説明

パリティビット挿入方法およびパリティ検査方法,局側装置ならびに加入者装置

【課題】異なるビットレートのデータを混在して伝送する場合において、既存システムとの整合性を維持しながらも、簡易にBIP演算を行なう。
【解決手段】基本ビットレートおよび他のビットレートを有するデータ信号に、それぞれ該基本ビットレートのヘッダ情報を付加し(42a,42b)、前記ヘッダ情報が付加されたデータ信号について時分割多重によりデータ列を構成する(43)とともにフレームヘッダの付加によりフレーム信号を構成し(44a,44b)、連続して構成される前記フレーム信号のパリティを算出し(45)、前記パリティの演算結果に基づき前記基本ビットレートおよび前記他のビットレートのデータ信号のパリティ検査のためのパリティビットを該フレーム信号に挿入する(46,47)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば受動的光網(PON:Passive Optical Network)を採用したシステムに用いて好適な、パリティビット挿入方法およびパリティ検査方法,局側装置ならびに加入者装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、一般家庭等の加入者宅を対象とした加入者系光ファイバネットワークシステムとして、例えば電話局等に設置した集約局に設けられた光局側装置(局)と、複数の加入者宅に設置した光加入者装置を光ファイバで接続するシステムが知られている。その中でも、集約局からの光データ信号の入出力を行なう1本の光ファイバを受動素子であるパワースプリッタで複数に分岐し、その分岐先に各加入者宅の光加入者装置を接続する構成をPONシステムと呼ぶ。
【0003】
このPONシステムは、光局側装置と複数の加入者宅との間で高速のデータ送受を行なうことが可能なシステムとして実用化されている。
そして、PONシステムを用いた通信網の一形態として、例えば、図13に示すようなシステム構成が挙げられる。
この図13に示すPONシステム100は、局(OLT:Optical Line Terminal)300と、N(Nは2以上の整数)の加入者#1〜#Nに対応したN台の光加入者装置(ONU:Optical Network Unit)200−1〜200−N(区別しない場合は、単にONU200と表記する)と、パワースプリッタ400と、OLT300とパワースプリッタ400とを接続する光ファイバ500と、パワースプリッタ400と各ONU200−1〜200−Nとをそれぞれ接続する光ファイバ600−1〜600−N(区別しない場合は、単に光ファイバ600と表記する)とをそなえて構成される。
【0004】
前記PONシステム100において、OLT300は、情報の配信等を行なうために電気信号を光信号に変換してONU200側に所定の下りフレームフォーマットで送信する、あるいはONU200から所定の上りフレームフォーマットの光信号で送られてきたデータを電気信号に変換する等の所要の通信制御機能を具備する装置である。
OLT300に接続された光ファイバ500は、伝送路途中に設けられたパワースプリッタ400により分岐されており、分岐された光ファイバ600は、それぞれ個別の加入者宅に引き入れられ、各ONU200に接続される。
【0005】
ONU200は、OLT300との通信、光信号と電気信号との間の変換等の通信制御を行なう装置である。
ここで、OLT300とパワースプリッタ400との間において、上り及び下りのデータ伝送は1本の光ファイバ500を使用して波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)により双方向に行なわれる。なお、OLT300からONU200への方向が下り、ONU200からOLT300への方向が上りである。
【0006】
例えば、OLT300からONU200への下りフレームは、時分割多重(TDM:Time Division Multiplexing)により1.49μm帯の光信号として単一のビットレートAで伝送され、ONU200ではこの下りフレーム中のフレーム同期情報及び管理情報を検出し、これに基づいて、個々に予め割り当てられているタイムスロットのデータを取り出す。一方、ONU200からOLT300への上りフレームは、OLT300により与えられたタイミングでONU200から送信される。即ち、各ONU200からの上りフレームは、それぞれが衝突しないタイミングで、時分割多元接続(TDMA:Time Division Multiple Access)方式により1.31μm帯の光信号として伝送される。
【0007】
パワースプリッタ400は、1本の光ファイバ500からの下りフレームを複数の光ファイバ600に分配(パワー分岐)し、また複数の光ファイバ600からの上りフレームを1本の光ファイバ500に集約(合波)する役割を果たす。
ところで、PONシステム100は、一般的には、電話程度の低速のサービスの提供を目的として利用することが検討されていたが、近年、電話サービスよりも高速なビデオ電話サービスやテレビ会議サービス等の高速通信サービスの提供が要求されており、低速ビットレートのデータ(電話等の低速のサービス)と、高速ビットレートのデータ(ビデオ電話サービスやテレビ会議サービス等の高速のサービス)とを1つのPONシステム100で提供することが求められている。
【0008】
例えば、下記特許文献1には、タイムスロットごとに異なる速度の信号を生成するマルチレート・バースト回路を使用することにより、サービス容量の増大を実現するポイント・マルチポイント光伝送システムにおけるサービス容量の増加方式が開示されている。
上述した技術によれば、低速ビットレートのデータと高速ビットレートのデータとを1つのPONシステムで提供するために、予め全てのONU200にマルチレート・バースト回路を装備しておき、一つのONU200に割り当てられたタイムスロットの一部に異なる伝送速度(ビットレート)を割り振ることで、低速サービスだけでなく高速サービスへの拡張を可能としている。
【0009】
また、PON(Passive Optical Network)、SONET(Synchronous Optical Network)/SDH(Synchronous Digital Hierarchy)等のような標準化された通信方式、例えばITU−T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)で標準化されているG−PONのフレーム構成においては、G.984.3において、例えば図14に示すような、回線状態を監視するためのBIP(Bit Interleaved Parity)領域が規定されている。
【0010】
このBIP領域は、図14に示すように、データストリームとして連続して送出されるフレーム信号のペイロード部分(Payload)に単一のビットレートのデータ信号が時分割多重化されていることを前提に、フレーム信号のペイロード部分に先行するヘッダ部分であるPCBd(Physical Control Block downstream)領域に、1バイトのパリティチェックビットを格納するものである。即ち、PCBd領域は、先頭から順に、(同期情報が書き込まれる)PSync領域,Ident領域,PLOAMd領域,上述のBIP領域,PLend領域およびUSBWMap領域が順に配置されて構成される。
【0011】
すなわち、図15に示すように、先行して入力される前フレーム信号F1のBIP領域に後続する位置P1から当該フレーム信号F2のBIP領域P2の手前まで間の領域(前フレームのPCBd♯2の領域,ペイロード領域および当該フレームPCBd♯1の領域(図15における〔1〕参照)のビット列についてのパリティ演算を行ない、この演算結果に基づくパリティビットを当該フレームのBIP領域に挿入するようになっている(図15における〔2〕参照)。尚、図15のPCBd♯1は、図14のPSync領域,Ident領域,PLOAMd領域が該当し、PCBd♯2は、PLend領域およびUSBWMap領域が該当する。
【0012】
具体的には、上述の前フレーム信号F1の位置A1から8ビットずつ配列させることにより、図16に示すように、縦方向8列のビット配置を構成した場合に、各列のビット値が偶数パリティをとるように、即ち各列のビット値“1”の個数が偶数個になるように1ビットずつパリティビットを挿入するようになっている。例えば、図16における左から3番目の列においては、データ位置が3番目および11番目のビットが当該列をなしている。このとき、これらのビットの値が、この図16に示すようにそれぞれ“1”,“0”の場合には、パリティビットBIP−3としては、“1”を挿入するようになっている(図16のB参照)。
【0013】
なお、図16中においては、説明の簡略のため同一ビットレート(例えば2.5G/s)のビットが「1」番目から「16」番目まで配置されるとともに、後続するBIPとして8ビットのビットBIP−1〜BIP−8が配置される場合について説明している。又、図示している「1」番目から「16」番目までのビット値の値については一例である。
その他、本発明に関連する文献公知発明としては、下記の特許文献2および3に記載されたものもある。
【特許文献1】特開平8−8954号公報
【特許文献2】特開2000−188593号公報
【特許文献3】特開平9−214541号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、既存システム、例えば、上述のITU−Tで標準化されているG−PON(Gigabit-capable Passive Optical Network)等では、物理レイヤでサービス毎にビットレートを変えて伝送する方式を採用していないため、特許文献1記載の方法では、既存システムとの整合性に改善の余地がある。
また、前述の特許文献1記載の技術は、マルチレート・バースト回路を全ONU200に予め用意(装備)しておく必要があるため、高速サービスを望まない加入者であってもONUのアップグレード(マルチレート・バースト回路の装備等)を行なわなければならず、機器更新の煩雑さ及びその費用負担が課題としてある。
【0015】
さらに、上述のごとく低速ビットレートのデータと、高速ビットレートのデータとを1つの通信システムで提供する場合においては、上述のBIPの演算を行なうにあたり、上述のG.984.3で規定されている手法においてはパリティ演算を行なうことが困難であるという課題がある。
すなわち、例えば図17(a)に示すように、2.5Gb/sのビットレートのデータの流れ(「1」番目〜「8」番目のビット)に続いて10Gb/sのビットレートのデータの流れ(「9」番目〜「40」番目のビット)が続き、データストリームとしてビットレートが混在している場合においては、このデータストリームに続くBIP領域に挿入すべきパリティビットについて想定する。
【0016】
この場合において、G.984.3に準じた手法によってパリティ演算を行なおうとすると、パリティビット自体は、既存の低速のONUで処理できるようにするため、低速ONUに合わせたビットレートであることが必要であることを考慮すると、この図17(a)のようなデータストリームの場合には、OLTで挿入すべきBIP領域のビットレートとしては、低速の2.5Gb/sのビットレートを有していることが必要である。
【0017】
このとき、図17(b)に示すように、2.5Gb/sの単位ビット長は、10Gb/sの単位ビットの4倍となるので、4つの10Gb/sのビットが8個の2.5Gb/sのビットにそれぞれ後続して、パリティ演算のための列をなすことになる。例えば「1」番目の2.5Gb/sのビットに後続して、「9」番目〜「12」番目の10Gb/sのビットがパリティ演算のための列をなすことになる。
【0018】
この場合において、各列のパリティを演算しようとする場合、2.5Gb/sの単位ビット時間において、互いに異なる10Gb/sのビット値が配置される場合が生じうるので、図17(c)に示すように、信頼性ある正確なパリティビットを導き出すことが困難となる。即ち、図17(c)におけるBIPの領域に、それぞれ一意に「0」又は「1」の値を設定することができない。尚、BIP領域が10Gb/sのビット長となれば値を設定することは可能であるが、このようにすると、2.5Gb/sのデータを受信するONUにおいてBIP処理を行なうことができず、仮に行なおうとする場合には相当の装置構成の改良が必要となる。
【0019】
特許文献2に記載された技術においては、PONにおけるOLTとしての送信装置から送信するフレーム信号の構成例として、速度の異なるサブフレームが時分割多重されたものについて記載されているが、フレームヘッダとなるオーバヘッドにはBIP演算を行なう点については触れられていない。
