ビデオ表示システム、ビデオ表示方法、クライアント端末、及び、クライアント端末プログラム
【課題】位置情報画像上に存在する所定の場所に関する情報を効果的に提示することを第1の課題とし、その情報をより簡便に提供することを第2の課題とする。
【解決手段】クライアント端末100は、地図やフロア図などの位置情報画像と映像とを表示し、この映像が再生表示されている場所に対応する位置情報画像上に、映像の再生に同期させてカーソルを表示し、映像の撮影開始場所から撮影終了場所までに対応する目印とこの目印に関する情報とを表示されている映像上及び位置情報画像上に表示する。また、入力部150は、利用者の指定により次の移動方向を決定する手動モードと、現在の移動方向に基づいて次の移動方向を決定する自動モードとを指定可能とする。更に、画像制御表示部110は、屋外の位置情報画像と屋内の位置情報画像とを切り替え・回転させて表示し、その回転とは独立して文字列を表示させる。
【解決手段】クライアント端末100は、地図やフロア図などの位置情報画像と映像とを表示し、この映像が再生表示されている場所に対応する位置情報画像上に、映像の再生に同期させてカーソルを表示し、映像の撮影開始場所から撮影終了場所までに対応する目印とこの目印に関する情報とを表示されている映像上及び位置情報画像上に表示する。また、入力部150は、利用者の指定により次の移動方向を決定する手動モードと、現在の移動方向に基づいて次の移動方向を決定する自動モードとを指定可能とする。更に、画像制御表示部110は、屋外の位置情報画像と屋内の位置情報画像とを切り替え・回転させて表示し、その回転とは独立して文字列を表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図やフロア図などの位置情報画像上にカーソルを表示すると共に、該カーソルの表示位置に対応する実写映像を連携して表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
以前から、出発地と目的地との最適経路を計算し、この最適経路に沿って現在位置を示すカーソルを地図上に逐次表示しながら、不慣れな土地でも適切に移動が行えるように支援を行う車両ナビゲーションシステムが存在している。
【0003】
また、近年では、広帯域なインターネットの利用が普及するにつれて、地図や映像などの大容量データを扱うことが容易になったことから、地図上の位置に応じた実写映像による景観情報の提供が容易となっている。例えば、特許文献1では、利用端末において検索した地域の地図画面上で、誘導矢印により誘導される順路に沿って走行すると、それに同期して実際にその道路を通行した際に見える道路通行視覚映像を表示するシステムに関する技術が開示されている。
【特許文献1】特許第3809901号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、地図上の誘導矢印の移動と同期して道路を通行している映像を表示する技術は開示されているが、通行中に表示される特定の場所に関連する情報が地図や映像上に表示されていないため、その特定場所の正体を正確に把握できないという問題があった。
【0005】
また、利用者による出発・目的地や度重なる移動方向の指定操作が不要な景観を鑑賞するための自動で映像再生する方法は考慮されていないので、利用者が移動方向をその都度入力しなければならないという問題があった。
【0006】
更に、屋外の地図の位置座標に基づくシステムであり、高さに対して考慮されていないので、屋内のフロア図のような各階の位置座標を区別できないという問題があった。
【0007】
また、屋外の位置情報画像を屋内の位置情報画像に切り替える際に、切り替えた屋内の位置情報画像を表示する向きが考慮されていないので、どの方向に何があるのかを認識することが苦手な利用者にとって、位置や方向を瞬時に把握することが困難であるという問題があった。更に、位置情報画像の表示向きが考慮された場合であっても、位置情報画像上に付与されている文字列の表示向きも合わせて変更されるので、回転角度によっては文字列の可読性が低下するという問題があった。
【0008】
本発明は、上記を鑑みてなされたものであり、位置情報画像上に存在する所定の場所に関する情報を効果的に提示することを第1の課題とし、その情報をより簡便に提供することを第2の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の本発明は、通信ネットワークを介してサーバ装置から取得した画像及び映像をクライアント端末で表示するビデオ表示システムにおいて、前記サーバ装置は、位置情報に応じた場所を表す位置情報画像を蓄積しておく画像蓄積手段と、屋外及び屋内の風景を移動しながら撮影した映像を蓄積しておく動画蓄積手段と、位置情報に対応する目印と当該目印に関する情報とを関連付けて蓄積しておく周辺情報蓄積手段と、を有し、前記クライアント端末は、前記画像蓄積手段から読み出した前記位置情報画像を表示する画像制御表示手段と、前記動画蓄積手段から読み出した前記映像を再生表示する動画制御表示手段と、前記映像が再生表示されている場所に対応する前記位置情報画像上に、当該映像の再生に同期させてカーソルを表示する動画・画像連携手段と、前記映像の撮影開始場所から撮影終了場所までに対応する前記目印と当該目印に関する前記情報とを前記周辺情報蓄積手段から読み出して、表示されている前記映像上及び前記位置情報画像上に表示する周辺情報制御表示手段と、を有することを要旨とする。
【0010】
本発明にあっては、クライアント端末が、画像蓄積手段から読み出した位置情報画像を表示すると共に動画蓄積手段から読み出した映像を再生表示し、この映像が再生表示されている場所に対応する位置情報画像上に、映像の再生に同期させてカーソルを表示して、映像の撮影開始場所から撮影終了場所までに対応する目印とこの目印に関する情報とを周辺情報蓄積手段から読み出して、表示されている映像上及び位置情報画像上に表示するため、位置情報画像上に存在する所定の場所に関する情報を効果的に提示することができる。また、位置情報画像上のカーソル移動に対応する映像を連携して表示するため、臨場感のある情報を提供することができる。
【0011】
請求項2に記載の本発明は、前記動画蓄積手段により蓄積された前記映像は移動方向に基づいて撮影された複数の映像であって、利用者の指定により次の移動方向を決定する手動モードと、現在の移動方向に基づいて次の移動方向を決定する自動モードとを指定可能な入力手段を更に有することを要旨とする。
【0012】
本発明にあっては、利用者の指定により次の移動方向を決定する手動モードと、現在の移動方向に基づいて次の移動方向を決定する自動モードとを指定可能な入力手段を更に有するため、利用者が出発・目的地や度重なる移動方向の指定操作をすることなく、自動で景観を鑑賞することができる。
【0013】
請求項3に記載の本発明は、前記位置情報画像が、所定の建物における屋外及び屋内の位置情報画像であって、前記画像制御表示手段は、当該屋外の位置情報画像と当該屋内の位置情報画像とを切り替えて表示することを要旨とする。
【0014】
本発明にあっては、画像制御表示手段が、屋外の位置情報画像と屋内の位置情報画像とを切り替えて表示するため、高さのある建物等に関する各フロアの詳細な情報を提供することができる。
【0015】
請求項4に記載の本発明は、前記画像制御表示手段が、前記位置情報画像を回転して表示することを要旨とする。
【0016】
本発明にあっては、画像制御表示手段が、位置情報画像を回転して表示するため、位置情報画像上に存在する所定の場所に関する情報をより簡便に提示することができる。即ち、屋外から屋内へ、若しくは、屋内から屋外へ位置情報画像を切り替えた場合に、実際に屋内等に入る方向と同じ方向に位置情報画像を回転させるため、方向感覚の混乱を来たすことなく現在位置を提供することができる。
【0017】
請求項5に記載の本発明は、前記位置情報画像が、当該位置情報画像上に表された場所に文字列が付与された画像であって、前記画像制御表示手段は、前記位置情報画像の回転とは独立して前記文字列を回転可能とすることを要旨とする。
【0018】
本発明にあっては、画像制御表示手段が、位置情報画像の回転とは独立して文字列を回転可能とするため、位置情報画像上に存在する所定の場所に関する情報をより簡便に提示することができる。即ち、位置情報画像の回転に伴って、文字情報の可読性が低下することを防止することができる。
【0019】
請求項6に記載の本発明は、通信ネットワークを介してサーバ装置から取得した画像及び映像をクライアント端末で表示するビデオ表示方法において、前記サーバ装置により、位置情報に応じた場所を表す位置情報画像を画像蓄積手段に蓄積しておくステップと、屋外及び屋内の風景を移動しながら撮影した映像を動画蓄積手段に蓄積しておくステップと、位置情報に対応する目印と当該目印に関する情報とを関連付けて周辺情報蓄積手段に蓄積しておくステップと、を有し、前記クライアント端末により、前記画像蓄積手段から読み出した前記位置情報画像を表示するステップと、前記動画蓄積手段から読み出した前記映像を再生表示するステップと、前記映像が再生表示されている場所に対応する前記位置情報画像上に、当該映像の再生に同期させてカーソルを表示するステップと、前記映像の撮影開始場所から撮影終了場所までに対応する前記目印と当該目印に関する前記情報とを前記周辺情報蓄積手段から読み出して、表示されている前記映像上及び前記位置情報画像上に表示するステップと、を有することを要旨とする。
【0020】
