説明

パルスオキシメータを備えたタッチスクリーンインターフェース

【課題】ユーザーの血中酸素濃度又は脈拍数を測定するパルスオキシメータを備えたタッチスクリーンインターフェースを提供する。
【解決手段】本発明は、タッチスクリーン基板105と、特定の波長を有する光エネルギーで前記タッチスクリーン基板を照射するように配置された光エネルギー源115と、前記タッチスクリーン基板を伝搬する前記特定の波長を有する光エネルギーを受信するように配置された検知器120と、前記検知器に接続され、前記検知器からの検知信号を受信し、検知器から受信した検知信号に少なくともある部分で基づき、前記ユーザーに関連付けられた脈拍数を測定するように構成されたプロセッサ125と、を備えるタッチスクリーンインターフェースである。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
[001] タッチスクリーンユーザーインターフェースは、一般にディスプレイ上に配置される透明タッチスクリーン基板を用いる。操作において、ユーザーは透明タッチスクリーン基板にタッチし、そのタッチ及び多くの場合タッチした位置が検知される。タッチは様々な方法により検知されうるが、例えば、タッチ位置における静電容量の変化を感知することにより検知される。一例としては、減衰内部全反射(FTIR:Frustrated total internal reflection)技術が、タッチ位置の検知に使用されうる。減衰内部全反射を採用するタッチスクリーンは、透明タッチスクリーン基板内で内部全反射が生じるように、透明タッチスクリーン基板を照射するよう配置された光エネルギー源を一般的に含む。つまり、光波が透明タッチスクリーン基板の表面間内で完全に反射される。しかし、ユーザーが透明タッチスクリーン基板に触れると、その接触が素材の屈折率に影響し、接触位置において光が透明タッチスクリーン基板の外部に散乱する。センサーはこの散光を検知するために配置され、そしてタッチ位置が確定される。同様に、拡散レーザー画像は、スクリーン全域を照らすレーザーライトを用いる。スクリーンとの接触はレーザーライトを摂動(perturb)させ、タッチ位置を確定することができる。タッチスクリーン技術を用いるユーザーデバイスはそれゆえに、タッチの位置に応じてユーザーと相互に作用しうる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0002】
[002] パルスオキシメータは、指先を照射するため、また、脈拍数及び血液酸素化を測定するために光エネルギーを使用する。指先を照射するために2つの波長を使用することができ、1つは、酸素化ヘモグロビンの吸光度の最大値(通常660nm)に対応し、もう1つは脱酸素化ヘモグロビンの吸光度の最大値(通常910nm)に対応する。一般的に、パルスオキシメータは、吸光度比又は一方の波長の他方に対する反射を測定して、その比に基づき指先の血液酸素化のレベルを測定する。反射又は吸収された光の比はまた、脈動によって変動し、パルスオキシメータは脈拍数を同時に計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
[003] 本開示の上述した特徴及びその他の特徴は、以下の記載及び請求の範囲並びに添付の図面からより明らかになるであろう。図面は、本開示に従って、いくつかの実施形態のみを示すものであり、それゆえその範囲を限定するものとみなされない。本開示は、添付の図面を用いてさらなる具体性と詳細さをもって説明される。
【0004】
[004] 図面において:
【図1】[005] 図1は、タッチスクリーンインターフェースの一例を示す概略図である。
【図2】[006] 図2は、本開示に従う、脈拍数値を算出及び記憶するように設定された算出デバイス500の一例を示すブロック図である。
【図3】[007] 図3は、本開示に従う、検知信号に基づき脈拍数値を測定するための命令を記憶するよう設定されたコンピュータープログラム製品600の一例を示すブロック図である。
【図4】[008] 図4は、タッチスクリーンインターフェースを使用して脈拍数値を測定する方法の一例のフローチャートである。
【図5】[009] 図5は、ユーザーの血中酸素濃度のレベルを検知するために使用されうるタッチスクリーンインターフェースの一例の概略図である。
【図6】[010] 図6は、ユーザーの血中酸素濃度のレベルを検知するためのタッチスクリーンインターフェースの使用の方法の一例のフローチャートであり、全てが本開示の少なくともいくつかの実施形態に従うよう構成されている。
【発明を実施するための形態】
【0005】
[011] 以下の詳細な説明において、本明細書の一部をなす図面を参照する。図面では、文脈が別途指示しない限り、一般に同様の符号は同様のを示す。詳細な説明、図面及び請求の範囲に記載される例示的な実施形態は、限定的であるようには意図されていない。本明細書に提示されている主題の精神又は範囲から逸脱することなく、他の実施形態が使用されてよく、また、他の変更がなされてもよい。本明細書において一般的に記載されかつ図示される本開示の態様が、多岐にわたる構成で配置され、置き換えられ、組み合わされ、かつ設計されることができ、それらの全てが明確に意図されかつ本開示の一部をなすということが容易に理解されるだろう。説明された例が充分に理解されるように、特定の詳細が以下に記載される。しかし、その例が論じられた個別の特定の詳細なしに実施されうることは、当業者にとって明らかである。ある場合では、記載された例を不必要に不明瞭にすることを避けるために、例えば、周知の回路、制御信号及びソフトウェアオペレーションは、詳細に示されない。
【0006】
[012] 図1は、本開示の少なくとも1つの実施形態に従って配置されたタッチスクリーンインターフェース100の一例の概略図である。タッチスクリーンインターフェース100の断面部の一例も図示されている。図1は説明的であるよう意図されており、正確な縮尺で描かれていない。タッチスクリーンインターフェース100は、タッチスクリーン基板105、ディスプレイ110、光エネルギー源115、1つ以上の検知器120、プロセッサ125、メモリ130及び光出力デバイス135を含みうる。
【0007】
[013] タッチスクリーン基板105は、ディスプレイ110により生成された光が、タッチスクリーン基板105を伝搬することができるように、少なくとも部分的に透明でありうる。タッチスクリーン基板105を実施するために使用されうる素材の一例は、アクリル板である。
【0008】
[014] 光エネルギー源115(又は光源)は、タッチスクリーン基板105を照射するために配置されうる。好適な光エネルギー源の例としては、発光ダイオード(LED)及びレーザーが含まれうる。図1には単一の光エネルギー源115が図示されているが、あらゆる数の光エネルギー源が備えられてよく、また、タッチスクリーン基板105の長さ又は幅に沿って配置されてよい。
【0009】