また、特許文献3に記載された技術においては、OLT内において複数のフレーマ機能を搭載することにより、各フレーマ機能が個別にONUに対応付けられて、OLTとONUとが独立した光ファイバを介した1対1の通信を行なう技術について開示するものであるが、ビットレート混在フレームにおけるBIP演算について実現するものではなく、又、OLTについてはハードウェアのレベルで変更が求められるとともに回線設備についても変更が必要であり、その結果、大規模なネットワーク構成の変更が必要である。
【0020】
そこで、本発明は、異なるビットレートのデータを混在して伝送する場合において、既存システムとの整合性を維持しながらも、簡易にBIP演算を行なうことができるようにすることを目的の一つとする。
なお、上記目的に限らず、後述する発明を実施するための最良の形態に示す各構成により導かれる効果であって、従来の技術によっては得られない効果を奏することも本発明の他の目的の1つとして位置づけることができる。
【課題を解決するための手段】
【0021】
このため、本発明は、以下のパリティビットの挿入方法および検査方法,局側装置ならびに加入者装置を特徴とするものである。
(1)すなわち、本発明のパリティビット挿入方法は、基本ビットレートのデータ信号とともに、該基本ビットレートに対して2以上の整数倍の関係にある他のビットレートのデータ信号が混在したフレーム信号を光信号として出力しうる局側装置と、前記基本ビットレートの光信号を受信しうる少なくとも一つの第1加入者装置と、前記他のビットレートの光信号を受信しうる少なくとも一つの第2加入者装置と、該局側装置からの光信号を分岐して各第1,第2加入者装置に接続する伝送路と、をそなえてなる光通信システムにおける該局側装置のパリティビット挿入方法であって、該局側装置は、前記基本ビットレートおよび前記他のビットレートを有するデータ信号に、それぞれ該基本ビットレートのヘッダ情報を付加し、前記ヘッダ情報が付加されたデータ信号について時分割多重によりデータ列を構成するとともにフレームヘッダを付加することによりフレーム信号を構成し、連続して構成される前記フレーム信号のパリティを算出し、前記パリティの演算結果に基づいて、前記基本ビットレートおよび前記他のビットレートのデータ信号のパリティ検査のためのパリティビットを該フレーム信号に挿入することを特徴としている。
【0022】
(2)また、上述の(1)の方法において、連続して構成される前記フレーム信号のパリティを、前記基本ビットレートおよび前記他のビットレートによるビット値に対応してそれぞれ算出し、前記パリティの演算結果に基づいて、前記基本ビットレートおよび前記他のビットレートに対応したパリティビットを、該フレーム信号にそれぞれ挿入することもできる。
【0023】
(3)さらに、上述の(1)の方法において、連続して構成される前記フレーム信号のパリティを、前記基本ビットレートによるビット値に対応して算出し、前記パリティの演算結果に基づいて、前記基本ビットレートおよび前記他のビットレートのデータ信号用のパリティビットとして共通のパリティビットを、該フレーム信号に挿入することとしてもよい。
【0024】
(4)また、上述の(1)の方法において、連続して構成される前記フレーム信号のパリティを、前記基本ビットレートおよび前記データ列をなす前記他のビットレートの各データ信号のビット値に対応してそれぞれ算出し、前記パリティの演算結果に基づいて、前記基本ビットレートに対応したパリティビットを前記第1加入者装置におけるパリティ検査のためのパリティビットとして該フレーム信号に挿入するとともに、前記他のビットレートの各データ信号のビット値に対応したパリティビットを当該各データ信号に連続した位置に挿入することとしてもよい。
【0025】
(5)さらに、本発明のパリティ検査方法は、上述の(2)の方法によって前記パリティビットが挿入されて前記局側装置において送信されたフレーム信号を受信する加入者装置におけるパリティ検査方法であって、前記局側装置において前記各データ信号に付加されるヘッダ情報には、前記フレーム信号における当該データ信号の配列位置に関する情報が含まれ、前記第1加入者装置では、連続して受信され入力される前記フレーム信号における前記基本ビットレートのビット値について、前記基本ビットレートに対応して挿入されたパリティビットに基づきパリティ検査を行なうとともに、前記第2加入者装置では、連続して受信され入力される前記フレーム信号における前記他のビットレートのデータ信号の配列位置について、当該データ信号のヘッダ情報から検出するとともに、前記他のビットレートのビット値について、前記他のビットレートに対応して挿入されたパリティビットに基づきパリティ検査を行なうことを特徴としている。
【0026】
(6)また、本発明のパリティ検査方法は、上述の(3)の方法によって前記パリティビットが挿入され当該局側装置において送信されたフレーム信号を受信する加入者装置におけるパリティ検査方法であって、前記各第1,第2加入者装置では、連続して受信され入力される前記フレーム信号における前記基本ビットレートのビット値について、前記挿入された共通のパリティビットに基づきパリティ検査を行なうことを特徴としている。
【0027】
(7)さらに、本発明のパリティ検査方法は、上述の(4)の方法によって前記パリティビットが挿入され当該局側装置において送信されたフレーム信号を受信する加入者装置におけるパリティ検査方法であって、前記局側装置において前記各データ信号に付加されるヘッダ情報には、前記フレーム信号における当該データ信号の配列位置に関する情報が含まれ、前記第1加入者装置では、連続して受信され入力される前記フレーム信号における前記基本ビットレートのビット値について、前記基本ビットレートに対応して挿入されたパリティビットに基づきパリティ検査を行なうとともに、前記第2加入者装置では、連続して受信され入力される前記フレーム信号における前記他のビットレートのデータ信号の配列位置について、当該データ信号のヘッダ情報から検出するとともに、前記他のビットレートのビット値について、自身宛てのデータ信号および当該データ信号に連続して挿入されたパリティビットに基づきパリティ検査を行なうことを特徴としている。
【0028】
(8)また、本発明の局側装置は、基本ビットレートのデータ信号とともに、該基本ビットレートに対して2以上の整数倍の関係にある他のビットレートのデータ信号が混在したフレーム信号を光信号として出力しうる局側装置と、前記基本ビットレートのデータ信号を受信しうる少なくとも一つの第1加入者装置と、前記他のビットレートのデータ信号を受信しうる少なくとも一つの第2加入者装置と、該局側装置からの光信号を分岐して各第1,第2加入者装置に接続する伝送路と、をそなえてなる光通信システムにおける局側装置であって、前記基本ビットレートおよび前記他のビットレートを有するデータ信号に、それぞれ該基本ビットレートのヘッダ情報を付加するヘッダ情報付加部と、前記ヘッダ情報が付加されたデータ信号について時分割多重によりデータ列を構成するとともにフレームヘッダを付加することによりフレーム信号を構成するフレーム信号構成部と、該フレーム信号構成部で連続して構成される前記フレーム信号のパリティを算出するパリティ算出部と、該パリティ算出部における前記パリティの演算結果に基づいて、前記基本ビットレートおよび前記他のビットレートのビット値に対するパリティ検査のためのパリティビットを該フレーム信号に挿入するパリティビット挿入部と、をそなえたことを特徴としている。
【0029】
(9)さらに、本発明の加入者装置は、上記(8)の局側装置から光信号として送信されるフレーム信号を受信する加入者装置であって、該フレーム信号を受信するフレーム受信部と、該フレーム受信部で受信された受信フレーム信号を入力され、前記受信フレーム信号に時分割多重されている各データ信号に付加された前記基本ビットレートのヘッダ情報を参照して、前記基本ビットレートのデータ信号が前記フレーム信号に時分割多重されているタイミング情報を取得するタイミング情報取得部と、該タイミング情報取得部で取得した前記タイミング情報に基づいて、前記受信フレーム信号内の前記基本ビットレートのビット値について、前記基本ビットレートのビット値に対するパリティ検査のためのパリティビットに基づいて、パリティ検査を行なうパリティ検査部と、をそなえたことを特徴としている。
【0030】
(10)また、本発明の加入者装置は、上記(8)の局側装置から光信号として送信されるフレーム信号を受信する加入者装置であって、該フレーム信号を受信するフレーム受信部と、該フレーム受信部で受信された受信フレーム信号を入力され、前記受信フレーム信号に時分割多重されている各データ信号に付加された前記基本ビットレートのヘッダ情報を参照して、前記他のビットレートのデータ信号が前記フレーム信号に時分割多重されているタイミング情報を取得するタイミング情報取得部と、該タイミング情報取得部で取得した前記タイミング情報に基づいて、該フレーム受信部から出力された前記受信フレーム信号内に時分割多重されている前記他のビットレートのデータ信号について、前記他のビットレートのビット値に対するパリティ検査のためのパリティビットを用いることにより、パリティ検査を行なうパリティ検査部と、をそなえたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0031】
このように、本発明によれば、異なるビットレートのデータを混在して伝送する場合において、既存システムとの整合性を維持しながらも、光加入者装置のアップグレード費用及びアップグレードに要する労力を軽減しつつ、簡易にBIP演算を行なうことができるようになるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図面を参照することにより、本発明の実施の形態について説明する。
なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。又、上述の本願発明の目的のほか、他の技術的課題,その技術的課題を解決する手段及び作用効果についても、以下の実施の形態による開示によって明らかとなる。
〔A〕第1実施形態の説明
図1は、本発明の第1実施形態に係るPONシステム(ビットレート混在光通信システム)の要部の構成を示すブロック図である。この図1に示すPONシステム1は、光局側装置(通信装置、以下、OLTという)3と、加入者#1〜#N(Nは2以上の整数)に対応したN台の光加入者装置(端末装置、以下、ONUという)2−1〜2−N(区別しない場合は、単にONU2と表記する)と、分岐合波カプラ12と、OLT3と分岐合波カプラ12とを接続する光ファイバ11と、分岐合波カプラ12と各ONU2−1〜2−Nとをそれぞれ接続する光ファイバ13−1〜13−N(区別しない場合は、単に光ファイバ13と表記する)とをそなえて構成される。
【0033】
ここで、上述の分岐合波カプラ12と、光ファイバ11,13−1〜13−Nと、により、OLT3からの光信号を分岐して各第1,第2加入者装置としてのONU2に接続する伝送路を構成する。又、ONU2には、OLT3からのデータ信号の受信用に、基本ビットレートA1か又は他のビットレートA2が設定されて、OLT3との間ではこの設定された通信ビットレートのデータ信号を送受信されるようになっている。ここで、他のビットレートA2としては、基本ビットレートA1に対するM倍(Mは2以上の整数で、本実施形態においてはM=4)倍の関係にあるものである。
【0034】
すなわち、本実施形態においては、2.5Gb/sのビットレートを基本ビットレートA1とする一方、基本ビットレートの4倍に相当する10Gb/sのビットレートを他のビットレートとする。即ち、ONU2においては、上述の2.5Gb/sのビットレートか又は10Gb/sのビットレートを、上述のデータ信号の受信のために適用することができる。
【0035】
これにより、基本ビットレートによるデータ信号を送受信するPONシステム1において、他のビットレートによるデータ信号を送受信することを希望するユーザに対応して、既存の基本ビットレートによるデータ信号を送受信するONUの基本的構成はそのままに、当該他のビットレートによるデータ信号を送受信するONUおよびOLTの構成についての簡易な変更によって、ビットレートが混在された光信号を送受信することができるようになっている。
【0036】
このとき、OLT3側からは、例えば図2に示すようなフレームフォーマットを有して、ビットレートが混在するデータパケットが時分割多重された光フレーム信号をONU2側に送信することにより、ONU2との間で時分割多重接続を実現する。又、ONU2側からはOLT3から与えられた個別の送信タイミングで、各ONU2で設定されるビットレートのデータパケットを送信することにより、OLT3との間で時分割多元接続を実現している。
【0037】
たとえば、図1に示すように、ONU2−1〜2−(N−1)(加入者#1〜加入者#N−1)を、基本ビットレートA1である2.5Gb/sの低速データ受信処理専用のONU(第1加入者装置、第1端末装置)とし、ONU2−N(加入者#N)をA1の4倍のビットレートビットレートBの高速データ受信処理可能なONU(第2加入者装置、第2端末装置)としてそれぞれ構成することができる。尚、以下においては、第1加入者装置としてのONUを「ONU−ai」と表記する一方、第2加入者装置としてのONUを「ONU−bj」と表記する場合がある(i,jは低速ONU及び高速ONUごとに与えられる自然数)。
