説明

パケット交換網を介してエラークリティカルなトラフィックを配信する方法および装置

本発明は、パケット交換網を介してエラークリティカルなトラフィックを配信する方法であって、− 特定のエラークリティカルなトラフィックペイロード(IPTV)を運搬する第1のデータパケットS1、特定のトラフィックペイロードを自己回復するためのFEC情報(FEC)を運搬する第2のデータパケットS2、および、特定のトラフィックペイロードの再伝送部(RET)を運搬する第3のデータパケットS3を識別するステップと、− 第1のデータパケットに第1のトラフィック優先度レベルP1を、第2のデータパケットに第2のトラフィック優先度レベルP2を、および、第3のデータパケットに第3のトラフィック優先度レベルP3を割り当てるステップと、− 前記パケット交換網を介して、第1の、第2のおよび第3のデータパケットをそれぞれのトラフィック優先度レベルに従って配信するステップとを備える、方法に関する。本発明による方法は、第1のおよび第3のトラフィック優先度レベルがベストエフォートトラフィック優先度レベルP0よりも高いスケジューリング優先順位をもち、一方で、第2のトラフィック優先度レベルがベストエフォートトラフィック優先度レベルよりも低いまたは同等のスケジューリング優先順位をもつことを特徴とする。本発明はまた、アクセスノード20またはサーバ30、40などのパケット交換網を介してエラークリティカルなトラフィックを配信するネットワークユニットに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パケット交換網を介して、IPTVトラフィックなどのエラークリティカルなトラフィックを配信する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パケット交換網は、それ自体は信頼できない、つまり、パケット交換網がパケットを遅らせない、壊さない、または損失しない、或いは誤った順番で配信することがないという保証を一切与えない。
【0003】
順方向誤り訂正(FEC)および再伝送は、パケット交換網を介して高信頼の通信を提供するための基本的エラー制御パラダイムである。
【0004】
再伝送は、失われたまたは破損したデータパケットの再送信であり:
− 受信情報の完全性をチェックする、チェックサム(または同様のもの)と、
− 肯定応答、即ち、何らかの戻りチャネルを介した受信機から送信機への明示的受信と、
− 紛失したまたは破損したパケットの再伝送(送信機または受信機によって開始される)、に依存する。
【0005】
再伝送は、もしあれば、各未処理のパケット(まだ肯定応答していない)のコピーが、さらなる再伝送のために送信側で保持されることを暗に示す。
【0006】
いくつかの形態の再伝送方式があるが、最も顕著には:
− 選択的再送(SACK):受信機が、どのパケット、メッセージまたはセグメントが正確に受信され、一方でどのパケットがされなかったかを送信機に明示的に通知する。
− 累積肯定応答:受信機が、パケット、メッセージまたはセグメントが正確に受信されたことを肯定応答し、肯定応答がすべての前のパケットもまた正確に受信されたことを暗に示す。転送制御プロトコル(TCP)は、累積肯定応答を使用する。
− 否定応答(NACK):受信機が、どのパケット、メッセージ、またはセグメントが不正確に受信され、従って再伝送されるべきであるかを送信機に明示的に通知する。
【0007】
再伝送は、エンドユーザのための受け入れ可能な経験品質(QoE)を達成するためには、相当な量のデータパケットがサーバ側でまたは中間ネットワークノードで保持される必要があるという点で、IPTVサービスなどのマルチキャスト伝送には不利である。再伝送キャッシュのサイズは、受信機から再伝送ユニットへの一往復時間(RTT)、および要求パケットが最終的に受信機に到達するのに必要となり得る再伝送の数(即ち、加入者が経験し得る雑音および/またはネットワーク環境)に依存する。通常は、ビデオ情報の最後の100−200ミリ秒(約50から100データパケット)が、ありとあらゆるブロードキャストされるチャネルについてキャッシュされる必要がある。同様に、多数の加入者にサービスするためには、相当な量の専用ユニキャスト通信リソースが、パケット再伝送にプロビジョニングされる必要がある。加入者およびチャネルの数が増えるとき、明らかに、かかる解決法はスケーラブルではない。