請求項7に記載の本発明は、位置情報に応じた場所を表す位置情報画像を蓄積しておく画像蓄積手段から読み出した前記位置情報画像を表示する画像制御表示手段と、屋外及び屋内の風景を移動しながら撮影した映像を蓄積しておく動画蓄積手段から読み出した前記映像を再生表示する動画制御表示手段と、前記映像が再生表示されている場所に対応する前記位置情報画像上に、当該映像の再生に同期させてカーソルを表示する動画・画像連携手段と、位置情報に対応する目印と当該目印に関する情報とを関連付けて蓄積しておく周辺情報蓄積手段から、前記映像の撮影開始場所から撮影終了場所までに対応する前記目印と当該目印に関する前記情報とを読み出して、表示されている前記映像上及び前記位置情報画像上に表示する周辺情報制御表示手段と、を有することを要旨とする。
【0021】
請求項8に記載の本発明は、位置情報に応じた場所を表す位置情報画像を蓄積しておく画像蓄積手段から読み出した前記位置情報画像を表示する処理と、屋外及び屋内の風景を移動しながら撮影した映像を蓄積しておく動画蓄積手段から読み出した前記映像を再生表示する処理と、前記映像が再生表示されている場所に対応する前記位置情報画像上に、当該映像の再生に同期させてカーソルを表示する処理と、位置情報に対応する目印と当該目印に関する情報とを関連付けて蓄積しておく周辺情報蓄積手段から、前記映像の撮影開始場所から撮影終了場所までに対応する前記目印と当該目印に関する前記情報とを読み出して、表示されている前記映像上及び前記位置情報画像上に表示する処理と、をクライアント端末に実行させることを要旨とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、位置情報画像上に存在する所定の場所に関する情報を効果的に提示し、その情報をより簡便に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0024】
図1は、本実施の形態に係るビデオ表示システムの構成を示す構成図である。本実施の形態に係るビデオ表示システムは、通信ネットワーク300を介して互いに通信可能なクライアント端末100及びサーバ装置200で構成されている。以下、サーバ装置200とクライアント端末100とをそれぞれ構成する各部について説明する。
【0025】
サーバ装置200には、クライアント端末100で表示するための画像や映像等が蓄積されており、具体的には、地図や建物内のフロア図等の位置情報に応じた場所を表す位置情報画像を蓄積しておく画像蓄積部210と、位置情報に応じた交差点情報を蓄積しておく交差点情報蓄積部220と、屋外及び屋内の風景を移動しながら撮影した映像を蓄積しておく動画蓄積部230と、位置情報に対応する目印とこの目印に関する情報とを関連付けて蓄積しておく周辺情報蓄積部240とを備えた構成である。
【0026】
クライアント端末100は、位置情報画像を表示する画像制御表示部110と、映像を再生表示する動画制御表示部120と、映像が再生表示されている場所に対応する位置情報画像上に、映像の再生に同期させてカーソルを表示する動画・画像連携部130と、映像の撮影開始場所から撮影終了場所までに対応する目印とこの目印に関する情報とを、表示されている映像上及び位置情報画像上に表示する周辺情報制御表示部140と、利用者からの操作を入力する入力部150とを備えた構成である。なお、クライアント端末100には、事前にインストールされたブラウザを介して、サーバ装置200に付与されているアドレスへアクセスし、このブラウザ上で動作するプログラム若しくは事前にインストールしたプラグイン上で実行可能なモジュールが予め読み込まれている。
【0027】
通信ネットワーク300は、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネット、公衆回線網、ケーブルテレビ網等を利用することができる。なお、インターネットとは、所定のプロトコルに基づいて相互リンクされたネットワークの集合体である。
【0028】
続いて、本実施の形態に係るビデオ表示システムの処理動作について説明する。図2は、本実施の形態に係るビデオ表示システムの処理動作を示すフローチャートである。
【0029】
最初に、入力部150は、対象エリアとエリア内の現在の交差点IDとの入力を受け付ける(ステップS100)。例えば、利用者が、対象エリア「東京」、現在の交差点ID「A」を入力することで、入力部150は、それらをURLの引数として画像蓄積部210に送信する。
【0030】
次に、動画制御表示部120は、交差点情報蓄積部220から対象エリアの交差点情報を読み出す(ステップS101)。
【0031】
また、画像制御表示部110は、現在の交差点IDを中心とする位置情報画像を画像蓄積部210から読み出して表示する(ステップS102)。
【0032】
ここで、ステップS101とステップS102の処理により表示される画像の一例を図3(a)に示す。交差点ID「A」に対応する座標に基づいて、交差点ID「A」を中心とする地図が表示されている。
【0033】
そして、動画制御表示部120は、現在の交差点IDに対応する位置情報画像上の座標上にカーソルを表示する(ステップS103)。例えば、図3(a)に示すように、交差点ID「A」付近に現在位置を示すカーソル「+」が表示される。
【0034】
また、動画制御表示部120は、ステップS101で読み出した交差点情報から現在の交差点位置と次の交差点位置とを検索し、現在の交差点から移動可能な次の交差点が存在する方向へ矢印を表示する(ステップS104)。例えば、交差点情報蓄積部220に蓄積された交差点情報が図3(b)に示す交差点情報データの場合には、図3(a)に示すように、交差点ID「A」から次に移動可能な交差点ID「B」,交差点ID「D」,交差点ID「E」,交差点ID「F」が存在する方向へ矢印がそれぞれ表示される。
【0035】
次に、利用者により入力部150を介して表示されている複数の矢印のうち任意の矢印が指定された場合に、次に移動する交差点が決定される(ステップS105)。例えば、利用者は、交差点ID「A」から交差点ID「B」への移動を希望する場合に、右上方向を指す矢印をマウスクリックする。
【0036】
そして、動画制御表示部120は、現在の交差点から次の交差点までの移動風景を撮影した映像を動画蓄積部230から読み出して再生表示する(ステップS106)。
【0037】
そして、動画・画像連携部130は、再生される映像の再生時間と、現在の交差点の座標と次の交差点の座標との間の座標間距離とを計算し、座標間距離を再生時間で分割することで単位時間当たりに進む距離を求め、映像の再生に同期させながら、位置情報画像上における現在の交差点から次の交差点へカーソルを移動させる(ステップS107)。
【0038】
例えば、図3(b)に示す交差点情報データの場合、交差点ID「A」から交差点ID「B」への移動を撮影した映像ファイルは映像ファイル名1である。また、交差点ID「A」の座標は(200,200),交差点ID「B」の座標は(300,100)なので、現在の交差点から次の交差点までの距離は約141ピクセルとなる。ここで、映像ファイルの1秒毎にカーソルを移動させる場合、この映像ファイルの再生時間が4秒と仮定すると、動画・画像連携部130は、このカーソルを約35ピクセル毎に交差点ID「A」から交差点ID「B」の方向へ移動させる。なお、カーソルの移動に合わせて位置情報画像を部分的に読み込む方式の場合には、現在の位置を中心とする位置情報画像を画像蓄積部210から読み出して表示する。
【0039】
続いて、周辺情報制御表示部140は、動画・画像連携部130により位置情報画像上に表示されるカーソルが移動された時に、再生されている映像の映像ファイル名に基づいて周辺情報蓄積部240を検索する(ステップS108)。
【0040】
そして、周辺情報制御表示部140は、再生ラップタイムと一致する時刻が記載されていれば、指定の秒数の間、映像の撮影開始場所から撮影終了場所までに対応する目印とこの目印に関する情報とを再生中の映像上に表示する(ステップS109)。
【0041】
例えば、周辺情報制御表示部140は、交差点ID「A」から交差点ID「B」の映像を再生しながらカーソルを移動する際に、1秒毎に周辺情報の有無を周辺情報蓄積部240に問い合わせ、周辺情報蓄積部240に蓄積された映像に関する周辺情報データが図4(b)に示すデータの場合には、現在再生している映像ファイル名1の再生開始からの時刻(再生ラップタイム)がT1に到達した時点で、T1からT2秒の間、目印と吹き出しとを、図4(a)に示すように映像上の座標(300,100)から(10,150)へ移動しながら表示する。なお、この吹き出し内には、目印に関するサムネイル画像情報や文字情報などが含まれている。
【0042】
また、周辺情報制御表示部140は、位置情報画像上にスポットの目印を予め表示しておき、位置情報画像上のカーソルから所定の範囲内にスポット(目印)があるかどうかを周辺情報蓄積部240から検索した結果、カーソルから一定の範囲内に目印がある場合には、位置情報画像上の目印がある座標に、その目印に関する説明の一部やサムネイル画像等を吹き出しとして表示し、カーソルの移動により所定の範囲外となった時点で、吹き出しの表示を停止する(ステップS110)。
【0043】
例えば、図4(c)に示すように、カーソルが交差点ID「A」から交差点ID「B」へ移動する際に、1秒毎に周辺情報データを問い合わせた結果、カーソルから半径100ピクセル内にコンテンツ1があった場合、このコンテンツ1の座標上の目印に吹き出しを表示する。そして、コンテンツ1がカーソルの半径100ピクセルから外れた場合には、吹き出し表示を停止する。なお、カーソルから一定の範囲内に多数の目印がある場合は、ランダムに表示させたり、予め定めた優先度が高いものを先に表示させるようにしてもよい。
【0044】
次に、カーソルが次の交差点に到着していない場合には、ステップS106に戻り、ステップS106〜ステップS110までの処理を実行する(ステップS111)。
