パターン形成装置、パターン形成方法及びパターン形成用プログラム
【課題】より多くの良好なパターンを形成することができるパターン形成装置、パターン形成方法及びパターン形成用プログラムを提供する。
【解決手段】実施形態に係るパターン形成装置は、複数の小領域を含む転写領域を単位として、テンプレートに形成されたパターンを、基板上の複数の転写領域に順次転写するパターン形成装置であって、取得部と、分類部と、集計部と、転写部と、を備える。取得部は、基板に存在する欠陥部の検出情報を取得する。分類部は、取得部で取得した検出情報から、複数の転写領域を、欠陥部が存在しない第1転写領域と、欠陥部が存在する第2転写領域と、に分類する。集計部は、第2転写領域について、転写領域内での小領域の位置ごとに欠陥部の出現頻度を集計する。転写部は、集計部で集計した結果に基づき、欠陥部の出現頻度の高い位置の小領域に欠陥部が存在している第2転写領域から先にテンプレートによる転写を行う。
【解決手段】実施形態に係るパターン形成装置は、複数の小領域を含む転写領域を単位として、テンプレートに形成されたパターンを、基板上の複数の転写領域に順次転写するパターン形成装置であって、取得部と、分類部と、集計部と、転写部と、を備える。取得部は、基板に存在する欠陥部の検出情報を取得する。分類部は、取得部で取得した検出情報から、複数の転写領域を、欠陥部が存在しない第1転写領域と、欠陥部が存在する第2転写領域と、に分類する。集計部は、第2転写領域について、転写領域内での小領域の位置ごとに欠陥部の出現頻度を集計する。転写部は、集計部で集計した結果に基づき、欠陥部の出現頻度の高い位置の小領域に欠陥部が存在している第2転写領域から先にテンプレートによる転写を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、パターン形成装置、パターン形成方法及びパターン形成用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
凹凸パターンが形成されたテンプレートを用いてパターンを転写する、いわゆるインプリント法では、基板上に滴下した樹脂にテンプレートを接触させ、この状態で樹脂に紫外線光等を照射して硬化させる。その後、テンプレートを離型することによって、テンプレートの凹凸パターンの形状を樹脂に転写している。
【0003】
このようなテンプレートを用いたパターンの形成においては、テンプレートを繰り返し利用することによって、製造工程の簡素化及び製造コストの低減を図ることができる。一方、基板上に異物や欠陥が存在すると、テンプレートを接触させた際にテンプレートに破損等の影響を与える可能性がある。破損したテンプレートを使用すると、その破損部分がパターンに転写されてしまう。
【0004】
そこで、予め基板表面の欠陥検査を行い、欠陥のない部分について先にテンプレートによるパターン転写を行う。一方、欠陥のある部分には、別なテンプレートを用いてパターン転写を行う。これらのテンプレートには同じデザインの凹凸パターンが設けられている。これにより、基板全体でのパターンの被覆率の均一化を図る。
このようなテンプレートを用いたパターンの形成においては、さらなる歩留まりの向上が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−069762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、より多くの良好なパターンを形成することができるパターン形成装置、パターン形成方法及びパターン形成用プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係るパターン形成装置は、複数の小領域を含む転写領域を単位として、テンプレートに形成されたパターンを、基板上の複数の転写領域に順次転写するパターン形成装置であって、取得部と、分類部と、集計部と、転写部と、を備える。取得部は、基板に存在する欠陥部の検出情報を取得する。分類部は、取得部で取得した検出情報から、複数の転写領域を、欠陥部が存在しない第1転写領域と、欠陥部が存在する第2転写領域と、に分類する。集計部は、第2転写領域について、転写領域内での小領域の位置ごとに欠陥部の出現頻度を集計する。転写部は、集計部で集計した結果に基づき、欠陥部の出現頻度の高い位置の小領域に欠陥部が存在している第2転写領域から先に、テンプレートによる転写を行う。
【0008】
また、他の実施形態に係るパターン形成方法は、複数の小領域を含む転写領域を単位として、テンプレートに形成されたパターンを、基板上の複数の前記転写領域に順次転写するパターン形成方法である。
このパターン形成方法は、前記基板に存在する欠陥部の検出情報を取得する工程と、前記取得した前記検出情報から、前記複数の転写領域を、前記欠陥部が存在しない第1転写領域と、前記欠陥部が存在する第2転写領域と、に分類する工程と、複数の前記第2転写領域について、前記転写領域内での前記小領域の位置ごとに前記欠陥部の出現頻度を集計する工程と、前記集計した結果に基づき、前記欠陥部の出現頻度の高い位置の前記小領域に前記欠陥部が存在している前記第2転写領域から先に、前記テンプレートによる転写を行う工程と、を備える。
【0009】
また、他の実施形態に係るパターン形成用プログラムは、複数の小領域を含む転写領域を単位として、テンプレートに形成されたパターンを、基板上の複数の前記転写領域に順次転写するためのパターン形成用プログラムである。このパターン形成用プログラムは、コンピュータを、前記基板に存在する欠陥部の検出情報を取得する取得手段、前記取得手段で取得した前記検出情報から、前記複数の転写領域を、前記欠陥部が存在しない第1転写領域と、前記欠陥部が存在する第2転写領域と、に分類する分類手段、前記分類手段で分類された複数の前記第2転写領域について、前記転写領域内での前記小領域の位置ごとに前記欠陥部の出現頻度を集計する集計手段、前記集計手段で集計した結果に基づき、前記欠陥部の出現頻度の高い前記小領域に前記欠陥部が存在している前記第2転写領域から先に、前記テンプレートによる転写を行う転写順を決定する決定手段、として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態に係るパターン形成装置の構成を例示する図である。
【図2】転写領域を例示する模式的平面図である。
【図3】実施形態に係るパターン形成方法の流れを例示するフローチャートである。
【図4】参考例を説明する図である。
【図5】実施形態に係るパターン転写順の例を説明する図である。
【図6】複数枚の基板にパターンを形成する具体例を説明する模式図である。
【図7】小領域の配置ごとに欠陥部の数を集計した例を示す図である。
【図8】区分けの具体例を示す模式図である。
【図9】区分けの具体例を示す模式図である。
【図10】区分けの具体例を示す模式図である。
【図11】区分けの具体例を示す模式図である。
【図12】区分けの具体例を示す模式図である。
【図13】実施形態に係るプログラムが実行されるコンピュータを説明する図である。
【図14】実施形態に係るプログラムの処理の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図に基づき説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比係数などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比係数が異なって表される場合もある。
また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0012】
(第1の実施形態)
先ず、実施形態に係るパターン形成装置の一例について説明する。
図1は、実施形態に係るパターン形成装置の構成を例示する図である。
図1(a)は、パターン形成装置の構成を例示するブロック図である。図1(b)は、転写部でのパターン転写の状態を例示する模式図である。
【0013】
図1(a)及び(b)に表したように、実施形態に係るパターン形成装置110は、テンプレート200に形成された凹凸パターン210を、ウェーハ等の基板W上に転写する装置である。パターン形成装置110は、第1テンプレート200A及び第2テンプレート200Bを用いてパターン転写を行う。実施形態では、第1テンプレート200A及び第2テンプレート200Bを総称して、テンプレート200ということにする。
実施形態に係るパターン形成装置110は、取得部10と、分類部20と、集計部30と、転写部40と、を備えている。
【0014】
ここで、転写部40によるパターン転写方法の一例を説明する。
図1(b)に表したように、転写部40は、テンプレート200に設けられた凹凸パターン210の形状を基板W上に転写する。先ず、基板W上に樹脂320を塗布する。
【0015】
その後、テンプレート200の凹凸パターン210を樹脂320に接触させ、この状態で樹脂320を紫外線光の照射等によって硬化させる。樹脂320が硬化したのち、テンプレート200を離型する。
【0016】
これにより、基板W上に、テンプレート200の凹凸パターン210の形状を反転した転写パターン310が形成される。なお、樹脂320には、光照射によって硬化する光硬化型樹脂のほか、加熱によって硬化する熱硬化型樹脂を利用してもよい。
【0017】
テンプレート200を用いたパターン転写では、基板Wを複数の転写領域に区分けして、転写領域ごとにテンプレート200を用いて順番にパターン転写を行う。
図2は、転写領域を例示する模式的平面図である。
図2(a)では、基板Wの全体における転写領域Rを例示している。図2(b)では、一つの転写領域Rを例示している。
【0018】
図2(a)に表したように、基板Wには複数の転写領域Rが設定される。転写領域Rは、基板Wに対してマトリクス状に設けられている。ここで、一つの転写領域Rには複数の小領域SRが含まれている。小領域SRは、例えば一つのチップに対応している。パターン形成後、小領域SRの単位で基板Wを切り出すことで、チップ型の製品が完成する。
【0019】
図2(b)に表した例では、一つの転写領域Rに、第1小領域SR1〜第6小領域SR6の6つの小領域が含まれている。複数の転写領域Rにおいて、それぞれ第1小領域SR1〜第6小領域SR6の配置は同じ(一定の並び順)である。
【0020】
なお、小領域SRの数や配置は図2(b)に示すものに限定されない。実施形態では、説明の便宜上、図2(b)に表した6つの第1小領域SR1〜第6小領域SR6が同図に示す配置で設けられた場合を例とする。また、実施形態では、第1小領域SR1〜第6小領域SR6を総称して、小領域SRということにする。
【0021】
第1小領域SR1〜第6小領域SR6には、それぞれ同じパターンが転写される。すなわち、テンプレート200による1回の転写によって、第1小領域SR1〜第6小領域SR6にそれぞれ同じパターンが転写される。これにより、テンプレート200を用いた1回の転写によって、複数チップに対応した領域にパターンを形成することができる。
【0022】
次に、実施形態に係るパターン形成装置110の各部について説明する。
図1(a)に表した取得部10は、基板Wに存在する欠陥部Dfの検出情報を取得する。取得部10には、測定部15が含まれていてもよい。測定部15を含む場合には、測定部15において基板Wに存在する欠陥部Dfを検出し、その検出情報を取得する。測定部15を含まない場合には、外部の測定装置(例えば、表面検査装置)によって検出した欠陥部Dfの検出情報を取得部10によって取得する。
【0023】
ここで、欠陥部Dfとは、テンプレート200によるパターン転写において、テンプレート200を樹脂320に接触させた際に、テンプレート200に影響を与える程度の凸部や凹部などのことをいう。欠陥部Dfには、基板Wに付着したダストや、下地パターンの欠陥が含まれる。検出情報には、基板W上の欠陥部Dfの位置(座標)及び大きさ(幅、高さ)の情報が含まれる。
【0024】
分類部20は、取得部10で取得した検出情報から、複数の転写領域Rを、第1転写領域R1と、第2転写領域R2と、に分類する処理を行う。第1転写領域R1は、欠陥部Dfが存在しない転写領域Rである。第2転写領域R2は、欠陥部Dfが存在する転写領域Rである。
【0025】
一例として、図2(a)に表した基板Wでは、複数の転写領域Rのうち、4つの転写領域R2に欠陥部Dfが存在する。分類部20は、検出情報に含まれる基板W上の欠陥部Dfの位置(座標)から、どの転写領域Rに欠陥部Dfが含まれているかを判断する。そして、欠陥部Dfが存在しない転写領域Rを第1転写領域R1、欠陥部Dfが存在する転写領域Rを第2転写領域R2として分類する。
なお、説明の便宜上、第1転写領域R1及び第2転写領域R2を区別しない場合には、これらを総称して、転写領域Rということにする。
【0026】
集計部30は、分類部20で分類された複数の第2転写領域R2について、転写領域R内での小領域SRの位置ごとに欠陥部Dfの出現頻度を集計する処理を行う。すなわち、欠陥部Dfが存在するとして分類された複数の第2転写領域R2について、第2転写領域R2に含まれる複数の小領域SRごとに欠陥部Dfが存在するか否かを調べる。あるいは、複数の小領域SRのそれぞれに含まれる欠陥部Dfの数を調べる。あるいは、第2転写領域R2に存在する欠陥部Dfのそれぞれが、複数の小領域SRのうちのいずれに属するかを調べてもよい。
【0027】
例えば、図2(a)及び(b)に表したように、欠陥部Dfが存在する複数の第2領域R2のそれぞれについて、欠陥部Dfが第1小領域SR1〜第6小領域SR6のどの小領域SRに存在するかを調べ、これを全ての第2領域R2について集計する。これにより、第1小領域SR1〜第6小領域SR6のそれぞれの配置ごとに、欠陥部Dfの存在の有無あるいは数が求められる。
