説明

パケット受信装置およびパケット受信システム

【課題】無線区間の帯域を簡便に推定するための技術を提供する。
【解決手段】パケット受信装置20は、パケット生成手段とパケット送信手段とを備えるパケット送信装置10から解析用パケット群を受信するパケット受信手段と、解析用パケット群内において前後する解析用パケット間の受信時刻の差であるパケット受信間隔を算出するパケット受信間隔算出手段と、パケット受信間隔が所定時間以上である解析用パケット間を境界にして、解析用パケット群を構成する複数個の解析用パケットをグループ化するグループ化手段と、解析用パケットのパケットサイズに、グループ化手段によってグループ化された各グループを構成する解析用パケットの各構成個数のうちの最多の構成個数を乗じて、スロットサイズの推定値を算出するスロットサイズ推定値算出手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パケット受信装置およびパケット受信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークの通信品質指標の一つである物理帯域を推定する方式として、可変パケットサイズ方式(例えば、非特許文献1参照)とパケットペア方式(例えば、非特許文献2参照)とが提案されている。可変パケットサイズ方式は、様々なサイズのパケットを独立に送信しその振る舞いに基づいて物理帯域を推定する方式である。パケットペア方式は、連続したパケット(パケットペア)を送信し受信側でのパケット間隔に基づいて物理帯域を推定する方式である。両方式の技術は、ルータ/スイッチのFIFO(First In First Out)を基礎とする。また、利用可能な帯域を示す可用帯域を推定する方式として、PRM(Probe Rate Model)(例えば、非特許文献3参照)とPGM(Probe Gap Model)(例えば、非特許文献4参照)が提案されている。PRMでは、送信レートに対する受信レートの変動性に基づいて可用帯域を推定する。PGMでは、送信パケット間隔に対する受信パケット間隔の広がり具合に基づいて可用帯域を推定する。具体的には、PGMでは、パケットペアにより、様々なサイズ、ペア間隔でプローブパケットを送信しその結果から可用帯域を推定する
【0003】
ところで、一般に、移動体通信システムの基地局(制御装置)は、スロット単位でデータを移動局に送信する。また、基地局は、電波環境の良否などに左右される移動局における誤り率を許容範囲内に止めるため、誤り訂正機能の強度を変化させている。以上から、移動体通信システムにおいては、無線区間の1スロットあたりの送信ビット数は変化する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】V.Jacobson、“Pathchar:A Tool to Infer Characteristics of Internet Paths”、Apr.1997、[online]、[平成21年2月23日検索]、インターネット<URL:ftp://ftp.ee.lbl.gov/pathchar/>
【非特許文献2】C.Dovrolis,P.Ramanathan and D.Moore,“Packet-Dispersion Techniques and a Capacity-Estimation Methodology”IEEE/ACM Transactions on Networking,vol.12,no.6, pp.963--977,Dec.2004.
【非特許文献3】M.Jain and C.Dovrolis,“End-to-End Available Bandwidth:Meaurement Methodology,Dynamics,and Relation with TCP Throughput”ACM SIGCOMM,Aug.2002.
【非特許文献4】J.Strauss,D.Katabi and F.Kaashoek,“A Measurement Study of Available Bandwidth Estimation Tools”ACM IMC,Oct.2003.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、1スロットあたりの送信ビット数が変化する環境において、従来の物理帯域または可用帯域の推定方式を適用する場合、以下の問題がある。可変パケットサイズ方式の場合、多量のパケットを送信しなければならないという問題がある。可変パケットサイズ方式の場合、スロットサイズに対応するパケットサイズでそれぞれ伝送遅延の最小値を求め、物理帯域を推定するためである。パケットペア方式の場合、推定値の誤差が大きくなり易いという問題がある。パケットペア方式の場合、ランダムに選択した複数の値をパケットペアのパケットサイズに用いるため、スロットサイズにパケットサイズが一致するか否かで過小または過大推定が生じるからである。PRMの場合、網への負荷が大きく、リソースの限られている無線区間への適用は適しないという問題がある。PRMの場合、利用可能な帯域の限界迄、プローブパケットを送信しその結果から可用帯域を推定するためである。PGMの場合、推定値の精度が悪くなるという問題がある。PGMの場合、パケットレベルの送信間隔および受信間隔を用いるが、無線区間の制御の影響によって実際の送受信間隔は大きく影響を受けてしまうからである。
