説明

パチンコ遊技機における出玉表示装置

【課題】 パチンコ遊技中に、多量の出玉が生じた場合に、遊技者の足元に積み重ねておく玉箱に代えて、この玉箱と同等な出玉表示機能を奏することができる臨場感に富んだ出玉表示装置を提供する。
【解決手段】 パチンコ遊技機10に対応して設置されている椅子11の下方空間部に、両側面をパチンコ玉が溢れるまで収容している玉箱に酷似した外観形状に形成している表示パネル3を、前方に向かった出し入れ自在に収納したパネル収納室2を上下方向に数室、設けてなる表示装置本体1を設置し、大当たりを出した際に、この表示パネル3を出玉の量に応じて、下側から順次、積み重ね状態に引き出してあたかも遊技者の足元に出玉を収容した玉箱を積み重ねた外観を呈するように構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパチンコ遊技中において多量の出玉が生じた際に、足元に玉箱を積み上げることなく出玉量に応じた表示を可能にしたパチンコ遊技機における出玉表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、パチンコ遊技機においては、遊技中に大当たりを出して多量の出玉が生じた場合に、パチンコ遊技機から玉箱内に出玉を移し替えてこの玉箱を遊技者の足元に積み重ねておき、遊技が終了したときに、玉箱を景品交換場にまで持ち運んでいるが、玉箱には3000個程度の玉が収納されていて重く、景品交換場まで運ぶにはかなりの労力を要して特に女性や高齢者にとってはその作業が困難であり、店員に依頼しなければならない等の問題点がある。また、玉箱は通路側にはみ出した状態でランダムに積み重ねられる場合も発生して他の遊技者や通行の邪魔になる虞れがある。
【0003】
このため、近年、例えば、特許文献1に記載されているように、パチンコ遊技機の下皿に溜まったパチンコ玉をその下方の前板上に配設している専用の玉箱内に流し込むと共にこの玉箱に連通する排出口から排出される玉数を該通路中に設けている計数装置によって計数したのち再びパチンコ遊技機側に循環させるように構成していると共に、計数装置によって計数された出玉獲得数をカードに記憶させて遊技者がこのカードを持ってカウンターでの景品交換を可能にしている。
【0004】
そして、このように構成したパチンコ遊技機において、遊技中に大当たりを出した場合には、そのパチンコ遊技機が大当たりの台であることを表示するための手段として、各パチンコ遊技機に対応してそのパチンコ遊技機の幕板や幕板上方部に複数の発光部からなる表示部を設けることにより、出玉数に応じた数の発光部を発光させるように構成した装置や、各パチンコ遊技機に対応して設けられた椅子の背もたれや脚部にこのような発光部からなる表示装置を設けたものが開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−5433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような出玉表示装置では、遊技者の足元に積み重ねておく玉箱とは全く異なった発光部の発光によって出玉の表示を行っているので、臨場感に乏しくて集客効果が余り期待できなく、また、視覚的にも店内を装飾する単なる発光表示装置としての機能しか奏し得なくなる虞れがあった。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、遊技中に多量の出玉が生じた場合に、遊技者の足元に積み重ねておく玉箱と同様に通路側からは多量のパチンコ玉を収容した玉箱が積み重ねられた形態として認識させることができる出玉表示機能を奏する臨場感に富んだパチンコ遊技機における出玉表示装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のパチンコ遊技機における出玉表示装置は、請求項1に記載したように、前後方向に一定長さを有する断面縦長長方形状のパネル収納室を上下方向に数室、一体に設けてなる表示装置本体を一対、各パチンコ遊技機に対応して設置されている椅子の脚部を挟んで該椅子の下方両側空間部に立設、固定すると共に、これらの表示装置本体における上記各パネル収納室に、側面形状が玉箱形状に形成され且つその上端に多数個のパチンコ玉模造玉体を前後方向に配列した玉盛り形状部材を取り付けてなる表示パネルを出し入れ自在に収納した構造を有している。
