説明

パージ装置、ロードポート

【課題】所定の気体雰囲気の到達濃度が高いパージ処理を行うことができるとともに、パージ対象容器に付属のポートの種類や形状などに応じて、先端部の種類や形状が異なるパージノズルに交換する作業やメンテナンス作業を簡単且つスムーズに行うことが可能なパージ装置を提供する。
【解決手段】パージ対象容器1を載置可能な載置台に取り付けたボトムパージユニット2と、ポート1aに接触可能なポート接触部32を上端部に有するとともに、ボトムパージユニット2に形成した取付部42に係合可能な被取付部33を下端部に有し、被取付部33を取付部42に対して着脱可能に係合させることによってボトムパージユニット2に取付可能なボトムパージノズル本体3とを備え、被取付部33を取付部42に係合させた状態でポート接触部32が定位置に位置付けられ且つ略水平になるパージ装置Pとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パージ対象空間を有するパージ対象容器に対してパージ処理を行うパージ装置、及びパージ装置を備えたロードポートに関するものである。
クリーンルーム内において半導体製造装置に隣接して設けられるロードポートや、パージステーションなどに適用可能なパージ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体の製造工程においては、歩留まりや品質の向上のため、クリーンルーム内でウェーハの処理がなされている。しかしながら、素子の高集積化や回路の微細化、ウェーハの大型化が進んでいる今日では、小さな塵をクリーンルーム内の全体で管理することは、コスト的にも技術的にも困難となってきている。このため、近年では、クリーンルーム内全体の清浄度向上に代わる方法として、ウェーハの周囲の局所的な空間についてのみ清浄度をより向上させる「ミニエンバイロメント方式」を取り入れ、ウェーハの搬送その他の処理を行う手段が採用されている。ミニエンバイロメント方式では、ウェーハを高清浄な環境で搬送・保管するためのFOUP(Front-Opening Unified Pod)と呼ばれる格納用容器と、FOUP内のウェーハを半導体製造装置との間で出し入れするとともに搬送装置との間でFOUPの受け渡しを行うインターフェース部の装置であるロードポート(Load Port)が重要な装置として利用されている。すなわち、クリーンルーム内において特にFOUP内と半導体製造装置内とを高清浄度に維持しながら、ロードポートを配置した空間、換言すればFOUP外と半導体製造装置外を低清浄度とすることで、クリーンルーム建設・稼働コストを抑制するようにされている。ここで、FOUPは、前面(正面)にウェーハの搬出入口が形成され、この搬出入口を閉止可能な扉を備えたものである。
【0003】
そして、ロードポートに設けたドア部をFOUPの前面に設けた扉に密着させた状態でこれらドア部及び扉が同時に開けられ、FOUP内のウェーハが搬出入口を通過して半導体製造装置内に供給される。その後、種々の処理または加工が施されたウェーハは、半導体製造装置内からFOUP内に再度収容される。
【0004】
ところで、半導体製造装置内はウェーハの処理または加工に適した所定の気体雰囲気に維持されているが、FOUP内から半導体製造装置内にウェーハを送り出す際にはFOUPの内部空間と半導体製造装置の内部空間とが相互に連通することになる。したがって、FOUP内の環境が半導体製造装置内よりも低清浄度であると、FOUP内の気体が半導体製造装置内に進入して半導体製造装置内の気体雰囲気に悪影響を与え得る。また、ウェーハを半導体製造装置内からFOUP内に収納する際に、FOUP内の気体雰囲気中の水分、酸素或いはその他のガス等によって、ウェーハの表面に酸化膜が形成され得るという問題もある。
【0005】
このような問題に対応するための技術として、特許文献1には、FOUPの扉をロードポートのドア部で開けて、FOUPの内部空間と半導体製造装置の内部空間とを連通させた状態で、開口部よりも半導体製造装置側に設けたパージ部(パージノズル)により所定の気体(例えば窒素や不活性ガス等)をFOUP内に吹き込むパージ装置を備えたロードポートが開示されている。
【0006】
しかしながら、このような搬出入口を介して半導体製造装置の内部空間に開放されたFOUP内にその前面側(半導体製造装置側)から所定の気体をFOUP内に注入してFOUP内を所定の気体雰囲気に置換するいわゆるフロントパージ方式のパージ装置は、FOUPの開口部を開放してFOUPの内部空間を当該FOUPの内部空間を半導体製造装置の内部空間全体に直接連通させた状態でパージ処理を行うため、FOUP内を高い所定気体雰囲気濃度に維持することが困難であり、所定の気体雰囲気の到達濃度が低いというデメリットがあった。
【0007】
一方、特許文献2には、ウェーハが収納されているFOUPをロードポートの載置台に載置されたことを検出した際に、所定の気体(例えば窒素や不活性ガス等)をFOUPの底面側から内部に注入して充満させてFOUP内を所定の気体雰囲気に置換するパージ装置を備えたロードポートが開示されている。このようなFOUPの底面側から窒素や乾燥空気等の気体をFOUP内に注入してFOUP内を所定の気体雰囲気に置換するいわゆるボトムパージ方式のパージ装置は、フロントパージ方式のパージ装置と比較して、所定の気体雰囲気の到達濃度が高いという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−038074号公報
