説明

パケット転送装置およびパケット転送方法

【課題】優先転送クラスのフローのための帯域を確保できない場合でも下位のクラスより高い品質の通信を行う。
【解決手段】優先転送クラスのリンクL0と、下位の転送クラスのリンクL1〜L3とが接続された上流側転送装置10は、優先転送クラスのフローの配信要求を受信し、優先転送クラスのリンクの空帯域に基づいて、確保可能な帯域があるか否かを判定するMLD処理部11と、確保可能な帯域がない場合に、複数のリンクの空帯域に基づいて、低クラスのリンクを用いてフローを配信できるか否かを判定する上流側制御機能部12と、フローを下流側転送装置20に転送するパケット転送部13aと、フロー特定情報を下流側転送装置20に通知する上流側制御通知部14と、低クラスのリンクを用いることでフローを配信できる場合に、フローのうち低クラスのリンクを通るパケットに付与された優先度を優先転送クラスよりも低く設定するリマーク部13bとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パケットをマルチキャスト転送するパケット転送装置およびパケット転送方法に係り、特に、帯域確保される優先転送クラスのフローを転送するパケット転送装置およびパケット転送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のリンクで接続されるパケット転送装置間で、パケットをマルチキャスト転送する技術が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
従来技術において、優先転送クラスの帯域確保が必要なフロー(帯域確保型フローという)に関しては、パケット転送装置は、確保可能な帯域がない場合には、帯域確保不可としてフローを転送しないか、または、転送する場合であっても下位の転送品質クラスと同じ条件で転送する必要がある。
【0003】
具体的には、例えば、パケット転送装置間を接続する論理リンクにおいて、BEクラス(ベストエフォートクラス)と、その1段階上位側のクラスのフローが混在し、上位側クラスのフローで帯域確保を行う場合、上位側クラス用の確保可能帯域がないときには、パケット転送装置に、当該フローを送信させないか、または、送信させる場合でもベストエフォートクラスの他のフローと混在して送信させる必要がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】“次世代ネットワークを支えるネットワーク基盤技術”、NTT技術ジャーナル、Vol.19、No.4、p.38-43、2007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術では、このように上位側クラスの帯域確保が不可となる場合で通信を行う際には、以下の不都合がある。すなわち、帯域確保が不可となる場合で通信を行うには、既に帯域確保済みフローの品質を保持するために、この帯域確保が不可となるフローを、下位の転送品質クラスのフローとして転送する必要がある。この場合、リンク内の他の低位側クラスのトラヒック量が当該リンク内で転送可能な帯域を超えるときには、パケットロスが発生し、上位側クラスの通信品質(この帯域確保が不可となるフローの通信品質)は維持できなかった。
【0006】
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、優先転送クラスのフローのための帯域を確保できない場合でも下位のクラスより高い品質の通信を行うことのできるパケット転送装置およびパケット転送方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係るパケット転送装置は、パケットをマルチキャストするパケット転送装置間に接続された複数のリンクとして、所定の通信品質を維持するための帯域が確保される優先転送クラスに対応した高クラスのリンクと、前記優先転送クラスよりも転送優先度が低い下位の転送クラスに対応した1以上の低クラスのリンクとを備えたパケット転送システムにおいて、配信要求に基づいてパケットを転送する上流側の前記パケット転送装置であって、前記各リンクにおいて配信処理に用いていない残余の帯域を示す空帯域を測定する空帯域測定手段と、前記優先転送クラスのフローの配信要求を受信し、当該優先転送クラスに対応した高クラスのリンクの空帯域に基づいて、前記フローに対して確保可能な帯域があるか否かを判定するマルチキャスト制御手段と、前記フローに対して確保可能な帯域がない場合に、前記複数のリンクの空帯域に基づいて、前記下位の転送クラスに対応した低クラスのリンクを含む少なくともいずれか1つの前記リンクを用いて前記フローを配信できるか否かを判定する上流側制御手段と、前記フローを前記複数のリンクに接続された下流側のパケット転送装置に転送するマルチキャスト転送手段と、前記フローを特定するためのフロー特定情報を前記下流側のパケット転送装置に通知する上流側制御通知手段とを備え、前記マルチキャスト転送手段が、前記下位の転送クラスに対応した低クラスのリンクを用いることで前記フローを配信できると判定された場合に、前記フローの少なくとも一部のパケットであって前記低クラスのリンクを通るパケットに付与された優先度を前記優先転送クラスよりも低く設定するリマーク手段を備えることを特徴とする。
【0008】
かかる構成のパケット転送装置は、配信要求された優先転送クラスのフローに対して確保可能な帯域がない場合に、下位の転送クラスのリンクを含めた少なくともいずれか1つのリンクを用いてフローを配信できるか否かを判定する。そして、パケット転送装置は、優先転送クラスの帯域を確保できず、かつ、下位の転送クラスのリンクを用いれば優先転送クラスのフローを配信できる場合に、下位の転送クラスのリンクを通るパケットの優先度を低く設定し、このフローを特定するためのフロー特定情報を下流側に通知する。ここで、パケット転送装置間に接続された複数のリンクとして、優先転送クラスのリンクと、最低クラスのリンクと、中間のクラスのリンクとがある場合に、下位の転送クラスのリンクは、最低クラスのリンクより上位である中間クラスのリンクであることが好ましい。また、パケット転送装置は、優先転送クラスのフローの経路をすべて下位の転送クラスのリンクに変更してもよい。また、パケット転送装置は、フローの帯域の一部の帯域について確保できるならば優先転送クラスのリンクを用いると共に、フローの残りの帯域を下位の転送クラスのリンクに変更してもよい。したがって、パケット転送装置は、配信要求された優先転送クラスのフローに対して確保可能な帯域がない場合に、従来のようにリンク内において、下位の転送クラスの他のフローと混在して送信させる必要がない。そのため、配信要求された優先転送クラスのフローにパケットロスが発生することはないので、このような場合であっても、パケット転送装置は、下位のクラスより高い品質の通信を行うことができる。
【0009】
また、本発明に係る上流側のパケット転送装置は、前記上流側制御手段が、前記優先転送クラスに対応した高クラスのリンクにおいて前記フローに対して必要な帯域が確保できない場合に、前記複数のリンクの空帯域に基づいて、当該フローを複製することで生成される予め定められた個数のフローを示す冗長フローを、予め定められた個数の前記リンクを用いて配信できるか否かを判定すると共に、前記配信できると判定された場合に、配信に用いる前記各リンクにおける配信帯域を均等に、または、空帯域の大きいリンクほど大きくなるように決定する処理を行う冗長化配信処理手段を備え、前記マルチキャスト転送手段が、前記フローを複製した冗長フローを生成すると共に、前記配信に用いる前記各リンクに前記生成した冗長フローを配分するコピー手段をさらに備え、前記リマーク手段が、前記配信に用いる前記各リンクを通るパケットに付与された優先度を前記優先転送クラスよりも下位に設定することが好ましい。
【0010】
かかる構成のパケット転送装置は、配信要求された優先転送クラスのフローのパケットの優先度を低く設定し、かつ、このフローを複製したフローである冗長フローを複数のリンクから分散配信する。したがって、配信要求された優先転送クラスのフローに対して確保可能な帯域がない場合に、配信要求された優先転送クラスのフローにパケットロスが発生することはない。そのため、パケット転送装置は、このような場合であっても、下位のクラスより高い品質の通信を行うことができる。
【0011】
また、本発明に係る上流側のパケット転送装置は、前記マルチキャスト制御手段が、前記優先転送クラスのフローの配信要求を受信する要求受信処理手段と、当該優先転送クラスに対応した高クラスのリンクの空帯域に基づいて、前記フローに対して確保可能な帯域があるか否かを判定する要求帯域判定手段と、前記フローの帯域の一部の帯域について、前記優先転送クラスに対応した高クラスのリンクにおいて帯域確保可能な場合、確保可能な帯域を当該フロー用に確保する配信帯域管理手段と、前記フローについて、前記確保できなかった帯域と、前記一部確保できた帯域とを前記上流側制御手段に通知する受付不可フロー通知手段とを備え、前記配信帯域管理手段が、前記優先度を前記優先転送クラスよりも下位に設定するパケットとして、前記パケットのペイロードの優先度の低いものから順に、前記フローの帯域の一部を選択することが好ましい。
【0012】
かかる構成のパケット転送装置は、配信要求された優先転送クラスのフローに対して確保可能な帯域がない場合に、優先度を低く設定するパケットとして、パケットのペイロードの優先度の低いものから順に選択することで、フローの帯域の残りの帯域について、優先転送クラスのリンクにおいて帯域確保可能か判定する。ここで、パケットのペイロードの優先度の低いものから順に選択するとは、例えば映像ストリームの差分フレームを含むパケットを優先的に選択することを示す。したがって、パケット転送装置は、パケットのペイロードの優先度の低いものから順に選択するので、パケットの内容によらずに選択する場合と比較して、より良好な通信品質を維持することができる。
【0013】