【0008】
FECは、情報データへの冗長データの追加である。これは、いくらかのデータオーバヘッドを使ってではあるが、受信機が単独で誤りを検出し訂正することを可能にする(ある範囲内で)。従って、FECは、再伝送が比較的費用のかかるまたは不可能である状況に適用される。
【0009】
FECの2つの主要なカテゴリは、Reed Solomon(RS)、Golay、Bose and Ray−Chaudhuri(BCH)およびハミングコードなどのブロックコーディングと重畳コーディングとである。誤り訂正の最新の開発は、ターボコーディング、2つ以上の比較的単純な重畳コードおよびインタリーバを結合させてShanon限界のデシベル内に実行することができるブロックコードを形成する仕組み、である。
【0010】
FECは、受け入れ可能なQoEを達成するために相当な量のデータオーバヘッドが必要とされるという点で不利である。
【0011】
IPTVサービスについては、ユーザは、IPTVストリームに加えて、FECストリームに加入することができる。両方のストリームは通常は、共同で時間内に配信されるために同じ高いスケジューリング優先度を割り当てられ、それによってラストマイルでの対応するチャネル帯域幅のプロビジョニングを要求し、チャネル帯域幅がインターネットブラウジングなどの同時の低優先度のサービスによって使用されることを阻む。
【0012】
再伝送とFECエラー保護の両方を結合させるハイブリッド解決策が、時には好ましい。FECコードが破られたとき、再伝送サーバが引き継いで、誤りのあるパケットを再伝送する。
【0013】
この組み合わせによる解決策は、必要な帯域幅の量および/または再伝送サーバの数を限定する。しかし、この現在のハイブリッド解では、FECは、ラストマイルで有意な量の帯域幅をやはり消費し、ラストマイル回線速度、他の同時のサービスによるラストマイルでの真に利用可能な帯域幅、およびエンドツーエンドパケット損失条件を考慮して、1ユーザあたりベースで通常は最適化されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
受け入れ可能なQoEを達成すると同時にIPTVのサービス到達範囲を改善することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
パケット交換網を介してエラークリティカルなトラフィックを配信する方法によって、本発明の目的は達成され、先行技術の前述の欠点は克服され、本方法は:
− 特定のエラークリティカルなトラフィックペイロードを運搬する第1のデータパケット、前記特定のトラフィックペイロードを自己回復するための順方向誤り制御FEC情報を運搬する第2のデータパケット、および、前記特定のトラフィックペイロードの再伝送部を運搬する第3のデータパケットを識別するステップと、
− 第1のトラフィック優先度レベルを前記第1のデータパケットに、第2のトラフィック優先度レベルを前記第2のデータパケットに、および、第3のトラフィック優先度レベルを前記第3のデータパケットに割り当てるステップと、
− 前記パケット交換ネットワークを介して、前記第1のデータパケット、前記第2のデータパケット、および前記第3のデータパケットを、それぞれのトラフィック優先度レベルに従って配信するステップとを含み、さらに
前記第1のトラフィック優先度レベルおよび前記第3のトラフィック優先度レベルがベストエフォートトラフィック優先度レベルよりも高いスケジューリング優先順位をもち、前記第2のトラフィック優先度レベルが前記ベストエフォートトラフィック優先度レベルよりも低いまたは同等のスケジューリング優先順位をもつことを特徴とする、方法。
【0016】
トラフィックペイロード、そのトラフィックペイロードを自己回復するためのFECコード、および再伝送されるペイロードが、明確なパケットフローにカプセル化され、高速インターネットトラフィッククラスとも称される、ベストエフォートトラフィッククラスに関して異なるスケジューリング優先度を割り当てられる。FECパケットは、ベストエフォートトラフィッククラスと比較してより低いまたは同等の優先順位でスケジュールされ、つまり、FECパケットは、ラストマイルに利用可能な帯域幅が十分ある場合にのみ配信される。FECパケットが配信されないまたは部分的にのみ配信される間にペイロードパケットが失われた場合、再伝送サーバが次に作動し、紛失したペイロードを再伝送する。再伝送パケットは、FECおよびベストエフォートパケットのうちのいくつかを押しのけるが、これはただ一時的(最高数百ミリ秒)であり、FEC回復可能でないパケット損失が生じたときのみである。
