説明

ビデオゲーム制御システム、及びビデオゲーム制御サーバ

【課題】実際に地理的に近くに存在するプレイヤ同士を協力させて、実際の地図情報とリンクした多様なイベントを達成させる。
【解決手段】ビデオゲーム制御サーバ10が、プレイヤ端末21からの要求にもとづいてゲームマップを提供し、戦闘シーンにおいて支援要求操作がなされたことに応じて送信さされた支援要請受付情報を受信したときに、プレイヤ端末21の現在位置から所定の範囲内に位置する他のプレイヤ端末22〜28に対して支援要請情報を送信し、支援要請に応じた他のプレイヤ端末22〜24からの支援内容情報の受信に応じて、受信した支援内容情報が示す支援内容をイベント内で実行させるための支援実行指示情報をプレイヤ端末21に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤに操作される複数のプレイヤ端末においてそれぞれ遊戯されるビデオゲームの進行の少なくとも一部を通信ネットワークを介して制御するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、インターネットなどの通信ネットワークを介して携帯電話端末などの移動通信端末に提供されるネットワーク配信型ゲームが各種提供されている。このようなネットワーク配信型のゲームには、例えば、RPG(ロールプレイングゲーム:プレイヤがゲームの世界の中であるキャラクタの役割を演じ、様々な経験を通して成長していく過程を楽しみながら、所定の目的を達成していくゲーム。)などの各種のゲームがある。
【0003】
また、従来から、移動通信端末に対してゲームを提供する際に、ゲームの進行制御に位置情報を利用するようにしたものがある(例えば特許文献1)。
【0004】
特許文献1には、GPS(Global Positioning System)測量により得られたプレイヤの位置情報をゲームのデータとして利用することが開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、携帯電話端末やPHS(Personal Handyphone System)などの移動通信端末でゲームを行う際に、主に戦闘シーンに於いて自己の操作するプレイヤキャラクタがピンチに陥った時に他のプレイヤに救援要請を送信することによって、救援要請に応じた第三者が操作するプレイヤキャラクタが当該の戦闘に参加することを可能とし、これによってプレイヤ同士が協力してゲームを進行可能にする仕組みについて開示されている。
【0006】
【特許文献1】特許第3767741号公報
【特許文献2】特開2006−61612号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上述した従来の技術においては、互いに知り合いでないプレイヤ同士が協力してゲームを進行可能としたり、プレイヤの位置情報によってゲームの内容を変化させたりすることについて開示されているが、協力を要請可能なプレイヤが制限されていたり、位置情報が単に予め用意された複数パターンのキャラクタやアイテム、シナリオの中から特定のものを選択させるために利用されるだけであり、ゲーム内容を多用化させるには限界があった。
【0008】
本発明は、上記の問題を解消すべく、互いに知り合いであるか否かに関わらず実際に地理的に近くに存在するプレイヤ同士であれば協力を要請する対象となるプレイヤを極力制限することなく、実際の地図情報とリンクしたイベントを達成させることを可能にすることで、知り合いでないプレイヤとの交流を可能とし、位置情報を利用するゲームにおけるゲーム内容をさらに多様化することで、遊戯の興趣を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のビデオゲーム制御システムは、プレイヤに操作される複数のプレイヤ端末と、該複数のプレイヤ端末においてそれぞれ遊戯されるビデオゲームの進行の少なくとも一部を通信ネットワークを介して制御するビデオゲーム制御サーバとを備えたビデオゲーム制御システムであって、前記プレイヤ端末は、プレイヤによるマップ取得指定操作に応じて送信したゲームマップ取得要求にもとづき前記ビデオゲーム制御サーバから提供されたゲームマップを表示するゲームマップ表示手段と、所定のイベントの実行中にプレイヤによる支援要請指定操作を受け付けたことに応じて、前記プレイヤ端末の現在位置を測定する位置測定手段と、該位置測定手段によって測定された現在位置を示す現在位置情報と、プレイヤを一意に識別するためのプレイヤ識別情報と、前記支援要請指定操作を受け付けたことを示す支援要請指定受付情報とを含む支援要請受付情報を、前記ビデオゲーム制御サーバに送信する支援要請受付情報送信手段とを含み、前記ビデオゲーム制御サーバは、前記プレイヤ端末からの前記ゲームマップ取得要求にもとづいてゲームマップを提供するゲームマップ提供手段と、前記プレイヤ端末からの前記支援要請受付情報を受信したときに、前記プレイヤ端末の現在位置から所定の範囲内に位置する他のプレイヤ端末に対して、支援要請のための支援要請情報を送信する支援要請情報送信手段と、前記支援要請情報が示す支援要請に応じた前記他のプレイヤ端末から、支援内容を示す支援内容情報を受信したことに応じて、受信した支援内容情報が示す支援内容の実行を指示するための支援要請応答指示実行情報を、前記プレイヤ端末に送信する支援要請応答実行情報送信手段とを含み、前記プレイヤ端末は、受信した前記支援要請応答指示実行情報にもとづいて、実行中のイベントにおいて前記他のプレイヤ端末からの支援を実行することを特徴とする。
【0010】
上記の構成としたことで、知り合いであるか否かに関わらず実際に地理的に近くに存在するプレイヤ同士を協力させて、実際の地図情報とリンクしたイベントを達成させることが可能となり、知り合いでないプレイヤとの交流を可能とし、位置情報を利用するゲームにおけるゲーム内容をさらに多様化することができ、遊戯の興趣を向上させることができる。
【0011】
前記支援要請情報送信手段は、支援要請のための支援要請情報として、イベントにおける支援内容を受け付けるための支援内容受付画面にアクセスするためのURLが掲載された電子メールを送信し、前記支援要請応答実行情報送信手段は、前記支援内容受付画面において指定された支援内容を示す支援内容情報を受信し、受信した支援内容情報が示す支援内容をイベント内で実行させるための支援要請応答指示実行情報を前記プレイヤ端末に送信する構成とされていてもよい。
