説明

ヒンジ装置

【課題】回動部側の開閉が容易であると共にフリーストップ構造を備え、更には、構造が簡単で組み込み性も良いヒンジ装置を提供する。
【解決手段】ヒンジ装置1は、第1部材10と第2部材20を相対的に回動可能に保持する円柱状の支軸50と、第1部材10に一体形成され、円柱状の支軸50を所定間隔おいて挿通させる嵌合孔を具備した嵌合保持部15と、第2部材20に一体形成され、円柱状の支軸50を保持するように略180°湾曲して第2部材の本体21にネジ止めされる湾曲片22と、本体21と湾曲片22との間でネジ23によって固定されると共に、円柱状の支軸50を巻回するように配設されて、第2部材20の回動に対して所定の摩擦力を生じさせる摩擦板40と、第2部材20を開く方向に回動した際は円柱状の支軸50を空転させ、閉じる方向に回動した際は円柱状の支軸に抵抗力を付与する一方向バネ61,62と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、ゲーム機など、各種の電子機器に用いられるヒンジ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、上記のような電子機器として、本体部と液晶画面のような画像表示部(回動部)を折り重ね、使用時に画像表示部を本体部から回動させる構造が知られている。このような電子機器には、本体部と画像表示部との間に各種のヒンジ装置が配設されている。
【0003】
通常、ヒンジ装置は、本体部側に固定される第1部材と、画像表示部側に固定される第2部材とを有し、これら第1部材と第2部材は、共通の回転軸によって相対的に回転できるよう構成されている。この場合、回転軸は、一方の部材(例えば第1部材)に圧入嵌合され、その摩擦係合力によって所定のトルクを発生し、他方の部材(例えば第2部材)に対しては、回転軸が抜けないような構造が施されている。具体的は、例えば、回転軸の中央部分を円柱形状とし、この部分を一方の部材に圧入嵌合し、その両サイドを中央の円柱形状よりも大きい径の断面多角形状として他方の部材に嵌合することで、回転軸を抜け止めすると共に、中央部分の円柱形状領域で所定のトルクを発生するようにしている。このような構造によれば、画像表示部を本体部に対して回動できると共に、上記のような摩擦力で生じるトルクによって、任意の回動位置で停止できる(いわゆる、フリーストップ構造)ようになる。
【0004】
しかし、このような構造では、画像表示部を開く時に大きなトルクがかかってしまい、使い勝手が悪いという問題がある。すなわち、画像表示部を開く時は、フリーストップのトルクに加え、画像表示部の自重トルクが加算されることから、開く動作が重くなってしまう。
そこで、例えば、特許文献1には、回動部側と固定部側との間に、軸方向に沿って2つの円筒ばねを所定の遊び角を持ってカム結合させ、一方の円筒ばねの内側に一方向クラッチを配設したヒンジ装置が開示されている。この一方向クラッチは、回動部側を開くときにはフリー状態となり、閉じるときには楔結合するように配設されており、回動部を開く方向には、円筒ばねによるトルクを生じさせることなく小さい力での開放を可能とし、回動部を閉じる方向には、円筒ばねによるトルクを生じさせて、フリーストップできるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−194044号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した一般的に知られているヒンジ装置によれば、回転軸は、中央部分が円柱形状であり、かつ、その両サイドが多角形状に形成されているため、部品の加工コストが高く、組み付け性も悪いという問題がある。また、上記した特許文献1に開示されているヒンジ装置においても、軸方向に2つの軸部材(円筒ばね、固定軸)を配設して両者をカム結合すると共に、一方向クラッチを収容するため、構造が複雑であると共に、各軸部を精度良く加工して組み込む必要があり、コストが高くなってしまう。
【0007】
