説明

ビデオ録画装置

【課題】録画した番組を再生する際に、視聴済み部分と未視聴部分の境目を容易に見つけることができるビデオ録画装置を提供する。
【解決手段】録画時にテレビジョン受信装置専用リモコン7が出力する電源オン、オフ等のテレビジョン受信装置5に対する操作信号を操作信号受信部17で受信し、記録媒体処理部13は、テレビジョン受信装置5に対する操作の時間的位置を記録媒体14上で示すマークを記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、番組を録画するビデオ録画装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多くのビデオ録画装置において、記録媒体上に記録した放送番組の特定の時間を示す点(以降、マークと呼ぶ)を記録できるようになっており、このマークが示す時間から再生を行う機能が備えられている。このマークとしては、VHSであればVISS信号があり、DVDのVRフォーマットでの記録であれば、チャプタマーク等がある。
【0003】
このようなビデオ録画装置においては、複数の番組を1つの記録媒体に録画した場合に番組の境界にマークを記録したり、ユーザが録画した番組の目的の位置から再生するための目安としてマークを記録したりすることで、目的のシーンの先頭位置に容易にたどり着けるようにしている。
【0004】
一方、大多数のテレビジョン受信装置において、電源オン、オフや、チャンネルの切り替え等は、リモコンにより操作できる。そして、テレビジョン受信装置の専用リモコンによりビデオ録画装置が指示を受け特定の動作をする技術として、特許文献1に開示されたような、テレビジョン受信装置とビデオ録画装置のチャンネルを同期させて動作させるものがある。
【特許文献1】特開2003−234988公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、番組の録画と同時に、録画中の番組の一部を視聴した場合、視聴済み部分と未視聴の部分が生じる。従来、マークを記録することができるビデオ録画装置でも、視聴済み部分と未視聴の部分の境目に、マークを簡単に記録することはできなかった。また、特許文献1に開示されたビデオ録画装置でも、テレビジョン受信装置の専用リモコンの操作によってマークを記録することはできない。
【0006】
したがって、従来のビデオ録画装置では、ユーザが後で未視聴の部分のみを視聴しようとしても、視聴済み部分と未視聴の部分の境目を容易に見つけることができないという問題があった。
【0007】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、録画した番組を再生する際に、視聴済み部分と未視聴部分の境目を容易に見つけることができるビデオ録画装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のビデオ録画装置は、番組を記録媒体に記録するビデオ録画装置であって、本装置に接続されたテレビジョン受信装置に対して外部操作手段から送信される操作信号を受信する操作信号受信手段と、受信された前記テレビジョン受信装置に対する前記操作信号に基づいて、前記テレビジョン受信装置の電源オン、オフ操作が行われた時間を示すマークと、本装置で記録中の番組と同じチャンネルと異なるチャンネルとの間でチャンネル変更操作が行われた時間を示すマークと、前記テレビジョン受信装置におけるアンテナ入力と本装置からのビデオ信号入力とを切り替える操作が行われた時間を示すマークとを前記記録媒体に記録するマーク記録手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のビデオ録画装置によれば、本装置に接続されたテレビジョン受信装置に対して送信される操作信号を受信し、テレビジョン受信装置の電源オン、オフ操作が行われた時間を示すマークと、本装置で記録中の番組と同じチャンネルと異なるチャンネルとの間でチャンネル変更操作が行われた時間を示すマークと、テレビジョン受信装置におけるアンテナ入力と本装置からのビデオ信号入力とを切り替える操作が行われた時間を示すマークとを記録媒体に記録するので、録画した番組を再生する際に、視聴済み部分と未視聴部分の境目を容易に見つけることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明のビデオ録画装置を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、番組とは1回の録画の単位を示すものとする。
【0011】
図1は本発明の一実施の形態に係るビデオ録画装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように本実施の形態のビデオ録画装置1は、放送電波を受信するアンテナ10と、アンテナ10で受信した受信信号をビデオ信号に変換する放送受信部11と、放送受信部11からのビデオ信号を記録媒体に対応したフォーマットの記録信号に変換する記録処理部12と、記録処理部12からの記録信号をビデオテープやDVDなどの記録媒体14に記録し、再生時には記録媒体14から記録信号を読み出す記録媒体処理部13と、記録媒体14から読み出された記録信号をビデオ信号に変換する再生処理部15と、放送受信部11からのビデオ信号と再生処理部15からのビデオ信号とを切り替えて出力する切り替え部16と、ビデオ録画装置専用リモコン3およびテレビジョン受信装置専用リモコン7からの操作信号を受信する操作信号受信部17と、装置に設けられた各部を制御する制御部18とを備える。
