説明

ビデオデッキ

【課題】 映像を中断したときに、中断した位置にビデオテ−プの頭出しを行うことが可能なビデオデッキの提供を課題とする。
【解決手段】 ビデオデッキ10は、ビデオの再生/録画中に電話機またはインタ−フォンが鳴ったと判断されると、ヘッド系回路60におけるコントロ−ルヘッドを駆動させ、録画開始時にコントロ−ルトラックに記録される第1のVISS信号とは異なるデュ−ティ比の第2のVISS信号をコントロ−ルトラックに記録させ、所定の操作に応じて、第2のVISS信号が記録されている位置までビデオテ−プの頭出しを行うように構成されている。これにより、電話機の着信があったり、インタ−フォンが鳴ったりしたタイミングで、第2の頭出し信号が自動的に記録されるため、映像の再生中や録画中に、一旦、席を外して戻ってきたときに、見逃してしまった映像の最初の部分まで頭出しを行うことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオテ−プに記録された映像信号の読み出し、および、同ビデオテ−プに対する映像信号の書き込みを行うビデオデッキに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、映像の視聴中に、電話や来客等により席を外した場合に、見逃してしまった場面まで映像を巻き戻す制御を行う映像再生装置が知られている(例えば、特許文献1〜4参照)。
【特許文献1】特開平8−251188号公報
【特許文献2】特開2000−159568号公報
【特許文献3】特開2001−139640号公報
【特許文献4】特開2003−182829号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した映像再生装置は、デジタルの映像デ−タが記憶されたDVD等の記録媒体の再生を行うためのものであり、記録媒体としてビデオテ−プを採用したものではなかった。そのため、従来のビデオデッキにおいては、ビデオテ−プの再生中に電話や来客等があり、途中の映像を見逃してしまった場合には、「早送り」や「巻き戻し」の動作を繰り返し行いながら、目的の映像を探すとうい面倒な操作が必要であった。
【0004】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたものであり、映像を中断したときに、中断した位置にビデオテ−プの頭出しを行うことが可能なビデオデッキを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項2にかかる発明は、ビデオテ−プに記録された映像信号の読み出し、および、同ビデオテ−プに対する映像信号の書き込みを行うビデオデッキにおいて、
上記ビデオテ−プの頭出しを行うための第1の頭出し信号を、上記ビデオテ−プのコントロ−ルトラックに記録する第1の頭出し信号記録手段と、
所定の音声の発生に応じて、第1の頭出し信号とデュ−ティ比の異なる第2の頭出し信号を、上記コントロ−ルトラックに記録する第2の頭出し信号記録手段と、
所定の操作に応じて、上記第2の頭出し信号が記録されている位置までビデオテ−プの頭出しを行う頭出し手段とを具備する構成としてある。
【0006】
上記のように構成した請求項2において、ビデオデッキは、ビデオテ−プに記録された映像信号の読み出し、および、同ビデオテ−プに対する映像信号の書き込みを行うものテ−プあり、上記ビデオテ−プの頭出しを行うための第1の頭出し信号を、上記ビデオテ−プのコントロ−ルトラックに記録する第1の頭出し信号記録手段を具備している。
【0007】
また、ビデオデッキは、所定の音声の発生に応じて、上記第1の頭出し信号とデュ−ティ比の異なる第2の頭出し信号を、上記コントロ−ルトラックに記録する第2の頭出し信号記録手段を具備し、また、所定の操作に応じて、上記第2の頭出し信号が記録されている位置までビデオテ−プの頭出しを行う頭出し手段を具備している。このように構成することにより、電話機の着信があったり、インタ−フォンが鳴ったりしたタイミングで、第2の頭出し信号が自動的に記録されるため、映像の再生中や録画中に、一旦、席を外して戻ってきたときに、見逃してしまった映像の最初の部分まで頭出しを行うことが可能となる。
【0008】
また、請求項3にかかる発明は、外部発生音に基づく音声信号を生成するマイクと、
予めサンプリングされた上記所定の音声の音声信号を記憶しておく音声信号記憶手段とを具備し、
