説明

ビデオスキャナシステムおよび方法

【課題】ビデオカメラは、温度、湿度、圧力、体積、流量、応力、距離または変位等のパラメータ用の別の電子測定装置に接続されており、およびディジタル、アナログまたは無線手段によって、該電子測定装置からのデータを受取り、そのようなデータでビデオ画像に注釈を付けると共に、画像および音をリアルタイムで記録する。
【解決手段】識別される表面測定領域のイメージゾーンの可視および不可視表示の捕捉と、ビデオによる測定領域のパノラマ式表示にわたる温度表示を伴う、熱画像の可視表示と赤外線表示の相対的表示とによって、遠隔面の測定領域の視覚化および表示のためのシステムおよび方法が記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変パラメータのスキャニング、測定、視覚化、検出および管理用のビデオシステムに関し、具体的には、温度計、放射計、ボロメータ、および温度の表示、管理および制御の同様の手段に関し、また、可視的ターゲッティング手段の表示による信号放出の領域の視覚化を含む、これらのシステムを操作する方法に関する。
【0002】
本願明細書においては以後、「赤外放射計」に関する説明は、「赤外画像放射計」および「サーモグラフィ」を含む。赤外放射計は、単一の温度測定を提供するのに対して、赤外画像放射計は、ターゲット(カメラ)の2次元のサーモグラフィ赤外画像を画素ごとに提供し、および単一の温度放射計よりも多くの情報を経時的に供給する。赤外画像放射計は、ターゲット表面の赤外画像をカラー表示として捉え、カラーパレットは、ビデオカメラによるカラーでのスキャンとして経時的および距離に関して、パノラマ式で連続的または継ぎ目なしに表示される、測定される温度の範囲を包含する。該装置は、視野の自動調節、およびターゲットとセンサとの間の距離の測定に応答する可変焦点機能を有する。高さおよび奥行の3次元表面変化が、差温度、および湾曲面等の測定表面領域の比較的隆起し、およびくぼんだ、または斜めになった(凸面/凹面)領域間の他の放射信号に関して検出されて、好ましくは、画素ごとのスケールで表示され、その結果、熱検出器に近い、または該熱検出器から遠い領域は、狭い範囲の距離スキャナとして識別され、またそれらの表面温度がモニタ手段上に表示されることが、本発明の追加的な特徴である。
【0003】
異なるアングルからの該測定面のビデオ画像または熱画像を生成するために、多数のまたは別々の検出器が実用的に配置され、その結果、一緒に再生したときに、測定面の立体画像が、高さ、幅および奥行の3次元で生成される。これらの画像は、選択可能に視覚画像または熱画像である。該システムは、2次元パノラマ式捕捉および表示モードで選択的に操作され、または、該システムは、3次元視覚化手段として操作される。
【0004】
温度、湿度、放射率、高および低アラーム状態、日時、GPS位置、気圧、接触ターゲット温度、および検出器からターゲット表面までの距離等の可変パラメータの、測定面からリアルタイムでの遠隔撮像のためのビデオシステムは、該表面からの放射信号の捕捉および測定のための検出器手段と、該検出器を、表面測定の光表示視覚化領域に向ける観測および表示手段と、該検出器および観測手段につながれ、そこから放射信号が生じる遠隔測定面の連続パノラマビデオディジタル画像を生成および記録し、また、放出された表面放射の画像の検査のために表示手段につながれているビデオ画像管理手段と、該測定面の可視素材との組合せを備える。また、パラメータ値は、該ターゲットのビデオ画像ディスプレイおよび/またはCRT管またはディジタルスクリーンモニタ等の表示手段にも表示される。ビデオ画像および熱画像、およびデータは、表示および管理されるだけではなく、該情報は、リモート格納手段に格納され、または、さらなる処理のために、リモートステーションへの有線または無線接続によって送信される。格納は、ハードドライブ、SDカード、USBドライブ、メモリスティックまたは同様のストレージセンターに行われる。該システムは、赤外線ビデオイベントを表示手段上で再生し、または、PCまたはマイクロプロセッサユニットへダウンロードする。該ビデオイベントおよび赤外線表示は、同時に、順次記録され、または、互いに重ね合わせられる。該システムによって捕捉されるビデオ素材は、管理および解析のために、慎重な表示に分離可能である。本発明の画像化システムは、視覚または熱情報表示のためのトモグラフィーモードでも操作され、この場合、3次元ビデオ画像は、ターゲットの一連の断面図から、コンピュータが生成した横断スライスのパターンとして作成され、このことは、ターゲット製品内の熱的異常の位置特定を可能にする。3次元表示を実現するために、多数の検出器が一緒に用いられる。
