ビデオシステム
ノード装置を動作可能に結合するように構成された通信ネットワークのそれぞれ別個のノードにおいて、ビデオデータのキャプチャ、記憶および再生のためのネットワーク・ノード装置(1)が開示される。ノード装置には、ビデオデータをキャプチャし、かつキャプチャされたデータを、通信ネットワーク(11〜20)を介してビデオ記憶ノード(3)に伝送するように動作可能なビデオ・キャプチャ・ノード(2)を含んでもよい。ビデオ記憶ノードは、キャプチャ・ビデオデータを記憶し、かつ記憶されたデータを、通信ネットワーク(11〜20)を介して、ビデオ記憶ノードからの画像をレンダリングするビデオ再生ノード(4)に伝送するように構成されている。ビデオ記憶ノードは、その伝送バッファの内容が所定の下位内容値に一致または超過し、かつ再生ノードの受信バッファの内容が所定の上位内容値を超過していない場合のみ、ビデオデータをビデオ再生ノードに伝送する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークを用いたビデオデータの伝送で使用する装置、およびこのような装置を含む通信ネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ・ネットワーキングによって、同じかもしくは別のネットワークの他の別個のコンピュータに記憶されているか、または他の別個のネットワーク・コンピュータによってアクセスが制御されているビデオ記憶手段に記憶されたビデオデータの、所与のネットワーク・コンピュータによる遠隔取得が可能になる。特に、受信コンピュータにおいて即座にレンダリング/再生するために、コンピュータ・ネットワークまたはインターネットを横断するビデオデータの伝送が可能である。このような状況において、受信コンピュータは、単に、ビデオデータを受信し、かつ取得ビデオデータの全体も任意の実質的部分も、レンダリングの前に記憶せずに、このような受信ビデオデータをほぼ即座にレンダリング/再生する役割を果たす。
【0003】
しかしながら、宛先コンピュータにおいて即座にレンダリングするために、コンピュータ・ネットワークを横断してビデオデータを伝送するためには、データが伝送されるときに横断するネットワークの伝送特性だけでなく、宛先コンピュータにおいて受信ビデオデータがレンダリングされる方法に対して、相応の考慮を払わなければならない。
【0004】
たとえば、ネットワークは高いデータ伝送速度をサポートするが、しかし、宛先コンピュータは、それによってレンダリングされるビデオ画像のビデオ・フレーム・レートと同等のより低いデータ伝送速度に対応しているだけかも知れない。したがって、宛先コンピュータにおける即時のビデオ・レンダリングのために典型的に必要とされるネットワーク通信システムでは、ビデオデータを送信するノードが、そのビデオデータを受信するノードと緊密に連携して働いて、そのビデオデータが受信ノードのビデオ・レンダラに最も適した速度で受信されるように保証しなければならない。この目的のために、同期通信ネットワーキングが典型的に用いられる。その欠点は、所望の同期化に関して効果を得るために、同期化ハードウェア/ソフトウェアが必要であり、またビデオ・レンダラに適しているがネットワークによってサポート可能な速度以下の速度に、しばしばデータ伝送速度を低減する必要があることである。
【0005】
代替として、いわゆる非同期ネットワーク伝送方法がある。この方法において、送信ノードは、警告なしに受信側/宛先ノードにデータを伝送してもよいが、その意味は、受信側は、送信側ノードがこのようなデータを送信できる間はいつでも、データを受け入れる準備をしていなければならないということである。この目的のために、パケット交換が普通は用いられる。この技術はビデオデータをパケットに分割し、このような各パケットが、ネットワークを介して所定の宛先ノードに伝送される。所与のデータ・ストリームの別個のパケットは、異なる経路を介して同じ目的の宛先ノードに達してもよく、したがって、異なるネットワーク伝送遅延に遭遇する可能性がある。パケット伝送遅延における変動は、宛先ノードのビデオ・レンダラにおけるビデオ・フレーム・ジッタにつながる。なぜなら、ビデオ・データ・パケットが、ビデオ・フレームの不規則な(すなわち「ジッタ性の」)レンダリングにつながる不規則な速度で受信されるからである。フレーム・ジッタを防止するために、ネットワークを横断するデータ伝送は、典型的には、ネットワーク自体が維持可能な速度よりはるかに遅い速度で実行される。これによって、受信側ノードのレンダラが固定された間隔でビデオ・フレームをレンダリングできる速度で、ビデオデータを伝送できるように、ネットワークを横断する伝送速度の簡単な調整−ネットワークにおける増加または低下によって−が可能となり、それによって、所与のフレーム(これは可変量である)用にネットワークを横断して伝送する必要のあるデータ量に関係なく、滑らかなビデオ映画が提供される。
【0006】
このように、ネットワークを横断するビデオ・データ・フローを調整するには、送信ノードと受信ノードとの間で、制御信号の規則的で複雑な交換が必要である。これらの制御信号は、送信ノードから受信ノードへのデータ伝送速度の調節を制御し、また典型的には、専用のソフトウェアおよび/またはハードウェアによって生成される。
【0007】
このように、同期および非同期ネットワーク伝送システムの両方とも、データ送信ノードとデータ受信ノードとの間で伝送制御記号を規則的に交換する専用の手段を、現在は必要としている。これは、特に、コンピュータ・ネットワークを横断する即時ビデオ・レンダリングの特別な要件のためである。さらに、これらの伝送制御方法は、問題の伝送および受信ノードを相互接続する典型的な通信ネットワークがサポート可能なデータ速度を下回るデータ伝送速度に典型的には帰着する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、先行技術における前述の欠陥の少なくともいくつかと取り組むことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、最も一般には、受信ノードがビデオデータなどのデータを受信することができる場合にはいつでも、送信ノードから受信ノードへ通信ネットワークを横断してビデオデータを非同期伝送することを提案する。これが達成可能なのは、受信データの引き続く記憶またはビデオ画像のレンダリング/再生の前に、受信ノードの機能(すなわち記憶機能またはレンダリング機能)に依存し受信データを用いて、送信ノードから受信ノードで受信したビデオデータの中間保持/バッファリングを提供することによってである。これによって、通信ネットワークのデータ伝送特性を受信ノードのビデオ記憶またはレンダリング特性に一致させる必要性が効果的に回避される。したがって、ネットワークをその最適なデータ伝送速度で用いてもよく、他方で、受信ノードにおけるビデオ画像の記憶またはレンダリングは、任意の適切なレート、たとえば、フレーム・ジッタ、またはフレーム・レートもしくはデータ伝送速度の強制的な低減がほとんどないフレーム・レンダリング・レートで行なうことが可能である。
【0010】
典型的なネットワーク伝送手段がサポートするデータ伝送速度は、ビデオ・レンダリング手段が、画像をレンダリングする際に使用するためにビデオデータを典型的に要求する速度よりも高いか、または記憶ノードが、受信ビデオデータの記憶を典型的に完了できるよりも高いことが多い。この意味することは、本発明によれば、問題のビデオ・シーケンスのレンダリングまたは記憶の全体の間、ビデオデータを十分に供給/送出された状態に受信側ノードを維持できるということである。送信ノードからのより高いデータ伝送速度は、ビデオデータの供給が、レンダラまたは記憶手段によるビデオデータの要求を超過し、かつ受信側ノードの中間バッファが、効果的に「上積みされた」状態に維持され、問題のビデオ・シーケンスが終了したときのみになくなるように保証する。
【0011】
本明細書において、「ビデオ」または「ビデオデータ」が、ビデオ画像データだけでなくビデオ音声データも(すなわちオーディオ・ビジュアル・データ)指すことを理解されたい。
【0012】
本発明によってまた、受信ノードへのネットワークを横断するビデオデータ伝送の直前に、伝送ノードからの選択されたビデオデータの中間保持/バッファリングを提供することが可能である。これによって、伝送ノードにおけるビデオデータ取得/供給レートを、ネットワークのデータ伝送速度、または受信ノードのビデオ・レンダラもしくは記憶手段によってデータが要求されるレートに一致させる必要性が回避される。実際には、データ取得レートが、受信側ノードにおけるデータ要求レートによって直接には指示されないので、たとえば、ビデオデータの取得または取得されたビデオデータのレンダリングに影響を与えずに、ネットワークから受信側ノードを瞬間的に切断することによって、データ伝送を中断してもよい。しかしこれには、受信側ノードのバッファが空になるか、または伝送ノードのバッファがオーバフローする前に、再接続が行なわれることを条件とする。
【0013】
これによって、このようなネットワークをどのように用いるかという点だけでなく、用いられるネットワーク・ノード装置の性能特性の点で、より大きな効率および融通性が可能になる。すなわち、ネットワーク・ノード装置の特性(たとえば達成可能なフレーム・レート)を、ネットワーク通信装置の伝送特性に直接合わせる必要がないので、このようなネットワークは、融通性および順応性がより大きくなり、また別の状況ではネットワーク・ノード装置における前述のバッファリングがない状態で不適当であったであろうものを含めて、より広範囲のネットワーク・ノード装置を用いることを可能にする。同様に、ネットワーク通信装置は最適な動作が可能なので、このことは、ビデオデータ伝送に必要な期間がより短いということを意味している。ビデオデータの非伝送期間に、他の用途のためにネットワーク通信装置を解放することによって、より大きなデータ伝送効率が達成される。
【0014】
本発明は、その第1の態様において、ノード装置を動作可能に結合するように構成された通信ネットワーク手段のそれぞれ別個のノードにおいて、ビデオデータの記憶および再生のためのネットワーク・ノード装置を提供可能であり、この場合、ノード装置には次のものが含まれる。すなわち、
ビデオデータを記憶し、かつ記憶されたデータを通信ネットワーク手段を介して伝送するように構成されたビデオ記憶ノードと、
ビデオ記憶ノードによって伝送されたビデオデータを、通信ネットワーク手段を介して受信し、かつそこからの画像(たとえば、画像だけ、または音声を備えた画像)をレンダリングするように構成されたビデオ再生ノードとであり、
ここで、ビデオ記憶ノードは、記憶されたビデオデータを一時的に保持するための伝送バッファ手段を有し、ビデオ再生ノードは、受信ビデオデータを一時的に保持する受信バッファ手段を有し、それによって、伝送バッファ手段の内容が所定の下位内容値に一致または超過し、かつ受信バッファ手段の内容が所定の上位内容値を超過していない場合(たとえば間)のみ、ビデオ記憶ノードは、ビデオ再生ノードにビデオデータを伝送するように動作可能である。
【0015】
したがって、ビデオ記憶ノードのトランスミッタが十分な内容を有し、かつビデオ再生ノードの受信バッファが過剰な内容を有さないという条件で、ビデオ記憶ノードは、ビデオ再生ノードに警告せずに、ビデオデータを伝送してもよく、ビデオ再生ノードは、そのように伝送されたデータを受け取ることができる。これは、非同期伝送方法である。たとえば、伝送バッファ手段の内容が所定の下位内容値より下であるか、または受信バッファ手段の内容が所定の内容値を超えているという場合(どちらが最初に起ころうとも)を除いて、ビデオ記憶ノードは、連続的、周期的または断続的にビデオ再生ノードに、ビデオデータを伝送するように構成可能である。ビデオ記憶ノードは、パーソナル・コンピュータなどの、ビデオデータ記憶手段を含む(またはビデオデータ記憶手段へのアクセスを制御する)コンピュータを含んでもよい。ビデオデータ記憶手段は、1以上のコンピュータ・ハード・ドライブ(たとえば、データのマルチストリーミングを可能にするRAID構成に配列された)など、1以上のコンピュータの内部記憶手段であっても、またはデータベースなどの外部専用記憶手段であってもよい。
【0016】
RAID(低価格ディスク冗長アレイ)は、当該技術分野で周知のように、より大きくより速いデータ・アクセスおよび記憶システムを作製するために多数のハード・ドライブを組み合わせる方法である。RAID構成は、記憶されたデータを複数のディスク・ドライブ間に並列に分割する。これによって、複数のドライブへの並列アクセス、およびしたがってデータのマルチストリーミングが可能となり、それによって、複数のビデオ再生ノードまたはビデオ・キャプチャ・ノードが、同時にかつ独立して、ビデオ記憶ノードにおけるRAID記憶システムにアクセス可能になる。それによってまたディスク冗長が可能になり、1つのディスク・ドライブが故障した場合に、残りのディスク・ドライブが、故障したディスク・ドライブの代わりに、引き続き機能し得る。データベースにおけるデータ記憶は、アナログもしくはコンピュータ・ハード・ドライブ(たとえばRAID構成における)などのデジタル形態であっても、または磁気テープ上もしくはデジタル・ビデオディスク等にあってもよい。たとえば、ビデオ記憶ノードには、コンピュータ手段を含むサーバ手段、および前述したような適切なビデオ記憶データベースを含んでもよく、またこのサーバ手段は、ビデオ・データベース内に記憶されたビデオデータのアクセスおよびその取得を制御するように動作可能である。同様に、ビデオ応答ノードには、パーソナル・コンピュータなどのコンピュータを含んでもよく、このコンピュータは、そのビジュアル表示ユニット(VDU)を介してか、またはこのコンピュータによって制御された代替のビジュアル表示手段(たとえば画像投影システムの投影装置)を介して、ビデオ画像をレンダリングするように構成されている。ビデオ再生ノードは、航空機シミュレータ装置内において、パイロットのヘルメットに取り付けられたプロジェクタを用いて、ビデオ画像(および音声)をレンダリングしてもよい。それは、車両シミュレータ内において、ヘッドアップ・ディスプレイ(HUD)内の/としての模擬画像をレンダリングしてもよい。レンダリングは、高精細度もしくは他のテレビを用いても、またはビデオ・ウォールを用いてもよい。
【0017】
ネットワーク・ノード装置において、ビデオ記憶ノードは、通信ネットワーク手段にサポートされた最大データ伝送速度で、その伝送バッファに一時的に保持されたデータを伝送するように構成するのが好ましい。
【0018】
このようなデータ伝送は、連続データ伝送の形態を取っても、またはビデオデータのブロック、部分もしくはセグメントの断続的もしくは周期的な伝送の形態を取り、このような各ブロック、セグメントもしくは部分を、問題の通信ネットワークがサポートする最大データ伝送速度で伝送してもよい。通信ネットワーク手段には、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)を形成するイーサネット(登録商標)通信ネットワークまたは広域ネットワーク(WAN)を含んでもよい。たとえば、通信ネットワーク手段は、100メガビット/秒またはギガビット/秒のイーサネット(登録商標)であっても(または含んでも)よい。したがって、このような場合に、ビデオ記憶ノードからのデータ伝送速度は、それぞれ100メガビット/秒または1ギガビット/秒であってもよい。
【0019】
ネットワーク・ノード装置にはまた、ビデオ記憶ノードおよびビデオ再生ノードとは別個のノードで、ビデオデータ(たとえば画像データ、または画像および音声データ)をキャプチャするための、およびビデオ記憶ノードでの記憶用に、そこへキャプチャされたデータを通信するための装置を含んでもよい。ビデオデータの「キャプチャリング」には、ビデオデータの生成、またはネットワーク・ノード装置が適合しているネットワークの外部のビデオデータ源から、既存のビデオデータを受信することが含まれる。たとえば、ビデオデータのキャプチャリングには、ビデオカメラもしくは模擬画像を生成するためのシミュレータ手段などのビデオ画像化装置(および、適宜音声録音装置)によって生成されたビデオデータのキャプチャを含むか、またはネットワーク・ノード装置とは無関係に生成された既存のビデオデータの受信を含んでもよい。
【0020】
したがって、ビデオ記憶ノードおよびビデオ再生ノードに加えて、ネットワークにはまた、画像(適宜音声データを備えた)を表わすビデオデータをキャプチャするための、かつこのようなビデオデータを、通信ネットワーク手段を介してビデオ記憶ノードに伝送するように構成されたビデオ・キャプチャ・ノードを含んでもよく、この場合に、ビデオ記憶ノードは、その前記記憶用に、ビデオ・キャプチャ・ノードから伝送されたビデオデータを受信するように構成されている。
【0021】
したがって、ビデオデータのキャプチャ、記憶および再生に必要な資源が、通信ネットワークの3つのそれぞれのノードにわたって配分可能であることが認識されるであろう。これによって、システムの計算負荷が、問題のネットワーク・ノード全体にわたって分散され、3つのノードの他のいずれかが提供する機能を、提供するように要求されるノードがなくなる。しかしながら、もちろん、ビデオ・キャプチャ・ノード、ビデオ記憶ノードおよびビデオ再生ノードのいずれか1つがまた、前述の3つのノードの他のいずれか1つ(または両方)によって提供される機能を提供する可能性は、もちろんあり得る。
【0022】
好ましくは、ビデオ・キャプチャ・ノードは、キャプチャ・ビデオデータ(captured video data)を一時的に保持するための伝送バッファ手段を有し、ビデオ記憶ノードは、好ましくはまた、受信ビデオデータを一時的に保持するための受信バッファ手段を有し、それによって、ビデオ・キャプチャ・ノードは、好ましくは、その伝送バッファ手段の内容が所定の下位内容レベルに一致または超過し、かつビデオ記憶ノードの受信バッファ手段の内容が所定上位内容レベルを超過していない場合(たとえばその間)のみ、ビデオデータをビデオ記憶ノードに伝送するように動作可能である。
【0023】
したがって、ビデオ・キャプチャ・ノードは、通信ネットワーク手段を横断する選択されたデータ伝送速度およびビデオ記憶ノードがその記憶用にビデオデータを受け入れるレートの両方と異なる速度で、ビデオデータを生成または受信してもよい。このような、ビデオ・キャプチャ・ノードからのビデオデータ伝送は、連続的、周期的、または断続的であってもよい。周期的または断続的な場合には、伝送データは、ビデオデータのセグメントまたはパケットの形態を取ってもよい。ビデオ・キャプチャ・ノードの伝送バッファの内容が所定の下位内容値より下であるか、またはビデオ記憶ノードの受信バッファの内容が所定の上位内容値を超過しているという場合(どちらが最初に起ころうとも)を除いて、ビデオ・キャプチャ・ノードは、ビデオデータをビデオ記憶ノードに伝送するように動作可能である。
【0024】
ビデオ・キャプチャ・ノードは、通信ネットワーク手段にサポートされた最大データ伝送速度で、その伝送バッファに一時的に保持されたデータを伝送するように構成するのが好ましい。
【0025】
もちろん、ネットワーク通信手段にサポートされた最大速度未満の他の伝送速度を用いてもよいが、しかしビデオ・キャプチャ・ノードが用いるデータ伝送速度は、ビデオ記憶ノードの受信バッファが、記憶されるビデオ・シーケンスの終了前に空にならないことを保証するのに十分高いことが極めて好ましい。さらに、ビデオ・キャプチャ・ノードからのデータ伝送速度が、ビデオ記憶ノードにおけるこのようなデータの要求レートを超過せず、それによって、ビデオ・キャプチャ・ノードからビデオ記憶ノードへ絶えずビデオデータを伝送する必要性を回避し、かつより低いデータ速度のより長いバーストとは反対に、より高いデータ速度のより短いバースト形態のデータ伝送を可能にするのがまた好ましい。
【0026】
所定の上位内容値は、たとえば満杯のときの、それぞれの受信バッファの内容に一致してもよい。
【0027】
したがって、ビデオ・キャプチャ・ノードからビデオ記憶ノードへのビデオデータの伝送は、受信ノードが伝送データを受信する場所を有するとき、および伝送ノードが伝送すべきビデオデータを有するときのみ、行なわれるのが好ましい。この条件が満足されない場合には、ビデオ・キャプチャ・ノードからビデオ記憶ノードへの伝送は、ビデオ・キャプチャ・ノードの伝送バッファが送信すべき画像データを含み、かつビデオ記憶ノードの受信バッファが、このようなビデオデータを受信する場所を有するまで、防止するのが好ましい。所定の下位内容値は、空のときのそれぞれの伝送バッファの内容に一致してもよい。もちろん、所定の上位および下位内容レベルは、それぞれ、満杯および空以外であってもよい。
【0028】
ビデオ記憶ノード、ビデオ応答ノード、および含まれている場合には、ビデオ・キャプチャ・ノードの受信および伝送バッファのそれぞれは、少なくとも1フレームのビデオ(たとえば音声を備えた)データを記憶する容量を有するように構成するのが好ましい。このようなバッファの記憶容量に設定される上限は、バッファがその一部を形成しているそれぞれのネットワーク・ノード装置内のメモリの利用可能性によってのみ制限されている。
【0029】
ネットワーク・ノード装置において、ビデオ再生ノードには伝送制御手段を含んでもよいが、この伝送制御手段は、ビデオ再生ノードの受信バッファの内容値が所定の上位内容値に一致または超過したときを検出し、かつこのような検出を第1の検出信号として、ネットワークを介してビデオ記憶ノードに通信するように構成されている。
【0030】
ビデオ記憶ノードにはまた伝送制御手段を含むのが好ましいが、この伝送制御手段は、ビデオ再生ノードから第1の検出信号を受信し、ビデオ記憶ノードの伝送バッファの内容値が所定の下位内容値を超過していない場合には第2の検出信号を生成し、かつ第1の検出信号の受信に応じて(たとえば、同時にもしくは後で)か、または第2の検出信号の生成に応じて(たとえば、同時にもしくは後で)、ビデオ記憶ノードからビデオ再生ノードへのビデオデータ伝送を防ぐように構成されている。
【0031】
ネットワーク・ノード装置がビデオ・キャプチャ・ノードを含む場合には、ビデオ記憶ノードには伝送制御手段を含んでもよいが、この伝送制御手段は、ビデオ記憶ノードの受信バッファの内容値が、所定の上位内容値に一致または超過したときを検出し、かつこのような検出を第1の検出信号として、ネットワークを介してビデオ・キャプチャ・ノードに通信するように構成されている。
【0032】
ビデオ・キャプチャ・ノードには伝送制御手段を含むのが好ましいが、この伝送制御手段は、ビデオ記憶ノードから第1の検出信号を受信し、ビデオ・キャプチャ・ノードの伝送バッファの内容値が所定の下位内容値を超過していない場合には第2の検出信号を生成し、かつ第1の検出信号の受信に応じて(たとえば、同時にもしくは後で)か、または第2の検出信号の生成に応じて(たとえば、同時にもしくは後で)、ビデオ・キャプチャ・ノードからビデオ記憶ノードへのビデオデータ伝送を防止するように構成されている。
【0033】
上記の内容レベルは、満杯と空との中間のときのそれぞれの受信バッファの内容に対応する所定値であるのが、最も好ましい。所定値は、バッファ容量の所定の部分が非占有のままであるときの受信バッファの内容に一致するのが最も好ましいが、この場合、所定の割合は、伝送バッファへの第1の検出信号の通信と、第1の検出信号に応答した、伝送バッファによるビデオデータの伝送の続く防止との間の時間間隔中に、伝送バッファによって受信バッファに伝送されるビデオデータを入れるのに十分である。
【0034】
所与の受信バッファ手段の所定の上位内容レベルは、バッファ手段内に記憶されたウォーターマークによって表わすのが好ましい。上位内容レベルは、第1に、バッファがその一部形成しているネットワーク・ノードが、問題のバッファを減らし/空にするレートに従って、第2に、バッファがそこからビデオデータを受信するネットワーク・ノードが、問題のバッファにビデオデータを補給できるレートに従って、決定するのが好ましく、そして受信バッファによる第1の検出信号の通信の後、および第1の検出信号を通信されたノードが、続いてビデオデータの伝送を防止する前に、受信バッファが、伝送バッファによって伝送されたビデオデータを受信する容量を有するようにする。それによって、受信バッファーのオーバフローが防がれる。
【0035】
ビデオ・キャプチャ・ノードおよびビデオ記憶ノードのどちらか(またはそれぞれ)の伝送制御手段は、ビデオデータのようなデータの伝送が第1の検出信号の受信の前に始まった場合には、全ビデオ・フレームに一致するビデオデータの伝送の完了後に第1の検出信号の受信に応じて、それらのノードからビデオ記憶またはビデオ再生ノードへのビデオデータ伝送をそれぞれ防止するように動作可能なのが好ましい。これによって、ビデオ・フレームの不完全な伝送が防止される。受信バッファの所定の非占有割合は、ネットワークを横断するビデオデータ伝送速度と、ビデオ再生ノードのビデオ・レンダラにおける全ビデオ・フレームの期間との積の2倍に等しくてもよい。
【0036】
ネットワーク・ノード装置はビデオ再生ノードを有するのが好ましいが、このビデオ再生ノードには、それがレンダリングするビデオ画像の再生レートを選択するための、および通信ネットワークを介して、前記選択をビデオ記憶ノードに伝送するためのビデオ再生選択手段が含まれる。ビデオ記憶ノードはまた、選択されたビデオ再生レートに従って、自身に記憶されたビデオデータにタイムスタンプを施すためのタイムスタンプ制御手段を含むのが好ましいが、前記タイムスタンプを備えるビデオデータを用いてビデオ再生ノードによってレンダリングされたビデオ画像が、選択されたビデオ再生レートでレンダリングされるようにする。
