説明

パンク修理液の回収方法及び回収装置

【課題】タイヤバルブを切除することなくパンク修理液の回収作業を効率良く行うことを可能にしたパンク修理液の回収方法及び回収装置の提供。
【解決手段】ホイール2に取り付けられたタイヤバルブ3からタイヤ1内に挿入されたチューブ10と、タイヤ1内から回収されたパンク修理液4を収容するための一対の接続口23,24を有する容器20と、タイヤバルブ3と容器20の接続口23とを接続する連結ホース30とを備え、容器20の接続口24を加圧空気供給源40に対して着脱自在に構成した装置を用い、タイヤ1内にパンク修理液4が注入されたホイール2のタイヤバルブ3を介してタイヤ1内にチューブ10を挿入し、タイヤバルブ3と加圧空気供給源40との間に連結ホース30及び容器20を接続し、加圧空気供給源40からタイヤ1内に空気を充填した後、容器20の接続口24から加圧空気供給源40を取り外し、パンク修理液4を容器20内に回収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ内に注入されたパンク修理液を回収する方法及び装置に関し、更に詳しくは、タイヤバルブを切除することなくパンク修理液の回収作業を効率良く行うことを可能にしたパンク修理液の回収方法及び回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両に装着されたタイヤがパンクした際に、タイヤバルブを介してタイヤ内にパンク修理液を注入することにより、パンクを応急的に修理すると同時にタイヤ内に空気を充填することが行われている。
【0003】
しかしながら、上述のようなパンク修理方法では、タイヤ内にパンク修理液が残存するため、タイヤをホイールから取り外して交換する際にパンク修理液がタイヤから溢れ、タイヤチェンジャー等の機器を汚してしまうという不都合がある。
【0004】
この対策として、パンク修理液の溢れを防止する方法が種々提案されている。例えば、パンク修理液が残存するタイヤの中にエマルション凝固剤を注入することにより、パンク修理液を固化し、タイヤをホイールから取り外した後にパンク修理液の固化物を廃棄することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この場合、ホイールに組付けられた状態のタイヤの中にエマルション凝固剤を注入することが難しいという欠点がある。
【0005】
また、ホイールからタイヤバルブを切除し、タイヤバルブの取り付け穴からタイヤ内にチューブを挿入し、そのチューブを介してタイヤ内のパンク修理液を排出することが提案されている(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。しかしながら、この場合、タイヤバルブを切断する必要があり、タイヤバルブを再利用することができないという欠点がある。
【0006】
更に、タイヤバルブ内に気体用流路を形成する管と液体用流路を形成する管を挿入し、気体用流路を介してタイヤ内に加圧空気を導入する一方で液体用流路を介してパンク修理液をタイヤ外に排出することが提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、この場合、タイヤバルブの中に気体用流路を形成する管と液体用流路を形成する管を挿入する必要があり、液体用流路を極めて細くせざるを得ないので、パンク修理液の排出に多大な時間を要するという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平2009−41006号公報
【特許文献2】特開平2003−127242号公報
【特許文献3】特開平10−67212号公報
【特許文献4】特開平2007−331210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、タイヤバルブを切除することなくパンク修理液の回収作業を効率良く行うことを可能にしたパンク修理液の回収方法及び回収装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明のパンク修理液の回収方法は、ホイールに取り付けられたタイヤバルブからタイヤ内に挿入されて少なくともタイヤ内面に到達する長さを持つチューブと、タイヤ内から回収されたパンク修理液を収容するための一対の接続口を有する容器と、前記タイヤバルブと前記容器の一方の接続口との間に接続される連結ホースとを備え、前記容器の他方の接続口を加圧空気供給源に対して着脱自在に構成したパンク修理液の回収装置を用い、タイヤ内にパンク修理液が注入されたホイールのタイヤバルブからバルブコアを取り外し、前記タイヤバルブを介してタイヤ内に前記チューブを挿入し、前記タイヤバルブと前記加圧空気供給源との間に前記連結ホース及び前記容器を接続し、前記加圧空気供給源からタイヤ内に空気を充填した後、前記容器の他方の接続口から前記加圧空気供給源を取り外し、タイヤ内の圧力が抜ける作用を利用してタイヤ内のパンク修理液を前記容器内に回収することを特徴とするものである。