【0017】
IPTVサービスの次に、特定の回線でのサービス消費が低いとき、FECパケットは通過することになり、その特定のエンドユーザからの再伝送サーバ上の負荷はごくわずかになる。そのサービス消費が高いとき、再伝送サーバは(ほぼ)すべてのパケット損失保護サービスを提供することになる。
【0018】
結果として、再伝送サーバは軽減され、FECオーバヘッドのためのラストマイル帯域幅のうちのいくらかのプロビジョニングの必要はなく、従って、IPTVのサービス到達範囲を改善する。
【0019】
本発明による方法のさらなる一実施形態は、前記方法がさらに、特定のデータパケットが前記特定のトラフィックペイロードの特定の部分のスケジューリングの後の所定の時間よりも早くない伝送をスケジュールされることが期待される場合に、前記特定の部分を保護する前記第2のデータパケットの中から前記特定のデータパケットを棄てるステップを含むことを特徴とする。
【0020】
FECパケットは、ペイロードパケットよりも低い優先順位でスケジュールされるため、対応する部分が既に使われてしまったため、または、再伝送が既に要求されていたためかのいずれかで、ネットワーク輻輳のため、それらの到達が遅すぎる場合、それらを伝送することは無用になり得る。
【0021】
本実施形態はさらに、対応する出口キューがFECパケットと同じトラフィッククラスに属する他の同時のサービスのために開放されるため、有利である。
【0022】
本発明はまた、パケット交換網を介してエラークリティカルなトラフィックを配信するための、ネットワークユニットが:
− 特定のエラークリティカルなトラフィックペイロードを運搬する第1のデータパケット、前記特定のトラフィックペイロードを自己回復するための順方向誤り制御FEC情報を運搬する第2のデータパケット、および、前記特定のトラフィックペイロードの再伝送部を運搬する第3のデータパケットを識別するようになされた、トラフィック分類手段と、
− 第1のトラフィック優先度レベルを前記第1のデータパケットに、第2のトラフィック優先度レベルを前記第2のデータパケットに、および、第3のトラフィック優先度レベルを前記第3のデータパケットに割り当てるようになされた、トラフィック優先度割当て手段と、
− 前記パケット交換網を介して、前記第1のデータパケット、前記第2のデータパケット、および前記第3のデータパケットを、それぞれのトラフィック優先度レベルに従って、配信するようになされた、スケジューラと
を備え、前記第1のトラフィック優先度レベルおよび前記第3のトラフィック優先度レベルがベストエフォートトラフィック優先度レベルよりも高いスケジューリング優先順位をもち、前記第2のトラフィック優先度レベルが前記ベストエフォートトラフィック優先度レベルよりも低いまたは同等のスケジューリング優先順位をもつことを特徴とする、ネットワークユニット、に関する。
【0023】
ネットワークユニットは、中央局もしくは遠隔に配備されたキャビネットに置かれたデジタル加入者線アクセス多重化装置(DSLAM)などのアクセスノードでもよく、または、ビデオヘッドエンドおよび再伝送サーバなどの少なくとも1つのサーバに分散されてもよい。
【0024】
本発明によるネットワークユニットの実施形態は、本発明による方法の実施形態と一致する。
【0025】
以下の添付の図面とともに、以下の実施形態の説明を参照することによって、本発明の前述のおよび他の目的および特徴が明らかとなり、本発明自体が最もよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】パケット交換網を表す図である。
【図2】ラストマイルの第1のおよび第2のトラフィックリパーティションを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1には、IPベースのパケット交換網が見てとれ:
− イーサネット(登録商標)メトロポリタンエリアネットワーク(EMAN)10と、
− 特定の加入者usrlがそこに結合された、DSLAMなどのアクセスノード20と、
