パチンコ遊技機
【課題】遊技者により新鮮な印象を与えることが可能な発光演出を行うことができるパチンコ遊技機を提供する。
【解決手段】演出役物100を具備する遊技機1であって、演出役物100は、内側部材110に設けられ可動自在な第一透光部材120と、第一透光部材120を駆動する透光部材駆動機構130と、後方から光を照射する発光源150と第一透光部材120を前方から覆う第一の状態と、露出させる第二の状態と、の間で切り換え可能な外側部材160と、外側部材160に配置される第二透光部材170と、外側部材160の状態を切り換える外側部材駆動機構180と、を具備し、発光源150からの光を第一透光部材120及び第二透光部材170を介して前方に照射する第一の発光演出と、発光源150からの光を第二透光部材170を介することなく前方に照射する第二の発光演出と、を行う。
【解決手段】演出役物100を具備する遊技機1であって、演出役物100は、内側部材110に設けられ可動自在な第一透光部材120と、第一透光部材120を駆動する透光部材駆動機構130と、後方から光を照射する発光源150と第一透光部材120を前方から覆う第一の状態と、露出させる第二の状態と、の間で切り換え可能な外側部材160と、外側部材160に配置される第二透光部材170と、外側部材160の状態を切り換える外側部材駆動機構180と、を具備し、発光源150からの光を第一透光部材120及び第二透光部材170を介して前方に照射する第一の発光演出と、発光源150からの光を第二透光部材170を介することなく前方に照射する第二の発光演出と、を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、図柄遊技と関連して発光演出を行う発光装飾装置を具備するパチンコ遊技機の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来図柄遊技と関連して発光演出を行う発光装飾装置を具備するパチンコ遊技機の技術は公知となっている。例えば、特許文献1、特許文献2又は特許文献3に記載の如くである。
【0003】
特許文献1、特許文献2又は特許文献3に記載のパチンコ遊技機が備える発光装飾装置では、発光演出を行うことにより、通常と異なる遊技状態が発生していることを遊技者に感じさせて期待感を喚起したり、当該発光装飾装置を可動役物に搭載して当該役物の作動と連係することで興趣性を向上させたりすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−113953号公報
【特許文献2】特開2010−119663号公報
【特許文献3】特開2011−30847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、遊技者により新鮮な印象を与えることが可能な発光演出を行うことができるパチンコ遊技機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、図柄遊技と関連して発光演出を行う発光装飾装置を具備するパチンコ遊技機であって、前記発光装飾装置は、内側部材と、前記内側部材に設けられ、透光面から出射される光を変化させるように可動自在な第一の透光部材と、前記第一の透光部材を駆動する第一の駆動機構と、前記第一の透光部材の後方に配置され、当該第一の透光部材に向けて光を照射する照光部材と、前記内側部材の前方に配置され、当該内側部材の前記第一の透光部材を前方から覆う第一の状態と、当該第一の透光部材を前方から見て露出させる第二の状態と、の間で切り換え可能な外側部材と、前記外側部材に設けられ、当該外側部材が前記第一の状態であるときに前記内側部材の前記第一の透光部材の前方に位置するように配置される第二の透光部材と、前記外側部材を前記第一の状態と前記第二の状態との間で切り換え駆動する第二の駆動機構と、を具備し、前記第二の駆動機構により前記外側部材を前記第一の状態とするとともに、前記第一の駆動機構により前記第二の透光部材に入射される光を変化させるように前記第一の透光部材を駆動し、前記照光部材からの光を前記第一の透光部材及び前記第二の透光部材を介して前方に照射する第一の発光演出と、前記第二の駆動機構により前記外側部材を前記第一の状態から前記第二の状態に切り換え、前記照光部材からの光を前記第一の透光部材を介し、かつ前記第二の透光部材を介することなく前方に照射する第二の発光演出と、を行うことを特徴とするものである。
【0008】
請求項2においては、前記第一の透光部材は、所定の着色が付された装飾を前記透光面に有し、遊技者から見て当該装飾が回転するように前記内側部材に回転可能に配置されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0010】
請求項1において、第一の発光演出にあたっては、第一の透光部材は前方から外側部材に覆われており、当該外側部材には第二の透光部材が設けられているため、遊技者は直接的には第二の透光部材の形状、装飾及び着色等に応じた光模様を視認することになる。しかし、第二の透光部材に入射される光は、第一の透光部材の透光面を透過したものであり、この光は、第一の駆動機構により第一の透光部材が駆動されて変化が与えられたものである。このため、遊技者の目に届く光は、第二の透光部材の形状等に応じた光模様に、第一の透光部材を透過する際に付与された変化が加えられるものとなり、第二の透光部材のみを介する場合に比べて光模様が複雑化し、視覚的効果の高い発光演出を行うことができる。
また、第二の発光演出にあたっては、外側部材により第一の透光部材を覆った状態から第一の透光部材を露出させて発光演出を行うため、遊技者に対し、直前まで視認されなかった、或いは視認が困難であった第一の透光部材が突然出現して発光するかのような印象を与えることができ、意外性のある発光演出を行うことができる。
そして、上記の第一の発光演出(内側部材の第一の透光部材及び外側部材の第二の透光部材による複合的な発光演出)と、上記の第二の発光演出(内側部材の第一の透光部材のみの単独的な発光演出)とを組み合わせることで、発光演出のバリエーションを増やして多様化を図りつつ、遊技者に新鮮な印象を与えることが可能な発光演出を提供することができる。
【0011】
請求項2において、第一の発光演出にあたっては、第一の透光部材の透光面の装飾が回転することで第一の透光部材を透過する光の発光模様が回転するように変化し、その光が第二の透光部材に入射されるため、第二の透光部材を介して視認される光が変化に富んだものとなってさらに複雑化し、より印象的な発光演出を実現することができる。
また、第二の発光演出にあたっても、第一の透光部材を駆動させれば、発光模様が変化する光に加えて、第一の透光部材の透光面の装飾が回転する様子を遊技者に見せることができ、視覚的効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係る遊技機の正面図。
【図2】同じく、遊技機の窓枠が開放された状態を示した前方斜視図。
【図3】同じく、遊技盤を示した正面図。
【図4】外側部材が第一の状態にあるときの演出役物を示した正面図。
【図5】同じく、背面図。
【図6】同じく、分解斜視図。
【図7】同じく、演出役物の透光部材駆動機構を示した背面図。
【図8】同じく、演出役物の外側部材駆動機構のみを示した背面図。
【図9】(a)同じく、外側部材駆動機構の動作態様を示した背面図。(b)同じく、外側部材駆動機構の動作態様を示した背面図。
【図10】外側部材が第二の状態にあるときの演出役物を示した背面図。
【図11】同じく、演出役物の透光部材駆動機構を示した背面図。
【図12】同じく、外側部材が第二の状態にあるときの演出役物を示した正面図。
【図13】同じく、外側部材が第二の状態にあるときの遊技盤を示した正面図。
【図14】第二の姿勢に変更された演出役物を示した正面図。
【図15】同じく、演出役物が第二の姿勢に変更されたときの遊技盤を示した正面図。
【図16】第二の姿勢にある際に外側部材が第二の状態になったときの演出役物を示した正面図。
【図17】同じく、第二の姿勢にある際に外側部材が第二の状態になったときの遊技盤を示した正面図。
【図18】演出役物の他の実施形態を示す分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
まず、本発明に係るパチンコ遊技機の一実施形態に係る遊技機1の全体的な構成について、図面を用いて説明する。
なお、以下の説明では、遊技機1を遊技者から見て、手前側を遊技機1の前側とし、奥側を遊技機1の後側として、前後方向を規定する。また、遊技機1を遊技者から見て、左手側を遊技機1の左側とし、右手側を遊技機1の右側として、左右方向を規定する。
【0014】
遊技機1は、図1から図3が示すように、主として、外枠2と、中枠3と、窓枠4と、により構成される枠体に、各種の遊技部品が取り付けられて形成される。
【0015】
外枠2は、遊技機1の外郭を成し、前後面が開口された略四角筒状に形成される枠体である。外枠2は、パチンコホール等の遊技場に設けられた台島に設置される。外枠2には、中枠3が設けられる。
【0016】
中枠3は、前後面が開口された略四角筒状に形成される枠体である。中枠3は、外枠2の前側の開口部にヒンジ等の軸支部材を介して回動可能に支持される。中枠3には、窓枠4と、下皿ユニット5と、遊技盤6と、が設けられる。
【0017】
窓枠4は、中央が開口された略平板状に形成される枠体である。窓枠4は、正面視で中枠3の下部を除く略全面に渡って配置される。窓枠4は、中枠3の前側の開口部にヒンジ部材を介して回動可能に支持される。窓枠4の中央には、正面視で略円形状の窓枠開口部7が形成される。窓枠開口部7は、透明板19により被覆される。窓枠開口部7の下部には、発射前の遊技球が貯溜される上皿8が配設される。窓枠開口部7の左右上方には、スピーカ9がそれぞれ配設される。
【0018】
下皿ユニット5は、中枠3の下部であって窓枠4の下方に取り付けられる。下皿ユニット5の中央には、上皿8から溢れた遊技球が貯溜される下皿17が配設される。下皿ユニット5の右部であって下皿17の右方には、発射ハンドル18が配設される。発射ハンドル18は、上皿8に貯溜された遊技球を発射可能に構成される。
【0019】
遊技盤6は、遊技球が転動する領域である遊技領域25が形成される部材である。遊技盤6は、窓枠4の後方であって、正面視で中枠3の下部を除く略全面に渡って配置される。遊技盤6は、中枠3に着脱可能に取り付けられる。なお、遊技盤6の遊技領域25は、窓枠4の窓枠開口部7の後方に配置され、前方から透明板19を介して視認可能に構成される。
【0020】
次に、遊技盤6の構成について、図3を用いてさらに詳細に説明する。
【0021】
遊技盤6は、図3に示すように、遊技板10と、ガイドレール11と、センター役物12と、図柄表示装置13と、可変入賞装置14と、大入賞装置15と、アウト口16と、演出役物100等により構成される。
【0022】
遊技板10は、四隅が適宜に切り欠けられた略平板状に形成される部材である。遊技板10には、遊技盤6を構成する各種の遊技部品が取り付けられる。遊技板10は、アクリル樹脂やポリカーボネート(PC)等の透過性を有する部材によって形成される。
【0023】
ガイドレール11は、略円弧帯状に形成される部材である。ガイドレール11は、遊技板10に、前方へ向けて立ち上がり状に取り付けられる。ガイドレール11は、正面視で略円形状を形成するように配置される。なお、遊技板10においてガイドレール11によって略円形状に形成された内側の領域が、遊技球が転動する領域である遊技領域25として構成される。
【0024】
センター役物12は、その外観により遊技板10を装飾する部材である。センター役物12は正面視で略環状であって、その中央にセンター開口部27が前後方向に貫通して形成される。センター役物12は、遊技板10を前後方向に貫通するように当該遊技板10の中央から上部に渡って形成される孔に前方から挿入され、ボルト等によって取り付けられる。
