説明

パターン修正方法及びパターン修正装置

【課題】すでにパターンが施された基板のパターン欠陥部にインキを転写して修正するパターン修正方法において、従来のフィルム転写方式を用いたパターン修正方法の不具合を解決し、パターン修正部の正確な位置決めや修正フィルムの転写後のパターニングを必要としない高精度なパターン修正方法およびパターン修正装置を提供する。
【解決手段】インキ剥離性フィルム107上にパターニングした予備乾燥インキ膜113を基板115上パターン欠陥部に加圧転写して修正し、前記インキ剥離性フィルム107上にパターニングした予備乾燥インキ膜113を得る方法として、インキ剥離性フィルム107上に修正用インキを塗布し、予備乾燥状態にしてから、必要とするパターンを凹部とする版109を接触させ、余分なパターン部を版109凸部へ転移させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細パターンの修正方法及び修正装置に関し、とくにカラーテレビ、パーソナルコンピュータに使用されるカラー液晶ディスプレイ(LCD)の構造部材であるカラーフィルター(CF)の製造工程において、ピンホール欠陥及び、異物など不具合部分の修正に好適なパターン修正方法及び修正装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータや、薄型カラーテレビの発達に伴い、カラーLCDの需要が増加しており、低価格化や大型化が進展している。そこで、部材の中でもコスト比重が高いカラーフィルターは一層のコストダウンが要求されている。一方、基板の大型化に対して、LCDやカラーフィルター工程で高い歩留りを維持する事は困難である。
【0003】
カラーフィルターは、透明基板上に、カラー表示に不可欠な、例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)各色の着色層と、カラーLCD の表示コントラスト向上の目的で設けられる金属皮膜やBk(黒)の遮光層を、所定のパターンに配列したものであり、多くの製造方法が知られている。以下に幾つかの方法を説明する。
【0004】
カラーフィルターの製造方法として染色法、顔料分散法、電着法、印刷法などが知られている。
【0005】
染色法は、透明基板上に染色性高分子材料を塗布し、所定形状にフォトリソ法でパターニングした後、染色液に浸漬して着色する工程をR 、G 、B各色で繰り返し、着色層を形成する方法である。
【0006】
顔料分散法は、透明基板上に顔料を分散した感光性樹脂材料を、スピンコータなどで塗布後、フォトリソ法でパターニングする工程を、R 、G 、B各色で繰り返し、着色層を形成する方法である。
【0007】
電着法は、透明基板上に透明電極パターンを形成した後、顔料、樹脂、電解液等の入った電着塗装液に浸漬して電着する工程を各色で繰り返し、着色層を得る方法である。
【0008】
印刷法は、顔料が分散された熱硬化型インキを、パターニングされた印刷板に転移させた後、透明基板上に、直接印刷若しくは、オフセット印刷によってパターン形成する工程を各色で繰り返して、着色層を形成する方法である。
【0009】
必要に応じて、これらの方法による着色層形成前に、透明基板上にCr等の金属膜や黒色(Bk)顔料からなる遮光層パターンが形成される。
【0010】
前記の方法によって、カラーフィルターの製造は可能であるが、現状は、良好な色特性や、位置精度、コストなどから、顔料分散法が良く用いられている。但し、どの製造方法であっても、基板の大型化に伴うカラーフィルター面内のゴミや異物の増加によって、全くの無欠陥でカラーフィルターを製造することが困難になるため、大型基板使用などの材料コスト上昇と合わせて考慮すると、将来に渡るコスト低減が難しい状況になりつつある。
【0011】
そこで、カラーファイルターに発生したパターン欠陥部を修正して良品化し、全体的な製造コストを低減させることが、製造歩留まりの向上と共に重要となってくる。
【0012】
本発明において、パターン欠陥部または欠陥とは、パターンの一部が欠落したピンホール欠陥や、インキや異物が付着し、パターンの連続性が損なわれた付着欠陥、色の均一性が損なわれた色欠陥、それら異常部分を取り除いた箇所のことを指す。
【0013】
現在行われているほとんどの微小パターンの修正においては、欠陥部を紫外〜 赤外レーザー光照射を用いて適当な大きさに取り除く作業が行なわれる。(以下レーザーリペアと称する)
たとえばカラーフィルターの遮光層や着色層にピンホール等の色ヌケが発生した場合には、修正を行う前に欠陥部を含めた周辺を、ある一定の領域レーザーリペアした後、パターンに応じた修正を行う。
【0014】
レーザー照射の大きさは30μm から100μmで、形状は正方形、長方形、平行四辺形などがある。欠陥部の形状や大きさを画一的にすることで、塗布する修正インキ量の定量化や修正手順の作業標準化ができる利点がある。
【0015】
このように色抜けによる欠陥だけではなく、パターン表面に付着した異物やパターン膜中に埋め込まれた異物の除去を行う方法として、レーザー光照射で異物を除去し再度着色する方法が提案されている。(特許文献1参照)