[015] 光エネルギー源115は、酸素化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビンにより異なって吸収される波長を有する光を放射しうる。通常、パルスオキシメータは660nm及び910nmの光を使用する。酸素化された血液は、脱酸素化された血液よりも660nmの光をより反射するが、脱酸素化された血液は、酸素化された血液よりも910nmの光をより反射する。よって、図1の脈拍検知タッチスクリーン100の例では、光エネルギー源115は、660nm及び910nmのいずれかの波長を有する光を放射しうる。他の例においては脈拍数の検知に適切な他の波長が使用されてもよい。
【0010】
[016] 光エネルギー源115から放射された光は、タッチスクリーン基板105内で内部反射されうる。ユーザーがタッチスクリーン基板105に触れると、光エネルギー源115から放射された光に減衰内部全反射が起き、タッチスクリーン基板105を通過する。検知器120は、その接触によりある部分で起因してタッチスクリーン基板105を伝搬する光を感知しうる。
【0011】
[017] 図1では単一の検知器120が示されているが、ユーザーの接触に対応してタッチスクリーン基板を透過する光を検知するために、アレイ状の検知器群がタッチスクリーン基板105に隣接して存在してもよい。アレイ状の検知器は、接触位置を検知するよう構成されうる。他の例では、タッチスクリーン基板105の周囲に検知器が設けられてもよい。一般に、検知器120は、タッチスクリーン基板105から反射されたエネルギーを受信することができる場所であればどこでも配置されうる。いくつかの例では、アレイ状のそのような検知器は、接触の位置情報を提供するようにも構成されうる。いくつかの例では、検知器120は、接触の位置情報を提供するように構成されない場合があり、位置情報は、抵抗検知器又は容量検知器を利用する他の技術により得ることができる(図1に図示されない)。
【0012】
[018] 図1の例では、検知器120はタッチスクリーン基板105の下に配置されているが、他の例では検知器120は他の位置に配置されてよい。例えば、図1ではタッチスクリーン基板105は水平配向されているが、他の例では、タッチスクリーン基板105は垂直配向であってよく、検知器120はタッチスクリーン基板のいずれの側面に配置されてもよい。他の実施形態では、図1の点線で示される検知器120の代替配置に示されるように、検知器120は、タッチスクリーン基板105の全長を透過するエネルギーを受信するように配置されてもよい。
【0013】
[019] 検知器120を実施するために使用されうる検知器の一例は、電荷結合素子(CCD)でありうる。いくつかの例では、1つ以上のCCDがディスプレイ110に統合されうるが、他の例においては、検知器120はディスプレイ110から分離されてよい。図1には示されていないが、フィルターを、タッチスクリーン基板105と検知器120との間であって、各フィルターが光エネルギー源115から放射された波長とは異なる波長のエネルギーを遮るよう構成された場所に含みうる。
【0014】
[020] 検知器120は、エネルギー源115が放射した光の波長での信号の振幅の変化を検知するようにも構成されうる。検知された振幅の変化は、タッチスクリーン基板105に触れたユーザーに関連付けられた脈拍数に対応しうる。よって、検知器120は、ユーザーの脈拍数又はユーザーの脈拍数の変化に対応する検知信号を生成することができる。
【0015】
[021] プロセッサ125は、検知器120に接続されうる。プロセッサ125は、光エネルギー源115から放射された波長で受信したエネルギー量に対応する、検知器からの検知信号を受信するよう構成されうる。受信した信号の強さの経時的な変化を分析することで、プロセッサ125はタッチスクリーン基板105に触れたユーザーの脈拍数に関連した脈拍数値を測定しうる。プロセッサ125はまた、いくつかの例ではディスプレイ110に接続されうる。プロセッサ125は、ディスプレイ110のビュアーへの画像又は選択の表示のために制御信号をディスプレイ110に結合するよう構成されうる。しかし、他の例では、画像の表示を制御するために使用されるプロセッサは、脈拍数を検知するために使用されるプロセッサとは異なるプロセッサであってもよい。プロセッサ125は、検知器120とも接続され、ユーザーからの接触に関する位置情報を受信するよう配置されてもよい。他の例では、プロセッサ125は他のセンサー(図示せず)と接続され、位置情報を取得するよう配置されてもよい。
【0016】
[022] メモリ130は、プロセッサ125に接続されうる。メモリ130は、実行時にプロセッサ125に検知器120からの信号を受信させ、受信した信号の経時的な変化に基づき脈拍数を測定させるコンピュータ可読命令を記憶しうる。メモリ130は、例えば検知信号に基づき脈拍数値を算出するための命令とエンコードされてよく、またメモリは脈拍数と関連した計測された信号の変化を補正するためにルックアップテーブル(LUT)を記憶してもよい。メモリ130は、ユーザーの脈拍数に関連付けられた数値(すなわち脈拍数値)を記憶するよう配置されてもよい。ユーザーが所定の使用において複数回タッチスクリーンに触れた場合、メモリ130は1つ以上の脈拍数値を記憶しうる。ディスプレイ110上またはタッチスクリーンインターフェース100が使用されるデバイスの他のコンポーネント上で1つ以上の脈拍数値のグラフ表示を提示するために、検知された脈拍数値の変化は、プロセッサ125によって使用されうる。例えば、1つ以上の脈拍数値に関する情報を含む数値表示又は1つ以上のグラフ図が作成され、ディスプレイ110上に表示されうる。
【0017】
[023] 図1に示されるタッチスクリーンインターフェース100は、タッチスクリーン基板105を触れているユーザーに関連した脈拍数を測定するために使用されてよい。脈拍数値が測定されると、別のディスプレイ又は遠隔装置と通信するためのネットワーク接続を含む1つ以上の出力デバイス135に出力される。いくつかの例では、測定された脈拍数値はディスプレイ110に表示されうる。測定された脈拍数値に基づき、ディスプレイ110に表示された画像は変化しうる。さらに、タッチスクリーンインターフェース100を使用するためのアプリケーション、方法又は手順の例は、以下に述べられる。
【0018】
[024] 図2は、本開示に従い脈拍数値を算出又は記憶するように構成された算出デバイス500の例を示すブロック図である。構成501において、算出デバイス500は、1つ以上のプロセッサ510及びシステムメモリ520を含みうる。メモリバス530は、プロセッサ510とシステムメモリ520との間の通信のために使用されうる。
【0019】