【0028】
転写部40は、集計部30で集計した結果に基づいて、複数の第2転写領域R2を区分けして、この区分けの順にテンプレート200による転写を行う。すなわち、転写部40は、まず、集計部30で集計した結果に基づき、第2転写領域R2の小領域SRのそれぞれの位置における欠陥部Dfの出現頻度を調べる。そして、欠陥部Dfの出現頻度が高い位置の小領域SRに欠陥部Dfが存在している第2転写領域R2の順に第2転写領域R2を区分けする。
具体的には、例えば、複数の第2転写領域R2の共通する第1の特定の位置の小領域SRにおいて欠陥部Dfの出現頻度が最も高い場合に、この特定の位置の小領域SRに欠陥部Dfが存在している第2転写領域R2を第1グループとする。
その次に、複数の第2転写領域R2の共通する第2の特定の位置の小領域SRにおいて欠陥部Dfの出現頻度が2番目に高い場合に、この第2の特定の位置の小領域SRに欠陥部Dfが存在している第2転写領域R2を第2グループとする。なお、既に第1グループに割り振られた第2転写領域は、第2グループには区分けされない。
以下、このように、複数の第2転写領域R2の共通する特定の位置の小領域SRにおける欠陥部Dfの出現頻度が高い順に、その特定の位置の小領域SRに欠陥部Dfが存在している第2転写領域R2をグループ分けする。
【0029】
例えば、第1小領域SR1〜第6小領域SR6の各配置について、欠陥部Dfの多い順に並べ替え(データ上の並べ替え)を行う。そして、並べ替えた順(欠陥部Dfの多い順)に、その小領域SRに欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2を区分けする。
そして、転写部40は、第2転写領域R2の区分け順に、テンプレート200を用いた凹凸パターン210の転写を行う。
【0030】
実施形態に係るパターン形成装置110では、このように複数の第2転写領域R2への転写順を設定しているため、欠陥部Dfによってテンプレート200が破損等の影響を受けた場合でも、第2転写領域R2への転写の影響を最小限に抑制することができるようになる。
【0031】
次に、実施形態に係るパターン形成方法の一例について説明する。
図3は、実施形態に係るパターン形成方法の流れを例示するフローチャートである。
実施形態に係るパターン形成方法は、例えば上記説明した実施形態に係るパターン形成装置110で行われる。
【0032】
図3に表したように、実施形態に係るパターン形成方法は、検出情報を取得する工程(ステップS101)、第1転写領域または第2転写領域への分類を行う工程(ステップS102)、小領域ごとに欠陥部の数を集計する工程(ステップS103)及びパターンの転写を行う工程(ステップS104)を備える。
【0033】
先ず、ステップS101では、基板Wに存在する欠陥部Dfの検出情報を取得する。検出情報は、測定装置(例えば、表面検査装置)によって得た検出情報である。また、図1(a)に表したパターン形成装置110において、取得部10に測定部15が含まれる場合には、検出情報は、測定部15で測定した情報である。
【0034】
次に、ステップS102では、ステップS101で取得した検出情報から、複数の転写領域Rを、第1転写領域R1と、第2転写領域R2と、に分類する処理を行う。図1(a)に表したパターン形成装置110では、分類部20によってステップS102の工程を実行する。
【0035】
次に、ステップS103では、ステップS102で分類された複数の第2転写領域R2について、転写領域R内での小領域SRの位置ごとに欠陥部Dfの出現頻度を集計する処理を行う。図1(a)に表したパターン形成装置110では、集計部30によってステップS103の工程を実行する。
【0036】
次に、ステップS104では、ステップS103で集計した結果に基づいて第2転写領域R2にパターン転写を行う。すなわち、欠陥部Dfの出現頻度の高い位置小領域SRに欠陥部Dfが存在している第2転写領域R2から先に、テンプレートによるパターン転写を行う。図1(a)に表したパターン形成装置110では、転写部40によってステップS104の工程を実行する。
【0037】
次に、実施形態に係るパターン形成装置110及びパターン形成方法によるパターン形成の具体例について、参考例と併せて説明する。
【0038】
図4は、参考例を説明する図である。
図4(a)では、第2転写領域R2への転写順を例示している。図4(b)では、図4(a)に例示した順に転写した場合の第2転写領域R2への影響の状態を例示している。
ここで、第2転写領域R2は、図2(a)に例示した基板Wの第2転写領域R2と同じ場合を例とする。
【0039】
この例では、図4(a)に表した位置に欠陥部Dfが存在している。すなわち、第2転写領域R2(A)には、第1小領域SR1に欠陥部Dfが存在する。第2転写領域R2(B)には、第6小領域SR6に欠陥部Dfが存在する。第2転写領域R2(C)には、第4小領域SR4に欠陥部Dfが存在する。第2転写領域R2(D)には、第1小領域SR1に欠陥部Dfが存在する。
【0040】
参考例では、先ず、図4(b)に表した欠陥部Dfの存在しない第1転写領域R1に、テンプレートを用いたパターンの転写を行う。パターン転写は、1つの第1転写領域R1ごとに、順番に行われる。すなわち、1つの第1転写領域R1について、図1(b)に表した樹脂320の塗布、テンプレート200の接触、樹脂320の硬化、及びテンプレート200の離型、を1サイクルとして転写パターン310を形成する。1サイクルの処理が終了すると、隣りの第1転写領域R1について、同様な1サイクロの処理を繰り返す。
【0041】
ここで、第1転写領域R1へのパターン転写を行うテンプレート200として、第1テンプレート200Aを使用する。第1テンプレート200Aを用いたパターン転写は、第1転写領域R1についてのみ行われる。すなわち、転写領域Rごと順番にパターン転写を行う途中で第2転写領域R2に差し掛かった場合には、第2転写領域R2を抜かして第1転写領域R1にパターン転写を行う。第1転写領域R1には欠陥部Dfが存在しないため、同じ第1テンプレート200Aを繰り返し用いて、良好なパターン転写を行うことができる。
【0042】
全ての第1転写領域R1に対してパターン転写を行ったのちは、第1テンプレート200Aとは別な第2テンプレート200Bを用意して、第2転写領域R2へのパターン転写を行う。第2テンプレート200Bには、第1テンプレート200Aと同じ凹凸パターンが設けられている。図4に表した参考例では、第1転写領域R1へのパターン転写の際に抜かした順、すなわち、第2転写領域R2(A)、R2(B)、R2(C)、R2(D)の順にパターン転写を行う。
【0043】
図4(b)には、上記の順にパターンを転写を行った場合の欠陥の発生状況が例示されている。先ず、第2転写領域R2(A)について第2テンプレート200Bを用いたパターン転写を行う。このパターン転写では、第2転写領域R2(A)の第1小領域SR1に存在する欠陥部Dfの影響によって、第1小領域SR1には良好なパターンが転写されない。すなわち、この第2転写領域R2(A)では、第1小領域SR1に対応したチップが不良チップになる。図4(b)において、不良チップは、ハッチングで示されている。このパターン転写によって第2転写領域R2(A)内に発生する不良チップの数は1つである。
【0044】
第2転写領域R2(A)へのパターン転写によって、第2テンプレート200Bの第1小領域SR1の位置に対応した凹凸パターン210に損傷等の影響が発生する。例えば、欠陥部Dfの接触によって第2テンプレート200Bの凹凸パターン210に欠損が発生する。
【0045】
次に、第2転写領域R2(B)について第2テンプレート200Bを用いたパターン転写を行う。このパターン転写では、第2転写領域R2(B)の第6小領域SR6に存在する欠陥部Dfの影響によって、第6小領域SR6には良好なパターンが転写されない。
【0046】
さらに、第2テンプレート200Bの第1小領域SR1に対応した凹凸パターン210には、先のパターン転写の際に損傷等の影響が発生している。したがって、この影響が第2転写領域R2(B)の第1小領域SR1にも及ぶことになる。
【0047】
これにより、第2転写領域R2(B)では、第1小領域SR1及び第6小領域SR6に対応したチップが不良チップになる。このパターン転写によって第2転写領域R2(B)内に発生する不良チップの数は2つである。
【0048】
第2転写領域R2(B)へのパターン転写によって、第2テンプレート200Bの第6小領域SR6に対応した凹凸パターン210に、新たな損傷等の影響が発生することになる。
【0049】
次に、第2転写領域R2(C)について第2テンプレート200Bを用いたパターン転写を行う。このパターン転写では、第2転写領域R2(C)の第4小領域SR4に存在する欠陥部Dfの影響によって、第4小領域SR4には良好なパターンが転写されない。
【0050】
さらに、第2テンプレート200Bの第1小領域SR1及び第6小領域SR6に対応した凹凸パターン210には、先のパターン転写の際に損傷等の影響が発生している。したがって、この影響が第2転写領域R2(C)の第1小領域SR1及び第6小領域SR6にも及ぶことになる。
【0051】
これにより、第2転写領域R2(C)では、第1小領域SR1、第4小領域SR4及び第6小領域SR6に対応したチップが不良チップになる。このパターン転写によって第2転写領域R2(C)内に発生する不良チップの数は3つである。
【0052】
第2転写領域R2(C)へのパターン転写によって、第2テンプレート200Bの第4小領域SR4に対応した凹凸パターン210に、新たな損傷等の影響が発生することになる。
【0053】
次に、第2転写領域R2(D)について第2テンプレート200Bを用いたパターン転写を行う。このパターン転写では、第2転写領域R2(D)の第1小領域SR1に存在する欠陥部Dfの影響によって、第1小領域SR1には良好なパターンが転写されない。
【0054】
さらに、第2テンプレート200Bの第1小領域SR1、第4小領域SR4及び第6小領域SR6に対応した凹凸パターン210には、先のパターン転写の際に損傷等の影響が発生している。したがって、この影響が第2転写領域R2(D)の第1小領域SR1、第4小領域SR4及び第6小領域SR6にも及ぶことになる。
【0055】
これにより、第2転写領域R2(D)では、第1小領域SR1、第4小領域SR4及び第6小領域SR6に対応したチップが不良チップになる。
【0056】
なお、第2テンプレート200Bの第1小領域SR1に対応した位置の凹凸パターン210は既に損傷等の影響を受けている。したがって、このパターン転写によって第2転写領域R2(D)内に発生する不良チップの数は3つである。
【0057】
図4(b)に表したように、第2転写領域R2(A)、R2(B)、R2(C)、R2(D)の順にパターン転写を行うと、第2テンプレート200Bに生じた損傷等の影響が、その後のパターン転写に累積され、基板Wの全体では、合計9つの小領域SRに対応したチップが不良チップになる。
【0058】
図5は、実施形態に係るパターン転写順の例を説明する図である。
図5(a)では、実施形態に係る第2転写領域R2への転写順を例示している。図5(b)では、図5(a)に例示した順に転写した場合の第2転写領域R2への影響の状態を例示している。
先に説明した参考例と同様に、第2転写領域R2は、図2(a)に例示した基板Wの第2転写領域R2と同じ場合を例とする。
【0059】
実施形態では、先ず、複数の第2転写領域R2(A)〜R2(D)について、集計部30は、小領域SRの配置ごとに欠陥部Dfの数を集計する。図5に表した例では、4つの第2転写領域R2(A)〜R2(D)について、第1小領域SR1〜第6小領域SR6のそれぞれの配置ごとに欠陥部Dfの有無や数を調べる。図5に表した例では、第1小領域SR1に2つの欠陥部Dfが存在し、第4小領域SR4に1つの欠陥部Dfが存在し、第6小領域SR6に1つの欠陥部Dfが存在する。ここで、特定の一つの第2転写領域R2において、一つの小領域SR内に複数の欠陥部Dfが存在する場合であっても、その小領域SRの配置については、1つの欠陥部Dfが存在するものとして集計する。
【0060】
次に、集計した結果に基づいて、転写部40は、第2転写領域R2(A)〜R2(D)を区分けする。すなわち、転写部40は、第1小領域SR1〜第6小領域SR6の配置について、存在する欠陥部Dfの数の多い順にデータ上の並べ替えを行う。図5に表した例では、第1小領域SR1に存在する欠陥部Dfの数が最も多く、次に、第4小領域SR4及び第6小領域SR6に存在する欠陥部Dfの数が多い。
【0061】
次に、転写部40は、欠陥部Dfの数の多い小領域SRの配置の順に、第2転写領域R2を区分けする。例えば、転写部40は、欠陥部Dfが存在する小領域SRの数に応じた複数のグループを設定し、第2転写領域R2をいずれかのグループに区分けする。
【0062】
図5に表した例では、欠陥部Dfが存在する小領域SRの数は3つである(第1小領域SR1、第4小領域SR4及び第6小領域SR6)。したがって、3つのグループ(第1〜第3グループ)を設定する。
【0063】
転写部40は、先ず、欠陥部Dfの数が最も多い第1小領域SR1に関して区分けを行う。すなわち、第1小領域SR1に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2(A)及びR2(D)を第1グループに区分けにする。転写部40は、欠陥部Dfが数が第1小領域SR1の次に多い第4小領域SR4及び第6小領域SR6に関して区分けを行う。すなわち、第4小領域SR4に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2(C)を第2グループに区分けし、第6小領域SR6に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2(B)を第3グループに区分けする。
