説明

パネルなど板状体の連結具

【課題】 任意の板厚及び機能材質の板状体を連結具に使用して連結し、トイハウスなどの遊具及び防音、断熱の機能も有する衝立及び仮設間仕切りを得ること。
【解決手段】 長手方向に連続する断面略U字状の連結具本体の屈曲部を少なくとも軟質のプラスチックで形成すると共に該U字状両先端から内部方向に接着支持体を該連結具本体と所定間隔を持って形成し、また連結具本体と接着支持体を連結する位置を該接着支持体の略中央とし、また該連結具本体の内側奥端に略V字状の保持ストッパー部を形成し、また該連結具本体の略U字状曲面略中央部から突出する連結係止体を、凹状係止体と突状係止体の一対として相互に係合するように形成し、また連結係止体の凹状係止体又は突状係止体のどちらか一方を突出部近傍から直角に屈曲形成し、また連結係止体を膨出係止体とし、該膨出係止体の膨出状頭部に凹状連結体によって、膨出係止体同士を連結し、また連結具本体の対向する接着支持体にパネルなど板状体を複数枚挟着している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮設間仕切り及びパネルなど種々の板厚及び材質種類の板状体を連結するために使用する連結具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、市販される衝立又は仮設間仕切りは、ドア及びガラス小窓などを設けた間仕切りを鋼板で製作し、オフィスなどに持込み、業者の手により組立てられるものが一般的で、多く使用されている。
【0003】
また、段ボール箱で子供がよく遊んでいるように、プラスチック段ボールなど板状体のパネルにて、子供が組立てて遊ぶ小さな囲い及びトイハウスなどが提供されている。
【0004】
さらに、室内空間を複数の小部屋に区画するもの及び複数の空間に間仕切りする間仕切りが提案され、該間仕切りは、ポスト5に嵌合凹条部8を形成し、該嵌合凹条部8に嵌合する一方端の連結部材7と、他端に間仕切り板6を嵌合する板外嵌凹条部14cを形成して着脱可能に該間仕切り板6を外嵌するとしたものが示され、該間仕切り板6に外嵌した板外嵌凹条部14c同士を、連結部材7を介して嵌合連結して所定空間の間仕切りとする、実施例を示した間仕切りがある。(例えば、特許文献1参照)
【0005】
加えて、任意に区画する仮設間仕切り壁の構造が提案され、該仮設間仕切り壁の構造は、間仕切り壁の板体の板厚に対応した直線状、L字状、T字状、+字状の連結部材を該板体の連結部の上下に連結して、所定空間の間仕切りとする、実施例を示した仮設間仕切り壁の構造がある。(例えば、特許文献2参照)
【0006】
さらに加えて、板状体を連結し、任意形状に組立、分離が可能な板状体の連結用縁枠が提案され、該板状体の連結用縁枠は、門型で長尺の縁枠本体1の下面の開口部を嵌合溝2として形成し、またその上面に複数の係合片3を突設し、該係合片3に基部に係合溝4を設けており、そして該縁枠本体1を板状体5の周側端部各辺に取付け、その縁枠本体1を設けた板状体5の該係合溝4同士によって掛合わせて連結して、子供が自由な発想で思う通りの形体に組立てるとする、実施例を示した板状体の連結用縁枠がある。(例えば、特許文献3参照)
【0007】
【特許文献1】特開平10−61072号広報
【特許文献2】特開2002−115357号広報
【特許文献3】特開2002−967号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した従来の市販される衝立及び仮設間仕切りは、通常、オフィスなどで多く使用され一度設置すれば、レイアウト替えなどを除き、ほぼ恒久的に使用される例が多く、それは、組立設置が煩雑で重量もあり、比較的高価で簡易使用に対応して居らず、そこで容易に空間を間仕切りによりレイアウト、且つデザイン及び機能性を考慮でき、シンプルで安価なパネル又はあり合せの板材と連結具にて衝立及び仮設間仕切りできるものがオフィスなどにおいても望まれていた。
【0009】
また従来、小さな囲い及びトイハウスなどは、所定形状に製作された物を折りたたみ提供し、また連結体を有するパネルを該連結体にて連結して所定形状に組立て遊んでおり、該パネルが所定の形状の大きさのため限られた範囲での遊びとなり、拡張性が無く、そこで既成パネル以外の身近な段ボール又は市販される一般的な厚紙、発泡スチロール板など希望する板状の物を簡易に使用し、安価で拡張性の高い遊具の小さな囲い及びトイハウスなどが望まれていた。