また、本発明に係る下流側のパケット転送装置は、前記上流側のパケット転送装置からマルチキャストされたパケットを受信する下流側のパケット転送装置であって、前記複数のリンクで接続された上流側の前記パケット転送装置から、前記優先度が変更されたフローを特定するためのフロー特定情報を受信する下流側制御受信手段と、前記フロー特定情報に基づいて、受信フローの中から、前記優先度が変更されたフローを抽出する下流側制御手段と、前記抽出されたフローの少なくとも一部のパケットであって前記下位の転送クラスに対応した低クラスのリンクを通ったパケットに付与された優先度を元の優先度に設定するリマーク手段と、前記抽出されたフローを他の前記受信フローと共に転送するパケット転送手段と、を備えることが好ましい。
【0014】
かかる構成のパケット転送装置は、上流側にて優先転送クラスのフローに対して確保可能な帯域がない場合に、上流側のパケット転送装置から受信するフロー特定情報に基づいて、受信フローの中から、優先度が変更されたフローを抽出し、パケットに付与された優先度を元の優先度に設定した上で当該フローを転送することができる。
【0015】
また、本発明に係る下流側のパケット転送装置は、前記上流側の冗長化配信処理手段を備えたパケット転送装置からマルチキャストされたパケットを受信する下流側のパケット転送装置であって、前記複数のリンクで接続された上流側の前記パケット転送装置から、前記優先度が変更されたフローを特定するためのフロー特定情報を受信する下流側制御受信手段と、前記フロー特定情報に基づいて、受信フローの中から、前記優先度が変更された複数のフローを抽出する下流側制御手段と、前記フロー特定情報で特定される複数のフローに対して、前記フロー毎に、パケット毎の一意な識別子に基づいて、重複するパケットを削除して、1つのフローに復元するマージ手段と、前記復元されたフローのパケットに付与された優先度を元の優先度に設定するリマーク手段と、前記復元されたフローを他の前記受信フローと共に転送するパケット転送手段と、を備えることが好ましい。
【0016】
かかる構成のパケット転送装置は、上流側にて優先転送クラスのフローに対して確保可能な帯域がない場合に、上流側のパケット転送装置から受信するフロー特定情報に基づいて、受信フローの中から、優先度が変更された複数のフローを抽出し、重複するパケットを削除して1つのフローに復元した上で、パケットに付与された優先度を元の優先度に設定して当該フローを転送することができる。
【0017】
また、前記課題を解決するため、本発明に係るパケット転送方法は、パケットをマルチキャストする情報処理部と記憶部とを少なくとも備えたパケット転送装置間に接続された複数のリンクとして、所定の通信品質を維持するための帯域が確保される優先転送クラスに対応した高クラスのリンクと、前記優先転送クラスよりも転送優先度が低い下位の転送クラスに対応した1以上の低クラスのリンクとを備えたパケット転送システムにおいて、配信要求に基づいてパケットを転送する上流側の前記パケット転送装置のパケット転送方法であって、前記上流側のパケット転送装置の前記情報処理部が、前記優先転送クラスのフローの配信要求を受信する受信ステップと、当該優先転送クラスに対応した高クラスのリンクにおいて配信処理に用いていない残余の帯域を示す空帯域に基づいて、前記フローに対して確保可能な帯域があるか否かを判定するマルチキャスト制御ステップと、前記フローに対して確保可能な帯域がない場合に、前記複数のリンクの空帯域に基づいて、前記下位の転送クラスに対応した低クラスのリンクを含む少なくともいずれか1つの前記リンクを用いて前記フローを配信できるか否かを判定する配信可否判定ステップと、前記低クラスのリンクを用いることで前記フローを配信できると判定された場合に、前記フローの少なくとも一部のパケットであって前記低クラスのリンクを通るパケットに付与された優先度を前記優先転送クラスよりも低く設定するマークダウンステップと、前記フローを前記複数のリンクに接続された下流側のパケット転送装置に転送するパケット転送ステップと、前記フローを特定するためのフロー特定情報を前記下流側のパケット転送装置に通知する特定情報通知ステップと、を含んで実行することを特徴とする。
【0018】
かかる手順のパケット転送方法によれば、上流側のパケット転送装置の情報処理部は、配信要求された優先転送クラスのフローに対して確保可能な帯域がない場合に、下位の転送クラスのリンクを含めた少なくともいずれか1つのリンクを用いてフローを配信できるか否かを判定する。そして、情報処理部は、優先転送クラスの帯域を確保できず、かつ、下位の転送クラスのリンクを用いれば優先転送クラスのフローを配信できる場合に、下位の転送クラスのリンクを通るパケットの優先度を低く設定し、このフローを特定するためのフロー特定情報を下流側に通知する。したがって、パケット転送装置は、配信要求された優先転送クラスのフローに対して確保可能な帯域がない場合であっても、下位のクラスより高い品質の通信を行うことができる。
【0019】
また、本発明に係るパケット転送方法は、前記上流側のパケット転送装置の前記情報処理部が、前記マルチキャスト制御ステップにて、前記優先転送クラスに対応した高クラスのリンクにおいて前記フローに対して必要な帯域が確保できない場合に、前記複数のリンクの空帯域に基づいて、当該フローを複製することで生成される予め定められた個数のフローを示す冗長フローを、予め定められた個数の前記リンクを用いて配信できるか否かを判定する配信実施可否判定ステップと、前記配信実施可否判定ステップにて配信できると判定された場合に、配信に用いる前記各リンクにおける配信帯域を均等に、または、空帯域の大きいリンクほど大きくなるように決定する配信帯域決定ステップと、前記フローを複製した冗長フローを生成すると共に、前記配信に用いる前記各リンクに前記生成した冗長フローを配分する冗長フロー生成ステップと、をさらに実行し、前記マークダウンステップにて、前記配信に用いる前記各リンクを通るパケットに付与された優先度を前記優先転送クラスよりも下位に設定することが好ましい。
【0020】
かかる手順のパケット転送方法によれば、上流側のパケット転送装置の情報処理部は、配信要求された優先転送クラスのフローのパケットの優先度を低く設定し、かつ、このフローを複製したフローである冗長フローを複数のリンクから分散配信する。したがって、パケット転送装置は、配信要求された優先転送クラスのフローに対して確保可能な帯域がない場合であっても、下位のクラスより高い品質の通信を行うことができる。
【0021】
また、本発明に係る上流側のパケット転送方法は、前記上流側のパケット転送装置の前記情報処理部が、前記マルチキャスト制御ステップにて、前記フローに対して確保可能な帯域があるか否かを判定する際に、前記優先度を前記優先転送クラスよりも下位に設定するパケットとして、前記パケットのペイロードの優先度の低いものから順に、前記フローの帯域の一部を選択し、前記フローの帯域の残りの帯域について、前記優先転送クラスに対応した高クラスのリンクにおいて帯域確保可能であると判定した場合、確保可能な帯域を当該フロー用に確保することが好ましい。
【0022】
かかる手順のパケット転送方法によれば、上流側のパケット転送装置の情報処理部は、配信要求された優先転送クラスのフローに対して確保可能な帯域がない場合に、優先度を低く設定するパケットとして、パケットのペイロードの優先度の低いものから順に選択するので、パケットの内容によらずに選択する場合と比較して、より良好な通信品質を維持することができる。
【0023】
また、本発明に係る下流側のパケット転送方法は、前記上流側のパケット転送方法により、上流側の前記パケット転送装置から前記複数のリンクを介してマルチキャストされたパケットを受信する情報処理部と記憶部とを少なくとも備えた下流側のパケット転送装置のパケット転送方法であって、前記下流側のパケット転送装置の前記情報処理部が、前記上流側のパケット転送装置から、前記優先度が変更されたフローを特定するためのフロー特定情報を受信するフロー特定情報受信ステップと、前記フロー特定情報に基づいて、受信フローの中から、前記優先度が変更されたフローを抽出するフロー抽出ステップと、前記抽出されたフローの少なくとも一部のパケットであって前記下位の転送クラスに対応した低クラスのリンクを通ったパケットに付与された優先度を元の優先度に設定するリマークステップと、前記抽出されたフローを他の前記受信フローと共に転送するパケット転送ステップと、を含んで実行することが好ましい。
【0024】
かかる手順のパケット転送方法によれば、下流側のパケット転送装置の情報処理部は、上流側にて優先転送クラスのフローに対して確保可能な帯域がない場合に、上流側のパケット転送装置から受信するフロー特定情報に基づいて、受信フローの中から、優先度が変更されたフローを抽出し、パケットに付与された優先度を元の優先度に設定した上で当該フローを転送することができる。
【0025】
また、本発明に係る下流側のパケット転送方法は、前記上流側の配信実施可否判定ステップを含むパケット転送方法により、上流側の前記パケット転送装置から前記複数のリンクを介してマルチキャストされたパケットを受信する情報処理部と記憶部とを少なくとも備えた下流側のパケット転送装置のパケット転送方法であって、前記下流側のパケット転送装置の前記情報処理部が、前記上流側のパケット転送装置から、前記優先度が変更されたフローを特定するためのフロー特定情報を受信するフロー特定情報受信ステップと、前記フロー特定情報に基づいて、受信フローの中から、前記優先度が変更された複数のフローを抽出するフロー抽出ステップと、前記フロー特定情報で特定される複数のフローに対して、前記フロー毎に、パケット毎の一意な識別子に基づいて、重複するパケットを削除して、1つのフローに復元するマージステップと、前記復元されたフローのパケットに付与された優先度を元の優先度に設定するリマークステップと、前記復元されたフローを他の前記受信フローと共に転送するパケット転送ステップと、を含んで実行することが好ましい。
【0026】
