説明

ピッキングロボットおよびピッキングシステム

【課題】ピックアップした物品に取り付けられたICタグを確実に読み取ることが可能なピッキングロボットおよびピッキングシステムを提供する。
【解決手段】ピッキングロボット10は、ICタグが取り付けられたワークWをピッキングする。ピッキングロボット10は、IDリーダ15と、ハンド12とを備えている。IDリーダ15は、ループ状にアンテナ15aが形成されており、RFIDタグTの情報を取得する。ハンド12は、アンテナ15aの内側に配置され、ワークWを吸着してピッキングする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流経路等において物品管理に用いられるピッキングロボットおよびピッキングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
物品の配送システムでは、例えば、バーコードが印刷されたラベルを物品に貼り付けており、バーコードから読み取られた識別情報に基づいてコンピュータが各物品の配送状況を管理している。
例えば、特許文献1においては、ICタグが取り付けられた物品を管理するピッキングシステムを備えた自動倉庫が開示されている。ピッキングシステムは、キャリア等から物品を1個ずつ取り出して所定位置に積み付けるピッキングロボットを有している。ピッキングロボットのハンドには、物品のICタグのデータを読み取るためのIDリーダが取り付けられている。ハンドが物品の積み付け動作を行うごとに、IDリーダが物品のIDを読み取る。この結果、コンピュータは、ハンドによって積み付けられた各物品のIDと位置の関係を正確に認識することができる。
【特許文献1】WO2006/059676
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来のピッキングロボットは、以下に示すような問題点を有している。
IDリーダには、物品に付けられたICタグからの情報を、電磁界や電波などを用いた近距離の無線通信によって認識するものが知られている。このIDリーダは、無線通信のためのアンテナを有している。IDリーダのアンテナは、例えば、ハンドの上部に取り付けられている。したがって、ハンドが物品をピックアップする際には、IDリーダは物品に取り付けられたICタグから所定の距離だけ離れている。その結果、IDリーダは、ピックアップした物品に取り付けられているICタグからの情報を確実に読み取ることができなかったり、ピックアップしていない物品のICタグからの情報を読み取ったりする。
【0004】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、ピックアップした物品に取り付けられたICタグからの情報を確実に読み取ることが可能なピッキングロボットおよびピッキングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のピッキングロボットは、ICタグが取り付けられた物品をピッキングするピッキングロボットであって、IDリーダと、ピッキング部とを備えている。IDリーダは、ループ状にアンテナが形成されており、ICタグの情報を取得する。ピッキング部は、アンテナの内側に配置され、物品をピッキングする。
このピッキングロボットでは、ピッキング部が、IDリーダに内挿されるように配置されている。ここで、ピッキング部は、物品を吸着、掴む等して保持し、所定の位置に物品の積み付けを行う機構をいう。上記配置関係により、IDリーダがピッキング部の近傍に配置され、その結果、IDリーダとピックアップされた物品に取り付けられたICタグとの距離を短くすることができ、結果としてIDリーダとピックアップされる物品のIDタグとの距離が短くなり、IDリーダはピックアップされた物品に取り付けられたICタグからの情報を確実に読み取ることができる。
【0006】
本発明のピッキングロボットは、ピッキング部は、物品を吸着する吸着部と、吸着部に接続された樹脂製の筒状部とを有しており、筒状部は、アンテナに内挿されていることが好ましい。
このピッキングロボットでは、ピッキング部が、例えば、真空ポンプ等による吸引装置からの吸引力によって、物品を吸着して保持する。ここで、一般的に、アンテナのループ部に他の部材を内挿すると、アンテナの感度が劣化するおそれがある。そこで、本発明のピッキングロボットでは、アンテナのループ部に内挿される筒状部を樹脂製にすることによって、アンテナの感度劣化を抑えている。
【0007】
本発明のピッキングロボットは、IDリーダは、ピッキング部が物品をピッキングする動作中にICタグの情報を取得することが好ましい。
このピッキングロボットでは、ピッキング部が物品をピッキングする動作中にIDリーダがICタグの情報を取得するため、ICタグからの電磁界や電波の強度を低く設定していても、IDリーダは、ピッキング部がピッキングした物品のICタグの情報のみを取得することができる。
【0008】