[025] 所望のコンフィギュレーションに応じて、プロセッサ510は、いかなる種類のものであってもよく、次に限定されないが、マイクロプロセッサ(μP)、マイクロコントローラー(μC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)又はこれらの組み合わせを含む。プロセッサ510は、レベル1キャッシュ511及びレベル2キャッシュ512などの1つ以上のレベルのキャッシュ、プロセッサコア513並びにレジスタ514を含みうる。プロセッサコア513の例は、算術論理演算装置(ALU)、浮動小数点演算装置(FPU)、デジタル信号処理コア(DSPコア)又はこれらの組み合わせを含みうる。メモリコントローラー例515は、プロセッサ510と使用されてもよく、またいくつかの実装形態においては、メモリコントローラー515は、プロセッサ510の内部部品であってもよい。
【0020】
[026] 所望のコンフィギュレーションに応じて、システムメモリ520は、いかなる種類のものであってもよく、次に限定されないが、揮発性メモリ(RAMなど)、不揮発性メモリ(ROM、フラッシュメモリなど)又はこれらの組み合わせを含む。システムメモリ520は、オペレーティングシステム521、1つ以上のアプリケーション522およびプログラムデータ524を含みうる。アプリケーション522は、検知器から受信した検知信号に基づき脈拍数値を測定するよう構成された脈拍数値生成プロシージャを含みうる。脈拍数値生成プロシージャは、例えば、受信した検知信号に基づき脈拍数を測定するためにルックアップテーブルにアクセスしうる。他のプロシージャが使用されてもよい。プログラムデータ534は、ルックアップテーブル又は実験データのような受信した検知信号に基づき脈拍数を測定するのに役立つ脈拍数値データ525を含んでよい。いくつかの実施形態においては、アプリケーション522は、検知信号に基づき脈拍数値が生成されるように、オペレーティングシステム521上でプログラムデータ524を用いて動作するよう構成されてよい。このコンフィギュレーションは、図2における破線501内の構成要素により示されている。
【0021】
[027] 算出デバイス500は、基本構成501と所要のデバイス及びインターフェースとの間の通信を促進するために、更なる特徴又は機能性及び更なるインターフェースを有しうる。例えば、バス/インターフェースコントローラー540は、基本構成501と1つ以上のデータ記憶デバイス550との間の記憶インターフェースバス541を介する通信を促進するために使用されうる。データ記憶デバイス550は、取り外し可能な記憶デバイス551、取り外し不能な記憶デバイス552又はこれらの組み合わせでありうる。取り外し可能な記憶デバイス及び取り外し不能な記憶デバイスの例は、数例を挙げると、フレキシブルディスクドライブやハードディスクドライブ(HDD)などの磁気ディスクデバイス、コンパクトディスク(CD)ドライブ又はデジタル多用途ディスク(DVD)ドライブのような光学ディスクドライブ、半導体ドライブ(SSD)及びテープドライブなどが含まれうる。コンピュータ記憶媒体の例は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又はその他のデータのような情報記憶のための方法又は技術に実装された揮発性及び不揮発性、取り外し可能及び取り外し不能の媒体が含まれる。
【0022】
[028] システムメモリ520、取り外し可能な記憶装置551及び取り外し不能な記憶装置552は、全てコンピュータ記憶媒体の例である。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又は他の記憶技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)又は他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置又は他の磁気記憶デバイス、又は、所望の情報を記憶するために使用され、算出デバイス500によりアクセスされうる他の媒体を含むが、これらに限定されない。このようなコンピュータ記憶媒体のいずれも、デバイス500の一部となりうる。
【0023】
[029] 算出デバイス500は、多様なインターフェースデバイス(例えば、出力インターフェース、周辺インターフェース及び通信インターフェース)から基本構成501へのバス/インターフェースコントローラー540を介した通信を促進するためにインターフェースバス542を含みうる。出力デバイス560の例は、1つ以上のA/Vポート563を介して、ディスプレイ又はスピーカーなどの多様な外部デバイスと通信するよう構成されたグラフィクス処理装置561及びオーディオ処理装置562を含む。周辺インターフェース570の例は、1つ以上のI/Oポート573を介して、入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、ペン、音声入力デバイス、タッチ入力デバイスなど)又は他の周辺デバイス(例えば、プリンター、スキャナなど)のような外部デバイスと通信するよう構成されたシリアルインターフェースコントローラー571又はパラレルインターフェースコントローラー572を含む。通信デバイス580の例は、1つ以上の通信ポート582を介して、ネットワーク通信リンク上で1つ以上の他の算出デバイス590との通信を促進するよう構成されたネットワークコントローラー581を含む。
【0024】
[030] ネットワーク通信リンクは、通信媒体の一例でありうる。通信媒体は、通常コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又は搬送波や他の搬送機構などの変調データ信号における他のデータにより具現化され、情報伝送媒体を含みうる。「変調データ信号」は、信号中の情報をエンコードするように設定又は変更された1つ以上の特徴を有する信号でありうる。例としては、次に限定されないが、通信媒体は、ワイヤードネットワーク、ダイレクトワイヤード接続などの有線媒体、及び、音響、無線周波、マイクロ波、赤外線及び他の無線媒体などの無線媒体を含みうる。本明細書中で使用されるコンピュータ可読媒体という用語は、記憶媒体及び通信媒体のいずれも含む。
【0025】
[031] 算出デバイス500は、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、パーソナルメディアプレーヤーデバイス、無線ウェブ閲覧デバイス、パーソナルヘッドセットデバイス、応用特有デバイス、又はこれらの機能のいずれかを含むハイブリッドデバイスなどの小型フォームファクタ携帯(又はモバイル)電子デバイスの一部として実装されうる。算出デバイス500は、ラップトップコンピュータ及び非ラップトップコンピュータ構成のいずれも含むパーソナルコンピュータとしても実装されうる。
【0026】