【0005】
本発明の方法は、遠隔面に接触することなく、該面から生じる電磁放射を検出するステップと、前記放射からの測定値を生成するステップと、ビデオターゲット観測/照準表示を形成するための、1つのまたは別々のソースからの可視光のパターンを用いた、前記面の照明による放射信号のソース領域を視覚化するステップと、ビデオ装置内の測定面からの、前記光表示パターンを含む、可視および赤外放射のビデオ画像を捕捉するステップと、前記面から取得した測定値と共に、前記面の可視画像および赤外画像の両方を表示するステップとを備える。可視および熱的コンテンツの捕捉画像は共に、後に、スキャンのアーカイブからの将来表示のために記録される。
【0006】
該ビデオ手段は、好ましくは、例えば、光学的または無線周波数とすることができる無線接続により、該検出器およびディスプレイにつながれている。
【0007】
測定値は、言語化されて、音声リポートとして該システムによって放送される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施例)
基本的なシステムの好適な最良の実施形態は、ディジタルビデオカメラにつながれた赤外放射計または赤外線画像装置またはカメラを備える。ディジタルまたはアナログでつなぐことが選択可能であり、無線でつないだ場合、該装置は、無線送信部、超音波送信部または光送信部のうちのいくつかまたは全てを備える。ビデオカメラは、該放射計の制御下で、単独で、または選択可能に作動し、また、該放射計は、該カメラからも選択可能に制御される。カメラおよび/または放射計は、好ましくは、単独の独立型ユニットであり、該ユニットは、有線または無線でつながれるが、別法として、1つの共通のハンドヘルド電池式ユニットとして、選択的にまとめて搭載される。該放射計が該ビデオカメラにつながれている場合、例えば、温度データは、表示のために、そこから赤外線放射温度が検出される面の可視画像と共に、該カメラに送信される。該ビデオ素材は、表面に沿ってリアルタイムで温度が検出される該面の連続的な全景を生成し、また、可視および赤外線熱表示の両方を含む。このような性能および表示は、いかなる種類のスナップショットカメラを用いても不可能である。ビデオスキャニングは、ターゲットの状態が変化するにつれて、ターゲット特性の動的および静的な評価を経時的に生成し、また、該面における、および検査中の対象またはターゲット内での互いに対する可視的変化と不可視の変化の比較を可能にする。
【0009】
該ビデオ表示は、遠隔面で測定される温度および周囲温度と共に、時刻および日付に関する作動記録を含む。該ビデオ記録は、赤外線温度越しに連続的に特徴が注釈付けされ、および放射率、アラーム、距離、時間、日付、最低および/または最高温度、ならびにチップ、ディスクまたはテープ上の記録等の、マイクロフォンまたは他の音源からの音素材をさらに含む。該音源は、無線でシステムネットワークにも接続されており、該システムのいずれかの素材の出力は、リモートアクセス用の電子メール信号を供給するために、PC等を介して捕捉される。音の記録は、可視的表示と共に放送される。該ビデオカメラは、該ファイルを、例えば、USBインタフェースを介してローカルPCへ、または、イーサネットまたはインターネットを介して、ネットワーク接続されたPCへディジタルで送信され、あるいは、サーバを通じて電子メールに接続し、また、予め設定されたアラーム条件に応答することができる。本発明の他の特徴は、1)通常の可視画像を記録する能力だけではなく、該システムによって視覚化された熱画像を記録して、その動画を作成する能力と、2)測定し、記録してディスプレイ上に呈示し、および湿度、気圧、温度、光レベル、放射率、距離およびメモリカード記憶ステータスに関する永続的な記録条件に含める能力と、3)ターゲットの距離および位置に関連して自動的に変更および更新する該ディスプレイ上のグラフィックスで、視野を電子的に見せる該ディスプレイの能力と、4)薄暗く照らされた領域でも記録が可能なように、可視および赤外の両光源を備える該装置の能力と、5)高度、緯度および経度を含むGPS位置データを呈示し、表示し、および記録する該システムの能力と、6)逆さになったまたは曲がった画像を回転させて、ターゲット画像を、該装置の位置に関係なく、直立状態で表示する該装置の能力と、7)オンボードメモリまたは挿入されているメモリカードからの記録済みの測定値、画像、ビデオを再生する該システムの能力と、8)位置の変化、または、検出器とターゲット物体との間の距離の変化に対応して、光学的視野の焦点を再度、手動でまたは自動的に合わせて変更する該装置の能力と、9)標準的なPCプリンタとのインタフェースを直接とるために印刷ドライバを使用する該装置の能力とを含む。