【0037】
ビデオ再生選択手段は、ビデオ・フレームの所与のシーケンスに対応するビデオデータに関連して、ビデオ再生ノードでレンダリングされる所与のシーケンスのビデオ再生レートのn倍の増加(n=整数)を選択するように動作可能なのが好ましい。このような選択に応じて、ビデオ記憶ノードは、レンダリングされるビデオ・フレームの所与のシーケンスの第1のフレームと、nフレームの連続的な整数倍数で第1のフレームに続く、所与のシーケンス内の後のフレームと、に一致する、ビデオ記憶ノードに記憶されたビデオデータだけに、タイムスタンプを施すように動作可能なのが最も好ましい。このようなタイムスタンプを有するビデオデータ(フレーム)だけが、レンダリングのために、ビデオ記憶ノードからビデオ再生ノードに伝送される。このようなビデオデータ(フレーム)に施されるタイムスタンプは、そのようにスタンプされたビデオデータが、nの値とは無関係な一定のフレーム・レートでレンダリングされるようにするのが最も好ましい。したがって、ビデオ・フレームがビデオ・レンダラによってレンダリングされるレートは、nの値に関係なく一定のままであってもよいが、再生レートの増加は、所与のシーケンスにおける部分を単に無視しながら、そのビデオ・フレーム・シーケンスを進むことによって達成してもよい。
【0038】
より一般には、タイムスタンプ制御手段は、ビデオ・フレームの時間的なシーケンスを形成する複数の別個のビデオ・フレームを表わすビデオデータに適用するために、タイムスタンプの時間的なシーケンスを形成する複数の別個のタイムスタンプを生成し、かつタイムスタンプのシーケンスから選択されたタイムスタンプを、ビデオ・フレーム・シーケンスから選択されたビデオ・フレームを表わすビデオデータに施すように動作可能なのが好ましく、この場合に、選択されたタイムスタンプが順次的に連続し(すなわち時間的シーケンスにおいて隣り合っている)、それぞれの選択されたビデオ・フレームが順次的に非連続か、または選択されたビデオ・フレームが順次的に連続し、選択されたタイムスタンプが順次的に非連続か、または選択されたタイムスタンプが順次的に非連続で、それぞれの選択されたビデオ・フレームが順次的に非連続である。
【0039】
これによって、タイムスタンプされたビデオ・フレームを用いて、ビデオ再生ノードにおけるビデオ再生レートの増加または減少が可能になる。連続的なタイムスタンプは、単一の固定ビデオ・フレーム期間(たとえば33.33ミリ秒)の連続する整数倍数であり、そしてそのように、ビデオ・フレーム・シーケンス内の所与のフレームのレンダリングが始まることになる時間を、ビデオ再生ノードに示すのが好ましい。たとえば、再生選択手段を介した適切な選択に応じた、ビデオ再生ノードにおけるビデオ再生レートのn倍の増加は、ビデオ・フレーム・シーケンス内のn−1の中間ビデオ・フレームによって互いに分離されたそれぞれの非連続的なビデオ・フレームにのみ順次的に連続するタイムスタンプを施すことによって容易になる。
【0040】
同様に、ビデオ再生レートのn倍の減少は、タイムスタンプのシーケンス内のn−1の中間タイムスタンプによって互いに分離されたそれぞれの非連続的なタイムスタンプだけを、ビデオ・フレーム・シーケンス内の順次的に連続するビデオ・フレームに施すことによって容易になる。
【0041】
代替として、タイムスタンプ制御手段は、それぞれ順次的に非連続なビデオ・フレームにのみ、順次的に非連続なタイムスタンプを施すように動作可能であってもよく、この場合に、問題のタイムスタンプおよびそれぞれのビデオ・フレームの両方とも、タイムスタンプまたはビデオ・フレーム・シーケンス内において、それぞれ、n中間タイムスタンプまたはビデオ・フレームによって互いに分離される。その結果は、レンダリングされるビデオデータのn倍のデシメーションであり、したがって、ビデオデータをビデオ再生ノードに伝送するのに必要なデータ量および帯域幅が低減され、通常の再生レート(たとえば、ビデオ・フレームがもともとキャプチャされたレート)でビデオデータをレンダリングするようになる。
【0042】
ビデオ再生ノードおよびビデオ記憶ノードにはデータフロー制御手段を含むのが好ましいが、このデータフロー制御手段は、シーケンス内におけるフレームの合計数よりも数がすくない、シーケンス内に配分された選択フレームのみを伝送するようにビデオ記憶ノードを制御することによって、ビデオ再生ノードとビデオ記憶ノードとの間における、ビデオ・フレーム・シーケンスのフレームの伝送速度を制御するように動作可能である。
【0043】
配分されるフレームの選択は、デシメーションプロセスによって行なってもよいが、この場合に、N(N=整数)フレームの整数倍数だけ第1のフレームから分離されたフレームだけが選択される。代替として、デシメーションは、そのように選択されているNフレームの整数倍数だけ第1のフレームから分離されたフレームにほとんど帰着してもよい。データフロー制御手段は、シーケンスのフレームが記録/キャプチャされるレートと、フレームがビデオ再生ノードでレンダリングされることになるレートと、ビデオ・フレームが伝送されることになるビデオ再生ノードの受信バッファ手段の内容/容量と、に従って、ビデオ記憶からビデオ再生ノードへの、所与のビデオ・フレーム・シーケンスの伝送速度を制御するように動作可能なのが好ましく、それによって、受信バッファ手段の内容/容量を制御する。
【0044】
データフロー制御手段は、ビデオ再生ノードにおいて、そのフレーム・レンダリングの同時的レートおよびそのバッファ手段の内容を収集するように、収集情報をビデオ記憶ノードに伝送するように、および収集情報に従って、ビデオ再生ノードに伝送されるビデオ・フレーム・シーケンス内から、(たとえばデシメーションによって)ビデオ記憶ノードで選択されるフレームの部分を低減または増加させるように、動作可能であるのが好ましい。
【0045】
ビデオ記憶ノードにおけるデータフロー制御手段は、ビデオ応答ノードの受信バッファの内容値が所与の内容値を超過するまで、ビデオ再生ノードに伝送されるフレーム・シーケンスから選択されるフレームの割合を周期的に増加させる(たとえば周期的にフレーム・デシメーション・レートを低減することによって)ように動作可能であるのが好ましい。最も好ましくは、ビデオ再生ノードのデータフロー制御手段は、再生ノードの受信バッファの内容値が、所与の内容値を超過した場合に、前述の同時的データを収集かつ伝送するように動作可能であり、ビデオ記憶ノードのデータフロー制御手段は、このような収集情報の受信に応じて、再生ノードに伝送されるフレームの割合を予め設定した値に低減する(たとえばフレーム・デシメーションを増加する)ようにする。そのように選択されたフレームの割合における前述の周期的な増加は、その前述の低減に続いて、データフロー制御手段によって再開される。
【0046】
このようにして、ネットワークを横断するデータフロー・レートを周期的に更新し、再生ノードの受信バッファ手段の内容レベルが、適切な所与の値のあたりで離れず/変動するようにしてもよい。
【0047】
ビデオ記憶手段のデータフロー手段は、代替または追加的に、ビデオ記憶ノードにおける伝送バッファの内容/容量に従って、ビデオ再生ノードへのフレーム・シーケンスのフレーム伝送速度を制御するように動作可能であってもよい。たとえば、データフロー制御手段は、ビデオ記憶ノードの伝送バッファの内容が予め設定した下位内容レベルより下に低下した場合には、記憶ノードからの伝送のために選択されるビデオ・フレームの割合を増加(たとえばデシメーションを低減する)させるか、またはビデオ記憶ノードの伝送バッファの内容が予め設定した上位内容レベルを超過する場合には、その割合を低減(たとえばフレーム・デシメーションを増加する)してもよい。
【0048】
データフロー制御手段は、記憶ノードの伝送バッファが満杯になった場合には、記憶ノードから伝送されるフレーム・シーケンスのフレーム・デシメーション・レートを2倍にするように動作可能であってもよい。最も好ましくは、データフロー制御手段は、順次的に非連続タイムスタンプを、それぞれ非連続的なビデオ・フレームのみに施すことによって、前述のn倍フレーム・デシメーションステップのいずれか/全てを実行するタイムスタンプ手段を制御するように動作が可能であるが、この場合に、問題のタイムスタンプおよびそれぞれのビデオ・フレームの両方とも、前述のタイムスタンプおよびビデオ・フレームのシーケンス内において、それぞれ、n中間タイムスタンプまたはビデオ・フレームによって互いに分離されている。
【0049】
本発明の好ましい実施形態において、ネットワーク・ノード装置には、通信ネットワーク手段が、通信ネットワーク手段によって動作可能に結合されるように構成されたネットワーク・ノードに加えて、さらに含まれるが、この通信ネットワーク手段は、使用中に、各ノード装置を他の各ノード装置を結合する通信リンクを提供するように構成されている。
【0050】
実際には、好ましい実施形態において、本発明には、ネットワーク・ノードに接続された通信ネットワーク手段がさらに含まれ、この通信ネットワーク手段は、ビデオ記憶ノードをビデオ再生ノードに動作可能に結合し、それによって、ビデオ記憶ノードをビデオ再生ノードと非同期通信させる。これは、ビデオ記憶およびビデオ再生ノードを含む、およびまたビデオ・キャプチャ・ノードを含む実施形態に当てはまる。
【0051】
本明細書において用いられる用語「ビデオ」は、ビデオ画像データだけ、およびビデオ画像データとそれに関連した音声データとの組み合わせ(すなわちオーディオ・ビジュアル・データ)を指すものとして解釈すべきだと理解されたい。
【0052】
本発明が、その第1の態様において、通信ネットワークのそれぞれ別個のノードにおいて、ビデオデータの記憶および再生用の方法を実行するための装置を提供すること、また本発明が、第1の態様における本発明に関連して上記で論じた好ましい実施形態または代替の特徴のうちの一部を含む方法、それらを含まない方法または全てを含むような方法を、さらなる態様において含むことを理解されたい。
【0053】
したがって、本発明は、その第2の態様において、ノードを動作可能に結合するように構成された通信ネットワーク手段のそれぞれ別個のノードにおいて、ビデオデータの記憶および再生のための方法を提供可能であり、ここで本方法は、
ビデオデータをビデオ記憶ノードで記憶することと、
記憶されたビデオデータをビデオ記憶ノードの伝送バッファに一時的に保持することと、
続いて、
保持ビデオデータを通信ネットワーク手段を介して伝送することと、
ビデオ記憶ノードによって伝送されたビデオデータをビデオ再生ノードで受信することと、
受信ビデオデータをビデオ再生ノードの受信バッファ手段に一時的に保持することと、
続いて、
受信ビデオデータを用いて、ビデオ再生ノードにおいて、画像(たとえば画像だけ、または音声を備えた画像)をレンダリングすることと、
を含み、
ビデオ記憶ノードからビデオ再生ノードへのビデオデータの前記伝送は、伝送バッファ手段の内容が所定の下位内容値に一致または超過し、かつ受信バッファ手段の内容が所定の上位内容値を超過していない場合(たとえばその間)のみ行なわれる。
【0054】
記憶ノードからの保持データの伝送は、通信ネットワーク手段にサポートされた最大データ伝送速度で行なわれるのが好ましい。
【0055】
本方法には、画像(および、おそらくは音声データも)を表わすビデオデータをビデオ・キャプチャ・ノードでキャプチャすることと、キャプチャ・ビデオデータを、通信ネットワーク手段を介してビデオ記憶手段に伝送することと、ビデオ記憶手段の前記記憶のために、ビデオ・キャプチャ・ノードから伝送されたキャプチャ・ビデオデータを、ビデオ記憶手段で受信することとがさらに含まれる。
【0056】
本方法がこのようなビデオデータ・キャプチャを含む場合には、本方法にはまた、キャプチャ・ビデオデータをビデオ・キャプチャ・ノードの伝送バッファ手段に一時的に保持することと、保持ビデオデータを通信ネットワークを介して伝送することと、ビデオ・キャプチャ・ノードによって伝送されたデータをビデオ記憶ノードで受信することと、受信データをビデオ記憶ノードの受信バッファ手段に一時的に保持することと、をさらに含むのが好ましく、この場合に、ビデオ・キャプチャ・ノードからビデオ記憶ノードへのビデオデータの伝送は、ビデオ・キャプチャ・ノードの伝送バッファ手段の内容が所定の下位内容レベルに一致または超過し、かつビデオ記憶ノードの受信バッファ手段の内容が所定の上位内容レベルを超過していない場合(たとえばその間)のみ行なわれる。
【0057】
ビデオ・キャプチャ・ノードからの保持ビデオデータの伝送は、通信ネットワーク手段にサポートされた最大データ伝送速度で行なわれるのが好ましい。
【0058】
所定の上位内容値は、満杯のときの受信バッファの内容に一致してもよく、所定の下位内容値は、空のときの伝送バッファの内容に一致してもよい。
【0059】
本方法にはまた、
ビデオ再生ノードの受信バッファの内容値が所定の上位内容値に一致または超過したときに、これをビデオ再生ノードにおいて検出し、かつこのような検出を、第1の検出信号として、ネットワークを介してビデオ記憶ノードに通信することとを含んでもよい。
【0060】
したがって、本方法には、ビデオ再生ノードからの第1の検出信号をビデオ記憶ノードにおいて受信することと、ビデオ記憶ノードの伝送バッファの内容値が所定の下位内容値を超過していない場合に、第2の検出信号を生成することと、第1の検出信号の受信に応じて(たとえば、同時にもしくは後で)か、または第2の検出信号の生成に応じて(たとえば、同時にもしくは後で)、ビデオ記憶ノードからのビデオデータ伝送を防止することと、をさらに含んでもよい。
【0061】
同様に、本方法がビデオデータ・キャプチャの前述のステップを含む場合には、方法にはまた、ビデオ記憶ノードの伝送バッファの内容値が所定の上位内容値に一致または超過する場合に、これをビデオ記憶ノードにおいて検出することと、このような検出を、第1の検出信号として、ネットワークを介してビデオ・キャプチャ・ノードに通信することとを含んでもよい。
【0062】
もう一度、このような場合に、本方法には、ビデオ記憶ノードからの第1の検出信号をビデオ・キャプチャ・ノードで受信することと、ビデオ・キャプチャ・ノードの伝送バッファの内容値が所定の下位内容値を超過していない場合に第2の検出信号を生成することと、第1の検出信号の受信に応じて(たとえば、同時にもしくは後で)か、または第2の検出信号の生成に応じて(たとえば、同時にもしくは後で)、ビデオ・キャプチャ・ノードからのビデオデータ伝送を防止することとを、さらに含んでもよい。
【0063】
本方法は、ビデオ再生ノードによってレンダリングされるビデオ画像(および、適宜音声)の再生レートをビデオ再生ノードにおいて選択することと、その選択を、通信ネットワークを介してビデオ記憶ノードに通信することと、前記選択に従って、ビデオ記憶ノードに記憶されたビデオデータにタイムスタンプを施すこととを含み、前記タイムスタンプを備えたビデオデータを用いてビデオ再生ノードによってレンダリングされるビデオ画像を、選択されたビデオ再生レートでレンダリングするようにしてもよい。
【0064】
本方法には、通信ネットワークを用いた、通信ネットワークの前記ノード間の非同期通信を含んでもよい。
【0065】
本発明は、その第3の態様において、第2の態様の前述の好ましい特徴または変形のうちの一部を含むか、それらを含まないかまたは全てを含む、第2の態様における本発明に従う方法を実行するためのコンピュータ・コードを含むコンピュータ・プログラムおよび/またはコンピュータ・プログラム製品/キャリア(たとえばディスク、テープ、チップ)を提供してもよい。
【0066】
さらに、本発明は、その第3の態様において、第3の態様における本発明に従ってプログラムされたコンピュータ・ネットワーク(またはノード・ネットワーク装置のコンピュータ)を提供してもよい。
【0067】
複数の別個のネットワーク・ノードを含むコンピュータ・ネットワークを提供してもよいが、この各ネットワーク・ノードには、第3の態様における本発明に従って本方法を実行するようにプログラムされたコンピュータが、前記複数のネットワーク・ノードの1以上の他のノードのコンピュータと共に含まれる。
【0068】
本発明の第1の態様によるネットワーク・ノード装置を提供してもよいが、各前記ノード装置は、他の前記ノード装置のそれぞれとは別個の、パーソナル・コンピュータなどのコンピュータである。
【0069】
ここで、本発明の非限定的な例を、添付の図面に関連して説明する。
【0070】
図において、同様の機能的または技術的特徴は、一貫性のために共通の参照符号を割り当てられている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0071】
図1は、本発明の実施形態を実行するために、コンピュータ・ネットワーク(1)のネットワーク・ノード装置において実行されるソフトウェア・アプリケーションを概略的に示す。
【0072】
各アプリケーションは、別個のネットワーク・ノード装置(たとえばノード・コンピュータ)で実行してもよく、アプリケーションのいくつかは、同じネットワーク・ノード装置(たとえばノード・コンピュータ)で実行してもよい。
【0073】
ソフトウェア・アプリケーションには、ビデオ・キャプチャ・ソフトウェア・アプリケーション(2)が含まれるが、このアプリケーション(2)は、適切なビデオ・キャプチャ・ノード装置で実行される場合には、そのノード装置が、少なくとも画像、おそらくはまた画像および音声データを表わすビデオデータをキャプチャするのを、制御するように構成されている。ソフトウェア・アプリケーションにはまた、ビデオデータ記憶ソフトウェア・アプリケーション(3)およびビデオ再生ソフトウェア・アプリケーション(4)が含まれるが、これらのアプリケーションは、適切なビデオ記憶およびビデオ再生ノード装置でそれぞれ実行される場合には、それぞれのノード装置が、それぞれ、受信ビデオデータを記憶し、受信ビデオデータからビデオ画像(および、該当する場合には音声)をレンダリングするのを制御するように構成されている。
【0074】
ビデオ・キャプチャ・アプリケーション(2)、ビデオ記憶アプリケーション(3)およびビデオ再生アプリケーション(4)は、中央ネットワーク制御アプリケーション(7)が適切なネットワーク・ノード装置(たとえばノード・コンピュータ)で実行される場合には、中央ネットワーク制御アプリケーション(7)を介して制御されるように構成されている。各ソフトウェア・アプリケーションは、ネットワーク(1)の所与のネットワーク・ノード装置で実行される場合には、図1に示していないネットワーク通信装置(たとえば、およびイーサネット(登録商標))を用いて、他のソフトウェア・アプリケーションと通信する。ネットワーク通信装置はまた、ホスト・コンピュータ(6)を、中央ネットワーク制御ソフトウェア・アプリケーション(7)と通信させる。ホスト・コンピュータは、ユーザが、中央ネットワーク制御アプリケーションを介して、ビデオ・キャプチャ、ビデオ記憶およびビデオ再生アプリケーションの動作を遠隔で制御できる手段としての役割を果たし、またホスト・ソフトウェア・アプリケーションを含んでいるが、このホスト・ソフトウェア・アプリケーションは、ホスト・コンピュータで入力されるユーザ・コマンド信号から、中央ネットワーク制御アプリケーション(7)とコンパチブルな制御コマンド信号(11)を生成することを可能にし、かつ中央ネットワーク制御アプリケーションからホスト・コンピュータに送信された信号(12)から、ホスト・コンピュータ・システムおよびそのユーザとコンパチブルな信号を、ホスト・コンピュータ(6)で生成することを可能にする。
【0075】
ネットワーク診断ソフトウェア・アプリケーション(5)は、適切なネットワーク・ノード装置(たとえばコンピュータ)で実行される場合には、前述の任意のソフトウェア・アプリケーションの実行において発生する障害を検出および診断するために提供されている。このアプリケーションもまた、中央ネットワーク制御アプリケーション(7)と通信し、それによって制御されるように構成されている。
【0076】
ネットワーク診断ソフトウェア・アプリケーションは、次の機能の1つか、いくつかか、または全てを提供する。
(a)ネットワーク・ノード装置のソフトウェア・アプリケーションのそれぞれが生きている(すなわち動作中である)ことのリアルタイム・チェック。これが達成されるのは、受信側ソフトウェア・アプリケーションが、所定の返答メッセージで応答するように動作可能な所定のテスト・メッセージを伝送することによってである(たとえば「ピング」機構)。テスト・メッセージの伝送に続くこのような返答メッセージがないことは、受信側アプリケーションが動作していないことを示す。
(b)中央制御ソフトウェア・アプリケーションへの通信の直接の監視。
(c)ソフトウェア・アプリケーションの機能性テスト(たとえば、模擬コマンド信号を用いた)のオフラインでの実行。テストされているソフトウェア・アプリケーションの応答は、記録してもよい。多くのテストパターンを走行するテスト・コマンド信号の複雑なシーケンスを実行してもよい。
(d)ホスト・ソフトウェア・アプリケーションに診断情報を戻すこと。
【0077】
前述の各ネットワーク・ソフトウェア・アプリケーションは、別個のネットワーク・ノード装置で実行しても、またはこのようないくつかのソフトウェア・アプリケーションを、同じネットワーク・ノード装置で実行してもよい。たとえば、ビデオ・キャプチャ・ソフトウェア・アプリケーションは、ビデオ記憶アプリケーションと同じネットワーク・ノードで、同じノード装置(または同じ全体的なノード装置の、少なくとも異なる適切な部分)を用いて実行してもよく、ビデオ再生アプリケーションと同じであってもよい。同様に、ネットワーク診断ソフトウェア・アプリケーションおよび中央ネットワーク制御アプリケーションは、同じ全体的なノード装置を用いて、同じネットワーク・ノードで実行してもよい。
【0078】
使用において、中央ネットワーク制御ソフトウェア・アプリケーション(7)は、ホスト・コンピュータ(6)からユーザ・コマンド(11)を受信する。コマンドの性質を判定すると、中央ネットワーク制御アプリケーションは、関連するソフトウェア・アプリケーションが位置するネットワーク・ノードにコマンドを送る。したがって、ビデオ・キャプチャ・アプリケーション(2)に関連するユーザ・コマンド(14)は、そのアプリケーションを実行するように割り当てられたノードに送られる。ビデオ記憶アプリケーションに関連するコマンド(20)は、そのアプリケーションを実行するように割り当てられたノードに送られ、ビデオ再生アプリケーションに関連するコマンド(17)は、ビデオ画像および音声レンダリングを実行するように割り当てられたノードに送られる。
【0079】
ビデオ画像および/音声データのキャプチャのためのユーザ・コマンド(14)を受信すると、ビデオ・キャプチャ・アプリケーションは、ビデオ・キャプチャ・ノード装置を適切に動作させることによって、画像(および、必要ならば音声)をキャプチャする。それによってキャプチャされた、結果としてのビデオ(たとえば、オーディオ・ビジュアル)データ(13)は、続いて中央ネットワーク制御アプリケーションに送られ、そこからビデオ記憶ノード装置における記憶のために、ビデオ記憶アプリケーションに送られる(信号20)。同様に、ビデオ再生ノード装置におけるビデオ画像または音声の再生/レンダリングのためのユーザ・コマンド(11)を、中央ネットワーク制御装置が受信すると、ネットワーク制御アプリケーションは、ビデオ記憶アプリケーションおよびビデオ再生アプリケーション−これらは、典型的には、ネットワークのそれぞれ別個のノードに位置する−の両方の集中制御を実行する。取得コマンド(20)が、ネットワーク制御アプリケーションからビデオ記憶アプリケーションに送られ、そこで記憶されたビデオデータの取得が開始され、かつ取得ビデオデータ(19)が、ネットワーク通信装置を介して、中央ネットワーク制御アプリケーションへ、およびそこから、ビデオ再生アプリケーションによるレンダリングのために、ビデオ再生アプリケーションへと戻される(信号17)。ビデオ・レンダリング・アプリケーションからの伝送制御記号(18)の通信は、ネットワーク制御アプリケーションを介して、ビデオ記憶アプリケーションに送られる(20)。
【0080】
ネットワーク診断アプリケーションは、入力(16)および出力(15)または全ての制御信号およびその結果が通過する中央ネットワーク制御装置への信号を介して、他のネットワーク・アプリケーションと通信する。同様に、ネットワーク診断アプリケーションからの任意のまたは全ての診断信号(15)、ならびにユーザ・コマンド信号および伝送制御記号の任意のまたは全ての結果は、ユーザによる検討のためにホストアプリケーション(6)に送り返してもよい(信号12)。別個のネットワーク・ノード装置に位置するノード・アプリケーション間の全ての通信は、ネットワーク通信装置を介して行なわれる。たとえば、図1に示すノード・アプリケーションの各々が、それぞれ別個のネットワーク・ノードに位置する場合には、任意のあるアプリケーションと任意の他のアプリケーションとの間の通信手段は、ネットワーク通信装置である。したがって、このような場合に、信号(11)〜(20)は、それぞれ、ネットワーク通信装置を用いてネットワーク・ノード間を通過する。
