説明

ビデオデータ検査回路

【課題】
本発明は、複数の画像メモリから転送された複数の画像データに基づき生成されたビデオデータが正常に生成されたか否か検査するビデオデータ検査回路を提供する。
【解決手段】
複数の画像メモリ10−nから転送された複数の画像データをWIRED−OR部30で論理演算して生成されたビデオデータを印刷出力する印刷制御装置100において、WIRED−OR部30で一定大きさのビデオデータが生成される毎に、複数の画像メモリ10−nに記憶されたテスト用画像データをWIRED−OR部30へ入力制御を行う複数のテストデータ発生回路90−nと、複数のテストデータ発生回路90−nの制御により入力されたテスト用画像データがWIRED−OR演算されて生成されたテスト用ビデオデータに基づきWIRED−OR部30が正常に動作しているか否かを検査するテストデータ診断回路93を備えたビデオデータ検査回路90を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオデータ検査回路に関し、特に、複数の画像メモリから転送された複数の画像データに基づき生成されたビデオデータが正常に生成されているか否か検査するビデオデータ検査回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の画像メモリに記憶された画像データを重ね印刷する場合は、印刷装置内のCPU(=Central Processing Unit )によりメモリ上に最初の印刷データを展開し、次に重なる印刷データを同一メモリ上に再度展開して重ね印刷データを生成していた。
【0003】
このような印刷処理は、印刷装置内のCPUによる同一メモリ上に各々の印刷データを重複展開してビデオデータを生成しているので、重なる印刷データ等が変更されるような時には、再度CPUは、最初の印刷データを展開し、次に重なる印刷データを同一メモリ上に再度展開する処理を繰り返し施す必要があるため、印刷処理速度が遅いという問題を有していた。
【0004】
このような問題を解決するために、例えば特許文献1には、各頁毎のメモリに重ね印字のそれぞれの印字データを展開しておき、露光部への送出時に論理和をとることにより、印刷処理速度の高速化を図るようなビデオデータ生成回路が提案されている。
【特許文献1】特開平04−162873号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に記載のビデオデータ生成回路は、複数のメモリで記憶した複数の画像データを論理和演算して合成画像データを生成するような構成とし、一部の画像データ等に変更が生じた場合の印刷処理を同一メモリ上で画像データを重ねて展開する方法の印刷処理よりも高速で処理できるようにしたものである。
【0006】
しかし、上記特許文献1は、複数のメモリで記憶された複数の画像データを論理和演算する際に、論理和演算を行う論理和演算回路等の固定故障や間欠故障等を検知する手段を有しておらず、論理和演算回路等に故障等が生じた場合は、論理和演算回路等の故障による誤演算結果の合成画像データが出力されて誤印刷出力される問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、複数の画像メモリから転送された複数の画像データに基づき生成されたビデオデータが正常に生成されているか否か検査するビデオデータ検査回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、複数の画像メモリから転送された複数の画像データをビデオデータ生成手段で合成してビデオデータを生成するビデオデータ生成装置のビデオデータ検査回路であって、前記ビデオデータ生成手段で一定大きさのビデオデータが生成される毎に前記複数の画像メモリに記憶されたテスト用画像データを前記ビデオデータ生成手段へ転送するテスト画像データ転送手段と、前記テスト画像データ転送手段で転送されたテスト用画像データにより前記ビデオデータ生成手段で生成されたテスト用ビデオデータに基づき前記ビデオデータ生成手段が正常に動作しているか否かを検査する検査手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ビデオデータ生成手段で一定大きさのビデオデータが生成される毎に前記複数の画像メモリのうちの何れかひとつに記憶されたテスト用画像データを前記ビデオデータ生成手段へ転送する選択転送手段を更に具備し、前記検査手段は、前記選択転送手段で転送されたテスト用画像データにより前記ビデオデータ生成手段で生成されたテスト用ビデオデータに基づき前記ビデオデータ生成手段が正常に動作しているか否かを検査することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記テスト用画像データは、複数ワードで構成されており、前記検査手段は、前記選択転送手段で転送された前記テスト用画像データの各ワードの値の比較結果に基づき前記ビデオデータ生成手段が正常に動作しているか否かを検査することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記ビデオデータ生成手段で一定大きさのビデオデータが生成される毎に前記複数の画像メモリから転送された複数の画像データのうちの何れかひとつを選択する画像データ選択手段と、前記画像データ選択手段で選択された画像データをビット反転させた反転画像データを生成する反転画像データ生成手段とを更に具備し、前記検査手段は、前記画像データ選択手段で選択された画像データと前記反転画像データ生成手段で生成された反転画像データとにより前記ビデオデータ生成手段でそれぞれ生成されたビデオデータに基づき前記ビデオデータ生成手段が正常に動作しているか否かを検査する検査手段とを具備することを特徴とする。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項1の発明において、パリティチェックデータを記憶する複数のパリティメモリと、前記ビデオデータ生成手段で一定大きさのビデオデータが生成される毎に前記複数の画像メモリから転送された複数の画像データのうちの何れかひとつを選択する画像データ選択手段と、前記ビデオデータ生成手段で一定大きさのビデオデータが生成される毎に前記複数のパリティメモリのうちの何れかひとつを選択し、該選択されたパリティメモリに記憶されたパリティチェックデータを転送するパリティチェックデータ転送手段と、前記画像データ選択手段で選択された画像データにより前記ビデオデータ生成手段で生成されたビデオデータに前記パリティチェックデータ転送手段で転送されたパリティチェックデータを付加してテスト用画像データを生成するテスト画像データ生成手段とを更に具備し、前記検査手段は、前記テスト画像データ生成手段で生成されたテスト用画像データに基づき前記ビデオデータ生成手段が正常に動作しているか否かを検査する検査手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のビデオデータ検査回路によれば、複数の画像メモリから転送された複数の画像データをビデオデータ生成手段で合成してビデオデータを生成するビデオデータ生成装置において、一定大きさのビデオデータがビデオデータ生成手段で生成される毎にテスト用画像データをビデオデータ生成手段へ転送し、該転送されたテスト用画像データによりビデオデータ生成手段で生成されたテスト用ビデオデータに基づきビデオデータ生成手段が正常に動作しているか否かを検査するように構成したので、ビデオデータ生成手段を構成する回路等の固定故障または間欠故障を検知することができる。