例えばカラーフィルターの遮光層や着色層にピンホール等の色ヌケが発生した場合や、レーザーリペア後のパターン欠陥部の修正には、適切な色濃度を有する修正用インキを修正用針先につけた後、修正部に塗布して乾燥させて修正する方法(特許文献2参照)や、修正用インキの供給にディスペンサ方式を用いて修正する方法が知られている。
【0016】
また、インクジェットヘッドから、修正用インキをピンホール等色ヌケ部に吐出し、修正する方法が提案されている。(特許文献3、4参照)
しかし、このような修正箇所に直接インキを導入する方法は、微小な修正箇所にインキを正確に導入する事が難しいばかりでなく、基板上でのインキの広がりや膜厚のバラツキを制御することは難しい。この為、インキを導入した後のレーザー光照射によるトリミング(整形)作業や膜厚を整えるための部分的な研磨作業を行う必要があった。
【0017】
そこで、修正インキをあらかじめフィルム上に加工した感光性着色フィルムを必要部位に熱転写した後、露光/ 現像/ 乾燥させて修正する方法(特許文献5参照)や、修正用着色フィルムの熱転写時にレーザーを用いて部分的に熱圧着する方法(特許文献6参照)など、いわゆるフィルム転写方式による修正方法が用いられている。
【0018】
フィルム転写方式による修正では、あらかじめ修正インキが一定の膜厚に形成されている着色フィルムを用いる事から、修正パターンの膜厚が均一であり、インキを直接修正部に塗布する場合に比べ修正時間の短縮ができる利点がある。
【0019】
しかし、修正フィルムに用いる着色層は、熱溶融または軟化させる必要があり、すでに基板上にパターニングする際に用いた材料と異なる材料を用いる必要があった。
【0020】
さらに、事前に修正フィルムを作る必要があるが、一般に基板のパターニングに用いるインキに対して修正フィルムの使用量はごくわずかな為、高価になりやすく、一度修正フィルムを作ると着色インキの変更を思うようにできない欠点があった。
【0021】
また、広範囲の白抜けなどの修正は短時間で行なう事ができるが、パターニングを必要とする修正では、転写時または転写後のパターニング加工(トリミング)が必要であり修正に時間がかかってしまっていた。特に、転写時にレーザー照射を用いてトリミングする
場合、支持基材であるフィルム材料を同時に転写してしまう欠点や、修正フィルムを介して基材を観察し、修正箇所を決める必要があり、修正位置の精度やパターンの連続性を低下させる場合があった。
【0022】
以下に公知の文献を記す。
【特許文献1】特開平05−72528号公報
【特許文献2】特開平08−182949号公報
【特許文献3】特開平11−271752号公報
【特許文献4】特開2003−66218号公報
【特許文献5】特開平05−210009号公報
【特許文献6】特開平11−230861号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明の課題は、従来のフィルム転写方式を用いたパターン修正方法の不具合を解決し、パターン修正部の正確な位置決めや修正フィルムの転写後のパターニングを必要としない高精度なパターン修正方法およびパターン修正装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明において上記課題を達成する為に、まず請求項1の発明では、すでにパターンが施された基板のパターン欠陥部にインキを転写して修正するパターン修正方法において、インキ剥離性フィルム上にパターニングした予備乾燥インキ膜を基板上パターン欠陥部に加圧転写して修正することを特徴とするパターン修正方法としたものである。
【0025】
また請求項2の発明では、前記インキ剥離性フィルム上にパターニングした予備乾燥インキ膜を得る方法として、インキ剥離性フィルム上に修正用インキを塗布し、予備乾燥状態にしてから、必要とするパターンを凹部とする版を接触させ、余分なパターン部を版凸部へ転移させることで、インキ剥離性フィルム上にパターニングされた予備乾燥インキ膜を得ることを特徴とする請求項1記載のパターン修正方法としたものである。
【0026】
つぎに、請求項3の発明では、前記インキ剥離性フィルムとして、透明フィルム基材表面に離形層を設けた離形フィルムを用いることを特徴とする請求項1または2記載のパターン修正方法としたものである。
【0027】
また、請求項4の発明では、前記パターニングが施された基板のパターン欠陥部に、予備乾燥インキ膜をパターニングしたインキ剥離性フィルムを平行に合わせ、光学手段を用いて前記インキ剥離性フィルム側から観測しながら、予備乾燥インキ膜のパターンと基板のパターン欠陥部の位置合わせを行うことを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載のパターン修正方法としたものである。
【0028】
また、請求項5の発明では、パターニングが施された基板のパターン欠陥部に、インキ剥離性フィルム上にパターニングしたインキ膜を転写して修正を行うパターン修正装置であって、表面の観察やレーザー照射による不要パターンの除去、または転写時の加圧等を行う転写・観察プローブ、該転写・観察プローブ下部へ前記インキ剥離性フィルムを連続的に供給するフィルム搬送系、インキ剥離性フィルムへインキを塗布する塗工ヘッド、インキ剥離性フィルム上の予備乾燥膜を版によってパターニングするパターン除去部を搭載したことを特徴とするパターン修正装置としたものである。