【0012】
前記支援実行情報送信手段は、攻撃、防御、回復等の支援内容を示す支援内容情報を受信し、所定のモンスタとの戦闘が行われるモンスタイベント内で実行させるための支援要請応答指示実行情報を前記プレイヤ端末に送信する構成とされていてもよい。
【0013】
前記ビデオゲーム制御サーバは、前記支援要請情報が示す支援要請に応じた前記他のプレイヤ端末から該他のプレイヤの現在位置を示す現在位置情報を受信する現在位置情報受信手段と、該現在位置情報受信手段が受信した現在位置情報が示す前記他のプレイヤ端末の現在位置が支援要請を行った前記プレイヤ端末の現在位置から所定距離範囲内である場合に限り、前記他のプレイヤ端末からの支援内容情報を受け付ける支援内容情報受付判定手段とを含む構成とされていてもよい。
【0014】
前記ビデオゲーム制御サーバは、該現在位置情報受信手段が受信した現在位置情報が示す前記他のプレイヤ端末の現在位置が支援要請を行った前記プレイヤ端末の現在位置から所定距離範囲内でない場合に、前記プレイヤ端末の現在位置を示す現在位置情報を、前記他のプレイヤ端末に対して提供する現在位置情報提供手段を含む構成とされていてもよい。
【0015】
前記位置測定手段は、測位用の複数の衛星からの測位用信号にもとづいて前記プレイヤ端末の現在位置を測定する構成とされていてもよい。
【0016】
また、本発明のビデオゲーム制御サーバは、プレイヤに操作される複数のプレイヤ端末においてそれぞれ遊戯されるビデオゲームの進行の少なくとも一部を通信ネットワークを介して制御するビデオゲーム制御サーバであって、プレイヤによるマップ取得指定操作に応じた前記プレイヤ端末からの前記ゲームマップ取得要求にもとづいて、前記プレイヤ端末に表示させるためのゲームマップを提供するゲームマップ提供手段と、所定のイベントの実行中にプレイヤによる支援要請指定操作を受け付けた前記プレイヤ端末から、前記プレイヤ端末の現在位置を測定する位置測定手段によって測定された現在位置を示す現在位置情報と、プレイヤを一意に識別するためのプレイヤ識別情報と、前記支援要請指定操作を受け付けたことを示す支援要請指定受付情報とを含む支援要請受付情報を受信したときに、前記プレイヤ端末の現在位置から所定の範囲内に位置する他のプレイヤ端末に対して、支援要請のための支援要請情報を送信する支援要請情報送信手段と、前記支援要請情報が示す支援要請に応じた前記他のプレイヤ端末から、支援内容を示す支援内容情報を受信したことに応じて、受信した支援内容情報が示す支援内容の実行中のイベント内での実行を指示するための支援要請応答指示実行情報を、前記プレイヤ端末に送信する支援要請応答実行情報送信手段とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、知り合いであるか否かに関わらず実際に地理的に近くに存在するプレイヤ同士を協力させて、実際の地図情報とリンクしたイベントを達成させることが可能となり、知り合いでないプレイヤとの交流を可能とし、位置情報を利用するゲームにおけるゲーム内容をさらに多様化することができ、遊戯の興趣を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施の形態におけるビデオゲーム提供システム100の構成の例を示すブロック図である。図1に示すように、ビデオゲーム提供システム100は、ビデオゲーム制御サーバ10と、複数のプレイヤ端末21〜2N(Nは任意の正の整数)と、複数の基地局31〜3Nとを含む。
【0020】
ビデオゲーム制御サーバ10、および複数の基地局31〜3Nは、それぞれ、インターネットなどの通信ネットワーク40に接続されている。複数のプレイヤ端末21〜2Nは、それぞれ、無線通信によって接続された基地局31〜3Nを介して通信ネットワーク40に接続されている。
【0021】
ビデオゲーム制御サーバ10は、本システム100のシステム管理者によって管理され、プレイヤ端末21〜2Nそれぞれに対して通信ネットワーク40を介してビデオゲームを提供するための各種の機能を有する。このビデオゲーム制御サーバ10は、WWWサーバなどの情報処理装置によって構成される。
【0022】
プレイヤ端末21〜2Nは、それぞれ、ビデオゲームのプレイヤによって管理され、例えば携帯電話端末やPDA(Personal Digital Assistants)、携帯型ゲーム装置などのネットワーク配信型のゲームを行うことが可能な携帯通信端末によって構成される。プレイヤ端末21〜2Nは、それぞれ、基地局31〜3Nを介して通信ネットワーク40に接続するためのハードウェア及びソフトウェア等を備えている。このプレイヤ端末21〜2Nは、それぞれ、テレビジョン装置や液晶表示装置などによって構成される画像表示部を有する表示装置を、内部あるいは外部に備えている。また、プレイヤ端末21〜2Nは、それぞれ、複数のGPS衛星からの測位用の信号(GPS信号)を受信し、受信した各GPS信号を利用して各プレイヤ端末21〜2Nの現在位置を測位する位置測定部21a(図6参照)と、プレイヤによって操作される例えば操作ボタンなどの操作部及びプレイヤ端末全体を制御する制御部で構成される操作・制御部21b(図6参照)と、プレイヤ端末に関連する情報を取り扱う端末情報処理部21c(図6参照)とを備えている。
【0023】
基地局31〜3Nは、それぞれ、通信業者によって管理され、通信可能エリア内に位置するプレイヤ端末21〜2Nと無線通信回線によるデータ通信を行うことによって、プレイヤ端末21〜2Nと通信ネットワーク40とを接続するための装置である。
【0024】
図2は、ビデオゲーム制御サーバ10の構成の例を示すブロック図である。図2に示すように、ビデオゲーム制御サーバ10は、制御部11と、通信制御部12と、ゲーム情報格納部13とを含む。
【0025】
制御部11は、CPUやROMなどを含み、ゲーム情報格納部13に格納された制御プログラムに従ってビデオゲーム制御サーバ10全体の制御を行う。
【0026】
通信制御部12は、インターネットなどの通信ネットワーク40を介して例えばプレイヤ端末21〜2Nとの間で通信を行うための機能を有する。
【0027】