【0014】
また、本発明のビデオデータ検査回路を、複数の画像メモリから転送された複数の画像データをビデオデータ生成手段で合成して生成したビデオデータを印刷出力する印刷制御装置に適用することにより、ビデオデータ検査回路がビデオデータ生成手段を構成する回路等の固定故障または間欠故障を検知した場合は、印刷制御装置が印刷停止制御をおこなうことで誤印刷を防止し、不要な用紙の消費を抑えることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に係わるビデオデータ検査回路は、例えば、複数の画像データを合成してビデオデータを生成する際に、複数の画像データに基づき正常にビデオデータが生成されているか否かを検査するビデオデータ検査回路であり、以下の実施例では、本発明に係わるビデオデータ検査回路を印刷装置の印刷制御装置に適用した場合を想定して説明する。
【実施例1】
【0016】
以下、本発明に係わるビデオデータ検査回路の一実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明に係わるビデオデータ検査回路90を備えた印刷制御装置100の概略の回路構成を示す図である。
【0018】
図1に示すように、印刷制御装置100は、画像データ処理部80と、ビデオデータ処理部70と、ビデオデータ検査回路90を備えており、画像データ処理部80は、ビットマップ形式の画像データを記憶する複数の画像メモリ10−1、10−2、10−3・・・等(以下、総称して「画像メモリ10−n」という。)から成る画像メモリ部10(破線で囲まれた部分)と、各画像メモリ10−nに対応して各画像メモリ10−nに記憶された画像データを読み出し、読み出した画像データをビデオデータ処理部70のFIFO等格納メモリ40に転送動作する複数のビデオ転送回路20−1、20−2、20−3・・・等(以下、総称して「ビデオ転送回路20−n」という。)から成るビデオ転送回路部20(破線で囲まれた部分)と、各ビデオ転送回路20−nに対応して各ビデオ転送回路20−nから出力される画像データとテスト用画像データのどちらかを選択して出力する複数のWIRED−OR回路30−1、30−2、30−3・・・等(以下、総称して「WIRED−OR回路30−n」という。)から成るWIRED−OR回路部30(破線で囲まれた部分)等で構成されている。
【0019】
また、ビデオデータ処理部70は、画像データ処理部80から転送されたビデオデータを一時保存するFIFO等格納メモリ40と、FIFO等格納メモリ40に格納されたビデオデータをパラレルからシリアル形式に変換するP/S変換回路60と、画像データ処理部80のビデオ転送回路部20がWIRED−OR回路部30を介してFIFO等格納メモリ40へビデオデータを転送するタイミング制御を行う送受信制御部50から構成されている。
【0020】
また、ビデオデータ検査回路90は、画像データ処理部80の各画像メモリ10−nに記憶された画像データのうちの1ライン分のビデオデータが画像データ処理部80からビデオデータ処理部70へ転送される毎に、各画像メモリ10−nに記憶されたテスト用画像データのうちのいずれかひとつのテスト用画像データを画像データ処理部80から転送出力させ、画像データ処理部80から出力されたテスト用ビデオデータに基づき画像データ処理部80から正常にビデオデータが出力されているか否かの検査を行うように構成されている。
【0021】
このように構成された印刷制御装置100が、画像データ処理部80の複数の画像メモリ10−nに記憶された画像データを重ね印刷処理する制御動作について、図2に示す画像データを参照しながら簡単に説明する。
【0022】
図2において、図2(a)は、画像データ処理部80の画像メモリ10−1、10−2、10−3に記憶されたビットマップ形式の画像データ11、画像データ12、画像データ13の一例を示す図であり、図2(b)は、複数の画像データ11、画像データ12、画像データ13に基づきWIRED−OR演算処理後に出力された合成画像データ14の一例を示す図である。
【0023】
なお、図2においては、画像メモリの数は特に限定されるものではないが、説明の便宜上、画像データ処理部80の複数の画像メモリ10−nが3個の場合を例に説明する。
【0024】
図2(a)に示すように、ビデオデータ処理部70の送受信制御部50から画像データ処理部80のビデオ転送回路部20にデータ要求信号が入力されると、ビデオ転送回路部20の各ビデオ転送回路20−1、20−2、20−3が各画像メモリ10−1、10−2、10−3に記憶されたビットマップ形式の画像データ11、12、13を読み出し、WIRED−OR回路部30へ転送し、転送された各画像データ11、12、13がWIRED−OR回路部30でWIRED−OR演算処理されて図3(b)に示すような合成画像データ14のビデオデータに生成されてビデオデータ処理部70のFIFO等格納メモリ40へ転送される。
【0025】
合成画像データ14が画像データ処理部80からビデオデータ処理部70へ転送されるタイミンングは、例えば、ビデオデータ処理部70の送受信制御部50がFIFO等格納メモリ40に合成画像データ14等のビデオデータの格納が可能か否かの状態に基づき画像データ処理部80に対してビデオデータの転送を要求するデータ要求信号の立ち上がりタイミングで合成画像データ14を画像データ処理部80からビデオデータ処理部70のFIFO等格納メモリ40へ転送され書き込み記憶される。
【0026】
また、画像データ処理部80は、合成画像データ14をビデオデータ処理部70へ転送後、ビデオデータ処理部70の送受信制御部50から出力されるデータ要求信号の立ち上がり時に、転送した合成画像データ14がビデオデータ処理部70のFIFO等格納メモリ40へ書き込まれたと判断し、データ応答信号をビデオデータ処理部70の送受信制御部50へ出力する。
【0027】
ビデオデータ処理部70のFIFO等格納メモリ40に格納された合成画像データ14は、P/S変換回路60へ転送され、P/S変換回路60でパラレル形式からシリアル形式の合成画像データ14へと変換されて印刷装置の図示せぬ印刷処理部へ転送され、合成画像データ14が印刷出力される。