【0081】
ビデオ・キャプチャ・ノード装置には、フォーマットがデジタルもしくはアナログの同時的なビデオ画像および音声データを生成するためのビデオカメラを含むか、または模擬画像を表わすかもしくは任意の形態の表示手段(たとえばレーダースクリーン、コックピット表示画像等)で表示される表示画像を表わす画像データを生成するための手段を含んでもよい。ビデオ・キャプチャ・ノードは、ネットワーク(1)の外部で生成されたこのようなビデオ画像データ(および、適宜関連する音声データ)を受信してもよい。
【0082】
ビデオ記憶ノード装置には、データの良好なマルチストリーミングを可能にするために、コンピュータ・ハード・ドライブまたはRAID構成に配列されたこのようなハード・ドライブのセットなどの読み出し/書き込みメモリ記憶装置を有するコンピュータ・システム(たとえば1以上のパーソナル・コンピュータ)を含んでもよい。代替または追加として、デジタルまたはアナログ記録フォーマットのビデオ記録装置(たとえば、DVDまたはビデオ・カセット・マシン等)のアレイなど、専用のビデオデータ記憶装置/データベースに接続され、かつそれへのアクセスを制御するように構成されたコンピュータ装置を用いてもよい。アナログ記憶フォーマットが用いられている場合には、記憶されたアナログデータを、そのネットワーク伝送の前にデジタル化できるように、かつネットワークを介してデジタル・フォーマットで受信されたキャプチャ・ビデオデータ(captured video data)を、記憶のためにアナログ・フォーマットにできるように、デジタル/アナログ変換手段(たとえばソフトウェア)を用いてもよい。
【0083】
ビデオ再生ノード装置には、デジタル・ビデオデータを受信するための、およびそこからビデオ画像(および、適宜音声)をレンダリングするための任意の適切な手段を含んでもよい。この装置には、コンピュータ手段を含んでもよいが、このコンピュータ手段は、ネットワーク通信手段からデジタル画像データを受信するための、およびこのコンピュータによって制御されるビジュアル表示手段に、受信データからレンダリングされたビデオ画像(および、適宜音声)を提供するための、パーソナル・コンピュータなどである。適切なビジュアル表示手段の例は、
PCのビジュアル表示ユニット(VDU)、
ノードのコンピュータ手段によって制御されたTVモニタ、
ノードのコンピュータによって制御された画像投影装置である。当業者に容易に明らかになるような他の例を用いてもよい。
【0084】
中央ネットワーク制御アプリケーションは、標準ウィンドウズ(登録商標)2000PC上で走行させてもよい。しかしながら、ウィンドウズ(登録商標)XPまたはその派生品を用いてもよく、実際には、当業者に容易に明らかになるような任意の適切なソフトウェアを用いてもよい。それは、ネットワーク・ノード装置の一部として、ネットワーク化された任意のマシンで走行させることができる。それは、通常、サーバとして働くマシンで走行される。なぜなら、サーバは、最良のネットワーク応答を備えているからであるが、しかし、これは本質的なことではない。ネットワーク診断アプリケーションはまた、任意のウィンドウズ(登録商標)2000(または他の)PC上で走行させてもよい。
【0085】
ネットワーク通信装置は、当業者に容易に明らかとなるような任意の適切な装置であってもよい。この装置は、有線もしくは無線(または両方の混合)のバス、スターまたはリングトポロジであってもよい。ネットワーク通信装置は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を提供してもよく、いくつかまたは多数の相互接続されたローカル・エリア・ネットワークまたは広域ネットワークを含むインターネットであってもよい。
【0086】
図2は、キャプチャ・ビデオデータ(すなわち、この場合にはオーディオ・ビジュアル画像データ)に関して、ビデオ・キャプチャ・アプリケーション(2)およびビデオ記憶アプリケーション(3)のビデオ記憶態様の実現例を概略的に示す。
【0087】
ビデオ画像データ(21)および関連するビデオ音声データ(22)は、ビデオ・キャプチャ・ノードに利用可能な任意の選択された数のデータ・キャプチャ・チャネルから、データ・キャプチャ・フィルタ・ソフトウェア・アプリケーション(23)によってキャプチャされる。データ・キャプチャ・チャネルの選択は、ホスト・コンピュータ(6)においてユーザによって行われ、その選択は、ネットワーク通信装置(8)および中央ネットワーク制御アプリケーション(7)を介して、ビデオ・キャプチャ・ノードに通信される。所与のデータチャネルの選択は、ビデオ・キャプチャ・ノードにおける同時的なデジタル・ビデオデータの生成を引き起こす(たとえば、ビデオカメラを作動させる)か、または単に、既存のデジタル・ビデオデータを、キャプチャ・フィルタ(23)に入力できるようにしてもよい。選択されたビデオデータは、キャプチャ・フィルタから圧縮ソフトアプリケーションに送られ、このアプリケーションが、当業者に容易に明らかとなるような任意の適切なデータ圧縮アルゴリズムに従って、受信ビデオデータ(画像および音声)を圧縮する。圧縮オーディオ・ビジュアル・データは、続いて、伝送バッファ・ソフトウェア・アプリケーション(26)を含む伝送フィルタ・ソフトウェア・アプリケーション(25)に送られるが、アプリケーション(26)は、それが受信したオーディオ・ビジュアル・データを、フレームごとに一時的に保持する。伝送バッファ・アプリケーションによってFIFO(先入れ先出し法)バッファ機能が提供され、それによって、ビデオ・キャプチャ・ノードをネットワーク通信装置(8)に接続するネットワーク・ソケット接続部(27)を介し、伝送フィルタ・アプリケーションによってビデオ・キャプチャ・ノード(2)から伝送される順番をそれぞれ待っているバッファされたビデオ・フレーム(画像フレームおよび関連する音声フレーム・データ)のキューが形成される。
【0088】
ビデオ・フレームは、IP(インターネット・プロトコル)伝送プロトコルを用いて、ビデオ・キャプチャ・ノードの伝送フィルタ(25)によって伝送され、ネットワークのビデオ記憶ノード(3)にアドレス指定される。ビデオ・フレームは、ビデオ記憶ノードによって、そのネットワーク・ソケット接続部(29)で受信され、受信フレームは、受信フィルタ・ソフトウェア・アプリケーション(30)に送られる。
【0089】
受信フィルタ・アプリケーションには受信バッファ・ソフトウェア・アプリケーション(31)が含まれるが、このアプリケーション(31)は、それが受信したオーディオ・ビジュアル・フレーム・データを、フレームごとに、一時的に保持する。受信バッファ・アプリケーションによってFIFOバッファ機能が提供され、それによって、ビデオ記憶ノードにより記憶される順番をそれぞれ待っているバッファされたオーディオ・ビジュアル・データフレームのキューが形成される。ファイル・ライタ・ソフトウェア・アプリケーション(32)が、受信バッファに一時的に保持されたオーディオ・ビジュアル・ビデオデータの物理的記憶を制御するのは、ビデオ記憶ノードのビデオ記憶装置(33)が、より多くのビデオデータを受信しかつ保存する準備ができている−すなわち、ファイル・ライタ・アプリケーション(32)が、ビデオ記憶装置(33)によって維持可能なデータ記憶レートに従って記憶ノード(3)においてビデオデータの要求レートを規制する場合のみ、受信バッファからビデオデータの新しいフレームを読み出すことによってである。この例において、この記憶装置は、ハード・ドライブまたはRAIDとして構成されたハード・ドライブのセットなどのコンピュータ・ディスク記憶装置である(代替として、読み出し/書き込みDVDデータベースを用いてもよい)。
【0090】
ビデオ記憶アプリケーション(3)には伝送制御ソフトウェア・アプリケーションが含まれるが、この伝送制御ソフトウェア・アプリケーションは、受信バッファ・アプリケーション(31)の内容値が所定の上位内容値を超えたとき(たとえば、バッファが完全に満杯になったとき)にこれを検出し、かつこの事実を、ネットワーク(8)を介してビデオ・キャプチャ・アプリケーション(2)に通信するように構成されている。同様に、ビデオ・キャプチャ・アプリケーション(2)には伝送制御ソフトウェア・アプリケーションが含まれるが、この伝送制御ソフトウェア・アプリケーションは、ビデオ記憶ノードからこのような伝送制御記号を受信し、かつ、ビデオ・キャプチャ・ノードの伝送バッファの内容が、所定の下位内容値に達したとき(たとえば、伝送バッファが完全に空になったとき)にこれを検出するように構成されている。ビデオ・キャプチャ・ノードの伝送制御装置は、前述のバッファ条件のどちらかが生じた場合に、伝送フィルタ(25)からのビデオデータ・フレームのさらなる伝送を防止するようにさらに構成されている。したがって、ビデオ記憶ノードの受信フィルタ・アプリケーション(30)は、ネットワークを介して、ビデオ・キャプチャ・ノードの伝送フィルタ・アプリケーション(25)と通信して、伝送バッファの内容が所与の下位内容レベルを超過しかつ受信バッファが所与の上位内容レベルを超過していない間だけ、伝送フィルタがビデオ・フレーム・データをビデオ記憶ノードに伝送することを、保証するようにする。伝送が行なわれる場合には、伝送は、通信ネットワーク装置(8)にサポートされた最大データ伝送速度で行なわれる。これがイーサネット(登録商標)・ネットワーク装置である場合には、このような伝送は、約1ギガビット/秒までのデータ速度で行なうことが可能である。
【0091】
図3は、ビデオ記憶ノードにおける記憶装置から取得される、記憶されたオーディオ・ビジュアル・ビデオデータに関して、ビデオ再生アプリケーション(4)、およびビデオ記憶アプリケーション(3)のビデオ取得態様の実現例を概略的に示す。
【0092】
ホスト・コンピュータ・アプリケーション(6)で入力されたユーザ・コマンドは、ビデオ記憶ノードのファイル・リーダ・アプリケーションによって受信され、ファイル・リーダ・フィルタ(34)に送られる。受信ユーザ・コマンドに応じて、ファイル・リーダ・フィルタ・ソフトウェア・アプリケーションは、ビデオ記憶装置(33)から、ユーザによって選択されたオーディオ・ビジュアル・ビデオデータを取得する。ファイル・リーダ・フィルタ・アプリケーションは、選択されたビデオデータを、タイムスタンプ・フィルタ・ソフトウェア・アプリケーション(35)に送り、このアプリケーション(35)は、ビデオ・フレームがビデオ再生ノードでレンダリングされることになる選択されたビデオ・フレーム・レートに従って、自身が受信したビデオデータに適切なタイムスタンプを施す。タイムスタンプされたビデオデータは、タイムスタンプ・フィルタ・ソフトウェア・アプリケーション(35)から、伝送フィルタ・アプリケーション(36)に送られるが、このアプリケーション(36)には、自身が受信したオーディオ・ビジュアル・データをフレームごとに一時的に保持する、ソフトウェア・アプリケーション(37)用の伝送が含まれる。伝送バッファ・アプリケーションによってFIFOバッファ機能が提供され、それによって、伝送フィルタ・アプリケーションによりビデオ記憶ノード(3)から、ビデオ記憶ノードをネットワーク通信装置(8)に接続するネットワーク・ソケット接続部(38)から伝送される順番をそれぞれ待っているバッファされたビデオ・フレームのキューが形成される。ビデオ・フレームは、IP伝送プロトコルを用いて、伝送フィルタ(36)によって伝送され、ビデオ再生ノード(4)にアドレス指定される。これらの伝送されたビデオ・フレームは、ビデオ再生ノード(4)において、そのネットワーク・ソケット接続部(39)で受信され、それからビデオ・フレームは、受信フィルタ・ソフトウェア・アプリケーション(40)に送られる。この受信フィルタ・アプリケーションには受信バッファ・ソフトウェア・アプリケーション(41)が含まれ、このアプリケーション(41)は、自身が受信したオーディオ・ビジュアル・データをフレームごとに一時的に保持する。受信バッファ・アプリケーションによってFIFOバッファ機能が提供され、それによって、ビデオ再生ノードのビデオ画像(または音声)レンダリング手段においてレンダリングされる順番をそれぞれ待っているバッファされたビデオ・フレームのキューが形成される。ビデオ・フレーム・データは、ビデオ再生ノードの画像/音声レンダリング装置がバッファから別のフレームを受け入れる準備ができている場合のみ、ビデオ再生ノードの受信バッファ(41)から取られる。この条件が生じた場合に、受信バッファの先頭のビデオ・フレーム・データが、データ・デコンプレッサ・ソフトウェア・アプリケーション(42)に送られ、ビデオ・キャプチャ・ノード(2)のデータ圧縮ソフトウェア・アプリケーション(24)で施された圧縮が逆転される。解凍に続いて、解凍ビデオデータ・フレームが、ビデオ・レンダリング装置(43)に送られ、ビデオ画像および任意の関連するビデオ音声が、オーディオ・ビジュアル出力(44)としてレンダリングされる。
【0093】
ビデオ記憶ノードの伝送フィルタ・アプリケーション(36)は、その伝送バッファの内容が所定の下位内容値を超過している間(たとえば、バッファが空以外である間)、かつビデオ再生ノードにおける受信フィルタ・アプリケーション(40)の受信バッファ(41)の内容が、所定の上位内容値を超過していない(たとえば、それが完全に満杯ではない)間だけ、その伝送バッファ(37)からビデオデータ・フレームを伝送するように構成されている。これが達成されるのは、ビデオ再生ノードにおける受信バッファ(41)の内容値が問題になっている所定の上位内容値を超過したときを検出し、かつこのような検出を、ネットワーク装置(8)を介してビデオ記憶ノードに通信するように構成された伝送制御記憶アプリケーションを、ビデオ再生ノードに提供することによってである。これに関連して、ビデオ記憶ノードは、伝送制御ソフトウェア・アプリケーションを提供されているが、このアプリケーションは、ビデオ再生ノードから発するこのような伝送制御記号を受信し、かつビデオ記憶ノードの伝送バッファ(37)の内容値が、前述した所定の下位内容値を超過していないときを検出するように構成されている。ビデオ記憶ノードの伝送制御ソフトウェア・アプリケーションは、これらの2つのバッファ内容条件のどちらかが発生した場合に、その伝送フィルタ(36)からのビデオデータ伝送を防止するようにさらに構成されている。
【0094】
ビデオ記憶ノードとビデオ再生ノードとの間の、ビデオ・フレーム・データおよび伝送制御記号の伝送は、ネットワーク通信手段(8)にサポートされた最大データ伝送速度で行なわれる。
【0095】
ビデオ記憶ノード(31)およびビデオ再生ノード(41)両方の受信バッファの所定の内容値は、バッファ容量の所定の部分が未使用である場合の、それぞれのバッファの内容に一致する。この所定の部分は、第1の検出信号(所与の受信バッファから対応する伝送バッファへの)の通信と、それに続く、第1の検出信号に応じた、対応する伝送バッファによるビデオデータ伝送の防止との間の時間間隔中に、伝送バッファ(26または37)によってノード(31)およびノード(41)に伝送されるビデオデータを入れるために十分である。ビデオ・キャプチャ・ノードおよびビデオ記憶ノードのどちらか(またはそれぞれ)の伝送制御手段は、全ビデオ・フレームに対応するビデオデータの伝送の完了後に第1の検出信号の受信に応じて(このようなデータの伝送が第1の検出信号の受信の前に始まった場合には)、ビデオ・キャプチャ・ノードおよびビデオ記憶ノードのどちらか(またはそれぞれ)から、ビデオ記憶またはビデオ再生ノードそれぞれへのビデオデータ伝送を防止するように動作可能である。これによって、ビデオ・フレームの不完全な伝送が防止される。所定の部分は、ネットワークを横断するビデオデータ伝送速度と、ビデオ再生ノードのビデオ・レンダラにおける全ビデオ・フレームの期間との積の2倍に等しくてもよい。
【0096】
上位内容値の決定は、消費速度(たとえば33.3ミリ秒で1フレーム)および伝送速度(たとえば10Mバイト/秒)プラス、伝送バッファからのビデオデータの伝送を防止する際の遅延に基づいている。
【0097】
たとえば、10M*0.033=1フレームで伝送できるデータ量=346K。
【0098】
しかしながら、第1の検出信号が伝送ノードで受信されたときに、フレームが伝送中である可能性があり、かつそのフレームの全てを伝送することが望まれる場合には、上位内容値を692K(すなわち346Kの2倍)と等しくすることが必要である。良好で途切れのないビデオ・レンダリングを保証するために、5〜10秒のビデオ・レンダリングに対応するビデオデータを記憶する容量を備えたバッファが、一般に用いられる。容量が4Mバイト〜10Mバイトのバッファが用いられ、上位内容値が、上端から1Mバイト(すなわち、最高限度から1Mバイト下)にセットされる。もちろん、これは変更してもよい。
【0099】
ビデオ再生ノード・ソフトウェア・アプリケーションにはビデオ再生選択ソフトウェア・アプリケーションが含まれるが、このビデオ再生選択ソフトウェア・アプリケーションは、実行された場合に、ビデオ再生ノードのレンダリング装置によってレンダリングされるビデオ・フレームのビデオ・フレーム・レートを選択するように、およびこの選択を、ネットワーク(8)を介して、ビデオ記憶ノードのタイムスタンプ・フィルタ・アプリケーション(35)に伝送するように、構成されている。したがって、ビデオ記憶ノードにおけるタイムスタンプ・フィルタ・アプリケーション(35)は、選択されたビデオ・フレーム・レートに従って、ファイル・リーダ・フィルタ・アプリケーション(34)によって自身に送られたビデオデータ・フレームにタイムスタンプを施すように構成されている。このようにして各ビデオデータ・フレームに施されるタイムスタンプは、タイムスタンプ・フィルタによって選択され、このようなタイムスタンプを含むビデオデータ・フレームを用いてビデオ再生ノードによってレンダリングされるビデオ画像(また関連する音声)が、選択されたビデオ・フレーム・レートでレンダリングされるようにする。たとえば、早送り、スロー送り、停止、および他のこのようなビデオ・フレーム・レートを、この技術によって実現可能である。たとえば、0.01〜100.0のビデオ・フレーム・レートが可能である。その理由は、ビデオデータ・フレームを所定の時間シーケンスで(すなわち、所定の時間的なフレーム分離で)生成可能である一方で、この所定のフレーム間時間関係が、連続的なフレーム間の時間分離を示す適切なタイムスタンプを各フレームに施すことによって、フレーム記憶中に維持されるだけだからである。本発明によると、このフレーム間時間関係は、フレーム間時間間隔を増加するかまたは縮小するような方法で、各記憶されたビデオ・フレームに存在するタイムスタンプを修正するか、またはそれに新しいタイムスタンプを施すことによって修正してもよい。したがって、それに対応して、このような修正フレームのレンダリングに際し、フレーム・レンダリング・レートは、増加または低減される。
【0100】
タイムスタンプ・フィルタは、各フレーム・タイムスタンプを操作して、時間的に連続的なフレームフローをレンダラに提供する。再生レートが増加された場合には、秒ごとのフレーム数は、通常レートと同じに保たれるが、レンダラに送られるフレームは、連続的な順序になっていない。たとえば、
通常レート
フレームNo 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9...等
2×レート
フレームNo 0 2 4 6 8...等
4×レート
フレームNo 0 4 8...等
【0101】
次に、タイムスタンプ・フィルタは、フレームが要求されたレートを維持するように、レンダラがフレームを表示すべき時間を再計算する。たとえば、
2×レート
フレームNo 0 2 4 6 8...等
タイムスタンプ・ミリ秒 0.0 33.33 66.66 99.99 133.33
【0102】
ビデオをより遅く映す必要がある場合には、各フレームは読み出されるが、しかし各フレーム上のタイムスタンプは、そのようなレートで分割される。
1/2レート
フレームNo 0 1 2 3 4 ...等
タイムスタンプ・ミリ秒 0.0 66.66 133.33 200.0 266.66
「奇数の(odd)」フレーム値を可能にするために、ファイル・リーダは、100フレームのシーケンスにおいて、「フレーム」カウンティングによってフレームを読み出す。次に、抽出されたフレームは、上記のように、それらのタイムスタンプを、タイムスタンプ・フィルタで再計算される。これによって、1/100レート〜100×レートのレートが可能になる。
【0103】
また、ファイル・リーダと共にタイムスタンプ・フィルタを用いて、デシメーションを可能にする。これによって、利用可能な帯域幅に適合するように、伝送されるフレーム数を低減することが可能になる。たとえば、
50%フレーム・デシメーション
フレームNo 0 2 4 6 8 ...等
タイムスタンプ・ミリ秒 0.0 66.66 133.33 200.0 266.66
【0104】
正しいフレームが正しい時間に再生されるが、しかし中間フレームは省略される。レート変更およびそのようなフレーム・デシメーションの両方を有することは、理にかなっている。すなわち、
50%フレーム・デシメーション、2×レート
フレームNo 0 2 4 6 8...等
タイムスタンプ・ミリ秒 0.0 133.33 266.66 400.0 533.55
【0105】
負荷管理モジュールL(450)は、システムにおける負荷を変更するように動作可能であり、ネットワークを通じて伝送されるフレーム数を、ネットワークにサポートされた最大データ伝送速度および再生ノードでビデオ・フレームをレンダリングできる最大レートに低減する目的を有する。これが達成されるのは、ビデオ記憶ノード3およびビデオ再生ノード4の両方に含まれるデータフロー制御ソフトウェア・アプリケーションを用いることによってである。これが達成されるのは、ファイル・リーダ・アプリケーション(34)への入力用に、負荷管理モジュール450においてフレーム・デシメーション制御信号460を生成し、そしてタイムスタンプ・フィルタ・アプリケーション(35)において所与のビデオ・シーケンス内における中間タイムスタンプおよびそれぞれの中間フレームを省略することによって、上述のようにフレーム・デシメーションに影響を与えるようにすることによってである。
【0106】
ビデオ・レンダラが、自身に送信されたフレームの全てをレンダリングすることには失敗した場合、それは、伝送時間を無駄にしただけであり、レンダラは、それがレンダリングできないフレームを受信する必要性から、フレームをレンダリングすることは防止される。データフロー制御手段は、ビデオ再生ノードにおいて、そのフレーム・レンダリングの同時的なレートおよびその受信バッファ手段の内容を収集し、かつ収集情報をビデオ記憶ノード(3)に伝送するように動作可能である。ビデオ記憶ノードのデータフロー制御ソフトウェア・アプリケーションは、ファイル・リーダ・ソフトウェア・アプリケーション(34)およびタイムスタンプ・フィルタ・アプリケーション(35)を介して、ビデオ再生ノードに伝送されるビデオ・フレーム・シーケンス内から、デシメーションを通して選択されるフレームの割合を増加または低減するように動作可能である。デシメーションの程度は、ビデオ再生ノードからの収集情報に従って選択される。ビデオ記憶ノードのデータフロー制御手段(すなわち負荷管理モジュールL)は、ビデオ再生ノードの受信バッファの内容値が、図6に示す「高マーカー」(600)によって表わされる所与の内容値を超過するまで、ビデオ再生ノードに伝送されるフレーム・シーケンスから選択されるフレームの割合を周期的に増加させる(すなわち周期的にフレーム・デシメーションの程度を低減することによって)ように動作可能である。ビデオ再生ノードのデータフロー制御ソフトウェア・アプリケーションは、その受信バッファ(41)の内容値が「高マーカー」内容値(600)を超過する場合に、前述の同時的なデータを収集および伝送するように動作可能であり、またビデオ記憶ノード(3)のデータフロー制御手段は、このような収集情報の受信に応じて、それが伝送しているビデオ・シーケンスのフレーム・デシメーション・レートを増加し、その伝送されているフレームの割合を低減するようにする。したがって、受信バッファ(41)の内容が「高マーカー」内容レベルを超過するときはいつでも、ビデオ記憶ノードにおけるフレーム・デシメーション・レートの安定した減少が、ビデオ再生アプリケーション(4)からビデオ記憶ノード(3)へのデータフロー制御信号(800)によって中断され、これに応じて、フレーム・デシメーション・レートが増加されるという結果を伴う。フレーム・デシメーション・レートの増加は、受信バッファ(41)のより遅い「上積み」に帰着し、それによって、ビデオ再生ノードのビデオ・レンダラが、受信バッファの内容値を「高マーカー」値より下に減少させるのに十分な程度にまで、受信バッファを減らすことが可能になる。フレーム・デシメーション・レートの安定した減少は、デシメーション・レートの周期的な増加のそれぞれに続いて起こり、それによって、ネットワークを横断するデータフロー・レートが周期的に更新され、再生ノード(4)の受信バッファ(41)に、高マーカー内容値のあたりで、離れず/変動させることが保証される。
【0107】