【0025】
図柄表示装置13は、前方を臨むように配設された液晶画面26に図柄や数字等の変動(図柄遊技)を表示するように構成される装置である。図柄表示装置13は、遊技板10の後方に配置される。より詳細には、図柄表示装置13の液晶画面26が、遊技板10に取り付けられたセンター役物12のセンター開口部27の後方に配置される。これによって、前方からセンター開口部27を介して液晶画面26に表示される図柄遊技を視認することができる。
【0026】
可変入賞装置14は、所定の作動条件に応じて左右一対の可動片28が開閉作動し、始動入賞口14aに遊技球が入球(入賞)可能な開放状態と入球(入賞)不能な閉塞状態とに切り替え可能に構成される装置である。可変入賞装置14は、遊技領域25の中央下部であって図柄表示装置13の下方に配置される。なお、可変入賞装置14は、前記開放状態において始動入賞口14aに遊技球が入球(入賞)すると図示せぬ賞球払出装置によって所定数の遊技球(賞球)が払い出されるように構成される。
【0027】
大入賞装置15は、所定の大当たり抽選により大当たりが選択されると、大入賞口15aを開放して遊技球が入球(入賞)可能に構成される装置である。大入賞装置15は、遊技領域25の右部であって図柄表示装置13の右下方に配置される。なお、大入賞装置15は、開放した大入賞口15aに遊技球が入球すると図示せぬ賞球払出装置によって所定数の遊技球(賞球)が払い出されるように構成される。
【0028】
アウト口16は、遊技領域25を転動する遊技球が、大入賞口15aや始動入賞口14a等の各入賞口に入球(入賞)しなかった場合に、最終的に流入する開口部である。アウト口16は、遊技領域25の最下部に配置される。なお、アウト口16に流入した遊技球は、遊技機1が設置されたパチンコホール等の遊技場側に回収される。
【0029】
演出役物100は、本発明に係る発光装飾装置の実施の一形態であり、図柄表示装置13による図柄遊技と関連して所定の演出動作を行うことにより、遊技者に視覚的な印象(インパクト)を与え、その遊技者の興趣を高めるものである。演出役物100は、図柄表示装置13(液晶画面26)の下方であって、前後方向においてセンター役物12と液晶画面26との間、すなわちセンター役物12よりも後方であって液晶画面26よりも前方に配置される。また、演出役物100は、正面視においてセンター役物12のセンター開口部27と重複するように配置され、前方から当該センター開口部27を介して演出役物100を視認することができる。
【0030】
以下では、演出役物100の構成について詳細に説明する。
【0031】
図3から図17までに示す演出役物100は、麻雀に用いられる点棒の形状を模したものであり、所定の演出動作を行うことにより、遊技者に視覚的な印象(インパクト)を与え、その遊技者の興趣を高めるものである。演出役物100は、主として、内側部材110と、第一透光部材120と、透光部材駆動機構130と、内側部材駆動機構140と、発光源150と、外側部材160と、第二透光部材170と、外側部材駆動機構180と、により構成される。
なお、図7及び図11においては、説明の便宜上、外側部材駆動機構180の図示を省略している。
【0032】
図4から図7までに示す内側部材110は、後方が開放された略直方体状のものである。内側部材110には、透光部111及び回動軸112が設けられる。
【0033】
透光部111は、透光性を有する材料で構成され、内側部材110の前面を前後方向に貫通するように設けられる。透光部111は、正面視円形状に形成され、内側部材110の前面であって長手方向(図4から図7までにおける左右方向)中途部に配置される。
【0034】
回動軸112は、その軸線を前後方向に向けて、内側部材110の一端部(図4から図7までにおける左端部)に配置される。回動軸112は、内側部材110と相対回動不能となるように、当該内側部材110に固定(又は一体的に形成)される。回動軸112の両端は、内側部材110から前方及び後方に向かってそれぞれ延設される。
回動軸112の前端部は、遊技盤6(図3参照)に回動可能に支持される。これによって、内側部材110は遊技盤6に対して回動軸112を中心として回動可能となる。
【0035】
図6に示す第一透光部材120・120・・・は、透光性を有する材料で構成され、内側部材110の前面を前後方向に貫通するように設けられる。第一透光部材120・120・・・は、正面視円形状に形成され、内側部材110の前面であって図6における透光部111の右方において、長手方向(図6における左右方向)に並べて配置される。第一透光部材120・120・・・は、内側部材110に対して前後方向の軸線を中心として回動(回転)可能となるように支持される。第一透光部材120・120・・・の前面(透光面)には、それぞれ第一装飾121及び第二装飾122が施される。
【0036】
第一装飾121は、炎を模した形状に形成される装飾部分であり、第一透光部材120のその他の部分と異なる色に着色される。
第二装飾122は、所定の形状(本実施形態においては三角形状)に形成される装飾部分である。
【0037】
図7に示す透光部材駆動機構130は、本発明に係る第一の駆動機構の実施の一形態であり、第一透光部材120・120・・・を駆動(回動)させるものである。透光部材駆動機構130は、主として、モータ131と、従動ギヤ132と、透光部材駆動ギヤ133と、伝達ギヤ134と、により構成される。
【0038】
モータ131は、第一透光部材120・120・・・を回動させるための駆動源である。モータ131は、内側部材110の左端部後方に配置される。
【0039】
従動ギヤ132は、透光性を有する材料で構成され、内側部材110の透光部111の背後に回動可能に配置される。従動ギヤ132は、モータ131の出力軸に連結された図示せぬ出力ギヤに歯合される。
【0040】
透光部材駆動ギヤ133・133・・・は、透光性を有する材料で構成され、各第一透光部材120・120・・・の背後にそれぞれ配置される。透光部材駆動ギヤ133・133・・・は、当該透光部材駆動ギヤ133・133・・・の前方にある第一透光部材120・120・・・と相対回動不能となるようにビス等により連結される。
【0041】
伝達ギヤ134・134・・・は、従動ギヤ132及び透光部材駆動ギヤ133・133・・・の間で動力を伝達するものである。伝達ギヤ134・134・・・は、従動ギヤ132と最も左側に配置される透光部材駆動ギヤ133の間、及び隣り合う透光部材駆動ギヤ133・133の間にそれぞれ配置され、隣り合うギヤ(従動ギヤ132と透光部材駆動ギヤ133、又は透光部材駆動ギヤ133同士)の間で動力を伝達する。
【0042】
図4から図7までに示す内側部材駆動機構140は、内側部材110を、回動軸112を中心として回動させるものである。内側部材駆動機構140は、主として、モータ141と、出力ギヤ142と、従動ギヤ143と、により構成される。
【0043】
モータ141は、内側部材110を回動させるための駆動源である。モータ141は、その出力軸を前方に向けた状態で、内側部材110の一側方(図4から図7までにおける左側方)に配置される。
【0044】
出力ギヤ142は、モータ141の出力軸に固定される。
従動ギヤ143は、内側部材110の回動軸112の後端部に固定され、出力ギヤ142に歯合される。
【0045】
図5から図7までに示す発光源150は、本発明に係る照光部材の実施の一形態であり、第一透光部材120・120・・・に向けて光を照射するものである。発光源150は、主として、基板151と、LED152と、により構成される。
【0046】
基板151は、略矩形板状に形成され、その板面を前後方向に向けて、内側部材110(より詳細には、透光部材駆動機構130の従動ギヤ132及び透光部材駆動ギヤ133・133・・・)の後方に配置される。
【0047】
LED152・152・・・は、基板151の前面に設けられ、従動ギヤ132及び透光部材駆動ギヤ133・133・・・の背後にそれぞれ配置される。
【0048】
図4から図7までに示す外側部材160は、内側部材110の前方に配置され、第一透光部材120・120・・・を前方から覆う第一の状態と、第一透光部材120・120・・・を前方から見て露出させる第二の状態と、の間で切り換え可能なものである。外側部材160は、主として、第一外側部材161と、第二外側部材162と、により構成される。
【0049】
第一外側部材161は、前面、上面及び右側面を有する部材である。第一外側部材161は、内側部材110の前方に配置され、当該内側部材110の一部(透光部111よりも右側の上半分)を前方、上方及び右側方から覆うことができる。第一外側部材161の後側面上部には、後方に向かって延びる略円柱状の連結部161a・161aが形成される(図7参照)。
【0050】
第二外側部材162は、前面、下面及び右側面を有する部材である。第二外側部材162は、内側部材110の前方に配置され、当該内側部材110の一部(透光部111よりも右側の下半分)を前方、下方及び右側方から覆うことができる。第二外側部材162の後側面下部には、後方に向かって延びる略円柱状の連結部162a・162aが形成される(図7参照)。
【0051】
図4から図7までに示す外側部材160は、第一外側部材161と第二外側部材162とが上下に当接し、内側部材110に設けられた第一透光部材120・120・・・を前方から覆っている状態(外側部材160の第一の状態)である。
【0052】
図4及び図6に示す第二透光部材170・170・・・は、透光性を有する材料で構成され、外側部材160(第一外側部材161及び第二外側部材162)の前面を前後方向に貫通するように設けられる。第二透光部材170・170・・・は、第一外側部材161及び第二外側部材162に、それぞれ長手方向(図6における左右方向)に並べて設けられ、第一外側部材161及び第二外側部材162が上下に当接した状態(第一の状態)において、第二透光部材170・170・・・全体で所定の文字列(本実施形態においては、「ABCD」の文字列)を構成するような形状に形成される。当該第二透光部材170・170・・・の外観は、第一透光部材120・120・・・の外観とは異なるものになるように形成される。第二透光部材170は、外側部材160が第一の状態にある場合には、内側部材110に設けられた第一透光部材120・120・・・の前方に位置するように配置される。
【0053】
図5、図6及び図8に示す外側部材駆動機構180は、本発明に係る第二の駆動機構の実施の一形態であり、外側部材160を第一の状態と第二の状態との間で切り換え駆動するものである。外側部材駆動機構180は、主として、第一連結部材181と、第二連結部材182と、ガイド板183と、駆動板184と、モータ185と、出力ギヤ186と、により構成される。
【0054】
第一連結部材181は、矩形板状に形成され、その板面を前後方向に向けて、発光源150の後方に配置される。第一連結部材181には、固定孔181a及びガイド軸181bが形成される。
【0055】
固定孔181a・181aは、第一連結部材181を前後方向に貫通するように、当該第一連結部材181の上部に形成される。当該固定孔181a・181aには、第一外側部材161の連結部161a・161a(図7参照)の後端が挿入されて固定される。
【0056】
ガイド軸181b・181bは、第一連結部材181の後面下部から後方に向かって延設される略円柱状の部材である。
【0057】
第二連結部材182は、矩形板状に形成され、その板面を前後方向に向けて、発光源150の後方かつ第一連結部材181の下方に配置される。第二連結部材182には、固定孔182a及びガイド軸182bが形成される。
【0058】
固定孔182a・182aは、第二連結部材182を前後方向に貫通するように、当該第二連結部材182の下部に形成される。当該固定孔182a・182aには、第二外側部材162の連結部162a・162a(図7参照)の後端が挿入されて固定される。