【0064】
第2転写領域R2を区分けしたのち、転写部40は、先ず、図5(b)に表した欠陥部Dfの存在しない第1転写領域R1に、第1テンプレート200Aを用いたパターンの転写を行う。全ての第1転写領域R1に対してパターン転写を行ったのちは、第1テンプレート200Aと同じ凹凸パターン210を有する別な第2テンプレート200Bを用意する。
【0065】
そして、転写部40は、第1グループ〜第3グループの順に区分けした第2転写領域R2について第2テンプレート200Bを用いたパターン転写を行う。転写部40は、先ず、第1グループに区分けした第2転写領域R2のうち、第2転写領域R2(A)及びR2(D)について順番にパターン転写を行う。
【0066】
第2転写領域R2(A)へのパターン転写では、第2転写領域R2(A)の第1小領域SR1に存在する欠陥部Dfの影響によって、第1小領域SR1には良好なパターンが転写されない。すなわち、この第2転写領域R2(A)では、第1小領域SR1に対応したチップが不良チップになる。図5(b)において、不良チップは、ハッチングで示されている。このパターン転写によって第2転写領域R2(A)内に発生する不良チップの数は1つである。
【0067】
第2転写領域R2(A)へのパターン転写によって、第2テンプレート200Bの第1小領域SR1に対応した凹凸パターン210に損傷等の影響が発生する。
【0068】
次に、第2転写領域R2(D)について第2テンプレート200Bを用いたパターン転写を行う。このパターン転写では、第2転写領域R2(D)の第1小領域SR1に存在する欠陥部Dfの影響によって、第1小領域SR1には良好なパターンが転写されない。
【0069】
ここで、第1グループに区分けされた第2転写領域R2(A)及びR2(D)では、欠陥部Dfの存在する小領域SRが共通する。したがって、第2テンプレート200Bの第1小領域SR1に対応した位置の凹凸パターン210は重畳的に損傷等の影響を受けるものの、他の小領域SRに対応した位置の凹凸パターン210は影響を受けない。これにより、第2転写領域R2(D)についてのパターン転写では、第1小領域SR1以外に不良チップは発生しない。
【0070】
次に、転写部40は、第2グループに区分けした第2転写領域R2(C)についてパターン転写を行う。第2転写領域R2(C)へのパターン転写では、第2転写領域R2(C)の第4小領域SR4に存在する欠陥部Dfの影響によって、第4小領域SR4には良好なパターンが転写されない。
【0071】
さらに、第2テンプレート200Bの第1小領域SR1に対応した凹凸パターン210には、先のパターン転写の際に損傷等の影響が発生している。したがって、この影響が第2転写領域R2(C)の第1小領域SR1にも及ぶことになる。これにより、第2転写領域R2(C)では、第1小領域SR1及び第4小領域SR4に対応したチップが不良チップになる。このパターン転写によって第2転写領域R2(C)内に発生する不良チップの数は2つである。
【0072】
第2転写領域R2(C)へのパターン転写によって、第2テンプレート200Bの第4小領域SR4に対応した凹凸パターン210に損傷等の影響が発生する。
【0073】
次に、転写部40は、第3グループに区分けした第2転写領域R2(B)についてパターン転写を行う。第2転写領域R2(B)へのパターン転写では、第2転写領域R2(B)の第6小領域SR6に存在する欠陥部Dfの影響によって、第6小領域SR6には良好なパターンが転写されない。
【0074】
さらに、第2テンプレート200Bの第1小領域SR1及び第4小領域SR4に対応した凹凸パターン210には、先のパターン転写の際に損傷等の影響が発生している。したがって、この影響が第2転写領域R2(B)の第1小領域SR1及び第4小領域SR4にも及ぶことになる。
【0075】
これにより、第2転写領域R2(B)では、第1小領域SR1、第4小領域SR4及び第6小領域SR6に対応したチップが不良チップになる。このパターン転写によって第2転写領域R2(B)内に発生する不良チップの数は3つである。
【0076】
図5(b)に表したように、第1グループ〜第3グループの順に第2転写領域R2へパターン転写を行うと、基板Wの全体では、合計7つの小領域SRに対応したチップが不良チップになる。
【0077】
先に説明した参考例では、基板Wの全体で合計9つの小領域SRに対応したチップが不良になっている。これに対し、実施形態では、参考例よりも不良チップ数を2チップ分減らすことができる。つまり、第2転写領域R2への転写順を入れ替えることによって、良品チップの歩留まりを向上できることになる。
【0078】
次に、複数枚の基板に対してテンプレート200によるパターン転写を行う場合の例を説明する。
図6〜図12は、複数枚の基板にパターンを形成する具体例を説明する模式図である。
図6には、本具体例においてパターンの転写対象になっている基板W1〜W25が示されている。本具体例では、1ロットに含まれる25枚の基板W1〜W25を転写対象にしている。各基板W1〜W25のそれぞれには、図2に表した基板Wと同様な転写領域R及び小領域SRが設定されているものとする。基板W1〜W25には、それぞれ欠陥部Dfが発生している。
【0079】
取得部10は、各基板W1〜W25における欠陥部Dfの検出情報を取得する。検出情報には、基板W1〜W25ごとの欠陥部Dfの位置(座標)の情報が含まれる。
分類部20は、取得部10で取得した検出情報から、各基板W1〜W25の各転写領域Rを、第1転写領域R1と、第2転写領域R2と、に分類する。
集計部30は、分類部20で分類された複数の第2転写領域R2について、小領域SRの位置ごとに欠陥部Dfの出現頻度を集計する。
【0080】
図7は、小領域の配置ごとに欠陥部の数を集計した例を示す図である。
本具体例において、集計部30は、図6に表した複数の基板W1〜W25における複数の第2転写領域R2について、第1小領域SR1〜第6小領域SR6の配置ごとに欠陥部Dfの出現頻度を集計する。
【0081】
図7に表した一例では、第1小領域SR1には10個の欠陥部Dfが存在し、第2小領域SR2には4個の欠陥部Dfが存在し、第3小領域SR3には5個の欠陥部Dfが存在し、第4小領域SR4には3個の欠陥部Dfが存在し、第5小領域SR5には2個の欠陥部Dfが存在し、第6小領域SR6には欠陥部Dfが存在しない。
【0082】
転写部40は、図7に表したように、集計部30で集計した結果に基づいて、欠陥部Dfの出現頻度の高い小領域SRの位置の順に、第2転写領域R2を区分けする。先ず、転写部40は、欠陥部Dfが存在する小領域SRの数に応じたグループを設定する。図7に表した例では、欠陥部Dfの存在する小領域SRの数が5つであるため、5つのグループ(第1〜第5グループ)を設定する。転写部40は、欠陥部Dfの存在する数が多い小領域SRの位置の順に、第2転写領域R2をいずれかのグループに区分けする。
【0083】
本具体例では、欠陥部Dfの存在する数の多い順は、第1小領域SR1、第3小領域SR3、第2小領域SR2、第4小領域SR4、第5小領域SR5の順である。転写部40は、この順に対応した小領域SRに欠陥部Dfが存在している第2転写領域R2を第1グループ〜第5グループに区分けする。
【0084】
図8〜図12は、区分けの具体例を示す模式図である。
図8は、第1グループへの区分けを例示している。図9は、第2グループへの区分けを例示している。図10は、第3グループへの区分けを例示している。図11は、第4グループへの区分けを例示している。図12は、第5グループへの区分けを例示している。
【0085】
転写部40は、先ず、図8に表したように、欠陥部Dfの存在する数の最も多い第1小領域SR1に関して、第1グループへの区分けを行う。すなわち、転写部40は、第1小領域SR1に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2を、第1グループに区分けする。転写部40は、図8(a)に表したように、第1小領域SR1にのみ欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2を第1グループに区分けする。
【0086】
ここで、図8(b)に表したように、第1小領域SR1以外に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2、及び第1小領域SR1に欠陥部Dfが存在するが、他の小領域SRにも欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2は、第1グループには区分けしない。
【0087】
次に、転写部40は、図9に表したように、第1小領域SR1の次に欠陥部Dfの存在する数の多い第3小領域SR3に関して、第2グループへの区分けを行う。すなわち、転写部40は、第3小領域SR3に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2を、第2グループに区分けする。
【0088】
転写部40は、図9(a)に表したように、第3小領域SR3にのみ欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2を第2グループに区分けする。また、転写部40は、第3小領域SR3に欠陥部Dfが存在し、第2グループよりも前のグループへの区分けに関する小領域SR(本具体例では、第1小領域SR1)に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2についても、第2グループに区分けする。
【0089】
ここで、図9(b)に表したように、第3小領域SR3以外に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2、及び第3小領域SR3に欠陥部Dfが存在するが、前のグループへの区分けに関する小領域SR以外の小領域SRにも欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2は、第2グループには区分けしない。
【0090】
次に、転写部40は、図10に表したように、第3小領域SR3の次に欠陥部Dfの存在する数の多い第2小領域SR2に関して、第3グループへの区分けを行う。すなわち、転写部40は、第2小領域SR2に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2を、第3グループに区分けする。
【0091】
転写部40は、図10(a)に表したように、第2小領域SR2にのみ欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2を第3グループに区分けする。また、転写部40は、第2小領域SR2に欠陥部Dfが存在し、第3グループよりも前のグループへの区分けに関する小領域SR(本具体例では、第1小領域SR1及び第3小領域SR3)に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2についても、第3グループに区分けする。
【0092】
ここで、図10(b)に表したように、第2小領域SR2以外に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2、及び第2小領域SR2に欠陥部Dfが存在するが、前のグループへの区分けに関する小領域SR以外の小領域SRにも欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2は、第3グループには区分けしない。
【0093】
次に、転写部40は、図11に表したように、第2小領域SR2の次に欠陥部Dfの存在する数の多い第4小領域SR4に関して、第4グループへの区分けを行う。すなわち、転写部40は、第4小領域SR4に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2を、第4グループに区分けする。
【0094】
転写部40は、図11(a)に表したように、第4小領域SR4にのみ欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2を第4グループに区分けする。また、転写部40は、第4小領域SR4に欠陥部Dfが存在し、第4グループよりも前のグループへの区分けに関する小領域SR(本具体例では、第1小領域SR1、第3小領域SR3及び第2小領域SR2)に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2についても、第4グループに区分けする。
【0095】
ここで、図11(b)に表したように、第4小領域SR4以外に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2、及び第4小領域SR4に欠陥部Dfが存在するが、前のグループへの区分けに関する小領域SR以外の小領域SRにも欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2は、第4グループには区分けしない。
【0096】
次に、転写部40は、図12に表したように、第4小領域SR4の次に欠陥部Dfの存在する数の多い第5小領域SR5に関して、第5グループへの区分けを行う。すなわち、転写部40は、第5小領域SR5に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2を、第5グループに区分けする。
【0097】
