説明

ピロー包装体の耳折り方法及び耳折り装置

【課題】 被包装物として適用可能な製品の性質や形状、大きさ等に関係無く耳部を折り曲げること
【解決手段】 エンドシール装置にてエンドシール処理されて形成された耳部11を備えたピロー包装体10の当該耳部を折り曲げる耳折り方法である。ピロー包装体の本体を、上部抑えベルト17にて押圧してその本体内部の気体を横方向に移動させ、耳部が形成された本体の端部を横方向外側に膨張させる。その膨張させた状態で耳部を、加熱板18に押し付けることで、当該耳部を折り曲げる(図2(c))。本体の内圧は、押圧した際に本体が潰れても、その本体内部の製品15は押圧されないようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピロー包装体のエンドシールされた部位である耳部を折り曲げる耳折り方法及び耳折り装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
よく知られているように、ピロー包装機は、帯状のフィルムを製袋器を通して筒状に製袋し、重ね合わされたフィルム重合端をセンターシール装置によってシールすることにより筒状フィルムを形成する。一方、製袋器の上流側には、製袋器内に被包装物である製品を所定間隔ごとに供給する製品搬送供給装置が配置される。製品が筒状フィルム内に等間隔に配置された状態で搬送されるようになる。そして、ピロー包装機の搬出側に配置されたエンドシール装置にて、筒状フィルムを所定間隔ごとに横方向に横断するようにシール・カットすることにより、製品を内包するピロー包装体が製造される。
【0003】
図1は、係るピロー包装体の一例を示している。このピロー包装体1は、製品2を筒状の包装フィルム3で包み込むとともに、その包装フィルム3の適宜位置がシールされて密封される。具体的なシール部位は、筒状の軸方向に沿ったフィルムの両側縁を重ね合わせてシールしたセンターシール部4(センターシール装置で形成される)と、進行方向の前後を横方向にシールカットして形成される耳部5(エンドシール装置(トップシール装置)にて形成される)がある。
【0004】
そして、この耳部5を折り曲げたいという要求がある。これは、通常の包装処理をした状態では、図示するように、耳部5は水平方向に突出した状態となっているため、耳部5を折り曲げることで、包装体1の外形状が製品2の外形状にほぼ等しくすることができ、これにより、例えば係る包装体(耳折り済み)を箱詰め作業する際に容易に行えるばかりでなく、容積の小さい箱を用いて収納することができるなどのメリットを有するためである。また、片側の耳部5を折り曲げることで、その耳部を折り曲げた側を平坦面にして底部とし、包装体を起立可能にすることもある。
【0005】
係る耳部5を折り曲げるためには、エンドシール装置の後段に独立して、或いはエンドシール装置と一体に、エンドシールされるとともに筒状フィルムから切り離されてフリー状態となった耳部5に対し、折り曲げ処理を行う耳折り装置を設けている。係る耳折り装置を実装した包装機としては、従来特許文献1に開示されたものなどがある。
【0006】
この特許文献1に開示された装置は、ガゼット付き包装体の耳部より下側をフィルム抑え板で抑えつけた状態にし、次いで折り曲げローラを下降させて耳部を下方に折り曲げたのち、シーラーを側方から前進させて耳部を包装体の側面に熱接着するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−238065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した耳折り装置は、耳部を折り込む際に包装体を側方から抑えつける構成であるため、収納された被包装物が軟らかい製品の場合には、フィルム抑え板で押されて、製品がつぶれるなどダメージを与えてしまう。そのため、被包装物として適用可能な製品の性質や形状、大きさ等に制限があり、汎用性が十分に確保されないという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明に係るピロー包装体の耳折り方法は、(1)エンドシール装置にてエンドシール処理されて形成された耳部を備えたピロー包装体の当該耳部を折り曲げる耳折り方法であって、前記ピロー包装体の本体を押圧してその本体内部の気体を移動させることで、前記耳部が形成された前記本体の端部を外側に膨張させ、その膨張させた状態で前記耳部を、前記ピロー包装体の外側に配置した受け部材に押し付けることで、当該耳部を折り曲げるものであり、前記本体の内圧は、前記押圧した際に本体が潰れても、その本体内部の製品は押圧されないようにした。