【0010】
さらに、特許文献1の間仕切りは、スタンド3,4を有するポスト5と該ポスト5に連結される間仕切り板6を、連結部材7を介して回動可能に備えるとする構成が記載され、該連結部材7は、板外嵌凹状部14cを形成し、該板外嵌凹状部14cに間仕切り板6の縁部に嵌合されるため、間仕切り板6の板厚と板外嵌凹状部14cの溝巾が対応する必要があり、対応する板厚の間仕切り板6しか使用できなかった。
【0011】
よって、規定の板厚又は板外嵌凹状部14cの溝巾のものを製作し、その物での使用であって、汎用の板は使用できず、独自のデザイ、独自のレイアウトなどにも使用できず、また緊急時の間に合せ等にも対応できず、対応できるものが待たれていた。
【0012】
加えて、特許文献2の仮設間仕切り壁の構造は、連結部材2を直線状の溝2、L字状の溝3a、T字状の溝4a、+字状の溝5aの形状に形成し、その溝巾は、板体1a〜1hの板厚に対応する溝巾に形成され、上述特許文献1と同様の組合わせ嵌合で同様の課題があり、また災害時における避難場所に体育館等を使用するときの被災者のプライバシー等を確保するための仮設間仕切りに使用するも、板体1a〜1hと連結部材2のセットでなければ使用できないため、緊急時における適正数の確保は難しく、このことから有り合せ又は汎用品の板体を使用できないという課題があった。
【0013】
さらに加えて、特許文献3の板状体の連結用縁枠は、縁枠本体1の下面側に嵌合溝2と上面側に係合片3を突設し、該係合片3が縁枠本体1に接する一部を切り欠いて係合溝4が形成され、その係合溝4同士を掛合い掛止することと、嵌合溝2に板状体5を嵌合させることが記載され、上述特許文献1及び2と同様の嵌合溝2と板状体5の組合わせ嵌合で、溝巾と板厚に対する同様の課題があり、また係合片3同士を掛止して組立、所定形状を形成したとき、係合片3が板状体5に沿って突出し、組立して遊ぶとき該係合片3が邪魔になり、そして該係合片3を頑丈に製作すると遊ぶ子供を傷付ける恐れもあり、適度に弱くすると突出している状況で壊れやすく、激しく遊ぶ子供向けには適せず、壊れにくく、且つ安全に遊べる物が待たれていた。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上記課題を有効に達成するために第1の解決手段として、長手方向に連続する断面略U字状の連結具本体であって、該断面略U字状の直線から曲部に接する近傍を凹状の屈曲部として少なくとも軟質のプラスチックで形成すると共に該U字状の両先端から内部方向に、それぞれ折返すように板状の接着支持体を該連結具本体と所定間隔を持って形成し、また該接着支持体同士が対向する間隔を当接乃至若干の隙間とすると共に該接着支持体に板状体を挟着する接着体を設け、さらに該略U字状の曲面、略中央部から突出する連結係止体を設けることで、
所定の範囲の板厚に対応して変形することでパネルなど板状体に連結具として設けられる。
【0015】
また、第2の解決手段は、連結具本体の内側奥端に略V字状の保持ストッパー部を形成するとしたことで、
所定の貼付け位置を設定すると共に連結具本体に掛る剥がす方向の外力及び板状体、支柱体を保持するように作用する。
【0016】
さらに、第3の解決手段は、連結具本体と接着支持体を連結する位置を該接着支持体の略中央としたことで、
連結具本体に加わる剥がす方向の外力が、接着支持体に対して小さくなるように作用する。
【0017】
さらに、第4の解決手段は、連結係止体を凹状係止体と突状係止体とで相互に係止する連結係止体とし、一方の該凹状係止体の両先端口部に先端長さの違う先端係止部をそれぞれ形成すると共にその両先端口部の奥側に凹状誘導部を形成し、また他方の突状係止体の先端側に突状誘導部を形成すると共に基端側の両面に基端係止部をそれぞれ形成したことで、
突状誘導部と凹状誘導部が互いに誘導嵌合して掛止され、一対の連結係止体が連結されることで、該連結具に設けられたパネルなど板状体が連結される。
【0018】
さらにまた、第5の解決手段は、連結係止体の凹状係止体又は突状係止体のどちらか一方を突出部近傍から略直角に屈曲して形成するとしたことで、