ゲーム情報格納部13は、例えばデータベース装置によって構成され、後述するイベント関連情報テーブルや、ゲーム用の制御プログラムなどの各種のデータが格納される記憶媒体である。
【0028】
なお、この実施の形態において提供されるビデオゲームは、仮想3次元空間に設けられたフィールド上を、プレイヤキャラクタ(プレイヤによるキーパッドの操作に従って動作するキャラクタ)などの複数のキャラクタが移動したり、ゲームにおける目標の達成のためのプレイヤキャラクタの行動を妨げる敵キャラクタとの戦闘などを行うことによりゲームが進行する部分を含むRPGであるものとする。なお、フィールドが形成された仮想3次元空間は、ワールド座標系によって示されるものとする。
【0029】
次に、本例のビデオゲーム提供システム100の動作について説明する。
図3は、本例のビデオゲーム提供システム100におけるゲーム開始処理の例を示すフローチャートである。図4は、本例のビデオゲーム提供システム100におけるマップ提供処理の例を示すフローチャートである。ここでは、説明を簡単にするため、プレイヤPがプレイヤ端末21を操作することによってビデオゲームGが遊戯されることとし、そのプレイヤ端末21に対してゲームを提供するための処理について説明するものとして、本発明に特に関わる処理以外は、説明を省略している場合があるものとする。
【0030】
ゲーム開始処理において、プレイヤ端末21の操作・制御部21bは、プレイヤPの操作に応じてビデオゲームGを実行するためのゲームアプリ(ゲームアプリケーション)を起動する(ステップS101)。ゲームアプリを起動すると、操作・制御部21bは、位置測定部21aに対して測位指示を行う(ステップS102)。位置測定部21aは、測位指示に応じて、プレイヤ端末21の現在位置を測位する測位処理を実行し(ステップS103)、その測位結果を示す位置情報を送信する(ステップS104)。
【0031】
位置測定部21aからの位置情報を操作・制御部21bを介して受信すると、端末情報処理部21cは、受信した位置情報と、プレイヤPに対して一意に付与されているプレイヤIDとを含む端末情報を作成し、作成した端末情報を、例えば基地局31及び通信ネットワーク40を介してビデオゲーム制御サーバ10に対して送信する(ステップS105)。
【0032】
端末情報を受信すると、ビデオゲーム制御サーバ10は、受信した端末情報に含まれるプレイヤIDを用いてプレイヤPの認証処理を実行する(ステップS106)。なお、認証処理は、プレイヤIDのみによるものに限らず、パスワードや生体情報などの他の情報を用いるものであってもよい。そして、プレイヤPを認証した場合には、ビデオゲーム制御サーバ10は、受信した端末情報に含まれる位置情報をプレイヤIDに対応付けして登録を行った日時とともに、図5に示すプレイヤ位置設定テーブルに登録することでプレイヤP(プレイヤ端末21)の現在位置を保存し、ビデオゲームGを提供するためのゲームプログラムを送信する(ステップS107)。なお、プレイヤ位置設定テーブルの登録情報は、プレイヤ端末21からの位置情報を提示したアクセスがある度に更新されるものとする。
【0033】
ゲームプログラムを受信すると、プレイヤ端末21の操作・制御部21bは、受信したゲームプログラムを用いてゲームアプリを開始し、ビデオゲームGの実行を開始する(ステップS108)。ビデオゲームGが開始されたあと、ビデオゲームGの実行中に、マップ提供処理が実行される。
【0034】
マップ提供処理において、プレイヤ端末21の操作・制御部21bは、プレイヤPの操作によるゲームマップ表示コマンドの指定を受け付けると(ステップS201)、位置測定部21aに対して測位指示を行う(ステップS202)。位置測定部21aは、測位指示に応じて、プレイヤ端末21の現在位置を測位する測位処理を実行し(ステップS203)、その測位結果を示す位置情報を送信する(ステップS204)。
【0035】
位置測定部21aからの位置情報を操作・制御部21bを介して受信すると、端末情報処理部21cは、受信した位置情報と、ステップS201にて操作・制御部21bがゲームマップ表示コマンドを受け付けたことを示すゲームマップ表示指示受付情報と、プレイヤPに対して付与されているプレイヤIDとを含むゲームマップの取得要求を行うためのマップ取得要求情報を作成し、作成したマップ取得要求情報を、例えば基地局31及び通信ネットワーク40を介してビデオゲーム制御サーバ10に対して送信する(ステップS205)。なお、端末情報処理部21cは、位置情報を操作・制御部21bを介して受信する際に、ステップS201にて操作・制御部21bがゲームマップ表示コマンドを受け付けたことを示すゲームマップ表示指示受付情報を操作・制御部21bから取得しているものとする。
【0036】
マップ取得要求情報を受信すると、ビデオゲーム制御サーバ10は、ゲーム情報格納部13に格納されている地図情報の中から、受信したマップ取得要求情報に含まれている位置情報が示す位置周辺の地図情報を読み出し、読み出した地図情報のうちプレイヤ端末21に表示させる範囲を切り出し、ゲームマップとして使用する地図を決定する(ステップS206)。すなわち、ステップS206において、ビデオゲーム制御サーバ10は、先ず、図6に示すような、受信したマップ取得要求情報に含まれている位置情報が示すプレイヤ端末21の現在位置Pの周辺地図を読み出す。そして、ビデオゲーム制御サーバ10は、プレイヤ端末21が備える表示装置が表示可能な範囲(例えば、図7に示す領域Aaあるいは領域Ab)を切り出すためにトリミングを行い、トリミングを行った地図情報を得る。なお、プレイヤ端末21が備える表示装置が表示可能な範囲については、例えばプレイヤPが使用する端末の機種ごとに独自の表示可能範囲を設定することも可能である。ユーザ登録の際に端末の機種についての登録をも受け付け、図8に示すようなプレイヤ情報管理テーブルを作成しておくことで、サーバ10側で認識することが可能となる。なお、このプレイヤ情報管理テーブルはプレイヤPが機種変更やメールアドレスの変更などを行った場合随時更新されるものとする。従って、サーバ10側で領域Aaとするか領域AbとするかをプレイヤPが使用する端末の機種情報を参照することで判定することが可能となり、サーバ10側で自動的に地図の表示可能範囲を決定することが可能となる。また、上記のような地図の表示範囲の他にも、後述する支援要請可能範囲などをプレイヤの使用する機種ごとに変化させてもよい。このように設計することで、「自分の好みのゲーム進行を行うためにはどの機種を使用するのが有利か」といったことを端末の機種変更時に検討することができるようになり、単なる使用端末の機種変更においてもゲーム性を与えることができる。このようなマップ表示機能は、後述する支援要請処理にて支援要請を受信した支援プレイヤが、支援要請を送信した被支援プレイヤの現在位置を検索したり、プレイヤの現在位置と関連するゲーム内のイベントを経験したりする際に利用される。
