説明

パーソナルケア組成物

【課題】分与される際に安定な泡を供給し、皮膚に適用される際に良好な感触をもたらす、ムース組成物を提供する。
【解決手段】約5%〜約75%の油相と、水相と、約0.1%〜約2%の高分子増粘剤と、スキンケア活性物質とを含むパーソナルケア組成物であって、該組成物が少なくとも2つの分離相を含み、攪拌され、好適な噴射剤を収容する容器から分与された後、安定な泡を形成する、パーソナルケア組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳類の角質組織の状態を調節するために有用な組成物、及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
効果的でありかつ良好な外観及び感触を有するパーソナルケア組成物の提供に対する要求が継続して存在する。発泡性ムース組成物は、皮膚上に容易に適用し、広げ、効率的に活性成分を分布させることができるため、パーソナルケア組成物の望ましい形態である。発泡性ムース組成物の重要な側面は、分与された泡が十分に厚く、組成物を適用するのに十分な期間安定であることである。この目的のために、発泡性ムース組成物は通常乳化剤及び増粘剤を含有する。しかしながら、乳化剤及び増粘剤は、不快な肌触り、例えば油っぽい、又はベタベタする感触の一因となる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,011,681号
【特許文献2】国際公開特許第02/076423号
【特許文献3】米国特許第6,159,485号
【特許文献4】米国特許第6,235,773号
【特許文献5】米国特許第5,624,666号
【特許文献6】米国特許第5,997,887号
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】国際化粧品成分辞典及びハンドブック(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)(米国化粧品工業会、第10版、T.E.ゴットシャルク(Gottschalck, T.E.)、マクイウーエン、Jr.(McEwen, Jr.)編、2004年)2267頁及び2292〜2293頁
【非特許文献2】「洗剤及び乳化剤、北米版」(マッカチャン(McCutcheon)、1986年)
【非特許文献3】「機能材料、北米版」(マッカチャン(McCutcheon)、1992年)
【非特許文献4】国際化粧品成分辞典及びハンドブック(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)(米国化粧品工業会、第10版、T.E.ゴットシャルク(Gottschalck, T.E.)、マクイウーエン,Jr.(McEwen, Jr.)編、2004年、2728頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それ故に、分与される際に安定な泡を供給し、皮膚に適用される際に良好な感触をもたらす、ムース組成物を提供する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は前述の要求を満たす。出願人らは、乳化剤及び増粘剤を低濃度含み、従ってより良好な肌触りを有する発泡性ムース組成物の製造が可能であることを見出した。さらに、低濃度の乳化剤及び増粘剤の使用はさらに、コスト効果をもたらす。分与前、組成物は相分離を示すため、この点において不安定である。通常、相分離を示す組成物は、分与の際安定な泡を生成することができない。しかしながら、出願人らは、予想外にも、組成物が分与前に分離相を有するにも関わらず、発泡性ムース組成物中に、適当な量の選択された乳化剤及び増粘剤を併用することにより、安定な泡が分与されることを見出した。
【0007】
以下は、本発明の非限定的な実施形態を表す。
本発明の第一の実施形態によって、約5%〜約75%の油相と、水相と、約0.1%〜約2%の高分子増粘剤と、スキンケア活性物質とを含むパーソナルケア組成物であって、該組成物が少なくとも2つの分離相を含み、攪拌され、好適な噴射剤を収容する好適な容器から分与された後、安定な泡を形成するパーソナルケア組成物が提供される。代替実施形態では、組成物は日焼け止め剤組成物である。
【0008】
本発明の第二の実施形態によって、第一の実施形態によるパーソナルケア組成物を提供する工程と、該組成物を好適な噴射剤とともに好適な容器に配置する工程と、該容器を十分攪拌し、該容器から分与する際安定な泡を生成する工程と、好適な量の該組成物を分与する工程と、局所的に該組成物を哺乳類の角質組織に適用する工程、とを含む、哺乳類の角質組織の状態を調節する方法。
【0009】
本発明のさらに別の実施形態によって、第一の実施形態による組成物を含むキットが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書は、本発明を具体的に指摘し、且つ明確に請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は以下の詳細な説明から更に理解が深まると考えられる。
【0011】
本発明は、発泡性ムースの形態のパーソナルケア組成物について記載し、該組成物は分与前に相分離を示し、分与の際に安定な泡を生成する。該組成物は、高濃度の乳化剤及び増粘剤を含有する発泡性ムース組成物に比べて、皮膚への適用時の感触が改善されている。該組成物は、スキンケア製品、化粧品、及びヘアケア製品に使用することができ、その非限定的な使用法としては、クレンジング剤、保湿剤、コンディショナー、抗加齢化合物、老廃細胞削剥剤、ピーリング剤(peels)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。ある実施形態では、該組成物は顔、首及び体の他の露出部に適用される。ある実施形態では、該組成物は日焼け止め剤組成物である。
【0012】
本発明のすべての実施形態において、特に言及しない限り、百分率は全て総組成物の重量による。特に言及しない限り、すべての比は、重量比である。有効数字の桁数は、示される量の制限や、測定の精度を意味するものではない。分量、百分率、割合等を示す量はすべて、特に指定のない限り「約」という語によって修飾されるものと理解される。全ての測定は、約25℃及び周囲条件で行われるものと理解され、ここで「周囲条件」とは、約0.1MPa(1気圧)及び約50%相対湿度の状態を意味する。
【0013】