【0045】
一方、カーソルが次の交差点に到着した時点で映像の再生が終了し、その後、利用者により入力部150から処理を継続しない指定がされた場合には、クライアント端末の処理が終了し、継続する場合にはステップS100に戻る(ステップS112)。
【0046】
なお、ステップS112からステップS100に戻る場合には、到達時点の交差点IDが現在の交差点IDとなる。もし、現在の交差点IDを変更したい場合には、新たな交差点IDを入力部150から再度指定すればよい。その場合、ステップS101では、既に読み出された交差点情報データがそのまま用いられるので、別のエリアのデータを指定したい場合には、対象エリアを再度入力すればよい。また、ステップS102において、既に読み出した地図・フロア図の位置情報画像に不足がある場合には、対象となる位置情報画像の読み出しが再度実行される。また、位置情報画像上の中心が現在の交差点IDと同じであれば、ステップS103の処理を省略することも可能である。
【0047】
なお、ステップS100〜ステップS112に記載した処理動作は、利用者が交差点毎に移動可能な方向を決定する手動モードの場合について説明するものであるが、次の交差点に到着後、現在の移動の方向に基づいて、次の移動方向を決定する自動モードを指定可能としてもよい。即ち、図2のステップS113に示すように、動画制御表示部120は、映像の再生表示が終了して次の交差点にカーソルが到着した後、次の交差点位置への矢印を表示することなく、次に移動可能な交差点が存在する方向と直前の移動方向との間の角度を計算し、最も方向が近い交差点、即ち、その角度が最も小さい方向に存在する交差点を次の交差点として決定する。なお、自動モードは、カーソルを自動移動させて景観を鑑賞するモードなので、次の交差点の決定については、移動可能な交差点の中から予め定めた諸条件を満たしたものを選択する方法であれば、どのような方法であってもよい。
【0048】
次に、画像制御表示部110が更に備える機能について説明する。図5は、本実施の形態に係るビデオ表示システムの画像制御表示部110の構成を示す構成図である。画像制御表示部110は、入力部150から利用者による屋内外の指定を受けて、屋外と屋内との画像表示の切り替えを行う屋内外画像表示切替部111と、入力部150からの利用者による屋内の階層の指定を受けて、屋内階層の表示の切り替えを行う屋内階層表示切替部112と、入力部150からの位置情報画像の回転指定を受けて、位置情報画像を移動方向に対応するように回転させる回転表示部113と、位置情報画像の回転表示に応じて、位置情報画像上の文字列を回転とは独立して表示させる文字表示部114と、位置情報画像を表示する画像表示部115とを備えた構成である。
【0049】
続いて、図5で示す各部の処理動作について説明する。
【0050】
屋内外画像表示切替部111は、屋外の位置情報画像を表示中に、位置情報画像上の建物に特殊なマークがあり、そのマークがマウスや指等で指定された場合に、その建物の内部を示す屋内の位置情報画像に切り替える。
【0051】
より具体的には、屋内の位置情報画像を利用して、ステップS103〜ステップS110を実行中に、位置情報画像上に表された建物に特殊なマークが存在する場合には、そのマークを入力部150を通じて利用者がマウスでクリックすると、屋内外画像表示切替部111は、屋外の位置情報画像から屋内への位置情報画像に切り替える。この時、屋内外画像表示切替部111は、切り替え前の屋外のカーソル位置や映像再生ラップタイムを一時保持しておく。例えば、図3(c)に示す屋内データの場合、地図上の建物iに現された「屋内」のマークが図3(a)の屋外座標(400,150)にあるので、入力部150を介して「屋内」のマークをマウスでクリックすると、屋内外画像表示切替部111により、図6に示すような屋内の位置情報画像に切り替わり、屋内交差点ID「1階−K」にカーソルが表示される。
【0052】
また、逆に、屋内の位置情報画像を利用して、ステップS103〜ステップS110を実行中に、特殊なマークを入力部150を通じてマウスクリックすると、屋内外画像表示切替部111により、屋内の位置情報画像から屋外の位置情報画像に切り替えることもできる。例えば、図6に示す「屋外」のマークをマウスクリックすると、図3(c)に示す屋内データに基づいて、図3(a)の屋外交差点ID「B」を中心とする建物i付近を示す位置情報画像に切り替わり、交差点ID「B」にカーソルを表示する。もし、屋内の位置情報画像の切り替え以前に、処理していた屋外の位置情報画像上のカーソル位置や映像の再生ラップタイムが一時保持されている場合には、その情報を基にカーソル位置と映像再生とを再現した状態で切り替える。
【0053】
なお、上述とは別の屋内・屋外の位置情報画像の切り替え方法としては、屋外(屋内)の交差点IDから特別な交差点IDを設けて、その方向を選択した時点で、屋内(屋外)の位置情報画像に切り替えることも可能である。例えば、図3(a)に示す交差点ID「B」から交差点ID「建物i−G」の方向を選択した時点で、屋内外画像表示切替部111は、図6に示す屋内の位置情報画像に切り替えることも可能である。
【0054】
回転表示部113は、屋外から屋内の位置情報画像に切り替える前までに、図2で示す処理ステップのいずれかの時点において、入力部150を介して位置情報画像の回転が指定された場合に、移動方向が上部となるように屋内の位置情報画像を回転して表示する。例えば、図7で示す位置情報画像は、移動方向が上部となるように回転させたフロア図である。一方、位置情報画像の回転について指定されていない場合には、図6に示したように、屋外の位置情報画像で表示されていた方向と同じ方向、即ち、上部の方角が北向きとなるように屋内の位置情報画像を表示する。なお、屋外の位置情報画像の場合であっても、上述した説明と同様に、回転についての指示がある場合には、移動方向が上部となるように地図を回転させて表示することも可能である。
【0055】
なお、位置情報画像を回転する場合には、位置情報画像上の回転軸となる座標を予め定めておく。もし、回転軸となる座標が定められていない場合には、位置情報画像の中心座標を回転軸の座標としてもよい。若しくは、現在位置を画像の中心とするように表示している場合には、その現在位置の座標を回転軸の座標としてもよい。また、位置情報画像を回転させる場合には、位置情報画像上に表された場所に周辺情報等が表示される位置も変更する必要があるので、座標計算を行う必要がある。位置情報画像の具体的な座標計算方法は、後述する位置情報画像上に表された文字列表示の位置を回転させる場合の座標計算方法と同様なので、ここでは説明は省略する。
【0056】
建物内に店舗名等の文字列が付与されている場合に、位置情報画像を回転して表示すると、図7に示すように回転の影響によりその文字列も回転して表示されるため、利用者が回転後の文字を正確に把握できない可能性がある。そこで、文字表示部114は、文字列以外が記載されている回転済みの基準画像上に、文字列を回転させないようにした文字列を上書きして表示する。具体的には、図8(a)及び(b)に示すように、文字列のない画像を回転すると共に、回転前の画像上に表示されていた各店舗の文字列が、回転後の画像上におけるどの座標に対応するかを把握し、図8(c)に示すように、回転後の画像の各店舗に文字列を回転させないように表示する。より具体的に、北向きのフロア図を基準画像とし、移動方向が上部となるように回転させる指定がされた場合での回転後の画像上の文字列表示について、図9を用いて以下説明を続ける。
【0057】
まず、基準となる北向きのベクトルと移動方向のベクトルとに基づいて、画像の回転角度を計算する。ここでは、正の角度を時計回り、負の角度を反時計回りとする。例えば、図9(b)では、移動方向ベクトルを基準ベクトルまで回転させた際の回転角度は+α度となる。
【0058】
次に、基準画像上で表示する文字列の表示位置の座標から、移動方向が上部となるように回転させた後の画像上の座標を計算する。基準画像上において、回転軸座標から文字列表示位置座標までのベクトルを、先の回転角度だけ回転させることで求めることができる。例えば、図9(c)に示すように、回転軸から基準画像での文字列「iii」の座標までのベクトルを+α度回転させると、回転後の画像上における文字列「iii」の座標を求めることができる。
【0059】
その後、文字表示部114は、回転後の画像上に表示させる文字列を計算した座標に表示する。例えば、図9(a)に示すように、回転後の画像上に回転がされない文字列「iii」を表示する。即ち、文字表示部114は、位置情報画像の回転とは独立して文字列を回転させる機能を備えている。なお、移動方向の指定により、画像の回転処理が繰り返される場合には、内部的には基準画像上の座標系に逆変換した上で、図9を用いて説明した方法と同様の位置情報の再計算を行う。
【0060】
最後に、屋内での移動は、屋外の移動とは異なり、高さに対するカーソルの移動処理が必要となる。そこで、交差点IDから特別な交差点IDを設けることで、屋内階層表示切替部112は、その方向を選択した時点でフロアの上階や下階へ画像を切り替えることができる。例えば、図10(a)に示すように、1階フロアの階段にカーソルが移動した場合に、図10(b)に示す交差点情報データを確認した結果、交差点ID「1階−L」から次の交差点ID「2階−N」を選択した時点で、屋内階層表示切替部112は、1階のフロアを示す位置情報画像から、図11に示す2階のフロアを示す位置情報画像に切り替え、カーソルを交差点ID「2階−N」へ移動する。
【0061】