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであって、無線区間の帯域を簡便に推定するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題を解決するために、本発明の一態様であるパケット受信装置は、複数の解析用パケットから構成される解析用パケット群であってスロットサイズの最大値と解析用パケットのパケットサイズとに基づき決定した個数の解析用パケットから構成される解析用パケット群を生成するパケット生成手段と、解析用パケット生成手段によって生成された解析用パケット群を送信するパケット送信手段とを備えるパケット送信装置から解析用パケット群を受信するパケット受信手段と、パケット受信手段によって受信された解析用パケット群を構成する複数個の解析用パケットの各受信時刻に基づいて、解析用パケット群内において前後する解析用パケット間の受信時刻の差であるパケット受信間隔を算出するパケット受信間隔算出手段と、パケット受信間隔算出手段によって算出されたパケット受信間隔が所定時間以上である解析用パケット間を境界にして、解析用パケット群を構成する複数個の解析用パケットをグループ化するグループ化手段と、解析用パケットのパケットサイズに、グループ化手段によってグループ化された各グループを構成する解析用パケットの各構成個数のうちの最多の構成個数を乗じて、スロットサイズの推定値を算出するスロットサイズ推定値算出手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
上記パケット受信装置は、スロットサイズ推定値算出手段によって算出されたスロットサイズの推定値をスロットサイズの送信時間で除して、物理帯域の推定値を算出する物理帯域推定値算出手段を更に備えてもよい。
【0009】
上記パケット受信装置は、グループ化手段によってグループ化された各グループを構成する末尾の解析用パケット間の受信時刻の差で示すグループ受信間隔を算出するグループ受信間隔算出手段と、物理帯域推定値算出手段によって算出された物理帯域の推定値と、グループ受信間隔算出手段によって算出されたグループ受信間隔と、グループ化手段によってグループ化された各グループを構成する末尾の解析用パケット同士の送信時刻の差で示すグループ送信間隔とから、可用帯域の推定値を算出する可用帯域推定値算出手段を更に備えてもよい。
【0010】
上記パケット受信装置は、パケット受信手段によって受信された解析用パケット群を構成する複数個の解析用パケットの各送信時刻と各受信時刻とに基づいて、複数個の解析用パケットの各遅延時間を合計した合計遅延時間を算出する合計遅延時間算出手段を更に備え、パケット受信手段は、パケット送信装置から複数の解析用パケット群を受信し、パケット受信間隔算出手段は、パケット受信手段によって受信された複数の解析用パケット群のうち合計遅延時間算出手段によって算出された合計遅延時間が最も少ない解析用パケット群を構成する複数個の解析用パケットの各受信時刻に基づいて、合計遅延時間が最も少ない解析用パケット群内のパケット受信間隔を算出し、グループ化手段は、合計遅延時間が最も少ない解析用パケット群を構成する複数個の解析用パケットをグループ化し、スロットサイズ推定値算出手段は、解析用パケットのパケットサイズに、合計遅延時間が最も少ない解析用パケット群の各グループを構成する解析用パケットの各構成個数のうちの最多の構成個数を乗じて、スロットサイズの推定値を算出してもよい。
【0011】
上記パケット受信装置は、スロットサイズ推定値算出手段によって算出されたスロットサイズの推定値が異常値であるか否かを判断する異常値判断手段を更に備え、 パケット受信間隔算出手段は、異常値判断手段によってスロットサイズの推定値が異常値であると判断された場合、複数の解析用パケット群のうち合計遅延時間が次に少ない解析用パケット群を構成する複数個の解析用パケットの各受信時刻に基づいて、合計遅延時間が次に少ない解析用パケット群内のパケット受信間隔を算出し、グループ化手段は、合計遅延時間が次に少ない解析用パケット群を構成する複数個の解析用パケットをグループ化し、スロットサイズ推定値算出手段は、解析用パケットのパケットサイズに、合計遅延時間が次に少ない解析用パケット群の各グループを構成する解析用パケットの各構成個数のうちの最多の構成個数を乗じて、スロットサイズの推定値を算出するようにしてもよい。
【0012】