【0010】
上記目的を達成するための本発明のパンク修理液の回収装置は、ホイールに取り付けられたタイヤバルブからタイヤ内に挿入されて少なくともタイヤ内面に到達する長さを持つチューブと、タイヤ内から回収されたパンク修理液を収容するための一対の接続口を有する容器と、前記タイヤバルブと前記容器の一方の接続口との間に接続される連結ホースとを備え、前記容器の他方の接続口を加圧空気供給源に対して着脱自在に構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、チューブと容器と連結ホースとを備えたパンク修理液の回収装置を用い、タイヤバルブを介してタイヤ内にチューブを挿入し、タイヤバルブと加圧空気供給源との間に容器及び連結ホースを接続し、加圧空気供給源からタイヤ内に空気を充填した後、容器の他方の接続口から加圧空気供給源を取り外し、タイヤ内の圧力が抜ける作用を利用してタイヤ内のパンク修理液を容器内に回収する。この場合、タイヤバルブを切除する必要はなく、パンク修理液の回収後においてタイヤバルブをそのまま使用することができる。また、チューブはタイヤバルブが許容する範囲で可及的に太くすることが可能であるので、従来のようにタイヤバルブの中に気体用流路の管と液体用流路の管を挿入する場合に比べてパンク修理液を短時間で回収することができる。従って、本発明によれば、タイヤバルブを切除することなくパンク修理液の回収作業を効率良く行うことができる。
【0012】
本発明において、チューブをタイヤバルブの貫通孔の最細部よりも細くする一方でチューブのタイヤバルブ側の端部に前記タイヤバルブの貫通孔の最細部よりも太い係止部を設けることが好ましい。これにより、チューブをタイヤバルブからタイヤ内へ容易に挿入することができ、しかもチューブのタイヤバルブ側の端部に設けた係止部がタイヤバルブの貫通孔の最細部により係止されるためチューブのタイヤ内への脱落を防止することができる。
【0013】
チューブは切断長さを指示する目盛りを具備し、該目盛りに基づいてチューブをタイヤサイズに応じて切断することが好ましい。つまり、チューブの長さを想定される全てのタイヤについてタイヤバルブからタイヤ内面まで届くような寸法に設定しておき、目盛りに基づいてチューブを適宜切断することにより、各種タイヤサイズに適応することができる。目盛りはチューブに直接表示することが好ましいが、場合によっては、紙等に印刷された目盛りをチューブに同梱するようにしても良い。
【0014】
本発明のパンク修理液の回収装置は、容器の他方の接続口に装着されるアタッチメントを備え、該アタッチメントが容器の他方の接続口よりも小さい排出口を有することが好ましい。そして、前述のように容器の他方の接続口から加圧空気供給源を取り外した後、容器の他方の接続口よりも小さい排出口を有するアタッチメントを容器の他方の接続口に装着し、該アタッチメントにより排気流量を抑制することが好ましい。タイヤ内の圧力が高過ぎるとパンク修理液が勢い良く流出して容器の他方の接続口から吹き出す恐れがあるが、上記アタッチメントの装着によりパンク修理液の外部への吹き出しを防止することができる。また、アタッチメントには容器から吹き出したパンク修理液を収容するための液溜まり部を設けることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態からなるパンク修理液の回収装置を示す側面図である。
【図2】本発明で使用されるタイヤバルブの一例を示す側面図である。
【図3】本発明で使用されるチューブを例示し、(a)〜(c)はそれぞれチューブの要部を示す側面図である。
【図4】本発明で使用されるチューブを例示し、(a)〜(b)はそれぞれチューブの要部を示す側面図である。
【図5】本発明で使用されるアタッチメントの一例を一部切り欠いて示す側面図である。
【図6】本発明で使用されるアタッチメントの他の例を一部切り欠いて示す側面図である。
【図7】本発明で使用されるアタッチメントの変形例を示し、(a)〜(d)はそれぞれアタッチメントを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1〜図7は本発明の実施形態からなるパンク修理液の回収装置を示すものである。図1において、1は空気入りタイヤであり、2はホイールであり、3はホイールに取り付けられたタイヤバルブであり、4は空気入りタイヤ1の中に注入されたパンク修理液である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態のパンク修理液の回収装置は、ホイール2のタイヤバルブ3からタイヤ1内に挿入されて少なくともタイヤ内面に到達する長さを持つチューブ10と、タイヤ1内から回収されたパンク修理液4を収容するための一対の接続口23,24を有する容器20と、タイヤバルブ3と容器20の一方の接続口23との間に接続される連結ホース30とを備え、容器20の他方の接続口24が加圧空気供給源40に対して着脱自在に構成されている。
【0018】
図2に示すように、タイヤバルブ3は内部に円筒状の貫通孔3a(破線にて図示)を有すると共に、その基端側にはホイール2の取り付け穴に対して係合する括れ部3bが形成され、その先端側には雄ねじ部3cが形成されている。貫通孔3aは長手方向の一部が局部的に絞り込まれていて当該部位に内径が最小となる最細部3dが形成されている。内圧充填時において、タイヤバルブ3にはバルブコア(不図示)が挿入される。
【0019】
一方、チューブ10は、図3(a)〜(c)に示すように、タイヤバルブ側の端部に係止部11を備えている。チューブ10の外径はタイヤバルブ3の貫通孔3aの最細部3dの内径よりも小さいが、係止部11の外径はタイヤバルブ3の貫通孔3aの最細部3dの内径よりも大きくなっている。図3(a)においては、チューブ10と係止部11との間に段差が形成されている。図3(b)においては、係止部11はチューブ10の本体側から徐々に太くなるようなテーパーを有している。図3(c)においては、チューブ10のタイヤバルブ側の端部を熱により変形させることで係止部11が形成されている。また、係止部11はバルブコアと同等の形状に成形しても良い。勿論、係止部11を形成するためのアダプターをチューブ10に対して装着することも可能である。
【0020】
このようにチューブ10をタイヤバルブ3の貫通孔3aの最細部3dよりも細くする一方でチューブ10のタイヤバルブ側の端部にタイヤバルブ3の貫通孔3aの最細部3dよりも太い係止部11を設けた場合、チューブ10をタイヤバルブ3からタイヤ1内へ容易に挿入することができ、しかもチューブ10の係止部11がタイヤバルブ3の貫通孔3aの最細部3dにより係止されるためチューブ10のタイヤ1内への脱落を防止することができる。
【0021】
また、チューブ10の係止部11を最細部3dよりも太くすることにより、チューブ10とタイヤバルブ3との間の気密性を確保することができる。気密性を確保するにあたって、タイヤバルブ3の貫通孔3aの内周面とチューブ10の係止部11の外周面とが互いに密着することで両者間をシールしても良く、或いは、タイヤバルブ3の貫通孔3aの最細部3dの軸方向端面とチューブ10の係止部11の軸方向端面とが互いに密着することで両者間をシールしても良い。
【0022】
チューブ10の材質は特に限定されるものではないが、シリコーンゴム等のゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリアミド、フッ素樹脂等の合成樹脂、金属等を使用することができる。但し、柔らか過ぎるとチューブ10の差し込み作業が悪化する場合がある。
【0023】
チューブ10の外径は2.5mm〜3.15mmの範囲にすると良い。チューブ10が太過ぎるとチューブ10をタイヤバルブ3の貫通孔3aの最細部3dに通すことが難しくなり、逆に細過ぎるとパンク修理液4の排出に多大な時間を要することになる。一方、チューブ10の係止部11の外径は3.2mm〜4.0mmの範囲にすると良い。係止部11が太過ぎると係止部11をタイヤバルブ3内に押し込むことが難しくなり、逆に細過ぎるとチューブ10がタイヤ1内に脱落し易くなる。
【0024】
図4(a)〜(b)に示すように、チューブ10は切断長さをアルファベットA〜Dにて指示する目盛り12を具備し、該目盛り12に基づいてチューブ10をタイヤサイズに応じて切断するようになっている。つまり、使用前のチューブ10の長さとしては想定される全てのタイヤについてタイヤバルブ3からタイヤ内面まで届くような寸法が設定されており、目盛り12に基づいてチューブ10を適宜切断することにより、各種タイヤサイズに適応するようになっている。図4(a)においては、目盛り12がチューブ10に直接表示されている。図4(b)においては、目盛り12が紙等からなるシート13に印刷されている。目盛り12が印刷されるシート13は専用のものであっても良いが、取扱説明書の一部を利用しても良い。いずれの場合も目盛り12の意味は取扱説明書等に記載されるものとする。例えば、取扱説明書には目盛り12のアルファベットA〜Dとタイヤサイズとの対応関係が表示される。目盛り12は、線の太さ、色、本数等を異ならせることで区別可能としたり、上述のアルファベットに替えて数字や記号等を付記するようにしても良い。
【0025】
図5に示すように、容器20は、最大650mlの容量を有する容器本体21と、その容器本体21の上部に装着される蓋22とを備えている。蓋22には周上の対向する位置に接続口23,24が形成されている。一方の接続口23には容器本体21の底部まで延長する内管25が連結されているが、他方の接続口24はそのまま容器20の内部に連通している。また、接続口24には雄ねじ部26が形成されている。
【0026】
上記パンク修理液の回収装置は、容器20の他方の接続口24に装着されるアタッチメント50を備えている。このアタッチメント50は、容器20の他方の接続口24よりも小さい排出口51と、接続口24の雄ねじ部26に係合する雌ねじ部52とを備えている。アタッチメント50は容器20からの排気流量を抑制するものである。図6に示すように、アタッチメント50には容器20から吹き出したパンク修理液4を収容するための液溜まり部53を設けるようにしても良い。なお、図6においては、雌ねじ部52の替わりに、接続口24の雄ねじ部26に対して弾性変形により係合する嵌合部52aが形成されている。そのため、アタッチメント50を取り外す際に該アタッチメント50を回動させる必要はない。
【0027】
更に、図7(a)〜(d)に示すように、パンク修理液4の外部への吹き出しを抑制するようにした種々の構造のアタッチメント50を採用することができる。図7(a)においては、排出口51を上向きにしている。図7(b)においては、液溜まり部53を深くしてその容量を大きくしている。図7(c)においては、排出口51を上向きにし、液溜まり部53の形状を球状にしている。図7(d)においては、アタッチメント50の排出口51に笛54を付設している。笛54は排出口51からの排気により音を発するようになっている。そのため、笛54から発せられる音に基づいてタイヤ1内の空気圧が十分に低下したことを判断することができる。
【0028】
連結ホース30は、図1に示すように、一方の端部が締付バンド31により容器20の接続口23に対して固定され、他方の端部には雌ねじ部を有する連結金具32が回動自在に取り付けられている。そのため、連結ホース30は連結金具32の操作によりタイヤバルブ3に対して着脱自在になっている。
【0029】
加圧空気供給源40は、電動式のコンプレッサー41と、該コンプレッサー41に接続されたホース42と、コンプレッサー41を電源に接続するためのコード43及びプラグ44とを備えている。ホース42の端部には雌ねじ部を有する連結金具45が回動自在に取り付けられている。そのため、ホース42は連結金具45の操作により容器20の接続口24に対して着脱自在になっている。
【0030】
なお、加圧空気供給源40については高圧が要求されるわけではないので、上記電動式のコンプレッサー41の替わりに自転車用の空気入れ等を使用することが可能である。その場合、電源は不要となる。勿論、携帯可能なコンプレッサー41の替わりに商業用の大規模なコンプレッサーを用いることも可能である。
【0031】
次に、上述したパンク修理液の回収装置を用いてパンク修理液を回収する方法について説明する。先ず、図1に示すように、タイヤ1内にパンク修理液4が注入されたホイールのタイヤバルブ3からバルブコアを取り外し、タイヤバルブ3を介してタイヤ1内にチューブ10を挿入する。チューブ10は予め適当な長さに調整されているため先端がタイヤ内面に当接する一方でタイヤバルブ側の係止部11がタイヤバルブ3の貫通孔3aの最細部3dに係止される。
【0032】
次に、タイヤバルブ3に対して連結ホース30を接続し、容器20の接続口24に対して加圧空気供給源40のホース42を接続する。これにより、タイヤバルブ3と加圧空気供給源40との間に容器20及び連結ホース30を接続し、一連の加圧空気供給路を形成する。その状態で加圧空気供給源40からタイヤ1内に空気を充填する。パンク修理液4の注入量は例えば215/60R16のサイズでは650ml程度であるので、そのパンク修理液4を排出するための圧力として、タイヤ1内の空気圧は50kPa〜100kPaの範囲、例えば、80kPa程度にすれば良い。空気充填後、容器20の他方の接続口24から加圧空気供給源40のホース42を取り外し、タイヤ1内の圧力が抜ける作用を利用してタイヤ1内のパンク修理液4を容器20内に回収する。
【0033】
上述したパンク修理液の回収方法によれば、タイヤ1内のパンク修理液4を容器20内に回収するにあたって、タイヤバルブ3を切除する必要はなく、パンク修理液4の回収後においてタイヤバルブ3をそのまま使用することができる。また、チューブ10はタイヤバルブ3が許容する範囲で可及的に太くすることが可能であるので、タイヤ1内の圧力に基づいてパンク修理液4を短時間で回収することができる。従って、タイヤバルブ3を切除することなくパンク修理液4の回収作業を効率良く行うことができる。
【0034】
上述したパンク修理液4の回収作業では、付属のアタッチメント50を必ずしも使用する必要はないが、アタッチメント50を使用する場合、以下のようにする。つまり、タイヤ1内に空気を充填し、容器20の接続口24から加圧空気供給源40のホース42を取り外した後、直ちに接続口24に対してアタッチメント50を装着する。アタッチメント50は容器20の接続口24よりも小さい排出口51を有しているので、容器20からの排気流量は排出口51の大きさに基づいて抑制される。そのため、タイヤ1内の圧力が高過ぎる場合であっても、パンク修理液4の外部への吹き出しを防止することができる。特に、液溜まり部53を備えたアタッチメント50を使用した場合、容器20から吹き出したパンク修理液4を液溜まり部53内に収容することができ、パンク修理液4の外部への吹き出しをより確実に防止することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 空気入りタイヤ
2 ホイール
3 タイヤバルブ
4 パンク修理液
10 チューブ
11 係止部
12 目盛り
20 容器
23,24 接続口
30 連結ホース
40 加圧空気供給源
50 アタッチメント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホイールに取り付けられたタイヤバルブからタイヤ内に挿入されて少なくともタイヤ内面に到達する長さを持つチューブと、タイヤ内から回収されたパンク修理液を収容するための一対の接続口を有する容器と、前記タイヤバルブと前記容器の一方の接続口との間に接続される連結ホースとを備え、前記容器の他方の接続口を加圧空気供給源に対して着脱自在に構成したパンク修理液の回収装置を用い、タイヤ内にパンク修理液が注入されたホイールのタイヤバルブからバルブコアを取り外し、前記タイヤバルブを介してタイヤ内に前記チューブを挿入し、前記タイヤバルブと前記加圧空気供給源との間に前記連結ホース及び前記容器を接続し、前記加圧空気供給源からタイヤ内に空気を充填した後、前記容器の他方の接続口から前記加圧空気供給源を取り外し、タイヤ内の圧力が抜ける作用を利用してタイヤ内のパンク修理液を前記容器内に回収することを特徴とするパンク修理液の回収方法。
【請求項2】
前記チューブを前記タイヤバルブの貫通孔の最細部よりも細くする一方で前記チューブのタイヤバルブ側の端部に前記タイヤバルブの貫通孔の最細部よりも太い係止部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のパンク修理液の回収方法。
【請求項3】
前記チューブが切断長さを指示する目盛りを具備し、該目盛りに基づいて前記チューブをタイヤサイズに応じて切断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパンク修理液の回収方法。
【請求項4】
前記目盛りを前記チューブに直接表示したことを特徴とする請求項3に記載のパンク修理液の回収方法。
【請求項5】
前記容器の他方の接続口から前記加圧空気供給源を取り外した後、前記容器の他方の接続口よりも小さい排出口を有するアタッチメントを前記容器の他方の接続口に装着し、該アタッチメントにより排気流量を抑制することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のパンク修理液の回収方法。
【請求項6】
前記アタッチメントに前記容器から吹き出したパンク修理液を収容するための液溜まり部を設けたことを特徴とする請求項5に記載のパンク修理液の回収方法。
【請求項7】
ホイールに取り付けられたタイヤバルブからタイヤ内に挿入されて少なくともタイヤ内面に到達する長さを持つチューブと、タイヤ内から回収されたパンク修理液を収容するための一対の接続口を有する容器と、前記タイヤバルブと前記容器の一方の接続口との間に接続される連結ホースとを備え、前記容器の他方の接続口を加圧空気供給源に対して着脱自在に構成したことを特徴とするパンク修理液の回収装置。
【請求項8】
前記チューブを前記タイヤバルブの貫通孔の最細部よりも細くする一方で前記チューブのタイヤバルブ側の端部に前記タイヤバルブの貫通孔の最細部よりも太い係止部を設けたことを特徴とする請求項7に記載のパンク修理液の回収装置。
【請求項9】
前記チューブが切断長さを指示する目盛りを具備することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のパンク修理液の回収装置。
【請求項10】
前記目盛りを前記チューブに直接表示したことを特徴とする請求項9に記載のパンク修理液の回収装置。
【請求項11】
前記容器の他方の接続口に装着されるアタッチメントを備え、該アタッチメントが前記容器の他方の接続口よりも小さい排出口を有することを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載のパンク修理液の回収装置。
【請求項12】
前記アタッチメントに前記容器から吹き出したパンク修理液を収容するための液溜まり部を設けたことを特徴とする請求項11に記載のパンク修理液の回収装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−143630(P2011−143630A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−6686(P2010−6686)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】