ピロー包装体(本体)の耳部以外の場所を押圧すると、本体内の気体が内部で移動し、耳部が形成されている端部が膨張する。従って、その膨張する外側に受け部材を配置しておくことで、当該膨張により端部(耳部)が受け部に押し付けられ、耳部が折り曲げられる。そして、耳部の折り曲げは、本体内部の気体の移動に伴う膨張を利用しているので、必要以上に過大な力が製品に加わることもなく、製品の種類・材質に関係無く当該製品にダメージを与えることが可及的に抑制される。耳部の折り曲げ方向は、任意に設定できる。たとえば、押圧する方向が上下方向とした場合、実施形態のように、上方から押圧して、耳部も下方に折り曲げるようにしても良いし、ガイド板の姿勢を逆にすることで、上側に折り曲げるようにすることもできる。
【0010】
(2)前記耳部が形成されている前記本体の両端部を、前記受け部材によって内側に寄せた後、前記押圧を行うようにするとよい。本体は、受け部材により押されて内圧が高められ、押圧した際に製品を押さえつけてしまうことを防止することができる。
【0011】
(3)前記受け部材には、ヒータを設け、加熱することにより癖付けを行うようにするとよい。加熱された耳部・本体は、軟らかくなり、スムーズかつ綺麗に折り曲げがされる。その後、冷めると、その折り曲げられた状態が保持される。
【0012】
(4)前記受け部材に押し付けられて折り曲げられた前記耳部を、前記本体に対して接着或いは熱溶着する処理を行うとよい。(5)前記受け部材に押し付けられて折り曲げられた前記耳部同士を接着部材で連結する処理を行うとよい。このようにすると、折り曲げられた耳部は、本体から離れて広がることを抑制できる。
【0013】
(6)前記受け部材に供給する前の前記ピロー包装体に対し、ガイド部材にその耳部を内向きに折り曲げて前記受け部材間に供給する前処理を行うとよい。よりスムーズに受け部材に対して所望の姿勢で耳部を対向させることができ、所望の方向に耳部を折り曲げることができる。
【0014】
(7)前記本体の前記耳部が形成されていない部位に、予め前記耳部に沿って折り癖を付けておき、前記押圧を行うことで、その折り癖に沿って前記本体包装体に角部を形成するようにするとよい。このようにすると、例えば図6に示すように、トレーに入れたような形状にすることもでき、高級感を醸し出したり、趣・面白みがある形態にしたりすることができる。
【0015】
(8)前記ピロー包装体を搬送する搬送手段の上方に、上部抑えベルト手段を設け、前記押圧は、その上部抑えベルト手段と前記搬送手段との間で前記ピロー包装体を挟み込むことで行うようにするとよい。このようにすると、搬送手段でピロー包装体を搬送しながら耳折り処理を行うことができ、高速処理が行え、単位時間当たりの処理数を高くすることができる。もちろん、ピロー包装体を間欠的に移動し、適宜のタイミングで耳折りをしても良い。
【0016】
(9)前記押圧は、上方及びまたは下方から行うことができる。横ピロー包装機から搬送されるピロー包装体は、耳部が横に突出した姿勢で搬送される。そのため、そのままの搬送姿勢とすると、押圧方向は上下方向とするとよい。なお、たとえば、縦ピロー包装機のように、上下方向に搬送される場合、耳部も垂直方向に延びるので、押圧方向は水平方向とするとよい。
【0017】
上記の各方法を実施するための耳折り装置は、以下に示す各種の構成を採ることができる。(10)エンドシール装置にてエンドシール処理されて形成された耳部を備えたピロー包装体の当該耳部を折り曲げる耳折り装置であって、前記ピロー包装体の本体を押圧してその本体内部の気体を横方向に移動させることで、前記耳部が形成された前記本体の端部を横方向外側に膨張させる押圧手段と、その押圧手段で押圧されて膨張した前記端部を押し付ける、前記ピロー包装体の外側に配置した受け部材と、を備えて構成できる。
【0018】
(11)前記受け部材には、ヒータが設けられるようにすると良い。(12)また、折り曲げた前記耳部を前記ピロー包装体の本体に熱溶着する熱溶着手段を備えるとよい。(13)前記受け部材の上流側に、前記耳部に熱硬化性接着剤を塗布する手段を設けるとよい。(14)前記受け部材の下流側に、折り曲げた一対の耳部に跨って接着部材を貼着する接着部材貼着手段を設けてもよい。
【0019】