【0028】
ところで、前述で示した印刷制御装置100は、画像データ処理部80からビデオデータ処理部70へ1ライン分のビデオデータを転送後、次の1ライン分のビデオデータを転送するまでにテスト用ビデオデータを画像データ処理部80から出力させ、出力されたテスト用ビデオデータに基づき画像データ処理部80からビデオデータ処理部70へ正常にビデオデータが転送されているか否かをチェックするビデオデータ検査回路90を備えている。
【0029】
このビデオデータ検査回路90の動作により、画像データ処理部80に何らかの不具合等が生じた場合、例えば、複数の画像メモリ10−nに記憶された複数の画像データに基づきWIRED−OR演算処理されて生成出力されたビデオデータが不正であった場合は、これらの不具合を検知して印刷処理を停止させ、誤印刷を防止することが可能となる。
【0030】
図3は、図1で示した印刷制御装置100における画像データ処理部80の各ビデオ転送回路20−nとビデオデータ検査回路部90を詳細に示した印刷制御装置100の詳細ブロック図の一例を示したものである。
【0031】
なお、図3において、画像データ処理部80の複数のビデオ転送回路20−nは、それぞれ同様に構成されているので説明の便宜上、ビデオ転送回路20−1、ビデオ転送回路20−2のみを示して説明する。
【0032】
図3に示すように、画像データ処理部80の各ビデオ転送回路20−n(例えば、ビデオ転送回路20−1破線で囲まれた部分を参照)は、各画像メモリ10−nに対応して各画像メモリ10−nから読み出された画像データを一時記憶する複数の画像データ格納回路201−1、201−2、・・・等(以下、総称して「画像データ格納回路201−n」という。)と、各画像メモリ10−nに対応して各画像メモリ10−nのX方向アドレスとY方向アドレスを算出して出力する複数のアドレス生成部202−1、202−2、・・・等(以下、総称して「アドレス生成部202−n」という。)と、各画像メモリ10−nに対応して各画像メモリ10−nに記憶された各画像データの読み出し、書き込みの制御を行う複数のリード・ライト制御部203−1、203−2、・・・等(以下、総称して「リード・ライト制御部203−n」という。)と、各画像メモリ10−nに対応して各画像メモリ10−nのX方向アドレスのワード数とY方向アドレスのライン数を管理する複数のX・Yカウンタ204−1、204−2、・・・等(以下、総称して「X・Yカウンタ204−n」という。)と、ビデオデータ処理部70の送受信制御部50から水平同期信号及びデータ要求信号の受信を行い、ビデオデータ処理部70の送受信制御部50に対してデータ応答信号の送信し、各WIRED−OR回路30−nに対して各ビデオ転送回路20−nから出力される画像データとテスト用画像データの何れかを選択して出力させるような制御を行う機能を持つ複数の送受信制御部205−1、205−2、・・・等(以下、総称して「送受信制御部205−n」という。)を備えている。
【0033】
また、ビデオデータ検査回路90は、画像データ処理部80の各ビデオ転送20−nに対応して各画像メモリ10−nに記憶されたテスト用画像データを各WIRED−OR回路30−nから出力させるような制御を行う複数のテストデータ発生回路91−1、91−2、・・・等(以下、総称して「テストデータ発生回路91−n」という。)と、1ライン分のビデオデータX301が画像データ処理部80からビデオデータ処理部70へ転送される毎に動作試験を実施したいビデオ転送回路20−nに対応したテストデータ発生回路91−nにビデオ選択信号XA21を出力し、動作試験対象のビデオ転送回路20−nを選択するとともに、選択されたビデオ転送回路20−nに対応したWIRED−OR回路30−nからテスト用画像データを出力させるようにビデオデータ処理部70の送受信制御部50に対して制御信号XA22を出力するテスト用制御回路92と、選択されたビデオ転送回路20−nに対応したWIRED−OR回路30−nから出力されたテスト用画像データに基づきWIRED−OR演算処理されて画像データ処理部80から出力されたテスト用ビデオデータが正常であるか否かを診断するテストデータ診断回路93と、テストデータ診断回路93の診断結果に基づき診断結果情報を設定する診断エラーフラグ94等で構成されている。
【0034】
このように構成された印刷制御装置100において、各画像メモリ10−nのX方向、Y方向の各アドレス及びX方向のワード数、Y方向のライン数を管理する方法について図4を参照しながら説明する。
【0035】
図4において、図4(a)は、各画像メモリ10−nのX方向アドレスとY方向アドレスを示す図であり、図4(b)は、各画像メモリ10−nのX方向アドレスのワード数とY方向アドレスのライン数の対応を示す図、図4(c)は、画像データ処理部80とビデオデータ処理部70との間での水平同期信号、データ要求信号、データ応答信号、ビデオデータ等の各信号転送のタイムチャートを示す図である。
【0036】
図4(a)及び(b)に示すように、各画像メモリ10−nは、X方向のアドレスが16進数表現で「8」の値のワード数で示され、Y方向のアドレスが16進数表現で「A」の値のライン数で示されるようにそれぞれ構成されており、各ビデオ転送回路20−nのアドレス生成部202−nは、X方向及びY方向の各アドレス開始をそれぞれ「0」の値から開始させ、X方向アドレスの値に「1」の値を順次加算し、X方向アドレスが8ワード目の最終アドレスとなった時に、Y方向アドレスの値に「1」の値加算してX方向アドレスを再び「0」から「1」の値を順次加算してX方向及びY方向の各アドレスが最終アドレスとなるまで前述の動作を繰り返してアドレス値を算出し出力する。
【0037】
また、各X・Yカウンタ204−nは、図4(c)に示すように、水平同期信号X501−Aがビデオデータ処理部70の送受信制御部50から画像データ処理部80の各送受信制御部205−nに入力されると、各X・Yカウンタ204−nのYカウンタの値を「1」の値減算し、ビデオデータ処理部70の送受信制御部50からのデータ要求信号X502−Aにより、画像データ処理部80からWIRED−OR演算処理されて出力されたビデオデータX301−Aがビデオデータ処理部70のFIFO等格納メモリ40へ転送される。
【0038】
ビデオデータX301−Aがビデオデータ処理部70のFIFO等格納メモリ40へ転送され格納されると、データ応答信号X503−Aが画像データ処理部80の各送受信制御部205−nからビデオデータ処理部70の送受信制御部50へ出力されるとともに各X・Yカウンタ204−nのXカウンタの値を「1」の値減算する。
【0039】