【0029】
さらに、請求項6の発明では、前記パターニングが施された基板はフラットパネルディスプレイ向けのカラーフィルターであることを特徴とする請求項1乃至4何れかに記載の
パターン修正方法としたものである。
【0030】
さらに、請求項7の発明では、前記パターニングが施された基板はフラットパネルディスプレイ向けのカラーフィルターであることを特徴とする請求項5記載のパターン修正装置としたものである。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、すでにパターンが施された基板のパターン欠陥部にインキを転写して修正するパターン修正方法において、インキ剥離性フィルム上にパターニングした予備乾燥インキ膜を基板上パターン欠陥部に加圧転写して修正する。したがって、直接修正インキを用いる方法に比べて、修正後のパターン膜厚を均一にできる為、局所的な研磨加工を必要とせず、すでにパターン化されたインキ膜を転写する為、レーザーによるトリミング加工が不要となり、修正に要する時間やコストを低減することができる高精度なパターン修正方法である。
【0032】
また本発明では、前記インキ剥離性フィルム上にパターニングした予備乾燥インキ膜を得る方法として、インキ剥離性フィルム上に修正用インキを塗布し、予備乾燥状態にしてから、必要とするパターンを凹部とする版を接触させ、余分なパターン部を版凸部へ転移させる。したがって、10μm幅程度の精密なパターニングを可能とするばかりでなく、修正用テープをあらかじめ作製しておく方式と比較すると、必要な量だけ修正用インクを使用することができ、修正するパターンに応じて塗工するインクまたは塗工ヘッドを切り替えることができるため、修正用テープの取替えや、修正テープ毎の搬送系を搭載する必要がなく、修正に要する時間やコストを低減することができる高精度なパターン修正方法である。
【0033】
つぎに、本発明では前記インキ剥離性フィルムとして、透明フィルム基材表面に離形層を設けた離形フィルムを用いることで、安価なパターン修正方法とすることができる。
【0034】
また、本発明では、前記パターニングが施された基板のパターン欠陥部に、予備乾燥インキ膜をパターニングしたインキ剥離性フィルムを平行に合わせ、光学手段を用いて前記インキ剥離性フィルム側から観測しながら、予備乾燥インキ膜のパターンと基板のパターン欠陥部の位置合わせを行うことで、微細なパターンや広範囲なパターンの修正を精度良く行うことが可能となる高精度なパターン修正方法である。
【0035】
また本発明では、パターニングが施された基板のパターン欠陥部に、インキ剥離性フィルム上にパターニングしたインキ膜を転写して修正を行うパターン修正装置として、表面の観察やレーザー照射による不要パターンの除去、または転写時の加圧等を行う転写・観察プローブ、該転写・観察プローブ下部へ前記インキ剥離性フィルムを連続的に供給するフィルム搬送系、インキ剥離性フィルムへインキを塗布する塗工ヘッド、インキ剥離性フィルム上の予備乾燥膜を版によってパターニングするパターン除去部を搭載した事で、従来のパターン修正装置と比較し、安価で修正にかかる時間が少なく、精度の良いパターン修正装置を提供する事が可能となった。
【0036】
さらに本発明では、前記パターニングが施された基板はフラットパネルディスプレイ向けのカラーフィルターであることで、カラーフィルター製造の歩留まり向上やコスト削減を実現する事ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下に、本発明によるパターン修正方法およびパターン修正装置を、実施形態に基づいて図1〜2を参照して説明する。
【0038】
図1は、本発明の一実施形態であるパターン修正装置の概略図である。
【0039】
本発明に用いるインキ剥離性フィルム107は、プラスチック等の可撓性基材に加工し、用いることが可能である。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ナイロン、アラミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロースなどのフィルム、シートを用いることができる。さらに光透過性の基材を用いることにより、パターンの重ね合わせ時にアライメントを容易とすることができる。これら可撓性基材は長尺の巻き取りロールで供給され、インキ剥離性フィルム107へ加工された後、修正パターンの大きさに応じて0.5mm〜2mmの幅にスリットして使用する。
【0040】
また、スリットされたインキ剥離性フィルムの一部へインキを塗工する際に、端面から裏側へインキが移行してしまう不具合がどうしても起き易い為、あらかじめ25μm〜50μm厚のPPまたはPET等の保護フィルムを粘着層を介して裏面にラミネート加工しておき、インキ塗工後に保護フィルムを剥がして使用することが好ましい。
【0041】