転写部40は、第5小領域SR5にのみ欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2を第5グループに区分けする。また、転写部40は、第5小領域SR5に欠陥部Dfが存在し、第5グループよりも前のグループへの区分けに関する小領域SR(本具体例では、第1小領域SR1、第3小領域SR3、第2小領域SR2及び第4小領域SR4)に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2についても第5グループに区分けする。
【0098】
第5グループは最後のグループであるため、第1〜第4グループに区分けされなかった第2転写領域R2が第5グループに区分けされることになる。
【0099】
上記のような区分けを行ったのち、転写部40は、図6に表した各基板W1〜W25の欠陥部Dfが存在しない第1転写領域R1に、第1テンプレート200Aを用いたパターンの転写を行う。全ての第1転写領域R1に対してパターン転写を行ったのちは、第1テンプレート200Aと同じ凹凸パターン210を有する別な第2テンプレート200Bを用意する。
【0100】
そして、転写部40は、第1グループ〜第5グループの順に区分けした第2転写領域R2について第2テンプレート200Bを用いたパターン転写を行う。ここで、同じグループに区分けされた複数の第2転写領域R2については、その第2転写領域R2が属する基板W1〜W25ごとにパターン転写を行う。例えば、第1グループに区分けされた第2転写領域R2を多く含む基板の順にパターン転写を行う。これにより、異なる基板W1〜W25に対して効率良くパターン転写を行うことができるようになる。
【0101】
このように、第1グループ〜第5グループの順に区分けした第2転写領域R2について第2テンプレート200Bを用いたパターン転写を行うことにより、複数の基板W1〜W25について、第2テンプレート200Bによる不良パターンがチップ間に累積的に拡散していくことを最小限に抑制して、良品チップの歩留まりを向上できるようになる。
【0102】
なお、上記説明したパターン形成方法では、第1転写領域R1へのパターン転写を行ったのちに、第2転写領域R2へのパターン転写を行っているが、反対に、第2転写領域R2へのパターン転写を行ったのちに、第1転写領域R1へのパターン転写を行うようにしてもよい。
【0103】
また、上記説明したパターン形成方法では、第1転写領域R1に対して第1テンプレート200Aを用い、第2転写領域R2に対して第2テンプレート200Bを用いる例を示したが、第2転写領域R2に対して第1テンプレート200Aを用いるようにしてもよい。この場合、第1テンプレート200Aを用いて先に第1転写領域R1に対するパターン転写を行い、そのあとで、同じ第1テンプレート200Aを用いて第2転写領域R2に対するパターン転写を行うようにすればよい。
【0104】
(第2の実施形態)
次に、実施形態に係るパターン形成用プログラムの例を説明する。
図13は、実施形態に係るプログラムが実行されるコンピュータを説明する図である。
すなわち、図13(a)は、コンピュータの構成例を示すブロック図である。
図13(b)は、実施形態に係るテンプレートの製造プログラムの機能を説明するブロック図である。
図14は、実施形態に係るプログラムの処理の流れを例示するフローチャートである。
【0105】
図13(a)に表したように、コンピュータ800は、中央演算部801、記憶部802、入力部803及び出力部804を備える。中央演算部801は、実施形態に係るパターン形成用プログラムを実行する部分である。記憶部802は、実行するパターン形成用プログラム等の情報を一時格納するRAM(Random Access Memory)のほか、ROM(Read Only Memory)や、HDD(Hard disk drive)、半導体メモリドライブ等の記憶装置を含む。
【0106】
入力部803は、キーボード、ポインティングデバイスのほか、ネットワーク等を介した外部の機器から情報を入力するインタフェースを含む。出力部804は、ディスプレイのほか、外部の機器へ情報を出力するインタフェースを含む。
【0107】
図13(b)に表したように、実施形態に係るテンプレートの製造プログラム900は、コンピュータ800(図13(a)参照)を、取得手段901、分類手段902、集計手段903及び決定手段904として機能させるものである。
【0108】
取得手段901は、基板Wに存在する欠陥部Dfの検出情報を取得する処理を行う(図14のステップS201)。すなわち、取得手段901は、外部の装置から基板Wの欠陥部Dfの検出情報DT1をコンピュータ800に取り込む処理を行う。
【0109】
具体的には、取得手段901は、コンピュータ800の入力部803を用いて検出情報DT1を中央演算部801に取り込む。検出情報DT1は、必要に応じて記憶部802に記憶される。
【0110】
分類手段902は、取得手段901で取得した検出情報DT1から、複数の転写領域Rを、第1転写領域R1と、第2転写領域R2と、に分類する処理を行う(図14のステップS202)。
【0111】
具体的には、分類手段902は、コンピュータ800の中央演算部801によって、検出情報DT1に含まれる欠陥部Dfの位置情報(座標情報)から、欠陥部Dfが存在する転写領域Rに第2転写領域R2のフラグを付する。一方、欠陥部Dfが存在しない転写領域Rには第1転写領域R1のフラグを付する。
【0112】
集計手段903は、分類手段902で分類された複数の第2転写領域R2について、小領域SRの位置ごとに欠陥部Dfの出現頻度を集計する処理を行う(図14のステップS203)。
【0113】
具体的には、集計手段903は、コンピュータ800の中央演算部801によって、複数の第2転写領域R2について、小領域SRの位置ごとに欠陥部Dfの存在の有無あるいは数を集計する。
【0114】
決定手段904は、集計手段903で集計した結果に基づき、欠陥部Dfの出現頻度の高い位置の小領域SRに欠陥部Dfが存在している第2転写領域R2から先に、テンプレートによる転写を行う転写順を決定する処理を行う(図14のステップS204)。
【0115】
具体的には、決定手段904は、コンピュータ800の中央演算部801によって、欠陥部Dfの多い小領域SRの配置の順に、この小領域SRを含む第2転写領域R2に順番を付する。そして、第2転写領域R2の転写順の情報を、演算結果TP1として出力する。なお、演算結果TP1には、第1転写領域R1の転写順の情報が含まれていてもよい。
【0116】
決定手段904による演算結果TP1は、コンピュータ800の出力部804から所定のデータ形式で出力される。そして、演算結果TP1は、外部の製造装置MCへ送られる。
【0117】
製造装置MCは、演算結果TP1を用いて第2転写領域R2に順次パターンを転写していく。また、演算結果TP1に第1転写領域R1の転写順の情報が含まれている場合には、この転写順に沿って第1転写領域R1に順次パターンを転写していく。これにより、歩留まり良く基板Wにパターンを形成できるようになる。
【0118】
実施形態に係るパターン形成用プログラムは、上記のようにコンピュータで実行される態様により実施可能である。その他、実施形態に係るパターン形成用プログラムは、所定の記憶媒体に記憶される態様でも実施可能である。また、実施形態に係るパターン形成用プログラムは、ネットワークを介して配信される態様でも実施可能である。
【0119】
以上説明したように、実施形態によれば、より多くの良好なパターンを形成することができるパターン形成装置、パターン形成方法及びパターン形成用プログラムを提供することができる。
【0120】
なお、上記に本実施の形態およびその変形例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、前述の各実施の形態またはその変形例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施の形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。
【0121】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0122】
10…取得部、15…測定部、20…分類部、30…集計部、40…転写部、110…パターン形成装置、200…テンプレート、200A…第1テンプレート、200B…第2テンプレート、800…コンピュータ、801…中央演算部、802…記憶部、803…入力部、804…出力部、900…製造プログラム、901…取得手段、902…分類手段、903…集計手段、904…決定手段、DT1…検出情報、Df…欠陥部、MC…製造装置、R…転写領域、R1…第1転写領域、R2…第2転写領域、SR…小領域、W…基板
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、パターン形成装置、パターン形成方法及びパターン形成用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
凹凸パターンが形成されたテンプレートを用いてパターンを転写する、いわゆるインプリント法では、基板上に滴下した樹脂にテンプレートを接触させ、この状態で樹脂に紫外線光等を照射して硬化させる。その後、テンプレートを離型することによって、テンプレートの凹凸パターンの形状を樹脂に転写している。
【0003】
このようなテンプレートを用いたパターンの形成においては、テンプレートを繰り返し利用することによって、製造工程の簡素化及び製造コストの低減を図ることができる。一方、基板上に異物や欠陥が存在すると、テンプレートを接触させた際にテンプレートに破損等の影響を与える可能性がある。破損したテンプレートを使用すると、その破損部分がパターンに転写されてしまう。
【0004】
そこで、予め基板表面の欠陥検査を行い、欠陥のない部分について先にテンプレートによるパターン転写を行う。一方、欠陥のある部分には、別なテンプレートを用いてパターン転写を行う。これらのテンプレートには同じデザインの凹凸パターンが設けられている。これにより、基板全体でのパターンの被覆率の均一化を図る。
このようなテンプレートを用いたパターンの形成においては、さらなる歩留まりの向上が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−069762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、より多くの良好なパターンを形成することができるパターン形成装置、パターン形成方法及びパターン形成用プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係るパターン形成装置は、複数の小領域を含む転写領域を単位として、テンプレートに形成されたパターンを、基板上の複数の転写領域に順次転写するパターン形成装置であって、取得部と、分類部と、集計部と、転写部と、を備える。取得部は、基板に存在する欠陥部の検出情報を取得する。分類部は、取得部で取得した検出情報から、複数の転写領域を、欠陥部が存在しない第1転写領域と、欠陥部が存在する第2転写領域と、に分類する。集計部は、第2転写領域について、転写領域内での小領域の位置ごとに欠陥部の出現頻度を集計する。転写部は、集計部で集計した結果に基づき、欠陥部の出現頻度の高い位置の小領域に欠陥部が存在している第2転写領域から先に、テンプレートによる転写を行う。
【0008】
また、他の実施形態に係るパターン形成方法は、複数の小領域を含む転写領域を単位として、テンプレートに形成されたパターンを、基板上の複数の前記転写領域に順次転写するパターン形成方法である。
このパターン形成方法は、前記基板に存在する欠陥部の検出情報を取得する工程と、前記取得した前記検出情報から、前記複数の転写領域を、前記欠陥部が存在しない第1転写領域と、前記欠陥部が存在する第2転写領域と、に分類する工程と、複数の前記第2転写領域について、前記転写領域内での前記小領域の位置ごとに前記欠陥部の出現頻度を集計する工程と、前記集計した結果に基づき、前記欠陥部の出現頻度の高い位置の前記小領域に前記欠陥部が存在している前記第2転写領域から先に、前記テンプレートによる転写を行う工程と、を備える。
【0009】
また、他の実施形態に係るパターン形成用プログラムは、複数の小領域を含む転写領域を単位として、テンプレートに形成されたパターンを、基板上の複数の前記転写領域に順次転写するためのパターン形成用プログラムである。このパターン形成用プログラムは、コンピュータを、前記基板に存在する欠陥部の検出情報を取得する取得手段、前記取得手段で取得した前記検出情報から、前記複数の転写領域を、前記欠陥部が存在しない第1転写領域と、前記欠陥部が存在する第2転写領域と、に分類する分類手段、前記分類手段で分類された複数の前記第2転写領域について、前記転写領域内での前記小領域の位置ごとに前記欠陥部の出現頻度を集計する集計手段、前記集計手段で集計した結果に基づき、前記欠陥部の出現頻度の高い前記小領域に前記欠陥部が存在している前記第2転写領域から先に、前記テンプレートによる転写を行う転写順を決定する決定手段、として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態に係るパターン形成装置の構成を例示する図である。
【図2】転写領域を例示する模式的平面図である。
【図3】実施形態に係るパターン形成方法の流れを例示するフローチャートである。
【図4】参考例を説明する図である。
【図5】実施形態に係るパターン転写順の例を説明する図である。
【図6】複数枚の基板にパターンを形成する具体例を説明する模式図である。
【図7】小領域の配置ごとに欠陥部の数を集計した例を示す図である。