本明細書で、「パーソナルケア組成物」とは、哺乳類の角質組織上への局所適用に好適な組成物を意味する。本明細書中に記載するパーソナルケア組成物類は、1以上のスキンケア活性物質を含有してもよい。本明細書で使用する時、「スキンケア活性物質」又は「活性物質」とは、例えば角質組織に対して効果又は改善をもたらすことにより、皮膚及び他の哺乳類の角質組織の状態を調節するのに役立つ化合物を意味する。
【0014】
本明細書では、「角質組織の状態を調節する」とは、哺乳類の角質組織の状態を改善する及び/又は予防的に哺乳類の角質組織の状態を調節することを意味し、例えば、組織を紫外線から保護する、及び皮膚老化の兆候を調節することを含む。本明細書では、「哺乳類の角質組織の状態を改善する」とは、組織の外観及び感触を、視覚的及び/又は触覚的に知覚できるほど好ましく変化させることを意味する。調節及び/又は改善される可能性のある状態としては、外見のしわ及び粗く深い線、細い線、凹凸、及び大きな毛穴を減らすこと;角質組織を厚くすること(例えば、皮膚、毛髪、又は爪の萎縮を減少させるために、皮膚の表皮及び/又は真皮及び/又は皮下層、爪及び毛幹の角質層に適用可能な位置を構築すること。);真皮−表皮の境界での回旋(網状突起としても知られる)を増やすこと;弾力線維症、弛み、皮膚又は毛髪の変形からの反跳の喪失をもたらす、例えば損失、損傷及び/又は機能的皮膚エラスチンの不活性化に起因する、皮膚又は毛髪弾性の損失を防止すること;セルライトの減少;皮膚、毛髪、又は爪の色の変化、例えば目の下のくま、しみだらけの状態(即ち、例えば酒さに起因する、一様でない赤変)、血色の悪さ、毛細血管拡張症又はクモ状血管腫(spider vessels)によって引き起こされる変色、乾燥、脆性、及び白くなりかけた髪、のうち1以上が挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】
本明細書で使用する時、「皮膚老化の兆候」としては、角質組織の老化による視覚的及び触覚的に知覚認知可能な症状、並びに任意のマクロ又はミクロ的作用が挙げられるが、これらに限定されない。これらの兆候は、しわ及び粗く深いしわ、細い線、皮膚の線、凹凸、大きな毛穴、不均一さ又は粗さ;剥離;乾燥;皮膚の弾性の喪失;変色(目の下のくまを含む);しみだらけの状態;血色の悪さ;シミ及びそばかすのような色素沈着した皮膚領域;角化症;異常分化;超角質化;弾力線維症;コラーゲン破壊、並びに角質層、真皮、表皮、脈管系(例えば、毛細血管拡張症又はクモ状血管腫(spider vessels))及び下層組織(例えば、脂質及び/又は筋肉)、特に皮膚に最も近位なものにおける他の組織構造の変化のような、組織的不連続の発現を含むプロセスから生じてもよいが、これらに限定されない。
【0016】
本明細書で使用する時、「皮膚科学的に許容可能な」とは、このように記載されている組成物又はその構成成分が、過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応等を伴うことなく、哺乳類の角質組織と接触させて使用するのに適していることを意味する。
【0017】
本明細書で、「不安定な」又は「不安定性」とは、少なくとも2つの分離相を含む、組成物の非発泡又は濃縮形態を意味する。本明細書で使用する時、「分離した」とは、視覚的に及び/又は化学的に区別可能な層を意味する。通常、相は拡大せずとも視覚的に区別できる、即ち、組成物は視覚的に不均質であると知覚されるであろう。該相は水相及び油相であってよく、その不透明度、曇り度、透明性、有色又は無色に基づいて区別可能であってよい。組成物が攪拌される(例えば、激しく振盪する、あるいは別の方法で混合する)場合、相は一時的に分離していなくてもよい。組成物を、室温で実質的に乱されていない状態のままにした場合、該相は再度区別可能になる。相分離は、数分後目に見えて分かるようになる場合もあり、又は数週間もの間かかる場合もあるが、通常少なくとも2日後には目に見えて分かるようになるであろう。本明細書で、「攪拌」とは、急速で、幾分強制的な往復運動を意味し、その結果組成物の混合及び、実質的に混合された状態になる分離相が生じる。攪拌は通常、手動で行われるが、機械的手段、超音波手段、又は他の等価手段により行われてもよく、容器内を自由に移動する固体である内包物により補助されてもよい。本発明の組成物が分与に先立ち十分攪拌される場合、エアゾール形態の組成物が安定な泡として分与される。本明細書で、「分与する」又は「分与」とは、攪拌後、手に、器具に、直接角質組織に、又は他の望ましい位置に、容器から好適な量のエアゾール組成物を放出することを意味する。
【0018】
本明細書で、「好適な容器」とは、該組成物及び好適な噴射剤を収容するのに好適な、あるいは高圧下で攪拌し、安定な泡の形態で組成物を分与するのに好適な容器を意味する。
【0019】
本明細書で、「好適な噴射剤」とは、エアゾール、又は安定な泡として該組成物を分与するのに好適な化合物を意味する。好適な噴射剤の例としては、炭化水素類(例えば、n−ブタン、イソブタン、プロパン)、クロロフルオロカーボン類、フルオロカーボン類(例えば、1、1、1、2、3、3、3−ヘプタフルオロプロパン及び1、1、1、2−テトラフルオロエタン)及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0020】
本明細書で、「安定な泡」とは、分与され、実質的に乱されていない状態に置かれた後(例えば、摩擦又は他の機械力に曝される前)、組成物が少なくとも10秒間、あるいは30秒間、あるいは1分間、泡の形態のままであることを意味する。
【0021】
本明細書で、「送達増進器具」とは、皮膚上及び/又は皮膚内に適用する組成物の量を増加させ、該器具を使用せずに送達する場合に比べて、より容易に及び/若しくは効率的に組成物を送達し、並びに/又は組成物に由来する有益な結果を増大させる任意の器具を意味する。
【0022】
本明細書で、「栄養補助食品」とは、通常食を補完することを意図した栄養成分を意味し、その非限定的な例としては、ビタミン類、ミネラル類、ハーブ類又は他の植物性薬品類、アミノ酸類、酵素類及び代謝産物類が挙げられる。本明細書で、栄養補助食品は、経口接取に適しており、経口で投与される。本発明に用いるのに好適な栄養補助食品の例としては、ビタミン類及びビタミン誘導体類、ペプチド類、必須脂肪酸類、並びに糖アミン類が挙げられるが、これらに限定されない。栄養補助食品が投与される形態は幅広く変化してよく、例えば錠剤、カプセル剤、ジェル錠剤、及び液体を含む。栄養補助食品は更に、食料品又は飲料中へ組み込まれてよい。
【0023】
