形成し、それによって、環状本体上の凹部とパイプ内面と弾性部材との間に密閉された環状空間を形成する手段と、
e)第1のチャネルが、環状空間に流体を導入し、第2のチャネルが、環状空間を真空排気するか、あるいは流体が環状空間を循環することを可能にし、それによって環状空間を所望の温度に維持する、第1および第2のチャネルを備える、環状空間に流体を導入する手段と、
f)装置の両端部上のパイプの内部セグメント間の連通を可能にし、それによって、装置が使用されている間のパイプ内の圧力蓄積を防止するために、装置を貫通して延びるベントと、を備えており、
装置が、環状本体および一対のボスを貫通して延びており、第1および第2の端部を有するパイプをさらに含み、一対のボスの第1のボスが、ボルトの第1の端部にしっかりと固定されており、押付け手段が、ボスと、ボルトと協働するナットとの間に延びている周方向に間隔を置いて配置された複数のボルトを備える装置を提供する。
【0008】
他の態様では、本発明は、内径を有するパイプのセグメントの内面を分離または試験する方法であって、
1)パイプ内のセグメントの所に前述の装置を位置決めする工程と、
2)ボスを環状本体の方へ押し付け、それによって、密閉された環状空間を形成する工程と、
3)流体を導入する手段を介して、圧力下で環状空間に流体を充填する工程と、
4)環状空間内に高圧力を確立する工程と、を含む方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】特に約3.5インチ(8.9cm)までのパイプ直径に適した、従来技術による試験プラグの組立斜視図である。
【図2】突合せフランジ・パイプと溶接部との接合箇所であって、完全性が試験されるところに、図1のプラグを仮設的に適用した状態を示す断面図である。
【図2A】密閉位置にあるプラグの管継手を示す図2と同じ図である。
【図2B】試験を示す図2および図2Aの断面図に直交する断面図である。
【図3】図2の線III−IIIに沿った断面図である。
【図4】約8インチ(20.3cm)までの大きな直径のパイプに特に適した、排気口を有するパイプ・プラグの代替実施形態の部分軸方向断面図である。
【図5】パイプ・フランジと溶接部との接合点の完全性を試験する試験シーケンスの部分断面図である。
【図6】プラグを貫通する中央キャビティを備え、特に内径が8インチ(20.3cm)以上のパイプを試験するようになされた、試験プラグの第3の実施形態の端面図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿った軸方向断面図である。
【図8】試験プラグの他の実施形態の径方向断面図であり、ここでは、一方の環状ボスがプラグの全内径をほぼ占有し、それゆえ円板状であり、同時に内部パイプ空間の圧力および内容物を監視するためのチャネルに連通する孔を設けており、反対側のボスが環状である。
【図8A】溶接部を焼きなます焼きなまし工程を示し、試験プラグが仮想線で示されている、図8のフランジと溶接パイプとの接合点の断面図である。
【図8B】図8の詳細な断面図である。
【図9】円板状ボスが孔を有さず、大きな内径、たとえば、54インチ(137.2cm)以上の内径を有するパイプに特に適したブレース構造によって支持される、図8の試験プラグの他の実施形態の、図10のIX−IX線に沿った径方向断面図である。
【図10】図9の試験プラグの設置後の端面図である。
【図11】単一ボルト用具の側面図である。
【図12】マルチボルト用具の側面図である。
【図13a】静水圧応用例のパイプにおけるマルチボルト用具の断面図である。
【図13b】流体力学応用例のパイプにおけるマルチボルト用具の断面図である。
【図14】図14aは、マルチボルト用具の側面図である。図14bは、図14aの一部を示す図である。図14cは、図14aの一部の正面図である。図14dは、図14aの一部の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、一例として添付の図面を参照して本発明を説明する。
【0011】
図1および図2を参照すると、従来技術の試験プラグが全体的に(10)として示されており、この試験プラグは、フランジ(31)と溶接部(30)とパイプ(32)との接合点のような溶接不連続部(30)の完全性を試験するのに適している。フランジ(31)は一般に、以下に明らかになるように突合せフランジであり、パイプまたは導管(32)は一般に、約18インチ(45.7cm)までの直径を有している。溶接不連続部(30)はフランジ(31)をパイプ(32)の端部に保持し、このフランジに次のパイプ・ランの対応するフランジをボルト止めし、各フランジ(31)の各突合せ環状表面(33)を並置できるようにする溶接部である。最初に、溶接接合点の完全性が判定され、すなわち、石油化学環境などへの応用時に導管(32)を通過する流体の漏れを生じさせる可能性のある見えない亀裂または孔があるかどうかが判定される。ボルト止めされたフランジ間接合点も、他のパイプ不連続部と同様に試験することができる。
【0012】
第1の実施形態では、プラグ(10)は、一体的なシャフト構成要素(14)を形成するように一端においてねじ付きシャンク(12)を有し他端において内部ボス、プラグ、または円板(13)を有する円筒状シャフト(11)を含む。円板(13)は、図のように、面取りされるかまたは円錐台状の内周面(13’)を有している。シャフト(11)は、後述のように試験中に圧力媒体として働く水圧源と内部ボアを連通させる取付け手段として働く、外側に広がる外側端部または遠位端(16)と連通する内部ボア(15)を形成する。ボア(15)は、図2の仮想線および図2Bの断面図を見るとより明確にわかるように、シャフト(11)のほぼ中央に、シャフト(11)の長手方向軸に沿って延びており、シャフト(11)の外径面と連通する径方向に向けられたチャネル(17)と連通している。図2Bを参照されたい。
【0013】
シャフト(11)は、場合によっては環状体と呼ばれ、一般には(20)として参照され、シャフト(11)の外径よりも大きなサイズの内部ボア(21)を有しており、環状体(20)の中央部の外側を形成する段状の環状凹部(23)と内側ボア(21)を連通させる半径方向に配設された2つのチャネル(22)として図1および図2に示されている半径方向のボアを少なくとも有する環状片を通過するようになされている。環状体(20)の両端は、半径方向に突き出る一体的な円板(24)および(25)であり、これらの円板のそれぞれの円錐台状外側環状表面(24’)および(25’)は内側に中央から周囲に面取りされている。
【0014】
プラグ(10)の他の剛性の構成要素を完成するために、ねじ付きシャフト(12)が空間を維持しながら通過できるようにするために内側ボアがねじ付きシャフト(12)の外径よりも大きい環状体(26)であって、逆に面取りされた環状円錐状表面としての接合点(26’)を有しており、外面が、好ましくは内側ボアの長手方向軸に直交し、しかも、後述のように、より小さな弾性リング(R3)を収容するチャネル状レース(26r)を形成するようにこの空間と環状体の段状ボアとの間の接合点でわずかに大きな直径を有する段状ボアを有する環状体(26)がある。表面(26’)は、図2、図2A、および図2Bを見ると明らかであるように、「円錐台状」にすることもできる、逆に面取りされた環状円錐状表面である。
【0015】
環状カラー(27)の形の第2のボスは、内側ボアが、シャフト上にねじ込まれ上述のプラグのすべての構成要素を圧縮して1つの一体ユニットにするようになされたねじ付きユニット(28)とかみ合うために、ねじ付きシャフトを収容するようなサイズになっている。並置された面取り表面(13’)および(24’)間を環状に密閉できるように、弾性環状リング(R1)がある。同様に、円錐台状環状表面(25’)および(26’)間に並置された弾性環状リング(R2)と、環状レース(26r)に入れ子にされた弾性環状シール(R3)がある。環状レースの内径は、後述のように密閉ばめを実現するようにシャフト(11)の外径に摩擦係合するようなサイズになっている。
【0016】
接合点(30)の内径の完全性を試験できるように組み立てられたプラグ(10)をパイプ接合点に挿入するために、次に図2を参照するとわかるように、接合点(30)が、環状凹部(23)によって形成された領域を占有するかあるいはこの領域と連通する状態で、弛緩モードの組立て済みプラグがパイプ・フランジ内に配置される。ナット(28)が、図2Aに矢印で示されているように下向きに旋回され、それぞれの環状ベベル(13’)および(24’)がより近接するように押し付けられ、同様に、並置されたベベル(25’)および(26’)によって、それぞれの環状リング(R1)および(R2)が下向きにそれぞれの矢印(Ra)の方へ押される。同時に、矢印(F)の方向の流体がボア(15)に流入し、互いに反対側に配設された半径方向チャネル(17)によって、水流が、図2Bで(40)として参照されている領域に送られ、環状体(20)の半径方向チャネル(22)から流出し、パイプ・フランジ界面の内径内にプラグ(10)によって形成されている環状空間(S)に流入する。いくらかの流体は、空間またはプリナム(5)内の空気の初期パージング中に矢印(60)の方向に流れ、同時に、ナット(28)が下向きに矢印(50)の方向へ旋回され、結果的に空間(5)が密閉される。環状リング(R3)は、内部ボア(21)とシャフト外径(11)との間の環状空間(S)を分離し、水密環境を形成する。
【0017】
空間(5)内の水圧を高めるために追加の水圧が加えられる。静水圧装置(図示せず)によって空間(5)内の水圧を測定し、同時に、溶接部接合点(30)の外側を観察し、漏れが起こっていないかどうかを確認することができる。
【0018】
図1から図3の、9cmよりも大きな直径を持つ試験プラグは、作業者が運ぶには重すぎるので、約125cmまでのパイプ内径に特に適した図4および図5の実施形態において、この実施形態は、一端にある外部端部ボスまたは円板(42)と反対側の端部にあるねじ付き部分(43)とを有するシャフト(41)から成っており、シャフトと円板が中央ボア(44)を形成している。円板(42)は、「O」リング(R1)を収容するために、内側マージン(46’)が、面取りされた環状体になっている、環状端部円板(46)に(45)で溶接されている。環状リング(R2)を収容するために同様な内側環状ベベル(47’)を有する反対側の環状端部円板(47)があるが、円板(47)は、全体的に(50)として示されている流体流入・試験循環路を貫通させる孔(48)も有している。プラグ(40)は、シャフト(41)と、図のように試験循環路(50)と連通する流体充填チャネル(63)を含む外周レース(62)とを収容する内側ボア(61)を形成する環状片(60)を含む。このため、循環路(50)は、流体チャネルを円板(47)を通過させレース(62)と連通させるために、ボア(63)の外側端部によって形成された対応するねじ山(T)に遠位端端がねじ込まれかつ密閉可能にかみ合うねじ付きホース(51)を有している。ボア(44)は、一方を他方に密閉可能に取り付けるために所定の位置に配置された周囲の溶接部(30)と境を接するフランジ付きパイプにプラグ(40)が挿入されるときに内部パイプ(32)の通気を可能にする通気チャネルとして働く。図5を参照されたい。この図に示されているように、プラグ(40)の右側にあるあらゆるものを試験するために、(65)として参照されている第2の試験循環路を設けることも有利である。したがって、同じボア(44)が、プラグ(40)の挿入および取外し時にパイプ(33)の内部を通気する働きをし、あるいは必要に応じて、試験循環路(65)を利用することによって、パイプ(32)の内部を試験する第2の循環路を収容する。
【0019】
