パネル
【課題】簡単な構造で、高剛性化および軽量化を確実に実現することができるパネルの提供を目的とする。
【解決手段】所定の基準面から突出する凸部4Eと、基準面と面一をなす平坦部と、基準面から凹む凹部6Eとのうち、凸部4Eと、平坦部又は凹部6Eとを備え、凸部4E及び凹部6E各々の周縁部分に凸部側傾斜面42E及び凹部側傾斜面62Eが形成され、凹部6Eを備える場合、隣り合う凸部4E同士が互いに連続しないよう配置されるか、隣り合う凸部4Eの各角部間に平坦な頂部平坦部5Eを有するブリッジ51Eが形成され、凸部の上面部41Eの面積S1、凹部の底面部61Eの面積S2、頂部平坦部5EのS3、及び、凸部側傾斜面42Eと凹部側傾斜面62Eと、凸部4E及び凹部6E各々の四隅から基準面に向かって延びる隅部傾斜面43Eとからなる傾斜部の面積S4の関係が(S3+S4)/(S1+S2)≦1.0を満たすことを特徴とする。
【解決手段】所定の基準面から突出する凸部4Eと、基準面と面一をなす平坦部と、基準面から凹む凹部6Eとのうち、凸部4Eと、平坦部又は凹部6Eとを備え、凸部4E及び凹部6E各々の周縁部分に凸部側傾斜面42E及び凹部側傾斜面62Eが形成され、凹部6Eを備える場合、隣り合う凸部4E同士が互いに連続しないよう配置されるか、隣り合う凸部4Eの各角部間に平坦な頂部平坦部5Eを有するブリッジ51Eが形成され、凸部の上面部41Eの面積S1、凹部の底面部61Eの面積S2、頂部平坦部5EのS3、及び、凸部側傾斜面42Eと凹部側傾斜面62Eと、凸部4E及び凹部6E各々の四隅から基準面に向かって延びる隅部傾斜面43Eとからなる傾斜部の面積S4の関係が(S3+S4)/(S1+S2)≦1.0を満たすことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネルに関し、詳しくは、全体板状に形成されるとともに少なくとも一方の面側に突出する複数の凸部を有したパネルに関する。
本願は、2010年01月13日に、日本に出願された特願2010−004858号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄道車両や自動車、航空機、船舶などの輸送機械あるいは建築構造物などに用いられる内装パネルとして、凹凸が千鳥状に設けられた軽量型高剛性パネルが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載のパネルは、平板状パネルの縦及び横の二方向に凹凸が並んで形成されるとともに、凹凸以外の平坦部が直線的に形成されていない形状となっている。また、自動車の触媒コンバータやマフラーなどの断熱に利用されるヒートインシュレータにおいても、パネル面内の二方向に凸部が並べて配置された構成が提案されている(例えば、特許文献2参照)。これらのパネルでは、パネル面内の二方向に並べて配置された凹凸または凸部が形成されることで、凹凸が形成されていない平板や一方向のみに凹凸が形成された波板などと比較して、同じ板厚でも剛性が高くなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】日本国特許第2960402号公報
【特許文献2】日本国特開2008−180125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のパネルでは、平坦部が直線的に形成されないように凹凸が千鳥状に設けられているが、これらの凹凸を囲んで平坦部が連続して形成されている。これにより、この連続した平坦部がパネル全体の曲げ剛性やねじり剛性に影響し、パネルの高剛性化および軽量化を十分に図ることができないという問題がある。
【0005】
本発明は、簡単な構造で、高剛性化および軽量化を確実に実現することができるパネルの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決して係る目的を達成するために以下の手段を採用した。
すなわち、
(1)本発明の一態様に係るパネルは、所定の基準面から突出する複数の凸部と、前記基準面と面一をなす複数の平坦部と、前記基準面から凹む複数の凹部とのうち、前記凸部と、前記平坦部または前記凹部とを備え;前記平坦部を備える場合には、前記凸部各々の全周囲が前記平坦部によって囲まれ、かつ、前記平坦部各々の全周囲が前記凸部によって囲まれる一方、前記凹部を備える場合には、前記凸部各々の全周囲が前記凹部によって囲まれ、かつ、前記凹部各々の全周囲が前記凸部によって囲まれ、さらに、前記凸部の周縁部分に凸部側傾斜面が形成されるとともに、前記凹部の周縁部分に凹部側傾斜面が形成され;さらに、前記凹部を備える場合に、隣り合う前記凸部同士が互いに連続しないように配置されるか、隣り合う前記凸部の各角部間に前記凸部の前記角部間を接続するブリッジが形成され、該ブリッジが平坦な頂部平坦部を有しており、前記凸部の平坦な上面部の面積S1、前記凹部の平坦な底面部の面積S2、前記頂部平坦部の面積S3(ただし、ブリッジを有しない場合はS3=0である。)、及び、前記凸部の側面である前記凸部側傾斜面と、前記凹部の側面である前記凹部側傾斜面と、前記凸部及び前記凹部それぞれの四隅から前記基準面に向かって延びる隅部傾斜面とからなる傾斜部の面積S4の関係が、(S3+S4)/(S1+S2)≦1.0を満たす。
(2)上記(1)に記載のパネルは、正面視した場合に、前記複数の凸部と、前記複数の平坦部または前記複数の凹部とが、幅方向及びこの幅方向に直交する長さ方向に沿って交互に配置されていることが好ましい。
(3)上記(1)に記載のパネルは、正面視した場合に、前記各凸部が六角形状を有し、前記各平坦部が三角形状を有することが好ましい。
(4)上記(1)に記載のパネルは、正面視した場合に、前記各凸部が六角形状を有し、前記各凹部が三角形状を有することが好ましい。
(5)上記(1)に記載のパネルは、正面視した場合に、前記複数の凸部及び前記複数の平坦部の両方が四角形状を有することが好ましい。
(6)上記(1)に記載のパネルは、正面視した場合に、前記複数の凸部及び前記複数の凹部の両方が四角形状を有することが好ましい。
(7)上記(1)に記載のパネルは、前記凸部側傾斜面及び前記凹部側傾斜面を前記基準面に垂直な断面で見た場合に、これら凸部側傾斜面及び凹部側傾斜面が直線的に連続して繋がっており;前記凸部側傾斜面の傾斜角度と前記凹部側傾斜面の傾斜角度とが同一である;ことが好ましい。
(8)上記(1)に記載のパネルは、前記凸部及び前記凹部を備える場合、前記複数の凸部と前記複数の凹部との平面形状及び平面寸法が同一であることが好ましい。
(9)上記(1)に記載のパネルは、前記凸部及び前記凹部を備える場合、前記基準面に対して垂直方向の前記凸部の突出寸法と前記凹部の凹み寸法とが同一であることが好ましい。
(10)上記(1)に記載のパネルは、前記凸部と、前記平坦部又は前記凹部との全てを含む面材の縁に沿って枠部を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
上記(1)に記載のパネルによれば、凸部と、平坦部、あるいは、凹部とが、平面的に連続して形成されていない構成である。これにより、パネルの板の厚み方向の立体効果が得られ、パネルの曲げ剛性やねじり剛性を向上させることができる。したがって、格段に高剛性化を図ることができるとともに、薄型化による軽量化を実現することができる。
【0008】
さらに、上記(1)に記載のパネルによれば、平坦部を備える場合には、平坦部の全周囲が複数の凸部に囲まれているので、平坦部が連続的に形成されず、かつ複数の凸部も互いに連続的に形成されていない。さらに、凹部を備える場合には、凹部の全周囲が複数の凸部に囲まれているので、凹部が連続的に形成されず、かつ複数の凸部も互いに連続的に形成されていない。この結果、パネル全体としての曲げや捻れに対して凸部と平坦部あるいは凹部とが幾何学的に作用し、立体効果によって断面性能が高まる。これにより、曲げ剛性やねじり剛性を向上させることができる。従って、平板や波板に対して従来のパネルと比較しても格段に剛性を高めることができ、これによりパネル全体の薄型化を図り、かつ軽量化も実現することができる。
所定の基準面としては、平面でもよいし、円筒面状や球面状、その他、任意の三次元曲面状であってもよい。また、パネルは所定の板厚を有した平板からプレス加工や曲げ加工などの適宜な加工によって成形されてもよいし、凸部や平坦部を含めて一体成形によって製造されてもよい。
また、上記(1)に記載のパネルによれば、隣接する凸部の角部間にブリッジが形成されているため、パネルに力が加えられたとき、このブリッジを介して力が伝達される。これにより、隣り合う凸部同士が直接接続される場合と比較して、応力集中を緩和することができる。
【0009】
上記(2)に記載のパネルによれば、パネルに力が加えられたとき、凸部と、平坦部あるいは凹部とが、それぞれ交互に並べて配置されているので、直交した二方向(幅方向及び長さ方向)に力を分散させることができる。これにより、パネルに作用する曲げや捻りに対してパネル全体で抵抗して剛性をさらに高めることができる。
【0010】
上記(3)、上記(4)に記載のパネルによれば、六角形の対辺および対角の方向にバランス良くパネル剛性を高めることができる。
上記(5)、上記(6)に記載のパネルによれば、四角形の対辺および対角の方向にバランス良くパネル剛性を高めることができる。
【0011】
上記(7)に記載のパネルによれば、凸部側傾斜面および凹部側傾斜面の傾斜角度が同一であり、凸部側傾斜面および凹部側傾斜面が連続して形成されているので、この連続した傾斜面がリブ(補強材)として機能する。これにより、パネルの断面性能をさらに高めることができる。
【0012】
上記(8)に記載のパネルによれば、凸部と凹部との平面形状及び平面寸法が同一であるため、パネル断面の中間(基準面の近傍)に中立軸が位置する。これにより、パネルの突出している側からの外力およびパネルの凹んでいる側からの外力のいずれに対してもバランスよく抵抗させることができる。
【0013】
上記(9)に記載のパネルによれば、パネル断面の中間である基準面の近傍に中立軸が位置する。これにより、パネルの突出している側およびパネルの凹んでいる側のいずれの側からの外力に対してもバランスよく抵抗させることができる。さらに、パネルをプレス加工などで成形する場合に、凸部と凹部との絞り寸法を合わせることで、塑性変形に伴う板厚の変化や残留応力などの不均衡を避けることができる。したがって、パネルの強度や変形性能を安定させることができる。
【0014】
上記(10)に記載のパネルによれば、枠部を備えることにより、パネルの縁部の局所的な変形を抑制し、パネル剛性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるパネルを示す斜視図である。
【図2】本発明の第2実施形態にかかるパネルを示す斜視図である。
【図3】本発明の第3実施形態にかかるパネルを示す斜視図である。
【図4】本発明の第4実施形態にかかるパネルを示す斜視図である。
【図5】本発明の第5実施形態にかかるパネルを示す斜視図である。
【図6A】前記第1実施形態にかかるパネルの断面図である。
【図6B】前記第2実施形態にかかるパネルの断面図である。
【図6C】前記第3実施形態にかかるパネルの断面図である。
【図6D】前記第4実施形態にかかるパネルの断面図である。
【図6E】前記第5実施形態にかかるパネルの断面図である。
【図7A】従来のパネルを示す斜視図である。
【図7B】従来のパネルを示す斜視図である。
【図7C】従来のパネルを示す斜視図である。
【図8】従来の他のパネルを示す斜視図である。
【図9A】本発明の実施例に係るFEM解析の方法を示す断面図である。
【図9B】本発明の実施例に係るFEM解析の方法を示す断面図である。
【図10A】前記実施例における比較例1(No.1)の正面から見た解析モデル図である。
【図10B】前記実施例における比較例1(No.1)の断面から見た解析モデル図である。
【図11A】前記実施例における比較例2(No.2)の正面から見た解析モデル図である。
【図11B】前記実施例における比較例2(No.2)の断面から見た解析モデル図である。
【図12A】前記実施例における比較例3(No.3)の正面から見た解析モデル図である。
【図12B】前記実施例における比較例3(No.3)の断面から見た解析モデル図である。
【図13A】前記実施例における比較例4(No.4)の正面から見た解析モデル図である。
【図13B】前記実施例における比較例4(No.4)の断面から見た解析モデル図である。
【図14A】前記実施例における実施例1(No.5)の正面から見た解析モデル図である。
【図14B】前記実施例における実施例1(No.5)の断面から見た解析モデル図である。
【図15A】前記実施例における実施例2(No.6)の正面から見た解析モデル図である。
【図15B】前記実施例における実施例2(No.6)の断面から見た解析モデル図である。
【図16A】前記実施例における実施例3(No.7)の正面から見た解析モデル図である。
【図16B】前記実施例における実施例3(No.7)の断面から見た解析モデル図である。
【図17A】前記実施例における実施例4(No.8)の正面から見た解析モデル図である。
【図17B】前記実施例における実施例4(No.8)の断面から見た解析モデル図である。
【図18A】前記実施例における実施例5(No.9)の正面から見た解析モデル図である。
【図18B】前記実施例における実施例5(No.9)の断面から見た解析モデル図である。