【0037】
なお、上記プレイヤ情報管理テーブルの更新処理は、プレイヤ端末21の端末情報処理部21cによって添付された端末情報がビデオゲーム制御サーバ10に送信された時、既存のプレイヤ情報管理テーブルに記載された内容と、受信した最新の端末情報の内容をそれぞれに記載されているプレイヤIDをキーに比較して、変更されている項目があれば自動的に受信した端末情報に記載された内容へと自動的に更新するようにしてもよい。このようにすることで、プレイヤが自らプレイヤ情報を変更する手間を省くこともできるし、プレイヤによる変更忘れや変更情報の入力ミスを防ぐこともできる。プレイヤIDはプレイヤの使用する端末に対応する電話番号や、電話番号情報の記載された記憶媒体の製造番号などプレイヤが任意に変更できないものを用いるため、悪意のあるプレイヤが故意に他のプレイヤのIDでビデオゲーム制御サーバ10にアクセスしたり、他のプレイヤのプレイヤ情報を書き換えたりすることは非常に困難となる。ただし、セキュリティを万全にするために、例えばゲームプログラムにログインする際のパスワードなどの重要情報については上記のような自動更新ができないように設定しておいてもよい。
【0038】
本例では、プレイヤPが操作するプレイヤキャラクタと敵キャラクタがゲームプログラム進行中に遭遇し、戦闘シーンが開始されたあと、その戦闘においてプレイヤキャラクタがピンチに陥った際(例えばプレイヤキャラクタ単独で敵キャラクタに勝利することが困難であるとプレイヤPが判断した際)に、他のプレイヤに対する支援要請を行うことが可能となるものとする。ここで、プレイヤPによって支援要請がなされた場合の処理について図9〜図14を参照して説明する。
【0039】
図9に示す支援要請処理おいて、プレイヤ端末21の操作・制御部21bは、例えばモンスタとの戦闘が行われるイベントの実行中に、プレイヤPの操作による支援要請コマンドの指定を受け付けると(ステップS301)、位置測定部21aに対して測位指示を行う(ステップ302)。
【0040】
位置測定部21aは、測位指示に応じて、プレイヤ端末21の現在位置を測位する測位処理を実行し(ステップS303)、その測位結果を示す位置情報を送信する(ステップS304)。
【0041】
位置測定部21aからの位置情報を操作・制御部21bを介して受信すると、端末情報処理部21cは、受信した位置情報と、ステップS301にて操作・制御部21bが支援要請コマンドを受け付けたことを示す支援要請受付情報と、プレイヤPに対して付与されているプレイヤIDとを含む支援要請実行要求情報を作成し、例えば図10に示すように、作成した支援要請実行要求情報を、例えば基地局31及び通信ネットワーク40を介してビデオゲーム制御サーバ10に対して送信する(ステップS305)。なお、端末情報処理部21cは、位置情報を操作・制御部21bを介して受信する際に、ステップS301にて操作・制御部21bが支援要請コマンドを受け付けたことを示す支援要請受付情報を、操作・制御部21bから取得しているものとする。
【0042】
支援要請実行要求情報を受信すると、ビデオゲーム制御サーバ10は、受信した支援要請実行要求情報に含まれているプレイヤIDにもとづきプレイヤPの認証処理を行い、プレイヤPを認証した場合には、受信した支援要請実行要求情報に含まれているプレイヤPの位置情報を用いてプレイヤ現在位置設定テーブルにおけるプレイヤPの登録内容を更新する(ステップS306)。次いで、ビデオゲーム制御サーバ10は、更新したプレイヤPの現在位置にもとづいて、プレイヤPのプレイヤ情報に応じた支援要請配信可能範囲を決定する(ステップS307)。具体的には、プレイヤPの現在位置からあらかじめ定められた所定距離内の範囲を、支援要請配信可能範囲とすることに決定するようにすればよい。なお、プレイヤ情報管理テーブルに登録されているプレイヤPの使用機種に応じて、支援要請配信可能範囲を決定するためのプレイヤPの現在位置からの所定距離を定めるようにしてもよい。
【0043】
プレイヤPの支援要請配信可能範囲を決定すると、ビデオゲーム制御サーバ10は、この範囲内に存在するプレイヤP以外のプレイヤを、プレイヤ位置設定テーブルおよびプレイヤ情報管理テーブルを参照して抽出する(ステップS308)。この時、例えばプレイヤ位置設定テーブルに登録されている現在位置情報の最終更新日時が現在時刻から規定の時間内であるプレイヤのみを抽出するようにしてもよい。多くの場合、現在位置情報の最終更新日時が数日も前である場合、そのプレイヤは現在は違う場所に存在していると考えられるためである。また、プレイヤ情報管理テーブルに、支援要請受信可否を予めプレイヤが任意に設定できるようにしておくことで、支援要請を受信することを望まないプレイヤに対しては支援要請を配信しないようにすることができる。なお、支援要請受信可否は初期設定では「許可」に設定されていることが望ましい。
【0044】
ステップS308の結果、ビデオゲーム制御サーバ10は、例えば図11に示すように、支援要請配信可能範囲Ac内に位置している7個の他のプレイヤ端末22〜28(以下、「支援要請配信プレイヤ端末」という)を特定したものとする。そして、ビデオゲーム制御サーバ10は、プレイヤ情報管理テーブルを参照することで、支援要請配信プレイヤ端末22〜28に設定されている電子メールアドレスを検索し、検索した電子メールアドレスを使用して、例えば図11に示すように、支援要請配信プレイヤ端末22〜28に対して電子メールによって支援要請情報を配信する(ステップ309)。この電子メールには、プレイヤ端末21が現在実行中の戦闘シーンにおいて、プレイヤPの操作によって行動するプレイヤキャラクタの支援を行うためのイベント支援画面にアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)が表示されている。