【0009】
このように構成したパチンコ遊技機における出玉表示装置において、請求項2に係る発明は、対向面に表示パネルを前後方向に摺動自在に支持するガイドレールと表示パネルの出し入れを規制するストッパとを一組として上下方向に数組、一定間隔毎に設けてなる縦長矩形状の両側板を表示パネルが収納可能な間隔を存して連結することにより、両側に上記ガイドレールとストッパとを設けたパネル収納室を上下方向に数個、一体に設けてなる表示装置本体を形成していると共に、一方の側板の外面上下部に前後方向に一体間隔を存して係止孔を有する連結用部材を取付けてあり、この表示装置本体を一対、各パチンコ遊技機に対応して設置されている椅子の脚部を挟んで配設して左右に対向する側板に取付けている上記連結用部材間を、両端部にこの連結用部材の係止孔に係止する係止端部を有する連結杆によって連結してなることを特徴とする。
【0010】
さらに、請求項3に係る発明は、上記表示パネルは、外観が玉箱の側面形状に形成している両側板を左右方向に小間隔を存して対設していると共にこれらの側板の下端を小幅の底板部によって一体に連設してなる偏平な縦パネル形状に形成されてあり、さらに、この両側板の上端部に、表示装置本体の各パネル収納室に設けているガイドレール上を前後方向に摺動する外側方に突出した一定幅のフランジ部を突設していると共に、このフランジ部上に、蓋板の上面に多数個のパチンコ玉模造玉体を前後方向に連設した状態で配列してなる玉盛り形状部材における上記蓋板の下面を固着してあり、この蓋板の前後両端部に上記ストッパに当接、係止する係止端面を形成していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、前後方向に一定長さを有する断面縦長長方形状のパネル収納室を上下方向に数室、一体に設けてなる表示装置本体を一対、各パチンコ遊技機に対応して設置されている椅子の脚部を挟んで該椅子の下方両側空間部に立設、固定しているので、店内の通路を通行する遊技客の邪魔になることなく椅子の下方空間部を利用して表示装置本体を設置することができると共に、これらの表示装置本体における上記各パネル収納室に出玉を表示する表示パネルを出し入れ自在に収納しているので、出玉量に応じた枚数の表示パネルをパネル収納室から前方に向かって引き出すことによって通路側から一目で認識させることができるのは勿論、この表示パネルは、その側面形状を玉箱形状に形成され且つその上端に多数個のパチンコ玉模造玉体を前後方向に配列した玉盛り形状部材を取り付けてなるものであるから、あたかも遊技者の足元に多数個のパチンコ玉を収納している玉箱を積み重ねた形態に酷似した外観を呈して臨場感に富んだ表示を行うことができると共に遊技者に優越感を味合わせることができる。
【0012】
この際、出玉の量に応じて下側のパネル収納室から上側のパネル収納室に向かってこれらのパネル収納室に収納している表示パネルを順次、引き出すことにより、通路側からは上述したように多量のパチンコ玉を収容した玉箱が積み重ねられた形態として認識することができて、その積載数によって出玉量の大小を一目で確認させることができる。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、上記表示装置本体は、対向面に表示パネルを前後方向に摺動自在に支持するガイドレールと表示パネルの出し入れを規制するストッパとを一組として上下方向に数組、一定間隔毎に設けてなる縦長矩形状の両側板を表示パネルが収納可能な間隔を存して連結してなるものであるから、内部に両側ガイドレールとストッパとを備えた同一構造のパネル収納室を上下方向に直列状に配設してなる簡易な構造の表示装置本体を形成することができるものであり、さらに、この表示装置本体における一方の側板の外面上下部に前後方向に一体間隔を存して係止孔を有する連結用部材を取付けてあり、この表示装置本体を一対、各パチンコ遊技機に対応して設置されている椅子の脚部を挟んで配設して左右に対向する側板に取付けている上記連結用部材間を、両端部にこの連結用部材の係止孔に係止する係止端部を有する連結杆によって連結しているので、椅子の脚部の両側空間部に表示装置本体を安定した起立状態で且つ簡単に設置することができる。
【0014】