プラグ(40)、内部パイプ(32)、フランジ(31)および周方向溶接部(30)と境を接する空間(S)を試験する場合、好ましくは、ねじ付きホース(51)はボア(44)に対して垂直になるように位置決めされ、試験循環路(50)は、ホース(51)と連通する流体圧力計(P)と、スイッチ(V1)を有する通気弁(V)と、対応するスイッチ(H1)を有する流体制御弁(H)とを含む。弁の弁(H)を開き(H1)弁(V)を閉じる(V1)ことによって、水が周期的に弁(H)を通って空間(S)に流入し、空間(S)内の通気は、上方の矢印に従って弁(V)が通気されるように弁の位置(H1)および(V1)を逆にすることによって行われる。この循環は、空間(S)に水が満たされるまで行われ、次いで、圧力計(P)が周方向溶接シーム(30)に対する流体圧を記録し溶接シーム(30)の完全性を試験するために水が加圧される。
【0020】
図6および図7ならびに本発明の第3の実施形態を参照するとわかるように、この実施形態は、鏡端部環状ボスまたはプレート(81)と、外周レース(83)を有する環状体(82)とから成る環状プラグ(80)から成っている。環状プレート(81)および環状体(82)の互いに並置された面はそれぞれ、間に「O」リング(R1)および(R2)を設置できるように、図のように(81’)および(82’)で面取りされている。各環状円板(81)は、全体的に(85)として示されたナット・ボルト構造であって、一方の環状円板(81)の外面に(89)で溶接されたボルト・ヘッド(86)から成り、ボルト(85)の反対側の端部が、下向きに下にある座金(88)上に旋回させることのできるナット(87)に対応するねじ付きシャフト部(86)を有するナット・ボルト構造を通過させるように周方向に配設された複数の孔(84)を有している。環状体(82)は、必要に応じて8インチ(20.3cm)を超える直径を有する内部パイプ(32)に対応するように、円板(81)と同様に適切な直径を有することができる。
【0021】
環状体(82)は、環状体(82)自体を通って外側環状レース(83)に通じ、径方向に反対側に通気チャネル(90’)に通じる充填・圧力チャネル(90)を形成する。プラグ(80)を8インチ(20.3cm)を超える大径パイプに挿入し、試験すべきパイプとフランジとの接合点の内径に「O」リング(R1)および(R2)を押し付けるようにボルト(87)を締め付けることができる。レース(83)およびパイプ・フランジ接合点の内壁によって形成された空間(S)に液体媒体が導入され、同時に径方向に配設された通気チャネル(90”)から通気が行われる。接合点の試験が同様に行われる。
【0022】
特に環状プラグ(80)がスチール、またはステンレススチールなどのスチール合金で作られているときは環状プラグ(80)の重量が大きいので、各環状プレート(81)は、径方向で対になっており、ねじ付きボルト(98)に対応するねじ付きボア(97)を有する突出し(96)から成る、4つの調整ヘッド(95)を有しており、ねじ付きボルト(98)は、ねじ付きボアを貫通して延びており、プラグ(80)をパイプ(32)に同軸に配置するために遠位端がパイプ(32)の内径に接触して旋回するようになされている。次いで、ロッキング・ナットを下向きに旋回させ、図7に仮想線で示すように、各ボルト(98)を、試験中のパイプ(32)の内径に接触させてロックすることができる。その後、フランジ・ナット(87)が下向きに旋回させられ、「O」リング(R1)および(R2)に圧力が加わり、Oリングがパイプとフランジの接合点の内壁に接触して密閉され、したがって、環状空間(S)は密閉プレナムになる。空間(S)の流体充填は、上記で指摘したのと同様に行われ、前述のような圧力通気を行うことができる。環状体(20)、(60)、(82)の重量を削減するために環状体をアルミニウムで作ると好都合であり、ある種の応用例では、場合によってはボス(13)、(26)、(46)、(47)、(81)も適切なアルミニウム・ストックから作ることができるが、いくつかの応用例、特に穀物業界では、健康基準を満たすためにプラグ全体をステンレススチールで作る必要がある。
【0023】
次に、他の実施形態ならびに図8、図8A、および図8Bを参照するとわかるように、試験プラグ(190)は、分離・パイプ空間監視プラグとしても働き、環状ボス・フランジ(81)と、(65’)として参照されている監視導管と連通すると共に、フランジ(181)の左側のパイプ(32)の、(PS)として参照されている内部パイプ空間直径と連通する中央軸方向孔(182)を形成する円板の形の反対側の(環状)フランジ(181)とを有しており、この内部パイプ空間は、仮想線で(31)として示されたフランジをパイプ(32)の端部上に取り付けることが望ましい既存の装置内の流体搬送導管の長い連続的なパイプ空間であることが分かる。したがって、特にパイプ空間(PS)が導管の一部である、石油化学プラントにおける例では、まず内容物を排水しなければならない。それにもかかわらず、パイプ空間(PS)内に残留空中炭化水素があり、パイプ空間(PS)の内面壁にも埋め込まれている。このような既存のパイプ空間(PS)に対して溶接を行う際、現行の安全基準では、まずパイプ空間(SP)壁を洗浄する必要がある。これには費用がかかる。分離試験プラグ構成(190)を用いる場合、これは不要である。
【0024】
試験プラグ(190)は、それぞれ、ボス(81)および環状体(82)に押し付けられ、円板(181)および環状体(82)の反対側の端部に押し付けられる2つの「O」リング(R1)および(R2)を有しており、「O」リング(R1、R2)は、プレナム空間(S)として定義されているパイプの内壁に押し付けられる。水を導管(90)を通してプレナム空間(5)に流入させ、導管(90’)から流出させることによって、パイプ空間(S)に冷却水を挿入することができる。冷却水を使用する際、プラグ(190)の左側のパイプの温度によって、パイプは、パイプ空間(PS)内に存在する可能性のある炭化水素の不燃温度に維持される。ガス・モニタ(図示せず)または他の温度感応装置を試験循環路(65’)に右から左に押し込み、導管(182)を通してパイプ空間(PS)に押し込み、溶接部(30)が溶接されている間監視を行うことができる。
【0025】
溶接の後、プラグ(190)と同様な他のプラグ(290)が、パイプ(32)の内面上に、仮想線で示すように位置決めされ、(S290)として参照され「O」リング(R1)および(R2)によって形成された空間、環状体(82)、およびパイプ(32)と溶接部(30)とフランジ(31)との接合点の内径に適切な流体圧力を加えることによって溶接部(30)の完全性が試験される。この試験の全体にわたって、他の分離試験プラグ(190)を所定の位置に残すことができる。溶接部(30)の完全性が確認された後、いくつかの例では、溶接部(30)の応力を除去する必要もある。これは、(500)として参照されている環状応力除去ヒータを溶接部(30)の上に取り付けることによって行われ、このヒータはオーバーカバリング絶縁部(505)を有している。パイプと溶接部とフランジとの接合点(30、31、32)が焼きなまし温度まで加熱され、それに対して、水は依然としてチャネル(90)に流入してプラグ(190)のチャネル(90’)から流出し、そのため、水が満たされたプレナム(S)に並置されたパイプの冷却が維持され、プレナム(S)の左側のパイプ、特にパイプ空間(PS)へのパイプの冷却温度が維持される。ボス(81)同士の間のプラグの幅またはボス(81)と円板ボス(181)との間のプラグの幅が好ましくは約6インチ(15.2cm)であり、溶接部(30)からのプラグ(190)の位置が、安全上の理由で少なくとも約2’(0.61m)であるべきであることが判明している。石油化学応用例では、パイプ空間(PS)の通気および監視を実際に可能にする導管(65’)の遠位端は開放端にされ、プラグ(190)の物理的位置から少なくとも35’(10.7m)以上離れるべきである。導管(90)、(S)、(90’)を通る冷却水流は、約100Psig(6.8atm)の正圧であるべきである。
【0026】
フランジ、すなわち図8および図8Aにおける仮想線のフランジ(31)を配置する動作シーケンスは以下のとおりである。パイプ(32)およびパイプ空間(PS)からすべての炭化水素液体が排水され、次いで、プラグ(190)が前述のように所定の位置に配置され、次いで、水を導管(90)に流入させて導管(90’)から流出させることによって水が環状空間(S)に流入させられる。監視パイプまたはチューブ(65’)は、フランジ(190)の部位から少なくとも35フィート(10.7m)離れた位置まで延び、パイプ空間(PS)内の温度および揮発度を監視する(監視装置は図示されていない)。
【0027】
次いで、パイプ端部が適切に被覆された後、フランジ(31)が溶接部(30)によってパイプ(32)の端部に溶接される。プラグ(190)が所定の位置に配置された後、同様に構成された第2のプラグ(290)が、溶接部の内面上に位置決めされ、プラグ(190)の場合と同様に水が流入する試験プレナム(S290)が形成される、その後、フランジと溶接部とパイプとの接合点の完全性が判定される。その後、第2の試験プラグ(290)が取り外され、以下のように溶接部(30)の応力が除去される。次に、図8を参照すると、試験プラグ(190)が依然として所定の位置に配置されており、水は引き続き、それぞれのパイプ(90)および(90’)を介して空間(S)に流入すると共に空間(S)から流出している。溶接部(30)の外周上に環状ヒータ(500)が配置され、その上にオーバーカバリング環状絶縁スリーブ(505)が配置され、溶接部(30)がその焼きなまし温度まで加熱され、パイプと溶接部とフランジとの接合点の応力が除去される。焼きなまし工程の後、環状ヒータ(500)および絶縁環状体(505)が取り外され、溶接部が放冷され、次いで好都合な時間に、プラグ(190)を分解することができる。
【0028】
次に図9および図10ならびに試験プラグの他の実施形態を参照すると、この実施形態は全体的に(190’)として示されており、他のすべての参照符号は図8および図8Aの実施形態と同じである。円板ボス(181)は固体円板ボス(181’)と交換されており、内部パイプ空間の直径が、たとえば約54インチ(137cm)よりも大きいと、円板ボス(181’)に大きな圧力がかかり、円板ボス(181’)が膨らむ。したがって、支持円板(300)と、遠位端が、(310)でパイプ(32)の内径に溶接されており、かつ使用後に後述のように切り離すことのできる延ばされた環状パイプ・セグメント(320)によって形成されている、互いに直交方向に向けられ半径方向に配設された横木(302)および(304)を備える支持ベース構造(301)とを使用する必要がある。あるいは、図示していないが、横木をパイプの遠位端に溶接することができる。各横木(302)および(304)は、好ましくは図9および図10に示されているように一体である支持円板(300)まで延び支持円板(300)にしっかりと固定された、軸方向に向けられた支持要素(307)を有している。支持構造(301)は、円板ボス(181’)の表面と同一平面を形成する当接円板(300)によって支持を行う。試験プラグ(190’)は、図のように組み立てられパイプ(32)の内部空間(PS)内に取り付けられ、水が連通チャネルを通して環状空間(S)に流入させられる。この連通チャネルは、参照されていないが、図8に示すチャネル(90)および(90’)に類似するものと理解されたい。
【0029】