【0038】
また、本実施形態においては、ONU2においては、OLT3からの下り方向のデータパケットに与えられるビットレートと、OLT3への上り方向のデータパケットに与えられるビットレートと、は同一としているが、異なるように構成することも可能である。
ここで、この図2に示すフレーム信号は、フレームヘッダをなすPCBd領域710と、PCBd領域710に続くペイロード領域720からなり、OLT3からの送信データストリームは、このようなフレームフォーマットを持つフレーム信号を連続的に送出することにより構成されるようになる。PCBd領域710は、前述の図14又は図15に示すものと同様の同期情報を含むPCBd♯1領域711,BIP領域712およびPCBd♯2領域713により構成される。
【0039】
また、第1実施形態においては、前述の図15の場合とは異なり、BIP領域712には、基本ビットレートA1のデータ(低速データ)を受信するONU(図2中においてはONU−a1,ONU−a2、図1中のONU2−1〜2−(N−1)参照)でパリティ検査を行なうためのパリティビットとともに、他のビットレートA2のデータ(高速データ)を受信するONU(図2中においてはONU−b1およびONU−b2、図1中のONU2−N参照)でパリティ検査を行なうためのパリティビットについても書き込まれるようになっている。
【0040】
また、ペイロード領域720は、各ONU2宛のデータ信号がデータパケットとして時分割多重されるようになっているが、各ONU2宛のデータ信号をなすデータ領域の先頭箇所に個別のヘッダ情報(Header)が挿入されることにより、上述のデータパケットを構成するようになっている。この個別のヘッダ情報には、後続するデータ領域に書き込まれるデータの宛て先ONUについての情報や、宛て先ONUで取り扱うデータ信号のビットレートに関する情報等の管理情報が含まれるようになっている。
【0041】
さらに、OLT3は、例えば図1中に示すように、フレーム化処理部4と、電気/光(E/O)変換部5と、WDMカプラ6と、光/電気(O/E)変換部7と、ビット同期処理部8と、M分周回路9と、データ処理部10と、タイミングコントロール部14と、をそなえて構成される。
ここで、フレーム化処理部4は、各ONU2へ送信(同報)するための下りデータを上述の図2に示すフォーマットでフレーム化(時分割多重)し、フレーム信号を構成するためのものであり、後述する図3に示すような構成を有している。
【0042】
また、タイミングコントロール部14は、フレーム信号をなすペイロード領域720においてデータ信号を時分割多重する順序あるいは配列タイミングについて、宛て先となるONU2に対応付けて管理する機能のほか、ONU2から送信される信号についての受信タイミングについても管理して、この受信タイミングに基づいて後述するM分周回路9の動作をON/OFF制御する機能も具備している。
【0043】
さらに、E/O変換部5は、フレーム化処理部4で生成された下りフレームを電気信号から光信号(例えば、1.49μm帯の光)へ電光(E/O)変換するためのものである。WDMカプラ6は、E/O変換部5によりE/O変換された下りフレームを光ファイバ11へと送出する一方、光ファイバ11からの上りフレーム(例えば、1.31μm帯の光)をO/E変換部7へと分波するためのものである。
【0044】
O/E変換部7は、WDMカプラ6で分波された上りフレームを、光信号から電気信号へ光電(O/E)変換するためのものである。更に、ビット同期処理部8は、他のビットレートA2に対応するクロック周波数(以下、クロックA2という)でONU2からの上りフレームを受信処理し、上りフレームに含まれるデータの受信タイミングと、OLT3の受信処理動作クロックとをビット同期させるためのものである。
【0045】
M分周回路9は、OLT3の受信処理動作クロックをM(Mは2以上の整数)分周するためのものである。例えば、2.5Gb/sのビットレートA1のデータを受信したタイミングでタイミングコントロール部14がM分周回路9をONとすることにより、OLT3の受信動作クロックA2である10GHzをM=4分周して、後述のデータ処理部10が、ビットレートA1のデータをクロックA2の4ビット周期(4クロックに1回の割合)で受信処理するのである。
【0046】
ここで、ビットレートA2は、ビットレートA1のM(ここでは4)倍であるため、クロックA2も、ビットレートA1に対応するクロック周波数(以下、クロックA1という)のM倍となる。即ち、M分周回路9がON制御されることで、データ処理部10は、ビットレートA1のデータに対してクロックA2をM分周したクロックA1で動作することになるのである。
【0047】
一方、ビットレートA2のデータを受信したタイミングでは、タイミングコントロール部14がM分周回路9の動作をオフするので、データ処理部10は、ビットレートA2のデータをそのままビット単位(即ち、クロックA2)で正確に受信処理することができる。なお、各ONU2の上りデータの送信タイミング(アクセスタイミング)はOLT3で管理しているため、上りフレーム同期の検出、確立処理を行なわなくてもOLT3はビットレートA1,A2のデータ受信タイミングを把握している。
【0048】
データ処理部10は、上述したように、M分周回路9のオン/オフ状態に応じて、ビットレートA1のデータをクロックA1で、また、ビットレートA2のデータをクロックA2で受信処理するものである。
このようにOLT3を構成することにより、図2に示したフレームフォーマットにおいて、ONU−ai宛のデータをビットレートA1で送信するとともに、ONU−bj宛のデータをビットレートA2で送信することができる。さらに、ビットレートA1のデータとビットレートA2のデータとが混在した各ONU2からの上りフレームについては、共通のビット同期処理部8によりクロックA2でビット同期を確立した上で、タイミングコントロール部14でM分周回路9をオン/オフ制御することにより、ビットレートA1の基本ビットレートのデータはクロックA2をM分周したクロックA1(Mビット周期)で、ビットレートA2の高速データはクロックA2をそのまま用いビット単位周期で受信処理できる。
【0049】
ところで、OLT3におけるフレーム化処理部4は、上述の図2に示すようなフレーム信号を構築するため、図3に示すように、データ取り込み用バッファ41,ヘッダ付加部42a,42b,結合部43,PCBd♯1付加部44a,PCB♯2付加部44b,BIP演算部45,BIP挿入用バッファ46,BIP付加部47および同期ビット処理・スクランブル部48をそなえている。
【0050】
データ取り込み用バッファ41は、OLT3からONU2に宛てて送信すべきデータを、OLT3をなす上位システムから受け取って一旦保持し、指定される宛て先単位に一まとまりのデータ信号として出力する。このとき、データ取り込み用バッファ41としては、2.5Gb/sの基本ビットレートのデータ信号および10Gb/sのビットレートのデータ信号用に別々のバッファをそなえて構成することにより、それぞれ個別に書き込み/読み出しを行なうようにすることができる。
【0051】
また、ヘッダ付加部42aは、データ取り込み用バッファ41からの所定長の2.5Gb/sの基本ビットレートのデータ信号に、宛て先やビットレート情報等の管理情報を含むヘッダ情報を付加するものである。例えば、データ取り込み用バッファ41から48バイトのデータ長のデータ信号に5バイトのヘッダ情報を付加することにより、ATM(Asynchronous Transfer Mode)のフォーマットに即したデータパケットとすることができる。
【0052】
さらに、ヘッダ付加部42bについては、データ取り込み用バッファ41からの所定長の10Gb/sのビットレートのデータ信号に、宛て先やビットレート情報等の管理情報を含む2.5Gb/s(基本ビットレート)のヘッダ情報を付加するものである。従って、上述のヘッダ付加部42a,42bは、基本ビットレートおよび他のビットレートを有するデータ信号に、それぞれ基本ビットレートのヘッダ情報を付加するヘッダ情報付加部である。
【0053】
なお、これらのヘッダ付加部42a,42bで挿入されるヘッダ情報は、上述の基本ビットレートを有しているので、各ONU2においては、データ信号の受信に適用されるビットレートにかかわらず、各データ信号に対応するヘッダ情報を参照することにより、自身宛てのデータ信号か否かを識別することができるようになっている。
また、結合部43は、上述のごとくヘッダ情報が付加されてなるデータパケットについて時分割多重で結合させることにより、図2に示すフレーム信号におけるペイロード領域720を構成することができるようになっている。更に、PCBd♯1付加部44aおよびPCBd♯2付加部44bは、結合部43でペイロード領域720が構成された信号の先頭部分に、フレームヘッダとしてのPCBd♯1領域711およびPCBd♯2領域713(図15参照)に書き込むべき内容をそれぞれ付加するものである。
【0054】
したがって、上述の結合部43,PCBd♯1付加部44aおよびPCBd♯2付加部44bにより、ヘッダ情報が付加されたデータ信号について時分割多重によりデータ列を構成するとともにフレームヘッダを付加することによりフレーム信号を構成するフレーム信号構成部を構成する。
さらに、BIP演算部45は、結合部43,PCBd♯1付加部44aおよびPCBd♯2付加部44bで連続して構成されるフレーム信号のパリティを算出するパリティ算出部として機能し、第1実施形態においては、パリティビットであるBIP値についてビットレートごとの領域に分けて導出ようになっている。
【0055】
具体的には、フレーム信号における2.5Gb/sのビットレートを有する領域についてのBIPを演算する低速BIP演算部45aと、10Gb/sのビットレートを有する領域についてのBIPを演算する高速BIP演算部45bと、低速BIP演算部45aにおいて演算すべき当該フレーム信号の前フレーム信号に挿入されたPCBd♯2領域713の値についてバッファリングするBIP演算用バッファ45cと、をそなえている。
【0056】
すなわち、低速BIP演算部45aにおいては、図2の〔1〕に示すように、先行する前フレーム信号に挿入されたPCBd♯2領域713の情報をBIP演算用バッファ45cから取り込むとともに、PCBd♯2付加部44bから出力された前フレーム信号のペイロード領域720の情報のうちの基本ビットレートA1を有する区間の情報と、後続のフレーム信号をなす先頭のPCBd♯1領域711の情報と、を取り込んで、これらの情報から、基本ビットレートA1の情報(ビット値)に対応したパリティ演算を行なうようになっている。
【0057】
また、高速BIP演算部45bは、図2の〔1〕に示すように、PCBd♯2付加部44bから出力された前フレーム信号のペイロード領域720の情報のうちで、10Gb/sの他のビットレートA2を有する区間の情報を取り込んで、この取り込んだ情報から、10Gb/sのビットレートA2の情報(ビット値)に対応したパリティ演算を行なうようになっている。
【0058】
前述したように、タイミングコントロール部14においては、フレーム化処理部4における結合部43において、時分割多重によりデータ列を構成するにあたり、データ信号および対応する個別ヘッダ情報の配列タイミングについて管理している。低速BIP演算部45aおよび高速BIP演算部45bでは、タイミングコントロール部14から上述の配列タイミングに関する情報を受け取ることにより、各ビットレートの信号に対応した情報をパリティ演算のために取り込むことができるようになる。
【0059】
なお、この他に、低速BIP演算部45aおよび高速BIP演算部45bでは、各データ信号に付加される個別ヘッダ情報に含まれる、当該データ信号のビットレートに関する情報を読み取ることにより、各ビットレートの信号に対応した情報をパリティ演算のために取り込むことも可能である。
また、BIP挿入用バッファ46は、後段のBIP付加部47においてパリティビット(BIP)をBIP領域712に挿入するために、PCBd♯2付加部44bでフレームヘッダが付加されたフレーム信号のタイミング調整を行なうものであり、例えば、フレーム信号におけるBIP領域712よりも下流側の領域をなす情報をバッファリングにより遅延させて、BIP領域712を確保する。BIP付加部47は、上述の低速BIP演算部45aおよび高速BIP演算部45bにおけるパリティ演算を通じて得られるパリティビットをBIP領域712に書き込む(付加、あるいは挿入する)ものである。
【0060】
したがって、上述のBIP挿入用バッファ46およびBIP付加部47により、上述の低速BIP演算部45aおよび高速BIP演算部45bでのパリティの演算結果に基づいて、基本ビットレートA1および他のビットレートA2に対応したパリティビットを、各ONU2−1〜2−Nにおけるパリティ検査のためのパリティビットとしてフレーム信号にそれぞれ挿入するパリティビット挿入部を構成する。