上記第2の頭出し信号記録手段は、上記マイクにより生成された音声信号と、上記音声信号記憶手段に記憶されている音声信号とを比較することにより、上記マイクに入力された音声が上記所定の音声であるか否かを判断し、
上記マイクに入力された音声が上記所定の音声であると判断したときに、上記第2の頭出し信号を上記コントロ−ルトラックに記録する構成としてある。
上記のように構成した請求項3において、予め、自宅の電話機の着信音や、インタ−フォンの音声をサンプリングして音声信号記憶手段に記憶させておくことが可能であり、また、サンプリングした音声以外の音声の発生に基づいて第2の頭出し信号が記録させないようにすることが可能となる。
【0009】
また、請求項4にかかる発明は、上記第1の頭出し信号のデュ−ティ比が3:7であり、上記第2の頭出し信号のデュ−ティ比が2:8である構成としてある。
上記のように構成した請求項4において、第1の頭出し信号と第2の頭出し信号とのデュ−ティ比の差異に基づいて、個別に頭出しを行うことが可能となる。
【0010】
また、請求項5にかかる発明は、上記頭出し手段により第2の頭出し信号に基づくビデオテ−プの頭出しが行われた後、同第2の頭出し信号を上記コントロ−ルトラックから消去する消去手段を具備する構成としてある。
上記のように構成した請求項5において、第2のVISS信号に基づく頭出しの指示を行ったときに、何度も同じ場面に頭出しされることがない。利用者にとっては、見逃した場面を一度確認すれば足りるので、このような第2のVISS信号の消去が行われることは、利用者にとって利便性に優れたものとなる。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように請求項2にかかる発明によれば、映像の再生中や録画中に、一旦、席を外して戻ってきたときに、見逃してしまった映像の最初の部分まで頭出しを行うことが可能となる。
また、請求項3にかかる発明によれば、予め、自宅の電話機の着信音や、インタ−フォンの音声をサンプリングして音声信号記憶手段に記憶させておくことが可能となる。
さらに、請求項4にかかる発明によれば、第1の頭出し信号と第2の頭出し信号とのデュ−ティ比の差異に基づいて、個別に頭出しを行うことが可能となる。
さらに、請求項5にかかる発明によれば、何度も同じ場面に頭出しされることがないため、利用者にとって利便性に優れたものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)ビデオデッキの構成:
(2)ビデオデッキの動作:
(3)各種変形例:
【0013】
(1)ビデオデッキの構成:
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、実施形態にかかるビデオデッキの構成を示すブロック図である。同図において、ビデオデッキ10は、チュ−ナ20を備えており、マイコン30から送出される所定の選局信号に基づいて所望の放送局からのテレビジョン信号が受信される。このチュ−ナ20は、信号系回路40と接続されており、受信されたテレビジョン信号は、信号系回路40に入力される。ビデオ記録時には信号系回路40は入力テレビジョン信号を輝度信号と搬送色信号に分離し、これらの信号にはFM変調と低域変換が施され、両者が混合・増幅されて後述するヘッド系回路60に出力される。信号系回路40は、D/A変換回路41を備えており、入力されるデジタル信号をアナログ信号に変換して上記ヘッド系回路60に出力する。また、音声信号に関しては、オ−ディオヘッドからの再生信号を再生処理して出力している。
【0014】
ヘッド系回路60は、図示しないビデオヘッドやオ−ディオヘッド、コントロ−ルヘッド等からなる磁気ヘッド群と、同磁気ヘッド群の周辺装置にて構成される。この周辺装置にはビデオヘッドが配設されるシリンダや、同シリンダを回転駆動するためのシリンダモ−タ等が含まれる。上述のようにD/A変換回路41が出力する音声信号のアナログ信号は、ヘッド系回路60のオ−ディオヘッドに入力され、同アナログ信号は音声信号に基づく音声を再生可能な状態で音声トラックに書き込まれる。テープ駆動系回路70は、実際にテープを走行駆動するリールモータやキャプスタンモータ等にて構成され、同リールモータやキャプスタンモータおよび上述したシリンダモータはサーボ系回路80により駆動制御される。
【0015】