本明細書で、「キット」とは、本明細書中に記載する少なくとも1つの組成物を含む単位包装を意味する。キットは、外側単位包装(それは、更に1以上の内側単位包装を含んでよい)を含んでよい。内側及び外側単位包装は、収容する、提供する及び/又はキットの内容物を損傷から適度に保護するのに好適な任意の型式であってよい。キットは、本明細書に記載される発泡性ムース組成物のような、複数の要素を含んでもよい。キットは更に、1以上の追加組成物、1以上の経口摂取可能な栄養補助食品、送達増進器具、該器具の取扱説明書、好適な適用レジメンに従った取扱説明書、及びこれらの組み合わせを含んでよい。
【0024】
A.油相及び水相
本発明の組成物は、少なくとも1つの油相を含んでもよい。ある実施形態では、組成物は約5%〜約75%、あるいは約8%〜約50%、あるいは約10%〜約30%の油相を含む。脂質類及び油類は動物類、植物類、又は石油由来であってよく、また天然又は合成であってよい。油相は、水相に不混和性であると解され、天然及び合成油、並びに水相に対する溶解度が制限され、油溶性成分、油溶性日焼け止め剤及び他の油溶性スキンケア活性物質を含むが、これらに限定されない、他の疎水性物質を含んでもよい。
【0025】
好適な油相化合物としては、炭化水素油類及びろう類、シリコーン類、脂肪アルコール及び脂肪酸誘導体類、コレステロール、コレステロール誘導体類、ジグリセリド類、トリグリセリド類、植物油類、植物油誘導体類、アセトグリセリドエステル類、アルキルエステル類、アルケニルエステル類、ラノリン、ろうエステル類、その塩類、異性体類、及び誘導体類、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
本明細書で使用するのに好適な炭化水素油類及びろう類の非限定的な例としては、ペトロラタム、鉱油、微晶性ろう類、ポリアルケン類、パラフィン類、ケラシン、オゾケライト、ポリエチレン、ペルヒドロスクアレン、ポリαオレフィン類、水素添加ポリイソブテン類、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0027】
本明細書で使用するのに好適なシリコーン油類の非限定的な例としては、ジメチコンコポリオール、シリコーン架橋ポリマー類、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、混合C130アルキルポリシロキサン類、フェニルジメチコン、ジメチコノール、及びこれらの組み合わせが挙げられる。ある実施形態では、シリコーン油類は、ジメチコン、ジメチコノール、混合C130アルキルポリシロキサン類、シリコーン架橋ポリマー類、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、不揮発性シリコーン油類である。本明細書で有用なシリコーン油類のこれらの及び他の例は、特許文献1(チョッティ(Ciotti)らに発行)に記載されている。
【0028】
本明細書で使用するのに好適なシリコーン架橋ポリマー類の非限定的な例としては、アクリレート/ビス−ヒドロキシプロピルジメチコン架橋ポリマー、C3045アルキルセテアリルジメチコン架橋ポリマー、アクリレート/ビス−ヒドロキシプロピルジメチコン架橋ポリマー、C3045アルキルセテアリルジメチコン架橋ポリマー、セテアリルジメチコン/ビニルジメチコン架橋ポリマー、ジメチコン架橋ポリマー、ジメチコン架橋ポリマー−3、ジメチコン/フェニルビニルジメチコン架橋ポリマー、ジメチコン/ビニルジメチコン架橋ポリマー、ジフェニルジメチコン架橋ポリマー、ジビニルジメチコン/ジメチコン架橋ポリマー、トリフルオロプロピルジメチコン/トリフルオロプロピルジビニルジメチコン架橋ポリマー、ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン架橋ポリマー、ビニルジメチル/トリメチルシロキシシリケートステアリルジメチコン架橋ポリマー、ポリシリコーン−11、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0029】
本発明の組成物は、少なくとも1つの水相をさらに含んでもよい。水相は、水並びに/又は、油相に対する溶解度が制限され、水溶性成分、水溶性日焼け止め剤、及び他の水溶性スキンケア活性物質を含むがこれらに限定されない、他の親水性物質を含んでもよい。
【0030】
B.増粘剤
本発明の組成物は、約0.1%〜約2%、あるいは約0.5%〜約1.5%の増粘剤及びゲル化剤を含む、1以上の増粘化剤を含んでもよい。増粘化剤の非限定的な部類としては、架橋ポリアクリレートポリマー類及びコポリマー類、疎水変性ポリアクリレートポリマー類及びコポリマー類、ポリアクリルアミドポリマー類及びコポリマー類、ポリアクリロイルジメチルタウレート類、アミノメチルプロパノール(AMP)−系ポリマー類及びコポリマー類、多糖類及びガム類が挙げられる。ある実施形態では、本発明の組成物は、疎水変性ポリアクリレートポリマー類及びコポリマー類、ポリアクリルアミドポリマー類及びコポリマー類、アミノメチルプロパノール系ポリマー類及びコポリマー類、及びこれらの混合物から選択される、増粘化剤を含む。ある実施形態では、増粘化剤はポリアクリルアミドポリマー類及びコポリマー類である。好適なポリマー類の非限定的な例としては、セピゲル(SEPIGEL)(登録商標)305、セピプラス(SEPIPLUS)(登録商標)400、サイマルゲル(SIMULGEL)(登録商標)NS及びサイマルゲル(SIMULGEL)(登録商標)EG(全てフランスのセピック社(Seppic)製)並びにペムレン(PEMULEN)(登録商標)TR1及びTR2(ノベオン社(Noveon))が挙げられる。
【0031】
C.スキンケア活性物質
本発明の組成物は、哺乳類の皮膚及び他の角質組織の状態を調節するのに有用な少なくとも1つの追加スキンケア活性物質(「活性物質」)を含んでよい。活性物質は、長期間若しくは長期にわたる効果及び/又はより速やかな効果をもたらすことができる。好適なスキンケア活性物質の部類としては、ビタミン類、ペプチド類及びペプチド誘導体類、糖アミン類、日焼け止め剤類、油調整剤類、フラボノイド化合物類、酸化防止剤類、防腐剤類、植物ステロール類、プロテアーゼ阻害剤類、チロシナーゼ阻害剤類、抗炎症剤類、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。しかしながら、多くのスキンケア活性物質が1を超える利益をもたらす場合があること、又は1を超える作用様式によって機能し得ることに留意すべきである。従って、本明細書の分類は便宜上実施されるものであって、活性物質を、列挙した特定の用途又は用途類に制限しようとするものではない。
【0032】
1.日焼け止め剤
