説明

パネル

【課題】簡単に製造し且つ設置することのできる丈夫で、軽量、水抵抗性のある複合床用パネルを提供する。
【解決手段】頂部外板54と、底部外板58と、前記頂部外板と前記底部外板との間に配置されたコア130であって、少なくとも1つのタップ立てブロック138を備えるコアとを備え、前記タップ立てブロックが、繊維強化材料のブロック及び前記ブロック内に入れられた金属のプレート154を備え、穿孔され且つタップ立てされるのに適しており、前記パネルに増大した支持体を提供することができる、パネル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンドウィッチパネル、特に、前硬化させた強化コアを利用するサンドウィッチパネル及びその製造方法に関する。
【0002】
サンドウィッチパネルは、構造的性質及び/又は熱絶縁性質を必要とする多岐に亙る用途にて使用されている。これらの用途は、高速輸送乗物、冷凍及び非冷凍建物、ボート、航空機、レジャー用乗物、箱型トレーラ及び多くのその他における構造的及び非構造的用途を含む。構造用サンドウィッチパネルは、全体として薄い2つの表面材又は外板を比較的厚いコア材料に接着することにより形成された複合的構造体である。通常、高密度で且つ丈夫な外板は、圧縮及び張力に抵抗する一方、通常、比較的弱く且つ低密度の材料で出来ているコアは、外板を分離させ、それら外板を屈曲しないように安定化させ且つせん断荷重に抵抗する作用を果たす。
【背景技術】
【0003】
大量輸送乗物用として使用される床組立体は、簡単な型式のサンドウィッチパネルの一例である。床パネルを製造するために使用される一般的な材料は、多岐に亙る木及びステンレス鋼である。通常、バルサ又は合板である木で出来た支持フレームの頂部上に固着されたステンレス鋼の薄板を提供することによりかかる床組立体を製造することが一般に既知である。鋼板は、堅牢さ及び耐久性を有する露出面を提供する一方、木フレームは、床に対し軽量で硬い支持構造体を提供する。特定の構造は、大量輸送の用途にて使用される全ての床組立体に対して要求される火炎及び煙試験を含む安全性基準を上廻る能力を備えめことになるため、構成要素及び材料を組み合わせることは業界にて望ましいものであることが周知となっている。
【0004】
より標準的なサンドウィッチパネル用の一般的なコアは、硬い膨張プラスチック発泡材及びハニカム材料である。ハニカムコアは、通常、多岐に亙るセル状の形態に形成された紙又はアルミニウムフォイルのような薄板材料から成っている。膨張プラスチック発泡材コアは、通常、ハニカムよりも遥かに高レベルの熱絶縁効果を提供するが、ハニカムコアは、通常、同等の密度を有する絶縁発泡材コアよりも実質的に丈夫である。
【0005】
空隙を充填するため又は構造的に十分なハニカムコアに対しより高レベルの熱絶縁効果を付与する目的のため、絶縁発泡材をハニカムのセル内に導入するための色々な方法が使用されている。これらの方法は、発泡化学剤をハニカムセルに施し、プラスチック発泡材のスラブをセル内に押し込むといったような方策を含む。しかし、これらの方法は、厚いコア部分内で行なうことは難しく、ハニカムのセルを均一に充填するために使用することのできる発泡材の型式を制限し又は機械の多額の投資を必要とする。その結果、かかる複合的コアは大部分のサンドウィッチパネルの用途にて殆ど採用されず、また、その結果、多くのハニカムコアの製品は絶縁効果が不十分であり、また、コア内に水が侵入し易い。
【0006】
金属、木、繊維ガラス強化プラスチック及び同様の耐久性のある材料から成る外板を有するサンドウィッチパネルは、3つの基本的な方法により広く製造されている。1つの方法において、一般にポリアイソシアヌール酸塩調合剤である液体化学薬剤が外板の間に注入され、その後、その薬剤は反応し且つ膨張して硬い発泡材を形成し、この発泡材は、それ自体が外板に接着してサンドウィッチパネルを形成する。サンドウィッチパネルを製造する第2の方法は、接着剤により積層し、その場合、予成形したバネル外板を膨張発泡材ビレットから切断した硬い発泡材の板又はスラブのコアに接着剤にて接着する。第3の方法において、未硬化樹脂及び強化材料がかかる発泡剤の表面に施され、又はコア及び外板強化材を含む閉じられ又は真空バッグ詰めした金型内に樹脂が導入され、その後、硬化させて硬い外板を形成する。耐久性のある樹脂は、例えば、熱硬化性ポリエステル、ビニルエステル、エポキシ、ポリウレタン又はフェノール樹脂のようなものとすることができる。また、ポリプロピレン又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のような熱可塑性樹脂も使用することができ、十分な熱を加えて、これらの樹脂を流れ出させ且つ強化材を湿らせる。強化材は、織地内に織り又は縫い合わせ、又は全体として平面状に整合した状態に配置される不規則な繊維の高密度のマットとなるように形成されたガラス、炭素、又は合成ポリマー繊維のような材料を含む。
【0007】
サンドウィッチパネルの積層業者は、ポリウレタン、ポリアイソシアヌール酸塩、押出し成形ポリスチレン、膨張ポリスチレン、ポリ塩化ビニル及び発泡ガラスを含む、多岐に亙るこれらの予成形したコアを使用する。ボートの外板のような、構造的条件を要求するサンドウィッチパネルの用途用のプラスチック発泡材コアは、一般に、32.0369乃至256.295kg/m3(2乃至16ポンド/立方フィート)の密度にて、線形又は架橋結合したポリ塩化ビニル(PVC)調合材で出来ている。板フィート当たりのこれらの材料が高コストであることは、かかる重要な媒質の用途を公道トレーラ及びレジャー用乗物のような高性能の用途に制限している。PVC発泡材及びポリスチレンのようなその他の熱可塑性発泡材の更なる欠点は、輸送及びその他の環境にて出会う高温度にてその物理的性質を著しく劣化させることである。