パイプ(32)が極端に長く、たとえば100m以上である場合、(HF)(高い力)として参照されている高圧力をボス(181’)面に対して2つの矢印の方向に生じさせることによって、試験プラグ(190’)の左側のパイプ(32)全体、すなわちパイプ空間PSを試験することができる。円板(181’)の湾曲は円板(300)および支持構造(301)によって抑制される。パイプ空間(PS)の完全性が「試験」された後、アセチレン・トーチなどによって支持構造(301)をパイプ(32)から切り離すことができ、支持構造(301)が取り外され、次いで、前述のように試験プラグ(190’)を分解することができ、あるいは必要に応じて、切断されたパイプ端部を被覆し、後述のように、溶接によってフランジを設けることができる。次いで、前述のように接合点に試験プラグ(190’)を並置することによって、パイプと溶接部とフランジとの接合点を試験することができる。
【0030】
図11は、直径が3/4インチから4インチ(1.9cmから10.2cm)のパイプに使用できる単一ボルト用具が示されている、本発明の他の実施形態を示している。この用具は、全体的に400で示されており、第1の端部、ねじ付きの第2の端部、および通し穴418を有する中央シャフト402を備えている。中央シャフト402は、後板401の中央に位置する穴419とボア418が同軸になるように、穴419を通して円板状後板401に固定されている。中央シャフト402の第1の端部の外径は穴419にぴったりとはまり、中央シャフト402は後板401の中央から概ね垂直に延びている。好ましい実施形態では、後板401と中央シャフト402は単体構造を構成している。
【0031】
シリンダ404と中央シャフト402との間にすきまができるように、中央シャフト402上にシリンダ404がスライド可能に取り付けられている。シリンダ404は、シリンダ404の周囲に連続する凹状チャネル417を含む。パイプと凹状チャネル417との間にキャビティが形成されている。少なくとも1つのチャネル405が、凹状チャネル417から、シリンダ404と中央シャフト402との間のすきま領域まで延びている。
【0032】
後板401とシリンダ404との間にシール403が位置しており、シリンダと前板407との間にシール406が位置している。シール403および406は好ましくは「O」リングを備えている。
【0033】
前板407およびスリーブ408を貫通してボアが延びている。前板407およびスリーブ408は中央シャフト402上に同軸に取り付けられている。前板407は、シール406に隣接する第1の端部と、スリーブ408に取り付けられた第2の端部とを備えている。前板407およびスリーブ408の内径と、シャフト402の外径との間にすきまが存在する。スリーブ408は、中央シャフト402の第2の端部の近傍に位置する入口409および出口416を含む。好ましい実施形態では、前板407およびスリーブ408は単体構造を構成している。
【0034】
スリーブ408に続いて、中央シャフト402の第2の端部の方向に移動すると、シール410の後に、圧縮座金411、圧縮スリーブ412、スリップ座金が配置され、最後にナット414が配置されている。中央シャフト402のねじ付きの第2の端部はナット414から突き出ている。
【0035】
動作時には、用具400がパイプの内部の所望の位置に配置される。次いで、ナット414が中央シャフト402上で締め付けられ、すべての構成要素がナット414と後板401との間にぴったりと挟み込まれる。後板401と前板407が互いに押し付けられると、シリンダ404の両側のシール403および406が外側に押され、パイプの内径に当接する。これによって、パイプの内側とシリンダ404との間にキャビティが形成される。次いで、水などの媒体が入口409に送り込まれる。キャビティは、その中に残っている空気がなくなるまで抽気される。流体動作が実行されている場合、水がキャビティ内に保持され加圧される。流体動作時には、水が連続的に入口409に送り込まれ、出口416から押し出される。
【0036】
図12を参照すると、4インチ(10.2cm)と8インチ(20.3cm)の間の直径を有するパイプに使用できる用具が示されている。
【0037】
用具は全体的に519で示されており、第1の端部、第2の端部、および通し穴515を有する通気パイプ513を備えている。通気パイプ513は、後板501の中央に位置する穴516とボア515が同軸になるように穴516を通して後板501に固定されている。通気パイプ513の外径は穴516にぴったりとはまり、通気パイプ513は後板501の中央から概ね垂直に延びている。
【0038】
一実施形態では、シリンダ503は、その周囲に連続する凹状チャネル514を有しており、通気パイプ513上に同軸に後板501に隣接して取り付けられている。シリンダ503は、それぞれ入口507および出口508に連結された充填口502および通気口511を含む。入口507および出口508は、凹状チャネル514と連通している。他の実施形態では、入口507および出口508を維持しながら凹状チャネル514を省略することができる。
【0039】
シリンダ503と後板501との間にバック・シール512が位置している。シリンダ503と前板504との間にフロント・シール510が位置している。
【0040】
前板504は通気パイプ513上に同軸にスライド可能に取り付けられている。
【0041】
前板504とナット518との間に圧縮座金509が位置している。用具組立体519を貫通してボルト506が延びており、各構成要素がしっかりと固定されている。
【0042】
動作時には、用具519がパイプの内部の所望の位置に配置される。次いで、ナット518が締め付けられ、すべての構成要素がナット518と後板510との間にぴったりと挟み込まれる。後板501と前板507が互いに押し付けられると、シリンダ503の両側のシール510および512が外側に押され、パイプの内径に当接する。これによって、パイプの内側とシリンダ503との間にキャビティが形成される。次いで、水などの媒体が入口507に送り込まれる。キャビティは、その中に残っている空気がなくなるまで抽気される。流体動作が実行されている場合、水がキャビティ内に保持され加圧される。流体動作時には、水が連続的に入口507に送り込まれ、出口508から押し出される。
【0043】
図14aを参照すると、8インチ(20.3cm)の直径を有するパイプで使用するのに適した用具の他の実施形態が全体的に600で示されている。
【0044】
図14cに示すフロント・リング604は、シリンダ603をそれ自体と、図14dに示す固体後板601との間に挟み込む。
【0045】
シリンダ603は中空であり、凹状チャネル614、充填口602、および通気口611を含む。充填口602と通気口611は凹状チャネル614と連通している。パイプと凹状チャネル614との間にキャビティが形成されている。ポート602および611はそれぞれ、入口および出口として働くパイプに連結されている。
【0046】
シリンダ603と後板601との間にバック・シール618が位置している。シリンダ603とフロント・リング604との間にフロント・シール619が位置している。
【0047】
図14dを参照するとわかるように、後板601は固体であり、図13aおよび図13bに示す通気パイプ616に連結された通気口613を備えている。
【0048】
用具組立体600は、ナット605およびボルト606ならびにナットとフロント・リング604との間の座金617を用いてしっかりと固定されている。
【0049】
動作時には、用具600がパイプの内部の所望の位置に配置される。次いで、ナット605が締め付けられ、すべての構成要素がナット605と後板601との間にぴったりと挟み込まれる。後板601とフロント・リング604が互いに押し付けられると、シリンダ603の両側のシール618および619が外側に押され、パイプの内径に当接する。これによって、パイプの内側とシリンダ603との間にキャビティが形成される。次いで、水などの媒体が入口620に送り込まれる。キャビティは、その中に残っている空気がなくなるまで抽気される。流体動作が実行されている場合、水がキャビティ内に保持され加圧される。流体動作時には、水が連続的に入口620に送り込まれ、出口621から押し出される。
【0050】
図11、図12および図14aの実施形態には、通気口が存在する。この通気口の目的は、パイプからいくらかの流体を逃がすことによって用具の後方での圧力蓄積を防止することである。健康および安全上の理由で流体がまったく逃げないことが必要である場合、たとえば、通気パイプ上に圧力計を配置することができる。この圧力計は2つの目的を果たし、すなわち、パイプを通る流れを遮断し、操作員が用具の後方の圧力を監視することを可能にする。
【0051】
図11、図12および図14aの実施形態は、静水圧応用例および流体力学応用例に使用することができる。図13aおよび図13bを参照すると、図11aの用具600が詳しく示されている。図13aは用具600の静水圧応用例を示している。図13bは用具600の流体力学応用例を示している。
【0052】
静水圧応用例では、媒体が用具に流入し、そこに保持され加圧される。静水圧応用例では、水が所望の圧力で用具を通って連続的に流れる。流体力学応用例は、たとえば溶接工程の隣りに用具が位置するときに、過度の熱が発生する場合に使用される。用具に冷水を送り込むか、あるいは液体窒素を使用して冷却効果を高めることができる。他のあらゆる種類の冷却流体を使用することもできる。液体窒素を使用する場合、用具が位置するパイプ部分の周りに絶縁ジャケットを使用する必要がある。
【0053】
図11、図12および図14aに示す用具の実施形態は、2つの異なる応用例、すなわち、溶接試験および分離に使用することができる。この2つの応用例について以下に概略的に説明する。
【0054】
溶接試験は、溶接部に亀裂があるかどうかを以下の方法を使用して判定することによって行われる。溶接試験の場合、用具は、試験される溶接部が2つの主シールの中央に位置するように設置される。後板に隣接するシールは、試験中の溶接部の後方に最小で1.5インチ(3.8cm)離れた位置に配置しなければならない。試験媒体が用具キャビティを適切に満たしかつ抽気を行うことを可能にするように、入口および出口は12時および6時の位置に配置しなければならない。マルチボルト用具の場合、トルク・レンチを使用して、圧縮ナットが、指定されたパターンおよび値になるように締め付けられる。単一ボルト用具の場合、ボルトは三日月形レンチを使用して締め付けられる。この種の用具上のボルトには常に手を届かせることができなければならず、したがって、用具を適切に位置決めすることが重要である。用具のキャビティを充填する場合、入口にホースを連結し、媒体が出口から滲み出るまで充填すべきである。
【0055】
分離は、溶接などの作業を実行すべき位置の上流側でパイプを通る流れを停止するために使用される。分離の場合、作業領域の上流側に十分な距離が維持されるように用具を設置すべきである。作業が行われた後、すべての分離圧縮ナットに手を届かせることができるようにする必要がある。媒体が用具キャビティを適切に満たしかつ抽気を行うことを可能にするように、入口および出口は12時および6時の位置に配置しなければならない。マルチボルト用具の場合、トルク・レンチを使用して、圧縮ナットが、指定されたパターンおよび値になるように締め付けられる。単一ボルト用具の場合、ボルトは三日月形レンチを使用して締め付けられる。この種の用具上のボルトには常に手を届かせることができなければならず、したがって、用具を適切に位置決めすることが重要である。用具のキャビティを充填する場合、入口にホースを連結し、媒体が出口から滲み出るまで充填すべきである。媒体が滲み出たときには、出口にホースを取り付けるべきである。次いで、圧力計が設置され、用具に圧力を加えられるように準備する。次いで、用具は、指定された値(150 lbs(10.2 atm))まで加圧される。加圧中に、用具の周りで漏れが起こっていないかについて目視検査を行うべきである。