【0045】
支援要請情報を配信すると、ビデオゲーム制御サーバ10は、支援要請の依頼主であるプレイヤ端末21のプレイヤPを示すプレイヤIDと、支援要請情報の送信先とした支援要請配信プレイヤ端末22〜28のプレイヤ(以下、「支援要請受信プレイヤ」という)を示すプレイヤIDとを含む支援要請結果管理テーブルを作成し、ゲーム情報格納部13に格納する(ステップS310)。
【0046】
次に、図12を用いて、支援要請情報を受信した支援要請配信プレイヤ端末が、支援要請受信プレイヤの操作に応じて支援要請に応答した場合の動作と、その支援要請を拒否した場合の動作について説明する。ここでは説明をしやすいように、支援要請受信プレイヤであるプレイヤP2によって使用されるプレイヤ端末(支援要請配信プレイヤ端末)22にて支援要請情報を受信した場合を例に取って説明する。支援要請情報の配信を受けると、プレイヤ端末22は、プレイヤP2による支援要請応答指示の操作を受け付ける(ステップ401)。本例では、支援要請情報が示す支援要請依頼が記載された電子メールに掲載されているURLにアクセスすることが支援要請応答指示の操作となる。
【0047】
プレイヤ端末22の操作制御部22bは、支援要請応答指示を検知すると位置測定部22aに対して測位指示を行う(ステップ402)。位置測定部22aは、測位指示に応じて、プレイヤ端末22の現在位置を測位する測位処理を実行し(ステップS403)、その測位結果を示す位置情報を送信する(ステップS404)。
【0048】
位置測定部22aからの位置情報を操作・制御部22bを介して受信すると、端末情報処理部22cは、受信した位置情報と、ステップS401にて操作・制御部22bが支援要請応答指示を受け付けたことを示す支援要請応答指示受付情報と、プレイヤPに対して付与されているプレイヤIDとを含む支援要請応答指示実行要求情報を作成し、作成した支援要請応答指示実行要求情報を、例えば基地局31及び通信ネットワーク40を介してビデオゲーム制御サーバ10に対して送信する(ステップS405)。なお、端末情報処理部22cは、位置情報を操作・制御部22bを介して受信する際に、ステップS501にて、操作・制御部22bが支援要請応答指示を受け付けたことを示す支援要請応答指示受付情報を、操作・制御部22bから取得しているものとする。
【0049】
ビデオゲーム制御サーバ10は、プレイヤ端末22の端末情報処理部22cから送信された支援要請応答指示実行要求情報に含まれているプレイヤIDにもとづきプレイヤP2の認証処理を行い、プレイヤP2を認証した場合には、受信した支援要請応答指示実行要求情報に含まれている位置情報を用いて、プレイヤ位置設定テーブルに登録されているプレイヤP2の最新位置情報と最新位置情報計測時刻とを更新する(ステップS406)。
【0050】
ビデオゲーム制御サーバ10は、更新されたプレイヤ位置設定テーブルのデータを元に、プレイヤP2の最新の現在位置情報を把握し、プレイヤP2の現在位置が、支援要請の送信依頼主であるプレイヤ(以下「被支援要請プレイヤ」という)Pの現在位置に基づいて決定された支援要請配信可能範囲内であるかどうかを判断する(ステップS407)。この結果プレイヤP2の現在位置がプレイヤPの支援要請配信可能範囲内であると判断した場合(ステップS407のY)、ビデオゲーム制御サーバ10は、支援要請結果管理テーブルを更新する(ステップS408)。一方、プレイヤP2の現在位置がプレイヤPの支援要請配信可能範囲外であると判断した場合(ステップS407のN)、ビデオゲーム制御サーバ10は、プレイヤP2の現在位置が支援要請配信可能範囲外であることを通知するエラー画面を、プレイヤP2のプレイヤ端末22に送信する(ステップS409)。
【0051】
上記エラー画面には、プレイヤP2が積極的にプレイヤPに対する支援を希望する場合に備えて、被支援要請プレイヤPの現在位置表示を実行するための指示ボタンと、支援を断念することを指示する指示ボタンとが表示される。プレイヤP2がプレイヤPを支援するためには、プレイヤPの支援要請配信可能範囲内に移動することが要求されるため、プレイヤPの現在位置を把握することが必要となるためである。エラー画面が配信されたプレイヤ端末22は、プレイヤP2による支援を断念することを指示する指示ボタンの押下操作を受け付けると(ステップS410のN)、支援を断念することとし、そのまま支援要請を無視して終了となる。一方、プレイヤP2によるプレイヤPの現在位置表示を実行するための指示ボタンの押下操作を受け付けると(ステップS410のY)、プレイヤ端末22の操作・制御部22bは、被支援要請プレイヤPの現在位置情報の取得要求を、プレイヤ端末22が備える端末情報処理部22cを経由してビデオゲーム制御サーバ10に向けて送信する(ステップS411)。
【0052】
続いて、支援プレイヤP2が被支援プレイヤPの現在位置表示の要求指示を行った場合の処理について図13を参照して説明する。ビデオゲーム制御サーバ10は、プレイヤ端末22から被支援プレイヤPの現在位置情報の取得要求を受信すると、プレイヤ位置設定テーブルを参照してプレイヤPの最新の現在位置を確認し、プレイヤ情報管理テーブルを参照して支援プレイヤP2に設定された地図表示可能範囲を確認し、被支援要請プレイヤPの現在位置を中心に当該の範囲の地図情報を切り出す(ステップ501)。
【0053】
次いで、ビデオゲーム制御サーバ10は、切り出した地図情報に被支援要請プレイヤPの現在位置を示すアイコンをマッピングし、完成した被支援要請プレイヤの現在位置が表示された地図情報を、プレイヤ端末22に向けて送信する(ステップ502)。
【0054】
プレイヤ端末22の操作・制御部22bは、被支援要請プレイヤの現在位置が表示された地図情報を受信し、プレイヤ端末22が備える表示部に受信した地図情報が示す地図を表示する(ステップ503)。この時、「このプレイヤの現在位置から半径Xmに接近せよ」といったメッセージが地図情報とともに表示されるようにしてもよい。支援要請受信プレイヤP2は表示された地図情報を参考にプレイヤ端末22を携帯したまま被支援要請プレイヤPの現在位置を目指して移動を行う。この時、移動を行いながら上述したマップ表示機能を使用することで自己位置を確認することで、より正確に被支援要請プレイヤPの現在位置に接近することが可能となる。支援要請受信プレイヤP2は、十分に被支援要請プレイヤPに対する支援要請配信可能範囲内に移動したと判断すると、ステップ309にて配信された支援要請メールに記載されたURLに再度アクセスすることで、この後ステップ401以降の処理を支援が実行できるまで繰り返す。