上記問題を解決するために、本発明の他の態様であるパケット送受信システムは、複数の解析用パケットから構成される解析用パケット群を送信するパケット送信装置と解析用パケット群を受信するパケット受信装置とから構成されるパケット送受信システムであって、パケット送信装置は、スロットサイズの最大値と解析用パケットのパケットサイズとに基づき決定した個数の解析用パケットから構成される解析用パケット群を生成するパケット生成手段と、解析用パケット生成手段によって生成された解析用パケット群を送信するパケット送信手段とを有し、パケット受信装置は、解析用パケット群を受信するパケット受信手段と、パケット受信手段によって受信された解析用パケット群を構成する複数個の解析用パケットの各受信時刻に基づいて、解析用パケット群内において前後する解析用パケット間の受信時刻の差であるパケット受信間隔を算出するパケット受信間隔算出手段と、パケット受信間隔算出手段によって算出されたパケット受信間隔が所定時間以上である解析用パケット間を境界にして、解析用パケット群を構成する複数個の解析用パケットをグループ化するグループ化手段と、解析用パケットのパケットサイズに、グループ化手段によってグループ化された各グループを構成する解析用パケットの各構成個数のうちの最多の構成個数を乗じて、スロットサイズの推定値を算出するスロットサイズ推定値算出手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、無線区間の帯域を簡便に推定することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態によるパケット送受信システム1の概略図である。
【図2】サーバ10および移動局装置20(21、22、23)のブロック図の一例である。
【図3】パケット解析部210の動作を説明するための図である。
【図4】移動局装置20の動作を示すフローチャートおよび移動局装置23の動作を示すフローチャートである。
【図5】パケット解析部211の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施形態によるパケット送受信システム1は、図1に示すように、サーバ10(本発明のパケット送信装置に相当する)および移動局装置20(本発明のパケット受信装置に相当する)から構成される。サーバ10は、有線ネットワーク8内に設置され、基地局装置30を介して、パケット受信装置20にパケットを送信するとともにパケット受信装置20からパケットを受信する。
【0016】
基地局装置30は、有線ネットワーク8と無線アクセス網9との境界に設置され、サーバ10、移動局装置20間のパケットを転送する。基地局装置30は、無線ネットワーク9(無線区間)において、スロット単位でパケットを移動局装置20に送信する。また、基地局装置30は、誤り訂正部を備え、移動局装置20における誤り率を許容範囲内にすべく、誤り訂正の強度を適宜変化させている。従って、無線ネットワーク9において、1スロットあたりの送信ビット数は適宜変化する。
【0017】
サーバ10は、図2(a)に示すように、パケット送受信部100(本発明のパケット送信手段を担当する)およびパケット生成部110(本発明のパケット生成手段を担当する)を備える。また、移動局装置20は、パケット送受信部200(本発明のパケット受信手段を担当する)およびパケット解析部210(本発明のパケット受信間隔算出手段、グループ化手段、スロットサイズ推定値算出手段および物理帯域推定値算出手段を担当する)を備える。
【0018】
サーバ10のパケット生成部110は、複数の解析用パケットから構成される解析用パケット群を生成する。パケット生成部110は、生成した解析用パケット群をパケット送受信部100に供給する。
【0019】
なお、解析用パケットは、移動局装置20にて解析されるパケットであって、パケット送受信システム1にて決定した固定サイズのパケットである。解析用パケットは、解析可能な最小のパケットサイズであることが好ましく、例えば、送信時刻の格納領域を有する最小のパケットサイズであることが好ましい。
【0020】
解析用パケット群を構成する解析用パケットの個数は、パケット送受信システム1にて決定した固定数である。具体的には、1スロットサイズの最大値と解析用パケットのパケットサイズとに基づいて当該個数を決定する。具体的には、解析用パケットの個数をM、1スロットサイズの最大値をSmax、解析用パケットのパケットサイズをPとするとき、次式(1)から個数Mを算出する。
【0021】
M=ceil(k×Smax/P)…(1)
但し、ceilは切り上げ処理に係る関数、kは係数である。
【0022】
また、無線ネットワーク9への負荷を考慮し、係数kの値としては2が好適である。つまり、サーバ10は、無線ネットワーク9への負荷を考慮し、解析用パケット群として、無線ネットワーク9における2スロット分の連続データを作成する。
【0023】
サーバ10のパケット送受信部100は、パケット生成部110から解析用パケット群を取得する。パケット送受信部100は、パケット生成部110から取得した解析用パケット群を移動局装置20に送信する。
【0024】
移動局装置20のパケット送受信部200は、サーバ10から解析用パケット群を受信する。パケット送受信部200は、サーバ10から受信した解析用パケット群をパケット解析部210に供給する。
【0025】
移動局装置20のパケット解析部210は、パケット送受信部200から解析用パケット群を取得する。パケット解析部210は、パケット送受信部200から取得した解析用パケット群を構成する複数個の解析用パケットの各受信時刻に基づいて、解析用パケット群内において前後する解析用パケット間の受信時刻の差であるパケット受信間隔を算出する。例えば、パケット解析部210は、図3(a)に示すように、パケット受信間隔Di(i=1,2,…,M−1)を算出する。なお、図3の例では、解析用パケット群を構成する解析用パケットの個数Mは8である。
【0026】