【図19】前記実施例の曲げモデルにおける剛性比を示すグラフである。
【図20】前記実施例の捻りモデルにおける剛性比を示すグラフである。
【図21A】本発明の変形例に係るパネルを示す斜視図である。
【図21B】本発明の変形例に係るパネルを示す断面図である。
【図22A】同変形例に係るパネルのバリエーションを示す斜視図である。
【図22B】同変形例に係るパネルのバリエーションを示す斜視図である。
【図22C】同変形例に係るパネルのバリエーションを示す斜視図である。
【図22D】同変形例に係るパネルのバリエーションを示す斜視図である。
【図23A】他の変形例に係るパネルを示す斜視図である。
【図23B】他の変形例に係るパネルを示す拡大斜視図である。
【図24A】他の変形例において凸部および凹部の傾斜面部の傾斜角度を変化させた場合の剛性比(曲げ)を示すグラフである。
【図24B】他の変形例において凸部および凹部の傾斜面部の傾斜角度を変化させた場合の剛性比(捻り)を示すグラフである。
【図25A】他の変形例において凸部および凹部の頂面間距離を変化させた場合の剛性比(曲げ)を示すグラフである。
【図25B】他の変形例において凸部および凹部の頂面間距離を変化させた場合の剛性比(捻り)を示すグラフである。
【図26A】他の変形例において頂部平坦部の対角辺長さを変化させた場合の剛性比(曲げ)を示すグラフである。
【図26B】他の変形例において頂部平坦部の対角辺長さを変化させた場合の剛性比(捻り)を示すグラフである。
【図27A】他の変形例においてパネルサイズに対する凸部および凹部のサイズを変化させた場合の剛性比(曲げ)を示すグラフである。
【図27B】他の変形例においてパネルサイズに対する凸部および凹部のサイズを変化させた場合の剛性比(捻り)を示すグラフである。
【図28】頂部平坦部の対角辺長さを変化させた場合の剛性比(曲げ)を示すグラフである。
【図29】頂部平坦部の対角辺長さを変化させた場合の剛性比(捻り)を示すグラフである。
【図30】頂部平坦部の対角辺長さを変化させた場合の剛性比(曲げ)を示すグラフである。
【図31】頂部平坦部の対角辺長さを変化させた場合の剛性比(捻り)を示すグラフである。
【図32】凸部と凹部とをつなぐ円弧部を示す斜視図である。
【図33】円弧部の大きさを変化させた場合の剛性比(曲げ)を示すグラフである。
【図34】円弧部の大きさを変化させた場合の剛性比(捻り)を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図6Eにおいて、本実施形態のパネル1(1A〜1E)は、家電製品の筐体や、貨物用コンテナの壁体、建築用の構造体や内外装材、自動車や鉄道車両、航空機、船舶等の車体やシャーシ、各部部品、その他、容器としての缶などに利用され、平面や曲面などの所定の基準面Fに沿った全体板状に形成されている。このパネル1は、鋼、ステンレス、アルミ合金等の金属製薄板からプレス加工によって形成されてもよいし、熱可塑性樹脂から射出成形によって形成されてもよい。そして、パネル1は、基準面Fに沿った平面部2と、この平面部2の外縁から略直角に折れ曲がった折曲部(枠部)3とを有して形成されている。ここで、パネル1は折曲部3を備えているが、必ずしも備える必要はない。しかしながら、折曲部3を備えることにより、パネル1の縁部の局所的な変形を抑制するという効果を得ることが可能である。
【0017】
図1および図6Aに示す第1実施形態のパネル1Aは、基準面Fから突出する複数の凸部4Aと、基準面Fと面一をなす複数の平坦部5Aとを備えている。
複数の凸部4Aは、一方側(基準面Fに対して垂直方向:図の紙面上方)に突出している。この平坦部5Aは、突出せずに残った平面部2で構成されている。そして、複数の凸部4A及び複数の平坦部5Aが、平面部2に沿って並べて配置されている。
凸部4Aは、正面視した場合(突出方向から見た場合)に、正六角形である上面部41Aと、上面部41Aの各辺から平面部2(基準面F)に向かって延びる傾斜面部(傾斜面)42Aとを有した正六角錐台で構成されている。
平坦部5Aは、3つの凸部4Aの傾斜面部42Aの下端縁によって正三角形状に形成されている。すなわち、この凸部4Aそれぞれの全周囲は平坦部5Aによって囲まれ、かつ、平坦部5Aそれぞれの全周囲は凸部4Aによって囲まれている。具体的には、平坦部5Aの全周囲である三辺が3つの凸部4Aに囲まれており、凸部4Aの全周囲である六辺が6つの平坦部5Aに囲まれている。したがって、隣り合う平坦部5A同士が互いに連続しないように、かつ、隣り合う凸部4A同士が互いに連続しないように、凸部4A及び平坦部5Aが配置されている。
【0018】
以上の構成により、本実施形態のパネル1Aは、凸部4Aと平坦部5Aとが、平面的に連続して形成されていない構成である。これにより、パネル1Aの板の厚み方向の立体効果が得られ、パネル1Aの曲げ剛性やねじり剛性を向上させることができる。したがって、格段に高剛性化を図ることができるとともに、薄型化による軽量化を実現することができる。
【0019】
図2および図6Bに示す第2実施形態のパネル1Bは、基準面Fから突出する複数の凸部4Bと、基準面Fから凹む凹部6Bとを備えている。
複数の凸部4Bは、一方側(基準面Fに対して垂直方向;図の紙面上方)に突出し、複数の凹部6Bは、一方側とは反対の他方側(図の下方)に凹んでいる。そして、複数の凸部4B及び複数の凹部6Bが、平面部2に沿って並べて配置されている。
凸部4Bは、正面視した場合(突出方向から見た場合)に、正六角形である上面部41Bと、側面である傾斜面部42Bとを有した正六角錐台で構成されている。この傾斜面部42Bは、凸部4Bの周縁部分に形成され、上面部41Bの各辺から平面部2(基準面F)に向かって延び、平面部2に対して傾斜した凸部側傾斜面である。
凹部6Bは、正面視した場合に、正三角形の底面部61Bと、側面である傾斜面部62Bとを有した下向きの正三角錐台で構成されている。傾斜面部62Bは、凹部6Bの周縁部分に形成され、底面部61Bの各辺から平面部2(基準面F)に向かって延び、平面部2に対して傾斜した凹部側傾斜面である。そして、各々の凸部4Bの全周囲は、6つの凹部6Bによって囲まれている。一方、各々の凹部6Bの全周囲は、3つの凸部4Bによって囲まれている。
上述した構成により、隣り合う凸部4B同士が互いに連続しないように、かつ、隣り合う凹部6B同士が互いに連続しないように配置されている。また、凸部4Bの傾斜面部42Bの基準面Fに対する傾斜角度α1と、凹部6Bの傾斜面部62Bの基準面Fに対する傾斜角度α2とが同一である。
さらに、傾斜面部42Bと傾斜面部62Bとを基準面Fに垂直な断面で見た場合に、これら傾斜面部42Bと傾斜面部62Bとが直線的に連続して繋がっている。すなわち、同一平面内で連続して形成されている。
【0020】
以上の構成により、本実施形態のパネル1Bは、パネル1Aと同様に、格段に高剛性化を図ることができるとともに、薄型化による軽量化を実現することができる。
【0021】
図3および図6Cに示す第3実施形態のパネル1Cは、基準面Fから突出する複数の凸部4Cと、平面部2と同一面をなす複数の平坦部5Cとを備えている。
複数の凸部4Cは、四角形状であり、一方側(基準面Fに対して垂直方向:図の紙面上方)に突出している。この平坦部5Cは、突出せずに残った平面部2で構成されている。そして、複数の凸部4C及び複数の平坦部5Cが、平面部2に沿って並べて配置されている。
凸部4Cは、正面視した場合(突出方向からみた場合)に、正方形(四角形)である上面部41Cと、上面部41Cの各辺から平面部2(基準面F)に向かって延びる傾斜面部(傾斜面)42Cとを有した正四角錐台で構成されている。各々の平坦部5Cの全周囲は、複数の凸部4Cによって囲まれている。具体的には、平坦部5Cは、4つ(パネル1の縁では3つ)の凸部4Cの傾斜面部42Cの下端縁によって正方形状に形成され、すなわち平坦部5Cそれぞれの全周囲である四辺が4つの凸部4Cに囲まれている。また、凸部4Cそれぞれの全周囲は平坦部5Cによって囲まれている。
このような構成により、隣り合う平坦部5C同士が互いに連続しないように、かつ、隣り合う凸部4Cが互いに連続しないように、凸部4C及び平坦部5Cが配置されている。
また、幅方向(X方向)及びこの幅方向に直交する長さ方向(Y方向)に沿って、複数の凸部4Cと複数の平坦部5Cとが、基準面Fに沿って交互に並べて配置されている。すなわち、市松模様(チェッカー状)に形成されている。
【0022】
以上の構成により、本実施形態のパネル1Cは、パネル1Aと同様に、格段に高剛性化を図ることができるとともに、薄型化による軽量化を実現することができる。
【0023】
図4および図6Dに示す第4実施形態のパネル1Dは、基準面Fから突出する複数の凸部4Dと、基準面Fから凹む複数の凹部6Dとを備えている。
複数の凸部4Dは、一方側(基準面Fに対して垂直方向;図の紙面上方)に突出し、
複数の凹部6Dは、一方側とは反対の他方側(図の下方)に凹んでいる。そして、複数の凸部4D及び複数の凹部6Dが、平面部2に沿って並べて配置されている。
凸部4Dは、正面視した場合(突出方向から見た場合)に、正方形(四角形)である上面部41Dと、側面である傾斜面部42Dとを有した正四角錐台で構成されている。傾斜面部42Dは、凸部の周縁部分に形成され、上面部41Dの各辺から平面部2(基準面F)に向かって延び、平面部2に対して傾斜した凸部側傾斜面である。そして、各々の凸部4D全周囲は、4つの凹部6Dによって囲まれている。一方、各々の凹部6Dの全周囲は、4つの凸部4Bによって囲まれている。
凹部6Dは、正面視した場合(突出方向から見た場合)に、正方形(四角形)である底面部61Dと、側面である傾斜面部62Dとを有した下向きの正四角錐台で構成されている。傾斜面部62Dは、凹部6Dの周縁部分に形成され、底面部61Dの各辺から平面部2(基準面F)に向かって延び、平面部2に対して傾斜した凹部側傾斜面である。そして、各々の凸部4Dの全周囲は、4つの凹部6Dにより囲まれ、一方、各々の凹部6Dの全周囲は、4つの凸部4Dにより囲まれている。
上述した構成により、幅方向(X方向)及びこの幅方向に直交する長さ方向(Y方向)に沿って、複数の凸部4D及び複数の凹部6Dが、それぞれ交互に並べて配置されている。すなわち、市松模様(チェッカー状)に形成されている。
これにより、隣り合う凸部4D同士が互いに連続しないように、かつ、隣り合う凹部6D同士が互いに連続しないように構成されている。また、凸部4Dの傾斜面部42Dの基準面Fに対する傾斜角度α3と、凹部6Dの傾斜面部62Dの基準面Fに対する傾斜角度α4とが同一である。さらに、傾斜面部42Dと傾斜面部62Dとを基準面Fに垂直な断面で見た場合に、これら傾斜面部42Dと傾斜面部62Dとが直線的に連続して繋がっている。すなわち、同一平面内で連続して形成されている。
【0024】
以上の構成により、本実施形態のパネル1Dは、パネル1Aと同様に、格段に高剛性化を図ることができるとともに、薄型化による軽量化を実現することができる。
【0025】
図5および図6Eに示す第5実施形態のパネル1Eは、基準面Fから突出する複数の凸部4Eと、基準面Fから凹む複数の凹部6Eとを備えている。
複数の凸部4Eは、一方側(基準面Fに対して垂直方向;図の紙面上方)に突出し、
複数の凹部6Eは、一方側とは反対の他方側(図の下方)に凹んでいる。そして、複数の凸部4E及び複数の凹部6Eが、平面部2に沿って並べて配置されている。
また、互いに隣接する凸部4Eの各角部間(凹部6Eの各角部間)に、ブリッジ51Eが形成されている。ブリッジ51Eは、平坦である頂部平坦部(頂部上面)5Eを有しており、この頂部平坦部5Eは、突出せずかつ凹まずに残った平面部2で構成されている。
凸部4Eは、正面視した場合(突出方向から見た場合)に、正方形(四角形)である四隅が面取りされた上面部41Eと、側面である傾斜面部42Eと、上面部41Eの四隅から平面部2(基準面F)に向かって延びる隅部傾斜面43Eとを有した八角錐台で構成されている。この傾斜面部42Eは、凸部4Eの周辺部分に形成され、上面部41Eの各辺から平面部2(基準面F)に向かって延び、平面部2に対して傾斜した凸部側傾斜面である。
凹部6Eは、正面視した場合(突出方向から見た場合)に、正方形の四隅が面取りされた底面部61Eと、側面である傾斜面部62Eと、底面部61Eの四隅から平面部2(基準面F)に延びる隅部傾斜面63Eとを有した下向きの八角錐台で構成されている。傾斜面部62Eは、凹部6Eの周縁部分に形成され、底面部61Eの各辺から平面部2(基準面F)に向かって延び、平面部2に対して傾斜した凹部側傾斜面である。
頂部平坦部5Eは、対角に位置する2つの凸部4Eと2つの凹部6Eとが接近する角部に、隅部傾斜面43Eの下端縁と隅部傾斜面63Eの上端縁とによって正方形状に形成されている。
【0026】
そして、第5実施形態のパネル1Eにおいて、各々の凸部4Eの全周囲は、4つの凹部6Eによって囲まれ、各々の凹部6Eの全周囲は、4つの凸部4Eによって囲まれて構成されている。この構成により、幅方向(X方向)及びこの幅方向に直交する長さ方向(Y方向)に沿って、複数の凸部4E及び複数の凹部6Eが、それぞれ交互に並べて配置されている。すなわち、市松模様(チェッカー状)に形成されている。
これにより、パネル1Eは、隣り合う凸部4E同士が互いに連続しないように、かつ、隣り合う凹部6E同士が互いに連続しないように構成されている。さらに、頂部平坦部5Eの全周囲である四辺が、2つの凸部4Eおよび2つの凹部6Eによって囲まれており、隣り合う頂部平坦部5E(ブリッジ51E)同士が互いに連続しない構成である。また、凸部4Eの傾斜面部42Eの基準面Fに対する傾斜角度α5と、凹部6Eの傾斜面部62Eの基準面Fに対する傾斜角度α6とが同一である。さらに、傾斜面部42Eと傾斜面部62Eとが同一平面内で連続して形成されている。