【0055】
ただし、支援要請が可能となる時間的制限が設けられている場合には、支援要請受信プレイヤP2が被支援要請プレイヤPの支援要請配信可能範囲内に移動して再度支援要請応答指示を行った場合であっても、時間的な制限により支援が実施できないこともある。この場合は、制限時間が超過したため支援が実施できない旨のエラー画面がビデオゲーム制御サーバ10からプレイヤ端末22に送信される。また特に時間制限が設けられていない場合であっても、支援要請受信プレイヤP2が再度支援要請応答指示を行うまでに当該の戦闘シーンを終了している場合も、当該の戦闘シーンが既に終了したために支援が実施できない旨のエラー画面がビデオゲーム制御サーバ10からプレイヤ端末22に送信される。
【0056】
支援要請に対して応答指示を行ったことが支援要請結果管理テーブルに登録された支援プレイヤは、それぞれ任意のコマンドを発行することで被支援要請プレイヤを支援することが可能となる。支援要請受信プレイヤがどのようなコマンドを指定して支援を行ったかを示す支援内容情報がビデオゲーム制御サーバ10に送信され、被支援要請プレイヤによるプレイヤキャラクタの攻撃操作時に、被支援要請プレイヤが指定したコマンドが発動される際に一緒に発動される。この時支援プレイヤが指定した支援内容は支援要請結果管理テーブルに随時登録される。このようにすることで、被支援プレイヤは1回の攻撃で複数回分の攻撃効果を上げることが可能になる。この時、支援の種類は攻撃だけでなく、「回復」や「魔法」、「アイテムの提供」など戦闘を有利に進めるために効果的な方法であれば通常は特に制限を受けないこととする。
【0057】
支援を受けている状態で被支援要請プレイヤが攻撃コマンドを発行する時、ビデオゲーム制御サーバ10は、支援要請結果管理テーブルに蓄積された支援要請受信プレイヤの指定した支援情報を参照し、支援プレイヤが指定したコマンドを確認する。この時、確認したコマンド情報の中にプレイヤが指定したコマンドと同一のコマンドが存在する場合は、支援結果管理テーブルに蓄積された該コマンドの存在数に応じて被支援プレイヤが指定したコマンドの攻撃力や回復力などの効果を大幅に増加させることを可能とする。このような特殊効果が得られる攻撃を、便宜上「フュージョン攻撃」と呼ぶ。
【0058】
フュージョン攻撃の効果の決定は、参照した支援結果管理テーブルに蓄積された同一コマンドの存在数に応じて増幅するが、指定したコマンドによって増幅率を異ならせてもよい。その場合、図14に示すような攻撃力決定テーブルをビデオゲーム制御サーバ10上に別途用意しておけばよい。
【0059】
また、効果的にフュージョン攻撃を発動させるために、被支援要請プレイヤは支援要請を行う際に、「けさ切りで支援を求む」など、支援要請受信プレイヤに対してどのような方法で支援してほしいかを伝えることが可能なように設計してもよい。被支援要請プレイヤからのこのような支援方法の指定メッセージは支援要請情報を送信する電子メールの本文やタイトルに自動で反映されるようにしておくことで、支援要請の電子メールを受け取ったプレイヤが被支援要請プレイヤの希望する支援方法を、実際に支援を実施する前に把握することが可能となる。
【0060】
すなわち、上記のように構成することによって支援結果管理テーブルに最初の支援要請応答指示情報が書き込まれてから、被支援プレイヤが戦闘中の敵キャラクタが倒される(敵キャラクタの攻撃力もしくは生命力を示す値がゼロになる)か、被支援プレイヤの操作するキャラクタが倒されるまでの間に支援プレイヤが発行したコマンドの蓄積状態によって、支援の効果が変化することとなる。また、フュージョン技の蓄積効果も時間が経つほどに大きくなるため、戦闘が長引くほど強い攻撃効果を敵キャラクタに与えられる可能性も高くなり、戦闘シーンがあまりにも長引いてプレイヤの興味を減少させることを防ぐことも可能になる。
【0061】
一方で、フュージョン攻撃を狙うあまり同じコマンドばかり発行しつづけることになると戦闘シーンが単調になり、これもまたプレイヤの興味を損なうことに繋がるため、一度フュージョン攻撃発動のために参照された支援結果管理テーブルに蓄積されているコマンドの記録はフュージョン攻撃が発動された時点で削除されるように規定してもよいし、支援結果管理テーブルに記録された後一定期間(例えば1分)が経過すると蓄積されたデータが順次消滅するように規定してもよい。また、こういったパターンのうち任意のものをプレイヤが選択設定可能なように規定してもよい。
【0062】
上記のようにして、プレイヤ端末21において実行されているイベントがモンスタ出現イベントであるときに、そのイベントにおいてモンスタと戦闘を行っているプレイヤキャラクタの支援要請を他のプレイヤ端末に対して行い、他のプレイヤ端末からの支援を受けることが可能となる。なお、上記の実施形態では特に言及していないが、有効な支援を行ったプレイヤに対して、支援を受けたプレイヤあるいはサーバ10側からアイテムなどの特典が与えられるようにすれば、支援要請に応じるプレイヤをより増加させることが期待できるようになる。また、被支援プレイヤの現在位置を探して実際に移動するという今までに無い趣向を加えることが可能となるし、わざわざ移動して支援を行った場合は支援が成功した際の達成感もより大きくなり、プレイヤの満足度が高まる。
【0063】