【0008】
プラスチック発泡コアのサンドウィッチパネルは、硬い発泡絶縁コアの性質による構造上の制限のため、その設計及びコストを著しく損なうことがしばしばである。外板における圧縮応力及び引張り応力のため、これらのパネルが撓むことに加えて、硬い発泡材料は比較的低せん断率である結果、更なる撓みが生じる。コアが厚ければ厚い程、せん断撓みは益々、より顕著となり、それは、曲がりに起因する撓みを越える程度に至る。支承した荷重の下、プラスチック発泡材コアには、また、クリープ変形が生じ易く、このため、パネルの撓みを更に増し、その結果、サンドウィッチパネルが破損する虞れが生じる。
【0009】
コアのこれらの欠点は、過度に重く且つ高価な外板を使用することを通じて、複合材の強度及び剛さを増すことを必要とする。これと代替的に、発泡材コアの厚さ又は密度を、許容可能な限界値を越えるように増大させることによりパネルを構造的に改良することもできるが、このことは、また、材料及び輸送コストの双方を増すことになる。また、低密度のプラスチック発泡材の比較的低圧縮率は、比較的低応力レベルにて薄い平坦なパネルが屈曲することも許容し、この場合にも、1つの補償として、外板又はより高密度の発泡材コアを過剰に設計することが必要となる。また、低せん断抵抗性であること、及び発泡材コア内に強化要素が存在しないことは、コアとパネル外板との間、及びコア自体内部又はそのコアを通じて亀裂又は裂目が応力の下、拡大することも許容し、その結果、パネルが劣化し又は構造的に破損する。更なる別の難点は、殆どのプラスチック発泡材の圧縮強度が小さく、このことは、集中荷重又は衝撃荷重が外板及びコアの双方を変形させることを許容することになる。
【0010】
金属、木、繊維ガラス強化プラスチック及びその他の材料で出来た強化フレーム又はリブは、発泡材コアサンドウィッチパネルにて使用され、上述した構造的制限を緩和し又は解消する。発泡材コア及びリブの双方がこれらのパネルの強度に寄与するが、かかる構造にてリブが構造的に寄与することは、基本的に、発泡材コアが存在することに依存しない。
【0011】
広く分離したリブにてしばしば重大となる1つの欠点は、全体としてより可撓性パネル内で過度に硬い構造体の部分が形成されることである。その結果、特に、より高強度材料で出来たより薄い表面積層体の場合、リブと表面積層体とが交差する部分に望ましくない集中荷重が生じる可能性がある。外板を接続し且つその外板間のスペースを充填する繊維状の強化材料を巻いた個別の発泡材ブロック又はストリップを極めて多数、外板の間にて組み立てることにより、複合材の構造的性質を向上させることができる。このレイアップ工程中、外板及びコア強化材の双方に含浸樹脂が施される。これと代替的に、外板及びコア強化材並びに発泡材の全ての構成要素は、乾燥及び多孔質状態にある間、金型内に配置することができ、その後、真空支援の樹脂トランスファー成形法の場合のように、金型を閉じ且つ樹脂を圧力下にて導入し、強化材内に流れ且つ強化材を含浸するようにする。
【0012】
強化発泡材コアを製造する別の一般的な方法は、交互の発泡材コアパネルに乾燥した吸収性繊維状ウェブを接着させることを利用するものである。硬い発泡絶縁板及び薄い可撓性の繊維状シートを交互の層として積み重ね、その層の間に接着剤を施し、次に、接着剤が硬化して、コアパネル又はビレットを形成する間に、積み重ね体を圧縮することにより、強化した発泡材コアが提供される。ビレットは、交互の層にて且つ平行な分離した面に沿って切断し、強化発泡材コアパネルを形成し、そのパネルの各々が繊維状シートのストリップにより形成された分離したウェブを有するようにする。乾燥した繊維状ウェブを有する強化発泡材コアを使用する方法は、乾燥したウェブの多孔質が上方に位置するパネルの外板に施された樹脂を吸収することにより、一体の接着部を形成することを許容するから、当業界にて、望ましい方法として周知となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
既知の床組立体によりもたらされる難点は、床組立体を製造し、組み立て且つ設置することが難しいことである。木製及び鋼製の床は、乗物自体内にて製造及び設置の双方を行なわなければならない。この方法は、床部分をコストを節約する仕方にて予め製造することができない。
【0014】
既知の床組立体によりもたらされる別の難点は、かかる床に伴うメンテナンスコストが比較的高いことである。この点に関して、既知の床組立体は、水が侵入しないように密封することが難しい。客列車、バス等のような大量輸送乗物の環境において、水の形態をした水分が床にしばしば運ばれ、また、床内に滲み込み且つ木製のフレームに接触する可能性がある。一度び水分が木製のフレームを飽和することが許容されたならば、水分は鋼板材の下方に取り込まれる。その結果、分解又は腐速度が加速されることになる。腐食したフレームは、床を損傷され易くし、このことは、腐食した木を交換し又は床の全体を交換することを必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、簡単に製造し且つ設置することのできる丈夫で、軽量、水抵抗性のたる複合床を提供することにより、これらの問題点を解決しようとするものである。この設計は、実証された材料及び構成要素を使用し、フェノール系複合材料に対する優れた火炎及び煙性能値を特徴としている。この設計は、また、従来の輸送車両の床と比較して重量を軽くするものでもある。
【0016】
1つの実施の形態において、本発明は、大量輸送環境の苛酷さに適合し得るように十分に硬く且つ水抵抗性のある複合材料にて製造された床組立体を提供する。更に、床組立体の構成要素は必須の安全性試験に合格する複合材料にて製造されている。