マイコン30は、このサ−ボ系回路80を介してテ−プ駆動系回路70を制御して記録/再生時のビデオテ−プ走行を行い、ヘッド系回路60からの信号に基づいて頭出しのための制御を行うようになっている。また、マイコン30は、サ−ボ系回路80を介してヘッド系回路60およびテ−プ駆動系回路70を制御し、ビデオ記録時には、ドラムヘッド(図示せず)よって、ビデオテ−プにおけるビデオトラックに映像信号を記録させるとともに、コントロ−ルヘッドによりビデオテ−プにおける音声トラックに音声信号を記録させ、コントロ−ルトラックに第1のVISS信号(第1の頭出し信号)、第2のVISS信号(第2の頭出し信号)およびコントロ−ル信号とを記録させる。
【0016】
図2は、ビデオテ−プのコントロ−ルトラックに記録される信号を示す図である。同図において、ビデオテ−プにおけるコントロ−ルトラック80には、コントロ−ル信号90が、等間隔に記録されている。このコントロ−ル信号90は、再生時または録画時におけるビデオテ−プの走行速度を制御するためのものである。また、第1のVISS信号91は、録画開始時にコントロ−ルトラック80に記録されるものである。第1のVISS信号91は、頭出しの際に利用され、利用者が操作パネル51やリモコン53を使用して頭出し指示を行うと、テ−プ駆動系回路70は、通常の早送りや巻き戻しと同様にテ−プを走行させる。そして、コントロ−ルヘッドにてこの第1のVISS信号が検出されると、ビデオテ−プの走行を停止させる。この第1のVISS信号91は、図2に示すように、コントロ−ル信号90が記録される間隔を、早送り方向(正方向)に向かって、3:7に分割するように記録される。すなわち、第1のVISS信号91のデュ−ティ比は、3:7となるのである。
【0017】
また、第2のVISS信号92も、頭出しの際に利用されるのであるが、この第2のVISS信号92は、予めサンプリングされた音声(電話機の着信音、インタ−フォンの音声)と同じ音声が発生し、同音声が後述するマイク90に入力されたときに、自動的に記録される信号である。利用者が、第1のVISS信号91に基づく頭出しを行う場合とは異なる操作方法を用いて頭出し指示を行うと、テ−プ駆動系回路70は、ビデオテ−プを走行させ、コントロ−ルヘッドにてこの第2のVISS信号が検出されるとビデオテ−プの走行を停止させるのである。この第2のVISS信号92は、図2に示すように、コントロ−ル信号90が記録される間隔を、早送り方向(正方向)に向かって、2:8に分割するように記録される。すなわち、第2のVISS信号92のデュ−ティ比は、2:8となるのである。
【0018】
以下、参照図面を図1に戻して説明する。操作パネル51とリモコン53とを介して操作指示することにより、ビデオ記録/再生や、予約記録時間帯の入力といった各種の処理を行うことが可能である。すなわち、操作パネル51における操作内容はマイコン30によって検出され、マイコン30が上記チューナ20の選局制御を行ったり、サーボ系回路80を駆動して頭出しなどを制御する。また、利用者がリモコン53上の操作ボタンを押し下げると、押し下げられた操作ボタンに応じた赤外線リモコン信号が送出される。そして、この赤外線リモコン信号をマイコン30が図示しないリモコン信号受光部を介して受信するとともにその操作内容を検知し、対応した処理を実行する。
【0019】
マイコン30は、上述のように操作パネル11、チューナ20、信号系回路40、サーボ系回路80等を制御するようになっており、CPU31とEEPROM32およびRAM33とからなるプログラム実行環境を備えている。すなわち、RAM33を一時的なワ−クエリアとして使用しつつ、EEPROM32に記録されたプログラムを実行するようになっている。また、EEPROM23には、着信音デ−タ32aとインタ−フォンデ−タ32bとが記憶される。これらのデ−タは、マイク75に入力された音声(電話機の着信音、インタ−フォンの音声)が、同マイク75にて音声信号に変換され、更に、同音声信号がデジタルデ−タに変換されたものである。利用者は、予め自宅に設置してある電話機の着信音やインタ−フォンの音声を、マイク75を用いてサンプリングし、同音声にかかるデジタルデ−タをEEPROM32に登録しておくことが可能となっている。
【0020】
(2)ビデオデッキの動作:
図3は、マイク75による音声のサンプリング時にマイコン30が行う処理のフロ−チャ−トを示している。まず、ステップS100において、音声のサンプリング開始指示があったか否かを判断する。この処理において、EEPROM32に音声デ−タを記憶させるために、マイク75によるサンプリングを行う旨の指示の入力があったか否かを判断する。サンプリング開始指示がなかったと判断した場合には、サンプリング処理を終了させる一方、サンプリング開始指示があったと判断した場合には、次に、ステップS110においてマイク入力受付にかかる処理を行う。すなわち、マイコン30は、マイク75が具備するA/D変換回路(図示せず)からのデジタルデ−タの入力待ちとなり、マイク75の近くにて電話機の着信音等を鳴らすと、その音声に基づく音声信号が同A/D変換回路にてデジタルデ−タに変換され、マイコン30に入力される。
【0021】
ステップS110の処理を実行すると、次に、ステップS120において、デジタル変換を行う。すなわち、マイク75に入力された音声に基づく音声信号を、マイク75が具備するA/D変換回路にてデジタルデ−タに変換する処理を行うのである。そして、その後、ステップS130において、変換されたデジタルデ−タ(図2において、着信音デ−タ32a、インタ−フォンデ−タ32b)をEEPROM130に記憶させておく処理を行う。
【0022】
ステップS130の処理を実行すると、次に、ステップS140において、マイク入力が終了したか否かを判断する。この処理において、利用者の操作により、マイク入力の受付を終了させる旨の指示の入力があったか否かを判断する。マイク入力が終了していないと判断した場合には処理をステップS110に戻す一方、終了したと判断した場合には、サンプリング処理を終了させる。
【0023】
次に、第2のVISS信号記録処理について、図4に示すフロ−チャ−トに基づいて説明する。この第2のVISS信号記録処理は、ビデオデッキ10が再生または録画にかかる処理を実行しているときに行われる処理である。まず、ステップS200において、マイク入力受付にかかる処理を行う。すなわち、マイコン30は、マイク75が具備するA/D変換回路からのデジタルデ−タの入力待ちとなり、マイク75の近くにて電話機の着信等が鳴ると、その音声に基づく音声信号が同A/D変換回路にてデジタルデ−タに変換され、マイコン30に入力される。
次に、ステップS210において、音声信号比較処理を行う。この処理において、マイク75に入力された音声に基づくデジタルデ−タと、上述したEEPROM32に予め記憶されているデジタルデ−タとの比較を行う。具体的には、マイク75に入力された音声に基づくデジタルデ−タと、EEPROM32に記憶されているデジタルデ−タとの双方の波形の比較を行う。
【0024】
ステップS210の処理を実行すると、次に、ステップS220において、電話機またはインタ−フォンが鳴ったか否かを判断する。この処理において、上述したステップS210によりデジタルデ−タの波形の比較を行った結果、マイク75に入力された音声信号に基づくデジタルデ−タの波形が、EEPROM32に記憶されているデジタルデ−タ(着信音デ−タ32a、および、インタ−フォンデ−タ32b)のいずれかと同一または類似しているか否かを判断する。ステップS220において電話機またはインタ−フォンが鳴ったと判断した場合には、続くステップS230において、第2のVISS信号を記録する処理を行う。この処理において、サ−ボ系回路80を介してヘッド系回路60に制御信号を送信し、ヘッド系回路60のコントロ−ルヘッドに、ビデオテ−プにおけるコントロ−ルトラックに第2のVISS信号を記録させる。このとき、図2に示したように、デュ−ティ比が2:8となるようにVISS信号を記録させて、第1のVISS信号と差別化するのである。
【0025】
ステップS230の処理を実行するか、または、上述したステップS220において電話機またはインタ−フォンが鳴っていないと判断した場合、次に、ステップS240において再生/録画が終了したか否かを判断する。終了していないと判断した場合には処理をステップS200に戻す一方、終了したと判断した場合には第2のVISS信号記録処理を終了させる。
【0026】
図4を用いて説明したように、実施形態にかかるビデオデッキ10では、ビデオの再生/録画中に電話機またはインタ−フォンが鳴ったと判断されると(ステップS220)、ヘッド系回路60におけるコントロ−ルトヘッドを駆動させ、第1のVISS信号(デュ−ティ比が3:7)とは異なるデュ−ティ比となるように第2のVISS信号をコントロ−ルトラックに記録する(ステップS230)。