また、屋内階層表示切替部112は、図10(a)に示すように、エレベータを示す交差点ID「1階−Q」にカーソルが移動した場合には、フロア選択リストを吹き出しとして表示する。ここで、仮に3階が選択された場合には、図10(b)に示す交差点情報データを確認した結果、3階のフロアを示す位置情報画像に切り替え、カーソルを交差点ID「3階−Q」へ移動することも可能である。
【0062】
更に、屋内階層表示切替部112は、図2で示すステップS103からステップS110までの処理を実行中に、特別に設けたリストやメニューから所望の階を選択すると、図10(b)に示す交差点情報データを確認した結果、その階のフロア画像に切り替え、図10(b)に示す交差点情報データのデフォルト位置が“x”でない所定の交差点IDへカーソルを移動させることも可能である。
【0063】
最後に、クライアント端末100及びサーバ装置200は、少なくとも演算機能及び制御機能を備えた中央演算装置(CPU)、プログラムやデータを格納する機能を有するRAM等からなる主記憶装置(メモリ)を有する電子的な装置から構成されているものである。また、各装置は、主記憶装置の他、ハードディスクなどの補助記憶装置を具備していてもよい。
【0064】
また、本実施の形態に係る各種処理を実行するプログラムは、前述したクライアント端末100及びサーバ装置200に格納されているものである。そして、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することも、通信ネットワークを介して配信することも可能である。
【0065】
本実施の形態によれば、クライアント端末100が、画像蓄積部210から読み出した位置情報画像を表示すると共に動画蓄積部230から読み出した映像を再生表示し、この映像が再生表示されている場所に対応する位置情報画像上に、映像の再生に同期させてカーソルを表示して、映像の撮影開始場所から撮影終了場所までに対応する目印とこの目印に関する情報とを周辺情報蓄積部240から読み出して、表示されている映像上及び位置情報画像上に表示するので、位置情報画像上に存在する所定の場所に関する情報を効果的に提示することができる。また、位置情報画像上のカーソル移動に対応する映像を連携して表示するので、臨場感のある情報を提供することができる。
【0066】
本実施の形態によれば、利用者の指定により次の移動方向を決定する手動モードと、現在の移動方向に基づいて次の移動方向を決定する自動モードとを指定可能な入力部150を有するので、利用者が出発・目的地や度重なる移動方向の指定操作をすることなく、自動で景観を鑑賞することができる。
【0067】
本実施の形態によれば、画像制御表示部110が、屋外の位置情報画像と屋内の位置情報画像とを切り替えて表示するので、高さのある建物等に関する各フロアの詳細な情報を提供することができる。
【0068】
本実施の形態によれば、画像制御表示部110が、位置情報画像を回転して表示するので、位置情報画像上に存在する所定の場所に関する情報をより簡便に提示することができる。即ち、屋外から屋内へ、若しくは、屋内から屋外へ位置情報画像を切り替えた場合に、実際に屋内等に入る方向と同じ方向に位置情報画像を回転させるので、方向感覚の混乱を来たすことなく現在位置を提供することができる。
【0069】
本実施の形態によれば、画像制御表示部110が、位置情報画像の回転とは独立して文字列を回転可能とするので、位置情報画像上に存在する所定の場所に関する情報をより簡便に提示することができる。即ち、位置情報画像の回転に伴って、文字情報の可読性が低下することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本実施の形態に係るビデオ表示システムの構成を示す構成図である。
【図2】本実施の形態に係るビデオ表示システムの処理動作を示すフローチャートである。
【図3】屋外の位置情報画像の一例を示す図である。
【図4】周辺情報が表示された場合の映像と位置情報画像との一例を示す図である。
【図5】本実施の形態に係るビデオ表示システムの画像制御表示部の構成を示す構成図である。
【図6】回転指定がない場合における屋内の位置情報画像の一例を示す図である。
【図7】回転指定がある場合における屋内の位置情報画像の一例を示す図である。
【図8】位置情報画像の回転方法の概要を説明する説明図である。
【図9】位置情報画像の回転方法の詳細を説明する説明図である。
【図10】屋内(1階)の位置情報画像の一例を示す図である。
【図11】屋内(2階)の位置情報画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
100…クライアント端末
110…画像制御表示部
111…屋内外画像表示切替部
112…屋内階層表示切替部
113…回転表示部
114…文字表示部
115…画像表示部
120…動作制御表示部
130…動画・画像連携部
140…周辺情報制御表示部
150…入力部
200…サーバ装置
210…画像蓄積部
220…交差点情報蓄積部
230…動画蓄積部
240…周辺情報蓄積部
S100〜S113…ステップ
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図やフロア図などの位置情報画像上にカーソルを表示すると共に、該カーソルの表示位置に対応する実写映像を連携して表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
以前から、出発地と目的地との最適経路を計算し、この最適経路に沿って現在位置を示すカーソルを地図上に逐次表示しながら、不慣れな土地でも適切に移動が行えるように支援を行う車両ナビゲーションシステムが存在している。
【0003】
また、近年では、広帯域なインターネットの利用が普及するにつれて、地図や映像などの大容量データを扱うことが容易になったことから、地図上の位置に応じた実写映像による景観情報の提供が容易となっている。例えば、特許文献1では、利用端末において検索した地域の地図画面上で、誘導矢印により誘導される順路に沿って走行すると、それに同期して実際にその道路を通行した際に見える道路通行視覚映像を表示するシステムに関する技術が開示されている。
【特許文献1】特許第3809901号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、地図上の誘導矢印の移動と同期して道路を通行している映像を表示する技術は開示されているが、通行中に表示される特定の場所に関連する情報が地図や映像上に表示されていないため、その特定場所の正体を正確に把握できないという問題があった。
【0005】
また、利用者による出発・目的地や度重なる移動方向の指定操作が不要な景観を鑑賞するための自動で映像再生する方法は考慮されていないので、利用者が移動方向をその都度入力しなければならないという問題があった。
【0006】
更に、屋外の地図の位置座標に基づくシステムであり、高さに対して考慮されていないので、屋内のフロア図のような各階の位置座標を区別できないという問題があった。
【0007】
また、屋外の位置情報画像を屋内の位置情報画像に切り替える際に、切り替えた屋内の位置情報画像を表示する向きが考慮されていないので、どの方向に何があるのかを認識することが苦手な利用者にとって、位置や方向を瞬時に把握することが困難であるという問題があった。更に、位置情報画像の表示向きが考慮された場合であっても、位置情報画像上に付与されている文字列の表示向きも合わせて変更されるので、回転角度によっては文字列の可読性が低下するという問題があった。
【0008】
本発明は、上記を鑑みてなされたものであり、位置情報画像上に存在する所定の場所に関する情報を効果的に提示することを第1の課題とし、その情報をより簡便に提供することを第2の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の本発明は、通信ネットワークを介してサーバ装置から取得した画像及び映像をクライアント端末で表示するビデオ表示システムにおいて、前記サーバ装置は、位置情報に応じた場所を表す位置情報画像を蓄積しておく画像蓄積手段と、屋外及び屋内の風景を移動しながら撮影した映像を蓄積しておく動画蓄積手段と、位置情報に対応する目印と当該目印に関する情報とを関連付けて蓄積しておく周辺情報蓄積手段と、を有し、前記クライアント端末は、前記画像蓄積手段から読み出した前記位置情報画像を表示する画像制御表示手段と、前記動画蓄積手段から読み出した前記映像を再生表示する動画制御表示手段と、前記映像が再生表示されている場所に対応する前記位置情報画像上に、当該映像の再生に同期させてカーソルを表示する動画・画像連携手段と、前記映像の撮影開始場所から撮影終了場所までに対応する前記目印と当該目印に関する前記情報とを前記周辺情報蓄積手段から読み出して、表示されている前記映像上及び前記位置情報画像上に表示する周辺情報制御表示手段と、を有することを要旨とする。
【0010】
本発明にあっては、クライアント端末が、画像蓄積手段から読み出した位置情報画像を表示すると共に動画蓄積手段から読み出した映像を再生表示し、この映像が再生表示されている場所に対応する位置情報画像上に、映像の再生に同期させてカーソルを表示して、映像の撮影開始場所から撮影終了場所までに対応する目印とこの目印に関する情報とを周辺情報蓄積手段から読み出して、表示されている映像上及び位置情報画像上に表示するため、位置情報画像上に存在する所定の場所に関する情報を効果的に提示することができる。また、位置情報画像上のカーソル移動に対応する映像を連携して表示するため、臨場感のある情報を提供することができる。
【0011】
請求項2に記載の本発明は、前記動画蓄積手段により蓄積された前記映像は移動方向に基づいて撮影された複数の映像であって、利用者の指定により次の移動方向を決定する手動モードと、現在の移動方向に基づいて次の移動方向を決定する自動モードとを指定可能な入力手段を更に有することを要旨とする。