【0056】
ある特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、当業者には、添付の請求の範囲に概略的に示された本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに様々な修正形態が明らかになろう。
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイプ・セグメントを分離し試験する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体流システムを製造する際、そのシステムが石油化学製品などの液体を搬送するためのものであるか、あるいは天然ガスなどのガスを搬送するためのものであるか、あるいは場合によっては穀物加工業界で一般的に行われるように流動穀物を搬送するためのものであるかにかかわらず、導管またはパイプが広くかつ過剰に使用されている。製造の観点からは、パイプは有限な長さにしか製造できず、したがって、流体流搬送手段を構成するには様々な長さのパイプまたはエルボを連結しなければならない。これは、パイプの突合せ端部同士を溶接するか、あるいは突合せ端部をエルボなどに溶接するか、あるいはパイプの端部を突合せフランジに溶接し、一般に知られている手段により、たとえば、各突合せフランジの並置された各環状部分を貫通するボルトを使用することによって2つの突合せフランジを並置することによって行われる。一般に、このようなフランジはガスケットを密閉要素として動作可能に使用する。
【0003】
漏れがあるかどうかを判定するためにこのような溶接部を試験させることがますます望ましくなっている。特に、石油化学業界では、溶接部またはフランジとフランジとの任意の接合点から蒸発するかあるいは逃げる流体の量を、現在までの所、フランジとフランジまたは溶接部との接合点1つ当たりに、1年当たり約2リットルから1年当たり4分の1リットル未満である許容限界まで低減させる必要がある。石油化学プラントには数千個のこのような溶接部または突合せフランジがあることを考えると、それらのそれぞれを試験する作業は厄介でありコストがかかる。
【0004】
PCT出願PCT/CA96/00032号(特許文献1)は、発明者が本発明と同じであり、パイプ溶接部を試験する際に使用できる用具を備える発明を説明している。この発明の用具は、溶接部の内部に圧力を加えることによって溶接部を試験するように構成されている。この発明は、このような試験を行う効率的で正確な用具を提供するが、このようなPCT出願で開示された用具は、より小さな直径のチューブで使用するための構成としては不十分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】PCT国際公開公報WO 96/23204号
【発明の概要】
【0006】
本発明は、一態様では、内径を有するパイプの内面セグメントを分離または試験する装置であって、
a)互いに向かい合う環状面を有し、外周上に凹部を形成する環状本体と、
b)各ボスが、環状本体の両端部上に該端部に同軸に位置する、一対のボスと、
c)それぞれ各ボスと各環状面との間に同軸に並置されるようになされた一対の弾性環状部材と、
d)ボスをそれぞれ環状本体の方へ押し付け、それによって弾性部材を半径方向外側にパイプの内面に接触させて変形し、弾性部材と内面との間にシールを形成し、それによって、環状本体上の凹部とパイプ内面と弾性部材との間に密閉された環状空間を形成する手段と、
e)環状空間に流体を導入する第1のチャネルと、環境空間を真空排気するか、あるいは環状空間を所望の温度に維持する第2のチャネルとを備える、環状空間に流体を導入する手段と、
f)装置の両端部上のパイプの内部セグメント間の連通を可能にし、それによって、装置が使用されている間のパイプ内の圧力蓄積を防止するために、装置を貫通して延びるベントと、を備えており、
装置が、環状本体および一対のボスを貫通して延びており、第1および第2の端部を有するボルトをさらに含み、一対のボスの第1のボスが、ボルトの第1の端部にしっかりと固定されており、押付け手段が、ボルトの第2の端部と協働するナットを備える装置を提供する。
【0007】
他の態様では、本発明は、内径を有するパイプの内面セグメントを分離または試験する装置であって、
a)互いに向かい合う環状面を有し、外周上に凹部を形成する環状本体と、
b)各ボスが、環状本体の両端部上に該端部に同軸に位置する、一対のボスと、
c)それぞれ各ボスと各環状面との間に同軸に並置されるようになされた一対の弾性環状部材と、
d)ボスをそれぞれ環状本体の方へ押し付け、それによって弾性部材を半径方向外側にパイプの内面に接触させて変形し、弾性部材と内面との間にシールを形成し、それによって、環状本体上の凹部とパイプ内面と弾性部材との間に密閉された環状空間を形成する手段と、
e)第1のチャネルが、環状空間に流体を導入し、第2のチャネルが、環状空間を真空排気するか、あるいは流体が環状空間を循環することを可能にし、それによって環状空間を所望の温度に維持する、第1および第2のチャネルを備える、環状空間に流体を導入する手段と、
f)装置の両端部上のパイプの内部セグメント間の連通を可能にし、それによって、装置が使用されている間のパイプ内の圧力蓄積を防止するために、装置を貫通して延びるベントと、を備えており、
装置が、環状本体および一対のボスを貫通して延びており、第1および第2の端部を有するパイプをさらに含み、一対のボスの第1のボスが、ボルトの第1の端部にしっかりと固定されており、押付け手段が、ボスと、ボルトと協働するナットとの間に延びている周方向に間隔を置いて配置された複数のボルトを備える装置を提供する。
【0008】
他の態様では、本発明は、内径を有するパイプのセグメントの内面を分離または試験する方法であって、
1)パイプ内のセグメントの所に前述の装置を位置決めする工程と、
2)ボスを環状本体の方へ押し付け、それによって、密閉された環状空間を形成する工程と、
3)流体を導入する手段を介して、圧力下で環状空間に流体を充填する工程と、
4)環状空間内に高圧力を確立する工程と、を含む方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】特に約3.5インチ(8.9cm)までのパイプ直径に適した、従来技術による試験プラグの組立斜視図である。
【図2】突合せフランジ・パイプと溶接部との接合箇所であって、完全性が試験されるところに、図1のプラグを仮設的に適用した状態を示す断面図である。
【図2A】密閉位置にあるプラグの管継手を示す図2と同じ図である。
【図2B】試験を示す図2および図2Aの断面図に直交する断面図である。
【図3】図2の線III−IIIに沿った断面図である。
【図4】約8インチ(20.3cm)までの大きな直径のパイプに特に適した、排気口を有するパイプ・プラグの代替実施形態の部分軸方向断面図である。
【図5】パイプ・フランジと溶接部との接合点の完全性を試験する試験シーケンスの部分断面図である。
【図6】プラグを貫通する中央キャビティを備え、特に内径が8インチ(20.3cm)以上のパイプを試験するようになされた、試験プラグの第3の実施形態の端面図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿った軸方向断面図である。
【図8】試験プラグの他の実施形態の径方向断面図であり、ここでは、一方の環状ボスがプラグの全内径をほぼ占有し、それゆえ円板状であり、同時に内部パイプ空間の圧力および内容物を監視するためのチャネルに連通する孔を設けており、反対側のボスが環状である。
【図8A】溶接部を焼きなます焼きなまし工程を示し、試験プラグが仮想線で示されている、図8のフランジと溶接パイプとの接合点の断面図である。
【図8B】図8の詳細な断面図である。
【図9】円板状ボスが孔を有さず、大きな内径、たとえば、54インチ(137.2cm)以上の内径を有するパイプに特に適したブレース構造によって支持される、図8の試験プラグの他の実施形態の、図10のIX−IX線に沿った径方向断面図である。
【図10】図9の試験プラグの設置後の端面図である。
【図11】単一ボルト用具の側面図である。
【図12】マルチボルト用具の側面図である。
【図13a】静水圧応用例のパイプにおけるマルチボルト用具の断面図である。
【図13b】流体力学応用例のパイプにおけるマルチボルト用具の断面図である。
【図14】図14aは、マルチボルト用具の側面図である。図14bは、図14aの一部を示す図である。図14cは、図14aの一部の正面図である。図14dは、図14aの一部の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、一例として添付の図面を参照して本発明を説明する。
【0011】
図1および図2を参照すると、従来技術の試験プラグが全体的に(10)として示されており、この試験プラグは、フランジ(31)と溶接部(30)とパイプ(32)との接合点のような溶接不連続部(30)の完全性を試験するのに適している。フランジ(31)は一般に、以下に明らかになるように突合せフランジであり、パイプまたは導管(32)は一般に、約18インチ(45.7cm)までの直径を有している。溶接不連続部(30)はフランジ(31)をパイプ(32)の端部に保持し、このフランジに次のパイプ・ランの対応するフランジをボルト止めし、各フランジ(31)の各突合せ環状表面(33)を並置できるようにする溶接部である。最初に、溶接接合点の完全性が判定され、すなわち、石油化学環境などへの応用時に導管(32)を通過する流体の漏れを生じさせる可能性のある見えない亀裂または孔があるかどうかが判定される。ボルト止めされたフランジ間接合点も、他のパイプ不連続部と同様に試験することができる。
【0012】
第1の実施形態では、プラグ(10)は、一体的なシャフト構成要素(14)を形成するように一端においてねじ付きシャンク(12)を有し他端において内部ボス、プラグ、または円板(13)を有する円筒状シャフト(11)を含む。円板(13)は、図のように、面取りされるかまたは円錐台状の内周面(13’)を有している。シャフト(11)は、後述のように試験中に圧力媒体として働く水圧源と内部ボアを連通させる取付け手段として働く、外側に広がる外側端部または遠位端(16)と連通する内部ボア(15)を形成する。ボア(15)は、図2の仮想線および図2Bの断面図を見るとより明確にわかるように、シャフト(11)のほぼ中央に、シャフト(11)の長手方向軸に沿って延びており、シャフト(11)の外径面と連通する径方向に向けられたチャネル(17)と連通している。図2Bを参照されたい。
【0013】
シャフト(11)は、場合によっては環状体と呼ばれ、一般には(20)として参照され、シャフト(11)の外径よりも大きなサイズの内部ボア(21)を有しており、環状体(20)の中央部の外側を形成する段状の環状凹部(23)と内側ボア(21)を連通させる半径方向に配設された2つのチャネル(22)として図1および図2に示されている半径方向のボアを少なくとも有する環状片を通過するようになされている。環状体(20)の両端は、半径方向に突き出る一体的な円板(24)および(25)であり、これらの円板のそれぞれの円錐台状外側環状表面(24’)および(25’)は内側に中央から周囲に面取りされている。
【0014】