本発明の組成物は、1以上の日焼け止め活性物質及び/又は紫外線(UV)吸収剤を含んでもよい。本明細書で、「日焼け止め剤」とは、日焼け止め活性物質及び紫外線吸収剤の両方を含むと解される。日焼け止め剤は、有機又は無機であってよく、水溶性、油溶性、油相又は水相のいずれかに不溶性の微粒子物質、及びこれらの混合物であってよい。ある実施形態では、本発明の組成物は水溶性及び油溶性日焼け止め剤を含む。ある実施形態において、組成物は、組成物の約1重量%〜約30重量%及びあるいは約2重量%〜約20重量%の日焼け止め剤を含んでよい。正確な量は、選択された日焼け止め剤、望ましい太陽光線保護指数(SPF)及び保護のスペクトル(例えばUV−A及び/又はUV−B)により変化し、当業者の知識及び見識内にある。
【0033】
好適な日焼け止め活性物質の例は、非特許文献1に開示されている。特に好適な日焼け止め活性物質としては、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン−1、ベンゾフェノン−2、ベンゾフェノン−3、ベンゾフェノン−4、ベンゾフェノン−5、ベンゾフェノン−6、ベンゾフェノン−7、ベンゾフェノン−8、ベンゾフェノン−9、ベンゾフェノン−10、ベンゾフェノン−11、ベンゾフェノン−12、ベンゾトリアゾリルドデシルp−クレゾール、3−ベンジリデン樟脳、ベンジリデン樟脳スルホン酸、サリチル酸ベンジル、ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ボルネロン、ブメトリゾール、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ブチルPABA(p−アミノ安息香酸)、シンアミドプロピル−トリモニウムクロライド、シノキセート、dea−メトキシシンナメート、ジベンズオキサゾイルナフタレン、ジ−t−ブチルヒドロキシ−ベンジリデン樟脳、ジエチルアミノヒドロキシ−ベンゾイルヘキシルベンゾエート、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、ジエチルヘキシル2,6−ナフタレート、ジイソプロピルエチル桂皮酸塩、ジイソプロピルメチル桂皮酸塩、ジ−メトキシシンアミド−プロピルエチルジモニウムクロライドエーテル、ジメチルPABAエチルセテアリールジモニウムトシレート、ジモルフォリノ−ピリダジノン、ジモルフォリノ−ピリダジノン、ジナトリウムビスエチルフェニルトリアミノトリアジンスチルベンジスルフォネート、ジナトリウムジスチリルビフェニルジスルフォネート、ジナトリウムフェニルジベンズイミダゾールテトラスルフォネート、ドラマトリアゾール(drometrizole)、ドラマトリアゾール(drometrizole)トリシロキサン、エチルジヒドロキシプロピルPABA、エチルジイソプロピル−桂皮酸塩、エチルヘキシルビス−イソペンチルベンズオキサゾリルフェニルメラミン、エチルジメトキシベンズ−イリデンジオキソイミダゾリジン(ethyl dimethoxybenz-ylidene dioxoimidazolidine propionate)、エチルヘキシルジメチルPABA、エチルヘキシルメトキシ桂皮酸塩、エチルヘキシルメトキシジベンゾイルメタン、エチルヘキシルサリチル酸塩、エチルヘキシルトリアゾン、エチルメトキシ桂皮酸塩、エチルPABA、エチルウロカニン酸塩、エトクリレン(etocrylene)、4−(2−β−グルコピラノ−シロキシ)プロポキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン(4-(2-beta-glucopyrano-siloxy) propoxy-2-hydroxybenzophenone)、グリセリルエチルヘキサノエートジメトキシ桂皮酸塩、グリセリルPABA、グリコールサリチル酸塩、ヘキサンジオールジサリチル酸塩、ホモサレート(homosalate)、イソアミル桂皮酸塩、イソアミルp−メトキシ桂皮酸塩、イソペンチルトリメトキシ桂皮酸トリシロキサン、イソプロピルベンジルサリチル酸塩、イソプロピルジベンゾイルメタン、イソプロピルメトキシ桂皮酸塩、カエンフェリアガランガ(kaempferia galanga)根抽出物、メチルアントラニル酸塩、メチルサリチル酸塩、メトキシシンナミド−プロピルヒドロキシスルテイン、メトキシシンナミド−プロピルラウジモニウムトシレート(methoxycinnamido-propyl hydroxysultaine, methoxycinnamido-propyl laurdimonium tosylate)、4−メチルベンジリデン樟脳、メチレンビス−ベンゾトリアゾイルテトラメチルブチル−フェノール、オクトクリレン(octocrylene)、オクトリゾール(octrizole)、PABA、PEG−25PABA、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ポリアクリルアミドメチルベンジリデン樟脳、ポリアミド−2、ポリクオータニウム−59(polyquaternium-59)、ポリシリコン−15、メトキシ−桂皮酸カリウム、フェニル−ベンズイミダゾールスルホン酸カリウム、赤ペトロラタム、ベンゾトリアゾイルブチルフェノールスルホン酸ナトリウム、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸ナトリウム、ウロカニン酸ナトリウム、TEA−フェニルベンズイミダゾールスルホン酸塩、TEA−サリチル酸塩、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、テトラブチルフェニルヒドロキシベンゾアート、二酸化チタン、ウロカニン酸、亜鉛セリウム酸化物、酸化亜鉛、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0034】
2.ビタミン類
本発明の組成物は、例えば酸化防止剤及び/又は他の栄養効果を皮膚に提供するために、1つ以上のビタミン類を含んでよい。本明細書で、「ビタミン」とは、ビタミン類、プロビタミン類、及びそれらの塩類、異性体類及び誘導体類を意味する。ビタミン類は、水溶性ビタミン類、例えばビタミンB化合物類(ナイアシンアミドのようなB3化合物類、ニコチン酸、C1〜C18ニコチン酸エステル類、及びニコチニルアルコール;ピロキシジンのようなB6化合物類;並びにパンテノール、又は「プロ−B5」のようなB5化合物類)及びビタミンC化合物類(脂肪酸類のアスコルビン酸エステル類を含む)、及びアスコルビン酸誘導体類、例えばアスコルビルグルコシド、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸リン酸ナトリウム、及びアスコルビルソルベート、並びにこれらの混合物を含んでよい。ビタミン類はまた、ビタミンA化合物類、並びにビタミンAの全ての天然及び/又は合成類似体(レチノイド類、カロテノイド類、及びビタミンAの生物活性を有する他の化合物類を含む)のような水に対する溶解度が限定されたもの;ビタミンD化合物類;ビタミンE化合物類、又はトコフェロール(ソルビン酸トコフェロール、酢酸トコフェロール、トコフェロールの他のエステル類を含む);ビタミンK化合物類;並びにこれらの混合物を含んでよい。ある実施形態では、本発明の組成物は、約0.0001%〜約10%、あるいは約0.001%〜約8%、あるいは約0.01%〜約5%、あるいは約0.1%〜約1%のビタミンを含んでもよい。