本発明のピッキングシステムは、上記ピッキングロボットと、コントローラとを備えている。コントローラは、IDリーダが取得した物品のICタグの情報から物品の属性情報を取得する。そして、IDリーダは、ICタグの情報を取得するために、ICタグとの間で常時通信を行っている。コントローラは、IDリーダから常時送信されてくるICタグの情報の中から、ピッキング部が物品を持ち上げた後に送信されてくるICタグの情報をピッキングされている物品のICタグからの情報であると判断する。
このピッキングシステムは、IDリーダはピッキング部が物品を持ち上げるまでは物品のICタグをからの情報を利用しないので、ピッキングされていない他の物品のICタグを読み取るような誤動作が生じにくい。なお、「ピッキング部が物品を持ち上げた後」とは、ピッキング部が物品を持ち上げた瞬間、その直後、それから数秒程度経過した後を含む。
【0009】
本発明のピッキングシステムは、物品の上面にICタグを取り付ける取付装置をさらに備えていることが望ましい。
このピッキングシステムは、物品の上面にICタグを取り付けることができるので、IDリーダは、確実にICタグを読み取ることが可能になる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るピッキングロボットによれば、ピックアップした物品に取り付けられたICタグを確実に読み取ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の一実施形態に係るピッキングシステム1について、図1〜図5を用いて説明すれば以下の通りである。
[ピッキングシステム1の構成]
ピッキングシステム1は、多数のワーク(物品)Wが収納されたバケット等のピッキング用ワークボックス40からワークWを1個ずつピッキングし、積み付け用ワークボックス41に積み付けるシステムである。ピッキングシステム1は、図1に示すように、ピッキングロボット10と、コントローラ20とを備えている。ここで、RFIDタグTは、種々の情報を記憶するメモリチップとメモリチップに接続されたループ状の通信用アンテナとによって構成されている。なお、各ワークWには、RFID(Radio Frequency IDentification)タグTが取り付けられている。
【0012】
ピッキングロボット10は、図1に示すように、アーム11と、ハンド(吸着部)12と、筒状部13と、治具14と、IDリーダ15と、真空ポンプ(吸引装置)16を有している。なお、ハンド12,筒状部13,および治具14は、ワークWをピッキングするためのピッキング部を構成している。
アーム11は、エアシリンダや駆動部等の機構により鉛直方向および水平方向(X,Y,Z方向)に移動可能に構成されており、後述するコントローラ20によって制御される。
【0013】
ハンド12は、後述する筒状部13を介してアーム11の先端に配置されており、ワークWを吸着して保持する。具体的には、ハンド12は、筒状部13を介して後述する真空ポンプ16により吸引力が供給される。ハンド12は、この吸引力によってワークWを吸着して保持することができる。
筒状部13は、真空ポンプ16とハンド12とを接続し、樹脂により筒状に形成されている。そして、筒状部13は、真空ポンプ16において発生する吸引力をハンド12に供給する。また、筒状部13は、ループ状に形成されているアンテナ15a(後述)の内側に内挿されている。
【0014】
治具14は、アーム11とIDリーダ15との間に配置されており、樹脂により形成されている。IDリーダ15は、樹脂によって形成されている治具を介してアームに取り付けられることにより、アンテナ15aの感度劣化を抑制することができる。
IDリーダ15は、図3に示すように、アンテナ15aがループ状に形成された小型のIDリーダである。そして、IDリーダ15は、取得したワークWの識別情報を後述する選択部(コントローラ)22に送信する。また、IDリーダ15は、ループ状に形成されたアンテナの内側に孔15bを設けられており、この部分に、筒状部13が内挿されている。ここで、筒状部13は、樹脂製部材により形成されている。これにより、アンテナのループ部に他の部材を内挿することによって磁界が変化してアンテナの感度が劣化するという不具合を最小限にすることができる。
【0015】
真空ポンプ16は、筒状部13等の配管を介してハンド12に吸引力を供給する。そして、真空ポンプ16は、向上するコントローラ20によって制御されている。
ここで、本実施形態の特徴となる部分を以下に説明する。