かかる手順のパケット転送方法によれば、下流側のパケット転送装置の情報処理部は、上流側にて優先転送クラスのフローに対して確保可能な帯域がない場合に、上流側のパケット転送装置から受信するフロー特定情報に基づいて、受信フローの中から、優先度が変更された複数のフローを抽出し、重複するパケットを削除して1つのフローに復元した上で、パケットに付与された優先度を元の優先度に設定して当該フローを転送することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明のパケット転送装置は、優先転送クラスの帯域を確保できず、かつ、下位の転送クラスのリンクを用いれば優先転送クラスのフローを配信できる場合に、下位の転送クラスのリンクを通るパケットの優先度を低く設定し、このフローを特定するためのフロー特定情報を下流側に通知するので、このような場合であっても、下位のクラスより高い品質の通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1および第2実施形態に係るパケット転送装置間のリンクを模式的に示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係るパケット転送装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す上流側転送装置の要部の詳細を示すブロック図である。
【図4】図2に示す配信IF管理テーブルの一例を示す図である。
【図5】図2に示す出力IFグループテーブルの一例を示す図である。
【図6】図2に示すフロー別帯域テーブルの一例を示す図である。
【図7】図2に示すリンク空帯域テーブルの一例を示す図である。
【図8】図2に示す上流側転送装置のフロー情報テーブルの一例を示す図である。
【図9】図2に示すIFグループテーブルの一例を示す図である。
【図10】図2に示す上流側転送装置の処理を示すフローチャートである。
【図11】図2に示す下流側転送装置の処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第3および第4実施形態に係るパケット転送装置間のリンクを模式的に示す構成図である。
【図13】図2に示す下流側転送装置のフロー情報テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明を実施するための第1ないし第4実施形態に係るパケット転送装置について詳細に説明する。
【0030】
(第1実施形態)
[パケット転送装置の概要]
図1に示すパケット転送システム1は、パケットをマルチキャストするパケット転送装置として、上流側転送装置10と、下流側転送装置20とを備える。
以下、上流側転送装置10(10A,10B)と、下流側転送装置20(20A,20B)との動作の概要について図1を参照して説明する。なお、A,Bは、第1および第2実施形態をそれぞれ示し、特に区別しない場合にはA,Bの表記を省略する。
【0031】
前提として、上流側転送装置10と、下流側転送装置20との間には、複数のリンクL0,L1,L2,L3が接続されている。各リンクにおいて符号PBは、当該リンクの全帯域のうちの一部の優先転送帯域を示している。この優先転送帯域とは、例えばQoS(Quality of Service)帯域であり、残りの帯域は例えばBE(best effort)帯域である。
【0032】
リンクL0は、所定の通信品質を維持するための帯域が確保される優先転送クラスに対応した高クラスのリンクであって、例えば、遅延小かつ低損失の最優先クラスとする。
以下では、リンクL0が、端末等からの必要な通信帯域の要求があった場合に、本来その要求の通信を通すべき品質の回線であるものとして説明する。
【0033】
リンクL1,L2,L3は、優先転送クラス(最優先クラス)よりも転送優先度が低い下位の転送クラスに対応した低クラスのリンクである。
ここでは、広義の低クラスを細分化して、最低クラス、狭義の低クラス、中間クラスともいう。
リンクL3は、優先度の最も低い転送クラス(最低優先クラス)であって、ベストエフォートクラスとする。
リンクL2は、ベストエフォートクラスより上位で、遅延大の優先クラス(低クラス)のリンクとする。
リンクL1は、リンクL2より上位であって、例えば、遅延中かつ低損失の高優先クラス(中間クラス)とする。
なお、上流側転送装置10と、下流側転送装置20との間に接続されたリンクの個数は4本に限定されるものではなく、リンクL0(最優先クラス)と、リンクL3(最低優先クラス)との間に下位の転送クラスのリンクが1本以上あればよい。
【0034】
例えば、符号101,102で示すフローが、リンクL0のQoS帯域(PB)で配信されているときに、符号103で示すフローの配信が要求されたものとする(S0)。
上流側転送装置10は、帯域CAC(Call Admission Control:呼受付制御)と、判定NGフローへの制御を行う(S1)。つまり、上流側転送装置10は、確保可能な帯域がないフローの場合、そのフローの優先度を低く設定し(マークダウン指定)、そのフローを出力する出力先のインタフェース(出力IF)を指定する。なお、確保可能な帯域がないと判定されたフローのことを判定NGフローと呼ぶ。
【0035】
例えば、上流側転送装置10は、リンクL0のQoS帯域の枯渇時に、リンクL0より下位クラスであって最低クラスではなく、かつ、空帯域のある他のリンクのBE帯域を使用する(S2)。具体的には、符号103で示すフローは、符号104で示すように、例えばリンクL2のBE帯域で配信される。これにより、リンクL0のBE帯域を使用する場合に比べて、他のリンクを選択することでパケットロス耐性を強化する(S3)。
【0036】
また、上流側転送装置10は、マークダウン指定したフローを特定するための情報を下流側転送装置20に通知する(S4)。なお、後記するように、フローを複数のリンクに分散させた場合には、マークダウン指定したフローを復元するための情報を通知する。
そして、下流側転送装置20は、マークダウン指定されたフローを抽出し、マーク復元を行う(優先度を元に戻す:S5)。これにより、符号103で示すフローは、本来その要求の通信を通すべき品質のリンクL0(最優先クラス)のフローとして、符号101,102で示すフローと共に、転送される。
【0037】
[パケット転送装置の構成]
パケット転送装置として、上流側転送装置10と、下流側転送装置20のそれぞれの構成例を図2に示す。各装置は、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置と、メモリやハードディスク等の記憶装置と、外部との間で各種情報の送受信を行うインタフェース装置とを備えて構成される。
【0038】
<上流側転送装置>
上流側転送装置(パケット転送装置)10は、配信要求に基づいてパケットを転送するものであり、図2に示すように、MLD処理部11と、上流側制御機能部12と、マルチキャスト転送・複製部13と、上流側制御通知部14と、空帯域測定部15とを情報処理部として備えると共に、記憶部16と、IFグループ17と、IFグループ18とを備える。
【0039】
MLD処理部(マルチキャスト制御手段)11は、優先転送クラスのフローの配信要求を受信し、当該優先転送クラスに対応した高クラスのリンクの空帯域に基づいて、フローに対して確保可能な帯域があるか否かを判定するものである。なお、MLDは、RFC2710等で規定されるMulticast Listener Discoveryの略である。
【0040】
<MLD処理部>
MLD処理部11は、図3に示すように、MLD要求受信処理部11aと、MLD要求帯域判定処理部11bと、配信帯域管理部11cと、受付不可フロー通知部11dとを備える。
【0041】
MLD要求受信処理部(要求受信処理手段)11aは、優先転送クラスのフローの配信要求を受信するものである。このMLD要求受信処理部11aは、MLD要求を受信し処理する。
【0042】
MLD要求帯域判定処理部(要求帯域判定手段)11bは、当該優先転送クラスに対応した高クラスのリンクの空帯域に基づいて、フローに対して確保可能な帯域があるか否かを判定するものである。このMLD要求帯域判定処理部11bは、予め指定されたマルチキャストフロー(ソースアドレスとグループアドレスのペア等に基づいて識別されるフロー)へのMLD要求に対して帯域判定を行う。
【0043】
配信帯域管理部(配信帯域管理手段)11cは、記憶部16に記憶された各テーブルを参照してフローの配信帯域の値を保持、更新するものである。
受付不可フロー通知部(受付不可フロー通知手段)11dは、帯域を確保できなかったフローの情報を上流側制御機能部12に通知するものである。
【0044】
<上流側制御機能部>
上流側制御機能部(上流側制御手段)12は、フローに対して確保可能な帯域がない場合に、複数のリンクの空帯域に基づいて、下位の転送クラスに対応した低クラスのリンクを含む少なくともいずれか1つのリンクを用いてフローを配信できるか否かを判定するものである。第1実施形態では、下位の転送クラスに対応した低クラスの1つのリンクを用いてフローを配信できるか否かを判定することとした。
【0045】
この上流側制御機能部12は、図3に示すように、配信判定処理部12aと、配信先リンク選択部12bと、帯域情報管理部12cと、マルチキャスト転送指示部12dとを備える。なお、冗長化配信処理部12eについては第3実施形態にて説明する。
【0046】
配信判定処理部12aは、記憶部16に記憶された各テーブルを参照して配信を行うか否かの判定処理を行うものである。この配信判定処理部12aは、帯域判定NGとなったフローに対して、下位側転送クラスを用いた配信を行うかどうかの判定を行う。
【0047】
配信先リンク選択部12bは、記憶部16に記憶された各テーブルを参照して配信を行うリンクを選択するものである。この配信先リンク選択部12bは、帯域判定NGとなったフローに対して、下位側転送クラスを用いた配信を行う場合の配信先リンクを選択する。
【0048】