[032] 図3は、本開示に従い検知信号に基づき脈拍数値を測定するための命令を記憶するように構成されたコンピュータープログラム製品600の例を示すブロック図である。コンピュータ可読媒体602は、上述のプロセスの全て又は一部を実行するよう処理装置を構成する命令604を記憶する。これらの命令は、例えば、検知信号に基づき脈拍数値を測定するための1つ以上の実行可能な命令を含みうる。命令は、検知信号と脈拍数値を関連付けるためにルックアップテーブルにアクセスすることを含みうる。
【0027】
[033] 図4は、脈拍数値の測定のためにタッチスクリーンインターフェースを使用する方法の一例のフローチャートである。この方法は、図1について上述したタッチスクリーンインターフェース100又は類似に構成されたタッチスクリーンデバイスにおいて使用されうる。この方法例は1つ以上のブロック210、215、220及び225を含みうる。
【0028】
[034] ブロック210において、タッチスクリーン基板は、脈拍の検知に適切な波長を有する光エネルギーによって照射されうる。上述のとおり、この波長は910nm、660nm又は脈拍数の変化に応じて経時的にその振幅が変化するエネルギーの波長でありうる。
【0029】
[035] ブロック215において、少なくとも一つにはユーザーの基板への接触に起因し、必須の波長でタッチスクリーン基板を透過した光エネルギーが検知されうる。ブロック220において、少なくとも一つには検知されたエネルギーの経時的な変化に基づき脈拍数が測定されうる。ブロック225では、検知された脈拍数値にある部分で基づいて選択される画像がタッチスクリーン基板を通して表示される。その画像は、脈拍数値を表すものでありうるか、又はある場合では、脈拍数値に基づく画像が(ユーザーへの提案として)表示されるが、必ずしも脈拍数値を表すものでない。上述のとおり、検知された脈拍数値は、追加的又は代替的に、メモリに記憶され、他の場所で表示され、若しくは別のデバイスへ伝えられるか、又はこれらの組み合わせが行われうる。
【0030】
[036] 図5は、本開示の少なくともいくつかの実施形態に従う、ユーザーの血中酸素濃度を検知するために使用されるタッチスクリーンインターフェースの一例を示す概略図である。タッチスクリーンインターフェース300の断面部の一例も図示されている。図5は、説明的であるよう意図されており、正確な縮尺で描かれていない。
【0031】
[037] タッチスクリーンインターフェース300は、図1のタッチスクリーンインターフェース100の一例と類似の要素を多数有し、類似の要素は、図5への参照においては重ねて詳細には説明しない。しかし、図5の例は、複数の波長で放射する光エネルギー源を用いるタッチスクリーン基板105の照射を提供することによってユーザーに関連付けられた血中酸素濃度を検知するよう構成されている。検知器は、異なる波長でタッチスクリーン基板105を伝搬するエネルギー量の差を検知するために使用されうる。
【0032】
[038] それゆえ、図5の例では、2つの光エネルギー源115及び315が、タッチスクリーン基板105を効果的に照射するように配置されうる。好適な光エネルギー源の例は、発光ダイオード(LED)でありうる。この2つの光エネルギー源115及び315は、異なる波長でエネルギーを放射するよう配置されうる。
【0033】
[039] 図5は、各波長の光を放射する単一の光エネルギー源が示されているが、追加的な波長の光を放射するいかなる数の光エネルギー源を追加的に備えてよく、タッチスクリーン基板105の長さ又は幅にそって配置されてよい。いくつかの例では、単一の光エネルギー源が複数の波長の光を放射するよう構成されてよい。
【0034】
[040] 光エネルギー源115及び315は、酸素化及び脱酸素化ヘモグロビンにより異なって吸収される波長を有する光を放射するよう構成されうる。パルスオキシメータは、660nm及び910nmの光を使用することができる。したがって、光エネルギー源115は、660nmの波長を有するエネルギーを放射するよう構成され、光エネルギー源315は910nmの波長を有するエネルギーを放射するよう構成されうる。酸素化された血液は、脱酸素化された血液よりも、660nmの光をより反射し、脱酸素化された血液は、酸素化された血液よりも、910nmの光をより反射しうる。他の例において、血中酸素濃度の検知に適切な他の波長が使用されてもよい。
【0035】
[041] いくつかの例では、部分的にユーザーによる接触により生じる、タッチスクリーン基板115を伝搬する光を感知するよう2つの検知器120及び320が備えられてもよい。検知器のうち1つは、光エネルギー源115及び315が放射する波長のうち1つのエネルギーに対して相対的に感度が低くてもよい。例えば、検知器の1つとしては、910nmの光には感度が高いが、660nmの光には相対的に感度が低い、InGaAsCCDタイプの検知器が使用されうる。したがって、検知器120及び320は、各波長の検知された光の差を測定するために使用される1つ以上の検知信号を提供しうる。図5には各波長につき単一の検知器120及び320が示されているが、ユーザーによる接触に応じてタッチスクリーン基板を伝搬する光を検知するために、アレイ状の検知器群がタッチスクリーン基板105に隣接して存在してよい。アレイ状の検知器を備えることで、接触の位置も測定されうる。他の例では、検知器は、タッチスクリーン基板105の周囲に配置されうる。一般に、検知器120及び320はタッチスクリーン基板105を伝搬するエネルギーを受信できる場所であればどこにでも配置されてよく、あらゆる数の検知器が備えられうる。いくつかの追加的な例では、アレイ状のこのような検知器は、ユーザーによる接触に関する位置情報を提供するようにも構成されうる。いくつかのさらなる例では、検知器120及び320は、ユーザーによる接触に関する位置情報を提供するように構成されなくてもよく、位置情報は、抵抗又は容量センサー(図5に図示せず)により取得されうる。さらに、2つの検知器が図5の例で使用されているが、いくつかの例では、単一の検知器が使用されてよく、後の処理で、受信した信号の波長成分を分離してもよい。すなわち、両方の照射波長に対して感度が高い単一の検知器が備えられる。2つのエネルギー源がタッチスクリーン基板を同時に照射しないように、光エネルギー源115及び315はパルス駆動されうる。1つの例では、パルス駆動はミリ秒単位で発生する。そして信号検知器の出力がエネルギー源の脈拍情報と同期され、同定され分析された2つの異なるエネルギー波長に反応する。すなわち、第1の波長で照射される間の単一の信号検知器の出力は、第1の波長への反応を示し、第2の波長で照射される間の単一の信号検知器の出力は、第2の波長への反応を示す。
【0036】
[042] 図1の例と同様に、検知器120及び320は、タッチスクリーン基板150の一部を伝搬するエネルギーを受信するのに効果的であるような、異なる位置に配置されてもよい。
【0037】