また、パケット解析部210は、算出したパケット受信間隔が所定時間以上である解析用パケット間を境界にして、解析用パケット群を構成する複数個の解析用パケットをグループ化する。例えば、パケット解析部210は、図3(b)に示すように、8個の解析用パケットを5つのグループ(グループA〜E)にグループ化する。また、パケット解析部210は、グループ化した各グループを構成する解析用パケットの各構成個数を算出する。例えば、図3(b)に示す例において、パケット解析部210は、グループAを構成する解析用パケットの構成個数「2」、グループBを構成する解析用パケットの構成個数「2」、グループCを構成する解析用パケットの構成個数「1」、グループDを構成する解析用パケットの構成個数「1」、および、グループEを構成する解析用パケットの構成個数「2」を算出する。
【0027】
また、パケット解析部210は、解析用パケットのパケットサイズに、グループ化した各グループを構成する解析用パケットの各構成個数のうちの最多の構成個数を乗じて、スロットサイズの推定値を算出する。具体的には、スロットサイズの推定値をS、解析用パケットのパケットサイズをP、最多の構成個数をmとするとき、次式(2)からスロットサイズの推定値Sを算出する。
【0028】
S=P×m…(2)
【0029】
また、パケット解析部210は、算出したスロットサイズの推定値をスロットサイズの送信時間で除して物理帯域の推定値を算出する。具体的には、物理帯域の推定値をB、スロットサイズの推定値をS、1スロットサイズの送信時間をT(既知)とするとき、次式(3)から物理帯域の推定値Bを算出する。
【0030】
B=S÷T…(3)
【0031】
以下、図4(a)を用いて移動局装置20の動作を説明する。図4(a)に示すフローチャートは、移動局装置20のパケット送受信部200がサーバ10から解析用パケット群を受信することにより開始する。なお、図4(a)に示すフローチャートにおいて、サーバ10は、8個の解析用パケットから構成される解析用パケット群を送信するものとする。
【0032】
パケット送受信部200から解析用パケット群を取得したパケット解析部210は、解析用パケット群を構成する8個の解析用パケットにおける7個のパケット受信間隔を算出する(ステップS100)。続いて、パケット解析部210は、パケット受信間隔が所定時間以上である解析用パケット間を境界にして、8個の解析用パケットをグループ化する(ステップS110)。なお、パケット解析部210は、8個の解析用パケットをグループA、グループBにグループ化したものとする。続いて、パケット解析部210は、グループ化した各グループを構成する解析用パケットの各構成個数を算出する(ステップS120)。なお、パケット解析部210は、グループAを構成する解析用パケットの構成個数「4」、および、グループBを構成する解析用パケットの構成個数「4」を算出したものとする。
【0033】
続いて、パケット解析部210は、解析用パケットのパケットサイズに、グループ化した各グループを構成する解析用パケットの各構成個数のうちの最多の構成個数を乗じて、スロットサイズの推定値を算出する(ステップS130)。具体的には、ステップS120において算出した最多の構成個数は4であるため、解析用パケットのパケットサイズを24バイトとした場合、パケット解析部210は、96バイト(24バイト×4)をスロットサイズの推定値として算出する。
【0034】
続いて、パケット解析部210は、スロットサイズの推定値をスロットサイズの送信時間で除して物理帯域の推定値を算出する(ステップS140)。具体的には、ステップS130において算出したスロットサイズの推定値は96バイトであるため、スロットサイズの送信時間を1.66ミリ秒とした場合、パケット解析部210は、48000(96×8÷0.0016ビット/秒)を物理帯域の推定値として算出する。そして図4(a)のフローチャートは終了する。
【0035】
以上、サーバ10および移動局装置20から構成されるパケット送受信システム1によれば、無線ネットワーク9の物理帯域を簡便に推定することができるようになる。即ち、パケット送受信システム1では、サーバ10および移動局装置20のエンドエンドを伝送する複数の解析用パケットの時間的な広がり具合に着目するが、当該時間的な広がり具合は、無線ネットワーク9の影響が支配的となるからである。
【0036】
なお、パケット送受信システム1は、図2(b)に示すように、サーバ10および移動局装置21(本発明のパケット受信装置に相当する)から構成されてもよい。即ち、パケット送受信システム1は、移動局装置20に代えて移動局装置21を備えてもよい。移動局装置21は、パケット送受信部200およびパケット解析部211(本発明のパケット受信間隔算出手段、グループ化手段、スロットサイズ推定値算出手段および物理帯域推定値算出手段、グループ受信間隔算出手段および可用帯域推定値算出手段を担当する)を備える。移動局装置21のパケット解析部211は、移動局装置20のパケット解析部210の機能に加え、以下の機能を備える。
【0037】