【0012】
本発明にあっては、利用者の指定により次の移動方向を決定する手動モードと、現在の移動方向に基づいて次の移動方向を決定する自動モードとを指定可能な入力手段を更に有するため、利用者が出発・目的地や度重なる移動方向の指定操作をすることなく、自動で景観を鑑賞することができる。
【0013】
請求項3に記載の本発明は、前記位置情報画像が、所定の建物における屋外及び屋内の位置情報画像であって、前記画像制御表示手段は、当該屋外の位置情報画像と当該屋内の位置情報画像とを切り替えて表示することを要旨とする。
【0014】
本発明にあっては、画像制御表示手段が、屋外の位置情報画像と屋内の位置情報画像とを切り替えて表示するため、高さのある建物等に関する各フロアの詳細な情報を提供することができる。
【0015】
請求項4に記載の本発明は、前記画像制御表示手段が、前記位置情報画像を回転して表示することを要旨とする。
【0016】
本発明にあっては、画像制御表示手段が、位置情報画像を回転して表示するため、位置情報画像上に存在する所定の場所に関する情報をより簡便に提示することができる。即ち、屋外から屋内へ、若しくは、屋内から屋外へ位置情報画像を切り替えた場合に、実際に屋内等に入る方向と同じ方向に位置情報画像を回転させるため、方向感覚の混乱を来たすことなく現在位置を提供することができる。
【0017】
請求項5に記載の本発明は、前記位置情報画像が、当該位置情報画像上に表された場所に文字列が付与された画像であって、前記画像制御表示手段は、前記位置情報画像の回転とは独立して前記文字列を回転可能とすることを要旨とする。
【0018】
本発明にあっては、画像制御表示手段が、位置情報画像の回転とは独立して文字列を回転可能とするため、位置情報画像上に存在する所定の場所に関する情報をより簡便に提示することができる。即ち、位置情報画像の回転に伴って、文字情報の可読性が低下することを防止することができる。
【0019】
請求項6に記載の本発明は、通信ネットワークを介してサーバ装置から取得した画像及び映像をクライアント端末で表示するビデオ表示方法において、前記サーバ装置により、位置情報に応じた場所を表す位置情報画像を画像蓄積手段に蓄積しておくステップと、屋外及び屋内の風景を移動しながら撮影した映像を動画蓄積手段に蓄積しておくステップと、位置情報に対応する目印と当該目印に関する情報とを関連付けて周辺情報蓄積手段に蓄積しておくステップと、を有し、前記クライアント端末により、前記画像蓄積手段から読み出した前記位置情報画像を表示するステップと、前記動画蓄積手段から読み出した前記映像を再生表示するステップと、前記映像が再生表示されている場所に対応する前記位置情報画像上に、当該映像の再生に同期させてカーソルを表示するステップと、前記映像の撮影開始場所から撮影終了場所までに対応する前記目印と当該目印に関する前記情報とを前記周辺情報蓄積手段から読み出して、表示されている前記映像上及び前記位置情報画像上に表示するステップと、を有することを要旨とする。
【0020】
請求項7に記載の本発明は、位置情報に応じた場所を表す位置情報画像を蓄積しておく画像蓄積手段から読み出した前記位置情報画像を表示する画像制御表示手段と、屋外及び屋内の風景を移動しながら撮影した映像を蓄積しておく動画蓄積手段から読み出した前記映像を再生表示する動画制御表示手段と、前記映像が再生表示されている場所に対応する前記位置情報画像上に、当該映像の再生に同期させてカーソルを表示する動画・画像連携手段と、位置情報に対応する目印と当該目印に関する情報とを関連付けて蓄積しておく周辺情報蓄積手段から、前記映像の撮影開始場所から撮影終了場所までに対応する前記目印と当該目印に関する前記情報とを読み出して、表示されている前記映像上及び前記位置情報画像上に表示する周辺情報制御表示手段と、を有することを要旨とする。
【0021】
請求項8に記載の本発明は、位置情報に応じた場所を表す位置情報画像を蓄積しておく画像蓄積手段から読み出した前記位置情報画像を表示する処理と、屋外及び屋内の風景を移動しながら撮影した映像を蓄積しておく動画蓄積手段から読み出した前記映像を再生表示する処理と、前記映像が再生表示されている場所に対応する前記位置情報画像上に、当該映像の再生に同期させてカーソルを表示する処理と、位置情報に対応する目印と当該目印に関する情報とを関連付けて蓄積しておく周辺情報蓄積手段から、前記映像の撮影開始場所から撮影終了場所までに対応する前記目印と当該目印に関する前記情報とを読み出して、表示されている前記映像上及び前記位置情報画像上に表示する処理と、をクライアント端末に実行させることを要旨とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、位置情報画像上に存在する所定の場所に関する情報を効果的に提示し、その情報をより簡便に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0024】
図1は、本実施の形態に係るビデオ表示システムの構成を示す構成図である。本実施の形態に係るビデオ表示システムは、通信ネットワーク300を介して互いに通信可能なクライアント端末100及びサーバ装置200で構成されている。以下、サーバ装置200とクライアント端末100とをそれぞれ構成する各部について説明する。
【0025】
サーバ装置200には、クライアント端末100で表示するための画像や映像等が蓄積されており、具体的には、地図や建物内のフロア図等の位置情報に応じた場所を表す位置情報画像を蓄積しておく画像蓄積部210と、位置情報に応じた交差点情報を蓄積しておく交差点情報蓄積部220と、屋外及び屋内の風景を移動しながら撮影した映像を蓄積しておく動画蓄積部230と、位置情報に対応する目印とこの目印に関する情報とを関連付けて蓄積しておく周辺情報蓄積部240とを備えた構成である。
【0026】
クライアント端末100は、位置情報画像を表示する画像制御表示部110と、映像を再生表示する動画制御表示部120と、映像が再生表示されている場所に対応する位置情報画像上に、映像の再生に同期させてカーソルを表示する動画・画像連携部130と、映像の撮影開始場所から撮影終了場所までに対応する目印とこの目印に関する情報とを、表示されている映像上及び位置情報画像上に表示する周辺情報制御表示部140と、利用者からの操作を入力する入力部150とを備えた構成である。なお、クライアント端末100には、事前にインストールされたブラウザを介して、サーバ装置200に付与されているアドレスへアクセスし、このブラウザ上で動作するプログラム若しくは事前にインストールしたプラグイン上で実行可能なモジュールが予め読み込まれている。
【0027】
通信ネットワーク300は、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネット、公衆回線網、ケーブルテレビ網等を利用することができる。なお、インターネットとは、所定のプロトコルに基づいて相互リンクされたネットワークの集合体である。
【0028】
続いて、本実施の形態に係るビデオ表示システムの処理動作について説明する。図2は、本実施の形態に係るビデオ表示システムの処理動作を示すフローチャートである。
【0029】
最初に、入力部150は、対象エリアとエリア内の現在の交差点IDとの入力を受け付ける(ステップS100)。例えば、利用者が、対象エリア「東京」、現在の交差点ID「A」を入力することで、入力部150は、それらをURLの引数として画像蓄積部210に送信する。
【0030】
次に、動画制御表示部120は、交差点情報蓄積部220から対象エリアの交差点情報を読み出す(ステップS101)。
【0031】
また、画像制御表示部110は、現在の交差点IDを中心とする位置情報画像を画像蓄積部210から読み出して表示する(ステップS102)。
【0032】
ここで、ステップS101とステップS102の処理により表示される画像の一例を図3(a)に示す。交差点ID「A」に対応する座標に基づいて、交差点ID「A」を中心とする地図が表示されている。
【0033】
そして、動画制御表示部120は、現在の交差点IDに対応する位置情報画像上の座標上にカーソルを表示する(ステップS103)。例えば、図3(a)に示すように、交差点ID「A」付近に現在位置を示すカーソル「+」が表示される。
【0034】
また、動画制御表示部120は、ステップS101で読み出した交差点情報から現在の交差点位置と次の交差点位置とを検索し、現在の交差点から移動可能な次の交差点が存在する方向へ矢印を表示する(ステップS104)。例えば、交差点情報蓄積部220に蓄積された交差点情報が図3(b)に示す交差点情報データの場合には、図3(a)に示すように、交差点ID「A」から次に移動可能な交差点ID「B」,交差点ID「D」,交差点ID「E」,交差点ID「F」が存在する方向へ矢印がそれぞれ表示される。
【0035】
次に、利用者により入力部150を介して表示されている複数の矢印のうち任意の矢印が指定された場合に、次に移動する交差点が決定される(ステップS105)。例えば、利用者は、交差点ID「A」から交差点ID「B」への移動を希望する場合に、右上方向を指す矢印をマウスクリックする。
【0036】
そして、動画制御表示部120は、現在の交差点から次の交差点までの移動風景を撮影した映像を動画蓄積部230から読み出して再生表示する(ステップS106)。
【0037】
そして、動画・画像連携部130は、再生される映像の再生時間と、現在の交差点の座標と次の交差点の座標との間の座標間距離とを計算し、座標間距離を再生時間で分割することで単位時間当たりに進む距離を求め、映像の再生に同期させながら、位置情報画像上における現在の交差点から次の交差点へカーソルを移動させる(ステップS107)。