【0027】
以上の構成により、本実施形態のパネル1Eは、パネル1Aと同様に、格段に高剛性化を図ることができるとともに、薄型化による軽量化を実現することができる。
また、図1〜図4のパネル1A〜1Dに、パネル1Eと同様のブリッジ51Eを備えても良い。
【0028】
ここで、本発明の従来例に係るパネル10(10A,10B,10C,10D)を図7A、図7B、図7Cおよび図8に基づいて説明する。
図7Aにおいて、パネル10Aは、平板状の平面部12と、この平面部12の外縁から略直角に折れ曲がった折曲部13とを有して形成されている。
図7Bにおいて、パネル10Bは、平面部12および折曲部13と、平面部12から一方側(図の紙面上方)に突出する複数の凸部14と、平面部12において凸部14が形成されていない平坦部15とを有して形成されている。
図7Cにおいて、パネル10Cは、平面部12、折曲部13、複数の凸部14および平坦部15と、平面部12から他方側(図の下方)に凹む複数の凹部16とを有して形成されている。
図8において、パネル10Dは、平面部12および折曲部13と、平面部12から一方側(図の紙面上方)に突出する複数の凸部14Dとを有して形成され、凸部14Dは、平面正方形状の四角錐とされ、隣り合う凸部14Dの辺同士が接して並べて配置されている。
【実施例】
【0029】
以下、本実施形態のパネル1と従来のパネル10とについて、パネル剛性を検討した結果について説明する。
ここでは、前記実施形態のパネル1A〜1Eを実施例とし、従来のパネル10A〜10Dを比較例とし、各パネルをモデル化したFEM解析を実施してパネル剛性を算出した。なお、FEM解析モデルとしては、図9Aに示すように、各パネル1,10の4つの角および四辺の中央を支持してパネル中央に荷重を与える曲げモデルと、図9Bに示すように、各パネル1,10の3つの角を支持して他の角に荷重を与える捻りモデルとを用いた。また、各モデルのパネル1,10において、折曲部3,13の高さは15mmとし、その端縁23同士は連結されていない構成とした。また、各モデルの凹凸の配置及び寸法を図10A〜図18Bに示す。なお、モデル寸法はパネル1,10の板厚中心寸法で表記している。また、解析結果を図19及び図20に示す。
【0030】
〔解析モデル〕
実施例および比較例に共通する解析モデルの諸元および解析条件は、以下の通りである。
・パネルサイズ:285mm×285mm
・パネル板厚:0.6mm(パネル材質は鋼を想定)
・荷重位置:曲げモデルでは、パネル中央の20mm×20mmの範囲とし、捻りモデルでは、支持しない1つの角の1点である(図9中に白抜き矢印で表示)。
・作用荷重:10N
【0031】
〔比較例〕
比較例1は、図7Aに示すパネル10Aを用い、解析モデルの形状を図10に示す。また、解析結果のグラフ(図19,図20)では、No.1と表記する。
比較例2は、図7Bに示すパネル10Bを用い、解析モデルの凹凸の配置及び寸法を図11A,11Bに示す。また、解析結果のグラフ(図19,図20)では、No.2と表記する。この比較例2では、隣り合う凸部14の中心間隔が34.64mmであり、中心点が正三角形の頂点となるように配置する。各凸部14の円錐台頂面の直径が24mmであり、円錐台底面の直径が30mmであり、平面部12からの凸部14の突出寸法が3mmであり、凸部14の円錐台状の傾斜角度が45°である。
比較例3は、図7Cに示すパネル10Cを用い、解析モデルの凹凸の配置及び寸法を図12A,12Bに示す。また、解析結果のグラフ(図19,図20)では、No.3と表記する。この比較例3では、隣り合う凸部14および凹部16の中心間隔が34.64mmであり、中心点が正三角形の頂点となるように配置する。各凸部14および凹部16の円錐台頂面の直径が27mmであり、円錐台底面の直径が30mmであり、平面部12からの凸部14の突出寸法および凹部16の凹み寸法がそれぞれ1.5mmである。また、凸部14と凹部16の円錐台頂面の距離が3mmであり、凸部14および凹部16の円錐台状の傾斜角度が45°である。
比較例4は、図8に示すパネル10Dを用い、解析モデルの凹凸の配置及び寸法を図13A,13Bに示す。また、解析結果のグラフ(図19,図20)では、No.4と表記する。この比較例4では、隣り合う凸部14Dの中心間隔が30mmであり、つまり各凸部14Dの平面寸法が30mm×30mmであり、平面部12からの凸部14Dの突出寸法つまり四角錐の頂点の高さが3mmである。
【0032】
〔実施例〕
実施例1は、図1および図6Aに示すパネル1Aを用い、解析モデルの凹凸の配置及び寸法を図14A,14Bに示す。また、解析結果のグラフ(図19,図20)では、No.5と表記する。この実施例1のパネル1Aでは、隣り合う凸部4Aの中心間隔が34.64mmであり、中心点が正三角形の頂点となるように配置し、各凸部4Aの六角錐台の頂面の対辺の距離が24mmであり、六角錐台底面の対辺の距離が30mmであり、六角錐台の底面に囲まれた平面正三角形が各平坦部5Aである。さらに、平面部2からの凸部4Aの突出寸法が3mmであり、基準面Fに対する凸部4Aの傾斜面部42Aの傾斜角度が45°である。
実施例2は、図2および図6Bに示すパネル1Bを用い、解析モデルの凹凸の配置及び寸法を図15A,15Bに示す。また、解析結果のグラフ(図19,図20)では、No.6と表記する。この実施例2のパネル1Bでは、隣り合う凸部4Bの中心間隔が34.64mmであり、中心点が正三角形の頂点となるように配置し、各凸部4Bの六角錐台頂面の対辺の距離が27mmであり、六角錐台底面の対辺の距離が30mmである。また、六角錐台底面に囲まれた領域に各凹部6Bとなる三角錐台を設けた。また、平面部2からの凸部4Bの突出寸法が1.5mmであり、平面部2からの凹部6Bの凹み寸法が1.5mmである。また、凸部4Bの六角錐台頂面と凹部6Bの三角錐台頂面の距離が3mmであり、基準面Fに対する凸部4Aの傾斜面部42Bおよび凹部6Bの傾斜面部62Bの傾斜角度がそれぞれ45°である。
【0033】
実施例3は、図3および図6Cに示すパネル1Cを用い、解析モデルの凹凸の配置及び寸法を図16A,16Bに示す。また、解析結果のグラフ(図19,図20)では、No.7と表記する。この実施例3のパネル1Cでは、隣り合う凸部4Cの中心間隔が30mmであり、つまり平面正方形の各凸部4Cの四角錐台底面の各辺長さが30mmであり、四角錐台の頂面の各辺長さが24mmである。さらに、平面部2からの凸部4Cの突出寸法が3mmであり、基準面Fに対する凸部4Cの傾斜面部42Cの傾斜角度が45°である。
実施例4は、図4および図6Dに示すパネル1Dを用い、解析モデルの凹凸の配置及び寸法を図17A,17Bに示す。また、解析結果のグラフ(図19,図20)では、No.8と表記する。この実施例4のパネル1Dでは、隣り合う凸部4Dの中心間隔が30mmであり、つまり平面正方形の各凸部4Dの四角錐台の底面の各辺長さが30mmであり、四角錐台頂面の各辺長さが27mmであり、凹部6Dの四角錐台底面の各辺長さが30mmであり、四角錐台頂面の各辺長さが27mmである。さらに、平面部2からの凸部4Dの突出寸法が1.5mmであり、平面部2からの凹部6Dの凹み寸法が1.5mmである。また、凸部4Dの四角錐台頂面と凹部6Dの四角錐台頂面の距離が3mmであり、基準面Fに対する凸部4Dの傾斜面部42Dおよび凹部6Dの傾斜面部62Dの傾斜角度がそれぞれ45°である。
本実施例4では、凸部4Dと凹部6Dとの平面形状及び平面寸法が同一である。これにより、パネルの突出している側からの外力およびパネルの凹んでいる側からの外力のいずれに対してもバランスよく抵抗させることができる。
さらに、本実施例4では、基準面に対して垂直方向の凸部の突出寸法と凹部の凹み寸法とが同一である。この場合も、パネルの突出している側およびパネルの凹んでいる側のいずれの側からの外力に対してもバランスよく抵抗させることができる。
【0034】
実施例5は、図5および図6Eに示すパネル1Eを用い、解析モデルの凹凸の配置及び寸法を図18に示す。また、解析結果のグラフ(図19,図20)では、No.9と表記する。この実施例5のパネル1Eでは、隣り合う凸部4Eの中心間隔が30mmであり、つまり平面略正方形の各凸部4Eの四角錐台の底面の各辺長さが30mmであり、四角錐台の頂面の各辺長さを27mmとし、凹部6Eの四角錐台の底面の各辺長さが30mmであり、四角錐台の頂面の各辺長さが27mmである。さらに、平面部2からの凸部4Eの突出寸法が1.5mmであり、平面部2からの凹部6Eの凹み寸法が1.5mmである。また、凸部4Eの四角錐台の頂面と凹部6Eの四角錐台の頂面の距離が3mmであり、基準面Fに対する凸部4Eの傾斜面部42Eおよび凹部6Eの傾斜面部62Eの傾斜角度がそれぞれ45°である。また、実施例5のパネル1Eでは、凸部4Eおよび凹部6Eの面取り寸法が1.5mmであり、つまり平面正方形の各頂部平坦部5Eの各対角辺長さが3mmであり、基準面Fに対する隅部傾斜面43Eおよび隅部傾斜面63Eの傾斜角度がそれぞれ45°である。
【0035】
図19、図20にFEM解析結果を示す。図19は、曲げモデルにおける剛性比を示すグラフであり、比較例1のパネル10Aにおけるパネル中央の鉛直変位を、各実施例および比較例のパネル1,10におけるパネル中央の鉛直変位で除した値が示されている。図20は、捻りモデルにおける剛性比を示すグラフであり、比較例1のパネル10Aにおける荷重位置の鉛直変位を、各実施例および比較例のパネル1,10における荷重位置の鉛直変位で除した値が示されている。すなわち、図19、20に、凹凸を有さない比較例1のパネル10Aに対し、実施例1〜5のパネル1A〜1Eおよび比較例2〜4のパネル10B〜10Dの曲げ剛性および捻り剛性が増加した割合を示す。図19、20の縦軸は剛性比である。
【0036】
図19に示すように、比較例1のパネル10A(No.1)に対し、比較例2〜4のパネル10B〜10D(No.2,3,4)の曲げ剛性は、1.9倍〜2.32倍だけ増加し、実施例1〜3のパネル1A〜1C(No.5〜7)の曲げ剛性は、2.35倍〜2.75倍だけ増加している。一方、実施例4、5のパネル1D,1E(No.8,9)の曲げ剛性は、比較例1のパネル10Aに対して3.98倍、3.74倍と、4倍近くまで増加している。このように、本発明の実施形態にかかる実施例1〜3のパネル1A〜1Cでは、従来の凹凸を有したパネル10B,10C(比較例2、3)と同程度以上に曲げ剛性が増加することが分かった。さらに、本発明の実施形態にかかる実施例4、5のパネル1D,1Eでは、従来のパネル10B,10Cと比較して1.6〜1.9倍程度まで曲げ剛性が増加することが分かった。
【0037】
図20に示すように、比較例1のパネル10A(No.1)に対し、比較例2〜4のパネル10B〜10D(No.2,3,4)の捻り剛性は、1.18倍〜1.58倍だけ増加し、実施例1〜3のパネル1A〜1C(No.5〜7)の捻り剛性は、1.49倍〜1.56倍だけ増加している。一方、実施例4、5のパネル1D,1E(No.8,9)の捻り剛性は、比較例1のパネル10Aに対して3.26倍、3.34倍と、3倍以上に増加している。このように、本発明の実施形態にかかる実施例1〜3のパネル1A〜1Cでは、従来の凹凸を有したパネル10B,10C(比較例2、3)と同程度に捻り剛性が増加することが分かった。さらに、本発明の実施形態にかかる実施例4、5のパネル1D,1Eでは、従来のパネル10B,10Cと比較して2.1〜2.2倍程度まで捻り剛性が増加することが分かった。
【0038】
以上の実施例によって以下の知見が得られた。
すなわち、平面部12や平坦部15が連続する比較例に比べて、平坦部5A,5C,頂部平坦部5Eが連続せず、かつ凸部4A〜4E同士や凹部6B,6D,6E同士も互いに連続しない実施例1〜5のパネルでは、曲げ剛性および捻り剛性を増加させることができる。特に、凸部4D,4Eと凹部6D,6Eとが市松模様に並べて配置された実施例4,5において、曲げ剛性および捻り剛性の増加率が大きく、格段に高剛性化を図ることができる。
【0039】
前記実施例で示したパネル1の各部寸法は例示に過ぎず、用途に応じて適宜に変更することができる。前記実施例からさらにパネル1の各部寸法を変更した場合の効果について、図21A〜図27B、表1〜10に基づいて説明する。ここで、パネル1の各部寸法は、図21A〜23Bに示す記号として定義する。図21A〜22Dにおける各部寸法は、凸部の四角錐台頂面と凹部の四角錐台頂面の距離H、板厚t、凸部および凹部の四角錐台底面の各辺長さJ、基準面Fに対する凸部および凹部の傾斜面部の傾斜角度θ、凹凸の数m、パネル周囲の平面部を除いたパネルサイズL、パネルサイズL’を表す。また、図23A,23Bにおける各部寸法は、四角錐台底面の各辺長さJ、頂部平坦部の対角辺長さKを表す。
【0040】
実施例4のパネル形状を基本に、表1、2に示すパネルの各部寸法を用いて、傾斜角度θを変化させた場合の曲げ剛性および捻り剛性の各剛性比(比較例1と同様に凹凸のないパネルを比較基準)を図24A,24Bに示す。ここで、表1、2は、それぞれ凸部および凹部の傾斜角度θを変化させた場合の曲げ剛性比(表1)および捻り剛性比(表2)を示す。θ=5.7°〜90°の各形状において、傾斜角度θがいずれであっても、曲げ剛性および捻り剛性の向上が認められる。また、θ=10°〜90°の範囲では曲げ剛性比および捻り剛性比が概ね3倍以上と顕著に剛性が向上しており、さらに、θ=45°〜75°の範囲では、曲げ剛性が3.8倍、捻り剛性が3.3倍以上と大きく剛性が向上している。すなわち、本実施例4のパネルにおいて、傾斜角度θに関わらず、剛性比の高いパネルを提供することができる。