(15)前記受け部材の上流側に、その耳部を内向きに折り曲げて前記受け部材間に供給するガイド部材を設けるとよい。(16)前記ピロー包装体を搬送する搬送手段と、その搬送手段の上方に設けられた上部抑えベルトとを備え、その上部抑えベルトが前記押圧手段を構成するとよい。上部抑えベルトを用いることで、押圧方向は上下方向となる。実施形態のように、上部抑えベルト17のベルト面が下方傾斜状にすることで、上方から押圧することになるが、たとえば搬送手段の搬送面が徐々に上昇するようにすることで、下方から(上方に向けて)押圧するようにすることもできる。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、製品の性質や形状、大きさ等に関係無く耳部を確実に折ることができ、しかも、製品にダメージを与えることもない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】ピロー包装体(耳折り前)の一例を示す図である。
【図2】本発明の好適な一実施の形態を示す図である。
【図3】本発明の好適な別の実施の形態を示す図である。
【図4】本発明の好適な別の実施の形態を示す図である。
【図5】本発明の好適な別の実施の形態を示す図である。
【図6】本発明の好適な別の実施の形態で製造されたピロー包装体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図2は、本発明のピロー包装体の耳折り装置の一実施形態を示している。図2(a)は、ピロー包装機の搬出側に配置される第1搬送コンベア12にて、製品15を内包するピロー包装体10が搬送されている状態を示している。図示するように、ピロー包装体10は、進行方向の前後に耳部11が形成された形状からなる。ピロー包装体10は、その製造工程上、製品(被包装物)を内包した状態の筒状フィルムを、内部に空気が存在している状態のままエンドシール装置にて横方向にシールカットするため、その包装体の内部に所定の量の空気が残存する。また、筒状フィルム内にガス噴射用のノズルを配置し、筒状フィルムの先端空間内に、窒素ガスその他の不活性ガス等を噴射し、内部の空気と置換する場合もあるが、いずれにしても、ピロー包装体10の内部には、製品と共に所定量の気体が存在することになる。なお、本発明では、気体の種類はあまり関係がないので、以下の説明では、当該「気体」は、一般的なピロー包装体10で用いられる空気と記載する。
【0023】
この第1搬送コンベア装置12は、ピロー包装機のエンドシール装置の直後に設けられた搬出コンベアでも良いし、その搬出コンベアのさらに下流側に設けられたものでも良い。そして、平面レイアウトの具体的な図示は省略するが、この第1搬送コンベア12の下流側には、搬送方向が90度異なる第2搬送コンベア13を配置している。これにより、包装体10は、第1搬送コンベア12上では、耳部11が前後に位置した姿勢で搬送されるが、第2搬送コンベア13上では、耳部11は進行方向の左右両側に位置する姿勢で搬送される。つまり、図2(b)は、進行方向の前方あるいは後方側から見た図であり、包装体10は、紙面と直行する方向に搬送される。
【0024】
この第2搬送コンベア13は、たとえばエンドレスベルトを備えたベルトコンベアであり、図2(b),(c),(d)は、その第2搬送コンベア13の適宜位置を上流側から順番に示したもの(正面図:内部機構を省略した断面図)である。
【0025】
まず、上流側には、第2搬送コンベア13の搬送面の上方であって、その進行方向左右両側に、ガイド板14を配置している。このガイド板14は、上方に行くにつれて外側に開いた逆ハの字状に配置した傾斜板となり、包装体10の両方の耳部11を下方に折り曲げるように案内するものである。そして、本実施形態では、ガイド板14の下方先端14aは、包装体10の下方に入り込むように配置されている。これにより、耳部11は、ガイド板14に沿って折り曲げられ、包装体10の表面に沿うように近接する。
【0026】
ただし、このガイド板14は、図2(a)に示すように、水平方向にピンと張った状態で突出する耳部11の先端を下方に向けることで、最終的な折り曲げ状態を保持させるように加工する装置にスムーズに供給するためのものであり、包装体10(被包装物)に対して耳部11を押し付けてもいない。よって、このガイド板14では、耳部11は完全には折り癖などつけられることはなく、ガイド板14を通過した包装体10は、ガイド板14から離反した耳部11は、元に戻ろうと広がる(図2(c))。また、一対のガイド板14の間を、入り口側の上流端を少し広げ、耳部11が、スムーズに折れ曲がるようにするとよい。なお、ガイド板14の入り口側には、耳部11の先端が下方に向くようなガイドを設けると、確実に耳部11が下方に折り曲げられるのでより好ましい。またガイド板14は、耳部を水平状態から下方に折れ曲がった状態へと徐々に変化させるような形状を備えたものでも良い。
【0027】