本発明に用いるインキ剥離性のフィルム基材107は、上記基材へシリコーンオイル、シリコーンワニスで代表される離型剤を塗っても良いし、あるいはシリコーンゴムの薄膜層を形成してもよい。また同じ目的でフッ素系樹脂、フッ素系ゴムも利用されうるし、フッ素樹脂微粉末をシリコーンゴムあるいは、普通のゴムに混ぜて剥離性を出すなどの使い方をしてもよい。これらシリコーン系の塗膜は通常フィルム基材との密着が低いが、熱硬化または紫外線硬化性のアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、最表面に設けるシリコーン層に対して、より基材との接着性の高い樹脂層を、アンカー層としてあらかじめフィルム基材上に設け、その上層に設けることもできる。
【0042】
いずれも適度のインキ受容性を有すると同時に、一度受容したインキの完全なインキ剥離性を有することが望ましい。
【0043】
具体的なシリコーンとしては、ジメチルポリシロキサンの各種分子量のもの、その他メチルハイドロジエンポリシロキサン、メチルフェニルシリコーンオイル、メチル塩素化フェニルシリコーンオイル、あるいはこれらポリシロキサンと有機化合物との共重合体など、変成したものを用いることができる。
【0044】
シリコーンゴムとしては、二液型のジオルガノポリシロキサンと架橋剤としての三官能性以上のシラン、またはシロキサン及び硬化触媒を組み合わせたもの、あるいは一液型ではジオルガノポリシロキサンとアセトンオキシム、各種メトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン等の組み合わせなどが用いられ、その他ゴム硬度を調節するためのポリシロキサンが適宜用いられる。
【0045】
また、本発明に用いるインキ剥離性フィルム107として、上記基材に無機膜を設けた後、シランカップリング剤による表面処理を施したものを用いることもできる。
【0046】
シランカップリング剤としては、トリメトキシシラン類、トリエトキシシラン類などを用いることができる。このシランカップリング剤の一部位は、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基などの有機化合物との反応性基を持つものから選ぶことができ、あるいはアルキル基やその一部にフッ素原子が置換されたものやシロキサンが結合して、表面自由エネルギーの小さな表面を形成できる置換基が結合したものを用いることができる。前者の反応性基を有するシランカップリング剤を用いる場合には、シラ
ンカップリング剤で基材表面を処理した後、所定の表面自由エネルギーになるような他のモノマー成分を塗工して、結合させることができる。反応性基を有するシランカップリング剤としては、ビニルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどを用いることができ、モノマーとして、スチレン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチルプロパントリグリシジルエーテル、ラウリルアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどを用いることができる。また、反応性基を有さないシランカップリング剤としてはメチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシランなどを用いることができる。但し、アルキル基に限定されるものではない。
【0047】
上記シランカップリング剤を上記基材に固定化する方法としては、シランカップリング剤を使用した公知の表面処理方法を用いることができる。例えば、シランカップリング剤を水、酢酸水溶液、水−アルコール混合液、あるいはアルコール溶液に希釈させた溶液を調製する。前記溶液を公知の塗工方法であるグラビアコーター、ロールコーター、ダイコーター等を用いて基材表面に塗工し、次いで乾燥させることでシランカップリング剤を固定化できる。また、反応性基を有するシランカップリング剤を用いた場合には、次いで他のモノマー成分を同様に塗工して結合させることができる。
【0048】
上記シランカップリング剤を基材上に固定化するためには、あらかじめ基材上にSiO2や、TiO2、ZrO2もしくはこれらの複合膜が設けられていることが好ましい。これら無機酸化膜は既知の蒸着法やスパッタ法を用いて設けたものを用いることができる。
【0049】
また、上記無機酸化膜を設ける方法として、一般式M(OR)nで表される金属アルコキシド(MはSi,Ti,Al,Zrなどの金属、RはCH3,C25などのアルキル基)を水、アルコールの共存下で加水分解反応および縮重合反応させて得られたゲル溶液を表面にコーティング後、加熱することで無機酸化物膜を設ける、いわゆるゾル−ゲル法を用いることができる。
【0050】
さらに、上記ゾル−ゲル法で用いる金属アルコキシド溶液中にあらかじめ上記シランカップリング剤を添加しておくこともできる。この場合、表面性改質に特に効果が得られる。
【0051】
このようにして得られるインキ剥離性フィルム107に対するインキは、処理面へインキを滴下した際の接触角が、10°以上90°以下となるのが好ましく、より好ましくは20°以上70°以下である。この接触角が小さいと後工程でのインキ剥離性が低下してパターンの欠陥(再現性不良等)が発生しやすくなり、接触角が大きいとインキ液膜を形成する際にハジキが生じて、均一なインキ液膜を形成することが困難になる。
【0052】