【0041】
実施例4のパネル形状を基本に、表3〜8に示すパネルの各部寸法を用いて、凸部の四角錐台の頂面と凹部の四角錐台の頂面の距離Hを変化させた場合の曲げ剛性および捻り剛性の各剛性比(凹凸のないパネルを比較基準)を図25に示す。ここで、表3〜8は、それぞれ凸部および凹部の凸部および凹部の四角錐台の頂面の距離Hを変化させた場合の曲げ剛性比(表3,5,7)および捻り剛性比(表4,6,8)を示し、表3〜4は板厚t=0.3mm、表5〜6は板厚t=0.6mm、表7〜8は板厚t=1.0mmとしている。多少の増減はあるものの、いずれの板厚においてもH/L≧0.005の範囲で曲げ剛性および捻り剛性とも概ね2倍、H/L≧0.01の範囲では曲げ剛性および捻り剛性とも概ね3倍に向上している。なお、板厚tと距離Hの関係については、何れの板厚tと距離Hの関係においても剛性の向上が見られる。ここでは、概ねH≧t以上、すなわちH/t≧1.0の範囲において、特に剛性が向上する傾向が見られる。
【0042】
実施例5のパネル形状を基本に、表9、10に示すパネルの各部寸法を用いて、頂部平坦部の対角辺長さKを変化させた場合の曲げ剛性および捻り剛性の各剛性比(凹凸のないパネルを比較基準)を図26A,26Bに示す。ここで、表9、10は、それぞれ頂部平坦部の対角辺長さKを変化させた場合の曲げ剛性比(表9)および捻り剛性比(表10)を示す。K/J=0〜0.9の範囲において、曲げ剛性および捻り剛性の向上が認められ、特に、K/J=0〜0.6の範囲では剛性比が概ね3倍以上に顕著に剛性が向上している。
【0043】
実施例4のパネル形状を基本に、表11、12に示すパネルの各部寸法を用いて、パネルサイズLに対する凸部および凹部の四角錐台の底面の各辺長さJの比(凹凸の数mの逆数に相当)を変化させた場合の曲げ剛性および捻り剛性の各剛性比(凹凸のないパネルを比較基準)を図27A,27Bに示す。ここで、表11は、曲げ剛性比を示し、表12は、捻り剛性比を示す。なお、剛性比は、各モデルのパネルサイズが異なるため、パネルサイズL=270mm(L’=285mm)のモデルに作用荷重10Nを負荷した時の曲げ変形によるたわみ角および捻り変形による捻り角と、同等のたわみ角および捻り角となる変形域の剛性に基づき比較している。
J/L≦0.5の範囲において、曲げ剛性および捻り剛性の向上が認められる。ここでは、J/L=0.5、すなわち凸部が2つ、凹部が2つからなる最小数の凹凸の組合せからなる市松状においても剛性に向上が見られる。すなわち、凸部または凹部の配置の特殊形態として、凸部と凹部とが相互に4辺を囲む構成以外にも、凸部または凹部の周囲辺のうち2辺は、四角錐台の頂面と面が異なる平坦部で囲まれていてもよい。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】
【表7】
【0051】
【表8】
【0052】
【表9】
【0053】
【表10】
【0054】
【表11】
【0055】
【表12】
【0056】
以上のように、本実施形態のパネル1では、H/L≧0.005、H/t≧1.0、θ=5.7°〜90°、K/J=0〜0.9、J/L≦0.5であれば、より好適なパネルを構成することができる。
【0057】
実施例5のパネル形状を基本に、図23Bに示す頂部平坦部5Eの対角辺長さK及び傾斜面部42E(62E)の傾斜角度θを変化させた場合の曲げ剛性および捻り剛性の各剛性比(凹凸のないパネルを比較基準)を図28、29、30、31に示す。頂部平坦部5Eの対角辺長さKの値は、それぞれK=0,3,6,15,21,24,27である。また、傾斜面部42E(62E)の傾斜角度θは、表13〜40に示す値としている。
図28(H=3、曲げ)及び図29(H=3、捻り)は、図18に示す凸部の頂面と凹部の頂面の距離Hが3.0mmの場合の剛性比(曲げ)の表13(K=0)〜表19(K=27)及び剛性比(捻り)の表20(K=0)〜表26(K=27)のグラフである。また、図30(H=6、曲げ)及び図31(H=6、捻り)は、突出寸法(距離)Hが6.0mmの場合の剛性比(曲げ)の表27(K=0)〜表33(K=27)及び剛性比(捻り)の表34(K=0)〜表40(K=27)のグラフである。頂部平坦部5Eの面積S3と傾斜部(傾斜面部42E(62E)と隅部傾斜面43Eの和)の面積S4の総和を、上面部41Eの面積S1と底面部61Eの面積S2の総和で除算した値を横軸とし、縦軸を曲げ剛性および捻り剛性の各剛性比としたグラフを図28〜図31に示す。ここで、上面部41Eの面積S1、底面部61Eの面積S2、頂部平坦部5Eの面積S3は表面積であり、傾斜部(傾斜面部42E(62E)と隅部傾斜面43Eの和)の面積S4は、傾斜面部42E(62E)と隅部傾斜面43Eを上面から投影したときの基準面Fに投影される投影面積である。
【0058】
【表13】
【0059】
【表14】
【0060】
【表15】
【0061】
【表16】
【0062】
【表17】
【0063】
【表18】
【0064】
【表19】
【0065】
【表20】
【0066】
【表21】
【0067】
【表22】
【0068】
【表23】
【0069】
【表24】
【0070】
【表25】
【0071】
【表26】
【0072】
【表27】
【0073】
【表28】
【0074】
【表29】
【0075】
【表30】
【0076】
【表31】
【0077】
【表32】
【0078】
【表33】
【0079】
【表34】
【0080】
【表35】
【0081】
【表36】
【0082】
【表37】
【0083】
【表38】
【0084】
【表39】
【0085】
【表40】
【0086】
図28〜図31から分かるように、頂部平坦部5Eの対角辺長さK及び傾斜面部42E(62E)の傾斜角度θの値により剛性比が変化する。設計上で最適な対角辺長さKや傾斜角度θの値を求めることができるが、パネルに利用する素材の特性、また、凸部や凹部を設けたパネルを成形する際の二次加工性の確保のため、好適なKやθの値は変わる。このように対角辺長さKや傾斜角度θの値が変化した場合でも、(頂部平坦部面積+傾斜部面積)/(上面部面積+底面部面積)の値が1.0以下では、変曲点を含む剛性比の最大値を確保することができる。したがって、パネルの素材特性や要求される二次加工性が変化しても、優れたパネル剛性を確保することができる。
また、実施例5のパネル形状を基本としたが、実施例1〜4のパネルを用いても同様の効果を得ることができる。
【0087】
実施例4のパネル形状を基本に、表41、表42に示すパネルの各部寸法を用いて、図32に示すように凹部と凸部とをつなぐ傾斜面部の交差に円弧部(半径R=r×t)を設け、板厚tに対する円弧部の半径Rの比rを変化させた場合の曲げ剛性および捻り剛性の各剛性比(比較例1と同様に凹凸のないパネルを比較基準)を図33、図34に示す。
【0088】
【表41】
【0089】
【表42】
図33及び図34から分かるように、rの値を0から22まで変化させても、曲げ剛性、捻り剛性が向上しており、パネルに利用する素材の材質に応じて交差部のrを適宜設定しても、剛性が向上する効果が得られることが分かる。すなわち、平坦部を設ける代わりに円弧部を設けることにより、平坦部を設けた場合と同様の効果を得ることができる。また、円弧部の形成は加工が容易であるという利点も有している。
【0090】
なお、本発明は、前記実施形態のみに限定される構成ではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、パネル1の基準面Fが平面である場合を説明したが、基準面Fは平面のみに限らず、円筒面状や球面状、緩やかな湾曲状、その他任意の三次元曲面状であってもよい。さらに、パネル1の形状としても、矩形状のみに限らず、任意の形状を有したパネルが利用可能である。また、凸部や凹部、平坦部の平面形状としても、前記実施形態のみに限定されなく、任意の形状とすることができる。凸部と凹部は必ずしも基準面から一方側への突出と他方側への凹みにより形成されなくてもよく、一方側への突出のみ、または他方側への凹みのみにより、結果として目的とする凹凸の配置及び寸法を有するパネルを得ることができる。
また、凸部および凹部の四角錐台の頂面の距離Hは、必ずしも板厚より大きくなくてもよく、板厚tよりHが小さいパネルとすることもできる。
また、凹凸を形成するための板の折り曲げ半径は、パネルに利用する素材の材質に応じて適宜設定することができる。
【0091】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これらのみに限定されない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができる。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したパネルであり、本発明はこれらのみに限定されない。したがって、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明によれば、簡単な構造で、高剛性化および軽量化を確実に実現することができるパネルを提供することができる。
【符号の説明】
【0093】
1,1A,1B,1C,1D,1E…パネル
4A,4B,4C,4D,4E…凸部
5A,5C…平坦部
5E…頂部平坦部(頂部上面)
6,6B,6D,6E…凹部
42A,42B,42C,42D,42E…傾斜面部(凸部側傾斜面)
51E…ブリッジ
62B,62D,62E…傾斜面部(凹部側傾斜面)
F…基準面
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネルに関し、詳しくは、全体板状に形成されるとともに少なくとも一方の面側に突出する複数の凸部を有したパネルに関する。
本願は、2010年01月13日に、日本に出願された特願2010−004858号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄道車両や自動車、航空機、船舶などの輸送機械あるいは建築構造物などに用いられる内装パネルとして、凹凸が千鳥状に設けられた軽量型高剛性パネルが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載のパネルは、平板状パネルの縦及び横の二方向に凹凸が並んで形成されるとともに、凹凸以外の平坦部が直線的に形成されていない形状となっている。また、自動車の触媒コンバータやマフラーなどの断熱に利用されるヒートインシュレータにおいても、パネル面内の二方向に凸部が並べて配置された構成が提案されている(例えば、特許文献2参照)。これらのパネルでは、パネル面内の二方向に並べて配置された凹凸または凸部が形成されることで、凹凸が形成されていない平板や一方向のみに凹凸が形成された波板などと比較して、同じ板厚でも剛性が高くなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】日本国特許第2960402号公報
【特許文献2】日本国特開2008−180125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のパネルでは、平坦部が直線的に形成されないように凹凸が千鳥状に設けられているが、これらの凹凸を囲んで平坦部が連続して形成されている。これにより、この連続した平坦部がパネル全体の曲げ剛性やねじり剛性に影響し、パネルの高剛性化および軽量化を十分に図ることができないという問題がある。
【0005】
本発明は、簡単な構造で、高剛性化および軽量化を確実に実現することができるパネルの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決して係る目的を達成するために以下の手段を採用した。
すなわち、
(1)本発明の一態様に係るパネルは、所定の基準面から突出する複数の凸部と、前記基準面と面一をなす複数の平坦部と、前記基準面から凹む複数の凹部とのうち、前記凸部と、前記平坦部または前記凹部とを備え;前記平坦部を備える場合には、前記凸部各々の全周囲が前記平坦部によって囲まれ、かつ、前記平坦部各々の全周囲が前記凸部によって囲まれる一方、前記凹部を備える場合には、前記凸部各々の全周囲が前記凹部によって囲まれ、かつ、前記凹部各々の全周囲が前記凸部によって囲まれ、さらに、前記凸部の周縁部分に凸部側傾斜面が形成されるとともに、前記凹部の周縁部分に凹部側傾斜面が形成され;さらに、前記凹部を備える場合に、隣り合う前記凸部同士が互いに連続しないように配置されるか、隣り合う前記凸部の各角部間に前記凸部の前記角部間を接続するブリッジが形成され、該ブリッジが平坦な頂部平坦部を有しており、前記凸部の平坦な上面部の面積S1、前記凹部の平坦な底面部の面積S2、前記頂部平坦部の面積S3(ただし、ブリッジを有しない場合はS3=0である。)、及び、前記凸部の側面である前記凸部側傾斜面と、前記凹部の側面である前記凹部側傾斜面と、前記凸部及び前記凹部それぞれの四隅から前記基準面に向かって延びる隅部傾斜面とからなる傾斜部の面積S4の関係が、(S3+S4)/(S1+S2)≦1.0を満たす。
(2)上記(1)に記載のパネルは、正面視した場合に、前記複数の凸部と、前記複数の平坦部または前記複数の凹部とが、幅方向及びこの幅方向に直交する長さ方向に沿って交互に配置されていることが好ましい。