【0017】
特に、本発明は、その他のものの内、フェノール系構成要素を含む複合床を提供する。床組立体は、サンドウィッチの構造を有する複合パネルを備えている。該パネルは、2つの薄い外板又は表面材を比較的厚いコア材料に接着することで形成される。外板は構造的フェノール系複合材で出来ている。外板は、2つの繊維ガラス強化シートにフェノール樹脂を含浸させた後に硬化させる。コア材料は軽量で且つ硬い独立気泡構造の発泡材及びフェノール系リブの組み合わせ体を含む。フェノール系リブは床内部に必要な強化材を提供する。発泡材コアは水分の吸収に抵抗し且つ外板に対し優れた接着性を付与する。前硬化したリブ付きコアの更なる有利な点及びその他のコア材料の不利益な点について以下に更に説明する。
【0018】
フェノール系クローズアウトを床パネルの端縁内に成形し、水分がコアに入るのを防止し且つ床パネルに対し更なる強度及び安定性を付与する。フェノール系クローズアウトは、床パネルの周縁を取り巻き且つ同一の硬化過程により頂部外板及び底部外板に接続されて水分が入らないようにコアを密封する。
【0019】
フェノール系の床組立体は大量輸送乗物内に容易に設置することができる。床は、予め製造した多数の床パネルから現場にて組み立てられる。フェノール系のクローズアウトは容易に機械加工でき、パネルの間に高密度の継手を形成することを可能にする。予め製造した床パネルは、フェノール系のクローズアウトに切り込んだ重ね継手により互いに容易に接続することができる。クローズアウト材料で出来たタップ立てプレート及び取り付けブロックをパネルのコア内で硬化させ、取り付け領域内で更なる支持体を提供することができる。これらのパネル領域は、現場にて容易に穿孔し且つタップ立てし、床パネルを乗物のフレームに機械的に締結することができる。
【0020】
1つの実施の形態において、本発明は複数の床パネルを含む床組立体を提供する。パネルの各々は相互に接続され、また、パネルの各々は上面を画成する頂部外板と、底面を画成する底部外板とを有している。この組立体は、頂部外板及び底部外板に接触する共に、一部分、上記床パネルの周縁を画成するクローズアウト部材も備えている。床組立体は、また、頂部外板と底部外板との間に配置されたコアも有している。該コアは、クローズアウト部材に接触する側壁を有するリブ付きコアを備えている。
【0021】
別の実施の形態において、本発明は、分離した側壁と、分離した端部壁と、床の支持組立体とを含む車両組立体を備える客列車内で使用される床組立体を提供する。該床組立体は、床の支持組立体を覆うように相互に接続された多数の床パネルを備えており、床パネルの各々は、2つの側端縁と、2つの端部端縁と、内面と、上記床パネルの上面を画成する露出した面とを有する頂部外板を備えている。床パネルの各々はまた、2つの側端縁と、2つの端部端縁と、内面と、上記床パネルの底面を画成する露出した面とを有する底部外板も備えている。床パネルの各々はまた、各々が内面と、床パネルの側部にて露出した外面と、頂部外板の内面に接触する上面と、底部外板の内面に接触する底面と、側部クローズアウトの長さを画成する2つの端面とを含む2つの側部クローズアウトも備えている。また、床パネルの各々は、側部クローズアウトの端面に接触すると共に、側部クローズアウトと共に上記床パネルの外周縁を画成する内面を含む2つの端部クローズアウトも備えている。また、床組立体は、側部クローズアウト及び端部クローズアウト内に配置されたコアも備えており、該コアは、側部クローズアウト及び端部クローズアウトの内壁に接触する側壁を備えている。また、コアは、頂部外板の内面に接触する上面と、底部外板の内面に接触する底面とをも備えている。
【0022】
サンドウィッチパネルにて使用される一般的なコア材料には多くの不利益な点がある。乾燥したウェブを有する強化した発泡材コアによりもたらされる難点は、乾燥したウェブを発泡材コアに接着するために使用すべき接着剤を厳格な安全性基準を有する業界にて使用することができない点である。例えば、大量輸送業界は、大量輸送の用途に使用される全ての床組立体に対し、火炎及び煙試験を含む多数の安全性基準によって管理されている。接着のために最も一般的に使用されるウレタン接着剤は、燃焼したとき、この規則により設定された基準に適合しないガスを発生させる。このため、この型式の強化コアを大量輸送業界にて使用されるパネルに利用することはできない。
【0023】
破壊試験を行なわずに、リブ内のフェノール系接着剤の品質を視覚的に検査することは困難であり又は不可能である。乾燥したウェブは、頂部外板及び底部外板に対してガラス織地を含浸させるために使用される液体フェノール系樹脂にて部分的に飽和された状態となる。ウェブは頂部外板及び底部外板と同時に硬化するため、ウェブ内で生じた硬化の完全性及び程度を視覚的に観察することはできない。ウェブの硬化の質を判断するためには、ウェブを何らかの方法で視覚的に観察可能としなければならない。例えば、パネルを断面に分離するように切断することができる。
【0024】
接着した乾燥ウェブ発泡材コアによってもたらされるその他の難点は、ウェブ内に接着剤及び空隙が存在するため、フェノール系樹脂の接着が不均質で且つ不均一な点である。理想的には、硬化した後、均質で且つ均一なフェノール樹脂の接着を実現し得るように、乾燥したウェブを液体フェノール系樹脂で完全に含浸されるようにしなければならない。しかし、ウレタン接着剤は、最初に乾燥した材料を含浸させる一方、この乾燥した材料は、フェノール系樹脂を適正に含浸させることを許容しない。その結果、ウレタン領域はフェノール系領域よりも弱い接着状態となる。また、接着剤は、滴下バーにて施され、このバーは、接着剤を織地の表面上の中間位置にて滴下させる。接着剤がウェブに対し均一に且つ完全に施されないため、樹脂の含浸段階中、エアポケット及び空隙が生じる可能性がある。これらのウェブの空隙は、ウェブの性質の不確実さを増すことになる。フェノール樹脂の接着が完全であることは、構造的により硬く且つ健全な部品を製造し、このことは安定した性能及び信頼性を実現することになる。