【図8】区分けの具体例を示す模式図である。
【図9】区分けの具体例を示す模式図である。
【図10】区分けの具体例を示す模式図である。
【図11】区分けの具体例を示す模式図である。
【図12】区分けの具体例を示す模式図である。
【図13】実施形態に係るプログラムが実行されるコンピュータを説明する図である。
【図14】実施形態に係るプログラムの処理の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図に基づき説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比係数などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比係数が異なって表される場合もある。
また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0012】
(第1の実施形態)
先ず、実施形態に係るパターン形成装置の一例について説明する。
図1は、実施形態に係るパターン形成装置の構成を例示する図である。
図1(a)は、パターン形成装置の構成を例示するブロック図である。図1(b)は、転写部でのパターン転写の状態を例示する模式図である。
【0013】
図1(a)及び(b)に表したように、実施形態に係るパターン形成装置110は、テンプレート200に形成された凹凸パターン210を、ウェーハ等の基板W上に転写する装置である。パターン形成装置110は、第1テンプレート200A及び第2テンプレート200Bを用いてパターン転写を行う。実施形態では、第1テンプレート200A及び第2テンプレート200Bを総称して、テンプレート200ということにする。
実施形態に係るパターン形成装置110は、取得部10と、分類部20と、集計部30と、転写部40と、を備えている。
【0014】
ここで、転写部40によるパターン転写方法の一例を説明する。
図1(b)に表したように、転写部40は、テンプレート200に設けられた凹凸パターン210の形状を基板W上に転写する。先ず、基板W上に樹脂320を塗布する。
【0015】
その後、テンプレート200の凹凸パターン210を樹脂320に接触させ、この状態で樹脂320を紫外線光の照射等によって硬化させる。樹脂320が硬化したのち、テンプレート200を離型する。
【0016】
これにより、基板W上に、テンプレート200の凹凸パターン210の形状を反転した転写パターン310が形成される。なお、樹脂320には、光照射によって硬化する光硬化型樹脂のほか、加熱によって硬化する熱硬化型樹脂を利用してもよい。
【0017】
テンプレート200を用いたパターン転写では、基板Wを複数の転写領域に区分けして、転写領域ごとにテンプレート200を用いて順番にパターン転写を行う。
図2は、転写領域を例示する模式的平面図である。
図2(a)では、基板Wの全体における転写領域Rを例示している。図2(b)では、一つの転写領域Rを例示している。
【0018】
図2(a)に表したように、基板Wには複数の転写領域Rが設定される。転写領域Rは、基板Wに対してマトリクス状に設けられている。ここで、一つの転写領域Rには複数の小領域SRが含まれている。小領域SRは、例えば一つのチップに対応している。パターン形成後、小領域SRの単位で基板Wを切り出すことで、チップ型の製品が完成する。
【0019】
図2(b)に表した例では、一つの転写領域Rに、第1小領域SR1〜第6小領域SR6の6つの小領域が含まれている。複数の転写領域Rにおいて、それぞれ第1小領域SR1〜第6小領域SR6の配置は同じ(一定の並び順)である。
【0020】
なお、小領域SRの数や配置は図2(b)に示すものに限定されない。実施形態では、説明の便宜上、図2(b)に表した6つの第1小領域SR1〜第6小領域SR6が同図に示す配置で設けられた場合を例とする。また、実施形態では、第1小領域SR1〜第6小領域SR6を総称して、小領域SRということにする。
【0021】
第1小領域SR1〜第6小領域SR6には、それぞれ同じパターンが転写される。すなわち、テンプレート200による1回の転写によって、第1小領域SR1〜第6小領域SR6にそれぞれ同じパターンが転写される。これにより、テンプレート200を用いた1回の転写によって、複数チップに対応した領域にパターンを形成することができる。
【0022】
次に、実施形態に係るパターン形成装置110の各部について説明する。
図1(a)に表した取得部10は、基板Wに存在する欠陥部Dfの検出情報を取得する。取得部10には、測定部15が含まれていてもよい。測定部15を含む場合には、測定部15において基板Wに存在する欠陥部Dfを検出し、その検出情報を取得する。測定部15を含まない場合には、外部の測定装置(例えば、表面検査装置)によって検出した欠陥部Dfの検出情報を取得部10によって取得する。
【0023】
ここで、欠陥部Dfとは、テンプレート200によるパターン転写において、テンプレート200を樹脂320に接触させた際に、テンプレート200に影響を与える程度の凸部や凹部などのことをいう。欠陥部Dfには、基板Wに付着したダストや、下地パターンの欠陥が含まれる。検出情報には、基板W上の欠陥部Dfの位置(座標)及び大きさ(幅、高さ)の情報が含まれる。
【0024】
分類部20は、取得部10で取得した検出情報から、複数の転写領域Rを、第1転写領域R1と、第2転写領域R2と、に分類する処理を行う。第1転写領域R1は、欠陥部Dfが存在しない転写領域Rである。第2転写領域R2は、欠陥部Dfが存在する転写領域Rである。
【0025】
一例として、図2(a)に表した基板Wでは、複数の転写領域Rのうち、4つの転写領域R2に欠陥部Dfが存在する。分類部20は、検出情報に含まれる基板W上の欠陥部Dfの位置(座標)から、どの転写領域Rに欠陥部Dfが含まれているかを判断する。そして、欠陥部Dfが存在しない転写領域Rを第1転写領域R1、欠陥部Dfが存在する転写領域Rを第2転写領域R2として分類する。
なお、説明の便宜上、第1転写領域R1及び第2転写領域R2を区別しない場合には、これらを総称して、転写領域Rということにする。
【0026】
集計部30は、分類部20で分類された複数の第2転写領域R2について、転写領域R内での小領域SRの位置ごとに欠陥部Dfの出現頻度を集計する処理を行う。すなわち、欠陥部Dfが存在するとして分類された複数の第2転写領域R2について、第2転写領域R2に含まれる複数の小領域SRごとに欠陥部Dfが存在するか否かを調べる。あるいは、複数の小領域SRのそれぞれに含まれる欠陥部Dfの数を調べる。あるいは、第2転写領域R2に存在する欠陥部Dfのそれぞれが、複数の小領域SRのうちのいずれに属するかを調べてもよい。
【0027】
例えば、図2(a)及び(b)に表したように、欠陥部Dfが存在する複数の第2領域R2のそれぞれについて、欠陥部Dfが第1小領域SR1〜第6小領域SR6のどの小領域SRに存在するかを調べ、これを全ての第2領域R2について集計する。これにより、第1小領域SR1〜第6小領域SR6のそれぞれの配置ごとに、欠陥部Dfの存在の有無あるいは数が求められる。
【0028】
転写部40は、集計部30で集計した結果に基づいて、複数の第2転写領域R2を区分けして、この区分けの順にテンプレート200による転写を行う。すなわち、転写部40は、まず、集計部30で集計した結果に基づき、第2転写領域R2の小領域SRのそれぞれの位置における欠陥部Dfの出現頻度を調べる。そして、欠陥部Dfの出現頻度が高い位置の小領域SRに欠陥部Dfが存在している第2転写領域R2の順に第2転写領域R2を区分けする。
具体的には、例えば、複数の第2転写領域R2の共通する第1の特定の位置の小領域SRにおいて欠陥部Dfの出現頻度が最も高い場合に、この特定の位置の小領域SRに欠陥部Dfが存在している第2転写領域R2を第1グループとする。
その次に、複数の第2転写領域R2の共通する第2の特定の位置の小領域SRにおいて欠陥部Dfの出現頻度が2番目に高い場合に、この第2の特定の位置の小領域SRに欠陥部Dfが存在している第2転写領域R2を第2グループとする。なお、既に第1グループに割り振られた第2転写領域は、第2グループには区分けされない。
以下、このように、複数の第2転写領域R2の共通する特定の位置の小領域SRにおける欠陥部Dfの出現頻度が高い順に、その特定の位置の小領域SRに欠陥部Dfが存在している第2転写領域R2をグループ分けする。
【0029】
例えば、第1小領域SR1〜第6小領域SR6の各配置について、欠陥部Dfの多い順に並べ替え(データ上の並べ替え)を行う。そして、並べ替えた順(欠陥部Dfの多い順)に、その小領域SRに欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2を区分けする。
そして、転写部40は、第2転写領域R2の区分け順に、テンプレート200を用いた凹凸パターン210の転写を行う。
【0030】
実施形態に係るパターン形成装置110では、このように複数の第2転写領域R2への転写順を設定しているため、欠陥部Dfによってテンプレート200が破損等の影響を受けた場合でも、第2転写領域R2への転写の影響を最小限に抑制することができるようになる。
【0031】
次に、実施形態に係るパターン形成方法の一例について説明する。
図3は、実施形態に係るパターン形成方法の流れを例示するフローチャートである。
実施形態に係るパターン形成方法は、例えば上記説明した実施形態に係るパターン形成装置110で行われる。
【0032】
図3に表したように、実施形態に係るパターン形成方法は、検出情報を取得する工程(ステップS101)、第1転写領域または第2転写領域への分類を行う工程(ステップS102)、小領域ごとに欠陥部の数を集計する工程(ステップS103)及びパターンの転写を行う工程(ステップS104)を備える。
【0033】
先ず、ステップS101では、基板Wに存在する欠陥部Dfの検出情報を取得する。検出情報は、測定装置(例えば、表面検査装置)によって得た検出情報である。また、図1(a)に表したパターン形成装置110において、取得部10に測定部15が含まれる場合には、検出情報は、測定部15で測定した情報である。
【0034】
次に、ステップS102では、ステップS101で取得した検出情報から、複数の転写領域Rを、第1転写領域R1と、第2転写領域R2と、に分類する処理を行う。図1(a)に表したパターン形成装置110では、分類部20によってステップS102の工程を実行する。
【0035】
次に、ステップS103では、ステップS102で分類された複数の第2転写領域R2について、転写領域R内での小領域SRの位置ごとに欠陥部Dfの出現頻度を集計する処理を行う。図1(a)に表したパターン形成装置110では、集計部30によってステップS103の工程を実行する。
【0036】
次に、ステップS104では、ステップS103で集計した結果に基づいて第2転写領域R2にパターン転写を行う。すなわち、欠陥部Dfの出現頻度の高い位置小領域SRに欠陥部Dfが存在している第2転写領域R2から先に、テンプレートによるパターン転写を行う。図1(a)に表したパターン形成装置110では、転写部40によってステップS104の工程を実行する。
【0037】
次に、実施形態に係るパターン形成装置110及びパターン形成方法によるパターン形成の具体例について、参考例と併せて説明する。
【0038】
図4は、参考例を説明する図である。
図4(a)では、第2転写領域R2への転写順を例示している。図4(b)では、図4(a)に例示した順に転写した場合の第2転写領域R2への影響の状態を例示している。
ここで、第2転写領域R2は、図2(a)に例示した基板Wの第2転写領域R2と同じ場合を例とする。
【0039】
この例では、図4(a)に表した位置に欠陥部Dfが存在している。すなわち、第2転写領域R2(A)には、第1小領域SR1に欠陥部Dfが存在する。第2転写領域R2(B)には、第6小領域SR6に欠陥部Dfが存在する。第2転写領域R2(C)には、第4小領域SR4に欠陥部Dfが存在する。第2転写領域R2(D)には、第1小領域SR1に欠陥部Dfが存在する。
【0040】
参考例では、先ず、図4(b)に表した欠陥部Dfの存在しない第1転写領域R1に、テンプレートを用いたパターンの転写を行う。パターン転写は、1つの第1転写領域R1ごとに、順番に行われる。すなわち、1つの第1転写領域R1について、図1(b)に表した樹脂320の塗布、テンプレート200の接触、樹脂320の硬化、及びテンプレート200の離型、を1サイクルとして転写パターン310を形成する。1サイクルの処理が終了すると、隣りの第1転写領域R1について、同様な1サイクロの処理を繰り返す。
【0041】
ここで、第1転写領域R1へのパターン転写を行うテンプレート200として、第1テンプレート200Aを使用する。第1テンプレート200Aを用いたパターン転写は、第1転写領域R1についてのみ行われる。すなわち、転写領域Rごと順番にパターン転写を行う途中で第2転写領域R2に差し掛かった場合には、第2転写領域R2を抜かして第1転写領域R1にパターン転写を行う。第1転写領域R1には欠陥部Dfが存在しないため、同じ第1テンプレート200Aを繰り返し用いて、良好なパターン転写を行うことができる。
【0042】
全ての第1転写領域R1に対してパターン転写を行ったのちは、第1テンプレート200Aとは別な第2テンプレート200Bを用意して、第2転写領域R2へのパターン転写を行う。第2テンプレート200Bには、第1テンプレート200Aと同じ凹凸パターンが設けられている。図4に表した参考例では、第1転写領域R1へのパターン転写の際に抜かした順、すなわち、第2転写領域R2(A)、R2(B)、R2(C)、R2(D)の順にパターン転写を行う。