帯域情報管理部12cは、記憶部16に記憶された各テーブルを参照し、リンク空帯域テーブルT4を作成する演算処理を行うものである。この帯域情報管理部12cは、下位側転送クラスを用いた配信を行う場合に選択された配信先リンクの帯域情報を保持、更新する。
【0049】
マルチキャスト転送指示部12dは、上流側制御機能部12で決定した送信IFに対し、IF毎に算出した配信帯域の配信を行うよう、マルチキャスト転送・複製部13に通知するものである。このマルチキャスト転送指示部12dは、帯域判定NGとなったフローに対して、下位側転送クラスを用いた配信を行うための指示を通知する。
【0050】
マルチキャスト転送・複製部(マルチキャスト転送手段)13は、フローを複数のリンクに接続された下流側転送装置20に転送するものである。このマルチキャスト転送・複製部13は、パケット転送部13aと、リマーク部13bとを備える。なお、コピー部13cについては後記する。
【0051】
パケット転送部13aは、パケットを下流側転送装置20にマルチキャスト転送するものである。
リマーク部(リマーク手段)13bは、下位の転送クラスに対応した低クラスのリンクを用いることでフローを配信できると判定された場合に、フローの少なくとも一部のパケットであって低クラスのリンクを通るパケットに付与された優先度を優先転送クラスよりも低く設定するものである。このリマーク部13bは、転送品質クラスのマークダウンを行う。
【0052】
図2に戻って説明を続ける。
上流側制御通知部14(上流側制御通知手段)は、フローを特定するためのフロー特定情報として以下の情報を下流側転送装置20に通知するものである。この上流側制御通知部14は、受信側装置に対して、制御の対象となったフローと、送信されたリンクとを特定する情報を通知する。
・フロー識別子(例:IPアドレスやポート番号の組)
・フローのマークダウン前の転送優先クラス(例:DSCP値等)
【0053】
空帯域測定部(空帯域測定手段)15は、各リンクLにおいて配信処理に用いていない残余の帯域を示す空帯域を測定するものである。
【0054】
記憶部16は、一般的なメモリやハードディスク等から構成され、情報処理部で制御を行うためのプログラムや各種テーブル等を記憶するものである。
記憶部16は、図2に示すように、配信IF管理テーブルT1と、出力IFグループテーブルT2と、フロー別帯域テーブルT3と、リンク空帯域テーブルT4とを備える。なお、フロー情報テーブルT7については第3実施形態で説明する。
【0055】
配信IF管理テーブルT1は、例えば、図4において符号201〜204に示すように、MLD受信したIF、そのチャネル情報(S,G)、その出力IF、元の転送速度についての各情報を関連付けて作成したエントリを格納するものである。ここで、チャネル情報(S,G)は、マルチキャストの送信元アドレスSとマルチキャストアドレスGの組み合わせである。なお、配信IF管理テーブルT1には、配信停止処理において、複数IFへの配信処理を停止するため、出力IFの情報をチャネル毎に保持する。また、配信IF管理テーブルT1には、例えば、「配信状態欄」、「転送優先値マークダウンの設定欄」、「MLD送信元ホスト欄」等の他の項目を含むこととしてもよいし、これらの項目の情報を保持する別テーブルを設けてもよい。
【0056】
出力IFグループテーブルT2は、図5において符号211〜212に示すように、IFグループに属するIF番号を格納するものである。各情報は予め作成され格納されている。
【0057】
フロー別帯域テーブルT3は、図6において符号221〜222に示すように、フロー識別子およびその配信帯域を格納するものである。ここで、フロー識別子とは、IPフローを一意に識別するための情報であり、例えばソースIPアドレスとグループIPアドレスの組等を示す。フロー別帯域テーブルT3の各情報は予め通知されて格納されている。
【0058】
リンク空帯域テーブルT4は、図7において符号231〜234に示すように、IF番号、配信帯域、測定リンク空帯域、評価空帯域についての各情報を関連付けて格納するものである。ここで、IF番号は、出力インタフェースIFの番号を示す。各情報は、測定、演算および更新処理により格納される。なお、リンク空帯域テーブルT4の項目については、後記する上流側転送装置10における「リンク空帯域テーブルの管理」動作の説明((301)〜(303)の処理)にて説明する。
【0059】
図2に示すIFグループ17は、上流側転送装置10に入力するリンクLが接続される複数のインタフェースIFからなるグループを示す。また、IFグループ18は、上流側転送装置10から出力するリンクLが接続される複数のインタフェースIFからなるグループを示す。
【0060】
<下流側転送装置>
下流側転送装置(パケット転送装置)20は、上流側転送装置10からマルチキャストされたパケットを受信するものであり、図2に示すように、下流側制御受信部21と、下流側制御機能部22と、フロー復元部23と、パケット振分け部24と、パケット転送部25とを情報処理部として備えると共に、記憶部26と、IFグループ27と、IFグループ28とを備える。
【0061】
下流側制御受信部(下流側制御受信手段)21は、複数のリンクで接続された上流側転送装置10から、優先度が変更されたフローを特定するためのフロー特定情報を受信するものである。この下流側制御受信部21は、送信側装置から、本制御の対象となったフローに関する情報を受信する。
【0062】
下流側制御機能部(下流側制御手段)22は、フロー特定情報に基づいて、受信フローの中から、優先度が変更されたフローを抽出するものである。この下流側制御機能部22は、受信したフロー特定情報に基づいて、受信フローのうちで、優先度が変更されたフローをリンクから抽出する。
【0063】
フロー復元部23は、リマーク機能部(リマーク手段)23bを備える。
リマーク機能部23bは、抽出されたフローの少なくとも一部のパケットであって下位の転送クラスに対応した低クラスのリンクを通ったパケットに付与された優先度を元の優先度に設定するものである。このリマーク機能部23bは、特定(または復元)されたフローを元の転送優先クラスにマークアップする。なお、マージ機能部23aについては第3実施形態で説明する。
【0064】
パケット振分け部24は、上流側転送装置10から受信したパケットを振り分けるものである。パケット振分け部24は、下流側制御機能部22によって抽出されたフロー(マークダウン設定されたフロー)をフロー復元部23に出力し、それ以外のフローをIFグループ28に出力する。
【0065】
パケット転送部(パケット転送手段)25は、下流側制御機能部22によって抽出されたフローを他の受信フローと共に転送するものである。
【0066】
記憶部26は、一般的なメモリやハードディスク等から構成され、情報処理部で制御を行うためのプログラムや各種テーブル等を記憶するものである。この記憶部26は、図2に示すように、フロー情報テーブルT5と、IFグループテーブルT6とを備える。
【0067】
フロー情報テーブルT5は、図8において符号241〜242に示すように、フロー識別子およびその転送優先度を格納するものである。各情報は、上流側転送装置10から通知されて格納されている。
【0068】
IFグループテーブルT6は、図9において符号251〜252に示すように、対向装置(上流側転送装置10)とリンク接続されたインタフェースのIF番号を格納するものである。各情報は予め作成され格納されている。なお、IFグループテーブルT6には、例えば、各IFに対する「対象フロー抽出の指定」や、「リマーク設定」等の欄を設けてそれらの項目の情報を保持できるようにしてもよい。
【0069】
図2に示すIFグループ27は、下流側転送装置20に入力するリンクLが接続される複数のインタフェースIFからなるグループを示す。また、IFグループ28は、下流側転送装置20から出力するリンクLが接続される複数のインタフェースIFからなるグループを示す。
【0070】
[上流側転送装置の動作]
次に、上流側転送装置10の動作について図10を参照(適宜図1ないし図3参照)して説明する。
〔マルチキャスト配信要求の受信時の処理〕
上流側転送装置10は、MLD要求受信処理部11aによって、帯域判定の対象とするフローの送信開始要求を受信し、MLD要求帯域判定処理部11bによって、配信IF管理テーブルT1(図4参照)において、要求されたチャネルが既に配信されているチャネル(配信チャネル)であるか否かを判定する(ステップS11:受信ステップ)。既に配信されているチャネルであれば(ステップS11:Yes)、上流側転送装置10は、当該チャネルの配信開始処理を行わない。一方、まだ配信されていないチャネルの場合には(ステップS11:No)、上流側転送装置10は、ステップS12(マルチキャスト制御ステップ)の残帯域に基づく帯域確保要求・受付判定に進む。
【0071】
〔帯域確保要求・受付判定(ステップS12)〕
上流側転送装置10は、このステップS12において、要求されたフローの帯域(要求帯域)より残帯域が大きいと判定した場合(ステップS12:Yes)、送信開始要求を受け付け、配信帯域管理部11cによって、残帯域を減算して使用帯域情報を現行化し(ステップS15A)、フローを転送する処理を開始する(ステップS18A)。なお、現行化とは、現在測定済みの最新の帯域情報に基づいてテーブル保持情報を更新することを示す。
【0072】
一方、ステップS12において、要求されたフローの帯域(要求帯域)より残帯域が小さいと判定した場合(ステップS12:No)、上流側転送装置10は、送信開始要求を受け付け不可と判定する。
【0073】
〔配信リンクと各リンクへの配信帯域の決定〕
ステップS12にてNoの場合、MLD処理部11の受付不可フロー通知部11dは、受付不可と判定されたフローの情報を、上流側制御機能部12に通知する(ステップS13)。そして、上流側制御機能部12は、配信判定処理部12aによって、当該フローに対するMLDを受信したIFが属するIFグループを、出力IFグループテーブルT2(図5参照)から特定し、当該IFグループに属するIFを特定する(ステップS14)。そして、上流側制御機能部12では、当該フローの帯域をフロー別帯域テーブル(図6)より取得する。ここで、配信判定処理部12aは、複数のリンクの空帯域に基づいて、下位の転送クラスに対応した低クラスの1つのリンクを用いてフローを配信できるか否かを判定して配信を決定する(配信可否判定ステップ)。