プラグ(10)の他の剛性の構成要素を完成するために、ねじ付きシャフト(12)が空間を維持しながら通過できるようにするために内側ボアがねじ付きシャフト(12)の外径よりも大きい環状体(26)であって、逆に面取りされた環状円錐状表面としての接合点(26’)を有しており、外面が、好ましくは内側ボアの長手方向軸に直交し、しかも、後述のように、より小さな弾性リング(R3)を収容するチャネル状レース(26r)を形成するようにこの空間と環状体の段状ボアとの間の接合点でわずかに大きな直径を有する段状ボアを有する環状体(26)がある。表面(26’)は、図2、図2A、および図2Bを見ると明らかであるように、「円錐台状」にすることもできる、逆に面取りされた環状円錐状表面である。
【0015】
環状カラー(27)の形の第2のボスは、内側ボアが、シャフト上にねじ込まれ上述のプラグのすべての構成要素を圧縮して1つの一体ユニットにするようになされたねじ付きユニット(28)とかみ合うために、ねじ付きシャフトを収容するようなサイズになっている。並置された面取り表面(13’)および(24’)間を環状に密閉できるように、弾性環状リング(R1)がある。同様に、円錐台状環状表面(25’)および(26’)間に並置された弾性環状リング(R2)と、環状レース(26r)に入れ子にされた弾性環状シール(R3)がある。環状レースの内径は、後述のように密閉ばめを実現するようにシャフト(11)の外径に摩擦係合するようなサイズになっている。
【0016】
接合点(30)の内径の完全性を試験できるように組み立てられたプラグ(10)をパイプ接合点に挿入するために、次に図2を参照するとわかるように、接合点(30)が、環状凹部(23)によって形成された領域を占有するかあるいはこの領域と連通する状態で、弛緩モードの組立て済みプラグがパイプ・フランジ内に配置される。ナット(28)が、図2Aに矢印で示されているように下向きに旋回され、それぞれの環状ベベル(13’)および(24’)がより近接するように押し付けられ、同様に、並置されたベベル(25’)および(26’)によって、それぞれの環状リング(R1)および(R2)が下向きにそれぞれの矢印(Ra)の方へ押される。同時に、矢印(F)の方向の流体がボア(15)に流入し、互いに反対側に配設された半径方向チャネル(17)によって、水流が、図2Bで(40)として参照されている領域に送られ、環状体(20)の半径方向チャネル(22)から流出し、パイプ・フランジ界面の内径内にプラグ(10)によって形成されている環状空間(S)に流入する。いくらかの流体は、空間またはプリナム(5)内の空気の初期パージング中に矢印(60)の方向に流れ、同時に、ナット(28)が下向きに矢印(50)の方向へ旋回され、結果的に空間(5)が密閉される。環状リング(R3)は、内部ボア(21)とシャフト外径(11)との間の環状空間(S)を分離し、水密環境を形成する。
【0017】
空間(5)内の水圧を高めるために追加の水圧が加えられる。静水圧装置(図示せず)によって空間(5)内の水圧を測定し、同時に、溶接部接合点(30)の外側を観察し、漏れが起こっていないかどうかを確認することができる。
【0018】
図1から図3の、9cmよりも大きな直径を持つ試験プラグは、作業者が運ぶには重すぎるので、約125cmまでのパイプ内径に特に適した図4および図5の実施形態において、この実施形態は、一端にある外部端部ボスまたは円板(42)と反対側の端部にあるねじ付き部分(43)とを有するシャフト(41)から成っており、シャフトと円板が中央ボア(44)を形成している。円板(42)は、「O」リング(R1)を収容するために、内側マージン(46’)が、面取りされた環状体になっている、環状端部円板(46)に(45)で溶接されている。環状リング(R2)を収容するために同様な内側環状ベベル(47’)を有する反対側の環状端部円板(47)があるが、円板(47)は、全体的に(50)として示されている流体流入・試験循環路を貫通させる孔(48)も有している。プラグ(40)は、シャフト(41)と、図のように試験循環路(50)と連通する流体充填チャネル(63)を含む外周レース(62)とを収容する内側ボア(61)を形成する環状片(60)を含む。このため、循環路(50)は、流体チャネルを円板(47)を通過させレース(62)と連通させるために、ボア(63)の外側端部によって形成された対応するねじ山(T)に遠位端端がねじ込まれかつ密閉可能にかみ合うねじ付きホース(51)を有している。ボア(44)は、一方を他方に密閉可能に取り付けるために所定の位置に配置された周囲の溶接部(30)と境を接するフランジ付きパイプにプラグ(40)が挿入されるときに内部パイプ(32)の通気を可能にする通気チャネルとして働く。図5を参照されたい。この図に示されているように、プラグ(40)の右側にあるあらゆるものを試験するために、(65)として参照されている第2の試験循環路を設けることも有利である。したがって、同じボア(44)が、プラグ(40)の挿入および取外し時にパイプ(33)の内部を通気する働きをし、あるいは必要に応じて、試験循環路(65)を利用することによって、パイプ(32)の内部を試験する第2の循環路を収容する。
【0019】
プラグ(40)、内部パイプ(32)、フランジ(31)および周方向溶接部(30)と境を接する空間(S)を試験する場合、好ましくは、ねじ付きホース(51)はボア(44)に対して垂直になるように位置決めされ、試験循環路(50)は、ホース(51)と連通する流体圧力計(P)と、スイッチ(V1)を有する通気弁(V)と、対応するスイッチ(H1)を有する流体制御弁(H)とを含む。弁の弁(H)を開き(H1)弁(V)を閉じる(V1)ことによって、水が周期的に弁(H)を通って空間(S)に流入し、空間(S)内の通気は、上方の矢印に従って弁(V)が通気されるように弁の位置(H1)および(V1)を逆にすることによって行われる。この循環は、空間(S)に水が満たされるまで行われ、次いで、圧力計(P)が周方向溶接シーム(30)に対する流体圧を記録し溶接シーム(30)の完全性を試験するために水が加圧される。
【0020】
図6および図7ならびに本発明の第3の実施形態を参照するとわかるように、この実施形態は、鏡端部環状ボスまたはプレート(81)と、外周レース(83)を有する環状体(82)とから成る環状プラグ(80)から成っている。環状プレート(81)および環状体(82)の互いに並置された面はそれぞれ、間に「O」リング(R1)および(R2)を設置できるように、図のように(81’)および(82’)で面取りされている。各環状円板(81)は、全体的に(85)として示されたナット・ボルト構造であって、一方の環状円板(81)の外面に(89)で溶接されたボルト・ヘッド(86)から成り、ボルト(85)の反対側の端部が、下向きに下にある座金(88)上に旋回させることのできるナット(87)に対応するねじ付きシャフト部(86)を有するナット・ボルト構造を通過させるように周方向に配設された複数の孔(84)を有している。環状体(82)は、必要に応じて8インチ(20.3cm)を超える直径を有する内部パイプ(32)に対応するように、円板(81)と同様に適切な直径を有することができる。
【0021】
環状体(82)は、環状体(82)自体を通って外側環状レース(83)に通じ、径方向に反対側に通気チャネル(90’)に通じる充填・圧力チャネル(90)を形成する。プラグ(80)を8インチ(20.3cm)を超える大径パイプに挿入し、試験すべきパイプとフランジとの接合点の内径に「O」リング(R1)および(R2)を押し付けるようにボルト(87)を締め付けることができる。レース(83)およびパイプ・フランジ接合点の内壁によって形成された空間(S)に液体媒体が導入され、同時に径方向に配設された通気チャネル(90”)から通気が行われる。接合点の試験が同様に行われる。
【0022】
特に環状プラグ(80)がスチール、またはステンレススチールなどのスチール合金で作られているときは環状プラグ(80)の重量が大きいので、各環状プレート(81)は、径方向で対になっており、ねじ付きボルト(98)に対応するねじ付きボア(97)を有する突出し(96)から成る、4つの調整ヘッド(95)を有しており、ねじ付きボルト(98)は、ねじ付きボアを貫通して延びており、プラグ(80)をパイプ(32)に同軸に配置するために遠位端がパイプ(32)の内径に接触して旋回するようになされている。次いで、ロッキング・ナットを下向きに旋回させ、図7に仮想線で示すように、各ボルト(98)を、試験中のパイプ(32)の内径に接触させてロックすることができる。その後、フランジ・ナット(87)が下向きに旋回させられ、「O」リング(R1)および(R2)に圧力が加わり、Oリングがパイプとフランジの接合点の内壁に接触して密閉され、したがって、環状空間(S)は密閉プレナムになる。空間(S)の流体充填は、上記で指摘したのと同様に行われ、前述のような圧力通気を行うことができる。環状体(20)、(60)、(82)の重量を削減するために環状体をアルミニウムで作ると好都合であり、ある種の応用例では、場合によってはボス(13)、(26)、(46)、(47)、(81)も適切なアルミニウム・ストックから作ることができるが、いくつかの応用例、特に穀物業界では、健康基準を満たすためにプラグ全体をステンレススチールで作る必要がある。
【0023】
次に、他の実施形態ならびに図8、図8A、および図8Bを参照するとわかるように、試験プラグ(190)は、分離・パイプ空間監視プラグとしても働き、環状ボス・フランジ(81)と、(65’)として参照されている監視導管と連通すると共に、フランジ(181)の左側のパイプ(32)の、(PS)として参照されている内部パイプ空間直径と連通する中央軸方向孔(182)を形成する円板の形の反対側の(環状)フランジ(181)とを有しており、この内部パイプ空間は、仮想線で(31)として示されたフランジをパイプ(32)の端部上に取り付けることが望ましい既存の装置内の流体搬送導管の長い連続的なパイプ空間であることが分かる。したがって、特にパイプ空間(PS)が導管の一部である、石油化学プラントにおける例では、まず内容物を排水しなければならない。それにもかかわらず、パイプ空間(PS)内に残留空中炭化水素があり、パイプ空間(PS)の内面壁にも埋め込まれている。このような既存のパイプ空間(PS)に対して溶接を行う際、現行の安全基準では、まずパイプ空間(SP)壁を洗浄する必要がある。これには費用がかかる。分離試験プラグ構成(190)を用いる場合、これは不要である。
【0024】
試験プラグ(190)は、それぞれ、ボス(81)および環状体(82)に押し付けられ、円板(181)および環状体(82)の反対側の端部に押し付けられる2つの「O」リング(R1)および(R2)を有しており、「O」リング(R1、R2)は、プレナム空間(S)として定義されているパイプの内壁に押し付けられる。水を導管(90)を通してプレナム空間(5)に流入させ、導管(90’)から流出させることによって、パイプ空間(S)に冷却水を挿入することができる。冷却水を使用する際、プラグ(190)の左側のパイプの温度によって、パイプは、パイプ空間(PS)内に存在する可能性のある炭化水素の不燃温度に維持される。ガス・モニタ(図示せず)または他の温度感応装置を試験循環路(65’)に右から左に押し込み、導管(182)を通してパイプ空間(PS)に押し込み、溶接部(30)が溶接されている間監視を行うことができる。
【0025】