【0012】
ビデオ録画装置1は、ケーブル4を介してテレビジョン受信装置5に接続され、ビデオ録画装置1の切り替え部16から出力されたビデオ信号は、ケーブル4を介してテレビジョン受信装置5に入力される。
【0013】
ビデオ録画装置専用リモコン3はビデオ録画装置1の操作に特化した入力手段であり、テレビジョン受信装置専用リモコン7はテレビジョン受信装置5の操作に特化した入力手段である。多くの場合、これらのビデオ録画装置専用リモコン3、テレビジョン受信装置専用リモコン7は、ユーザがビデオ録画装置1、テレビジョン受信装置5を購入した際に付属している。
【0014】
テレビジョン受信装置専用リモコン7は、テレビジョン受信装置5の電源オン、オフ操作を行うボタンと、テレビジョン受信装置5のアンテナから入力した放送局の選局チャンネルを切り替える操作を行うボタンと、ビデオ録画装置1からのビデオ信号入力とテレビジョン受信装置5のアンテナ入力とを切り替える操作を行うボタンとを備える。
【0015】
ビデオ録画装置専用リモコン3とテレビジョン受信装置専用リモコン7とは同じ方式のものであればよいが、ここではどちらも赤外線リモコンであるとする。
【0016】
次に、本実施の形態のビデオ録画装置1の動作を説明する。
【0017】
番組の録画中に、同時にその番組を視聴済みであるか、あるいは未視聴であるかの境目は、録画中に番組を視聴しているテレビジョン受信装置5用のテレビジョン受信装置専用リモコン7の操作をした時と同時である場合がある。
【0018】
例えば、ビデオ録画装置1で録画中にそれと同時にテレビジョン受信装置5で同じ番組を視聴していた場合、テレビジョン受信装置専用リモコン7上のテレビジョン受信装置5の電源を操作するボタンが押された場合には、そこで視聴を取り止めたか、あるいは開始したと判断できる。
【0019】
本発明では、番組を録画中のビデオ録画装置1は、テレビジョン受信装置専用リモコン7がテレビジョン受信装置5に対して出力した指示を受け取り、その指示がテレビジョン受信装置5の電源操作の指示であった場合には、録画中の番組の現在時間位置にマークを記録する。
【0020】
ユーザによりビデオ録画装置専用リモコン3に録画指示と録画するチャンネルが入力されると、操作信号が送信され、操作信号受信部17は、この操作信号を受信する。操作信号受信部17は、受信した操作信号を制御部18に出力する。
【0021】
そして、制御部18は、放送受信部11に制御信号を出力し、録画するチャンネルの受信信号をビデオ信号に変換させる。
【0022】
次いで、制御部18は、記録処理部12に変換指示を出力し、放送受信部11からのビデオ信号を記録媒体に対応したフォーマットの記録信号に変換させる。例えば、記録媒体14としてDVDを用いる場合には、ビデオ信号はMPEGストリームに変換される。
【0023】
そして、制御部18は、記録媒体処理部13に記録指示を出力し、記録信号を記録媒体14に記録させる。
【0024】
この記録中、テレビジョン受信装置専用リモコン7の電源ボタンが押下されると、操作信号受信部17は、テレビジョン受信装置専用リモコン7から受信した操作信号を制御部18に出力する。そして、制御部18は、記録媒体処理部13にマーク記録指示を出力し、記録媒体14に録画中の番組の現在時間位置にマークを記録させる。
【0025】
図2は、録画中に同じ番組を視聴する場合に電源をオン、オフする操作が行われたときに記録されるマークを示す図である。電源がオンされたときにマークaが記録され、電源がオフされたときにマークbが記録される。この場合、マークaとマークbとの間が視聴済み部分となる。
【0026】
再生時には、制御部18は、操作信号受信部17からの操作信号を受けて記録媒体処理部13に再生指示を出力し、記録媒体14から記録信号を読み出させる。マークが示す時間から再生を行うこともできる。例えば、マークbが示す時間から再生を行うようにビデオ録画装置専用リモコン3から操作信号が送信されると、操作信号受信部17は、この操作信号を受信し、これを制御部18に出力する。そして、制御部18は、記録媒体処理部13にマークbが示す時間から再生を行うように指示を出力し、マークbが示す時間からの記録信号を記録媒体14から読み出させる。
【0027】
次いで、制御部18は、再生処理部15に変換指示を出力し、記録媒体14から読み出された記録信号をビデオ信号に変換させる。そして、制御部18は、切り替え部16に指示を出力して、再生処理部15からのビデオ信号をテレビジョン受信装置5に出力させる。
【0028】
上述では、テレビジョン受信装置5の電源オン、オフの操作によって視聴済み部分と未視聴部分が生じる場合について説明したが、番組を録画中に、録画している番組と同じ番組を視聴している状態から、別の番組を視聴する状態に移行した場合も、番組の途中で視聴済み部分と未視聴部分とが生じることがある。
【0029】