このガイド板14の下流側には、第2搬送コンベア13の上方に上部抑えベルト17を配置し、第2搬送コンベア13の左右両側にはヒータ内蔵の加熱板18を配置している。上部抑えベルト17は、そのベルト面の位置が進行方向前側が下方に下がる傾斜状にしている。これにより、第2搬送コンベア13の上面との上部抑えベルト17の下面との間の間隔は、進行方向前方に行くに従って、徐々に狭くなるので、上流側では図2(c)に示すように、上部抑えベルト17とピロー包装体10との間に空間が形成されているが、下流側では図2(d)に示すように、上部抑えベルト17の下面がピロー包装体10の上面に接触し、その表面を下方に押圧し、ピロー包装体10を少し押し潰すようになる。このとき、上述したように、ピロー包装体10の内部には、空気が存在しているので、上部抑えベルト17で押された空気は、ピロー包装体10の内部を横方向外側に向けて移動し、ピロー包装体10は押し潰された状態に変形する。このとき、上部抑えベルト17は、ピロー包装体10のフィルムを介して製品15を押圧することはなく、製品15の上方空間とピロー包装体10の上面との間には空気が存在するようにしている。これにより、製品15にダメージを与えることはない。
【0028】
加熱板18は、ガイド板14と同様に、上方に行くほど外側に位置する傾斜状に配置されている。そして、図2(c)に示すように、ピロー包装体10が上部抑えベルト17により押されていない状態では、ピロー包装体10と非接触であるが、ピロー包装体10が上部抑えベルト17にて押圧されることで、耳部11が形成されている端部が外側に膨張し、耳部11は加熱板18に接触する。そして、ピロー包装体10の内圧を適宜に調整していることで、押し潰された空気の圧力により、耳部11を加熱板18の側面に向けて付勢する。よって、係る内部の空気の外側に移動しようとする付勢力が、耳部11を加熱板18に押し付けることになる。よって、耳部11は、しっかりと押されて折り曲げられる。そして、耳部11を折り曲げる力は、ピロー包装体10内の空気の内圧であり、この上部抑えベルト17にてピロー包装体10を押圧している間も、内部の製品15には大きな力は加わらないので、仮に製品15が軟らかかったり、脆弱で変形・損傷しやすい材質のもの例えばパンなどであっても、ダメージは与えられず、元の状態を維持することができる。
【0029】
さらに、本実施形態では、加熱板18により折り曲げられた耳部11の部分も加熱されることで、当該フィルム部位が軟らかくなりよりスムーズに耳部11の根本部分から折り曲げた状態になる。そして、その語に加熱板18を通過したピロー包装体10は、耳部11及びその周辺部分が冷却され、図2(e)に示すように、耳部11はピロー包装体10の下面に沿う姿勢でかたまる。よって、綺麗な耳部11の折り曲げが行われる。
【0030】
また、上部抑えベルト17の下側のベルト面の位置は、上流側は高くピロー包装体10と非接触となり、下流側は低くピロー包装体10に接触するようにしているが、必ずしも全長に渡り同一面に位置する必要はない。つまり、たとえば、上流側では、下方傾斜状にし、ベルト面がピロー包装体10に接触した以降は、水平に移動するようにしたり、逆に、一定期間押圧したならば、さらなる下流側では、逆に徐々に上昇していく登り斜面としてもよい。要は、上部抑えベルト17の一部の領域で、ピロー包装体10を下方に押圧してピロー包装体10を軽く押し潰しことができるようになっていればよい。
【0031】
さらにまた、一対の加熱板18の間隔は、ピロー包装体10の横幅(一対の耳部11の根本間の距離)よりも狭くすると良い。このようにすると、耳部が形成されている両端部を加熱板18により内側に寄せた後、上部抑えベルト17にてピロー包装体10を押圧することになり、押圧する前の製品15とピロー包装体10の上側との間の空間・距離が広がるとともに、内圧も高められるため、上部抑えベルト17にて押さえられた場合に製品15が受けるダメージの発生をより可及的に防止できる。
【0032】
図3は、本発明の別の実施形態の要部を示す図である。本実施形態では、図3(a)に示すように、第2搬送コンベア13の加熱板18よりも上流側の所定位置に、ホットメルト等の熱硬化性接着剤を塗布する接着剤塗布装置(ノズル)22を配置し、折り曲げ耳部11の下面に熱硬化性接着剤を塗布する。
【0033】
そして、加熱板18で耳部11を加熱・加圧する際に、熱硬化性接着剤は、加熱板18にて加熱される。これにより、上部抑えベルト17にてピロー包装体10が押し潰されて、その内圧により耳部11が加圧板18に押し付けられて折り曲げ処理がなされるとともに、接着処理をすることができる。よって、その後、加熱板18を通過したピロー包装体10は、当該接着剤により耳部11がピロー包装体10の表面に接着されているので、耳部11が開くことがない。
【0034】