【0059】
ガイド軸182b・182bは、第二連結部材182の後面下部から後方に向かって延設される略円柱状の部材である。
【0060】
ガイド板183は、第一連結部材181のガイド軸181b・181b及び第二連結部材182のガイド軸182b・182bを案内するものである。ガイド板183は、矩形板状に形成され、その板面を前後方向に向けて、第一連結部材181及び第二連結部材182の後方に配置される。ガイド板183は、適宜の方法(例えば、ビスによる締結)によって内側部材110に対して相対移動不能となるように固定される。ガイド板183には、長孔183aが形成される。
【0061】
長孔183a・183a・・・は、ガイド板183を前後方向に貫通するように、当該ガイド板183の右端部近傍及び左右中途部に、それぞれ上下に並ぶように形成される。長孔183a・183a・・・は、長手方向を上下方向に向けて形成される。
ガイド板183の上部に形成された2つの長孔183a・183aには、第一連結部材181のガイド軸181b・181bがそれぞれ挿通され、ガイド板183の下部に形成された2つの長孔183a・183aには、第二連結部材182のガイド軸182b・182bがそれぞれ挿通される。
【0062】
駆動板184は、ガイド板183の長孔183a・183a・・・に挿通されたガイド軸181b・181b及びガイド軸182b・182bを、当該長孔183a・183a・・・に沿って摺動させるものである。駆動板184は、板状に形成され、その板面を前後方向に向けて、ガイド板183の後方に配置される。駆動板184は、適宜の方法によって内側部材110に対して当該内側部材110の長手方向(図5、図6及び図8における左右方向)に摺動可能となるように支持される。駆動板184には、長孔184a及びラック部184bが形成される。
【0063】
長孔184a・184a・・・は、駆動板184を前後方向に貫通するように、当該駆動板184の右端部近傍及び左右中途部に、それぞれ上下に並ぶように形成される。駆動板184の上部に形成された2つの長孔184a・184aは、その長手方向が右下方から左上方に向かうように形成され、駆動板184の下部に形成された2つの長孔184a・184aは、その長手方向が右上方から左下方に向かうように形成される。
駆動板184の上部に形成された2つの長孔184a・184aには、第一連結部材181のガイド軸181b・181bがそれぞれ挿通され、駆動板184の下部に形成された2つの長孔184a・184aには、第二連結部材182のガイド軸182b・182bがそれぞれ挿通される。
【0064】
ラック部184bは、その歯が上方を向くようにして、駆動板184の左端部に形成される。
【0065】
モータ185は、外側部材160を第一の状態と第二の状態との間で切り換え駆動するための駆動源である。モータ185は、その出力軸を前方に向けた状態で、駆動板184のラック部184b近傍に配置される。モータ185は、適宜の方法によって内側部材110に対して相対移動不能となるように固定される。
【0066】
出力ギヤ186は、モータ185の出力軸に固定され、駆動板184のラック部184bと歯合される。
【0067】
以下では、上述の如く構成された演出役物100の動作態様について説明する。演出役物100は、所定の演出動作として第一の発光演出及び第二の発光演出を行うことができる。また、演出役物100は、回動軸112を中心として回動することにより、その姿勢を変更することができる。
【0068】
なお、透光部材駆動機構130のモータ131、内側部材駆動機構140のモータ141、発光源150及び外側部材駆動機構180のモータ185は、それぞれ図示せぬ役物制御装置に接続され、当該役物制御装置によってその動作が制御される。前記役物制御装置は、RAMやROM等の記憶部、CPU等の演算処理部等により構成されるものである。
【0069】
まず、演出役物100による第一の発光演出について説明する。
【0070】
図3から図7までに示す演出役物100においては、外側部材160は第一の状態、すなわち、第一外側部材161と第二外側部材162とが互いに当接し、内側部材110に設けられた第一透光部材120・120・・・を前方から覆っている状態にある。
【0071】
外側部材160が第一の状態にあるときに、前記役物制御装置は、透光部材駆動機構130のモータ131を駆動させるとともに、発光源150のLED152・152・・・を点灯させる。
【0072】
図7に示すモータ131を駆動させると、当該モータ131の動力は従動ギヤ132及び伝達ギヤ134・134・・・を介して各透光部材駆動ギヤ133・133・・・に伝達される。各透光部材駆動ギヤ133・133・・・は全て同一方向(例えば、正面視反時計回り)に回動し、当該透光部材駆動ギヤ133・133・・・に連結された第一透光部材120・120・・・も全て同一方向に回動する。
【0073】
また、発光源150のLED152・152・・・から前方に向かって照射された光は、透光性を有する透光部材駆動ギヤ133・133・・・及び第一透光部材120・120・・・を介して当該第一透光部材120・120・・・の前方へと照射される。
【0074】
この際、第一透光部材120・120・・・には、互いに色や形状の異なる複数の装飾(第一装飾121及び第二装飾122)が施されているため、当該第一透光部材120・120・・・を介して前方に照射される光は、それぞれの装飾に応じた色や影等が付与される。さらに、第一透光部材120・120・・・は回動しているため、当該第一透光部材120・120・・・を介して前方に照射される光の色や影等は、時々刻々と変化することになる。
【0075】
このように、本実施形態では、第一透光部材120・120・・・・と透光部材駆動機構130によって、第一透光部材120・120・・・を介して前方へと照射される光に変化を与える機構を構成している。
【0076】
また、第一透光部材120・120・・・を介して前方へと照射された光は、当該第一透光部材120・120・・・の前方に配置された透光性を有する第二透光部材170・170・・・へ照射され、当該第二透光部材170・170・・・を介してさらに前方へと照射される。
【0077】
この際、第一透光部材120・120・・・を介して第二透光部材170・170・・・へ照射される光の色や影等は時々刻々と変化している。このため、遊技者には、第二透光部材170が単に一定の色や明るさで発光しているのではなく、当該第二透光部材170の発光の色や明るさ等が時々刻々と変化する様子(光模様)を視認させることができる。このため、当該遊技者に対して変化に富んだ光を視認させることができ、第一の発光演出の視覚的効果を高めることができる。
【0078】
なお、前記役物制御装置は、発光源150の各LED152・152・・・を異なるタイミングで点灯及び消灯させることもできる。例えば、LED152・152・・・を右から左に順番に点灯させたり、各LED152・152・・・の点灯と消灯を互いに異なるタイミングで繰り返し行ったりすることができる。このように、各LED152・152・・・の点灯及び消灯を適宜制御することで、遊技者に対してより変化に富んだ光を視認させることができる。
【0079】
次に、演出役物100による第二の発光演出について説明する。
【0080】
演出役物100による第二の発光演出を行う場合、前記役物制御装置は、まず外側部材駆動機構180のモータ185を駆動させ、出力ギヤ186を背面視時計回りに回動させる(図8及び図9参照)。出力ギヤ186を背面視時計回りに回動させると、当該出力ギヤ186と歯合されたラック部184bを介して駆動板184が右方へと摺動する。
【0081】
駆動板184が右方へと摺動すると、ガイド板183の上部に形成された2つの長孔183a・183aと駆動板184の上部に形成された2つの長孔184a・184aとの重複部分は徐々に(図8、図9(a)及び図9(b)の順に)上方へと移動する。これに伴って、当該長孔183a・183a及び長孔184a・184aに挿通された第一連結部材181のガイド軸181b・181bも上方へと摺動し、ひいては第一連結部材181が上方へと摺動する。
【0082】
また、駆動板184が右方へと摺動すると、ガイド板183の下部に形成された2つの長孔183a・183aと駆動板184の下部に形成された2つの長孔184a・184aとの重複部分は徐々に(図8、図9(a)及び図9(b)の順に)下方へと移動する。これに伴って、当該長孔183a・183a及び長孔184a・184aに挿通された第二連結部材182のガイド軸182b・182bも下方へと摺動し、ひいては第二連結部材182が下方へと摺動する。
【0083】
第一連結部材181のガイド軸181b・181bが、当該ガイド軸181b・181bが挿通された長孔183a・183aの上端部まで摺動するとともに、第二連結部材182のガイド軸182b・182bが、当該ガイド軸182b・182bが挿通された長孔183a・183aの下端部まで摺動した場合(図9(b)及び図10から図13までを参照)、第一連結部材181に連結された第一外側部材161は上方に、第二連結部材182に連結された第二外側部材162は下方に、それぞれ移動している。この状態においては、第一外側部材161と第二外側部材162とは互いに離間し、前方から演出役物100を見ると、当該第一外側部材161と第二外側部材162との間から第一透光部材120・120・・・が視認可能となる。すなわち、この状態においては、前方から見て第一透光部材120・120・・・が露出された状態(外側部材160の第二の状態)となる。
【0084】
前記役物制御装置は、外側部材160を第二の状態に切り換えた後(又は、第一の状態から第二の状態へと切り換える途中)で、透光部材駆動機構130のモータ131を駆動させるとともに、発光源150のLED152・152・・・を点灯させる。
【0085】
図11に示すモータ131を駆動させると、第一の発光演出の場合と同様に、第一透光部材120・120・・・は全て同一方向に回動する。
【0086】
また、発光源150のLED152・152・・・から前方に向かって照射された光は、透光性を有する透光部材駆動ギヤ133・133・・・及び第一透光部材120・120・・・を介して当該第一透光部材120・120・・・の前方へと照射される。
【0087】
この際、第一透光部材120・120・・・を介して前方に照射される光の色や影等は、第一の発光演出の場合と同様に、時々刻々と変化することになる。
【0088】
また、外側部材160が第二の状態にある場合には、前方から見て第一透光部材120・120・・・が露出している(図12参照)ため、第一透光部材120・120・・・を介して前方へと照射された光は、第二透光部材170・170・・・を介することなく遊技者に視認される。
【0089】
この場合、遊技者には、外側部材160が上下に割れて、その間から出現した第一透光部材120・120・・・が発光しながら回転する様子を視認させることができ、第二の発光演出の意外性を高めることができる。
【0090】
なお、前記役物制御装置は、外側部材駆動機構180のモータ185を駆動させ、出力ギヤ186を背面視反時計回りに回動させることで、再び演出役物100の外側部材160を第一の状態に戻すことができる。
また、前記役物制御装置は、外側部材160が第一の状態に戻った後に、透光部材駆動機構130のモータ131を駆動させるとともに、発光源150のLED152・152・・・を点灯させることで、再び演出役物100による第一の発光演出を行うことができる。
【0091】
次に、演出役物100が姿勢を変更する様子について説明する。
【0092】
図3から図7まで、及び図10から図13までに示す演出役物100は、その長手方向を左右方向に向けて配置されている。この状態においては、内側部材110の回動軸112側(左側)端を基端とすると、演出役物100の先端は右方を指向する姿勢(第一の姿勢)になっている。
【0093】
