ヒーター用コネクタ
【課題】発熱量の大きい高発熱抵抗体を用いて通電電流を大きくしても、コネクタ構成部品の熱損傷を抑制した信頼性の高いヒーター用コネクタを提供する。
【解決手段】ヒーターの電極端子に接触接続される接点部を有する良導電性のコンタクト8と、コンタクト8が装着されるコンタクト装着穴3とヒーターが差し込まれるヒーター差込み溝5を設けコンタクト装着穴3とヒーター差込み溝5とを連通させた電気絶縁性のコネクタハウジング2を備え、ヒーターに着脱自在に接続されるヒーター用コネクタ1であり、コネクタハウジング2は、ヒーターからのクリープ熱を放熱する放熱部材7を装着し、コンタクト装着穴3にコンタクト8の接点部をヒーター差込み溝5に露出させて装着し、ヒーター差込み溝5に、ヒーターが差し込まれたときに電極端子がコンタクト8の接点部に接触され且つ電極端子に接続されたヒーターが放熱部材7に圧接接触される。
【解決手段】ヒーターの電極端子に接触接続される接点部を有する良導電性のコンタクト8と、コンタクト8が装着されるコンタクト装着穴3とヒーターが差し込まれるヒーター差込み溝5を設けコンタクト装着穴3とヒーター差込み溝5とを連通させた電気絶縁性のコネクタハウジング2を備え、ヒーターに着脱自在に接続されるヒーター用コネクタ1であり、コネクタハウジング2は、ヒーターからのクリープ熱を放熱する放熱部材7を装着し、コンタクト装着穴3にコンタクト8の接点部をヒーター差込み溝5に露出させて装着し、ヒーター差込み溝5に、ヒーターが差し込まれたときに電極端子がコンタクト8の接点部に接触され且つ電極端子に接続されたヒーターが放熱部材7に圧接接触される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヒーター用コネクタに係り、さらに詳しくは電子写真複写機、レーザプリンターなどの画像形成装置に組み込まれた加熱定着装置のヒーターへ着脱自在に接続してヒーターへ電力を供給するのに好適なヒーター用コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真複写機、レーザプリンターなどの画像形成装置には、加熱定着装置が組み込まれており、この加熱定着装置は、概ねフィルム加熱方式が採用されている。フィルム加熱方式に使用されるヒーターは、通常、電気絶縁性及び耐熱性を有する細長長尺の基板と、この基板の長手方向の一面に設けた細帯状の発熱抵抗体と、長尺基板上の発熱抵抗体を覆い保護する保護膜とを有し、少なくとも一端部に電極端子を設けたものとなっている。このヒーターは、電極端子にコネクタが接続されて発熱抵抗体へ電力が供給されるようになっている。このヒーターに接続されるコネクタは、発熱抵抗体に大きい電流が流れるために、接触抵抗が小さくなるように工夫されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1に開示されているコネクタは、コンタクトに、複数個の電気的接点部を設け、これらの電気的接点部はヒーター電極端子との間で接圧差が異なるようにしたものとなっている。また、螺子結合よるコネクタも下記特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−302868号公報(段落〔0030〕〜〔0032〕、図5)
【特許文献2】特許3245785号公報(段落〔0036〕〜〔0040〕、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子写真複写機、レーザプリンターなど画像形成装置は、近年、さらに高速化及び高画質向上が追求されて来ており、そのためには加熱定着の高速化が必須となっている。この加熱定着の高速化を実現するためには、発熱抵抗体の発熱量を増大させなければならず、そのために発熱量の大きい高発熱抵抗体を用いて通電電流を大きくしなければない。しかしながら、発熱量の大きい高発熱体を用いて通電電流を大きくすると、通電電流の2乗に比例したジュール熱(高熱)が発生して、この高熱により加熱定着の高速化が可能となるが、一方でこの高熱がクリープ熱としてコネクタを構成している部品、例えばコンタクト及びコネクタハウジングなどへ伝達される。
【0006】
高温クリープ熱がコンタクトに伝達されると、コンタクトのバネ材がこのクリープ熱により劣化してバネ力が低下し、このバネ力の低下に伴い接触抵抗が高くなる。また、コンタクトは、元々、ヒーターの電極端子との間にも接触抵抗が存在するので、この接触抵抗値に高温クリープ熱で高くなった抵抗値分が加わるので、さらに抵抗値が増大して熱暴走が生じてコンタクトの熱損傷を招くことがある。また、この高温クリープ熱がコネクタハウジングに伝達されると、コネクタハウジングは、通常、合成樹脂成型体で作成されているので、この高温クリープ熱により溶融又は焼損することがある。
【0007】
したがって、画像形成装置の加熱定着装置において、加熱定着の高速化を実現しようとして発熱量が大きい高発熱抵抗体を用いて通電電流を大きくすると、上記のようなコンタクトの劣化及びコネクタハウジングの溶融或は焼損などが発生する恐れがあるので、発熱量が大きい高発熱抵抗体を用いて通電電流を大きくすることができない課題がある。なお、上記特許文献1、2のコネクタを含めたこれまでのコネクタは、クリープ熱によって、コネクタ部品が熱損傷を受け、この熱損傷への対策を講じたものは見当たらない。
【0008】
そこで、本発明者らは、この課題を解決するために、高温クリープ熱対策を検討した。その結果、ヒーターがコネクタハウジングに接触する面積を可能な限り少なくし、代わって、高温クリープ熱を吸熱して外部へ放熱する部材をヒーターに接触させれば、上記課題の解決ができることに想到し、本発明を完成させるに至ったものである。
【0009】
本発明は、このような知見に基づいてもなされたもので、本発明の目的は、発熱量の大きい高発熱抵抗体を用いて通電電流を大きくしても、コネクタ構成部品の熱損傷を招くことがなく信頼性の高いヒーター用コネクタを提供することにある。具体的には、高発熱抵抗体からの高温クリープ熱を外へ放熱させることにより、コンタクト及びコネクタハウジングへの熱の伝達を低減して、それらの熱損傷を抑制したヒーター用コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様のヒーター用コネクタでは、ヒーターの電極端子に接触接続される接点部を有する良導電性のコンタクトと、前記コンタクトが装着されるコンタクト装着穴及び前記ヒーターが差し込まれるヒーター差込み溝を設けて前記コンタクト装着穴と前記ヒーター差込み溝とを連通させた電気絶縁性のコネクタハウジングとを備え、ヒーターに着脱自在に接続されるヒーター用コネクタにおいて、
前記コネクタハウジングは、ヒーターから伝導されるクリープ熱を放熱する放熱部材を装着し、前記コンタクト装着穴に前記コンタクトを該コンタクトの接点部が前記ヒーター差込み溝に露出されるように装着して、前記ヒーター差込み溝にヒーターが差し込まれたときに、ヒーターの電極端子が前記コンタクトの接点部に接触され且つ該電極端子に接続されたヒーターが前記放熱部材に圧接接触される構成を有することを特徴とする。
【0011】
また、第2の態様のヒーター用コネクタにおいては、前記コネクタハウジングは、所定の面積を有する前後、左右及び上下の壁面で囲まれた電気絶縁性の直方体ブロックからなり、前記直方体ブロック内にあって、前記上下壁面のいずれか一方の壁面側に前記コンタクト装着穴及び他の壁面側に前記放熱部材を装着する放熱部材装着穴がそれぞれ設けられ、また、前記コンタクト装着穴と前記放熱部材装着穴との間にあって、前記前後壁面のいずれか一方の壁面に他の壁面に向かって前記ヒーター差込溝が設けられて、前記ヒーター差込み溝は、前記コンタクト装着穴及び前記放熱部材装着穴との間に連通孔を設けて連通していることを特徴とする。
【0012】
また、第3の態様のヒーター用コネクタにおいては、前記コネクタハウジングは、前記放熱部材装着穴が設けられた壁面側の壁面に、前記壁面を貫通した放熱孔が形成されていることを特徴とする。
【0013】
また、第4の態様のヒーター用コネクタにおいては、前記放熱部材は、所定の大きさ及び肉厚を有する板状の放熱プレートからなり、前記放熱プレートが前記コネクタハウジングの内部に組み込まれ、又は壁面に固定されていることを特徴とする。
【0014】
また、第5の態様のヒーター用コネクタにおいては、前記放熱プレートは、所定の形状に折曲されて、前記コネクタハウジングの外壁面を覆っていることを特徴とする。
【0015】
また、第6の態様のヒーター用コネクタにおいては、前記放熱部材は、金属材料、又は耐熱性及び熱伝導性を樹脂材料で形成されていることを特徴する。
【0016】
また、第7の態様のヒーター用コネクタにおいては、前記コネクタハウジングは、前記コンタクト装着穴の少なくともいずか一方の壁面側に前記ヒーター差込み溝に連通した連通孔を有するバネ装着穴を設けて、前記バネ装着穴にバネ部材を装着して、前記ヒーター差込み溝に、ヒーターが差し込まれたときに、前記バネ部材でヒーターを前記放熱部材に圧接接触させることを特徴とする。
【0017】
また、第8の態様のヒーター用コネクタにおいては、前記バネ部材は、金属材料又は耐熱性及び熱伝導性を樹脂材料で形成されていることを特徴する。
【0018】
また、第9の態様のヒーター用コネクタにおいては、前記コネクタハウジングは、前記コンタクト装着穴の少なくともいずれか一方の壁面側に前記ヒーターを前記放熱部材へ押圧密着させる弾性腕片を設けたことを特徴する。
【発明の効果】
【0019】
本発明においては、第1の態様のヒーター用コネクタでは、第1の態様の発明によれば、ヒーターに発熱量の大きい高発熱抵抗体を用いて通電電流を大きくしても、コネクタ構成部品の熱損傷を招くことなく信頼性の高いヒーター用コネクタを提供できる。具体的には、コネクタをヒーターに接続して、高発熱抵抗体からの高温クリープ熱がコネクタへ伝達されても、放熱部材がこのクリープ熱を吸熱し外部へ放熱するので、コネクタ構成部品、例えばコンタクト及びコネクタハウジングへの伝達が低減されて、それら部品の熱損傷を防止できる。
【0020】
また、第2の態様のヒーター用コネクタによれば、コンタクト装着穴と放熱部材装着穴との間に、ヒーター差込溝が形成されて、これらのコンタクト装着穴及び放熱部材装着穴にコンタクト及び放熱部材が装着されて、ヒーター差込み溝にヒーターが差し込まれると、ヒーターの電極端子がコンタクトに電気的に接触接続され、この電極端子の他面側が放熱部材に接触するので、ヒーターからのクリープ熱が放熱部材に吸熱されて外部へ放熱される。また、コネクタハウジングへのヒーターの接触面積が低減される。その結果、コンタクト及びコネクタハウジングの熱損傷を防止できる。
【0021】
また、第3の態様のヒーター用コネクタによれば、放熱部材の熱を放熱孔から外部へ効率よく放熱させることができる。
【0022】
また、第4〜6の態様のヒーター用コネクタによれば、放熱部材を板状の放熱プレートにしたので、コネクタハウジングへの装着、固定が簡単になる。また、放熱部材に、金属材料、又は耐熱性及び熱伝導性の樹脂材料を用いることにより、安価で簡単に作成できる。
【0023】
また、第7の態様のヒーター用コネクタによれば、ヒーター差込み溝に、ヒーターが差し込まれたときに、前記バネ部材でヒーターを放熱部材に圧接接触させることができる。
【0024】
また、第8の態様のヒーター用コネクタによれば、バネ部材に、金属材料、又は耐熱性及び熱伝導性の樹脂材料を用いることにより、安価で簡単に作成できる。
【0025】
また、第9の態様のヒーター用コネクタによれば、コネクタハウジングに弾性腕片を設けるので、バネ部材などが不要になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は本発明の実施形態に係るヒーター用コネクタをヒーターに接続した状態の外観斜視図である。
【図2】図2は図1のヒーター用コネクタの分解斜視図である。
【図3】図3はコネクタハウジングを示し、図3Aは一側面図、図3Bは正面図、図3Cは背面図、図3Dは底面図、図3Eは上面図である。
【図4】図4Aは図3CのIVA−IVA線の断面図、図4Bは図3CのIVB−IVB線の断面図である。
【図5】図5は放熱部材を示し、図5Aは斜視図、図5Bは図5Aの放熱部材を裏返し背面からみた斜視図である。
【図6】図6はコンタクトを示し、図6Aは一側面図、図6Bは正面図、図6Cは背面図、図6Dは底面図、図6Eは上面図である。
【図7】図7は図6CのVII−VII線の断面図である。
【図8】図8はバネ部材を示し、図8Aは斜視図、図8Bは図8Aのバネ部材を裏返し背面からみた斜視図である。
【図9】図9はヒーターを示し、図9Aはヒーターの発熱体に設けられた発熱抵抗体が見えるようにした状態の背面図、図9Bはヒーターの背面図である。
【図10】図10はヒーター用コネクタの組立体を示し、図10Aは一側面図、図10Bは正面図、図10Cは背面図、図10Dは底面図、図10Eは上面図である。
【図11】図11は図10CのXIA―XIA線の断面図、図11Bは図10CのXIB−XIB線の断面図である。
【図12】図12はヒーター用コネクタの組立体にヒーターを接続した状態を示し、図12Aは一側面図、図12Bは図11Aに対応するヒーターが接続された状態の断面図、図12Cは図11Bに対応するヒーターが接続された状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのヒーター用コネクタを例示するものであって、本発明をこれに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。
【0028】
図1、図2を参照して、本発明の実施形態に係るヒーター用コネクタを説明する。なお、図1は本発明の実施形態に係るヒーター用コネクタをヒーターに接続した状態の外観斜視図、図2は図1のヒーター用コネクタの分解斜視図である。
【0029】
本発明の実施形態1に係るヒーター用コネクタ1は、図1、図2に示すように、所定の幅及び厚みを有した長尺の面状ヒーター(以下、ヒーターという)11に接続して使用するものであって、このヒーター11の電極端子に接触接続される接点部を有する複数本のコンタクト8と、これらのコンタクトが収容し装着されるコンタクト装着穴3及びヒーター11が差込み接続されるヒーター差込み溝(以下、差込み溝という)5を設けたコネクタハウジング(以下、ハウジングという)2とを備えており、このハウジング2に所定形状の放熱部材7及びバネ部材9を装着し得るようになっている。
【0030】
放熱部材7は、ヒーター11からコンタクト8及びハウジング2へ伝達されるクリープ熱を吸熱し外部へ放熱するものであり、後述するように、所定に肉厚及び大きさを有する板状体からなるプレートで構成されている。(以下、この放熱部材を放熱プレートという)。また、バネ部材9はヒーター11を放熱プレート7に密着させるものとなっている。さらに、コンタクト8には、給電線Cが接続されてハウジング2へ装着される。
【0031】
このヒーター用コネクタ1は、ハウジング2に給電線Cを接続したコンタクト8、放熱プレート7及びバネ部材9を装着して組立てて、組立てたヒーター用コネクタ1をヒーター11に接続して使用する。このヒーター用コネクタ1は、ハウジング2内に放熱プレート7が組み込まれるので、ヒーター11からコンタクト8及びハウジング2へ伝達されるクリープ熱が放熱プレート7で吸熱されて外部へ放熱されるので、コンタクト8の熱劣化及びハウジング2の熱変形・熱破損などを防止できる。以下、このヒーター用コネクタ1を構成する個々の部品を詳述する。
【0032】
図2〜図4を参照して、ハウジングを説明する。図3はハウジングを示し、図3Aは一側面図、図3Bは正面図、図3Cは背面図、図3Dは底面図、図3Eは上面図、図4Aは図3CのIVA−IVA線の断面図、図4Bは図3CのIVB−IVB線の断面図である。
【0033】
ハウジング2は、図2、図3に示すように、対向する一対の長尺辺及び短尺辺とを有する矩形状の底壁部2aと、この底壁部の周囲から所定高さ立設した前後及び左右の壁部2b〜2eと、これらの壁部の頂部にあって底壁部と対向する上壁部2fとで囲まれた電気絶縁性合成樹脂の直方体ブロックからなり、この直方体ブロックに、コンタクト装着穴3、バネ部材を装着するバネ装着穴4、ヒーター11が差込み接続される差込み溝5及び放熱プレート7を装着するプレート装着穴6が形成されている。これらのコンタクト装着穴3、バネ装着穴4、差込み溝5及びプレート装着穴6は、底壁部2aから順に上壁部2fに向かって3層に区分された層構造をなして形成されている。なお、特許請求範囲の上下の壁面は、底壁部及び上壁部の何れかの壁面となっている。このハウジング2は、電気絶縁性の他に伝導性、耐熱性を有する合成樹脂材(例えば、熱伝導PPS)の成型体で作成するのが好ましい。
【0034】
コンタクト装着穴3は、2本からなり、これらのコンタクト装着穴3は同じ構成となっている。なお、装着穴の本数は、2本に限定されるものでなく、1本又は3本以上にしてもよい。これらのコンタクト装着穴3は、図4Aに示すように、底壁部2a側にあって、後壁部2cの略中央部から前壁部2bに向かって隣接して穿設されて、それぞれがコンタクト8を収容できる大きさの空洞穴となっている。これらのコンタクト装着穴3は、前壁部2bを貫通せず、前壁部2bの近傍部分にコンタクト8の先端部が挿入されるようになっている。このコンタクト装着穴3は、後壁部2cにコンタクト挿入口2c1及び内部の底壁部2aにコンタクト係止爪2a1が設けられている。これらのコンタクト装着穴3は、図4Aに示すように、内部に連通孔31が形成されて、この連通孔31が差込み溝5に連通している。コンタクト装着穴3にコンタクト8が装着されると、この連通孔31からコンタクト8の接点部81が差込み溝5へ露出・突出される。
【0035】
ハウジング2は、2本のコンタクト装着穴3の両サイド、すなわち、左右の壁部2d、2e側にそれぞれバネ部材9が収容・装着されるバネ装着穴4が形成されている。これらのバネ装着穴4は、同じ構成となっており、図4Bに示すように、後壁部2cの略中央部から前壁部2bに向かって隣接して穿設されて、それぞれがバネ部材9を収容できる大きさの空洞穴となっている。これらのバネ装着穴4は、前壁部2bを貫通せずに、前壁部2b近傍部分はばね部材9の先端部が挿入されるようになっている。これらのバネ装着穴4は、内部に連通孔41が形成されて、この連通孔41で差込み溝5に連通している。バネ装着穴4にバネ部材9が装着されると、この連通孔41からバネ部材9の押圧部が差込み溝5へ露出・突出される。一対のバネ装着穴4が左右の壁部2d、2e側に形成されているので、これらのバネ装着穴4にバネ部材9が装着されると、ヒーター11がバランスよく放熱プレート7に押し当てられる。
【0036】
差込み溝5は、図4に示すように、前壁部2bから後壁部2cに向かって、所定の深さ凹ませて且つ左右の壁部2b、2cを貫通し、断面形状が略横U字状の溝で形成されている。この横U字状溝の深さは、ヒーター11の幅長と略同じになっている。この差込み溝5は、略横U字状の溝の底壁部6aに連通孔61が形成されて、この連通孔61が差込み溝5に連通している。この差込み溝5には、ヒーター11が差し込まれる。
【0037】
プレート装着穴6は、上壁部2f側にあって、後壁部2cに放熱プレート7の挿入口6bを設け、この挿入口から前壁部2bにほぼ到達する深さの溝穴で形成されている。すなわち、このプレート装着穴6は、溝内の底壁部6a、左右の壁部2d、2e、前壁部2b及び上壁部2fで囲まれて放熱プレート7が収容される大きさの横溝穴となっている。このプレート装着穴6は、溝内の底壁部6aの前壁部2b側に差込み溝5に連通する連通孔61が形成されている。この連通孔61は、プレート装着穴6に放熱プレート7が装着されたときに、この連通孔61を通して放熱プレート7の一部が差込み溝5に露出して、この露出部に差込み溝5に差し込まれたヒーター11が接触する孔となっている。また、このプレート装着穴6は、上壁部2fの一部、前壁部2b側にこの装着穴に連通する2個の切欠き穴2f1が形成されている。これらの切欠き穴2f1は、放熱プレート7からの熱を外部へ放熱する放熱孔となっている。この実施形態では放熱プレート7は、ハウジングにプレート装着穴6を設け、このプレート装着穴6に収容・装着するようにしたが、他の方法、例えば、上壁部2fを露出させた状態で固定してもよい。また、この放熱プレート7は、その表面積及び体積を大きくすることにより放熱効果をアップできるので、平板状の放熱プレートを変形してL字型にし、折り曲げ部分で他の壁、例えば後壁部2cの一部、或はヒーターの差込みに使用しない側壁部で覆うようにしてもよい。なお、この放熱部材は、平板状のプレートに限定されるものでなく、任意の形状のものでもよい。したがって、このプレート装着穴の形状は、放熱部材の形状によって変更される。
【0038】
放熱プレート7は、図5に示すように、所定面積の矩形状の底板部7fと、この底板部の周囲から所定高さ立設した前後及び左右の側板部7b〜7eと、前後及び左右の側板部の頂部にあって底板部と対向する上壁部7aで囲まれてプレート装着穴6に挿入できる大きさの板状体のものからなり、金属材料で形成されている。この放熱プレート7は、クループ熱を吸熱して放熱させるので、所定体積を有し良熱伝導性の金属板で形成するのが好ましい。なお、この放熱プレート7は、金属材料に限定されるものではなく、他の材料、例えば、耐熱性及び熱伝導性の樹脂材料で形成したものでもよい。
【0039】
図6、図7を参照して、コンタクトを説明する。なお、図6はコンタクトを示し、図6Aは一側面図、図6Bは正面図、図6Cは背面図、図6Dは底面図、図6Eは上面図、図7は図6CのVII−VII線の断面図である。
【0040】
2本のコンタクト8は、同じ構成となっている。このコンタクト8は、図6、図7に示すように、ヒーターの電極端子に接触して電気的に接触接続される接点部を有するバネ体部8Aと、電線が接続される電線接続部8B、8Cとを有し、良導電性の金属板を打ち抜き及び折曲加工することによって作成されている。バネ体部8Aは、電線接続部の圧着接続部8Bの端部8aと、この端部8aの一端から折曲された折曲部8bと、この折曲部8bから延設され基部側へ略U字状に折曲されたバネ部8cとを有し、このバネ部8cに接点部81が設けられている。端部8aには、切り起し係止部8a1が形成されている。電線接続部は、電線Cの芯線が圧着接続される圧着接続部8Bと、この接続部の後方へさらに延設されて電線の外皮を加締する電線加締部8Cとを有している。なお、コンタクトは、上記形状のものに限定されるものでなく、他の形状でもよい。
【0041】
バネ部材9は、ハウジング2のバネ装着穴4に装着されて、ヒーター11に弾性接触してこのヒーターを放熱プレート7に接触させるものである。このバネ部材9は、図8に示すように、所定大きさの平坦面を有する基部9aと、この基部の一端から折曲された折曲部9bと、この折曲部から延設され基部側へ略U字状に折曲された押圧部9cとを有し、所定の肉厚、幅長及び長さの金属板材を折曲加工等により形成されている。押圧部9cには、ヒーター11にバネ当接される湾曲接触部91が形成されている。この湾曲接触部91は、折曲部9bから延設された箇所を基部面から離れる方向へ湾曲されている。このバネ部材9がバネ装着穴4に装着されると、湾曲接触部91がバネ装着穴4の連通孔41から差込み溝5内へ突出する。なお、バネ部材9は、図8に示す形状のものに限定されず、他の形状でもよい。また、このバネ部材は、金属材料に限定されるものではなく、他の材料、例えば、耐熱性及び熱伝導性の樹脂材料で形成したものでもよい。この実施形態では、ハウジング2にバネ装着穴4を設け、このバネ装着穴4にバネ部材9を装着するようにしたが、他のバネ手段、例えば、バネ装着穴を設ける箇所のハウジングに弾性腕片を直接形成してもよい。これにより、バネ装着穴の形成及びバネ部材が不要になる。
【0042】
ヒーター11は、図9Aに示すように、電気絶縁性及び耐熱性を有する発熱体10の細長長尺の長手方向の一面に略U字状の発熱抵抗体12が設けられ、この発熱体10に図9Bに示すような電気絶縁性及び耐熱性を有するヒーターホルダー13が装着され、発熱抵抗体12は略U字状の端部に一対の電極端子12a、12bを有し、この部分のヒーターホルダー13が切除されて各電極端子12a、12bが露出した構成となっている。
【0043】
主に図10〜図12を参照して、このコネクタの組立てを説明する。なお、図10はコネクタの組立体を示し、図10Aは一側面図、図10Bは正面図、図10Cは背面図、図10Dは底面図、図10Eは上面図、図11は図10CのXIA―XIA線の断面図、図11Bは図10CのXIB−XIB線の断面図、図12はコネクタ組立体にヒーターを接続した状態を示し、図12Aは一側面図、図12B、図12Cはヒーターが接続された状態の図11A、図11Bに対応した断面図となっている。
【0044】
ヒーター用コネクタ1の組立ては、ハウジング2に、コンタクト8、バネ部材9及び放熱プレート7を装着する。装着順序は、任意でよいが、まず、コンタクト8をコンタクト装着穴3に装着する。この装着は、それぞれのコンタクト8に電線を接続して、ハウジング2の後壁部2c側の各挿通口からそれぞれ挿入して前壁部2b側へ押込む。この押込みにより、各コンタクト8は、切り起し係止部8a1がコンタクト装着穴3内のコンタクト係止爪2a1に係止されて抜け止めされる。各コンタクト8がコンタクト装着穴3に収容されると、コンタクトの接点部81が連通孔31から差込み溝5内へ露出される(図11A参照)。次に、バネ部材9をバネ装着穴4に装着する。この装着は、それぞれのバネ部材9をハウジング2の後壁部2c側のそれぞれの挿通口から挿入し前壁部2bへ押込む。この押込みにより、バネ部材9はバネ装着穴4に固定される。バネ部材9がバネ装着穴4に収容されると、バネ部材の湾曲接触部91が差込み溝5内へ露出される(図11B参照)。続いて、放熱プレート7をプレート装着穴6に装着する。この装着は、放熱プレート7をハウジング2の後壁部2c側のそれぞれの挿通口から挿入し前壁部2bへ押込む。この押込みにより、放熱プレート7はプレート装着穴6に固定される。放熱プレート7がプレート装着穴6に収容されると、放熱プレート7の一部分71が差込み溝5内へ露出される(図11A、図11B参照)。これにより、ヒーター用コネクタ1の組立てを終了する。
【0045】
この組立てたヒーター用コネクタ1をヒーター11に接続する。この接続は、図12に示すように、ヒーター11を各電極端子12a、12bがコンタクト8の接点部81に接触される向きにして、差込み溝5へ差込む。この差込みにより、ヒーター11の各電極端子12a、12bがコンタクト8の接点部81に接触し電気的接続がなされると共に、ヒーター11の端部の発熱体10が放熱プレート7に接触する。放熱プレート7への接触は、バネ部材9により発熱体10の装着されたヒーターホルダー13が押圧されて密着接触される。
【0046】
この実施形態のコネクタによれば、以下の作用効果を奏することができる。まず、ヒーター11に発熱量の大きい高発熱抵抗体を用いて通電電流を大きくしても、コネクタ構成部品の熱損傷を招くことなく信頼性の高いヒーター用コネクタ1を提供できる。具体的には、ヒーター用コネクタ1をヒーター11に接続して、高発熱抵抗体からの高温クリープ熱がヒーター用コネクタ1へ伝達されても、放熱プレート7がこのクリープ熱を吸熱し外部へ放熱するので、コネクタ構成部品、例えばコンタクト8及びコネクタハウジング2への伝達が低減されて、それら部品の熱損傷を防止できる。また、バネ部材9により、ヒーター11をバランスよく放熱プレート7に密着接触させることができる。さらに、放熱孔2f1からは放熱プレートの熱を効率よく外部へ放熱させることができる。
【符号の説明】
【0047】
1 ヒーター用コネクタ
2 コネクタハウジング
2f1 切欠き穴(放熱孔)
3 コンタクト装着穴
31 連通孔
4 バネ装着穴
41 連通孔
5 ヒーター差込み溝
6 プレート装着穴(放熱部材装着穴)
61 連通孔
7 放熱プレート(放熱部材)
8 コンタクト
9 バネ部材
10 発熱体
11 ヒーター
12 発熱抵抗体
12a、12b 電極端子
13 ヒーターホルダー
【技術分野】
【0001】
本発明はヒーター用コネクタに係り、さらに詳しくは電子写真複写機、レーザプリンターなどの画像形成装置に組み込まれた加熱定着装置のヒーターへ着脱自在に接続してヒーターへ電力を供給するのに好適なヒーター用コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真複写機、レーザプリンターなどの画像形成装置には、加熱定着装置が組み込まれており、この加熱定着装置は、概ねフィルム加熱方式が採用されている。フィルム加熱方式に使用されるヒーターは、通常、電気絶縁性及び耐熱性を有する細長長尺の基板と、この基板の長手方向の一面に設けた細帯状の発熱抵抗体と、長尺基板上の発熱抵抗体を覆い保護する保護膜とを有し、少なくとも一端部に電極端子を設けたものとなっている。このヒーターは、電極端子にコネクタが接続されて発熱抵抗体へ電力が供給されるようになっている。このヒーターに接続されるコネクタは、発熱抵抗体に大きい電流が流れるために、接触抵抗が小さくなるように工夫されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1に開示されているコネクタは、コンタクトに、複数個の電気的接点部を設け、これらの電気的接点部はヒーター電極端子との間で接圧差が異なるようにしたものとなっている。また、螺子結合よるコネクタも下記特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−302868号公報(段落〔0030〕〜〔0032〕、図5)
【特許文献2】特許3245785号公報(段落〔0036〕〜〔0040〕、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子写真複写機、レーザプリンターなど画像形成装置は、近年、さらに高速化及び高画質向上が追求されて来ており、そのためには加熱定着の高速化が必須となっている。この加熱定着の高速化を実現するためには、発熱抵抗体の発熱量を増大させなければならず、そのために発熱量の大きい高発熱抵抗体を用いて通電電流を大きくしなければない。しかしながら、発熱量の大きい高発熱体を用いて通電電流を大きくすると、通電電流の2乗に比例したジュール熱(高熱)が発生して、この高熱により加熱定着の高速化が可能となるが、一方でこの高熱がクリープ熱としてコネクタを構成している部品、例えばコンタクト及びコネクタハウジングなどへ伝達される。
【0006】
高温クリープ熱がコンタクトに伝達されると、コンタクトのバネ材がこのクリープ熱により劣化してバネ力が低下し、このバネ力の低下に伴い接触抵抗が高くなる。また、コンタクトは、元々、ヒーターの電極端子との間にも接触抵抗が存在するので、この接触抵抗値に高温クリープ熱で高くなった抵抗値分が加わるので、さらに抵抗値が増大して熱暴走が生じてコンタクトの熱損傷を招くことがある。また、この高温クリープ熱がコネクタハウジングに伝達されると、コネクタハウジングは、通常、合成樹脂成型体で作成されているので、この高温クリープ熱により溶融又は焼損することがある。
【0007】
したがって、画像形成装置の加熱定着装置において、加熱定着の高速化を実現しようとして発熱量が大きい高発熱抵抗体を用いて通電電流を大きくすると、上記のようなコンタクトの劣化及びコネクタハウジングの溶融或は焼損などが発生する恐れがあるので、発熱量が大きい高発熱抵抗体を用いて通電電流を大きくすることができない課題がある。なお、上記特許文献1、2のコネクタを含めたこれまでのコネクタは、クリープ熱によって、コネクタ部品が熱損傷を受け、この熱損傷への対策を講じたものは見当たらない。
【0008】
そこで、本発明者らは、この課題を解決するために、高温クリープ熱対策を検討した。その結果、ヒーターがコネクタハウジングに接触する面積を可能な限り少なくし、代わって、高温クリープ熱を吸熱して外部へ放熱する部材をヒーターに接触させれば、上記課題の解決ができることに想到し、本発明を完成させるに至ったものである。
【0009】
本発明は、このような知見に基づいてもなされたもので、本発明の目的は、発熱量の大きい高発熱抵抗体を用いて通電電流を大きくしても、コネクタ構成部品の熱損傷を招くことがなく信頼性の高いヒーター用コネクタを提供することにある。具体的には、高発熱抵抗体からの高温クリープ熱を外へ放熱させることにより、コンタクト及びコネクタハウジングへの熱の伝達を低減して、それらの熱損傷を抑制したヒーター用コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様のヒーター用コネクタでは、ヒーターの電極端子に接触接続される接点部を有する良導電性のコンタクトと、前記コンタクトが装着されるコンタクト装着穴及び前記ヒーターが差し込まれるヒーター差込み溝を設けて前記コンタクト装着穴と前記ヒーター差込み溝とを連通させた電気絶縁性のコネクタハウジングとを備え、ヒーターに着脱自在に接続されるヒーター用コネクタにおいて、
前記コネクタハウジングは、ヒーターから伝導されるクリープ熱を放熱する放熱部材を装着し、前記コンタクト装着穴に前記コンタクトを該コンタクトの接点部が前記ヒーター差込み溝に露出されるように装着して、前記ヒーター差込み溝にヒーターが差し込まれたときに、ヒーターの電極端子が前記コンタクトの接点部に接触され且つ該電極端子に接続されたヒーターが前記放熱部材に圧接接触される構成を有することを特徴とする。
【0011】
また、第2の態様のヒーター用コネクタにおいては、前記コネクタハウジングは、所定の面積を有する前後、左右及び上下の壁面で囲まれた電気絶縁性の直方体ブロックからなり、前記直方体ブロック内にあって、前記上下壁面のいずれか一方の壁面側に前記コンタクト装着穴及び他の壁面側に前記放熱部材を装着する放熱部材装着穴がそれぞれ設けられ、また、前記コンタクト装着穴と前記放熱部材装着穴との間にあって、前記前後壁面のいずれか一方の壁面に他の壁面に向かって前記ヒーター差込溝が設けられて、前記ヒーター差込み溝は、前記コンタクト装着穴及び前記放熱部材装着穴との間に連通孔を設けて連通していることを特徴とする。
【0012】
また、第3の態様のヒーター用コネクタにおいては、前記コネクタハウジングは、前記放熱部材装着穴が設けられた壁面側の壁面に、前記壁面を貫通した放熱孔が形成されていることを特徴とする。
【0013】
また、第4の態様のヒーター用コネクタにおいては、前記放熱部材は、所定の大きさ及び肉厚を有する板状の放熱プレートからなり、前記放熱プレートが前記コネクタハウジングの内部に組み込まれ、又は壁面に固定されていることを特徴とする。
【0014】
また、第5の態様のヒーター用コネクタにおいては、前記放熱プレートは、所定の形状に折曲されて、前記コネクタハウジングの外壁面を覆っていることを特徴とする。
【0015】
また、第6の態様のヒーター用コネクタにおいては、前記放熱部材は、金属材料、又は耐熱性及び熱伝導性を樹脂材料で形成されていることを特徴する。
【0016】
また、第7の態様のヒーター用コネクタにおいては、前記コネクタハウジングは、前記コンタクト装着穴の少なくともいずか一方の壁面側に前記ヒーター差込み溝に連通した連通孔を有するバネ装着穴を設けて、前記バネ装着穴にバネ部材を装着して、前記ヒーター差込み溝に、ヒーターが差し込まれたときに、前記バネ部材でヒーターを前記放熱部材に圧接接触させることを特徴とする。
【0017】
また、第8の態様のヒーター用コネクタにおいては、前記バネ部材は、金属材料又は耐熱性及び熱伝導性を樹脂材料で形成されていることを特徴する。
【0018】
また、第9の態様のヒーター用コネクタにおいては、前記コネクタハウジングは、前記コンタクト装着穴の少なくともいずれか一方の壁面側に前記ヒーターを前記放熱部材へ押圧密着させる弾性腕片を設けたことを特徴する。
【発明の効果】
【0019】
本発明においては、第1の態様のヒーター用コネクタでは、第1の態様の発明によれば、ヒーターに発熱量の大きい高発熱抵抗体を用いて通電電流を大きくしても、コネクタ構成部品の熱損傷を招くことなく信頼性の高いヒーター用コネクタを提供できる。具体的には、コネクタをヒーターに接続して、高発熱抵抗体からの高温クリープ熱がコネクタへ伝達されても、放熱部材がこのクリープ熱を吸熱し外部へ放熱するので、コネクタ構成部品、例えばコンタクト及びコネクタハウジングへの伝達が低減されて、それら部品の熱損傷を防止できる。
【0020】
また、第2の態様のヒーター用コネクタによれば、コンタクト装着穴と放熱部材装着穴との間に、ヒーター差込溝が形成されて、これらのコンタクト装着穴及び放熱部材装着穴にコンタクト及び放熱部材が装着されて、ヒーター差込み溝にヒーターが差し込まれると、ヒーターの電極端子がコンタクトに電気的に接触接続され、この電極端子の他面側が放熱部材に接触するので、ヒーターからのクリープ熱が放熱部材に吸熱されて外部へ放熱される。また、コネクタハウジングへのヒーターの接触面積が低減される。その結果、コンタクト及びコネクタハウジングの熱損傷を防止できる。
【0021】
また、第3の態様のヒーター用コネクタによれば、放熱部材の熱を放熱孔から外部へ効率よく放熱させることができる。
【0022】
また、第4〜6の態様のヒーター用コネクタによれば、放熱部材を板状の放熱プレートにしたので、コネクタハウジングへの装着、固定が簡単になる。また、放熱部材に、金属材料、又は耐熱性及び熱伝導性の樹脂材料を用いることにより、安価で簡単に作成できる。
【0023】
また、第7の態様のヒーター用コネクタによれば、ヒーター差込み溝に、ヒーターが差し込まれたときに、前記バネ部材でヒーターを放熱部材に圧接接触させることができる。
【0024】
また、第8の態様のヒーター用コネクタによれば、バネ部材に、金属材料、又は耐熱性及び熱伝導性の樹脂材料を用いることにより、安価で簡単に作成できる。
【0025】
また、第9の態様のヒーター用コネクタによれば、コネクタハウジングに弾性腕片を設けるので、バネ部材などが不要になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は本発明の実施形態に係るヒーター用コネクタをヒーターに接続した状態の外観斜視図である。
【図2】図2は図1のヒーター用コネクタの分解斜視図である。
【図3】図3はコネクタハウジングを示し、図3Aは一側面図、図3Bは正面図、図3Cは背面図、図3Dは底面図、図3Eは上面図である。
【図4】図4Aは図3CのIVA−IVA線の断面図、図4Bは図3CのIVB−IVB線の断面図である。
【図5】図5は放熱部材を示し、図5Aは斜視図、図5Bは図5Aの放熱部材を裏返し背面からみた斜視図である。
【図6】図6はコンタクトを示し、図6Aは一側面図、図6Bは正面図、図6Cは背面図、図6Dは底面図、図6Eは上面図である。
【図7】図7は図6CのVII−VII線の断面図である。
【図8】図8はバネ部材を示し、図8Aは斜視図、図8Bは図8Aのバネ部材を裏返し背面からみた斜視図である。
【図9】図9はヒーターを示し、図9Aはヒーターの発熱体に設けられた発熱抵抗体が見えるようにした状態の背面図、図9Bはヒーターの背面図である。
【図10】図10はヒーター用コネクタの組立体を示し、図10Aは一側面図、図10Bは正面図、図10Cは背面図、図10Dは底面図、図10Eは上面図である。
【図11】図11は図10CのXIA―XIA線の断面図、図11Bは図10CのXIB−XIB線の断面図である。
【図12】図12はヒーター用コネクタの組立体にヒーターを接続した状態を示し、図12Aは一側面図、図12Bは図11Aに対応するヒーターが接続された状態の断面図、図12Cは図11Bに対応するヒーターが接続された状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのヒーター用コネクタを例示するものであって、本発明をこれに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。
【0028】
図1、図2を参照して、本発明の実施形態に係るヒーター用コネクタを説明する。なお、図1は本発明の実施形態に係るヒーター用コネクタをヒーターに接続した状態の外観斜視図、図2は図1のヒーター用コネクタの分解斜視図である。
【0029】
本発明の実施形態1に係るヒーター用コネクタ1は、図1、図2に示すように、所定の幅及び厚みを有した長尺の面状ヒーター(以下、ヒーターという)11に接続して使用するものであって、このヒーター11の電極端子に接触接続される接点部を有する複数本のコンタクト8と、これらのコンタクトが収容し装着されるコンタクト装着穴3及びヒーター11が差込み接続されるヒーター差込み溝(以下、差込み溝という)5を設けたコネクタハウジング(以下、ハウジングという)2とを備えており、このハウジング2に所定形状の放熱部材7及びバネ部材9を装着し得るようになっている。
【0030】
放熱部材7は、ヒーター11からコンタクト8及びハウジング2へ伝達されるクリープ熱を吸熱し外部へ放熱するものであり、後述するように、所定に肉厚及び大きさを有する板状体からなるプレートで構成されている。(以下、この放熱部材を放熱プレートという)。また、バネ部材9はヒーター11を放熱プレート7に密着させるものとなっている。さらに、コンタクト8には、給電線Cが接続されてハウジング2へ装着される。
【0031】
このヒーター用コネクタ1は、ハウジング2に給電線Cを接続したコンタクト8、放熱プレート7及びバネ部材9を装着して組立てて、組立てたヒーター用コネクタ1をヒーター11に接続して使用する。このヒーター用コネクタ1は、ハウジング2内に放熱プレート7が組み込まれるので、ヒーター11からコンタクト8及びハウジング2へ伝達されるクリープ熱が放熱プレート7で吸熱されて外部へ放熱されるので、コンタクト8の熱劣化及びハウジング2の熱変形・熱破損などを防止できる。以下、このヒーター用コネクタ1を構成する個々の部品を詳述する。
【0032】
図2〜図4を参照して、ハウジングを説明する。図3はハウジングを示し、図3Aは一側面図、図3Bは正面図、図3Cは背面図、図3Dは底面図、図3Eは上面図、図4Aは図3CのIVA−IVA線の断面図、図4Bは図3CのIVB−IVB線の断面図である。
【0033】
ハウジング2は、図2、図3に示すように、対向する一対の長尺辺及び短尺辺とを有する矩形状の底壁部2aと、この底壁部の周囲から所定高さ立設した前後及び左右の壁部2b〜2eと、これらの壁部の頂部にあって底壁部と対向する上壁部2fとで囲まれた電気絶縁性合成樹脂の直方体ブロックからなり、この直方体ブロックに、コンタクト装着穴3、バネ部材を装着するバネ装着穴4、ヒーター11が差込み接続される差込み溝5及び放熱プレート7を装着するプレート装着穴6が形成されている。これらのコンタクト装着穴3、バネ装着穴4、差込み溝5及びプレート装着穴6は、底壁部2aから順に上壁部2fに向かって3層に区分された層構造をなして形成されている。なお、特許請求範囲の上下の壁面は、底壁部及び上壁部の何れかの壁面となっている。このハウジング2は、電気絶縁性の他に伝導性、耐熱性を有する合成樹脂材(例えば、熱伝導PPS)の成型体で作成するのが好ましい。
【0034】
コンタクト装着穴3は、2本からなり、これらのコンタクト装着穴3は同じ構成となっている。なお、装着穴の本数は、2本に限定されるものでなく、1本又は3本以上にしてもよい。これらのコンタクト装着穴3は、図4Aに示すように、底壁部2a側にあって、後壁部2cの略中央部から前壁部2bに向かって隣接して穿設されて、それぞれがコンタクト8を収容できる大きさの空洞穴となっている。これらのコンタクト装着穴3は、前壁部2bを貫通せず、前壁部2bの近傍部分にコンタクト8の先端部が挿入されるようになっている。このコンタクト装着穴3は、後壁部2cにコンタクト挿入口2c1及び内部の底壁部2aにコンタクト係止爪2a1が設けられている。これらのコンタクト装着穴3は、図4Aに示すように、内部に連通孔31が形成されて、この連通孔31が差込み溝5に連通している。コンタクト装着穴3にコンタクト8が装着されると、この連通孔31からコンタクト8の接点部81が差込み溝5へ露出・突出される。
【0035】
ハウジング2は、2本のコンタクト装着穴3の両サイド、すなわち、左右の壁部2d、2e側にそれぞれバネ部材9が収容・装着されるバネ装着穴4が形成されている。これらのバネ装着穴4は、同じ構成となっており、図4Bに示すように、後壁部2cの略中央部から前壁部2bに向かって隣接して穿設されて、それぞれがバネ部材9を収容できる大きさの空洞穴となっている。これらのバネ装着穴4は、前壁部2bを貫通せずに、前壁部2b近傍部分はばね部材9の先端部が挿入されるようになっている。これらのバネ装着穴4は、内部に連通孔41が形成されて、この連通孔41で差込み溝5に連通している。バネ装着穴4にバネ部材9が装着されると、この連通孔41からバネ部材9の押圧部が差込み溝5へ露出・突出される。一対のバネ装着穴4が左右の壁部2d、2e側に形成されているので、これらのバネ装着穴4にバネ部材9が装着されると、ヒーター11がバランスよく放熱プレート7に押し当てられる。
【0036】
差込み溝5は、図4に示すように、前壁部2bから後壁部2cに向かって、所定の深さ凹ませて且つ左右の壁部2b、2cを貫通し、断面形状が略横U字状の溝で形成されている。この横U字状溝の深さは、ヒーター11の幅長と略同じになっている。この差込み溝5は、略横U字状の溝の底壁部6aに連通孔61が形成されて、この連通孔61が差込み溝5に連通している。この差込み溝5には、ヒーター11が差し込まれる。
【0037】
プレート装着穴6は、上壁部2f側にあって、後壁部2cに放熱プレート7の挿入口6bを設け、この挿入口から前壁部2bにほぼ到達する深さの溝穴で形成されている。すなわち、このプレート装着穴6は、溝内の底壁部6a、左右の壁部2d、2e、前壁部2b及び上壁部2fで囲まれて放熱プレート7が収容される大きさの横溝穴となっている。このプレート装着穴6は、溝内の底壁部6aの前壁部2b側に差込み溝5に連通する連通孔61が形成されている。この連通孔61は、プレート装着穴6に放熱プレート7が装着されたときに、この連通孔61を通して放熱プレート7の一部が差込み溝5に露出して、この露出部に差込み溝5に差し込まれたヒーター11が接触する孔となっている。また、このプレート装着穴6は、上壁部2fの一部、前壁部2b側にこの装着穴に連通する2個の切欠き穴2f1が形成されている。これらの切欠き穴2f1は、放熱プレート7からの熱を外部へ放熱する放熱孔となっている。この実施形態では放熱プレート7は、ハウジングにプレート装着穴6を設け、このプレート装着穴6に収容・装着するようにしたが、他の方法、例えば、上壁部2fを露出させた状態で固定してもよい。また、この放熱プレート7は、その表面積及び体積を大きくすることにより放熱効果をアップできるので、平板状の放熱プレートを変形してL字型にし、折り曲げ部分で他の壁、例えば後壁部2cの一部、或はヒーターの差込みに使用しない側壁部で覆うようにしてもよい。なお、この放熱部材は、平板状のプレートに限定されるものでなく、任意の形状のものでもよい。したがって、このプレート装着穴の形状は、放熱部材の形状によって変更される。
【0038】
放熱プレート7は、図5に示すように、所定面積の矩形状の底板部7fと、この底板部の周囲から所定高さ立設した前後及び左右の側板部7b〜7eと、前後及び左右の側板部の頂部にあって底板部と対向する上壁部7aで囲まれてプレート装着穴6に挿入できる大きさの板状体のものからなり、金属材料で形成されている。この放熱プレート7は、クループ熱を吸熱して放熱させるので、所定体積を有し良熱伝導性の金属板で形成するのが好ましい。なお、この放熱プレート7は、金属材料に限定されるものではなく、他の材料、例えば、耐熱性及び熱伝導性の樹脂材料で形成したものでもよい。
【0039】
図6、図7を参照して、コンタクトを説明する。なお、図6はコンタクトを示し、図6Aは一側面図、図6Bは正面図、図6Cは背面図、図6Dは底面図、図6Eは上面図、図7は図6CのVII−VII線の断面図である。
【0040】
2本のコンタクト8は、同じ構成となっている。このコンタクト8は、図6、図7に示すように、ヒーターの電極端子に接触して電気的に接触接続される接点部を有するバネ体部8Aと、電線が接続される電線接続部8B、8Cとを有し、良導電性の金属板を打ち抜き及び折曲加工することによって作成されている。バネ体部8Aは、電線接続部の圧着接続部8Bの端部8aと、この端部8aの一端から折曲された折曲部8bと、この折曲部8bから延設され基部側へ略U字状に折曲されたバネ部8cとを有し、このバネ部8cに接点部81が設けられている。端部8aには、切り起し係止部8a1が形成されている。電線接続部は、電線Cの芯線が圧着接続される圧着接続部8Bと、この接続部の後方へさらに延設されて電線の外皮を加締する電線加締部8Cとを有している。なお、コンタクトは、上記形状のものに限定されるものでなく、他の形状でもよい。
【0041】
バネ部材9は、ハウジング2のバネ装着穴4に装着されて、ヒーター11に弾性接触してこのヒーターを放熱プレート7に接触させるものである。このバネ部材9は、図8に示すように、所定大きさの平坦面を有する基部9aと、この基部の一端から折曲された折曲部9bと、この折曲部から延設され基部側へ略U字状に折曲された押圧部9cとを有し、所定の肉厚、幅長及び長さの金属板材を折曲加工等により形成されている。押圧部9cには、ヒーター11にバネ当接される湾曲接触部91が形成されている。この湾曲接触部91は、折曲部9bから延設された箇所を基部面から離れる方向へ湾曲されている。このバネ部材9がバネ装着穴4に装着されると、湾曲接触部91がバネ装着穴4の連通孔41から差込み溝5内へ突出する。なお、バネ部材9は、図8に示す形状のものに限定されず、他の形状でもよい。また、このバネ部材は、金属材料に限定されるものではなく、他の材料、例えば、耐熱性及び熱伝導性の樹脂材料で形成したものでもよい。この実施形態では、ハウジング2にバネ装着穴4を設け、このバネ装着穴4にバネ部材9を装着するようにしたが、他のバネ手段、例えば、バネ装着穴を設ける箇所のハウジングに弾性腕片を直接形成してもよい。これにより、バネ装着穴の形成及びバネ部材が不要になる。
【0042】
ヒーター11は、図9Aに示すように、電気絶縁性及び耐熱性を有する発熱体10の細長長尺の長手方向の一面に略U字状の発熱抵抗体12が設けられ、この発熱体10に図9Bに示すような電気絶縁性及び耐熱性を有するヒーターホルダー13が装着され、発熱抵抗体12は略U字状の端部に一対の電極端子12a、12bを有し、この部分のヒーターホルダー13が切除されて各電極端子12a、12bが露出した構成となっている。
【0043】
主に図10〜図12を参照して、このコネクタの組立てを説明する。なお、図10はコネクタの組立体を示し、図10Aは一側面図、図10Bは正面図、図10Cは背面図、図10Dは底面図、図10Eは上面図、図11は図10CのXIA―XIA線の断面図、図11Bは図10CのXIB−XIB線の断面図、図12はコネクタ組立体にヒーターを接続した状態を示し、図12Aは一側面図、図12B、図12Cはヒーターが接続された状態の図11A、図11Bに対応した断面図となっている。
【0044】
ヒーター用コネクタ1の組立ては、ハウジング2に、コンタクト8、バネ部材9及び放熱プレート7を装着する。装着順序は、任意でよいが、まず、コンタクト8をコンタクト装着穴3に装着する。この装着は、それぞれのコンタクト8に電線を接続して、ハウジング2の後壁部2c側の各挿通口からそれぞれ挿入して前壁部2b側へ押込む。この押込みにより、各コンタクト8は、切り起し係止部8a1がコンタクト装着穴3内のコンタクト係止爪2a1に係止されて抜け止めされる。各コンタクト8がコンタクト装着穴3に収容されると、コンタクトの接点部81が連通孔31から差込み溝5内へ露出される(図11A参照)。次に、バネ部材9をバネ装着穴4に装着する。この装着は、それぞれのバネ部材9をハウジング2の後壁部2c側のそれぞれの挿通口から挿入し前壁部2bへ押込む。この押込みにより、バネ部材9はバネ装着穴4に固定される。バネ部材9がバネ装着穴4に収容されると、バネ部材の湾曲接触部91が差込み溝5内へ露出される(図11B参照)。続いて、放熱プレート7をプレート装着穴6に装着する。この装着は、放熱プレート7をハウジング2の後壁部2c側のそれぞれの挿通口から挿入し前壁部2bへ押込む。この押込みにより、放熱プレート7はプレート装着穴6に固定される。放熱プレート7がプレート装着穴6に収容されると、放熱プレート7の一部分71が差込み溝5内へ露出される(図11A、図11B参照)。これにより、ヒーター用コネクタ1の組立てを終了する。
【0045】
この組立てたヒーター用コネクタ1をヒーター11に接続する。この接続は、図12に示すように、ヒーター11を各電極端子12a、12bがコンタクト8の接点部81に接触される向きにして、差込み溝5へ差込む。この差込みにより、ヒーター11の各電極端子12a、12bがコンタクト8の接点部81に接触し電気的接続がなされると共に、ヒーター11の端部の発熱体10が放熱プレート7に接触する。放熱プレート7への接触は、バネ部材9により発熱体10の装着されたヒーターホルダー13が押圧されて密着接触される。
【0046】
この実施形態のコネクタによれば、以下の作用効果を奏することができる。まず、ヒーター11に発熱量の大きい高発熱抵抗体を用いて通電電流を大きくしても、コネクタ構成部品の熱損傷を招くことなく信頼性の高いヒーター用コネクタ1を提供できる。具体的には、ヒーター用コネクタ1をヒーター11に接続して、高発熱抵抗体からの高温クリープ熱がヒーター用コネクタ1へ伝達されても、放熱プレート7がこのクリープ熱を吸熱し外部へ放熱するので、コネクタ構成部品、例えばコンタクト8及びコネクタハウジング2への伝達が低減されて、それら部品の熱損傷を防止できる。また、バネ部材9により、ヒーター11をバランスよく放熱プレート7に密着接触させることができる。さらに、放熱孔2f1からは放熱プレートの熱を効率よく外部へ放熱させることができる。
【符号の説明】
【0047】
1 ヒーター用コネクタ
2 コネクタハウジング
2f1 切欠き穴(放熱孔)
3 コンタクト装着穴
31 連通孔
4 バネ装着穴
41 連通孔
5 ヒーター差込み溝
6 プレート装着穴(放熱部材装着穴)
61 連通孔
7 放熱プレート(放熱部材)
8 コンタクト
9 バネ部材
10 発熱体
11 ヒーター
12 発熱抵抗体
12a、12b 電極端子
13 ヒーターホルダー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒーターの電極端子に接触接続される接点部を有する良導電性のコンタクトと、前記コンタクトが装着されるコンタクト装着穴及び前記ヒーターが差し込まれるヒーター差込み溝を設けて前記コンタクト装着穴と前記ヒーター差込み溝とを連通させた電気絶縁性のコネクタハウジングとを備え、ヒーターに着脱自在に接続されるヒーター用コネクタにおいて、
前記コネクタハウジングは、ヒーターから伝導されるクリープ熱を放熱する放熱部材を装着し、前記コンタクト装着穴に前記コンタクトを該コンタクトの接点部が前記ヒーター差込み溝に露出されるように装着して、前記ヒーター差込み溝にヒーターが差し込まれたときに、ヒーターの電極端子が前記コンタクトの接点部に接触され且つ該電極端子に接続されたヒーターが前記放熱部材に圧接接触される構成を有することを特徴とするヒーター用コネクタ。
【請求項2】
前記コネクタハウジングは、所定の面積を有する前後、左右及び上下の壁面で囲まれた電気絶縁性の直方体ブロックからなり、前記直方体ブロック内にあって、前記上下壁面のいずれか一方の壁面側に前記コンタクト装着穴及び他の壁面側に前記放熱部材を装着する放熱部材装着穴がそれぞれ設けられ、また、前記コンタクト装着穴と前記放熱部材装着穴との間にあって、前記前後壁面のいずれか一方の壁面に他の壁面に向かって前記ヒーター差込溝が設けられて、前記ヒーター差込み溝は、前記コンタクト装着穴及び前記放熱部材装着穴との間に連通孔を設けて連通していることを特徴とする請求項1に記載のヒーター用コネクタ。
【請求項3】
前記コネクタハウジングは、前記放熱部材装着穴が設けられた壁面側の壁面に、前記壁面を貫通した放熱孔が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のヒーター用コネクタ。
【請求項4】
前記放熱部材は、所定の大きさ及び肉厚を有する板状の放熱プレートからなり、前記放熱プレートが前記コネクタハウジングの内部に組み込まれ、又は壁面に固定されていることを特徴とする請求項1に記載のヒーター用コネクタ。
【請求項5】
前記放熱プレートは、所定の形状に折曲されて、前記コネクタハウジングの外壁面を覆っていることを特徴とする請求項4に記載のヒーター用コネクタ。
【請求項6】
前記放熱部材は、金属材料、又は耐熱性及び熱伝導性を樹脂材料で形成されていることを特徴する請求項1、4、5のいずれかに記載のヒーター用コネクタ。
【請求項7】
前記コネクタハウジングは、前記コンタクト装着穴の少なくともいずか一方の壁面側に前記ヒーター差込み溝に連通した連通孔を有するバネ装着穴を設けて、前記バネ装着穴にバネ部材を装着して、前記ヒーター差込み溝に、ヒーターが差し込まれたときに、前記バネ部材でヒーターを前記放熱部材に圧接接触させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のヒーター用コネクタ。
【請求項8】
前記バネ部材は、金属材料又は耐熱性及び熱伝導性を樹脂材料で形成されていることを特徴する請求項7に記載のヒーター用コネクタ。
【請求項9】
前記コネクタハウジングは、前記コンタクト装着穴の少なくともいずれか一方の壁面側に前記ヒーターを前記放熱部材へ押圧密着させる弾性腕片を設けたことを特徴する請求項1に記載のヒーター用コネクタ。
【請求項1】
ヒーターの電極端子に接触接続される接点部を有する良導電性のコンタクトと、前記コンタクトが装着されるコンタクト装着穴及び前記ヒーターが差し込まれるヒーター差込み溝を設けて前記コンタクト装着穴と前記ヒーター差込み溝とを連通させた電気絶縁性のコネクタハウジングとを備え、ヒーターに着脱自在に接続されるヒーター用コネクタにおいて、
前記コネクタハウジングは、ヒーターから伝導されるクリープ熱を放熱する放熱部材を装着し、前記コンタクト装着穴に前記コンタクトを該コンタクトの接点部が前記ヒーター差込み溝に露出されるように装着して、前記ヒーター差込み溝にヒーターが差し込まれたときに、ヒーターの電極端子が前記コンタクトの接点部に接触され且つ該電極端子に接続されたヒーターが前記放熱部材に圧接接触される構成を有することを特徴とするヒーター用コネクタ。
【請求項2】
前記コネクタハウジングは、所定の面積を有する前後、左右及び上下の壁面で囲まれた電気絶縁性の直方体ブロックからなり、前記直方体ブロック内にあって、前記上下壁面のいずれか一方の壁面側に前記コンタクト装着穴及び他の壁面側に前記放熱部材を装着する放熱部材装着穴がそれぞれ設けられ、また、前記コンタクト装着穴と前記放熱部材装着穴との間にあって、前記前後壁面のいずれか一方の壁面に他の壁面に向かって前記ヒーター差込溝が設けられて、前記ヒーター差込み溝は、前記コンタクト装着穴及び前記放熱部材装着穴との間に連通孔を設けて連通していることを特徴とする請求項1に記載のヒーター用コネクタ。
【請求項3】
前記コネクタハウジングは、前記放熱部材装着穴が設けられた壁面側の壁面に、前記壁面を貫通した放熱孔が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のヒーター用コネクタ。
【請求項4】
前記放熱部材は、所定の大きさ及び肉厚を有する板状の放熱プレートからなり、前記放熱プレートが前記コネクタハウジングの内部に組み込まれ、又は壁面に固定されていることを特徴とする請求項1に記載のヒーター用コネクタ。
【請求項5】
前記放熱プレートは、所定の形状に折曲されて、前記コネクタハウジングの外壁面を覆っていることを特徴とする請求項4に記載のヒーター用コネクタ。
【請求項6】
前記放熱部材は、金属材料、又は耐熱性及び熱伝導性を樹脂材料で形成されていることを特徴する請求項1、4、5のいずれかに記載のヒーター用コネクタ。
【請求項7】
前記コネクタハウジングは、前記コンタクト装着穴の少なくともいずか一方の壁面側に前記ヒーター差込み溝に連通した連通孔を有するバネ装着穴を設けて、前記バネ装着穴にバネ部材を装着して、前記ヒーター差込み溝に、ヒーターが差し込まれたときに、前記バネ部材でヒーターを前記放熱部材に圧接接触させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のヒーター用コネクタ。
【請求項8】
前記バネ部材は、金属材料又は耐熱性及び熱伝導性を樹脂材料で形成されていることを特徴する請求項7に記載のヒーター用コネクタ。
【請求項9】
前記コネクタハウジングは、前記コンタクト装着穴の少なくともいずれか一方の壁面側に前記ヒーターを前記放熱部材へ押圧密着させる弾性腕片を設けたことを特徴する請求項1に記載のヒーター用コネクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−249041(P2011−249041A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−118499(P2010−118499)
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【出願人】(390033318)日本圧着端子製造株式会社 (457)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【出願人】(390033318)日本圧着端子製造株式会社 (457)
【Fターム(参考)】
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