【0061】
また、同期ビット処理・スクランブル部48は、BIP付加部47でBIPが付加されたフレーム信号を入力されて、このフレーム信号をなすPCBd♯1領域711をなす同期情報(PSync)のビット値を除いてスクランブリング処理を行なうものである。尚、上述のスクランブリング処理が施された結果の信号については、もとの同期情報のビット値がフレーム信号の先頭部分に戻された後、送信用の下りフレーム信号としてE/O変換部5に出力されるようになっている。
【0062】
図4は、上述のBIP演算部45でのパリティの演算態様の一例について説明するための図である。例えばこの図4に示すように、連続して入力されてくるフレーム信号F1,F2について、横方向は2.5Gb/sのビット長で例えば8ビットごとに一行をなして縦方向に整列させた場合を想定すると、前後のBIP領域712で挟まれる範囲(BIP演算範囲:R1)における各列の(縦方向の)ビット値について、低速の2.5Gb/sのビット値および高速の10Gb/sのビット値ごとにパリティ演算を行なう。
【0063】
なお、図4中においては、例として、基本ビットレートA1のデータ信号を送受信する1つの低速ONU−a(第1加入者装置)に宛てたデータパケットとともに、他のビットレートA2のデータ信号を送受信する2つの高速ONU−b1,ONU−b2に宛てたデータパケットが、ペイロード領域720に時分割多重されているものが示されている。
具体的には、低速BIP演算部45aにおいては、BIP演算用バッファ45cから、先行フレーム信号F1のPCBd♯2領域713のビット値を取り込むとともに、PCBd♯2付加部44bからの、先行フレームF1のペイロード領域720および、先行フレームF1に続く当該フレームF2のPCBd♯1領域711のビット値について取り込むとともに取り込んだビット値について、例えばこの図4に示すように2.5Gb/sのビット長で8ビット列に整列させて、各列についてのパリティ演算を行なう。尚、整列させるビット列数は一例であり、これ以外の列数で整列させてパリティ演算を行なうこととしてもよい。
【0064】
このとき、タイミングコントロール部14においては時分割多重によりデータ列を構成するにあたり、データ信号および対応する個別ヘッダ情報の配列タイミングを管理しているので、各低速BIP演算部45aおよび高速BIP演算部45bに入力されるビット値が、フレーム信号をなすいずれの領域に属するものかについて把握することが可能である。
【0065】
このため、低速BIP演算部45aにおいては、タイミングコントロール部14からの制御を受けて、上述のごとく整列された8ビット列のうちで、2.5Gb/sのビット長を有する行をなすビット値をパリティ演算のために抽出して、各列について抽出したビット値でパリティ演算を行なう。
この場合においては、BIP演算用バッファ45cからの前フレーム信号のPCBd♯2領域713のビット値(図4の領域R2におけるPCBd♯(A+16)〜PCBd♯B)、前フレーム信号のペイロード領域720をなす2.5Gb/sのパケットデータ(ヘッダおよびデータ信号)のビット値(領域R3におけるData(C−Bビット))、10Gb/sのパケットデータにおけるヘッダ領域のビット値(領域R4,R6におけるHeader(D−Cビット),Header(F−Eビット))および当該フレーム信号のPCBd♯1領域711のビット値(領域R8におけるPCBd−♯1〜PCBd−♯A)について、上述のごとく整列された8ビット列ごとにビット値の合計を演算する。
【0066】
そして、低速BIP演算部45aでの各列のパリティ演算結果に応じたパリティビット値を、BIP領域712における該当箇所(領域R92の2.5G BIP−♯1〜2.5G BIP−♯8)へのパリティビットとして導出する。即ち、上述のビット値の合計により、当該列のビット値「1」が偶数個である場合には、その列のパリティビットを「0」とする一方、上記合計値により当該列のビット値「1」が奇数個である場合には、その列のパリティビットを「1」とする。パリティ付加部47では、低速BIP演算部45aにおいてこのように導出されたパリティビットをBIP領域712に付加(挿入)する。
【0067】
たとえば、図4中、領域R2のPCBd−♯(A+16)及びPCBd−♯(B−7),領域R3の2.5G−♯(B+1)及び2.5G−♯(C−7)並びに領域R4のPCBd−♯1及びPCBd−♯(A−7)は、いずれも8ビット列における最も左側に整列されているビットである。低速BIP演算部45aでは、これらのビット値の合計を演算(パリティ演算)して、BIP付加部47で、このパリティ演算結果に応じて上述のごとく定められるパリティビットを、低速BIP領域712aの該当位置(領域R92における2.5G BIP−♯1)に付加する。
【0068】
また、高速BIP演算部45bにおいては、タイミングコントロール部14からの制御に基づいて、先行フレームF1のペイロード領域720のうちで、10Gb/sのデータ領域R5,R7(10G−♯(D+1)〜10G−♯E,10G−♯(F+1)〜10G−♯G)のビット値を取り込み、パリティ演算を行なう。
この場合においては、演算範囲R1で1行当たり10Gb/sのビット長で32ビット毎に整列させることにより、10Gb/sのビット区間では32列に配列されることになる。高速BIP演算部45bにおいては、この配列に従い各列でのパリティ演算を行なう。尚、整列させるビット列数は一例であり、これ以外の列数で整列させてパリティ演算を行なうこととしてもよい。
【0069】
このとき、10Gb/sのビット長は2.5Gb/sのビット長の4分の1であるため、2.5Gb/sの8ビット長ごとの整列により、10Gb/sでは32ビット長ごとに一行をなして整列されることとなる。従って、高速BIP演算部45bにおいては、上述の32ビット列ごとにパリティを演算し、低速BIPと同様に、BIP付加部47で、パリティ演算結果に基づき該当位置のパリティビットを付加する(領域R91における10G BIP−♯1〜10G BIP−♯32)。尚、BIP付加部47では、図中上述の低速BIP演算部45aおよび高速BIP演算部45bからのパリティ演算の結果に基づいて、タイミングコントロール部14からのタイミング制御の元で順次BIPが付加されるようになっている。
【0070】
このようにして、BIP演算部45において、データ信号のビットレートに個別に対応したパリティ演算を行なうとともに、各ビットレートに対応したBIP領域712を設定することで(図4のR91,R92)、各ビットレートに対応したBIPをフレーム信号に付加することができるようになる。
ところで、図1に示すONU2において、OLT3からのデータ信号の受信のために基本ビットレートA1が設定されているもの(例えばONU2−1〜2−(N−1))は、図5にONU−aiとして示すような構成を有するとともに、基本ビットレートA1に対するM(例えばM=4)倍の関係にある通信ビットレート(他のビットレート)A2が設定されているONU(例えばONU2−N)は、図6にONU−bjとして示すような構成を有している。
【0071】
ここで、この図5に示すように、各低速ONU−ai(図1の符号2−1〜2−(N−1)参照)は、例えば、WDMカプラ14と、O/E変換部15と、デスクランブル・同期処理部16aと、ヘッダ情報処理部16bと、低速BIP演算部16cと、受信データ処理部17と、タイミング制御部18と、送信データ処理部19と、E/O変換部20とをそなえて構成され、基本ビットレートA1に対応するクロックA1を基本動作クロックとして動作(受信処理)する。
【0072】
ここで、図5に示す低速ONU−aiにおいて、WDMカプラ14は、光ファイバ13からの下り光フレーム信号(1.49μm帯の光)をO/E変換部15へ分波するとともに、E/O変換部20からの上り方向への光信号(1.31μm帯の光)を光ファイバ13へ送出するものである。又、O/E変換部15は、WDMカプラ14で分波された下りフレームを、光信号からアナログ電気信号へO/E変換するとともに、O/E変換されたアナログ電気信号は、更に2・5Gb/sのクロック周期に同期して「1」,「0」が識別されたディジタル電気信号として出力されるようになっている。
【0073】
デスクランブル・同期処理部16aは、O/E変換部15においてディジタル電気信号に変換された前記下りフレーム信号中の同期ビットPSyncを識別、即ちフレーム同期を検出するとともに、デスクランブル処理を行なうものである。デスクランブル・同期処理部16aにおけるデスクランブル処理を行なうにあたっては、フレーム信号中上述の同期ビットPSyncを削除した上でデスクランブリングがなされ、その後再びPSyncが元の位置に付加されて出力される。
【0074】
したがって、上述のWDMカプラ14およびO/E変換部15により、フレーム信号を受信するフレーム受信部を構成する。
また、ヘッダ情報処理部16bは、デスクランブル・同期処理部16aにてデスクランブルされたフレーム信号について、OLT3のヘッダ付加部42a,42bで付加されたヘッダ情報を読み取ることにより、当該ヘッダ情報が付加されて構成されるパケットデータのフレーム信号内位置情報や、読み取ったヘッダ情報に後続するデータ信号の宛て先やビットレートに関する情報を取得するものであり、取得した各情報については後段のタイミング制御部18に出力することができるようになっている。
【0075】
すなわち、ヘッダ情報処理部16bおよび後述のタイミング制御部18により、フレーム受信部としてのデスクランブル・同期処理部16aで受信された受信フレーム信号を入力され、受信フレーム信号に時分割多重されている各データ信号に付加された基本ビットレートA1のヘッダ情報を参照して、基本ビットレートA1のデータ信号がフレーム信号に時分割多重されているタイミング情報を取得するタイミング情報取得部を構成する。
【0076】
さらに、低速BIP演算部16cは、タイミング制御部18からのタイミング制御に基づいて、デスクランブル・同期処理部16aにおいてデスクランブルされたフレーム信号について、前述のOLT3をなす低速BIP演算部45aと同様のパリティ演算を通じてパリティ検査を行なうものである。例えば、前述の図4に示すBIP演算領域R1における2.5Gb/sのビットが配置される領域R2〜R4,R6,R8およびBIP領域R92における各列のビット値「1」の合計が偶数個である場合にはパリティ検査OKとする旨を検査結果として出力する一方、合計が偶数個である場合にはパリティ検査NGとする旨を検索結果として出力する。この場合においては、各列についてのパリティ検査結果の全てがOKの場合にパリティ検査成功とする旨を出力することができる。
【0077】
したがって、上述の低速BIP演算部16cにより、タイミング情報取得部をなすヘッダ情報処理部16bで取得したタイミング情報に基づいて、受信フレーム信号内の基本ビットレートA1のビット値について、パリティ検査を行なうパリティ検査部を構成する。
受信データ処理部17は、それぞれ上述したように、タイミング制御部18からの制御に従って、BIP演算部16cでパリティ検査が行なわれたフレーム信号について、自局宛のデータ信号の受信処理を行なうものである。又、送信データ処理部19は、OLT3宛てのデータについて、タイミング制御部18からの制御のもとで当該ONU−aiに与えられた時分割多元接続のためのタイミングで送信信号の送信処理を行なうものである。
【0078】
また、タイミング制御部18は、ヘッダ情報処理部16bで取得した、フレーム信号内に多重化されているデータ信号のフレーム内位置、宛て先やビットレートに関する情報等の管理情報に基づいて、自身のONU2−ai内での各機能部に対するタイミング制御を行なうものである。例えば、自局ONU−ai宛のデータ位置に対応して、受信データ処理部17による受信処理を行なうべく受信タイミングを制御するとともに、BIP演算部16cでのBIP演算のためのタイミング制御を行なう。
【0079】
そして、E/O変換部20は、送信データ処理部19からの上り方向のデータを電気信号から光信号(上り方向への1.31μm帯の光)にE/O変換するためのものである。尚、上り方向のデータについても、基本ビットレートA1とすることができる。
一方、図6に示すように、高速のONU−bj(図1のONU2−N参照)は、図5に示すONU−aiにおけるもの(符号14,15,17−20)に対応するWDMカプラ21,O/E変換部22,受信データ処理部25,タイミング制御部26,送信データ処理部27およびE/O変換部28をそなえるとともに、PSync削除部23a,高速デスクランブラ23b,高速BIP演算部23c,分周回路23d,低速デスクランブラ23e及びヘッダ情報処理部23hをそなえて構成される。
【0080】