演出役物100の姿勢を変更する場合、前記役物制御装置は、内側部材駆動機構140のモータ141を駆動させ、出力ギヤ142を正面視時計回りに回動させる(図14参照)。出力ギヤ142を正面視時計回りに回動させると、当該出力ギヤ142と歯合された従動ギヤ143が正面視反時計回りに回動する。従動ギヤ143が正面視反時計回りに回動すると、当該従動ギヤ143に固定された回動軸112を介して内側部材110が、当該回動軸112を中心として正面視反時計回りに回動する。
【0094】
このようにして、本実施形態においては、演出役物100の姿勢を、その先端が右方を指向する姿勢(第一の姿勢)から、その先端が右上方を指向する姿勢(第二の姿勢)まで変更することができる(図14及び図15参照)。
【0095】
演出役物100の姿勢が、第二の姿勢に変更された状態であっても、前記役物制御装置は、透光部材駆動機構130のモータ131、外側部材駆動機構180のモータ185及び発光源150の動作を適宜制御することによって、前述と同様に演出役物100による第一の発光演出及び第二の発光演出(図16及び図17参照)を行うことができる。
【0096】
なお、前記役物制御装置は、内側部材駆動機構140のモータ141を駆動させ、出力ギヤ142を正面視反時計回りに回動させることで、再び演出役物100の姿勢を、第二の姿勢から第一の姿勢に戻すことができる。
【0097】
前記役物制御装置は、演出役物100による第一の発光演出及び第二の発光演出のいずれも行わない場合、演出役物100の姿勢を第一の姿勢に保持する(図4等参照)。この演出役物100の状態を、非作動状態と称す。
【0098】
以上の如く、本実施形態に係る遊技機1(パチンコ遊技機)は、図柄遊技と関連して発光演出を行う演出役物100(発光装飾装置)を具備する遊技機1であって、演出役物100は、内側部材110と、内側部材110に設けられ、透光面から出射される光を変化させるように可動自在な第一透光部材120・120・・・(第一の透光部材)と、第一透光部材120・120・・・を駆動する透光部材駆動機構130(第一の駆動機構)と、第一透光部材120・120・・・の後方に配置され、当該第一透光部材120・120・・・に向けて光を照射する発光源150(照光部材)と、内側部材110の前方に配置され、当該内側部材110の第一透光部材120・120・・・を前方から覆う第一の状態と、当該第一透光部材120・120・・・を前方から見て露出させる第二の状態と、の間で切り換え可能な外側部材160と、外側部材160に設けられ、当該外側部材160が前記第一の状態であるときに内側部材110の第一透光部材120・120・・・の前方に位置するように配置される第二透光部材170・170・・・(第二の透光部材)と、外側部材160を前記第一の状態と前記第二の状態との間で切り換え駆動する外側部材駆動機構180(第二の駆動機構)と、を具備し、外側部材駆動機構180により外側部材160を前記第一の状態とするとともに、透光部材駆動機構130により第二透光部材170・170・・・に入射される光を変化させるように第一透光部材120・120・・・を駆動し、発光源150からの光を第一透光部材120・120・・・及び第二透光部材170・170・・・を介して前方に照射する第一の発光演出と、外側部材駆動機構180により外側部材160を前記第一の状態から前記第二の状態に切り換え、発光源150からの光を第一透光部材120・120・・・を介し、かつ第二透光部材170・170・・・を介することなく前方に照射する第二の発光演出と、を行うことを特徴とするものである。
【0099】
このように構成することにより、第一の発光演出にあたっては、第一透光部材120・120・・・は前方から外側部材160に覆われており、当該外側部材160には第二透光部材170・170・・・が設けられているため、遊技者は直接的には第二透光部材170・170・・・の形状、装飾及び着色等に応じた光模様を視認することになる。しかし、第二透光部材170・170・・・に入射される光は、第一透光部材120・120・・・の透光面(前面)を透過したものであり、この光は、透光部材駆動機構130により第一透光部材120・120・・・が駆動されて変化が与えられたものである。このため、遊技者の目に届く光は、第二透光部材170・170・・・の形状等に応じた光模様に、第一透光部材120・120・・・を透過する際に付与された変化が加えられるものとなり、第二透光部材170・170・・・のみを介する場合に比べて光模様が複雑化し、視覚的効果の高い発光演出を行うことができる。
また、第二の発光演出にあたっては、外側部材160により第一透光部材120・120・・・を覆った状態から第一透光部材120・120・・・を露出させて発光演出を行うため、遊技者に対し、直前まで視認されなかった、或いは視認が困難であった第一透光部材120・120・・・が突然出現して発光するかのような印象を与えることができ、意外性のある発光演出を行うことができる。
そして、上記の第一の発光演出(内側部材110の第一透光部材120・120・・・及び外側部材160の第二透光部材170・170・・・による複合的な発光演出)と、上記の第二の発光演出(内側部材110の第一透光部材120・120・・・のみの単独的な発光演出)とを組み合わせることで、発光演出のバリエーションを増やして多様化を図りつつ、遊技者に新鮮な印象を与えることが可能な発光演出を提供することができる。
【0100】
また、第一透光部材120・120・・・は、所定の着色が付された第一装飾121及び第二装飾122(装飾)を前記透光面(前面)に有し、遊技者から見て当該装飾が回転するように内側部材110に回転可能に配置されることを特徴とするものである。
【0101】
このように構成することにより、第一の発光演出にあたっては、第一透光部材120・120・・・の透光面の装飾が回転することで第一透光部材120・120・・・を透過する光の発光模様が回転するように変化し、その光が第二透光部材170・170・・・に入射されるため、第二透光部材170・170・・・を介して視認される光が変化に富んだものとなってさらに複雑化し、より印象的な発光演出を実現することができる。
また、第二の発光演出にあたっても、第一透光部材120・120・・・を駆動させれば、発光模様が変化する光に加えて、第一透光部材120・120・・・の透光面の装飾が回転する様子を遊技者に見せることができ、視覚的効果を高めることができる。
【0102】
なお、本実施形態において演出役物100は麻雀に用いられる点棒の形状を模したものとしたが、本発明はこれに限らず、演出役物100はその他の形状であっても良い。
また、第一透光部材120・120・・・及び第二透光部材170・170・・・の外観(形状、模様、色彩等)は、互いに異なる外観であれば、本実施形態のものに限らず他の外観を有するものであっても良い。
また、本実施形態においては第一透光部材120・120・・・及び第二透光部材170・170・・・はそれぞれ複数設けるものとしたが、本発明はこれに限らず、単一の部材で構成された第一透光部材120及び第二透光部材170をそれぞれ1つだけ設ける構成としても良い。
また、第一透光部材120・120・・・に施される装飾(第一装飾121及び第二装飾122)は、本実施形態に限るものではなく、その他の模様や着色からなる装飾であっても良い。また、第二透光部材170・170・・・に対しても、模様や着色等の装飾を施しても良い。
また、発光源150は、第一透光部材120・120・・・の後方から当該第一透光部材120・120・・・に向けて光を照射することができるものであれば、LED152・152・・・の個数等の構成を限定するものではない。
また、必ずしも第一透光部材120・120・・・の後方に発光源150(LED152・152・・・等)を配置する必要はなく、例えば、第一透光部材120・120・・・の後方に反射ミラー等の導光部材を配置することで、他の場所から照射される光を当該反射ミラーで反射して第一透光部材120・120・・・に照射させる構成としても良い。この場合、当該反射ミラー(導光部材)が本発明に係る照光部材の実施の一形態となる。
また、本実施形態に係る外側部材160は、第一外側部材161及び第二外側部材162を備え、当該第一外側部材161及び第二外側部材162が割れるように互いに離間した隙間から第一透光部材120・120・・・が視認可能となる(露出する)構成としたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、外側部材160を単一の部材で構成し、当該部材が第一透光部材120・120・・・の前方から側方へと摺動することで、第一透光部材120・120・・・を露出させる構成とすることも可能である。
また、演出役物100による第二の発光演出(単独的な発光演出)に際しては、必ずしも第一透光部材120・120・・・を回転(回動)させる必要はなく、当該第一透光部材120・120・・・の回動を停止した状態で当該第一透光部材120・120・・・に光を照射しても良い。
【0103】
また、本実施形態においては、第一透光部材120・120・・・・と透光部材駆動機構130によって、第一透光部材120・120・・・を介して前方へと照射される光に変化を与える構成としたが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、内側部材110に透光性を有する透光窓191・191・・・を設け(図18参照)、発光源150と透光窓191・191・・・との間に、所定の着色等がなされた透光性を有する可動部材192・192・・・(図18参照)を配置し、当該可動部材192・192・・・を運動(例えば、所定方向への往復運動や、回転運動)させることにより、発光源150から透光窓191・191・・・へ照射される光に変化を与えることで、当該透光窓191・191・・・を介して前方へと照射される光に変化を与えることもできる。この場合、当該透光窓191・191・・・及び可動部材192・192・・・によって本発明に係る第一の透光部材が構成される。
【0104】
また、本実施形態における光の変化とは、本実施形態の如く光の色や影等を変化させるものだけではなく、光の明暗や光が照射される向きを変化させるものであっても良い。
また、外側部材駆動機構180は、外側部材160を第一の状態と第二の状態との間で切り換え駆動できるものであれば、その構成を限定するものではない。
【符号の説明】
【0105】
1:遊技機,100:演出役物,110:内側部材,120:第一透光部材,150:発光源,160:外側部材,170:第二透光部材,180:外側部材駆動機構
【技術分野】
【0001】
本発明は、図柄遊技と関連して発光演出を行う発光装飾装置を具備するパチンコ遊技機の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来図柄遊技と関連して発光演出を行う発光装飾装置を具備するパチンコ遊技機の技術は公知となっている。例えば、特許文献1、特許文献2又は特許文献3に記載の如くである。
【0003】
特許文献1、特許文献2又は特許文献3に記載のパチンコ遊技機が備える発光装飾装置では、発光演出を行うことにより、通常と異なる遊技状態が発生していることを遊技者に感じさせて期待感を喚起したり、当該発光装飾装置を可動役物に搭載して当該役物の作動と連係することで興趣性を向上させたりすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−113953号公報
【特許文献2】特開2010−119663号公報