【特許文献2】特開2006−351619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したボトムパージ方式のパージ装置は、FOUPの底面に設けた筒状のポート(注入口)に、パージノズルを接触させた状態でパージ処理を行うため、ポートとパージノズルとを接触させた状態で良好な気密性が確保される必要がある。しかしながら、FOUPの種類によってポートの種類や形状が異なれば、パージノズルとポートとの高い気密性を確保した良好な接触状態を確保できない場合がある。
【0010】
また、パージノズルのうちポートと接触し得る先端部(上端部)が、経年劣化や使用頻度に応じて摩耗損傷・変形した場合にも、ポートとの高い気密性を確保した良好な接触状態を確保できないおそれがある。
【0011】
このような事態を回避するために、ポートの種類や形状、あるいはパージノズル先端部の摩耗損傷程度に応じてパージノズルを交換可能に構成したパージ装置も考えられ得る。
【0012】
しかしながら、パージノズルは、ユニット化された状態で載置台の所定箇所に保持されているため、このようなパージノズルユニット全体を載置台から取り外したり、装着する交換作業は煩雑であり、スムーズに行うことができない。
【0013】
また、パージノズルとポートとの気密性を高めるために、両者の間にOリングなどのシール材を介在させる態様も考えられる。しかしながら、このような態様は、部品点数が増加を招来するのみならず、SEMI規格で規定されるFOUPの水平基準面(horizontal
datum plane)の高さ位置にも影響を及ぼすため、好ましくない。つまり、パージノズルとポートとの間にシール材を介在させることによって、水平基準面の高さ位置を規格で規定された値に精度良く設定することが困難になる。ここで、FOUPの水平基準面は、床面からロードポート上に設置されているFOUPの底部水平面までの距離によって定義されるものである。
【0014】
また、FOUPはOHP(Overhead Hoist Transfer)などの搬送装置を介してロードポートの上方から載置台上に載置されるが、この搬送時や載置時にFOUPが揺れることによって、パージノズルとポートとが高気密状態で接触し難い場合もある。特に、先端部(上端部)が水平ではない状態でパージノズルを載置台に装着した場合には、パージノズルとポートとを高い気密性を確保した状態で接触させることは困難である。
【0015】
なお、このような不具合は、ロードポートのパージ装置に限らず、ロードポート以外のパージ装置、例えばストッカーのパージ装置やパージステーションのパージ装置にも生じ得ることである。
【0016】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、主たる目的は、所定の気体雰囲気の到達濃度が高いパージ処理を行うことができるとともに、パージ対象容器に付属のポートの種類や形状などに応じて、先端部(ポート接触部)の種類や形状が異なるパージノズルに交換する作業やメンテナンス作業を簡単且つスムーズに行うことが可能なパージ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
すなわち本発明は、パージ対象容器の底面に設けたポートを通じてパージ対象容器内の気体雰囲気を窒素又は乾燥空気に置換可能なパージ装置に関するものである。ここで、本発明における「パージ対象容器」は、FOUPなど内部にパージ対象空間を有する容器全般を包含する。
【0018】
そして、本発明に係るパージ装置は、パージ対象容器を載置可能な載置台に取り付けたボトムパージユニットと、ポートに接触可能なポート接触部を上端部に有するとともにボトムパージユニットに形成した取付部に係合可能な被取付部を下端部に有し、且つこの被取付部を取付部に対して着脱可能に係合させることによってボトムパージユニットに取付可能なボトムパージノズル本体とを備え、被取付部を取付部に係合させた状態でポート接触部が定位置に位置付けられ且つ略水平となるように構成したことを特徴としている。
【0019】
このように、本発明に係るパージ装置は、載置台に設けたボトムパージユニットに対してボトムパージノズル本体を着脱可能に取り付けているため、パージ対象容器の種類などによって異なるポートの種類や形状に応じてノズルの種類を変更する場合には、ユニット全体を載置台から取り外して装着し直すという煩雑な作業を要することなく、ボトムパージノズル本体のみを適切に交換することができ、ボトムパージノズル本体とポートとの高い気密性を確保した良好な接触状態を確保することが可能になる。また、ボトムパージノズル本体のうちポートと接触し得るポート接触部が、経年劣化や使用頻度に応じて摩耗損傷・変形した場合や、パージ対象容器のポートとの相性が良好ではない場合には、新品のボトムパージノズル本体、あるいは摩耗損傷・変形していていない別のボトムパージノズル本体と交換することによって、ポートとの高い気密性を確保した良好な接触状態を確保することができる。