上述のとおり、ループ状に形成されたアンテナ15aの内側に筒状部13が内挿されており、筒状部13の先端にはハンド12が配置されている。従来、例えば、IDリーダのアンテナはハンドの上部に取り付けられており、したがって、ハンドが物品をピックアップした際にはIDリーダは物品に取り付けられたICタグから所定の距離だけ離れている。その結果、従来では、IDリーダは、ピックアップした物品に取り付けられているICタグを確実に読み取ることができなかったり、ピックアップしていない物品のICタグを読み取ったりする。ところが、本実施形態のピッキングシステム1においては、上記に示した構造によって、IDリーダ15とハンド12との距離を近接させることが可能となるので、結果としてIDリーダ15とピックアップされる物品WのRFIDタグTとの距離が短くなり、IDリーダ15は、RFIDタグTの識別情報を確実に取得することができる。また、アンテナ15aの中心にハンド12を配置することにより、IDリーダ15とハンド12とが平面視で重なるように見える。このため、IDリーダ15は、複数のワークWが配置されているような場所においても、IDリーダ15の真下にあるワークW、すなわち、ハンド12に吸着されたワークWの識別情報だけを取得することが可能となる。
【0016】
また、IDリーダ15は、ハンド12がワークWを吸着する際、ワークWに対して水平になるように取り付けられている。これにより、IDリーダ15の読み取り範囲を限定することが可能となる。また、ワークとIDリーダとを近接させるためにIDリーダを斜めに取り付ける場合に比べて、バランス、移動の際の空気抵抗の点において有利である。
コントローラ20は、ピッキングシステム1全体を制御する。ここでは、ピッキングロボット10におけるピッキング動作の制御について説明する。
【0017】
コントローラ20は、ピッキングプログラムPGを実行することによって、ピッキングロボット10を制御する。具体的には、コントローラ20は、例えば、ROM(図示せず)等に格納されたピッキングプログラムPGをRAM(図示せず)に読み込むことにより、図1に示すように、制御部21と、選択部22とを備えた機能ブロックを形成する。そして、上記機能ブロックは、コントローラ20に含まれるCPU(図示せず)によって実行可能な状態となる。
【0018】
制御部21は、ユーザに予め入力された制御命令に従って、ピッキングロボット10におけるアーム11の移動、ワークWの保持等の制御を実行する。これにより、所定のワークWをピッキングすることが可能となる。ここで、制御命令は、ピッキング用ワークボックス40における第1所定位置P1に配置されているワークWをピッキングし、積み付け用ワークボックス41における第2所定位置P2に積み付けるという情報を含んでいる。
【0019】
選択部22は、IDリーダ15によって連続的に取得されてくる識別情報の中から、ハンド12が実際に吸着しているワークWの識別情報を選択する。具体的な選択方法については後段にて詳述する。
記憶部25は、ワークWの属性情報におけるデータベースDBが記憶されている。ここで、記憶部25に記憶されているデータベースDBは、図4に示すように、識別情報、メーカコード、品番、オプション等の項目によって構成されている。そして、オプションの項目には、例えば、賞味期限、次の宛先、次の行き先、次の工程、当該ワークWを組み込む最終製品の識別情報、卸値等が記憶されている。ピッキングシステム1は、IDリーダ15によって取得された識別情報とデータベースDBに記憶された識別情報とをマッチングすることによって、ピッキングしたワークWの属性情報を取得することができる。
【0020】
[ピッキングシステム1の動作について説明]
ここでは、ピッキングシステム1の動作について、図1,図4,図5を用いて説明する。
ステップS1においては、IDリーダ15は、ワークWに取り付けられているRFIDタグTの識別情報の取得を開始する。具体的には、IDリーダ15とRFIDタグTとが、電磁界や電波などを用いた近距離の無線通信を開始する。ここで、IDリーダ15は、無線通信を行う間、継続的に無線通信可能な範囲内にあるRFIDタグTの識別情報を取得する。また、IDリーダ15が移動すると、IDリーダ15が取得するRFIDタグTの取得情報も移動と共に変化することがある。
【0021】
ステップS2では、ピッキングロボット10は、コントローラ20から送信される制御命令に従って、ピッキング用ワークボックス40上の第1所定位置P1に載置されているワークWをピッキングする。具体的には、ピッキングロボット10におけるアーム11を第1所定位置P1の上方に移動させる。次に、ハンド12を鉛直方向下方(Z方向)に移動させてワークWを吸着し、鉛直方向上方にリフトアップする。なお。ここでいう制御命令は、ピッキング用ワークボックス40上の第1所定位置P1にあるワークWを積み付け用ワークボックス41上の第2所定位置P2に移動させるというものである。
【0022】
ステップS3においては、選択部22がIDリーダ15から送信されてくる識別情報の中から実際にハンド12が吸着しているワークWの識別情報を選択する。具体的には、選択部22は、ステップS1においてアーム11がワークWをリフトアップした直後にIDリーダ15から取得されるワークWの識別番号を選択する。これにより、IDリーダ15は、積み付け用ワークボックス41に載置されているワークWの中からピッキングしたワークWのRFIDタグTの識別情報を確実に取得することができる。
【0023】