【0027】
次に、第2のVISS信号が記録されている位置までビデオテ−プの頭出しを行う処理について、図5を用いて説明する。この処理は、電話機の着信やインタ−フォンからの呼び出しがあったときに席を外した利用者が、中断した場面までビデオテ−プの頭出しを行う旨の指示の入力を行ったときに実行される処理である。
まず、ステップS300において、ビデオテ−プの巻き戻しを行う。すなわち、テ−プ駆動系回路70に制御信号を送信し、ビデオテ−プの高速巻き戻しを行わせるのである。次に、ステップS310において、第2のVISS信号を検出したか否かを判断する。この処理において、ヘッド系回路60のコントロ−ルヘッドにて第2のVISS信号が検出されたか否かを判断する。上述したように、第2のVISS信号は、第1のVISS信号とは異なるデュ−ティ比にてコントロ−ルトラックに記録されるため、この処理において、第1のVISS信号が誤って検出されることはない。
【0028】
ステップS310において、第2のVISS信号が検出されていないと判断した場合、処理をステップS300に戻す一方、第2のVISS信号が検出されたと判断した場合には、ステップS320において、ビデオテ−プの走行を停止させ、続くステップS330において、第2のVISS信号を消去する処理を行う。すなわち、上述したステップS310の処理にて検出された第2のVISS信号をコントロ−ルトラックから消去させるのである。ステップS330の処理を行うと、次に、ステップS340において、ビデオテ−プの再生処理を行い、第2のVISS信号に基づく頭出し処理を終了させる。
【0029】
図5を用いて説明したように、実施形態にかかるビデオデッキ10では、図4に示した第2のVISS信号記録処理にて記録された第2のVISS信号に基づく頭出しが行われた(ステップS300、S310、S320)ときに、同第2のVISS信号がコントロ−ルトラックから消去される。このようにすることにより、第2のVISS信号に基づく頭出しの指示を行ったときに、何度も同じ場面に頭出しされることがない。利用者にとっては、見逃した場面を一度確認すれば足りるので、このような第2のVISS信号の消去が行われることは、利用者にとって利便性に優れたものとなる。
【0030】
(3)各種変形例:
上述した実施形態では、ビデオデッキがチュ−ナを備えており、放送局からのテレビジョン放送信号を受信し、同テレビジョン放送信号に基づく映像信号を録画することができるように構成されている場合について説明したが、本発明のビデオデッキは、必ずしも上述したチュ−ナを備えている必要はなく、単に、ビデオテ−プを再生する機能のみを有するものであってもよい。
【0031】
上述した実施形態では、電話機およびインタ−フォンの音声がサンプリングされてデジタルデ−タとしてEEPROMに記憶される場合について説明したが、本発明においてサンプリングされる音声の種類としては特に限定されるものではない。
また、サンプリングされる音声の種類も実施形態のように2種類に限定されず、1種類でもよく、3種類以上をサンプリング可能なようにビデオデッキが構成されていてもよい。
【0032】
また、上述した実施形態では、第2のVISS信号に基づく頭出しが行われた後、同第2のVISS信号を消去するように構成されている場合について説明したが(図5参照)、本発明では、必ずしも第2のVISS信号に基づく頭出しが行われた後、同第2のVISS信号を消去する必要はなく、頭出しが行われた後、第2のVISS信号を残しておいてもよい。
【0033】
以上、説明したように、実施形態にかかるビデオデッキ10では、ビデオの再生/録画中に電話機またはインタ−フォンが鳴ったと判断されると、ヘッド系回路60におけるコントロ−ルヘッドを駆動させ、第1のVISS信号とは異なるデュ−ティ比の第2のVISS信号をコントロ−ルトラックに記録させ、所定の操作に応じて、第2のVISS信号が記録されている位置までビデオテ−プの頭出しを行うように構成されている。これにより、電話機の着信があったり、インタ−フォンが鳴ったりしたタイミングで、第2の頭出し信号が自動的に記録されるため、映像の再生中や録画中に、一旦、席を外して戻ってきたときに、見逃してしまった映像の最初の部分まで頭出しを行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】実施形態にかかるビデオデッキの構成を示すブロック図である。