連結係止体の凹状係止体と突状係止体同士を直接、直角に連結される。
【0019】
加えて、第6の解決手段は、連結係止体を断面略キノコ状で膨出状頭部を有する膨出係止体とし、該膨出係止体の膨出状頭部に対応した嵌合部を連結方向に複数有し、且つ長手方向に連続する凹状連結体によって、該膨出係止体同士を連結するとしたことで、
膨出係止体が凹状連結体を介して連結され、連結係止体が連結されることで、該連結具に設けられたパネルなど板状体が連結される。
【0020】
さらに加えて、第7の解決手段は、連結具本体の対向する接着支持体にパネルなど板状体を複数枚挟着したことで、
複数枚挟着したパネルなど板状体が防音、断熱の作用をする。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、上述したそれぞれの手段によって有効な効果が得られるようにしたもので、特に第1の解決手段の長手方向に連続する断面略U字状の連結具本体であって、該断面略U字状の直線から曲部に接する近傍を凹状の屈曲部として少なくとも軟質のプラスチックで形成すると共に該U字状の両先端から内部方向に、それぞれ折返すように板状の接着支持体を該連結具本体と所定間隔を持って形成し、また該接着支持体同士が対向する間隔を当接乃至若干の隙間とすると共に該接着支持体に板状体を挟着する接着体を設け、さらに該略U字状の曲面、略中央部から突出する連結係止体を設けているので、
連結具本体が、使用するパネルなど板状体の厚さに適応するように変形することで、種々の板厚パネルに使用でき、またその装着して接着支持する接着力は、連結具本体が接着支持体に対して、常に接着方向に弾性力が働いているので、外力が加わっても剥がれにくく長期に使用できる。
【0022】
また、連結具本体を使用するパネルなどの板厚に左右されず装着して使用でき、よって連結具及びパネルなど板状体の専用のものを用意しなくて良いので、製造種類及び在庫など製造側及び使用者も経済的メリットが得られ、また災害時における避難場所に体育館等を使用するときの被災者のプライバシー等を確保するための仮設間仕切り及び体育館に吹込む風よけ等に、緊急時における有り合せ又は汎用品の板状体が使用できる。
【0023】
さらに、パネルなど板状体をカーボンなどの導電性材料を含有させた樹脂の電波吸収体又はパンチングメタルなど鋼板を使用して、一定の空間を形成すれば、シールドルーム、電波暗箱などとしても使用できる。
【0024】
加えて、連結具本体と接着支持体との間に所定間隔を形成していることから、材質の緩衝効果と共にさらなる緩衝により、間仕切り等に使用して連接したときに加わる外力が、次々と該間仕切りに伝搬しにくく、よって連接する個々の間仕切りが波打ち状態になりにくく安定して設置できる。
【0025】
また、第2の解決手段の連結具本体の内側奥端に略V字状の保持ストッパー部を形成しているので、
該保持ストッパー部によりパネルなど板状体端面の所定の貼付け基準位置が設定できるので接着作業が容易となり、また間仕切りなどに使用して、該間仕切りに支柱を立てるとき、略V字状の保持ストッパー部に支柱を当接挿入して保持することで、該間仕切りの支柱が支持されて安定して使用できる。
【0026】
さらに、第3の解決手段の連結具本体と接着支持体を連結する位置を該接着支持体の略中央としているので、
連結具本体に加わる剥がす方向の外力が、その連結する位置を介して接着支持体の中央から引き上げるような力となり、例えば吸盤を垂直に引っ張るような作用と略同様で、捲り剥がすような作用と比べ強力な接着となり、外力に対して比較的強く剥がれにくいので、連結具本体を多く連接して間仕切り等に使用する場合等に適し、長期使用もできる。
【0027】
加えて、第4の解決手段の連結係止体は、連結係止体を凹状係止体と突状係止体とで相互に係止する連結係止体とし、一方の該凹状係止体の両先端口部に先端長さの違う先端係止部をそれぞれ形成すると共にその両先端口部の奥側に凹状誘導部を形成し、また他方の突状係止体の先端側に突状誘導部を形成すると共に基端側の両面に基端係止部をそれぞれ形成しているので、
連結係止体の凹状係止体と突状係止体が、凹状誘導部と突状誘導部により誘導嵌合されるので容易に連結できる。
【0028】
加えて、第5の解決手段の連結係止体の凹状係止体又は突状係止体のどちらか一方を突出部近傍から略直角に屈曲して形成するとしているので、