ここで、図6に示すONU−bjのO/E変換部22は、光ファイバ13からの下り光フレーム信号(1.49μm帯の光)を光信号からアナログ電気信号へO/E変換するとともに、O/E変換されたアナログ電気信号は、更に10Gb/sのクロック周期に同期して「1」,「0」が識別されたディジタル電気信号として出力されるようになっている。
【0081】
PSync削除部23aは、O/E変換部22においてディジタル電気信号に変換された前記下りフレーム信号中の2.5Gb/sのビット長を有する同期ビットPSyncを識別、即ちフレーム同期を検出するとともに、当該同期ビットPSyncを削除して出力するものである。
したがって、上述のWDMカプラ21およびO/E変換部22により、フレーム信号を受信するフレーム受信部を構成する。
【0082】
高速デスクランブラ23bは、PSync削除部23aから、同期ビットPSyncが削除されたフレーム信号を入力されて、10Gb/sのビットレートに対応したデスクランブル処理を行なうものである。
さらに、BIP演算部23cは、タイミング制御部26からのタイミング制御に基づいて、高速デスクランブラ23bにおいてデスクランブルされたフレーム信号について、前述のOLT3をなす高速BIP演算部45bと同様のパリティ演算を通じてパリティ検査を行なうものである。例えば、高速デスクランブラ23bからのフレーム信号について、前述の図4に示すBIP演算領域R1における10Gb/sのビットが配置される領域R5,R7およびBIP領域R91における各列のビット値「1」の合計が偶数個である場合にはパリティ検査OKとする旨を検査結果として出力する一方、合計が奇数個である場合にはパリティ検査NGとする旨を検索結果として出力する。この場合においても、各列についてのパリティ検査結果の全てがOKの場合にパリティ検査成功とする旨を出力することができる。
【0083】
したがって、上述のBIP演算部23cは、タイミング情報取得部をなす後述のヘッダ処理部23hで取得したタイミング情報に基づいて、PSync削除部23aから出力された受信フレーム信号内に時分割多重されている他のビットレートのデータ信号について、受信フレーム信号に挿入された第2加入者装置におけるパリティ検査のためのパリティビットを用いることにより、パリティ検査を行なうパリティ検査部を構成する。
【0084】
また、分周回路23dは、PSync削除部23aから、同期ビットPSyncが削除されたフレーム信号についてM(この場合にはM=4)分周することにより、2.5Gb/sのビット長を有する信号として出力するものである。尚、フレーム信号における2.5Gb/sのビットが配置された領域においては、O/E変換部22での変換処理によって、2.5Gb/sの単位ビットに対し、同符号がM=4個連続するディジタル電気信号として出力されるが、分周回路23dにおける分周処理によって、もとの2.5Gb/sのビット長の信号とすることができるようになっている。
【0085】
なお、上述の分周回路23dにおける分周の結果、フレーム信号をなすビット値に関し、O/E変換部22で10Gb/sのビット長に(同符号連続で)刻まれた2.5Gb/sのビット値については、もとの2.5Gb/sのビット長を有するものとなる一方、10Gb/sのビット値については、4ビット置きに取り込まれた符号を有し2.5Gb/sのビット長を有するものとして出力される。
【0086】
さらに、低速デスクランブラ23eは、分周回路23dで2.5Gb/sのビットレートに変換されたフレーム信号について2.5Gb/sのビットレートに相当するデスクランブル処理を行なうものである。
また、ヘッダ情報処理部23hは、上述のごとくデスクランブル処理が施されたフレーム信号について、OLT3のヘッダ付加部42a,42bで付加されたヘッダ情報(2.5Gb/sの基本ビットレート)を読み取ることにより、読み取ったヘッダ情報に後続するデータ信号の宛て先やビットレートに関する情報を取得するものである。
【0087】
また、タイミング制御部26は、ヘッダ情報処理部23hで取得した、フレーム信号内に多重化されているデータ信号の宛て先やビットレートに関する情報に基づいて、自局2−N宛のデータ位置に対応して、受信データ処理部25による受信処理を行なうべく受信タイミングを制御するとともに、BIP演算部23cでのBIP演算のためのタイミング制御を行なうものである。
【0088】
したがって、上述分周回路23d,デスクランブラ23e,ヘッダ情報処理部23hおよびタイミング制御部26により、フレーム受信部をなすPSync削除部23aからの受信フレーム信号を入力され、受信フレーム信号に時分割多重されている各データ信号に付加された基本ビットレートA1のヘッダ情報を参照して、他のビットレートA2のデータ信号がフレーム信号に時分割多重されているタイミング情報を取得するタイミング情報取得部を構成する。
【0089】
受信データ処理部25は、タイミング制御部26からの制御に従って、BIP演算部23cでパリティ検査が行なわれたフレーム信号について、自局宛のデータ信号(10Gb/s)の受信処理を行なうものである。又、送信データ処理部27は、OLT3宛ての送信データ(ビットレートは例えば下り方向と同様の10Gb/s)について、タイミング制御部26からの制御のもとで当該ONU2−Nに与えられた時分割多元接続のためのタイミングで送信処理を行なうものである。
【0090】
そして、E/O変換部28は、送信データ処理部27からの上り方向のデータを電気信号から光信号(上り方向への1.31μm帯の光)にE/O変換するためのものである。
上述のごとく構成されたPONシステム1では、OLT3のフレーム化処理部4では、ヘッダ付加部42a,42bにおいて、基本ビットレートA1および他のビットレートA2を有するデータ信号に、それぞれ基本ビットレートA1のヘッダ情報を付加し、結合部43,PCBd♯1付加部44a及びPCBd♯2付加部44bで、ヘッダ情報が付加されたデータ信号について時分割多重によりデータ列を構成するとともにフレームヘッダを付加することによりフレーム信号を構成し、BIP演算部45で、連続して構成されるフレーム信号のパリティを算出し、BIP付加部47で、パリティの演算結果に基づいて、前記各第1,第2加入者装置におけるパリティ検査のためのパリティビットをフレーム信号に挿入している。
【0091】
ここで、BIP演算部45では、連続して構成されるフレーム信号のパリティを、基本ビットレートA1および他のビットレートA2によるビット値に対応してそれぞれ算出し、パリティの演算結果に基づいて、基本ビットレートA1および他のビットレートA2に対応したパリティビットを、低速ONU−ai(第1加入者装置)および高速ONU−bj(第2加入者装置)におけるパリティ検査のためのパリティビットとしてフレーム信号にそれぞれ挿入している。
【0092】
また、図5に示す低速のONU−aiにおいては、下りフレーム信号についての受信処理を行なう際のBIP演算については、BIP演算部16cで、タイミング制御部18からのタイミング制御を受けて、2.5Gb/sのビットが配置される領域R2〜R4,R6,R8および2.5Gb/sのBIP領域R92の値に基づいて、2.5Gb/sのデータ信号用のパリティ検査を行なうことができるので、10Gb/sのビットレートのデータ信号が混在している場合においてもBIP演算に支障が生じることはない。
【0093】
一方、図6に示す高速のONU−bjにおいては、下りフレーム信号についての受信処理を行なう際のBIP演算について、BIP演算部23cで、タイミング制御部26からのタイミング制御を受けて、10Gb/sのビットが配置される領域R5,R7および10Gb/sのBIP領域R91の値に基づいて、10Gb/sのデータ信号用のパリティ検査を行なうことができる。
【0094】
なお、低速のONU−aiにおいては、従来技術にかかるONUの構成に比して、BIP演算部16cおよびタイミング制御部18としての機能を追加するのみで、第1実施形態におけるフレーム信号に含まれるBIPに応じたパリティ検査を実現することができるので、実質的なハードウェアの仕様変更は不要であり、ファームウェアの更新等を通じた仕様変更のみで足りるため、低速のONU−aiに求められるアップグレードの労力を必要最小限にとどめることができる。
【0095】
このように、本発明の第1実施形態によれば、BIP演算部45およびBIP付加部47により、第1加入者装置としてのONU−aiにおけるパリティ検査のためのパリティビットとともに、第2加入者装置としてのONU−bjにおけるパリティ検査のためのパリティビットをフレーム信号に挿入することができるので、異なるビットレートのデータを混在して伝送する場合において、既存システムとの整合性を維持しながらも、光加入者装置のアップグレード費用及びアップグレードに要する労力を軽減しつつ、簡易にBIP演算を行なうことができるようになるという利点がある。
【0096】
〔B〕第2実施形態の説明
図7は本発明の第2実施形態にかかる係るPONシステム(ビットレート混在光通信システム)に適用されるOLT3の要部構成を示すブロック図である。第2実施形態のおいても、第1実施形態の場合と同様のPONシステム1を前提とするものであるが、10Gb/sのビットレートのデータを受信するONU−bj(符号2−N参照)におけるパリティ検査のために挿入するBIPの態様およびONU−bjでのパリティ検査の態様が前述の第1実施形態の場合と異なっている。
【0097】
このために、第2実施形態におけるOLT3は、第1実施形態の場合に比して、図3に示すものとは異なるBIP演算部45Aを有するフレーム化処理部4Aをそなえている点が異なっている。図7に示すフレーム化処理部4Aの構成としては、BIP演算部45AおよびBIP付加部47A以外の構成については前述の図3に示すものと基本的に同様であり、図7中、図3と同一の符号はほぼ同様の部分を示している。
【0098】
ここで、BIP演算部(パリティ算出部)45Aは、前述の第1実施形態におけるものと同様の低速BIP演算部45aおよびBIP演算用バッファ45cにより構成されている。即ち、基本ビットレートA1および他のビットレートA2のデータ信号の送受信用のONU−ai,ONU−bj間において共用のBIPとして、連続して構成されるフレーム信号のパリティを、基本ビットレートによるビット値に対応して算出するようになっている。
【0099】
すなわち、フレーム信号における高速ONU2−N(図1参照)宛てのデータ信号には基本ビットレートA1のヘッダ情報が付されているので、10Gb/sのデータ信号のためのパリティにおいては、データ信号そのものからパリティを演算せずに、高速ONU2−Nでデータ信号とともに受信することとなる基本ビットレートA1のヘッダ情報を含んでパリティ演算を行なう。
【0100】
このような基本ビットレートA1によるビット値のパリティ演算においても、高速ONU2−Nにおいて受信するビット値を含んで演算するものであり、少なくともOLT3と高速ONU2−N間での通信エラーを検出するために適用することが可能である。
また、BIT挿入用バッファ46とともにパリティビット挿入部を構成するBIP付加部47Aでは、BIP演算部45Aにおけるパリティの演算結果に基づいて、基本ビットレートA1および他のビットレートA2のデータ信号用のパリティビットとして共通のパリティビットを、第1加入者装置としてのONU2−1〜2−(N−1)および第2加入者装置としてのONU2−Nにおけるパリティ検査のためのパリティビットとしてフレーム信号に挿入するようになっている。
【0101】
図8は、第2実施形態におけるフレーム化処理部4AをなすBIP付加部47Aにおけるパリティビットの挿入態様について説明するための図である。この図8に示すように、低速BIP演算部45aにおいては、BIP演算用バッファ45cから、先行フレーム信号F1のPCBd♯2領域713のビット値を取り込むとともに、PCBd♯2付加部44bからの、先行フレームF1のペイロード領域720および、先行フレームF1に続く当該フレームF2のPCBd♯1領域711のビット値について取り込む。
【0102】
そして、取り込んだビット値について、例えばこの図4に示すように、横方向は2.5Gb/sのビット長における8ビット分の長さで縦方向に整列させて、各8ビット列についてのパリティ演算を行なう。尚、整列させるビット列数は一例であり、これ以外の列数で整列させてパリティ演算を行なうこととしてもよい。
そして、BIP付加部47Aでは、低速BIP演算部45aでの各列のパリティ演算結果に応じたパリティビット値を、低速のONU−aiおよび高速のONU−bjに対する共通のパリティビットとして、BIP領域712をなすBIP領域712における該当箇所(領域R92の2.5G BIP−♯1〜2.5G BIP−♯8)に付加する。
【0103】
また、第2実施形態にかかるPONシステム1をなすONU2(図1参照)に関し、低速のONU−ai(符号2−1〜2−(N−1)参照)としては前述の図5に示すものと同様の構成を有し、図8の領域R92に書き込まれたパリティビットを用いたパリティ検査を行なうことができるようになっている。一方、高速のONU−bjとしては、上述のごとく共通のパリティビットを用いたパリティ検査を行なうために、図9に示すような構成を有している。