− 音声/ビデオブロードキャストチャネルを音声/ビデオ情報(またはペイロード)を運搬する第1のマルチキャストストリームS1およびマルチキャストストリームS1内の紛失したデータパケットを自己回復するためのFEC情報を運搬する第2のマルチキャストストリームS2にコード化するようになされた、さらに、それに加入する受信者(usr1を含む)へEMAN10を介して第1のおよび第2のマルチキャストストリームS1およびS2を配信するようになされた、ビデオヘッドエンド30と、
− 要求クライアント、ここではusr1、へ紛失したペイロードパケットを再伝送し、それによって第3のユニキャストストリームS3を生じるための再伝送サーバ40と、
− アクセスノード10(usr1を含む)に接続された加入者のためのIPゲートウェイとして動作する、エッジルータ50と、
− インターネット60との、要素を備える。
【0028】
EMAN10は、アクセスノード20、ビデオヘッドエンド30、再伝送サーバ40、およびエッジルータ50に結合される。エッジルータ50はさらに、インターネット60に結合される。
【0029】
ビデオヘッドエンド30および再伝送サーバ40は、ネットワークのさらに深くに位置付けられることができ、インターネットサービスプロバイダ(ISP)ネットワーク(図示せず)に、またはインターネット60に結合されることができる。
【0030】
アクセスノード20は、L2スイッチとして動作し、以下の顕著な機能ブロック(図示せず):
− 加入者ループに接続するためのラインターミネーションカード、
− EMAN10に接続するためのネットワークターミネーションカード、
− イーサネット(登録商標)スイッチファブリック、またはそのエミュレーション、
− ネットワークまたはラインターミネーションカードなどの部分を形成する、また、音声/ビデオペイロード(IPTV)を運搬する第1のデータパケットS1、音声/ビデオペイロード(FEC)を自己回復するためのFEC情報を運搬する第2のデータパケットS2、再伝送される音声/ビデオペイロード(RET)を運搬する第3のデータパケットS3、および、ベストエフォートサービス(BE)を運搬するデータパケットなどの他のデータパケットS0を入力ダウンストリームトラフィックと識別するようになされた、トラフィック分類手段、
− ラインターミネーションカードなどの部分を形成し、データパケットS0、S1、S2、およびS3にそれぞれの優先度コードポイント(PCP)P0、P1、P2およびP3でそれぞれタグ付け(再タグ付け)するようになされ、そのPCPが電気電子技術者協会(IEEE)の802.1Q規格に定義されるような仮想ローカルエリアネットワーク(VLAN)タグの部分を形成する3ビットフィールドであり、0(最も低い)から7(最も高い)のフレームスケジューリング優先度レベルを示す、フレームタグ付け手段(特許請求されているトラフィック優先度割当て手段として見なされなければならない)、
− ラインターミネーションカードの部分を形成する、加入者ループを介したダウンストリーム伝送についてそれらのPCPに従ってフレームをスケジューリングするようになされたスケジューラ、を備える。
【0031】
P0、P1、P2、およびP3は、PCPの正当なセット0−7の間で選択され、以下の式:
− 音声/ビデオパケットS1がベストエフォートパケットS0よりも高い優先順位でスケジューリングされることを意味する、P1>P0、
− FECパケットS2がベストエフォートパケットS0よりも低い(または別法として、同等の)優先順位でスケジュールされることを意味する、P2<P0(または別法として、P2=P0)、
− 再伝送パケットS3がベストエフォートパケットS0より高い優先順位でスケジュールされることを意味する、P3>P0(たとえば、P1>P3>P0、またはP3=P1>P0、またはP3>P1>P0)、を満たす。
【0032】
図2Aおよび2Bには、加入者usrlを接続し、それぞれ低いおよび高いサービス消費に対応する、加入者ループを介した第1のおよび第2のトラフィックリパーティションがある。
【0033】
異なるトラフィッククラスが、最も高い優先度トラフィッククラスを最上部にし、そして最も低い優先度トラフィッククラスを底部にして、描かれている。各トラフィッククラスの長方形の下の領域は、そのトラフィッククラスのトラフィックの量を表し、領域全体が加入者ループを介した合計の利用可能な帯域幅(図2Aの110を参照)を表し、一方で、網掛けの部分は残りの帯域幅(図2Aの120を参照)を表す。