【0038】
例えば、図3(b)に示す交差点情報データの場合、交差点ID「A」から交差点ID「B」への移動を撮影した映像ファイルは映像ファイル名1である。また、交差点ID「A」の座標は(200,200),交差点ID「B」の座標は(300,100)なので、現在の交差点から次の交差点までの距離は約141ピクセルとなる。ここで、映像ファイルの1秒毎にカーソルを移動させる場合、この映像ファイルの再生時間が4秒と仮定すると、動画・画像連携部130は、このカーソルを約35ピクセル毎に交差点ID「A」から交差点ID「B」の方向へ移動させる。なお、カーソルの移動に合わせて位置情報画像を部分的に読み込む方式の場合には、現在の位置を中心とする位置情報画像を画像蓄積部210から読み出して表示する。
【0039】
続いて、周辺情報制御表示部140は、動画・画像連携部130により位置情報画像上に表示されるカーソルが移動された時に、再生されている映像の映像ファイル名に基づいて周辺情報蓄積部240を検索する(ステップS108)。
【0040】
そして、周辺情報制御表示部140は、再生ラップタイムと一致する時刻が記載されていれば、指定の秒数の間、映像の撮影開始場所から撮影終了場所までに対応する目印とこの目印に関する情報とを再生中の映像上に表示する(ステップS109)。
【0041】
例えば、周辺情報制御表示部140は、交差点ID「A」から交差点ID「B」の映像を再生しながらカーソルを移動する際に、1秒毎に周辺情報の有無を周辺情報蓄積部240に問い合わせ、周辺情報蓄積部240に蓄積された映像に関する周辺情報データが図4(b)に示すデータの場合には、現在再生している映像ファイル名1の再生開始からの時刻(再生ラップタイム)がT1に到達した時点で、T1からT2秒の間、目印と吹き出しとを、図4(a)に示すように映像上の座標(300,100)から(10,150)へ移動しながら表示する。なお、この吹き出し内には、目印に関するサムネイル画像情報や文字情報などが含まれている。
【0042】
また、周辺情報制御表示部140は、位置情報画像上にスポットの目印を予め表示しておき、位置情報画像上のカーソルから所定の範囲内にスポット(目印)があるかどうかを周辺情報蓄積部240から検索した結果、カーソルから一定の範囲内に目印がある場合には、位置情報画像上の目印がある座標に、その目印に関する説明の一部やサムネイル画像等を吹き出しとして表示し、カーソルの移動により所定の範囲外となった時点で、吹き出しの表示を停止する(ステップS110)。
【0043】
例えば、図4(c)に示すように、カーソルが交差点ID「A」から交差点ID「B」へ移動する際に、1秒毎に周辺情報データを問い合わせた結果、カーソルから半径100ピクセル内にコンテンツ1があった場合、このコンテンツ1の座標上の目印に吹き出しを表示する。そして、コンテンツ1がカーソルの半径100ピクセルから外れた場合には、吹き出し表示を停止する。なお、カーソルから一定の範囲内に多数の目印がある場合は、ランダムに表示させたり、予め定めた優先度が高いものを先に表示させるようにしてもよい。
【0044】
次に、カーソルが次の交差点に到着していない場合には、ステップS106に戻り、ステップS106〜ステップS110までの処理を実行する(ステップS111)。
【0045】
一方、カーソルが次の交差点に到着した時点で映像の再生が終了し、その後、利用者により入力部150から処理を継続しない指定がされた場合には、クライアント端末の処理が終了し、継続する場合にはステップS100に戻る(ステップS112)。
【0046】
なお、ステップS112からステップS100に戻る場合には、到達時点の交差点IDが現在の交差点IDとなる。もし、現在の交差点IDを変更したい場合には、新たな交差点IDを入力部150から再度指定すればよい。その場合、ステップS101では、既に読み出された交差点情報データがそのまま用いられるので、別のエリアのデータを指定したい場合には、対象エリアを再度入力すればよい。また、ステップS102において、既に読み出した地図・フロア図の位置情報画像に不足がある場合には、対象となる位置情報画像の読み出しが再度実行される。また、位置情報画像上の中心が現在の交差点IDと同じであれば、ステップS103の処理を省略することも可能である。
【0047】
なお、ステップS100〜ステップS112に記載した処理動作は、利用者が交差点毎に移動可能な方向を決定する手動モードの場合について説明するものであるが、次の交差点に到着後、現在の移動の方向に基づいて、次の移動方向を決定する自動モードを指定可能としてもよい。即ち、図2のステップS113に示すように、動画制御表示部120は、映像の再生表示が終了して次の交差点にカーソルが到着した後、次の交差点位置への矢印を表示することなく、次に移動可能な交差点が存在する方向と直前の移動方向との間の角度を計算し、最も方向が近い交差点、即ち、その角度が最も小さい方向に存在する交差点を次の交差点として決定する。なお、自動モードは、カーソルを自動移動させて景観を鑑賞するモードなので、次の交差点の決定については、移動可能な交差点の中から予め定めた諸条件を満たしたものを選択する方法であれば、どのような方法であってもよい。
【0048】
次に、画像制御表示部110が更に備える機能について説明する。図5は、本実施の形態に係るビデオ表示システムの画像制御表示部110の構成を示す構成図である。画像制御表示部110は、入力部150から利用者による屋内外の指定を受けて、屋外と屋内との画像表示の切り替えを行う屋内外画像表示切替部111と、入力部150からの利用者による屋内の階層の指定を受けて、屋内階層の表示の切り替えを行う屋内階層表示切替部112と、入力部150からの位置情報画像の回転指定を受けて、位置情報画像を移動方向に対応するように回転させる回転表示部113と、位置情報画像の回転表示に応じて、位置情報画像上の文字列を回転とは独立して表示させる文字表示部114と、位置情報画像を表示する画像表示部115とを備えた構成である。
【0049】
続いて、図5で示す各部の処理動作について説明する。
【0050】
屋内外画像表示切替部111は、屋外の位置情報画像を表示中に、位置情報画像上の建物に特殊なマークがあり、そのマークがマウスや指等で指定された場合に、その建物の内部を示す屋内の位置情報画像に切り替える。
【0051】
より具体的には、屋内の位置情報画像を利用して、ステップS103〜ステップS110を実行中に、位置情報画像上に表された建物に特殊なマークが存在する場合には、そのマークを入力部150を通じて利用者がマウスでクリックすると、屋内外画像表示切替部111は、屋外の位置情報画像から屋内への位置情報画像に切り替える。この時、屋内外画像表示切替部111は、切り替え前の屋外のカーソル位置や映像再生ラップタイムを一時保持しておく。例えば、図3(c)に示す屋内データの場合、地図上の建物iに現された「屋内」のマークが図3(a)の屋外座標(400,150)にあるので、入力部150を介して「屋内」のマークをマウスでクリックすると、屋内外画像表示切替部111により、図6に示すような屋内の位置情報画像に切り替わり、屋内交差点ID「1階−K」にカーソルが表示される。
【0052】
また、逆に、屋内の位置情報画像を利用して、ステップS103〜ステップS110を実行中に、特殊なマークを入力部150を通じてマウスクリックすると、屋内外画像表示切替部111により、屋内の位置情報画像から屋外の位置情報画像に切り替えることもできる。例えば、図6に示す「屋外」のマークをマウスクリックすると、図3(c)に示す屋内データに基づいて、図3(a)の屋外交差点ID「B」を中心とする建物i付近を示す位置情報画像に切り替わり、交差点ID「B」にカーソルを表示する。もし、屋内の位置情報画像の切り替え以前に、処理していた屋外の位置情報画像上のカーソル位置や映像の再生ラップタイムが一時保持されている場合には、その情報を基にカーソル位置と映像再生とを再現した状態で切り替える。
【0053】
なお、上述とは別の屋内・屋外の位置情報画像の切り替え方法としては、屋外(屋内)の交差点IDから特別な交差点IDを設けて、その方向を選択した時点で、屋内(屋外)の位置情報画像に切り替えることも可能である。例えば、図3(a)に示す交差点ID「B」から交差点ID「建物i−G」の方向を選択した時点で、屋内外画像表示切替部111は、図6に示す屋内の位置情報画像に切り替えることも可能である。
【0054】
回転表示部113は、屋外から屋内の位置情報画像に切り替える前までに、図2で示す処理ステップのいずれかの時点において、入力部150を介して位置情報画像の回転が指定された場合に、移動方向が上部となるように屋内の位置情報画像を回転して表示する。例えば、図7で示す位置情報画像は、移動方向が上部となるように回転させたフロア図である。一方、位置情報画像の回転について指定されていない場合には、図6に示したように、屋外の位置情報画像で表示されていた方向と同じ方向、即ち、上部の方角が北向きとなるように屋内の位置情報画像を表示する。なお、屋外の位置情報画像の場合であっても、上述した説明と同様に、回転についての指示がある場合には、移動方向が上部となるように地図を回転させて表示することも可能である。
【0055】
なお、位置情報画像を回転する場合には、位置情報画像上の回転軸となる座標を予め定めておく。もし、回転軸となる座標が定められていない場合には、位置情報画像の中心座標を回転軸の座標としてもよい。若しくは、現在位置を画像の中心とするように表示している場合には、その現在位置の座標を回転軸の座標としてもよい。また、位置情報画像を回転させる場合には、位置情報画像上に表された場所に周辺情報等が表示される位置も変更する必要があるので、座標計算を行う必要がある。位置情報画像の具体的な座標計算方法は、後述する位置情報画像上に表された文字列表示の位置を回転させる場合の座標計算方法と同様なので、ここでは説明は省略する。
【0056】
建物内に店舗名等の文字列が付与されている場合に、位置情報画像を回転して表示すると、図7に示すように回転の影響によりその文字列も回転して表示されるため、利用者が回転後の文字を正確に把握できない可能性がある。そこで、文字表示部114は、文字列以外が記載されている回転済みの基準画像上に、文字列を回転させないようにした文字列を上書きして表示する。具体的には、図8(a)及び(b)に示すように、文字列のない画像を回転すると共に、回転前の画像上に表示されていた各店舗の文字列が、回転後の画像上におけるどの座標に対応するかを把握し、図8(c)に示すように、回転後の画像の各店舗に文字列を回転させないように表示する。より具体的に、北向きのフロア図を基準画像とし、移動方向が上部となるように回転させる指定がされた場合での回転後の画像上の文字列表示について、図9を用いて以下説明を続ける。
【0057】
まず、基準となる北向きのベクトルと移動方向のベクトルとに基づいて、画像の回転角度を計算する。ここでは、正の角度を時計回り、負の角度を反時計回りとする。例えば、図9(b)では、移動方向ベクトルを基準ベクトルまで回転させた際の回転角度は+α度となる。
【0058】
次に、基準画像上で表示する文字列の表示位置の座標から、移動方向が上部となるように回転させた後の画像上の座標を計算する。基準画像上において、回転軸座標から文字列表示位置座標までのベクトルを、先の回転角度だけ回転させることで求めることができる。例えば、図9(c)に示すように、回転軸から基準画像での文字列「iii」の座標までのベクトルを+α度回転させると、回転後の画像上における文字列「iii」の座標を求めることができる。
【0059】
その後、文字表示部114は、回転後の画像上に表示させる文字列を計算した座標に表示する。例えば、図9(a)に示すように、回転後の画像上に回転がされない文字列「iii」を表示する。即ち、文字表示部114は、位置情報画像の回転とは独立して文字列を回転させる機能を備えている。なお、移動方向の指定により、画像の回転処理が繰り返される場合には、内部的には基準画像上の座標系に逆変換した上で、図9を用いて説明した方法と同様の位置情報の再計算を行う。
【0060】
最後に、屋内での移動は、屋外の移動とは異なり、高さに対するカーソルの移動処理が必要となる。そこで、交差点IDから特別な交差点IDを設けることで、屋内階層表示切替部112は、その方向を選択した時点でフロアの上階や下階へ画像を切り替えることができる。例えば、図10(a)に示すように、1階フロアの階段にカーソルが移動した場合に、図10(b)に示す交差点情報データを確認した結果、交差点ID「1階−L」から次の交差点ID「2階−N」を選択した時点で、屋内階層表示切替部112は、1階のフロアを示す位置情報画像から、図11に示す2階のフロアを示す位置情報画像に切り替え、カーソルを交差点ID「2階−N」へ移動する。
【0061】
また、屋内階層表示切替部112は、図10(a)に示すように、エレベータを示す交差点ID「1階−Q」にカーソルが移動した場合には、フロア選択リストを吹き出しとして表示する。ここで、仮に3階が選択された場合には、図10(b)に示す交差点情報データを確認した結果、3階のフロアを示す位置情報画像に切り替え、カーソルを交差点ID「3階−Q」へ移動することも可能である。
【0062】
更に、屋内階層表示切替部112は、図2で示すステップS103からステップS110までの処理を実行中に、特別に設けたリストやメニューから所望の階を選択すると、図10(b)に示す交差点情報データを確認した結果、その階のフロア画像に切り替え、図10(b)に示す交差点情報データのデフォルト位置が“x”でない所定の交差点IDへカーソルを移動させることも可能である。
【0063】
最後に、クライアント端末100及びサーバ装置200は、少なくとも演算機能及び制御機能を備えた中央演算装置(CPU)、プログラムやデータを格納する機能を有するRAM等からなる主記憶装置(メモリ)を有する電子的な装置から構成されているものである。また、各装置は、主記憶装置の他、ハードディスクなどの補助記憶装置を具備していてもよい。
【0064】
また、本実施の形態に係る各種処理を実行するプログラムは、前述したクライアント端末100及びサーバ装置200に格納されているものである。そして、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することも、通信ネットワークを介して配信することも可能である。
【0065】
本実施の形態によれば、クライアント端末100が、画像蓄積部210から読み出した位置情報画像を表示すると共に動画蓄積部230から読み出した映像を再生表示し、この映像が再生表示されている場所に対応する位置情報画像上に、映像の再生に同期させてカーソルを表示して、映像の撮影開始場所から撮影終了場所までに対応する目印とこの目印に関する情報とを周辺情報蓄積部240から読み出して、表示されている映像上及び位置情報画像上に表示するので、位置情報画像上に存在する所定の場所に関する情報を効果的に提示することができる。また、位置情報画像上のカーソル移動に対応する映像を連携して表示するので、臨場感のある情報を提供することができる。
【0066】
本実施の形態によれば、利用者の指定により次の移動方向を決定する手動モードと、現在の移動方向に基づいて次の移動方向を決定する自動モードとを指定可能な入力部150を有するので、利用者が出発・目的地や度重なる移動方向の指定操作をすることなく、自動で景観を鑑賞することができる。
【0067】
本実施の形態によれば、画像制御表示部110が、屋外の位置情報画像と屋内の位置情報画像とを切り替えて表示するので、高さのある建物等に関する各フロアの詳細な情報を提供することができる。
【0068】
本実施の形態によれば、画像制御表示部110が、位置情報画像を回転して表示するので、位置情報画像上に存在する所定の場所に関する情報をより簡便に提示することができる。即ち、屋外から屋内へ、若しくは、屋内から屋外へ位置情報画像を切り替えた場合に、実際に屋内等に入る方向と同じ方向に位置情報画像を回転させるので、方向感覚の混乱を来たすことなく現在位置を提供することができる。
【0069】
本実施の形態によれば、画像制御表示部110が、位置情報画像の回転とは独立して文字列を回転可能とするので、位置情報画像上に存在する所定の場所に関する情報をより簡便に提示することができる。即ち、位置情報画像の回転に伴って、文字情報の可読性が低下することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本実施の形態に係るビデオ表示システムの構成を示す構成図である。
【図2】本実施の形態に係るビデオ表示システムの処理動作を示すフローチャートである。
【図3】屋外の位置情報画像の一例を示す図である。
【図4】周辺情報が表示された場合の映像と位置情報画像との一例を示す図である。
【図5】本実施の形態に係るビデオ表示システムの画像制御表示部の構成を示す構成図である。
【図6】回転指定がない場合における屋内の位置情報画像の一例を示す図である。
【図7】回転指定がある場合における屋内の位置情報画像の一例を示す図である。
【図8】位置情報画像の回転方法の概要を説明する説明図である。
【図9】位置情報画像の回転方法の詳細を説明する説明図である。
【図10】屋内(1階)の位置情報画像の一例を示す図である。
【図11】屋内(2階)の位置情報画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
100…クライアント端末
110…画像制御表示部
111…屋内外画像表示切替部
112…屋内階層表示切替部
113…回転表示部
114…文字表示部
115…画像表示部
120…動作制御表示部
130…動画・画像連携部
140…周辺情報制御表示部
150…入力部
200…サーバ装置
210…画像蓄積部
220…交差点情報蓄積部
230…動画蓄積部
240…周辺情報蓄積部
S100〜S113…ステップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介してサーバ装置から取得した画像及び映像をクライアント端末で表示するビデオ表示システムにおいて、
前記サーバ装置は、
位置情報に応じた場所を表す位置情報画像を蓄積しておく画像蓄積手段と、
屋外及び屋内の風景を移動しながら撮影した映像を蓄積しておく動画蓄積手段と、
位置情報に対応する目印と当該目印に関する情報とを関連付けて蓄積しておく周辺情報蓄積手段と、を有し、
前記クライアント端末は、
前記画像蓄積手段から読み出した前記位置情報画像を表示する画像制御表示手段と、
前記動画蓄積手段から読み出した前記映像を再生表示する動画制御表示手段と、
前記映像が再生表示されている場所に対応する前記位置情報画像上に、当該映像の再生に同期させてカーソルを表示する動画・画像連携手段と、
前記映像の撮影開始場所から撮影終了場所までに対応する前記目印と当該目印に関する前記情報とを前記周辺情報蓄積手段から読み出して、表示されている前記映像上及び前記位置情報画像上に表示する周辺情報制御表示手段と、
を有することを特徴とするビデオ表示システム。
【請求項2】
前記動画蓄積手段により蓄積された前記映像は移動方向に基づいて撮影された複数の映像であって、
利用者の指定により次の移動方向を決定する手動モードと、現在の移動方向に基づいて次の移動方向を決定する自動モードとを指定可能な入力手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載のビデオ表示システム。
【請求項3】
前記位置情報画像は、所定の建物における屋外及び屋内の位置情報画像であって、
前記画像制御表示手段は、当該屋外の位置情報画像と当該屋内の位置情報画像とを切り替えて表示することを特徴とする請求項1又は2に記載のビデオ表示システム。
【請求項4】
前記画像制御表示手段は、前記位置情報画像を回転して表示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のビデオ表示システム。
【請求項5】
前記位置情報画像は、当該位置情報画像上に表された場所に文字列が付与された画像であって、
前記画像制御表示手段は、前記位置情報画像の回転とは独立して前記文字列を回転可能とすることを特徴とする請求項4に記載のビデオ表示システム。
【請求項6】
通信ネットワークを介してサーバ装置から取得した画像及び映像をクライアント端末で表示するビデオ表示方法において、
前記サーバ装置により、
位置情報に応じた場所を表す位置情報画像を画像蓄積手段に蓄積しておくステップと、
屋外及び屋内の風景を移動しながら撮影した映像を動画蓄積手段に蓄積しておくステップと、
位置情報に対応する目印と当該目印に関する情報とを関連付けて周辺情報蓄積手段に蓄積しておくステップと、を有し、
前記クライアント端末により、
前記画像蓄積手段から読み出した前記位置情報画像を表示するステップと、
前記動画蓄積手段から読み出した前記映像を再生表示するステップと、
前記映像が再生表示されている場所に対応する前記位置情報画像上に、当該映像の再生に同期させてカーソルを表示するステップと、
前記映像の撮影開始場所から撮影終了場所までに対応する前記目印と当該目印に関する前記情報とを前記周辺情報蓄積手段から読み出して、表示されている前記映像上及び前記位置情報画像上に表示するステップと、
を有することを特徴とするビデオ表示方法。
【請求項7】
位置情報に応じた場所を表す位置情報画像を蓄積しておく画像蓄積手段から読み出した前記位置情報画像を表示する画像制御表示手段と、
屋外及び屋内の風景を移動しながら撮影した映像を蓄積しておく動画蓄積手段から読み出した前記映像を再生表示する動画制御表示手段と、
前記映像が再生表示されている場所に対応する前記位置情報画像上に、当該映像の再生に同期させてカーソルを表示する動画・画像連携手段と、
位置情報に対応する目印と当該目印に関する情報とを関連付けて蓄積しておく周辺情報蓄積手段から、前記映像の撮影開始場所から撮影終了場所までに対応する前記目印と当該目印に関する前記情報とを読み出して、表示されている前記映像上及び前記位置情報画像上に表示する周辺情報制御表示手段と、
を有することを特徴とするクライアント端末。
【請求項8】
位置情報に応じた場所を表す位置情報画像を蓄積しておく画像蓄積手段から読み出した前記位置情報画像を表示する処理と、
屋外及び屋内の風景を移動しながら撮影した映像を蓄積しておく動画蓄積手段から読み出した前記映像を再生表示する処理と、
前記映像が再生表示されている場所に対応する前記位置情報画像上に、当該映像の再生に同期させてカーソルを表示する処理と、
位置情報に対応する目印と当該目印に関する情報とを関連付けて蓄積しておく周辺情報蓄積手段から、前記映像の撮影開始場所から撮影終了場所までに対応する前記目印と当該目印に関する前記情報とを読み出して、表示されている前記映像上及び前記位置情報画像上に表示する処理と、
をクライアント端末に実行させることを特徴とするクライアント端末プログラム。
【請求項1】
通信ネットワークを介してサーバ装置から取得した画像及び映像をクライアント端末で表示するビデオ表示システムにおいて、
前記サーバ装置は、
位置情報に応じた場所を表す位置情報画像を蓄積しておく画像蓄積手段と、
屋外及び屋内の風景を移動しながら撮影した映像を蓄積しておく動画蓄積手段と、
位置情報に対応する目印と当該目印に関する情報とを関連付けて蓄積しておく周辺情報蓄積手段と、を有し、
前記クライアント端末は、
前記画像蓄積手段から読み出した前記位置情報画像を表示する画像制御表示手段と、
前記動画蓄積手段から読み出した前記映像を再生表示する動画制御表示手段と、
前記映像が再生表示されている場所に対応する前記位置情報画像上に、当該映像の再生に同期させてカーソルを表示する動画・画像連携手段と、
前記映像の撮影開始場所から撮影終了場所までに対応する前記目印と当該目印に関する前記情報とを前記周辺情報蓄積手段から読み出して、表示されている前記映像上及び前記位置情報画像上に表示する周辺情報制御表示手段と、
を有することを特徴とするビデオ表示システム。
【請求項2】
前記動画蓄積手段により蓄積された前記映像は移動方向に基づいて撮影された複数の映像であって、
利用者の指定により次の移動方向を決定する手動モードと、現在の移動方向に基づいて次の移動方向を決定する自動モードとを指定可能な入力手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載のビデオ表示システム。
【請求項3】
前記位置情報画像は、所定の建物における屋外及び屋内の位置情報画像であって、
前記画像制御表示手段は、当該屋外の位置情報画像と当該屋内の位置情報画像とを切り替えて表示することを特徴とする請求項1又は2に記載のビデオ表示システム。
【請求項4】
前記画像制御表示手段は、前記位置情報画像を回転して表示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のビデオ表示システム。
【請求項5】
前記位置情報画像は、当該位置情報画像上に表された場所に文字列が付与された画像であって、
前記画像制御表示手段は、前記位置情報画像の回転とは独立して前記文字列を回転可能とすることを特徴とする請求項4に記載のビデオ表示システム。
【請求項6】
通信ネットワークを介してサーバ装置から取得した画像及び映像をクライアント端末で表示するビデオ表示方法において、
前記サーバ装置により、
位置情報に応じた場所を表す位置情報画像を画像蓄積手段に蓄積しておくステップと、
屋外及び屋内の風景を移動しながら撮影した映像を動画蓄積手段に蓄積しておくステップと、
位置情報に対応する目印と当該目印に関する情報とを関連付けて周辺情報蓄積手段に蓄積しておくステップと、を有し、
前記クライアント端末により、
前記画像蓄積手段から読み出した前記位置情報画像を表示するステップと、
前記動画蓄積手段から読み出した前記映像を再生表示するステップと、
前記映像が再生表示されている場所に対応する前記位置情報画像上に、当該映像の再生に同期させてカーソルを表示するステップと、
前記映像の撮影開始場所から撮影終了場所までに対応する前記目印と当該目印に関する前記情報とを前記周辺情報蓄積手段から読み出して、表示されている前記映像上及び前記位置情報画像上に表示するステップと、
を有することを特徴とするビデオ表示方法。
【請求項7】
位置情報に応じた場所を表す位置情報画像を蓄積しておく画像蓄積手段から読み出した前記位置情報画像を表示する画像制御表示手段と、
屋外及び屋内の風景を移動しながら撮影した映像を蓄積しておく動画蓄積手段から読み出した前記映像を再生表示する動画制御表示手段と、
前記映像が再生表示されている場所に対応する前記位置情報画像上に、当該映像の再生に同期させてカーソルを表示する動画・画像連携手段と、
位置情報に対応する目印と当該目印に関する情報とを関連付けて蓄積しておく周辺情報蓄積手段から、前記映像の撮影開始場所から撮影終了場所までに対応する前記目印と当該目印に関する前記情報とを読み出して、表示されている前記映像上及び前記位置情報画像上に表示する周辺情報制御表示手段と、
を有することを特徴とするクライアント端末。
【請求項8】
位置情報に応じた場所を表す位置情報画像を蓄積しておく画像蓄積手段から読み出した前記位置情報画像を表示する処理と、
屋外及び屋内の風景を移動しながら撮影した映像を蓄積しておく動画蓄積手段から読み出した前記映像を再生表示する処理と、
前記映像が再生表示されている場所に対応する前記位置情報画像上に、当該映像の再生に同期させてカーソルを表示する処理と、
位置情報に対応する目印と当該目印に関する情報とを関連付けて蓄積しておく周辺情報蓄積手段から、前記映像の撮影開始場所から撮影終了場所までに対応する前記目印と当該目印に関する前記情報とを読み出して、表示されている前記映像上及び前記位置情報画像上に表示する処理と、
をクライアント端末に実行させることを特徴とするクライアント端末プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−122916(P2009−122916A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−295577(P2007−295577)
【出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【出願人】(504126835)エヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社 (60)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【出願人】(504126835)エヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社 (60)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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