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、回動部側の開閉が容易であると共にフリーストップ構造を備え、更には、構造が簡単で組み込み性も良いヒンジ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するために、本発明は、固定部と回動部との間に配設され、回動部を固定部に対して相対的に回動可能に保持する第1部材と第2部材を有するヒンジ装置であって、当該ヒンジ装置は、前記第1部材と第2部材を相対的に回動可能に保持する円柱状の支軸と、前記第1部材に一体形成され、前記円柱状の支軸を所定間隔おいて挿通させる嵌合孔を具備した嵌合保持部と、前記第2部材に一体形成され、前記所定間隔内において、前記円柱状の支軸を保持するように略180°湾曲して第2部材の本体にネジ止めされる湾曲片と、前記第2部材の本体と湾曲片との間で前記ネジによって固定されると共に、前記円柱状の支軸を巻回するように配設されて、前記第2部材の回動に対して所定の摩擦力を生じさせる摩擦板と、前記回動部を開く方向に回動した際は前記円柱状の支軸を空転させ、閉じる方向に回動した際は前記円柱状の支軸に抵抗力を付与する一方向抵抗部材と、を有することを特徴とする。
【0009】
上記した構成のヒンジ装置は、例えば、電子機器の固定部と、固定部に対して回動される画像表示部(回動部)との間に配設され、前記第1部材を固定部側に固定し、第2部材を回動部側に固定して使用される(両者は相対回転可能であるため、第1部材を回動部側に固定し、第2部材を回動部側に固定しても良い)。この場合、円柱状の支軸を巻回するように配設される摩擦板は、第2部材の回動に対して所定の摩擦力を生じさせるようになっており、前記一方向抵抗部材は、回動部を開く方向に回動した際は円柱状の支軸を空転させ、閉じる方向に回動した際は円柱状の支軸に抵抗力を付与するようになっているため、前記摩擦板による摩擦力を弱く設定しておき、かつ、一方向抵抗部材は、回動部が自重による負荷で自然に回動しない程度に設定しておくことが可能となる。すなわち、前記摩擦板による摩擦力を弱く設定しておくことで、回動部を弱い力で開けることができ、かつ、自重で閉じようとする回動力に対しては、一方向抵抗部材の抵抗力によって阻止することが可能となり、フリーストップ構造が得られるようになる。換言すると、一方向抵抗部材は、回動部を開く時はトルクを作用させない(フリーストップトルクを作用させない)ようになっているため、回動部の自重トルク程度の力で回動部を開くことができ、開く動作を軽くすることが可能となる。この場合、一方向抵抗部材の抵抗力を調整することで、閉じる方向に対する抵抗力を調整することができるため、例えば、回動部に、閉じる方向へタッチ操作するようなディスプレイが配置されていても、タッチ操作によって回動部が不用意に回動しない程度の抵抗力に設定しておけば、タッチ操作時に回動が移動することを防止することが可能となる。
【0010】
また、上記した構成では、基本的に、第1部材と第2部材は、円柱状の支軸によって回動可能に保持されており、かつ摩擦板と一方向抵抗部材を組み込むだけであるため、構造が簡略化されてコストの低減が図れると共に、組み込み作業等も容易に行える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、回動部側の開閉が容易であると共にフリーストップ構造を備え、構造が簡単で組み込み性が良いヒンジ装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係るヒンジ装置の一実施形態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は図(a)を矢印方向D1から見た斜視図。
【図2】第1部材の構成を示す図であり、(a)は上面側から見た斜視図、(b)は裏面側から見た斜視図。
【図3】第2部材の構成を示す図であり、(a)は上面側から見た斜視図、(b)は裏面側から見た斜視図、(c)は中央断面図。
【図4】ヒンジ装置に組み込まれる摩擦板の一例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は図(a)を矢印方向D2から見た側面図、(c)は、図(b)を矢印方向D3から見た平面図。
【図5】ヒンジ装置に組み込まれる円柱状の支軸の一例を示す斜視図。
【図6】ヒンジ装置に組み込まれる一方向抵抗部材の一例を示す図。
【図7】ヒンジ装置を構成する各部材の分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係るヒンジ装置の一実施形態について、図1から図7を参照して具体的に説明する。
【0014】
これらの図に示すように、本実施形態に係るヒンジ装置1は、図示されていない電子機器などの固定部(機器本体部)と回動部(画像表示部)との間に配設されるようにっており、図に示すようにヒンジ装置1は、固定部と回動部との間の回動部分に設置される。ヒンジ装置1は、第1部材10と第2部材20とを備えており、電子機器の固定部(図示せず)は、第1部材10に固定され、図示されていない回動部は、第2部材20に固定される。なお、第1部材10と第2部材20は、相対的に回動可能となる構造のため、第1部材10に回動部を、第2部材20に固定部をそれぞれ固定しても良い(本実施形態では、前者として説明する)。
【0015】
前記第1部材10及び第2部材20は、合成樹脂等によって一体成形することが可能であり、両部材は、互いに組み付けられて後述する円柱状の支軸50によって相対的に回動可能に保持されている。この場合、第1部材10及び第2部材20は、金属によって構成されていても良いし、いずれか一方を金属にし、他方を合成樹脂にしても良い。
【0016】
前記第1部材10は、板状の本体11と、本体11の両サイドにおいて膨出するように一体形成される同じ形状の嵌合保持部15とを備えており、嵌合保持部15は、図2に示すように、所定間隔Wをおいて一体形成されている。前記本体11には、電子機器の固定部を固定するための固定部材(ビス等)が螺入されるネジ止め部11aが形成されており、前記嵌合保持部15には、それぞれ、円柱状の支軸50を嵌合する円形の嵌合孔15aが同軸上に形成されている。なお、前記嵌合保持部15には、図2に示すように、カバー部15bが一体形成されており、このカバー部15b内に、後述する一方向バネ60が配設されるようになっている。
【0017】
前記第2部材20は、板状の本体21と、本体21の中央部に一体形成され、前記第1部材10の所定間隔W内に位置して、円柱状の支軸50を保持するように略180°湾曲する湾曲片22と、を備えている。前記湾曲片22は、図3に示すように、湾曲領域22aにおいて円柱状の支軸50が挿通できるようになっており、湾曲して本体21と所定の隙間をおいて折り重なる部分には、本体21に対してネジ止めされる(ネジ23が挿通される)ネジ孔22bが形成されている。また、本体21にも、ネジ23が挿通されるネジ孔21a、及びネジ孔21aを挿通したネジ23を止めるビス25が配設されるビス穴21bが形成されている。さらに、前記本体21には、電子機器の回動部を固定するための固定部材(ビス等)が螺入されるネジ止め部21cが形成されている。
【0018】
前記第2部材20の本体21と、本体21に対して湾曲形成された湾曲片22との間には、前記ネジ23によって固定されると共に、円柱状の支軸50を巻回するように配設されて、前記第2部材20の回動に対して所定の摩擦力を生じさせる摩擦板40が配設される(図4参照)。この板状部材40は、比較的弾性変形し易く(反発力がある)、摩耗に対して強い材料によって形成されており、前記第2部材20の本体21に一体形成される湾曲片22の内面に面接する湾曲片側板状部41と、前記本体21の内面に面接する本体側板状部42と、両板状部を連結して前記湾曲片22の湾曲領域22aの内面に沿って配設される湾曲部43とを備えている。そして、このような摩擦板40を第2部材に組み付けることで、湾曲部43の内周面と円柱状の支軸50の外周面との間で所定の摩擦力が発生し、第2部材20の回動に対して所定の摩擦力が発生するようになっている。
【0019】
前記湾曲片側板状部41、及び本体側板状部42には、それぞれネジ23が挿通される開口41a,42aが形成されており、図1に示すように、摩擦板40を第2部材20に組み付けた状態で、ビス23を湾曲片22のネジ孔22b、前記開口41a,42a及び本体21のネジ孔21aに挿通し、裏側のビス穴21bでビス25によって抜け止めすることで摩擦板40が固定される。
【0020】
なお、本実施形態の摩擦板40の湾曲部43の軸方向中央部には、本体側板状部42の内面から内部に向けて突出する突部43aが形成されており、その突部43aの端面中央には、突起43bが形成されている。このような突部43aは、前記本体側板状部42の開口42aの下方に、加工用の開口42bを形成し、この部分の下端領域を内部に折り曲げ加工等することで形成することが可能である。
【0021】
そして、前記第1部材10の嵌合保持部15に形成された嵌合孔15a、及び摩擦板40が配設された第2部材20の湾曲領域22aには、図5に示すような円柱状の支軸50が挿通される。この円柱状の支軸50には、その中央に円周溝51が形成され、この円周溝51には、前記摩擦板40の中央に突出形成された突起43bが係合するようになっている。このため、円柱状の支軸50は、組み付けられた状態では軸方向に抜けないように構成されている。
【0022】
また、円柱状の支軸50の外周面には、円周溝51の両サイドで、かつ摩擦板40が接触する範囲内にグリースを保持するグリース保持用溝52,52を形成しておくことが好ましい。このようなグリース保持用溝52,52には、円柱状の支軸50を組み込む際にグリースが充填され、これにより、図示されていない回動部を固定部に対して回動した際、すなわち、摩擦板40が第2部材20とともに、円柱状の支軸50の外周面の周りを回動移動した際、滑らかに回動でき、きしみ音を生じさせることがなくなる。また、外部から異物や油分等が入り込むことを防止し、長期に亘って、第2部材20に対するトルク変動が生じないようにすることが可能となる。
【0023】
そして、前記円柱状の支軸50には、回動部(回動部を固定した第2部材20)を開く方向に回動した際は円柱状の支軸50を空転させ、回動部を閉じる方向に回動した際は円柱状の支軸50に抵抗力を付与する一方向抵抗部材60が設置されている。
【0024】
このような一方向抵抗部材60は、例えば、図6に示すように、一端側が前記第1部材10に固定され、前記円柱状の支軸50に巻回される一方向バネによって構成することが可能である。すなわち、このような一方向バネによれば、構造が簡略化されると共に、安価となり、ヒンジ装置を大型化することが防止される。本実施形態では、一方向バネによる一方向抵抗部材60は、第2部材20の湾曲片22の両サイドに設置され、それぞれの一方向バネ61,62の一端側61a,62aが第1部材10に固定されると共に、円柱状の支軸50に巻回された際、図1に示すように、第1部材10の嵌合保持部15(カバー部15b)によって覆われるようになっている。このため、両サイドに設置された一方向バネ61,62によって、抵抗力が安定するとともに、一方向バネが露出することもなく、外観を向上することが可能となる。
【0025】
そして、上記したような各部材については、図7に示すように、第1部材10に対して摩擦板40を設置した第2部材20を位置合わせしつつ、円柱状の支軸50を嵌入しながら一方向バネ61,62を装着することで、容易に組み立てることができ、最終的に、ビス23を挿通して、その端部にナット25を螺合することで、摩擦板40と円柱状の支軸50との間に所定の摩擦力が生じた状態で一体化される。この場合、円柱状の支軸50は、摩擦板40の中央に突出形成された突起43bが円周溝51に係合することで抜け止めがされており、また、支軸50は、断面多角形状でもなく、フライス加工等されていないため、加工コストが高くなることはなく、組み込み作業や分解作業も容易に行えるようになる。
【0026】
上記した構成のヒンジ装置1は、例えば、電子機器の固定部に対して、ネジ止め部11aを利用してビス等により第1部材10を固定し、かつ回動する画像表示部に、ネジ止め部21cを利用して、第2部材20を固定する。この場合、円柱状の支軸50を巻回するように配設された摩擦板40は、第2部材20の回動に対して所定の摩擦力を生じさせ、さらには、一端が第1部材10に固定された一方向バネ61,62は、回動部を開く方向に回動した際は円柱状の支軸50を空転させ、かつ、閉じる方向に回動した際は円柱状の支軸50に抵抗力を付与するようになっている。このため、摩擦板40による摩擦力を弱く設定することが可能となり、非常に弱い力で回動部を回動させる(持ち上げ回動させる)ことが可能となる。また、一方向バネ61,62は、回動部の構成や使用態様に応じて所望のバネ力を付与するようにしておけば良い。例えば、一方向バネ61,62が、回動部の自重による負荷で自然に回動しない程度に設定しておけば、回動部を弱い力で開けることができ、かつ、自重で閉じようとする回動力に対しては、一方向バネ61,62の抵抗力によって阻止することが可能となり、フリーストップ構造が得られるようになる。すなわち、回動部を開くときは、支軸50及び一方向バネ61,62によってフリーストップトルクが作用しないため、回動部を軽い力で開けることが可能となる。この場合、回動部に、閉じる方向へタッチ操作するようなディスプレイが配置されるような構造では、タッチ操作による負荷を考慮して多少抵抗力の大きい一方向バネ61,62を配設しておけば良い。このようにすることで、回動部の軽い開操作(上記したように、フリーストップトルクが作用しない軽い開操作)ができると共に、タッチ操作しても回動部が不用意に回動することを阻止するフリーストップ構造が得られるようになる。
【0027】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。例えば、上記した一方向抵抗部材については、一方向クラッチによって構成しても良く、そのような一方向部材については、支軸上に1箇所だけ設けるような構成であっても良い。また、円柱状の支軸は、内部に空洞部を形成する等、適宜変形することが可能であり、固定部や回動部に取り付ける手段についても、適宜変形することが可能である。
【0028】
また、上記したようなヒンジ装置は、電子機器の大きさや回動部(画像表示装置)の使用態様等に応じて複数個、設置することが可能である。また、摩擦板40と円柱状の支軸50とは、好ましい摩擦力が生じるように、様々な材料の組み合わせで実施することが可能である。
【符号の説明】
【0029】
1 ヒンジ装置
10 第1部材
15 嵌合保持部
20 第2部材
40 摩擦板
50 円柱状の支軸
60 一方向抵抗部材
61,62 一方向バネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部と回動部との間に配設され、回動部を固定部に対して相対的に回動可能に保持する第1部材と第2部材を有するヒンジ装置であって、
前記第1部材と第2部材を相対的に回動可能に保持する円柱状の支軸と、
前記第1部材に一体形成され、前記円柱状の支軸を所定間隔おいて挿通させる嵌合孔を具備した嵌合保持部と、
前記第2部材に一体形成され、前記所定間隔内において、前記円柱状の支軸を保持するように略180°湾曲して第2部材の本体にネジ止めされる湾曲片と、
前記第2部材の本体と湾曲片との間で前記ネジによって固定されると共に、前記円柱状の支軸を巻回するように配設されて、前記第2部材の回動に対して所定の摩擦力を生じさせる摩擦板と、
前記回動部を開く方向に回動した際は前記円柱状の支軸を空転させ、閉じる方向に回動した際は前記円柱状の支軸に抵抗力を付与する一方向抵抗部材と、
を有することを特徴とするヒンジ装置。
【請求項2】
前記円柱状の支軸の外周面には円周溝が形成され、前記摩擦板の中央には前記円周溝に係合する突起が形成されていることを特徴とするヒンジ装置。
【請求項3】
前記円柱状の支軸の外周面には、前記円周溝の両サイドで、かつ摩擦板が接触する範囲内にグリースを保持したグリース保持用溝が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のヒンジ装置。
【請求項4】
前記一方向抵抗部材は、一端側が前記第1部材に固定され、前記円柱状の支軸に巻回される一方向バネであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のヒンジ装置。
【請求項5】
前記一方向バネは、前記湾曲片の両サイドに設置され、前記嵌合保持部によって覆われていることを特徴とする請求項4に記載のヒンジ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−237417(P2012−237417A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107900(P2011−107900)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(598102546)南真化学工業株式会社 (12)
【Fターム(参考)】