【0025】
乾燥したウェブを有する強化した発泡材コアによりもたらされる別の難点は、発泡材コアと乾燥ウェブとの間の接着状態が弱いため、取り扱うことが困難な点である。強化した発泡材コアは、フェノール系パネルの製造時に使用され、このため、頻繁に取り扱われ且つ動かされる。この動作の結果、乾燥したウェブと発泡材コアとの間の接着が分離することがしばしば生じる可能性がある。これにより、不良品が生じるか又は破損を最小にする装置を具体化するための余分なコストが生ずるかの何れかとなる。
【0026】
本発明は、大量輸送業界の安全性基準を上廻ることができると共に、リブの全体に亙って視覚的に観察可能なより丈夫で且つより均一なフェノール系樹脂の接着を実現することのできる、前硬化した強化発泡材コアを製造する方法を提供することにより、こうした問題点を解決しようとするものである。
特に、前硬化した強化コアは、大量輸送業界で要求される安全性試験を上廻るものである。発泡材パネル及びガラス織地は液体フェノール系樹脂を使用して共に、接着させる。硬化したフェノール系樹脂は、コアを形成するその他の材料と共に、必須の安全性試験に合格する。火炎及び煙試験の安全性基準に合格しない接着剤は利用しない。
【0027】
更に、コアがパネルの外板内に隠れる前に、フェノール系接着剤の品質を視覚的に観察することができる。バン(bun)が一定の温度及び圧力にて硬化した後、そのバンは発泡材シートの面に対して垂直な面内で切断する。コアストリップは、リブ及び発泡材の双方を露出させる2つの端縁を有することになる。この有利な点から、フェノール系接着部の品質を視覚的に観察することができる。また、ガラス織地は、液体フェノール系樹脂の均一な飽和を妨げるいかなる接着剤も含んでいない。フェノール系接着部の品質を視覚的に確認することができ、また、液体フェノール系樹脂の均一な含浸を実現することができるため、床パネルの全体的な性能及び品質は一定状態に保たれる。
【0028】
本発明のその他の特徴及び有利な点は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲及び図面を参照することにより当該技術分野の当業者に明らかになるであろう。
本発明の1つの実施の形態を詳細に説明する前に、本発明は以下の説明に記載し又は図面に図示した構造の詳細及び構成要素の配置にのみその適用が限定されるものではないことを理解すべきである。本発明は、その他の実施の形態が可能であり且つ色々な方法にて実施し、又は具体化することができる。また、本明細書にて使用した記述及び用語は、説明の目的のためのものであり、限定的なものであるとみなすべきでないことも理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第一の実施の形態である車両組立体の平面図である。
【図2】図1に図示した組立体の一部分の平面図である。
【図3】図2に図示した床組立体に含まれる床パネルの斜視図である。
【図4】図3に図示した床パネルの分解斜視図である。
【図5】図3の線5−5に沿った断面図である。
【図6】図3の線6−6に沿った断面図である。
【図7】本発明の1つの代替的な実施の形態である、第二の車両の床組立体の平面図である。
【図8】本発明を具体化する前硬化した強化コアを製造する方法を示すフローチャートである。
【図9】図8のフローチャートに従って製造された前硬化した強化コアのバンの分解斜視図である。
【図10】図9に図示したバンから切断した前硬化した強化コアパネルの斜視図である。
【実施例】
【0030】
図1乃至図6には、本発明を具体化する第一の車両組立体10が図示されている。図1を参照すると、該車両組立体10は、分離した側壁14と、分離した端部壁18とを有する列車の車両である。対向した2つの側壁14が対向した2つの端部壁18と接続されており、該端部壁は、共に、組立体10の周縁を画成する。車両組立体10はまた、床の支持組立体22(図1に仮想線で図示)を備えている。床の支持組立体22は、車両組立体10の周縁の周りを伸び、部材が長さに対して垂直な間隔にて分離されている。
【0031】
車両組立体10はまた、床の支持体に固着され且つ側壁14及び端部壁18により取り囲まれた床組立体26も備えている(図1及び図2)。
【0032】
図2を参照すると、床組立体26は、多数の床パネル30と、2つの端部パネル34とを備えている。床組立体26は、輸送車両10内で乗客、座席等に対する支持体を提供する。床パネル30及び端部パネル34は車両10内の領域の全体を覆い得るように相互に接続されている。
【0033】
パネル30、34を含む床組立体26は、大量輸送乗物の床を提供し得るように任意の数の方法にて形態を設定することができる。例えば、図7には、本発明の1つの代替的な実施の形態である第二の車両の床組立体38が図示されている。床組立体38は乗客バス内に且つバスのフレームの上方に配置された運転者室内の床として使用するのに適している。床パネル38は、床26と著しく相違する周縁を有するが、同一の基本的構成要素から構成されている。
【0034】
床パネル30、34は同様の構造である。各々の個々の形状は、パネルの位置及び床組立体26を取り巻く車両組立体10の側壁14及び端部壁18の形態に依存する。このため、理解の容易さのため、単一の床パネル30についてのみ詳細に説明する。
【0035】