【特許文献3】特開2011−30847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、遊技者により新鮮な印象を与えることが可能な発光演出を行うことができるパチンコ遊技機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、図柄遊技と関連して発光演出を行う発光装飾装置を具備するパチンコ遊技機であって、前記発光装飾装置は、内側部材と、前記内側部材に設けられ、透光面から出射される光を変化させるように可動自在な第一の透光部材と、前記第一の透光部材を駆動する第一の駆動機構と、前記第一の透光部材の後方に配置され、当該第一の透光部材に向けて光を照射する照光部材と、前記内側部材の前方に配置され、当該内側部材の前記第一の透光部材を前方から覆う第一の状態と、当該第一の透光部材を前方から見て露出させる第二の状態と、の間で切り換え可能な外側部材と、前記外側部材に設けられ、当該外側部材が前記第一の状態であるときに前記内側部材の前記第一の透光部材の前方に位置するように配置される第二の透光部材と、前記外側部材を前記第一の状態と前記第二の状態との間で切り換え駆動する第二の駆動機構と、を具備し、前記第二の駆動機構により前記外側部材を前記第一の状態とするとともに、前記第一の駆動機構により前記第二の透光部材に入射される光を変化させるように前記第一の透光部材を駆動し、前記照光部材からの光を前記第一の透光部材及び前記第二の透光部材を介して前方に照射する第一の発光演出と、前記第二の駆動機構により前記外側部材を前記第一の状態から前記第二の状態に切り換え、前記照光部材からの光を前記第一の透光部材を介し、かつ前記第二の透光部材を介することなく前方に照射する第二の発光演出と、を行うことを特徴とするものである。
【0008】
請求項2においては、前記第一の透光部材は、所定の着色が付された装飾を前記透光面に有し、遊技者から見て当該装飾が回転するように前記内側部材に回転可能に配置されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0010】
請求項1において、第一の発光演出にあたっては、第一の透光部材は前方から外側部材に覆われており、当該外側部材には第二の透光部材が設けられているため、遊技者は直接的には第二の透光部材の形状、装飾及び着色等に応じた光模様を視認することになる。しかし、第二の透光部材に入射される光は、第一の透光部材の透光面を透過したものであり、この光は、第一の駆動機構により第一の透光部材が駆動されて変化が与えられたものである。このため、遊技者の目に届く光は、第二の透光部材の形状等に応じた光模様に、第一の透光部材を透過する際に付与された変化が加えられるものとなり、第二の透光部材のみを介する場合に比べて光模様が複雑化し、視覚的効果の高い発光演出を行うことができる。
また、第二の発光演出にあたっては、外側部材により第一の透光部材を覆った状態から第一の透光部材を露出させて発光演出を行うため、遊技者に対し、直前まで視認されなかった、或いは視認が困難であった第一の透光部材が突然出現して発光するかのような印象を与えることができ、意外性のある発光演出を行うことができる。
そして、上記の第一の発光演出(内側部材の第一の透光部材及び外側部材の第二の透光部材による複合的な発光演出)と、上記の第二の発光演出(内側部材の第一の透光部材のみの単独的な発光演出)とを組み合わせることで、発光演出のバリエーションを増やして多様化を図りつつ、遊技者に新鮮な印象を与えることが可能な発光演出を提供することができる。
【0011】
請求項2において、第一の発光演出にあたっては、第一の透光部材の透光面の装飾が回転することで第一の透光部材を透過する光の発光模様が回転するように変化し、その光が第二の透光部材に入射されるため、第二の透光部材を介して視認される光が変化に富んだものとなってさらに複雑化し、より印象的な発光演出を実現することができる。
また、第二の発光演出にあたっても、第一の透光部材を駆動させれば、発光模様が変化する光に加えて、第一の透光部材の透光面の装飾が回転する様子を遊技者に見せることができ、視覚的効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係る遊技機の正面図。
【図2】同じく、遊技機の窓枠が開放された状態を示した前方斜視図。
【図3】同じく、遊技盤を示した正面図。
【図4】外側部材が第一の状態にあるときの演出役物を示した正面図。
【図5】同じく、背面図。
【図6】同じく、分解斜視図。
【図7】同じく、演出役物の透光部材駆動機構を示した背面図。
【図8】同じく、演出役物の外側部材駆動機構のみを示した背面図。
【図9】(a)同じく、外側部材駆動機構の動作態様を示した背面図。(b)同じく、外側部材駆動機構の動作態様を示した背面図。
【図10】外側部材が第二の状態にあるときの演出役物を示した背面図。
【図11】同じく、演出役物の透光部材駆動機構を示した背面図。
【図12】同じく、外側部材が第二の状態にあるときの演出役物を示した正面図。
【図13】同じく、外側部材が第二の状態にあるときの遊技盤を示した正面図。
【図14】第二の姿勢に変更された演出役物を示した正面図。
【図15】同じく、演出役物が第二の姿勢に変更されたときの遊技盤を示した正面図。
【図16】第二の姿勢にある際に外側部材が第二の状態になったときの演出役物を示した正面図。
【図17】同じく、第二の姿勢にある際に外側部材が第二の状態になったときの遊技盤を示した正面図。
【図18】演出役物の他の実施形態を示す分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
まず、本発明に係るパチンコ遊技機の一実施形態に係る遊技機1の全体的な構成について、図面を用いて説明する。
なお、以下の説明では、遊技機1を遊技者から見て、手前側を遊技機1の前側とし、奥側を遊技機1の後側として、前後方向を規定する。また、遊技機1を遊技者から見て、左手側を遊技機1の左側とし、右手側を遊技機1の右側として、左右方向を規定する。
【0014】
遊技機1は、図1から図3が示すように、主として、外枠2と、中枠3と、窓枠4と、により構成される枠体に、各種の遊技部品が取り付けられて形成される。
【0015】
外枠2は、遊技機1の外郭を成し、前後面が開口された略四角筒状に形成される枠体である。外枠2は、パチンコホール等の遊技場に設けられた台島に設置される。外枠2には、中枠3が設けられる。
【0016】
中枠3は、前後面が開口された略四角筒状に形成される枠体である。中枠3は、外枠2の前側の開口部にヒンジ等の軸支部材を介して回動可能に支持される。中枠3には、窓枠4と、下皿ユニット5と、遊技盤6と、が設けられる。
【0017】
窓枠4は、中央が開口された略平板状に形成される枠体である。窓枠4は、正面視で中枠3の下部を除く略全面に渡って配置される。窓枠4は、中枠3の前側の開口部にヒンジ部材を介して回動可能に支持される。窓枠4の中央には、正面視で略円形状の窓枠開口部7が形成される。窓枠開口部7は、透明板19により被覆される。窓枠開口部7の下部には、発射前の遊技球が貯溜される上皿8が配設される。窓枠開口部7の左右上方には、スピーカ9がそれぞれ配設される。
【0018】
下皿ユニット5は、中枠3の下部であって窓枠4の下方に取り付けられる。下皿ユニット5の中央には、上皿8から溢れた遊技球が貯溜される下皿17が配設される。下皿ユニット5の右部であって下皿17の右方には、発射ハンドル18が配設される。発射ハンドル18は、上皿8に貯溜された遊技球を発射可能に構成される。
【0019】
遊技盤6は、遊技球が転動する領域である遊技領域25が形成される部材である。遊技盤6は、窓枠4の後方であって、正面視で中枠3の下部を除く略全面に渡って配置される。遊技盤6は、中枠3に着脱可能に取り付けられる。なお、遊技盤6の遊技領域25は、窓枠4の窓枠開口部7の後方に配置され、前方から透明板19を介して視認可能に構成される。
【0020】
次に、遊技盤6の構成について、図3を用いてさらに詳細に説明する。
【0021】
遊技盤6は、図3に示すように、遊技板10と、ガイドレール11と、センター役物12と、図柄表示装置13と、可変入賞装置14と、大入賞装置15と、アウト口16と、演出役物100等により構成される。
【0022】
遊技板10は、四隅が適宜に切り欠けられた略平板状に形成される部材である。遊技板10には、遊技盤6を構成する各種の遊技部品が取り付けられる。遊技板10は、アクリル樹脂やポリカーボネート(PC)等の透過性を有する部材によって形成される。
【0023】
ガイドレール11は、略円弧帯状に形成される部材である。ガイドレール11は、遊技板10に、前方へ向けて立ち上がり状に取り付けられる。ガイドレール11は、正面視で略円形状を形成するように配置される。なお、遊技板10においてガイドレール11によって略円形状に形成された内側の領域が、遊技球が転動する領域である遊技領域25として構成される。
【0024】
センター役物12は、その外観により遊技板10を装飾する部材である。センター役物12は正面視で略環状であって、その中央にセンター開口部27が前後方向に貫通して形成される。センター役物12は、遊技板10を前後方向に貫通するように当該遊技板10の中央から上部に渡って形成される孔に前方から挿入され、ボルト等によって取り付けられる。
【0025】
図柄表示装置13は、前方を臨むように配設された液晶画面26に図柄や数字等の変動(図柄遊技)を表示するように構成される装置である。図柄表示装置13は、遊技板10の後方に配置される。より詳細には、図柄表示装置13の液晶画面26が、遊技板10に取り付けられたセンター役物12のセンター開口部27の後方に配置される。これによって、前方からセンター開口部27を介して液晶画面26に表示される図柄遊技を視認することができる。
【0026】
可変入賞装置14は、所定の作動条件に応じて左右一対の可動片28が開閉作動し、始動入賞口14aに遊技球が入球(入賞)可能な開放状態と入球(入賞)不能な閉塞状態とに切り替え可能に構成される装置である。可変入賞装置14は、遊技領域25の中央下部であって図柄表示装置13の下方に配置される。なお、可変入賞装置14は、前記開放状態において始動入賞口14aに遊技球が入球(入賞)すると図示せぬ賞球払出装置によって所定数の遊技球(賞球)が払い出されるように構成される。
【0027】
大入賞装置15は、所定の大当たり抽選により大当たりが選択されると、大入賞口15aを開放して遊技球が入球(入賞)可能に構成される装置である。大入賞装置15は、遊技領域25の右部であって図柄表示装置13の右下方に配置される。なお、大入賞装置15は、開放した大入賞口15aに遊技球が入球すると図示せぬ賞球払出装置によって所定数の遊技球(賞球)が払い出されるように構成される。
【0028】
アウト口16は、遊技領域25を転動する遊技球が、大入賞口15aや始動入賞口14a等の各入賞口に入球(入賞)しなかった場合に、最終的に流入する開口部である。アウト口16は、遊技領域25の最下部に配置される。なお、アウト口16に流入した遊技球は、遊技機1が設置されたパチンコホール等の遊技場側に回収される。
【0029】
演出役物100は、本発明に係る発光装飾装置の実施の一形態であり、図柄表示装置13による図柄遊技と関連して所定の演出動作を行うことにより、遊技者に視覚的な印象(インパクト)を与え、その遊技者の興趣を高めるものである。演出役物100は、図柄表示装置13(液晶画面26)の下方であって、前後方向においてセンター役物12と液晶画面26との間、すなわちセンター役物12よりも後方であって液晶画面26よりも前方に配置される。また、演出役物100は、正面視においてセンター役物12のセンター開口部27と重複するように配置され、前方から当該センター開口部27を介して演出役物100を視認することができる。
【0030】
以下では、演出役物100の構成について詳細に説明する。
【0031】
図3から図17までに示す演出役物100は、麻雀に用いられる点棒の形状を模したものであり、所定の演出動作を行うことにより、遊技者に視覚的な印象(インパクト)を与え、その遊技者の興趣を高めるものである。演出役物100は、主として、内側部材110と、第一透光部材120と、透光部材駆動機構130と、内側部材駆動機構140と、発光源150と、外側部材160と、第二透光部材170と、外側部材駆動機構180と、により構成される。