溶接の後、プラグ(190)と同様な他のプラグ(290)が、パイプ(32)の内面上に、仮想線で示すように位置決めされ、(S290)として参照され「O」リング(R1)および(R2)によって形成された空間、環状体(82)、およびパイプ(32)と溶接部(30)とフランジ(31)との接合点の内径に適切な流体圧力を加えることによって溶接部(30)の完全性が試験される。この試験の全体にわたって、他の分離試験プラグ(190)を所定の位置に残すことができる。溶接部(30)の完全性が確認された後、いくつかの例では、溶接部(30)の応力を除去する必要もある。これは、(500)として参照されている環状応力除去ヒータを溶接部(30)の上に取り付けることによって行われ、このヒータはオーバーカバリング絶縁部(505)を有している。パイプと溶接部とフランジとの接合点(30、31、32)が焼きなまし温度まで加熱され、それに対して、水は依然としてチャネル(90)に流入してプラグ(190)のチャネル(90’)から流出し、そのため、水が満たされたプレナム(S)に並置されたパイプの冷却が維持され、プレナム(S)の左側のパイプ、特にパイプ空間(PS)へのパイプの冷却温度が維持される。ボス(81)同士の間のプラグの幅またはボス(81)と円板ボス(181)との間のプラグの幅が好ましくは約6インチ(15.2cm)であり、溶接部(30)からのプラグ(190)の位置が、安全上の理由で少なくとも約2’(0.61m)であるべきであることが判明している。石油化学応用例では、パイプ空間(PS)の通気および監視を実際に可能にする導管(65’)の遠位端は開放端にされ、プラグ(190)の物理的位置から少なくとも35’(10.7m)以上離れるべきである。導管(90)、(S)、(90’)を通る冷却水流は、約100Psig(6.8atm)の正圧であるべきである。
【0026】
フランジ、すなわち図8および図8Aにおける仮想線のフランジ(31)を配置する動作シーケンスは以下のとおりである。パイプ(32)およびパイプ空間(PS)からすべての炭化水素液体が排水され、次いで、プラグ(190)が前述のように所定の位置に配置され、次いで、水を導管(90)に流入させて導管(90’)から流出させることによって水が環状空間(S)に流入させられる。監視パイプまたはチューブ(65’)は、フランジ(190)の部位から少なくとも35フィート(10.7m)離れた位置まで延び、パイプ空間(PS)内の温度および揮発度を監視する(監視装置は図示されていない)。
【0027】
次いで、パイプ端部が適切に被覆された後、フランジ(31)が溶接部(30)によってパイプ(32)の端部に溶接される。プラグ(190)が所定の位置に配置された後、同様に構成された第2のプラグ(290)が、溶接部の内面上に位置決めされ、プラグ(190)の場合と同様に水が流入する試験プレナム(S290)が形成される、その後、フランジと溶接部とパイプとの接合点の完全性が判定される。その後、第2の試験プラグ(290)が取り外され、以下のように溶接部(30)の応力が除去される。次に、図8を参照すると、試験プラグ(190)が依然として所定の位置に配置されており、水は引き続き、それぞれのパイプ(90)および(90’)を介して空間(S)に流入すると共に空間(S)から流出している。溶接部(30)の外周上に環状ヒータ(500)が配置され、その上にオーバーカバリング環状絶縁スリーブ(505)が配置され、溶接部(30)がその焼きなまし温度まで加熱され、パイプと溶接部とフランジとの接合点の応力が除去される。焼きなまし工程の後、環状ヒータ(500)および絶縁環状体(505)が取り外され、溶接部が放冷され、次いで好都合な時間に、プラグ(190)を分解することができる。
【0028】
次に図9および図10ならびに試験プラグの他の実施形態を参照すると、この実施形態は全体的に(190’)として示されており、他のすべての参照符号は図8および図8Aの実施形態と同じである。円板ボス(181)は固体円板ボス(181’)と交換されており、内部パイプ空間の直径が、たとえば約54インチ(137cm)よりも大きいと、円板ボス(181’)に大きな圧力がかかり、円板ボス(181’)が膨らむ。したがって、支持円板(300)と、遠位端が、(310)でパイプ(32)の内径に溶接されており、かつ使用後に後述のように切り離すことのできる延ばされた環状パイプ・セグメント(320)によって形成されている、互いに直交方向に向けられ半径方向に配設された横木(302)および(304)を備える支持ベース構造(301)とを使用する必要がある。あるいは、図示していないが、横木をパイプの遠位端に溶接することができる。各横木(302)および(304)は、好ましくは図9および図10に示されているように一体である支持円板(300)まで延び支持円板(300)にしっかりと固定された、軸方向に向けられた支持要素(307)を有している。支持構造(301)は、円板ボス(181’)の表面と同一平面を形成する当接円板(300)によって支持を行う。試験プラグ(190’)は、図のように組み立てられパイプ(32)の内部空間(PS)内に取り付けられ、水が連通チャネルを通して環状空間(S)に流入させられる。この連通チャネルは、参照されていないが、図8に示すチャネル(90)および(90’)に類似するものと理解されたい。
【0029】
パイプ(32)が極端に長く、たとえば100m以上である場合、(HF)(高い力)として参照されている高圧力をボス(181’)面に対して2つの矢印の方向に生じさせることによって、試験プラグ(190’)の左側のパイプ(32)全体、すなわちパイプ空間PSを試験することができる。円板(181’)の湾曲は円板(300)および支持構造(301)によって抑制される。パイプ空間(PS)の完全性が「試験」された後、アセチレン・トーチなどによって支持構造(301)をパイプ(32)から切り離すことができ、支持構造(301)が取り外され、次いで、前述のように試験プラグ(190’)を分解することができ、あるいは必要に応じて、切断されたパイプ端部を被覆し、後述のように、溶接によってフランジを設けることができる。次いで、前述のように接合点に試験プラグ(190’)を並置することによって、パイプと溶接部とフランジとの接合点を試験することができる。
【0030】
図11は、直径が3/4インチから4インチ(1.9cmから10.2cm)のパイプに使用できる単一ボルト用具が示されている、本発明の他の実施形態を示している。この用具は、全体的に400で示されており、第1の端部、ねじ付きの第2の端部、および通し穴418を有する中央シャフト402を備えている。中央シャフト402は、後板401の中央に位置する穴419とボア418が同軸になるように、穴419を通して円板状後板401に固定されている。中央シャフト402の第1の端部の外径は穴419にぴったりとはまり、中央シャフト402は後板401の中央から概ね垂直に延びている。好ましい実施形態では、後板401と中央シャフト402は単体構造を構成している。
【0031】
シリンダ404と中央シャフト402との間にすきまができるように、中央シャフト402上にシリンダ404がスライド可能に取り付けられている。シリンダ404は、シリンダ404の周囲に連続する凹状チャネル417を含む。パイプと凹状チャネル417との間にキャビティが形成されている。少なくとも1つのチャネル405が、凹状チャネル417から、シリンダ404と中央シャフト402との間のすきま領域まで延びている。
【0032】
後板401とシリンダ404との間にシール403が位置しており、シリンダと前板407との間にシール406が位置している。シール403および406は好ましくは「O」リングを備えている。
【0033】
前板407およびスリーブ408を貫通してボアが延びている。前板407およびスリーブ408は中央シャフト402上に同軸に取り付けられている。前板407は、シール406に隣接する第1の端部と、スリーブ408に取り付けられた第2の端部とを備えている。前板407およびスリーブ408の内径と、シャフト402の外径との間にすきまが存在する。スリーブ408は、中央シャフト402の第2の端部の近傍に位置する入口409および出口416を含む。好ましい実施形態では、前板407およびスリーブ408は単体構造を構成している。
【0034】
スリーブ408に続いて、中央シャフト402の第2の端部の方向に移動すると、シール410の後に、圧縮座金411、圧縮スリーブ412、スリップ座金が配置され、最後にナット414が配置されている。中央シャフト402のねじ付きの第2の端部はナット414から突き出ている。
【0035】
動作時には、用具400がパイプの内部の所望の位置に配置される。次いで、ナット414が中央シャフト402上で締め付けられ、すべての構成要素がナット414と後板401との間にぴったりと挟み込まれる。後板401と前板407が互いに押し付けられると、シリンダ404の両側のシール403および406が外側に押され、パイプの内径に当接する。これによって、パイプの内側とシリンダ404との間にキャビティが形成される。次いで、水などの媒体が入口409に送り込まれる。キャビティは、その中に残っている空気がなくなるまで抽気される。流体動作が実行されている場合、水がキャビティ内に保持され加圧される。流体動作時には、水が連続的に入口409に送り込まれ、出口416から押し出される。
【0036】
図12を参照すると、4インチ(10.2cm)と8インチ(20.3cm)の間の直径を有するパイプに使用できる用具が示されている。
【0037】
用具は全体的に519で示されており、第1の端部、第2の端部、および通し穴515を有する通気パイプ513を備えている。通気パイプ513は、後板501の中央に位置する穴516とボア515が同軸になるように穴516を通して後板501に固定されている。通気パイプ513の外径は穴516にぴったりとはまり、通気パイプ513は後板501の中央から概ね垂直に延びている。
【0038】
一実施形態では、シリンダ503は、その周囲に連続する凹状チャネル514を有しており、通気パイプ513上に同軸に後板501に隣接して取り付けられている。シリンダ503は、それぞれ入口507および出口508に連結された充填口502および通気口511を含む。入口507および出口508は、凹状チャネル514と連通している。他の実施形態では、入口507および出口508を維持しながら凹状チャネル514を省略することができる。
【0039】
シリンダ503と後板501との間にバック・シール512が位置している。シリンダ503と前板504との間にフロント・シール510が位置している。
【0040】
前板504は通気パイプ513上に同軸にスライド可能に取り付けられている。
【0041】
前板504とナット518との間に圧縮座金509が位置している。用具組立体519を貫通してボルト506が延びており、各構成要素がしっかりと固定されている。
【0042】
動作時には、用具519がパイプの内部の所望の位置に配置される。次いで、ナット518が締め付けられ、すべての構成要素がナット518と後板510との間にぴったりと挟み込まれる。後板501と前板507が互いに押し付けられると、シリンダ503の両側のシール510および512が外側に押され、パイプの内径に当接する。これによって、パイプの内側とシリンダ503との間にキャビティが形成される。次いで、水などの媒体が入口507に送り込まれる。キャビティは、その中に残っている空気がなくなるまで抽気される。流体動作が実行されている場合、水がキャビティ内に保持され加圧される。流体動作時には、水が連続的に入口507に送り込まれ、出口508から押し出される。
【0043】
図14aを参照すると、8インチ(20.3cm)の直径を有するパイプで使用するのに適した用具の他の実施形態が全体的に600で示されている。
【0044】
図14cに示すフロント・リング604は、シリンダ603をそれ自体と、図14dに示す固体後板601との間に挟み込む。
【0045】
シリンダ603は中空であり、凹状チャネル614、充填口602、および通気口611を含む。充填口602と通気口611は凹状チャネル614と連通している。パイプと凹状チャネル614との間にキャビティが形成されている。ポート602および611はそれぞれ、入口および出口として働くパイプに連結されている。
【0046】
シリンダ603と後板601との間にバック・シール618が位置している。シリンダ603とフロント・リング604との間にフロント・シール619が位置している。