移動局装置21のパケット解析部211は、グループ化した各グループを構成する末尾の解析用パケット間の受信時刻の差で示されるグループ受信間隔を算出する。例えば、パケット解析部211は、図5に示すように、グループ受信間隔TGRi(i=1,2,…)を算出する。なお、iはグループ数であって、図5の例では、iは2である。同様に、移動局装置21のパケット解析部211は、グループ化した各グループを構成する末尾の解析用パケット間の送信時刻の差で示されるグループ送信間隔を算出する。例えば、パケット解析部211は、図5に示すように、グループ送信間隔TGSi(i=1,2,…)を算出する。なお、パケット解析部211は、解析用パケットの送信時刻については解析用パケット内の送信時刻の格納領域から取得する。
【0038】
また、パケット解析部211は、算出した物理帯域の推定値と算出したグループ受信間隔とグループ送信間隔とから、可用帯域の推定値を算出する。具体的には、可用帯域の推定値をA、物理帯域の推定値をB、グループ受信間隔TGRi、グループ送信間隔TGSiとするとき、次式(4)(5)から可用帯域の推定値Aを算出する。
【0039】
Ai=B×(1−(TGRi−TGSi)/TGSi)…(4)
A=(A、A、…、A、…、A)÷N…(5)
【0040】
また、次式(6)から可用帯域の推定値Aを算出してもよい。
【0041】
A=B×(1−(TGRave−TGSave)/TGSave)…(6)
但し、TGRaveはグループ受信間隔TGRiの平均値、TGSaveはグループ送信間隔TGSiの平均値である。
【0042】
なお、グループ内の解析用パケット数mが、m>Sである場合は、再送の影響を受けて正確なスロットサイズが算出できないため、当該グループを可用帯域の推定対象から除外することが好ましい。
【0043】
以上、サーバ10および移動局装置21から構成されるパケット送受信システム1によれば、無線ネットワーク(無線区間)の物理帯域および可用帯域を簡便に推定することができるようになる。
【0044】
また、パケット送受信システム1は、図2(c)に示すように、サーバ10および移動局装置22(本発明のパケット受信装置に相当する)から構成されてもよい。即ち、パケット送受信システム1は、移動局装置20または移動局装置21に代えて移動局装置22を備えてもよい。移動局装置22は、パケット送受信部200およびパケット解析部212(本発明のパケット受信間隔算出手段、グループ化手段、スロットサイズ推定値算出手段および物理帯域推定値算出手段、グループ受信間隔算出手段、可用帯域推定値算出手段および合計遅延時間算出手段を担当する)を備える。移動局装置22のパケット解析部212は、移動局装置21のパケット解析部211の機能に加え、以下の機能を備える。
【0045】
移動局装置22のパケット解析部212は、サーバ10から連続して送信された複数の解析用パケット群をパケット送受信部200から順次取得する。パケット解析部212は、解析用パケット群毎に、解析用パケット群を構成する複数個の解析用パケットの各送信時刻と各受信時刻とに基づいて、解析用パケット群を構成する複数個の解析用パケットの各遅延時間(各片方向遅延時間)を合計した合計遅延時間を算出する。各解析用パケット群の合計遅延時間を算出したパケット解析部212は、解析用パケット群に対応付けて合計遅延時間を一時記憶する。
【0046】
また、パケット解析部212は、複数の解析用パケット群(一時記憶した複数の解析用パケット群)のなかから、合計遅延時間が最も少ない解析用パケット群を選択する。クロストラヒックおよび無線区間での再送による影響をなるべく排除するためである。
【0047】
なお、パケット解析部212は、合計遅延時間が最も少ない解析用パケット群を選択した場合、当該合計遅延時間が最も少ない解析用パケット群内のパケット受信間隔を算出する。また、パケット解析部212は、合計遅延時間が最も少ない解析用パケット群内のパケット受信間隔を算出した場合、当該合計遅延時間が最も少ない解析用パケット群を構成する複数個の解析用パケットをグループ化する。また、パケット解析部212は、合計遅延時間が最も少ない解析用パケット群を構成する複数個の解析用パケットをグループ化した場合、解析用パケットのパケットサイズに、当該合計遅延時間が最も少ない解析用パケット群の各グループを構成する解析用パケットの各構成個数のうちの最多の構成個数を乗じて、スロットサイズの推定値を算出する。換言すれば、パケット解析部212は、合計遅延時間が最も少ない解析用パケット群を選択し、合計遅延時間が最も少ない解析用パケット群に基づいて、解析用パケット群内のパケット受信間隔を算出し、解析用パケットをグループ化し、スロットサイズの推定値を算出し、物理帯域の推定値を算出し、可用帯域の推定値を算出する。
【0048】
以上、サーバ10および移動局装置22から構成されるパケット送受信システム1によれば、無線ネットワーク9の物理帯域および可用帯域を簡便にかつより正確に推定することができるようになる。
【0049】
なお、パケット解析部212は、パケットロスが生じていない複数の解析用パケット群(即ち、当該解析用パケット群を構成する解析用パケットの全てがパケット受信部210に受信された解析用パケット群)のうち合計遅延時間が最も少ない解析用パケット群を選択してもよい。例えば、パケット解析部212は、パケットロスが生じていない解析用パケット群のみを対象として合計遅延時間を算出することによって、パケットロスが生じていない複数の解析用パケット群のうち合計遅延時間が最も少ない解析用パケット群を選択してもよい。移動局装置23のパケット解析部213(後述)についても同様である。