これは、テレビジョン受信装置専用リモコン7を用いてテレビジョン受信装置5のチャンネルを変えた場合と、テレビジョン受信装置5においてアンテナ入力とビデオ信号入力との切り替えを行った場合がある。
【0030】
まず、テレビジョン受信装置5のチャンネルを変更する場合について説明する。録画中の番組と違う番組を視聴しているときに、テレビジョン受信装置専用リモコン7に対して録画中の番組と同じチャンネルへ切り替えるように操作が行われると、操作信号受信部17は、テレビジョン受信装置専用リモコン7からの操作信号を受信し、これを制御部18に出力する。
【0031】
そして、制御部18は、記録媒体処理部13にマーク記録指示を出力し、記録媒体14に録画中の番組の現在時間位置にマークを記録させる。録画中の番組と同じチャンネルから違うチャンネルへ切り替えるように操作が行われたときも同様に、マークが記録される。
【0032】
図3は、録画中に視聴するチャンネルを変更する操作が行われたときに記録されるマークを示す図である。録画中の番組と違うチャンネルの番組を視聴している状態から、録画中の番組と同じチャンネルに変更されたときにマークcが記録され、録画中の番組と同じチャンネルの番組を視聴している状態から、録画中の番組と違うチャンネルに変更されたときにマークdが記録される。この場合、マークcとマークdとの間が視聴済み部分となる。
【0033】
次に、テレビジョン受信装置5において、アンテナ入力とビデオ信号入力との切り替えを行う場合について説明する。
【0034】
録画中においては、切り替え部16は、録画中の番組のビデオ信号を放送受信部11からテレビジョン受信装置5に出力するように設定されている。
【0035】
録画中にテレビジョン受信装置5がアンテナ入力の状態に設定されているときは、テレビジョン受信装置5にはテレビジョン受信装置専用リモコン7で選択されたチャンネルの番組が表示される。この状態から、テレビジョン受信装置専用リモコン7に対して、アンテナ入力とビデオ信号入力とを切り替えるように操作が行われると、ビデオ録画装置1からケーブル4を介してテレビジョン受信装置5に入力された録画中の番組のビデオ信号により、テレビジョン受信装置5に録画中の番組が表示される。このため、アンテナ入力とビデオ信号入力との切り替えを行うと、未視聴部分が生じることがある。
【0036】
そこで、アンテナ入力から、ビデオ信号入力への設定の切り替えを行うように、テレビジョン受信装置専用リモコン7に対して操作が行われると、操作信号受信部17は、テレビジョン受信装置専用リモコン7からの操作信号を受信し、これを制御部18に出力する。
【0037】
そして、制御部18は、記録媒体処理部13にマーク記録指示を出力し、記録媒体14に録画中の番組の現在時間位置にマークを記録させる。ビデオ信号入力から、アンテナ入力への設定の切り替えを行うように操作が行われたときも同様に、マークが記録される。
【0038】
このように本実施の形態によれば、ビデオ録画装置1に接続されたテレビジョン受信装置5に対して送信される操作信号を受信し、録画中に電源オン、オフ操作やチャンネル変更操作やアンテナ入力からビデオ信号入力への切り替え操作が行われたときに、録画中の番組の現在時間位置を記録媒体上で示すマークを記録するので、録画中に一部を視聴した番組の未視聴の部分を探す場合に、マークの位置が視聴済みと未視聴の境目となるため、容易に未視聴の部分を見つけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施の形態に係るビデオ録画装置の構成を示すブロック図である。
【図2】電源オン、オフ操作が行われたときに記録されるマークを示す図である。
【図3】チャンネルを変更する操作が行われたときに記録されるマークを示す図である。
【符号の説明】
【0040】
1 ビデオ録画装置
3 ビデオ録画装置専用リモコン
4 ケーブル
5 テレビジョン受信装置
7 テレビジョン受信装置専用リモコン
10 アンテナ
11 放送受信部
12 記録処理部
13 記録媒体処理部
14 記録媒体
15 再生処理部
16 切り替え部
17 操作信号受信部
18 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
番組を記録媒体に記録するビデオ録画装置であって、
本装置に接続されたテレビジョン受信装置に対して外部操作手段から送信される操作信号を受信する操作信号受信手段と、
受信された前記テレビジョン受信装置に対する前記操作信号に基づいて、前記テレビジョン受信装置の電源オン、オフ操作が行われた時間を示すマークと、本装置で記録中の番組と同じチャンネルと異なるチャンネルとの間でチャンネル変更操作が行われた時間を示すマークと、前記テレビジョン受信装置におけるアンテナ入力と本装置からのビデオ信号入力とを切り替える操作が行われた時間を示すマークとを前記記録媒体に記録するマーク記録手段と
を備えることを特徴とするビデオ録画装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−172791(P2007−172791A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−372499(P2005−372499)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】