説明

パーキングブレーキ用アクチュエータ

本発明は、凹所(14)を画成するハウジング(12)と、駆動部材(18)とブレーキ部材との間に動作可能なように介装された駆動手段(16)とを備えた、パーキングブレーキ用アクチュエータ(10)に関する。前記駆動手段(16)は、少なくとも部分的に前記凹所(12)内に収容されると共に、第1ワッシャ(26)と、前記駆動部材(18)が動作すると前記第1ワッシャ(26)に対し駆動軸20に沿って相対的に平行移動可能な第2ワッシャ(28)と、前記2つのワッシャが相対的に移動すると駆動軸(20)に沿って平行移動可能な押進装置(30)と、を備えている。前記押進装置(30)は、前記ブレーキ部材に対し動作可能なように連繋されている。前記アクチュエータは、前記第1ワッシャ(26)と前記第2ワッシャ(28)と前記押進装置(30)の一部とを少なくとも部分的に収容するように構成され、復帰手段(58)に対する基台を形成するケージ(56)を、更に備えている。また、前記ケージ(56)は、前記第1ワッシャ(26)に対するスナップ結合部を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、パーキングブレーキ用アクチュエータである。
【背景技術】
【0002】
アクチュエータは、一般に液圧タイプの常用キャリパ(サービスキャリパ:service caliper)としても機能するキャリパ内に収容されることが知られている。常用ブレーキ(サービスブレーキ:service brake)として用いられるときは、ブレーキ回路内での液の圧力上昇に従って、キャリパ内に収容されているピストンが、車輪に連繋しているディスクに対して、対応するパッド(pad)を押し付ける。パーキングブレーキとして用いられるときは、車室内にあるペダル又はレバーに駆動力が加えられるに従い、同じピストンが、例えば、駆動軸を中心として回転する駆動レバーを備える機械的手段によって、更に作動させられることができる。前記ピストンを作動させる機械的手段は、駆動レバーが回転すると、駆動軸に沿って相対的に平行移動可能な2つのワッシャ(washer)を備えることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようなアクチュエータで欠点の無いものはない。実際、前記2つのワッシャを収容するケージ(cage)を設けることが知られている。或る場合には、このケージが半径方向外側へ拡がり、保持リングの挿入により、ハウジングに対し軸方向に止まる。他の場合には、ケージは、プレス(press)によって部分的に内方へ折り曲げられ、第1のワッシャに対して軸方向に止まる。
【0004】
両方の場合において、ケージの製造およびその組立は共に、必要とされる部品の数と、組立の順序(シーケンス:sequence)及び組立の工程(ステップ:step)数の両方のせいで、非常に複雑なものになってしまう。更に、前記保持リングの挿入中にも、ケージの組立ステップにおいてケージを折り曲げるときにも、複雑な機器の使用が必要とされる。
【0005】
本発明の目的は、先行技術に関する上述の欠点を少なくとも部分的にとり除くことができるパーキングブレーキ用アクチュエータを考案して提供することである。
【0006】
特に、本発明の課題とするのは、アクチュエータの機能的特性および強度的特性を損なうことなく、また、特別な機器を要することなく、組立ステップ、特にケージの組立ステップを、簡略化でき、また、迅速化できる、パーキングブレーキ用アクチュエータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的および課題は、請求項1に従ったパーキングブレーキ用アクチュエータによって達成される。
【0008】
更なる請求項は、前記アクチュエータの実施可能な実施形態に対応している。
【0009】
本発明に従ったアクチュエータの特性および利点は、非限定的な例により、添付図面を参照しながら、以下に説明される好ましい例示的な実施形態の記載から、より明瞭に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に従ったパーキングブレーキ用アクチュエータの部品分解状態での概略的な斜視図である。
【図2】図1のアクチュエータの部分的に断面した概略的な斜視図である。
【図3a】図1のアクチュエータの詳細を示す概略的な正面図である。
【図3b】図1のアクチュエータの詳細を示す概略的な側面図である。
【図3c】図3aのA−A線に沿ったアクチュエータの詳細を示す概略的な断面図である。
【図3d】図1のアクチュエータの詳細を示す概略的な背面図である。
【図3e】図1のアクチュエータの詳細を示す概略的な斜視図である。
【図3f】図1のアクチュエータの詳細を示す異なる角度からの概略的な斜視図である。
【図4a】図1のアクチュエータの追加的な詳細を示す概略的な正面図である。
【図4b】図1のアクチュエータの追加的な詳細を示す概略的な側面図である。
【図4c】図1のアクチュエータの追加的な詳細を示す概略的な背面図である。
【図4d】図4cの詳細部Aを示す拡大図である。
【図4e】図1のアクチュエータの追加的な詳細を示す概略的な斜視図である。
【図5】幾つかの部品が省略された状態で示す図1のアクチュエータの概略的な側面断面図である。
【図6】図1のアクチュエータの側面断面図である。
【図7a】一連の相対的な組立ステップにおける図1のアクチュエータの幾つかの部品の概略的な斜視図である。
【図7b】一連の相対的な組立ステップにおける図1のアクチュエータの幾つかの部品の概略的な斜視図である。
【図7c】一連の相対的な組立ステップにおける図1のアクチュエータの幾つかの部品の概略的な斜視図である。
【図7d】一連の相対的な組立ステップにおける図1のアクチュエータの幾つかの部品の概略的な斜視図である。
【図8a】図1のアクチュエータの追加的な詳細を示す概略的な正面図である。
【図8b】図1のアクチュエータの追加的な詳細を示す概略的な側面図である。
【図8c】図1のアクチュエータの追加的な詳細を示す概略的な斜視図である。
【図8d】図8aのB−B線に沿ったアクチュエータの拡大断面図である。
【図9】図1のアクチュエータの2つの部品の組立ステップを示す概略的な斜視図である。
【図10】図1のアクチュエータの幾つかの部品の概略的な側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上述の図面を参照すれば、本発明に従ったパーキングブレーキ用アクチュエータは、その全体が符号10で表されている。この例は、特にディスクブレーキである。
【0012】
図1を参照すれば、アクチュエータは、凹所14を画成するハウジング12を備えている。或る実施可能な実施形態によれば、前記ハウジングは、好ましくは常用ブレーキとしても機能するディスクブレーキのキャリパの本体部によって設けられる。
【0013】
或る実施可能な実施形態によれば、アクチュエータ10は、駆動部材18と不図示の制動(ブレーキ)部材との間に、動作可能なように挿入されている。ディスクブレーキの場合には、前記ブレーキ部材は、例えば、キャリパ内に収容されたパッドにある。
【0014】
図面に示されたところによれば、前記駆動部材は、例えば、駆動軸20を中心として回転するレバーにある。かかるレバーは、例えば、車室内のペダル又は手動レバーによって作動させることができる駆動ケーブルに固定されるようになっている端部を有している。前記レバーの反対側の端部に連繋された弾性的な復帰手段が、更に備えられている。
【0015】
或る実施可能な実施形態によれば、駆動手段は、少なくとも部分的に前記凹所内に収容されており、作動軸24と、第1ワッシャ26と、第2ワッシャ28と、押進装置(プッシングデバイス:pushing device)30と、を備えている。有利には、第2ワッシャは、動作可能なように駆動部材に連繋されており、また、駆動部材の動作および第1ワッシャとの相互作用に従い、駆動軸に沿って第1ワッシャに対し相対的に平行移動可能である。
【0016】
例示のために図面に示されている実施可能な実施形態によれば、作動軸24は、駆動部材18に結合されており、当該駆動部材が回転すると駆動軸20を中心として回転する。更に、作動軸24は第1ワッシャを軸方向に挿通すると共に、第2ワッシャに結合されており、該第2ワッシャを駆動軸20廻りに回転するように引っ張る。また、或る実施可能な実施形態によれば、第1ワッシャは、作動軸を受容するのに適合した軸方向の通路31を有している。
【0017】
例示のために添付図面に示されている実施可能な実施形態によれば、第1ワッシャ26は、好ましくは、回転方向と駆動軸に沿った並進運動方向との両方について、ハウジング12に拘束されている。有利には、第1ワッシャ26は、作動軸24と同軸のハウジングシート(housing seat)32内へ部分的に挿入されている。特に、第1ワッシャ26は、前記シート32を画成する壁部内に係合するリブ(rib)34を備えている。或る実施可能な実施形態によれば、前記リブ34は、駆動軸と平行な方向に従って伸長し、前記シート32内へ挿入するのに適合した第1ワッシャ円筒部36に沿って分布している。 有利には、前記円筒部36は、ハウジングに対する第1ワッシャの軸方向および回転方向の拘束を形成している。
【0018】
或る実施可能な実施形態によれば、第1ワッシャ26は、前記シート32の対応する傾斜状部分40に対して当接する円錐状部分38を備えている。有利には、この円錐状部分38は、ハウジングに対する第1ワッシャの回転方向の拘束を形成している。
【0019】
例示のために図示されている実施可能な実施形態によれば、第1ワッシャ26と第2ワッシャ28との間の相互作用は、回転体により、特に、球面部材42により、実行されるようになっており、この球面部材は、2つのワッシャ間に介装され、当該2つのワッシャの互いの対向面内に設けられたそれぞれの回転用シート44内に収容されている。かかる回転用シートの形状は、アクチュエータを作動させるために駆動部材が回転すると、2つのワッシャに、駆動軸に沿って互いに離間する並進動作を生じさせるように構成されている。
図示された実施形態を特に参照すれば、駆動部材および作動軸の回転によって第2ワッシャが回転すると、駆動軸に沿って第1ワッシャから離間するように第2ワッシャを移動させるように、前記回転用シートが製作されている。従って、この実施形態では、第1ワッシャが応動ワッシャを形成している。
【0020】
或る実施可能な実施形態によれば、前記押進装置は、第2ワッシャに対して動作可能なように連繋されており、2つのワッシャの相対運動に従い駆動軸に沿って平行移動可能である。更に、押進装置は、ブレーキ部材に対し、特にパッドに対して、動作可能なように連繋されている。
【0021】
或る実施可能な実施形態によれば、前記押進装置は、ネジが螺設されたピン48及びピストン50に結合されるブッシュ(bush)46を備えている。ブッシュ/ネジ付きピンの組立体(アッセンブリ:assembly)は、ブレーキ工程中、全体として一体的に移動する可動体に相当しており、第2ワッシャによって推力(スラスト力:thrust)が作用すると、ブレーキ部材に対して押し付けることにより前記ピストンに作用する。
有利には、減摩手段、特にテフロン(Teflon:登録商標)で被覆された第5ホイール(fifth wheel)52が、第2ワッシャ28と、押進装置、特に前記ブッシュ46、との間に挟み込まれる。この場合、第2ワッシャ28は、有利には、前記第5ホイール受容するために、周縁状に配置された保持壁部54を備えることができる。
【0022】
有利には、本発明に従ったアクチュエータは、第1ワッシャ26,第2ワッシャ28,押進装置の一部、特にブッシュ46及びネジ付きピン48部分を、少なくとも部分的に収容するように構成された籠状体(ケージ:cage)56を更に備えている。
【0023】
このケージは、例えば第2ワッシャ及び押進装置に作用する復帰手段58に対する基台を形成するように構成されている。図面に示されている場合には、前記復帰手段は、例えばコイルバネでなる弾性タイプのものである。
【0024】
或る実施可能な実施形態によれば、前記ケージは、第1ワッシャ26,第2ワッシャ28及び押進装置の一部を、横向きおよび正面向きに包み隠しており、また、押進装置の一部により、特にブッシュ/ネジ付きピンのアッセンブリにより挿通される開口部60を有している。有利には、開口部60とブッシュ46とは、例えば当該開口部およびブッシュ用のローブ形状(lobed shape)でなる形状結合(shape-coupling)によって実行される回転防止結合(anti-rotational coupling)を形成している。
【0025】
或る実施可能な実施形態によれば、前記ケージは、復帰手段58,押進装置30の少なくとも一部,第2ワッシャ28及び第1ワッシャ26を受容するのに適合したカップ形状(cup-shape)である。前記開口部60は、このカップ形状の底部に形成されている。
【0026】
第1ワッシャがハウジングに拘束された応動ワッシャを形成する、図示された例においては、ケージは第1ワッシャに拘束される。好ましくは、ケージと第1ワッシャとの間の結合は、回転防止の拘束と、ケージの第1ワッシャから離間する平行移動に対する拘束と、を形成する。
【0027】
或る実施可能な実施形態によれば、前記ケージは、第1ワッシャに対するスナップ結合(snap-coupling)部を備えている。かかるスナップ結合部は、駆動軸に沿って接近し同軸を中心にして相対的に回転することにより、ケージと第1ワッシャとの間の結合を許容するように構成されている。
【0028】
有利には、前記ケージ56は、少なくとも1つの舌片部(tongue)62、好ましくは少なくとも2つの舌片部、を備えることができる。図示された例では、好ましくは、駆動軸を中心にして均等に分布した3つの舌片部が設けられている。
【0029】
或る実施可能な実施形態によれば、舌片部は、アクチュエータが組み立てられた形態において、駆動軸20に沿って伸長する第1部分62aを備えている。この第1部分62aは、第1ワッシャの対応する変形部分64との相互作用に従って第1ワッシャと結合するときに、基本的には弾性的に変形するように構成されている。
【0030】
有利には、舌片部62は、アクチュエータが組み立てられた形態において、駆動軸に対して基本的には横方向へ伸長する第2部分62bを備えている。この第2部分62bは、舌片部の自由端に配置されており、とりわけ、予め駆動軸の方に向かって、つまりケージの内方へ、折り曲げられた前記自由端によって形成されている。
【0031】
或る実施可能な実施形態によれば、第1ワッシャの変形部分は、基本的には駆動軸20に対し接線方向に広がる斜面部(ramp)を備えている。「斜面部」なる用語により、相対する舌片部を変形させるために、接線方向において大きくなる半径方向寸法を有する部分を意味している(図4a−図4e参照)。その結果、図示された実施形態によれば、舌片部62の第1部分62aは、ケージと第1ワッシャの駆動軸を中心とした相対的な回転によって変形する。
【0032】
或る実施可能な実施形態によれば、かかる斜面部は、第1ワッシャの歯部68の少なくとも片側の表面部によって実践することができる。舌片部の第2部分が在る場合には、歯部68も、舌片部の第2部分に対する当接面を形成する。
【0033】
或る実施可能な実施形態によれば、例示のために図面に示されているように、歯部68は、当該歯部の中心点を通る駆動軸に対し垂直な半径に関して、歯部の対向する両側に配置された2つの斜面部を備えている。両斜面部は、ケージと第1ワッシャの相対回転の間、対応する舌片部を弾性的に変形させるように構成されている。
【0034】
或る実施可能な実施形態によれば、第1ワッシャは、舌片部62の第1部分62aを受け合う少なくとも1つの受け座(シート:seat)部70を有している。図に示された例によれば、第1ワッシャへの組付ステップにおいて前記舌片部の少なくとも部分的な弾性復帰に従って、舌片部62の第1部分62aは前記シート部70内に受け止められる。有利には、ケージと第1ワッシャの駆動軸20を中心とした相対的な回転を防止するために、前記シート部70は接線方向に形成されている。
【0035】
或る実施可能な実施形態によれば、第1ワッシャの当接面66は、第1ワッシャのベース面72に対して低くなっており、舌片部の第2部分を受容するハウジング74を形成している。シート部70が設けられている場合には、ハウジング74は、かかるシート部を横方向に広げるように構成される。
【0036】
或る実施可能な実施形態によれば、第1ワッシャは、ケージを第1ワッシャに対して外挿するときに、舌片部が駆動軸20に沿って通ることができるようにするために、少なくとも1つの窪み部76を備えている。有利には、この窪み部は、前記斜面部64の傍らの少なくとも片側に形成されている。これが設けられている場合には、窪み部76は、歯部の傍らの少なくとも片側に形成されている。
【0037】
前記窪み部76の寸法は、例えば、第1ワッシャに対するケージの軸方向(駆動軸の方向)に従った外挿を許容するようになっている、つまり、前記窪み部は、舌片部の第2部分62bを受け合うように構成されている。シート部70と窪み部76の両方が設けられている図示された実施形態においては、窪み部76の半径方向深さは、シート部70よりも大きい。
【0038】
或る実施可能な実施形態によれば、第2ワッシャ28は、ケージを第1ワッシャに対して外挿するときに、舌片部が駆動軸に沿って通ることができるようにするために、少なくとも1つの窪み部78を備えている。
【0039】
例示のために添付図面に示されている実施可能な実施形態によれば、舌片部の第2部分は、第1ワッシャとケージとが相対的に回転し、前記舌片部が少なくとも部分的に弾性的に復帰すると、第1ワッシャの対応する当接面に当接するように構成されている。
【0040】
3本の舌片部が設けられている図示された実施形態によれば、第1ワッシャ26は、有利には、第1ワッシャに対して接線方向に分布し、3つの窪み部76間に散りばめられた、少なくとも3つの歯部68を備えている。舌片部の数が異なる場合には、有利には、少なくとも同数の歯部および窪み部が第1ワッシャに設けられる。窪み部の寸法は、例えば、第1ワッシャに対するケージの軸方向(駆動軸の方向)に従った外挿を許容するようになっている、つまり、前記窪み部は、対応する舌片部の第2部分62bが通ることを許容するように構成されている。
【0041】
駆動軸を中心としたケージと第1ワッシャとの相対的な回転に拘束がある場合には、各歯部は、舌片部の少なくとも部分的な弾性的復帰に従って、対応する舌片部の第1部分を受け合うように構成された例えばシート部70を備えることができる。
【0042】
或る実施可能な実施形態によれば、前記球面部材42を受け合う第1ワッシャ26の転動シート部(rolling seat)44が、歯部68に配置されている。例示のために添付図面に示されている実施形態によれば、3つの転動シート部44と、これと同数の球面部材42とが設けられている。3つの歯部が設けられている場合には、各転動シート部が1つの歯部に対応している。
【0043】
例示のために図示されている、3つの舌片部が設けられた、実施可能な実施形態によれば、第2ワッシャ28は、有利には、少なくとも3つの窪み部78を備えている。舌片部の数が異なる場合には、有利には、少なくとも同数の窪み部が第2ワッシャ用に設けられることになる。窪み部の寸法は、例えば、第2ワッシャに対するケージの軸方向(駆動軸の方向)に従った外挿を許容するようになっている、つまり、前記窪み部は、対応する舌片部の第2部分62bが通ることを許容するように構成されている。
【0044】
或る実施可能な実施形態によれば、第2ワッシャの最大半径方向寸法は、ケージ56内での回転を許容するものである。
【0045】
先に説明したディスクブレーキに対するアクチュエータの組付が、添付図面、特に図7a−図7dを参照しながら、以下に説明される。
【0046】
ケージ56,ブッシュ46,復帰手段58,第5ホイール52,作動軸24に連繋した第2ワッシャ28,球面部材42及び第1ワッシャ26で構成されている独立した組立体が、予め構成される。上述の部材は、先に示唆された順序でケージ内に挿入され、その結果、舌片部がそれらを取り囲んで包む。特に、第1ワッシャの窪み部76と第2ワッシャの窪み部78とは、第1及び第2ワッシャに対するケージの軸方向(駆動軸の方向)に従った外挿を許容するように、少なくとも部分的に角度的に整列している。
【0047】
ケージ56は、舌片部の第2部分が第1ワッシャのベース面を越えて開くまで、第2ワッシャに対して、及び第1ワッシャに対して、相対的に外挿される。
【0048】
その後、ケージと第1ワッシャとが両者間で相対的に回転して、ケージの舌片部、特にその第1部分が斜面部64と相互作用し、外方へ向かって弾性的に変形する。各舌片部に対して(各窪み部の傍らの斜面部に対して)2つの変形部分が設けられている場合には、回転は、或る一方向であるか又はもう一方の方向であるかに関係なく、生じることができる。
【0049】
ケージと第1ワッシャとの相対回転の終わりには、前記舌片部が、少なくとも部分的に前記シート部70に関して内方へ向かって弾性的に復帰する。舌片部の第1部分62aは、このようにして対応するシート部70内に収容され、一方、第2部分62bは、対応する当接面66に対して、好ましくはハウジング74内で、当接する。
【0050】
第1ワッシャに対するケージの相対的な外挿において、復帰手段58、特にコイルバネによって実施される復帰手段は、球面部材42が介在した状態で、両者がより近いワッシャの方への移動を保つために、予荷重が加えられる。
【0051】
このようにして得られた組立体は、それから、第1ワッシャ26をシート部32内へ押進することにより、ハウジング12(本体キャリパ)の凹所14内に挿入される。最後に、好ましくは弾性部材80を介在させて、ネジ付きピンがピストン50に組み付けられ、続いて、ブッシュ46にねじ込まれ、このようにして、パッドの摩耗によるピストン行程(ピストンストローク:piston stroke)の回復を許容するのに適合している。
【0052】
先に説明したアクチュエータの使用のモード(mode)が、添付図面を特に参照しながら、以下に説明される。
パーキングブレーキ・ステップ期間中に、運転者は車室内の押下ボタン又はレバーを作動させる。これら押下ボタン又はレバーは、図示しないケーブルを介して、前記レバー18を(駆動部材を)駆動軸20を中心にして回転させるものである。前記レバー18は、作動軸24及び第2ワッシャ28と一体的に回転し、一方、第1ワッシャ26は、ハウジング12に対して固定されている。
前記球面部材42及び第1ワッシャ26との相互作用が第2ワッシャ28に平行移動をもたらし、第1ワッシャ26から離間するように移動させる。その結果、ブッシュ46,ネジ付きピン48及びピストン50がパッドに対して作用し、当該パッドをディスクに向かって押し付ける。浮動(フローティング:floating)キャリパの場合には、かかる動作がキャリパの反作用による平行移動を生じさせ、反対側のパッドのディスクへの接近をもたらす。
【0053】
レバーに加わるトルクを取り消すことにより、弾性的復帰手段22が、レバー18を休止位置へ戻し、一方、復帰手段58はブッシュ及び第2ワッシャを休止位置へ戻す。
【0054】
先に述べたところから、前述のようにアクチュエータを設けることが、どのようにして、アクチュエータの機能的特性を損なうことなく、組立を簡略化するという、上述のニーズを満足させるようにできるのか、が理解されるべきである。
【0055】
特に、スナップ結合を設けたことが、組立を直観で理解できるものとし、特別な構造の必要性を無くし、軸方向および回転方向の拘束について、高い抵抗を確かなものとする。
【0056】
先に説明し図示して来たものに対して、変形および/又は追加が加えられ得ることは明白である。
【0057】
添付図面に表されたものに代えて、ケージが、アクチュエータが組み立てられた形態で駆動軸に沿って伸長する第1部分を有する少なくとも1つの舌片部を備え、かかる第1部分が、第1ワッシャの対応する変形部分との相互作用に従って、第1ワッシャに対する外挿期間中に、基本的には弾性的に変形するのに適合している、ように設けることが一般に可能である。換言すれば、軸方向の拘束は、先に説明したものと比べて、異なるやり方で行われることができる。
【0058】
或る実施可能な実施形態によれば、前記ケージは、第1ワッシャに対するスナップ結合部を備えることができる。このスナップ結合部は、駆動軸に沿って接近してケージと第1ワッシャとの間の結合を許容するものである。
更なる実施形態によれば、第1ワッシャの変形部分は、基本的には駆動軸20に対し軸方向に広がる斜面部を備えることができる。この場合においても、第1ワッシャは、かかる斜面部に、前記舌片部の少なくとも部分的な弾性復帰に従って、舌片部の第1部分を受け合う受け座(シート)部を有する、ように設けることができる。従って、接線方向に形成されたシート部は、ケージと第1ワッシャの駆動軸を中心とした相対的な回転を防止することができる。
或る実施可能な実施形態によれば、この場合においても、第1ワッシャの当接面は、第1ワッシャのベース面に対して低くすることができ、舌片部の第2部分を受容するハウジング74を形成している。ハウジングは、かかるシート部を横方向に広げるものとして構成される。
【0059】
かかる実施形態によれば、前記舌片部の第2部分は、当該舌片部の少なくとも部分的な弾性復帰に従って、第1ワッシャの対応する当接面に対して当接するように構成されている。換言すれば、ケージとワッシャの駆動軸に沿った相対的な平行移動に従って、第1ワッシャに対する前記ケージのスナップ結合部が生じることになる。
【0060】
或る実施可能な別の実施形態によれば、本発明は、更に、凹所14を画成するハウジング12と、駆動部材18と図示しないブレーキ部材との間に動作可能なように介装された駆動手段16であって、少なくとも部分的に前記凹所14内に収容されると共に、第1ワッシャと、当該第1ワッシャに対して駆動軸20に沿って相対的に平行移動可能な第2ワッシャと、駆動軸20に沿って平行移動可能な押進装置30とを備える駆動手段と、を備えている、パーキングブレーキ用アクチュエータに関連している。
前記押進装置は、ブレーキ部材に対して動作可能なように連繋している。前記アクチュエータは、第1ワッシャ26と第2ワッシャ28と押進装置30の一部とを少なくとも部分的に収容するのに適合し、復帰手段58に対する基台を形成する、ケージ56を更に備えている。
有利には、ケージ56と第1ワッシャ26とは、駆動軸20に沿って離間する相対的な移動に対する拘束を発生させるように構成された差し込み結合(バイオネット・カップリング:bayonet coupling)を形成している。換言すれば、舌片部の第2部分は、第1ワッシャとケージとが相対的に回転すると、第1ワッシャの対応する当接面に対して当接するように構成されている。
【0061】
或る実施可能な実施形態によれば、前記ケージは、駆動軸20に対し基本的に横方向に沿って予め折り曲げられ、第1ワッシャ26の対応する当接面66に対して当接するのに適合した、少なくとも1つの部分を備えている。
前記第1ワッシャ26は、更に、ケージの第1ワッシャに対する駆動軸に沿った外挿を許容する少なくとも1つの窪み部76と、ケージと第1ワッシャとが相対的に回転し一方が他方に対して挿通されるときに、当接面66を形成するように構成された、少なくとも1つの歯部68と、を備えている。
【0062】
上述のアクチュエータの或る実施可能な実施形態によれば、前記ケージと第1ワッシャとは、ケージと第1ワッシャの駆動軸を中心とした相対的な回転に対する少なくとも1つの拘束を生じせしめるのに適合したスナップ結合を形成している。好ましくは、かかるスナップ結合は、アクチュエータが組み立てられた形態で、駆動軸に沿って伸長する第1部分62aを有するケージ舌片部62を備えている。この舌片部62の第1部分62aは、第1ワッシャの対応する変形部分64との相互作用に従って、ケージと第1ワッシャとが相対回転するときに、基本的には弾性的に変形するように構成されている。
【0063】
当業者は、条件付きの特定の需要(ニーズ)に適応するために、以下に続くクレームの範囲から逸脱することなく、上述の装置の実施形態に対して、修正,改変,機能的に等価なものとの要素の置換などを行うことができよう。或る実施可能な実施形態に属するとして説明された特性の各々は、説明された他の実施形態とは独立して実施され得るものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーキングブレーキ用アクチュエータ(10)であって、
凹所(14)を画成するハウジング(12)と;
駆動部材(18)とブレーキ部材との間に動作可能なように介装された駆動手段(16)であって、少なくとも部分的に前記凹所(12)内に収容されると共に、第1ワッシャ(26)と、前記駆動部材(18)が動作すると前記第1ワッシャ(26)に対し駆動軸20に沿って相対的に平行移動可能な第2ワッシャ(28)と、前記2つのワッシャが相対的に移動すると駆動軸(20)に沿って平行移動可能な押進装置(30)であって、前記ブレーキ部材に対し動作可能なように連繋した押進装置(30)とを備えている、駆動手段(16)と;
前記第1ワッシャ(26)と前記第2ワッシャ(28)と前記押進装置(30)の一部とを少なくとも部分的に収容するように構成され、復帰手段(58)に対する基台を形成するケージ(56)であって、前記第1ワッシャ(26)に対するスナップ結合部を備えているケージ(56)と、
を備えている、ことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
前記ケージ(56)は、
前記アクチュエータが組み立てられた形態において、前記駆動軸(20)に沿って伸長する第1部分(62a)であって、前記第1ワッシャの対応する変形部分(64)との相互作用に従って、基本的には弾性的に変形するように構成されている第1部分(62a)と、
前記アクチュエータが組み立てられた形態において、前記駆動軸(20)に対して基本的には横方向へ伸長する第2部分(62b)であって、前記第1ワッシャ(26)の対応する当接面(66)に対して当接するように構成されている第2部分(62b)と、
を備えた少なくとも1つの舌片部(62)を備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記変形部分(64)は、基本的には前記駆動軸(20)に対し接線方向に広がる斜面部を備え、前記舌片部(62)の第1部分(62a)は、ケージ(56)と第1ワッシャ(26)が前記駆動軸(20)を中心として相対的に回転すると変形する、ことを特徴とする請求項2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記斜面部は、前記第1ワッシャ(26)の歯部(68)の少なくとも片側の表面部によって実施される、ことを特徴とする請求項3に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記歯部(68)は、当該歯部の中心点を通る駆動軸(20)に対し垂直な半径に関して、歯部の対向する両側に配置された2つの斜面部を備えている、ことを特徴とする請求項4に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記当接面(66)は前記歯部(68)によって形成されている、ことを特徴とする請求項4又は5に記載のアクチュエータ。
【請求項7】
前記第1ワッシャ(26)は、前記舌片部の少なくとも部分的な弾性復帰に従って、当該舌片部(62)の前記第1部分(62a)を受け合うように構成されたシート部(70)を有しており、該シート部(70)は、前記ケージ(56)と前記第1ワッシャ(26)の前記駆動軸(20)を中心とした相対的な回転を防止するために、接線方向に形成されている、ことを特徴とする請求項3に記載のアクチュエータ。
【請求項8】
前記第1ワッシャ(26)は、前記舌片部の少なくとも部分的な弾性復帰に従って、当該舌片部(62)の前記第1部分(62a)を受け合うように構成されたシート部(70)を有しており、該シート部(70)は、前記ケージ(56)と前記第1ワッシャ(26)の前記駆動軸(20)を中心とした相対的な回転を防止するために、接線方向に形成され、前記シート部(70)は、前記歯部(68)の側部表面に更に得られる、ことを特徴とする請求項4から6の何れか一に記載のアクチュエータ。
【請求項9】
前記第1ワッシャ(26)の当接面(66)は、第1ワッシャ(26)のベース面(72)に対して低くなっており、前記舌片部(62)の第2部分(62b)を受容するハウジング(74)を形成している、ことを特徴とする請求項2から6の何れか一に記載のアクチュエータ。
【請求項10】
前記第1ワッシャ(26)の当接面(66)は、第1ワッシャ(26)のベース面(72)に対して低くなっており、前記舌片部(62)の第2部分(62b)を受容するハウジング(74)を形成している、ことを特徴とする請求項7に記載のアクチュエータ。
【請求項11】
前記ハウジング(74)は、前記シート部(70)を横方向へ拡張したものとして構成されている、ことを特徴とする請求項10に記載のアクチュエータ。
【請求項12】
前記第1ワッシャ(26)の当接面(66)は、第1ワッシャ(26)のベース面(72)に対して低くなっており、前記舌片部(62)の第2部分(62b)を受容するハウジング(74)を形成している、ことを特徴とする請求項8に記載のアクチュエータ。
【請求項13】
前記ハウジング(74)は、前記シート部(70)を横方向へ拡張したものとして構成されている、ことを特徴とする請求項12に記載のアクチュエータ。
【請求項14】
前記第1ワッシャ(26)は、前記ケージ(56)を前記駆動軸(20)の方向に沿って前記第1ワッシャ(26)に対して外挿するときに、前記舌片部(62)が駆動軸(20)に沿って通ることができるようにするために、少なくとも1つの窪み部(76)を備えている、ことを特徴とする請求項3から13の何れか一に記載のアクチュエータ。
【請求項15】
前記窪み部(76)は前記斜面部(64)の傍らの少なくとも片側に形成されている、ことを特徴とする請求項14に記載のアクチュエータ。
【請求項16】
前記窪み部(76)は前記歯部(68)の傍らの少なくとも片側に形成されている、ことを特徴とする請求項4又は5に従属した場合の請求項14に記載のアクチュエータ。
【請求項17】
前記第2ワッシャ(28)は、前記ケージ(56)を前記第1ワッシャ(26)に対して外挿するときに、前記舌片部(62)が前記駆動軸(20)に沿って通ることができるようにするために、少なくとも1つの窪み部(78)を備えている、ことを特徴とする請求項14から16の何れか一に記載のアクチュエータ。
【請求項18】
前記舌片部(62)の第2部分(62b)は、前記第1ワッシャ(26)とケージ(56)とが相対的に回転すると、前記第1ワッシャ(26)の対応する当接面(66)に当接するように構成されている、ことを特徴とする請求項3から17の何れか一に記載のアクチュエータ。
【請求項19】
前記第2部分(62b)は、前記舌片部(62)の少なくとも部分的な弾性復帰に従って、前記第1ワッシャ(26)の対応する当接面(66)に当接するように構成されている、ことを特徴とする請求項3から18の何れか一に記載のアクチュエータ。
【請求項20】
前記ケージ(52)は少なくとも2つの舌片部を備えている、ことを特徴とする請求項2から19の何れか一に記載のアクチュエータ。
【請求項21】
前記第1ワッシャ(26)は、少なくとも2つの歯部(68)で代替される少なくとも2つの窪み部(76)を備えている、ことを特徴とする請求項16に従属した場合の請求項20に記載のアクチュエータ。
【請求項22】
前記第1ワッシャ(26)は前記ハウジング12に拘束されている、ことを特徴とする請求項1から21の何れか一に記載のアクチュエータ。
【請求項23】
前記第1ワッシャ(26)は、作動軸(24)と同軸の、前記ハウジング12のシート部(32)内に部分的に挿入されている、ことを特徴とする請求項22に記載のアクチュエータ。
【請求項24】
前記第1ワッシャ(26)は、前記シート部(32)を形成する壁部内に係合するのに適合したリブ(34)を備えている、ことを特徴とする請求項23に記載のアクチュエータ。
【請求項25】
前記第2ワッシャ(28)は、動作可能なように前記駆動部材(18)に連繋されており、前記第1ワッシャ(26)との相互作用に従い、前記駆動軸(20)に沿って平行移動可能である、ことを特徴とする請求項1から24の何れか一に記載のアクチュエータ。
【請求項26】
前記ケージ(56)は、前記アクチュエータが組み立てられた形態において、前記駆動軸(20)に沿って伸長する第1部分(62a)を備える少なくとも1つの舌片部(62)を備え、前記第1部分(62a)は、前記第1ワッシャ(26)への組付ステップにおいて、前記第1ワッシャ(26)の対応する変形部分(64)との相互作用に従って、基本的には弾性的に変形するように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項27】
前記変形部分は、基本的には前記駆動軸に対し軸方向に広がる斜面部を備えている、ことを特徴とする請求項2に記載のアクチュエータ。
【請求項28】
前記斜面部にて、前記第1ワッシャは、前記舌片部の少なくとも部分的な弾性復帰に従って、当該舌片部の前記第1部分を受け合うように構成されたシート部を有しており、該シート部は、前記ケージと前記第1ワッシャの前記駆動軸を中心とした相対的な回転を防止するために、接線方向に形成されている、ことを特徴とする請求項27に記載のアクチュエータ。
【請求項29】
前記第1ワッシャの当接面は、第1ワッシャのベース面に対して低くなっており、前記舌片部の第2部分を受容するハウジングを形成している、ことを特徴とする請求項27又は28に記載のアクチュエータ。
【請求項30】
前記ハウジングは、前記シート部を横方向へ拡張したものとして構成されている、ことを特徴とする請求項29に記載のアクチュエータ。
【請求項31】
前記第2部分は、前記舌片部の少なくとも部分的な弾性復帰に従って、前記第1ワッシャの対応する当接面に当接するように構成されている、ことを特徴とする請求項27から30の何れか一に記載のアクチュエータ。
【請求項32】
前記ケージは、第1ワッシャ(26),第2ワッシャ(28)及び押進装置(30)の一部を、横向きおよび正面向きに包み隠しており、また、押進装置(30)の一部により挿通される開口部(60)を有している、ことを特徴とする請求項1から31の何れか一に記載のアクチュエータ。
【請求項33】
前記開口部(60)と前記押進装置(30)の一部とは、形状結合によって実行される回転防止結合を形成している、ことを特徴とする請求項32に記載のアクチュエータ。
【請求項34】
前記形状結合は、前記開口部および押進装置(30)部分のローブ形状によって実行される、ことを特徴とする請求項33に記載のアクチュエータ。
【請求項35】
前記ケージ(56)は、復帰手段(58),押進装置(30)の少なくとも一部,第2ワッシャ(28)及び第1ワッシャ(26)を受容するのに適したカップ形状を有し、
前記開口部(60)は、前記押進手段が通過できるようにするために、前記カップ形状の底部に形成されている、ことを特徴とする請求項1から34の何れか一に記載のアクチュエータ。
【請求項36】
前記ケージ(56)は、
前記アクチュエータが組み立てられた形態において、前記駆動軸(20)に沿って伸長する第1部分(62a)であって、前記第1ワッシャの対応する変形部分(64)との相互作用に従って、基本的には弾性的に変形するように構成されている第1部分(62a)と、
前記アクチュエータが組み立てられた形態において、前記駆動軸(20)に対して基本的には横方向へ伸長する第2部分(62b)であって、前記第1ワッシャ(26)の対応する当接面(66)に対して当接するように構成され、予め駆動軸(20)の方に向かって折り曲げられた舌片部の自由端によって形成されている、第2部分(62b)と、
を備えた少なくとも1つの舌片部(62)を備えている、ことを特徴とする請求項1から35の何れか一に記載のアクチュエータ。
【請求項37】
前記ケージ(56)は、前記駆動軸(20)に対し基本的に横方向に沿って予め折り曲げられた少なくとも1つの部分を備えている、ことを特徴とする請求項1から36の何れか一に記載のアクチュエータ。
【請求項38】
パーキングブレーキ用アクチュエータ(10)であって、
凹所(14)を画成するハウジング(12)と;
駆動部材(18)とブレーキ部材との間に動作可能なように介装された駆動手段(16)であって、少なくとも部分的に前記凹所(14)内に収容されると共に、第1ワッシャ(26)と、前記第1ワッシャ(26)に対し駆動軸20に沿って相対的に平行移動可能な第2ワッシャ(28)と、前記駆動軸(20)に沿って平行移動可能な押進装置(30)であって、前記ブレーキ部材に対し動作可能なように連繋した押進装置(30)とを備えている、駆動手段(16)と;
前記第1ワッシャ(26)と前記第2ワッシャ(28)と前記押進装置(30)の一部とを少なくとも部分的に収容するように構成され、復帰手段(58)に対する基台を形成するケージ(56)であって、該ケージ(56)と前記第1ワッシャ(26)とは、前記駆動軸(20)に沿って離間する相対的な移動に対する拘束を発生させるように構成された差し込み結合を形成しているケージ(56)と、
を備えている、ことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項39】
前記ケージ(56)は、前記駆動軸(20)に対して基本的には横方向に沿って予め折り曲げられ、前記第1ワッシャ(26)の対応する当接面(66)に対して当接するように構成された少なくとも1つの部分を備え、前記第1ワッシャ(26)は、前記ケージ(56)の第1ワッシャ(26)に対する前記駆動軸(20)に沿った外挿を許容する少なくとも1つの窪み部(76)と、前記ケージ(56)と前記第1ワッシャ(26)とが相対的に回転し一方が他方に対して軸方向に挿通されるときに、前記当接面(66)を形成するように構成された、少なくとも1つの歯部(68)と、を備えている、ことを特徴とする請求項38に記載のアクチュエータ。
【請求項40】
前記ケージ(56)と前記第1ワッシャ(26)とは、当該ケージ(56)と第1ワッシャ(26)の前記駆動軸(20)を中心とした相対的な回転に対する少なくとも1つの拘束を生じせしめるように構成されたスナップ結合を形成する、ことを特徴とする請求項38又は39に記載のアクチュエータ。
【請求項41】
前記スナップ結合は、アクチュエータ(10)が組み立てられた形態で、前記駆動軸(20)に沿って伸長する第1部分(62a)を有する、少なくとも1つの前記ケージ(56)の舌片部(62)を備え、前記第1部分(62a)は、前記第1ワッシャ(26)の対応する変形部分(64)との相互作用に従って、前記ケージ(56)と第1ワッシャ(26)とが相対回転する間、基本的には弾性的に変形するように構成されている、ことを特徴とする請求項40に記載のアクチュエータ。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図3f】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図4e】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図7d】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図8d】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−535317(P2010−535317A)
【公表日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−518820(P2010−518820)
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【国際出願番号】PCT/IT2008/000491
【国際公開番号】WO2009/016676
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(501016696)フレニ・ブレンボ エス・ピー・エー (18)
【Fターム(参考)】