【0050】
また、パケット送受信システム1は、図2(d)に示すように、サーバ10および移動局装置23(本発明のパケット受信装置に相当する)から構成されてもよい。即ち、パケット送受信システム1は、移動局装置20、移動局装置21または移動局装置22に代えて移動局装置23を備えてもよい。移動局装置23は、パケット送受信部200およびパケット解析部213(本発明のパケット受信間隔算出手段、グループ化手段、スロットサイズ推定値算出手段および物理帯域推定値算出手段、グループ受信間隔算出手段、可用帯域推定値算出手段、合計遅延時間算出手段、異常値判断手段を担当する)を備える。移動局装置23のパケット解析部213は、移動局装置22のパケット解析部212の機能に加え、以下の機能を備える。
【0051】
合計遅延時間が最も少ない解析用パケット群に基づいてスロットサイズの推定値を算出したパケット解析部213は、当該推定値が異常値であるか否かを判断する。例えば、1スロットサイズの最大値をSmax、スロットサイズの推定値をS、解析用パケットのパケットサイズをPとするとき、次式(7)を満たす場合、推定値Sは異常値であると判断する。
【0052】
S−Smax>P…(7)
【0053】
パケット解析部213は、合計遅延時間が最も少ない解析用パケット群に基づいて算出したスロットサイズの推定値が異常値であると判断した場合には、複数の解析用パケット群(一時記憶した複数の解析用パケット群)のなかから、合計遅延時間が2番目に少ない解析用パケット群を選択し、合計遅延時間が2番目に少ない解析用パケット群に基づいて、解析用パケット群内のパケット受信間隔を算出し、解析用パケットをグループ化し、スロットサイズの推定値を算出し、当該推定値が異常値であるか否かを判断する。つまり、パケット解析部213は、合計遅延時間がn番目(n=1、2、3…)に少ない解析用パケット群に基づいて算出したスロットサイズの推定値が異常値であると判断した場合には、合計遅延時間がn+1番目に少ない解析用パケット群に基づいてスロットサイズの推定値を算出し、当該推定値が異常値であるか否かを判断する。
【0054】
一方、パケット解析部213は、合計遅延時間がn番目(n=1、2、3…)に少ない解析用パケット群に基づいて算出したスロットサイズの推定値が異常値でないと判断した場合には、合計遅延時間がn番目(n=1、2、3…)に少ない解析用パケット群に基づいて算出したスロットサイズの推定値を用いて、物理帯域の推定値および可用帯域の推定値を算出する。例えば、パケット解析部213は、合計遅延時間が3番目に少ない解析用パケット群に基づいて算出したスロットサイズの推定値が異常値でないと判断した場合、合計遅延時間が3番目に少ない解析用パケット群に基づいて算出したスロットサイズの推定値を用いて、物理帯域の推定値を算出し、可用帯域の推定値を算出する。なお、パケット解析部213が、合計遅延時間が3番目に少ない解析用パケット群に基づいてスロットサイズの推定値を算出するのは、合計遅延時間が最も少ない解析用パケット群に基づいて算出したスロットサイズの推定値および合計遅延時間が2番目に少ない解析用パケット群に基づいて算出したスロットサイズの推定値の何れも異常値であると判断したからである。
【0055】
以上、サーバ10および移動局装置23から構成されるパケット送受信システム1によれば、無線ネットワーク9の物理帯域および可用帯域を簡便にかつより一層正確に推定することができるようになる。
【0056】
なお、パケット解析部213は、複数の解析用パケット群に基づいて、解析用パケット群毎に可用帯域の推定値を算出してもよい。また、パケットロスが生じていない複数の解析用パケット群に基づいて、パケットロスが生じていない解析用パケット群毎に可用帯域の推定値を算出してもよい。
【0057】
なお、パケット解析部213は、予め、複数の解析用パケット群を合計遅延時間の昇順にソートし、合計遅延時間がn番目(n=1、2、3…)に少ない解析用パケット群を順次選択してもよい。
【0058】
以下、図4(b)を用いて移動局装置23の動作を説明する。図4(b)に示すフローチャートは、移動局装置23のパケット送受信部200が複数の解析用パケット群をパケット送受信部200から順次取得することにより開始する。
【0059】
パケット解析部213は、各解析用パケット群の合計遅延時間を算出する(ステップS200)。各解析用パケット群の合計遅延時間を算出したパケット解析部212は、解析用パケット群に対応付けて合計遅延時間を一時記憶する。パケット解析部213は、一時記憶した複数の解析用パケット群を合計遅延時間の昇順にソートする(ステップS210)。
【0060】
パケット解析部213は、ソート順(合計遅延時間が少ない順)に、一の解析用パケット群を選択する(ステップS220)。例えば、1回目のステップS220の実行時は、合計遅延時間が最も少ない解析用パケット群を選択し、2回目のステップS220の実行時は、合計遅延時間が2番目に少ない解析用パケット群を選択する。
【0061】