受信バッファ(41)の内容値が「低マーカー」内容レベル(700)より下に低下した場合には、データフロー制御手段は、ネットワーク通信手段を横断して負荷管理モジュールLに制御メッセージ(800)を伝送するように動作可能であり、それに応じて、フレーム・デシメーション制御信号(460)が、フレーム・デシメーション・レートを減少させるために生成され、それによって、ビデオ再生ノードの受信バッファ(41)に伝送されるデータのレートが増加される。図7に示すように、新しいフレーム・デシメーション・レート(および、したがって、新しいデータ伝送速度)を計算する場合には、4つの要素が考慮される。データフロー制御ソフトウェア・アプリケーション(「フロー・コントローラ」)は次の情報を収集する。すなわち、
ユーザが選択したようにレンダリングされるビデオの「質」(すなわちフレーム・デシメーション・レートの選択)。キャプチャ・ビデオデータのフレーム・レートである「ファイル・フレーム・レート」。
ビデオ再生ノードのレンダラでレンダリングされるフレームの「再生レート」。およびビデオ再生ノードの受信バッファ(41)の現在の内容レベル。この情報は、データフロー制御ソフトウェア・アプリケーションによって収集され、負荷管理モジュール(450)に入力され、このモジュール(450)が、この情報およびまたフレーム・デシメーション制御信号(460)に基づいて新しいデータ伝送速度を計算し、これを介して、新しく計算されたデータ伝送速度が実行される。ビデオ再生ノードのデータフロー制御ソフトウェア・アプリケーションは、レンダラ・フレーム・レートおよび受信バッファ内容レベルを収集して、そのデータを負荷管理モジュール(450)に伝送する。このような収集情報がビデオ再生ノードから送信されていない場合には、フレーム・デシメーション・レートは、ビデオ再生ノードの受信バッファ(41)の内容レベルが高マーカー・レベルを超過している場合に結果としてもたらされる、フレーム・デシメーションにおける増加レートよりはるかに遅いレートで、連続的に低減される。フレーム・デシメーションにおけるこの迅速な増加レートは、典型的には、フレーム・デシメーション・レートにおける続く減少レートより10倍大きい。これはまた、フレーム・デシメーション・レートの増加により、レンダリングされるビデオデータの品質係数を下げることによって、遅いネットワーク接続を用いることを可能にする。データフロー制御手段がこれを達成するのは、次のように、ビデオ再生ノードの受信バッファ(41)の内容値を監視することによってである。その内容レベルがより高マーカー値を超過する場合には、フロー制御信号が、ビデオ再生ノードからビデオ記憶ノードに伝送され、そこでフレーム・デシメーション・レートを増加させる。反対に、バッファ内容値が低マーカー値より低い場合には、フロー制御信号がビデオ記憶ノードに伝送されて、フレーム・デシメーション・レートを低減し、それによって、受信バッファ(41)へのデータ伝送速度を増加させる。全てのフレーム・デシメーション・レート更新は、所定の数の伝送されたビデオ・フレーム(たとえば100フレームごと)の最後に行なってもよい。これには、レンダリング・レートの過渡変化の結果である不必要な変更を停止する利益がある。
【0108】
図4は本発明の一例を示すが、ここでネットワーク・ノード装置は、ネットワーク・スイッチング・ハブ装置(47)を含むスター・ネットワーク形状で、ネットワーク通信装置(8)と共に配列されている。図4はまた、本発明に従って可能なネットワーク・ノードの物理的分離の一例を概略的に示す。ネットワーク・ハブ装置(47)と、中央ネットワーク制御アプリケーションを実行し、かつビデオデータ用の記憶設備を提供するコンピュータ(7)と、パーソナル・コンピュータ(46)を含む第1のビデオ・キャプチャ・ノードと、パーソナル・コンピュータ(49)をまた含むビデオ再生ノードと、パーソナル・コンピュータ(ビデオ表示グラフィックスの生成のための)を含むフライト・ビジュアル(flight visual)・コンピュータ・システム(6)とが、それぞれ「コンピュータ・ルーム」に位置している。ネットワークの全ての他のノードは、物理的に別個の「シアター」ルームに位置し、次のものを含む。すなわち、
ビデオ・キャプチャ・カードを介してPALビデオカメラに接続されたパーソナル・コンピュータを含む第2のビデオ・キャプチャ・ノード(45)と、ユーザが、ネットワークを全体(たとえば、少なくともビデオ記憶および再生ノード)として制御できるように動作可能なパーソナル・コンピュータを含むユーザ・インタフェースを備えたホスト・コンピュータ(48)と、パーソナル・コンピュータをまた含む第2のビデオ再生ノード(50)と、である。さらに、コンピュータ・ルームに位置する第1のビデオ再生ノード(49)およびシアター・ルームに位置する第2のビデオ再生ノード(50)は、それぞれの、シアター・ルーム内に各々位置している画像投影装置(それぞれ54および52)をそれぞれ制御するように構成されているが、その制御には、それぞれのビデオ再生ノードが、コンピュータ・ルームに位置するビデオ記憶ノード(7)から自身で受信したビデオデータに従って生成した適切なプロジェクタ制御信号(それぞれ53および51)を用いる。第1のビデオ・キャプチャ・ノード(46)は、ノード(6)からビデオデータを受信するように構成されているが、このノード(6)は、60Hzで1280×1024の高解像度コンポーネント・ビデオのリアルタイム・ビジュアル表示グラフィックスを生成するように構成されたPC形態をしている。ビデオは、第1のキャプチャ・ノード(46)において、高周波キャプチャ・カードでキャプチャされる。
【0109】
図5は混合ネットワーク・トポロジを示すが、この場合、別個のビデオ・キャプチャ・ノード(2)およびビデオ再生ノード(3)が、共通ネットワーク・スイッチング・ハブ(62)を中心にスター・トポロジを形成する別個のパーソナル・コンピュータ装置の形態で提供されている。このような各スター・ネットワークは、専用の中央(スター)ネットワーク制御アプリケーションおよびビデオ記憶装置(61)を有する。4つのこのようなスター・ネットワーク・トポロジが図5に示され、それぞれが基幹ギガビット・ネットワーク・バックボーン(8)に接続され、またこのネットワーク(8)には、専用のネットワーク・スイッチ・ハブ(63)およびこのスイッチ・ハブ(63)に接続された3つの別個のビデオ再生ノード(64)をそれぞれ含む2つの別個のスター・ネットワークが接続され、各ビデオ再生ノード(64)には、ビジュアル表示ユニットを装着したパーソナル・コンピュータが含まれる。ネットワーク装置の使用を制御するためのホスト・コンピュータがまたギガビット・バックボーン・ネットワーク(8)に接続されているが、明瞭にするために、図5には示していない。
【0110】
PC(60)はそれぞれ、60Hzで1280×1024までの高解像度コンポーネント・ビデオデータをキャプチャおよび生成することができる。キャプチャされたビデオは、サーバ(61)に記憶される。ビデオ・キャプチャ・アプリケーションは、キャプチャ・ビデオデータを、ビデオ・コンプレッサを通して、次に伝送フィルタ・ソフトウェア・アプリケーションへ送り、そこから次に、このビデオデータはサーバに送信される。サーバにおいて、受信ビデオは、ファイル・ライタ・ソフトウェア・アプリケーションによって、ディスク・ビデオ記憶手段に書き込まれる。
【0111】
したがって、本発明に従い、多数のマシンにわたって広がった多数のビデオ・キャプチャ、ビデオ記憶およびビデオ再生アプリケーションを含む、ノード・ネットワーク装置の大きなネットワークを提供してもよい。ビデオ再生ノードは、LANおよびWANにわたって配分してもよい。ビデオ・キャプチャおよびビデオ再生ノードにおけるソフトウェア圧縮および解凍を、ハードウェアの代わりにソフトウェア圧縮および解凍を用いて実行し、それによって、圧縮および解凍方法をビデオ・コンテンツに対応させる際に柔軟性を可能にしてもよい。汎用ハードウェアを用いて、本発明の任意のソフトウェア・アプリケーションを実行し、それによって、より大きな柔軟性を可能にし、注文ハードウェアを用いる必要を低減してもよい。特に、ビデオ・キャプチャ、ビデオ記憶およびビデオ再生アプリケーションの、ならびにまたネットワーク診断および中央制御アプリケーションの、ネットワークベースのアーキテクチャによって、計算負荷をネットワークにわたって分散することが可能になり、それによって、各ノード装置に要求される負荷が低減され、結果として、より高いビデオデータ伝送速度を用いることができる。本発明に従って、ビデオ・キャプチャ、ビデオ記憶およびビデオ再生アプリケーション間でのように、バッファリングを用いることによって、同期式のキャプチャおよび再生要素が分離され、また他の状況では、断続的なデータ遅延、および結果としての「フレーム・ジッタ」を持ち込むであろう汎用コンピュータ・ネットワークにわたる構成要素の非同期式の利用が可能になる。
【0112】
本発明の任意の態様によるネットワーク・ノード装置は、ビデオおよび音声の高忠実度記録および再生のために設計可能である。ビデオデータは、次の信号タイプをどれでも任意に混合して含んでもよい。すなわち、24ビットまたはl6ビットRGBおよび8ビット白黒コンポジットにおいて、60Hzで1600×1200までの高周波コンポーネント・ビデオ。24ビットまたは16ビットのRGBおよび8ビット白黒におけるSビデオPALまたはNTSC、ならびに標準PCまたはマイクロホン入力を用いる音声である。本発明の任意の態様において、ネットワーク・ノード装置には、標準の商用PCワークステーションおよびサーバを利用し、それによって、システムを柔軟で拡張可能にしてもよい。上記で言及した任意のソフトウェア・アプリケーションを、任意のウィンドウズ(登録商標)2000ベースのPC(ウィンドウズ(登録商標)XP、その派生品、または当業者に容易に明らかとなるような任意の適切なソフトウェアを用いてもよい)で実行してもよい。当業者に容易に利用可能であるような、上記の実施形態の修正または変更を、本発明の範囲から逸脱せずになし得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】複数の別個のネットワーク・ノードを含むコンピュータ・ネットワークの構成要素において実行されるソフトウェア・アプリケーションを概略的に示す。
【図2】ビデオ・キャプチャ・ノードおよびビデオ記憶ノードの機能を概略的に示すが、ビデオ・キャプチャ・ノードは、コンピュータ・ネットワーク通信リンクを介してビデオ記憶ノードと通信する。
【図3】ビデオ記憶ノードおよびビデオ再生ノードの機能を示すが、ビデオ記憶ノードは、コンピュータ・ネットワーク通信リンクを介してビデオ再生ノードと通信する。
【図4】いくつかのビデオ・キャプチャ・ノード、ビデオ記憶ノードおよびいくつかのビデオ再生ノードを含むスター・ネットワーク構成のコンピュータ・ネットワークを概略的に示すが、前述の各ノードは、パーソナル・コンピュータ(PC)によって提供される。
【図5】複数のビデオ・キャプチャ・ノードおよびビデオ記憶ノード、ならびに複数のビデオ再生ノードを含むバス・トポロジに構成された通信ネットワークを概略的に示すが、各ノードは、バス通信ネットワークを介してビデオ・キャプチャおよびビデオ記憶ノードと通信するように構成されたパーソナル・コンピュータの形態で提供される。
【図6】ビデオ記憶ノードおよびビデオ再生ノード間としてデータフロー制御アプリケーションを示す。
【図7】データフロー制御アプリケーションによるデータフロー制御信号の計算を概略的に示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークを用いたビデオデータの伝送で使用する装置、およびこのような装置を含む通信ネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ・ネットワーキングによって、同じかもしくは別のネットワークの他の別個のコンピュータに記憶されているか、または他の別個のネットワーク・コンピュータによってアクセスが制御されているビデオ記憶手段に記憶されたビデオデータの、所与のネットワーク・コンピュータによる遠隔取得が可能になる。特に、受信コンピュータにおいて即座にレンダリング/再生するために、コンピュータ・ネットワークまたはインターネットを横断するビデオデータの伝送が可能である。このような状況において、受信コンピュータは、単に、ビデオデータを受信し、かつ取得ビデオデータの全体も任意の実質的部分も、レンダリングの前に記憶せずに、このような受信ビデオデータをほぼ即座にレンダリング/再生する役割を果たす。
【0003】
しかしながら、宛先コンピュータにおいて即座にレンダリングするために、コンピュータ・ネットワークを横断してビデオデータを伝送するためには、データが伝送されるときに横断するネットワークの伝送特性だけでなく、宛先コンピュータにおいて受信ビデオデータがレンダリングされる方法に対して、相応の考慮を払わなければならない。
【0004】
たとえば、ネットワークは高いデータ伝送速度をサポートするが、しかし、宛先コンピュータは、それによってレンダリングされるビデオ画像のビデオ・フレーム・レートと同等のより低いデータ伝送速度に対応しているだけかも知れない。したがって、宛先コンピュータにおける即時のビデオ・レンダリングのために典型的に必要とされるネットワーク通信システムでは、ビデオデータを送信するノードが、そのビデオデータを受信するノードと緊密に連携して働いて、そのビデオデータが受信ノードのビデオ・レンダラに最も適した速度で受信されるように保証しなければならない。この目的のために、同期通信ネットワーキングが典型的に用いられる。その欠点は、所望の同期化に関して効果を得るために、同期化ハードウェア/ソフトウェアが必要であり、またビデオ・レンダラに適しているがネットワークによってサポート可能な速度以下の速度に、しばしばデータ伝送速度を低減する必要があることである。
【0005】
代替として、いわゆる非同期ネットワーク伝送方法がある。この方法において、送信ノードは、警告なしに受信側/宛先ノードにデータを伝送してもよいが、その意味は、受信側は、送信側ノードがこのようなデータを送信できる間はいつでも、データを受け入れる準備をしていなければならないということである。この目的のために、パケット交換が普通は用いられる。この技術はビデオデータをパケットに分割し、このような各パケットが、ネットワークを介して所定の宛先ノードに伝送される。所与のデータ・ストリームの別個のパケットは、異なる経路を介して同じ目的の宛先ノードに達してもよく、したがって、異なるネットワーク伝送遅延に遭遇する可能性がある。パケット伝送遅延における変動は、宛先ノードのビデオ・レンダラにおけるビデオ・フレーム・ジッタにつながる。なぜなら、ビデオ・データ・パケットが、ビデオ・フレームの不規則な(すなわち「ジッタ性の」)レンダリングにつながる不規則な速度で受信されるからである。フレーム・ジッタを防止するために、ネットワークを横断するデータ伝送は、典型的には、ネットワーク自体が維持可能な速度よりはるかに遅い速度で実行される。これによって、受信側ノードのレンダラが固定された間隔でビデオ・フレームをレンダリングできる速度で、ビデオデータを伝送できるように、ネットワークを横断する伝送速度の簡単な調整−ネットワークにおける増加または低下によって−が可能となり、それによって、所与のフレーム(これは可変量である)用にネットワークを横断して伝送する必要のあるデータ量に関係なく、滑らかなビデオ映画が提供される。
【0006】
このように、ネットワークを横断するビデオ・データ・フローを調整するには、送信ノードと受信ノードとの間で、制御信号の規則的で複雑な交換が必要である。これらの制御信号は、送信ノードから受信ノードへのデータ伝送速度の調節を制御し、また典型的には、専用のソフトウェアおよび/またはハードウェアによって生成される。
【0007】
このように、同期および非同期ネットワーク伝送システムの両方とも、データ送信ノードとデータ受信ノードとの間で伝送制御記号を規則的に交換する専用の手段を、現在は必要としている。これは、特に、コンピュータ・ネットワークを横断する即時ビデオ・レンダリングの特別な要件のためである。さらに、これらの伝送制御方法は、問題の伝送および受信ノードを相互接続する典型的な通信ネットワークがサポート可能なデータ速度を下回るデータ伝送速度に典型的には帰着する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、先行技術における前述の欠陥の少なくともいくつかと取り組むことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、最も一般には、受信ノードがビデオデータなどのデータを受信することができる場合にはいつでも、送信ノードから受信ノードへ通信ネットワークを横断してビデオデータを非同期伝送することを提案する。これが達成可能なのは、受信データの引き続く記憶またはビデオ画像のレンダリング/再生の前に、受信ノードの機能(すなわち記憶機能またはレンダリング機能)に依存し受信データを用いて、送信ノードから受信ノードで受信したビデオデータの中間保持/バッファリングを提供することによってである。これによって、通信ネットワークのデータ伝送特性を受信ノードのビデオ記憶またはレンダリング特性に一致させる必要性が効果的に回避される。したがって、ネットワークをその最適なデータ伝送速度で用いてもよく、他方で、受信ノードにおけるビデオ画像の記憶またはレンダリングは、任意の適切なレート、たとえば、フレーム・ジッタ、またはフレーム・レートもしくはデータ伝送速度の強制的な低減がほとんどないフレーム・レンダリング・レートで行なうことが可能である。
【0010】
典型的なネットワーク伝送手段がサポートするデータ伝送速度は、ビデオ・レンダリング手段が、画像をレンダリングする際に使用するためにビデオデータを典型的に要求する速度よりも高いか、または記憶ノードが、受信ビデオデータの記憶を典型的に完了できるよりも高いことが多い。この意味することは、本発明によれば、問題のビデオ・シーケンスのレンダリングまたは記憶の全体の間、ビデオデータを十分に供給/送出された状態に受信側ノードを維持できるということである。送信ノードからのより高いデータ伝送速度は、ビデオデータの供給が、レンダラまたは記憶手段によるビデオデータの要求を超過し、かつ受信側ノードの中間バッファが、効果的に「上積みされた」状態に維持され、問題のビデオ・シーケンスが終了したときのみになくなるように保証する。
【0011】
本明細書において、「ビデオ」または「ビデオデータ」が、ビデオ画像データだけでなくビデオ音声データも(すなわちオーディオ・ビジュアル・データ)指すことを理解されたい。
【0012】
本発明によってまた、受信ノードへのネットワークを横断するビデオデータ伝送の直前に、伝送ノードからの選択されたビデオデータの中間保持/バッファリングを提供することが可能である。これによって、伝送ノードにおけるビデオデータ取得/供給レートを、ネットワークのデータ伝送速度、または受信ノードのビデオ・レンダラもしくは記憶手段によってデータが要求されるレートに一致させる必要性が回避される。実際には、データ取得レートが、受信側ノードにおけるデータ要求レートによって直接には指示されないので、たとえば、ビデオデータの取得または取得されたビデオデータのレンダリングに影響を与えずに、ネットワークから受信側ノードを瞬間的に切断することによって、データ伝送を中断してもよい。しかしこれには、受信側ノードのバッファが空になるか、または伝送ノードのバッファがオーバフローする前に、再接続が行なわれることを条件とする。
【0013】
これによって、このようなネットワークをどのように用いるかという点だけでなく、用いられるネットワーク・ノード装置の性能特性の点で、より大きな効率および融通性が可能になる。すなわち、ネットワーク・ノード装置の特性(たとえば達成可能なフレーム・レート)を、ネットワーク通信装置の伝送特性に直接合わせる必要がないので、このようなネットワークは、融通性および順応性がより大きくなり、また別の状況ではネットワーク・ノード装置における前述のバッファリングがない状態で不適当であったであろうものを含めて、より広範囲のネットワーク・ノード装置を用いることを可能にする。同様に、ネットワーク通信装置は最適な動作が可能なので、このことは、ビデオデータ伝送に必要な期間がより短いということを意味している。ビデオデータの非伝送期間に、他の用途のためにネットワーク通信装置を解放することによって、より大きなデータ伝送効率が達成される。
【0014】
本発明は、その第1の態様において、ノード装置を動作可能に結合するように構成された通信ネットワーク手段のそれぞれ別個のノードにおいて、ビデオデータの記憶および再生のためのネットワーク・ノード装置を提供可能であり、この場合、ノード装置には次のものが含まれる。すなわち、
ビデオデータを記憶し、かつ記憶されたデータを通信ネットワーク手段を介して伝送するように構成されたビデオ記憶ノードと、
ビデオ記憶ノードによって伝送されたビデオデータを、通信ネットワーク手段を介して受信し、かつそこからの画像(たとえば、画像だけ、または音声を備えた画像)をレンダリングするように構成されたビデオ再生ノードとであり、
ここで、ビデオ記憶ノードは、記憶されたビデオデータを一時的に保持するための伝送バッファ手段を有し、ビデオ再生ノードは、受信ビデオデータを一時的に保持する受信バッファ手段を有し、それによって、伝送バッファ手段の内容が所定の下位内容値に一致または超過し、かつ受信バッファ手段の内容が所定の上位内容値を超過していない場合(たとえば間)のみ、ビデオ記憶ノードは、ビデオ再生ノードにビデオデータを伝送するように動作可能である。
【0015】
したがって、ビデオ記憶ノードのトランスミッタが十分な内容を有し、かつビデオ再生ノードの受信バッファが過剰な内容を有さないという条件で、ビデオ記憶ノードは、ビデオ再生ノードに警告せずに、ビデオデータを伝送してもよく、ビデオ再生ノードは、そのように伝送されたデータを受け取ることができる。これは、非同期伝送方法である。たとえば、伝送バッファ手段の内容が所定の下位内容値より下であるか、または受信バッファ手段の内容が所定の内容値を超えているという場合(どちらが最初に起ころうとも)を除いて、ビデオ記憶ノードは、連続的、周期的または断続的にビデオ再生ノードに、ビデオデータを伝送するように構成可能である。ビデオ記憶ノードは、パーソナル・コンピュータなどの、ビデオデータ記憶手段を含む(またはビデオデータ記憶手段へのアクセスを制御する)コンピュータを含んでもよい。ビデオデータ記憶手段は、1以上のコンピュータ・ハード・ドライブ(たとえば、データのマルチストリーミングを可能にするRAID構成に配列された)など、1以上のコンピュータの内部記憶手段であっても、またはデータベースなどの外部専用記憶手段であってもよい。
【0016】
RAID(低価格ディスク冗長アレイ)は、当該技術分野で周知のように、より大きくより速いデータ・アクセスおよび記憶システムを作製するために多数のハード・ドライブを組み合わせる方法である。RAID構成は、記憶されたデータを複数のディスク・ドライブ間に並列に分割する。これによって、複数のドライブへの並列アクセス、およびしたがってデータのマルチストリーミングが可能となり、それによって、複数のビデオ再生ノードまたはビデオ・キャプチャ・ノードが、同時にかつ独立して、ビデオ記憶ノードにおけるRAID記憶システムにアクセス可能になる。それによってまたディスク冗長が可能になり、1つのディスク・ドライブが故障した場合に、残りのディスク・ドライブが、故障したディスク・ドライブの代わりに、引き続き機能し得る。データベースにおけるデータ記憶は、アナログもしくはコンピュータ・ハード・ドライブ(たとえばRAID構成における)などのデジタル形態であっても、または磁気テープ上もしくはデジタル・ビデオディスク等にあってもよい。たとえば、ビデオ記憶ノードには、コンピュータ手段を含むサーバ手段、および前述したような適切なビデオ記憶データベースを含んでもよく、またこのサーバ手段は、ビデオ・データベース内に記憶されたビデオデータのアクセスおよびその取得を制御するように動作可能である。同様に、ビデオ応答ノードには、パーソナル・コンピュータなどのコンピュータを含んでもよく、このコンピュータは、そのビジュアル表示ユニット(VDU)を介してか、またはこのコンピュータによって制御された代替のビジュアル表示手段(たとえば画像投影システムの投影装置)を介して、ビデオ画像をレンダリングするように構成されている。ビデオ再生ノードは、航空機シミュレータ装置内において、パイロットのヘルメットに取り付けられたプロジェクタを用いて、ビデオ画像(および音声)をレンダリングしてもよい。それは、車両シミュレータ内において、ヘッドアップ・ディスプレイ(HUD)内の/としての模擬画像をレンダリングしてもよい。レンダリングは、高精細度もしくは他のテレビを用いても、またはビデオ・ウォールを用いてもよい。
【0017】
ネットワーク・ノード装置において、ビデオ記憶ノードは、通信ネットワーク手段にサポートされた最大データ伝送速度で、その伝送バッファに一時的に保持されたデータを伝送するように構成するのが好ましい。
【0018】
このようなデータ伝送は、連続データ伝送の形態を取っても、またはビデオデータのブロック、部分もしくはセグメントの断続的もしくは周期的な伝送の形態を取り、このような各ブロック、セグメントもしくは部分を、問題の通信ネットワークがサポートする最大データ伝送速度で伝送してもよい。通信ネットワーク手段には、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)を形成するイーサネット(登録商標)通信ネットワークまたは広域ネットワーク(WAN)を含んでもよい。たとえば、通信ネットワーク手段は、100メガビット/秒またはギガビット/秒のイーサネット(登録商標)であっても(または含んでも)よい。したがって、このような場合に、ビデオ記憶ノードからのデータ伝送速度は、それぞれ100メガビット/秒または1ギガビット/秒であってもよい。