【0035】
3.ペプチド類及びペプチド誘導体類
本発明の組成物は、例えば皮膚の修復、剥離、及び他の効果を皮膚にもたらすために、1以上のペプチド類を含んでよい。本明細書で、「ペプチド」とは、10個以下のアミノ酸を含有するペプチド類、その誘導体類、異性体類、及び金属イオン類(例えば、銅、亜鉛、マンガン及びマグネシウム)のような他の種との錯体を指す。本明細書で使用するとき、ペプチドは、天然に生ずるペプチド及び合成ペプチドの両方を指す。ある実施形態では、ペプチド類は、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−、及びヘキサペプチド類、それらの塩類、異性体類、誘導体類、及びこれらの混合物である。有用なペプチド誘導体類の例としては、大豆タンパク質由来のペプチド類、パルミトイル−リジン−スレオニン(pal−KT)及びパルミトイル−リジン−スレオニン−スレオニン−リジン−セリン(pal−KTTKS、マトリキシル(MATRIXYL)(登録商標)として知られている組成物として入手可能)、パルミトイル−グリシン−グルタミン−プロリン−アルギニン(pal−GQPR、リジン(RIGIN)(登録商標)して知られている組成物として入手可能)(これら3つはフランスのセデルマ社(Sederma)から入手可能)、及びCu−ヒスチジン−グリシン−グリシン(Cu−HGG、イアミン(IAMIN)(登録商標)としても知られている)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
前記組成物は、約1×10-7%〜約20%、あるいは約1×10-6%〜約10%、あるいは約1×10-5%〜約5%のペプチドを含んでよい。
【0037】
4.糖アミン類
本発明の組成物は、糖アミン(アミノ糖としても知られる)、及びそれらの塩類、異性体類、互変異性体類並びに誘導体類を含んでよい。糖アミンは、合成又は天然由来であってよく、純粋化合物又は化合物の混合物(例えば、自然源からの抽出物又は合成物質の混合物)として用いることができる。例えば、グルコサミンは、一般に多くの甲殻類に見られ、真菌源由来である場合もある。本発明で有用な糖アミン化合物類としては、例えばN−アセチル−D−グルコサミン、並びに特許文献2及び特許文献3(ユ(Yu)らに発行)に記載されているものも挙げられる。ある実施形態では、組成物は約0.01%〜約15%、あるいは約0.1%〜約10%、あるいは約0.5%〜約5%の糖アミンを含む。
【0038】
5.油調整剤
本発明の組成物は、皮膚の油又は皮脂の生成を調節するのに有用であり、且つ油性肌の外観を改善するのに有用な1以上の化合物を含んでよい。好適な油調整剤の例としては、サリチル酸、デヒドロ酢酸、過酸化ベンゾイル、ビタミンB3化合物(例えば、ナイアシンアミド)、それらの異性体類、エステル類、塩類及び誘導体類、並びにこれらの混合物が挙げられる。前記組成物は、約0.0001%〜約15%、あるいは約0.01%〜約10%、あるいは約0.1%〜約5%、あるいは約0.1%〜約2%の油調整剤を含んでもよい。
【0039】
6.フラボノイド類
本発明の組成物は、例えば抗酸化効果をもたらすために、フラボノイドを含んでよい。フラボノイドは、合成物質であってもよく、又は自然源からの抽出物として得ることもでき、更に誘導体化されてもよい。好適なフラボノイド類の部類の例は、特許文献4(ビセット(Bissett)に発行)に開示されており、非置換フラバノン、メトキシフラバノン類、非置換カルコン、2’,4−ジヒドロキシカルコン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態では、フラボノイド類は非置換フラバノン類、非置換カルコン(特に、トランス異性体)、それらのグルコシル誘導体類、及びこれらの混合物である。好適なフラボノイドの他の例としては、ヘスペリジン及びグルコシルヘスペリジンのようなフラバノン類、大豆イソフラボン類(ゲニステイン、ダイゼイン、及びエクオルが挙げられるが、これらに限定されない)のようなイソフラボン類、それらのグルコシル誘導体類、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0040】
本発明の組成物は、約0.01%〜約20%、あるいは約0.1%〜約10%、あるいは約0.1%〜約5%のフラボノイド類を含んでもよい。
【0041】
7.他のスキンケア活性物質
本発明の組成物は、非ビタミン酸化防止剤類、防腐剤類、植物ステロール類及び/又は植物ホルモン類、プロテアーゼ阻害剤類、チロシナーゼ阻害剤類、抗炎症剤類及びN−アシルアミノ酸化合物類を含んでよい。
【0042】
好適な非ビタミン酸化防止剤類としては、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)、L−エルゴチオネイン(チオテイン(THIOTANE)(登録商標)として入手可能);テトラヒドロクルクミン、セチルピリジニウムクロライド、カルノシン、ジエチルヘキシルシリニリデンマロネート(オキシネックス(OXYNEX)(登録商標)として入手可能)、ユビキノン(コエンザイムQ10)、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
好適な植物ステロール類及び/又は植物類ホルモンの例としては、シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、ブラジカステロール、カイネチン、ゼアチン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
好適なプロテアーゼ阻害剤としては、ヘキサミジン、バニリンアセテート、メンチルアントラニレート、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
好適なチロシナーゼ阻害剤としては、シナブランカ(カラシナ種子抽出物)、テトラヒドロクルクミン、セチルピリジニウムクロライド、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
好適な抗炎症剤としては、グリシルリジン酸(グリシルリジン、グリシルリジニン酸(glycyrrhixinicacid)、及びグリシルレチン酸グリコシドとしても知られる)、グリシルレチン酸、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
好適なN−アシルアミノ酸化合物類としては、N−アシルフェニルアラニン、N−アシルチロシン、それらの異性体類(それらのD及びL異性体類を含む)、塩類、誘導体類、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適なN−アシルアミノ酸の例は、N−ウンデシレノイル−L−フェニルアラニンは、商標名セピホワイト(SEPIWHITE)(登録商標)としてて、フランスのセピック社から市販されている。
【0048】
他の有用なスキンケア活性物質としては、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、その類似体及び誘導体類;α−及びβ−ヒドロキシ酸類(グリコール酸及びサリチル酸オクタノイルを含む)、アルブチン、ジメチルアミノエタノール(DMAE)、コウジ酸、ジヒドロキシアセトン(DHA)、大豆タンパク質及びペプチド(例えば、大豆トリプシン阻害剤、及びボーマン・バーク阻害剤のようなプロテアーゼ阻害剤)、アルブチン、それらの異性体類、塩類、及び誘導体類、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0049】
D.界面活性剤
本発明の組成物は1以上の界面活性剤を含んでもよい。ある実施形態では、組成物は約0.01%〜約1%の界面活性剤を含む。本明細書で有用な界面活性剤類としては、アニオン性界面性剤類、両性界面活性剤類、双性イオン性界面活性剤類、カチオン性界面活性剤類、非イオン性界面活性剤類、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものが挙げられる。ある実施形態において、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤である。好適な界面活性剤の非限定的な例は、特許文献5(コフィンダファー(Coffindaffer)らに発行);アルレッド・パブリッシング・コーポレーション(Allured Publishing Corporation)発行の非特許文献2;及び非特許文献3に開示されている。
【0050】
E.微粒子
本発明の組成物は、微粒子物質を含んでよい。ある実施形態では、組成物は約0.5%〜約10%、あるいは約1%〜約5%の微粒子物質を含んでもよい。好適な微粒子物質の非限定的な例は、非特許文献4に見ることができる。他の好適な微粒子物質としては、アーモンドミール、酸化アルミニウム、アプリコット種子粉末、オキシ塩化ビスマス、窒化ホウ素、セルロース及びセルロース誘導体類、粘土、酸化カルシウム、無機塩類、例えば、炭酸塩、塩化物、酸化鉄、ホホバ種子粉末、ヘチマ、雲母、モモ種子粉末、ペカン殻粉末、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン、ポリメチルスチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリハロゲン化オレフィン類、軽石、米糠、絹雲母、絹、合成ヘクトライト、二酸化チタン、リン酸三カルシウム、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。更にまた、混合ポリマー類(例えば、コポリマー、ターポリマー等)から作られた粒子も有用であり、これらには、ポリエチレン/ポリプロピレンコポリマー、ポリエチレン/プロピレン/イソブチレンコポリマー、ポリエチレン/スチレンコポリマー、及びこれらの混合物がある。通常、ポリマー粒子及び混合ポリマー粒子は、例えば不純物を破壊するために酸化プロセスを介して処理される。ポリマー粒子及び混合ポリマー粒子はまた、様々な一般的な架橋剤で任意に架橋してもよく、非限定的な例としては、ブタジエン、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミド、スクロースのアリルエーテル類、ペンタエリスリトールのアリルエーテル類、及びこれらの混合物が挙げられる。有用な粒子の他の例としては、パラフィン類、カルナバろう(carnuba wax)、オゾケライトろう(ozekerite wax)、キャンデリラろう(candellila wax)、及び尿素ホルムアルデヒド樹脂類のようなろう類及び樹脂類が挙げられる。かかるろう類及び樹脂類を本明細書で使用する場合、これら材料は、周囲温度及び皮膚温度において固体であることが重要である。
【0051】
本発明で有用な微粒子物質の他の例としては、有色顔料及び無色顔料、干渉顔料、前述したもの以外の無機粉末及び有機粉末、複合粉末、蛍光増白剤粒子、並びにこれらの混合物が挙げられる。このような微粒子の平均サイズは一般に、上述した微粒子物質より小さく、例えば約0.1ミクロン〜約100ミクロンの範囲であってよい。これらの微粒子は、例えば小板形、球形、細長い形状若しくは針形、又は不規則形状、表面コーティング有り若しくは無し、有孔若しくは無孔、荷電若しくは非荷電であってよく、及び本組成物に粉末として又は予め分散させて添加することができる。これらの微粒子物質は、天然及び/又は合成源由来であってよい。
【0052】
好適な有機粉末微粒子物質としては、メチルシルセスキオキサン樹脂微小球、例えばトスパール(Tospearl)(登録商標)145A(東芝シリコーン社)から選択される高分子粒子;ポリメチルメタクリレート類の微小球、例えばマイクロパール(Micropearl)(登録商標)M100(セピック社);架橋ポリジメチルシロキサン類の球状粒子、例えばトレフィル(Trefil)(登録商標)E506C又はトレフィル(Trefil)(登録商標)E505C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社);ポリアミドの球状(sphericle)粒子、例えばナイロン−12、及びオルガソール(Orgasol)(登録商標)2002D Nat C05(アトケム(Atochem)社);例えばダイノスフェア(Dynospheres)(登録商標)の名でダイノ・パーティクルズ社(Dyno Particles)から販売されているポリスチレン微小球及びフロビーズ(FloBead)(登録商標)EA209(コボ社)の名で販売されているエチレンアクリレートコポリマー;デンプンオクテニルコハク酸アルミニウム、例えばドライフロー(Dry Flo)(登録商標)(ナショナルスターチ社);ポリエチレン微小球、例えばマイクロセン(Microthene)(登録商標)FN510−00(イクイスター(Equistar)社)、シリコーン樹脂、ポリメチルシルセスキオキサンシリコーンポリマー、L−ラウロイルリジンから製造される小板形状粉末、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
また、本明細書では、干渉顔料も有用である。本明細書で、「干渉顔料」とは、厚みを制御された2以上の層を有する薄い、板状の層状粒子を意味する。各層は、異なる屈折率を有し、板状粒子の異なる層からの通常2つ、しばしばそれ以上の光反射の干渉によって、特有の反射色を生じる。干渉顔料の最も一般的な例は、TiO2、Fe23、シリカ、酸化スズ、及び/又はCr23の約50〜300nmの膜で層状になった雲母である。そのような顔料は、多くの場合真珠光沢を有する。真珠光沢顔料は、顔料粒子が透明であり、雲母の小板状体と、例えば二酸化チタンコーティングとの屈折率の差が大きいので、光を反射し、屈折し、透過する。干渉顔料は、多種多様な供給元、例えば、ロナ(Rona)(ティミロン(Timiron)(商標)及びディクロナ(Dichrona)(商標))、プレスパース(Presperse)(フローナック(Flonac)(商標))、エングルハード(Englehard)(デュオクローム(Duochrome)(商標))、コボ(Kobo)(SK−45−R及びSK−45−G)、BASF(シコパールズ(Sicopearls))、及びエッカート(Eckart)(プレスティージ(Prestige)(商標))から市販されている。ある実施形態では、干渉顔料の個々の粒子の最も長い側面の平均直径は、約75ミクロン未満、あるいは約50ミクロン未満である。
【0054】
本発明で有用な他の顔料は、主に、可視光線の特定波長の選択的吸収によって色を提供でき、無機顔料、有機顔料、及びこれらの混合物がそれに含まれる。このような有用な無機顔料の例としては、酸化鉄、フェロシアン化第二鉄アンモニウム、マンガンバイオレット、群青、及び酸化クロムが挙げられる。有機顔料には、天然着色剤、及び合成のモノマー及びポリマー着色剤を含んでもよい。一例は、フタロシアニン青色及び緑色顔料である。レーキ類、主に食品、医薬品及び化粧品用又は医薬品及び化粧品用レーキ類、及びこれらの混合もまた有用である。カプセル化された可溶性又は不溶性染料及び他の着色剤も、さらに有用である。本発明で有用な無機の白色又は未着色顔料、例えばTiO2、ZnO、又はZrO2は、多くの供給元から市販されており、例えば、TRONOX TiO2シリーズ、SAT−T CR837、ルチルTiO2(USコスメティックス社)がある。(特許文献6(ハ(Ha)らに発行)で開示されている二酸化チタンの電荷分散もまた好適である。
【0055】
ある実施形態では、微粒子物質は、球形状高分子微粒子、TiO2、干渉顔料、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0056】
F.使用方法
本発明は、哺乳類の角質組織の状態を改善する方法、予防的に哺乳類の角質組織の状態を調節する方法、及び/又は皮膚老化の兆候を調節する方法を含むが、これらに限定されない、哺乳類の角質組織の状態を調節する方法を提供する。皮膚の外側部の任意の部分を処置できる。ある実施形態では、組成物は顔及び首に適用される。
【0057】
容器からの分与に先立ち、組成物は、例えば、容器を激しく攪拌することにより、十分に混合されるべきである。組成物は、少なくとも3秒間、あるいは少なくとも10秒間、あるいは少なくとも20秒間攪拌してよい。攪拌後、好適な量の組成物を分与することができる。組成物は、直接角質組織に適用されてもよく、又は手の掌、指若しくは器具(例えば、綿ボール、綿棒、パッド等)に適用されてもよい。前記組成物はさらに、送達増進器具と組み合わせて使用してもよく、その非限定的な例としては、スポンジ又はスポンジ付塗布器、スプレー塗布器、ブラシ、及びこれらの組み合わせのような器具が挙げられる。組成物は通常、まだ泡立ったままで適用され、吸収を促進するために皮膚に擦り込まれてもよい。
【0058】
適用される組成物の量、適用頻度、及び使用期間は、所与の組成物の成分濃度及び所望の効果に応じて広く変化するであろう。ある実施形態において、組成物は、少なくとも毎日1回適用され、「毎日」及び「日」は24時間の周期を意味する。例えば、組成物は、30日間連続、あるいは14日間連続、あるいは7日間連続で毎日、あるいは1日間適用されてよい。
【0059】
G.キット
本発明は、キットをさらに含んでもよく、該キットは本明細書に記載される組成物を含む。キットはさらに、1以上の追加組成物、組成物の適用指示書、好適な適用レジメンに従った取扱説明書、器具、基材、送達増進器具、栄養補助食品、及びこれらの組み合わせを含んでよい。キットは、外側単位包装(それは、順に1以上のより小さい、内側単位包装を含んでよい)を含んでよい。内側単位包装は、キットの個々の要素を1つ以上含んでよい。内側及び外側単位包装は、収容する、提供する及び/又はキットの内容物を損傷から適度に保護するのに適した任意の型式であってよい。内側単位包装は各々、単一適用レジメンに用いるのに好適な量の組成物を収容してもよい。
【実施例】
【0060】
(実施例1〜3):パーソナルケア組成物は以下の成分から調製する。
【0061】
【表1】

1 デグサ(Degussa)(登録)製ヒュームドシリカ
2 セピック(商標)製ポリアクリルアミド、C13〜C14イソパラフィン、及びラウレス−7
3 イクイスター(Equistar)(商標)製ポリエチレンホモポリマー球体
4 コボ・プロダクツ社(商標)から入手可能な二酸化チタン被覆雲母
5 ダウ・コーニング(商標)製ジメチコン及びジメチコノール
【0062】
好適な容器において、水相成分を混合し、75℃に加熱する。別の好適な容器において、油相成分を混合し、75℃に加熱する。次に、油相を水相に加え、得られたエマルションを(例えば、テクマー(Tekmar)T−25で)粉砕する。次いで、増粘剤をエマルションに添加し、該エマルションを攪拌しながら45℃に冷却する。45℃で、干渉顔料及び残りの成分を添加する。次いで、生成物を攪拌しながら30℃に冷却し、再度粉砕し、次いで好適な容器に注ぐ。得られる製剤は、少なくとも室温で2日後、視覚的に分離した層が見られる。
【0063】
発泡性ムースを製造するために、95%の各実施例の製剤と、5%のA70噴射剤(イソブタン/プロパン混合物)とを、好適なエアゾール容器内で混合する。約10秒間振盪した後、少なくとも10秒間安定である、各エアゾール製剤が生成する泡を分与する。
【0064】
(実施例4〜6):実施例1〜3と同一の手順で、以下の成分からパーソナルケア組成物を調製する。
【0065】
【表2】

1 コグニス(商標)製エマルゲード(Emulgade)(商標)PL68/50
2 セピック(商標)製ポリアクリルアミド、C13〜C14イソパラフィン、及びラウレス−7
3 イクイスター(Equistar)(商標)製ポリエチレンホモポリマー球体
4 ダウ・コーニング(商標)製ジメチコン及びジメチコノール
【0066】
実施例4は、乳化剤系(セテアリルグルコシド/セテアリルアルコール、及びPEG−100ステアレート)と追加の高分子増粘剤(セピゲル(Sepigel)(商標)305)を添加することを除いて、実施例3と同様である。室温で分離相を示す実施例3の製剤と比べて、実施例4は室温で視覚的に安定(均質)である。実施例3及び4で製造されたエアゾール発泡性ムースは、少なくとも10秒間安定な泡を生成する。しかしながら、出願人らは、実施例4の製剤は、実施例3の製剤よりも重く、肌触りがベタベタすると考える。従って、安定化乳化剤及び安定化増粘剤の濃度を低減する(実施例4と3を比べて)、あるいは除去することによって、肌触りの改善された安定な泡を生成できる。
【0067】
実施例5及び6はともに、少なくとも室温で2日後、視覚的に分離した相を示す。しかしながら、好適な容器内で噴射剤(5%A70)と混合した場合、泡は本明細書で定義したような不安定な状態(即ち、分与後約10秒未満で崩壊する)で生成される。
【0068】
以下の表は、実施例1〜6の、安定性、発泡挙動、及び肌触りの概要である。
【0069】
【表3】

【0070】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく限定されるものとして理解されるべきでない。それよりもむしろ、特に指定のない限り、こうした各寸法は、列挙した値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図している。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図している。
【0071】
本発明の「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲については、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義を適用するものとする。
【0072】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、この発明の精神及び範囲を逸脱せずに様々なその他の変更及び修正が可能であることが当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)5%〜75%の油相と、
b)水相と、
c)0.1%〜2%のアミノメチルプロパノール系ポリマー類及びコポリマー類と、
d)日焼け止め剤、
とを含むパーソナルケア組成物であって、
前記パーソナルケア組成物が、少なくとも2つの分離相を含み、攪拌され、噴射剤を収容する容器から分与された後、安定な泡を形成することを特徴とする、パーソナルケア組成物。
【請求項2】
界面活性剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項3】
前記界面活性剤は、非イオン性であることを特徴とする請求項2に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項4】
0.5%〜10%の、球状高分子微粒子、TiO2、干渉顔料又はこれらの混合物を含む微粒子物質をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項5】
前記日焼け止め剤が、油溶性日焼け止め剤、水溶性日焼け止め剤、又はこれらの混合物を含む日焼け止め剤であることを特徴とする、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項6】
少なくとも1つの追加スキンケア活性物質をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項7】
前記追加スキンケア活性物質は、ビタミンB化合物類、ビタミンC化合物類、ビタミンE化合物類、ペプチド類、糖アミン類、油調整剤、又はこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項6に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項8】
前記追加スキンケア活性物質は、ナイアシンアミド、パルミトイル−リジン−スレオニン、パルミトイル−リジン−スレオニン−スレオニン−リジン−セリン、N−アセチル−D−グルコサミン、サリチル酸、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、又はこれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項7に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項9】
a)i)5%〜75%の油相と、
ii)水相と、
iii)0.1%〜2%のアミノメチルプロパノール系ポリマー類及びコポリマー類と、
iii)日焼け止め剤と
を含むパーソナルケア組成物を提供する工程であって、前記パーソナルケア組成物が、少なくとも2つの分離相を含む工程と、
b)前記パーソナルケア組成物を容器内に配置する工程と、
c)噴射剤を前記パーソナルケア組成物に添加する工程と、
d)前記容器を十分攪拌し、前記容器から分与する際に安定な泡を生成する工程と、
e)好適な量の前記パーソナルケア組成物を分与する工程と、
f)局所的に前記パーソナルケア組成物を哺乳類の角質組織に適用する工程、
とを含むことを特徴とする、哺乳類の角質組織の状態を調節する美容方法。

【公開番号】特開2012−1562(P2012−1562A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−208928(P2011−208928)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【分割の表示】特願2008−539556(P2008−539556)の分割
【原出願日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】