そして、次の水平同期信号X501−Bがビデオデータ処理部70の送受信制御部50から画像データ処理部80の各送受信制御部205−nへ入力される前に、テスト用制御回路92が複数あるテストデータ発生回路91−nのうちの何れか1つを選択し、選択されたテストデータ発生回路91−nに対応したビデオ転送回路20−nの送受信制御部205−nにビデオデータ処理部70の送受信制御部50からデータ要求信号X502−TAが入力されることにより、選択されたテストデータ発生回路91−nに対応したビデオ転送回路20−nのWIRED−OR回路30−nからテスト用ビデオデータが出力され、WIRED−OR演算処理されて画像データ処理部80からテスト用ビデオデータX301−TAが出力される。
【0040】
画像データ処理部80から出力されたテスト用ビデオデータX301−TAは、ビデオデータ検査回路90のテストデータ診断回路92へ転送され、テストデータ診断回路92が入力されたテスト用ビデオデータX301−TAに基づき画像データ処理部80からビデオデータが正常に出力されているか否かを診断する。
【0041】
入力されたテスト用ビデオデータX301−TAに基づきテストデータ診断回路92が正常との診断結果を出力すれば、次の水平同期信号X501−Bがビデオデータ処理部70の送受信制御部50から画像データ処理部80の各送受信制御部205−nに入力され、Yカウンタの値を「1」の値減算し、ビデオデータ処理部70の送受信制御部50からのデータ要求信号X502−Bにより、画像データ処理部80の各ビデオ転送回路20−nが次の1ライン分の画像データを各WIRED−OR回路30−nへ転送し、WIRED−OR演算処理されたビデオデータX301−Bがビデオデータ処理部70のFIFO等格納メモリ40へ転送されて格納される。
【0042】
ビデオデータX301−Bがビデオデータ処理部70のFIFO等格納メモリ40へ記憶格納されるとXカウンタの値を「1」の値減算し、次の水平同期信号(図示せず)がビデオデータ処理部70の送受信制御部50から画像データ処理部80の各送受信制御部205−nへ入力される前に、テスト用制御回路92が複数あるテストデータ発生回路91−nのうちの何れか1つを選択し、以降は、前述と同様な動作を繰り返す。
【0043】
このように動作する印刷制御装置100において、本発明に係わるビデオデータ検査回路90が1ライン分のビデオデータが画像データ処理部80からビデオデータ処理部70へ転送される毎に、画像データ処理部80の複数のビデオ転送回路20−nのうちの何れかひとつを任意選択し、選択したビデオ転送回路20−nに対応したWIRED−OR回路30−nからテスト用ビデオデータを出力させて画像データ処理部80からビデオデータが正常に出力されているか否かを検査する方法について図5及び図6を参照して詳細に説明する。
【0044】
図5において、図5(a)は、図4(c)で示した画像データ処理部80とビデオデータ処理部70及びビデオデータ検査回路90との間での各信号転送のタイムチャートを示す図であり、図5(b)及び(c)は、テスト用ビデオデータX301−TA及びX301−TB出力時の各信号転送の詳細タイムチャートの一例を示す図である。
【0045】
また、図6は、各画像メモリ10−nに予め記憶されたテスト用ビデオデータの値の一例を示す図である。
【0046】
図5(a)に示すように、1ライン分のビデオデータX301−Aが画像データ処理部80からビデオデータ処理部70のFIFO等格納メモリ40へ転送され、次の1ライン分のビデオデータX301−Bが転送されるまでにビデオデータ検査回路90のテスト用制御回路92が、画像データ処理部80のWIRED−OR回路部30が正常に動作しているか否かの検査を実施するために複数あるビデオ転送回路20−nに対応したテストデータ発生回路91−nのうちの何れかひとつ任意選択し、選択したテストデータ発生回路91−nに対してビデオ選択信号XA21を出力するとともに、ビデオデータ処理部70の送受信制御部50に対して選択されたテストデータ発生回路91−nに対応したビデオデータ転送回路20−nの送受信制御部205−nに対してデータ要求信号X502−TAを出力するような制御信号XA22−TAを出力する。
【0047】
なお、本実施例では、最初の検査対象がビデオ転送回路20−1のWIRED−OR回路30−1、次の検査対象がビデオ転送回路20−2のWIRED−OR回路30−2の場合を想定し、テスト用制御回路92から出力されるビデオ選択信号XA21が「1」、「2」の値の順で示されている。
【0048】
テスト用制御回路92が検査対象のビデオ転送回路20−1のテストデータ発生回路91−1に対してビデオ選択信号XA21−TAを出力してテストデータ発生回路91−1を選択するとともに、ビデオデータ処理部70の送受信制御部50に対して図5(b)に示すようなデータ要求信号X502−TA1、X502−TA2をビデオ転送回路20−1の送受信制御部205−1へ出力するような制御信号XA22−TA(図5(a)参照)を出力する。
【0049】
テスト用制御回路92によって選択されたテストデータ発生回路91−1は、WIRED−OR回路30−1に対してWIRED−OR回路30−1から画像メモリ10−1に記憶された後述するテストデータが出力されるような制御信号XA1を出力する。
【0050】
画像データ処理部80の送受信制御部205−1は、ビデオデータ処理部70の送受信制御部50から入力されたデータ要求信号X502−TA1に基づき画像メモリ10−1に記憶されたテストデータX201−TA1(図5(b)参照)がWIRED−OR回路30−1から出力されるようなタイミング制御信号をWIRED−OR回路30−1へ出力し、WIRED−OR回路30−1からテストデータX201−TA1が出力される。
【0051】
テストデータは、図6に示すように、各画像メモリ10−n内のX方向アドレスの最終アドレス601と最終アドレス直前602に所定の値でテストデータ600として格納されており、図5(b)に示すように、画像データ処理部80からビデオデータ処理部70のFIFO等格納メモリ40へ1ライン分のビデオデータX301−A(図5(a)参照)の転送が終了後、画像メモリ10−1のビデオデータX301−Aが格納された、例えば0ラインの最終アドレス直前のテストデータ「AA」と最終アドレスのテストデータ「55」の値の各信号X201−TA1、X201−TA2がテストデータ発生回路91−1の制御信号XA1に基づきWIRED−OR回路30−1から出力される。
【0052】
また、検査対象であるビデオ転送回路20−1以外の他のビデオ転送回路20−n、例えばビデオ転送回路20−2、ビデオ転送回路20−3等に対応したWIRED−OR回路30−2、30−3等からは「FF」の値の各信号X202−TA1、X202−TA2、X203−TA1、X203−TA2等がそれぞれ出力され、これらの各信号がWIRED−OR回路部30でWIRED−OR演算処理されたテスト用ビデオデータが画像データ処理部80から出力される。
【0053】