また、請求項3に係る発明によれば、上記表示パネルは、外観が玉箱の側面形状に形成している両側板を左右方向に小間隔を存して対設していると共にこれらの側板の下端を小幅の底板部によって一体に連設してなる偏平な縦パネル形状に形成されているので、パネル収納室からこの表示パネルを椅子の背もたれの下方に達する位置まで通路側に向かって突出させた状態にすると、玉箱と同様な立体感のある出玉表示を行うことができる。
【0015】
さらに、この表示パネルにおける両側板の上端部に、表示装置本体の各パネル収納室に設けているガイドレール上を前後方向に摺動する外側方に突出した一定幅のフランジ部を突設しているので、表示パネルをガイドレールから吊り下げた状態にしてこのガイドレールに沿って円滑に出し入れすることができると共に上記フランジ部が玉箱のフランジ部の外観を呈して表示パネル全体を一層玉箱の形状に酷似させることができる。その上、このフランジ部上に、蓋板の上面に多数個のパチンコ玉模造玉体を前後方向に連設した状態で配列してなる玉盛り形状部材を固着しているので、玉箱からパチンコ玉が溢れ出ている状態の表示パネルを複数段、積載してなる臨場感に富んだ外観を呈することができる。また、上記玉盛り形状部材の蓋板における前後両端部に上記ストッパに当接、係止する係止端面を設けているので、各パネル収納室に対して表示パネルを簡単且つ正確に出し入れすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】表示パネルを引き出した状態の表示装置本体の斜視図。
【図2】その縦断側面図。
【図3】表示装置本体の内部を示す一部切欠側面図。
【図4】表示パネルを収納した一対の表示装置本体の連結状態を示す縦断正面図。
【図5】その表示装置本体の内部を示す縦断正面図。
【図6】一対の表示装置本体から表示パネル引き出した状態の斜視図。
【図7】各パチンコ遊技機の椅子の下方に配設した状態の簡略斜視図。
【図8】その要部の拡大斜視図。
【図9】表示パネルを収納している状態の横断面図。
【図10】表示パネルを引き出した状態の横断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の具体的な実施例を図面について説明すると、表示装置本体1は、図1〜図3に示すように、前端をパネル出入口2aに形成している断面縦長長方形状のパネル収納室2を上下方向に数室、縦列状態に設けてなり、この表示装置本体1を一対、図7、図8に示すように、各パチンコ遊技機10に対応して床面上に設置されている椅子11の脚部12を挟んで椅子21の下方空間部に左右に一体間隔を存した状態で立設、固定していると共に、これらの表示装置本体1、1における上記各パネル収納室2に出玉を表示する表示パネル3を、その両側表示面を縦方向に向けた状態で出し入れ自在に収納している。
【0018】
上記表示装置本体1の構造を更に詳しく述べると、横幅が220mm で縦幅が290mm 程度に形成されている一定厚みを有する矩形状の側板1a、1bを図4、図5に示すように、表示パネル3が収納可能な18mm程度の小間隔を存して左右に対設し、対向する四隅部間をビスによって一体に連結、固定することにより、両側板1a、1b間に、上記表示パネル3を数枚(図においては3枚)、上下方向に小間隔毎に縦列状態で収納可能な細幅の縦長長方形状空間部を形成してあり、この縦長長方形状の空間部を帯板形状の水平仕切板1c、1dによって上下方向に略3等分することにより、前後方向に一定長さを有し且つ横幅が18mm、縦幅が85mm程度の断面縦長長方形状の上記パネル収納室2、2、2を区画、形成している。
【0019】
さらに、各パネル収納室2において、その上端部における両側板1a、1bの対向面には、表示パネル3の上端部を吊支状態にして前後方向に摺動自在に支持する上下一対のガイドレール4a、4bが固着又は一体成形されていると共に上側ガイドレール4aの前後端部の下面に表示パネル3の出し入れを規制する突起状のストッパ5a、5bを突設している。なお、後側のストッパ5bは必ずしも設けておく必要はない。この後側ストッパ5bを設けている理由は、表示装置本体1の両側板1a、1bの全体の形状、構造を、これらの両側板1a、1bの前後幅方向の中央を中心として左右対称に形成しておき、左右一対の表示装置本体1、1の内外両側板1a、1bとして共用できるようにするためである。
【0020】