【0104】
この図9に示す高速のONU−bjは、前述の第1実施形態におけるもの(図6参照)に比して、BIP演算部23cがデスクランブラ23bおよび受信データ処理部25間に介装されず、PSync付加部23fおよび低速BIP演算部23gがそなえられている点が異なっているが、これ以外の構成については図6に示すものと基本的に同様である。尚、図9中、ONU−bjの構成要素として図6と同一の符号は、ほぼ同様の部分を示している。
【0105】
ここで、PSync付加部23fは、分周回路23dで分周された信号について、デスクランブラ23eでデスクランブル処理が行なわれた後の信号に同期ビットPSyncを戻すものであり、低速BIP演算部23gは、PSync付加部23fで同期ビットPSyncが戻されたフレーム信号について、前述のONU2−1〜2−(N−1)をなす低速BIP演算部16c(図5参照)と同様のパリティ演算を通じてパリティ検査を行なうものである。
【0106】
すなわち、低速BIP演算部23gでは、例えば図8に示すように、BIP演算用バッファ45cからの前フレーム信号のPCBd♯2領域713のビット値(図8の領域R2におけるPCBd♯(A+16)〜PCBd♯B)、前フレーム信号のペイロード領域720をなす2.5Gb/sのパケットデータ(ヘッダおよびデータ信号)のビット値(領域R3におけるData(C−Bビット))、10Gb/sのパケットデータにおけるヘッダ領域のビット値(領域R4,R6におけるHeader(D−Cビット),Header(F−Eビット))および当該フレーム信号のPCBd♯1領域711のビット値(領域R8におけるPCBd−♯1〜PCBd−♯A)およびBIP領域712のビット値について、整列された8ビット列ごとにビット値の合計を演算する。
【0107】
その結果、各列のビット値「1」の合計が偶数個である場合にはパリティ検査OKとする旨を検査結果として出力する一方、合計が奇数個である場合にはパリティ検査NGとする旨を検索結果として出力する。この場合においても、各列についてのパリティ検査結果の全てがOKの場合にパリティ検査成功とする旨を出力することができる。
したがって、上述の低速BIP演算部23gは、タイミング情報取得部をなすヘッダ情報処理部23hで取得したタイミング情報に基づいて、受信フレーム信号内の基本ビットレートのビット値について、基本ビットレートA1のビット値に対するパリティ検査のためのパリティビットに基づいて、パリティ検査を行なうパリティ検査部を構成する。
【0108】
このように、本発明の第2実施形態によれば、BIP演算部45AおよびBIP付加部47Aにより、第1加入者装置としてのONU−aiおよび第2加入者装置としてのONU−bjにおけるパリティ検査のための共通のパリティビットをフレーム信号に挿入することができるので、異なるビットレートのデータを混在して伝送する場合において、既存システムとの整合性を維持しながらも、光加入者装置のアップグレード費用及びアップグレードに要する労力を軽減しつつ、簡易にBIP演算を行なうことができるようになるという利点がある。
【0109】
〔C〕第3実施形態の説明
図10は本発明の第3実施形態にかかる係るPONシステム(ビットレート混在光通信システム)に適用されるOLT3の要部構成を示すブロック図である。第3実施形態のおいても、第1実施形態の場合と同様のPONシステム1を前提とするものであるが、10Gb/sのビットレートのデータを受信するONU−bj(符号2−N参照)におけるパリティ検査のために挿入するBIPの態様およびONU−bjでのパリティ検査の態様が前述の第1実施形態の場合と異なっている。
【0110】
このために、第3実施形態におけるOLT3は、第1実施形態の場合に比して、図3に示すものとは異なるBIP演算部45BおよびBIP付加部47Bを有するフレーム化処理部4Bをそなえている点が異なっている。尚、図10に示すフレーム化処理部4Bの構成としては、BIP演算部45BおよびBIP付加部47B以外の構成については前述の図3に示すものと基本的に同様であり、図10中、図3と同一の符号はほぼ同様の部分を示している。
【0111】
ここで、BIP演算部45Bは、(パリティ算出部)45Bは、連続して構成されるフレーム信号のパリティを、基本ビットレートA1のビット値およびデータ列(後述の図11に示すペイロード領域720)をなす他のビットレートA2の各データ信号のビット値に対応してそれぞれ算出するものである。具体的には、BIP演算部45Bは、低速のONU−aiでのパリティ検査に用いられるBIPを求めるために、前述の第1実施形態におけるものと同様の低速BIP演算部45aおよびBIP演算用バッファ45cをそなえる一方、高速のONU−bjでのパリティ検査に用いられるBIPを求めるために高速BIP演算部45dをそなえている。
【0112】
高速BIP演算部45dは、ビットレートA2の各データ信号のビット値に対応したパリティビットを個別に求めるものである。具体的には、バッファ41から出力される宛て先単位のデータ信号のうちビットレートA2のデータ信号を取り込むとともに、その宛て先単位のデータ信号についてパリティ演算を行なうようになっている。
さらに、BIP付加部47Bは、高速BIP演算部45dでこのように求められた各データ信号のビット値に対応したパリティビットを、当該データ信号に連続した位置に、当該データ信号の宛て先として対応するONU−bjにおけるパリティ検査のためのパリティビットとして挿入するものである。
【0113】
図11は上述の高速BIP演算部45dにおけるパリティビットを求める態様とともに、BIP付加部47BにおけるBIPの付加態様について説明するための図である。この図11に例示するように、連続して入力されてくるフレーム信号F1,F2について、2.5Gb/sのビット長で例えば8ビットごとに一行をなして整列させるとともに、前後のBIP領域712で挟まれる範囲(BIP演算範囲:R1)における各列のビット値について、低速の2.5Gb/sのビット値および高速の10Gb/sのビット値ごとにパリティ演算を行なう。
【0114】
具体的には、低速BIP演算部45aにおいては、前述の第1実施形態の場合と同様に、BIP演算用バッファ45cから、先行フレーム信号F1のPCBd♯2領域713のビット値を取り込むとともに、PCBd♯2付加部44bからの、先行フレームF1のペイロード領域720および、先行フレームF1に続く当該フレームF2のPCBd♯1領域711のビット値について取り込むとともに取り込んだビット値について、例えばこの図4に示すように、横方向(行方向)は2.5Gb/sのビット長の8ビット分の長さを単位として縦方向に整列させて、各列についてのパリティ演算を行なう。
【0115】
そして、BIP付加部47Bでは、上述の低速BIP演算部45aでの各列のパリティ演算結果に応じたパリティビット値を、BIP領域712における該当箇所(領域R92の2.5G BIP−♯1〜2.5G BIP−♯8)に付加する。即ち、上述のビット値の合計により、当該列のビット値「1」が偶数個である場合には、その列のパリティビットを「0」とする一方、上記合計値により当該列のビット値「1」が奇数個である場合には、その列のパリティビットを「1」とする。
【0116】
また、高速BIP演算部45dにおいては、バッファ41から宛て先対応のデータ信号であってビットレートA2(10Gb/s)のものを取り込み、各々のパリティを演算する。図11に示すフレーム構成でいえば、データ領域R51(10G−♯(D+1)〜10G−♯(D+32)およびデータ領域R71(10G−♯(F+1)〜10G−♯(F+32))に対応するデータ信号を取り込んで、各々のパリティ演算を行なう。尚、高速BIP演算部45dにおいては、前述の第1実施形態の場合と同様に、タイミングコントロール部14からの制御を受けて、PCBd♯2付加部44bからのフレーム信号から該当データ領域R51,R71のビット値を取り込むこととしてもよい。
【0117】
ここで、上述のパリティ演算に際し、図11に示すものにおいては、データ領域R51,R71における情報は、それぞれ、10Gb/sのビット長で32ビットの1行のビット値が整列された場合を想定している。高速BIP演算部45dにおいては、この配列に従い領域R51,R71それぞれについての各列でのパリティ演算を行なう。
たとえば、領域R51におけるビット値(10G−♯(D+1)〜10G−♯(D+32))が「1」である箇所においては、後続の領域R52(10G BIP−♯(D+1)〜10G BIP−♯(D+32))における対応する列のBIP値として「1」を与える一方、「0」である箇所においてはBIP値として「0」を与える。
【0118】
同様に、領域R71におけるビット値(10G−♯(F+1)〜10G−♯(F+32))が「1」である箇所においては、後続の領域R72(10G BIP−♯(F+1)〜10G BIP−♯(F+32))における対応する列のBIP値として「1」を与える一方、「0」である箇所においてはBIP値として「0」を与える。
このようにして、BIP演算部45Bにおいて、データ信号のビットレートに個別に対応したパリティ演算を行なうとともに、各ビットレートに対応したBIP領域を設定することで(図11のR52,R72)、各ビットレートに対応したBIPをフレーム信号に付加することができるようになる。尚、上述のパリティ演算を行なう際に想定するビット列の列数は一例であり、これ以外の列数で整列させてパリティ演算を行なうこととしてもよい。
【0119】
また、上述のごとくBIPが挿入されたフレーム信号を受信するONU2としては、基本的に前述の第1実施形態の場合と同様の構成のものを適用することができる。即ち、2.5Gb/sの基本ビットレートA1のデータ信号を受信するONU−aiにおいては、図5に示す構成のものを適用することにより、パリティ検査を行なうことが可能である一方、10Gb/sの他のビットレートA2のデータ信号を受信するONU−bjにおいては、図6に示す構成のものを適用することにより、パリティ検査を行なうことが可能である。
【0120】
この場合においては、図6に示すように、ONU−bjのBIP演算部23cにおいては、タイミング制御部26からのタイミング制御に基づいて、高速デスクランブラ23bにおいてデスクランブルされたフレーム信号について、前述のOLT3をなす高速BIP演算部45bと同様のパリティ演算を通じてパリティ検査を行なう。例えば、高速デスクランブラ23bからのフレーム信号について、前述の図11に示す10Gb/sのデータ信号が配置される領域R51(又はR71)および後続のBIP領域R52(R72)における各列のビット値「1」の合計が偶数個である場合にはパリティ検査OKとする旨を検査結果として出力する一方、合計が奇数個である場合にはパリティ検査NGとする旨を検索結果として出力する。
【0121】
この場合においては、多重化されている10Gb/sのデータ信号が複数存在する場合には、自身のONU宛のデータ信号についてのパリティ検査結果がOKであれば受信エラーは生じていない旨を判断できるが、自身のONU以外を宛てたデータ信号についてのパリティ検査についても同様に行なうことにより、PONシステム1全体の回線状態として監視することが可能である。この場合において、パリティ検査の結果が全てOKの場合にパリティ検査成功とする旨を出力することができる。
【0122】
このように、第3実施形態によれば、BIP演算部45BおよびBIP付加部47Bにより、第1加入者装置としてのONU−aiにおけるパリティ検査のためのパリティビットとともに、第2加入者装置としてのONU−bjにおけるパリティ検査のためのパリティビットをフレーム信号に挿入することができるので、第1実施形態の場合と同様に、異なるビットレートのデータを混在して伝送する場合において、既存システムとの整合性を維持しながらも、光加入者装置のアップグレード費用及びアップグレードに要する労力を軽減しつつ、簡易にBIP演算を行なうことができるようになるという利点がある。
【0123】
〔D〕その他
上述した実施形態にかかわらず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変形することが可能である。
たとえば、図12に示すように、上述の第1又は第3実施形態において、第2ビットレートのデータ信号を受信するONU−bjとしては、第1又は第3実施形態にかかるONU−bjの構成(図6参照)に、第2実施形態にかかるパリティ検査を行なうための構成(図9のPSync付加部23fおよびBIP演算部23g)を併せてそなえることとしてもよい。このようにすれば、受信フレーム信号の全ての領域についてパリティ検査を行なうことができるようになるので、受信データ全てについての回線状態の監視を実現できるという利点がある。
【0124】