画像データ処理部80から出力されたテスト用ビデオデータX301は、テストデータ診断回路93へ転送され、テストデータ診断回路93がテスト用ビデオデータX301に基づき画像データ処理部80のWIRED−OR回路部30が正常に動作しているか否かを判断する。
【0054】
判断方法は、具体手には、例えば図5(b)に示すように、最初に転送された最終アドレス直前の1ワードのテスト用ビデオデータX301−TA1の値、例えば「AA」と、次に転送された最終アドレスの1ワードのテスト用ビデオデータX301−TA2の値、例えば「55」とを比較し、最終アドレスの1ワードのテスト用ビデオデータX301−TA2の値「55」が最初に転送された最終アドレス直前の1ワードのテスト用ビデオデータX301−TA1の値「AA」の値をビット反転させた値と一致するか否かを論理演算し、論理演算の結果、一致した場合はWIRED−OR回路部30が正常に動作しているものと判断する。
【0055】
また、論理演算の結果、一致しない場合はWIRED−OR回路部30が正常に動作していないと判断して診断エラーフラグ94を有効にする。
なお、この実施例の場合は、ビデオデータ幅が8ビット幅になっており、最終アドレス及び最終アドレス直前のテスト用ビデオデータ601、602は、全てのビットが反転可能なように「0」、「1」か、または「ON」、「OFF」かの診断ができるように構成されている。
【実施例2】
【0056】
前述の実施例1は、1ライン分のビデオデータが画像データ処理部80からビデオデータ処理部70へ出力される毎に、検査を実施したい画像データ処理部80の複数のビデオ転送回路20−nのうちの何れかひとつを任意選択し、選択したビデオ転送回路20−nから出力されたテストデータに基づき画像データ処理部80から出力されたテスト用ビデオデータのビット反転による照合チェックを行うようなビデオデータ検査回路の構成例を示した。
【0057】
この実施例2では、1ワード分のビデオデータが画像データ処理部80からビデオデータ処理部70へ出力される毎に、検査を実施したい画像データ処理部80の複数のビデオ転送回路20−nのうちの何れかひとつを任意選択し、選択したビデオ転送回路20−nが転送中の1ワード分の画像データと、その画像データをビット反転させた反転画像データとに基づき画像データ処理部80からビデオデータが正常に出力されているか否かを診断するようなビデオデータ検査回路の構成例について説明する。
【0058】
図7は、印刷制御装置100のビデオデータ検査回路90とは他のビデオデータ検査回路900を備えた印刷制御装置110の詳細ブロック図の一例を示す図である。
【0059】
図7に示すように、印刷制御装置110は、図3で示した印刷制御装置100と同様に、画像データ処理部80と、ビデオデータ処理部70及びビデオデータ検査回路900で構成されており、ビデオデータ検査回路900の構成が印刷制御装置100と異なる他は、印刷制御装置100と同様に構成されている。
【0060】
なお、図7において、印刷制御装置100と同様な機能及び動作する各部については、図3で示した各部と同一の符号を付す。
【0061】
ビデオデータ検査回路900は、画像データ処理部80の各ビデオデータ転送回路20−nの画像データ格納回路201−nに対応して画像データ格納回路201−nから出力された画像データの信号を反転させる複数のインバータ(ビット反転)回路902−1、902−2、・・・等(以下、「インバータ回路902−n」という。)と、各インバータ回路902−nからの出力信号と画像データ格納回路201−nからの出力信号のどちらかを選択して各WIRED−OR回路部30−nへ出力する選択回路903−1、903−2、・・・等(以下、「選択回路903−n」という。)と、各選択回路903−nへ選択制御信号を出力するビデオデータ選択制御部901−1、901−2、・・・等(以下、「ビデオデータ選択制御部901−n」という。)と、正常に動作しているか否かの検査対象とするビデオデータ選択制御部901−nを任意選択するテスト番号発生部905と、各ビデオデータ選択制御部901−nに対して各選択回路903−nを制御する制御信号XB2の出力と、VDレジスタ906へのデータセットタイミング信号XB41の出力と、反転VDレジスタ907へのデータセットタイミング信号XB42を出力するテスト要求部901と、検査のためのテスト用ビデオデータを格納するVDレジスタ906と、検査のためのテスト用ビデオデータを反転させたデータを格納する反転VDレジスタ907と、VDレジスタ906と反転VDレジスタ907に記憶された各データに基づき、画像データ処理部80からビデオデータが正常に出力されているか否かの診断を行う診断回路908を備えている。
【0062】
このように構成された印刷制御装置110のビデオデータ検査回路900が1ワード分のビデオデータが画像データ処理部80からビデオデータ処理部70へ出力される毎に、検査を実施したい画像データ処理部80の複数のビデオ転送回路20−nのうちの何れかひとつを任意選択し、選択したビデオ転送回路20−nから出力された1ワードの画像データと、その画像データをビット反転させた画像データに基づき画像データ処理部80のWIRED−OR回路部30が正常に動作しているか否かを診断する方法について図8に示す各信号のタイムチャートを参照して詳細に説明する。
【0063】
図8において、図8(a)は、画像データ処理部80とビデオデータ処理部70との間でのデータ要求信号X502、データ応答信号X503及びビデオデータ信号X301のタイムチャートを示す図であり、図8(b)は、画像データ処理部80とビデオデータ処理部70及びビデオデータ検査回路900との間での図8(a)で示したビデオデータ信号X301の最初の2ワード分のデータ要求信号X502、データ応答信号X503、ビデオデータ信号X301及び各信号の詳細のタイムチャートそ示す図である。
【0064】
なお、図8においては、ビデオ転送回路20−1を検査する場合を例として示したものである。
【0065】
印刷制御装置110のビデオデータ検査回路900は、図7に示すように、1ワード分のビデオデータが画像データ処理部80からビデオデータ処理部70へ転送される毎に、複数のビデオ転送回路20−nのうちの1つのビデオ転送回路20−nを任意選択し、選択されたビデオ転送回路20−nが転送中の画像データと、その画像データを反転させた反転画像データとに基づき画像データ処理部80のWIRED−OR回路部30が正常に動作しているか否かを検査する。
【0066】
具体的には、図8(b)に示すように、テスト番号発生部905が複数のビデオ転送回路20−nのビデオデータ選択制御部901−nのうちの何れか1つのビデオデータ選択制御部901−nに対してテスト番号信号XB3を出力し、検査を実施するビデオ転送回路20−nを選択する。
【0067】
ここでは、ビデオデータ選択制御部901−1を選択する場合を想定して説明するのでテスト番号信号XB3の値が「1」で示されている。