パターニングの為の版109としては、無アルカリガラス等の低膨張ガラス表面に感光性樹脂を用いてマスクパターンを形成した後、既存のドライエッチング処理やウエットエッチング処理、もしくはサンドブラスト処理を用いて、2μmから30μmの版深を設けた凸版を用いることができる。
【0053】
また、版109にはナイロン、アクリル、シリコーン樹脂、スチレン−ジエン共重合体などからなるものを用いることもできる。またエチレン−プロピレン系、ブチル系、ウレタン系ゴムなどのゴム製の版を用いることもできる。このような樹脂製の凸版は、すでに凸版印刷やフレキソ印刷用に用いられており、予め作製した型に所定の樹脂を流し込んで
版とする、あるいは彫刻によっても作製することができるが、感光性樹脂を用いる方法がより高精度のものを作製できる。
【0054】
インキ液膜の材料としては、画像パターン形成材料に溶媒を溶解又は分散させたものを用いることができる。例えば、カラーフィルターにおいて赤色、緑色、青色からなるカラーパターン(着色層)やブラックマトリックス等を本発明の製造方法により形成する場合、顔料成分と樹脂成分を溶媒中に溶解、分散させることによりインキとなる。
【0055】
顔料には、例えば、赤、緑、青の各色で使用できる顔料として次のものが挙げられる。顔料の種類は、カラーインデックス(C.I.)No.で示す。まず、赤色顔料として、97、122、123、149、168、177、180、192、208、209、215などが、緑色顔料として7、36などが、青色顔料として、15、15:1、15:3、15:6、22、60、64などが挙げられる。墨顔料として、カーボンブラック、チタンブラックなどが挙げられる。また、これら赤、緑及び青顔料の色調整及びインキの流動性を改善するために、次に挙げる顔料を必要量添加することができる。
【0056】
赤色、緑色、青色以外にも、例えば、黄顔料として、17、83、109、110、128などが、紫顔料として、19、23などが、白顔料として、18、21、27、28などが、橙顔料として、38、43などが挙げられる。顔料は、単体以外に、顔料を予め分散剤、有機溶剤に分散させた顔料分散体であっても良い。
【0057】
また、ブラックマトリックスに用いられる黒色顔料としては、カーボンブラックやチタンブラックが単独又は混合して用いられる。
【0058】
樹脂成分には、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂からなる群から選ばれる1つ以上のものが使用される。溶剤には、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤及び炭化水素系溶剤などが使用される。エステル系溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、アルコール系溶剤として、1−ブタノール、3メトキシ−3メチル−1ブタノール、1−ヘキサノール、1,3ブタンジオール、1−ペンタノール、2−メチル1−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール、エーテル系溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールターシャリーブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、炭化水素系溶剤として、ソルベッソ100、ソルベッソ150(製品名エクソン化学社製)などが挙げられる。
【0059】
さらに分散剤として、非イオン性界面活性剤例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル等、イオン性界面活性剤例えばアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリ脂肪酸塩、脂肪酸塩アルキルリン酸塩、及びテトラアルキルアンモニウム塩等、その他、有機顔料誘導体、及びポリエステルなどを単独、あるいは二種類以上を混合して使用することができる。
【0060】
また、インキ剥離性フィルム107上への塗工を均一に行う為に、レベリング剤を用いることも可能である。例えばケイ素および/またはフッ素の原子を含む材料例えばフッ素樹脂、及びシリコーン樹脂が使用される。フッ素樹脂系としては、含フッ素モノマーもしくはオリゴマー(低分子化合物)、シリコーン樹脂系としては、含ケイ素モノマーまたはオリゴマー(低分子化合物)を使用することができる。
【0061】
レベリング剤を添加しない場合あるいは少ない場合は、濡れ性の低いインキ剥離性フィルム上でインキが撥いてしまい、多い場合はインキの基材への密着や耐性を確保することが困難になる為、添加量はインキ組成物全重量に対し好ましくは0.01重量%〜5重量%、より好ましくは0.05重量%〜2重量%である。
【0062】
インキ剥離性フィルム107上へインキ液膜を形成するために、既存のコーティング方法から選択して使用することができるが、インキ液膜を予備乾燥した膜厚が0.5μm〜3μmとなるのが好ましい。インキ液膜がこの範囲より薄いと、乾燥が進行してしまい易く、インキ剥離性フィルムから剥がれ易くなりすぎてしまう。一方インキ液膜の膜厚が高いと乾燥しにくくなり、表面に膜が張るなどの不具合が生じ、乾燥ムラが起き易くなるなど均一なパターニングが困難になってしまう。