図3及び図4を参照すると、床パネル30の各々は、2つの側部クローズアウト42及び2つの端部クローズアウト46を有している。該2つの端部クローズアウト46は、ある距離だけ分離されて且つ側部クローズアウト42の端部に接続されている。また、床パネル30は、コア50を有している。該コア50は、接続した対のクローズアウト42、46により画成されたスペースを占めている。コア材料は、バルサ、合板、発泡材、強化材料又はその任意の組み合わせから成るものとすることができる。また、床パネル30は、頂部外板54及び底部外板58を有している。頂部外板54は、コア50、端部クローズアウト46及び側部クローズアウト42の上方に配置され、また、底部外板58は、コア50、端部クローズアウト46及び側部クローズアウト42の下方に配置されている。外板54、58及びクローズアウト42、46は、水分がパネル30の内部に達するのを防止する作用を果たす。
【0036】
頂部外板54は、床パネル30の上面に耐久性のある表面を提供する。頂部外板54は、コア50の上側部、側部クローズアウト42及び端部クローズアウト46に接触する内面62を提供する。また、頂部外板54は、床パネル30の上面を画成する露出面66を提供する。
【0037】
底部外板58は、安定性及び取り付けの目的のため、パネル34の下側部に耐久性のある表面を提供する。また、底部外板58は、内面70及び露出面74も有している。内面70は、コア50の底側部、側部クローズアウト42の側部及び端部クローズアウト46に接触する。露出面74が床パネル30の底面を画成する。
【0038】
側部クローズアウト42の各々は内面78及び外面82を有している。側部クローズアウト42の内面78はコア50に接触し、側部クローズアウト42の外面82は床パネル30の側部にて露出される。また、側部クローズアウト42は上面86及び底面90を有している。側部クローズアウト42の上面86は頂部外板54の内面62と接触し、側部クローズアウト42の底面90は底部外板58の内面70と接触している。側部クローズアウト42は、また、2つの端面94(一方を図示)も有している。該端面94は側部クローズアウト42の長さを画成する。
【0039】
端部クローズアウト46の各々は、内面98及び外面102を有している。端部クローズアウト46の内面98は側部クローズアウト42の端面94と接触しており、該側部クローズアウト42は、組み合わさって、床パネル30の外周縁を画成する。側部クローズアウト42の間の領域内にて、端部クローズアウト46の内面98はコア50と接触している。端部クローズアウト46の外面102は床パネル30の側部にて露出されている。また、端部クローズアウト46は上面106及び底面110を有している。端部クローズアウト46の上面106は頂部外板54の内面62に接触し、また、端部クローズアウト46の底面110は底部外板58の内面70と接触している。端部クローズアウト46はまた、2つの端面114(一方を図示)を有している。端部クローズアウト46の端面114は床パネルの側部に対して露出されている。
【0040】
また、端部クローズアウト46は係合面118も有している。該係合面118は、大量輸送乗物内で予め製造した床パネル30を簡単に組み立てることを許容する。典型的に、この表面は重ね継手である。係合面118は隣接する床パネル30の別の係合面118に接触する。
【0041】
図6を参照すると、係合面118は、ボア122と、端ぐり穴126とを有している。ボア122及び端ぐり穴126は、係合面118と相俟って、隣接する床パネル30、34を共に端部同士を合わせて機械的に締結し且つ床パネル30を床の支持体22に締結することを許容する。
【0042】
図4を参照すると、コア50は床パネル30の内部を占めている。コア50の側部は、端部クローズアウト46及び側部クローズアウト42の内面98、78に接触している。コア50は、上面及び底面を有している。コア50の上面は頂部外板54の内面62と接触し、コア50の底面は底部外板58の内面70と接触している。コア50は、前硬化した強化コア130と、取り付けブロック134(図示せず)と、タップ立てブロック138とを有している。
【0043】
図4及び図5を参照すると、前硬化した強化コア130は、床パネル30に対する支持体を提供し、また、複数の発泡材ストリップ142及び複数のリブ146を有している。リブ146及び発泡材ストリップ142は、交互の層にて配置されている。前硬化した強化コア130及びその製造方法について、以下に更に詳細に説明する。
【0044】
より具体的には、図5に示すように、前硬化した強化コア130内のリブ146は頂部端縁及び底部端縁を有している。リブ146の頂部端縁は、頂部外板54の内面62と接触し、リブ146の底部端縁は底部外板58の内面70と接触している。リブ146は、また、対向した2つの端縁も有している。リブの露出面は前硬化した強化コア130の層状端部に配置され、また、好ましい実施の形態にて図示するように、端部クローズアウト46の内面98と接触している。リブ146はまた、2つの係合面も有している。リブの係合面は、2つの内側発泡材ストリップ142と接触するか又は1つの内側発泡材ストリップ142及び1つの端部発泡材ストリップ142と接触している。
【0045】
更に、発泡材ストリップ142は上面及び底面を有している。発泡材ストリップの上面は頂部外板54の内面62と接触しており、内側発泡材ストリップの底面は底部外板58の内面70と接触している。また、内側発泡材ストリップ142は露出した2つの端部を有している。露出した端部は、前硬化した強化コア130の層状端部上に配置され、また、好ましい実施の形態にて図示するように、端部クローズアウト46の内面98と接触している。発泡材ストリップ142は、また、2つの係合面を有している。発泡材ストリップの係合面は隣接するリブ146の係合面に接触する。