この表示装置本体1における外側に面した側板1aの上端には内側に面した側板1bの上端に向かって上段側のパネル収納室2の上端開口部を閉止した天板部1a1 を一体に設けていると共に、この側板1aの下端には外側方に向かって凸円弧状に湾曲した脚体部1a2 が一体に形成されていて、この脚体部1a2 の前後両端部と内側の側板1bの下端における前後隅部とを上述したようにビスによって連結、固定している。
【0021】
また、表示装置本体1における内側の側板1bの外面における上下部、即ち、この表示装置本体1、1を一対、左右に一定間隔を存して立設した状態における対向する側板1b、1bの外面における上下部に、前後に一定間隔を存して平面コ字状の連結用部材6、6を一体に設けてあり、一対の表示装置本体1、1を上記のように左右に一定間隔を存した状態で対向させ、側板1b、1bに取付けている左右に対向する各連結用部材6、6間を、これらの連結用部材6、6の上下方向に貫通した孔によって形成している係止孔6a、6aに、連結杆7の下方に屈折、形成している両端部の係止端部7a、7aを係止させることにより、この連結杆7によって連結、固定するように構成している。
【0022】
一方、表示装置本体1に設けている上記各パネル収納室2内に出し入れ自在に収納する表示パネル3は、左右に小間隔を存して対向している両側板3a、3bの下端間を小幅の底板部3eによって一体に連設してなる断面U字状の偏平な縦パネル形状に形成されていると共に、上記両側板3a、3bの前端面間と後端面間とをそれぞれ縦長長方形状の前後面板3c、3d(図2参照)によって連結してあり、さらに、両側板3a、3bの上端部に、上記表示装置本体1の各パネル収納室2の上端部における両側板1a、1bの対向面に固着している上記上下ガイドレール4a、4b間にそれぞれ介在させてその下面を下側の両側ガイドレール4b、4b上に前後方向に摺動自在に支持させている一定幅のフランジ部3a1 、3b1 を外側方に向かって突設していると共に、上記前後面板3c、3dの上端部にそれぞれ前後方向に向かってフランジ部3c1 、3d1 を突設している。
【0023】
また、表示パネル3の上記両側板3a、3bを、下端から上端に向かってその前後幅を緩やに拡幅させた下向き等脚台形状に形成して側面から見た外観形状を、多量の出玉が生じた時に該出玉を収納して足元の床面上に置いておく公知の玉箱(図示せず)の側面形状に酷似した形状に形成している。さらに、この表示パネル3のフランジ部3a1 〜3d1 上に、蓋板8aの上面に側面形状がパチンコ玉形状に形成している多数個のパチンコ玉模造玉体8aを上下2段に積み重ねた状態で前後方向に一体に配列してなる玉盛り形状部材8を固着している。
【0024】
詳しくは、この玉盛り形状部材8は、前後端部8b1 、8b2 の幅が上記表示パネル3の両側フランジ部3a1 、3b1 の突出端面(外側端面)間の幅に等しく、長さが上記前後フランジ部3c1 、3d1 の前後端面間の長さに等しい寸法に形成されている前後方向に長い平面長方形状の蓋板8bの上面における幅方向の中央部に、この蓋板8bの前後端部を除く前後部間に亘って上記パチンコ玉模造玉体8aを多数個、上下2段に積み重ねた状態で前後方向に連続させてなるパチンコ玉模造玉体8aの集合体8'における下段のパチンコ玉模造玉体列の下面を固着又は蓋板8bとの一体成形によって一体に設けてなり、蓋板8bの外周部下面を上記フランジ部3a1 〜3d1 の上端面に固着して、表示パネル3の上端面からあたかも多数のパチンコ玉を盛り上げて外観を呈するように構成している。
【0025】
さらに、この玉盛り形状部材8における蓋板8bの上記前後端部8b1 、8b2 間の幅は、蓋板8bの両側端面からそれぞれ一定幅、切除した細幅板部8b3 に形成されていてこの細幅板部8b3 の上面両側端部を上記各パネル収納室2の上端部両側に対設している上記上下ガイドレール4a、4bにおける上側のガイドレール4a、4aの下面内側部に沿って前後方向に移動可能に介在させてあり、この蓋板8bにおける細幅板部8b3 の外側端面から外側方に突出している前後端部8b1 、8b2 の対向端面を図2、図9、図10に示すように、上記上側ガイドレール4aの前端部の下面に突設している前側ストッパ5aにそれぞれ当接してパネル収納室2に対する表示パネル3の出入りを規制するための係止端面9a、9bに形成している。なお、この玉盛り形状部材8における蓋板8bの上面中央部から上方に突設している上記パチンコ玉模造玉体8a列は、上側のガイドレール4a、4a間を通じてパネル収納室2の上端部内に突出している。