以上に説明したように、上述した一実施の形態では、プレイヤに操作される複数のプレイヤ端末21〜2Nと、複数のプレイヤ端末21〜2Nにおいてそれぞれ遊戯されるビデオゲームGの進行の少なくとも一部を通信ネットワーク40を介して制御するビデオゲーム制御サーバ10とを備えたビデオゲーム制御システムにおいて、以下の構成を備えたものである。すなわち、プレイヤ端末21〜2Nが、プレイヤによるゲームマップの取得指定操作に応じて送信したゲームマップ取得要求にもとづきビデオゲーム制御サーバ10から提供されたゲームマップを表示することが可能なマップ表示機能を有し、戦闘シーンの実行中にプレイヤによる支援要請指定操作を受け付けたことに応じて、ビデオゲーム制御サーバ10に支援要請受付情報を送信する支援要請情報送信手段を有する。また、プレイヤ端末21からの支援要請受付情報を受信したときに、プレイヤ端末21の現在位置から所定の範囲内に位置する他のプレイヤ端末22〜28に対して、支援要請のための支援要請情報を送信し、支援要請に応じた他のプレイヤ端末22〜24から、支援内容を示す支援内容情報を受信したことに応じて、受信した支援内容情報が示す支援内容を戦闘シーン内で実行させるための支援実行指示情報を、プレイヤ端末21に送信する。そして、プレイヤ端末21が、受信した支援実行指示情報にもとづいて、実行中の戦闘シーンにおいて他のプレイヤ端末22〜24からの支援を実行する。このような構成としたので、知り合いであるか否かに関わらず実際に地理的に近くに存在するプレイヤ同士を協力させて、実際の地図情報とリンクしたイベントを達成させることが可能となり、知り合いでないプレイヤとの交流を可能とし、位置情報を利用するゲームにおけるゲーム内容をさらに多様化することができ、遊戯の興趣を向上させることができる。また、プレイヤの位置を示す位置情報を利用してゲームの内容を予測不能に変化させることができ、位置情報を利用するゲームにおけるゲーム内容をさらに多様化させることができ、遊戯の興趣を向上させることができる。
【0064】
すなわち、自己のプレイしている現在位置だけでなく、他のプレイヤの現在位置や、そのプレイヤの応答結果(支援要請に応じるか否か、また支援の内容)にもとづいて、実行中のイベントにおいて他のプレイヤからの支援があるか、また支援がある場合のその内容が決定されるので、ゲームの内容を予測不能に変化させることができる。よって、新しい趣向を加えることが可能となり、同じゲームコンテンツであってもプレイする位置によってさらに多様性に富んだものとすることが可能となる。
【0065】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム制御サーバ10が、プレイヤ端末21からのゲームマップ取得要求に応じて、イベント発生領域を認識させるためのイベントアイコン画像が表示されたゲームマップを作成し、作成したゲームマップをプレイヤ端末21に送信する構成としたので、イベント発生領域をプレイヤに容易に認識させることが可能となる。なお、被支援プレイヤ現在位置アイコンとして、支援プレイヤの現在位置アイコンとは異なる画像が用いられるようにすることで、表示されている現在位置アイコンがどのプレイヤの現在位置を示すものかをプレイヤに容易に認識させることが可能としてもよい。
【0066】
なお、上述した実施の形態では、RPGのゲーム制御について説明していたが、ガンアクションRPG等の同種のゲームに適用することができることは勿論であり、さらに他の種のゲームにも好適に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明によれば、プレイヤに操作される複数のプレイヤ端末と複数のプレイヤ端末においてそれぞれ遊戯されるビデオゲームの進行の少なくとも一部を通信ネットワークを介して制御するビデオゲーム制御サーバとを備えたビデオゲーム制御システムなどに適用するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】ビデオゲーム提供システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】ビデオゲーム制御サーバの構成例を示すブロック図である。
【図3】ゲーム開始処理の例を示すフローチャートである。
【図4】マップ提供処理の例を示すフローチャートである。
【図5】プレイヤ位置設定テーブルの例を示す説明図である。
【図6】プレイヤの現在位置周辺の地図の例を示す説明図である。
【図7】プレイヤの現在位置周辺の地図における表示可能範囲の例を示す説明図である。
【図8】プレイヤ情報管理テーブルの例を示す説明図である。
【図9】支援要請処理の例を示すフローチャートである。
【図10】プレイヤ端末からビデオゲーム制御サーバに対する支援要請の概要を示す概念図である。
【図11】ビデオゲーム制御サーバから他のプレイヤ端末に対する支援要請の概要を示す概念図である。
【図12】支援応答処理の例を示すフローチャートである。
【図13】支援応答処理の例を示すフローチャートである。
【図14】攻撃力決定テーブルの例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0069】
10 ビデオゲーム制御サーバ
21〜2N プレイヤ端末
31〜3N 基地局
40 通信ネットワーク
100 ビデオゲーム提供システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤに操作される複数のプレイヤ端末と、該複数のプレイヤ端末においてそれぞれ遊戯されるビデオゲームの進行の少なくとも一部を通信ネットワークを介して制御するビデオゲーム制御サーバとを備えたビデオゲーム制御システムであって、
前記プレイヤ端末は、
プレイヤによるマップ取得指定操作に応じて送信したゲームマップ取得要求にもとづき前記ビデオゲーム制御サーバから提供されたゲームマップを表示するゲームマップ表示手段と、
所定のイベントの実行中にプレイヤによる支援要請指定操作を受け付けたことに応じて、前記プレイヤ端末の現在位置を測定する位置測定手段と、
該位置測定手段によって測定された現在位置を示す現在位置情報と、プレイヤを一意に識別するためのプレイヤ識別情報と、前記支援要請指定操作を受け付けたことを示す支援要請指定受付情報とを含む支援要請受付情報を、前記ビデオゲーム制御サーバに送信する支援要請受付情報送信手段とを含み、
前記ビデオゲーム制御サーバは、
前記プレイヤ端末からの前記ゲームマップ取得要求にもとづいてゲームマップを提供するゲームマップ提供手段と、
前記プレイヤ端末からの前記支援要請受付情報を受信したときに、前記プレイヤ端末の現在位置から所定の範囲内に位置する他のプレイヤ端末に対して、支援要請のための支援要請情報を送信する支援要請情報送信手段と、
前記支援要請情報が示す支援要請に応じた前記他のプレイヤ端末から、支援内容を示す支援内容情報を受信したことに応じて、受信した支援内容情報が示す支援内容の実行を指示するための支援要請応答指示実行情報を、前記プレイヤ端末に送信する支援要請応答実行情報送信手段とを含み、