【0074】
そして、上流側制御機能部12は、決定した配信について、リンク空帯域テーブルT4(図7参照)において、配信を行うIFの「配信帯域232」の値に、配信するフローの帯域を加算すると共に、当該IFの「評価空帯域234」の値を、「測定リンク空帯域233」の値から「配信帯域232」の値を減じた演算結果の値に設定する(ステップS15)。そして、上流側制御機能部12は、決定した配信について、配信IF管理テーブルT1(図4参照)に新たにエントリを追加し、MLDを受信したIF、チャネル情報、出力IFを登録する設定を行う(ステップS16)。
【0075】
〔マークダウン対象フローへの転送優先度マークダウン設定と転送制御・出力IF指定〕
上流側制御機能部12では、当該フローのフロー識別子を、リマーク部13bに通知する。リマーク部13bでは、通知されたフローに対して、転送優先度のマークダウンの設定を行う(ステップS17:マークダウンステップ)。そして、上流側制御機能部12では、上流側制御機能部12で決定した送信IFに対し、IF毎に算出した配信帯域の配信を行うよう、マルチキャスト転送・複製部13に通知する。そして、マルチキャスト転送・複製部13では、上流側制御機能部12から受けた指示に基づいて転送を行う(ステップS18:パケット転送ステップ)。そして、上流側転送装置10は、下流側転送装置20に対し、フローを復元するための情報(フロー特定情報)を通知する(ステップS19:特定情報通知ステップ)。
【0076】
[下流側転送装置の動作]
次に、下流側転送装置20の動作について図11を参照(適宜図1ないし図3参照)して説明する。
下流側転送装置20は、上流側転送装置10からのフローを受信する(ステップS21)。また、下流側転送装置20は、下流側制御受信部21によって、上流側転送装置10からのフローを復元するための情報を受信する(ステップS22:フロー特定情報受信ステップ)。そして、下流側転送装置20では、上流側転送装置10からそれぞれ受信した、フロー識別子と、上流側転送装置10におけるフロー受信時の転送優先度とを記憶部26に保持する(図8参照)。
【0077】
下流側転送装置20は、下流側制御機能部22によって、上流側転送装置10からのフローを受信する可能性のあるリンクを収容するインタフェースにおいて、受信フローの中から、上流側転送装置10から受信した識別子に該当するフローを抽出する(ステップS23:フロー抽出ステップ)。
【0078】
フロー復元部23のリマーク機能部23bは、フロー毎に、転送優先度を、上流側転送装置10から受信した「転送優先度」のクラスに再設定する(ステップS24:リマークステップ)。その後、リマーク機能部23bは、下流側装置の各インタフェースで受信した他のフローと同様に、抽出したフローを、パケット転送部25に引渡す。パケット転送部25は、フローを転送する(ステップS25:パケット転送ステップ)。
【0079】
〔上流側装置でのリンク空帯域テーブルの管理〕
上流側転送装置10では、以下の(301)〜(303)の処理を行う。
(301)上流側転送装置10では、配信要求の都度に発生する制御とは非同期に、空帯域測定部15によって、リンクの空帯域を測定する。
(302)測定する時間は、予め定められた時刻に対して行うものとし(平均帯域とする場合でも基準となる時刻を予め定めておき)、同時刻でのリンク空帯域テーブルT4(図7参照)の「配信帯域232」の情報を保持する。なお、配信帯域管理部11cにてテーブル情報を更新処理する。
(303)空帯域測定部15では、あるIFに対してある時刻に測定された空帯域の情報から、前記(302)で当該時刻に対して保持した「配信帯域232」の値を減算し、この値を、リンク空帯域テーブルT4(図7参照)の当該IFの「測定リンク空帯域233」の値として、上書きする。さらに、当該IFの「評価空帯域234」の値を、「測定リンク空帯域233」から「配信帯域232」を減じた値に更新する。
なお、(301)〜(303)の動作は、複数あるいは全てのIFに対して同時刻に行うこともあれば、IF別に異なる時刻に行うこともある。
【0080】
〔マルチキャスト配信停止要求の受信時の処理〕
上流側転送装置10では、配信停止要求を受信すると(311)、配信IF管理テーブルT1(図4参照)において、該当するエントリを特定し(312)、図示を省略した「MLD送信元ホスト欄」に“停止要求送信元ホスト”以外のホストが登録されている場合は、この配信IF管理テーブルT1の図示を省略した「配信状態欄」から“停止要求送信元ホスト”を削除し(313)、配信停止要求の処理を終了する。
【0081】
一方、配信IF管理テーブルT1において、図示を省略した「MLD送信元ホスト欄」に“停止要求送信元ホスト”以外のホストが登録されていない場合、上流側転送装置10では、以下の(321)〜(325)の処理を行う。
(321)該当エントリの「出力IF203」に記載されたインタフェースIFへの配信制御を停止する。
(322)該当エントリのフローに対する自装置内の転送優先値マークダウンの設定を解除する。
(323)該当エントリのフローに対するIFでの配信帯域を、配信帯域から積み下げるとともに、リンク空帯域テーブルT4(図7参照)において、該当IFに対する「配信帯域232」の値から減算する。さらに、「評価空帯域234」の値を、「測定リンク空帯域233」の値から「配信帯域232」を減じた値に設定する。
(324)下流側転送装置20に対し、配信制御処理の解除を指示するため、停止するフローを識別するフロー識別子と、当該フローを停止する指示とを送出する。
(325)該当エントリを、配信IF管理テーブルT1から削除する。
【0082】
下流側転送装置20では、上流側転送装置10から配信停止の指示を受けると(331)、フロー情報テーブルT(図8参照)から、指示されたフローに該当するエントリを削除する(332)。さらに、該当する配信フローを受信する可能性のあるインタフェースIFを、下流側転送装置20のIFグループテーブルT6(図9参照)により特定し(333)、図示を省略したが、各IFに対する「対象フロー抽出の指定」を削除する(334)。さらに、リマーク機能部23bへの当該フローに対する「リマーク設定」を削除する(335)。
【0083】
(第2実施形態)
第1実施形態では、配信要求されたフローについて帯域が確保できないときに、その配信要求されたすべてのフローを他のリンクから転送することとしたが、第2実施形態では、フローの一部を他のリンクに移し、残りは元のリンクから配信することとした。なお、第1実施形態と同じ構成および処理にはそれぞれ同じ符号を付して説明を省略する。
【0084】
第2実施形態に係る上流側転送装置10Bと、下流側転送装置20Bとの動作の概要について図1を参照して説明する。図1において、例えば、符号101,102,103で示すフローの配信が要求されたものとする(S0)。この場合、上流側転送装置10Bは、例えば優先度の低いパケットからなるフロー103だけをマークダウン指定して符号104で示すように、例えばリンクL2のBE帯域で配信する。そして、配信が要求された残りの符号101,102で示すフローをリンクL0のQoS帯域で配信する。以上の動作により、リンクL0のBE帯域を使用する場合に比べて、他のリンクを選択することでパケットロス耐性を強化することができる。
【0085】
<上流側転送装置>
上流側転送装置10Bの配信帯域管理部(配信帯域管理手段)11cは、次の機能を有している。配信帯域管理部11cは、記憶部16に記憶された各テーブルを参照して、フローの帯域の一部の帯域について、優先転送クラスに対応した高クラスのリンクにおいて帯域確保可能な場合、確保可能な帯域を当該フロー用に確保する。
この配信帯域管理部11cは、優先度を優先転送クラスよりも下位に設定するパケットとして、例えば、パケットのペイロードの優先度の低いものから順に、フローの帯域の一部を選択することとした。なお、パケットの内容によらずに選択する形態とすることもできる。
【0086】
上流側転送装置10Bの受付不可フロー通知部(受付不可フロー通知手段)11dは、フローについて、確保できなかった帯域と、一部確保できた帯域とを上流側制御機能部12に通知することとした。
上流側転送装置10Bの上流側制御機能部(上流側制御手段)12は、フローに対して確保可能な帯域がない場合に、優先転送クラスと、下位の転送クラスに対応した低クラスの1つのリンクとの両方を用いてフローを配信できるか否かを判定することとした。
【0087】
[上流側転送装置の動作]
次に、上流側転送装置10Bの動作について図10を参照(適宜図1ないし図3参照)して説明する。なお、ステップS11〜ステップS12の処理は同じなので説明を省略する。
〔配信リンクと各リンクへの配信帯域の決定〕
ステップS12にてNoの場合、MLD処理部11の配信帯域管理部11cは、受付不可と判定されたフローに対して、フロー帯域の一部帯域について帯域確保可能な場合、確保可能な帯域を当該フロー用に確保する。そして、受付不可フロー通知部11dは、受付不可と判定されたフローの情報として、確保できなかった帯域と、一部確保できた帯域とを
上流側制御機能部12に通知する(ステップS13)。
【0088】
そして、上流側制御機能部12は、配信判定処理部12aによって、当該フローに対するMLDを受信したIFが属するIFグループを、出力IFグループテーブルT2(図5参照)から特定し、当該IFグループに属するIFを特定する(ステップS14)。そして、上流側制御機能部12では、当該フローの帯域をフロー別帯域テーブル(図6)より取得する。ここで、複数のリンクの空帯域に基づいて、優先転送クラスと、下位の転送クラスに対応した低クラスの1つのリンクとの両方を用いてフローを配信できるか否かを判定して配信を決定する(配信可否判定ステップ)。
【0089】