(3)上記(1)に記載のパネルは、正面視した場合に、前記各凸部が六角形状を有し、前記各平坦部が三角形状を有することが好ましい。
(4)上記(1)に記載のパネルは、正面視した場合に、前記各凸部が六角形状を有し、前記各凹部が三角形状を有することが好ましい。
(5)上記(1)に記載のパネルは、正面視した場合に、前記複数の凸部及び前記複数の平坦部の両方が四角形状を有することが好ましい。
(6)上記(1)に記載のパネルは、正面視した場合に、前記複数の凸部及び前記複数の凹部の両方が四角形状を有することが好ましい。
(7)上記(1)に記載のパネルは、前記凸部側傾斜面及び前記凹部側傾斜面を前記基準面に垂直な断面で見た場合に、これら凸部側傾斜面及び凹部側傾斜面が直線的に連続して繋がっており;前記凸部側傾斜面の傾斜角度と前記凹部側傾斜面の傾斜角度とが同一である;ことが好ましい。
(8)上記(1)に記載のパネルは、前記凸部及び前記凹部を備える場合、前記複数の凸部と前記複数の凹部との平面形状及び平面寸法が同一であることが好ましい。
(9)上記(1)に記載のパネルは、前記凸部及び前記凹部を備える場合、前記基準面に対して垂直方向の前記凸部の突出寸法と前記凹部の凹み寸法とが同一であることが好ましい。
(10)上記(1)に記載のパネルは、前記凸部と、前記平坦部又は前記凹部との全てを含む面材の縁に沿って枠部を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
上記(1)に記載のパネルによれば、凸部と、平坦部、あるいは、凹部とが、平面的に連続して形成されていない構成である。これにより、パネルの板の厚み方向の立体効果が得られ、パネルの曲げ剛性やねじり剛性を向上させることができる。したがって、格段に高剛性化を図ることができるとともに、薄型化による軽量化を実現することができる。
【0008】
さらに、上記(1)に記載のパネルによれば、平坦部を備える場合には、平坦部の全周囲が複数の凸部に囲まれているので、平坦部が連続的に形成されず、かつ複数の凸部も互いに連続的に形成されていない。さらに、凹部を備える場合には、凹部の全周囲が複数の凸部に囲まれているので、凹部が連続的に形成されず、かつ複数の凸部も互いに連続的に形成されていない。この結果、パネル全体としての曲げや捻れに対して凸部と平坦部あるいは凹部とが幾何学的に作用し、立体効果によって断面性能が高まる。これにより、曲げ剛性やねじり剛性を向上させることができる。従って、平板や波板に対して従来のパネルと比較しても格段に剛性を高めることができ、これによりパネル全体の薄型化を図り、かつ軽量化も実現することができる。
所定の基準面としては、平面でもよいし、円筒面状や球面状、その他、任意の三次元曲面状であってもよい。また、パネルは所定の板厚を有した平板からプレス加工や曲げ加工などの適宜な加工によって成形されてもよいし、凸部や平坦部を含めて一体成形によって製造されてもよい。
また、上記(1)に記載のパネルによれば、隣接する凸部の角部間にブリッジが形成されているため、パネルに力が加えられたとき、このブリッジを介して力が伝達される。これにより、隣り合う凸部同士が直接接続される場合と比較して、応力集中を緩和することができる。
【0009】
上記(2)に記載のパネルによれば、パネルに力が加えられたとき、凸部と、平坦部あるいは凹部とが、それぞれ交互に並べて配置されているので、直交した二方向(幅方向及び長さ方向)に力を分散させることができる。これにより、パネルに作用する曲げや捻りに対してパネル全体で抵抗して剛性をさらに高めることができる。
【0010】
上記(3)、上記(4)に記載のパネルによれば、六角形の対辺および対角の方向にバランス良くパネル剛性を高めることができる。
上記(5)、上記(6)に記載のパネルによれば、四角形の対辺および対角の方向にバランス良くパネル剛性を高めることができる。
【0011】
上記(7)に記載のパネルによれば、凸部側傾斜面および凹部側傾斜面の傾斜角度が同一であり、凸部側傾斜面および凹部側傾斜面が連続して形成されているので、この連続した傾斜面がリブ(補強材)として機能する。これにより、パネルの断面性能をさらに高めることができる。
【0012】
上記(8)に記載のパネルによれば、凸部と凹部との平面形状及び平面寸法が同一であるため、パネル断面の中間(基準面の近傍)に中立軸が位置する。これにより、パネルの突出している側からの外力およびパネルの凹んでいる側からの外力のいずれに対してもバランスよく抵抗させることができる。
【0013】
上記(9)に記載のパネルによれば、パネル断面の中間である基準面の近傍に中立軸が位置する。これにより、パネルの突出している側およびパネルの凹んでいる側のいずれの側からの外力に対してもバランスよく抵抗させることができる。さらに、パネルをプレス加工などで成形する場合に、凸部と凹部との絞り寸法を合わせることで、塑性変形に伴う板厚の変化や残留応力などの不均衡を避けることができる。したがって、パネルの強度や変形性能を安定させることができる。
【0014】
上記(10)に記載のパネルによれば、枠部を備えることにより、パネルの縁部の局所的な変形を抑制し、パネル剛性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるパネルを示す斜視図である。
【図2】本発明の第2実施形態にかかるパネルを示す斜視図である。
【図3】本発明の第3実施形態にかかるパネルを示す斜視図である。
【図4】本発明の第4実施形態にかかるパネルを示す斜視図である。
【図5】本発明の第5実施形態にかかるパネルを示す斜視図である。
【図6A】前記第1実施形態にかかるパネルの断面図である。
【図6B】前記第2実施形態にかかるパネルの断面図である。
【図6C】前記第3実施形態にかかるパネルの断面図である。
【図6D】前記第4実施形態にかかるパネルの断面図である。
【図6E】前記第5実施形態にかかるパネルの断面図である。
【図7A】従来のパネルを示す斜視図である。
【図7B】従来のパネルを示す斜視図である。
【図7C】従来のパネルを示す斜視図である。
【図8】従来の他のパネルを示す斜視図である。
【図9A】本発明の実施例に係るFEM解析の方法を示す断面図である。
【図9B】本発明の実施例に係るFEM解析の方法を示す断面図である。
【図10A】前記実施例における比較例1(No.1)の正面から見た解析モデル図である。
【図10B】前記実施例における比較例1(No.1)の断面から見た解析モデル図である。
【図11A】前記実施例における比較例2(No.2)の正面から見た解析モデル図である。
【図11B】前記実施例における比較例2(No.2)の断面から見た解析モデル図である。
【図12A】前記実施例における比較例3(No.3)の正面から見た解析モデル図である。
【図12B】前記実施例における比較例3(No.3)の断面から見た解析モデル図である。
【図13A】前記実施例における比較例4(No.4)の正面から見た解析モデル図である。
【図13B】前記実施例における比較例4(No.4)の断面から見た解析モデル図である。
【図14A】前記実施例における実施例1(No.5)の正面から見た解析モデル図である。
【図14B】前記実施例における実施例1(No.5)の断面から見た解析モデル図である。
【図15A】前記実施例における実施例2(No.6)の正面から見た解析モデル図である。
【図15B】前記実施例における実施例2(No.6)の断面から見た解析モデル図である。
【図16A】前記実施例における実施例3(No.7)の正面から見た解析モデル図である。
【図16B】前記実施例における実施例3(No.7)の断面から見た解析モデル図である。
【図17A】前記実施例における実施例4(No.8)の正面から見た解析モデル図である。
【図17B】前記実施例における実施例4(No.8)の断面から見た解析モデル図である。
【図18A】前記実施例における実施例5(No.9)の正面から見た解析モデル図である。
【図18B】前記実施例における実施例5(No.9)の断面から見た解析モデル図である。
【図19】前記実施例の曲げモデルにおける剛性比を示すグラフである。
【図20】前記実施例の捻りモデルにおける剛性比を示すグラフである。
【図21A】本発明の変形例に係るパネルを示す斜視図である。
【図21B】本発明の変形例に係るパネルを示す断面図である。
【図22A】同変形例に係るパネルのバリエーションを示す斜視図である。
【図22B】同変形例に係るパネルのバリエーションを示す斜視図である。
【図22C】同変形例に係るパネルのバリエーションを示す斜視図である。
【図22D】同変形例に係るパネルのバリエーションを示す斜視図である。
【図23A】他の変形例に係るパネルを示す斜視図である。
【図23B】他の変形例に係るパネルを示す拡大斜視図である。
【図24A】他の変形例において凸部および凹部の傾斜面部の傾斜角度を変化させた場合の剛性比(曲げ)を示すグラフである。
【図24B】他の変形例において凸部および凹部の傾斜面部の傾斜角度を変化させた場合の剛性比(捻り)を示すグラフである。
【図25A】他の変形例において凸部および凹部の頂面間距離を変化させた場合の剛性比(曲げ)を示すグラフである。
【図25B】他の変形例において凸部および凹部の頂面間距離を変化させた場合の剛性比(捻り)を示すグラフである。
【図26A】他の変形例において頂部平坦部の対角辺長さを変化させた場合の剛性比(曲げ)を示すグラフである。
【図26B】他の変形例において頂部平坦部の対角辺長さを変化させた場合の剛性比(捻り)を示すグラフである。
【図27A】他の変形例においてパネルサイズに対する凸部および凹部のサイズを変化させた場合の剛性比(曲げ)を示すグラフである。
【図27B】他の変形例においてパネルサイズに対する凸部および凹部のサイズを変化させた場合の剛性比(捻り)を示すグラフである。
【図28】頂部平坦部の対角辺長さを変化させた場合の剛性比(曲げ)を示すグラフである。
【図29】頂部平坦部の対角辺長さを変化させた場合の剛性比(捻り)を示すグラフである。
【図30】頂部平坦部の対角辺長さを変化させた場合の剛性比(曲げ)を示すグラフである。
【図31】頂部平坦部の対角辺長さを変化させた場合の剛性比(捻り)を示すグラフである。
【図32】凸部と凹部とをつなぐ円弧部を示す斜視図である。
【図33】円弧部の大きさを変化させた場合の剛性比(曲げ)を示すグラフである。
【図34】円弧部の大きさを変化させた場合の剛性比(捻り)を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図6Eにおいて、本実施形態のパネル1(1A〜1E)は、家電製品の筐体や、貨物用コンテナの壁体、建築用の構造体や内外装材、自動車や鉄道車両、航空機、船舶等の車体やシャーシ、各部部品、その他、容器としての缶などに利用され、平面や曲面などの所定の基準面Fに沿った全体板状に形成されている。このパネル1は、鋼、ステンレス、アルミ合金等の金属製薄板からプレス加工によって形成されてもよいし、熱可塑性樹脂から射出成形によって形成されてもよい。そして、パネル1は、基準面Fに沿った平面部2と、この平面部2の外縁から略直角に折れ曲がった折曲部(枠部)3とを有して形成されている。ここで、パネル1は折曲部3を備えているが、必ずしも備える必要はない。しかしながら、折曲部3を備えることにより、パネル1の縁部の局所的な変形を抑制するという効果を得ることが可能である。
【0017】
図1および図6Aに示す第1実施形態のパネル1Aは、基準面Fから突出する複数の凸部4Aと、基準面Fと面一をなす複数の平坦部5Aとを備えている。
複数の凸部4Aは、一方側(基準面Fに対して垂直方向:図の紙面上方)に突出している。この平坦部5Aは、突出せずに残った平面部2で構成されている。そして、複数の凸部4A及び複数の平坦部5Aが、平面部2に沿って並べて配置されている。
凸部4Aは、正面視した場合(突出方向から見た場合)に、正六角形である上面部41Aと、上面部41Aの各辺から平面部2(基準面F)に向かって延びる傾斜面部(傾斜面)42Aとを有した正六角錐台で構成されている。
平坦部5Aは、3つの凸部4Aの傾斜面部42Aの下端縁によって正三角形状に形成されている。すなわち、この凸部4Aそれぞれの全周囲は平坦部5Aによって囲まれ、かつ、平坦部5Aそれぞれの全周囲は凸部4Aによって囲まれている。具体的には、平坦部5Aの全周囲である三辺が3つの凸部4Aに囲まれており、凸部4Aの全周囲である六辺が6つの平坦部5Aに囲まれている。したがって、隣り合う平坦部5A同士が互いに連続しないように、かつ、隣り合う凸部4A同士が互いに連続しないように、凸部4A及び平坦部5Aが配置されている。
【0018】
以上の構成により、本実施形態のパネル1Aは、凸部4Aと平坦部5Aとが、平面的に連続して形成されていない構成である。これにより、パネル1Aの板の厚み方向の立体効果が得られ、パネル1Aの曲げ剛性やねじり剛性を向上させることができる。したがって、格段に高剛性化を図ることができるとともに、薄型化による軽量化を実現することができる。
【0019】
図2および図6Bに示す第2実施形態のパネル1Bは、基準面Fから突出する複数の凸部4Bと、基準面Fから凹む凹部6Bとを備えている。
複数の凸部4Bは、一方側(基準面Fに対して垂直方向;図の紙面上方)に突出し、複数の凹部6Bは、一方側とは反対の他方側(図の下方)に凹んでいる。そして、複数の凸部4B及び複数の凹部6Bが、平面部2に沿って並べて配置されている。