本実施形態のように、熱硬化性接着剤を用いると、加熱板18に因る耳部の折り曲げ処理と、熱接着処理が同時に行えるので、装置が簡略化して好ましいが、本発明はこれに限ることはなく、耳部を折り曲げた後、その耳部をピロー包装体の本体に熱溶着するようにしてもよい。この熱溶着するための溶着シーラは、加熱板18の下流側に設けても良いし、図4に示すように、加熱板18の一部に孔部を設け、溶着シーラ21をその孔部内に挿入配置し、加熱板18による耳部11の折り曲げを行うとともに、熱溶着するようにしてもよい。
【0035】
また、図示は省略するが、これらの実施形態においても、上述した図2に示す実施形態同様にガイド板を設けるとよい。なお、その他の構成並びに作用効果は、上述した実施形態及び変形例と同様であるのでその詳細な説明を省略する。
【0036】
図5は、さらに別の実施形態を示している。この実施形態では、上記の実施形態における加熱板18の下流側に、接着テープ貼り付け装置25を設け、折り曲げられた一対の耳部11同士を接着テープ26にて連結するようにしている。これにより、耳部11をピロー包装体10の本体表面に接着等しなくても、耳部11が開くことを防止できる。なお、接着テープ26は品質表示が印刷される場合もある。なお、その他の構成並びに作用効果は、上述した各実施形態及び変形例と同様であるのでその詳細な説明を省略する。
【0037】
図6は、さらに別の実施形態において製造されたピロー包装体10を示している。この実施形態では、ピロー包装体10の本体の所定位置に耳部11に沿って、平行に線状の折り癖(折れ線)27を設けておく。この折り癖27は、たとえば、ピロー包装機本体において、製袋器に供給する前の帯状フィルムに対し、カットピッチに応じた所定間隔ごとに、エンドシールされる部位の近傍に横方向に延びるフィルム折り癖をつけることで実現できる。
【0038】
このように折り癖が付けられたピロー包装体10を、上部抑えベルト17に手下方に向けて押圧すると、上述したように、ピロー包装体10が潰れてその側周縁が外側に膨らみ、耳部を折り曲げることができるが、このとき、折り癖27が形成されていると、その折り癖27の部分でフィルムが折れ曲がる。その結果、図6に示すように、トレーが入ったような形状に形成し高級感を出すことができる。なお、その他の構成並びに作用効果は、上述した各実施形態及び変形例と同様であるのでその詳細な説明を省略する。
【0039】
上述した各実施形態では、いずれも第2搬送コンベア13にてピロー包装体10を水平方向に搬送し、上部抑えベルト17のベルト面が下方傾斜状にすることで、上方から押圧するようにしているが、第2搬送コンベア13の搬送面が進行方向前方に行くに従って徐々に上昇する傾斜面を備え、ピロー包装体10に対して下方から上方に向けて押し上げて押圧するようにしても良いし、それらを両方組み合わせても良い。
【0040】
また、耳部の折曲げは、上述した各実施形態では、ピロー包装体10の本体の下方に巻き込むようにしたが、上側にしても良い。これは、たとえばガイド板18の傾斜を逆向き(ハの字状)にするとともに、本体の上側に配置することで対応できる。その場合に、特に下方から上方に押圧するとより好ましいが、本実施形態のように上方から押圧するようにしても、ガイド板18の向きを変えるだけで対応可能である。特に、逆ピロー包装機を用いてセンターシール部が上に位置しているような場合、耳部を上側に折り曲げることで、折り曲げた耳部をセンターシール部側に位置させることができるので好ましい。
【0041】
上述した各実施形態や変形例では、いずれも第2搬送コンベア13にてピロー包装体10を搬送しながら連続的に当該ピロー包装体10を押圧して耳部を折り曲げたが、ピロー包装体10を間欠的に搬送し、一時停止している際に、上方から押圧部材を下降移動させてピロー包装体を押圧するようにしてもよい。
【0042】
さらにまた、本発明は、ピロー包装体10の搬送方向が水平方向のものに限ることはなく、たとえば、縦ピロー包装機のように製造されるピロー包装体が垂直方向に移動するものにも適用することができる。その場合には、押圧する方向が水平方向とすればよい。
【符号の説明】
【0043】
10 ピロー包装機
11 耳部
13 第2搬送コンベア
15 製品
17 上部抑えベルト(押圧手段)
18 加熱板(受け部材)
21 溶着シーラ
22 接着剤塗布装置
27 折り癖

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンドシール装置にてエンドシール処理されて形成された耳部を備えたピロー包装体の当該耳部を折り曲げる耳折り方法であって、
前記ピロー包装体の本体を押圧してその本体内部の気体をその押圧の方向と交差する方向に移動させることで、前記耳部が形成された前記本体の端部を外側に膨張させ、