【0043】
図4(b)には、上記の順にパターンを転写を行った場合の欠陥の発生状況が例示されている。先ず、第2転写領域R2(A)について第2テンプレート200Bを用いたパターン転写を行う。このパターン転写では、第2転写領域R2(A)の第1小領域SR1に存在する欠陥部Dfの影響によって、第1小領域SR1には良好なパターンが転写されない。すなわち、この第2転写領域R2(A)では、第1小領域SR1に対応したチップが不良チップになる。図4(b)において、不良チップは、ハッチングで示されている。このパターン転写によって第2転写領域R2(A)内に発生する不良チップの数は1つである。
【0044】
第2転写領域R2(A)へのパターン転写によって、第2テンプレート200Bの第1小領域SR1の位置に対応した凹凸パターン210に損傷等の影響が発生する。例えば、欠陥部Dfの接触によって第2テンプレート200Bの凹凸パターン210に欠損が発生する。
【0045】
次に、第2転写領域R2(B)について第2テンプレート200Bを用いたパターン転写を行う。このパターン転写では、第2転写領域R2(B)の第6小領域SR6に存在する欠陥部Dfの影響によって、第6小領域SR6には良好なパターンが転写されない。
【0046】
さらに、第2テンプレート200Bの第1小領域SR1に対応した凹凸パターン210には、先のパターン転写の際に損傷等の影響が発生している。したがって、この影響が第2転写領域R2(B)の第1小領域SR1にも及ぶことになる。
【0047】
これにより、第2転写領域R2(B)では、第1小領域SR1及び第6小領域SR6に対応したチップが不良チップになる。このパターン転写によって第2転写領域R2(B)内に発生する不良チップの数は2つである。
【0048】
第2転写領域R2(B)へのパターン転写によって、第2テンプレート200Bの第6小領域SR6に対応した凹凸パターン210に、新たな損傷等の影響が発生することになる。
【0049】
次に、第2転写領域R2(C)について第2テンプレート200Bを用いたパターン転写を行う。このパターン転写では、第2転写領域R2(C)の第4小領域SR4に存在する欠陥部Dfの影響によって、第4小領域SR4には良好なパターンが転写されない。
【0050】
さらに、第2テンプレート200Bの第1小領域SR1及び第6小領域SR6に対応した凹凸パターン210には、先のパターン転写の際に損傷等の影響が発生している。したがって、この影響が第2転写領域R2(C)の第1小領域SR1及び第6小領域SR6にも及ぶことになる。
【0051】
これにより、第2転写領域R2(C)では、第1小領域SR1、第4小領域SR4及び第6小領域SR6に対応したチップが不良チップになる。このパターン転写によって第2転写領域R2(C)内に発生する不良チップの数は3つである。
【0052】
第2転写領域R2(C)へのパターン転写によって、第2テンプレート200Bの第4小領域SR4に対応した凹凸パターン210に、新たな損傷等の影響が発生することになる。
【0053】
次に、第2転写領域R2(D)について第2テンプレート200Bを用いたパターン転写を行う。このパターン転写では、第2転写領域R2(D)の第1小領域SR1に存在する欠陥部Dfの影響によって、第1小領域SR1には良好なパターンが転写されない。
【0054】
さらに、第2テンプレート200Bの第1小領域SR1、第4小領域SR4及び第6小領域SR6に対応した凹凸パターン210には、先のパターン転写の際に損傷等の影響が発生している。したがって、この影響が第2転写領域R2(D)の第1小領域SR1、第4小領域SR4及び第6小領域SR6にも及ぶことになる。
【0055】
これにより、第2転写領域R2(D)では、第1小領域SR1、第4小領域SR4及び第6小領域SR6に対応したチップが不良チップになる。
【0056】
なお、第2テンプレート200Bの第1小領域SR1に対応した位置の凹凸パターン210は既に損傷等の影響を受けている。したがって、このパターン転写によって第2転写領域R2(D)内に発生する不良チップの数は3つである。
【0057】
図4(b)に表したように、第2転写領域R2(A)、R2(B)、R2(C)、R2(D)の順にパターン転写を行うと、第2テンプレート200Bに生じた損傷等の影響が、その後のパターン転写に累積され、基板Wの全体では、合計9つの小領域SRに対応したチップが不良チップになる。
【0058】
図5は、実施形態に係るパターン転写順の例を説明する図である。
図5(a)では、実施形態に係る第2転写領域R2への転写順を例示している。図5(b)では、図5(a)に例示した順に転写した場合の第2転写領域R2への影響の状態を例示している。
先に説明した参考例と同様に、第2転写領域R2は、図2(a)に例示した基板Wの第2転写領域R2と同じ場合を例とする。
【0059】
実施形態では、先ず、複数の第2転写領域R2(A)〜R2(D)について、集計部30は、小領域SRの配置ごとに欠陥部Dfの数を集計する。図5に表した例では、4つの第2転写領域R2(A)〜R2(D)について、第1小領域SR1〜第6小領域SR6のそれぞれの配置ごとに欠陥部Dfの有無や数を調べる。図5に表した例では、第1小領域SR1に2つの欠陥部Dfが存在し、第4小領域SR4に1つの欠陥部Dfが存在し、第6小領域SR6に1つの欠陥部Dfが存在する。ここで、特定の一つの第2転写領域R2において、一つの小領域SR内に複数の欠陥部Dfが存在する場合であっても、その小領域SRの配置については、1つの欠陥部Dfが存在するものとして集計する。
【0060】
次に、集計した結果に基づいて、転写部40は、第2転写領域R2(A)〜R2(D)を区分けする。すなわち、転写部40は、第1小領域SR1〜第6小領域SR6の配置について、存在する欠陥部Dfの数の多い順にデータ上の並べ替えを行う。図5に表した例では、第1小領域SR1に存在する欠陥部Dfの数が最も多く、次に、第4小領域SR4及び第6小領域SR6に存在する欠陥部Dfの数が多い。
【0061】
次に、転写部40は、欠陥部Dfの数の多い小領域SRの配置の順に、第2転写領域R2を区分けする。例えば、転写部40は、欠陥部Dfが存在する小領域SRの数に応じた複数のグループを設定し、第2転写領域R2をいずれかのグループに区分けする。
【0062】
図5に表した例では、欠陥部Dfが存在する小領域SRの数は3つである(第1小領域SR1、第4小領域SR4及び第6小領域SR6)。したがって、3つのグループ(第1〜第3グループ)を設定する。
【0063】
転写部40は、先ず、欠陥部Dfの数が最も多い第1小領域SR1に関して区分けを行う。すなわち、第1小領域SR1に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2(A)及びR2(D)を第1グループに区分けにする。転写部40は、欠陥部Dfが数が第1小領域SR1の次に多い第4小領域SR4及び第6小領域SR6に関して区分けを行う。すなわち、第4小領域SR4に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2(C)を第2グループに区分けし、第6小領域SR6に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2(B)を第3グループに区分けする。
【0064】
第2転写領域R2を区分けしたのち、転写部40は、先ず、図5(b)に表した欠陥部Dfの存在しない第1転写領域R1に、第1テンプレート200Aを用いたパターンの転写を行う。全ての第1転写領域R1に対してパターン転写を行ったのちは、第1テンプレート200Aと同じ凹凸パターン210を有する別な第2テンプレート200Bを用意する。
【0065】
そして、転写部40は、第1グループ〜第3グループの順に区分けした第2転写領域R2について第2テンプレート200Bを用いたパターン転写を行う。転写部40は、先ず、第1グループに区分けした第2転写領域R2のうち、第2転写領域R2(A)及びR2(D)について順番にパターン転写を行う。
【0066】
第2転写領域R2(A)へのパターン転写では、第2転写領域R2(A)の第1小領域SR1に存在する欠陥部Dfの影響によって、第1小領域SR1には良好なパターンが転写されない。すなわち、この第2転写領域R2(A)では、第1小領域SR1に対応したチップが不良チップになる。図5(b)において、不良チップは、ハッチングで示されている。このパターン転写によって第2転写領域R2(A)内に発生する不良チップの数は1つである。
【0067】
第2転写領域R2(A)へのパターン転写によって、第2テンプレート200Bの第1小領域SR1に対応した凹凸パターン210に損傷等の影響が発生する。
【0068】
次に、第2転写領域R2(D)について第2テンプレート200Bを用いたパターン転写を行う。このパターン転写では、第2転写領域R2(D)の第1小領域SR1に存在する欠陥部Dfの影響によって、第1小領域SR1には良好なパターンが転写されない。
【0069】
ここで、第1グループに区分けされた第2転写領域R2(A)及びR2(D)では、欠陥部Dfの存在する小領域SRが共通する。したがって、第2テンプレート200Bの第1小領域SR1に対応した位置の凹凸パターン210は重畳的に損傷等の影響を受けるものの、他の小領域SRに対応した位置の凹凸パターン210は影響を受けない。これにより、第2転写領域R2(D)についてのパターン転写では、第1小領域SR1以外に不良チップは発生しない。
【0070】
次に、転写部40は、第2グループに区分けした第2転写領域R2(C)についてパターン転写を行う。第2転写領域R2(C)へのパターン転写では、第2転写領域R2(C)の第4小領域SR4に存在する欠陥部Dfの影響によって、第4小領域SR4には良好なパターンが転写されない。
【0071】
さらに、第2テンプレート200Bの第1小領域SR1に対応した凹凸パターン210には、先のパターン転写の際に損傷等の影響が発生している。したがって、この影響が第2転写領域R2(C)の第1小領域SR1にも及ぶことになる。これにより、第2転写領域R2(C)では、第1小領域SR1及び第4小領域SR4に対応したチップが不良チップになる。このパターン転写によって第2転写領域R2(C)内に発生する不良チップの数は2つである。
【0072】
第2転写領域R2(C)へのパターン転写によって、第2テンプレート200Bの第4小領域SR4に対応した凹凸パターン210に損傷等の影響が発生する。
【0073】
次に、転写部40は、第3グループに区分けした第2転写領域R2(B)についてパターン転写を行う。第2転写領域R2(B)へのパターン転写では、第2転写領域R2(B)の第6小領域SR6に存在する欠陥部Dfの影響によって、第6小領域SR6には良好なパターンが転写されない。
【0074】
さらに、第2テンプレート200Bの第1小領域SR1及び第4小領域SR4に対応した凹凸パターン210には、先のパターン転写の際に損傷等の影響が発生している。したがって、この影響が第2転写領域R2(B)の第1小領域SR1及び第4小領域SR4にも及ぶことになる。
【0075】
これにより、第2転写領域R2(B)では、第1小領域SR1、第4小領域SR4及び第6小領域SR6に対応したチップが不良チップになる。このパターン転写によって第2転写領域R2(B)内に発生する不良チップの数は3つである。
【0076】
図5(b)に表したように、第1グループ〜第3グループの順に第2転写領域R2へパターン転写を行うと、基板Wの全体では、合計7つの小領域SRに対応したチップが不良チップになる。
【0077】
先に説明した参考例では、基板Wの全体で合計9つの小領域SRに対応したチップが不良になっている。これに対し、実施形態では、参考例よりも不良チップ数を2チップ分減らすことができる。つまり、第2転写領域R2への転写順を入れ替えることによって、良品チップの歩留まりを向上できることになる。
【0078】
次に、複数枚の基板に対してテンプレート200によるパターン転写を行う場合の例を説明する。
図6〜図12は、複数枚の基板にパターンを形成する具体例を説明する模式図である。
図6には、本具体例においてパターンの転写対象になっている基板W1〜W25が示されている。本具体例では、1ロットに含まれる25枚の基板W1〜W25を転写対象にしている。各基板W1〜W25のそれぞれには、図2に表した基板Wと同様な転写領域R及び小領域SRが設定されているものとする。基板W1〜W25には、それぞれ欠陥部Dfが発生している。
【0079】
取得部10は、各基板W1〜W25における欠陥部Dfの検出情報を取得する。検出情報には、基板W1〜W25ごとの欠陥部Dfの位置(座標)の情報が含まれる。
分類部20は、取得部10で取得した検出情報から、各基板W1〜W25の各転写領域Rを、第1転写領域R1と、第2転写領域R2と、に分類する。
集計部30は、分類部20で分類された複数の第2転写領域R2について、小領域SRの位置ごとに欠陥部Dfの出現頻度を集計する。
【0080】
図7は、小領域の配置ごとに欠陥部の数を集計した例を示す図である。
本具体例において、集計部30は、図6に表した複数の基板W1〜W25における複数の第2転写領域R2について、第1小領域SR1〜第6小領域SR6の配置ごとに欠陥部Dfの出現頻度を集計する。
【0081】
図7に表した一例では、第1小領域SR1には10個の欠陥部Dfが存在し、第2小領域SR2には4個の欠陥部Dfが存在し、第3小領域SR3には5個の欠陥部Dfが存在し、第4小領域SR4には3個の欠陥部Dfが存在し、第5小領域SR5には2個の欠陥部Dfが存在し、第6小領域SR6には欠陥部Dfが存在しない。
【0082】