【0020】
さらに、本発明のパージ装置は、ボトムパージノズル本体の被取付部をボトムパージユニットの取付部に係合させた状態でボトムパージノズル本体のポート接触部が定位置に位置付けられるため、ポートとの間に専用のシール材を介在させて高い気密性を確保する態様と比較して、専用のシール材が不要であり、規格で規定されるパージ対象容器の水平基準面をシール材の高さ寸法を考慮することなく高精度に設定することができる。加えて、本発明のパージ装置は、ボトムパージノズル本体の被取付部をボトムパージユニットの取付部に係合させた状態でボトムパージノズル本体のポート接触部が略水平であるため、例えば、ボトムパージノズル本体をボトムパージユニットに単に押し込んで取り付ける態様と比較して、ボトムパージノズル本体がボトムパージユニットに対してぐらつく挙動を防止・抑制することができ、略水平であるポート接触部にパージ対象容器のポートを高い気密性を確保した状態で接触させることができる。
【0021】
また、本発明のパージ装置において、ボトムパージノズル本体の被取付部とボトムパージユニットの取付部とを係合させる態様として、被取付部又は取付部の一方が凹部であり、他方が凸部であり、これら凹部と凸部とを係合させる態様や、被取付部を取付部に挿入して所定方向に回動することによってロック状態になる態様を採用することも可能であるが、簡単な構造でありながらボトムパージノズル本体の交換作業を容易且つスムーズに行うことができるという点では、被取付部が雄ネジ又は雌ネジであり、取付部が被取付部と対応する雌ネジ又は雄ネジであり、雄ネジを雌ネジに螺合させる態様が好ましい。
【0022】
また、本発明のロードポートは、クリーンルーム内において半導体製造装置に隣接して設けられ、搬送されてきたパージ対象容器であるFOUPを受け取りFOUP内に格納されているウェーハを半導体製造装置内とFOUP内との間でFOUPの前面に形成した搬出入口を介して出し入れするものであり、上述した構成をなすパージ装置を備えていることを特徴としている。
【0023】
このようなロードポートであれば、パージ装置により、上述した作用効果を奏するものとなり、ポートの種類や形状が異なるFOUP毎に適切なボトムパージノズル本体を交換することによって、パージノズルとポートとを相互に接触させた状態で高い気密性を確保することができ、所定の気体雰囲気の到達濃度が高いパージ処理を効率良く的確に行うことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ボトムパージノズル本体をボトムパージユニットに対して着脱可能に装着するという斬新な技術的思想を採用したことによって、パージ対象容器に対して所定の気体雰囲気の到達濃度が高いパージ処理を行うことができるとともに、パージ対象容器に付属のポートの種類や形状などに応じて、先端部(ポート接触部)の種類や形状が異なるボトムパージノズル本体に交換する作業やメンテナンス作業を簡単且つスムーズに行うことができ、パージ対象容器のポートに接触した状態で高い気密性を確保することが可能なパージ装置、及びロードポートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係るロードポートの全体構成図。
【図2】図1の要部を一部省略して示す図。
【図3】図2の一部を破断した状態を示す図。
【図4】同実施形態においてパージノズルが待機位置にあるパージ装置の断面図。
【図5】同実施形態においてパージノズルがパージ位置にあるパージ装置の断面図。
【図6】同実施形態におけるベースノズルの断面図。
【図7】同実施形態におけるボトムパージノズル本体の断面図。
【図8】同実施形態におけるボトムパージノズル本体の一バリエーションを示す図。
【図9】図8の断面図。
【図10】同実施形態におけるボトムパージノズル本体の他の一バリエーションを示す図。
【図11】図10の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0027】
本実施形態に係るパージ装置Pは、例えば図1に示すロードポートXに適用可能なものである。ロードポートXは、半導体の製造工程において用いられ、クリーンルーム内において半導体製造装置(図示省略)に隣接して配置されるものであり、本発明のパージ対象容器の一例であるFOUP1の扉にドア部Dを密着させて開閉し、半導体製造装置との間でFOUP1内に収容された被収容体であるウェーハ(図示省略)の出し入れを行うものである。
【0028】
本実施形態で適用するFOUP1は、内部に複数枚のウェーハを収容し、前面に形成した搬出入口を介してこれらウェーハを出し入れ可能に構成され、搬出入口を開閉可能な扉を備えた既知のものであるため、詳細な説明は省略する。なお、本実施形態においてFOUP1の前面とは、ロードポートXに載置した際にロードポートXのドア部Dと対面する側の面を意味する。FOUP1の底面には、図4に示すように、パージ用のポート1aが所定箇所に設けられている。ポート1aは、例えば、FOUP1の底面に形成した開口部1bに嵌め込まれた中空筒状のグロメットシールを主体としてなり、グロメットシール内に、後述する窒素や不活性ガス又は乾燥空気等の気体(本実施形態では窒素ガスを用いており、以下の説明では「パージ用気体」と称する場合がある)の注入圧または排出圧によって閉状態から開状態に切り替わる弁(図示省略)を設けている。
【0029】
半導体製造装置は、例えば、相対的にロードポートXから遠い位置に配置される半導体製造装置本体と、半導体製造装置本体とロードポートXとの間に配置される移送室とを備えたものであり、移送室内に、例えばFOUP1内のウェーハを1枚ずつFOUP1内と移送室内との間、及び移送室内と半導体製造装置本体内との間で移送する移送機を設けている。なお、FOUP1と半導体製造装置(半導体製造装置本体及び移送室)との間でウェーハを複数枚格納したカセットごと移送することも可能である。このような構成により、クリーンルームにおいて、半導体製造装置本体内、移送室内、及びFOUP1内は高清浄度に維持される一方、ロードポートXを配置した空間、換言すれば半導体製造装置本体外、移送室外、及びFOUP1外は比較的低清浄度となる。
【0030】
以下、本実施形態に係るロードポートXの構成について説明する。
【0031】
ロードポートXは、図1及び図2に示すように、起立姿勢で配置されてFOUP1の搬出入口に連通し得る開口部を開閉可能なドア部Dを有するフレームFと、フレームFのうち半導体製造装置から遠ざかる方向に略水平姿勢で延伸する載置台Bと、FOUP1内にパージ用気体を注入し、FOUP1内の気体雰囲気を窒素ガスなどのパージ用気体に置換可能なパージ装置Pとを備えたものである。
【0032】
フレームFに設けたドア部Dは、FOUP1を載置台Bに載置した状態においてFOUP1の前面に設けた扉(図示省略)に密着した状態でその扉を開けて搬出入口を開放する開放位置と、搬出入口を閉止する閉止位置との間で作動可能なものである。ドア部Dを開放位置と閉止位置との間で少なくとも昇降移動させるドア昇降機構(図示省略)としては既知のものを適用することができる。
【0033】
載置台Bは、フレームFのうち高さ方向中央部からやや上方寄りの位置に略水平姿勢で配置されたものであり、上向きに突出させた複数の位置決め用突起B1(キネマティックピン)を有する。そして、これらの位置決め用突起B1をFOUP1の底面に形成された位置決め用凹部(図示省略)に係合させることで、載置台B上におけるFOUP1の位置決めを図っている。位置決め用突起B1の一例としては、対向する傾斜壁面からなる断面視下向きV字状の位置決め用凹部に接触する上部を曲面状にし、この上部曲面を位置決め用凹部の各傾斜壁面にバランスよく接触可能に構成した態様を挙げることができる。また、載置台Bには、FOUP1が載置台B上に所定の位置に載置されているか否かを検出する着座センサB2を設けている。位置決め用突起B1及び着座センサB2の構造や配置箇所は規格などに応じて適宜設定・変更することができる。なお、載置台Bとして、載置状態にあるFOUP1を、その搬出入口(扉)がフレームFの開口部(ドア部D)に最も近付く位置と開口部(ドア部D)から所定距離離間した位置との間で移動させる移動機構を備えたものを適用することもできる。
【0034】
パージ装置Pは、図2及び図3(図2はロードポートXの一部拡大図であり、図3は図2の一部断面図である)に示すように、載置台B上に上端部を露出させた状態で所定箇所に配置される複数のパージノズルNを備え、これら複数のパージノズルNを、パージ用気体を注入する注入用パージノズルや、FOUP1内の気体雰囲気を排出する排出用パージノズルとして機能させている。これら複数のパージノズルNは、FOUP1の底面に設けたポート1aの位置に応じて載置台B上の適宜位置に設けることができる。各パージノズルN(注入用パージノズル、排出用パージノズル)は、気体の逆流を規制する弁機能を有するものであり、FOUP1の底部に設けたポート1aに接触可能なものである。なお、FOUP1の底部に設けた複数のポート1aのうち、注入用パージノズルに接触するポートは注入用ポートとして機能し、排出用パージノズルに接触するポートは排出用ポートとして機能する。
【0035】
各パージノズルNは、図2乃至図5に示すように、載置台Bに取り付けたボトムパージユニット2と、ボトムパージユニット2に対して着脱可能な状態で装着したボトムパージノズル本体3とを備えたものである。
【0036】
ボトムパージユニット2は、図示しないパージ用気体供給源に接続されたフレキシブルな配管Hが取り付けられて、この配管Hの内部空間HSに連通する一次流路4Sを高さ方向に形成したベースノズル4と、載置台Bに固定されてベースノズル4を上下移動(昇降移動)可能な状態で保持するホルダ5とを備えている。
【0037】
ベースノズル4は、図6に示すように、概略有底筒状をなし、パージ用気体供給源に接続された配管Hが取付可能な配管取付部41を下端部側に形成するとともに、ボトムパージノズル本体3が取付可能なノズル本体取付部42(本発明の「取付部」に相当)を上端部に形成したものである。本実施形態では、ベースノズル4の上端部における内周面に形成した雌ネジによってノズル本体取付部42を構成している。また、ベースノズル4の上端部には、下端部側の外周面よりも外径を大きく設定した鍔部43を設けている。本実施形態のベースノズル4は、これら各部を一体に有する金属製のものである。
【0038】
ホルダ5は、図3及び図4に示すように、ベースノズル4のうち鍔部43以外の部分が挿通可能な挿通孔を中央部に形成したリング部61、及びリング部61の外周縁から上方へ延びる周壁62を一体に有して載置台Bに固定されるホルダ本体6と、リング部61上に載置され且つ下方へ移動したベースノズル4の鍔部43が当接してベースノズル4のそれ以上下方への移動を規制するストッパリング7と、ベースノズル4の昇降移動を許容する挿通孔を中央部に形成し、且つホルダ本体6の周壁62に嵌合可能な嵌合部81を有するカバー部8とを備えている。本実施形態では、図4に示すように、カバー部8の挿通孔の内径を、ベースノズル4のうち鍔部43の外径より僅かに大きい値に設定するとともに、ストッパリング7の内径を、ベースノズル4のうち鍔部43よりも下方側の部分に形成した被ガイド面44の外径より僅かに大きい値に設定し、ベースノズル4の昇降移動時に、ベースノズル4の鍔部43が挿通孔に摺接するとともに、被ガイド面44がストッパリング7の内周面に摺接することにより、ベースノズル4の昇降移動をスムーズ且つ適切に行えるようにしている。
【0039】
ボトムパージノズル本体3は、図7に示すように、上端部側領域に鍔部31を設けた段付き筒状をなし、ポート1a(注入用ポート、排出用ポート)に接触可能なポート接触部32を上端部に有するとともに、ボトムパージユニット2(具体的にはベースノズル4)に形成したノズル本体取付部42に係合可能な被取付部33を下端部に有するものである。本実施形態では、ボトムパージノズル本体3の下端部における外周面に形成した雄ネジによって被取付部33を構成している。鍔部31の外径を、ベースノズル4の鍔部43の外径とほぼ同一または僅かに小さい値に設定している。ボトムパージノズル本体3の内部空間は、ベースノズル4に取り付けた状態でベースノズル4の一次流路4Sに連通する二次流路3Sとして機能する。また本実施形態のボトムパージノズル本体3は、二次流路3Sの一部に、ノズル交換時に用いる工具Jの操作端J1(図2及び図3参照)が嵌合可能な操作用孔34を形成している。本実施形態では、開口形状が多角形状(図示例は四角形状)をなす操作用孔34を適用し、ノズル交換用工具Jはこの操作用孔34に嵌合可能な断面多角形状の操作端J1を有するものである。また、本実施形態では、ポート接触部32を、鍔部43のうち他の部分よりも上方に突出し且つ上向き面を平滑な水平面に設定したリング状の上方突出部によって構成している。本実施形態のボトムパージノズル本体3は、これら各部を有する金属製の一体物である。
【0040】
このようなボトムパージノズル本体3は、被取付部33(雄ネジ)をホルダ5に保持されているベースノズル4のノズル本体取付部42(雌ネジ)に係合(螺合)させることによってベースノズル4に装着することができる。この際、ボトムパージノズル本体3のうち鍔部31の下向き面311が、ベースノズル4のうち鍔部43の上向き面431に当接することによって、ボトムパージノズル本体3のそれ以上下方への移動(螺進動作)を規制することができる。そして、本実施形態では、ボトムパージノズル本体3の鍔部31の下向き面311及びベースノズル4の鍔部43の上向き面431をそれぞれフラットな水平面に設定しているため、ボトムパージノズル本体3の被取付部33(雄ネジ)をベースノズル4の取付部(雌ネジ)に係合(螺合)させて、ボトムパージノズル本体3の鍔部31の下向き面311をベースノズル4の鍔部43の上向き面431に当接させた取付状態において、ボトムパージノズル本体3のポート接触部32もフラットな水平面となる。
【0041】
このように、本実施形態では、ボトムパージユニット2及びボトムパージノズル本体3によってパージノズルNを構成している。ここで、ボトムパージユニット2のベースノズル4とボトムパージノズル本体3との関係に着目した場合、相対的に上側にあるボトムパージノズル本体3を「上側ノズル」と捉え、相対的に下側にあるベースノズル4を「下側ノズル」と捉えることができる。
【0042】
また、本実施形態に係るパージ装置Pは、パージノズルNを昇降移動させる昇降機構9を備えている。昇降機構9は、図3及び図4等に示すように、ボトムパージユニット2の両サイドに配置され、例えば気圧によって駆動するエアシリンダ91と、各エアシリンダ91の作用端同士を接続する位置に配置され、且つパージノズルNの下端部(具体的にはベースノズル4の下端部)を保持する昇降保持板92とを備えている。そして、エアシリンダ91が昇降保持板92を昇降駆動させることによって、昇降保持板92と共にベースノズル4及びボトムパージノズル本体3を昇降させることができる。本実施形態では、この昇降機構9により、パージノズルNを、図5に示す位置、すなわちボトムパージノズル本体3のポート接触部32がポート1aに接触可能なパージ位置(a)と、図4に示す位置、すなわちポート接触部32がポート1aに接触しない待機位置(b)との間で昇降移動させることができる。
【0043】
次に、このような構成をなすロードポートXの使用方法及び作用について説明する。
【0044】
先ず、図示しないOHT等の搬送装置によりFOUP1がロードポートXに搬送され、載置台B上に載置される。この際、パージノズルNを待機位置(b)に設定しておき、位置決め用突起B1がFOUP1の位置決め用凹部に嵌まって接触することによってFOUP1を載置台B上の所定の正規位置に載置することができる。また、着座センサB2によりFOUP1が載置台B上の正規位置に載置されたことを検出する。この時点では、パージノズルNは待機位置(b)にあるため、ポート1aに接触することはない。すなわち、パージノズルNの待機位置(b)は、位置決め用凹部に位置決め用突起B1が係合してFOUP1が載置台B上に載置された状態において、ボトムパージノズル本体3の上端(ポート接触部32)がFOUP1に設けたポート1aの下端よりも低くなる位置である。
【0045】
そして、本実施形態のロードポートXは、着座センサB2によりFOUP1の正規の着座状態を検出した後、昇降機構9を駆動させてパージノズルNを待機位置(b)からパージ位置(a)へ上昇させる。その結果、図5に示すように、ボトムパージノズル本体3のポート接触部32がポート1aの下端に接触し、ポート1aの内部空間1Sとボトムパージノズル本体3の二次流路3S及びベースノズル4の一次流路4Sが連通する。この状態で、本実施形態のロードポートXは、図示しない供給源から供給されるパージ用気体を、配管Hの内部空間HS、一次流路4S、二次流路3S及びポート1aの内部空間1Sを通じてFOUP1内に注入し、FOUP1内に充満していた気体を排出用ポート及び排出用パージノズルを通じてFOUP1外へ排出する。なお、排出処理を注入処理よりも先に開始してFOUP1内のエアをある程度FOUP1外へ排出してFOUP1内を減圧した状態で注入処理を行うようにしてもよい。
【0046】
以上のようなパージ処理を行った後、あるいはパージ処理中に、本実施形態のロードポートXは、フレームFの開口部に連通するFOUP1の搬出入口を通じて、FOUP1内のウェーハを半導体製造装置内に順次払い出す。半導体製造装置内に移送されたウェーハは引き続いて半導体製造装置本体による半導体製造処理工程に供される。半導体製造装置本体により半導体製造処理工程を終えたウェーハはFOUP1内に順次格納される。
【0047】
本実施形態のロードポートXでは、ウェーハの出し入れ時においてもパージ装置Pによるボトムパージ処理を継続して行うことが可能であり、ウェーハを出し入れする間もFOUP1内の気体雰囲気を窒素ガスなどのパージ用気体に置換し続けて、高濃度に保つことができる。
【0048】
全てのウェーハが半導体製造処理工程を終えてFOUP1内に収納されると、ドア部DをFOUP1の扉に密着させた状態で開放位置から閉止位置に移動させる。これにより、ロードポートXの開口部及びFOUP1の搬出入口は閉止される。引き続き、載置台Bに載置されているFOUP1は図示しない搬送機構により次工程へと運び出される。なお、必要であれば、半導体製造処理工程を終えたウェーハを収納したFOUP1に対して再度ボトムパージ処理を行うようにしてもよい。このようにすれば、半導体製造処理工程を終えたウェーハを収納したFOUP1に対して直ぐにパージ処理を開始することができ、処理済みのウェーハの酸化防止を図ることができる。
【0049】
以上に詳述したように、本実施形態に係るロードポートXは、パージ装置Pによるボトムパージ処理により、FOUP1内におけるパージ用気体の充填度(置換度)を高い値に維持することができる。
【0050】
また、共通のFOUP1内に収容される複数のウェーハのうち、最初に半導体製造処理工程を終えてFOUP1内に収容されたウェーハは、最後に半導体製造処理工程を経るウェーハがFOUP1内に収容されるまで、通常であればFOUP1内においてウェーハの出し入れ作業時間の経過とともにパージ用気体の充填度(置換度)が低下する気体雰囲気に晒されることにより僅かながらも悪影響を受け得るが、パージ装置Pによりパージ用気体をFOUP1内に注入することにより、FOUP1内におけるパージ用気体充填度(置換度)の低下を効果的に抑制することができ、ウェーハを良好な状態でFOUP1内に収納しておくことができる。
【0051】
ところで、FOUP1の種類や個体差などによりポート1aの形状が異なる場合があり、ポート1aの形状に応じた適切なパージノズルNをポート1aに接触させなければ、ポート1aの内部空間1Sとボトムパージノズル本体3の二次流路3S及びベースノズル4の一次流路4Sとの高い気密性を確保できない事態が生じ得る。
【0052】
そこで、本実施形態に係るパージ装置Pは、このような事態にも対応できるように、ボトムパージノズル本体3をホルダ5に対して着脱可能に取り付けている。これにより、ポート1aの種類や形状に応じてボトムパージノズル本体3のみをボトムパージユニット2から取り外して、異なるタイプのボトムパージノズル本体3をボトムパージユニット2に取り付けることができる。ボトムパージノズル本体3をボトムパージユニット2から取り外す作業及びボトムパージユニット2に取り付ける作業は図2に示すような工具Jを用いて行うことができる。すなわち、工具Jの先端部に形成した断面多角形状をなす操作端J1を、ボトムパージノズル本体3のうち上方に開口する操作用孔34に差し込んで嵌めた状態で工具Jを所定方向に回す操作力を付与することによって、ベースノズル4の取付部(雌ネジ)とボトムパージノズル本体3の被取付部33(雄ネジ)との係合状態(螺合状態)を解除することができ、工具Jの操作端J1をボトムパージノズル本体3の操作用孔34に差し込んで嵌めた状態で工具Jを逆方向に回す操作力を付与することにより、ベースノズル4の取付部(雌ネジ)にボトムパージノズル本体3の被取付部33(雄ネジ)を係合(螺合)させて、ボトムパージノズル本体3をボトムパージユニット2に取り付けることができる。
【0053】
このように、本実施形態に係るパージ装置Pは、載置台Bに固定した状態で取り付けたボトムパージユニット2に対してボトムパージノズル本体3を着脱可能に取り付けているため、FOUP1の種類などによって異なるポート1aの種類や形状に応じてパージノズルのN種類を変更する場合には、パージノズルN全体を載置台Bから取り外して装着し直すという煩雑な作業を要することなく、ボトムパージノズル本体3のみを適切に交換することができ、ポート1aとの高い気密性を確保した良好な接触状態を確保することが可能になる。
【0054】
ここで、ボトムパージノズル本体3のバリエーションとしては、図8及び図9に示すボトムパージノズル本体3Aや、図10及び図11に示すボトムパージノズル本体3Bを挙げることができる。
【0055】
ボトムパージノズル本体3Aは、鍔部31Aの上向き面全体をフラットな水平面にしてポート接触部32Aとして機能させている点でボトムパージノズル本体3とは異なるが、その他の形状や構造はボトムパージノズル本体3に準じたものであり、図8及び図9では、ボトムパージノズル本体3に対応する部分には同じ符号を付している。
【0056】
ボトムパージノズル本体3Bは、鍔部31Bの上向き面を、中心に向かって漸次高くなるように傾斜さえたテーパ面31Btと、テーパ面31Btに連続するフラットな水平面31Bfとによって形成し、この水平面31Bfをポート接触部32Bとして機能させている点でボトムパージノズル本体3とは異なるが、その他の形状や構造はボトムパージノズル本体3に準じたものであり、図10及び図11では、ボトムパージノズル本体3に対応する部分には同じ符号を付している。
【0057】
これらボトムパージノズル本体3A,3Bもボトムパージノズル本体3を着脱する手順(操作方法)と同じ手順によりボトムパージユニット2に対して簡単に取り付けたり、取り外すことができる。
【0058】
また、本実施形態では、ボトムパージノズル本体3のうちポート1aと接触し得るポート接触部32が、経年劣化や使用頻度に応じて摩耗損傷・変形した場合であっても、使用中のボトムパージノズル本体3に替えて、新品のボトムパージノズル本体3、あるいは摩耗損傷・変形していていない別のボトムパージノズル本体3に交換することによって、ポート1aとの高い気密性を確保した良好な接触状態を確保することができる。
【0059】
さらに、本実施形態に係るパージ装置Pは、ボトムパージノズル本体3の被取付部33をボトムパージユニット2の取付部42に係合させた状態でボトムパージノズル本体3のポート接触部32が定位置に位置付けられるように設定しているため、ポート1aとの間に専用のシール材を介在させて高い気密性を確保する態様と比較して、専用のシール材が不要であり、規格で規定されるFOUP1の水平基準面をシール材の高さ寸法を考慮することなく高精度に設定することができる。
【0060】
また、本実施形態のパージ装置Pでは、ボトムパージユニット2に対するボトムパージノズル本体3の取付作業を、ボトムパージノズル本体3のうち鍔部31の下向き面311がベースノズル4のうち鍔部43の上向き面431に当接して、ボトムパージノズル本体3のそれ以上下方への移動が規制される時点までボトムパージノズル本体3を回転させる操作力を付与することによって簡単且つ適切に行うことができる。そして、この取付状態では、相互にフラットな水平面に設定されているボトムパージノズル本体3のうち鍔部31の下向き面311及びベースノズル4のうち鍔部43の上向き面431が相互に接触しているため、ボトムパージノズル本体3のポート接触部32はフラットな水平面となる。したがって、このような水平なポート接触部32をポート1aに接触させることにより、高い気密性を確保することができる。
【0061】
さらに、本実施形態では、ボトムパージノズル本体3の被取付部33をボトムパージユニット2の取付部42に係合させることによってボトムパージノズル本体3をボトムパージユニット2に装着可能に構成しているため、ボトムパージノズル本体をボトムパージユニットに単に押し込んで取り付ける態様と比較して、ボトムパージノズル本体3がボトムパージユニット2に対してぐらつく挙動を防止・抑制することができ、略水平であるポート接触部32にFOUP1のポート1aを高い気密性を確保した状態で接触させることができる。
【0062】
また、本実施形態のパージ装置Pでは、雄ネジによって被取付部33を構成するとともに、雌ネジによって取付部を構成し、雄ネジを雌ネジに螺合させることによってボトムパージノズル本体3をボトムパージユニット2に対して取付可能に設定しているため、簡単な構造でありながらボトムパージノズル本体3の交換作業を容易且つ高精度に行うことができる。
【0063】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、ボトムパージノズル本体の被取付部とボトムパージユニットの取付部とを係合させる態様として、被取付部又は取付部の一方が凹部であり、他方が凸部であり、これら凹部と凸部とを係合させる態様や、被取付部を取付部に挿入して所定方向に回動することによってロック状態になる態様を採用することもできる。あるいは、被取付部と取付部の雄ネジ・雌ネジの関係を逆にした構成、すなわち、ボトムパージ本体の内周面に設けた雌ネジによって被取付部を構成し、ボトムパージユニットのうち所定部分の外面に設けた雄ネジによって取付部を構成する態様を採用することも考えられる。
【0064】
また、ボトムパージノズル本体をボトムパージユニットに対して取り付けたり、取り外す際に操作力が付与される部分(上述の実施形態であれば操作用孔34)をボトムパージノズル本体の外面に形成してもよい。一例としては、ボトムパージノズル本体の鍔部の外面を断面多角形状に形成した態様を挙げることができる。さらには、ボトムパージノズル本体をボトムパージユニットに対して取り付けたり、取り外す作業を専用の工具を用いることなく作業者の手で行えるようにしてもよい。
【0065】
また、ボトムパージユニットがベースノズルを備えていないものであり、ボトムパージノズル本体の被取付部を、ボトムパージユニットの適宜箇所に設けた取付部に係合させることによってボトムパージユニットにボトムパージノズル本体を取付可能に構成してもよい。
【0066】
また、パージノズルを昇降移動させる昇降機構として、液圧式又はガス圧式のシリンダを用いて構成した機構等を適用したり、ボールネジ、ベルト、ラックアンドピニオン、あるいは電磁式のリニアアクチュエータを用いて構成した機構を適用することもできる。なお、パージノズルをパージ位置で固定(昇降移動不能)した態様を採用することもできる。この場合であっても、例えば、ボトムパージノズル本体の被取付部とボトムパージユニットの取付部とを係合させてボトムパージノズル本体をボトムパージユニットに装着可能に構成していることにより、仮にOHTなどの搬送装置によって載置台上に載置される過程及び載置される時点でパージ対象容器が左右に揺れて、ボトムパージノズル本体に当たったとしても、ボトムパージノズル本体がボトムパージユニットに対してぐらつく挙動を防止・抑制することができ、ポートとの良好な接触状態を確保することが可能である。
【0067】
さらにまた、上述した実施形態では、パージ対象容器としてFOUPを例示したが、他の容器(キャリア)であってもよく、パージ対象容器内に収容される被収容体も、ウェーハに限らず、表示デバイスや光電変換デバイスなどに用いられるガラス基板であっても構わない。
【0068】
また、パージ装置を、ロードポート以外のもの、例えばパージ対象容器を保管するストッカーや、パージステーションに適用することもできる。
【0069】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0070】
1…パージ対象容器(FOUP)
1a…ポート
2…ボトムパージユニット
3…ボトムパージノズル本体
32…ポート接触部
33…被取付部
42…取付部(ノズル本体取付部)
B…載置台
P…パージ装置
X…ロードポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パージ対象容器の底面に設けたポートを通じて当該パージ対象容器内の気体雰囲気を窒素又は乾燥空気に置換可能なパージ装置であり、
前記パージ対象容器を載置可能な載置台に取り付けたボトムパージユニットと、
前記ポートに接触可能なポート接触部を上端部に有するとともに、前記ボトムパージユニットに形成した取付部に係合可能な被取付部を下端部に有し、前記被取付部を前記取付部に対して着脱可能に係合させることによって前記ボトムパージユニットに取付可能なボトムパージノズル本体とを備え、
前記被取付部を前記取付部に係合させた状態で前記ポート接触部が定位置に位置付けられ且つ略水平となるように構成したことを特徴とするパージ装置。
【請求項2】
前記被取付部が雄ネジ又は雌ネジであり、前記取付部が前記被取付部に対応する雌ネジ又は雄ネジであり、前記雄ネジを前記雌ネジに螺合することによって前記被取付部を前記取付部に着脱可能に係合させている請求項1に記載のパージ装置。
【請求項3】
クリーンルーム内において半導体製造装置に隣接して設けられ、搬送されてきたパージ対象容器であるFOUPを受け取り当該FOUP内に格納されているウェーハを前記半導体製造装置内と当該FOUP内との間でFOUPの前面に形成した搬出入口を介して出し入れするロードポートであって、
請求項1又は2に記載のパージ装置を備えていることを特徴とするロードポート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−248785(P2012−248785A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121453(P2011−121453)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000002059)シンフォニアテクノロジー株式会社 (1,111)
【Fターム(参考)】