【0068】
印刷すべきビデオデータX301が1ワード(例えば、16進数の「00」の値のビデオデータX301−D0)だけFIFO等格納メモリ40へ転送されて格納されると、ビデオデータ選択制御部901−1に対応したビデオデータ転送回路20−1の画像データ格納回路201−1から次の1ワードの画像データ「33」の画像データX201−Eが出力されるまでにテスト要求部904がビデオデータ選択制御部901−1に対してインバータ回路902−1から出力される反転画像データXB1−Dを選択回路903−1から出力させるようにビデオデータ選択制御部901−1に対して選択信号XB43−Dを出力し、ビデオデータ選択制御部901−1が入力された制御信号XB43−Dに基づき選択回路903−1に対してインバータ回路902−1からの反転画像データXB1−Dを出力するような制御信号XB2−Dを出力する。
【0069】
この動作により、次の1ワードの画像データX201−Eが出力されるまでに選択回路903−1から「AA」の値の画像データX201−Dに対応した出力信号XB8−D1と、「AA」の値の画像データX201−Dをビット反転させた「55」の値の反転画像データXB1−Dに対応した出力信号XB8−D2がそれぞれ出力される。
【0070】
また、ビデオ転送回路20−2及びビデオ転送回路20−3(図示せず)等の各画像データ格納回路201−2及び画像データ格納回路201−3(図示せず)等からは16進数の「FF」の値の画像データがそれぞれ出力され、ビデオ転送回路20−2及びビデオ転送回路20−3(図示せず)等に対応した選択回路903−2及び選択回路903−3(図示せず)等からは画像データ「FF」の出力信号XB9−D、XB10−Dそれぞれ出力される。
【0071】
各選択回路903−1、903−2、903−3等から出力された出力信号XB8−D1、XB8−D2、XB9−D、XB10−DがWIRED−OR回路部30へ入力されてWIRED−OR演算処理され、画像データ処理部80から「AA」の値のビデオデータX301−D1と「55」の値のビデオデータX301−D2が出力される。
【0072】
画像データ処理部80から出力された「AA」の値のビデオデータX301−D1と「55」の値のビデオデータX301−D2は、VDレジスタ906がテスト要求部904から入力されたVDレジスタセット信号XB41−Cに基づき「AA」の値のビデオデータX301−D1をVDレジスタ906へ記憶し、反転VDレジスタ907がテスト要求部904から入力された反転VDレジスタセット信号XB42−Dに基づき「55」の値のビデオデータX301−D2を反転VDレジスタ907へ記憶する。
【0073】
ビデオデータX301−D1、X301−D2がそれぞれVDレジスタ906、反転VDレジスタ907へ記憶されると、テスト要求部904が診断回路908へ診断チェックタイミング信号XB44−Dを出力し、診断回路908がテスト要求部904から入力された診断チェックタイミング信号XB44−Dに基づきVDレジスタ906に記憶された「AA」の値のB5−Dと反転VDレジスタ907に記憶された「55」の値のB6−Dとを比較して画像データ処理部80から正常に画像データが出力されているか否かを判断する。
【0074】
画像データ処理部80から正常に画像データが出力されているか否かの判断は、例えば、VDレジスタ906に記憶されたB5−Dの値「AA」をビット反転させた値「55」と、反転VDレジスタ907に記憶されたB6−Dの値「55」とが等しければ正常と判断し、各ビットのうちの一致するビットがあれば異常と判断する。
【0075】
このように、印刷制御装置110のビデオデータ検査回路900は、1ワード分のビデオデータが画像データ処理部80からビデオデータ処理部70へ出力される毎に、検査を実施したい画像データ処理部80の複数のビデオ転送回路20−nのうちの何れかひとつを任意選択し、選択したビデオ転送回路20−nが転送中の1ワード分の画像データと、その画像データをビット反転させた反転画像データとに基づき画像データ処理部80からビデオデータが正常に出力されているか否かを診断し、ビデオデータ検査回路900が異常を検知した場合は、印刷制御装置110が印刷処理を停止させるような印刷制御を行う。
【実施例3】
【0076】
前述の実施例2は、1ワード分のビデオデータが画像データ処理部80からビデオデータ処理部70へ転送される毎に、画像データ処理部80の複数のビデオ転送回路20−nのうちの検査を実施したい何れかひとつを任意選択し、選択したビデオ転送回路20−nから次の1ワードの画像データが出力されるまでに転送中の画像データとその画像データをビット反転させた反転画像データに基づき画像データ処理部80からビデオデータが正常に出力されているか否かを診断するようなビデオデータ検査回路の構成例を示した。
【0077】
この実施例3では、1ワード分のビデオデータが画像データ処理部80からビデオデータ処理部70へ転送される毎に、画像データ処理部80の複数のビデオ転送回路20−nのうちの何れかひとつを任意選択し、選択したビデオ転送回路20−nから次の1ワードの画像データが出力されるまでに転送中の画像データにパリティデータを付加した画像データに基づき画像データ処理部80からビデオデータが正常に出力されているか否かを診断するようなビデオデータ検査回路910を備えた印刷制御装置120について説明する。
【0078】
図9は、印刷制御装置110のビデオデータ検査回路900とは他のビデオデータ検査回路910を備えた印刷制御装置120の詳細ブロック図の一例を示す図である。
【0079】
図9に示すように、印刷制御装置120は、図7で示した印刷制御装置110と同様に、画像データ処理部80と、ビデオデータ処理部70及びビデオデータ検査回路910で構成されており、ビデオデータ検査回路910の構成がビデオデータ検査回路900と異なる他は、印刷制御装置110と同様に構成されている。
【0080】
なお、図9において、印刷制御装置110と同様な機能及び動作する各部には、図7で示した各部と同一の符号を付す。
【0081】
ビデオデータ検査回路910は、画像データ処理部80の各画像メモリ10−nに対応してパリティチェック用のパリティデータを記憶する複数のパリティメモリ911−1、911−2、・・・等(以下、総称して「パリティメモリ911−n」という。)と、各画像データ格納回路201−nから出力された画像データを記憶する各画像データ格納回路201−nに対応した複数のパリティデータバッファ912−1、912−2、・・・等(以下、総称して「パリティデータバッファ912−n」という。)と、各パリティデータバッファ912−nのゲート制御を行う各パリティデータバッファ912−nに対応した複数の送受信制御部206−1、206−2、・・・等(以下、総称して「送受信制御部206−n」という。)と、パリティチェック選択回路913と、パリティチェックレジスタ914と、パリティチェック回路915を備えている。