前記プレイヤ端末は、受信した前記支援要請応答指示実行情報にもとづいて、実行中のイベントにおいて前記他のプレイヤ端末からの支援を実行する
ことを特徴とするビデオゲーム制御システム。
【請求項2】
前記支援要請情報送信手段は、支援要請のための支援要請情報として、イベントにおける支援内容を受け付けるための支援内容受付画面にアクセスするためのURLが掲載された電子メールを送信し、
前記支援要請応答実行情報送信手段は、前記支援内容受付画面において指定された支援内容を示す支援内容情報を受信し、受信した支援内容情報が示す支援内容をイベント内で実行させるための支援要請応答指示実行情報を前記プレイヤ端末に送信する
請求項1記載のビデオゲーム制御システム。
【請求項3】
前記支援実行情報送信手段は、攻撃、防御、回復等の支援内容を示す支援内容情報を受信し、所定のモンスタとの戦闘が行われるモンスタイベント内で実行させるための支援要請応答指示実行情報を前記プレイヤ端末に送信する
請求項2記載のビデオゲーム制御システム。
【請求項4】
前記ビデオゲーム制御サーバは、
前記支援要請情報が示す支援要請に応じた前記他のプレイヤ端末から該他のプレイヤの現在位置を示す現在位置情報を受信する現在位置情報受信手段と、
該現在位置情報受信手段が受信した現在位置情報が示す前記他のプレイヤ端末の現在位置が支援要請を行った前記プレイヤ端末の現在位置から所定距離範囲内である場合に限り、前記他のプレイヤ端末からの支援内容情報を受け付ける支援内容情報受付判定手段とを含む
請求項1から請求項3のうちいずれかに記載のビデオゲーム制御システム。
【請求項5】
前記ビデオゲーム制御サーバは、
該現在位置情報受信手段が受信した現在位置情報が示す前記他のプレイヤ端末の現在位置が支援要請を行った前記プレイヤ端末の現在位置から所定距離範囲内でない場合に、前記プレイヤ端末の現在位置を示す現在位置情報を、前記他のプレイヤ端末に対して提供する現在位置情報提供手段を含む
請求項4記載のビデオゲーム制御システム。
【請求項6】
前記位置測定手段は、測位用の複数の衛星からの測位用信号にもとづいて前記プレイヤ端末の現在位置を測定する
請求項1から請求項5のうちいずれかに記載のビデオゲーム制御システム。
【請求項7】
プレイヤに操作される複数のプレイヤ端末においてそれぞれ遊戯されるビデオゲームの進行の少なくとも一部を通信ネットワークを介して制御するビデオゲーム制御サーバであって、
プレイヤによるマップ取得指定操作に応じた前記プレイヤ端末からの前記ゲームマップ取得要求にもとづいて、前記プレイヤ端末に表示させるためのゲームマップを提供するゲームマップ提供手段と、
所定のイベントの実行中にプレイヤによる支援要請指定操作を受け付けた前記プレイヤ端末から、前記プレイヤ端末の現在位置を測定する位置測定手段によって測定された現在位置を示す現在位置情報と、プレイヤを一意に識別するためのプレイヤ識別情報と、前記支援要請指定操作を受け付けたことを示す支援要請指定受付情報とを含む支援要請受付情報を受信したときに、前記プレイヤ端末の現在位置から所定の範囲内に位置する他のプレイヤ端末に対して、支援要請のための支援要請情報を送信する支援要請情報送信手段と、
前記支援要請情報が示す支援要請に応じた前記他のプレイヤ端末から、支援内容を示す支援内容情報を受信したことに応じて、受信した支援内容情報が示す支援内容の実行中のイベント内での実行を指示するための支援要請応答指示実行情報を、前記プレイヤ端末に送信する支援要請応答実行情報送信手段とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム制御サーバ。
【請求項8】
前記支援要請情報送信手段は、支援要請のための支援要請情報として、イベントにおける支援内容を受け付けるための支援内容受付画面にアクセスするためのURLが掲載された電子メールを送信し、
前記支援要請応答実行情報送信手段は、前記支援内容受付画面において指定された支援内容を示す支援内容情報を受信し、受信した支援内容情報が示す支援内容をイベント内で実行させるための支援要請応答指示実行情報を前記プレイヤ端末に送信する
請求項7記載のビデオゲーム制御サーバ。
【請求項9】
前記支援実行情報送信手段は、攻撃、防御、回復等の支援内容を示す支援内容情報を受信し、所定のモンスタとの戦闘が行われるモンスタイベント内で実行させるための支援要請応答指示実行情報を前記プレイヤ端末に送信する
請求項8記載のビデオゲーム制御サーバ。
【請求項10】
前記支援要請情報が示す支援要請に応じた前記他のプレイヤ端末から該他のプレイヤの現在位置を示す現在位置情報を受信する現在位置情報受信手段と、
該現在位置情報受信手段が受信した現在位置情報が示す前記他のプレイヤ端末の現在位置が支援要請を行った前記プレイヤ端末の現在位置から所定距離範囲内である場合に限り、前記他のプレイヤ端末からの支援内容情報を受け付ける支援内容情報受付判定手段とを含む
請求項7から請求項9のうちいずれかに記載のビデオゲーム制御サーバ。
【請求項11】
前記ビデオゲーム制御サーバは、
該現在位置情報受信手段が受信した現在位置情報が示す前記他のプレイヤ端末の現在位置が支援要請を行った前記プレイヤ端末の現在位置から所定距離範囲内でない場合に、前記プレイヤ端末の現在位置を示す現在位置情報を、前記他のプレイヤ端末に対して提供する現在位置情報提供手段を含む
請求項10記載のビデオゲーム制御サーバ。
【請求項12】
前記位置測定手段は、測位用の複数の衛星からの測位用信号にもとづいて前記プレイヤ端末の現在位置を測定する
請求項7から請求項11のうちいずれかに記載のビデオゲーム制御サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−73264(P2008−73264A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−256531(P2006−256531)
【出願日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(592044813)株式会社スクウェア・エニックス (115)
【Fターム(参考)】