転写部40は、図7に表したように、集計部30で集計した結果に基づいて、欠陥部Dfの出現頻度の高い小領域SRの位置の順に、第2転写領域R2を区分けする。先ず、転写部40は、欠陥部Dfが存在する小領域SRの数に応じたグループを設定する。図7に表した例では、欠陥部Dfの存在する小領域SRの数が5つであるため、5つのグループ(第1〜第5グループ)を設定する。転写部40は、欠陥部Dfの存在する数が多い小領域SRの位置の順に、第2転写領域R2をいずれかのグループに区分けする。
【0083】
本具体例では、欠陥部Dfの存在する数の多い順は、第1小領域SR1、第3小領域SR3、第2小領域SR2、第4小領域SR4、第5小領域SR5の順である。転写部40は、この順に対応した小領域SRに欠陥部Dfが存在している第2転写領域R2を第1グループ〜第5グループに区分けする。
【0084】
図8〜図12は、区分けの具体例を示す模式図である。
図8は、第1グループへの区分けを例示している。図9は、第2グループへの区分けを例示している。図10は、第3グループへの区分けを例示している。図11は、第4グループへの区分けを例示している。図12は、第5グループへの区分けを例示している。
【0085】
転写部40は、先ず、図8に表したように、欠陥部Dfの存在する数の最も多い第1小領域SR1に関して、第1グループへの区分けを行う。すなわち、転写部40は、第1小領域SR1に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2を、第1グループに区分けする。転写部40は、図8(a)に表したように、第1小領域SR1にのみ欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2を第1グループに区分けする。
【0086】
ここで、図8(b)に表したように、第1小領域SR1以外に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2、及び第1小領域SR1に欠陥部Dfが存在するが、他の小領域SRにも欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2は、第1グループには区分けしない。
【0087】
次に、転写部40は、図9に表したように、第1小領域SR1の次に欠陥部Dfの存在する数の多い第3小領域SR3に関して、第2グループへの区分けを行う。すなわち、転写部40は、第3小領域SR3に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2を、第2グループに区分けする。
【0088】
転写部40は、図9(a)に表したように、第3小領域SR3にのみ欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2を第2グループに区分けする。また、転写部40は、第3小領域SR3に欠陥部Dfが存在し、第2グループよりも前のグループへの区分けに関する小領域SR(本具体例では、第1小領域SR1)に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2についても、第2グループに区分けする。
【0089】
ここで、図9(b)に表したように、第3小領域SR3以外に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2、及び第3小領域SR3に欠陥部Dfが存在するが、前のグループへの区分けに関する小領域SR以外の小領域SRにも欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2は、第2グループには区分けしない。
【0090】
次に、転写部40は、図10に表したように、第3小領域SR3の次に欠陥部Dfの存在する数の多い第2小領域SR2に関して、第3グループへの区分けを行う。すなわち、転写部40は、第2小領域SR2に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2を、第3グループに区分けする。
【0091】
転写部40は、図10(a)に表したように、第2小領域SR2にのみ欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2を第3グループに区分けする。また、転写部40は、第2小領域SR2に欠陥部Dfが存在し、第3グループよりも前のグループへの区分けに関する小領域SR(本具体例では、第1小領域SR1及び第3小領域SR3)に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2についても、第3グループに区分けする。
【0092】
ここで、図10(b)に表したように、第2小領域SR2以外に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2、及び第2小領域SR2に欠陥部Dfが存在するが、前のグループへの区分けに関する小領域SR以外の小領域SRにも欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2は、第3グループには区分けしない。
【0093】
次に、転写部40は、図11に表したように、第2小領域SR2の次に欠陥部Dfの存在する数の多い第4小領域SR4に関して、第4グループへの区分けを行う。すなわち、転写部40は、第4小領域SR4に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2を、第4グループに区分けする。
【0094】
転写部40は、図11(a)に表したように、第4小領域SR4にのみ欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2を第4グループに区分けする。また、転写部40は、第4小領域SR4に欠陥部Dfが存在し、第4グループよりも前のグループへの区分けに関する小領域SR(本具体例では、第1小領域SR1、第3小領域SR3及び第2小領域SR2)に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2についても、第4グループに区分けする。
【0095】
ここで、図11(b)に表したように、第4小領域SR4以外に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2、及び第4小領域SR4に欠陥部Dfが存在するが、前のグループへの区分けに関する小領域SR以外の小領域SRにも欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2は、第4グループには区分けしない。
【0096】
次に、転写部40は、図12に表したように、第4小領域SR4の次に欠陥部Dfの存在する数の多い第5小領域SR5に関して、第5グループへの区分けを行う。すなわち、転写部40は、第5小領域SR5に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2を、第5グループに区分けする。
【0097】
転写部40は、第5小領域SR5にのみ欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2を第5グループに区分けする。また、転写部40は、第5小領域SR5に欠陥部Dfが存在し、第5グループよりも前のグループへの区分けに関する小領域SR(本具体例では、第1小領域SR1、第3小領域SR3、第2小領域SR2及び第4小領域SR4)に欠陥部Dfが存在する第2転写領域R2についても第5グループに区分けする。
【0098】
第5グループは最後のグループであるため、第1〜第4グループに区分けされなかった第2転写領域R2が第5グループに区分けされることになる。
【0099】
上記のような区分けを行ったのち、転写部40は、図6に表した各基板W1〜W25の欠陥部Dfが存在しない第1転写領域R1に、第1テンプレート200Aを用いたパターンの転写を行う。全ての第1転写領域R1に対してパターン転写を行ったのちは、第1テンプレート200Aと同じ凹凸パターン210を有する別な第2テンプレート200Bを用意する。
【0100】
そして、転写部40は、第1グループ〜第5グループの順に区分けした第2転写領域R2について第2テンプレート200Bを用いたパターン転写を行う。ここで、同じグループに区分けされた複数の第2転写領域R2については、その第2転写領域R2が属する基板W1〜W25ごとにパターン転写を行う。例えば、第1グループに区分けされた第2転写領域R2を多く含む基板の順にパターン転写を行う。これにより、異なる基板W1〜W25に対して効率良くパターン転写を行うことができるようになる。
【0101】
このように、第1グループ〜第5グループの順に区分けした第2転写領域R2について第2テンプレート200Bを用いたパターン転写を行うことにより、複数の基板W1〜W25について、第2テンプレート200Bによる不良パターンがチップ間に累積的に拡散していくことを最小限に抑制して、良品チップの歩留まりを向上できるようになる。
【0102】
なお、上記説明したパターン形成方法では、第1転写領域R1へのパターン転写を行ったのちに、第2転写領域R2へのパターン転写を行っているが、反対に、第2転写領域R2へのパターン転写を行ったのちに、第1転写領域R1へのパターン転写を行うようにしてもよい。
【0103】
また、上記説明したパターン形成方法では、第1転写領域R1に対して第1テンプレート200Aを用い、第2転写領域R2に対して第2テンプレート200Bを用いる例を示したが、第2転写領域R2に対して第1テンプレート200Aを用いるようにしてもよい。この場合、第1テンプレート200Aを用いて先に第1転写領域R1に対するパターン転写を行い、そのあとで、同じ第1テンプレート200Aを用いて第2転写領域R2に対するパターン転写を行うようにすればよい。
【0104】
(第2の実施形態)
次に、実施形態に係るパターン形成用プログラムの例を説明する。
図13は、実施形態に係るプログラムが実行されるコンピュータを説明する図である。
すなわち、図13(a)は、コンピュータの構成例を示すブロック図である。
図13(b)は、実施形態に係るテンプレートの製造プログラムの機能を説明するブロック図である。
図14は、実施形態に係るプログラムの処理の流れを例示するフローチャートである。
【0105】
図13(a)に表したように、コンピュータ800は、中央演算部801、記憶部802、入力部803及び出力部804を備える。中央演算部801は、実施形態に係るパターン形成用プログラムを実行する部分である。記憶部802は、実行するパターン形成用プログラム等の情報を一時格納するRAM(Random Access Memory)のほか、ROM(Read Only Memory)や、HDD(Hard disk drive)、半導体メモリドライブ等の記憶装置を含む。
【0106】
入力部803は、キーボード、ポインティングデバイスのほか、ネットワーク等を介した外部の機器から情報を入力するインタフェースを含む。出力部804は、ディスプレイのほか、外部の機器へ情報を出力するインタフェースを含む。
【0107】
図13(b)に表したように、実施形態に係るテンプレートの製造プログラム900は、コンピュータ800(図13(a)参照)を、取得手段901、分類手段902、集計手段903及び決定手段904として機能させるものである。
【0108】
取得手段901は、基板Wに存在する欠陥部Dfの検出情報を取得する処理を行う(図14のステップS201)。すなわち、取得手段901は、外部の装置から基板Wの欠陥部Dfの検出情報DT1をコンピュータ800に取り込む処理を行う。
【0109】
具体的には、取得手段901は、コンピュータ800の入力部803を用いて検出情報DT1を中央演算部801に取り込む。検出情報DT1は、必要に応じて記憶部802に記憶される。
【0110】
分類手段902は、取得手段901で取得した検出情報DT1から、複数の転写領域Rを、第1転写領域R1と、第2転写領域R2と、に分類する処理を行う(図14のステップS202)。
【0111】
具体的には、分類手段902は、コンピュータ800の中央演算部801によって、検出情報DT1に含まれる欠陥部Dfの位置情報(座標情報)から、欠陥部Dfが存在する転写領域Rに第2転写領域R2のフラグを付する。一方、欠陥部Dfが存在しない転写領域Rには第1転写領域R1のフラグを付する。
【0112】
集計手段903は、分類手段902で分類された複数の第2転写領域R2について、小領域SRの位置ごとに欠陥部Dfの出現頻度を集計する処理を行う(図14のステップS203)。
【0113】
具体的には、集計手段903は、コンピュータ800の中央演算部801によって、複数の第2転写領域R2について、小領域SRの位置ごとに欠陥部Dfの存在の有無あるいは数を集計する。
【0114】
決定手段904は、集計手段903で集計した結果に基づき、欠陥部Dfの出現頻度の高い位置の小領域SRに欠陥部Dfが存在している第2転写領域R2から先に、テンプレートによる転写を行う転写順を決定する処理を行う(図14のステップS204)。
【0115】
具体的には、決定手段904は、コンピュータ800の中央演算部801によって、欠陥部Dfの多い小領域SRの配置の順に、この小領域SRを含む第2転写領域R2に順番を付する。そして、第2転写領域R2の転写順の情報を、演算結果TP1として出力する。なお、演算結果TP1には、第1転写領域R1の転写順の情報が含まれていてもよい。
【0116】
決定手段904による演算結果TP1は、コンピュータ800の出力部804から所定のデータ形式で出力される。そして、演算結果TP1は、外部の製造装置MCへ送られる。
【0117】