【0026】
上記表示パネル3の具体的な寸法としては、両側板3a、3bにおける下端の前後方向の長さが181mm で上端の前後方向の長さが192mm であり、底部幅が6.7mm 、上端の両側フランジ部3a1 、3b1 の外側端面間の幅が13.5mmに形成されている。なお、両側板3a、3bの厚みが2mm である。また、玉盛り形状部材8における蓋板8bの前後方向の長さが表示パネル3の前後フランジ部3c1 、3d1 の端面間の長さに等しい218mm に形成されていると共に、幅広い前後端部8b1 、8b2 の前後方向の長さを22mm、横幅を上記表示パネル3の両側フランジ部3a1 、3b1 の外側端面間の幅に等しい13.5mmに形成され、一つのパチンコ玉模造玉体8aの側面形状は直径9mmの円形に形成されているこれらのパチンコ玉模造玉体8aの集合体8'の厚みは4.5mm 、高さが13mmに形成されているが、これらの表示パネル3と玉盛り形状部材8、及び、上記表示装置本体1は、その寸法を上記寸法に限定されることはない。
【0027】
このように構成した出玉表示装置を各パチンコ遊技機10に対応して床面上に設置されている椅子11の下方空間部に配設するには、一対の表示装置本体1、1を図7、図8に示すように、椅子11の脚部12を挟んで左右に一定間隔を存した状態で立設する。この際、表示装置本体1におけるパネル収納室2のパネル出入口2aを前方(通路側)に向け、且つ、外側面に連結用部材6を設けている内側の側板1b、1bを対向させた状態にする。
【0028】
次いで、これらの表示装置本体1、1の対向する側板1b、1bの四方隅部に設けている連結用部材6において、左右に相対する連結用部材6、6間に連結杆7を介在させてこの連結杆7の下方に屈折している係止端部7a、7aを上記連結用部材6、6の係止孔6a、6aにそれぞれ上方から挿入、係止させることにより、表示装置本体1、1を連結杆7によって左右に一定間隔を存した状態で強固に連結する。なお、これらの表示装置本体1、1はその脚体部1a2 、1a2 を床面にビス等によって固着することにより、床面上を妄動しないように一定位置に固定する。
【0029】
このように、各パチンコ遊技機10に対応して設置されている椅子11の下方空間部に出玉表示装置を配設した状態にしてパチンコ遊技を行うものであるが、遊技を行われていない状態、及び、遊技を行っていても多量の出玉が生じていない状態においては、全ての表示パネル3はパネル収納室2内に収納されていて、玉盛り形状部材8の蓋板8bにおける前端部8b1 の後端係止端面9aを図9に示すようにパネル収納室2の前端部内に設けている上記前側ストッパ5aの前端面に当接受止させてそれ以上の後退が阻止され、且つ、前端フランジ部3c1 のみをパネル出入口2aから前方に突出させている。なお、玉盛り形状部材8の蓋板8bにおける後端部8b2 の後端面もパネル収納室2の後端部内に設けている上記後側ストッパ5bに当接、受止した状態となるが、上述したように、この後側ストッパ5bは必ずしも必要としない。
【0030】
この状態において、遊技中に大当たりを出して、パチンコ遊技機10の下皿13に溜まる出玉をその下方の前板14上に配設している玉箱15を通じてこの玉箱の底部に連通している通路(図示せず)に送り出し、通路中に設けている計数装置(図示せず)によって計数させてその計数された玉数が所定数、例えば、3000個に達すると、店員が一方の表示装置本体1における下方(下段)のパネル収納室2に収納している表示パネル3を前方に向かって引き出して外部に露出させる。
【0031】
この際、該パネル収納室2のパネル出入口2aから突出している表示パネル3の前端フランジ部3c1 を摘んで、この表示パネル3における玉盛り形状部材8の蓋板8bの後端部8b2の係止端面9bが図10に示すように、パネル収納室2の前端部内に設けている上記前側ストッパ5aに当接、受止するまで引き出し、表示パネル3をその前端面が椅子11の背もたれ11a の下方に達して略全面的に外部に露出させた状態とする。
【0032】