このとき、上流側制御機能部12では、当該フロー帯域のうち、マークダウンして転送する帯域を、マルチキャスト転送・複製部13からの指定情報によって取得し、フロー帯域として保持する。そして、上流側制御機能部12は、決定した配信について、リンク空帯域テーブルT4(図7参照)において、配信を行うIFの「配信帯域232」の値に、配信するフローの帯域を加算すると共に、当該IFの「評価空帯域234」の値を、「測定リンク空帯域233」の値から「配信帯域232」の値を減じた演算結果の値に設定する(ステップS15)。以下の処理は第1実施形態と同様なので、説明を省略する。
【0090】
(第3実施形態)
図12に示すパケット転送システム1Cは、パケットをマルチキャストするパケット転送装置として、上流側転送装置10Cと、下流側転送装置20Cとを備える。なお、第1実施形態と同じ構成および処理にはそれぞれ同じ符号を付して説明を省略する。また、図12に示す記号C,Dは、第3および第4実施形態をそれぞれ示し、特に区別しない場合にはC,Dの表記を省略する。
【0091】
第3実施形態では、上流側転送装置10Cが、オリジナルの優先転送クラスでのフローに必要な帯域が確保できないときに、当該フローを、より転送優先度の低い転送クラスにマークダウンした上で、フローを複数にコピーして異なる複数のリンクで転送することとした。そして、下流側転送装置20Cは、複数フローのそれぞれのパケットを突き合わせ、マージを行った上で、オリジナルの転送クラスにマークアップして、オリジナルのフローを復元することとした。ここで、マークダウンする前のフローの転送クラスは、最も低い転送クラス(最低優先クラス)より上位のクラスとする(図12参照)。マークダウンした後の転送クラスを最低優先クラスとする形態としてもよいし、オリジナルのクラスと最低優先クラスとの間のクラスとする形態としてもよい。以下では、単一のフローから複数フローへとコピーされたフローのことを冗長フローと称する。
【0092】
第3実施形態に係る上流側転送装置10Cと、下流側転送装置20Cとの動作の概要について図12を参照して説明する。
例えば、符号101,102で示すフローが、リンクL0のQoS帯域(PB)で配信されているときに、符号103で示すフローの配信が要求されたものとする(S30)。この場合、上流側転送装置10Cは、帯域CAC(Call Admission Control:呼受付制御)がNGの場合のみ、QoS冗長配信のための制御を実施する(S31)。つまり、上流側転送装置10Cは、BE専用帯域を使えるようにするためのマークダウン、フローコピー、および、配信先リンクの指定変更を行う。
【0093】
例えば、上流側転送装置10Cは、リンクL0のQoS帯域の枯渇時に、冗長フローを生成し、リンクL0より下位クラスであって空帯域のある複数のリンクのBE帯域を使用して配信する(S32)。具体的には、符号103で示すフローをコピーにより3つの冗長フローとし、符号112〜114で示すように、例えばリンクL1〜L3のBE帯域で配信する。このような冗長フローを、他のリンクへ分散することで、パケットロス耐性を強化することができる(S33)。なお、符号111については、第4実施形態で説明する。
【0094】
また、上流側転送装置10Cは、マークダウン指定したフローを復元するための情報を下流側転送装置20Cに通知する(S34)。そして、下流側転送装置20Cは、マークダウン指定されて冗長配信された複数のフローを抽出し、フロー復元を行う(S35:リマークステップ)。つまり、冗長配信フローを特定し、特定したフローをマージし、さらに、マークアップする(優先度を元に戻す)。これにより、符号103で示すフローは、本来その要求の通信を通すべき品質のリンクL0(最優先クラス)のフローとして、符号101,102で示すフローと共に、転送される。
【0095】
上流側転送装置10Cの上流側制御機能部12は、図3に示すように、冗長化配信処理部12eを備える。
冗長化配信処理部(冗長化配信処理手段)12eは、優先転送クラスに対応した高クラスのリンクL0においてフローに対して必要な帯域が確保できない場合に、複数のリンクの空帯域に基づいて、予め定められた個数の冗長フローを、予め定められた個数のリンクを用いて配信できるか否かを判定すると共に、配信できる場合に、配信に用いる各リンクにおける配信帯域を決定する処理を行うものである。各リンクにおける配信帯域を決定する方法については後記するが、大別して、配信帯域を均等にする方法と、空帯域の大きいリンクほど大きくなるように決定する方法とのいずれかを用いればよい。
【0096】
上流側転送装置10Cのマルチキャスト転送・複製部13は、図3に示すように、コピー部13cを備える。
コピー部(コピー手段)13cは、フローを複製した冗長フローを生成すると共に、配信に用いる各リンクに配分するものである。この場合、リマーク部13bは、配信に用いる各リンクを通るパケットに付与された優先度を優先転送クラスよりも下位に設定する。
このコピー部13cは、マークダウンされた当該フローを空帯域の大きいリンクに配信するように別リンクに割当てる処理を行う(出力リンク指定機能)。
【0097】
上流側転送装置10Cの記憶部16は、図2に示すように、フロー情報テーブルT7を備える。フロー情報テーブルT7は、図13において符号261〜263に示すように、フロー識別子、冗長数、配信リンク数を格納するものである。フロー情報テーブルT7の各情報は予め作成または通知されて格納されている。
【0098】
<下流側転送装置>
下流側転送装置20Cの下流側制御機能部(下流側制御手段)22は、フロー特定情報に基づいて、受信フローの中から、優先度が変更された複数のフローを抽出する。
【0099】
下流側転送装置20Cは、図3に示すように、マージ機能部23aと、リマーク機能部23bとを備える。
マージ機能部(マージ手段)23aは、フロー特定情報で特定される複数のフローに対して、フロー毎に、パケット毎の一意な識別子に基づいて、重複するパケットを削除して、1つのフローに復元するものである。ここで、パケット毎の一意な識別子とは、例えば、RTP(Real-time Transport Protocol)ストリームの場合にはRTPのシーケンス番号を示す。
リマーク機能部23bは、復元されたフローのパケットに付与された優先度を元の優先度に設定する。また、パケット転送部25は、復元されたフローを他の受信フローと共に転送する。
【0100】
[上流側転送装置の動作]
次に、上流側転送装置10Cの動作について図10を参照(適宜図1ないし図3参照)して説明する。なお、ステップS11〜ステップS12の処理は第1実施形態と同じなので説明を省略する。
〔配信リンクと各リンクへの配信帯域の決定〕
ステップS13に続いて、上流側制御機能部12は、配信判定処理部12aによって、当該フローに対するMLDを受信したIFが属するIFグループを、出力IFグループテーブルT2(図5参照)から特定し、当該IFグループに属するIFを特定する(ステップS14)。そして、上流側制御機能部12では、冗長化配信処理部12eが、配信判定処理部12aを介して各部12a,12b,12c,12dと協働して以下の処理(401)〜(406)を行う。
【0101】
(401)まず、上流側制御機能部12では、フロー識別子毎に、フロー情報テーブルT7(図13参照)によって、当該フローに対する、「冗長数262」の値と、「配信リンク数263」の値とを特定する。
【0102】
(402)そして、上流側制御機能部12では、当該フローの帯域として、「配信帯域222」の値をフロー別帯域テーブル(図6)より取得し、(フロー帯域)×(冗長数)で得られる値を“冗長フロー総帯域”として保持する。また、(フロー帯域)×(冗長数)÷(配信リンク数)で得られる値を“冗長フロー平均帯域”として保持する。
【0103】
(403)上流側制御機能部12の冗長化配信処理部12eでは、続いて、リンク空帯域テーブルT4(図7参照)のIFのうち、最も「評価空帯域234」の値の大きいIFから順に、フロー情報テーブルT7(図13参照)の「配信リンク数263」の値の分だけのIFを抽出する。ここで、前提して、配信リンク数をnとし、リンク空帯域テーブルT4(図7参照)の「評価空帯域234」の値が大きい順に、IFを、IF1,IF2,…,IFnとして区別する。また、それぞれの「評価空帯域」の値を、順にBW1,BW2,…,BWnとし、それら帯域の総和をBWtとし、IF別に「評価空帯域」の総空帯域に占める割合BWi/BWt(i=1〜n)を「Ri」とする。また、“冗長フロー総帯域”とBWtとの比をRbw(=“冗長フロー総帯域”÷BWt)とする。
【0104】
(404)また、IFグループ毎に冗長フローを送信するかどうかの判定のための帯域評価の安全率をRbw0として保持する。
【0105】
(405)上記前提の下、上流側制御機能部12では、冗長フローの配信に必要な帯域の空状況に応じた「配信実施可否」の判定を行う(配信実施可否判定ステップ)。具体的には、次の手順で行う。
上流側制御機能部12では、最も「評価空帯域」の大きいIFの空帯域をBW1とする。BW1/BWtをRbwとする。なお、Rbwの定義は前記したとおりであり、ここでは、無用な範囲を除くための閾値処理として、BW1/BWtをあらためて閾値の1つとして仮にRbwとしたものである。そして、帯域評価の安全率をRbw0として保持する。
RbwがRbw0より大きい場合には、本実施形態を適用した配信を行わず、当該MLDを破棄する。
【0106】
(406)上流側制御機能部12では、前記した通りの冗長フローの配信に必要な帯域の空状況に応じた「配信実施可否」の判定と、リンク別の「配信帯域決定」とを行う。
「配信実施可否」の判定と、「配信帯域決定」には、以下の2つの方法(方法ア、方法イ)がある。
なお、リンク毎のフローの割り当てにおいては、冗長化された同一パケットが同一リンクに配信されないように、コピーしたフロー毎に、前記(405)のように振分けを行う。ここで、コピーしたフロー毎に、前記(405)のIF毎の帯域を、「配信リンク数」で除算した帯域となるよう配信する。
【0107】
<方法ア>
