説明

ヒト抗PD−1、PD−L1、及びPD−L2抗体とその用途

本発明は、部分的には、新規なヒト抗PD−1、PD−L1、及びPD−L2抗体の同定に基づく。従って、本発明は、ここに記載の新規なヒト抗PD−1、PD−L1、及びPD−L2抗体を使用して、PD−1、PD−L1、及び/又はPD−L2活性の調節から利点を得る症状(例えば、持続感染疾患、自己免疫疾患、喘息、移植片拒絶、炎症性疾患及び腫瘍)を診断し、予後診断し、及び治療するための組成物及び方法に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)配列番号:7−9からなる群から選択される重鎖CDR配列;又は
b)配列番号:10−12からなる群から選択される軽鎖CDR配列
を含む単離された抗体、又はその抗原結合断片であって、
ここで、単離された抗体、又はその抗原結合断片が、配列番号:2のアミノ酸配列を有するPD−1タンパク質に結合し、かつ単離された抗体、又はその抗原結合断片が、キメラ、ヒト化、複合、又はヒトである単離された抗体又は抗原結合断片。
【請求項2】
a)配列番号:7−9を含む重鎖可変領域配列;及び/又は
b)配列番号:10−12を含む軽鎖可変領域配列
を含む、請求項1に記載の単離された抗体又は抗原結合断片。
【請求項3】
単離された抗体が、
a)配列番号:25−29からなる群から選択される重鎖可変領域配列、又は配列番号:25−29からなる群から選択される重鎖配列と少なくとも約95%の相同性を持つ配列;及び/又は
b)配列番号:30−33からなる群から選択される軽鎖可変領域配列、又は配列番号:30−33からなる群から選択される軽鎖配列と少なくとも約95%の相同性を持つ配列
を含む、請求項1に記載の単離された抗体又は抗原結合断片。
【請求項4】
単離された抗体が、
a)配列番号:27又は28を含む重鎖可変領域配列、又は配列番号:27又は28を含む重鎖配列と少なくとも約95%の相同性を持つ配列;及び
b)配列番号:32又は33を含む軽鎖可変領域配列、又は配列番号:32又は33を含む軽鎖配列と少なくとも約95%の相同性を持つ配列
を含む、請求項3に記載の単離された抗体又は抗原結合断片。
【請求項5】
単離された抗体又は抗原結合断片がEH12.2H7抗体のFc−PD−1への結合を阻害する、請求項1から4の何れか一項に記載の単離された抗体又は抗原結合断片。
【請求項6】
単離された抗体又は抗原結合断片がPD−1媒介シグナルを阻害する、請求項1から4の何れか一項に記載の単離された抗体又は抗原結合断片。
【請求項7】
a)配列番号:13−15からなる群から選択される重鎖CDR配列;又は
b)配列番号:16−18からなる群から選択される軽鎖CDR配列
を含む単離された抗体、又はその抗原結合断片であって、
ここで、単離された抗体、又はその抗原結合断片が、配列番号:4のアミノ酸配列を有するPD−L1タンパク質に結合し、かつ単離された抗体、又はその抗原結合断片が、キメラ、ヒト化、複合、又はヒトである単離された抗体又は抗原結合断片。
【請求項8】
a)配列番号:13−15を含む重鎖可変領域配列;及び/又は
b)配列番号:16−18を含む軽鎖可変領域配列
を含む、請求項7に記載の単離された抗体又は抗原結合断片。
【請求項9】
単離された抗体が、
a)配列番号:34−38からなる群から選択される重鎖可変領域配列、又は配列番号:34−38からなる群から選択される重鎖配列と少なくとも約95%の相同性を持つ配列;及び/又は
b)配列番号:39−42からなる群から選択される軽鎖可変領域配列、又は配列番号:39−42からなる群から選択される軽鎖配列と少なくとも約95%の相同性を持つ配列
を含む、請求項8に記載の単離された抗体又は抗原結合断片。
【請求項10】
単離された抗体が、
a)配列番号:35又は37を含む重鎖可変領域配列、又は配列番号:35又は37を含む重鎖配列と少なくとも約95%の相同性を持つ配列;及び
b)配列番号:39、40又は42を含む軽鎖可変領域配列、又は配列番号:39、40又は42を含む軽鎖配列と少なくとも約95%の相同性を持つ配列
を含む、請求項9に記載の単離された抗体又は抗原結合断片。
【請求項11】
単離された抗体又は抗原結合断片が29E2A3抗体のFc−PD−L1への結合を阻害する、請求項7から10の何れか一項に記載の単離された抗体又は抗原結合断片。
【請求項12】
単離された抗体又は抗原結合断片がPD−L1媒介シグナルを阻害する、請求項7から10の何れか一項に記載の単離された抗体又は抗原結合断片。
【請求項13】
a)配列番号:19−21からなる群から選択される重鎖CDR配列;又は
b)配列番号:22−24からなる群から選択される軽鎖CDR配列
を含む単離された抗体、又はその抗原結合断片であって、
ここで、単離された抗体、又はその抗原結合断片が、配列番号:6のアミノ酸配列を有するPD−L2タンパク質に結合し、かつ単離された抗体、又はその抗原結合断片が、キメラ、ヒト化、複合、又はヒトである単離された抗体又は抗原結合断片。
【請求項14】
a)配列番号:19−21を含む重鎖可変領域配列;及び/又は
b)配列番号:22−24を含む軽鎖可変領域配列
を含む、請求項13に記載の単離された抗体又は抗原結合断片。
【請求項15】
単離された抗体が、
a)配列番号:43−47からなる群から選択される重鎖可変領域配列、又は配列番号:43−47からなる群から選択される重鎖配列と少なくとも約95%の相同性を持つ配列;及び/又は