なお、図7及び図11においては、説明の便宜上、外側部材駆動機構180の図示を省略している。
【0032】
図4から図7までに示す内側部材110は、後方が開放された略直方体状のものである。内側部材110には、透光部111及び回動軸112が設けられる。
【0033】
透光部111は、透光性を有する材料で構成され、内側部材110の前面を前後方向に貫通するように設けられる。透光部111は、正面視円形状に形成され、内側部材110の前面であって長手方向(図4から図7までにおける左右方向)中途部に配置される。
【0034】
回動軸112は、その軸線を前後方向に向けて、内側部材110の一端部(図4から図7までにおける左端部)に配置される。回動軸112は、内側部材110と相対回動不能となるように、当該内側部材110に固定(又は一体的に形成)される。回動軸112の両端は、内側部材110から前方及び後方に向かってそれぞれ延設される。
回動軸112の前端部は、遊技盤6(図3参照)に回動可能に支持される。これによって、内側部材110は遊技盤6に対して回動軸112を中心として回動可能となる。
【0035】
図6に示す第一透光部材120・120・・・は、透光性を有する材料で構成され、内側部材110の前面を前後方向に貫通するように設けられる。第一透光部材120・120・・・は、正面視円形状に形成され、内側部材110の前面であって図6における透光部111の右方において、長手方向(図6における左右方向)に並べて配置される。第一透光部材120・120・・・は、内側部材110に対して前後方向の軸線を中心として回動(回転)可能となるように支持される。第一透光部材120・120・・・の前面(透光面)には、それぞれ第一装飾121及び第二装飾122が施される。
【0036】
第一装飾121は、炎を模した形状に形成される装飾部分であり、第一透光部材120のその他の部分と異なる色に着色される。
第二装飾122は、所定の形状(本実施形態においては三角形状)に形成される装飾部分である。
【0037】
図7に示す透光部材駆動機構130は、本発明に係る第一の駆動機構の実施の一形態であり、第一透光部材120・120・・・を駆動(回動)させるものである。透光部材駆動機構130は、主として、モータ131と、従動ギヤ132と、透光部材駆動ギヤ133と、伝達ギヤ134と、により構成される。
【0038】
モータ131は、第一透光部材120・120・・・を回動させるための駆動源である。モータ131は、内側部材110の左端部後方に配置される。
【0039】
従動ギヤ132は、透光性を有する材料で構成され、内側部材110の透光部111の背後に回動可能に配置される。従動ギヤ132は、モータ131の出力軸に連結された図示せぬ出力ギヤに歯合される。
【0040】
透光部材駆動ギヤ133・133・・・は、透光性を有する材料で構成され、各第一透光部材120・120・・・の背後にそれぞれ配置される。透光部材駆動ギヤ133・133・・・は、当該透光部材駆動ギヤ133・133・・・の前方にある第一透光部材120・120・・・と相対回動不能となるようにビス等により連結される。
【0041】
伝達ギヤ134・134・・・は、従動ギヤ132及び透光部材駆動ギヤ133・133・・・の間で動力を伝達するものである。伝達ギヤ134・134・・・は、従動ギヤ132と最も左側に配置される透光部材駆動ギヤ133の間、及び隣り合う透光部材駆動ギヤ133・133の間にそれぞれ配置され、隣り合うギヤ(従動ギヤ132と透光部材駆動ギヤ133、又は透光部材駆動ギヤ133同士)の間で動力を伝達する。
【0042】
図4から図7までに示す内側部材駆動機構140は、内側部材110を、回動軸112を中心として回動させるものである。内側部材駆動機構140は、主として、モータ141と、出力ギヤ142と、従動ギヤ143と、により構成される。
【0043】
モータ141は、内側部材110を回動させるための駆動源である。モータ141は、その出力軸を前方に向けた状態で、内側部材110の一側方(図4から図7までにおける左側方)に配置される。
【0044】
出力ギヤ142は、モータ141の出力軸に固定される。
従動ギヤ143は、内側部材110の回動軸112の後端部に固定され、出力ギヤ142に歯合される。
【0045】
図5から図7までに示す発光源150は、本発明に係る照光部材の実施の一形態であり、第一透光部材120・120・・・に向けて光を照射するものである。発光源150は、主として、基板151と、LED152と、により構成される。
【0046】
基板151は、略矩形板状に形成され、その板面を前後方向に向けて、内側部材110(より詳細には、透光部材駆動機構130の従動ギヤ132及び透光部材駆動ギヤ133・133・・・)の後方に配置される。
【0047】
LED152・152・・・は、基板151の前面に設けられ、従動ギヤ132及び透光部材駆動ギヤ133・133・・・の背後にそれぞれ配置される。
【0048】
図4から図7までに示す外側部材160は、内側部材110の前方に配置され、第一透光部材120・120・・・を前方から覆う第一の状態と、第一透光部材120・120・・・を前方から見て露出させる第二の状態と、の間で切り換え可能なものである。外側部材160は、主として、第一外側部材161と、第二外側部材162と、により構成される。
【0049】
第一外側部材161は、前面、上面及び右側面を有する部材である。第一外側部材161は、内側部材110の前方に配置され、当該内側部材110の一部(透光部111よりも右側の上半分)を前方、上方及び右側方から覆うことができる。第一外側部材161の後側面上部には、後方に向かって延びる略円柱状の連結部161a・161aが形成される(図7参照)。
【0050】
第二外側部材162は、前面、下面及び右側面を有する部材である。第二外側部材162は、内側部材110の前方に配置され、当該内側部材110の一部(透光部111よりも右側の下半分)を前方、下方及び右側方から覆うことができる。第二外側部材162の後側面下部には、後方に向かって延びる略円柱状の連結部162a・162aが形成される(図7参照)。
【0051】
図4から図7までに示す外側部材160は、第一外側部材161と第二外側部材162とが上下に当接し、内側部材110に設けられた第一透光部材120・120・・・を前方から覆っている状態(外側部材160の第一の状態)である。
【0052】
図4及び図6に示す第二透光部材170・170・・・は、透光性を有する材料で構成され、外側部材160(第一外側部材161及び第二外側部材162)の前面を前後方向に貫通するように設けられる。第二透光部材170・170・・・は、第一外側部材161及び第二外側部材162に、それぞれ長手方向(図6における左右方向)に並べて設けられ、第一外側部材161及び第二外側部材162が上下に当接した状態(第一の状態)において、第二透光部材170・170・・・全体で所定の文字列(本実施形態においては、「ABCD」の文字列)を構成するような形状に形成される。当該第二透光部材170・170・・・の外観は、第一透光部材120・120・・・の外観とは異なるものになるように形成される。第二透光部材170は、外側部材160が第一の状態にある場合には、内側部材110に設けられた第一透光部材120・120・・・の前方に位置するように配置される。
【0053】
図5、図6及び図8に示す外側部材駆動機構180は、本発明に係る第二の駆動機構の実施の一形態であり、外側部材160を第一の状態と第二の状態との間で切り換え駆動するものである。外側部材駆動機構180は、主として、第一連結部材181と、第二連結部材182と、ガイド板183と、駆動板184と、モータ185と、出力ギヤ186と、により構成される。
【0054】
第一連結部材181は、矩形板状に形成され、その板面を前後方向に向けて、発光源150の後方に配置される。第一連結部材181には、固定孔181a及びガイド軸181bが形成される。
【0055】
固定孔181a・181aは、第一連結部材181を前後方向に貫通するように、当該第一連結部材181の上部に形成される。当該固定孔181a・181aには、第一外側部材161の連結部161a・161a(図7参照)の後端が挿入されて固定される。
【0056】
ガイド軸181b・181bは、第一連結部材181の後面下部から後方に向かって延設される略円柱状の部材である。
【0057】
第二連結部材182は、矩形板状に形成され、その板面を前後方向に向けて、発光源150の後方かつ第一連結部材181の下方に配置される。第二連結部材182には、固定孔182a及びガイド軸182bが形成される。
【0058】
固定孔182a・182aは、第二連結部材182を前後方向に貫通するように、当該第二連結部材182の下部に形成される。当該固定孔182a・182aには、第二外側部材162の連結部162a・162a(図7参照)の後端が挿入されて固定される。
【0059】
ガイド軸182b・182bは、第二連結部材182の後面下部から後方に向かって延設される略円柱状の部材である。
【0060】
ガイド板183は、第一連結部材181のガイド軸181b・181b及び第二連結部材182のガイド軸182b・182bを案内するものである。ガイド板183は、矩形板状に形成され、その板面を前後方向に向けて、第一連結部材181及び第二連結部材182の後方に配置される。ガイド板183は、適宜の方法(例えば、ビスによる締結)によって内側部材110に対して相対移動不能となるように固定される。ガイド板183には、長孔183aが形成される。
【0061】
長孔183a・183a・・・は、ガイド板183を前後方向に貫通するように、当該ガイド板183の右端部近傍及び左右中途部に、それぞれ上下に並ぶように形成される。長孔183a・183a・・・は、長手方向を上下方向に向けて形成される。
ガイド板183の上部に形成された2つの長孔183a・183aには、第一連結部材181のガイド軸181b・181bがそれぞれ挿通され、ガイド板183の下部に形成された2つの長孔183a・183aには、第二連結部材182のガイド軸182b・182bがそれぞれ挿通される。
【0062】
駆動板184は、ガイド板183の長孔183a・183a・・・に挿通されたガイド軸181b・181b及びガイド軸182b・182bを、当該長孔183a・183a・・・に沿って摺動させるものである。駆動板184は、板状に形成され、その板面を前後方向に向けて、ガイド板183の後方に配置される。駆動板184は、適宜の方法によって内側部材110に対して当該内側部材110の長手方向(図5、図6及び図8における左右方向)に摺動可能となるように支持される。駆動板184には、長孔184a及びラック部184bが形成される。
【0063】
長孔184a・184a・・・は、駆動板184を前後方向に貫通するように、当該駆動板184の右端部近傍及び左右中途部に、それぞれ上下に並ぶように形成される。駆動板184の上部に形成された2つの長孔184a・184aは、その長手方向が右下方から左上方に向かうように形成され、駆動板184の下部に形成された2つの長孔184a・184aは、その長手方向が右上方から左下方に向かうように形成される。
駆動板184の上部に形成された2つの長孔184a・184aには、第一連結部材181のガイド軸181b・181bがそれぞれ挿通され、駆動板184の下部に形成された2つの長孔184a・184aには、第二連結部材182のガイド軸182b・182bがそれぞれ挿通される。
【0064】
ラック部184bは、その歯が上方を向くようにして、駆動板184の左端部に形成される。
【0065】
モータ185は、外側部材160を第一の状態と第二の状態との間で切り換え駆動するための駆動源である。モータ185は、その出力軸を前方に向けた状態で、駆動板184のラック部184b近傍に配置される。モータ185は、適宜の方法によって内側部材110に対して相対移動不能となるように固定される。