【0019】
ネットワーク・ノード装置にはまた、ビデオ記憶ノードおよびビデオ再生ノードとは別個のノードで、ビデオデータ(たとえば画像データ、または画像および音声データ)をキャプチャするための、およびビデオ記憶ノードでの記憶用に、そこへキャプチャされたデータを通信するための装置を含んでもよい。ビデオデータの「キャプチャリング」には、ビデオデータの生成、またはネットワーク・ノード装置が適合しているネットワークの外部のビデオデータ源から、既存のビデオデータを受信することが含まれる。たとえば、ビデオデータのキャプチャリングには、ビデオカメラもしくは模擬画像を生成するためのシミュレータ手段などのビデオ画像化装置(および、適宜音声録音装置)によって生成されたビデオデータのキャプチャを含むか、またはネットワーク・ノード装置とは無関係に生成された既存のビデオデータの受信を含んでもよい。
【0020】
したがって、ビデオ記憶ノードおよびビデオ再生ノードに加えて、ネットワークにはまた、画像(適宜音声データを備えた)を表わすビデオデータをキャプチャするための、かつこのようなビデオデータを、通信ネットワーク手段を介してビデオ記憶ノードに伝送するように構成されたビデオ・キャプチャ・ノードを含んでもよく、この場合に、ビデオ記憶ノードは、その前記記憶用に、ビデオ・キャプチャ・ノードから伝送されたビデオデータを受信するように構成されている。
【0021】
したがって、ビデオデータのキャプチャ、記憶および再生に必要な資源が、通信ネットワークの3つのそれぞれのノードにわたって配分可能であることが認識されるであろう。これによって、システムの計算負荷が、問題のネットワーク・ノード全体にわたって分散され、3つのノードの他のいずれかが提供する機能を、提供するように要求されるノードがなくなる。しかしながら、もちろん、ビデオ・キャプチャ・ノード、ビデオ記憶ノードおよびビデオ再生ノードのいずれか1つがまた、前述の3つのノードの他のいずれか1つ(または両方)によって提供される機能を提供する可能性は、もちろんあり得る。
【0022】
好ましくは、ビデオ・キャプチャ・ノードは、キャプチャ・ビデオデータ(captured video data)を一時的に保持するための伝送バッファ手段を有し、ビデオ記憶ノードは、好ましくはまた、受信ビデオデータを一時的に保持するための受信バッファ手段を有し、それによって、ビデオ・キャプチャ・ノードは、好ましくは、その伝送バッファ手段の内容が所定の下位内容レベルに一致または超過し、かつビデオ記憶ノードの受信バッファ手段の内容が所定上位内容レベルを超過していない場合(たとえばその間)のみ、ビデオデータをビデオ記憶ノードに伝送するように動作可能である。
【0023】
したがって、ビデオ・キャプチャ・ノードは、通信ネットワーク手段を横断する選択されたデータ伝送速度およびビデオ記憶ノードがその記憶用にビデオデータを受け入れるレートの両方と異なる速度で、ビデオデータを生成または受信してもよい。このような、ビデオ・キャプチャ・ノードからのビデオデータ伝送は、連続的、周期的、または断続的であってもよい。周期的または断続的な場合には、伝送データは、ビデオデータのセグメントまたはパケットの形態を取ってもよい。ビデオ・キャプチャ・ノードの伝送バッファの内容が所定の下位内容値より下であるか、またはビデオ記憶ノードの受信バッファの内容が所定の上位内容値を超過しているという場合(どちらが最初に起ころうとも)を除いて、ビデオ・キャプチャ・ノードは、ビデオデータをビデオ記憶ノードに伝送するように動作可能である。
【0024】
ビデオ・キャプチャ・ノードは、通信ネットワーク手段にサポートされた最大データ伝送速度で、その伝送バッファに一時的に保持されたデータを伝送するように構成するのが好ましい。
【0025】
もちろん、ネットワーク通信手段にサポートされた最大速度未満の他の伝送速度を用いてもよいが、しかしビデオ・キャプチャ・ノードが用いるデータ伝送速度は、ビデオ記憶ノードの受信バッファが、記憶されるビデオ・シーケンスの終了前に空にならないことを保証するのに十分高いことが極めて好ましい。さらに、ビデオ・キャプチャ・ノードからのデータ伝送速度が、ビデオ記憶ノードにおけるこのようなデータの要求レートを超過せず、それによって、ビデオ・キャプチャ・ノードからビデオ記憶ノードへ絶えずビデオデータを伝送する必要性を回避し、かつより低いデータ速度のより長いバーストとは反対に、より高いデータ速度のより短いバースト形態のデータ伝送を可能にするのがまた好ましい。
【0026】
所定の上位内容値は、たとえば満杯のときの、それぞれの受信バッファの内容に一致してもよい。
【0027】
したがって、ビデオ・キャプチャ・ノードからビデオ記憶ノードへのビデオデータの伝送は、受信ノードが伝送データを受信する場所を有するとき、および伝送ノードが伝送すべきビデオデータを有するときのみ、行なわれるのが好ましい。この条件が満足されない場合には、ビデオ・キャプチャ・ノードからビデオ記憶ノードへの伝送は、ビデオ・キャプチャ・ノードの伝送バッファが送信すべき画像データを含み、かつビデオ記憶ノードの受信バッファが、このようなビデオデータを受信する場所を有するまで、防止するのが好ましい。所定の下位内容値は、空のときのそれぞれの伝送バッファの内容に一致してもよい。もちろん、所定の上位および下位内容レベルは、それぞれ、満杯および空以外であってもよい。
【0028】
ビデオ記憶ノード、ビデオ応答ノード、および含まれている場合には、ビデオ・キャプチャ・ノードの受信および伝送バッファのそれぞれは、少なくとも1フレームのビデオ(たとえば音声を備えた)データを記憶する容量を有するように構成するのが好ましい。このようなバッファの記憶容量に設定される上限は、バッファがその一部を形成しているそれぞれのネットワーク・ノード装置内のメモリの利用可能性によってのみ制限されている。
【0029】
ネットワーク・ノード装置において、ビデオ再生ノードには伝送制御手段を含んでもよいが、この伝送制御手段は、ビデオ再生ノードの受信バッファの内容値が所定の上位内容値に一致または超過したときを検出し、かつこのような検出を第1の検出信号として、ネットワークを介してビデオ記憶ノードに通信するように構成されている。
【0030】
ビデオ記憶ノードにはまた伝送制御手段を含むのが好ましいが、この伝送制御手段は、ビデオ再生ノードから第1の検出信号を受信し、ビデオ記憶ノードの伝送バッファの内容値が所定の下位内容値を超過していない場合には第2の検出信号を生成し、かつ第1の検出信号の受信に応じて(たとえば、同時にもしくは後で)か、または第2の検出信号の生成に応じて(たとえば、同時にもしくは後で)、ビデオ記憶ノードからビデオ再生ノードへのビデオデータ伝送を防ぐように構成されている。
【0031】
ネットワーク・ノード装置がビデオ・キャプチャ・ノードを含む場合には、ビデオ記憶ノードには伝送制御手段を含んでもよいが、この伝送制御手段は、ビデオ記憶ノードの受信バッファの内容値が、所定の上位内容値に一致または超過したときを検出し、かつこのような検出を第1の検出信号として、ネットワークを介してビデオ・キャプチャ・ノードに通信するように構成されている。
【0032】
ビデオ・キャプチャ・ノードには伝送制御手段を含むのが好ましいが、この伝送制御手段は、ビデオ記憶ノードから第1の検出信号を受信し、ビデオ・キャプチャ・ノードの伝送バッファの内容値が所定の下位内容値を超過していない場合には第2の検出信号を生成し、かつ第1の検出信号の受信に応じて(たとえば、同時にもしくは後で)か、または第2の検出信号の生成に応じて(たとえば、同時にもしくは後で)、ビデオ・キャプチャ・ノードからビデオ記憶ノードへのビデオデータ伝送を防止するように構成されている。
【0033】
上記の内容レベルは、満杯と空との中間のときのそれぞれの受信バッファの内容に対応する所定値であるのが、最も好ましい。所定値は、バッファ容量の所定の部分が非占有のままであるときの受信バッファの内容に一致するのが最も好ましいが、この場合、所定の割合は、伝送バッファへの第1の検出信号の通信と、第1の検出信号に応答した、伝送バッファによるビデオデータの伝送の続く防止との間の時間間隔中に、伝送バッファによって受信バッファに伝送されるビデオデータを入れるのに十分である。
【0034】
所与の受信バッファ手段の所定の上位内容レベルは、バッファ手段内に記憶されたウォーターマークによって表わすのが好ましい。上位内容レベルは、第1に、バッファがその一部形成しているネットワーク・ノードが、問題のバッファを減らし/空にするレートに従って、第2に、バッファがそこからビデオデータを受信するネットワーク・ノードが、問題のバッファにビデオデータを補給できるレートに従って、決定するのが好ましく、そして受信バッファによる第1の検出信号の通信の後、および第1の検出信号を通信されたノードが、続いてビデオデータの伝送を防止する前に、受信バッファが、伝送バッファによって伝送されたビデオデータを受信する容量を有するようにする。それによって、受信バッファーのオーバフローが防がれる。
【0035】
ビデオ・キャプチャ・ノードおよびビデオ記憶ノードのどちらか(またはそれぞれ)の伝送制御手段は、ビデオデータのようなデータの伝送が第1の検出信号の受信の前に始まった場合には、全ビデオ・フレームに一致するビデオデータの伝送の完了後に第1の検出信号の受信に応じて、それらのノードからビデオ記憶またはビデオ再生ノードへのビデオデータ伝送をそれぞれ防止するように動作可能なのが好ましい。これによって、ビデオ・フレームの不完全な伝送が防止される。受信バッファの所定の非占有割合は、ネットワークを横断するビデオデータ伝送速度と、ビデオ再生ノードのビデオ・レンダラにおける全ビデオ・フレームの期間との積の2倍に等しくてもよい。
【0036】
ネットワーク・ノード装置はビデオ再生ノードを有するのが好ましいが、このビデオ再生ノードには、それがレンダリングするビデオ画像の再生レートを選択するための、および通信ネットワークを介して、前記選択をビデオ記憶ノードに伝送するためのビデオ再生選択手段が含まれる。ビデオ記憶ノードはまた、選択されたビデオ再生レートに従って、自身に記憶されたビデオデータにタイムスタンプを施すためのタイムスタンプ制御手段を含むのが好ましいが、前記タイムスタンプを備えるビデオデータを用いてビデオ再生ノードによってレンダリングされたビデオ画像が、選択されたビデオ再生レートでレンダリングされるようにする。
【0037】
ビデオ再生選択手段は、ビデオ・フレームの所与のシーケンスに対応するビデオデータに関連して、ビデオ再生ノードでレンダリングされる所与のシーケンスのビデオ再生レートのn倍の増加(n=整数)を選択するように動作可能なのが好ましい。このような選択に応じて、ビデオ記憶ノードは、レンダリングされるビデオ・フレームの所与のシーケンスの第1のフレームと、nフレームの連続的な整数倍数で第1のフレームに続く、所与のシーケンス内の後のフレームと、に一致する、ビデオ記憶ノードに記憶されたビデオデータだけに、タイムスタンプを施すように動作可能なのが最も好ましい。このようなタイムスタンプを有するビデオデータ(フレーム)だけが、レンダリングのために、ビデオ記憶ノードからビデオ再生ノードに伝送される。このようなビデオデータ(フレーム)に施されるタイムスタンプは、そのようにスタンプされたビデオデータが、nの値とは無関係な一定のフレーム・レートでレンダリングされるようにするのが最も好ましい。したがって、ビデオ・フレームがビデオ・レンダラによってレンダリングされるレートは、nの値に関係なく一定のままであってもよいが、再生レートの増加は、所与のシーケンスにおける部分を単に無視しながら、そのビデオ・フレーム・シーケンスを進むことによって達成してもよい。
【0038】
より一般には、タイムスタンプ制御手段は、ビデオ・フレームの時間的なシーケンスを形成する複数の別個のビデオ・フレームを表わすビデオデータに適用するために、タイムスタンプの時間的なシーケンスを形成する複数の別個のタイムスタンプを生成し、かつタイムスタンプのシーケンスから選択されたタイムスタンプを、ビデオ・フレーム・シーケンスから選択されたビデオ・フレームを表わすビデオデータに施すように動作可能なのが好ましく、この場合に、選択されたタイムスタンプが順次的に連続し(すなわち時間的シーケンスにおいて隣り合っている)、それぞれの選択されたビデオ・フレームが順次的に非連続か、または選択されたビデオ・フレームが順次的に連続し、選択されたタイムスタンプが順次的に非連続か、または選択されたタイムスタンプが順次的に非連続で、それぞれの選択されたビデオ・フレームが順次的に非連続である。
【0039】
これによって、タイムスタンプされたビデオ・フレームを用いて、ビデオ再生ノードにおけるビデオ再生レートの増加または減少が可能になる。連続的なタイムスタンプは、単一の固定ビデオ・フレーム期間(たとえば33.33ミリ秒)の連続する整数倍数であり、そしてそのように、ビデオ・フレーム・シーケンス内の所与のフレームのレンダリングが始まることになる時間を、ビデオ再生ノードに示すのが好ましい。たとえば、再生選択手段を介した適切な選択に応じた、ビデオ再生ノードにおけるビデオ再生レートのn倍の増加は、ビデオ・フレーム・シーケンス内のn−1の中間ビデオ・フレームによって互いに分離されたそれぞれの非連続的なビデオ・フレームにのみ順次的に連続するタイムスタンプを施すことによって容易になる。
【0040】
同様に、ビデオ再生レートのn倍の減少は、タイムスタンプのシーケンス内のn−1の中間タイムスタンプによって互いに分離されたそれぞれの非連続的なタイムスタンプだけを、ビデオ・フレーム・シーケンス内の順次的に連続するビデオ・フレームに施すことによって容易になる。
【0041】
代替として、タイムスタンプ制御手段は、それぞれ順次的に非連続なビデオ・フレームにのみ、順次的に非連続なタイムスタンプを施すように動作可能であってもよく、この場合に、問題のタイムスタンプおよびそれぞれのビデオ・フレームの両方とも、タイムスタンプまたはビデオ・フレーム・シーケンス内において、それぞれ、n中間タイムスタンプまたはビデオ・フレームによって互いに分離される。その結果は、レンダリングされるビデオデータのn倍のデシメーションであり、したがって、ビデオデータをビデオ再生ノードに伝送するのに必要なデータ量および帯域幅が低減され、通常の再生レート(たとえば、ビデオ・フレームがもともとキャプチャされたレート)でビデオデータをレンダリングするようになる。
【0042】
ビデオ再生ノードおよびビデオ記憶ノードにはデータフロー制御手段を含むのが好ましいが、このデータフロー制御手段は、シーケンス内におけるフレームの合計数よりも数がすくない、シーケンス内に配分された選択フレームのみを伝送するようにビデオ記憶ノードを制御することによって、ビデオ再生ノードとビデオ記憶ノードとの間における、ビデオ・フレーム・シーケンスのフレームの伝送速度を制御するように動作可能である。
【0043】
配分されるフレームの選択は、デシメーションプロセスによって行なってもよいが、この場合に、N(N=整数)フレームの整数倍数だけ第1のフレームから分離されたフレームだけが選択される。代替として、デシメーションは、そのように選択されているNフレームの整数倍数だけ第1のフレームから分離されたフレームにほとんど帰着してもよい。データフロー制御手段は、シーケンスのフレームが記録/キャプチャされるレートと、フレームがビデオ再生ノードでレンダリングされることになるレートと、ビデオ・フレームが伝送されることになるビデオ再生ノードの受信バッファ手段の内容/容量と、に従って、ビデオ記憶からビデオ再生ノードへの、所与のビデオ・フレーム・シーケンスの伝送速度を制御するように動作可能なのが好ましく、それによって、受信バッファ手段の内容/容量を制御する。
【0044】
データフロー制御手段は、ビデオ再生ノードにおいて、そのフレーム・レンダリングの同時的レートおよびそのバッファ手段の内容を収集するように、収集情報をビデオ記憶ノードに伝送するように、および収集情報に従って、ビデオ再生ノードに伝送されるビデオ・フレーム・シーケンス内から、(たとえばデシメーションによって)ビデオ記憶ノードで選択されるフレームの部分を低減または増加させるように、動作可能であるのが好ましい。
【0045】
ビデオ記憶ノードにおけるデータフロー制御手段は、ビデオ応答ノードの受信バッファの内容値が所与の内容値を超過するまで、ビデオ再生ノードに伝送されるフレーム・シーケンスから選択されるフレームの割合を周期的に増加させる(たとえば周期的にフレーム・デシメーション・レートを低減することによって)ように動作可能であるのが好ましい。最も好ましくは、ビデオ再生ノードのデータフロー制御手段は、再生ノードの受信バッファの内容値が、所与の内容値を超過した場合に、前述の同時的データを収集かつ伝送するように動作可能であり、ビデオ記憶ノードのデータフロー制御手段は、このような収集情報の受信に応じて、再生ノードに伝送されるフレームの割合を予め設定した値に低減する(たとえばフレーム・デシメーションを増加する)ようにする。そのように選択されたフレームの割合における前述の周期的な増加は、その前述の低減に続いて、データフロー制御手段によって再開される。
【0046】
このようにして、ネットワークを横断するデータフロー・レートを周期的に更新し、再生ノードの受信バッファ手段の内容レベルが、適切な所与の値のあたりで離れず/変動するようにしてもよい。
【0047】
ビデオ記憶手段のデータフロー手段は、代替または追加的に、ビデオ記憶ノードにおける伝送バッファの内容/容量に従って、ビデオ再生ノードへのフレーム・シーケンスのフレーム伝送速度を制御するように動作可能であってもよい。たとえば、データフロー制御手段は、ビデオ記憶ノードの伝送バッファの内容が予め設定した下位内容レベルより下に低下した場合には、記憶ノードからの伝送のために選択されるビデオ・フレームの割合を増加(たとえばデシメーションを低減する)させるか、またはビデオ記憶ノードの伝送バッファの内容が予め設定した上位内容レベルを超過する場合には、その割合を低減(たとえばフレーム・デシメーションを増加する)してもよい。
【0048】
データフロー制御手段は、記憶ノードの伝送バッファが満杯になった場合には、記憶ノードから伝送されるフレーム・シーケンスのフレーム・デシメーション・レートを2倍にするように動作可能であってもよい。最も好ましくは、データフロー制御手段は、順次的に非連続タイムスタンプを、それぞれ非連続的なビデオ・フレームのみに施すことによって、前述のn倍フレーム・デシメーションステップのいずれか/全てを実行するタイムスタンプ手段を制御するように動作が可能であるが、この場合に、問題のタイムスタンプおよびそれぞれのビデオ・フレームの両方とも、前述のタイムスタンプおよびビデオ・フレームのシーケンス内において、それぞれ、n中間タイムスタンプまたはビデオ・フレームによって互いに分離されている。
【0049】
本発明の好ましい実施形態において、ネットワーク・ノード装置には、通信ネットワーク手段が、通信ネットワーク手段によって動作可能に結合されるように構成されたネットワーク・ノードに加えて、さらに含まれるが、この通信ネットワーク手段は、使用中に、各ノード装置を他の各ノード装置を結合する通信リンクを提供するように構成されている。
【0050】
実際には、好ましい実施形態において、本発明には、ネットワーク・ノードに接続された通信ネットワーク手段がさらに含まれ、この通信ネットワーク手段は、ビデオ記憶ノードをビデオ再生ノードに動作可能に結合し、それによって、ビデオ記憶ノードをビデオ再生ノードと非同期通信させる。これは、ビデオ記憶およびビデオ再生ノードを含む、およびまたビデオ・キャプチャ・ノードを含む実施形態に当てはまる。
【0051】
本明細書において用いられる用語「ビデオ」は、ビデオ画像データだけ、およびビデオ画像データとそれに関連した音声データとの組み合わせ(すなわちオーディオ・ビジュアル・データ)を指すものとして解釈すべきだと理解されたい。
【0052】
本発明が、その第1の態様において、通信ネットワークのそれぞれ別個のノードにおいて、ビデオデータの記憶および再生用の方法を実行するための装置を提供すること、また本発明が、第1の態様における本発明に関連して上記で論じた好ましい実施形態または代替の特徴のうちの一部を含む方法、それらを含まない方法または全てを含むような方法を、さらなる態様において含むことを理解されたい。
【0053】
したがって、本発明は、その第2の態様において、ノードを動作可能に結合するように構成された通信ネットワーク手段のそれぞれ別個のノードにおいて、ビデオデータの記憶および再生のための方法を提供可能であり、ここで本方法は、
ビデオデータをビデオ記憶ノードで記憶することと、
記憶されたビデオデータをビデオ記憶ノードの伝送バッファに一時的に保持することと、
続いて、
保持ビデオデータを通信ネットワーク手段を介して伝送することと、
ビデオ記憶ノードによって伝送されたビデオデータをビデオ再生ノードで受信することと、
受信ビデオデータをビデオ再生ノードの受信バッファ手段に一時的に保持することと、
続いて、
受信ビデオデータを用いて、ビデオ再生ノードにおいて、画像(たとえば画像だけ、または音声を備えた画像)をレンダリングすることと、
を含み、
ビデオ記憶ノードからビデオ再生ノードへのビデオデータの前記伝送は、伝送バッファ手段の内容が所定の下位内容値に一致または超過し、かつ受信バッファ手段の内容が所定の上位内容値を超過していない場合(たとえばその間)のみ行なわれる。
【0054】
記憶ノードからの保持データの伝送は、通信ネットワーク手段にサポートされた最大データ伝送速度で行なわれるのが好ましい。
【0055】
本方法には、画像(および、おそらくは音声データも)を表わすビデオデータをビデオ・キャプチャ・ノードでキャプチャすることと、キャプチャ・ビデオデータを、通信ネットワーク手段を介してビデオ記憶手段に伝送することと、ビデオ記憶手段の前記記憶のために、ビデオ・キャプチャ・ノードから伝送されたキャプチャ・ビデオデータを、ビデオ記憶手段で受信することとがさらに含まれる。
【0056】
本方法がこのようなビデオデータ・キャプチャを含む場合には、本方法にはまた、キャプチャ・ビデオデータをビデオ・キャプチャ・ノードの伝送バッファ手段に一時的に保持することと、保持ビデオデータを通信ネットワークを介して伝送することと、ビデオ・キャプチャ・ノードによって伝送されたデータをビデオ記憶ノードで受信することと、受信データをビデオ記憶ノードの受信バッファ手段に一時的に保持することと、をさらに含むのが好ましく、この場合に、ビデオ・キャプチャ・ノードからビデオ記憶ノードへのビデオデータの伝送は、ビデオ・キャプチャ・ノードの伝送バッファ手段の内容が所定の下位内容レベルに一致または超過し、かつビデオ記憶ノードの受信バッファ手段の内容が所定の上位内容レベルを超過していない場合(たとえばその間)のみ行なわれる。
【0057】
ビデオ・キャプチャ・ノードからの保持ビデオデータの伝送は、通信ネットワーク手段にサポートされた最大データ伝送速度で行なわれるのが好ましい。
【0058】
所定の上位内容値は、満杯のときの受信バッファの内容に一致してもよく、所定の下位内容値は、空のときの伝送バッファの内容に一致してもよい。
【0059】
本方法にはまた、
ビデオ再生ノードの受信バッファの内容値が所定の上位内容値に一致または超過したときに、これをビデオ再生ノードにおいて検出し、かつこのような検出を、第1の検出信号として、ネットワークを介してビデオ記憶ノードに通信することとを含んでもよい。
【0060】
したがって、本方法には、ビデオ再生ノードからの第1の検出信号をビデオ記憶ノードにおいて受信することと、ビデオ記憶ノードの伝送バッファの内容値が所定の下位内容値を超過していない場合に、第2の検出信号を生成することと、第1の検出信号の受信に応じて(たとえば、同時にもしくは後で)か、または第2の検出信号の生成に応じて(たとえば、同時にもしくは後で)、ビデオ記憶ノードからのビデオデータ伝送を防止することと、をさらに含んでもよい。
【0061】
同様に、本方法がビデオデータ・キャプチャの前述のステップを含む場合には、方法にはまた、ビデオ記憶ノードの伝送バッファの内容値が所定の上位内容値に一致または超過する場合に、これをビデオ記憶ノードにおいて検出することと、このような検出を、第1の検出信号として、ネットワークを介してビデオ・キャプチャ・ノードに通信することとを含んでもよい。
【0062】
もう一度、このような場合に、本方法には、ビデオ記憶ノードからの第1の検出信号をビデオ・キャプチャ・ノードで受信することと、ビデオ・キャプチャ・ノードの伝送バッファの内容値が所定の下位内容値を超過していない場合に第2の検出信号を生成することと、第1の検出信号の受信に応じて(たとえば、同時にもしくは後で)か、または第2の検出信号の生成に応じて(たとえば、同時にもしくは後で)、ビデオ・キャプチャ・ノードからのビデオデータ伝送を防止することとを、さらに含んでもよい。
【0063】