b)配列番号:48−51からなる群から選択される軽鎖可変領域配列、又は配列番号:48−51からなる群から選択される軽鎖配列と少なくとも約95%の相同性を持つ配列
を含む、請求項14に記載の単離された抗体又は抗原結合断片。
【請求項16】
単離された抗体が、
a)配列番号:44又は46からなる群から選択される重鎖可変領域配列、又は配列番号:44又は46からなる群から選択される重鎖配列と少なくとも約95%の相同性を持つ配列;及び/又は
b)配列番号:49−51からなる群から選択される軽鎖可変領域配列、又は配列番号:49−51からなる群から選択される軽鎖配列と少なくとも約95%の相同性を持つ配列
を含む、請求項15に記載の単離された抗体又は抗原結合断片。
【請求項17】
単離された抗体又は抗原結合断片が24F.10C12抗体のFc−PD−L2への結合を阻害する、請求項13から16の何れか一項に記載の単離された抗体又は抗原結合断片。
【請求項18】
単離された抗体又は抗原結合断片がPD−L2媒介シグナルを阻害する、請求項13から16の何れか一項に記載の単離された抗体又は抗原結合断片。
【請求項19】
ポリペプチドをコードする単離された核酸であって、ポリペプチドが配列番号:25−51からなる群から選択される配列、又は配列番号:25−51からなる群から選択される配列と少なくとも約95%の相同性を持つ配列を含む単離された核酸。
【請求項20】
請求項1から18の何れか一項に記載の抗体又は抗原結合断片をコードする単離された核酸。
【請求項21】
請求項19又は20に記載の単離された核酸を含むベクター。
【請求項22】
請求項19又は20に記載の核酸を含む宿主細胞。
【請求項23】
核酸によってコードされる抗体又は抗原結合断片を産生する請求項22に記載の宿主細胞。
【請求項24】
請求項19又は20に記載の核酸を含むトランスジェニック動物。
【請求項25】
配列番号:25−51からなる群から選択されるポリペプチドをコードする核酸の相補鎖とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸又は配列番号:25−51からなる群から選択されるポリペプチドをコードする核酸と少なくとも約95%の相同性を有する核酸。
【請求項26】
請求項1から18の何れか一項に記載の単離された抗体又は抗原結合断片と薬学的に許容可能な担体を含有する薬学的組成物。
【請求項27】
消耗したT細胞を再活性化させる方法において、少なくとも幾らかのT細胞がPD−1を発現するT細胞集団を、請求項1から6の何れか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片を含有する組成物の有効量に接触させることを含む方法。
【請求項28】
消耗したT細胞を再活性化させる方法において、少なくとも幾らかのT細胞がPD−L1を発現するT細胞集団を、請求項7から12の何れか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片を含有する組成物の有効量に接触させることを含む方法。
【請求項29】
消耗したT細胞を再活性化させる方法において、少なくとも幾らかのT細胞がPD−L2を発現するT細胞集団を、請求項13から18の何れか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片を含有する組成物の有効量に接触させることを含む方法。
【請求項30】
接触工程がインビトロで実施される請求項27から29の何れか一項に記載の方法。
【請求項31】
接触工程がエキソビボで実施される請求項27から29の何れか一項に記載の方法。
【請求項32】
接触工程がインビボで実施される請求項27から29の何れか一項に記載の方法。
【請求項33】
持続感染に罹患している患者を治療する方法において、請求項1から18の何れか一項に記載の単離された抗体又はその抗原結合断片を含有する組成物を患者に投与することを含む方法。
【請求項34】
ウイルス感染に罹患している患者を治療する方法において、請求項1から18の何れか一項に記載の単離された抗体又はその抗原結合断片を含有する組成物を患者に投与することを含む方法。
【請求項35】
ウイルス感染が、サイトメガロウイルス、エプスタイン・バーウイルス、B型肝炎、C型肝炎ウイルス、ヘルペスウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、ヒトTリンパ球向性ウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス、呼吸器多核体ウイルス、及び/又はライノウイルスからなる群から選択される請求項34に記載の方法。
【請求項36】
細菌感染に罹患している患者を治療する方法において、請求項1から18の何れか一項に記載の単離された抗体又はその抗原結合断片を含有する組成物を患者に投与することを含む方法。
【請求項37】
細菌感染が、ヘリコバクター、マイコバクテリア、ポルフィロモナス、及びクラミジアからなる群から選択される請求項36に記載の方法。
【請求項38】
蠕虫感染に罹患している患者を治療する方法において、請求項1から18の何れか一項に記載の単離された抗体又はその抗原結合断片の有効量を含有する組成物を患者に投与することを含む方法。
【請求項39】
蠕虫が、住血吸虫及び条虫類からなる群から選択される請求項38に記載の方法。
【請求項40】
原虫感染に罹患している患者を治療する方法において、請求項1から18の何れか一項に記載の単離された抗体又はその抗原結合断片の有効量を含有する組成物を患者に投与することを含む方法。
【請求項41】
原虫感染が、メキシコリーシュマニア及びマラリア原虫からなる群から選択される請求項40に記載の方法。
【請求項42】
癌に罹患している患者を治療する方法において、請求項1から18の何れか一項に記載の単離された抗体又はその抗原結合断片の有効量を含有する組成物を患者に投与することを含む方法。
【請求項43】
癌が、固形腫瘍、血液癌、膀胱癌、脳癌、乳癌、結腸癌、胃(gastric)癌、神経膠腫、頭部癌、白血病、肝臓癌、肺癌、リンパ腫、骨髄腫、頸部癌、卵巣癌、メラノーマ、膵臓癌、腎臓癌、唾液腺癌、胃(stomach)癌、胸腺上皮性癌、及び甲状腺癌.からなる群から選択される請求項42に記載の方法。
【請求項44】
PD−L1を過剰発現する癌に罹患している患者を治療する方法において、請求項7から12の何れか一項に記載の単離された抗体又はその抗原結合断片の有効量を含有する組成物を患者に投与することを含む方法。
【請求項45】
単離された抗体が抗体媒介性細胞傷害性を誘導する請求項44に記載の方法。
【請求項46】
抗体が抗体誘導細胞傷害性を増大させるように修飾されている請求項45に記載の方法。
【請求項47】
抗体が、毒素及び造影剤からなる群から選択される薬剤にコンジュゲートされている請求項46に記載の方法。
【請求項48】
PD−L2を過剰発現する癌に罹患している患者を治療する方法において、請求項13から18の何れか一項に記載の単離された抗体又はその抗原結合断片の有効量を含有する組成物を患者に投与することを含む方法。
【請求項49】
単離された抗体が抗体媒介性細胞傷害性を誘導する請求項48に記載の方法。
【請求項50】
抗体が抗体誘導細胞傷害性を増大させるように修飾されている請求項49に記載の方法。
【請求項51】
抗体が、毒素及び造影剤からなる群から選択される薬剤にコンジュゲートされている請求項50に記載の方法。
【請求項52】
喘息に罹患している患者を治療する方法において、請求項13から18の何れか一項に記載の単離された抗体又はその抗原結合断片の有効量を含有する組成物を患者に投与することを含む方法。
【請求項53】
炎症性疾患に罹患している患者を治療する方法において、請求項7から18の何れか一項に記載の単離された抗体又はその抗原結合断片の有効量を含有する組成物を患者に投与することを含む方法。
【請求項54】
炎症性疾患が、急性播種性脳脊髄炎、アジソン病、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、関節炎、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡、セリアック病、シャーガス病、クローン病、皮膚筋炎、1型糖尿病、グッドパスチャー症候群、移植片対宿主病、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本病、高IgE症候群、特発性血小板減少性紫斑病、エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、天疱瘡、悪性貧血、多発性筋炎、原発性胆汁性肝硬変、乾癬、関節リウマチ、シェーグレン症候群、側頭動脈炎、血管炎、及びウェゲナー肉芽腫症からなる群から選択される請求項53に記載の方法。
【請求項55】
移植片拒絶に罹患している患者を治療する方法において、請求項7から18の何れか一項に記載の単離された抗体又はその抗原結合断片の有効量を含有する組成物を患者に投与することを含む方法。
【請求項56】
移植片拒絶が、臓器拒絶反応、骨髄移植拒絶反応、及び/又は骨髄非破壊的骨髄移植拒絶反応からなる群から選択される請求項55に記載の方法。
【請求項57】
請求項1から18の何れか一項に記載の抗体又は抗原結合断片を製造する方法において、抗体又は抗原結合断片を産生する細胞を培養し、細胞培養物から抗体又は抗原結合断片を回収することを含む方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13−1】
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【図13−2】
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【図13−3】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2012−503984(P2012−503984A)
【公表日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−529280(P2011−529280)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【国際出願番号】PCT/US2009/058475
【国際公開番号】WO2010/036959
【国際公開日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(511071555)ダナ−ファーバー キャンサー インスティテュート, インコーポレイテッド (2)
【出願人】(509304896)エモリー ユニバーシティ (5)
【Fターム(参考)】