パケット解析部213は、直前に選択した解析用パケット群に基づいてスロットサイズの推定値を算出する(ステップS230)。例えば、直前に合計遅延時間が最も少ない解析用パケット群を選択したときは、合計遅延時間が最も少ない解析用パケット群に基づいてスロットサイズの推定値を算出し、直前に合計遅延時間が2番目に少ない解析用パケット群を選択したときは、合計遅延時間が2番目に少ない解析用パケット群に基づいてスロットサイズの推定値を算出する。なお、パケット解析部213がスロットサイズの推定値を算出する迄の動作は、図4(a)のフローチャートに示す動作(ステップS100〜ステップS130)と同様である。
【0062】
パケット解析部213は、直前に算出したスロットサイズの推定値が異常値であるか否かを判断する(ステップS240)。パケット解析部213は、直前に算出したスロットサイズの推定値が異常値であると判断した場合(ステップS240:Yes)、ステップS220に戻る。即ち、パケット解析部213は、直前に算出したスロットサイズの推定値が異常値でないと判断する迄(ステップS240:No)、ステップS220からステップS240を繰り返す。
【0063】
一方、パケット解析部213は、直前に算出したスロットサイズの推定値が異常値でないと判断した場合(ステップS240:No)、ステップS240において異常値でないと判断したスロットサイズの推定値を用いて物理帯域の推定値を算出する(ステップS250)。なお、パケット解析部213が物理帯域の推定値を算出する動作は、図4(a)のフローチャートに示す動作(ステップS140)と同様である。また、パケット解析部213は、ステップS250にて算出した物理帯域の推定値、並びに、ステップS220において直前に選択した解析用パケット群に係るグループ受信間隔およびグループ送信間隔を用いて、可用帯域の推定値を算出する(ステップS260)。そして図4(b)のフローチャートは終了する。
【0064】
以上説明した様に、サーバ10および移動局装置20から構成されるパケット送受信システム1では、サーバ10が無線区間における2スロット分の連続データ(解析用パケット群)を作成し、それが移動局装置20でどのように観測されるかでスロットサイズを推定し、推定したスロットサイズから物理帯域を推定する。また、サーバ10および移動局装置21から構成されるパケット送受信システム1では、更に、推定したスロットサイズ、および、推定した物理帯域から可用帯域を推定する。また、サーバ10および移動局装置22から構成されるパケット送受信システム1では、遅延時間が最も少ない連続データを用いて、スロットサイズ、物理帯域および可用帯域を推定する。また、サーバ10および移動局装置23から構成されるパケット送受信システム1では、妥当なスロットサイズが推定された遅延時間が最も少ない連続データを用いて、物理帯域および可用帯域を推定する。
【0065】
なお、スロットサイズ、物理帯域、可用帯域の推定には、1スロットサイズの最大値と1スロットサイズの送信時間とが既知であるという前提がある。しかしながら、1スロットサイズの最大値が既知でない場合であっても、解析用パケット群のサイズを1スロットサイズの想定する最大値以上とすればよい。また、1スロットサイズの送信時間が既知でない場合でも、スロットサイズの推定値から相対的な電波環境の善し悪しを判断することができる。
【0066】
なお、本発明の一実施形態によるパケット送受信システム1の各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、本発明の一実施形態によるパケット送受信システム1に係る上述した種々の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0067】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0068】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0069】
1 パケット送受信システム 8 有線ネットワーク 9 無線ネットワーク 10 サーバ(パケット送信装置) 20、21、22、23 移動局装置(パケット受信装置) 30 基地局 100 パケット送受信部 110 パケット生成部 200 パケット送受信部 210、211、212、213 パケット解析部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の解析用パケットから構成される解析用パケット群であってスロットサイズの最大値と前記解析用パケットのパケットサイズとに基づき決定した個数の前記解析用パケットから構成される前記解析用パケット群を生成するパケット生成手段と、前記解析用パケット生成手段によって生成された前記解析用パケット群を送信するパケット送信手段とを備えるパケット送信装置から前記解析用パケット群を受信するパケット受信手段と、
前記パケット受信手段によって受信された前記解析用パケット群を構成する前記複数個の前記解析用パケットの各受信時刻に基づいて、前記解析用パケット群内において前後する前記解析用パケット間の受信時刻の差であるパケット受信間隔を算出するパケット受信間隔算出手段と、
前記パケット受信間隔算出手段によって算出された前記パケット受信間隔が所定時間以上である前記解析用パケット間を境界にして、前記解析用パケット群を構成する前記複数個の前記解析用パケットをグループ化するグループ化手段と、