本方法は、ビデオ再生ノードによってレンダリングされるビデオ画像(および、適宜音声)の再生レートをビデオ再生ノードにおいて選択することと、その選択を、通信ネットワークを介してビデオ記憶ノードに通信することと、前記選択に従って、ビデオ記憶ノードに記憶されたビデオデータにタイムスタンプを施すこととを含み、前記タイムスタンプを備えたビデオデータを用いてビデオ再生ノードによってレンダリングされるビデオ画像を、選択されたビデオ再生レートでレンダリングするようにしてもよい。
【0064】
本方法には、通信ネットワークを用いた、通信ネットワークの前記ノード間の非同期通信を含んでもよい。
【0065】
本発明は、その第3の態様において、第2の態様の前述の好ましい特徴または変形のうちの一部を含むか、それらを含まないかまたは全てを含む、第2の態様における本発明に従う方法を実行するためのコンピュータ・コードを含むコンピュータ・プログラムおよび/またはコンピュータ・プログラム製品/キャリア(たとえばディスク、テープ、チップ)を提供してもよい。
【0066】
さらに、本発明は、その第3の態様において、第3の態様における本発明に従ってプログラムされたコンピュータ・ネットワーク(またはノード・ネットワーク装置のコンピュータ)を提供してもよい。
【0067】
複数の別個のネットワーク・ノードを含むコンピュータ・ネットワークを提供してもよいが、この各ネットワーク・ノードには、第3の態様における本発明に従って本方法を実行するようにプログラムされたコンピュータが、前記複数のネットワーク・ノードの1以上の他のノードのコンピュータと共に含まれる。
【0068】
本発明の第1の態様によるネットワーク・ノード装置を提供してもよいが、各前記ノード装置は、他の前記ノード装置のそれぞれとは別個の、パーソナル・コンピュータなどのコンピュータである。
【0069】
ここで、本発明の非限定的な例を、添付の図面に関連して説明する。
【0070】
図において、同様の機能的または技術的特徴は、一貫性のために共通の参照符号を割り当てられている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0071】
図1は、本発明の実施形態を実行するために、コンピュータ・ネットワーク(1)のネットワーク・ノード装置において実行されるソフトウェア・アプリケーションを概略的に示す。
【0072】
各アプリケーションは、別個のネットワーク・ノード装置(たとえばノード・コンピュータ)で実行してもよく、アプリケーションのいくつかは、同じネットワーク・ノード装置(たとえばノード・コンピュータ)で実行してもよい。
【0073】
ソフトウェア・アプリケーションには、ビデオ・キャプチャ・ソフトウェア・アプリケーション(2)が含まれるが、このアプリケーション(2)は、適切なビデオ・キャプチャ・ノード装置で実行される場合には、そのノード装置が、少なくとも画像、おそらくはまた画像および音声データを表わすビデオデータをキャプチャするのを、制御するように構成されている。ソフトウェア・アプリケーションにはまた、ビデオデータ記憶ソフトウェア・アプリケーション(3)およびビデオ再生ソフトウェア・アプリケーション(4)が含まれるが、これらのアプリケーションは、適切なビデオ記憶およびビデオ再生ノード装置でそれぞれ実行される場合には、それぞれのノード装置が、それぞれ、受信ビデオデータを記憶し、受信ビデオデータからビデオ画像(および、該当する場合には音声)をレンダリングするのを制御するように構成されている。
【0074】
ビデオ・キャプチャ・アプリケーション(2)、ビデオ記憶アプリケーション(3)およびビデオ再生アプリケーション(4)は、中央ネットワーク制御アプリケーション(7)が適切なネットワーク・ノード装置(たとえばノード・コンピュータ)で実行される場合には、中央ネットワーク制御アプリケーション(7)を介して制御されるように構成されている。各ソフトウェア・アプリケーションは、ネットワーク(1)の所与のネットワーク・ノード装置で実行される場合には、図1に示していないネットワーク通信装置(たとえば、およびイーサネット(登録商標))を用いて、他のソフトウェア・アプリケーションと通信する。ネットワーク通信装置はまた、ホスト・コンピュータ(6)を、中央ネットワーク制御ソフトウェア・アプリケーション(7)と通信させる。ホスト・コンピュータは、ユーザが、中央ネットワーク制御アプリケーションを介して、ビデオ・キャプチャ、ビデオ記憶およびビデオ再生アプリケーションの動作を遠隔で制御できる手段としての役割を果たし、またホスト・ソフトウェア・アプリケーションを含んでいるが、このホスト・ソフトウェア・アプリケーションは、ホスト・コンピュータで入力されるユーザ・コマンド信号から、中央ネットワーク制御アプリケーション(7)とコンパチブルな制御コマンド信号(11)を生成することを可能にし、かつ中央ネットワーク制御アプリケーションからホスト・コンピュータに送信された信号(12)から、ホスト・コンピュータ・システムおよびそのユーザとコンパチブルな信号を、ホスト・コンピュータ(6)で生成することを可能にする。
【0075】
ネットワーク診断ソフトウェア・アプリケーション(5)は、適切なネットワーク・ノード装置(たとえばコンピュータ)で実行される場合には、前述の任意のソフトウェア・アプリケーションの実行において発生する障害を検出および診断するために提供されている。このアプリケーションもまた、中央ネットワーク制御アプリケーション(7)と通信し、それによって制御されるように構成されている。
【0076】
ネットワーク診断ソフトウェア・アプリケーションは、次の機能の1つか、いくつかか、または全てを提供する。
(a)ネットワーク・ノード装置のソフトウェア・アプリケーションのそれぞれが生きている(すなわち動作中である)ことのリアルタイム・チェック。これが達成されるのは、受信側ソフトウェア・アプリケーションが、所定の返答メッセージで応答するように動作可能な所定のテスト・メッセージを伝送することによってである(たとえば「ピング」機構)。テスト・メッセージの伝送に続くこのような返答メッセージがないことは、受信側アプリケーションが動作していないことを示す。
(b)中央制御ソフトウェア・アプリケーションへの通信の直接の監視。
(c)ソフトウェア・アプリケーションの機能性テスト(たとえば、模擬コマンド信号を用いた)のオフラインでの実行。テストされているソフトウェア・アプリケーションの応答は、記録してもよい。多くのテストパターンを走行するテスト・コマンド信号の複雑なシーケンスを実行してもよい。
(d)ホスト・ソフトウェア・アプリケーションに診断情報を戻すこと。
【0077】
前述の各ネットワーク・ソフトウェア・アプリケーションは、別個のネットワーク・ノード装置で実行しても、またはこのようないくつかのソフトウェア・アプリケーションを、同じネットワーク・ノード装置で実行してもよい。たとえば、ビデオ・キャプチャ・ソフトウェア・アプリケーションは、ビデオ記憶アプリケーションと同じネットワーク・ノードで、同じノード装置(または同じ全体的なノード装置の、少なくとも異なる適切な部分)を用いて実行してもよく、ビデオ再生アプリケーションと同じであってもよい。同様に、ネットワーク診断ソフトウェア・アプリケーションおよび中央ネットワーク制御アプリケーションは、同じ全体的なノード装置を用いて、同じネットワーク・ノードで実行してもよい。
【0078】
使用において、中央ネットワーク制御ソフトウェア・アプリケーション(7)は、ホスト・コンピュータ(6)からユーザ・コマンド(11)を受信する。コマンドの性質を判定すると、中央ネットワーク制御アプリケーションは、関連するソフトウェア・アプリケーションが位置するネットワーク・ノードにコマンドを送る。したがって、ビデオ・キャプチャ・アプリケーション(2)に関連するユーザ・コマンド(14)は、そのアプリケーションを実行するように割り当てられたノードに送られる。ビデオ記憶アプリケーションに関連するコマンド(20)は、そのアプリケーションを実行するように割り当てられたノードに送られ、ビデオ再生アプリケーションに関連するコマンド(17)は、ビデオ画像および音声レンダリングを実行するように割り当てられたノードに送られる。
【0079】
ビデオ画像および/音声データのキャプチャのためのユーザ・コマンド(14)を受信すると、ビデオ・キャプチャ・アプリケーションは、ビデオ・キャプチャ・ノード装置を適切に動作させることによって、画像(および、必要ならば音声)をキャプチャする。それによってキャプチャされた、結果としてのビデオ(たとえば、オーディオ・ビジュアル)データ(13)は、続いて中央ネットワーク制御アプリケーションに送られ、そこからビデオ記憶ノード装置における記憶のために、ビデオ記憶アプリケーションに送られる(信号20)。同様に、ビデオ再生ノード装置におけるビデオ画像または音声の再生/レンダリングのためのユーザ・コマンド(11)を、中央ネットワーク制御装置が受信すると、ネットワーク制御アプリケーションは、ビデオ記憶アプリケーションおよびビデオ再生アプリケーション−これらは、典型的には、ネットワークのそれぞれ別個のノードに位置する−の両方の集中制御を実行する。取得コマンド(20)が、ネットワーク制御アプリケーションからビデオ記憶アプリケーションに送られ、そこで記憶されたビデオデータの取得が開始され、かつ取得ビデオデータ(19)が、ネットワーク通信装置を介して、中央ネットワーク制御アプリケーションへ、およびそこから、ビデオ再生アプリケーションによるレンダリングのために、ビデオ再生アプリケーションへと戻される(信号17)。ビデオ・レンダリング・アプリケーションからの伝送制御記号(18)の通信は、ネットワーク制御アプリケーションを介して、ビデオ記憶アプリケーションに送られる(20)。
【0080】
ネットワーク診断アプリケーションは、入力(16)および出力(15)または全ての制御信号およびその結果が通過する中央ネットワーク制御装置への信号を介して、他のネットワーク・アプリケーションと通信する。同様に、ネットワーク診断アプリケーションからの任意のまたは全ての診断信号(15)、ならびにユーザ・コマンド信号および伝送制御記号の任意のまたは全ての結果は、ユーザによる検討のためにホストアプリケーション(6)に送り返してもよい(信号12)。別個のネットワーク・ノード装置に位置するノード・アプリケーション間の全ての通信は、ネットワーク通信装置を介して行なわれる。たとえば、図1に示すノード・アプリケーションの各々が、それぞれ別個のネットワーク・ノードに位置する場合には、任意のあるアプリケーションと任意の他のアプリケーションとの間の通信手段は、ネットワーク通信装置である。したがって、このような場合に、信号(11)〜(20)は、それぞれ、ネットワーク通信装置を用いてネットワーク・ノード間を通過する。
【0081】
ビデオ・キャプチャ・ノード装置には、フォーマットがデジタルもしくはアナログの同時的なビデオ画像および音声データを生成するためのビデオカメラを含むか、または模擬画像を表わすかもしくは任意の形態の表示手段(たとえばレーダースクリーン、コックピット表示画像等)で表示される表示画像を表わす画像データを生成するための手段を含んでもよい。ビデオ・キャプチャ・ノードは、ネットワーク(1)の外部で生成されたこのようなビデオ画像データ(および、適宜関連する音声データ)を受信してもよい。
【0082】
ビデオ記憶ノード装置には、データの良好なマルチストリーミングを可能にするために、コンピュータ・ハード・ドライブまたはRAID構成に配列されたこのようなハード・ドライブのセットなどの読み出し/書き込みメモリ記憶装置を有するコンピュータ・システム(たとえば1以上のパーソナル・コンピュータ)を含んでもよい。代替または追加として、デジタルまたはアナログ記録フォーマットのビデオ記録装置(たとえば、DVDまたはビデオ・カセット・マシン等)のアレイなど、専用のビデオデータ記憶装置/データベースに接続され、かつそれへのアクセスを制御するように構成されたコンピュータ装置を用いてもよい。アナログ記憶フォーマットが用いられている場合には、記憶されたアナログデータを、そのネットワーク伝送の前にデジタル化できるように、かつネットワークを介してデジタル・フォーマットで受信されたキャプチャ・ビデオデータ(captured video data)を、記憶のためにアナログ・フォーマットにできるように、デジタル/アナログ変換手段(たとえばソフトウェア)を用いてもよい。
【0083】
ビデオ再生ノード装置には、デジタル・ビデオデータを受信するための、およびそこからビデオ画像(および、適宜音声)をレンダリングするための任意の適切な手段を含んでもよい。この装置には、コンピュータ手段を含んでもよいが、このコンピュータ手段は、ネットワーク通信手段からデジタル画像データを受信するための、およびこのコンピュータによって制御されるビジュアル表示手段に、受信データからレンダリングされたビデオ画像(および、適宜音声)を提供するための、パーソナル・コンピュータなどである。適切なビジュアル表示手段の例は、
PCのビジュアル表示ユニット(VDU)、
ノードのコンピュータ手段によって制御されたTVモニタ、
ノードのコンピュータによって制御された画像投影装置である。当業者に容易に明らかになるような他の例を用いてもよい。
【0084】
中央ネットワーク制御アプリケーションは、標準ウィンドウズ(登録商標)2000PC上で走行させてもよい。しかしながら、ウィンドウズ(登録商標)XPまたはその派生品を用いてもよく、実際には、当業者に容易に明らかになるような任意の適切なソフトウェアを用いてもよい。それは、ネットワーク・ノード装置の一部として、ネットワーク化された任意のマシンで走行させることができる。それは、通常、サーバとして働くマシンで走行される。なぜなら、サーバは、最良のネットワーク応答を備えているからであるが、しかし、これは本質的なことではない。ネットワーク診断アプリケーションはまた、任意のウィンドウズ(登録商標)2000(または他の)PC上で走行させてもよい。
【0085】
ネットワーク通信装置は、当業者に容易に明らかとなるような任意の適切な装置であってもよい。この装置は、有線もしくは無線(または両方の混合)のバス、スターまたはリングトポロジであってもよい。ネットワーク通信装置は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を提供してもよく、いくつかまたは多数の相互接続されたローカル・エリア・ネットワークまたは広域ネットワークを含むインターネットであってもよい。
【0086】
図2は、キャプチャ・ビデオデータ(すなわち、この場合にはオーディオ・ビジュアル画像データ)に関して、ビデオ・キャプチャ・アプリケーション(2)およびビデオ記憶アプリケーション(3)のビデオ記憶態様の実現例を概略的に示す。
【0087】
ビデオ画像データ(21)および関連するビデオ音声データ(22)は、ビデオ・キャプチャ・ノードに利用可能な任意の選択された数のデータ・キャプチャ・チャネルから、データ・キャプチャ・フィルタ・ソフトウェア・アプリケーション(23)によってキャプチャされる。データ・キャプチャ・チャネルの選択は、ホスト・コンピュータ(6)においてユーザによって行われ、その選択は、ネットワーク通信装置(8)および中央ネットワーク制御アプリケーション(7)を介して、ビデオ・キャプチャ・ノードに通信される。所与のデータチャネルの選択は、ビデオ・キャプチャ・ノードにおける同時的なデジタル・ビデオデータの生成を引き起こす(たとえば、ビデオカメラを作動させる)か、または単に、既存のデジタル・ビデオデータを、キャプチャ・フィルタ(23)に入力できるようにしてもよい。選択されたビデオデータは、キャプチャ・フィルタから圧縮ソフトアプリケーションに送られ、このアプリケーションが、当業者に容易に明らかとなるような任意の適切なデータ圧縮アルゴリズムに従って、受信ビデオデータ(画像および音声)を圧縮する。圧縮オーディオ・ビジュアル・データは、続いて、伝送バッファ・ソフトウェア・アプリケーション(26)を含む伝送フィルタ・ソフトウェア・アプリケーション(25)に送られるが、アプリケーション(26)は、それが受信したオーディオ・ビジュアル・データを、フレームごとに一時的に保持する。伝送バッファ・アプリケーションによってFIFO(先入れ先出し法)バッファ機能が提供され、それによって、ビデオ・キャプチャ・ノードをネットワーク通信装置(8)に接続するネットワーク・ソケット接続部(27)を介し、伝送フィルタ・アプリケーションによってビデオ・キャプチャ・ノード(2)から伝送される順番をそれぞれ待っているバッファされたビデオ・フレーム(画像フレームおよび関連する音声フレーム・データ)のキューが形成される。
【0088】
ビデオ・フレームは、IP(インターネット・プロトコル)伝送プロトコルを用いて、ビデオ・キャプチャ・ノードの伝送フィルタ(25)によって伝送され、ネットワークのビデオ記憶ノード(3)にアドレス指定される。ビデオ・フレームは、ビデオ記憶ノードによって、そのネットワーク・ソケット接続部(29)で受信され、受信フレームは、受信フィルタ・ソフトウェア・アプリケーション(30)に送られる。
【0089】
受信フィルタ・アプリケーションには受信バッファ・ソフトウェア・アプリケーション(31)が含まれるが、このアプリケーション(31)は、それが受信したオーディオ・ビジュアル・フレーム・データを、フレームごとに、一時的に保持する。受信バッファ・アプリケーションによってFIFOバッファ機能が提供され、それによって、ビデオ記憶ノードにより記憶される順番をそれぞれ待っているバッファされたオーディオ・ビジュアル・データフレームのキューが形成される。ファイル・ライタ・ソフトウェア・アプリケーション(32)が、受信バッファに一時的に保持されたオーディオ・ビジュアル・ビデオデータの物理的記憶を制御するのは、ビデオ記憶ノードのビデオ記憶装置(33)が、より多くのビデオデータを受信しかつ保存する準備ができている−すなわち、ファイル・ライタ・アプリケーション(32)が、ビデオ記憶装置(33)によって維持可能なデータ記憶レートに従って記憶ノード(3)においてビデオデータの要求レートを規制する場合のみ、受信バッファからビデオデータの新しいフレームを読み出すことによってである。この例において、この記憶装置は、ハード・ドライブまたはRAIDとして構成されたハード・ドライブのセットなどのコンピュータ・ディスク記憶装置である(代替として、読み出し/書き込みDVDデータベースを用いてもよい)。
【0090】
ビデオ記憶アプリケーション(3)には伝送制御ソフトウェア・アプリケーションが含まれるが、この伝送制御ソフトウェア・アプリケーションは、受信バッファ・アプリケーション(31)の内容値が所定の上位内容値を超えたとき(たとえば、バッファが完全に満杯になったとき)にこれを検出し、かつこの事実を、ネットワーク(8)を介してビデオ・キャプチャ・アプリケーション(2)に通信するように構成されている。同様に、ビデオ・キャプチャ・アプリケーション(2)には伝送制御ソフトウェア・アプリケーションが含まれるが、この伝送制御ソフトウェア・アプリケーションは、ビデオ記憶ノードからこのような伝送制御記号を受信し、かつ、ビデオ・キャプチャ・ノードの伝送バッファの内容が、所定の下位内容値に達したとき(たとえば、伝送バッファが完全に空になったとき)にこれを検出するように構成されている。ビデオ・キャプチャ・ノードの伝送制御装置は、前述のバッファ条件のどちらかが生じた場合に、伝送フィルタ(25)からのビデオデータ・フレームのさらなる伝送を防止するようにさらに構成されている。したがって、ビデオ記憶ノードの受信フィルタ・アプリケーション(30)は、ネットワークを介して、ビデオ・キャプチャ・ノードの伝送フィルタ・アプリケーション(25)と通信して、伝送バッファの内容が所与の下位内容レベルを超過しかつ受信バッファが所与の上位内容レベルを超過していない間だけ、伝送フィルタがビデオ・フレーム・データをビデオ記憶ノードに伝送することを、保証するようにする。伝送が行なわれる場合には、伝送は、通信ネットワーク装置(8)にサポートされた最大データ伝送速度で行なわれる。これがイーサネット(登録商標)・ネットワーク装置である場合には、このような伝送は、約1ギガビット/秒までのデータ速度で行なうことが可能である。
【0091】
図3は、ビデオ記憶ノードにおける記憶装置から取得される、記憶されたオーディオ・ビジュアル・ビデオデータに関して、ビデオ再生アプリケーション(4)、およびビデオ記憶アプリケーション(3)のビデオ取得態様の実現例を概略的に示す。
【0092】
ホスト・コンピュータ・アプリケーション(6)で入力されたユーザ・コマンドは、ビデオ記憶ノードのファイル・リーダ・アプリケーションによって受信され、ファイル・リーダ・フィルタ(34)に送られる。受信ユーザ・コマンドに応じて、ファイル・リーダ・フィルタ・ソフトウェア・アプリケーションは、ビデオ記憶装置(33)から、ユーザによって選択されたオーディオ・ビジュアル・ビデオデータを取得する。ファイル・リーダ・フィルタ・アプリケーションは、選択されたビデオデータを、タイムスタンプ・フィルタ・ソフトウェア・アプリケーション(35)に送り、このアプリケーション(35)は、ビデオ・フレームがビデオ再生ノードでレンダリングされることになる選択されたビデオ・フレーム・レートに従って、自身が受信したビデオデータに適切なタイムスタンプを施す。タイムスタンプされたビデオデータは、タイムスタンプ・フィルタ・ソフトウェア・アプリケーション(35)から、伝送フィルタ・アプリケーション(36)に送られるが、このアプリケーション(36)には、自身が受信したオーディオ・ビジュアル・データをフレームごとに一時的に保持する、ソフトウェア・アプリケーション(37)用の伝送が含まれる。伝送バッファ・アプリケーションによってFIFOバッファ機能が提供され、それによって、伝送フィルタ・アプリケーションによりビデオ記憶ノード(3)から、ビデオ記憶ノードをネットワーク通信装置(8)に接続するネットワーク・ソケット接続部(38)から伝送される順番をそれぞれ待っているバッファされたビデオ・フレームのキューが形成される。ビデオ・フレームは、IP伝送プロトコルを用いて、伝送フィルタ(36)によって伝送され、ビデオ再生ノード(4)にアドレス指定される。これらの伝送されたビデオ・フレームは、ビデオ再生ノード(4)において、そのネットワーク・ソケット接続部(39)で受信され、それからビデオ・フレームは、受信フィルタ・ソフトウェア・アプリケーション(40)に送られる。この受信フィルタ・アプリケーションには受信バッファ・ソフトウェア・アプリケーション(41)が含まれ、このアプリケーション(41)は、自身が受信したオーディオ・ビジュアル・データをフレームごとに一時的に保持する。受信バッファ・アプリケーションによってFIFOバッファ機能が提供され、それによって、ビデオ再生ノードのビデオ画像(または音声)レンダリング手段においてレンダリングされる順番をそれぞれ待っているバッファされたビデオ・フレームのキューが形成される。ビデオ・フレーム・データは、ビデオ再生ノードの画像/音声レンダリング装置がバッファから別のフレームを受け入れる準備ができている場合のみ、ビデオ再生ノードの受信バッファ(41)から取られる。この条件が生じた場合に、受信バッファの先頭のビデオ・フレーム・データが、データ・デコンプレッサ・ソフトウェア・アプリケーション(42)に送られ、ビデオ・キャプチャ・ノード(2)のデータ圧縮ソフトウェア・アプリケーション(24)で施された圧縮が逆転される。解凍に続いて、解凍ビデオデータ・フレームが、ビデオ・レンダリング装置(43)に送られ、ビデオ画像および任意の関連するビデオ音声が、オーディオ・ビジュアル出力(44)としてレンダリングされる。
【0093】
ビデオ記憶ノードの伝送フィルタ・アプリケーション(36)は、その伝送バッファの内容が所定の下位内容値を超過している間(たとえば、バッファが空以外である間)、かつビデオ再生ノードにおける受信フィルタ・アプリケーション(40)の受信バッファ(41)の内容が、所定の上位内容値を超過していない(たとえば、それが完全に満杯ではない)間だけ、その伝送バッファ(37)からビデオデータ・フレームを伝送するように構成されている。これが達成されるのは、ビデオ再生ノードにおける受信バッファ(41)の内容値が問題になっている所定の上位内容値を超過したときを検出し、かつこのような検出を、ネットワーク装置(8)を介してビデオ記憶ノードに通信するように構成された伝送制御記憶アプリケーションを、ビデオ再生ノードに提供することによってである。これに関連して、ビデオ記憶ノードは、伝送制御ソフトウェア・アプリケーションを提供されているが、このアプリケーションは、ビデオ再生ノードから発するこのような伝送制御記号を受信し、かつビデオ記憶ノードの伝送バッファ(37)の内容値が、前述した所定の下位内容値を超過していないときを検出するように構成されている。ビデオ記憶ノードの伝送制御ソフトウェア・アプリケーションは、これらの2つのバッファ内容条件のどちらかが発生した場合に、その伝送フィルタ(36)からのビデオデータ伝送を防止するようにさらに構成されている。
【0094】
ビデオ記憶ノードとビデオ再生ノードとの間の、ビデオ・フレーム・データおよび伝送制御記号の伝送は、ネットワーク通信手段(8)にサポートされた最大データ伝送速度で行なわれる。
【0095】