【0010】
該ビデオカメラは、温度、湿度、圧力、体積、流量、応力、距離または変位等のパラメータ用の別の電子測定装置に接続されており、およびディジタル、アナログまたは無線手段によって、該電子測定装置からのデータを受取り、そのようなデータでビデオ画像に注釈を付けると共に、画像および音をリアルタイムで記録する。
【0011】
従来技術は、2006年8月22日に発行されたKIENITZの米国特許第7,093,974号明細書にあるような、スナップショットカメラ機能を備えたおよび備えていない、光表示を対象とする赤外放射計を含む。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]米国特許第7,093,974号明細書
【0012】
測定温度は、測定面から放出された熱を、不可視の赤外線放射として示すため、該放射計の光学系に結合されたレーザまたは可視光光源からの測定面に対する光観測/照準パターン上の表示によって、測定領域を可視化することが知られており、該表示は、後に、該放射計が、調べられた温度の表面領域の輪郭を視覚化するように作動する際に、該ビデオカメラによって捕捉される。識別観測光は、レーザまたはハロゲンランプ等の可視光光源から生じ、および回折またはスプリッタによって、ビームが分割される単一のレーザを備えてもよく、あるいは、長い作動距離における目の安全のために、別々の光源を用いて、より高い表示輝度を実現してもよい。
【0013】
ビデオ“可視”表示は、熱および可視素材の、一緒に表示される一連の比較画像を生じさせるために、該“熱画像”の上、下または横に並べて並置することができる。熱的表示の連続的ビデオ捕捉は、可視ターゲット面構造背景に対する熱流束の変化を経時的に示す。スナップショットカメラは、この表示の連続性をもたらさない。該熱画像ビデオは、連続または順次交互パノラマが同じ表示システムで見られるように、非熱的可視画像ビデオと交互に経時的に表示することができる。これらの特徴は、“ヒートクラック”の成長、または、製品内の熱応力の兆候等のこれから起きそうな製品不具合を指し示すのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
(図面)
【図1】図1は、本発明で用いられるビデオカメラの機能ブロック図である。該カメラは、音用の入力、およびアナログ/ディジタル無線入力を含み、およびTVまたはビデオ再生、記録のための出力接続、または電子メールへの接続を有する。
【0015】
【図2】図2は、一定距離での表面温度の調査のためのハンドヘルド赤外放射計ユニットを示す。該放射計は、ディジタルインタフェース(R232、USB、およびルータシステムを介したようなラジオ放送)によってビデオカメラにつながっている。
【0016】
該ビデオカメラは、放射計の出力を捕捉し、該システムは、表面調査の領域の画像と共に、時間、日付、表面温度、放射率、アラーム設定ポイントおよび周囲温度を表示する。また、該表示は、測定の起点を識別するために、例えば、ターゲットの輪郭のレーザまたは他の可視光投射照準パターンおよび/または中心点を見せることができる。該システムのマイクロコンピュータ機能は、測定される変化のグラフィック計算および表示をリアルタイムで提供し、および集めた全てのデータをアクセス可能なメモリに格納する。該可視照準パターンは、オペレータが制御するカーソル表示にリンクされる。
【0017】
【図3】図3は、図2のカメラと放射計との無線リンクを示す。
【0018】
【図4】図4は、放射計およびカメラの固定取付けバージョンである。
【0019】
【図5】図5は、カメラと、固定取付け型赤外線送信機との無線リンクを示す。
【0020】
【図6】図6は、熱電対送信機からのアナログ出力と、ビデオカメラのアナログ入力へのリンクとを示す。
【0021】
【図7】図7は、温度のプロットをリアルタイムで表示するビデオカメラを示す。
【0022】
【図8】図8は、選択可能に、放射計装置と一体化し、または、独立型ユニットとして機能するように、該装置から着脱可能であるビデオカメラを示す。
【0023】
【図9】図9は、カメラが、オペレータによって選択された操作条件に従って、ビデオファイルをインターネットまたはEメールを介してPCへ送信することを除いて、図3と同様の図である。
【0024】