凸部4Bは、正面視した場合(突出方向から見た場合)に、正六角形である上面部41Bと、側面である傾斜面部42Bとを有した正六角錐台で構成されている。この傾斜面部42Bは、凸部4Bの周縁部分に形成され、上面部41Bの各辺から平面部2(基準面F)に向かって延び、平面部2に対して傾斜した凸部側傾斜面である。
凹部6Bは、正面視した場合に、正三角形の底面部61Bと、側面である傾斜面部62Bとを有した下向きの正三角錐台で構成されている。傾斜面部62Bは、凹部6Bの周縁部分に形成され、底面部61Bの各辺から平面部2(基準面F)に向かって延び、平面部2に対して傾斜した凹部側傾斜面である。そして、各々の凸部4Bの全周囲は、6つの凹部6Bによって囲まれている。一方、各々の凹部6Bの全周囲は、3つの凸部4Bによって囲まれている。
上述した構成により、隣り合う凸部4B同士が互いに連続しないように、かつ、隣り合う凹部6B同士が互いに連続しないように配置されている。また、凸部4Bの傾斜面部42Bの基準面Fに対する傾斜角度α1と、凹部6Bの傾斜面部62Bの基準面Fに対する傾斜角度α2とが同一である。
さらに、傾斜面部42Bと傾斜面部62Bとを基準面Fに垂直な断面で見た場合に、これら傾斜面部42Bと傾斜面部62Bとが直線的に連続して繋がっている。すなわち、同一平面内で連続して形成されている。
【0020】
以上の構成により、本実施形態のパネル1Bは、パネル1Aと同様に、格段に高剛性化を図ることができるとともに、薄型化による軽量化を実現することができる。
【0021】
図3および図6Cに示す第3実施形態のパネル1Cは、基準面Fから突出する複数の凸部4Cと、平面部2と同一面をなす複数の平坦部5Cとを備えている。
複数の凸部4Cは、四角形状であり、一方側(基準面Fに対して垂直方向:図の紙面上方)に突出している。この平坦部5Cは、突出せずに残った平面部2で構成されている。そして、複数の凸部4C及び複数の平坦部5Cが、平面部2に沿って並べて配置されている。
凸部4Cは、正面視した場合(突出方向からみた場合)に、正方形(四角形)である上面部41Cと、上面部41Cの各辺から平面部2(基準面F)に向かって延びる傾斜面部(傾斜面)42Cとを有した正四角錐台で構成されている。各々の平坦部5Cの全周囲は、複数の凸部4Cによって囲まれている。具体的には、平坦部5Cは、4つ(パネル1の縁では3つ)の凸部4Cの傾斜面部42Cの下端縁によって正方形状に形成され、すなわち平坦部5Cそれぞれの全周囲である四辺が4つの凸部4Cに囲まれている。また、凸部4Cそれぞれの全周囲は平坦部5Cによって囲まれている。
このような構成により、隣り合う平坦部5C同士が互いに連続しないように、かつ、隣り合う凸部4Cが互いに連続しないように、凸部4C及び平坦部5Cが配置されている。
また、幅方向(X方向)及びこの幅方向に直交する長さ方向(Y方向)に沿って、複数の凸部4Cと複数の平坦部5Cとが、基準面Fに沿って交互に並べて配置されている。すなわち、市松模様(チェッカー状)に形成されている。
【0022】
以上の構成により、本実施形態のパネル1Cは、パネル1Aと同様に、格段に高剛性化を図ることができるとともに、薄型化による軽量化を実現することができる。
【0023】
図4および図6Dに示す第4実施形態のパネル1Dは、基準面Fから突出する複数の凸部4Dと、基準面Fから凹む複数の凹部6Dとを備えている。
複数の凸部4Dは、一方側(基準面Fに対して垂直方向;図の紙面上方)に突出し、
複数の凹部6Dは、一方側とは反対の他方側(図の下方)に凹んでいる。そして、複数の凸部4D及び複数の凹部6Dが、平面部2に沿って並べて配置されている。
凸部4Dは、正面視した場合(突出方向から見た場合)に、正方形(四角形)である上面部41Dと、側面である傾斜面部42Dとを有した正四角錐台で構成されている。傾斜面部42Dは、凸部の周縁部分に形成され、上面部41Dの各辺から平面部2(基準面F)に向かって延び、平面部2に対して傾斜した凸部側傾斜面である。そして、各々の凸部4D全周囲は、4つの凹部6Dによって囲まれている。一方、各々の凹部6Dの全周囲は、4つの凸部4Bによって囲まれている。
凹部6Dは、正面視した場合(突出方向から見た場合)に、正方形(四角形)である底面部61Dと、側面である傾斜面部62Dとを有した下向きの正四角錐台で構成されている。傾斜面部62Dは、凹部6Dの周縁部分に形成され、底面部61Dの各辺から平面部2(基準面F)に向かって延び、平面部2に対して傾斜した凹部側傾斜面である。そして、各々の凸部4Dの全周囲は、4つの凹部6Dにより囲まれ、一方、各々の凹部6Dの全周囲は、4つの凸部4Dにより囲まれている。
上述した構成により、幅方向(X方向)及びこの幅方向に直交する長さ方向(Y方向)に沿って、複数の凸部4D及び複数の凹部6Dが、それぞれ交互に並べて配置されている。すなわち、市松模様(チェッカー状)に形成されている。
これにより、隣り合う凸部4D同士が互いに連続しないように、かつ、隣り合う凹部6D同士が互いに連続しないように構成されている。また、凸部4Dの傾斜面部42Dの基準面Fに対する傾斜角度α3と、凹部6Dの傾斜面部62Dの基準面Fに対する傾斜角度α4とが同一である。さらに、傾斜面部42Dと傾斜面部62Dとを基準面Fに垂直な断面で見た場合に、これら傾斜面部42Dと傾斜面部62Dとが直線的に連続して繋がっている。すなわち、同一平面内で連続して形成されている。
【0024】
以上の構成により、本実施形態のパネル1Dは、パネル1Aと同様に、格段に高剛性化を図ることができるとともに、薄型化による軽量化を実現することができる。
【0025】
図5および図6Eに示す第5実施形態のパネル1Eは、基準面Fから突出する複数の凸部4Eと、基準面Fから凹む複数の凹部6Eとを備えている。
複数の凸部4Eは、一方側(基準面Fに対して垂直方向;図の紙面上方)に突出し、
複数の凹部6Eは、一方側とは反対の他方側(図の下方)に凹んでいる。そして、複数の凸部4E及び複数の凹部6Eが、平面部2に沿って並べて配置されている。
また、互いに隣接する凸部4Eの各角部間(凹部6Eの各角部間)に、ブリッジ51Eが形成されている。ブリッジ51Eは、平坦である頂部平坦部(頂部上面)5Eを有しており、この頂部平坦部5Eは、突出せずかつ凹まずに残った平面部2で構成されている。
凸部4Eは、正面視した場合(突出方向から見た場合)に、正方形(四角形)である四隅が面取りされた上面部41Eと、側面である傾斜面部42Eと、上面部41Eの四隅から平面部2(基準面F)に向かって延びる隅部傾斜面43Eとを有した八角錐台で構成されている。この傾斜面部42Eは、凸部4Eの周辺部分に形成され、上面部41Eの各辺から平面部2(基準面F)に向かって延び、平面部2に対して傾斜した凸部側傾斜面である。
凹部6Eは、正面視した場合(突出方向から見た場合)に、正方形の四隅が面取りされた底面部61Eと、側面である傾斜面部62Eと、底面部61Eの四隅から平面部2(基準面F)に延びる隅部傾斜面63Eとを有した下向きの八角錐台で構成されている。傾斜面部62Eは、凹部6Eの周縁部分に形成され、底面部61Eの各辺から平面部2(基準面F)に向かって延び、平面部2に対して傾斜した凹部側傾斜面である。
頂部平坦部5Eは、対角に位置する2つの凸部4Eと2つの凹部6Eとが接近する角部に、隅部傾斜面43Eの下端縁と隅部傾斜面63Eの上端縁とによって正方形状に形成されている。
【0026】
そして、第5実施形態のパネル1Eにおいて、各々の凸部4Eの全周囲は、4つの凹部6Eによって囲まれ、各々の凹部6Eの全周囲は、4つの凸部4Eによって囲まれて構成されている。この構成により、幅方向(X方向)及びこの幅方向に直交する長さ方向(Y方向)に沿って、複数の凸部4E及び複数の凹部6Eが、それぞれ交互に並べて配置されている。すなわち、市松模様(チェッカー状)に形成されている。
これにより、パネル1Eは、隣り合う凸部4E同士が互いに連続しないように、かつ、隣り合う凹部6E同士が互いに連続しないように構成されている。さらに、頂部平坦部5Eの全周囲である四辺が、2つの凸部4Eおよび2つの凹部6Eによって囲まれており、隣り合う頂部平坦部5E(ブリッジ51E)同士が互いに連続しない構成である。また、凸部4Eの傾斜面部42Eの基準面Fに対する傾斜角度α5と、凹部6Eの傾斜面部62Eの基準面Fに対する傾斜角度α6とが同一である。さらに、傾斜面部42Eと傾斜面部62Eとが同一平面内で連続して形成されている。
【0027】
以上の構成により、本実施形態のパネル1Eは、パネル1Aと同様に、格段に高剛性化を図ることができるとともに、薄型化による軽量化を実現することができる。
また、図1〜図4のパネル1A〜1Dに、パネル1Eと同様のブリッジ51Eを備えても良い。
【0028】
ここで、本発明の従来例に係るパネル10(10A,10B,10C,10D)を図7A、図7B、図7Cおよび図8に基づいて説明する。
図7Aにおいて、パネル10Aは、平板状の平面部12と、この平面部12の外縁から略直角に折れ曲がった折曲部13とを有して形成されている。
図7Bにおいて、パネル10Bは、平面部12および折曲部13と、平面部12から一方側(図の紙面上方)に突出する複数の凸部14と、平面部12において凸部14が形成されていない平坦部15とを有して形成されている。
図7Cにおいて、パネル10Cは、平面部12、折曲部13、複数の凸部14および平坦部15と、平面部12から他方側(図の下方)に凹む複数の凹部16とを有して形成されている。
図8において、パネル10Dは、平面部12および折曲部13と、平面部12から一方側(図の紙面上方)に突出する複数の凸部14Dとを有して形成され、凸部14Dは、平面正方形状の四角錐とされ、隣り合う凸部14Dの辺同士が接して並べて配置されている。
【実施例】
【0029】
以下、本実施形態のパネル1と従来のパネル10とについて、パネル剛性を検討した結果について説明する。
ここでは、前記実施形態のパネル1A〜1Eを実施例とし、従来のパネル10A〜10Dを比較例とし、各パネルをモデル化したFEM解析を実施してパネル剛性を算出した。なお、FEM解析モデルとしては、図9Aに示すように、各パネル1,10の4つの角および四辺の中央を支持してパネル中央に荷重を与える曲げモデルと、図9Bに示すように、各パネル1,10の3つの角を支持して他の角に荷重を与える捻りモデルとを用いた。また、各モデルのパネル1,10において、折曲部3,13の高さは15mmとし、その端縁23同士は連結されていない構成とした。また、各モデルの凹凸の配置及び寸法を図10A〜図18Bに示す。なお、モデル寸法はパネル1,10の板厚中心寸法で表記している。また、解析結果を図19及び図20に示す。
【0030】
〔解析モデル〕
実施例および比較例に共通する解析モデルの諸元および解析条件は、以下の通りである。
・パネルサイズ:285mm×285mm
・パネル板厚:0.6mm(パネル材質は鋼を想定)
・荷重位置:曲げモデルでは、パネル中央の20mm×20mmの範囲とし、捻りモデルでは、支持しない1つの角の1点である(図9中に白抜き矢印で表示)。
・作用荷重:10N
【0031】
〔比較例〕
比較例1は、図7Aに示すパネル10Aを用い、解析モデルの形状を図10に示す。また、解析結果のグラフ(図19,図20)では、No.1と表記する。
比較例2は、図7Bに示すパネル10Bを用い、解析モデルの凹凸の配置及び寸法を図11A,11Bに示す。また、解析結果のグラフ(図19,図20)では、No.2と表記する。この比較例2では、隣り合う凸部14の中心間隔が34.64mmであり、中心点が正三角形の頂点となるように配置する。各凸部14の円錐台頂面の直径が24mmであり、円錐台底面の直径が30mmであり、平面部12からの凸部14の突出寸法が3mmであり、凸部14の円錐台状の傾斜角度が45°である。
比較例3は、図7Cに示すパネル10Cを用い、解析モデルの凹凸の配置及び寸法を図12A,12Bに示す。また、解析結果のグラフ(図19,図20)では、No.3と表記する。この比較例3では、隣り合う凸部14および凹部16の中心間隔が34.64mmであり、中心点が正三角形の頂点となるように配置する。各凸部14および凹部16の円錐台頂面の直径が27mmであり、円錐台底面の直径が30mmであり、平面部12からの凸部14の突出寸法および凹部16の凹み寸法がそれぞれ1.5mmである。また、凸部14と凹部16の円錐台頂面の距離が3mmであり、凸部14および凹部16の円錐台状の傾斜角度が45°である。
比較例4は、図8に示すパネル10Dを用い、解析モデルの凹凸の配置及び寸法を図13A,13Bに示す。また、解析結果のグラフ(図19,図20)では、No.4と表記する。この比較例4では、隣り合う凸部14Dの中心間隔が30mmであり、つまり各凸部14Dの平面寸法が30mm×30mmであり、平面部12からの凸部14Dの突出寸法つまり四角錐の頂点の高さが3mmである。
【0032】
〔実施例〕
実施例1は、図1および図6Aに示すパネル1Aを用い、解析モデルの凹凸の配置及び寸法を図14A,14Bに示す。また、解析結果のグラフ(図19,図20)では、No.5と表記する。この実施例1のパネル1Aでは、隣り合う凸部4Aの中心間隔が34.64mmであり、中心点が正三角形の頂点となるように配置し、各凸部4Aの六角錐台の頂面の対辺の距離が24mmであり、六角錐台底面の対辺の距離が30mmであり、六角錐台の底面に囲まれた平面正三角形が各平坦部5Aである。さらに、平面部2からの凸部4Aの突出寸法が3mmであり、基準面Fに対する凸部4Aの傾斜面部42Aの傾斜角度が45°である。