【0034】
第1のおよび第2のトラフィックリパーティションは、加入者usrlの同一の雑音環境、即ち同一のパケット損失率、に相当すると仮定する。さらに、この率は、FEC訂正能力の制限内に留まると仮定する。
【0035】
図2Aで容易に分かるように、すべてのFECパケットは順序正しく配信されることができ、いくつかのペイロードパケットが、クロストークなどによって、紛失した場合、それらは次に回復可能である。このサービス消費レベルでは、再伝送サーバ40は依存されず、FECは(ほぼ)すべてのパケット損失保護サービスを提供する。
【0036】
さらに、図2Bには、ベストエフォートサービス消費がある一定のしきい値を超えて増えるとき、ますます多くのFECパケットが棄てられ(図2Bの130を参照)、加入者usrlは、もしあれば、紛失したペイロードパケットの回復のためにますますパケット再伝送に依存しなければならない。再伝送パケットは、FECオーバヘッドと比較して少量の利用可能な帯域幅110を占めるため、再伝送パケットは、非常に薄い領域(図2BのRETを参照)として図2Bに描かれている。このサービス消費レベルでは、再伝送サーバ40は、パケット損失保護サービスを引き継ぐ。
【0037】
本発明のさらなる実施形態では、アクセスノード20はさらに、それらの対応するペイロードが伝送された後にあまりに長時間保留であるFECパケットを棄てるためのフレーム放棄手段を備える。それを超えるとFECパケットは棄てられる、特定の待ち時間しきい値が、次に定義されることができる。
【0038】
本発明の一代替実施形態では、本発明によるトラフィック分類手段およびフレームタグ付け手段が、ビデオヘッドエンド30および再伝送サーバ40の部分を形成し、その場合にデータパケットS1、S2およびS3はEMAN10に入る前にそれぞれのPCPでタグ付けされ、アクセスノードはそれらをそれぞれの優先度に従ってスケジュールする。
【0039】
さらに本発明の一代替実施形態では、そのタグ付けは、IPヘッダ内のDSCP(Differentiated Service Code Point)フィールド、またはサービスタイプ(ToS)フィールドを用いて、L3で実行され、アクセスノード20は、それぞれのL3優先度タグに従ってIPデータグラムをスケジュールする、L3デバイスとして動作する。
【0040】
さらに本発明の一代替実施形態では、フレームタグ付けはないが、フレームは分類結果に応じてそれぞれの出口キューの中へプッシュされ、各出口キューが特定のスケジューリング優先度に対応する。この実施形態は、具体的には、ネットワーク輻輳が起きる可能性がより高い、ラストマイルなどのネットワークの一部でのみトラフィックに優先順位を付けるのに有用である。この実施形態は、有利には、アクセスノードに実装されることになる。
【0041】
特許請求の範囲でも使用される、用語「備える」は、その後に記載される手段に限定されるものとして解釈されるべきではないことに留意されたい。従って、表現「手段AおよびBを備えるデバイス」の範囲は、構成要素AおよびBのみから成るデバイスに限定されるべきではない。それは、本発明に関して、デバイスの関連構成要素がAおよびBであることを意味する。
【0042】
特許請求の範囲でも使用される、用語「結合」は、直接接続のみに制限されるものとして解釈されるべきではないことにさらに留意されたい。従って、表現「デバイスBに結合されたデバイスA」は、デバイスAの出力がデバイスBの入力に直接接続されている、および/またはその逆に制限されるべきではない。それは、他のデバイスまたは手段を含む経路でもよい、Aの出力とBの入力および/またはその逆が存在することを意味する。
【0043】
本発明の実施形態が、機能ブロックに関して前述されている。前述のこれらのブロックの機能説明から、これらのブロックの実施形態がよく知られている電子部品を使用していかにして製造できるかが、電子デバイスを設計する当業者には明らかとなろう。従って、機能ブロックの内容の詳細な構造は記載されていない。
【0044】