【0082】
このように構成された印刷制御装置120のビデオデータ検査回路910が1ワード分のビデオデータが画像データ処理部80からビデオデータ処理部70へ転送される毎に、画像データ処理部80の複数のビデオ転送回路20−nのうちの何れかひとつを検査対象として任意選択し、選択したビデオ転送回路20−nから次の1ワードの画像データが転送されるまでに転送中の画像データにパリティデータを付加した画像データに基づき画像データ処理部80からビデオデータが正常に出力されているか否かを診断する方法について図10に示す各信号のタイムチャートを参照して詳細に説明する。
【0083】
図10において、図10(a)は、画像データ処理部80とビデオデータ処理部70との間でのデータ要求信号X502、データ応答信号X503及びビデオデータ信号X301のタイムチャートを示す図であり、図10(b)は、画像データ処理部80とビデオデータ処理部70及びビデオデータ検査回路900との間での図10(a)で示したビデオデータ信号X301の最初の2ワード分のデータ要求信号X502、データ応答信号X503、ビデオデータ信号X301及び各信号の詳細のタイムチャートそ示す図である。
【0084】
なお、図10においては、ビデオ転送回路20−1を検査する場合を例として示したものである。
【0085】
印刷制御装置120のビデオデータ検査回路910は、図9に示すように、画像データ処理部80からビデオデータ処理部70へ1ワードのビデオデータが転送される毎に複数のビデオ転送回路20−nのうちの1つのビデオ転送回路20−nを検査対象として任意選択し、選択したビデオ転送回路20−nから次の1ワード分の画像データが転送されるまでに画像データのパリティチェックの検査を行う。
【0086】
具体的には、図10(b)に示すように、パリティチェック選択回路913が画像データ処理部80の複数のビデオ転送回路20−nのうちのひとつのビデオ転送回路20−nに対してパリティチェック番号信号XC7を出力し、検査対象として任意選択する。
【0087】
本実施例では、検査対象とするビデオ転送回路20−1とし、パリティチェック選択回路913がビデオ転送回路20−1を選択する場合のビデオ転送回路20−1に対して出力するパリティチェック番号信号XC7の値を「1」で示す。
【0088】
印刷すべきビデオデータX301が1ワード(例えば、16進数の「00」のビデオデータX301−E)だけFIFO等格納メモリ40へ転送されて格納されると、画像データ処理部80の送受信制御部206−1からビデオデータ処理部70の送受信制御部50へ出力されるデータ応答信号X503の立ち上がり信号X503−Eでビデオ転送回路部20−2の画像データX202を検査無効とするために画像データの値を16進数の「FF」の値とした画像データX202−Eとする。
ビデオ転送回路部20−2の画像データX202を「FF」の値の画像データX202−Eにすると、画像データ処理部80の送受信制御部206−1がパリティチェック選択回路913の制御信号XC7に基づきパリティデータバッファ912−1に対してパリティデータバッファ912−1のゲートを「開く」にするような制御信号XC81−Eを出力し、パリティデータバッファ913−1が制御信号XC81−Eに基づきパリティデータバッファ912−1のゲートを開いてパリティ有効値とするパリティ信号XC3−Eを出力する。
【0089】
また、ビデオデータ処理部70の送受信制御部50がパリティチェックレジスタ914に対してレジスタ格納信号XC91−Eを出力し、パリティチェックレジスタ914がレジスタ格納信号XC91−Eに基づき「AA」の値のビデオデータX301−Fとパリティ有効値とするパリティ信号XC3−Eをパリティチェックレジスタ914に格納する。
【0090】
パリティ信号XC3−Eのパリティデータは、図11に示すように、各画像メモリ10−nの1ワード毎にパリティビット1100が付加されている。
本実施例では、パリティチェック選択回路913によって画像データ処理部80の複数の送受信制御部206−nのうちの送受信制御部206−1が選択されるので送受信制御部206−1からパリティデータバッファ913−1へ制御信号XC81−Eが出力されることでパリティデータバッファ913−1のゲートが開き、ビデオデータ処理部70の送受信制御部50からパリティチェックレジスタ914へレジスタ格納信号XC91−Eが出力されることでパリティデータバッファ913−1のパリティデータがパリティチェックレジスタ914へ記憶される。
【0091】
なお、パリティデータバッファ912−2のゲートは閉じたままとなる。
【0092】
また、データ要求信号X502の立ち下がりタイミングでこれらの動作を行うような構成としてもよい。
【0093】
パリティチェックレジスタ914にビデオデータX301−Fとパリティ信号XC3−Eが格納されると、これらの信号X301−F、XC3−Eをパリティチェック回路915へ出力し、パリティチェック回路915がビデオデータ処理部70の送受信制御部50から入力されたパリティチェックタイミング信号XC92−Eに基づきパリティチェックを行い、パリティチェックの結果が正常であるか否かを検証する。
【0094】
このように、印刷制御装置120のビデオデータ検査回路910は、1ワード分のビデオデータが画像データ処理部80からビデオデータ処理部70へ出力される毎に、検査を実施したい画像データ処理部80の複数のビデオ転送回路20−nのうちの何れかひとつを任意選択し、選択したビデオ転送回路20−nから次の1ワードの画像データが転送されるまでに転送中の画像データにパリティデータを付加した画像データに基づき画像データ処理部80からビデオデータが正常に出力されているか否かを検証し、ビデオデータ検査回路910が異常を検知した場合は、印刷制御装置120が印刷処理を停止させるような印刷制御を行う。
【0095】
以上説明したように、本発明に係わるビデオデータ検査回路は、1ライン分のビデオデータが画像データ処理部80からビデオデータ処理部70へ転送される毎にテスト用画像データをテストを実施したいビデオ転送回路20−nからWIRED−OR回路部30へ転送させ、該転送させたテスト用画像データに基づき画像データ処理部80から出力されたテストビデオデータが正常であるか否かを検査するような構成としたので、画像データ処理部80で不具合が生じた場合は、これを検知し、印刷処理を停止させることで誤印刷を防止するとともに、不要な紙の消費を抑制することが可能となる。
【0096】
また、本発明に係わるビデオデータ検査回路は、1ワード分のビデオデータが画像データ処理部80からビデオデータ処理部70へ転送される毎にテストを実施したいビデオ転送回路20−nが転送する画像データと、当該画像データをビット反転させたテスト用画像データとを比較検査するような構成としたので、画像データ処理部80で間欠的に不具合等が生じた場合であっても、これを検知することができ、印刷データの精度をより向上させることができる。