前記解析用パケットの前記パケットサイズに、前記グループ化手段によってグループ化された各グループを構成する前記解析用パケットの各構成個数のうちの最多の前記構成個数を乗じて、前記スロットサイズの推定値を算出するスロットサイズ推定値算出手段と
を備えることを特徴とするパケット受信装置。
【請求項2】
前記スロットサイズ推定値算出手段によって算出された前記スロットサイズの推定値をスロットサイズの送信時間で除して、物理帯域の推定値を算出する物理帯域推定値算出手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のパケット受信装置。
【請求項3】
前記グループ化手段によってグループ化された各グループを構成する末尾の前記解析用パケット間の受信時刻の差で示すグループ受信間隔を算出するグループ受信間隔算出手段と、
前記物理帯域推定値算出手段によって算出された前記物理帯域の推定値と、前記グループ受信間隔算出手段によって算出された前記グループ受信間隔と、前記グループ化手段によってグループ化された各グループを構成する末尾の前記解析用パケット同士の送信時刻の差で示すグループ送信間隔とから、可用帯域の推定値を算出する可用帯域推定値算出手段を
更に備えることを特徴とする請求項2に記載のパケット受信装置。
【請求項4】
前記パケット受信手段によって受信された前記解析用パケット群を構成する前記複数個の前記解析用パケットの各送信時刻と各受信時刻とに基づいて、前記複数個の解析用パケットの各遅延時間を合計した合計遅延時間を算出する合計遅延時間算出手段を
更に備え、
前記パケット受信手段は、
前記パケット送信装置から複数の前記解析用パケット群を受信し、
前記パケット受信間隔算出手段は、
前記パケット受信手段によって受信された複数の前記解析用パケット群のうち前記合計遅延時間算出手段によって算出された前記合計遅延時間が最も少ない前記解析用パケット群を構成する前記複数個の前記解析用パケットの各受信時刻に基づいて、前記合計遅延時間が最も少ない前記解析用パケット群内の前記パケット受信間隔を算出し、
前記グループ化手段は、
前記合計遅延時間が最も少ない前記解析用パケット群を構成する前記複数個の前記解析用パケットをグループ化し、
前記スロットサイズ推定値算出手段は、
前記解析用パケットの前記パケットサイズに、前記合計遅延時間が最も少ない前記解析用パケット群の各グループを構成する前記解析用パケットの各構成個数のうちの最多の前記構成個数を乗じて、前記スロットサイズの推定値を算出する
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載のパケット受信装置。
【請求項5】
前記スロットサイズ推定値算出手段によって算出された前記スロットサイズの推定値が異常値であるか否かを判断する異常値判断手段を
更に備え、
前記パケット受信間隔算出手段は、
前記異常値判断手段によって前記スロットサイズの推定値が異常値であると判断された場合、前記複数の前記解析用パケット群のうち前記合計遅延時間が次に少ない前記解析用パケット群を構成する前記複数個の前記解析用パケットの各受信時刻に基づいて、前記合計遅延時間が次に少ない前記解析用パケット群内の前記パケット受信間隔を算出し、
前記グループ化手段は、
前記合計遅延時間が次に少ない前記解析用パケット群を構成する前記複数個の前記解析用パケットをグループ化し、
前記スロットサイズ推定値算出手段は、
前記解析用パケットの前記パケットサイズに、前記合計遅延時間が次に少ない前記解析用パケット群の各グループを構成する前記解析用パケットの各構成個数のうちの最多の前記構成個数を乗じて、前記スロットサイズの推定値を算出する
ことを特徴とする請求項4に記載のパケット受信装置。
【請求項6】
(システム)
複数の解析用パケットから構成される解析用パケット群を送信するパケット送信装置と前記解析用パケット群を受信するパケット受信装置とから構成されるパケット送受信システムであって、
前記パケット送信装置は、
スロットサイズの最大値と前記解析用パケットのパケットサイズとに基づき決定した個数の前記解析用パケットから構成される前記解析用パケット群を生成するパケット生成手段と、
前記解析用パケット生成手段によって生成された前記解析用パケット群を送信するパケット送信手段とを有し、
前記パケット受信装置は、
前記解析用パケット群を受信するパケット受信手段と、
前記パケット受信手段によって受信された前記解析用パケット群を構成する前記複数個の前記解析用パケットの各受信時刻に基づいて、前記解析用パケット群内において前後する前記解析用パケット間の受信時刻の差であるパケット受信間隔を算出するパケット受信間隔算出手段と、
前記パケット受信間隔算出手段によって算出された前記パケット受信間隔が所定時間以上である前記解析用パケット間を境界にして、前記解析用パケット群を構成する前記複数個の前記解析用パケットをグループ化するグループ化手段と、
前記解析用パケットの前記パケットサイズに、前記グループ化手段によってグループ化された各グループを構成する前記解析用パケットの各構成個数のうちの最多の前記構成個数を乗じて、前記スロットサイズの推定値を算出するスロットサイズ推定値算出手段と
を有することを特徴とするパケット送受信システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate