説明

パーソナルケア組成物

疎水性変性シリカ、分散粒子、微粒子物質、粒子状物質及び皮膚科学的に許容可能なキャリアを含む安定したパーソナルケア組成物で、前記キャリアが当該キャリアの約70重量%以上の少なくとも1つの水溶性ポリオールを含み、前記水溶性ポリオールが約11〜約17の溶解度パラメータを有する前記組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば美容マスク又はピールとして有用なパーソナルケア組成物に関する。本発明は更に、組成物を単独で又は追加の組成物と共に適用することによって、哺乳類ケラチン性組織の状態を改善する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
細い線、しわ及びむらのある皮膚のきめなど、多くの人が望ましくない「皮膚老化の徴候」と考えるものに対処するための各種製品が、消費者に利用可能である。美容マスク及びピールは、剥離を促進し且つ皮膚のコンディショニング効果を提供することによって(他にも手段はあるが)、皮膚を若返らせる手助けすると考えられる。美容マスク及びピールは、各種形態にて入手可能であり、典型的には乾燥後に洗い落とされる粘度様組成物、乾燥後に剥がされる組成物、及び乾燥前に皮膚からすすぎ落とされる組成物が挙げられる。
【0003】
マスク及びピール用キャリアは、疎水性又は親水性のいずれでもよい。疎水性キャリアは、例えば鉱油又はシリコーンを含有してもよく、これに対して親水性キャリアは、水又はポリオール類を含有してもよい。親水性キャリアは、より容易に皮膚からすすぎ落とされるため、多くの場合好ましい。粒子状物質もまた、剥離を促進し、肌触りを向上させ、及び/又は望ましい見た目を提供するのに望ましい。粒子状物質をキャリア内に均一に懸濁させるために、好適な増粘剤を使用しなければならない。幾つかの一般的に使用される増粘剤としては、ワックス、ポリマー、及び親水性シリカが挙げられる。ワックス使用の欠点は、ワックスを溶解及び再結晶させるために熱が必要であるということであり、これによってビタミン及び他の活性物質などのある種の成分、並びに重炭酸塩類などの微粒子を不安定化させる。ポリマー類、例えばセルロース性ポリマーは、油っぽい又は重い感触(消費者が受け入れられないと考える)を皮膚に付与する傾向がある。親水性シリカは、加熱を必要とせず、且つ許容可能な肌触り特性を有してもよい。しかし、本出願人らは、予想外にも、親水性シリカを主要増粘成分として利用するマスク又はピール組成物が、典型的な使用法、運搬、及び保存条件下において、不安定性を示すことを見出した。例えば、低速攪拌(low levels of shear slight mixing)、容器に衝撃を与え又は落下させることから生じる物理的衝撃、又は温度上昇はすべて、マスク構成成分の分離をもたらすことがある。粒子状物質は、一時的に又は恒久的に懸濁しなくなり、代わって容器の底に凝集することがある。これは、消費者にとって審美的に魅力のない、且つ所望のスキンケア効果の送達の効果を弱める製品をもたらす。
【0004】
この不安定性問題を克服するため、本出願人らは、粒子状物質が実質的に均一に懸濁したままとなる代わりの増粘剤を探した。加えて、増粘剤を含有する組成物は、効果的なコンディショニング、剥離、良好なすすぎ及び清潔感(clean feel)などの消費者を満足させる性質を示さなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、妥当な使用法及び保存条件下にて安定し、より均一に粒子状物質を懸濁させ、製造中に加熱を必要とせず、且つ消費者を満足させる性質を示すパーソナルケア組成物類が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前述の要求を満たす。本出願人らは、増粘剤としての疎水性変性シリカの使用が、必要な基準のすべてを満足させることを見出した。これは予想外であった。なぜなら、疎水性化合物は皮膚及び他のケラチン性組織の表面に接着する傾向があり、だからこそ当業者は疎水性変性シリカが良好なすすぎ特性を示すことを期待しないからである。加えて、本出願人らは、疎水性変性シリカが効果的に粒子状物質を懸濁させ、従って典型的な使用法、運搬、及び保存条件下において安定している組成物を生成することを見出した。疎水性シリカは、製造工程中に加熱を必要としないため、感熱活性物質及び重炭酸塩類などの微粒子を組成物中に包含することができる。重炭酸塩類及び他の水溶性粒子状物質は、良好なすすぎ特性、及び更に少なくとも部分的に(完全でない場合)すすぎ洗い時に溶解するという利点を有する。これは、皮膚上に残るざらざらした残留物及び使用に伴う汚れ(messiness)を制限する。更に、重炭酸塩類を含む組成物は、泡沸性をもたらす酸含有組成物と共に使用することが可能である。これによって、組成物が彼らの意図した効果を有することが直ちに消費者に伝わる。
【0007】
水溶性微粒子を使用することで、組成物のための好適なキャリア選択において更なる考慮が必要となる。良好なすすぎ特性を有するためには、前記キャリアが水溶性でなければならない。水溶性微粒子を安定させるためには、前記キャリアは限定された水分含有量を有しているか又は実質的に無水でなければならない。本出願人らは、本発明の組成物中の好適なキャリアが、約11〜約17の溶解度パラメータを有する1以上のポリオール類を高い割合で含むものであることを見出した。更に、本出願人らは、このようなキャリアが実質的に無水の場合、水によるすすぎ洗いの時に温感覚(warming sensation)が生じる場合があることを見出した。理論に制限されるものではないが、本出願人らは、水がポリオールと発熱反応すると考えている。消費者を満足させることに加えて、前記加温(warming)はケラチン性組織の血行を増加させるという追加の利点を有してもよい。言い換えると、これは例えば組織へのより効率的な栄養素の送達、及びより健康的な外観、又は特に顔の領域において望ましいことがある「グロー(輝き)」をもたらす。
【0008】
本発明の第一実施形態では、安定したパーソナルケア組成物で、疎水性変性シリカ、粒子状物質、及び親水性キャリアを含み、前記キャリアが当該キャリアの約70重量%以上の1つ以上の好適な水溶性ポリオール類を含む、前記組成物が提供される。前記粒子状物質は、妥当な運搬、保存及び使用条件下において、剥離組成物全体に実質的に均一に懸濁したままである。前記粒子状物質は、水溶性で且つすすぎ洗いの際に実質的に溶解してもよい。
【0009】
更に、本発明の別の実施形態は、1つ以上のスキンケア活性物質を更に含む、第一実施形態のパーソナルケア組成物を提供する。
【0010】
更に本発明の別の実施形態では、どちらか一方の実施形態に従うパーソナルケア組成物が、基材上に放出可能に付着させられる。
【0011】
更に本発明の別の実施形態は、疎水性変性シリカ、粒子状物質、及び親水性キャリアを含む第1の組成物で、前記キャリアが当該キャリアの約70重量%以上の1つ以上の好適な水溶性ポリオール類を含む前記組成物を、ケラチン性組織に適用するという工程を含む哺乳類ケラチン性組織の状態の調節方法を提供する。前記粒子状物質は、妥当な運搬、保存及び使用条件下において、剥離組成物全体に実質的に均一に懸濁したままである。前記粒子状物質は、水溶性で且つすすぎ洗いの際に部分的に又は完全に溶解してもよい。前記キャリアが実質的に無水の場合、水によるすすぎ洗いの際に熱が生じる場合がある。
【0012】
更に本発明の別の実施形態では、哺乳類ケラチン性組織の状態を調節する方法が提供され、当該方法は上述した第1の組成物をケラチン性組織に適用する工程、及び酸性化合物を含み、前記第2の組成物が前記第1の組成物と接触し、又は混じり合うように第2の組成物を適用する工程を含む。前記第1及び第2の組成物は、1つ以上のスキンケア活性物質を含んでよい。一実施形態では、前記第1の組成物中の粒子状物質が重炭酸塩であり、その結果前記第2の組成物の適用が泡沸性をもたらしてよい。
【0013】
更に本発明の別の実施形態では、哺乳類ケラチン性組織の状態を調節する方法が提供され、当該方法は本明細書中に記載する第1の組成物をケラチン性組織に適用する工程、及び1以上の追加の組成物をケラチン性組織に適用する工程を含む。前記追加の組成物(類)は、1つ以上のスキンケア活性物質を含んでよい。所望により、酸性化合物を含む第2の組成物は、前記第2の組成物が前記第1の組成物と接触し、又は混じり合うように適用してよい。
【0014】
更に本発明の別の実施形態では、哺乳類ケラチン性組織の状態を調節する方法が提供され、当該方法は本明細書中に記載する第1の組成物をケラチン性組織に適用すること、及び1つ以上の栄養補助食品を含む組成物を経口で取り込むことの各工程を含む。所望により、本明細書で記載する第2の組成物もまた、前記第2の組成物が前記第1の組成物と接触し、又は混じり合うように適用してよい。
【0015】
更に、別の実施形態は、キットを提供し、当該キットは、本明細書中に記載されているような第1の組成物及び本明細書中に記載されているような第2の組成物を含む。
【0016】
更に、別の実施形態は、キットを提供し、当該キットは、本明細書中に記載されているような第1の組成物、及び1つ以上の追加の組成物を含む。前記キットは更に、本明細書中に記載されているような第2の組成物、及び1つ以上の栄養補助食品を含んでよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本明細書は、本発明を特に指摘し、明確に請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は以下の詳細な説明から更に理解が深まると考えられる。
【0018】
本発明は、例えば、美容マスクとしての使用に適しているパーソナルケア組成物類について記載する。前記組成物は、疎水性変性シリカ、粒子状物質、及び親水性キャリアを含み、前記キャリアが当該キャリアの約70重量%以上の水溶性ポリオールを含む。前記ポリオールは、約11〜約17の溶解度パラメータを有する。方法又はキットのように複数の工程又は構成成分を含む実施形態を記載するために使用される場合、このように記載されている本発明の組成物は、「第1の組成物」と呼んでよい。
【0019】
本発明の組成物は、約1Pa・s(1,000cps)〜約10,000Pa・s(10,000,000cps)、あるいは約10Pa・s(10,000cps)〜約5000Pa・s(5,000,000cps)の粘度を有してもよく、ここで「cps」とは、センチポアズを意味し、周囲条件下にて測定が行われる。あるいは、前記組成物は、透明から半透明、不透明まで変化してよい。前記組成物は、化粧品、ヘアケア及びスキンケア製品にて使用することができ、その非限定的使用法としては、クレンジング液、保湿剤、コンディショナー、老化防止化合物、剥離剤、ピール、及びこれらの組み合わせが挙げられる。一実施形態では、前記組成物は顔、首及び体の他の露出部に適用される。
【0020】
本発明の組成物のキャリアが、実質的に無水の場合、水によるすすぎ洗いの際に熱が発生する場合がある。発生する熱量は、快適な温感覚を提供するのに十分であり、過度の不快感又は他の望ましくない効果をもたらすことはない。あるいは、第2の及び/又は追加の、水を含む組成物を適用する際に、熱が発生する場合がある。あるいは、組織をすすぎ洗いせずにケラチン性組織へ適用する場合、いくらかの熱が発生する場合がある。あるいは、本発明の組成物が、硫酸塩例えば、硫酸マグネシウム、及び/又は塩化物例えば、塩化カルシウムを含む場合、熱が発生する場合がある。
【0021】
本発明の組成物が、水溶性粒子状物質を含む場合、当該微粒子は水によるすすぎ洗いの際に実質的に溶解してもよい。
【0022】
重炭酸塩を含む本発明の第1の組成物が、ケラチン性組織に適用される場合、酸性化合物を含む第2の組成物を適用する際に、泡沸性が現れることがある。
【0023】
前記組成物は更に、キャリア基材に放出可能に適用されてもよく、しばらく経ってから使用するのに適している。前記組成物は更に、送達増進器具と組み合わせて使用してもよく、その非限定的実施例としては、道具、スプレー・アプリケーター、ブラシ、自動スクラブ装置、超音波装置、及びこれらの組み合わせが挙げられる。前記組成物は更に、増強されたスキンケア効果を提供するために、経口摂取可能な栄養補助食品と共に使用してもよい。
【0024】
本発明の組成物は、種々の手段例えば、皮膚を水ですすぎ洗いすることによって取り除いてよい。
上述のものの各々及び追加の要素が本明細書に記載される。
【0025】
本発明のすべての実施形態において、特に記載のない限り、百分率はすべて総組成物の重量による。特に記載のない限り、すべての比率は重量比である。有効数字の桁数は、示される量の制限や、測定の精度を意味するものではない。分量、百分率、割合、等を示す量はすべて、特に指定のない限り「約」という語によって修正されるものと理解される。全ての測定は、約25℃及び周囲条件で行われると理解され、ここで「周囲条件」とは、約1気圧及び相対湿度約50%での条件を意味する。
【0026】
ここで、「安定した」及び「安定性」とは、出荷、保存及び使用において受けることが合理的に予想される状態に晒された際に、化学性、物理的均一性及び/又は色が、実質的に不変である組成物を意味する。安定性は、経験的観察又は当業者に既知であり得る適切な化学及び/又は物理分析法のいずれかにより決定され得る。「安定した」及び「安定性」は、粒子状物質が該組成物中に実質的に均一に懸濁したままであることを意味するものと理解される。
【0027】
ここで、「実質的に均一に懸濁した」とは、かなりの量の粒子状物質を含有する不透明層よりも低濃度の微粒子を含有する無色又は透明の層が目に見えては存在しないことを意味する。あるいは、組成物の各種層内の粒子状物質の濃度は、化学及び/又は物理分析を用いて決定してもよい。前記粒子状物質が十分に小さく、容易に識別できない半透明又は透明層をもたらす場合、これは特に有用であり得る。
【0028】
ここで、「実質的に無水」とは、水が前記キャリアに添加されないことを意味する。しかし、例えば化学反応の副生成物として、又は環境からの吸収された結果として、少量の水が偶然に存在する場合がある。
【0029】
ここで、「妥当な出荷、保管及び使用条件」とは、合理的な商業用及び消費者向け保管条件、合理的な運搬条件、及び消費者による使用中に受けることが合理的に予想される条件を意味する。このような条件には、物理的衝撃、例えば振盪、落下、衝撃;摩擦、例えば接触、撹拌;及び約−20℃〜約60℃の温度に晒される商用運搬及び商用保管条件を含む温度変化が挙げられると考えられるが、これらに限定するものではない。
【0030】
ここで、「第1の組成物」とは、疎水性変性シリカ、粒子状物質、及び1つ以上の水溶性ポリオール類を含むキャリアを含む組成物を意味する。ここで、「第2の組成物」とは、有効量の酸性化合物、例えば乳酸を含む組成物を意味し、更に、本明細書中に記載する他の構成成分のいずれかを含んでよい。ここで、「追加の組成物」とは、本明細書中に記載する前記第1及び第2の組成物の要素のいずれかを含んでよい組成物を意味する。前記第2及び追加の組成物は、各種形態であってよく、その非限定的実施例としては、ローテーション、クリーム、ペースト、乳液、液体、ジェル、固体、スプレー、ムース、アイジェリー、マスク、及びこれらの組み合わせが挙げられる。前記第2及び追加の組成物は、エマルションの形態であってよく、皮膚又は他のケラチン性組織に、皮膚の状態の調節及び改善を含む多種多様の利益を付与してよい。
【0031】
ここで、「マスク」とは、ケラチン性組織、例えば顔及び/又は首に適用される組成物を意味する。前記マスクは、所望の効果を付与するのに好適な時間だけ、ケラチン性組織上にとどまってもよく、その非限定的実施例としては、乾燥、引き締め、孔径縮小、保湿、剥離、加熱、発泡、活性物質の送達等が挙げられる。前記マスクは、例えば拭き取り、水によるすすぎ洗い、スクラビング、剥離等によって取り除いてよい。前記マスク組成物は更に、ケラチン性組織の所望の領域に装着した基材に、好適な期間適用してよい。
【0032】
本明細書で使用する時、「ケラチン性組織」とは、哺乳類の最も外側の保護被覆として配置されているケラチン含有層を意味し、これには皮膚、毛髪、及び爪が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で使用する時、「局所適用」とは、ケラチン性組織の表面上に組成物を適用又は広げることを意味する。
【0033】
ここで、「パーソナルケア組成物」とは、哺乳類ケラチン性組織上での局所適用に適している組成物を意味する。本明細書中に記載するパーソナルケア組成物類は、1以上のスキンケア活性物質を含有してもよい。本明細書で使用する時、「スキンケア活性物質」又は「活性物質」とは、皮膚、毛髪又は他のケラチン性組織に適用された場合に、利益及び/又は改善をケラチン性組織に提供する化合物を意味する。
【0034】
本明細書では、「スキンケア」とは、皮膚の状態を調節及び/又は改善することを意味する。本明細書では、「皮膚の状態を調節する」とは、望ましい皮膚の外観及び/又は感触を達成すること、例えば、より滑らかな外観及び/又は感触を提供することを意味する。ここで、「皮膚の状態を改善する」とは、視覚的に及び/又は触覚的に認知可能な好ましい変化を皮膚外観及び感触において達成することを意味する。調節され及び/又は改善されてよい状態としては、次のしわ及び粗く深い線、細い線、裂け目、突出、及び大きな毛穴の外観を減らすこと;ケラチン性組織を厚くすること(例えば、皮膚の表皮及び/又は真皮及び/又は皮下層を構築すること。皮膚、毛髪、又は爪の萎縮を減少させるために、爪及び毛幹の角質層に当てはまる。);真皮−表皮の境界でのよれを増やすこと(乳頭間隆起としても知られる);皮膚又は毛髪弾性の損失を防止すること、例えば損失、ダメージ及び/又は機能的皮膚エラスチンの不活性化に起因し、これらは結果的に弾力線維症、弛み、皮膚又は毛髪の変形からの反跳の損失状態となる;セルライトの減少;皮膚、毛髪、又は爪の着色の変化、例えば目の下の円形、しみだらけの状態(即ち、一様でない赤色の着色、例えば酒さに起因するもの)、血色の悪さ、毛細血管拡張症又はクモ状血管(spider vessels)によって引き起こされる変色、乾燥、もろさ、及び白くなりかけた髪のうち1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
本明細書で使用する時、「皮膚老化の徴候」としては、ケラチン性組織の老化による目視及び触知できる程に認知可能な外面への現れ、並びに任意のマクロ又はミクロ的現象が挙げられるが、これらに限定されない。これらの兆候は、しわ及び粗く深いしわ、細い線、皮膚の線、裂け目、突出、大きな毛穴、不均一又は粗さ;剥離;乾燥;皮膚の弾性の損失;変色(目の下のくまを含む);しみだらけ;血色の悪さ;シミ及びそばかすなどの色素沈着した皮膚領域;角化症;異常分化;超角質化;弾力線維症;コラーゲン破壊、並びに角質層、真皮、表皮、脈管系(例えば、毛細血管拡張症又はクモ状血管(spider vessels))及び下層組織(例えば、脂質及び/又は筋肉)、特に皮膚に最も近いものの中の他の組織構造の変化などの組織的不連続の発現を含むプロセスから生じてもよいが、これらに限定されない。
【0036】
本明細書で使用するとき、「皮膚科学的に許容可能な」とは、このように記載されている組成物又はその構成成分が、過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応などを伴うことなく、哺乳類のケラチン組織と接触させて使用するのに適していることを意味する。
【0037】
ここで、「経口で許容可能な」とは、このように記載されている前記組成物又はその構成成分が、過度の毒性、不適応性、不安定性、アレルギー反応等を有することなく、哺乳類による経口摂取に適していることを意味する。
【0038】
本明細書で使用する時、「有効量」とは、本明細書に開示される利益から独立して又はそれらと組み合わされ、しかし深刻な副作用を避けるに十分な少量にて、まったくの利益を大幅に生じさせるのに十分な化合物又は組成物の量を意味する。
【0039】
ここで、「送達増進器具」とは、皮膚及び/又は皮膚内に適用する組成物の量を増加させ、当該器具を使用しないで送達する場合に比較して、より容易に及び/又は効率的に組成物を送達し、及び/又は組成物に由来する有益な結果を増加させる任意の器具を意味する。
【0040】
ここで、「栄養補助食品」とは、常食を補完することを意図した食事成分を意味し、その非限定的実施例としては、ビタミン、ミネラル、ハーブ又は他の植物性薬品、アミノ酸、酵素及び代謝産物が挙げられる。ここで、前記栄養補助食品は、経口消費に適しており且つ経口で投与される。本発明の用途に用いるのに好適な栄養補助食品の例としては、ビタミン及びビタミン誘導体類、ペプチド類、必須脂肪酸類、並びに糖アミン類が挙げられるが、これらに限定されない。前記栄養補助食品が投与される形態は幅広く変化してよく、例えば錠剤、カプセル剤、ジェル錠剤、及び液体を含む。前記栄養補助食品は更に、食料品又は飲料中へ組み込まれてよい。
【0041】
ここで、「キット」とは、本明細書中に記載する少なくとも1つの組成物を含むパッケージング単位を意味する。前記キットは、外側パッケージング単位(それは、順に1つ以上の内側パッケージング単位を含んでよい)を含んでよい。前記内側及び外側パッケージング単位は、含有する、提供する及び/又はキットの内容物を損傷から無理なく保護するのに適した任意の型式であってよい。前記キットは、本明細書中に記載されているような第1の組成物及び第2の組成物などの複数の構成成分を含んでよい。前記キットは更に、1つ以上の追加の組成物、1つ以上の経口摂取可能な栄養補助食品、送達増進器具、前記器具の取扱説明書、好適な適用レジメンに適合する取扱説明書、基材、及びこれらの組み合わせを含んでよい。
【0042】
I.疎水性変性シリカ
ここで、疎水性変性シリカとは、1つ以上の疎水性ヒュームドシリカを意味する。ヒュームドシリカは、水素ガスの炎の中で、SiCl4+2H2+2O2→SiO2+4HClの反応に従って生成する。未処理のヒュームドシリカは、親水性のシラノール及びシロキサン基を表面に含有する。疎水性ヒュームドシリカは、表面のシラノール及びシロキサン基と疎水性変性化合物との化学反応によって形成される。好適な疎水性変性化合物としては、ジメチルシリル、トリメチルシロキシル及びジメチコンが上げられるが、これらに限定されず、それぞれジメチルシリル化シリカ、シリル化シリカ、及びジメチコンシリル化シリカを生成する。ヒュームドシリカは、S.ハーセンザール(S. Hasenzahl)・A.ブラウナゲル(Braunagel)共著、「パーソナルケア及び化粧品のためのヒュームドシリカ−用途及び有効性」(SOFW−ジャーナル、第129巻、8号、2〜8頁、2003年)に記載されている。
【0043】
好適な疎水性変性シリカとしては、デグサ(Degussa)AG社から入手可能なアエロジルRシリーズ(ここで、「R」は、「忌避剤」を意味する)、例えば、アエロジルR805、R812、R972、R974、R976、R976S、R8200、RX200及びRX300;キャボット・コーポレーションから入手可能なCab−o−sil TS−530、TS−610、TS−720;及びワッカー・ケミー有限責任会社(Wacker-chemie GmbH)から入手可能なHDK H2000、H15、H18、H20及びH30、並びに及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、本発明の疎水性変性シリカは、ジメチルシリル化シリカ、シリル化シリカ、ジメチコンシリル化シリカ、及びこれらの混合物から成る群から選択される。あるいは、前記疎水性変性シリカは、シリル化シリカ、ジメチコンシリル化シリカ及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。あるいは、前記疎水性変性シリカは、前記疎水性処理済ヒュームドシリカの約1.5重量%以上の炭素含有量を有する。あるいは、前記疎水性変性シリカは、前記疎水性処理済ヒュームドシリカの約2.0重量%以上の炭素含有量を有する。
【0044】
本発明の組成物は、約1%〜約15%、あるいは約2%〜約10%、あるいは約3%〜約8%の本発明の疎水性変性シリカを含むことができる。
【0045】
II.粒子状物質
本発明の組成物は、約1%〜約50%、あるいは約5%〜約40%、あるいは約10%〜約40%の粒子状物質を含んでよく、これには洗浄剤、剥離剤、皮膚感調整剤、及び光学的調整剤が含まれるが、これらに限定されない。前記粒子状物質は、約0.1ミクロン〜約5,000ミクロン、あるいは約0.25ミクロン〜約1,000ミクロンのサイズで変化してよい。一実施形態では、前記粒子状物質の全て又は一部が、実質的に水によるすすぎ洗いの際に溶解する。別の実施形態では、前記粒子状物質は、酸性構成成分を含む組成物と接触するように置かれると、発泡する。更に他の実施例では、前記粒子状物質が硫酸塩、例えば硫酸マグネシウム、及び/又は塩化物、例えば塩化カルシウムである場合、前記組成物を水ですすいだ時、又は水を含む組成物と接触するように置いた時、熱が発生する場合がある。
【0046】
あるいは、前記粒子状物質は無機塩である。あるいは、前記粒子状物質は、重炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、及びこれらの混合物から成る群から選択される。あるいは、前記粒子状物質は重炭酸塩である。あるいは、前記粒子状物質は重炭酸ナトリウムである。
【0047】
好適な粒子状物質の非限定的実施例は、国際化粧品成分辞典(International Cosmetic Ingredient Dictionary)(米国化粧品工業会、第10版、T.E.ゴットシャルク,(Gottschalck, T.E.)、マクイウーエン,Jr.(McEwen, Jr.)編、2004年、2728頁)に見ることができる。好適な粒子状物質としては、アーモンドミール、酸化アルミニウム、アンズシード粉末、オキシ塩化ビスマス、窒化ホウ素、セルロース及びセルロース誘導体類、粘土、酸化カルシウム、酸化鉄、ホホバシード粉末、ヘチマ、雲母、モモの種粉末、ペカンの殻粉末、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン、ポリメチルスチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリハロゲン化オレフィン類、軽石、コメヌカ、絹雲母、シルク、合成ヘクトライト、二酸化チタン、リン酸三カルシウム、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。更にまた、混合ポリマー類(例えば、コポリマー、ターポリマー等)から作られた粒子も有用であり、これらには、ポリエチレン/ポリプロピレンコポリマー、ポリエチレン/プロピレン/イソブチレンコポリマー、ポリエチレン/スチレンコポリマー、及びこれらの混合物がある。典型的に、前記ポリマー粒子及び混合ポリマー粒子は、例えば不純物を破壊するために酸化プロセスを介して処理される。前記ポリマー粒子及び混合ポリマー粒子はまた、様々な一般的な架橋剤で任意に架橋することもでき、非限定的な例としては、ブタジエン、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミド、スクロースのアリルエーテル類、ペンタエリスリトールのアリルエーテル類、及びこれらの混合物が挙げられる。有用な粒子の他の例としては、パラフィン類、カルナバワックス、オゾケライトワックス(ozekerite wax)、キャンデリラワックス(candellila wax)、及び尿素ホルムアルデヒド樹脂類のようなワックス類及び樹脂類が挙げられる。かかるワックス類及び樹脂類を本明細書で使用する場合、これら材料は、周囲温度及び皮膚温度において固体であることが重要である。
【0048】
本発明で有用な粒子状物質の他の例としては、前述したもの以外に、有色顔料及び無色顔料、干渉顔料、無機粉末及び有機粉末、複合粉末、蛍光増白剤粒子、並びにこれらの混合物が挙げられる。このような微粒子の平均サイズは一般的に、上述した粒子状物質より小さく、例えば約0.1ミクロン〜約100ミクロンの範囲であってよい。これらの微粒子は、例えば小板形、球形、細長い形状若しくは針形、又は不規則形状、表面コーティング有り若しくは無し、多孔質若しくは非多孔質、帯電若しくは非帯電であること、及び本組成物に粉末として又は予め分散させて添加することができる。これらの粒子状物質は、天然及び/又は合成供給源から誘導され得る。
【0049】
好適な有機粉末微粒子物質としては、メチルシルセスキオキサン樹脂微小球、例えばトスパール(Tospearl)(登録商標)145A(東芝シリコーン社)から選択されるポリマー粒子;ポリメチルメタクリレートの微小球、例えばマイクロパール(Micropearl)(登録商標)M100(セピック社);架橋ポリジメチルシロキサンの球状粒子、例えばトレフィル(Trefil)(登録商標)E506C又はトレフィル(Trefil)(登録商標)E505C(ダウ・コーニング・東レ・シリコーン社);ポリアミドの球状(sphericle)粒子、例えばナイロン−12、及びオルガソール(Orgasol)(登録商標)2002D Nat C05(アトケム(Atochem)社);ダイノスフェア(Dynospheres)(登録商標)の名でダイノ・パーティクルズ(Dyno Particles)社から販売されているポリスチレン微小球、フロビーズ(FloBead)(登録商標)EA209(コボ社)の名で販売されているエチレンアクリレートコポリマー;デンプンオクテニルコハク酸アルミニウム、例えばドライフロー(Dry Flo)(登録商標)(ナショナルスターチ);ポリエチレン微小球、例えばマイクロセン(Microthene)(登録商標)FN510−00(イクイスター(Equistar)社)、シリコーン樹脂、ポリメチルシルセスキオキサンシリコーンポリマー、L−ラウロイルリジンから製造される血小板形状粉末、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
また、本明細書では、干渉顔料も有用である。ここで、「干渉顔料」とは、厚みを制御された2つ以上の層を有する薄い、板状の層状粒子を意味する。各層は、異なる屈折率を有し、板状粒子の異なる層からの典型的には2つ、しばしばそれ以上の光反射の干渉によって、特有の反射色を生じる。干渉顔料の最も一般的な例は、TiO2、Fe23、シリカ、酸化スズ、及び/又はCr23の約50〜300nmの膜で層状になった雲母である。そのような顔料は、多くの場合真珠箔である。真珠光沢顔料は、顔料粒子が透明であり、雲母の小板状体と、例えば二酸化チタンコーティングとの屈折率の差が大きいので、光を反射し、屈折し、伝達する。干渉顔料は、多種多様な供給元、例えば、ロナ(Rona)(ティミロン(Timiron)(商標)及びディクロナ(Dichrona)(商標))、プレスパース(Presperse)(フローナック(Flonac)(商標))、エンゲルハード(Englehard)(デュオクローム(Duochrome)(商標))、コボ(Kobo)(SK−45−R及びSK−45−G)、BASF(シコパールズ(Sicopearls))、並びにエッカート(Eckart)から市販されている。一実施形態では、干渉顔料の個々の粒子の最も長い側面の平均直径は、約75ミクロン未満、あるいは約50ミクロン未満である。
【0051】
本発明で有用な他の顔料は、主に、可視光線の特定波長の選択的吸収によって色を提供できるが、無機顔料、有機顔料、及びこれらの混合物がそれに含まれる。このような有用な無機顔料の例としては、酸化鉄、フェロシアン化第二鉄アンモニウム、マンガンバイオレット、群青、及び酸化クロムが挙げられる。有機顔料には、天然着色剤、及び合成のモノマー及びポリマー着色剤を含めることができる。一例が、フタロシアニン青色及び緑色顔料である。やはり有用であるのが、レーキ、主要なFD&C又はD&Cレーキ、及びこれらの混合である。更に有用であるのが、カプセル化された可溶性又は不溶性染料及び他の着色剤である。本発明で有用な無機の白色又は着色されていない顔料、例えばTiO2、ZnO、又はZrO2は、多くの供給元、例えば、TRONOX TiO2シリーズ、SAT−T CR837、ルチルTiO2(USコスメティックス社)から市販されている。二酸化チタンの電荷分散(米国特許第5,997,887号(ハア(Ha)らに発行)にて開示)もまた好適である。
【0052】
本発明の顔料及び/又は粉末は、色の安定性を高め且つ/又は配合を容易にするために、表面処理してもよい。好適なコーティング物質の非限定例としては、シリコーン、レシチン、アミノ酸、金属石鹸、ポリエチレン、コラーゲン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0053】
III.キャリア
本発明の組成物は、当該組成物の約35重量%〜約98重量%、あるいは約50重量%〜約93重量%、あるいは約52重量%〜約87重量%のキャリアを含む。前記キャリアは、当該キャリアの約10重量%以下、あるいは約5重量%以下、あるいは約2重量%以下の水を含んでよい。あるいは、前記キャリアは実質的に無水でもよい。
【0054】
1.水溶性ポリオール
前記キャリアは、当該キャリアの約70重量%以上の1つ以上の水溶性ポリオール類を含む。あるいは、前記キャリアは、約80%以上、あるいは約90%以上の1つ以上の水溶性ポリオール類を含んでよい。ここで、「水溶性ポリオール」とは、ポリオールの異性体類、塩類及び誘導体類を含むと考えられている。本明細書に用いるのに好適なポリオール類としては、約11〜約17の全体的な溶解度パラメータを有する任意の天然及び合成ポリオールが挙げられる。
【0055】
本明細書に記載されるポリオール類に関する溶解度パラメータは、化学の分野の当業者には既知の方法によって決定され、及び(cal/cm31/2の単位で表され、ここで、「cal」はカロリーを意味し、「cm3」は立方センチメートルを意味する。溶解度パラメータは、C.D.ボーガン(C. D. Vaughan)によって「溶解度パラメータ:それは何か?(The Solubility Parameter:What is it?)」、化粧品及びトイレタリー(Cosmetics & Toiletries)、第106巻、1991年11月、69〜72頁、及びまたC.D.ボーガンによって「化粧品配合における溶解度パラメータの使用(Using Solubility Parameters in Cosmetics Formulation)」、36化粧品化学者協会誌(36 J. Soc. Cosmetic Chemists)、319〜333、1988年9月/10月に広範に論じられている。
【0056】
好適なポリオール類及びポリオール誘導体類の例としては、グリセロール、ジグリセロール、トリグリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、エリスリトール、1,2,6−ヘキサントリオール、ポリエチレングリコール類、例えば、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、PEG−9、PEG−10、PEG−11、PEG−12、PEG−14、PEG−16、PEG−18、PEG−20、PEG−32、PEG−40、PEG−55、PEG−60、PEG−75、PEG−90、PEG−100;糖類及び糖誘導体類、例えば、フルクトース、グルコース、マルトース、マルチトール、マンニトール、イノシトール、ソルビトール、ソルビチルシランジオール、スクロース、トレハロース、キシロース、キシリトール、グルクロン酸、ソルビトール、エトキシル化ソルビトール、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
あるいは、前記水溶性ポリオールは、グリセロール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。あるいは、前記水溶性ポリオールはポリエチレングリコールである。あるいは、前記水溶性ポリオールは、PEG−4、PEG−5、PEG−6、PEG−7、PEG−8、PEG−9、PEG−10、PEG−11、PEG−12、及びこれらの混合物から成る群から選択されるポリエチレングリコールである。
【0058】
2.任意成分
本発明の組成物は、下記の任意成分のうちの1つ以上を含んでよい。
a.界面活性剤
本発明の組成物は、水によるすすぎ洗いの際に及び/又は第2の及び/又は追加の組成物を適用する際に、泡を発生させるのに有用な、1つ以上の界面活性剤を含んでよい。これらの界面活性剤類又は界面活性剤類の組み合わせはマイルドであるべきであり、マイルドとは、これらの界面活性剤が十分なクレンジング又は洗浄効果を与えるが皮膚を過度に乾燥させないということを意味する。本明細書で有用な界面活性剤類としては、アニオン性界面性剤類、両性界面活性剤類、双性イオン性界面活性剤類、カチオン性界面活性剤類、非イオン性界面活性剤類、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものが挙げられる。一つの実施形態において、前記界面活性剤は、非イオン性界面活性剤である。このような界面活性剤類の例は、米国特許第5,624,666号(コッフィンダッファー(Coffindaffer)らに発行)に見出される。これらの界面活性剤の濃度は、前記キャリアの約0.1重量%〜約20重量%、あるいは約0.5重量%〜約15重量%、あるいは約1重量%〜約10重量%である。
【0059】
b.高分子増粘剤
本発明の組成物は、前記キャリアの約0.1重量%〜約5重量%、あるいは約0.1重量%〜約4重量%、あるいは約0.25重量%〜約3重量%の1つ以上の高分子増粘剤(高分子増粘剤及びゲル化剤を含む)を含んでよい。増粘剤類の非限定的な部類としては、架橋ポリアクリレートポリマー類、ポリアクリルアミドポリマー類、多糖類及びガム類が挙げられる。一実施形態では、前記高分子増粘剤はセルロース誘導体である。
【0060】
c.基材
本発明の組成物は、皮膚に直接適用することができる。それに加えて、又は別法として、前記組成物は基材物質を含む好適なアプリケータを使用して適用することができる。一実施形態では、前記組成物は前記基材が前記組成物を放出可能に保持するように前記基材に適用される。一実施形態では、前記組成物は梱包に先だって、混ぜ合わされ又は前記基材上へ付着させられる。前記組成物と混ぜ合わされた前記基材は、比較的乾燥した状態で包装され、そして使用の前に濡らされてもよく、又は既に濡らされた状態で包装されてもよい。
【0061】
好適な基材としては、不織布類、フィルム類、発泡体類、スポンジ類、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、拭き取り基材は、基材の孔内に組成物を保持することができる多孔質材料を含む。一実施形態では、前記基材は不織布である。
【0062】
拭き取り基材をクレンジング又は処理組成物と組み合わせるための、及びそれらを包装するための技術は、当該技術分野において周知であり、また本発明に応用できる。一般に、基材は、コーティング、浸漬(immersing)、ディッピング(dipping)、噴霧、押出し成形を包含する1以上の技術によって組成物と組み合わされる。一般に、前記基材は、効果的な皮膚への適用を提供するのに十分な量の組成物と組み合わされる。一実施形態では、製品は基材と基材1グラム当たり約0.1グラムのローション〜基材1グラム当たり約10グラムのローションの量で組み合わされてもよい。
【0063】
d.スキンケア活性物質
本発明の組成物は、哺乳類の皮膚及び他のケラチン性組織の状態を調節及び/又は改善するのに有用な少なくとも1つの追加のスキンケア用活性物質を含んでよい。好適なスキンケア活性物質の部類としては、ビタミン、ペプチド及びペプチド誘導体、糖アミン、日焼け止め剤、油調整剤、フラボノイド化合物、育毛調節剤、酸化防止剤及び/又は防腐剤、フィトステロール、プロテアーゼ阻害剤、チロシナーゼ阻害剤、抗炎症剤、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。しかしながら、多くのスキンケア活性物質が2以上の利益をもたらすことがあること、又は2以上の作用様式によって機能し得ることに留意すべきである。従って、本明細書の分類は便宜上実施されるものであって、活性物質を、列挙した特定の用途又は用途類に制限しようとするものではない。
【0064】
i.ビタミン類
本発明の組成物は、例えば酸化防止剤及び/又は他の栄養上の利益をケラチン性組織に提供するために、1つ以上のビタミンを含んでよい。ここで、「ビタミン」とは、ビタミン類、プロビタミン類、及びそれらの塩類、異性体類及び誘導体類を意味する。前記ビタミン類は、水溶性ビタミン類、例えばビタミンB化合物類(ナイアシンアミド、ニコチン酸、C1〜C18ニコチン酸エステル類、及びニコチニルアルコール;B6化合物類、例えばピロキシジン;並びにB5化合物類、例えばパンテノール、又は「プロ−B5」を含む。)及びビタミンC化合物類(脂肪酸類のアスコルビン酸エステル類を含む)、及びアスコルビン酸誘導体類、例えばアスコルビルグルコシド、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸リン酸ナトリウム、及びアスコルビルソルベート;並びにこれらの混合物を含んでよい。前記ビタミン類はまた、水中で限定された溶解度を示すようなもの、例えば、ビタミンA化合物、並びにビタミンAの全ての天然及び/又は合成類似化合物(レチノイド、カロテノイド、及びビタミンAの生物活性を有する他の化合物を含む);ビタミンD化合物;ビタミンE化合物、又はトコフェロール(トコフェロールソルベート、酢酸トコフェロール、トコフェロールの他のエステル類を含む);ビタミンK化合物;並びにこれらの混合物を含んでよい。一実施形態では、本発明の組成物は、約0.0001%〜約10%、あるいは約0.001%〜約8%、あるいは約0.01%〜約5%、あるいは約0.1%〜約1%のビタミンを含んでもよい。
【0065】
ii.ペプチド及びペプチド誘導体
本発明の組成物は、例えばケラチン性組織の修復の援助、剥離の援助、及び他の利益をケラチン性組織に送達するために、1つ以上のペプチド類を含んでよい。ここで、「ペプチド」は、10個以下のアミノ酸を含有するペプチド、その誘導体、異性体、及び金属イオン(例えば、銅、亜鉛、マンガン、マグネシウム)のような他の種との錯体を指す。本明細書で使用するとき、ペプチドは、天然に生ずるペプチド類及び合成ペプチド類の両方を指す。一実施形態では、前記ペプチド類は、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−、及びヘキサ−ペプチド類、それらの塩類、異性体類、誘導体類、及びこれらの混合物である。有用なペプチド誘導体類の例としては、大豆タンパク質から誘導されるペプチド類(パルミトイル−リジン−トレオニン(pal−KT)及びパルミトイル−リジン−トレオニン−トレオニン−リジン−セリン(pal−KTTKS、マトリキシル(MATRIXYL)(登録商標)して知られている組成物として入手可能)、パルミトイル−グリシン−グルタミン−プロリン−アルギニン(pal−GQPR、リジン(RIGIN)(登録商標)として知られている組成物として入手可能)(これら3つはセデルマ(Sederma)(フランス)から入手可能)、及びCu−ヒスチジン−グリシン−グリシン(Cu−HGG、イマミン(IAMIN)(登録商標)としても知られている)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0066】
前記組成物は、約1x10-7%〜約20%、あるいは約1x10-6%〜約10%、あるいは約1x10-5%〜約5%の前記ペプチドを含んでよい。
【0067】
iii.糖アミン
本発明の組成物は、糖アミン(アミノ糖としても知られる)、及びそれらの塩、異性体類、互変異性体類並びに誘導体類を含んでよい。糖アミンは、合成又は天然由来であることができ、純粋化合物又は化合物の混合物(例えば、自然源からの抽出物又は合成物質の混合物)として用いることができる。例えば、グルコサミンは、一般に多くの甲殻類に見られ、真菌源からも誘導することができる。本発明で有用な糖アミン化合物としては、例えばN−アセチル−D−グルコサミン、並びにPCT国際公開特許WO02/076423及び米国特許第6,159,485号(ユー(Yu)らに発行)に記載されているようなものが更に挙げられる。一実施形態では、前記組成物は約0.01%〜約15%、あるいは約0.1%〜約10%、あるいは約0.5%〜約5%の糖アミンを含む。
【0068】
iv.日焼け止め剤
本発明の組成物は、1つ以上の日焼け止め用活性物質(又は日焼け止め剤)及び/又は紫外線吸収剤を含んでよく、且つ有機又は無機のものであってよい。好適な日焼け止め用活性物質及び紫外線吸収剤の例は、国際化粧品成分辞典(International Cosmetic Ingredient Dictionary)(米国化粧品工業会、第10版、T.E.ゴットシャルク,(Gottschalck, T.E.)、マクイウーエン,Jr.(McEwen, Jr.)編、2004年、2267頁及び2292〜93頁)に開示されている。特に好適な日焼け止め用活性物質は、2−エチルヘキシル−p−メトキシケイ皮酸(PARSOL(登録商標)MCXとして市販)、4,4’−t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン(PARSOL(登録商標)1789として市販)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチル−p−アミノ安息香酸、ジガロイルトリオレエート、2,2−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、エチル−4−(ビス(ヒドロキシプロピル)アミノ安息香酸塩、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、サリチル酸2−エチルヘキシル、グリセリル−p−アミノ安息香酸塩、3,3,5−トリ−メチルシクロヘキシルサリチル酸エステル、アントラニル酸メチル、p−ジメチル−アミノ安息香酸又はアミノ安息香酸塩、2−エチルヘキシル−p−ジメチルアミノ安息香酸塩、2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸、2−(p−ジメチルアミノフェニル)−5−スルホンベンゾオキサゾイン酸、オクトクリレン、酸化亜鉛、ベンジリデンカンファー及びこれらの誘導体類、二酸化チタン、及びこれらの混合物である。
【0069】
一実施形態では、前記組成物は当該組成物の約1重量%〜約30重量%、あるいは約2重量%〜約20重量%の日焼け止め用活性物質及び/又は紫外線吸収剤を含んでよい。正確な量は、選択した日焼け止め用活性物質及び/又は紫外線吸収剤並びに所望の太陽光線保護指数(SPF)に応じて変化し、且つ当業者の知識と判断の範囲内である。
【0070】
v.油調整剤
本発明の組成物は、皮膚の油、又は皮脂の生成を調節するのに有用な、且つ油性肌の外観を改善するのに有用な1以上の化合物を含んでよい。好適な油調整剤の例としては、サリチル酸、デヒドロ酢酸、過酸化ベンゾイル、ビタミンB3化合物(例えば、ナイアシンアミド)、それらの異性体類、エステル類、塩類並びに誘導体類、及びこれらの混合物が挙げられる。前記組成物は、約0.0001%〜約15%、あるいは約0.01%〜約10%、あるいは約0.1%〜約5%、あるいは約0.1%〜約2%の油調整剤を含んでもよい。
【0071】
vi.フラボノイド
本発明の組成物は、例えば抗酸化の利益を提供するために、フラボノイドを含んでよい。フラボノイドは、合成物質であってもよく又は自然源からの抽出物として得ることもでき、更に誘導体化されてもよい。好適なフラボノイドの部類の例は、米国特許第6,235,773号(ビセット(Bissett)に発行)に開示されており、非置換フラバノン、メトキシフラバノン、非置換カルコン、2’,4−ジヒドロキシカルコン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、前記フラボノイドは非置換フラバノン、非置換カルコン(特に、トランス異性体)、それらのグルコシル誘導体類、及びこれらの混合物である。好適なフラボノイドの他の例としては、フラバノン例えばヘスペリジン及びグルコシルヘスペリジン、イソフラボン例えば大豆イソフラボン(ゲニステイン、ダイゼイン、及びエクオル、それらのグルコシル誘導体類、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定するものではない)が挙げられる。
【0072】
本発明の組成物は、約0.01%〜約20%、あるいは約0.1%〜約10%、あるいは約0.1%〜約5%のフラボノイドを含むことができる。
【0073】
vii.育毛調節剤
本発明の組成物は、育毛調節のために有用な化合物を含んでよい。好適な育毛調節剤としては、ヘキサミジン、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ヘキサンジオール、パンテノール及びパントテン酸誘導体類、それらの異性体類、塩類並びに誘導体類及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組成物は、約0.0001%〜約20%、あるいは約0.001%〜約10%、あるいは約0.01%〜約5%、あるいは約0.1%〜約2%の育毛調節剤を含んでもよい。
【0074】
Viii.他のスキンケア活性物質
本発明の組成物は、更に非ビタミン酸化防止剤、防腐剤、フィトステロール及び/又は植物ホルモン、プロテアーゼ阻害剤、チロシナーゼ阻害剤、抗炎症剤及びN−アシルアミノ酸化合物を含んでよい。
【0075】
好適な非ビタミン酸化防止剤としては、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)、L−エルゴチオネイン(チオテイン(THIOTANE)(登録商標)として入手可能);テトラヒドロクルクミン、セチルピリジニウムクロライド、カルノシン、ジエチルヘキシルシリニリデンマロネート(オキシネックス(OXYNEX)(登録商標)として入手可能)、ユビキノン(コエンザイムQ10)、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0076】
植物ステロール及び/又は植物ホルモンの好適例としては、シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、ブラジカステロール、カイネチン、ゼアチン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0077】
好適なプロテアーゼ阻害剤としては、ヘキサミジン、バニリンアセテート、メンチルアントラニレート、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0078】
好適なチロシナーゼ阻害剤としては、シナブランカ(からしの種子の抽出物)、テトラヒドロクルクミン、セチルピリジニウムクロライド、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0079】
好適な抗炎症剤としては、グリシルリジン酸(グリシルリジン、グリシルリジニン(glycyrrhixinicacid)酸、及びグリシルレチン酸グリコシドとしても知られる)、グリシルレチン酸、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0080】
好適なN−アシルアミノ酸化合物としては、N−アシルフェニルアラニン、N−アシルチロシン、それらの異性体類(それらのD及びL異性体類を含む)、塩類、誘導体類、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適なN−アシルアミノ酸の一例は、N−ウンデシレノイル−L−フェニルアラニンは、商標名セピホワイト(SEPIWHITE)(登録商標)にて、セピック社(フランス)から市販されている。
【0081】
他の有用なスキンケア活性物質としては、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、その類似物質及び誘導体類;α−及びβ−ヒドロキシ酸(グリコール酸及びオクタノイルサリチラートを含む)、アルブチン、ジメチルアミノエタノール(DMAE)、コウジ酸、ジヒドロキシアセトン(DHA)、大豆タンパク質及びペプチド(例えば、プロテアーゼ阻害剤例えば、大豆トリプシン阻害剤、及びボーマン・バーク阻害剤)、アルブチン、それらの異性体類、塩類、並びに誘導体類及びこれらの混合物が挙げられる。
【0082】
e.他の任意成分
本発明の組成物は、本発明の利益を受け入れ難いほど変更しなければ、多種多様の追加成分を含有することができる。組成物中に組み込まれる場合、これら成分は、正常な判断の範囲内で、過度の毒性、不適応性、不安定性、アレルギー反応などを伴わず、哺乳類のケラチン組織に接触させて用いるのに好適でなければならない。好適な部類の例としては、吸収剤(absorbants)、審美的構成成分例えば、芳香剤、顔料類、抗微生物剤、着色剤、スキン・コンディショナー、皮膚軟化剤、皮膚知覚物質、緩衝剤、充填剤、キレート剤、染色剤、乳白剤、pH調整剤、防腐剤、噴射剤、皮膚漂白及び増白剤、皮膚安定剤、皮膚鎮静及び/又はヒーリング剤並びに誘導体類、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。しかしながら、多くの物質は2つ以上の利益をもたらすことがあること、又は2つ以上の作用様式によって機能し得ることに留意すべきである。従って、本明細書の分類は便宜上実施されるものであって、活性物質を、列挙した特定の用途又は用途類に制限しようとするものではない。
【0083】
IV.方法
本発明は、疎水性変性シリカ、粒子状物質及び皮膚科学的に許容可能なキャリアを含む第1の組成物を局所に適用する工程を含む、哺乳類ケラチン性組織の状態の調節及び/又は改善方法を提供する。あるいは、前記方法は、皮膚科学的に許容可能な酸性化合物を含む第2の組成物を適用する工程を含んでよい。あるいは、前記方法は、本明細書で記載する少なくとも1つの追加の組成物を適用する工程を含んでよい。
【0084】
本発明の第2及び追加の組成物は、様々な最終形態をとってよく、その非限定例としては、ローテーション、クリーム、ペースト、乳液、液体、ジェル、固形、スプレー、ムース、アイジェリーが挙げられる。一実施形態では、前記第2及び追加の組成物は、顔、首及び体の他の露出部への適用に適した液体又はクリームの形態である。前記第2及び追加の組成物はまた、放出可能に基材に適用されてもよく、且つ送達増進器具と組み合わせて使用してもよく、その非限定的実施例としては、道具、スプレー・アプリケーター、ブラシ、自動スクラブ装置、超音波装置、及びこれらの組み合わせが挙げられる。一実施形態では、該第2の及び/又は追加の組成物は、スプレー・アプリケーターにて適用される。
【0085】
A.第2の組成物
本発明の方法が、皮膚科学的に許容可能な酸性化合物を含む第2の組成物の適用から成る場合、前記第2の組成物は前記第1の組成物と接触するように又は混じり合うように適用される。前記第2の組成物は、本明細書中に記載する成分又はスキンケア活性物質のいずれかを更に含んでよい。前記第2の組成物が、重炭酸塩を含む第1の組成物に適用された場合、発泡性が現れることがある。前記第2の組成物は、約1〜約6、あるいは約2〜約5、あるいは約2.5〜約4.5のpHを有してもよい。
【0086】
好適な皮膚科学的に許容可能な酸性化合物としては、α−及びβ−ヒドロキシ酸、それらの塩類、異性体類並びに誘導体類及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。α−及びβ−ヒドロキシ酸の非限定例としては、α−ヒドロキシ酪酸、α−ヒドロキシイソ酪酸、α−ヒドロキシイソカプロン酸、α−ヒドロキシイソ吉草酸、アトロラクチン酸、β−ヒドロキシ酪酸、β−フェニル乳酸、β−フェニルピルビン酸、クエン酸、ピルビン酸エチル、ガラクツロン酸、グルコヘプトン酸、グルコヘプトノ1,4−ラクトン(glucoheptono 1,4-lactone)、グルコン酸、グルコノラクトングルクロン酸、グルクロノラクトン、グリコール酸、ピルビン酸イソプロピル、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、ピルビン酸メチル、ムチン酸、ピルビン酸、サッカリン酸、糖酸1,4−ラクトン、サリチル酸、酒石酸タルトロン酸、及びこれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、前記酸性化合物は乳酸である。
【0087】
前記第2の組成物は、約0.1%〜約25%、あるいは約1%〜約20%、あるいは約2%〜約15%の酸性化合物を含んでよい。
【0088】
B.追加の組成物
本発明の方法は、1つ以上の追加の組成物をケラチン性組織へ適用することを含んでよい。前記追加の組成物は、本明細書中に記載する成分又はスキンケア活性物質のいずれかを含んでよい。
【0089】
C.エマルション
本発明の第2及び追加の組成物は、エマルションの形態であってよく、その非限定例としては、水中油型、油中水型、水中シリコーン型、油中シリコーン型、及びこれらの混合物が挙げられる。エマルションは、保湿剤、例えばグリセリンを含有してもよい。エマルション類は、更に乳化剤を含んでよい。乳化剤類は、非イオン性、アニオン性、又はカチオン性であってよい。好適な乳化剤類の非限定例は、米国特許第3,755,560号(ディッカート(Dickert)らに発行)、米国特許第4,421,769号(ディクソン(Dixon)らに発行)、及び「マカッチャンの洗剤及び乳化剤(McCutcheon's Detergents and Emulsifiers)」(北アメリカ版、317〜324頁、1986年)に開示されている。好適なエマルション類は、所望の製品形態に応じて、幅広い粘度を有してもよい。
【0090】
D.組成物の適用
任意の組成物の適用は、指又は手で、器具を使用することによって、又は他の送達増進器具によって、及びこれらの組み合わせを含む種々の手段を介して行うことができる。器具の非限定的実施例としては、パッド、綿ボール、アプリケーター・ペン、スプレー・アプリケーター、基材及びパッチが挙げられる。
【0091】
広範囲の多数の本発明の組成物のいずれかを、皮膚の状態を改善するために用いることができる。皮膚のcm2当たりに適用される本発明の組成物の量は、典型的に、約0.1mg/cm2〜約20mg/cm2である。あるいは、好適な適用量は、約0.5mg/cm2〜約10mg/cm2である。前記組成物は、顔、目の下の部分、まぶた、頭皮、首、胴体、腕、脇の下、手、脚、足、まつげ、まゆげ、及びこれらの組み合わせを含むケラチン性組織の外側部分の任意の一部に適用してよい。あるいは、前記組成物は、顔及び/又は首に送達される。
【0092】
E.適用レジメン
本発明の組成物は、第2の組成物及び/又は少なくとも1つの追加の組成物と組み合わせてケラチン性組織へ適用してよい。複数の組成物に関する適用レジメンの一部の場合、疎水性変性シリカ、粒子状物質及び皮膚科学的に許容可能なキャリアを含む組成物は、「第1の組成物」と呼ばれることがある。「第2」なる用語は、時間的な観点を暗示しようとするものではない。該第2の及び/又は任意の追加の組成物は、前記第1の組成物の適用に先だって及び/又はその後に適用してよい。
【0093】
適用後、第1、第2及び/又は追加の組成物は、除去される前に皮膚上に一定期間残存させてもよい。前記期間は、いささかの過度の副作用を生じることなく、所望の利益を得るのに十分なものである。一実施形態では、前記組成物(類)は皮膚上に一晩、あるいは30分間、あるいは5分間、あるいは1分残存させても良い。一実施形態では、前記第1の組成物は指先及び/又は道具を用いて、皮膚上に優しく擦り付けてもよい。
【0094】
あらゆる組成物の除去は、種々の手段、例えばすすぎ洗い及び/又はふき取りを介して行われる。一実施形態では、前記組成物(類)は皮膚から水ですすぎ落とされる。
【0095】
一実施形態では、前記第1の組成物を皮膚領域に適用し、皮膚上に例えば30分間残存させてよい。前記組成物を、皮膚に指、道具、又は送達増進器具で優しく揉み込んで、例えば剥離効果を促進させてもよい。次に、前記組成物を水及び/又は水を含む組成物にて顔からすすぎ落としてよい。前記組成物が実質的に無水の場合、水を当該組成物に適用した時に、温感覚が生じることがある。あるいは、前記組成物が硫酸塩及び/又は塩化物例えば、硫酸マグネシウム及び/又は塩化カルシウムを含む場合、すすぎ洗い時に温感覚が生じることがある。
【0096】
更に他の実施例では、前記第1の組成物が上記のように適用されてもよく、及び好適な長さの時間だけ皮膚上に残存させてもよい。次に、酸性化合物を含有する前記第2の組成物を顔に適用し、且つ例えば1分間、皮膚上に残存させてもよい。前記組成物は、水及び/又は水を含む組成物にて顔からすすぎ落とす。前記第1の組成物が、重炭酸塩を含有する場合、泡沸性が現れることがある。
【0097】
更に他の実施例では、前記第1及び第2の組成物は上述のように適用されてもよい。すすぎ洗い後、例えば、皮膚に潤いを与え且つ保護するために、追加の組成物を適用してよい。前記追加の組成物は、皮膚上に残しておいてよい。
【0098】
更に他の実施例では、前記第1の組成物を適用するに先だって、例えば皮膚を洗浄し及び/又は調子を整えるために、追加の組成物を皮膚に適用してよい。洗浄/トーニング組成物を皮膚からすすぎ落としてもよく、及び第1、第2及び/又は追加の組成物を上記のとおり皮膚に適用してよい。
【0099】
V.キット
本発明は更に、本明細書で記載する第1の組成物及び第2の組成物を含むキットを含んでよい。前記キットは、更に前記組成物(類)を適用するための取扱説明書、好適な適用レジメンに適合する取扱説明書、道具、基材、送達増進器具、栄養補助食品、及びこれらの組み合わせを含んでよい。前記キットは、外側パッケージング単位(それは、順に1以上のより小さい、内側パッケージング単位を含んでよい)を含んでよい。前記内側パッケージング単位は、キットの個々の構成成分を1つ以上含んでよい。前記内側及び外側パッケージング単位は、含有する、提供する及び/又はキットの内容物を損傷から無理なく保護するのに適した任意の型式であってよい。前記内側パッケージング単位は各々、単一適用レジメンに用いるのに好適な多量の組成物を含有してもよい。一例において、前記個々のパッケージング単位は、10mL、あるいは5mL、あるいは2mL、あるいは1mLの本明細書中に記載する組成物を含有する。
【実施例】
【0100】
【表1】

1ナショナルスターチ社(米国、ニュージャージー州、ブリッジウォーター)から供給されているデンプンオクテニルコハク酸アルミニウム粉末
2イクイスター・ケミカルズ社(Equistar Chemicals)(米国、テキサス州、ヒューストン)により供給されているポリエチレン粉末
3コボ・プロダクツ社(Kobo Products, Inc)(米国、ニュージャージー州、サウス・プレーンフィールド)から供給されるグリセリン及びポリアクリレートを同様に含有する顔料等級二酸化チタン(75%)水性分散液
【0101】
上記組成物は、好適な容器内の全成分を混ぜ合わせ、次に当該組成物が既知の混合方法によって均一になるまで当該組成物を混合することにより調製する。
【0102】
【表2】

1ハネウェル・スペシャルティ・ケミカルズ社(Honeywell Specialty Chemicals)(米国、ニュージャージー州、モリスタウン)から供給されている酸化ポリエチレン粉末
2エッカート社(Eckart)(米国、ケンタッキー州、ルーイビル)から供給されている二酸化チタン及び酸化スズ被覆雲母
3C.I.T.サール社(C.I.T. Sarl)(フランス)から供給されているナイロン−12粒子
【0103】
上記組成物VI〜IXは、好適な容器内の全成分を混ぜ合わせ、次に当該組成物が既知の混合方法によって均一になるまで当該組成物を混合することにより調製する。組成物Xは、好適な容器内の全成分を混ぜ合わせ、約75℃まで混合しながら加熱し、次に混合しながら約40℃まで冷却して、次に適切な容器に注ぐことによりを調整した。
【0104】
実施例XI
上記組成物実施例Iを皮膚に適用し、約1分間皮膚に揉み込み、続いて水酸化ナトリウムを使用することにより約3.8に調整したpHの乳酸を含む第2の水溶液を適用する。前記第2の溶液を適用する際に、熱が発生し、且つ泡が生じる。前記乳酸溶液を皮膚に約1分間揉み込んだ後、両組成物を水にて皮膚からすすぎ落とす。
【0105】
実施例XII
上記組成物実施例IIIを皮膚に適用して、約1分間皮膚に揉み込み、続いて実施例1(米国特許第5,997,887号より)のような水中油型エマルションベースの老化防止クリームを適用する。前記エマルションを適用する際に、熱が発生する。両組成物は、水で皮膚からすすぎ落とす。
【0106】
実施例XIII
上記組成物実施例VIIIを皮膚に適用して、約1分間皮膚に揉み込み、続いて実施例1(米国特許第2002/0022040号より)のようなシリコーン中水型エマルションベースの老化防止製品を適用する。両組成物は、水で皮膚からすすぎ落とす。
【0107】
実施例XIV
上記組成物実施例VIIを皮膚に適用して、約1分間皮膚に揉み込み、続いて実施例1(米国特許第5,759,524号より)のような水中油型エマルションベースの日焼け止め剤を適用する。両組成物は、後ほど水で皮膚からすすぎ落とす。
【0108】
実施例XV
上記組成物実施例IIIを毛髪に適用して、約1分間毛髪及び頭皮に揉み込む。前記組成物を毛髪から水ですすぎ落とすと、熱が生じる。次に、コンディショニング化合物を適用し、引き続いて毛髪からすすぎ落とす。
【0109】
「発明を実施するための最良の形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈すべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲については、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義を適用するものとする。
【0110】
本発明の特定の実施形態を例示し、記載してきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)組成物の好ましくは1重量%〜15重量%の量の疎水性変性シリカと、
(b)好ましくは水溶性、且つ好ましくは組成物の1重量%〜50重量%の量の粒子状物質と、
(c)組成物の好ましくは35重量%〜98重量%の量の皮膚科学的に許容可能なキャリアと、
を含むパーソナルケア組成物であって、
前記キャリアは、前記キャリアの70重量%以上の1以上の水溶性ポリオール類を含み、前記水溶性ポリオールは11〜17の溶解度パラメータを有するパーソナルケア組成物。
【請求項2】
前記粒子状物質が無機塩であり、好ましくは重炭酸塩類、硫酸塩類、塩化物類、及びこれらの混合物から選択され、より好ましくは重炭酸ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、及びこれらの混合物から選択され、更により好ましくは重炭酸ナトリウムである請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項3】
前記疎水性変性シリカが、ジメチルシリル化シリカ、シリル化シリカ、ジメチコンシリル化シリカ、及びこれらの混合物から選択され、より好ましくはシリル化シリカ、ジメチコンシリル化シリカ、及びこれらの混合物から選択される、請求項1又は2に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項4】
前記水溶性ポリオールが、グリセロール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール類、及びこれらの混合物から選択され、より好ましくは前記水溶性ポリオールが、1つ以上のポリエチレングリコール類である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項5】
前記皮膚科学的に許容可能なキャリアが、10%以下の水を含み、より好ましくは前記皮膚科学的に許容可能なキャリアが、実質的に無水である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項6】
前記組成物が、1つ以上のスキンケア活性物質を更に含み、好ましくはナイアシンアミド、ビタミンE、ビタミンC、ペプチド類、N−アセチル−D−グルコサミン、並びにこれらの誘導体類及びこれらの混合物から選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項7】
前記組成物が、放出可能に基材に適用される、請求項1〜6のいずれか1項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項8】
哺乳類ケラチン性組織の状態の非治療的調節方法であって、第1の組成物をケラチン性組織に適用する工程を含み、
前記第1の組成物が、
(a)疎水性変性シリカと、
(b)粒子状物質と、
(c)皮膚科学的に許容可能なキャリアであって、前記キャリアは、前記キャリアの70重量%以上の1以上の水溶性ポリオール類を含み、前記水溶性ポリオールは11〜17の溶解度パラメータを有するキャリアと、
を含む方法。
【請求項9】
前記キャリアが実質的に無水である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
水を前記ケラチン性組織に適用し、その結果発熱する工程を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第2の組成物を前記第1の組成物と接触させて適用する工程を更に含み、前記第2の組成物が、皮膚科学的に許容可能な酸性化合物を含み、前記酸性化合物が好ましくは、ヒドロキシ酸、より好ましくは乳酸である、請求項8、9、又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の組成物が、少なくとも1つのスキンケア用活性物質を更に含み、好ましくはナイアシンアミド、ビタミンE、ビタミンC、ペプチド類、N−アセチル−D−グルコサミン、並びにこれらの誘導体類及びこれらの混合物から選択される、請求項8、9、10、又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の組成物の適用が泡沸性をもたらす、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
1つ以上の追加のスキンケア組成物をケラチン性組織に適用する工程を更に含む、請求項9、10、11、12、又は13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
安定した第1の組成物及び第2の組成物を含むキットであって、前記第1の組成物は、請求項1〜7のいずれか1項に記載のものであり、前記第2の組成物は、皮膚科学的に許容可能な酸性化合物を含み、前記酸性化合物は好ましくは、乳酸である、キット。
【請求項16】
少なくとも1つの追加のスキンケア組成物を更に含む、請求項15に記載のキット。
【請求項17】
少なくとも1つの栄養補助食品を更に含む、請求項15又は16のいずれか1項に記載のキット。
【請求項18】
送達増進器具を更に含む、請求項15、16又は17のいずれか1項に記載のキット。
【請求項19】
基材を更に含む、請求項15、16、17、又は18のいずれか1項に記載のキット。

【公表番号】特表2008−540411(P2008−540411A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−510063(P2008−510063)
【出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/016009
【国際公開番号】WO2006/118939
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】