【図2】ビデオテ−プのコントロ−ルトラックに記録される信号を示す図である。
【図3】音声のサンプリング時にマイコンが行う処理の流れを示すフロ−チャ−トである。
【図4】第2のVISS信号記録処理の流れを示すフロ−チャ−トである。
【図5】第2のVISS信号に基づく頭出し処理の流れを示すフロ−チャ−トである。
【符号の説明】
【0035】
10…ビデオデッキ
20…チュ−ナ
30…マイコン
31…CPU
32…EEPROM
32a…着信音デ−タ
32b…インタ−フォンデ−タ
33…RAM
40…信号系回路
41…D/A変換回路
51…テ−プ駆動系回路
51…操作パネル
53…リモコン
60…ヘッド系回路
70…テ−プ駆動系回路
75…マイク
80…サ−ボ系回路
90…コントロ−ル信号
91…第1のVISS信号
92…第2のVISS信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオテ−プに記録された映像信号の読み出し、および、同ビデオテ−プに対する映像信号の書き込みを行うビデオデッキにおいて、
上記ビデオテ−プの頭出しを行うための第1の頭出し信号を、上記ビデオテ−プのコントロ−ルトラックに記録する第1の頭出し信号記録手段と、
外部発生音に基づく音声信号を生成するマイクと、
予めサンプリングされた所定の音声の音声信号を記憶しておく音声信号記憶手段と、
上記マイクにより生成された音声信号と、上記音声信号記憶手段に記憶されている音声信号とを比較することにより、上記マイクに入力された音声が上記所定の音声であるか否かを判断し、
上記マイクに入力された音声が上記所定の音声であると判断したときに、上記第1の頭出し信号とデュ−ティ比の異なる第2の頭出し信号を、上記コントロ−ルトラックに記録する第2の頭出し信号記録手段と、
所定の操作に応じて、上記第2の頭出し信号が記録されている位置までビデオテ−プの頭出しを行う頭出し手段と、
上記頭出し手段により第2の頭出し信号に基づくビデオテ−プの頭出しが行われた後、同第2の頭出し信号を上記コントロ−ルトラックから消去する消去手段と
を具備することを特徴とするビデオデッキ。
【請求項2】
ビデオテ−プに記録された映像信号の読み出し、および、同ビデオテ−プに対する映像信号の書き込みを行うビデオデッキにおいて、
上記ビデオテ−プの頭出しを行うための第1の頭出し信号を、上記ビデオテ−プのコントロ−ルトラックに記録する第1の頭出し信号記録手段と、
所定の音声の発生に応じて、上記第1の頭出し信号とデューティ比の異なる第2の頭出し信号を、上記コントロ−ルトラックに記録する第2の頭出し信号記録手段と、
所定の操作に応じて、上記第2の頭出し信号が記録されている位置までビデオテ−プの頭出しを行う頭出し手段と
を具備することを特徴とするビデオデッキ。
【請求項3】
外部発生音に基づく音声信号を生成するマイクと、
予めサンプリングされた上記所定の音声の音声信号を記憶しておく音声信号記憶手段とを具備し、
上記第2の頭出し信号記録手段は、上記マイクにより生成された音声信号と、上記音声信号記憶手段に記憶されている音声信号とを比較することにより、上記マイクに入力された音声が上記所定の音声であるか否かを判断し、
上記マイクに入力された音声が上記所定の音声であると判断したときに、上記第2の頭出し信号を上記コントロ−ルトラックに記録することを特徴とする請求項2に記載のビデオデッキ。
【請求項4】
上記第1の頭出し信号のデューティ比は3:7であり、上記第2の頭出し信号のデューティ比は2:8であることを特徴とする請求項2または3のいずれか1に記載のビデオデッキ。
【請求項5】
上記頭出し手段により第2の頭出し信号に基づくビデオテ−プの頭出しが行われた後、同第2の頭出し信号を上記コントロ−ルトラックから消去する消去手段を具備することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1に記載のビデオデッキ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−121155(P2006−121155A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−303967(P2004−303967)
【出願日】平成16年10月19日(2004.10.19)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】