【0047】
図14dを参照するとわかるように、後板601は固体であり、図13aおよび図13bに示す通気パイプ616に連結された通気口613を備えている。
【0048】
用具組立体600は、ナット605およびボルト606ならびにナットとフロント・リング604との間の座金617を用いてしっかりと固定されている。
【0049】
動作時には、用具600がパイプの内部の所望の位置に配置される。次いで、ナット605が締め付けられ、すべての構成要素がナット605と後板601との間にぴったりと挟み込まれる。後板601とフロント・リング604が互いに押し付けられると、シリンダ603の両側のシール618および619が外側に押され、パイプの内径に当接する。これによって、パイプの内側とシリンダ603との間にキャビティが形成される。次いで、水などの媒体が入口620に送り込まれる。キャビティは、その中に残っている空気がなくなるまで抽気される。流体動作が実行されている場合、水がキャビティ内に保持され加圧される。流体動作時には、水が連続的に入口620に送り込まれ、出口621から押し出される。
【0050】
図11、図12および図14aの実施形態には、通気口が存在する。この通気口の目的は、パイプからいくらかの流体を逃がすことによって用具の後方での圧力蓄積を防止することである。健康および安全上の理由で流体がまったく逃げないことが必要である場合、たとえば、通気パイプ上に圧力計を配置することができる。この圧力計は2つの目的を果たし、すなわち、パイプを通る流れを遮断し、操作員が用具の後方の圧力を監視することを可能にする。
【0051】
図11、図12および図14aの実施形態は、静水圧応用例および流体力学応用例に使用することができる。図13aおよび図13bを参照すると、図11aの用具600が詳しく示されている。図13aは用具600の静水圧応用例を示している。図13bは用具600の流体力学応用例を示している。
【0052】
静水圧応用例では、媒体が用具に流入し、そこに保持され加圧される。静水圧応用例では、水が所望の圧力で用具を通って連続的に流れる。流体力学応用例は、たとえば溶接工程の隣りに用具が位置するときに、過度の熱が発生する場合に使用される。用具に冷水を送り込むか、あるいは液体窒素を使用して冷却効果を高めることができる。他のあらゆる種類の冷却流体を使用することもできる。液体窒素を使用する場合、用具が位置するパイプ部分の周りに絶縁ジャケットを使用する必要がある。
【0053】
図11、図12および図14aに示す用具の実施形態は、2つの異なる応用例、すなわち、溶接試験および分離に使用することができる。この2つの応用例について以下に概略的に説明する。
【0054】
溶接試験は、溶接部に亀裂があるかどうかを以下の方法を使用して判定することによって行われる。溶接試験の場合、用具は、試験される溶接部が2つの主シールの中央に位置するように設置される。後板に隣接するシールは、試験中の溶接部の後方に最小で1.5インチ(3.8cm)離れた位置に配置しなければならない。試験媒体が用具キャビティを適切に満たしかつ抽気を行うことを可能にするように、入口および出口は12時および6時の位置に配置しなければならない。マルチボルト用具の場合、トルク・レンチを使用して、圧縮ナットが、指定されたパターンおよび値になるように締め付けられる。単一ボルト用具の場合、ボルトは三日月形レンチを使用して締め付けられる。この種の用具上のボルトには常に手を届かせることができなければならず、したがって、用具を適切に位置決めすることが重要である。用具のキャビティを充填する場合、入口にホースを連結し、媒体が出口から滲み出るまで充填すべきである。
【0055】
分離は、溶接などの作業を実行すべき位置の上流側でパイプを通る流れを停止するために使用される。分離の場合、作業領域の上流側に十分な距離が維持されるように用具を設置すべきである。作業が行われた後、すべての分離圧縮ナットに手を届かせることができるようにする必要がある。媒体が用具キャビティを適切に満たしかつ抽気を行うことを可能にするように、入口および出口は12時および6時の位置に配置しなければならない。マルチボルト用具の場合、トルク・レンチを使用して、圧縮ナットが、指定されたパターンおよび値になるように締め付けられる。単一ボルト用具の場合、ボルトは三日月形レンチを使用して締め付けられる。この種の用具上のボルトには常に手を届かせることができなければならず、したがって、用具を適切に位置決めすることが重要である。用具のキャビティを充填する場合、入口にホースを連結し、媒体が出口から滲み出るまで充填すべきである。媒体が滲み出たときには、出口にホースを取り付けるべきである。次いで、圧力計が設置され、用具に圧力を加えられるように準備する。次いで、用具は、指定された値(150 lbs(10.2 atm))まで加圧される。加圧中に、用具の周りで漏れが起こっていないかについて目視検査を行うべきである。
【0056】
ある特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、当業者には、添付の請求の範囲に概略的に示された本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに様々な修正形態が明らかになろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内径を有するパイプの内側面のセグメントを分離または試験する装置であって、該装置は、
互いに反対に向いた環状面を有した環状本体であって、該環状本体が、前記パイプの内径よりも小さな外径を有した環状本体と、
一対のボスであって、各ボスが、前記環状本体の両端部において前記環状本体に同軸に配置された一対のボスと、
前記各ボスと前記各環状面との間にそれぞれ、同軸に、並置するように適合された一対の弾性環状部材と、
前記ボスをそれぞれ前記環状本体の方へ押付ける手段であって、それによって、前記パイプの内側面に対して、シールを形成するように、前記弾性環状部材を半径方向外側に変形させ、前記装置の使用時において、前記環状本体、前記パイプの内側面、及び前記弾性環状部材の間において、密閉された第1の環状空間を画定する押付け手段と、
第1の環状空間に流体を導入する手段であって、前記第1の環状空間に流体を導入する第1のチャネルと、前記第1の環状空間から空気を排出する、又は、前記第1の環状空間を介して前記流体を循環させる第2のチャネルとを備えた流体導入手段と、
前記装置の両端部において、前記パイプの前記セグメント間の連通を可能にするために、装置を貫通して延びるベントと、を備えており、
前記装置は、前記環状本体および前記一対のボスを貫通して延びたシャフトをさらに含み、該シャフトは第1および第2の端部を有し、前記一対のボスのうち第1のボスは、前記シャフトの第1の端部に固定されており、前記押付け手段は、前記シャフトの第2の端部に備えられており、
前記環状本体は、前記シャフト上にスライド可能に係合しており、前記装置の使用時には、前記シャフトと前記環状本体との間に、第2の環状空間が形成され、
前記第1及び第2のチャネルは、前記環状本体の半径方向に貫通して延びる開口を備えており、前記装置の使用時に、前記第1及び第2のチャネルが、前記第2の環状空間を、密閉された前記第1の環状空間に連通するようになっていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記シャフトは、前記環状本体および前記一対のボスと略同軸に延びていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ベントが、前記シャフトを貫通して長さ方向に延びているボアを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記一対のボスのうち第2のボスは、該装置に取り付けられるスリーブを含み、前記スリーブが、前記シャフトを覆いかつ前記環状本体から離れるように、延びている、請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記スリーブが、前記シャフトよりも大きな直径を有し、それによって、前記スリーブと前記シャフトとの間の空間が、前記第2の環状空間と連通しており、前記スリーブが、前記第2の環状空間に流体を導入し、かつ前記第2の環状空間を通気するための第1および第2のポートを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記押付け手段は、ナットを有しており、該ナットは、前記第2のボスと反対側の前記スリーブの端部を支持することを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
内径を有するパイプの内側面のセグメントを分離または試験する装置であって、該装置は、
互いに反対に向いた環状面を有した環状本体であって、該環状本体が、前記パイプの内径よりも小さな外径を有した環状本体と、
一対のボスであって、各ボスが、前記環状本体の両端部において前記環状本体に同軸に配置された一対のボスと、
前記各ボスと前記各環状面との間にそれぞれ、同軸に、並置するように適合された一対の弾性環状部材と、
前記ボスをそれぞれ前記環状本体の方へ押付ける手段であって、それによって、前記パイプの内側面に対して、シールを形成するように、前記弾性環状部材を半径方向外側に変形させ、前記装置の使用時において、前記環状本体、前記パイプの内側面、及び前記弾性環状部材の間において、密閉された第1の環状空間を画定する押付け手段と、
前記第1の環状空間に流体を導入する手段であって、前記第1の環状空間に流体を導入する第1のチャネルと、前記第1の環状空間から空気を排出する、又は、前記第1の環状本体を介して前記流体を循環させる第2のチャネルとを備えた流体導入手段と、
前記パイプの前記セグメント間の連通を可能にするために、前記装置の両端部において、装置を貫通して延びるベントと、を備えており、
前記環状本体および前記一対のボスを貫通して延びたシャフトであって、該シャフトは第1および第2の端部を有し、前記一対のボスのうち第1のボスは、前記シャフトの第1の端部に固定されており、前記押付け手段は、前記シャフトの第2の端部に備えられており、
前記一対のボスのうち第2のボスは、該ボスに取り付けられるスリーブを含み、前記スリーブが、前記シャフトの一部を覆うように延びており、かつ、前記押付け手段と前記第2のボスとの間に位置するものであり、前記スリーブの径が、前記シャフトの径よりも大きくなっており、それにより、前記スリーブと前記シャフトとの間に、第2の環状空間が形成されており、該第2の環状空間は、前記流体導入手段に連通しており、前記スリーブは、前記第2の環状空間内に流体を通過させるためのポートを含むことを特徴とする装置。
【請求項8】
前記シャフトは、前記環状本体および前記一対のボスと略同軸に延びていることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ベントが、前記シャフトを貫通して延びているボアを備えることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記環状本体が、前記シャフト上にスライド可能に係合されており、それによって、前記シャフトと前記環状本体との間に第3の環状空間が形成されており、前記第2および第3の環状空間が、相互に流体連通していることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1の環状空間と第3の環状空間とを流体連通するように、前記第1および第2のチャネルは、前記環状本体を半径方向に貫通して延びる開口を有していることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記押付け手段は、前記シャフトの前記第2の端部上のねじ部と協働するナットを備えることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項13】