【0066】
出力ギヤ186は、モータ185の出力軸に固定され、駆動板184のラック部184bと歯合される。
【0067】
以下では、上述の如く構成された演出役物100の動作態様について説明する。演出役物100は、所定の演出動作として第一の発光演出及び第二の発光演出を行うことができる。また、演出役物100は、回動軸112を中心として回動することにより、その姿勢を変更することができる。
【0068】
なお、透光部材駆動機構130のモータ131、内側部材駆動機構140のモータ141、発光源150及び外側部材駆動機構180のモータ185は、それぞれ図示せぬ役物制御装置に接続され、当該役物制御装置によってその動作が制御される。前記役物制御装置は、RAMやROM等の記憶部、CPU等の演算処理部等により構成されるものである。
【0069】
まず、演出役物100による第一の発光演出について説明する。
【0070】
図3から図7までに示す演出役物100においては、外側部材160は第一の状態、すなわち、第一外側部材161と第二外側部材162とが互いに当接し、内側部材110に設けられた第一透光部材120・120・・・を前方から覆っている状態にある。
【0071】
外側部材160が第一の状態にあるときに、前記役物制御装置は、透光部材駆動機構130のモータ131を駆動させるとともに、発光源150のLED152・152・・・を点灯させる。
【0072】
図7に示すモータ131を駆動させると、当該モータ131の動力は従動ギヤ132及び伝達ギヤ134・134・・・を介して各透光部材駆動ギヤ133・133・・・に伝達される。各透光部材駆動ギヤ133・133・・・は全て同一方向(例えば、正面視反時計回り)に回動し、当該透光部材駆動ギヤ133・133・・・に連結された第一透光部材120・120・・・も全て同一方向に回動する。
【0073】
また、発光源150のLED152・152・・・から前方に向かって照射された光は、透光性を有する透光部材駆動ギヤ133・133・・・及び第一透光部材120・120・・・を介して当該第一透光部材120・120・・・の前方へと照射される。
【0074】
この際、第一透光部材120・120・・・には、互いに色や形状の異なる複数の装飾(第一装飾121及び第二装飾122)が施されているため、当該第一透光部材120・120・・・を介して前方に照射される光は、それぞれの装飾に応じた色や影等が付与される。さらに、第一透光部材120・120・・・は回動しているため、当該第一透光部材120・120・・・を介して前方に照射される光の色や影等は、時々刻々と変化することになる。
【0075】
このように、本実施形態では、第一透光部材120・120・・・・と透光部材駆動機構130によって、第一透光部材120・120・・・を介して前方へと照射される光に変化を与える機構を構成している。
【0076】
また、第一透光部材120・120・・・を介して前方へと照射された光は、当該第一透光部材120・120・・・の前方に配置された透光性を有する第二透光部材170・170・・・へ照射され、当該第二透光部材170・170・・・を介してさらに前方へと照射される。
【0077】
この際、第一透光部材120・120・・・を介して第二透光部材170・170・・・へ照射される光の色や影等は時々刻々と変化している。このため、遊技者には、第二透光部材170が単に一定の色や明るさで発光しているのではなく、当該第二透光部材170の発光の色や明るさ等が時々刻々と変化する様子(光模様)を視認させることができる。このため、当該遊技者に対して変化に富んだ光を視認させることができ、第一の発光演出の視覚的効果を高めることができる。
【0078】
なお、前記役物制御装置は、発光源150の各LED152・152・・・を異なるタイミングで点灯及び消灯させることもできる。例えば、LED152・152・・・を右から左に順番に点灯させたり、各LED152・152・・・の点灯と消灯を互いに異なるタイミングで繰り返し行ったりすることができる。このように、各LED152・152・・・の点灯及び消灯を適宜制御することで、遊技者に対してより変化に富んだ光を視認させることができる。
【0079】
次に、演出役物100による第二の発光演出について説明する。
【0080】
演出役物100による第二の発光演出を行う場合、前記役物制御装置は、まず外側部材駆動機構180のモータ185を駆動させ、出力ギヤ186を背面視時計回りに回動させる(図8及び図9参照)。出力ギヤ186を背面視時計回りに回動させると、当該出力ギヤ186と歯合されたラック部184bを介して駆動板184が右方へと摺動する。
【0081】
駆動板184が右方へと摺動すると、ガイド板183の上部に形成された2つの長孔183a・183aと駆動板184の上部に形成された2つの長孔184a・184aとの重複部分は徐々に(図8、図9(a)及び図9(b)の順に)上方へと移動する。これに伴って、当該長孔183a・183a及び長孔184a・184aに挿通された第一連結部材181のガイド軸181b・181bも上方へと摺動し、ひいては第一連結部材181が上方へと摺動する。
【0082】
また、駆動板184が右方へと摺動すると、ガイド板183の下部に形成された2つの長孔183a・183aと駆動板184の下部に形成された2つの長孔184a・184aとの重複部分は徐々に(図8、図9(a)及び図9(b)の順に)下方へと移動する。これに伴って、当該長孔183a・183a及び長孔184a・184aに挿通された第二連結部材182のガイド軸182b・182bも下方へと摺動し、ひいては第二連結部材182が下方へと摺動する。
【0083】
第一連結部材181のガイド軸181b・181bが、当該ガイド軸181b・181bが挿通された長孔183a・183aの上端部まで摺動するとともに、第二連結部材182のガイド軸182b・182bが、当該ガイド軸182b・182bが挿通された長孔183a・183aの下端部まで摺動した場合(図9(b)及び図10から図13までを参照)、第一連結部材181に連結された第一外側部材161は上方に、第二連結部材182に連結された第二外側部材162は下方に、それぞれ移動している。この状態においては、第一外側部材161と第二外側部材162とは互いに離間し、前方から演出役物100を見ると、当該第一外側部材161と第二外側部材162との間から第一透光部材120・120・・・が視認可能となる。すなわち、この状態においては、前方から見て第一透光部材120・120・・・が露出された状態(外側部材160の第二の状態)となる。
【0084】
前記役物制御装置は、外側部材160を第二の状態に切り換えた後(又は、第一の状態から第二の状態へと切り換える途中)で、透光部材駆動機構130のモータ131を駆動させるとともに、発光源150のLED152・152・・・を点灯させる。
【0085】
図11に示すモータ131を駆動させると、第一の発光演出の場合と同様に、第一透光部材120・120・・・は全て同一方向に回動する。
【0086】
また、発光源150のLED152・152・・・から前方に向かって照射された光は、透光性を有する透光部材駆動ギヤ133・133・・・及び第一透光部材120・120・・・を介して当該第一透光部材120・120・・・の前方へと照射される。
【0087】
この際、第一透光部材120・120・・・を介して前方に照射される光の色や影等は、第一の発光演出の場合と同様に、時々刻々と変化することになる。
【0088】
また、外側部材160が第二の状態にある場合には、前方から見て第一透光部材120・120・・・が露出している(図12参照)ため、第一透光部材120・120・・・を介して前方へと照射された光は、第二透光部材170・170・・・を介することなく遊技者に視認される。
【0089】
この場合、遊技者には、外側部材160が上下に割れて、その間から出現した第一透光部材120・120・・・が発光しながら回転する様子を視認させることができ、第二の発光演出の意外性を高めることができる。
【0090】
なお、前記役物制御装置は、外側部材駆動機構180のモータ185を駆動させ、出力ギヤ186を背面視反時計回りに回動させることで、再び演出役物100の外側部材160を第一の状態に戻すことができる。
また、前記役物制御装置は、外側部材160が第一の状態に戻った後に、透光部材駆動機構130のモータ131を駆動させるとともに、発光源150のLED152・152・・・を点灯させることで、再び演出役物100による第一の発光演出を行うことができる。
【0091】
次に、演出役物100が姿勢を変更する様子について説明する。
【0092】
図3から図7まで、及び図10から図13までに示す演出役物100は、その長手方向を左右方向に向けて配置されている。この状態においては、内側部材110の回動軸112側(左側)端を基端とすると、演出役物100の先端は右方を指向する姿勢(第一の姿勢)になっている。
【0093】
演出役物100の姿勢を変更する場合、前記役物制御装置は、内側部材駆動機構140のモータ141を駆動させ、出力ギヤ142を正面視時計回りに回動させる(図14参照)。出力ギヤ142を正面視時計回りに回動させると、当該出力ギヤ142と歯合された従動ギヤ143が正面視反時計回りに回動する。従動ギヤ143が正面視反時計回りに回動すると、当該従動ギヤ143に固定された回動軸112を介して内側部材110が、当該回動軸112を中心として正面視反時計回りに回動する。
【0094】
このようにして、本実施形態においては、演出役物100の姿勢を、その先端が右方を指向する姿勢(第一の姿勢)から、その先端が右上方を指向する姿勢(第二の姿勢)まで変更することができる(図14及び図15参照)。
【0095】
演出役物100の姿勢が、第二の姿勢に変更された状態であっても、前記役物制御装置は、透光部材駆動機構130のモータ131、外側部材駆動機構180のモータ185及び発光源150の動作を適宜制御することによって、前述と同様に演出役物100による第一の発光演出及び第二の発光演出(図16及び図17参照)を行うことができる。
【0096】
なお、前記役物制御装置は、内側部材駆動機構140のモータ141を駆動させ、出力ギヤ142を正面視反時計回りに回動させることで、再び演出役物100の姿勢を、第二の姿勢から第一の姿勢に戻すことができる。
【0097】
前記役物制御装置は、演出役物100による第一の発光演出及び第二の発光演出のいずれも行わない場合、演出役物100の姿勢を第一の姿勢に保持する(図4等参照)。この演出役物100の状態を、非作動状態と称す。
【0098】
以上の如く、本実施形態に係る遊技機1(パチンコ遊技機)は、図柄遊技と関連して発光演出を行う演出役物100(発光装飾装置)を具備する遊技機1であって、演出役物100は、内側部材110と、内側部材110に設けられ、透光面から出射される光を変化させるように可動自在な第一透光部材120・120・・・(第一の透光部材)と、第一透光部材120・120・・・を駆動する透光部材駆動機構130(第一の駆動機構)と、第一透光部材120・120・・・の後方に配置され、当該第一透光部材120・120・・・に向けて光を照射する発光源150(照光部材)と、内側部材110の前方に配置され、当該内側部材110の第一透光部材120・120・・・を前方から覆う第一の状態と、当該第一透光部材120・120・・・を前方から見て露出させる第二の状態と、の間で切り換え可能な外側部材160と、外側部材160に設けられ、当該外側部材160が前記第一の状態であるときに内側部材110の第一透光部材120・120・・・の前方に位置するように配置される第二透光部材170・170・・・(第二の透光部材)と、外側部材160を前記第一の状態と前記第二の状態との間で切り換え駆動する外側部材駆動機構180(第二の駆動機構)と、を具備し、外側部材駆動機構180により外側部材160を前記第一の状態とするとともに、透光部材駆動機構130により第二透光部材170・170・・・に入射される光を変化させるように第一透光部材120・120・・・を駆動し、発光源150からの光を第一透光部材120・120・・・及び第二透光部材170・170・・・を介して前方に照射する第一の発光演出と、外側部材駆動機構180により外側部材160を前記第一の状態から前記第二の状態に切り換え、発光源150からの光を第一透光部材120・120・・・を介し、かつ第二透光部材170・170・・・を介することなく前方に照射する第二の発光演出と、を行うことを特徴とするものである。