ビデオ記憶ノード(31)およびビデオ再生ノード(41)両方の受信バッファの所定の内容値は、バッファ容量の所定の部分が未使用である場合の、それぞれのバッファの内容に一致する。この所定の部分は、第1の検出信号(所与の受信バッファから対応する伝送バッファへの)の通信と、それに続く、第1の検出信号に応じた、対応する伝送バッファによるビデオデータ伝送の防止との間の時間間隔中に、伝送バッファ(26または37)によってノード(31)およびノード(41)に伝送されるビデオデータを入れるために十分である。ビデオ・キャプチャ・ノードおよびビデオ記憶ノードのどちらか(またはそれぞれ)の伝送制御手段は、全ビデオ・フレームに対応するビデオデータの伝送の完了後に第1の検出信号の受信に応じて(このようなデータの伝送が第1の検出信号の受信の前に始まった場合には)、ビデオ・キャプチャ・ノードおよびビデオ記憶ノードのどちらか(またはそれぞれ)から、ビデオ記憶またはビデオ再生ノードそれぞれへのビデオデータ伝送を防止するように動作可能である。これによって、ビデオ・フレームの不完全な伝送が防止される。所定の部分は、ネットワークを横断するビデオデータ伝送速度と、ビデオ再生ノードのビデオ・レンダラにおける全ビデオ・フレームの期間との積の2倍に等しくてもよい。
【0096】
上位内容値の決定は、消費速度(たとえば33.3ミリ秒で1フレーム)および伝送速度(たとえば10Mバイト/秒)プラス、伝送バッファからのビデオデータの伝送を防止する際の遅延に基づいている。
【0097】
たとえば、10M*0.033=1フレームで伝送できるデータ量=346K。
【0098】
しかしながら、第1の検出信号が伝送ノードで受信されたときに、フレームが伝送中である可能性があり、かつそのフレームの全てを伝送することが望まれる場合には、上位内容値を692K(すなわち346Kの2倍)と等しくすることが必要である。良好で途切れのないビデオ・レンダリングを保証するために、5〜10秒のビデオ・レンダリングに対応するビデオデータを記憶する容量を備えたバッファが、一般に用いられる。容量が4Mバイト〜10Mバイトのバッファが用いられ、上位内容値が、上端から1Mバイト(すなわち、最高限度から1Mバイト下)にセットされる。もちろん、これは変更してもよい。
【0099】
ビデオ再生ノード・ソフトウェア・アプリケーションにはビデオ再生選択ソフトウェア・アプリケーションが含まれるが、このビデオ再生選択ソフトウェア・アプリケーションは、実行された場合に、ビデオ再生ノードのレンダリング装置によってレンダリングされるビデオ・フレームのビデオ・フレーム・レートを選択するように、およびこの選択を、ネットワーク(8)を介して、ビデオ記憶ノードのタイムスタンプ・フィルタ・アプリケーション(35)に伝送するように、構成されている。したがって、ビデオ記憶ノードにおけるタイムスタンプ・フィルタ・アプリケーション(35)は、選択されたビデオ・フレーム・レートに従って、ファイル・リーダ・フィルタ・アプリケーション(34)によって自身に送られたビデオデータ・フレームにタイムスタンプを施すように構成されている。このようにして各ビデオデータ・フレームに施されるタイムスタンプは、タイムスタンプ・フィルタによって選択され、このようなタイムスタンプを含むビデオデータ・フレームを用いてビデオ再生ノードによってレンダリングされるビデオ画像(また関連する音声)が、選択されたビデオ・フレーム・レートでレンダリングされるようにする。たとえば、早送り、スロー送り、停止、および他のこのようなビデオ・フレーム・レートを、この技術によって実現可能である。たとえば、0.01〜100.0のビデオ・フレーム・レートが可能である。その理由は、ビデオデータ・フレームを所定の時間シーケンスで(すなわち、所定の時間的なフレーム分離で)生成可能である一方で、この所定のフレーム間時間関係が、連続的なフレーム間の時間分離を示す適切なタイムスタンプを各フレームに施すことによって、フレーム記憶中に維持されるだけだからである。本発明によると、このフレーム間時間関係は、フレーム間時間間隔を増加するかまたは縮小するような方法で、各記憶されたビデオ・フレームに存在するタイムスタンプを修正するか、またはそれに新しいタイムスタンプを施すことによって修正してもよい。したがって、それに対応して、このような修正フレームのレンダリングに際し、フレーム・レンダリング・レートは、増加または低減される。
【0100】
タイムスタンプ・フィルタは、各フレーム・タイムスタンプを操作して、時間的に連続的なフレームフローをレンダラに提供する。再生レートが増加された場合には、秒ごとのフレーム数は、通常レートと同じに保たれるが、レンダラに送られるフレームは、連続的な順序になっていない。たとえば、
通常レート
フレームNo 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9...等
2×レート
フレームNo 0 2 4 6 8...等
4×レート
フレームNo 0 4 8...等
【0101】
次に、タイムスタンプ・フィルタは、フレームが要求されたレートを維持するように、レンダラがフレームを表示すべき時間を再計算する。たとえば、
2×レート
フレームNo 0 2 4 6 8...等
タイムスタンプ・ミリ秒 0.0 33.33 66.66 99.99 133.33
【0102】
ビデオをより遅く映す必要がある場合には、各フレームは読み出されるが、しかし各フレーム上のタイムスタンプは、そのようなレートで分割される。
1/2レート
フレームNo 0 1 2 3 4 ...等
タイムスタンプ・ミリ秒 0.0 66.66 133.33 200.0 266.66
「奇数の(odd)」フレーム値を可能にするために、ファイル・リーダは、100フレームのシーケンスにおいて、「フレーム」カウンティングによってフレームを読み出す。次に、抽出されたフレームは、上記のように、それらのタイムスタンプを、タイムスタンプ・フィルタで再計算される。これによって、1/100レート〜100×レートのレートが可能になる。
【0103】
また、ファイル・リーダと共にタイムスタンプ・フィルタを用いて、デシメーションを可能にする。これによって、利用可能な帯域幅に適合するように、伝送されるフレーム数を低減することが可能になる。たとえば、
50%フレーム・デシメーション
フレームNo 0 2 4 6 8 ...等
タイムスタンプ・ミリ秒 0.0 66.66 133.33 200.0 266.66
【0104】
正しいフレームが正しい時間に再生されるが、しかし中間フレームは省略される。レート変更およびそのようなフレーム・デシメーションの両方を有することは、理にかなっている。すなわち、
50%フレーム・デシメーション、2×レート
フレームNo 0 2 4 6 8...等
タイムスタンプ・ミリ秒 0.0 133.33 266.66 400.0 533.55
【0105】
負荷管理モジュールL(450)は、システムにおける負荷を変更するように動作可能であり、ネットワークを通じて伝送されるフレーム数を、ネットワークにサポートされた最大データ伝送速度および再生ノードでビデオ・フレームをレンダリングできる最大レートに低減する目的を有する。これが達成されるのは、ビデオ記憶ノード3およびビデオ再生ノード4の両方に含まれるデータフロー制御ソフトウェア・アプリケーションを用いることによってである。これが達成されるのは、ファイル・リーダ・アプリケーション(34)への入力用に、負荷管理モジュール450においてフレーム・デシメーション制御信号460を生成し、そしてタイムスタンプ・フィルタ・アプリケーション(35)において所与のビデオ・シーケンス内における中間タイムスタンプおよびそれぞれの中間フレームを省略することによって、上述のようにフレーム・デシメーションに影響を与えるようにすることによってである。
【0106】
ビデオ・レンダラが、自身に送信されたフレームの全てをレンダリングすることには失敗した場合、それは、伝送時間を無駄にしただけであり、レンダラは、それがレンダリングできないフレームを受信する必要性から、フレームをレンダリングすることは防止される。データフロー制御手段は、ビデオ再生ノードにおいて、そのフレーム・レンダリングの同時的なレートおよびその受信バッファ手段の内容を収集し、かつ収集情報をビデオ記憶ノード(3)に伝送するように動作可能である。ビデオ記憶ノードのデータフロー制御ソフトウェア・アプリケーションは、ファイル・リーダ・ソフトウェア・アプリケーション(34)およびタイムスタンプ・フィルタ・アプリケーション(35)を介して、ビデオ再生ノードに伝送されるビデオ・フレーム・シーケンス内から、デシメーションを通して選択されるフレームの割合を増加または低減するように動作可能である。デシメーションの程度は、ビデオ再生ノードからの収集情報に従って選択される。ビデオ記憶ノードのデータフロー制御手段(すなわち負荷管理モジュールL)は、ビデオ再生ノードの受信バッファの内容値が、図6に示す「高マーカー」(600)によって表わされる所与の内容値を超過するまで、ビデオ再生ノードに伝送されるフレーム・シーケンスから選択されるフレームの割合を周期的に増加させる(すなわち周期的にフレーム・デシメーションの程度を低減することによって)ように動作可能である。ビデオ再生ノードのデータフロー制御ソフトウェア・アプリケーションは、その受信バッファ(41)の内容値が「高マーカー」内容値(600)を超過する場合に、前述の同時的なデータを収集および伝送するように動作可能であり、またビデオ記憶ノード(3)のデータフロー制御手段は、このような収集情報の受信に応じて、それが伝送しているビデオ・シーケンスのフレーム・デシメーション・レートを増加し、その伝送されているフレームの割合を低減するようにする。したがって、受信バッファ(41)の内容が「高マーカー」内容レベルを超過するときはいつでも、ビデオ記憶ノードにおけるフレーム・デシメーション・レートの安定した減少が、ビデオ再生アプリケーション(4)からビデオ記憶ノード(3)へのデータフロー制御信号(800)によって中断され、これに応じて、フレーム・デシメーション・レートが増加されるという結果を伴う。フレーム・デシメーション・レートの増加は、受信バッファ(41)のより遅い「上積み」に帰着し、それによって、ビデオ再生ノードのビデオ・レンダラが、受信バッファの内容値を「高マーカー」値より下に減少させるのに十分な程度にまで、受信バッファを減らすことが可能になる。フレーム・デシメーション・レートの安定した減少は、デシメーション・レートの周期的な増加のそれぞれに続いて起こり、それによって、ネットワークを横断するデータフロー・レートが周期的に更新され、再生ノード(4)の受信バッファ(41)に、高マーカー内容値のあたりで、離れず/変動させることが保証される。
【0107】
受信バッファ(41)の内容値が「低マーカー」内容レベル(700)より下に低下した場合には、データフロー制御手段は、ネットワーク通信手段を横断して負荷管理モジュールLに制御メッセージ(800)を伝送するように動作可能であり、それに応じて、フレーム・デシメーション制御信号(460)が、フレーム・デシメーション・レートを減少させるために生成され、それによって、ビデオ再生ノードの受信バッファ(41)に伝送されるデータのレートが増加される。図7に示すように、新しいフレーム・デシメーション・レート(および、したがって、新しいデータ伝送速度)を計算する場合には、4つの要素が考慮される。データフロー制御ソフトウェア・アプリケーション(「フロー・コントローラ」)は次の情報を収集する。すなわち、
ユーザが選択したようにレンダリングされるビデオの「質」(すなわちフレーム・デシメーション・レートの選択)。キャプチャ・ビデオデータのフレーム・レートである「ファイル・フレーム・レート」。
ビデオ再生ノードのレンダラでレンダリングされるフレームの「再生レート」。およびビデオ再生ノードの受信バッファ(41)の現在の内容レベル。この情報は、データフロー制御ソフトウェア・アプリケーションによって収集され、負荷管理モジュール(450)に入力され、このモジュール(450)が、この情報およびまたフレーム・デシメーション制御信号(460)に基づいて新しいデータ伝送速度を計算し、これを介して、新しく計算されたデータ伝送速度が実行される。ビデオ再生ノードのデータフロー制御ソフトウェア・アプリケーションは、レンダラ・フレーム・レートおよび受信バッファ内容レベルを収集して、そのデータを負荷管理モジュール(450)に伝送する。このような収集情報がビデオ再生ノードから送信されていない場合には、フレーム・デシメーション・レートは、ビデオ再生ノードの受信バッファ(41)の内容レベルが高マーカー・レベルを超過している場合に結果としてもたらされる、フレーム・デシメーションにおける増加レートよりはるかに遅いレートで、連続的に低減される。フレーム・デシメーションにおけるこの迅速な増加レートは、典型的には、フレーム・デシメーション・レートにおける続く減少レートより10倍大きい。これはまた、フレーム・デシメーション・レートの増加により、レンダリングされるビデオデータの品質係数を下げることによって、遅いネットワーク接続を用いることを可能にする。データフロー制御手段がこれを達成するのは、次のように、ビデオ再生ノードの受信バッファ(41)の内容値を監視することによってである。その内容レベルがより高マーカー値を超過する場合には、フロー制御信号が、ビデオ再生ノードからビデオ記憶ノードに伝送され、そこでフレーム・デシメーション・レートを増加させる。反対に、バッファ内容値が低マーカー値より低い場合には、フロー制御信号がビデオ記憶ノードに伝送されて、フレーム・デシメーション・レートを低減し、それによって、受信バッファ(41)へのデータ伝送速度を増加させる。全てのフレーム・デシメーション・レート更新は、所定の数の伝送されたビデオ・フレーム(たとえば100フレームごと)の最後に行なってもよい。これには、レンダリング・レートの過渡変化の結果である不必要な変更を停止する利益がある。
【0108】
図4は本発明の一例を示すが、ここでネットワーク・ノード装置は、ネットワーク・スイッチング・ハブ装置(47)を含むスター・ネットワーク形状で、ネットワーク通信装置(8)と共に配列されている。図4はまた、本発明に従って可能なネットワーク・ノードの物理的分離の一例を概略的に示す。ネットワーク・ハブ装置(47)と、中央ネットワーク制御アプリケーションを実行し、かつビデオデータ用の記憶設備を提供するコンピュータ(7)と、パーソナル・コンピュータ(46)を含む第1のビデオ・キャプチャ・ノードと、パーソナル・コンピュータ(49)をまた含むビデオ再生ノードと、パーソナル・コンピュータ(ビデオ表示グラフィックスの生成のための)を含むフライト・ビジュアル(flight visual)・コンピュータ・システム(6)とが、それぞれ「コンピュータ・ルーム」に位置している。ネットワークの全ての他のノードは、物理的に別個の「シアター」ルームに位置し、次のものを含む。すなわち、
ビデオ・キャプチャ・カードを介してPALビデオカメラに接続されたパーソナル・コンピュータを含む第2のビデオ・キャプチャ・ノード(45)と、ユーザが、ネットワークを全体(たとえば、少なくともビデオ記憶および再生ノード)として制御できるように動作可能なパーソナル・コンピュータを含むユーザ・インタフェースを備えたホスト・コンピュータ(48)と、パーソナル・コンピュータをまた含む第2のビデオ再生ノード(50)と、である。さらに、コンピュータ・ルームに位置する第1のビデオ再生ノード(49)およびシアター・ルームに位置する第2のビデオ再生ノード(50)は、それぞれの、シアター・ルーム内に各々位置している画像投影装置(それぞれ54および52)をそれぞれ制御するように構成されているが、その制御には、それぞれのビデオ再生ノードが、コンピュータ・ルームに位置するビデオ記憶ノード(7)から自身で受信したビデオデータに従って生成した適切なプロジェクタ制御信号(それぞれ53および51)を用いる。第1のビデオ・キャプチャ・ノード(46)は、ノード(6)からビデオデータを受信するように構成されているが、このノード(6)は、60Hzで1280×1024の高解像度コンポーネント・ビデオのリアルタイム・ビジュアル表示グラフィックスを生成するように構成されたPC形態をしている。ビデオは、第1のキャプチャ・ノード(46)において、高周波キャプチャ・カードでキャプチャされる。
【0109】
図5は混合ネットワーク・トポロジを示すが、この場合、別個のビデオ・キャプチャ・ノード(2)およびビデオ再生ノード(3)が、共通ネットワーク・スイッチング・ハブ(62)を中心にスター・トポロジを形成する別個のパーソナル・コンピュータ装置の形態で提供されている。このような各スター・ネットワークは、専用の中央(スター)ネットワーク制御アプリケーションおよびビデオ記憶装置(61)を有する。4つのこのようなスター・ネットワーク・トポロジが図5に示され、それぞれが基幹ギガビット・ネットワーク・バックボーン(8)に接続され、またこのネットワーク(8)には、専用のネットワーク・スイッチ・ハブ(63)およびこのスイッチ・ハブ(63)に接続された3つの別個のビデオ再生ノード(64)をそれぞれ含む2つの別個のスター・ネットワークが接続され、各ビデオ再生ノード(64)には、ビジュアル表示ユニットを装着したパーソナル・コンピュータが含まれる。ネットワーク装置の使用を制御するためのホスト・コンピュータがまたギガビット・バックボーン・ネットワーク(8)に接続されているが、明瞭にするために、図5には示していない。
【0110】
PC(60)はそれぞれ、60Hzで1280×1024までの高解像度コンポーネント・ビデオデータをキャプチャおよび生成することができる。キャプチャされたビデオは、サーバ(61)に記憶される。ビデオ・キャプチャ・アプリケーションは、キャプチャ・ビデオデータを、ビデオ・コンプレッサを通して、次に伝送フィルタ・ソフトウェア・アプリケーションへ送り、そこから次に、このビデオデータはサーバに送信される。サーバにおいて、受信ビデオは、ファイル・ライタ・ソフトウェア・アプリケーションによって、ディスク・ビデオ記憶手段に書き込まれる。
【0111】
したがって、本発明に従い、多数のマシンにわたって広がった多数のビデオ・キャプチャ、ビデオ記憶およびビデオ再生アプリケーションを含む、ノード・ネットワーク装置の大きなネットワークを提供してもよい。ビデオ再生ノードは、LANおよびWANにわたって配分してもよい。ビデオ・キャプチャおよびビデオ再生ノードにおけるソフトウェア圧縮および解凍を、ハードウェアの代わりにソフトウェア圧縮および解凍を用いて実行し、それによって、圧縮および解凍方法をビデオ・コンテンツに対応させる際に柔軟性を可能にしてもよい。汎用ハードウェアを用いて、本発明の任意のソフトウェア・アプリケーションを実行し、それによって、より大きな柔軟性を可能にし、注文ハードウェアを用いる必要を低減してもよい。特に、ビデオ・キャプチャ、ビデオ記憶およびビデオ再生アプリケーションの、ならびにまたネットワーク診断および中央制御アプリケーションの、ネットワークベースのアーキテクチャによって、計算負荷をネットワークにわたって分散することが可能になり、それによって、各ノード装置に要求される負荷が低減され、結果として、より高いビデオデータ伝送速度を用いることができる。本発明に従って、ビデオ・キャプチャ、ビデオ記憶およびビデオ再生アプリケーション間でのように、バッファリングを用いることによって、同期式のキャプチャおよび再生要素が分離され、また他の状況では、断続的なデータ遅延、および結果としての「フレーム・ジッタ」を持ち込むであろう汎用コンピュータ・ネットワークにわたる構成要素の非同期式の利用が可能になる。
【0112】
本発明の任意の態様によるネットワーク・ノード装置は、ビデオおよび音声の高忠実度記録および再生のために設計可能である。ビデオデータは、次の信号タイプをどれでも任意に混合して含んでもよい。すなわち、24ビットまたはl6ビットRGBおよび8ビット白黒コンポジットにおいて、60Hzで1600×1200までの高周波コンポーネント・ビデオ。24ビットまたは16ビットのRGBおよび8ビット白黒におけるSビデオPALまたはNTSC、ならびに標準PCまたはマイクロホン入力を用いる音声である。本発明の任意の態様において、ネットワーク・ノード装置には、標準の商用PCワークステーションおよびサーバを利用し、それによって、システムを柔軟で拡張可能にしてもよい。上記で言及した任意のソフトウェア・アプリケーションを、任意のウィンドウズ(登録商標)2000ベースのPC(ウィンドウズ(登録商標)XP、その派生品、または当業者に容易に明らかとなるような任意の適切なソフトウェアを用いてもよい)で実行してもよい。当業者に容易に利用可能であるような、上記の実施形態の修正または変更を、本発明の範囲から逸脱せずになし得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】複数の別個のネットワーク・ノードを含むコンピュータ・ネットワークの構成要素において実行されるソフトウェア・アプリケーションを概略的に示す。
【図2】ビデオ・キャプチャ・ノードおよびビデオ記憶ノードの機能を概略的に示すが、ビデオ・キャプチャ・ノードは、コンピュータ・ネットワーク通信リンクを介してビデオ記憶ノードと通信する。
【図3】ビデオ記憶ノードおよびビデオ再生ノードの機能を示すが、ビデオ記憶ノードは、コンピュータ・ネットワーク通信リンクを介してビデオ再生ノードと通信する。
【図4】いくつかのビデオ・キャプチャ・ノード、ビデオ記憶ノードおよびいくつかのビデオ再生ノードを含むスター・ネットワーク構成のコンピュータ・ネットワークを概略的に示すが、前述の各ノードは、パーソナル・コンピュータ(PC)によって提供される。
【図5】複数のビデオ・キャプチャ・ノードおよびビデオ記憶ノード、ならびに複数のビデオ再生ノードを含むバス・トポロジに構成された通信ネットワークを概略的に示すが、各ノードは、バス通信ネットワークを介してビデオ・キャプチャおよびビデオ記憶ノードと通信するように構成されたパーソナル・コンピュータの形態で提供される。
【図6】ビデオ記憶ノードおよびビデオ再生ノード間としてデータフロー制御アプリケーションを示す。
【図7】データフロー制御アプリケーションによるデータフロー制御信号の計算を概略的に示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノード装置を動作可能に結合するように構成された通信ネットワーク手段のそれぞれ別個のノードにおける、ビデオデータの記憶および再生のためのネットワーク・ノード装置であって、前記ノード装置が、
ビデオデータを記憶し、かつ記憶されたデータを前記通信ネットワーク手段を介して伝送するように構成されたビデオ記憶ノードと、
前記ビデオ記憶ノードによって伝送されたビデオデータを、前記通信ネットワーク手段を介して受信し、かつビデオデータから画像をレンダリングするように構成されたビデオ再生ノードと、
を含み、
前記ビデオ記憶ノードが、記憶されたビデオデータを一時的に保持するための伝送バッファ手段を有し、前記ビデオ再生ノードが、それが受信した前記ビデオデータを一時的に保持するための受信バッファ手段を有し、前記ビデオ記憶ノードが、前記伝送バッファ手段の内容が所定の下位内容値に一致または超過しかつ前記受信バッファ手段の内容が所定の上位内容値を超過していない場合のみ、ビデオデータを前記ビデオ再生ノードに伝送するように動作可能であるネットワーク・ノード装置。
【請求項2】
前記ビデオ記憶ノードが、その前記伝送バッファに一時的に記憶されたデータを、前記通信ネットワーク手段にサポートされた最大データ伝送速度で伝送するように構成されている、請求項1に記載のネットワーク・ノード装置。
【請求項3】
画像を表わすビデオデータをキャプチャするための、かつ前記ビデオデータを、前記通信ネットワーク手段を介して前記ビデオ記憶手段に伝送するように構成されたビデオ・キャプチャ・ノードをさらに含む、請求項1または2に記載のネットワーク・ノード装置であって、前記ビデオ記憶ノードが、そこにおける前記記憶のために、前記ビデオ・キャプチャ・ノードから伝送された前記ビデオデータを受信するように構成されているネットワーク・ノード装置。
【請求項4】
前記ビデオ・キャプチャ・ノードが、前記キャプチャ・ビデオデータを一時的に保持するための伝送バッファ手段を有し、前記ビデオ記憶ノードが、それが受信したビデオデータを一時的に保持するための受信バッファ手段を有し、前記ビデオ・キャプチャ・ノードが、その伝送バッファ手段の内容が所定の下位内容レベルに一致または超過しかつ前記ビデオ記憶ノードの前記受信バッファ手段の内容が所定の上位内容レベルを超過していない場合のみ、ビデオデータを前記ビデオ記憶ノードに伝送するように動作可能である、請求項3に記載のネットワーク・ノード装置。
【請求項5】
前記ビデオ・キャプチャ・ノードが、その前記伝送バッファに一時的に保持されたデータを、前記通信ネットワーク手段にサポートされた最大データ伝送速度で伝送するように構成されている、請求項4に記載のネットワーク・ノード装置。
【請求項6】
前記所定の上位内容値が、満杯のときの前記それぞれの受信バッファの内容に一致する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のネットワーク・ノード装置。
【請求項7】
前記所定の下位内容値が、空のときの前記それぞれの伝送バッファの内容に一致する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のネットワーク・ノード装置。
【請求項8】
前記ビデオ再生ノードが伝送制御手段を含み、前記伝送制御手段が、前記ビデオ再生ノードの前記受信バッファの内容値が前記所定の上位内容値と一致または超過したときを検出し、かつ前記検出を、第1の検出信号として、前記ネットワークを介して前記ビデオ記憶ノードに通信するように構成され、