【0063】
インキ剥離性フィルム107上へインキ液膜を形成した後に、前記インキ液膜を予備乾燥するが、この予備乾燥は自然乾燥させるのが簡単な方法である。しかし、冷風もしくは温風乾燥、マイクロ波、減圧乾燥などを用いることも可能である。また、紫外線、電子線などの放射線を用いることもできる。
【0064】
この予備乾燥では、インキ液膜の粘度またはチキソトロピー性、脆性を上げることを目的とする。予備乾燥による乾燥が不十分な場合は、後工程の凸版を押し当て剥離する際に、インキ液膜が断裂して不良が発生してしまう。逆に乾燥が行き過ぎた場合は、インキ膜表面のタック性が無くなり、前記凸版にインキが転写されない。そのため、使用するインキの組成によって乾燥状態を乾燥時間や雰囲気温度により調節するが、乾燥したインキ膜に対して0.5%から5%の溶剤の残留が認められる状態が好ましい。
【0065】
いわゆるドライフィルムといわれるppmオーダーの溶剤残留量では乾燥が行き過ぎであり、インキが転写されない不具合や、版の押し付けによりインキ膜が部分的に剥離してゴミの原因になったりする不具合があるため、予備乾燥インキ膜の条件として適さない。
【0066】
以下に、これら材料を用いて精密パターンの転写を実施するためのパターン修正装置について説明する。
【0067】
転写・観察プローブ100は、レンズ、ミラー等の光学系に、修正箇所観察やレーザーリペアの為のCCD観察部104、光源・レーザー光源導入部105から構成され、さらにパターン転写の為の転写ヘッド101を組み込んだ修正用のプローブである。
【0068】
CCD(Charge Coupled Device)観察部104は、転写・観察プローブへ導入され、基材115表面で反射された光や、基材115からの透過光を、対物レンズやハーフミラーを介して転写・観察プローブ100に組み込まれたCCD素子を用いて観察するものであり、入射光に基づいて画像を検出するものであればよく、CCD素子搭載回路をパーソナルコンピュータやモニターに接続してパターン欠陥部の位置の確認、表面観察に用いる。
【0069】
また、光源・レーザー光源導入部より転写・観察プローブ100に導入し、基材115表面へ照射するレーザー光は、異物やパターン欠陥部を除去するために、波長の短い近可視域から紫外域のレーザー光を用いる。レーザー照射の大きさは、スリット板を用いて変更でき、30μm〜100μm径で形状は正方形、長方形、平行四辺形などを用いることができる。
【0070】
この転写・観察プローブ100は、XYΘステージ116上に保持されるが、転写・観察プローブ100自身へX軸方向もしくはX軸Y軸方向への移動手段を持たせ、基板上で
動かしても良く、光学系による観察の為の焦点合わせのため高さ方向への動作を可能とする。
【0071】
さらに、例えばレーザーリペア時や大まかに修正箇所を探す場合には、インキ剥離性フィルム107が観察視界から外れるような位置に観察プローブ100やインキ剥離性フィルム107の搬送系を移動させるのが好ましい。
【0072】
転写ヘッド101は、ヘッド駆動部103及び加圧板102から構成され、ヘッド駆動部103により加圧板102をインキ剥離性フィルム107に押し付ける事で、インキ剥離性フィルム基材上に形成された修正パターン113を基板115上に転写する。
【0073】
加圧板102は、透明プラスチック樹脂、ガラス等の透明な材料であり加圧時の割れなどが無く、転写ヘッドに保持でき、修正箇所の観察に支障がなければ一般に入手できる素材を用いる事ができるが、好ましくは透明なシリコーン樹脂による成型体を用いる。
【0074】
巻き出し部106、及び巻き取り部117は、スリット加工されたインキ剥離性フィルム107の巻き取りロールから順にフィルムを送り出し、使用後巻き取るために設置される。それぞれ巻き取りロールで供給される原反を設置または、巻き取るため直径3cmから20cm巻き取りを装着できるマウンターと、軸となるシリンダー、回転やテンションを制御してフィルム基材を搬送するためのモーターやテンションを制御する為のブレーキを備える。
【0075】
本発明においては、インキの粘度や溶媒の乾燥性によって公知の塗工方法に応じた塗工方法を用いることができる。例えばディッピング法、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、エアナイフコート、コンマコート、ダイコート、スクリーン、スプレーコート、グラビアオフセット、インクジェット等が挙げられる。中でも、ダイコート、キャップコート、ロールコート、アプリケータ、インクジェットは均一なインキ液膜を形成することができ、さらにその中でも細くスリット加工された搬送フィルム基材上へ形成する場合は、装置が簡素であり高い粘度のインクも塗布することができ、膜厚の均一性が高いダイコートが最も効率的で好適な形成方法である。
【0076】
塗工ヘッド108は、あらかじめインキ剥離性フィルム107とのギャップを設定しておくことができ塗布時に最適な塗工位置に保持する。ダイコーターを用いる場合、このギャップとインキ剥離性フィルム107の搬送速度や修正インクの固形分比や吐出量によって膜厚の制御を行う。