[043] プロセッサ125は、検知器120及び320と接続され、また、タッチスクリーン基板に触れたユーザーの血中酸素濃度を測定するために、検知器120及び320から受信した信号を使用するように構成されうる。特に、検知器120及び320のうち1つは、光エネルギー源115及び315から放射されたエネルギー波長の少なくとも1つに対して相対的に感度が低くてよい。2つの波長の吸収差又は反射率の差に基づいて血中酸素濃度を測定する好適な方法は、プロセッサにおいて実施されうる。異なる波長(例えば、2つ以上の波長)のエネルギー放射の異なる特性を分析することによって、プロセッサ125は、タッチスクリーン基板105に触れたユーザーの血中酸素濃度を測定しうる。
【0038】
[044] メモリ130は、プロセッサ125に接続されうる。メモリ130は、実行時に、プロセッサ125に検知器120及び320から信号を受信させ、かつ受信した信号の1つ以上の差に基づき血中酸素濃度を測定させる、コンピュータ可読命令を記憶しうる。メモリ130は、例えば、血中酸素濃度を算出する命令や血中酸素濃度に関連する測定信号の差の間の相関を検索する(correlate)するためのルックアップテーブル(LUT)を符号化したデータを記憶する。メモリ130はまた、ユーザーの血中酸素濃度(すなわち、血中酸素濃度値)に関連する値を記憶するよう構成されてもよい。例えば、ユーザーが所定の使用においてタッチスクリーンを複数回触れた場合、2つ以上の血中酸素濃度値がメモリ130に記憶されうる。血中酸素濃度値の検知された変化は、1つ以上の血中酸素濃度のグラフ表示をディスプレイ110又はタッチスクリーンインターフェース100が使用されるデバイスの他のコンポーネント上に表示するためにプロセッサ125によって使用されうる。例えば、1つ以上の血中酸素濃度値に関する情報を含む数値表示又は1つ以上のグラフ図が作成されディスプレイ110上に表示されうる。
【0039】
[045] 図5に示されるタッチスクリーンインターフェース300は、タッチスクリーン基板105に触れるユーザーと関連付けられる血中酸素濃度を測定するために使用されうる。血中酸素濃度が測定されると、測定された血中酸素濃度(すなわち、血中酸素濃度値)は、別のディスプレイ又は遠隔デバイスとの通信のためのネットワーク接続を含みうる1つ以上の出力デバイス135へ出力される。いくつかの例では、測定された血中酸素濃度は、ディスプレイ110に表示されうる。測定された血中酸素濃度に基づき、ディスプレイ110上に表示された画像は変化しうる。タッチスクリーンインターフェース300の使用のためのアプリケーション、方法又は手順の例は、以下に記述される。加えて、図2の算出デバイス500も、図5のタッチスクリーンインターフェースとともに使用されうる。
【0040】
[046] 図6は、本開示の少なくともいくつかの実施形態に従う、ユーザーの血中酸素濃度を測定するためのタッチスクリーンインターフェースの使用法の一例のフローチャートである。この方法例は、図5に関して前述されたタッチスクリーンインターフェース300又は類似に構成されたタッチスクリーンデバイスとともに使用されうる。この方法例は、1つ以上のブロック410、415、420及び425を含みうる。
【0041】
[047] ブロック410において、タッチスクリーン基板は、少なくとも第1の波長及び第2の波長を有する光エネルギーで照射されうる。上述のとおり、これらの波長は、910nm及び660nm又は酸素化及び脱酸素された血液により異なって吸収されるエネルギーの波長でありうる。
【0042】
[048] ブロック415において、基板への接触にある部分で起因して所要の波長でタッチスクリーンを伝搬する光エネルギーが検知されうる。ブロック420においては、血中酸素濃度値が、経時的に検知された多様な波長の各波長のエネルギー量の差異に少なくとも部分的に基づき測定される。ブロック425において、画像がタッチスクリーン基板を介して表示され、測定された血中酸素濃度値にある部分で基づき選択されうる。上述のとおり、測定された血中酸素濃度は追加的に又は代替的にメモリ内に記憶されるか、別の場所に表示されるか、若しくは別のデバイスに通信されるか、又はこれらの組み合わせが行われうる。
【0043】
[049] よって、タッチ位置を検知するのに加えて、ユーザーに関連付けられた血中酸素濃度値又は脈拍数値を測定するよう構成されうるタッチスクリーンインターフェースの例が上述された。他の例では、ユーザーに対応する血中酸素濃度値及び脈拍数値の双方を測定しうるタッチスクリーンインターフェースが備えられうる。いくつかの例では、同一のプロセッサが血中酸素濃度値及び脈拍数値の双方を算出するのに使用されうる。他の例では、異なるプロセッサが使用されうる。本明細書で使用されるユーザーという用語は、脈拍数、血中酸素濃度又はその両方を有することができ、タッチスクリーン基板に触れることができるあらゆる対象をいう。
【0044】
[050] 脈拍数、血中酸素濃度又はそれらの両方が計測可能なタッチスクリーンの例は、様々なデバイスにおいて採用され、次に限定されないが、運動器具、電化製品、自動車若しくは航空制御デバイス、電話、デジタル補助装置又はキオスクなどを含む。
【0045】
[051] 脈拍数、血中酸素濃度又はそれらの両方が計測可能なタッチスクリーンインターフェースには、様々な使用法があるだろう。例えば、これらの計測はユーザーの健康状態の目安として使用されうる。運動器具の一部に配置される場合、その器具に含まれるプロセッサは、測定された脈拍数、血中酸素濃度又はそれらの両方に基づき、その器具に抵抗若しくは耐久値又はそれらの両方を選択又は変更させる制御信号を発しうる。
【0046】
[052] 別の例としては、タッチスクリーンインターフェース100及び300に含まれるプロセッサ125は、経時的な脈拍数の変化を分析しうるであろう。脈拍数の上昇は、インターフェース100又は300へのフラストレーションを示唆する。よって、プロセッサ125は、制御信号をディスプレイ110と接続し、弁明(apologetic)のメッセージ又はユーザーの行為を変更するための提案を表示させうる。
【0047】
[053] 本明細書中に、説明の目的上、本発明の特定の実施形態が記載されているが、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく様々な修正がなされてよいことは前述から理解できるだろう。例えば、脈拍及び血中酸素濃度のレベルの使用が上述されている。しかし、パルスオキシメトリー技術は、ユーザーの血液中の一酸化炭素のような他の成分を分析するために使用することができる。一般的に、パルスオキシメトリー技術を用いて測定することに適している、あらゆる種類の生体情報を得るために、タッチスクリーンインターフェースとともにあらゆる波長数及び適切な検出器を用いることができる。
【0048】