ステップS4においては、ピッキングシステム1は、ハンド12が吸着したワークWの属性情報を取得する。具体的には、選択部22が選択した識別情報をキーとして、記憶部25に記憶されているデータベースDBを検索する。そして、選択部22が取得した識別情報と一致するDB上の属性情報を抽出する。これにより、ピッキングしたワークWの属性情報を取得することができる。
【0024】
ステップS5では、ピッキングシステム1は、コントローラ20から送信される制御命令に従って、ステップS1で吸着したワークWを積み付け用ワークボックス41における第2所定位置P2に積み付ける。具体的には、ピッキングロボット10におけるアーム11を第2所定位置P2の上方に移動させる。次に、ワークWを吸着したハンド12を鉛直方向下方に移動させて、積み付け用ワークボックス41上にワークWを載置する。
【0025】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態のピッキングシステム1では、ループ状に形成されたアンテナ15aの内側に筒状部13を配置し、その先にハンド12が配置されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ループ状に形成されたアンテナの内側に、ハンドが設けられていてもよい。この場合も、上記の実施形態に係るピッキングシステム1と同様の効果を得ることができる。
【0026】
(B)
上記実施形態のピッキングシステム1では、ハンド12が、真空ポンプ16から供給される吸引力によってワークWを吸引して保持する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ハンドは、ツメ等の部位により構成される機構によって、ワークを掴むような構造であってもよい。
【0027】
(C)
上記実施形態のピッキングシステム1では、選択部22が、ステップS1においてアーム11がワークWをリフトアップした瞬間にIDリーダ15から取得されるワークWの識別番号を選択する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0028】
例えば、選択部を設けなくてもハンドがワークを吸着した際に、IDリーダが、ワークに取り付けられているICタグの情報を取得するようにしてもよい。具体的には、ハンドがピッキングしたワークのICタグのみと通信できるように、IDリーダが発信する電磁界や電波の強弱を調整する。
さらに、例えば、IDリーダが、常時ICタグとの間で通信をしてICタグの情報を取得するのではなく、アーム11がワークWをリフトアップした瞬間にのみ、通信するように制御してもよい。この場合も、上記の実施形態に係るピッキングシステム1と同様の効果を得ることができる。
【0029】
(D)
上記実施形態のピッキングシステム1では、IDリーダ15により取得された識別情報をキーにして、記憶部25に記憶されているデータベースDBの属性情報を取得する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、各ワークの属性情報は、ICタグに上述のような属性データが直接記憶されていてもよい。この場合も、上記の実施形態に係るピッキングシステム1と同様の効果を得ることができる。
【0030】
(E)
上記ピッキングシステム1は、上記実施形態のピッキングロボット10の上流工程に、ワークWに対してRFIDタグTを含むラベルLを貼り付けるラベル貼付装置(タグ取付装置)50を備えているピッキングシステムであってもよい。
以下、ラベル貼付装置50について、図6を用いて説明する。
【0031】
ラベルLは、RFID(Radio Frequency IDentification)タグTが付設され、帯状の台紙Dに順に仮着されている。
ラベル貼付装置50は、フレーム51と、フレーム51に設けられたラベル供給部52と、ラベル貼付部60とを備えている。
ラベル供給部52は、RFIDタグTが付設されたラベルLが仮着された台紙Dを巻回したロール53を回転可能に支持して台紙Dを送り出す。ラベル供給部52から送り出された台紙Dは、ラベル搬送機構54により搬送される。ラベル搬送機構54においては、台紙Dは、フレーム51に設けた複数の送りローラにより搬送され、図示しない剥離ローラに折り返しされてラベルLが引き剥がされ、図示しないリールに巻き取られる。
【0032】
ラベル貼付部60は、フレーム51に設けられるボックス状の支持体61と、この支持体61の下部に上下に移動可能に設けられる吸着板62とを有している。吸着板62は、所定の吸着位置XにおいてラベルLを吸着し、所定の貼付位置YでラベルLを物品Wに貼付する。吸着板62は、ラベルLの表面を吸着するためのエアを吸引する複数の小孔(図示せず)が設けられている。吸着板62は、常時前進位置に付勢するコイルスプリング63を介して、ベース64に対して前後動可能に支持されている。また、ベース64は、吸着板62を吸着位置Xあるいは貼付位置Yに移動させるエアシリンダ装置65に取り付けられている。
【0033】