実施例2は、図2および図6Bに示すパネル1Bを用い、解析モデルの凹凸の配置及び寸法を図15A,15Bに示す。また、解析結果のグラフ(図19,図20)では、No.6と表記する。この実施例2のパネル1Bでは、隣り合う凸部4Bの中心間隔が34.64mmであり、中心点が正三角形の頂点となるように配置し、各凸部4Bの六角錐台頂面の対辺の距離が27mmであり、六角錐台底面の対辺の距離が30mmである。また、六角錐台底面に囲まれた領域に各凹部6Bとなる三角錐台を設けた。また、平面部2からの凸部4Bの突出寸法が1.5mmであり、平面部2からの凹部6Bの凹み寸法が1.5mmである。また、凸部4Bの六角錐台頂面と凹部6Bの三角錐台頂面の距離が3mmであり、基準面Fに対する凸部4Aの傾斜面部42Bおよび凹部6Bの傾斜面部62Bの傾斜角度がそれぞれ45°である。
【0033】
実施例3は、図3および図6Cに示すパネル1Cを用い、解析モデルの凹凸の配置及び寸法を図16A,16Bに示す。また、解析結果のグラフ(図19,図20)では、No.7と表記する。この実施例3のパネル1Cでは、隣り合う凸部4Cの中心間隔が30mmであり、つまり平面正方形の各凸部4Cの四角錐台底面の各辺長さが30mmであり、四角錐台の頂面の各辺長さが24mmである。さらに、平面部2からの凸部4Cの突出寸法が3mmであり、基準面Fに対する凸部4Cの傾斜面部42Cの傾斜角度が45°である。
実施例4は、図4および図6Dに示すパネル1Dを用い、解析モデルの凹凸の配置及び寸法を図17A,17Bに示す。また、解析結果のグラフ(図19,図20)では、No.8と表記する。この実施例4のパネル1Dでは、隣り合う凸部4Dの中心間隔が30mmであり、つまり平面正方形の各凸部4Dの四角錐台の底面の各辺長さが30mmであり、四角錐台頂面の各辺長さが27mmであり、凹部6Dの四角錐台底面の各辺長さが30mmであり、四角錐台頂面の各辺長さが27mmである。さらに、平面部2からの凸部4Dの突出寸法が1.5mmであり、平面部2からの凹部6Dの凹み寸法が1.5mmである。また、凸部4Dの四角錐台頂面と凹部6Dの四角錐台頂面の距離が3mmであり、基準面Fに対する凸部4Dの傾斜面部42Dおよび凹部6Dの傾斜面部62Dの傾斜角度がそれぞれ45°である。
本実施例4では、凸部4Dと凹部6Dとの平面形状及び平面寸法が同一である。これにより、パネルの突出している側からの外力およびパネルの凹んでいる側からの外力のいずれに対してもバランスよく抵抗させることができる。
さらに、本実施例4では、基準面に対して垂直方向の凸部の突出寸法と凹部の凹み寸法とが同一である。この場合も、パネルの突出している側およびパネルの凹んでいる側のいずれの側からの外力に対してもバランスよく抵抗させることができる。
【0034】
実施例5は、図5および図6Eに示すパネル1Eを用い、解析モデルの凹凸の配置及び寸法を図18に示す。また、解析結果のグラフ(図19,図20)では、No.9と表記する。この実施例5のパネル1Eでは、隣り合う凸部4Eの中心間隔が30mmであり、つまり平面略正方形の各凸部4Eの四角錐台の底面の各辺長さが30mmであり、四角錐台の頂面の各辺長さを27mmとし、凹部6Eの四角錐台の底面の各辺長さが30mmであり、四角錐台の頂面の各辺長さが27mmである。さらに、平面部2からの凸部4Eの突出寸法が1.5mmであり、平面部2からの凹部6Eの凹み寸法が1.5mmである。また、凸部4Eの四角錐台の頂面と凹部6Eの四角錐台の頂面の距離が3mmであり、基準面Fに対する凸部4Eの傾斜面部42Eおよび凹部6Eの傾斜面部62Eの傾斜角度がそれぞれ45°である。また、実施例5のパネル1Eでは、凸部4Eおよび凹部6Eの面取り寸法が1.5mmであり、つまり平面正方形の各頂部平坦部5Eの各対角辺長さが3mmであり、基準面Fに対する隅部傾斜面43Eおよび隅部傾斜面63Eの傾斜角度がそれぞれ45°である。
【0035】
図19、図20にFEM解析結果を示す。図19は、曲げモデルにおける剛性比を示すグラフであり、比較例1のパネル10Aにおけるパネル中央の鉛直変位を、各実施例および比較例のパネル1,10におけるパネル中央の鉛直変位で除した値が示されている。図20は、捻りモデルにおける剛性比を示すグラフであり、比較例1のパネル10Aにおける荷重位置の鉛直変位を、各実施例および比較例のパネル1,10における荷重位置の鉛直変位で除した値が示されている。すなわち、図19、20に、凹凸を有さない比較例1のパネル10Aに対し、実施例1〜5のパネル1A〜1Eおよび比較例2〜4のパネル10B〜10Dの曲げ剛性および捻り剛性が増加した割合を示す。図19、20の縦軸は剛性比である。
【0036】
図19に示すように、比較例1のパネル10A(No.1)に対し、比較例2〜4のパネル10B〜10D(No.2,3,4)の曲げ剛性は、1.9倍〜2.32倍だけ増加し、実施例1〜3のパネル1A〜1C(No.5〜7)の曲げ剛性は、2.35倍〜2.75倍だけ増加している。一方、実施例4、5のパネル1D,1E(No.8,9)の曲げ剛性は、比較例1のパネル10Aに対して3.98倍、3.74倍と、4倍近くまで増加している。このように、本発明の実施形態にかかる実施例1〜3のパネル1A〜1Cでは、従来の凹凸を有したパネル10B,10C(比較例2、3)と同程度以上に曲げ剛性が増加することが分かった。さらに、本発明の実施形態にかかる実施例4、5のパネル1D,1Eでは、従来のパネル10B,10Cと比較して1.6〜1.9倍程度まで曲げ剛性が増加することが分かった。
【0037】
図20に示すように、比較例1のパネル10A(No.1)に対し、比較例2〜4のパネル10B〜10D(No.2,3,4)の捻り剛性は、1.18倍〜1.58倍だけ増加し、実施例1〜3のパネル1A〜1C(No.5〜7)の捻り剛性は、1.49倍〜1.56倍だけ増加している。一方、実施例4、5のパネル1D,1E(No.8,9)の捻り剛性は、比較例1のパネル10Aに対して3.26倍、3.34倍と、3倍以上に増加している。このように、本発明の実施形態にかかる実施例1〜3のパネル1A〜1Cでは、従来の凹凸を有したパネル10B,10C(比較例2、3)と同程度に捻り剛性が増加することが分かった。さらに、本発明の実施形態にかかる実施例4、5のパネル1D,1Eでは、従来のパネル10B,10Cと比較して2.1〜2.2倍程度まで捻り剛性が増加することが分かった。
【0038】
以上の実施例によって以下の知見が得られた。
すなわち、平面部12や平坦部15が連続する比較例に比べて、平坦部5A,5C,頂部平坦部5Eが連続せず、かつ凸部4A〜4E同士や凹部6B,6D,6E同士も互いに連続しない実施例1〜5のパネルでは、曲げ剛性および捻り剛性を増加させることができる。特に、凸部4D,4Eと凹部6D,6Eとが市松模様に並べて配置された実施例4,5において、曲げ剛性および捻り剛性の増加率が大きく、格段に高剛性化を図ることができる。
【0039】
前記実施例で示したパネル1の各部寸法は例示に過ぎず、用途に応じて適宜に変更することができる。前記実施例からさらにパネル1の各部寸法を変更した場合の効果について、図21A〜図27B、表1〜10に基づいて説明する。ここで、パネル1の各部寸法は、図21A〜23Bに示す記号として定義する。図21A〜22Dにおける各部寸法は、凸部の四角錐台頂面と凹部の四角錐台頂面の距離H、板厚t、凸部および凹部の四角錐台底面の各辺長さJ、基準面Fに対する凸部および凹部の傾斜面部の傾斜角度θ、凹凸の数m、パネル周囲の平面部を除いたパネルサイズL、パネルサイズL’を表す。また、図23A,23Bにおける各部寸法は、四角錐台底面の各辺長さJ、頂部平坦部の対角辺長さKを表す。
【0040】
実施例4のパネル形状を基本に、表1、2に示すパネルの各部寸法を用いて、傾斜角度θを変化させた場合の曲げ剛性および捻り剛性の各剛性比(比較例1と同様に凹凸のないパネルを比較基準)を図24A,24Bに示す。ここで、表1、2は、それぞれ凸部および凹部の傾斜角度θを変化させた場合の曲げ剛性比(表1)および捻り剛性比(表2)を示す。θ=5.7°〜90°の各形状において、傾斜角度θがいずれであっても、曲げ剛性および捻り剛性の向上が認められる。また、θ=10°〜90°の範囲では曲げ剛性比および捻り剛性比が概ね3倍以上と顕著に剛性が向上しており、さらに、θ=45°〜75°の範囲では、曲げ剛性が3.8倍、捻り剛性が3.3倍以上と大きく剛性が向上している。すなわち、本実施例4のパネルにおいて、傾斜角度θに関わらず、剛性比の高いパネルを提供することができる。
【0041】
実施例4のパネル形状を基本に、表3〜8に示すパネルの各部寸法を用いて、凸部の四角錐台の頂面と凹部の四角錐台の頂面の距離Hを変化させた場合の曲げ剛性および捻り剛性の各剛性比(凹凸のないパネルを比較基準)を図25に示す。ここで、表3〜8は、それぞれ凸部および凹部の凸部および凹部の四角錐台の頂面の距離Hを変化させた場合の曲げ剛性比(表3,5,7)および捻り剛性比(表4,6,8)を示し、表3〜4は板厚t=0.3mm、表5〜6は板厚t=0.6mm、表7〜8は板厚t=1.0mmとしている。多少の増減はあるものの、いずれの板厚においてもH/L≧0.005の範囲で曲げ剛性および捻り剛性とも概ね2倍、H/L≧0.01の範囲では曲げ剛性および捻り剛性とも概ね3倍に向上している。なお、板厚tと距離Hの関係については、何れの板厚tと距離Hの関係においても剛性の向上が見られる。ここでは、概ねH≧t以上、すなわちH/t≧1.0の範囲において、特に剛性が向上する傾向が見られる。
【0042】
実施例5のパネル形状を基本に、表9、10に示すパネルの各部寸法を用いて、頂部平坦部の対角辺長さKを変化させた場合の曲げ剛性および捻り剛性の各剛性比(凹凸のないパネルを比較基準)を図26A,26Bに示す。ここで、表9、10は、それぞれ頂部平坦部の対角辺長さKを変化させた場合の曲げ剛性比(表9)および捻り剛性比(表10)を示す。K/J=0〜0.9の範囲において、曲げ剛性および捻り剛性の向上が認められ、特に、K/J=0〜0.6の範囲では剛性比が概ね3倍以上に顕著に剛性が向上している。
【0043】
実施例4のパネル形状を基本に、表11、12に示すパネルの各部寸法を用いて、パネルサイズLに対する凸部および凹部の四角錐台の底面の各辺長さJの比(凹凸の数mの逆数に相当)を変化させた場合の曲げ剛性および捻り剛性の各剛性比(凹凸のないパネルを比較基準)を図27A,27Bに示す。ここで、表11は、曲げ剛性比を示し、表12は、捻り剛性比を示す。なお、剛性比は、各モデルのパネルサイズが異なるため、パネルサイズL=270mm(L’=285mm)のモデルに作用荷重10Nを負荷した時の曲げ変形によるたわみ角および捻り変形による捻り角と、同等のたわみ角および捻り角となる変形域の剛性に基づき比較している。
J/L≦0.5の範囲において、曲げ剛性および捻り剛性の向上が認められる。ここでは、J/L=0.5、すなわち凸部が2つ、凹部が2つからなる最小数の凹凸の組合せからなる市松状においても剛性に向上が見られる。すなわち、凸部または凹部の配置の特殊形態として、凸部と凹部とが相互に4辺を囲む構成以外にも、凸部または凹部の周囲辺のうち2辺は、四角錐台の頂面と面が異なる平坦部で囲まれていてもよい。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】
【表7】
【0051】
【表8】
【0052】
【表9】
【0053】
【表10】
【0054】
【表11】
【0055】
【表12】
【0056】
以上のように、本実施形態のパネル1では、H/L≧0.005、H/t≧1.0、θ=5.7°〜90°、K/J=0〜0.9、J/L≦0.5であれば、より好適なパネルを構成することができる。
【0057】
実施例5のパネル形状を基本に、図23Bに示す頂部平坦部5Eの対角辺長さK及び傾斜面部42E(62E)の傾斜角度θを変化させた場合の曲げ剛性および捻り剛性の各剛性比(凹凸のないパネルを比較基準)を図28、29、30、31に示す。頂部平坦部5Eの対角辺長さKの値は、それぞれK=0,3,6,15,21,24,27である。また、傾斜面部42E(62E)の傾斜角度θは、表13〜40に示す値としている。
図28(H=3、曲げ)及び図29(H=3、捻り)は、図18に示す凸部の頂面と凹部の頂面の距離Hが3.0mmの場合の剛性比(曲げ)の表13(K=0)〜表19(K=27)及び剛性比(捻り)の表20(K=0)〜表26(K=27)のグラフである。また、図30(H=6、曲げ)及び図31(H=6、捻り)は、突出寸法(距離)Hが6.0mmの場合の剛性比(曲げ)の表27(K=0)〜表33(K=27)及び剛性比(捻り)の表34(K=0)〜表40(K=27)のグラフである。頂部平坦部5Eの面積S3と傾斜部(傾斜面部42E(62E)と隅部傾斜面43Eの和)の面積S4の総和を、上面部41Eの面積S1と底面部61Eの面積S2の総和で除算した値を横軸とし、縦軸を曲げ剛性および捻り剛性の各剛性比としたグラフを図28〜図31に示す。ここで、上面部41Eの面積S1、底面部61Eの面積S2、頂部平坦部5Eの面積S3は表面積であり、傾斜部(傾斜面部42E(62E)と隅部傾斜面43Eの和)の面積S4は、傾斜面部42E(62E)と隅部傾斜面43Eを上面から投影したときの基準面Fに投影される投影面積である。
【0058】
【表13】
【0059】
【表14】
【0060】
【表15】
【0061】
【表16】
【0062】
【表17】
【0063】
【表18】
【0064】
【表19】
【0065】
【表20】
【0066】
【表21】
【0067】
【表22】
【0068】
【表23】
【0069】