[054] クレームされた主題の範囲は、本明細書中に記載された特定の実装形態に限定されていない。例えば、ある実装形態は、1つのデバイス又はデバイスの組み合わせにおいて動作するよう用いられたハードウェアにおける実装形態でありうるし、他の実装形態はソフトウェア及び/又はファームウェアにおける実装形態でありうる。同様に、この点でクレームされた主題の範囲は限定されていないが、いくつかの実装形態は、記憶媒体又は複数の記憶媒体のような1つ以上の物品を含みうる。CD−ROM、コンピュータディスク、フラッシュメモリなどのような記憶媒体は、例えばコンピュータデバイス、コンピューティングシステム、コンピューティングプラットフォーム又は他のシステムのようなシステムにより実行されたときに、例えば先述の実装形態の1つのような、クレームされた主題に従うプロセッサの実行を引き起こす命令を、自らに記憶することができる。1つの可能性として、コンピュータデバイスは、1つ以上の処理装置又はプロセッサ、例えばディスプレイ、キーボード及び/又はマウスのような1つ以上の入力/出力デバイス、及びスタティックRAM、ダイナミックRAM、フラッシュメモリ及び/又はハードドライブのような1つ以上のメモリを含みうる。
【0049】
[055] 前述の記載において、クレームされた主題の多様な態様が記載されている。説明の目的上、クレームされた主題の完全な理解のために、特定の数量、システム及び/又は構成が記載されている。しかし、この特定な詳細なしに、クレームされた主題が実行されうることは、当業者及び本開示の利益を享受する者にとって明らかであろう。他の場合では、クレームされた主題を不明瞭にしないために、周知の事項は省略及び/又は簡略化されている。本明細書中に、特定の事項が説明及び/又は記載されているが、現時点で、または将来的に、当業者は、多くの修正、置換、変更、及び/又は同等物を思いつくはずである。それゆえ、添付の請求は、かかる全ての修正及び/又は変更がクレームされた主題の真の精神の範囲内に含まれるよう意図されていることが理解されるであろう。
【0050】
[056] システムの態様のハードウェア実装形態とソフトウェア実装形態との間に区別はほとんどない。ハードウェア又はソフトウェアの使用は、一般的に(一定の背景においては、ハードウェアとソフトウェアとの間の選択は重要になることもあるため、常にではないが)費用対効果の兼ね合いを表す設計上の選択である。本明細書に記載するプロセス及び/又はシステム及び/又は他の技術を実現させ得る様々な媒体が存在し(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェア)、好ましい媒体は、当該プロセス及び/又はシステム及び/又は他の技術が展開される背景によって異なるだろう。例えば、速度と精度が優先される場合、実施者は、ハードウェア又はファームウェアの媒体を主に選択し得るし、柔軟性が優先される場合は、実施者は主にソフトウェアによる実装形態を選択し得る。あるいは、実施者はハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアの所定の組み合わせを選択しうる。
【0051】
[057] 本明細書にクレームされた主題は、異なる他の構成要素内に含まれた、又はそれに接続された異なる他の構成要素を例示することがある。そのように記載された構造は、単なる例に過ぎず、実際は、同一の機能性を達成する他の多くの構造が実施可能であることが理解されるであろう。概念的な意味では、同一の機能性を達成するための構成要素のあらゆる構成は、所望の機能性を達成するように効果的に「関連付けられる(associated)」。よって、本明細書において特定の機能性を達成するために組み合わされたあらゆる2つの構成要素は、構造や中間構成要素に係わらず、所望の機能性を達成するように互いに「関連付けられた(associated with)」とみなすことができる。同様に、そのように関連付けられたいかなる2つの構成要素は、所望の機能性を達成するために互いに「動作可能に接続された(operably connected)」又は「動作可能に連結された(operably coupled)」とみなすことができ、そのように関連付けが可能ないかなる2つの構成要素もまた、所望の機能性を達成するために互いに「動作可能に連結可能である(operably couplable)」とみなすことができる。動作可能に連結可能であることの具体例としては、物理的に結合可能な及び/又は物理的に相互作用する構成要素であり、及び/又は無線で相互作用可能な及び/又は無線で相互作用する構成要素であり、及び/又は論理的に相互作用する及び/又は論理的に相互作用可能な構成要素を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0052】
[058] 本明細書で使用される実質的にあらゆる複数の及び/又は単数の用語について、当業者は、文脈及び/又は用途に応じて適切に、複数の用語を単数に、及び/又は単数の用語を複数に置き換えることができる。本明細書では、明確性を目的として、多様な単数/複数の置き換えが明記されうる。
【0053】
[059] ある例では、1つ以上の構成要素は「構成された(configured to)」、「構成可能である(configurable to)」、「動作可能である(operable)/動作する(operative to)」、「適応した(adapted)/適応可能である(adaptable)」、「できる(able to)」、「適合可能である(conformable)/適合した(conformed to)」などと本明細書において言及される。当業者は、このような用語(例えば、「構成された」)が、文脈が別途指示しないかぎり、一般的にアクティブ状態の構成要素及び/又は非アクティブ状態の構成要素、及び/又はスタンバイ状態の構成要素を包含することを認識するであろう。
【0054】
[060] 本明細書に記載された主題の特定の態様は図示されかつ説明されているが、当業者にとって、本明細書中の教示に基づき、主題及びその広範な態様から逸脱することなく、変更及び修正が行われうること、及びそれゆえ、添付の請求は、その範囲内に、また、主題の真の精神及び範囲内に全てのかかる変更及び修正を包含するものであることは明らかであろう。一般に、本明細書、特に添付の請求の範囲(例えば、添付の請求の範囲の要部)中で使用される用語は、一般的に「非限定的な(open)」用語として意図されている(例えば、「含んでいる(including)」という用語は「・・・を含んでいるが限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有している(having)」という用語は「少なくとも・・・を有している(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「・・・を含むが限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきである。)ことが当業者には理解されるであろう。さらに、導入されたクレーム記載において特定の数が意図される場合、そのような意図は当該クレーム中に明確に記載され、そのような記載がない場合は、そのような意図も存在しないことが当業者には理解されるであろう。