【0046】
また、前硬化した強化コア130は支持切欠き150も有している。該支持切欠き150は、取り付けブロック134又はタップ立てブロック138のようなその他の構成要素がコア50内で硬化するためのスペースを許容する。支持切欠き150は、材料を前硬化した強化コア130から除去することにより形成される。支持切欠き150は、前硬化した強化コア130内の任意の位置に配置することができ、また、寸法及び形状を変化させることもできる。
【0047】
取り付けブロック134は、上面及び底面を有し、また、例えば、着座固定具のようなものを床組立体26に取り付けるため床組立体26の集中領域内の強度を向上させるべく使用される。取り付けブロック134の上面は、頂部外板54の内面62に接触し、取り付けブロック134の底面は底部外板58の内面70に接触する。取り付けブロック134は、支持切欠き150内部に嵌り、また、全体としてフェノール系材料にて出来ており、特定の二次元的な幾何学的形状にのみ限定されるものではない。
【0048】
タップ立てブロック138は、上面及び底面を有し且つ例えば、機械式締結具のような、床組立体10に集中した強度部分を提供する手段を提供する。タップ立てブロック138は、また、前硬化した強化コア130の支持切欠き150内に嵌る。タップ立てブロック138は、また、タップ立てプレート154も有している。タップ立てプレート154はタップ立てブロック138の中央にて硬化する。タップ立てブロック138は特定の二次元的な幾何学的形状にのみ限定されるものではない。タップ立てプレート154は、鋼製であり、また、床パネルにねじを切り且つねじ付きの機械式締結具を使用するのに必要な機械的特徴を提供することが好ましい。
【0049】
構造用フェノール系複合外板は、火炎及び煙性能が優れる点にて好ましい。また、外板は、構造的堅牢さを提供し得るように2軸方向に配向状態にて、すなわち0乃至90°にて配置されることも好ましい。クローズアウト材料は、パネルを組み立てた後、必要とされる形態に機械加工された強化フェノール系合成材料である。
【0050】
フェノール系外板、リブ、クローズアウト材料及び独立気泡構造の発泡材コア材料を組み合わせる結果、軽量、高強度の床パネル及び床組立体が得られる。積層構造体は、水分又はその他の腐食性要素が浸入することを許容せず、また、複合外板との優れた接着状態を実現する。開示された構造を使用する床組立体は、重量が約6.3472kg/m2(約1.3ポンド/平方フィート)であり、また、同様に、優れた強度、音響及び熱性質を提供する。
【0051】
本発明を具体化する前硬化した強化コア130を製造する方法が図8のフローチャートに図示されている。第一に、硬い独立気泡構造の発泡材コア158の全体として矩形の板がベース(210)として作用するように提供される。この発泡材コアのベース158の周縁寸法は、便宜に加工可能な寸法とする必要があり、また、硬化プレス及び硬化加熱炉の寸法によって制限される。本発明の1つの実施の形態において、発泡材コアのベース158は、準備台の上に平らに置く。この準備台は、ベース158の寸法を受け入れるのに十分に大きくなければならない。台の表面には、ベース層158と同一の位置にて連続的な層を整合させるために使用される3つの垂直ストッパが設けられている。第一の垂直ストッパが台の短い横方向端縁上に配置される一方、第二及び第三のストッパは、ある距離だけ分離され且つ台の長い長手方向端縁上に配置されている。一度び発泡材コアのベース158が台の上に配置されたならば、横方向端縁を第一のストッパに対して押し付ける。第一のストッパとの接触を保ちつつ、発泡材コアのスペース158は、移動させて、長手方向端縁が第二及び第三のストッパに対して休止するようにする。発泡材コアの好ましい厚さは、20.32mm(0.80インチ)であり、積み重ね工程の全体に亙って厚さが均一に保たれるようにすることが好ましい。コアの厚さは、異なる床パネルに対して変化させることができ、また、必要とされる強度対重量の特徴に依存する。
【0052】
次に、発泡材コアのベース158は、フェノール系液体樹脂の薄い層として被覆される(214)。又、以下に説明するように、発泡材コアの中間物166にも薄いフェノール系液体樹脂の層にて被覆される。樹脂は、ブラシ又はその他の一般的な手段により施すことができる。コア158を改良した後、2軸方向に配向させた繊維ガラス織地162の層が発泡材コア158の頂部及び液体フェノール系樹脂に配置される(218)。好ましい実施の形態において、繊維ガラス織地162のストランドは、最適な強度を実現し得るように発泡材コア158の長手方向端縁及び横方向端縁により画成された枢軸に対し45°の角度にてずらす必要がある。更に、繊維ガラス織地162は、発泡材コア158の表面に略等しい寸法に切断し、又、発泡材コア158の表面を覆うように配置される。その後、別の液体フェノール系樹脂の層が繊維ガラス織地162を含侵する(222)。これは、上述したものと同様の方法にて施すことができる。その他の実施の形態において、既存の繊維ガラス織地162の層の上に多数の繊維ガラス織地162の層を配置することができる。1つ以上の層の繊維ガラス織地162が導入されるならば、フェノール系樹脂が第一の層の上に施された後、第二の繊維ガラス織地162のシートを第一の繊維ガラス織地162の頂部上に直接、配置する。一度び第二の繊維ガラス織地162のシートが第一の層162を覆ったならば、第二の層は、同様の仕方にて液体フェノール系樹脂の被覆にて湿らせなければならない。換言すれば、繊維ガラスの織地162の所望の厚さが得られるように、工程(218)及び(222)を繰り返す必要がある。
【0053】
一度び所望の厚さが実現されたならば、発泡材コアの中間物166を繊維ガラス織地162の頂部に配置する(226)。次に、工程(214)にて、発泡材コアのベース158を被覆する場合と同様に、薄い液体フェノール系樹脂の層にて中間物を被覆する。好ましい実施の形態において、3つの台ストッパがガイドとして利用される。その結果、発泡材コアのベース158の上面及び発泡材コアの中間物166の下面が液体フェノール系樹脂を含浸させた繊維ガラス織地162を挟持する。次に、複数の繊維ガラス織地162の層を液体フェノール系樹脂を含浸させた発泡材コアの中間物166上に配置し、次に、工程(218)、(222)、(226)と一致する仕方にて別の発泡材コアの中間物166にて覆うことができる。換言すれば、図8に図示するように、中間発泡材コア166の間に配置される多数の含浸繊維ガラス織地162と共に、多数の中間発泡材コア166を利用することができる。
【0054】
こうした異なる仕方にて連続的に積み重ねることでバン170が形成される。一度びバン170が所望の高さに達したならば、バン170の頂部に発泡材コアの頂部174を配置する(226)。この発泡材コアの頂部8は、積層体を完成させ且つ乾燥した上面を有する点を除いて、発泡材コアの中間物166及び発泡材コアのベース158と同様である。バンの所望の厚さは、外部の因子に依存し、工程自体によっては制限されない。バン170は、最終的に、パネルに、すなわち前硬化した強化コアパネル178に切断されるため、バン170の厚さは、バン170の厚さを決定するために利用可能な便宜な切断深さにより決定されることが最もしばしばである。
【0055】
好ましい実施の形態において、同一の準備台のそれ以前のバンの頂部に別のバン170が準備される。2つのバン170の間に、非接着性の紙又は層を配置して、パンのストックを形成する。バンのストックの高さは、硬化プレス内で利用可能な寸法によって制限される。
【0056】
バン170又はバンのストックをその所望の高さまで組み立てられたならば、バン170又はバンのストックを必須の温度及び圧力にて硬化させる(234)。硬化させる前に、バン170又はバンのストックを硬化プレス内に装填しなければならない。硬化プレスの一例は、バンのストックの表面積に圧力を加える下側プラテン及び上側プラテンから成っている。色々な層の位置決めを妨げるのを防止する仕方にてバン170又はバンのストックを準備台から硬化プレスまで搬送しなければならない。例えば、準備台を硬化プレスまで転がし、バン170又はバンのストックを準備台から硬化プレスの下側プラテンまで容易に搬送することを許容する高さに配置することができる。
【0057】
硬化プレスは、必須の圧力及び熱を加えることにより、バン170又はバンのストックを硬化させる(234)。バンのストックが硬化プレス内に配置された後、頂部プラテンをバンのストックの頂部にて下方に押し付け、所望の一定の圧力を加える。具体的には、好ましい圧力は約172.369乃至275.790kPa(25乃至40ポンド/平方インチ)であるが、最適な圧力は、バン内で使用される層の厚さに依存する。圧力がバン170又はバンのストックに加えられた後、バン170又はストックを一定の周囲温度内に配置する。好ましくは、周囲温度は室温以上である。より具体的には、この周囲温度は約71.11乃至82.22℃(約160乃至180°F)の範囲である。これは、大型の従来の加熱炉内にて硬化プレスを移動させることにより実現することができる。一度びバン170又はバンのストックが加熱炉内に配置されたならば、このバンは、特定の時間、一定の温度及び一定の圧力下にて硬化させることが好ましい。この硬化時間は、リブ及びコアの厚さ並びにバン170又はバンのストックの全周縁の寸法に依存する。全体として、この硬化時間は約2乃至3時間である。
【0058】
その後、バン170又はバンのストックを冷却させる(238)。硬化プレスを加熱炉から除去して、バンのストックを約2時間、室温又はより低温度にて冷却させる。一度び硬化プレス及びバンのストックが冷却したならば、上側プラテンを上方に動かしてバンのストックに加えられた圧力を解放する。次に、バンのストックを便宜な仕方にて硬化プレスから除去する。このことは、バン170をバンのストックから個々に除去し且つそれらのバンを切断工程の準備として便宜な位置に配置することにより行なうことができる。
【0059】
バン170は、前硬化した強化コアパネル178を提供し得るようにストリップに切断する(242)。好ましくは、ダイヤモンドブレードを有するパネルの鋸を利用して切断工程を行なう。バンを切断して前硬化した強化コアパネル178にするその他の方法は、ダイヤモンドブレード及び当該技術分野の当業者に既知のその他の同様の切断方法を使用して水平型のバンの鋸を利用することを含む。具体的には、端部を縁処理し且つ拭き払って余剰な硬化フェノール系樹脂を除去し且つバン170の周縁の周りにきれいで直角の端縁が得られるようにする。次に、必要な床パネルの厚さに依存して、前硬化した強化コアパネル178をバン170から所望の厚さに切断する。最後に、精密サンドペーパーを使用して0.508mm(0.020インチ)の製造許容公差の範囲の厚さを形成し、前硬化した強化コアパネル178の厚さを一層高精度なものにすることができる。前硬化した強化コアパネル178を切断し且つ研磨した後、これらのパネルは、床パネル30内で共に組み立て且つ接着する準備が整う。
【0060】