ピッキングシステムは、上記構造のラベル貼付装置50において、搬送用ワークボックス70に載置されたワークの上面にラベルLを貼り付け、下流側に配置されている上述のピッキングロボット10に搬送用ワークボックス70を受け渡す。そして、ピッキングロボット10は、RFIDタグTが貼り付けられたワークWをピッキングする。
ピッキングシステムにおいては、ワークWの上面にRFIDタグTを取り付けることができるので、IDリーダが確実にRFIDタグTの情報を読み取ることができる。
【0034】
(F)
上記実施形態のピッキングシステム1では、積み付け用のワークボックスとして、積み付け用ワークボックス41を一つだけ備えている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
ここで、ワークWをピッキングした際にICタグTの破損等により、ICタグTが正常に読み取れない場合がある。また、ピッキングしたワークWが、想定していたものと異なっている場合(選択部22が選択したワークWが、本来ピッキングする予定であったワークWとは異なる場合)がある。
【0035】
そこで、図7に示すように、積み付け用ワークボックス41とは別に、イレギュラー用ワークボックス42を備えるようにしてもよい。この場合、上記に示したような異常時には、該当するワークWをイレギュラー用ワークボックス42に積み付けることが可能となるので、異製品の混入等を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明によれば、実際にピッキングされたワークの識別情報を確実に取得することができるので、ワークの仕分状況や、配送状況等をコンピュータで管理する、例えば、自動倉庫や搬送装置等へ広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態に係るピッキングシステムの構成を示した説明図。
【図2】図1のピッキングロボットのハンド周辺を拡大した斜視図。
【図3】図1のIDリーダを示す斜視図。
【図4】図1の記憶部に記憶されているデータベースの内容についての説明図。
【図5】本発明の一実施形態に係るピッキングシステムの動作を示したフローチャート。
【図6】本発明の他の実施形態に係るラベル貼付装置を示した断面図。
【図7】本発明の他の実施形態に係るピッキングシステムの構成を示した説明図。
【符号の説明】
【0038】
1 ピッキングシステム
10 ピッキングロボット
11 アーム
12 ハンド(吸着部)
13 筒状部
14 治具
15 IDリーダ
15a アンテナ
15b 孔
16 真空ポンプ(吸引装置)
20 コントローラ
21 制御部
22 選択部(コントローラ)
25 記憶部
40 ピッキング用ワークボックス
41 積み付け用ワークボックス
42 イレギュラー用ワークボックス
50 ラベル貼付装置(タグ取付装置)
51 フレーム
52 ラベル供給部
53 ロール
54 ラベル搬送機構
60 ラベル貼付部
61 支持体
62 吸着板
63 コイルスプリング
64 ベース
65 エアシリンダ装置
70 搬送用ワークボックス
P1 第1所定位置
P2 第2所定位置
T RFIDタグ(ICタグ)
DB データベース
PG ピッキングプログラム
W ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICタグが取り付けられた物品をピッキングするピッキングロボットであって、
ループ状にアンテナが形成されており、前記ICタグの情報を取得するIDリーダと、
前記アンテナの内側に配置され、前記物品をピッキングするピッキング部と、
を備えている、ピッキングロボット。
【請求項2】
前記ピッキング部は、前記物品を吸着する吸着部と、前記吸着部に接続された樹脂製の筒状部と、を有しており、
前記筒状部は、前記アンテナに内挿されている、
請求項1に記載のピッキングロボット。
【請求項3】
前記IDリーダは、前記ピッキング部が前記物品をピッキングする動作中に前記ICタグの情報を取得する、
請求項1または2に記載のピッキングロボット。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のピッキングロボットと、
前記IDリーダが取得した前記物品のICタグの情報から前記物品の属性情報を取得するコントローラと、
を備えており、
前記IDリーダは、前記ICタグの情報を取得するために、前記ICタグとの間で常時通信を行っており、
前記コントローラは、前記IDリーダから常時送信されてくる前記ICタグの情報の中から、前記ピッキング部が前記物品を持ち上げた後に送信されてくる前記ICタグの情報をピッキングされている前記物品の前記ICタグからの情報であると判断する、
ピッキングシステム。
【請求項5】
前記物品の上面に前記ICタグを取り付けるタグ取付装置をさらに備えている、
請求項4に記載のピッキングシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate