説明

ビット・マップ・データのランレングス符号化方法、復号方法、およびディスク

【課題】ビデオフレームの大きさを超える字幕スーパーストリームの符号化に必要なデータ量を削減する。
【解決手段】ビットマップはビデオ画像に同期した字幕スーパーのためにビデオ上に重ねられる個別レイヤで、複数の透明ピクセルを含むものであり、4つのステップから成るランレングス符号化方法、すなわち、所定色(透明)のピクセルのより短いシーケンスおよびより長いシーケンスに2番目または3番目に短い符号語を用い、個別の色値を有する単一のピクセルに最短の符号語、同じ色値のより短いシーケンスおよびより長いシーケンスに3番目に短い符号語または4番目に短い符号語を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデータ・ストリームの符号化方法、特にビットマップの符号化された字幕スーパー・データ・ストリームの符号化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオデータを含む放送媒体または再生専用(read−only)媒体はテキスト情報またはグラフィクス情報を含むサブピクチャ・データ・ストリームを有することがある。これらの情報は特定の目的(例えばメニューボタン)のための字幕スーパー、シンボルまたはアニメーションを提供するのに必要とされる。こうした情報は表示可能または表示不可能にされるので、関連付けられたビデオ画像に付加的なレイヤとして重ねられ、そして、1つまたは複数の、領域と称する矩形のエリアとして実行される。このような領域はエリアサイズ、エリア位置または背景色などの属性のセットを特定している。この領域はビデオ画像に重ねられるため、ビデオ画像が可視となるように、また多重に重ねられる他のサブピクチャ・レイヤが可視となるようにするため、この領域の背景はしばしば透明になるように規定される。さらに、字幕スーパーの領域が関連付けられる画像よりも大きくし、字幕スーパーの領域の一部のみを視えるようにしたり、字幕スーパーの全体の領域のうち視える部分を例えば右方から左方へ動かして字幕スーパーがあたかもディスプレイで横方向に流れていくように見せることもある。こうしたピクセルを使用した字幕スーパーの方法は欧州出願第02025474.4号明細書に記載されており、クロッピングと称されている。
【0003】
字幕スーパーは本来ハンディキャップのある人々を支援したり、映画の内容をまれに使用される言語へ翻訳する費用を抑えたりするために使用されてきたものであり、純粋な字幕スーパー・テキストについてはそのデータ・ストリームが例えばASCII符号化文字を含んでいれば充分であろう。ただし今日の字幕スーパーは高解像度画像に対応して、他の要素、すなわちシンボルまたはアニメーショングラフィクスなどのオブジェクトをも含む。こうした要素の扱いは、1つのエリア内の複数のラインおよび1つのライン内の複数のピクセルが連続的に符号化または復号化されるビットマップ・フォーマットで字幕スーパーのストリームを符号化されていれば、より簡単となる。ただしこのフォーマットは連続するピクセルが同じ色値を有する場合、かなり冗長的である。この冗長性は種々の符号化法、例えばランレングス符号化法(RLE)により低減することができる。RLEはデータのシーケンスが同じ値を有する場合にしばしば利用される。その基本的なアイデアはシーケンス長と値とを別個に符号化することと、最も頻繁に現れる符号語をできるだけ短く符号化するということとにある。
【0004】
特に1920×1280ピクセルの高解像度ビデオ(HDTV)用の字幕スーパー・レイヤを符号化する場合、必要となるデータ量を低減するには、この目的のために最適化された符号化アルゴリズムが必要である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、ビットマップ・フォーマット化されたエリアとして表される、例えば、HDTVのような、高解像度ビデオ用の字幕スーパー・レイヤまたはサブピクチャ・レイヤを最適に符号化する方法を提供することである。ここで字幕スーパー・レイヤは視ることができるビデオフレームよりもかなり大きいこともある。
【0006】
この方法は請求項1において提供される。この方法を使用する符号化のための装置は請求項7において提供される。この方法を使用する復号化のための装置は請求項8において提供される。
【0007】
本発明によれば、4つのステップのランレングス符号化方法(RLE)がこの目的のために使用される。すなわち、透明ではない個別の色値を有する単一のピクセルについて最短の符号語が用いられ、透明なピクセルのより短いシーケンスに2番目に短い符号語が用いられ、透明なピクセルのより長いシーケンスおよび透明でない同じ色のより短いシーケンスに3番目に短い符号語が用いられ、透明でない同じ色のピクセルのより長いシーケンスに4番目に短い符号語が用いられる。通常、字幕スーパー・レイヤ内のほとんどのピクセルは透明である。最も頻繁に現れるデータに最短の符号語が用いられる従来のRLEとは異なり、本発明の方法では、最も頻繁に現れる色の短いシーケンスに対して2番目に短い符号語が用いられ、最も頻繁に現れる色のより長いシーケンスおよび他の色の短いシーケンスに対して3番目に短い符号語が用いられる。最短の符号語は最も頻繁に現れる色ではない色の単一のピクセルに対して用いられる。このようにすることで、字幕スーパー・レイヤにおける透明なピクセルのように最も頻繁に現れる色のピクセルがシーケンスにほぼ常に存在する場合で、個々の色付きの単一のピクセルが透明でないことがより起こりうるときに、特に有利である。
【0008】
本発明の方法の符号は、僅かな冗長性の符号語を含み、しかもこれらは長い符号語のなかで定義されるので有利である。例えば透明でない色の単一のピクセルは理想的には最短のタイプの符号語により符号化されるが、3番目に短いタイプの符号語がシーケンス長が1となるように同様に使用されてもよい。後者の手段は通常は用いられないが、符号語のうち使用されない部分または符号語間のギャップを他の情報の伝送に用いることができる。その例として再同期のためのライン終了(end−of−line)情報が挙げられる。本発明によれば、最短の冗長符号語はライン終了情報を符号化するために用いられる。
【0009】
本発明の方法によれば必要となるデータの量が低減され、字幕スーパーのデータ・ストリームがそのデータ・ストリームのコンテンツに依存する圧縮係数で圧縮されるので有利である。典型的な字幕スーパーのストリームに頻繁に現れるデータの組合わせに対しては特に高い圧縮係数が得られる。このデータの組み合わせは、例えば、同じ色値を有する64ピクセルよりも短いシーケンスとか、種々の長さの透明なピクセルのシーケンスとか、個々の色値を有する単一のピクセルのシーケンスとかである。これらのグループのうち第1のシーケンスはキャラクタまたはシンボルにしばしば用いられ、これらのグループのうち第2のシーケンスは字幕スーパーのストリームの表示される要素の前や間や後で用いられ、これらのグループのうち第3のシーケンスはイメージまたはわずかに色が変化するエリアに用いられる。透明なピクセルが、例えば3ピクセル未満のような、極めて短いシーケンスで現れることはほとんどないので、その符号化には最短の符号語ではなく2番目に短い符号語を用いれば充分である。
【0010】
同時に、本発明の方法では、1920ピクセルよりも長いシーケンスを効率的に扱うことができ、例えば16383ピクセルまでの長さのシーケンスを効率的に扱うことができる。これによりきわめて広い字幕スーパーのエリアを形成可能である。
【0011】
さらに本発明の方法では、ライン終了(end of line)を表す固有の値が形成され、同期の損失が生じた場合にも各ラインの再同期を行うことができる。
【0012】
本発明の方法は、字幕スーパー・ストリームに典型的な多数の要素の組合わせを符号化するために最適化されているので有利である。
【0013】
したがって、字幕スーパー・ストリームに必要となるデータ量は低減され、放送の伝送帯域幅が有効に活用される。また1つのピックアップにより複数のデータ・ストリームが読み出される、例えばブルーレイディスク技術などのような、記憶媒体でのピックアップジャンプ周波数が低減される。また字幕スーパーのビットマップが良好に圧縮されればそれだけビットレートに関して大きな容量をオーディオおよびビデオのストリームに使用でき、画像品質または音声品質が向上する。
【0014】
本発明の他の有利な実施形態は従属請求項に記載されており、また以下の説明や図にも示されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の実施例は添付の図に示されている。
【図1】ビデオフレームにおける字幕スーパー・エリアのクロッピングを示す図である。
【図2】字幕スーパー・エリアのピクセル・シーケンスを示す図である。
【図3】テキストおよびグラフィクスを含む字幕スーパー用の符号化テーブルを示す図である。
【図4】ブルーレイ・ディスク・プリレコーデッド規格用の拡張オブジェクト・データ・セグメントのシンタックスの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
放送用または映画ディスク用の作製されたオーディオ・ビジュアル素材(AV素材)にかけられる字幕スーパーとしてまず単純な静的な(static)テキスト情報、例えばクローズド・キャプション、テレテキストまたはDVBスーパーなどを表現するために最適化が行われてきたが、新たなHDTVフォーマットに適したテキスト情報およびグラフィクス情報の形成および動画化に対するマルチメディア技術の発展はより進んだビットマップ符号化法の適応化を要求している。図1にはビデオフレームTVと、テキストおよびグラフィクス要素Gを含む字幕スーパー・エリアSUBとが示されており、字幕スーパー・エリアSUBはビットマップ符号化されている。字幕スーパー・エリアSUBの寸法は、例えばブルーレイ・ディスク・プリレコーデッド規格(BDP)では1次元のみであればビデオフレームの寸法より大きくてもよいと定められているので、ビデオフレームの寸法を超えることがある。その場合ラインは表示の前にクロッピングされる。すなわち、フレームのそれぞれの大きさに一致する部分が仮想ラインから切り出され、ビデオ画像に重ねられて表示されるのである。図1では、幅BSUBの字幕スーパー・エリアSUBがクロッピングされて、幅BTVの部分のみが視えるようになっている。標準的なHDTVでは、例えばBDPに使用されているが、幅BTVは1920ピクセルであるが、BSUBはそれよりもはるかに大きい。
【0017】
字幕スーパー・エリアSUBは矩形であるので、このエリアのピクセルはほとんどが透明である。その拡大図が図2に概略的に示されている。HDTVの画面TV上のラインSL1,SL2ははっきりと視えるように数ピクセル分の幅を有していなければならない。ここでのラインとは水平方向のストラクチャであることは言うまでもない。字幕スーパー・データの各ラインは通常同じ色の1つまたは複数のピクセル・シーケンスを含んでいる。図2では字幕スーパー・ラインSL1の一部は透明なシーケンスPS1,PS5、可視の単一のピクセルPS4、可視のより短いシーケンスPS2および可視のより長いシーケンスPS3を含んでいる。ライン内のほとんどのピクセルが透明である。透明な箇所はキャラクタ間および字幕スーパー・ラインの開始部および終了部である。いずれにしろラインの開始部および終了部は透明であるので、各ラインは色付き部分よりも透明部分のほうを多く含む。例えばキャラクタに用いられている、透明でないピクセル・シーケンスについて、最も良くある場合は64ピクセル未満の長さのシーケンスであるが、透明部分PS1,PS5は通常、これよりも長い。このことは、粗い見積もりから認められる。少なくとも25個のキャラクタが同時に表示され、キャラクタ間のスペースが1キャラクタ幅の約1/4であると仮定すると、ライン内の単一のキャラクタは1920/24*(8/10)=62ピクセル以下となる。しばしば、ラインSL2はきわめてわずかな可視のピクセルを含むので、かなり長い透明なシーケンスを幾つか含むことになる。
【0018】
本発明の好適な実施例として、符号が図3に示されている。これは、1バイトから4バイトまでの範囲の長さの符号語を含むランレングス符号であり、なお、1バイトが8ビットである。これにより異なる256色および1つの所定色を符号化することができる。この所定色はこの実施例では‘透明’であるが、適切であれば他のどんな色であってもよい。カラー・ルックアップ・テーブル(CLUT)は復号済みの色値を実際の表示色へ変換する。さらに同じ色のピクセル・シーケンスは、63ピクセルまでのより短い範囲と、16383ピクセルまでのより長い範囲との2つの範囲へ分割される。
【0019】
1バイト長の最短の符号語は、所定色(ここでは透明)ではない個々の色の単一のピクセルの符号化に用いられる。色値CCCCCCCCは1〜255であり、直接または間接に色を表す。これは、例えば実際のカラーコードを含んでいるカラー・ルックアップ・テーブル(CLUT)の見出し語を表す。0のみを含む8ビット値00000000はエスケープ・シーケンスとして用いられ、次のビットが同じ符号語の一部であると見なされることを示す。この場合、符号語のツリーは、次の2ビットでマークされる4つのブランチを有する。
【0020】
第1のブランチでは、上記次の2ビットが00で示され、有効符号語が2バイトを有する。所定色(例えば、透明)のより63ピクセルまでの短いシーケンスが符号化される。このブランチの唯一無効な符号語は0しか含まない符号語である。なぜなら0は有効なシーケンス長が存在しないことを表すからである。この符号語“00000000 00000000”は他の目的に使用される。本発明によれば、これは最短の冗長な符号語であるので、ライン終了を示すために用いられる。
【0021】
第2のブランチでは、上記次の2ビットが01で示され、符号語は、他の1バイトを含む。14個のLビットが所定色のピクセル・シーケンススの長さを符号化するために使用される。したがってシーケンス長は214−1=16383である。Lビットが64よりも小さい値を有する場合は符号語は冗長であり、他の目的に使用される。
【0022】
第3のブランチでは、上記次の2ビットが10で示され、符号語は、付加的な1バイトを含む。第2のバイトのうち6個のLビットは、63ピクセルまでのより短いシーケンスの長さを表し、これよりも短いシーケンスは、上記所定色とは異なる色を有する。実際の色は第3のバイトの値CCCCCCCCで直接または間接に表される。3よりも小さいシーケンスの長さLLLLLLの符号語は冗長である。なぜならこの色の1個または2個のピクセルのシーケンスは上述したようにピクセル当たり1バイトを使用して容易に符号化される。0(零)のシーケンスの長さは無効である。この符号語は他の目的に使用される。
【0023】
第4のブランチでは、上記次の2ビットが11で示され、符号語は付加的な2バイトを含む。ここで第2のバイトの残りの6ビットおよび第3のバイトにより64〜16383ピクセルのより長いシーケンスの長さを与える。第4のバイトの色値CCCCCCCCは上記所定色とは異なる色を直接または間接に与える。64よりも短いシーケンスの長さの符号語は冗長である。なぜなら、第3のブランチを用いて容易に符号化されるからである。この符号語は他の目的に使用される。
【0024】
上述の冗長な符号語は例えば内部のチェックサムまたは他の情報を追加するというような、符号を拡張するために使用される。
【0025】
図3に示されている拡張ランレングス符号化テーブルは、上述した2つの大きな利点を提供する。第1に、透明なエリア、小さなグラフィクス・オブジェクトおよび通常のスーパーインポーズテキストを含む典型的な字幕スーパー・ストリームを最もコンパクトに符号化することを考慮に入れる。小さいカラフルなグラフィクスに使用されるような、色付きの単一のピクセルは1バイトで符号化される。主要色(dominant color)、例えばBDPでの字幕スーパーについての透明なピクセルは、ランレングスと共に符号化される。ランレングス符号は2つの異なるサイズまたは2つのピクセル量で利用される。第1のステップでは、63ピクセルまでのランレングスが上記主要色に対する2バイト符号語およびその他の色に対する3バイト符号語として利用される。第2のステップでは、16383ピクセルまでのランレングスが上記主要色に対する3バイト符号語およびその他の色に対する4バイト符号語として利用される。ピクセル・ストリング終了符号またはライン終了符号は独自の2バイト符号語であり、再同期に用いられる。第2に、一符号語あたり16383ピクセルまでの字幕スーパー・エリアについてより長いシーケンスの利用可能性は、冗長性が低減され、それ故にデータ量が低減される。このことにより、1つのチャネルをシェアして伝送される個別のデータ・ストリーム、例えば同じピックアップで伝送される光記憶媒体上のマルチ・データ・ストリームを用いるアプリケーションに対して、同じデータ量で、字幕スーパー・ストリームのより多くの部分がロードされ、それにより、字幕スーパー・ストリームへのアクセス頻度を低減することができる。
【0026】
本発明の他の特徴はトランスポート・パケットを用いたデータ・ストリームの伝送、例えばパケット化エレメンタリストリーム(PES)の伝送の更なる最適化をすることである。ビットマップのファイルサイズが大きいので、そのようなデータをパッケージすることは、例えばデータをオブジェクト・データ・セグメント(ODS)において、問題となる。ODSの最大サイズは他の要素、例えばPESパケットサイズによって制限されていることが多い。大きなビットマップをこのようなパケットに合わせるには、ビットマップを符号化前に小さなビットマップの部分(piece)へ切り分けることが必要となり、それは圧縮率を低減することになる。こうしたビットマップ分割を克服するため、BDPまたは互換性のあるアプリケーションについて、新たな拡張オブジェクトデータセグメント(ExODS)が、図4に示されているように提供される。ExODSは制限されたサイズのセグメントおよびPESパケットのシーケンスへそれに合わせるために切り分けられる各フラグメントを表すデータストラクチャである。ODS全体は連続するExODSの個々の部分のシーケンスを連結することにより再構成される。
【0027】
ExODSのシーケンスの開始部および終了部は個々のフラグfirst_in_sequence,last_in_sequenceにより表される。フラグfirst_in_sequenceが1であれば、新たなシーケンスが開始される。フラグfirst_in_sequenceが1にセットされたExODSは、大きさobject_width,object_heightを含むことにより解凍後のビットマップの大きさをも示す。ビットマップの大きさを示すことの利点は、解凍が開始される前にターゲットメモリの割り当てを支援できることである。他の利点として、示されたビットマップの大きさを復号処理中にビットマップサイズのクロスチェックにも使用できることが挙げられる。フラグlast_in_sequenceが1であれば、そのExODSがODS全体の最後のExODSであることが示される。またフラグfirst_in_sequence,last_in_sequenceのどちらもセットされていないExODSも存在する。これは一つのシーケンスの開始部と終了部との間にあるExODSの部分である。フラグfirst_in_sequence,last_in_sequenceの双方がセットされているのは、単一のExODS内にODSが含まれる場合である。字幕スーパーのPESパケットサイズについて単一のODSのサイズの制限を克服するため、上述のタイプのExODSはODSの部分に対するコンテナ、例えばHDTVアプリケーション用の大きなODSをパッケージするために導入される。ODSの部分のほか、ExODSは最初の部分、最後の部分、内部の部分を含むか否か、またはExODSシーケンスの1つの完全なピースを含むか否かを示すフラグを含む。さらにExODSのシーケンスの最初のピースが伝送される場合、得られるODSの大きさすなわち符号化されたビットマップの高さおよび幅もセグメントに含まれる。示されるビットマップの大きさはクロスチェックを復号処理するために使用できる。
【0028】
本発明の方法は、ブルーレイ・ディスク・プリレコーデッド規格(BDP)ディスクまたは一般的な高解像度ビデオ(HDTV)などの記録再生または放送のアプリケーションにおいて、アニメーション、メニュー、ナビゲーション、ロゴ、広告、メッセージその他のためのテキストデータ、イメージデータまたはグラフィクスデータを含むビットマップ・データ・ストリームの圧縮に使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ・ストリームのランレングス符号化方法であって、当該データ・ストリームがディスプレイ上のビデオ再生用のビットマップ・フォーマット化された字幕スーパー・データまたはメニュー・データを有しており、ここで所定色が規定されており、前記字幕スーパー・データまたはメニュー・データがグラフィクスまたはテキストまたはその両方を含み、
−所定色を規定するステップと、
−ランレングスの範囲を規定するステップと、
−前記所定色のピクセルを2バイトまたは3バイトの第1の符号語へ符号化するステップであって、当該第1の符号語はランレングス値を含み、3バイトの第1の符号語に含まれるランレングス値はディスプレイの表示の幅を超過することがある、ステップと、
前記所定色以外の色のピクセルを1バイトまたは3バイトまたは4バイトの第2の符号語へ符号化するステップであって、当該第2の符号語は色値を含み、3バイトまたは4バイトの第2の符号語はランレングス値を含み、4バイトの第2の符号語に含まれるランレングス値はディスプレイの表示の幅を超過することがある、ステップと、
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記色値と所定色とが、色を表示するためのルックアップ・テーブルにマップされている、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記最短の冗長性の符号語が、ラインの同期のために使用される、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
ディスプレイでのビデオ表示のための符号化されたデータ・ストリームのランレングス復号方法であって、
符号語の第1のバイトを特定するステップと、
前記第1のバイトが定義された第1の値を有していない場合には、当該第1のバイトを、前記第1のバイトの値によって定義された個々の色を有する単一のピクセルに復号するステップであって、当該色は、定義された第1の色以外の色である、ステップと、
前記第1のバイトが定義された第1の値を有している場合には、次の第2のバイトの第1のビットおよび第2のビットを特定するステップと、
前記第2のバイトの第1のビットおよび第2のビットが第1の値を有する場合には、当該第2のバイトの残りのビットを第1の色のピクセル・シーケンスへ復号するステップであって、当該残りのビットはシーケンス長を定めている、ステップと、
前記第2のバイトの第1のビットおよび第2のビットが第2の値を有する場合には、当該第2のバイトの残りのビットを次の第3のバイトとともに第1の色のピクセル・シーケンスへ復号するステップであって、当該第2のバイトの残りのビットおよび第3のバイトはディスプレイの表示の幅を超過しうるシーケンス長を定めている、ステップと、
前記第2のバイトの第1のビットおよび第2のビットが第3の値を有する場合には、当該第2のバイトの残りのビットを次の第3のバイトとともにピクセル・シーケンスへ復号するステップであって、当該第2のバイトの残りのビットはシーケンス長を定めており、当該第3のバイトはピクセル色を定めている、ステップと、
前記第2のバイトの第1のビットおよび第2のビットが第4の値を有する場合には、当該第2のバイトの残りのビットを次の第3のバイトおよび第4のバイトとともに復号化するステップであって、当該第2のバイトの残りのビットおよび第3のバイトはディスプレイの表示の幅を超過しうるシーケンス長を定めており、当該第4のバイトはピクセル色を定めている、ステップと、
を含む、前記方法。
【請求項5】
前記第1,第3,あるいは第4のバイトからと前記第1の値からピクセルの色を規定することは、ルックアップ・テーブルを使用することを含む、請求項1から4のうちいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
ビデオ再生用の前記符号化されたデータ・ストリームはディスプレイ上で他のビデオ・データと重ね合わされる個別のレイヤであり、表示のために前記個別のレイヤの部分を選択するステップをさらに含む、請求項4または5記載の方法。
【請求項7】
データ・ストリームのランレングス符号化装置であって、当該データ・ストリームがディスプレイ上のビデオ再生用のビットマップ・フォーマット化された字幕スーパー・データまたはメニュー・データを有しており、前記字幕スーパー・データまたはメニュー・データがグラフィクスまたはテキストまたはその両方を含み、
−所定色を規定する手段と、
−ランレングスの範囲を規定する手段と、
−前記所定色のピクセルを2バイトまたは3バイトの第1の符号語へ符号化する手段であって、当該第1の符号語はランレングス値を含み、3バイトの第1の符号語に含まれるランレングス値はディスプレイの表示の幅を超過することがある、手段と、
前記所定色以外の色のピクセルを1バイトまたは3バイトまたは4バイトの第2の符号語へ符号化する手段であって、当該第2の符号語は色値を含み、3バイトまたは4バイトの第2の符号語はランレングス値を含み、4バイトの第2の符号語に含まれるランレングス値はディスプレイの表示の幅を超過することがある、手段と、
を備える、前記装置。
【請求項8】
ビデオ・アプリケーションのための圧縮されたビットマップ・フォーマット化された字幕スーパー・データまたはメニュー・データを有する符号化されたデータ・ストリームのランレングス復号装置であって、
符号語の長さを特定する手段であって、符号語の第1のバイトが評価され、そして、当該第1のバイトが規定された第1の値以外の値を有する場合は、前記符号語の長さが1バイトであると特定され、当該第1のバイトが規定された第1の値を有する場合は次の第2のバイトの第1および第2のビットが評価され、当該第第1および第2のビットに依存して、前記符号語の長さがそれぞれ2バイトあるいは3バイトあるいは4バイトに特定される、前記手段と、
前記1バイト長であると特定された符号語を前記1バイトによって規定された色を有する単一ピクセルに復号する手段であって、当該色は、規定された色と異なる、前記手段と、
前記2バイト長であると特定された符号語を前記規定された第1の色のピクセルのシーケンスに復号する手段であって、当該シーケンスの長さが前記符号語の第2のバイトの残りのビットによって規定される、前記手段と、
前記3バイト長であると特定された符号語を前記規定された第1の色のピクセルのシーケンスであって、そのシーケンスの長さがビデオ・ディスプレイの幅を超過することがあり、第3のバイトおよび第2のバイトの残りのビットによって規定されるシーケンスに復号するか、あるいは、前記規定された第1の色以外の同じ色のピクセルのシーケンスであって、そのシーケンスの長さが前記第2のバイトの残りのビットによって規定されるシーケンスに復号する、手段と、
前記4バイト長であると特定された符号語を前記第1の色以外の同じ色のピクセルのシーケンスに復号する手段であって、そのシーケンスの長さがビデオ・ディスプレイの幅を超過することがある、前記手段と、
を備える、前記装置。
【請求項9】
同期符号語として0の長さのシーケンスを含む2バイトを有する符号語を復号する前記手段が、同期符号語をライン終了を指示する情報に復号する手段をさらに備える、請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記規定された第1の色を含む色値とディスプレイ色との関係をマッピングするルックアップ・テーブル手段をさらに含む、請求項7から9のうちいずれか1項記載の装置。
【請求項11】
前記符号化されたデータ・ストリームが複数のトランスポート・パケットに分配される、請求項7から10のうちいずれか1項記載の装置。
【請求項12】
請求項1から3のうちのいずれかに記載された方法によって符号化されたデータを含むディスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−250436(P2011−250436A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−145308(P2011−145308)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【分割の表示】特願2010−95866(P2010−95866)の分割
【原出願日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】1−5, rue Jeanne d’Arc, 92130 ISSY LES MOULINEAUX, France
【Fターム(参考)】