本発明の原理が特定の装置に関して上記で説明されているが、この説明は、例としてのみ行われ、添付の特許請求の範囲に定義されるような、本発明の範囲への制限としてではないことが、明らかに理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケット交換網を介してエラークリティカルなトラフィックを配信する方法であって、
− 特定のエラークリティカルなトラフィックペイロード(IPTV)を運搬する第1のデータパケット(S1)、前記特定のトラフィックペイロードを自己回復するための順方向誤り制御FEC情報(FEC)を運搬する第2のデータパケット(S2)、および、前記特定のトラフィックペイロードの再伝送部(RET)を運搬する第3のデータパケット(S3)を識別するステップと、
− 第1のトラフィック優先度レベル(P1)を前記第1のデータパケットに、第2のトラフィック優先度レベル(P2)を前記第2のデータパケットに、および、第3のトラフィック優先度レベル(P3)を前記第3のデータパケットに割り当てるステップと、
− 前記パケット交換網を介して前記第1のデータパケット、前記第2のデータパケット、および前記第3のデータパケットを、それぞれのトラフィック優先度レベルに従って、配信するステップと
を備え、前記第1のトラフィック優先度レベルおよび前記第3のトラフィック優先度レベルがベストエフォートトラフィック優先度レベル(P0)よりも高いスケジューリング優先順位をもち、前記第2のトラフィック優先度レベルが前記ベストエフォートトラフィック優先度レベルよりも低いまたは同等のスケジューリング優先順位をもつことを特徴とする、方法。
【請求項2】
特定のデータパケットが前記特定のトラフィックペイロードの特定の部分のスケジューリング後の所定の時間よりも早くない伝送をスケジュールされることが期待される場合に、前記特定の部分を保護する前記第2のデータパケットの中から前記特定のデータパケットを棄てるステップをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
パケット交換網を介してエラークリティカルなトラフィックを配信するためのネットワークユニット(20、30、40)であって、
− 特定のエラークリティカルなトラフィックペイロード(IPTV)を運搬する第1のデータパケット(S1)、前記特定のトラフィックペイロードを自己回復するための順方向誤り制御FEC情報(FEC)を運搬する第2のデータパケット(S2)、および、前記特定のトラフィックペイロードの再伝送部(RET)を運搬する第3のデータパケット(S3)を識別するようになされた、トラフィック分類手段と、
− 第1のトラフィック優先度レベル(P1)を前記第1のデータパケットに、第2のトラフィック優先度レベル(P2)を前記第2のデータパケットに、および、第3のトラフィック優先度レベル(P3)を前記第3のデータパケットに割り当てるようになされた、トラフィック優先度割当て手段と、
− 前記パケット交換網を介して、前記第1のデータパケット、前記第2のデータパケット、および前記第3のデータパケットを、それぞれのトラフィック優先度レベルに従って、配信するようになされた、スケジューラと
を備え、前記第1のトラフィック優先度レベルおよび前記第3のトラフィック優先度レベルがベストエフォートトラフィック優先度レベル(P0)よりも高いスケジューリング優先順位をもち、前記第2のトラフィック優先度レベルが前記ベストエフォートトラフィック優先度レベルよりも低いまたは同等のスケジューリング優先順位をもつことを特徴とする、ネットワークユニット。
【請求項4】
アクセスノード(20)であることを特徴とする、請求項1に記載のネットワークユニット。
【請求項5】
少なくとも1つのサーバ(30、40)に分散されることを特徴とする、請求項1に記載のネットワークユニット。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−512584(P2012−512584A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541151(P2011−541151)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【国際出願番号】PCT/EP2009/008653
【国際公開番号】WO2010/069475
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】