上流側制御機能部12では、RbwがRbw0より大きい場合には、冗長化配信を行わず、当該MLD要求は破棄する。一方、RbwがRbw0より小さい場合は、上流側制御機能部12では、IFiに送信する冗長化フローの帯域を、Bi=“冗長フロー総帯域”×Riとし、冗長化したフロー帯域をこの帯域Biに応じてIFiに送信する。
【0108】
<方法イ>
上流側制御機能部12では、BWn × Rbw0が“冗長フロー平均帯域”より小さい場合は、冗長化配信を行わず、当該MLD要求は破棄する。一方、BWn ×Rbw0が“冗長フロー平均帯域”より大きい場合、冗長フローを、配信対象IFに“冗長フロー平均帯域”毎に配信する。
【0109】
以降のステップS15〜S19の処理は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。なお、上流側転送装置10Cは、ステップS18の転送制御と合わせてコピー制御を行う。
【0110】
[下流側転送装置の動作]
次に、下流側転送装置20Cの動作について図11を参照(適宜図1ないし図3参照)して説明する。ステップS21〜S23の処理は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。下流側転送装置20Cは、ステップS23でフローを抽出すると、フロー復元部23のマージ機能部23aによって、集約されたフローに対して、フロー毎に、パケット毎の一意な識別子(RTPストリームの場合にはRTPのシーケンス番号)に基づいて、重複するパケットを削除する(マージステップ:図12のS35)。マージ機能部23aは、マージしたフローをリマーク機能部23bに引渡す。ステップS24〜S25の処理、およびその他の処理は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
【0111】
(第4実施形態)
第4実施形態は、第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせた形態である。
第4実施形態では、オリジナルの優先転送クラスでのフローに必要な帯域が確保できないときに、当該フローのうち、確保できた帯域分のみをオリジナルの優先転送クラスで送信し、残りの帯域をマークダウンし、マークダウンしたフローを、空帯域が残っている単一のリンクに転送する。ここで、マークダウンする前のフローの転送クラスは、最も低い転送クラス(最低優先クラス)より上位のクラスとする(図12参照)。
マークダウンした後の転送クラスを最低優先クラスとしてもよいし、オリジナルのクラスと最低優先クラスとの間のクラスとしてもよい。
マークダウンするパケットを選択するロジックには、パケットの内容によらずに選択する方法と、パケットのペイロードの優先度の低いものから順に選択する方法(例えば、映像ストリームの差分フレームを含むパケットを優先的に選択する方法)がある。
【0112】
第4実施形態に係る上流側転送装置10Dと、下流側転送装置20Dとの動作の概要について図12を参照して説明する。図12において、例えば、符号101,102,103で示すフローの配信が要求されたものとする(S30)。この場合、上流側転送装置10Dは、例えば優先度の低いパケットからなるフロー103だけをマークダウン指定してコピーし、符号111〜113で示すように、例えばリンクL0〜L3のBE帯域で配信する。そして、配信が要求された残りの符号101,102で示すフローをリンクL0のQoS帯域で配信する。以上の動作により、リンクL0のBE帯域だけを使用する場合に比べて、他のリンクを選択することでパケットロス耐性を強化することができる。
【0113】
[上流側転送装置の動作]
次に、上流側転送装置10Dの動作について図10を参照(適宜図1ないし図3参照)して説明する。なお、ステップS11〜ステップS12の処理は第1実施形態と同じなので説明を省略する。
〔配信リンクと各リンクへの配信帯域の決定〕
ステップS12にてNoの場合、MLD処理部11の配信帯域管理部11cは、受付不可と判定されたフローに対して、フロー帯域の一部帯域について帯域確保可能な場合、確保可能な帯域を当該フロー用に確保する。そして、受付不可フロー通知部11dは、受付不可と判定されたフローの情報として、確保できなかった帯域と、一部確保できた帯域とを
上流側制御機能部12に通知する(ステップS13)。
【0114】
そして、上流側制御機能部12は、配信判定処理部12aによって、当該フローに対するMLDを受信したIFが属するIFグループを、出力IFグループテーブルT2(図5参照)から特定し、当該IFグループに属するIFを特定する(ステップS14)。そして、上流側制御機能部12では、冗長化配信処理部12eが、配信判定処理部12aを介して各部12a,12b,12c,12dと協働して前記の処理を行う。
ただし、前記(405)にて、上流側制御機能部12が行う具体手順の中で、Rbwが、帯域評価の安全率Rbw0より大きい場合には、本実施形態を適用した配信を行わず、当該MLDを破棄すると共に、さらに、当該MLD要求に基づいてフローの一部帯域として確保した帯域を解放する。
また、前記方法アにおいて、上流側制御機能部12では、RbwがRbw0より大きい場合には、冗長化配信を行わず、当該MLD要求は破棄すると共に、さらに、当該MLD要求に基づいてフローの一部帯域として確保した帯域を解放する。
さらに、前記方法イにおいて、上流側制御機能部12では、BWn × Rbw0が “冗長フロー平均帯域”より小さい場合は、冗長化配信を行わず、当該MLD要求は破棄すると共に、さらに、当該MLD要求に基づいてフローの一部帯域として確保した帯域を解放する。
なお、他の処理は、第2実施形態および第3実施形態と同様なので説明を省略する。
【0115】
以上説明したように、各実施形態によれば、例えば、1リンク分の帯域を超える通信に対しても、下位側転送品質クラスよりも高い品質で通信を行うことが可能となる。例えば、LAG(Link Aggregation Group:リンクアグリゲーショングループ)によって接続される論理リンクでは、単一リンク故障の場合を想定し、高い転送優先クラスの帯域としては、LAGを構成するリンクの全帯域ではなく、LAGを構成するリンクのうちの1本分の帯域を除いた帯域が設定される。このように複数のLAGで接続される転送装置間では、BEでしか使用できない帯域がLAGの本数分だけ存在することになる。こうした形態において、転送優先クラスの帯域が確保できない場合、各実施形態で説明した制御を用いることによって、BEクラス帯域を用いて、BEより高い転送品質の通信が可能となる。
【0116】
以上、各実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、各実施形態に対して、適用対象フローを指定するための以下の拡張が適用できる。上流側転送装置10でのMLD処理時に、本制御の適用対象フローかどうかを判定する方法としては、以下の3通りの方法がある。
【0117】
(EX-1)QoSクラスで転送するマルチキャストフローは全て制御対象とする。
(EX-2)QoSクラスで転送するマルチキャストフローのうち、本制御の適用対象とするフローが限定されることとする。この場合、対象となるフローの情報(マルチキャストフローのソースアドレスとグループアドレスの組合せ等)は、個々の配信要求とは独立に、予め上流側転送装置10に静的に設定する。
(EX-3)QoSクラスで転送するマルチキャストフローのうち、本制御の適用対象とするフローを限定されることとする。この場合適用対象かどうかを、配信要求の中で明示的に指定する。
【符号の説明】
【0118】
10(10A,10B,10C,10D) 上流側転送装置(パケット転送装置)
11 MLD処理部(マルチキャスト制御手段)
11a MLD要求受信処理部(要求受信処理手段)
11b MLD要求帯域判定処理部(要求帯域判定手段)
11c 配信帯域管理部(配信帯域管理手段)
11d 受付不可フロー通知部(受付不可フロー通知手段)
12 上流側制御機能部(上流側制御手段)
12a 配信判定処理部
12b 配信先リンク選択部
12c 帯域情報管理部
12d マルチキャスト転送指示部
12e 冗長化配信処理部(冗長化配信処理手段)
13 マルチキャスト転送・複製部(マルチキャスト転送手段)
13a パケット転送部
13b リマーク部(リマーク手段)
13c コピー部(コピー手段)
14 上流側制御通知部(上流側制御通知手段)
15 空帯域測定部(空帯域測定手段)
16 記憶部
17 IFグループ
18 IFグループ
20(20A,20B,20C,20D) 下流側転送装置(パケット転送装置)
21 下流側制御受信部(下流側制御受信手段)
22 下流側制御機能部(下流側制御手段)
23 フロー復元部
23a マージ機能部
23b リマーク機能部(リマーク手段)
24 パケット振分け部
25 パケット転送部(パケット転送手段)
26 記憶部
27 IFグループ
28 IFグループ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケットをマルチキャストするパケット転送装置間に接続された複数のリンクとして、所定の通信品質を維持するための帯域が確保される優先転送クラスに対応した高クラスのリンクと、前記優先転送クラスよりも転送優先度が低い下位の転送クラスに対応した1以上の低クラスのリンクとを備えたパケット転送システムにおいて、配信要求に基づいてパケットを転送する上流側の前記パケット転送装置であって、
前記各リンクにおいて配信処理に用いていない残余の帯域を示す空帯域を測定する空帯域測定手段と、
前記優先転送クラスのフローの配信要求を受信し、当該優先転送クラスに対応した高クラスのリンクの空帯域に基づいて、前記フローに対して確保可能な帯域があるか否かを判定するマルチキャスト制御手段と、
前記フローに対して確保可能な帯域がない場合に、前記複数のリンクの空帯域に基づいて、前記下位の転送クラスに対応した低クラスのリンクを含む少なくともいずれか1つの前記リンクを用いて前記フローを配信できるか否かを判定する上流側制御手段と、