製造装置MCは、演算結果TP1を用いて第2転写領域R2に順次パターンを転写していく。また、演算結果TP1に第1転写領域R1の転写順の情報が含まれている場合には、この転写順に沿って第1転写領域R1に順次パターンを転写していく。これにより、歩留まり良く基板Wにパターンを形成できるようになる。
【0118】
実施形態に係るパターン形成用プログラムは、上記のようにコンピュータで実行される態様により実施可能である。その他、実施形態に係るパターン形成用プログラムは、所定の記憶媒体に記憶される態様でも実施可能である。また、実施形態に係るパターン形成用プログラムは、ネットワークを介して配信される態様でも実施可能である。
【0119】
以上説明したように、実施形態によれば、より多くの良好なパターンを形成することができるパターン形成装置、パターン形成方法及びパターン形成用プログラムを提供することができる。
【0120】
なお、上記に本実施の形態およびその変形例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、前述の各実施の形態またはその変形例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施の形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。
【0121】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0122】
10…取得部、15…測定部、20…分類部、30…集計部、40…転写部、110…パターン形成装置、200…テンプレート、200A…第1テンプレート、200B…第2テンプレート、800…コンピュータ、801…中央演算部、802…記憶部、803…入力部、804…出力部、900…製造プログラム、901…取得手段、902…分類手段、903…集計手段、904…決定手段、DT1…検出情報、Df…欠陥部、MC…製造装置、R…転写領域、R1…第1転写領域、R2…第2転写領域、SR…小領域、W…基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の小領域を含む転写領域を単位として、テンプレートに形成されたパターンを、基板上の複数の前記転写領域に順次転写するパターン形成装置であって、
前記基板に存在する欠陥部の検出情報を取得する取得部と、
前記取得部で取得した前記検出情報から、前記複数の転写領域を、前記欠陥部が存在しない第1転写領域と、前記欠陥部が存在する第2転写領域と、に分類する分類部と、
前記分類部で分類された複数の前記第2転写領域について、前記転写領域内での前記小領域の位置ごとに前記欠陥部の出現頻度を集計する集計部と、
前記集計部で集計した結果に基づき、前記欠陥部の出現頻度の高い位置の前記小領域に前記欠陥部が存在している前記第2転写領域から先に、前記テンプレートによる転写を行う転写部と、
を備えたことを特徴とするパターン形成装置。
【請求項2】
前記転写部は、前記第1転写領域について前記テンプレートによる転写を行ったのち、前記第2転写領域について前記テンプレートを用いた転写を行うことを特徴とする請求項1記載のパターン形成装置。
【請求項3】
前記転写部は、前記第1転写領域については第1テンプレートによる転写を行い、前記第2転写領域については前記第1テンプレートとは別の第2テンプレートによる転写を行うことを特徴とする請求項1記載のパターン形成装置。
【請求項4】
前記取得部は、複数の前記基板についての前記欠陥部の検出情報を取得し、
前記分類部は、前記複数の基板のそれぞれについて前記複数の転写領域を、前記第1転写領域と、前記第2転写領域と、に分類し、
前記集計部は、前記複数の基板における複数の前記第2転写領域について、前記小領域の位置ごとに前記欠陥部の出現頻度を集計し、
前記転写部は、前記集計部で集計した結果に基づき、前記欠陥部の出現頻度の高い位置の前記小領域に前記欠陥部が存在している前記第2転写領域から先であって前記基板ごとに、前記テンプレートによる転写を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のパターン形成装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記欠陥部を測定して前記検出情報を得る測定部を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のパターン形成装置。
【請求項6】
複数の小領域を含む転写領域を単位として、テンプレートに形成されたパターンを、基板上の複数の前記転写領域に順次転写するパターン形成方法であって、
前記基板に存在する欠陥部の検出情報を取得する工程と、
前記取得した前記検出情報から、前記複数の転写領域を、前記欠陥部が存在しない第1転写領域と、前記欠陥部が存在する第2転写領域と、に分類する工程と、
複数の前記第2転写領域について、前記転写領域内での前記小領域の位置ごとに前記欠陥部の出現頻度を集計する工程と、
前記集計した結果に基づき、前記欠陥部の出現頻度の高い位置の前記小領域に前記欠陥部が存在している前記第2転写領域から先に、前記テンプレートによる転写を行う工程と、
を備えたことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項7】
前記転写する工程では、前記第1転写領域について前記テンプレートによる転写を行ったのち、前記第2転写領域について前記テンプレートによる転写を行うことを特徴とする請求項6記載のパターン形成方法。
【請求項8】
前記転写する工程では、前記第1転写領域については第1テンプレートによる転写を行い、前記第2転写領域については前記第1テンプレートとは別の第2テンプレートによる転写を行うことを特徴とする請求項6記載のパターン形成方法。
【請求項9】
前記取得する工程では、複数の前記基板についての前記欠陥部の検出情報を取得し、
前記分類する工程では、前記複数の基板のそれぞれについて前記第1転写領域と、前記第2転写領域と、に分類し、
前記集計する工程では、前記複数の基板における複数の前記第2転写領域について、前記小領域の位置ごとに前記欠陥部の出現頻度を集計し、
前記転写する工程では、前記集計した結果に基づき、前記欠陥部の出現頻度の高い位置の前記小領域に前記欠陥部が存在している前記第2転写領域から先であって、前記基板ごとに、前記テンプレートによる転写を行うことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
【請求項10】
前記取得する工程では、前記欠陥部を測定して前記検出情報を得る測定工程を含むことを特徴とする請求項6〜9のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
【請求項11】
複数の小領域を含む転写領域を単位として、テンプレートに形成されたパターンを、基板上の複数の前記転写領域に順次転写するためのパターン形成用プログラムであって、
コンピュータを、
前記基板に存在する欠陥部の検出情報を取得する取得手段、
前記取得手段で取得した前記検出情報から、前記複数の転写領域を、前記欠陥部が存在しない第1転写領域と、前記欠陥部が存在する第2転写領域と、に分類する分類手段、
前記分類手段で分類された複数の前記第2転写領域について、前記転写領域内での前記小領域の位置ごとに前記欠陥部の出現頻度を集計する集計手段、
前記集計手段で集計した結果に基づき、前記欠陥部の出現頻度の高い位置の前記小領域に前記欠陥部が存在している前記第2転写領域から先に、前記テンプレートによる転写を行う転写順を決定する決定手段、
として機能させることを特徴とするパターン形成用プログラム。
【請求項1】
複数の小領域を含む転写領域を単位として、テンプレートに形成されたパターンを、基板上の複数の前記転写領域に順次転写するパターン形成装置であって、
前記基板に存在する欠陥部の検出情報を取得する取得部と、
前記取得部で取得した前記検出情報から、前記複数の転写領域を、前記欠陥部が存在しない第1転写領域と、前記欠陥部が存在する第2転写領域と、に分類する分類部と、
前記分類部で分類された複数の前記第2転写領域について、前記転写領域内での前記小領域の位置ごとに前記欠陥部の出現頻度を集計する集計部と、
前記集計部で集計した結果に基づき、前記欠陥部の出現頻度の高い位置の前記小領域に前記欠陥部が存在している前記第2転写領域から先に、前記テンプレートによる転写を行う転写部と、
を備えたことを特徴とするパターン形成装置。
【請求項2】
前記転写部は、前記第1転写領域について前記テンプレートによる転写を行ったのち、前記第2転写領域について前記テンプレートを用いた転写を行うことを特徴とする請求項1記載のパターン形成装置。
【請求項3】
前記転写部は、前記第1転写領域については第1テンプレートによる転写を行い、前記第2転写領域については前記第1テンプレートとは別の第2テンプレートによる転写を行うことを特徴とする請求項1記載のパターン形成装置。
【請求項4】
前記取得部は、複数の前記基板についての前記欠陥部の検出情報を取得し、
前記分類部は、前記複数の基板のそれぞれについて前記複数の転写領域を、前記第1転写領域と、前記第2転写領域と、に分類し、
前記集計部は、前記複数の基板における複数の前記第2転写領域について、前記小領域の位置ごとに前記欠陥部の出現頻度を集計し、
前記転写部は、前記集計部で集計した結果に基づき、前記欠陥部の出現頻度の高い位置の前記小領域に前記欠陥部が存在している前記第2転写領域から先であって前記基板ごとに、前記テンプレートによる転写を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のパターン形成装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記欠陥部を測定して前記検出情報を得る測定部を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のパターン形成装置。
【請求項6】
複数の小領域を含む転写領域を単位として、テンプレートに形成されたパターンを、基板上の複数の前記転写領域に順次転写するパターン形成方法であって、
前記基板に存在する欠陥部の検出情報を取得する工程と、
前記取得した前記検出情報から、前記複数の転写領域を、前記欠陥部が存在しない第1転写領域と、前記欠陥部が存在する第2転写領域と、に分類する工程と、
複数の前記第2転写領域について、前記転写領域内での前記小領域の位置ごとに前記欠陥部の出現頻度を集計する工程と、
前記集計した結果に基づき、前記欠陥部の出現頻度の高い位置の前記小領域に前記欠陥部が存在している前記第2転写領域から先に、前記テンプレートによる転写を行う工程と、
を備えたことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項7】
前記転写する工程では、前記第1転写領域について前記テンプレートによる転写を行ったのち、前記第2転写領域について前記テンプレートによる転写を行うことを特徴とする請求項6記載のパターン形成方法。
【請求項8】
前記転写する工程では、前記第1転写領域については第1テンプレートによる転写を行い、前記第2転写領域については前記第1テンプレートとは別の第2テンプレートによる転写を行うことを特徴とする請求項6記載のパターン形成方法。
【請求項9】
前記取得する工程では、複数の前記基板についての前記欠陥部の検出情報を取得し、
前記分類する工程では、前記複数の基板のそれぞれについて前記第1転写領域と、前記第2転写領域と、に分類し、
前記集計する工程では、前記複数の基板における複数の前記第2転写領域について、前記小領域の位置ごとに前記欠陥部の出現頻度を集計し、
前記転写する工程では、前記集計した結果に基づき、前記欠陥部の出現頻度の高い位置の前記小領域に前記欠陥部が存在している前記第2転写領域から先であって、前記基板ごとに、前記テンプレートによる転写を行うことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
【請求項10】
前記取得する工程では、前記欠陥部を測定して前記検出情報を得る測定工程を含むことを特徴とする請求項6〜9のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
【請求項11】
複数の小領域を含む転写領域を単位として、テンプレートに形成されたパターンを、基板上の複数の前記転写領域に順次転写するためのパターン形成用プログラムであって、
コンピュータを、
前記基板に存在する欠陥部の検出情報を取得する取得手段、
前記取得手段で取得した前記検出情報から、前記複数の転写領域を、前記欠陥部が存在しない第1転写領域と、前記欠陥部が存在する第2転写領域と、に分類する分類手段、
前記分類手段で分類された複数の前記第2転写領域について、前記転写領域内での前記小領域の位置ごとに前記欠陥部の出現頻度を集計する集計手段、
前記集計手段で集計した結果に基づき、前記欠陥部の出現頻度の高い位置の前記小領域に前記欠陥部が存在している前記第2転写領域から先に、前記テンプレートによる転写を行う転写順を決定する決定手段、
として機能させることを特徴とするパターン形成用プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−8815(P2013−8815A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140173(P2011−140173)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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