全体としてみれば、前硬化した強化コアパネル178は、パネル30内にコア50全体を有する。具体的には、前硬化した強化コアパネル178は頂部外板54と底部外板58との間で且つクローズアウト42、46により画成された周縁内の空隙を充填しなければならない。組み立て工程は鋼フレーム付きの組み立て台に配置された底部外板58の内面70から開始する。最初に、前硬化した強化コアパネル178の長さを第一の方向に向けてパネル30の1つの必要な寸法に適合するように切断する。次に、前硬化した強化コアパネル178を反対方向に第二の寸法を充填し得るように横に並べて配置する。2つの方法により、当接するコアの間にリブを形成することができる。最初に、当接するコアの間に何も配置せず、そのスペースが液体フェノール系樹脂で完全に飽和されることを許容する。これと代替的に、その間に乾燥した接続繊維ガラス織地ストリップを配置し、フェノール系樹脂で含浸されるようにしてもよい。接着剤が不要であるから、液体フェノール系樹脂で均一に含浸することが可能である。前硬化した強化コアパネル178の幅は、バン170の高さに依存し、このため、より大型のパネル30の場合、能力が許容する限り、バン170を高く形成することがより効率的である。大型のバン170の寸法は、接続すべき前硬化した強化コアパネル178の数が少なくて済むから、パネルの組み立て速度を速める。好ましい実施の形態において、当接するコアに関して上述した何れかの方法により、当接する前硬化した強化コアパネル178とクローズアウト42、46の間にリブを形成することができる。一度び領域の全体が前硬化した強化コアパネル178で充填され、取り付けブロック134又はタップ立てブロック138のようなその他の機能部分がコア50内に存在するならば、頂部外板54を取り付け且つパネル30の全体を硬化させる。パネルの硬化工程後、前硬化した強化コアを有するフェノール系パネルは、必要な更なる製造を行なう準備が整う。
【0061】
本発明の色々な特徴は特許請求の範囲に記載されている。
【符号の説明】
【0062】
10 車両組立体
30 床パネル
42,46 クローズアウト
54 頂部外板
58 底部外板
130 強化コア
134 取り付けブロック
138 タップ立てブロック
142 発泡体ストリップ
146 リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルにおいて、
頂部外板と、
底部外板と、
前記頂部外板と前記底部外板との間に配置されたコアであって、少なくとも1つのタップ立てブロックを備えるコアとを備え、
前記タップ立てブロックが、繊維強化材料のブロック及び前記ブロック内に入れられた金属のプレートを備え、穿孔され且つタップ立てされるのに適しており、前記パネルに増大した支持体を提供することができる、パネル。
【請求項2】
請求項1に記載のパネルにおいて、前記タップ立てブロックが、前記パネルの周縁から内方へ離間している、パネル。
【請求項3】
請求項2に記載のパネルにおいて、前記頂部外板及び前記底部外板に接触するクローズアウトを更に備え、前記クローズアウトが、前記コアを取り巻き前記パネルの周縁を実質的に画成する、パネル。
【請求項4】
請求項3に記載のパネルにおいて、前記クローズアウトが、繊維強化フェノール系材料から構成される、パネル。
【請求項5】
請求項1に記載のパネルにおいて、前記コアが、前硬化した強化コアであり、少なくとも1つのフェノール系のリブ及び複数の発泡材ストリップを備え、前記フェノール系のリブが2つの発泡材ストリップの間に配置される、パネル。
【請求項6】
請求項1に記載のパネルにおいて、前記繊維強化材料のブロックが、繊維強化フェノール系ブロックである、パネル。
【請求項7】
請求項1に記載のパネルにおいて、前記タップ立てブロックが、前記頂部外板の内面と接触する上面と、前記底部外板の内面と接触する底面とを備える、パネル。
【請求項8】
パネルにおいて、
頂部外板と、
底部外板と、
前記頂部外板と前記底部外板との間に配置されたコアとを備え、
前記コアが、前記パネルの周縁から内方へ離間している少なくとも1つの取り付けブロックを備え、前記取り付けブロックが、前記パネルに増大した支持体を有する取り付け領域を提供するよう構成されている、パネル。
【請求項9】
請求項8に記載のパネルにおいて、前記頂部外板及び前記底部外板に接触するクローズアウトを更に備え、前記クローズアウトが、前記コアを取り巻き前記パネルの周縁を実質的に画成する、パネル。
【請求項10】
請求項9に記載のパネルにおいて、前記クローズアウトが、繊維強化フェノール系材料から構成される、パネル。
【請求項11】
請求項8に記載のパネルにおいて、前記コアが、前硬化した強化コアであり、少なくとも1つのフェノール系のリブ及び複数の発泡材ストリップを備え、前記フェノール系のリブが2つの発泡材ストリップの間に配置される、パネル。
【請求項12】
請求項8に記載のパネルにおいて、前記取り付けブロックが、繊維強化フェノール系ブロックである、パネル。
【請求項13】
請求項8に記載のパネルにおいて、前記取り付けブロックが、前記頂部外板の内面と接触する上面と、前記底部外板の内面と接触する底面とを備える、パネル。
【請求項14】
請求項8に記載のパネルにおいて、前記取り付けブロックが、穿孔されるのに適している、パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−16363(P2011−16363A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−184561(P2010−184561)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【分割の表示】特願2001−529936(P2001−529936)の分割
【原出願日】平成12年10月6日(2000.10.6)
【出願人】(502124824)ミルウォーキー・コンポジッツ・インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】