このように、下方のパネル収納室2から表示パネル3を引き出すと、表示パネル3の側面形状がこの表示パネル3の上端面に一体に設けている玉盛り形状部材8と共にあたかも出玉を山盛りに収納した玉箱が床面上に一箱、載置した外観を呈して、通路側から大当たりの状態を認識させることができ、さらに、出玉が生じて中間(中段)及び上方(上段)のパネル収納室2、2から表示パネル3、3を順次引き出すと、これらの表示パネル3、3が先に引き出した上記表示パネル3に積載された状態となって、出玉を山盛りに収納した三箱の玉箱が積み重ねられた外観を呈するものであり、その上、さらに大当たりが多発して多量の出玉が生じ、それに従って他方の表示装置本体1の表示パネル3を下側のパネル収納室2から順次、引き出すと、椅子11の脚部12の両側から前方に向かってそれぞれ三箱の表示パネル3が積載された状態となり、出玉を満杯状態に収納した玉箱を足元の両側に積み重ねておく従来の表示形態とよく似た臨場感に富んだ出玉表示が可能となって、満足感と共に他の遊技客に対する優越感を味合うことができる。
【0033】
なお、以上の実施例においては、表示装置本体1に3室のパネル収納室2を設けているが、2室或いは4室であってもよく、要するに椅子11の下方空間部に従来の玉箱が数段に積み重ねられたと同様な形態を表示できればよい。また、各パネル収納室2に設けている上下ガイドレール4a、4bのうち、上側のガイドレール4bは表示パネル3をパネル収納室2に対して水平方向に安定的に出し入れを可能にするために設けられているが、必ずしも設けおく必要はなく、また、ガイドレールは表示装置本体1の両側板の対向面から突出した水平突条によって形成しているが、水平凹溝によって形成しておいてよい。
【符号の説明】
【0034】
1 表示装置本体
1a、1b 両側板
2 パネル収納室
2a パネル出入口
3 表示パネル
3a1 〜3d1 フランジ部
4a、4b 上下ガイドレール
5a、5b ストッパ
6 連結用部材
7 連結杆
8 玉盛り形状部材
8a パチンコ玉模造玉体
10 パチンコ遊技機
11 椅子
12 脚部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に一定長さを有する断面縦長長方形状のパネル収納室を上下方向に数室、一体に設けてなる表示装置本体を一対、各パチンコ遊技機に対応して設置されている椅子の脚部を挟んで該椅子の下方両側空間部に立設、固定すると共に、これらの表示装置本体における上記各パネル収納室に、側面形状が玉箱形状に形成され且つその上端に多数個のパチンコ玉模造玉体を前後方向に配列した玉盛り形状部材を取り付けてなる表示パネルを出し入れ自在に収納していることを特徴とするパチンコ遊技機における出玉表示装置。
【請求項2】
表示装置本体は、対向面に表示パネルを前後方向に摺動自在に支持するガイドレールと表示パネルの出し入れを規制するストッパとを一組として上下方向に数組、一定間隔毎に設けてなる縦長矩形状の両側板を表示パネルが収納可能な間隔を存して連結することにより、両側に上記ガイドレールとストッパとを設けたパネル収納室を上下方向に数個、一体に設けてなると共に、一方の側板の外面上下部に前後方向に一体間隔を存して係止孔を有する係止金具を取付けてあり、この表示装置本体を一対、各パチンコ遊技機に対応して設置されている椅子の脚部を挟んで配設して左右に対向する側板に取付けている上記係止金具間を、両端部にこの係止金具の係止孔に係止する係止端部を有する連結杆によって連結してなることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ遊技機における出玉表示装置。
【請求項3】
表示パネルは、外観が玉箱の側面形状に形成している両側板を左右方向に小間隔を存して対設していると共にこれらの側板の下端を小幅の底板部によって一体に連設してなる偏平な縦パネル形状に形成されてあり、さらに、この両側板の上端部に、表示装置本体の各パネル収納室に設けているガイドレール上を前後方向に摺動する外側方に突出した一定幅のフランジ部を突設していると共に、このフランジ部上に、蓋板の上面に多数個のパチンコ玉模造玉体を前後方向に連設した状態で配列してなる玉盛り形状部材の上記蓋板の下面を固着してあり、この蓋板の前後両端部に、パネル収納室に設けているストッパに当接、係止する係止端面を形成していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパチンコ遊技機における出玉表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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