この場合においては、上述のBIP演算部23cおよびBIP演算部23gの双方におけるパリティ検査の結果が成功の場合に、当該ONUとしてのパリティ検査が成功である旨を出力することもできる。又、上述のPSync付加部23fおよびBIP演算部16cについては適宜省略して構成することとしてもよい。
また、OLTから送信されるフレーム信号に混在するデータ信号のビットレートの混在態様としては、上述の実施形態のような2種類に限定されるものではなく、少なくとも基本ビットレートの自然数倍であれば3種類以上の値とすることを妨げるものではない。
【0125】
さらに、上述の実施形態においては基本ビットレートとして2.5Gb/sの場合について説明したが、これ以外のビットレートを基本ビットレートとすることも勿論可能である。
その他、上述した実施形態の開示により、当業者であれば本発明の装置を製造することが可能である。
【0126】
〔E〕付記
(付記1)
基本ビットレートのデータ信号とともに、該基本ビットレートに対して2以上の整数倍の関係にある他のビットレートのデータ信号が混在したフレーム信号を光信号として出力しうる局側装置と、前記基本ビットレートの光信号を受信しうる少なくとも一つの第1加入者装置と、前記他のビットレートの光信号を受信しうる少なくとも一つの第2加入者装置と、該局側装置からの光信号を分岐して各第1,第2加入者装置に接続する伝送路と、をそなえてなる光通信システムにおける該局側装置のパリティビット挿入方法であって、
該局側装置は、前記基本ビットレートおよび前記他のビットレートを有するデータ信号に、それぞれ該基本ビットレートのヘッダ情報を付加し、
前記ヘッダ情報が付加されたデータ信号について時分割多重によりデータ列を構成するとともにフレームヘッダを付加することによりフレーム信号を構成し、
連続して構成される前記フレーム信号のパリティを算出し、
前記パリティの演算結果に基づいて、前記基本ビットレートおよび前記他のビットレートのデータ信号のパリティ検査のためのパリティビットを該フレーム信号に挿入することを特徴とする、パリティビット挿入方法。
【0127】
(付記2)
連続して構成される前記フレーム信号のパリティを、前記基本ビットレートおよび前記他のビットレートによるビット値に対応してそれぞれ算出し、
前記パリティの演算結果に基づいて、前記基本ビットレートおよび前記他のビットレートに対応したパリティビットを、該フレーム信号にそれぞれ挿入することを特徴とする、付記1記載のパリティビット挿入方法。
【0128】
(付記3)
該局側装置は、前記時分割多重により前記データ列を構成するにあたり、前記データ信号および対応するヘッダ情報の配列タイミングについて管理しておき、
前記配列タイミングに基づいて、前記各ビットレートの信号に対応したパリティをそれぞれ算出することを特徴とする、付記2記載のパリティビット挿入方法。
【0129】
(付記4)
該局側装置は、各データ信号に付加される前記ヘッダ情報に、当該データ信号のビットレートとともに前記フレーム信号への配列タイミングに関する情報を含めるとともに、
前記ヘッダ情報に含まれる当該データ信号の前記フレーム信号への配列タイミングに関する情報に基づいて、前記各ビットレートの信号に対応したパリティをそれぞれ算出することを特徴とする、付記2記載のパリティビット挿入方法。
【0130】
(付記5)
連続して構成される前記フレーム信号のパリティを、前記基本ビットレートによるビット値に対応して算出し、
前記パリティの演算結果に基づいて、前記基本ビットレートおよび前記他のビットレートのデータ信号用のパリティビットとして共通のパリティビットを、該フレーム信号に挿入することを特徴とする、付記1記載のパリティビット挿入方法。
【0131】
(付記6)
該局側装置は、前記時分割多重により前記データ列を構成するにあたり、前記データ信号および対応するヘッダ情報の配列タイミングについて管理しておき、
前記配列タイミングに基づいて、前記基本ビットレートによるビット値に対応したパリティを算出することを特徴とする、付記5記載のパリティビット挿入方法。
【0132】
(付記7)
連続して構成される前記フレーム信号のパリティを、前記基本ビットレートおよび前記データ列をなす前記他のビットレートの各データ信号のビット値に対応してそれぞれ算出し、
前記パリティの演算結果に基づいて、前記基本ビットレートに対応したパリティビットを前記第1加入者装置におけるパリティ検査のためのパリティビットとして該フレーム信号に挿入するとともに、前記他のビットレートの各データ信号のビット値に対応したパリティビットを当該各データ信号に連続した位置に挿入することを特徴とする、付記1記載のパリティビット挿入方法。
【0133】
(付記8)
付記2記載のパリティビット挿入方法によって前記パリティビットが挿入されて前記局側装置において送信されたフレーム信号を受信する加入者装置におけるパリティ検査方法であって、
前記局側装置において前記各データ信号に付加されるヘッダ情報には、前記フレーム信号における当該データ信号の配列位置に関する情報が含まれ、
前記第1加入者装置では、連続して受信され入力される前記フレーム信号における前記基本ビットレートのビット値について、前記基本ビットレートに対応して挿入されたパリティビットに基づきパリティ検査を行なうとともに、
前記第2加入者装置では、連続して受信され入力される前記フレーム信号における前記他のビットレートのデータ信号の配列位置について、当該データ信号のヘッダ情報から検出するとともに、前記他のビットレートのビット値について、前記他のビットレートに対応して挿入されたパリティビットに基づきパリティ検査を行なうことを特徴とする、パリティ検査方法。
【0134】
(付記9)
付記5記載のパリティビット挿入方法によって前記パリティビットが挿入され当該局側装置において送信されたフレーム信号を受信する加入者装置におけるパリティ検査方法であって、
前記各第1,第2加入者装置では、連続して受信され入力される前記フレーム信号における前記基本ビットレートのビット値について、前記挿入された共通のパリティビットに基づきパリティ検査を行なうことを特徴とする、パリティ検査方法。
【0135】
(付記10)
付記7記載のパリティビット挿入方法によって前記パリティビットが挿入され当該局側装置において送信されたフレーム信号を受信する加入者装置におけるパリティ検査方法であって、
前記局側装置において前記各データ信号に付加されるヘッダ情報には、前記フレーム信号における当該データ信号の配列位置に関する情報が含まれ、
前記第1加入者装置では、連続して受信され入力される前記フレーム信号における前記基本ビットレートのビット値について、前記基本ビットレートに対応して挿入されたパリティビットに基づきパリティ検査を行なうとともに、
前記第2加入者装置では、連続して受信され入力される前記フレーム信号における前記他のビットレートのデータ信号の配列位置について、当該データ信号のヘッダ情報から検出するとともに、前記他のビットレートのビット値について、自身宛てのデータ信号および当該データ信号に連続して挿入されたパリティビットに基づきパリティ検査を行なうことを特徴とする、パリティ検査方法。
【0136】
(付記11)
前記第2加入者装置においては、前記基本ビットレートのビット値についてパリティ検査をも、前記基本ビットレートに対応して挿入されたパリティビットに基づいて行なうことを特徴とする、付記8又は10記載のパリティ検査方法。
(付記12)
基本ビットレートのデータ信号とともに、該基本ビットレートに対して2以上の整数倍の関係にある他のビットレートのデータ信号が混在したフレーム信号を光信号として出力しうる局側装置と、前記基本ビットレートのデータ信号を受信しうる少なくとも一つの第1加入者装置と、前記他のビットレートのデータ信号を受信しうる少なくとも一つの第2加入者装置と、該局側装置からの光信号を分岐して各第1,第2加入者装置に接続する伝送路と、をそなえてなる光通信システムにおける局側装置であって、
前記基本ビットレートおよび前記他のビットレートを有するデータ信号に、それぞれ該基本ビットレートのヘッダ情報を付加するヘッダ情報付加部と、
前記ヘッダ情報が付加されたデータ信号について時分割多重によりデータ列を構成するとともにフレームヘッダを付加することによりフレーム信号を構成するフレーム信号構成部と、
該フレーム信号構成部で連続して構成される前記フレーム信号のパリティを算出するパリティ算出部と、
該パリティ算出部における前記パリティの演算結果に基づいて、前記基本ビットレートおよび前記他のビットレートのビット値に対するパリティ検査のためのパリティビットを該フレーム信号に挿入するパリティビット挿入部と、をそなえたことを特徴とする局側装置。
【0137】
(付記13)
該パリティ算出部は、連続して構成される前記フレーム信号のパリティを、前記基本ビットレートおよび前記他のビットレートによるビット値に対応してそれぞれ算出するように構成され、
該パリティビット挿入部は、前記パリティの演算結果に基づいて、前記基本ビットレートおよび前記他のビットレートに対応したパリティビットを、該フレーム信号にそれぞれ挿入するように構成されたことを特徴とする、付記12記載の局側装置。
【0138】
(付記14)
該パリティ算出部は、連続して構成される前記フレーム信号のパリティを、前記基本ビットレートによるビット値に対応して算出するように構成され、
該パリティビット挿入部は、前記パリティの演算結果に基づいて、前記基本ビットレートおよび前記他のビットレートのデータ信号用のパリティビットとして共通のパリティビットを、該フレーム信号に挿入するように構成されたことを特徴とする、付記12記載の局側装置。
【0139】
(付記15)
該パリティ算出部は、連続して構成される前記フレーム信号のパリティを、前記基本ビットレートおよび前記データ列をなす前記他のビットレートの各データ信号のビット値に対応してそれぞれ算出するように構成され、
該パリティビット挿入部は、前記パリティの演算結果に基づいて、前記基本ビットレートに対応したパリティビットを該フレーム信号に挿入するとともに、前記他のビットレートの各データ信号のビット値に対応したパリティビットを当該各データ信号に連続した位置に挿入するように構成されたことを特徴とする、付記12記載の局側装置。
【0140】
(付記16)
付記12記載の局側装置から光信号として送信されるフレーム信号を受信する加入者装置であって、
該フレーム信号を受信するフレーム受信部と、
該フレーム受信部で受信された受信フレーム信号を入力され、前記受信フレーム信号に時分割多重されている各データ信号に付加された前記基本ビットレートのヘッダ情報を参照して、前記基本ビットレートのデータ信号が前記フレーム信号に時分割多重されているタイミング情報を取得するタイミング情報取得部と、
該タイミング情報取得部で取得した前記タイミング情報に基づいて、前記受信フレーム信号内の前記基本ビットレートのビット値について、前記基本ビットレートのビット値に対するパリティ検査のためのパリティビットに基づいて、パリティ検査を行なうパリティ検査部と、をそなえたことを特徴とする、加入者装置。
【0141】
(付記17)
付記12記載の局側装置から光信号として送信されるフレーム信号を受信する加入者装置であって、
該フレーム信号を受信するフレーム受信部と、
該フレーム受信部で受信された受信フレーム信号を入力され、前記受信フレーム信号に時分割多重されている各データ信号に付加された前記基本ビットレートのヘッダ情報を参照して、前記他のビットレートのデータ信号が前記フレーム信号に時分割多重されているタイミング情報を取得するタイミング情報取得部と、
該タイミング情報取得部で取得した前記タイミング情報に基づいて、該フレーム受信部から出力された前記受信フレーム信号内に時分割多重されている前記他のビットレートのデータ信号について、前記他のビットレートのビット値に対するパリティ検査のためのパリティビットを用いることにより、パリティ検査を行なうパリティ検査部と、をそなえたことを特徴とする、加入者装置。
【0142】
(付記18)
基本ビットレートで通信可能な第1端末装置および前記基本ビットレートの整数倍のビットレートで通信可能な第2端末装置に対して光分岐装置を介して光通信する通信装置において、
前記通信装置から送信されるフレーム信号に含まれる前記第1端末装置および第2端末装置へのデータ信号のビットレートが異なるように処理する送信データ処理部と、
前記第1端末装置および前記第2端末装置へのデータ信号に対するパリティ検査のためのパリティビットをそれぞれ前記フレーム信号に挿入するパリティビット挿入部と、をそなえたことを特徴とする通信装置。
【0143】
(付記19)
基本ビットレートで通信可能な第1端末装置および前記基本ビットレートの整数倍のビットレートで通信可能な第2端末装置に対して光分岐装置を介して光通信する通信装置において、
前記通信装置から送信されるフレーム信号に含まれる前記第1端末装置および第2端末装置へのデータ信号のビットレートが異なるように処理する送信データ処理部と、
前記第1端末装置および前記第2端末装置へのデータ信号に対するパリティ検査のためのパリティビットを前記基本ビットレートとして前記フレーム信号に挿入するパリティビット挿入部と、をそなえたことを特徴とする通信装置。
【0144】
(付記20)
付記18記載の通信装置からのフレーム信号を光信号として受信する前記第2端末装置であって、
該フレーム信号を受信するフレーム受信部と、
該フレーム受信部から出力された前記受信フレーム信号内に含まれる前記基本ビットレートの整数倍のビットレートのビット情報について、前記挿入されたパリティビットを用いることにより、パリティ検査を行なうパリティ検査部と、をそなえたことを特徴とする、端末装置。
【0145】
(付記21)
付記19記載の通信装置からのフレーム信号を光信号として受信する前記第2端末装置であって、
該フレーム信号を受信するフレーム受信部と、
該フレーム受信部から出力された前記受信フレーム信号内に含まれる前記基本ビットレートのビット情報について、前記挿入されたパリティビットを用いることにより、パリティ検査を行なうパリティ検査部と、をそなえたことを特徴とする、端末装置。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】本発明の第1実施形態に係るPONシステムの要部の構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態におけるOLTからONUへの下り方向のフレーム信号のフォーマットを説明するための図である。
【図3】第1実施形態におけるOLTの要部構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態におけるBIP演算部でのパリティの演算態様の一例について説明するための図である。
【図5】第1実施形態におけるONUを示すブロック図である。
【図6】第1実施形態におけるONUを示すブロック図である。
【図7】第2実施形態におけるOLTの要部構成を示すブロック図である。
【図8】第2実施形態におけるBIP演算部でのパリティの演算態様の一例について説明するための図である。
【図9】第2実施形態におけるONUを示すブロック図である。
【図10】第3実施形態におけるOLTの要部構成を示すブロック図である。
【図11】第3実施形態におけるBIP演算部でのパリティの演算態様の一例について説明するための図である。
【図12】本発明の他の実施形態におけるONUを示すブロック図である。
【図13】PONシステムを用いた通信網の一形態を示す図である。
【図14】フレームヘッダに挿入された、回線状態を監視するためのBIP領域について示す図である。
【図15】BIPの演算態様について説明するための図である。
【図16】BIPの演算態様について説明するための図である。
【図17】(a)〜(c)はいずれも本願発明が解決すべき課題について説明するための図である。
【符号の説明】
【0147】
1 PONシステム(ビットレート混在光通信システム)
2,2−1〜2−N ONU(光加入者装置)
3 OLT(光局側装置)
4,4A,4B フレーム化処理部
5,20,28 E/O変換部
6,14,21 WDMカプラ
7,15,22 O/E変換部
8 ビット同期処理部
9 M分周回路
10 データ処理部
11,13,13−1〜13−N 光ファイバ
12 分岐合波カプラ
14 タイミングコントロール部
16a デスクランブル・同期処理部
16b ヘッダ情報処理部
16c 低速BIP演算部
17,25 受信データ処理部
18,26 タイミング制御部
19,27 送信データ処理部
23a PSync削除部
23b デスクランブラ
23c 高速BIP演算部
23d 分周回路
23e デスクランブラ
23f PSync付加部
23g 低速BIP演算部
23h ヘッダ情報処理部
41 データ取り込み用バッファ
42a,42b ヘッダ付加部
43 結合部
44a PCBd♯1付加部
44b PCB♯2付加部
45,45A,45B BIP演算部
45a 低速BIP演算部
45b,45d 高速BIP演算部
45c BIP演算用バッファ
46 BIP挿入用バッファ
47,47A,47B BIP付加部
48 同期ビット処理・スクランブル部
100 PONシステム
200,200−1〜200−N ONU
300 OLT
400 パワースプリッタ
500,600,600−1〜600−N 光ファイバ
710 PCBd領域
711 PCBd♯1領域
712 BIP領域
713 PCBd♯2領域
720 ペイロード領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基本ビットレートのデータ信号とともに、該基本ビットレートに対して2以上の整数倍の関係にある他のビットレートのデータ信号が混在したフレーム信号を光信号として出力しうる局側装置と、前記基本ビットレートの光信号を受信しうる少なくとも一つの第1加入者装置と、前記他のビットレートの光信号を受信しうる少なくとも一つの第2加入者装置と、該局側装置からの光信号を分岐して各第1,第2加入者装置に接続する伝送路と、をそなえてなる光通信システムにおける該局側装置のパリティビット挿入方法であって、
該局側装置は、前記基本ビットレートおよび前記他のビットレートを有するデータ信号に、それぞれ該基本ビットレートのヘッダ情報を付加し、
前記ヘッダ情報が付加されたデータ信号について時分割多重によりデータ列を構成するとともにフレームヘッダを付加することによりフレーム信号を構成し、
連続して構成される前記フレーム信号のパリティを算出し、
前記パリティの演算結果に基づいて、前記基本ビットレートおよび前記他のビットレートのデータ信号のパリティ検査のためのパリティビットを該フレーム信号に挿入することを特徴とする、パリティビット挿入方法。
【請求項2】
連続して構成される前記フレーム信号のパリティを、前記基本ビットレートおよび前記他のビットレートによるビット値に対応してそれぞれ算出し、
前記パリティの演算結果に基づいて、前記基本ビットレートおよび前記他のビットレートに対応したパリティビットを、該フレーム信号にそれぞれ挿入することを特徴とする、請求項1記載のパリティビット挿入方法。
【請求項3】
連続して構成される前記フレーム信号のパリティを、前記基本ビットレートによるビット値に対応して算出し、
前記パリティの演算結果に基づいて、前記基本ビットレートおよび前記他のビットレートのデータ信号用のパリティビットとして共通のパリティビットを、該フレーム信号に挿入することを特徴とする、請求項1記載のパリティビット挿入方法。
【請求項4】
連続して構成される前記フレーム信号のパリティを、前記基本ビットレートおよび前記データ列をなす前記他のビットレートの各データ信号のビット値に対応してそれぞれ算出し、
前記パリティの演算結果に基づいて、前記基本ビットレートに対応したパリティビットを前記第1加入者装置におけるパリティ検査のためのパリティビットとして該フレーム信号に挿入するとともに、前記他のビットレートの各データ信号のビット値に対応したパリティビットを当該各データ信号に連続した位置に挿入することを特徴とする、請求項1記載のパリティビット挿入方法。
【請求項5】
請求項2記載のパリティビット挿入方法によって前記パリティビットが挿入されて前記局側装置において送信されたフレーム信号を受信する加入者装置におけるパリティ検査方法であって、
前記局側装置において前記各データ信号に付加されるヘッダ情報には、前記フレーム信号における当該データ信号の配列位置に関する情報が含まれ、
前記第1加入者装置では、連続して受信され入力される前記フレーム信号における前記基本ビットレートのビット値について、前記基本ビットレートに対応して挿入されたパリティビットに基づきパリティ検査を行なうとともに、
前記第2加入者装置では、連続して受信され入力される前記フレーム信号における前記他のビットレートのデータ信号の配列位置について、当該データ信号のヘッダ情報から検出するとともに、前記他のビットレートのビット値について、前記他のビットレートに対応して挿入されたパリティビットに基づきパリティ検査を行なうことを特徴とする、パリティ検査方法。
【請求項6】
請求項3記載のパリティビット挿入方法によって前記パリティビットが挿入され当該局側装置において送信されたフレーム信号を受信する加入者装置におけるパリティ検査方法であって、
前記各第1,第2加入者装置では、連続して受信され入力される前記フレーム信号における前記基本ビットレートのビット値について、前記挿入された共通のパリティビットに基づきパリティ検査を行なうことを特徴とする、パリティ検査方法。
【請求項7】
請求項4記載のパリティビット挿入方法によって前記パリティビットが挿入され当該局側装置において送信されたフレーム信号を受信する加入者装置におけるパリティ検査方法であって、
前記局側装置において前記各データ信号に付加されるヘッダ情報には、前記フレーム信号における当該データ信号の配列位置に関する情報が含まれ、
前記第1加入者装置では、連続して受信され入力される前記フレーム信号における前記基本ビットレートのビット値について、前記基本ビットレートに対応して挿入されたパリティビットに基づきパリティ検査を行なうとともに、
前記第2加入者装置では、連続して受信され入力される前記フレーム信号における前記他のビットレートのデータ信号の配列位置について、当該データ信号のヘッダ情報から検出するとともに、前記他のビットレートのビット値について、自身宛てのデータ信号および当該データ信号に連続して挿入されたパリティビットに基づきパリティ検査を行なうことを特徴とする、パリティ検査方法。
【請求項8】
基本ビットレートのデータ信号とともに、該基本ビットレートに対して2以上の整数倍の関係にある他のビットレートのデータ信号が混在したフレーム信号を光信号として出力しうる局側装置と、前記基本ビットレートのデータ信号を受信しうる少なくとも一つの第1加入者装置と、前記他のビットレートのデータ信号を受信しうる少なくとも一つの第2加入者装置と、該局側装置からの光信号を分岐して各第1,第2加入者装置に接続する伝送路と、をそなえてなる光通信システムにおける局側装置であって、
前記基本ビットレートおよび前記他のビットレートを有するデータ信号に、それぞれ該基本ビットレートのヘッダ情報を付加するヘッダ情報付加部と、
前記ヘッダ情報が付加されたデータ信号について時分割多重によりデータ列を構成するとともにフレームヘッダを付加することによりフレーム信号を構成するフレーム信号構成部と、
該フレーム信号構成部で連続して構成される前記フレーム信号のパリティを算出するパリティ算出部と、
該パリティ算出部における前記パリティの演算結果に基づいて、前記基本ビットレートおよび前記他のビットレートのビット値に対するパリティ検査のためのパリティビットを該フレーム信号に挿入するパリティビット挿入部と、をそなえたことを特徴とする局側装置。
【請求項9】
請求項8記載の局側装置から光信号として送信されるフレーム信号を受信する加入者装置であって、
該フレーム信号を受信するフレーム受信部と、
該フレーム受信部で受信された受信フレーム信号を入力され、前記受信フレーム信号に時分割多重されている各データ信号に付加された前記基本ビットレートのヘッダ情報を参照して、前記基本ビットレートのデータ信号が前記フレーム信号に時分割多重されているタイミング情報を取得するタイミング情報取得部と、
該タイミング情報取得部で取得した前記タイミング情報に基づいて、前記受信フレーム信号内の前記基本ビットレートのビット値について、前記基本ビットレートのビット値に対するパリティ検査のためのパリティビットに基づいて、パリティ検査を行なうパリティ検査部と、をそなえたことを特徴とする、加入者装置。
【請求項10】
請求項8記載の局側装置から光信号として送信されるフレーム信号を受信する加入者装置であって、
該フレーム信号を受信するフレーム受信部と、
該フレーム受信部で受信された受信フレーム信号を入力され、前記受信フレーム信号に時分割多重されている各データ信号に付加された前記基本ビットレートのヘッダ情報を参照して、前記他のビットレートのデータ信号が前記フレーム信号に時分割多重されているタイミング情報を取得するタイミング情報取得部と、
該タイミング情報取得部で取得した前記タイミング情報に基づいて、該フレーム受信部から出力された前記受信フレーム信号内に時分割多重されている前記他のビットレートのデータ信号について、前記他のビットレートのビット値に対するパリティ検査のためのパリティビットを用いることにより、パリティ検査を行なうパリティ検査部と、をそなえたことを特徴とする、加入者装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2009−16925(P2009−16925A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−173189(P2007−173189)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】