前記ナットが、前記第2のボスの反対側にある前記スリーブの端部を支持することを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
内径を有するパイプのセグメントを試験する方法であって、
環状本体と、
前記環状本体の両端部に各ボスが配置された一対のボスと、
前記環状本体の端部と、前記ボスのそれぞれの間に、各弾性環状部材が位置付けられた一対の弾性環状部材と、
を備える装置を前記パイプ内に装填するステップと、
前記ボスを相互に向かって押付けて、それにより、前記弾性環状部材を変形させ、前記パイプ内に、前記環状本体と前記パイプの内面と前記弾性環状部材によって区画された第1の環状空間を形成するステップと、
前記環状本体を介してスライド可能に延びたシャフトを提供し、該シャフトと前記環状本体との間に第2の環状空間を形成するステップと、
前記第1及び第2の環状空間の間を連通するステップと、
前記環状本体の半径方向に延びた第1のチャネルを通じて前記第2の環状空間に流体を導入し、該流体を、前記第1の環状空間に送り、かつ前記第1の環状空間を充填するステップと、
前記第1の環状空間内の空気を、前記環状本体の半径方向に延びた第2のチャネルを通じて排出させるか、若しくは前記流体を前記第2のチャネルを通じて循環させるステップと、
前記第1の環状空間を加圧し、その圧力をモニタするステップと、を有する方法。
【請求項15】
請求項14に記載された方法において、前記装置の両端部に置かれた前記パイプの内部セグメント間でベントをする方法。
【請求項16】
請求項15に記載された方法において、前記シャフトの長さ方向に延びたボアを通じて、前記ベントをする方法。
【請求項1】
内径を有するパイプの内側面のセグメントを分離または試験する装置であって、該装置は、
互いに反対に向いた環状面を有した環状本体であって、該環状本体が、前記パイプの内径よりも小さな外径を有した環状本体と、
一対のボスであって、各ボスが、前記環状本体の両端部において前記環状本体に同軸に配置された一対のボスと、
前記各ボスと前記各環状面との間にそれぞれ、同軸に、並置するように適合された一対の弾性環状部材と、
前記ボスをそれぞれ前記環状本体の方へ押付ける手段であって、それによって、前記パイプの内側面に対して、シールを形成するように、前記弾性環状部材を半径方向外側に変形させ、前記装置の使用時において、前記環状本体、前記パイプの内側面、及び前記弾性環状部材の間において、密閉された第1の環状空間を画定する押付け手段と、
第1の環状空間に流体を導入する手段であって、前記第1の環状空間に流体を導入する第1のチャネルと、前記第1の環状空間から空気を排出する、又は、前記第1の環状空間を介して前記流体を循環させる第2のチャネルとを備えた流体導入手段と、
前記装置の両端部において、前記パイプの前記セグメント間の連通を可能にするために、装置を貫通して延びるベントと、を備えており、
前記装置は、前記環状本体および前記一対のボスを貫通して延びたシャフトをさらに含み、該シャフトは第1および第2の端部を有し、前記一対のボスのうち第1のボスは、前記シャフトの第1の端部に固定されており、前記押付け手段は、前記シャフトの第2の端部に備えられており、
前記環状本体は、前記シャフト上にスライド可能に係合しており、前記装置の使用時には、前記シャフトと前記環状本体との間に、第2の環状空間が形成され、
前記第1及び第2のチャネルは、前記環状本体の半径方向に貫通して延びる開口を備えており、前記装置の使用時に、前記第1及び第2のチャネルが、前記第2の環状空間を、密閉された前記第1の環状空間に連通するようになっていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記シャフトは、前記環状本体および前記一対のボスと略同軸に延びていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ベントが、前記シャフトを貫通して長さ方向に延びているボアを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記一対のボスのうち第2のボスは、該装置に取り付けられるスリーブを含み、前記スリーブが、前記シャフトを覆いかつ前記環状本体から離れるように、延びている、請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記スリーブが、前記シャフトよりも大きな直径を有し、それによって、前記スリーブと前記シャフトとの間の空間が、前記第2の環状空間と連通しており、前記スリーブが、前記第2の環状空間に流体を導入し、かつ前記第2の環状空間を通気するための第1および第2のポートを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記押付け手段は、ナットを有しており、該ナットは、前記第2のボスと反対側の前記スリーブの端部を支持することを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
内径を有するパイプの内側面のセグメントを分離または試験する装置であって、該装置は、
互いに反対に向いた環状面を有した環状本体であって、該環状本体が、前記パイプの内径よりも小さな外径を有した環状本体と、
一対のボスであって、各ボスが、前記環状本体の両端部において前記環状本体に同軸に配置された一対のボスと、
前記各ボスと前記各環状面との間にそれぞれ、同軸に、並置するように適合された一対の弾性環状部材と、
前記ボスをそれぞれ前記環状本体の方へ押付ける手段であって、それによって、前記パイプの内側面に対して、シールを形成するように、前記弾性環状部材を半径方向外側に変形させ、前記装置の使用時において、前記環状本体、前記パイプの内側面、及び前記弾性環状部材の間において、密閉された第1の環状空間を画定する押付け手段と、
前記第1の環状空間に流体を導入する手段であって、前記第1の環状空間に流体を導入する第1のチャネルと、前記第1の環状空間から空気を排出する、又は、前記第1の環状本体を介して前記流体を循環させる第2のチャネルとを備えた流体導入手段と、
前記パイプの前記セグメント間の連通を可能にするために、前記装置の両端部において、装置を貫通して延びるベントと、を備えており、
前記環状本体および前記一対のボスを貫通して延びたシャフトであって、該シャフトは第1および第2の端部を有し、前記一対のボスのうち第1のボスは、前記シャフトの第1の端部に固定されており、前記押付け手段は、前記シャフトの第2の端部に備えられており、
前記一対のボスのうち第2のボスは、該ボスに取り付けられるスリーブを含み、前記スリーブが、前記シャフトの一部を覆うように延びており、かつ、前記押付け手段と前記第2のボスとの間に位置するものであり、前記スリーブの径が、前記シャフトの径よりも大きくなっており、それにより、前記スリーブと前記シャフトとの間に、第2の環状空間が形成されており、該第2の環状空間は、前記流体導入手段に連通しており、前記スリーブは、前記第2の環状空間内に流体を通過させるためのポートを含むことを特徴とする装置。
【請求項8】
前記シャフトは、前記環状本体および前記一対のボスと略同軸に延びていることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ベントが、前記シャフトを貫通して延びているボアを備えることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記環状本体が、前記シャフト上にスライド可能に係合されており、それによって、前記シャフトと前記環状本体との間に第3の環状空間が形成されており、前記第2および第3の環状空間が、相互に流体連通していることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1の環状空間と第3の環状空間とを流体連通するように、前記第1および第2のチャネルは、前記環状本体を半径方向に貫通して延びる開口を有していることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記押付け手段は、前記シャフトの前記第2の端部上のねじ部と協働するナットを備えることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項13】
前記ナットが、前記第2のボスの反対側にある前記スリーブの端部を支持することを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
内径を有するパイプのセグメントを試験する方法であって、
環状本体と、
前記環状本体の両端部に各ボスが配置された一対のボスと、
前記環状本体の端部と、前記ボスのそれぞれの間に、各弾性環状部材が位置付けられた一対の弾性環状部材と、
を備える装置を前記パイプ内に装填するステップと、
前記ボスを相互に向かって押付けて、それにより、前記弾性環状部材を変形させ、前記パイプ内に、前記環状本体と前記パイプの内面と前記弾性環状部材によって区画された第1の環状空間を形成するステップと、
前記環状本体を介してスライド可能に延びたシャフトを提供し、該シャフトと前記環状本体との間に第2の環状空間を形成するステップと、
前記第1及び第2の環状空間の間を連通するステップと、
前記環状本体の半径方向に延びた第1のチャネルを通じて前記第2の環状空間に流体を導入し、該流体を、前記第1の環状空間に送り、かつ前記第1の環状空間を充填するステップと、
前記第1の環状空間内の空気を、前記環状本体の半径方向に延びた第2のチャネルを通じて排出させるか、若しくは前記流体を前記第2のチャネルを通じて循環させるステップと、
前記第1の環状空間を加圧し、その圧力をモニタするステップと、を有する方法。
【請求項15】
請求項14に記載された方法において、前記装置の両端部に置かれた前記パイプの内部セグメント間でベントをする方法。
【請求項16】
請求項15に記載された方法において、前記シャフトの長さ方向に延びたボアを通じて、前記ベントをする方法。
【図1】
【図2】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図14】
【図2】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図14】
【公開番号】特開2010−237224(P2010−237224A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142471(P2010−142471)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【分割の表示】特願2000−571230(P2000−571230)の分割
【原出願日】平成11年9月23日(1999.9.23)
【出願人】(505338556)カー−ベー インベストメンツ インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【分割の表示】特願2000−571230(P2000−571230)の分割
【原出願日】平成11年9月23日(1999.9.23)
【出願人】(505338556)カー−ベー インベストメンツ インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】
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