【表24】
【0070】
【表25】
【0071】
【表26】
【0072】
【表27】
【0073】
【表28】
【0074】
【表29】
【0075】
【表30】
【0076】
【表31】
【0077】
【表32】
【0078】
【表33】
【0079】
【表34】
【0080】
【表35】
【0081】
【表36】
【0082】
【表37】
【0083】
【表38】
【0084】
【表39】
【0085】
【表40】
【0086】
図28〜図31から分かるように、頂部平坦部5Eの対角辺長さK及び傾斜面部42E(62E)の傾斜角度θの値により剛性比が変化する。設計上で最適な対角辺長さKや傾斜角度θの値を求めることができるが、パネルに利用する素材の特性、また、凸部や凹部を設けたパネルを成形する際の二次加工性の確保のため、好適なKやθの値は変わる。このように対角辺長さKや傾斜角度θの値が変化した場合でも、(頂部平坦部面積+傾斜部面積)/(上面部面積+底面部面積)の値が1.0以下では、変曲点を含む剛性比の最大値を確保することができる。したがって、パネルの素材特性や要求される二次加工性が変化しても、優れたパネル剛性を確保することができる。
また、実施例5のパネル形状を基本としたが、実施例1〜4のパネルを用いても同様の効果を得ることができる。
【0087】
実施例4のパネル形状を基本に、表41、表42に示すパネルの各部寸法を用いて、図32に示すように凹部と凸部とをつなぐ傾斜面部の交差に円弧部(半径R=r×t)を設け、板厚tに対する円弧部の半径Rの比rを変化させた場合の曲げ剛性および捻り剛性の各剛性比(比較例1と同様に凹凸のないパネルを比較基準)を図33、図34に示す。
【0088】
【表41】
【0089】
【表42】
図33及び図34から分かるように、rの値を0から22まで変化させても、曲げ剛性、捻り剛性が向上しており、パネルに利用する素材の材質に応じて交差部のrを適宜設定しても、剛性が向上する効果が得られることが分かる。すなわち、平坦部を設ける代わりに円弧部を設けることにより、平坦部を設けた場合と同様の効果を得ることができる。また、円弧部の形成は加工が容易であるという利点も有している。
【0090】
なお、本発明は、前記実施形態のみに限定される構成ではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、パネル1の基準面Fが平面である場合を説明したが、基準面Fは平面のみに限らず、円筒面状や球面状、緩やかな湾曲状、その他任意の三次元曲面状であってもよい。さらに、パネル1の形状としても、矩形状のみに限らず、任意の形状を有したパネルが利用可能である。また、凸部や凹部、平坦部の平面形状としても、前記実施形態のみに限定されなく、任意の形状とすることができる。凸部と凹部は必ずしも基準面から一方側への突出と他方側への凹みにより形成されなくてもよく、一方側への突出のみ、または他方側への凹みのみにより、結果として目的とする凹凸の配置及び寸法を有するパネルを得ることができる。
また、凸部および凹部の四角錐台の頂面の距離Hは、必ずしも板厚より大きくなくてもよく、板厚tよりHが小さいパネルとすることもできる。
また、凹凸を形成するための板の折り曲げ半径は、パネルに利用する素材の材質に応じて適宜設定することができる。
【0091】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これらのみに限定されない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができる。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したパネルであり、本発明はこれらのみに限定されない。したがって、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明によれば、簡単な構造で、高剛性化および軽量化を確実に実現することができるパネルを提供することができる。
【符号の説明】
【0093】
1,1A,1B,1C,1D,1E…パネル
4A,4B,4C,4D,4E…凸部
5A,5C…平坦部
5E…頂部平坦部(頂部上面)
6,6B,6D,6E…凹部
42A,42B,42C,42D,42E…傾斜面部(凸部側傾斜面)
51E…ブリッジ
62B,62D,62E…傾斜面部(凹部側傾斜面)
F…基準面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の基準面から突出する複数の凸部と、前記基準面と面一をなす複数の平坦部と、前記基準面から凹む複数の凹部とのうち、前記凸部と、前記平坦部または前記凹部とを備え;
前記平坦部を備える場合には、前記凸部各々の全周囲が前記平坦部によって囲まれ、かつ、前記平坦部各々の全周囲が前記凸部によって囲まれる一方、
前記凹部を備える場合には、前記凸部各々の全周囲が前記凹部によって囲まれ、かつ、前記凹部各々の全周囲が前記凸部によって囲まれ、さらに、前記凸部の周縁部分に凸部側傾斜面が形成されるとともに、前記凹部の周縁部分に凹部側傾斜面が形成され;
さらに、前記凹部を備える場合に、隣り合う前記凸部同士が互いに連続しないように配置されるか、隣り合う前記凸部の各角部間に前記凸部の前記角部間を接続するブリッジが形成され、該ブリッジが平坦な頂部平坦部を有しており、
前記凸部の平坦な上面部の面積S1、前記凹部の平坦な底面部の面積S2、前記頂部平坦部の面積S3(ただし、ブリッジを有しない場合はS3=0である。)、及び、前記凸部の側面である前記凸部側傾斜面と、前記凹部の側面である前記凹部側傾斜面と、前記凸部及び前記凹部それぞれの四隅から前記基準面に向かって延びる隅部傾斜面とからなる傾斜部の面積S4の関係が、(S3+S4)/(S1+S2)≦1.0を満たす;
ことを特徴とするパネル。
【請求項2】
正面視した場合に、前記複数の凸部と、前記複数の平坦部または前記複数の凹部とが、幅方向及びこの幅方向に直交する長さ方向に沿って交互に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項3】
正面視した場合に、前記各凸部が六角形状を有し、前記各平坦部が三角形状を有することを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項4】
正面視した場合に、前記各凸部が六角形状を有し、前記各凹部が三角形状を有することを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項5】
正面視した場合に、前記複数の凸部及び前記複数の平坦部の両方が四角形状を有することを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項6】
正面視した場合に、前記複数の凸部及び前記複数の凹部の両方が四角形状を有することを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項7】
前記凸部側傾斜面及び前記凹部側傾斜面を前記基準面に垂直な断面で見た場合に、これら凸部側傾斜面及び凹部側傾斜面が直線的に連続して繋がっており;
前記凸部側傾斜面の傾斜角度と前記凹部側傾斜面の傾斜角度とが同一である;
ことを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項8】
前記凸部及び前記凹部を備える場合、
前記複数の凸部と前記複数の凹部との平面形状及び平面寸法が同一であることを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項9】
前記凸部及び前記凹部を備える場合、
前記基準面に対して垂直方向の前記凸部の突出寸法と前記凹部の凹み寸法とが同一であることを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項10】
前記凸部と、前記平坦部又は前記凹部との全てを含む面材の縁に沿って枠部を備えることを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項1】
所定の基準面から突出する複数の凸部と、前記基準面と面一をなす複数の平坦部と、前記基準面から凹む複数の凹部とのうち、前記凸部と、前記平坦部または前記凹部とを備え;
前記平坦部を備える場合には、前記凸部各々の全周囲が前記平坦部によって囲まれ、かつ、前記平坦部各々の全周囲が前記凸部によって囲まれる一方、
前記凹部を備える場合には、前記凸部各々の全周囲が前記凹部によって囲まれ、かつ、前記凹部各々の全周囲が前記凸部によって囲まれ、さらに、前記凸部の周縁部分に凸部側傾斜面が形成されるとともに、前記凹部の周縁部分に凹部側傾斜面が形成され;
さらに、前記凹部を備える場合に、隣り合う前記凸部同士が互いに連続しないように配置されるか、隣り合う前記凸部の各角部間に前記凸部の前記角部間を接続するブリッジが形成され、該ブリッジが平坦な頂部平坦部を有しており、
前記凸部の平坦な上面部の面積S1、前記凹部の平坦な底面部の面積S2、前記頂部平坦部の面積S3(ただし、ブリッジを有しない場合はS3=0である。)、及び、前記凸部の側面である前記凸部側傾斜面と、前記凹部の側面である前記凹部側傾斜面と、前記凸部及び前記凹部それぞれの四隅から前記基準面に向かって延びる隅部傾斜面とからなる傾斜部の面積S4の関係が、(S3+S4)/(S1+S2)≦1.0を満たす;
ことを特徴とするパネル。
【請求項2】
正面視した場合に、前記複数の凸部と、前記複数の平坦部または前記複数の凹部とが、幅方向及びこの幅方向に直交する長さ方向に沿って交互に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項3】
正面視した場合に、前記各凸部が六角形状を有し、前記各平坦部が三角形状を有することを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項4】
正面視した場合に、前記各凸部が六角形状を有し、前記各凹部が三角形状を有することを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項5】
正面視した場合に、前記複数の凸部及び前記複数の平坦部の両方が四角形状を有することを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項6】
正面視した場合に、前記複数の凸部及び前記複数の凹部の両方が四角形状を有することを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項7】
前記凸部側傾斜面及び前記凹部側傾斜面を前記基準面に垂直な断面で見た場合に、これら凸部側傾斜面及び凹部側傾斜面が直線的に連続して繋がっており;
前記凸部側傾斜面の傾斜角度と前記凹部側傾斜面の傾斜角度とが同一である;
ことを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項8】
前記凸部及び前記凹部を備える場合、
前記複数の凸部と前記複数の凹部との平面形状及び平面寸法が同一であることを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項9】
前記凸部及び前記凹部を備える場合、
前記基準面に対して垂直方向の前記凸部の突出寸法と前記凹部の凹み寸法とが同一であることを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項10】
前記凸部と、前記平坦部又は前記凹部との全てを含む面材の縁に沿って枠部を備えることを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20】
【図21A】
【図21B】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図22D】
【図23A】
【図23B】
【図24A】
【図24B】
【図25A】
【図25B】
【図26A】
【図26B】
【図27A】
【図27B】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20】
【図21A】
【図21B】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図22D】
【図23A】
【図23B】
【図24A】
【図24B】
【図25A】
【図25B】
【図26A】
【図26B】
【図27A】
【図27B】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公開番号】特開2012−67595(P2012−67595A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−277309(P2011−277309)
【出願日】平成23年12月19日(2011.12.19)
【分割の表示】特願2011−527533(P2011−527533)の分割
【原出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年12月19日(2011.12.19)
【分割の表示】特願2011−527533(P2011−527533)の分割
【原出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】
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