【0099】
このように構成することにより、第一の発光演出にあたっては、第一透光部材120・120・・・は前方から外側部材160に覆われており、当該外側部材160には第二透光部材170・170・・・が設けられているため、遊技者は直接的には第二透光部材170・170・・・の形状、装飾及び着色等に応じた光模様を視認することになる。しかし、第二透光部材170・170・・・に入射される光は、第一透光部材120・120・・・の透光面(前面)を透過したものであり、この光は、透光部材駆動機構130により第一透光部材120・120・・・が駆動されて変化が与えられたものである。このため、遊技者の目に届く光は、第二透光部材170・170・・・の形状等に応じた光模様に、第一透光部材120・120・・・を透過する際に付与された変化が加えられるものとなり、第二透光部材170・170・・・のみを介する場合に比べて光模様が複雑化し、視覚的効果の高い発光演出を行うことができる。
また、第二の発光演出にあたっては、外側部材160により第一透光部材120・120・・・を覆った状態から第一透光部材120・120・・・を露出させて発光演出を行うため、遊技者に対し、直前まで視認されなかった、或いは視認が困難であった第一透光部材120・120・・・が突然出現して発光するかのような印象を与えることができ、意外性のある発光演出を行うことができる。
そして、上記の第一の発光演出(内側部材110の第一透光部材120・120・・・及び外側部材160の第二透光部材170・170・・・による複合的な発光演出)と、上記の第二の発光演出(内側部材110の第一透光部材120・120・・・のみの単独的な発光演出)とを組み合わせることで、発光演出のバリエーションを増やして多様化を図りつつ、遊技者に新鮮な印象を与えることが可能な発光演出を提供することができる。
【0100】
また、第一透光部材120・120・・・は、所定の着色が付された第一装飾121及び第二装飾122(装飾)を前記透光面(前面)に有し、遊技者から見て当該装飾が回転するように内側部材110に回転可能に配置されることを特徴とするものである。
【0101】
このように構成することにより、第一の発光演出にあたっては、第一透光部材120・120・・・の透光面の装飾が回転することで第一透光部材120・120・・・を透過する光の発光模様が回転するように変化し、その光が第二透光部材170・170・・・に入射されるため、第二透光部材170・170・・・を介して視認される光が変化に富んだものとなってさらに複雑化し、より印象的な発光演出を実現することができる。
また、第二の発光演出にあたっても、第一透光部材120・120・・・を駆動させれば、発光模様が変化する光に加えて、第一透光部材120・120・・・の透光面の装飾が回転する様子を遊技者に見せることができ、視覚的効果を高めることができる。
【0102】
なお、本実施形態において演出役物100は麻雀に用いられる点棒の形状を模したものとしたが、本発明はこれに限らず、演出役物100はその他の形状であっても良い。
また、第一透光部材120・120・・・及び第二透光部材170・170・・・の外観(形状、模様、色彩等)は、互いに異なる外観であれば、本実施形態のものに限らず他の外観を有するものであっても良い。
また、本実施形態においては第一透光部材120・120・・・及び第二透光部材170・170・・・はそれぞれ複数設けるものとしたが、本発明はこれに限らず、単一の部材で構成された第一透光部材120及び第二透光部材170をそれぞれ1つだけ設ける構成としても良い。
また、第一透光部材120・120・・・に施される装飾(第一装飾121及び第二装飾122)は、本実施形態に限るものではなく、その他の模様や着色からなる装飾であっても良い。また、第二透光部材170・170・・・に対しても、模様や着色等の装飾を施しても良い。
また、発光源150は、第一透光部材120・120・・・の後方から当該第一透光部材120・120・・・に向けて光を照射することができるものであれば、LED152・152・・・の個数等の構成を限定するものではない。
また、必ずしも第一透光部材120・120・・・の後方に発光源150(LED152・152・・・等)を配置する必要はなく、例えば、第一透光部材120・120・・・の後方に反射ミラー等の導光部材を配置することで、他の場所から照射される光を当該反射ミラーで反射して第一透光部材120・120・・・に照射させる構成としても良い。この場合、当該反射ミラー(導光部材)が本発明に係る照光部材の実施の一形態となる。
また、本実施形態に係る外側部材160は、第一外側部材161及び第二外側部材162を備え、当該第一外側部材161及び第二外側部材162が割れるように互いに離間した隙間から第一透光部材120・120・・・が視認可能となる(露出する)構成としたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、外側部材160を単一の部材で構成し、当該部材が第一透光部材120・120・・・の前方から側方へと摺動することで、第一透光部材120・120・・・を露出させる構成とすることも可能である。
また、演出役物100による第二の発光演出(単独的な発光演出)に際しては、必ずしも第一透光部材120・120・・・を回転(回動)させる必要はなく、当該第一透光部材120・120・・・の回動を停止した状態で当該第一透光部材120・120・・・に光を照射しても良い。
【0103】
また、本実施形態においては、第一透光部材120・120・・・・と透光部材駆動機構130によって、第一透光部材120・120・・・を介して前方へと照射される光に変化を与える構成としたが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、内側部材110に透光性を有する透光窓191・191・・・を設け(図18参照)、発光源150と透光窓191・191・・・との間に、所定の着色等がなされた透光性を有する可動部材192・192・・・(図18参照)を配置し、当該可動部材192・192・・・を運動(例えば、所定方向への往復運動や、回転運動)させることにより、発光源150から透光窓191・191・・・へ照射される光に変化を与えることで、当該透光窓191・191・・・を介して前方へと照射される光に変化を与えることもできる。この場合、当該透光窓191・191・・・及び可動部材192・192・・・によって本発明に係る第一の透光部材が構成される。
【0104】
また、本実施形態における光の変化とは、本実施形態の如く光の色や影等を変化させるものだけではなく、光の明暗や光が照射される向きを変化させるものであっても良い。
また、外側部材駆動機構180は、外側部材160を第一の状態と第二の状態との間で切り換え駆動できるものであれば、その構成を限定するものではない。
【符号の説明】
【0105】
1:遊技機,100:演出役物,110:内側部材,120:第一透光部材,150:発光源,160:外側部材,170:第二透光部材,180:外側部材駆動機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図柄遊技と関連して発光演出を行う発光装飾装置を具備するパチンコ遊技機であって、
前記発光装飾装置は、
内側部材と、
前記内側部材に設けられ、透光面から出射される光を変化させるように可動自在な第一の透光部材と、
前記第一の透光部材を駆動する第一の駆動機構と、
前記第一の透光部材の後方に配置され、当該第一の透光部材に向けて光を照射する照光部材と、
前記内側部材の前方に配置され、当該内側部材の前記第一の透光部材を前方から覆う第一の状態と、当該第一の透光部材を前方から見て露出させる第二の状態と、の間で切り換え可能な外側部材と、
前記外側部材に設けられ、当該外側部材が前記第一の状態であるときに前記内側部材の前記第一の透光部材の前方に位置するように配置される第二の透光部材と、
前記外側部材を前記第一の状態と前記第二の状態との間で切り換え駆動する第二の駆動機構と、
を具備し、
前記第二の駆動機構により前記外側部材を前記第一の状態とするとともに、前記第一の駆動機構により前記第二の透光部材に入射される光を変化させるように前記第一の透光部材を駆動し、前記照光部材からの光を前記第一の透光部材及び前記第二の透光部材を介して前方に照射する第一の発光演出と、
前記第二の駆動機構により前記外側部材を前記第一の状態から前記第二の状態に切り換え、前記照光部材からの光を前記第一の透光部材を介し、かつ前記第二の透光部材を介することなく前方に照射する第二の発光演出と、
を行うことを特徴とするパチンコ遊技機。
【請求項2】
前記第一の透光部材は、
所定の着色が付された装飾を前記透光面に有し、遊技者から見て当該装飾が回転するように前記内側部材に回転可能に配置されることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ遊技機。
【請求項1】
図柄遊技と関連して発光演出を行う発光装飾装置を具備するパチンコ遊技機であって、
前記発光装飾装置は、
内側部材と、
前記内側部材に設けられ、透光面から出射される光を変化させるように可動自在な第一の透光部材と、
前記第一の透光部材を駆動する第一の駆動機構と、
前記第一の透光部材の後方に配置され、当該第一の透光部材に向けて光を照射する照光部材と、
前記内側部材の前方に配置され、当該内側部材の前記第一の透光部材を前方から覆う第一の状態と、当該第一の透光部材を前方から見て露出させる第二の状態と、の間で切り換え可能な外側部材と、
前記外側部材に設けられ、当該外側部材が前記第一の状態であるときに前記内側部材の前記第一の透光部材の前方に位置するように配置される第二の透光部材と、
前記外側部材を前記第一の状態と前記第二の状態との間で切り換え駆動する第二の駆動機構と、
を具備し、
前記第二の駆動機構により前記外側部材を前記第一の状態とするとともに、前記第一の駆動機構により前記第二の透光部材に入射される光を変化させるように前記第一の透光部材を駆動し、前記照光部材からの光を前記第一の透光部材及び前記第二の透光部材を介して前方に照射する第一の発光演出と、
前記第二の駆動機構により前記外側部材を前記第一の状態から前記第二の状態に切り換え、前記照光部材からの光を前記第一の透光部材を介し、かつ前記第二の透光部材を介することなく前方に照射する第二の発光演出と、
を行うことを特徴とするパチンコ遊技機。
【請求項2】
前記第一の透光部材は、
所定の着色が付された装飾を前記透光面に有し、遊技者から見て当該装飾が回転するように前記内側部材に回転可能に配置されることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−94465(P2013−94465A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240702(P2011−240702)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(000121693)奥村遊機株式会社 (978)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(000121693)奥村遊機株式会社 (978)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]