前記フローを前記複数のリンクに接続された下流側のパケット転送装置に転送するマルチキャスト転送手段と、
前記フローを特定するためのフロー特定情報を前記下流側のパケット転送装置に通知する上流側制御通知手段とを備え、
前記マルチキャスト転送手段は、
前記下位の転送クラスに対応した低クラスのリンクを用いることで前記フローを配信できると判定された場合に、前記フローの少なくとも一部のパケットであって前記低クラスのリンクを通るパケットに付与された優先度を前記優先転送クラスよりも低く設定するリマーク手段を備えることを特徴とするパケット転送装置。
【請求項2】
前記上流側制御手段は、
前記優先転送クラスに対応した高クラスのリンクにおいて前記フローに対して必要な帯域が確保できない場合に、前記複数のリンクの空帯域に基づいて、当該フローを複製することで生成される予め定められた個数のフローを示す冗長フローを、予め定められた個数の前記リンクを用いて配信できるか否かを判定すると共に、前記配信できると判定された場合に、配信に用いる前記各リンクにおける配信帯域を均等に、または、空帯域の大きいリンクほど大きくなるように決定する処理を行う冗長化配信処理手段を備え、
前記マルチキャスト転送手段は、
前記フローを複製した冗長フローを生成すると共に、前記配信に用いる前記各リンクに前記生成した冗長フローを配分するコピー手段をさらに備え、
前記リマーク手段は、前記配信に用いる前記各リンクを通るパケットに付与された優先度を前記優先転送クラスよりも下位に設定することを特徴とする請求項1に記載のパケット転送装置。
【請求項3】
前記マルチキャスト制御手段は、
前記優先転送クラスのフローの配信要求を受信する要求受信処理手段と、
当該優先転送クラスに対応した高クラスのリンクの空帯域に基づいて、前記フローに対して確保可能な帯域があるか否かを判定する要求帯域判定手段と、
前記フローの帯域の一部の帯域について、前記優先転送クラスに対応した高クラスのリンクにおいて帯域確保可能な場合、確保可能な帯域を当該フロー用に確保する配信帯域管理手段と、
前記フローについて、前記確保できなかった帯域と、前記一部確保できた帯域とを前記上流側制御手段に通知する受付不可フロー通知手段とを備え、
前記配信帯域管理手段は、
前記優先度を前記優先転送クラスよりも下位に設定するパケットとして、前記パケットのペイロードの優先度の低いものから順に、前記フローの帯域の一部を選択することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパケット転送装置。
【請求項4】
請求項1に記載のパケット転送装置からマルチキャストされたパケットを受信する下流側のパケット転送装置であって、
前記複数のリンクで接続された上流側の前記パケット転送装置から、前記優先度が変更されたフローを特定するためのフロー特定情報を受信する下流側制御受信手段と、
前記フロー特定情報に基づいて、受信フローの中から、前記優先度が変更されたフローを抽出する下流側制御手段と、
前記抽出されたフローの少なくとも一部のパケットであって前記下位の転送クラスに対応した低クラスのリンクを通ったパケットに付与された優先度を元の優先度に設定するリマーク手段と、
前記抽出されたフローを他の前記受信フローと共に転送するパケット転送手段と、
を備えることを特徴とするパケット転送装置。
【請求項5】
請求項2に記載のパケット転送装置からマルチキャストされたパケットを受信する下流側のパケット転送装置であって、
前記複数のリンクで接続された上流側の前記パケット転送装置から、前記優先度が変更されたフローを特定するためのフロー特定情報を受信する下流側制御受信手段と、
前記フロー特定情報に基づいて、受信フローの中から、前記優先度が変更された複数のフローを抽出する下流側制御手段と、
前記フロー特定情報で特定される複数のフローに対して、前記フロー毎に、パケット毎の一意な識別子に基づいて、重複するパケットを削除して、1つのフローに復元するマージ手段と、
前記復元されたフローのパケットに付与された優先度を元の優先度に設定するリマーク手段と、
前記復元されたフローを他の前記受信フローと共に転送するパケット転送手段と、
を備えることを特徴とするパケット転送装置。
【請求項6】
パケットをマルチキャストする情報処理部と記憶部とを少なくとも備えたパケット転送装置間に接続された複数のリンクとして、所定の通信品質を維持するための帯域が確保される優先転送クラスに対応した高クラスのリンクと、前記優先転送クラスよりも転送優先度が低い下位の転送クラスに対応した1以上の低クラスのリンクとを備えたパケット転送システムにおいて、配信要求に基づいてパケットを転送する上流側の前記パケット転送装置のパケット転送方法であって、
前記上流側のパケット転送装置の前記情報処理部は、
前記優先転送クラスのフローの配信要求を受信する受信ステップと、
当該優先転送クラスに対応した高クラスのリンクにおいて配信処理に用いていない残余の帯域を示す空帯域に基づいて、前記フローに対して確保可能な帯域があるか否かを判定するマルチキャスト制御ステップと、
前記フローに対して確保可能な帯域がない場合に、前記複数のリンクの空帯域に基づいて、前記下位の転送クラスに対応した低クラスのリンクを含む少なくともいずれか1つの前記リンクを用いて前記フローを配信できるか否かを判定する配信可否判定ステップと、
前記低クラスのリンクを用いることで前記フローを配信できると判定された場合に、前記フローの少なくとも一部のパケットであって前記低クラスのリンクを通るパケットに付与された優先度を前記優先転送クラスよりも低く設定するマークダウンステップと、
前記フローを前記複数のリンクに接続された下流側のパケット転送装置に転送するパケット転送ステップと、
前記フローを特定するためのフロー特定情報を前記下流側のパケット転送装置に通知する特定情報通知ステップと、
を含んで実行することを特徴とするパケット転送方法。
【請求項7】
前記上流側のパケット転送装置の前記情報処理部は、
前記マルチキャスト制御ステップにて、前記優先転送クラスに対応した高クラスのリンクにおいて前記フローに対して必要な帯域が確保できない場合に、前記複数のリンクの空帯域に基づいて、当該フローを複製することで生成される予め定められた個数のフローを示す冗長フローを、予め定められた個数の前記リンクを用いて配信できるか否かを判定する配信実施可否判定ステップと、
前記配信実施可否判定ステップにて配信できると判定された場合に、配信に用いる前記各リンクにおける配信帯域を均等に、または、空帯域の大きいリンクほど大きくなるように決定する配信帯域決定ステップと、
前記フローを複製した冗長フローを生成すると共に、前記配信に用いる前記各リンクに前記生成した冗長フローを配分する冗長フロー生成ステップと、をさらに実行し、
前記マークダウンステップにて、前記配信に用いる前記各リンクを通るパケットに付与された優先度を前記優先転送クラスよりも下位に設定することを特徴とする請求項6に記載のパケット転送方法。
【請求項8】
前記上流側のパケット転送装置の前記情報処理部は、
前記マルチキャスト制御ステップにて、前記フローに対して確保可能な帯域があるか否かを判定する際に、前記優先度を前記優先転送クラスよりも下位に設定するパケットとして、前記パケットのペイロードの優先度の低いものから順に、前記フローの帯域の一部を選択し、前記フローの帯域の残りの帯域について、前記優先転送クラスに対応した高クラスのリンクにおいて帯域確保可能であると判定した場合、確保可能な帯域を当該フロー用に確保することを特徴とする請求項6または請求項7に記載のパケット転送方法。
【請求項9】
請求項6に記載のパケット転送方法により、上流側の前記パケット転送装置から前記複数のリンクを介してマルチキャストされたパケットを受信する情報処理部と記憶部とを少なくとも備えた下流側のパケット転送装置のパケット転送方法であって、
前記下流側のパケット転送装置の前記情報処理部は、
前記上流側のパケット転送装置から、前記優先度が変更されたフローを特定するためのフロー特定情報を受信するフロー特定情報受信ステップと、
前記フロー特定情報に基づいて、受信フローの中から、前記優先度が変更されたフローを抽出するフロー抽出ステップと、
前記抽出されたフローの少なくとも一部のパケットであって前記下位の転送クラスに対応した低クラスのリンクを通ったパケットに付与された優先度を元の優先度に設定するリマークステップと、
前記抽出されたフローを他の前記受信フローと共に転送するパケット転送ステップと、
を含んで実行することを特徴とするパケット転送方法。
【請求項10】
請求項7に記載のパケット転送方法により、上流側の前記パケット転送装置から前記複数のリンクを介してマルチキャストされたパケットを受信する情報処理部と記憶部とを少なくとも備えた下流側のパケット転送装置のパケット転送方法であって、
前記下流側のパケット転送装置の前記情報処理部は、
前記上流側のパケット転送装置から、前記優先度が変更されたフローを特定するためのフロー特定情報を受信するフロー特定情報受信ステップと、
前記フロー特定情報に基づいて、受信フローの中から、前記優先度が変更された複数のフローを抽出するフロー抽出ステップと、
前記フロー特定情報で特定される複数のフローに対して、前記フロー毎に、パケット毎の一意な識別子に基づいて、重複するパケットを削除して、1つのフローに復元するマージステップと、
前記復元されたフローのパケットに付与された優先度を元の優先度に設定するリマークステップと、
前記復元されたフローを他の前記受信フローと共に転送するパケット転送ステップと、
を含んで実行することを特徴とするパケット転送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−44579(P2012−44579A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185866(P2010−185866)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】