その膨張させた状態で前記耳部を、前記ピロー包装体の外側に配置した受け部材に押し付けることで、当該耳部を折り曲げるものであり、
前記本体の内圧は、前記押圧した際に本体が潰れても、その本体内部の製品は押圧されないようにしたことを特徴とするピロー包装体の耳折り方法。
【請求項2】
前記耳部が形成されている前記本体の両端部を、前記受け部材によって内側に寄せた後、前記押圧を行うことを特徴とする請求項1に記載のピロー包装体の耳折り方法。
【請求項3】
前記受け部材には、ヒータを設け、加熱することにより癖付けを行うことを特徴とする請求項1または2に記載のピロー包装体の耳折り方法。
【請求項4】
前記受け部材に押し付けられて折り曲げられた前記耳部を、前記本体に対して接着或いは熱溶着する処理を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のピロー包装体の耳折り方法。
【請求項5】
前記受け部材に押し付けられて折り曲げられた前記耳部同士を接着部材で連結する処理を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のピロー包装体の耳折り方法。
【請求項6】
前記受け部材に供給する前の前記ピロー包装体に対し、ガイド部材にその耳部を内向きに折り曲げて前記受け部材間に供給する前処理を行うことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のピロー包装体の耳折り方法。
【請求項7】
前記本体の前記耳部が形成されていない部位に、予め前記耳部に沿って折り癖を付けておき、前記押圧を行うことで、その折り癖に沿って前記本体包装体に角部を形成することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のピロー包装体の耳折り方法。
【請求項8】
前記ピロー包装体を搬送する搬送手段の上方に、上部抑えベルト手段を設け、前記押圧は、その上部抑えベルト手段と前記搬送手段との間で前記ピロー包装体を挟み込むことで行うことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のピロー包装体の耳折り方法。
【請求項9】
前記押圧は、上方及びまたは下方から行うことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のピロー包装体の耳折り方法。
【請求項10】
エンドシール装置にてエンドシール処理されて形成された耳部を備えたピロー包装体の当該耳部を折り曲げる耳折り装置であって、
前記ピロー包装体の本体を押圧してその本体内部の気体を移動させることで、前記耳部が形成された前記本体の端部を外側に膨張させる押圧手段と、
その押圧手段で押圧されて膨張した前記端部を押し付ける、前記ピロー包装体の外側に配置した受け部材と、
を備えたことを特徴とするピロー包装体の耳折り装置。
【請求項11】
前記受け部材には、ヒータが設けられていることを特徴とする請求項10に記載のピロー包装体の耳折り装置。
【請求項12】
折り曲げた前記耳部を前記ピロー包装体の本体に熱溶着する熱溶着手段を備えたことを特徴とする請求項10または11に記載のピロー包装体の耳折り装置。
【請求項13】
前記受け部材の上流側に、前記耳部に熱硬化性接着剤を塗布する手段を設けたことを特徴とする請求項11に記載のピロー包装体の耳折り装置。
【請求項14】
前記受け部材の下流側に、折り曲げた一対の耳部に跨って接着部材を貼着する接着部材貼着手段を設けたことを特徴とする請求項10から13のいずれか1項に記載のピロー包装体の耳折り装置。
【請求項15】
前記受け部材の上流側に、その耳部を内向きに折り曲げて前記受け部材間に供給するガイド部材を設けたことを特徴とする請求項10から14のいずれか1項に記載のピロー包装体の耳折り装置。
【請求項16】
前記ピロー包装体を搬送する搬送手段と、
その搬送手段の上方に設けられた上部抑えベルトとを備え、
その上部抑えベルトが前記押圧手段を構成することを特徴とする請求項10から15のいずれか1項に記載のピロー包装体の耳折り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−162217(P2011−162217A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−25231(P2010−25231)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【出願人】(000206093)大森機械工業株式会社 (138)
【Fターム(参考)】