【図10】図10は、ターゲット面温度を測定する赤外(赤外線画像)放射計である。温度測定または赤外線画像は、ディジタルカメラへ送信される。
【0025】
【図11】図11は、画像検出器から送信された、検出された熱情報の無線伝送を示す。
【0026】
【図12】図12は、内蔵ディスプレイおよびビデオカメラを備えた赤外線画像検出器を示す。該検出器は、測定値の無線画像送信および言語化、および視覚的表示を含む。
【0027】
可視カメラシステムを備えた赤外線熱画像放射計システムは、可視および赤外線熱ビデオ容量を有しているため、表示手段上での画像表示サイズを順次最大化すると共に、該面の可視および熱画像素材を相互に関連付けて比較するために、可視画像および赤外線熱画像の両方を、例えば、交互にまたは上下に、あるいは(連続して並置して)並べて、および重ね合わせて、連続的に、順次および/または同時に表示することが可能である。
【0028】
熱画像放射計は、示差カラー画像の表示を捕捉して、表面の熱的差異を示し、および熱カラーマップを生成して、対応する可視表示と相互に関連付ける。システムオペレータの制御下の可動カーソルは、温度のより緻密な検査および管理のために、特定の関心のある特徴を、画素ごとに強調し、または拡大し、あるいは修正する。
【0029】
本発明の方法は、(a)不可視の赤外線放射を生成する面からの遠隔面温度信号を検出し、(b)照明の測定面上の観測表示によって、調査の赤外線領域を視覚化し、および(c)可視的表示のために、赤外放射計、および/またはビデオカメラにつながれた他のテスト装置からの測定温度信号と共に、該ビデオカメラ上の観測可視表示を捕捉するという連続的なステップを含み、後に、ビデオ記録が記録されおよび/または例えば、電子メールを介して先へ送られる。従って、温度等の赤外線表示、および測定面の可視的表示の両方が、該システムによって、デュアル赤外線および可視光調査の方法で捕捉されて表示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔の測定面を画像化およびスキャンするビデオシステムであって、前記面からの不可視信号の捕捉および測定のための検出器手段と、前記検出器手段を、前記面の測定の特定の照準光表示可視化領域に向ける観測および表示手段と、前記検出器および観測手段につながれて、そこから不可視信号が生じる遠隔測定面の連続的でパノラマ式のビデオディジタル画像またはスキャンを生成するビデオ画像管理手段と、前記測定面のビデオ可視素材と一緒の、放出された不可視信号のビデオ識別画像の比較検査のための表示手段との組合せを備えるビデオシステム。
【請求項2】
遠隔の測定面から生じる不可視信号の非接触測定、スキャニングおよび表示の方法であって、遠隔面に接触することなく、前記遠隔面から生じる不可視信号を検出して、前記信号の測定値を生成するステップと、可視光のパターンを用いた前記面の照明により、不可視信号のソース領域を視覚化して、ビデオターゲット観測表示を形成するステップと、前記測定面からの可視および不可視放射のビデオ画像を、ビデオ装置内で捕捉するステップと、前記面から取得した測定値と共に、前記面の可視および不可視の両方の画像を表示するステップとを備える方法。
【請求項3】
前記ビデオが、無線接続で前記検出器およびディスプレイにつながれている請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
言語化して、測定値の音声リポートを放送する手段を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
測定結果を音声で放送するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記ビデオを、検出器およびディスプレイに無線手段で接続するステップを含む請求項2に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−55489(P2011−55489A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−177256(P2010−177256)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(510215662)ホワイト ボックス, インク. (1)
【氏名又は名称原語表記】White Box, Inc.
【住所又は居所原語表記】Box 4462 Stamford, Connecticut 06907 U.S.A.
【Fターム(参考)】