【0077】
版マウンター110は、版109を吸着固定するための吸着孔を持ち、減圧吸着により保持する。また、インキ剥離性フィルム107上に得られた予備乾燥インキ膜112へ押し付け、引き離しを行うための駆動やエアー圧による押し圧の調整が可能な機構を有する。
【0078】
XYΘステージ116は、ボールねじやリニアモーター等で駆動するものを用いることができ、金属製、石製などのものを用いることができるが、少なくとも水平を保ったまま往復運動や回転を制御できる物を用いる。また、基板115を減圧により吸着固定できるが、吸着による表面の凹凸を防ぐためにフィルムのエッジ付近のみ吸着孔を設ける方法や、多孔質性材料を用いた吸着表面を用いる方法を選択することができる。
【0079】
さらに上記材料やパターン修正装置を用いて精密パターンの転写を実施するための手順について説明する。
【0080】
まず、図2(a)に示すように、インキ剥離性フィルム107を巻き出し部106より巻き出し、搬送させ、コーターヘッド108でインキ剥離性フィルム107の一定部分へ修正インキを塗工し、室温で数分間放置することにより予備乾燥インキ膜112を得る。(図2(b))
次に、保護フィルムを剥いだ後、予備乾燥インキ膜112を転写ステージ111上に搬送する。(図2(c))
その後、版マウンター110に固定された版109を転写ステージ111上のインキ剥離性フィルム107へ押し付け(図2(d))、版109をインキ剥離性フィルム107から剥がすことにより、インキ剥離性フィルム107上に修正用パターン113を得る。(図2(e))
自動で、あるいは転写・観察プローブ100に設けられた光学系やCCD観察部104を用い観察しながら修正パターン113が転写ヘッド101の直下にくるように、インキ剥離性フィルム107を搬送し(図2(f))、XYΘステージ116上に吸着固定された基材115の既存パターン114と、インキ剥離性フィルム107上の修正パターン113を同時に観察しながら、XYΘステージ116の位置調整を行い、修正位置を決定する。(図2(g))
なお、修正する既存パターン114中のパターン欠陥部が異物付着による欠陥であった場合や、パターン欠陥部と修正パターン113の形状が合致しない場合は、転写ヘッド101からのレーザー照射を行い、異物の除去や欠陥部形状の規格化を行っておく必要がある。
【0081】
転写ヘッド101に設けられた加圧版102を、ヘッド駆動部103を動作させてインキ剥離性フィルム107に押し付けた後、ヘッド駆動部を戻すことで、修正パターン113を既存パターン114中の修正箇所へ転写を行う。
【0082】
必要により、修正した基板115をオーブンなどの加熱手段を用いて加熱、または修正箇所のみにIRヒーターなどの局所的な加熱手段を用いて、修正パターン113の硬化を促進させパターン修正を完了する。
【実施例1】
【0083】
[修正インキの調整]
メタクリル酸20部、メチルメタクリレート10部、ブチルメタクリレート55部、ヒドロキシエチルメタクリレート15部を、乳酸ブチル300部に溶解し、窒素雰囲気下でアゾビスイソブチルニトリル0.75部を加えて70℃にて5時間の反応によりアクリル共重合樹脂を得た。アクリル共重合樹脂を樹脂濃度が10%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)で希釈し、アクリル共重合樹脂液とした。このアクリル共重合樹脂液80.1gに対し、RGB用顔料を各19.0g及びカーボンブラックを35.0g、分散剤0.9gを添加し、3本ロールにて混練し、R,G、B、Bkの各着色ペーストを得た。さらにこれら着色ペーストにPGME、を加え、顔料濃度が12〜15%(RGB)、または23〜35%(BK)になるよう調整し、レベリング剤としてメガファックF−483SF(大日本インキ化学工業社製)を0.2%重量部添加し各修正インキを作製した。
【0084】
[その他修正用部材]
インキ剥離性フィルムとして、基材厚約120μmのシリコーン系離形ポリエステルフィルム:K1504(東洋紡績社製)を300mm幅、100mのロール状で用意し、シリコーン加工面の裏面に微粘着剤加工済み保護フィルムをラミネート加工した後、段階的にスリット加工し、2mm幅20mの巻取りロールを得た。
【0085】
Bk用版として、3.0cm角の0.7mm厚透明ガラスを用い、線幅20μm、40
μm角に収まる十字マークを、RGB用版として、40μm角のパターンをそれぞれ、5μmの深さにエッチングを行いパターンを用意した。
【0086】
[カラーフィルターの修正]
作製した修正インキと同等の顔料を使用し、顔料分散方式で製造されたカラーフィルターを使用して修正を行った。
【0087】
光学検査装置で位置データーを取得した遮光層、またはR,G,Bの着色層の異物欠陥に、第3高調波YAGレーザー光(355nm、2mJ/パルス、HOYA製)を照射して、異物欠陥の除去と、40μm角のピンホールを作成した。
【0088】
作成したインキをダイコーターで膜厚1.2μmになるように幅2mmのインキ剥離性フィルムへ1cm塗工し、300秒室温で放置し、予備乾燥インキ膜を得た。
【0089】
インキ剥離性フィルムの裏に設けた保護フィルムを剥がした後、予備乾燥インキ膜を転写ステージまで搬送した。
【0090】
マウンターに保持した版を予備乾燥インキ膜が収まるように接触させ、垂直に引き剥がし、インキ剥離性フィルム上に修正パターンを得た。
【0091】
XYΘステージ上に固定されたカラーフィルタ基板に対抗するようにインキ剥離性フィルムを搬送し、XYΘステージを動かして大まかに修正位置と、インキ剥離性フィルム上の修正パターン、転写・観察プローブをそれぞれ対向する位置に保持した。
【0092】
転写・観察プローブによる観察を用いて、インキ剥離性フィルム上のパターンと基板上の40μmのピンホールを重ね、転写・観察プローブ先端の転写ヘッドを下降・上昇させ、修正パターンを基板上のピンホール位置に転写した。
【0093】
修正後のカラーフィルター基板を200℃20分で乾燥し、修正パターンの熱硬化を行った後、修正部と周囲との色差が5以下であり、目視では修正部を認識できないほど、周辺部とのパターンの連続性や平坦性が良好なカラーフィルターを得た。
【産業上の利用可能性】
【0094】
微小なパターンの欠陥を修正する工程に使用することができ、中でもカラーフィルターのパターン修正に用いる事ができる。カラーフィルターは、液晶用に限定するものではなく、CCD用カラーフィルターや投影装置用カラーフィルター、有機ELディスプレイ用や電子ペーパー用カラーフィルターに適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の一実施形態であるパターン修正装置の概略図である。
【図2】本発明の一実施例によるパターン修正のプロセス概略の説明図である。
【0096】
(a) … インキ剥離性フィルム巻き出し
(b) … 修正インキ塗工
(c) … 修正インキ乾燥
(d) … 版転写
(e) … 版剥離による修正パターン作成
(f) … 転写位置決め
(g) … 転写位置観察
【符号の説明】
【0097】
100 … 転写・観察プローブ
101 … 転写ヘッド
102 … 加圧板
103 … ヘッド駆動部
104 … CCD観察部
105 … 光源・レーザー光源導入部
106 … 巻き出し部
107 … インキ剥離性フィルム
108 … 塗工ヘッド
109 … 版
110 … 版マウンター
111 … 転写ステージ
112 … 予備乾燥インキ膜
113 … 修正パターン
114 … 既存パターン
115 … 基板
116 … XYΘステージ
117 … 巻き取り部
118 … 保護フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
すでにパターンが施された基板のパターン欠陥部にインキを転写して修正するパターン修正方法において、インキ剥離性フィルム上にパターニングした予備乾燥インキ膜を基板上パターン欠陥部に加圧転写して修正することを特徴とするパターン修正方法。
【請求項2】
前記インキ剥離性フィルム上にパターニングした予備乾燥インキ膜を得る方法として、インキ剥離性フィルム上に修正用インキを塗布し、予備乾燥状態にしてから、必要とするパターンを凹部とする版を接触させ、余分なパターン部を版凸部へ転移させることで、インキ剥離性フィルム上にパターニングされた予備乾燥インキ膜を得ることを特徴とする請求項1記載のパターン修正方法。
【請求項3】
前記インキ剥離性フィルムとして、透明フィルム基材表面に離形層を設けた離形フィルムを用いることを特徴とする請求項1または2記載のパターン修正方法。
【請求項4】
前記パターニングが施された基板のパターン欠陥部に、予備乾燥インキ膜をパターニングしたインキ剥離性フィルムを平行に合わせ、光学手段を用いて前記インキ剥離性フィルム側から観測しながら、予備乾燥インキ膜のパターンと基板のパターン欠陥部の位置合わせを行うことを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載のパターン修正方法。
【請求項5】
パターニングが施された基板のパターン欠陥部に、インキ剥離性フィルム上にパターニングしたインキ膜を転写して修正を行うパターン修正装置であって、表面の観察やレーザー照射による不要パターンの除去、または転写時の加圧等を行う転写・観察プローブ、該転写・観察プローブ下部へ前記インキ剥離性フィルムを連続的に供給するフィルム搬送系、インキ剥離性フィルムへインキを塗布する塗工ヘッド、インキ剥離性フィルム上の予備乾燥膜を版によってパターニングするパターン除去部を搭載したことを特徴とするパターン修正装置。
【請求項6】
前記パターニングが施された基板はフラットパネルディスプレイ向けのカラーフィルターであることを特徴とする請求項1乃至4何れかに記載のパターン修正方法。
【請求項7】
前記パターニングが施された基板はフラットパネルディスプレイ向けのカラーフィルターであることを特徴とする請求項5記載のパターン修正装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−75416(P2009−75416A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−245264(P2007−245264)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】