理解を促すために、例えば、後続の添付の請求の範囲では、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ以上の(one or more)」といった導入句を使用し、クレーム記載を導入することがある。しかし、このような句を使用するからといって「a」又は「an」といった不定冠詞によりクレーム記載を導入した場合に、たとえ同一のクレーム内に、「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」といった導入句と「a」又は「an」といった不定冠詞との両方が含まれるとしても、当該導入されたクレーム記載を含む特定のクレームが、当該記載事項を1つのみ含む発明に限定されるということが示唆されると解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は、通常は「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味すると解釈されるべきである。)。定冠詞を使用してクレーム記載を導入する場合にも同様のことが当てはまる。さらに、導入されたクレーム記載において特定の数が明示されている場合であっても、そのような記載は、通常、「少なくとも」記載された数を意味するように解釈されるべきであることは、当業者には理解されるであろう(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、この記載は、「少なくとも」2つの記載事項、又は「2つ以上の」記載事項を意味する。)さらに、「A、B及びCなどのうち少なくとも1つ」に類する表記が使用される場合、一般的に、そのような構造は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B及びCのうち少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又は、AとBとCの全て、などを有するシステムを含むがこれに限定されない)。また、「A、B又はCなどのうち少なくとも1つ」に類する表記が使用される場合、一般的に、そのような構造は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B又はCのうち少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又は、AとBとCの全て、などを有するシステムを含むがこれに限定されない)。さらに、2つ以上の選択可能な用語を表す実質的にあらゆる離接語及び/又は離接句は、説明文内であろうと、請求の範囲内であろうと、又は図面内であろうと、それらの用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されるであろう。例えば、「A又はB」という句は、「A」又は「B」若しくは「A及びB」の可能性を含むことが理解されよう。
【0055】
[061] 添付の請求の範囲に関して、当業者は、請求の範囲に記載された操作が一般にいかなる順序であっても実行できることを理解するであろう。また、様々な操作手順が連続的に示されているが、その操作手順は、図示された順序以外の順序で又は同時に実行できることを理解されたい。このような代替的な順序付けとしては、文脈が別途指示しないかぎり、重複して、交互に、中断して、再順序付けし、増加的に、予備的に、補足的に、同時に、逆順での順序付け、又はその他の多様な順序付けを含みうる。さらに、「対応する(responsive to)」、「関連した(related to)」のような用語又はその他の過去形の形容詞は、文脈が別途指示しないかぎり、そのような多様性を除外するように意図されていない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーからの接触に応答するよう構成されたタッチスクリーンインターフェースであって、
タッチスクリーン基板と、
特定の波長を有する光エネルギーで前記タッチスクリーン基板を照射するように配置された光エネルギー源と、
前記タッチスクリーン基板を伝搬する前記特定の波長を有する光エネルギーを受信するように配置された検知器と、
前記検知器に接続され、かつ、前記検知器からの検知信号を受信し、検知器から受信した検知信号に少なくともある部分で基づき、前記ユーザーと関連付けられた脈拍数を測定するように構成されたプロセッサと、
を備え、
前記検知器が、少なくともある部分で前記タッチスクリーン基板への接触に反応する検知信号を生成するように構成され、前記検知信号が前記受信した前記特定の波長の光エネルギーを示す、
タッチスクリーンインターフェース。
【請求項2】
前記プロセッサが前記検知器から受信した第1の検知信号に少なくともある部分で基づき前記接触の位置を測定するようにさらに構成される、請求項1に記載のタッチスクリーンインターフェース。
【請求項3】
前記タッチスクリーン基板がディスプレイに隣接して配置される、請求項1に記載のタッチスクリーンインターフェース。
【請求項4】
前記検知器が前記ディスプレイに統合される、請求項3に記載のタッチスクリーンインターフェース。
【請求項5】
前記特定の波長が660nm又は910nmである、請求項1に記載のタッチスクリーンインターフェース。
【請求項6】
前記プロセッサが前記ユーザーに関連付けられた脈拍数を前記検知信号の振幅の検知された経時的な変化に少なくともある部分で基づき測定するように構成された、請求項1に記載のタッチスクリーンインターフェース。
【請求項7】
前記検知器が電荷結合素子(CCD)を備える、請求項1に記載のタッチスクリーンインターフェース。
【請求項8】
前記光エネルギー源が発光ダイオード(LED)を備える、請求項1に記載のタッチスクリーンインターフェース。
【請求項9】
前記光エネルギー源がさらに、別の特定の波長を有する光エネルギーで前記タッチスクリーンを照射するよう構成されており、前記検知器が、さらに前記タッチスクリーンからの前記他の波長を有する光エネルギーを受信するように構成され、かつ前記検知器が、前記タッチスクリーンへの接触に少なくともある部分で応答して別の検知信号を生成するように構成されており、前記他の検知信号が、前記受信した前記他の波長の光エネルギーを示し、前記プロセッサがさらに前記検知器からの前記他の検知信号を受信しかつ第1の検知信号及び第1の検知器から受信した第2の検知信号に少なくともある部分で基づいて血中酸素濃度を測定するように構成されている、請求項1に記載のタッチスクリーンインターフェース。
【請求項10】
前記検知器が前記特定の波長及び前記他の特定の波長の両方に対して感度が高く、前記光エネルギー源が、前記特定の波長及び前記他の特定の波長を有する光エネルギーで前記タッチスクリーン基板を交互に照射するように構成されている、請求項9に記載のタッチスクリーンインターフェース。
【請求項11】
前記検知器が第1の検知器及び第2の検知器を備え、前記第1の検知器が、前記特定の波長に対応する前記タッチスクリーンインターフェースを伝搬する光エネルギーを受信するように配置され、前記第2の検知器が前記他の特定の波長に対応する前記タッチスクリーンインターフェースを伝搬する光エネルギーを受信するように配置される、請求項9に記載のタッチスクリーンインターフェース。
【請求項12】
前記光エネルギー源が第1の光エネルギー源及び第2の光エネルギー源を備え、前記第1の光エネルギー源が、前記特定の波長を有する光エネルギーで前記タッチスクリーン基板を照射するように構成され、前記第2の光エネルギー源が前記他の特定の波長を有する光エネルギーで前記タッチスクリーン基板を照射するように構成される、請求項9に記載のタッチスクリーンインターフェース。
【請求項13】
前記検知器は第1の検知器及び第2の検知器を備え、前記光エネルギー源は第1の光エネルギー源及び第2の光エネルギー源を備え、前記第1の検知器が前記特定の波長に対応して前記タッチスクリーンインターフェースを伝搬する光エネルギーを受信するように配置され、前記第2の検知器が前記他の特定の波長に対応して前記タッチスクリーンインターフェースを伝搬する光エネルギーを受信するように配置され、前記第1の光エネルギー源が前記特定の波長を有する光エネルギーで前記タッチスクリーン基板を照射するように配置され、前記第2の光エネルギー源が前記他の特定の波長を有する光エネルギー源で前記タッチスクリーン基板を照射するように配置される、請求項9に記載のタッチスクリーンインターフェース。
【請求項14】
前記第1の波長が910nmであり前記第2の波長が660nmである、請求項9に記載のタッチスクリーンインターフェース。
【請求項15】
ユーザーからの接触に応答するよう構成されたタッチスクリーンインターフェースであって、
タッチスクリーン基板と、
第1の波長を有する光エネルギーで前記タッチスクリーン基板を照射するように配置された第1の光エネルギー源と、
第2の波長を有する光エネルギーで前記タッチスクリーン基板を照射するように配置された第2の光エネルギー源と、
前記タッチスクリーン基板を伝搬した前記第1の波長を有する光エネルギーを受信するように配置された第1の検知器と、
前記タッチスクリーン基板を伝搬した前記第2の波長を有する光エネルギーを受信するよう配置された第2の検知器と、を備え、
前記第1の検知器が、前記タッチスクリーン基板への接触に少なくともある部分で反応する第1の検知信号を生成するように構成され、前記第1の検知信号が前記第1の波長の受信された光エネルギーを示し、前記第2の検知器が、前記タッチスクリーン基板への接触に少なくともある部分で反応する第2の検知信号を生成するように構成され、前記第2の検知信号が前記第2の波長の受信された光エネルギーを示す、
タッチスクリーンインターフェース。
【請求項16】
前記第1の波長が910nmであり、前記第2の波長が660nmである、請求項15に記載のタッチスクリーンインターフェース。
【請求項17】
ユーザーによる前記タッチスクリーンインターフェースへの接触時に、前記ユーザーと関連付けられる脈拍数を検知するタッチスクリーンインターフェースの方法であって、
脈拍数の検知のために特定の波長を有する光エネルギーでタッチスクリーン基板を照射することと、
前記特定の波長の光エネルギーを受信すること及び前記受信した光エネルギーに応答し検知信号を生成することと、
前記検知信号の変化を同定することと、
前記ユーザーに関連付けられた脈拍数を少なくともある部分で前記検知信号の前記同定された変化に基づき測定することと、を含み、
前記受信した光エネルギーが前記タッチスクリーン基板との接触に応答して前記タッチスクリーン基板を伝搬する、方法。
【請求項18】
前記タッチスクリーン基板を介して表示される画像を変形させることをさらに含み、前記変形が少なくともある部分で測定された脈拍に基づく、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
測定された脈拍のそれぞれをメモリに記憶することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記特定の波長が910nm又は660nmのいずれかである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記タッチスクリーンインターフェースへの接触に応答して、ユーザーに関連付けられた血中酸素濃度又は前記ユーザーに関連付けられた脈拍のいずれかを測定するためのタッチスクリーンインターフェースの方法であって、
タッチスクリーン基板を第1の波長及び第2の波長を有する光エネルギーで照射することと、
検知信号を生成するために、前記タッチスクリーン基板から伝搬された光エネルギーを検知することと、
前記検知信号から、検知された前記第1及び第2の波長の光エネルギー量の差に少なくともある部分で基づき、前記ユーザーに関連付けられた血中酸素濃度を測定することと、を含み、
前記第1の波長及び前記第2の波長は前記ユーザーに関連付けられた血中酸素濃度を示すために適切に選択され、前記検知信号は前記第1又は第2の波長で伝搬した光エネルギー量を示し、前記第1又は第2の波長で伝搬した光エネルギー量は少なくともある部分で前記接触に反応して変化する、
方法。
【請求項22】
前記第1の波長及び前記第2の波長を有する光エネルギーで前記タッチスクリーン基板を照射することが、前記タッチスクリーン基板を前記第1の波長を有する光エネルギーのパルス駆動を用いて及び前記第1の波長を有する光エネルギーのパルス駆動を用いて交互に照射することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記タッチスクリーン基板を介して表示される画像を変形させることをさらに含み、前記変形が、少なくともある部分で前記ユーザーに関連付けられる前記検知された血中酸素濃度に基づく、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記第1及び第2の波長がそれぞれ910nm及び660nmである、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記ユーザーに関連付けられた前記脈拍数を、前記第1又は第2の波長のいずれかで伝搬された光エネルギーの量の変化に少なくともある部分で基づいて測定することをさらに含む、請求項21に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−246894(P2010−246894A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−24987(P2010−24987)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【出願人】(509348786)エンパイア テクノロジー ディベロップメント エルエルシー (117)
【Fターム(参考)】