前記ビデオ記憶ノードが伝送制御手段を含み、前記伝送制御手段が、前記ビデオ再生ノードから第1の検出データを受信し、前記ビデオ記憶ノードの前記伝送バッファの内容値が前記所定の下位内容値を超過していない場合には第2の検出信号を生成し、かつ前記第1の検出信号の受信に応じてかまたは前記第2の検出信号の生成に応じて、前記ビデオ記憶ノードから前記ビデオ再生ノードへのビデオデータ伝送を防止するように構成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のネットワーク・ノード装置。
【請求項9】
前記ビデオ記憶ノードが伝送制御手段を含み、前記伝送制御手段が、前記ビデオ記憶ノードの前記受信バッファの内容値が前記所定の上位内容値に一致または超過したときを検出し、かつ前記検出を、第1の検出信号として、前記ネットワークを介して前記ビデオ・キャプチャ・ノードに通信するように構成され、
前記ビデオ・キャプチャ・ノードが伝送制御手段を含み、前記伝送制御手段が、前記ビデオ記憶ノードから第1の検出信号を受信し、前記ビデオ・キャプチャ・ノードの前記伝送バッファの内容値が前記所定の下位内容値を超過していない場合には第2の検出信号を生成し、かつ前記第1の検出信号の受信に応じてかまたは前記第2の検出信号の生成に応じて、前記ビデオ・キャプチャ・ノードから前記ビデオ記憶ノードへのビデオデータ伝送を防止するように構成されている、請求項3に従属する場合の請求項1〜8のいずれか一項に記載のネットワーク・ノード装置。
【請求項10】
前記ビデオ再生ノードが、それがレンダリングするビデオ画像の再生レートを選択するための、および前記選択を、前記通信ネットワークを介して前記ビデオ記憶ノードに伝達するためのビデオ再生選択手段を含み、前記ビデオ記憶ノードが、前記選択されたビデオ再生レートに従って、自身に記憶されたビデオデータにタイムスタンプを施すためのタイムスタンプ制御手段を含み、前記タイムスタンプを備えたビデオデータを用いて前記ビデオ再生ノードによってレンダリングされるビデオ画像が、前記選択されたビデオ再生レートでレンダリングされるようにする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のネットワーク・ノード装置。
【請求項11】
前記通信ネットワーク手段をさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載のネットワーク・ノード装置。
【請求項12】
前記通信ネットワーク手段をさらに含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載のネットワーク・ノード装置であって、前記通信ネットワーク手段が、前記ビデオ記憶ノードを前記ビデオ再生ノードに動作可能に結合し、それによって、前記ビデオ記憶ノードを前記ビデオ再生ノードと非同期通信させるネットワーク・ノード装置。
【請求項13】
前記通信ネットワーク手段をさらに含む、請求項3〜5のいずれか一項および請求項3に従属する場合の請求項6〜14のいずれか一項に記載のネットワーク・ノード装置であって、前記通信ネットワーク手段が、前記ビデオ・キャプチャ・ノードを前記ビデオ記憶ノードに動作可能に結合し、それによって、前記ビデオ記憶ノードを前記ビデオ再生ノードと非同期通信させるネットワーク・ノード装置。
【請求項14】
ノードを動作可能に結合するように構成された通信ネットワーク手段のそれぞれ別個のノードにおける、ビデオデータの記憶および再生のための方法であって、前記方法が、
ビデオデータをビデオ記憶ノードに記憶することと、
前記記憶されたビデオデータを前記ビデオ記憶ノードの伝送バッファに一時的に保持することと、
続いて、
前記保持ビデオデータを前記通信ネットワーク手段を介して伝送することと、
前記ビデオ記憶ノードによって伝送された前記ビデオデータをビデオ再生ノードで受信することと、
前記受信ビデオデータを前記ビデオ再生ノードの受信バッファ手段に一時的に保持することと、
続いて、
前記受信ビデオデータを用いて前記ビデオ再生ノードにおいて、画像をレンダリングすることと、
を含み、
前記ビデオ記憶ノードから前記ビデオ再生ノードへのビデオデータの前記伝送が、前記伝送バッファ手段の内容が所定の下位内容値に一致または超過し、かつ前記受信バッファ手段の内容が所定の上位内容値を超過していない場合のみ行なわれる方法。
【請求項15】
前記記憶ノードからの保持データの前記伝送が、前記通信ネットワーク手段にサポートされた最大データ伝送速度で行なわれる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
画像を表わすビデオデータをビデオ・キャプチャ・ノードでキャプチャすることと、キャプチャ・ビデオデータを、前記通信ネットワーク手段を介して前記ビデオ記憶手段に伝送することと、前記ビデオ記憶ノードにおける前記記憶のために、前記ビデオ・キャプチャ・ノードから伝送された前記キャプチャ・ビデオデータを前記ビデオ記憶ノードで受信することとをさらに含む、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
キャプチャ・ビデオデータを前記ビデオ・キャプチャ・ノードの伝送バッファ手段に一時的に保持することと、前記保持ビデオデータを、前記通信ネットワークを介して伝送することと、前記ビデオ・キャプチャ・ノードによって伝送された前記データを前記ビデオ記憶ノードで受信することと、前記受信データを前記ビデオ記憶ノードの受信バッファ手段に一時的に保持することとを含む、請求項16に記載の方法であって、前記ビデオ・キャプチャ・ノードから前記ビデオ記憶ノードへのビデオデータの前記伝送が、前記ビデオ・キャプチャ・ノードの伝送バッファ手段の内容が所定の下位内容レベルに一致または超過しかつ前記ビデオ記憶ノードの前記受信バッファ手段の内容が所定の上位内容レベルを超過していない場合のみ行なわれる方法。
【請求項18】
前記ビデオ・キャプチャ・ノードからの前記保持ビデオデータの前記伝送が、前記通信ネットワーク手段にサポートされた最大伝送速度で行なわれる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記所定の上位内容値が、満杯のときの前記受信バッファの内容に一致する、請求項14〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記所定の下位内容値が、空のときの前記伝送バッファの内容に一致する、請求項14〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記ビデオ再生ノードの前記受信バッファの内容値が前記所定の上位内容値に一致または超過したときに、これを前記ビデオ再生ノードにおいて検出し、かつ前記検出を、第1の検出信号として、前記ネットワークを介して前記ビデオ記憶ノードに通信することと、
前記ビデオ再生ノードからの第1の検出データを前記ビデオ記憶ノードにおいて受信し、前記ビデオ記憶ノードの前記伝送バッファの内容値が前記所定の下位内容値を超過していない場合には第2の検出信号を生成し、かつ前記第1の検出信号の受信に応じてかまたは前記第2の検出信号の生成に応じて、前記ビデオ記憶ノードから前記ビデオ再生ノードへのビデオデータ伝送を防止することと、
を含む、請求項14〜20のいずれか一項に記載の方法ノード装置。
【請求項22】
前記ビデオ記憶ノードの前記受信バッファの内容値が前記所定の上位内容値に一致または超過したときに、これを前記ビデオ記憶ノードにおいて検出し、かつ前記検出を、第1の検出信号として、前記ネットワークを介して前記ビデオ・キャプチャ・ノードに通信することと、
前記ビデオ記憶ノードから第1の検出信号を前記ビデオ・キャプチャ・ノードにおいて受信し、前記ビデオ・キャプチャ・ノードの前記伝送バッファの内容値が前記所定の下位内容値を超過していない場合には第2の検出信号を生成し、かつ前記第1の検出信号の受信に応じてかまたは前記第2の検出信号の生成に応じて、前記ビデオ・キャプチャ・ノードから前記ビデオ記憶ノードへのビデオデータ伝送を防止することと、
を含む、請求項16に従属する場合の請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記ビデオ再生ノードによってレンダリングされるビデオ画像の再生レートを前記ビデオ再生ノードにおいて選択することと、前記選択を、前記通信ネットワークを介して前記ビデオ記憶ノードに通信することと、前記選択に従って、前記ビデオ記憶ノードに記憶されたビデオデータにタイムスタンプを施し、前記タイムスタンプを備えたビデオデータを用いて前記ビデオ再生ノードによってレンダリングされるビデオ画像が、前記選択されたビデオ再生レートでレンダリングされるようにすることと、を含む、請求項14〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記通信ネットワークの前記ノード間の非同期通信を含む、請求項14〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
請求項14〜24のいずれか一項に記載の方法を実行するためのコンピュータ・コードを含むコンピュータ・プログラム。
【請求項26】
請求項25に記載のコンピュータ・プログラムを含むコンピュータ・プログラム製品。
【請求項27】
複数の別個のネットワーク・ノードであって、そのそれぞれが、前記複数のネットワーク・ノードの1以上のノードのコンピュータと共に、請求項14〜24のいずれか一項に記載の方法を共同で実行するようにプログラムされたコンピュータ含むネットワーク・ノード、を含むコンピュータ・ネットワーク。
【請求項28】
各前記ノードが、任意の他の前記ノードと別個のコンピュータである、請求項1〜13のいずれか一項に記載のネットワーク・ノード装置。
【請求項29】
添付の図面に関連して、任意の一実施形態でほぼ説明したようなネットワーク・ノード装置。
【請求項30】
添付の図面に関連して、任意の一実施形態でほぼ説明したような方法。
【請求項1】
ノード装置を動作可能に結合するように構成された通信ネットワーク手段のそれぞれ別個のノードにおける、ビデオデータの記憶および再生のためのネットワーク・ノード装置であって、前記ノード装置が、
ビデオデータを記憶し、かつ記憶されたデータを前記通信ネットワーク手段を介して伝送するように構成されたビデオ記憶ノードと、
前記ビデオ記憶ノードによって伝送されたビデオデータを、前記通信ネットワーク手段を介して受信し、かつビデオデータから画像をレンダリングするように構成されたビデオ再生ノードと、
を含み、
前記ビデオ記憶ノードが、記憶されたビデオデータを一時的に保持するための伝送バッファ手段を有し、前記ビデオ再生ノードが、それが受信した前記ビデオデータを一時的に保持するための受信バッファ手段を有し、前記ビデオ記憶ノードが、前記伝送バッファ手段の内容が所定の下位内容値に一致または超過しかつ前記受信バッファ手段の内容が所定の上位内容値を超過していない場合のみ、ビデオデータを前記ビデオ再生ノードに伝送するように動作可能であるネットワーク・ノード装置。
【請求項2】
前記ビデオ記憶ノードが、その前記伝送バッファに一時的に記憶されたデータを、前記通信ネットワーク手段にサポートされた最大データ伝送速度で伝送するように構成されている、請求項1に記載のネットワーク・ノード装置。
【請求項3】
画像を表わすビデオデータをキャプチャするための、かつ前記ビデオデータを、前記通信ネットワーク手段を介して前記ビデオ記憶手段に伝送するように構成されたビデオ・キャプチャ・ノードをさらに含む、請求項1または2に記載のネットワーク・ノード装置であって、前記ビデオ記憶ノードが、そこにおける前記記憶のために、前記ビデオ・キャプチャ・ノードから伝送された前記ビデオデータを受信するように構成されているネットワーク・ノード装置。
【請求項4】
前記ビデオ・キャプチャ・ノードが、前記キャプチャ・ビデオデータを一時的に保持するための伝送バッファ手段を有し、前記ビデオ記憶ノードが、それが受信したビデオデータを一時的に保持するための受信バッファ手段を有し、前記ビデオ・キャプチャ・ノードが、その伝送バッファ手段の内容が所定の下位内容レベルに一致または超過しかつ前記ビデオ記憶ノードの前記受信バッファ手段の内容が所定の上位内容レベルを超過していない場合のみ、ビデオデータを前記ビデオ記憶ノードに伝送するように動作可能である、請求項3に記載のネットワーク・ノード装置。
【請求項5】
前記ビデオ・キャプチャ・ノードが、その前記伝送バッファに一時的に保持されたデータを、前記通信ネットワーク手段にサポートされた最大データ伝送速度で伝送するように構成されている、請求項4に記載のネットワーク・ノード装置。
【請求項6】
前記所定の上位内容値が、満杯のときの前記それぞれの受信バッファの内容に一致する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のネットワーク・ノード装置。
【請求項7】
前記所定の下位内容値が、空のときの前記それぞれの伝送バッファの内容に一致する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のネットワーク・ノード装置。
【請求項8】
前記ビデオ再生ノードが伝送制御手段を含み、前記伝送制御手段が、前記ビデオ再生ノードの前記受信バッファの内容値が前記所定の上位内容値と一致または超過したときを検出し、かつ前記検出を、第1の検出信号として、前記ネットワークを介して前記ビデオ記憶ノードに通信するように構成され、
前記ビデオ記憶ノードが伝送制御手段を含み、前記伝送制御手段が、前記ビデオ再生ノードから第1の検出データを受信し、前記ビデオ記憶ノードの前記伝送バッファの内容値が前記所定の下位内容値を超過していない場合には第2の検出信号を生成し、かつ前記第1の検出信号の受信に応じてかまたは前記第2の検出信号の生成に応じて、前記ビデオ記憶ノードから前記ビデオ再生ノードへのビデオデータ伝送を防止するように構成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のネットワーク・ノード装置。
【請求項9】
前記ビデオ記憶ノードが伝送制御手段を含み、前記伝送制御手段が、前記ビデオ記憶ノードの前記受信バッファの内容値が前記所定の上位内容値に一致または超過したときを検出し、かつ前記検出を、第1の検出信号として、前記ネットワークを介して前記ビデオ・キャプチャ・ノードに通信するように構成され、
前記ビデオ・キャプチャ・ノードが伝送制御手段を含み、前記伝送制御手段が、前記ビデオ記憶ノードから第1の検出信号を受信し、前記ビデオ・キャプチャ・ノードの前記伝送バッファの内容値が前記所定の下位内容値を超過していない場合には第2の検出信号を生成し、かつ前記第1の検出信号の受信に応じてかまたは前記第2の検出信号の生成に応じて、前記ビデオ・キャプチャ・ノードから前記ビデオ記憶ノードへのビデオデータ伝送を防止するように構成されている、請求項3に従属する場合の請求項1〜8のいずれか一項に記載のネットワーク・ノード装置。
【請求項10】
前記ビデオ再生ノードが、それがレンダリングするビデオ画像の再生レートを選択するための、および前記選択を、前記通信ネットワークを介して前記ビデオ記憶ノードに伝達するためのビデオ再生選択手段を含み、前記ビデオ記憶ノードが、前記選択されたビデオ再生レートに従って、自身に記憶されたビデオデータにタイムスタンプを施すためのタイムスタンプ制御手段を含み、前記タイムスタンプを備えたビデオデータを用いて前記ビデオ再生ノードによってレンダリングされるビデオ画像が、前記選択されたビデオ再生レートでレンダリングされるようにする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のネットワーク・ノード装置。
【請求項11】
前記通信ネットワーク手段をさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載のネットワーク・ノード装置。
【請求項12】
前記通信ネットワーク手段をさらに含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載のネットワーク・ノード装置であって、前記通信ネットワーク手段が、前記ビデオ記憶ノードを前記ビデオ再生ノードに動作可能に結合し、それによって、前記ビデオ記憶ノードを前記ビデオ再生ノードと非同期通信させるネットワーク・ノード装置。
【請求項13】
前記通信ネットワーク手段をさらに含む、請求項3〜5のいずれか一項および請求項3に従属する場合の請求項6〜14のいずれか一項に記載のネットワーク・ノード装置であって、前記通信ネットワーク手段が、前記ビデオ・キャプチャ・ノードを前記ビデオ記憶ノードに動作可能に結合し、それによって、前記ビデオ記憶ノードを前記ビデオ再生ノードと非同期通信させるネットワーク・ノード装置。
【請求項14】
ノードを動作可能に結合するように構成された通信ネットワーク手段のそれぞれ別個のノードにおける、ビデオデータの記憶および再生のための方法であって、前記方法が、
ビデオデータをビデオ記憶ノードに記憶することと、
前記記憶されたビデオデータを前記ビデオ記憶ノードの伝送バッファに一時的に保持することと、
続いて、
前記保持ビデオデータを前記通信ネットワーク手段を介して伝送することと、
前記ビデオ記憶ノードによって伝送された前記ビデオデータをビデオ再生ノードで受信することと、
前記受信ビデオデータを前記ビデオ再生ノードの受信バッファ手段に一時的に保持することと、
続いて、
前記受信ビデオデータを用いて前記ビデオ再生ノードにおいて、画像をレンダリングすることと、
を含み、
前記ビデオ記憶ノードから前記ビデオ再生ノードへのビデオデータの前記伝送が、前記伝送バッファ手段の内容が所定の下位内容値に一致または超過し、かつ前記受信バッファ手段の内容が所定の上位内容値を超過していない場合のみ行なわれる方法。
【請求項15】
前記記憶ノードからの保持データの前記伝送が、前記通信ネットワーク手段にサポートされた最大データ伝送速度で行なわれる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
画像を表わすビデオデータをビデオ・キャプチャ・ノードでキャプチャすることと、キャプチャ・ビデオデータを、前記通信ネットワーク手段を介して前記ビデオ記憶手段に伝送することと、前記ビデオ記憶ノードにおける前記記憶のために、前記ビデオ・キャプチャ・ノードから伝送された前記キャプチャ・ビデオデータを前記ビデオ記憶ノードで受信することとをさらに含む、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
キャプチャ・ビデオデータを前記ビデオ・キャプチャ・ノードの伝送バッファ手段に一時的に保持することと、前記保持ビデオデータを、前記通信ネットワークを介して伝送することと、前記ビデオ・キャプチャ・ノードによって伝送された前記データを前記ビデオ記憶ノードで受信することと、前記受信データを前記ビデオ記憶ノードの受信バッファ手段に一時的に保持することとを含む、請求項16に記載の方法であって、前記ビデオ・キャプチャ・ノードから前記ビデオ記憶ノードへのビデオデータの前記伝送が、前記ビデオ・キャプチャ・ノードの伝送バッファ手段の内容が所定の下位内容レベルに一致または超過しかつ前記ビデオ記憶ノードの前記受信バッファ手段の内容が所定の上位内容レベルを超過していない場合のみ行なわれる方法。
【請求項18】
前記ビデオ・キャプチャ・ノードからの前記保持ビデオデータの前記伝送が、前記通信ネットワーク手段にサポートされた最大伝送速度で行なわれる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記所定の上位内容値が、満杯のときの前記受信バッファの内容に一致する、請求項14〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記所定の下位内容値が、空のときの前記伝送バッファの内容に一致する、請求項14〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記ビデオ再生ノードの前記受信バッファの内容値が前記所定の上位内容値に一致または超過したときに、これを前記ビデオ再生ノードにおいて検出し、かつ前記検出を、第1の検出信号として、前記ネットワークを介して前記ビデオ記憶ノードに通信することと、
前記ビデオ再生ノードからの第1の検出データを前記ビデオ記憶ノードにおいて受信し、前記ビデオ記憶ノードの前記伝送バッファの内容値が前記所定の下位内容値を超過していない場合には第2の検出信号を生成し、かつ前記第1の検出信号の受信に応じてかまたは前記第2の検出信号の生成に応じて、前記ビデオ記憶ノードから前記ビデオ再生ノードへのビデオデータ伝送を防止することと、
を含む、請求項14〜20のいずれか一項に記載の方法ノード装置。
【請求項22】
前記ビデオ記憶ノードの前記受信バッファの内容値が前記所定の上位内容値に一致または超過したときに、これを前記ビデオ記憶ノードにおいて検出し、かつ前記検出を、第1の検出信号として、前記ネットワークを介して前記ビデオ・キャプチャ・ノードに通信することと、
前記ビデオ記憶ノードから第1の検出信号を前記ビデオ・キャプチャ・ノードにおいて受信し、前記ビデオ・キャプチャ・ノードの前記伝送バッファの内容値が前記所定の下位内容値を超過していない場合には第2の検出信号を生成し、かつ前記第1の検出信号の受信に応じてかまたは前記第2の検出信号の生成に応じて、前記ビデオ・キャプチャ・ノードから前記ビデオ記憶ノードへのビデオデータ伝送を防止することと、
を含む、請求項16に従属する場合の請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記ビデオ再生ノードによってレンダリングされるビデオ画像の再生レートを前記ビデオ再生ノードにおいて選択することと、前記選択を、前記通信ネットワークを介して前記ビデオ記憶ノードに通信することと、前記選択に従って、前記ビデオ記憶ノードに記憶されたビデオデータにタイムスタンプを施し、前記タイムスタンプを備えたビデオデータを用いて前記ビデオ再生ノードによってレンダリングされるビデオ画像が、前記選択されたビデオ再生レートでレンダリングされるようにすることと、を含む、請求項14〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記通信ネットワークの前記ノード間の非同期通信を含む、請求項14〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
請求項14〜24のいずれか一項に記載の方法を実行するためのコンピュータ・コードを含むコンピュータ・プログラム。
【請求項26】
請求項25に記載のコンピュータ・プログラムを含むコンピュータ・プログラム製品。
【請求項27】
複数の別個のネットワーク・ノードであって、そのそれぞれが、前記複数のネットワーク・ノードの1以上のノードのコンピュータと共に、請求項14〜24のいずれか一項に記載の方法を共同で実行するようにプログラムされたコンピュータ含むネットワーク・ノード、を含むコンピュータ・ネットワーク。
【請求項28】
各前記ノードが、任意の他の前記ノードと別個のコンピュータである、請求項1〜13のいずれか一項に記載のネットワーク・ノード装置。
【請求項29】
添付の図面に関連して、任意の一実施形態でほぼ説明したようなネットワーク・ノード装置。
【請求項30】
添付の図面に関連して、任意の一実施形態でほぼ説明したような方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公表番号】特表2007−505536(P2007−505536A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525809(P2006−525809)
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【国際出願番号】PCT/EP2004/051857
【国際公開番号】WO2005/025223
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(505215969)テールズ ホールディングス ユーケー ピーエルシー (7)
【氏名又は名称原語表記】THALES UK PLC
【住所又は居所原語表記】2 Dashwood Lang Road, The Bourne Business Park, Addlestone, Near Weybridge, Surrey KT15 2NX, United Kingdom
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【国際出願番号】PCT/EP2004/051857
【国際公開番号】WO2005/025223
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(505215969)テールズ ホールディングス ユーケー ピーエルシー (7)
【氏名又は名称原語表記】THALES UK PLC
【住所又は居所原語表記】2 Dashwood Lang Road, The Bourne Business Park, Addlestone, Near Weybridge, Surrey KT15 2NX, United Kingdom
【Fターム(参考)】
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