連結係止体の凹状係止体と突状係止体同士を直接、直角に連結でき、少ない部品点数で、L字状の間仕切りができ、また子供向けの小さな囲い及びトイハウスなどが、既成パネル以外の身近な段ボール又は市販される一般的な厚紙、発泡スチロール板など希望する板状の物を簡易に使用し、安価で拡張性の高い遊具の小さな囲い及びトイハウスなどに使用できる連結具本体として提供できる。
【0029】
さらに加えて、第6の解決手段の連結係止体を断面略キノコ状で膨出状頭部を有する膨出係止体とし、該膨出係止体の膨出状頭部に対応した嵌合部を連結方向に複数有し、且つ長手方向に連続する凹状連結体によって、該膨出係止体同士を連結するとしているので、
パネルなど板状体を連結するのに一種類の膨出係止体を有する連結具で連結でき、その連結に凹状連結体を介して直線状、L字状、T字状、+字状にパネルなど板状体を連結することで、小間に区分けした仮設間仕切りとして使用でき、災害時における避難場所に体育館等を使用するときの被災者などのプライバシー等を確保するためのプライベートな空間を確保できる。
【0030】
さらに加えて、第7の解決手段の連結具本体の対向する接着支持体にパネルなど板状体を複数枚挟着するとしているので、
連結具本体が板厚に左右されず、また市販される板状のどの様な材質のものでも使用できることから、発泡性の薄板を複数枚重ね、又は各薄板の間に空間を設けて断熱、防音用の間仕切りに使用でき、使用する板の機能をそのままの形で利用でき、板による機能空間に対応できる。
よって、本発明は、実用上著大な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例】
【0031】
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、図1において、1は連結具で、該連結具1は、長手方向に連続する断面略U字状の連結具本体2と略薄板状の接着支持体3,3を有し、該接着支持体3,3は連結具本体2の略U字状の両先端側から内側に折返すように、連結具本体2と所定間隔を持って一体的にそれぞれ設けられ、該接着支持体3,3同士が近接対向する状態で押出し成型にて、該形状が長手方向に連続して形成される。
【0032】
なお、連結具1は、変形回復力を有する軟質及び硬質を兼ね備えたオレフィン系樹脂(PP、PE)のマトリックスにオレフィン系ゴム(EPR、EPDM)を微分散させた熱可塑性エラストマーなどを用いて押出し成型で一体的に形成される。
【0033】
また、図1に示すように、該連結具本体2は、その略U字状の奥端から外方向に向って略V字状の保持ストッパー部4を内側から突出するように内設すると共に該略V字状のその左右先端をストッパー部5,5として形成し、さらに該ストッパー部5,5の左右近傍に、若干肉厚の薄い屈曲部6,6をそれぞれ凹設し、そこから所定間隔を持って該屈曲部6,6と略同様の屈曲部6a,6aを形成し、その形成位置は、該略U字状連結具本体2の直線から曲部に接する近傍である接着支持体3,3の内側端部と略同位置の近傍とし、該屈曲部6,6及び屈曲部6a,6aを軟質プラスチックで二色成形により形成する。
なお、図中7は衝撃に対する緩衝用の穴部7である。
【0034】
さらに、接着支持体3,3は、上述したように、全体が連結具本体2に内設され、該接着支持体3,3が互いにわずかな隙間で近接対向し、その対向する双方の対向面に両面テープなど一般的に知られる接着するための接着層8,8をそれぞれ設けている。
【0035】
加えて、図1に示す該連結具本体2の略U字状の曲部先端から突出するように、連結係止体である突状係止体9を突設し、該突状係止体9は、上述長手方向に連続する連結具1の連結具本体2に沿って板状に形成され、先端部に突状誘導部10と基端側両面に凹状当接掛止部11と基端掛止部12をそれぞれ形成している。
【0036】
また、図2に示す連結係止体である凹状係止体13を、上述と同様に連結具本体2に突設し、該凹状係止体13は、受口凹状の先上部を挿入口部14とし、その受口凹状の奥側を凹状誘導部15として形成すると共に該凹状の両先端部の上側を先端鋭角の突状当接掛止部16と、下側を先端鈎状の鈎状掛止部17としてそれぞれ形成し、該突状当接掛止部16は、鈎状掛止部17より若干短寸で、該鈎状掛止部17の掛止部分が前記したように略受け口状に形成している。
【0037】
上述、一対の突状係止体9と凹状係止体13の係止状態に於いて、突状誘導部10が凹状誘導部15に嵌入され、また凹状当接掛止部11と突状当接掛止部16が当接嵌合して保持され、さらに基端掛止部12と鈎状掛止部17同士が嵌合掛止して、突状係止体9と凹状係止体13連結係止される。
【0038】
而して、図3から図5に示すパネルなど板状体18の使用できるものは、連結具1の連結具本体2が所定形状の巾まで開口するその巾と、略同巾の板厚まで使用可能で、その使用巾の範囲の板状体18の板厚であれば、板厚に左右されることなく使用でき、また該板状体18の使用種類に於いては、紙又はプラスチックの段ボール、発泡スチロールなど発泡性板、透光性のアクリル又はガラス板、パネルなど板状体をカーボンなどの導電性材料を含有させた樹脂の電波吸収体又はパンチングメタルなどの鋼板、所定形状のパネルなど、板状のものであれば上記使用範囲内に於いて使用して、該使用する板の機能を、そのまま間仕切りなど、組合わせて形成する所定形状空間に適用できる。
【0039】
そこで、図3から図5に示す間仕切り19を例にとって使用例を示すと、図3に示すように、連結具本体2の接着支持体3,3の間を拡開すると屈曲部6,6及び屈曲部6a,6aが変形して連結具本体2が拡開し、その状態で板状体18を挿入すると共に該板状体18の端をストッパー部5,5に当接させて装着し、接着層8,8で挟持するようにして貼着する。
【0040】
そして、連結具本体2の接着支持体3,3の間を拡開した時、主に屈曲部6a、6aが変形すると共にその弾性力が常に閉じようとする方向に働き、つまり接着方向である閉じる方向に連結具本体2の材質による弾性力が板状体18に常に加わり、よって、接着保持性がよい。
【0041】
上述のように、板状体18の両端に連結具1が接着保持された状態で、連結具1の各連結具本体2同士の突状係止体9と凹状係止体13を嵌合係止させて、上記各板状体18を連設して所望の間仕切り19として形成する。
【0042】
またその時、間仕切り19の自立用の脚部20に於いて、板状体18に接着保持された連結具本体2の屈曲部6,6近傍より先端部の略U字状の曲部を所定寸法切欠き、図4及び図5に示すように、該切欠かれた連結具本体2を直角に開脚させ、左右に脚部20を形成させると共に図5に示すように連結具本体2と接着支持体3の間と該接着支持体3を挟持するように脚部補強プレート21を嵌合挿入して、接着支持体3の接着層8にて接着保持する。
なお、図中、間仕切り19の右端の連結具本体2に連結係止体である突状係止体9又は凹状係止体13を示していないが、使用に於いては、連結係止体の有無に支障はなく、デザイン上削除したものを示しています。
【0043】
而して、図6に示す他の実施例の連結具1aは、上記実施例の連結具1と略同様で、相違点に於いて、連結具本体2aと接着支持体3,3の連結位置が端部ではなく、図6に示すように接着支持体3,3の略中央部で連結具本体2aと連結し、接着支持体3,3が連結具本体2aに内設される部分と両先端から突出する部分とに分れて形成している。
【0044】
そして、使用に於いても、板状体18の貼着状況も略同様に使用し、使用環境に於いて、連結具本体2aに加わる外力に対して対剥離力があり、つまり連結具本体2aに外力が加わると通常、接着支持体3,3に剥離力が加わるが、接着支持体3,3の略中央部で連結していることで、例えば、吸盤を垂直に引上げるような状況と略同様に作用し、端から捲るような剥離力とはならず、対剥離力が発生し、連結具本体2aに加わる外力に対してより大きな力に耐えるように作用することから、外力が多く作用する所に効果的に使用する。
【0045】
ここで、上述接着支持体3,3の略中央部で連結具本体2aと連結する事と、さらに上述接着支持体3,3が内設される場合と連結具本体2aの両先端から外側に全体が突出して設けられる場合とでは、その連結位置により接着支持体3,3に作用する接着方向の力も多少変化する。
【0046】
つまり、例えば連結具本体2aの両先端から外側に接着支持体3,3全体が突出して設けられた場合、連結具本体2aの接着方向の力が連結部を介して作用すると接着支持体3,3の連結部から最遠端側に向って角度を持つようにその力が作用し、その作用は最遠端側が浮く方向に作用することで先端部が剥がれやすく、上述した連結具1aのように少なくとも接着支持体3,3が内設される部分が必要となり、また連結具本体2a全体が突出して設けられた場合では、そこに直接、外力に影響され、剥がれやすくなる。
【0047】
而して、図7に示す他の実施例の連結具本体2の連結係止体である突状係止体9aは、上述連結具本体2の略U字状の曲部先端から突出する近傍で突状係止体9を直角に屈曲させて形成し、これら直線連結と直角連結のものを各組合わせることにより、図13に示すような箱状のものが形成でき、組合わせ方により、子供が遊ぶトイハウス、箱状の囲いなど、色々組合わせてる遊ぶ玩具として使用する。
なお、上述した突状係止体9aを直角に曲げるとして例示しているが、突状係止体9aに変えて凹状係止体13を使用しても特段支障がなく、図示は代表例として示している。
【0048】
而して、図8に示す他の実施例の板状体18の使用例として、板状体18を複数枚組合わせ、断熱及び防音板としての機能付加ができ、また該板状体18,18の間にスペーサー22を挟持させて空気層を形成することによりさらなる機能強化が図れ、さらにウレタンフォーム等の発泡性樹脂を基材として、カーボンなどの導電性材料を含有させた電波吸収体又は市販のパンチングメタル等金属板又は段ボールなど基材にアルミ箔をラミネートした機能板を使用して、一定の空間を形成すれば、シールドルーム、電波暗箱などとしても使用できる。
【0049】
而して、図9及び図10に示す他の実施例の連結具本体2bは、連結具本体2の略U字状の曲部先端から突出するように、連結係止体である断面略キノコ状で膨出状頭部23を有する膨出係止体24を、連結具本体2に沿って長手方向に連続して設けている。
【0050】
また、凹状連結体25は、丸棒状で、その丸棒状の左右に上記膨出係止体24の膨出状頭部23に嵌合連結する凹状連結部26,26を長手方向に連続して形成し、図10に示すように、上述実施例と同様に板状体18を連結具本体2bに設けた状態で該凹状連結体25に膨出状頭部23を嵌合させ、該嵌合は連結具本体2bの膨出状頭部23が凹状連結部26で若干回動する程度に連結されることで、所定形状に組立てられて間仕切り19として使用する。
【0051】
而して、図11及び図12に示す他の実施例の凹状連結体25aは、上記凹状連結体25と略同様で、相違に於いて、凹状連結部26,26,…を四方に形成して、二分割から四分割まで間仕切りできるように形成したもので、使用に於いても略同様に使用できる。
【0052】
さらに、分割間仕切りは、図14に示すように凹状連結体25、25a及び図3、図4に示す自立用の脚部20を組合わせると共に連結数を増やすことで、多くの区分けと小間の空間が形成でき、また上記若干の回動が、二分割から四分割まで間仕切りするときの区分け角度を若干変更可能となり、区分けのレイアウトの自由度が増して使用できる。
【0053】
なお、板状体18の板厚における連結具本体2,2aの適応について、屈曲部6,6及び屈曲部6a,6aの変形をより大きくして連結具本体2,2aの開脚度が大きくなるように、硬度を変えて軟質プラスチックで二色成形により形成しているが、一方の屈曲部6から他方の屈曲部6の略U字状の曲り部分全体を軟質プラスチックとしても好ましい。
但し、本願に於いて使用される軟質プラスチックは、上述する弾性力を得る必要から極端な軟質は適用せず、適用される形状、場所等に対応して適宜選ばれる。
【0054】
また、接着支持体3,3の間を広げて、屈曲部6a,6aを略90度に変形させた時が、略最大の板厚に適応できる範囲で、さらにより多くの板厚適応については、断面略U字状のその曲り部分から屈曲部6a,6aの間の長さに比例するため、より多くの板厚適応する必要がある時は、該曲り部分から屈曲部6a,6aの間の長さを長くして形成し、また使用対象に合わせて屈曲度を適宜変更するために、軟質プラスチックの硬度を変えて二色成形により形成しても好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】 本発明の実施例の突状係止体9の平面図である。
【図2】 本発明の実施例の凹状係止体13の平面図である。
【図3】 本発明を連結した使用例を示す要部の平面図である。
【図4】 本発明の使用例を示す要部の側面図である。
【図5】 本発明の使用例を示す要部の正面図である。
【図6】 本発明の他の実施例の連結具1aの平面図である。
【図7】 本発明の他の実施例の突状係止体9aの連結状態を示す要部の平面図である。
【図8】 本発明の他の実施例の板状体18の使用例を示す要部の正面図である。
【図9】 本発明の他の実施例の凹状連結体25の平面図である。
【図10】 本発明の他の実施例の凹状連結体25の連結状態を示す要部の平面図である。
【図11】 本発明の他の実施例の凹状連結体25aの平面図である。
【図12】 本発明の他の実施例の凹状連結体25aの連結状態を示す要部の平面図である。
【図13】 本発明の他の実施例の突状係止体9aの使用例を示す要部の平面図である。
【図14】 本発明の他の実施例の凹状連結体25,25aの使用例を示す要部の平面図である。
【符号の説明】
【0056】
1,1a 連結具
2,2a,2b 連結具本体
3 接着支持体
4 保持ストッパー部
5 ストッパー部
6,6a 屈曲部
8 接着層
9,9a 突状係止体
10 突状誘導部
11 凹状当接掛止部
12 基端掛止部
13 凹状係止体
14 挿入口部
15 凹状誘導部
16 突状当接掛止部
17 鈎状掛止部
18 板状体
19 間仕切り
23 膨出状頭部
24 膨出係止体
25,25a 凹状連結体
26 凹状連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に連続する断面略U字状の連結具本体であって、該断面略U字状の直線から曲部に接する近傍を凹状の屈曲部として少なくとも軟質のプラスチックで形成すると共に該U字状の両先端から内部方向に、それぞれ折返すように板状の接着支持体を該連結具本体と所定間隔を持って形成し、また該接着支持体同士が対向する間隔を当接乃至若干の隙間とすると共に該接着支持体に板状体を挟着する接着体を設け、さらに該略U字状の曲面、略中央部から突出する連結係止体を設けたことを特徴とするパネルなど板状体の連結具。
【請求項2】
連結具本体の内側奥端に略V字状の保持ストッパー部を形成しことを特徴とする請求項1記載のパネルなど板状体の連結具。
【請求項3】
連結具本体と接着支持体を連結する位置を該接着支持体の略中央としたことを特徴とする請求項1記載のパネルなど板状体の連結具。
【請求項4】
連結係止体を凹状係止体と突状係止体とで相互に係止する連結係止体とし、一方の該凹状係止体の両先端口部に先端長さの違う先端係止部をそれぞれ形成すると共にその両先端口部の奥側に凹状誘導部を形成し、また他方の突状係止体の先端側に突状誘導部を形成すると共に基端側の両面に基端係止部をそれぞれ形成したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のパネルなど板状体の連結具。
【請求項5】
連結係止体の凹状係止体又は突状係止体のどちらか一方を突出部近傍から略直角に屈曲して形成したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のパネルなど板状体の連結具。
【請求項6】
連結係止体を断面略キノコ状で膨出状頭部を有する膨出係止体とし、該膨出係止体の膨出状頭部に対応した嵌合部を連結方向に複数有し、且つ長手方向に連続する凹状連結体によって、該膨出係止体同士を連結することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のパネルなど板状体の連結具。
【請求項7】
連結具本体の対向する接着支持体にパネルなど板状体を複数枚挟着したことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のパネルなど板状体の連結具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−41358(P2009−41358A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−232059(P2007−232059)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【出願人】(598089591)株式会社東穂 (14)
【Fターム(参考)】