【0097】
なお、本発明に係わるビデオデータ検査回路は、印刷制御装置に限定されることなく、複数の画像データに基づき画像データを生成する装置等であれば、これらの装置の画像データのチェック回路として適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明に係わる印刷制御装置100の概略の回路構成図
【図2】印刷制御装置100が画像データを重ね印刷する制御動作を示す図
【図3】印刷制御装置100の詳細ブロック図の一例を示す図
【図4】印刷制御装置100が各画像メモリ10−nのアドレスを管理する方法を示す図
【図5】ビデオデータ検査回路90の処理動作を示す各信号の詳細のタイムチャート
【図6】各画像メモリ10−nに設定されたテスト用ビデオデータ値の一例を示す図
【図7】印刷制御装置110の詳細ブロック図の一例を示す図
【図8】ビデオデータ検査回路90の処理動作を示す各信号の詳細のタイムチャート
【図9】印刷制御装置120の詳細ブロック図の一例を示す図
【図10】ビデオデータ検査回路90の処理動作を示す各信号の詳細のタイムチャート
【図11】パリティデータの一例を示す図
【符号の説明】
【0099】
10 画像メモリ部
10−1、10−2、10−3、10−n 画像メモリ
11 画像データ(画像メモリ10−1)
12 画像データ(画像メモリ10−2)
13 画像データ(画像メモリ10−3)
14 合成画像
20 ビデオ転送回路部
20−1、20−2、20−3、20−n ビデオ転送回路
201−1、201−2、201−n 画像データ格納回路
202−1、202−2、202−n アドレス生成部
203−1、203−2、203−n リード・ライト制御部
204−1、204−2、204−n X・Yカウンタ
205−1、205−2、205−n 送受信制御部(画像データ処理部)
30 WURED−OR回路部
30−1、30−2、30−3、30−n WURED−OR回路
40 FIFO等格納メモリ
50 送受信制御部(ビデオデータ転送部)
60 P/S変換部
70 ビデオデータ処理部
80 画像データ処理部
90、900、910 ビデオデータ検査回路
91−1、91−2、91−n テストデータ発生回路
904 テスト要求部
905 テスト信号発生部
906 VDレジスタ
907 反転VDレジスタ
908 診断回路
901−1、901−2、901−n ビデオデータ選択制御部
911−1、911−2、911−n パリティメモリ
912−1、912−2、912−n パリティデータバッファ
913 パリティチェック選択回路
914 パリティチェックレジスタ
915 パリティチェック回路
92 テスト用制御回路
93 テストデータ診断回路
94 診断エラーフラグ
100、110、120 印刷制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像メモリから転送された複数の画像データをビデオデータ生成手段で合成してビデオデータを生成するビデオデータ生成装置のビデオデータ検査回路であって、
前記ビデオデータ生成手段で一定大きさのビデオデータが生成される毎に前記複数の画像メモリに記憶されたテスト用画像データを前記ビデオデータ生成手段へ転送するテスト画像データ転送手段と、
前記テスト画像データ転送手段で転送されたテスト用画像データにより前記ビデオデータ生成手段で生成されたテスト用ビデオデータに基づき前記ビデオデータ生成手段が正常に動作しているか否かを検査する検査手段と
を具備することを特徴とするビデオデータ検査回路。
【請求項2】
前記ビデオデータ生成手段で一定大きさのビデオデータが生成される毎に前記複数の画像メモリのうちの何れかひとつに記憶されたテスト用画像データを前記ビデオデータ生成手段へ転送する選択転送手段を
更に具備し、
前記検査手段は、
前記選択転送手段で転送されたテスト用画像データにより前記ビデオデータ生成手段で生成されたテスト用ビデオデータに基づき前記ビデオデータ生成手段が正常に動作しているか否かを検査する
ことを特徴とする請求項1記載のビデオデータ検査回路。
【請求項3】
前記テスト用画像データは、
複数ワードで構成されており、
前記検査手段は、
前記選択転送手段で転送された前記テスト用画像データの各ワードの値の比較結果に基づき前記ビデオデータ生成手段が正常に動作しているか否かを検査する
ことを特徴とする請求項2記載のビデオデータ検査回路。
【請求項4】
前記ビデオデータ生成手段で一定大きさのビデオデータが生成される毎に前記複数の画像メモリから転送された複数の画像データのうちの何れかひとつを選択する画像データ選択手段と、
前記画像データ選択手段で選択された画像データをビット反転させた反転画像データを生成する反転画像データ生成手段と
を更に具備し、
前記検査手段は、
前記画像データ選択手段で選択された画像データと前記反転画像データ生成手段で生成された反転画像データとにより前記ビデオデータ生成手段でそれぞれ生成されたビデオデータに基づき前記ビデオデータ生成手段が正常に動作しているか否かを検査する検査手段と
を具備することを特徴とする請求項1記載のビデオデータ検査回路。
【請求項5】
パリティチェックデータを記憶する複数のパリティメモリと、
前記ビデオデータ生成手段で一定大きさのビデオデータが生成される毎に前記複数の画像メモリから転送された複数の画像データのうちの何れかひとつを選択する画像データ選択手段と、
前記ビデオデータ生成手段で一定大きさのビデオデータが生成される毎に前記複数のパリティメモリのうちの何れかひとつを選択し、該選択されたパリティメモリに記憶されたパリティチェックデータを転送するパリティチェックデータ転送手段と、
前記画像データ選択手段で選択された画像データにより前記ビデオデータ生成手段で生成されたビデオデータに前記パリティチェックデータ転送手段で転送されたパリティチェックデータを付加してテスト用画像データを生成するテスト画像データ生成手段と
を更に具備し、
前記検査手段は、
前記テスト画像データ生成手段で生成されたテスト用画像データに基づき前記ビデオデータ生成手段が正常に動作しているか否かを検査する検査手段と
を具備することを特徴とする請求項1記載のビデオデータ検査回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−20150(P2006−20150A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−196914(P2004−196914)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】